JPH09266452A - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JPH09266452A
JPH09266452A JP8095891A JP9589196A JPH09266452A JP H09266452 A JPH09266452 A JP H09266452A JP 8095891 A JP8095891 A JP 8095891A JP 9589196 A JP9589196 A JP 9589196A JP H09266452 A JPH09266452 A JP H09266452A
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和則 猪飼
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浩章 須藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波回路部分を少なくし高周波回路に内在
する高電力消費要素と動作不安定要素を少なくする移動
通信機器用の受信装置を提供する。 【解決手段】 アンテナから得た受信信号1は高周波増
幅され、その出力は第1の帯域通過フィルタ3により該
当する通信システムの全チャネル信号のみを他の無線信
号から抽出する。この出力は局部発信周波数fLOで周波
数変換され、第2の帯域通過フィルタ6により希望波の
みを通過させる。この出力はサンプル・ホールド回路8
に供給されてサンプル・ホールドが行なわれる。サンプ
ル・ホールド回路におけるサンプリングは帯域制限サン
プリング定理を用いる。こうして得られた受信信号の離
散化信号はI軸成分分離回路10とQ軸成分分離回路11にそ
れぞれ供給される。標本出力はI軸Q軸各々、1つ置き
に標本出力の極性を反転することにより、ヒルベルト変
換を行ない、位相平面上の直交2成分の形にする。この
2信号は複素係数フィルタ12に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動通信機器におけ
る受信装置に関し、特に高周波回路部分を少なくして高
周波回路に内在する高電力消費要因及び動作不安定要因
を低減することができる受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信機器における受信装置のポイン
トのひとつは、高周波回路部分をいかに少なくし高周波
回路に内在する高電力消費要素と動作不安定要素と製造
コストと占有する空間とを少なくすることにある。ここ
で、受信装置の高周波部が複雑になっている原因の一つ
は、希望チャネル帯域を隣接チャネルから切り離して取
り出すための切れの良いチャネルフィルタの実現が非常
に難しく、数段に分けて徐々に特性を確立しなければな
らないからである。
【0003】まず、現在の移動通信機器に用いられてい
る受信方式の構成例を図38に示す。また、同じく従来
例として、特開平6-164243号公報に記載されているよう
に、高周波回路部分を低減するために、搬送周波数を局
部発振周波数とする直接復調方式すなわちベースバンド
帯域への直接変換方式であるダイレクトコンバージョン
受信方式を図39に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図38において、周波
数fcなる無線信号がアンテナANTより入り、低雑音増幅
器LNAで増幅された後、帯域通過型フィルタBPF1を通過
して通信システムの対象となっている周波数チャネル全
体を他の通信信号群から抽出する。その出力は周波数変
換器MIX1により第1中間周波数に変換され、第1中間周
波数フィルタIF1-FLTにより希望する周波数チャネル以
外の信号成分をできるだけ除去する。その出力は第1中
間周波増幅器IF1-AMPで補強されて周波数変換器MIX2に
供給される。
【0005】第2中間周波数となった受信信号は第2中
間周波数フィルタIF2-FLTによりさらに希望する周波数
チャネル以外の信号成分を除去される。その出力は第2
中間周波増幅器IF2-AMPで補強されて直交検波器Q-DETに
入る。
【0006】ここで第2中間周波数fLOにより周波数変
換作用も受け、ベースバンド帯へ還元される。周波数変
換におけるイメージ信号除去を含めた周波数チャネル以
外の信号成分の除去のために低域通過型フィルタLPFを
通過させる。このようにして希望するチャネルの信号を
取りだし、ベースバンド増幅器BF-AMPにより所定の信号
強度に増幅して受信出力が提供される。
【0007】そこでまず、従来例である図38に示した
マイクロ波帯付近で使われる通信機器の受信装置につい
ての課題を示す。
【0008】第1の課題としては図38の従来例に見ら
れるように、直交検波を含めて3段の周波数変換がなさ
れ、4段のフィルタリングと4段の増幅がされる。局部
発振器としてはLO1、LO2、fLOの3種類を用意しなけれ
ばならない。したがって受信装置には多くの部品が必要
となることである。
【0009】第2の課題は、これらの多くの部品が大き
な消費電力を生じることである。
【0010】つぎに、受信装置の簡略化を図ったダイレ
クトコンバージョン受信装置について図39の例を考え
る。図39においては、一対の各混合器18、19に受信し
たAM高周波信号を入力し、それぞれ相互に90度位相が
異なる搬送周波数に等しい高周波信号を混合する。
【0011】混合器18、19の出力をそれぞれローパスフ
ィルタ23、24、A/D変換器25、26を介して各移相器2
7、28に入力する。移相器27、28で相互に位相が90度だ
け異なるように位相を遅延された各信号はマトリクス回
路29に入力され、各信号の和および差の信号が導出され
る。
【0012】マトリクス回路29からの信号は、D/A変
換器30、31でアナログ信号に変換され、AM高周波信号
の各側波帯の変調信号が分離され、雑音の少ない方の信
号がスピーカ35に選択出力され、雑音や混信の少ないダ
イレクトコンバージョン受信装置が実現されるとされて
いる。
【0013】ここで、この従来例について回路の消費電
力や部品に要求される性能を考える。図39の従来例で
は、受信信号を隣接する妨害信号から分離し抽出するた
めのチャネルフィルタは、ローパスフィルタ23、24およ
びA/D変換後のディジタル回路内に設けるディジタル
フィルタで確保することになる。
【0014】復調回路42において信号処理をディジタル
回路で行なう場合に、無線系のフィルタ23、24を簡易化
することはできるが、十分な振幅分解能および周波数分
解能を得るためにはディジタル系42の演算クロック速度
がアナログ系の最高周波数成分よりも十分に高くなくて
はならないために動作部分が高速になってしまうととも
に、ディジタル系42では動作振幅が一定かつ数ボルトと
大きいために、アナログ系で処理する場合の数倍の消費
電力の増大を招くという課題をもつ。
【0015】さらに、論理回路系ではパラレルに動作す
る処理系が多い。すなわち、演算クロック速度がベース
バンド周波数に近いとしても回路の総消費電力は、(電
圧振幅の2乗)×(処理速度)×(回路系負荷静電容
量)×(パラレル数)となるために大きなものになって
いる。すなわち、信号をディジタル回路で処理すること
は消費電力を増大するマイナス要素をもつ。
【0016】第3の課題としては、信号処理のディジタ
ル化を図った場合に、無線系で処理する場合の数倍の消
費電力の増大を招くことである。
【0017】第4の課題としては、従来のディジタルフ
ィルタは演算が複雑で、簡略な構成でも加減乗除を要
し、消費電力を無視できない点があった。
【0018】また、信号のディジタル化をすべきA/D
変換器25、26について考えると、一般に入力信号に要求
される電圧振幅は1ボルトないし2ボルトという大きな
ものである。したがってその振幅を供給する能力は図3
9に示された従来例においては、その前段の混合器18、
19に要求されることとなる。これは図39の従来例が対
象とするAM無線帯すなわち中波放送帯の周波数におい
ては可能と言えなくはないが、より高い周波数であるT
V放送や携帯電話などの周波数帯域においてはそのよう
な大きい出力が得られる混合器は存在しない。そのた
め、一般にはA/D変換器の前段に増幅器を挿入して電
圧振幅を増幅する必要がある。したがって、第5の課題
としては、A/D変換器を用いる方法を採ると無線系あ
るいはアナログ系の電力が大きく増大するというマイナ
ス要素がある。
【0019】また、図39に見られる従来方式では、局
部発振器の発生する周波数は受信信号の搬送波周波数と
等しい。このために、第6の課題としては、多くの通信
方式において障害を生じるということである。すなわ
ち、図40(a)に示すように、従来方式の局部発振信号
は、発振周波数が受信回路系の同調周波数と同一なため
に受信回路系に漏れて、空中線から隣接局に妨害を与え
たり、混合器18、19の受信信号入力部側から入る。混合
器では局部発振信号同士の混合すなわち乗算が生じ、図
40(b)に示すように直流成分が発生し、直流オフセッ
ト成分となって復調信号に誤りを与える。したがって局
部発振周波数に搬送周波数を選ぶ方式のダイレクトコン
バージョン受信方式はもっぱら単一周波数干渉に比較的
強い周波数変調方式の通信に採用されている。
【0020】ここで上述した課題を整理しておくと、第
1の課題は、良好な受信チャネル選択度の確保に受信装
置が多くの部品を必要とする。
【0021】第2の課題は、前記第1の課題である多く
の部品が、大きな消費電力を招くことである。
【0022】第3の課題は、信号処理のディジタル化は
アナログ処理の数倍の消費電力となる。
【0023】第4の課題は、従来のディジタルフィルタ
は演算が複雑で、消費電力が大きいということである。
【0024】第5の課題は、信号ディジタル化のA/D
変換器は大入力信号振幅を必要とするということであ
る。
【0025】第6の課題は、局部発振信号が受信信号の
搬送波周波数と等しいダイレクトコンバージョン受信方
式は、局部発振信号が空中線から隣接局に妨害を与えた
り、直流オフセットが発生し復調信号に誤りを与える。
【0026】本発明は、従来の受信装置に見られる前記
6つの課題を解決するために、高周波回路部分を少なく
し、高周波回路に内在する高電力消費要素と動作不安定
要素と製造コストと占有する空間とを少なくした受信装
置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1の発明は、搬送波周波数が均等の周波数間隔
でチャネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、
直交変調またはこれに類する変調方式を利用する無線シ
ステムを対象にする受信装置であって、受信希望チャネ
ル信号を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の
上端または下端または該当する隣接チャネルとの境界の
周波数を該境界周波数を中心に上下およそ各3チャネル
までの周波数範囲を選択的に中間周波数へ周波数変換す
る手段と、受信希望チャネルの帯域幅または該当無線シ
ステムのチャネル間隔周波数の1/2の周波数の16倍
の周波数でサンプリングする手段と、そのサンプリング
出力から位相上での直交成分を抽出する手段と、その正
相軸信号成分と直交位相軸信号成分とから受信希望チャ
ネルの信号を抽出する手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0028】また請求項2記載の発明は、搬送波周波数
が均等の周波数間隔でチャネル配置されまたはそれに近
似の周波数配置の、直交変調またはこれに類する変調方
式を利用する無線システムを対象にする受信装置であっ
て、受信希望チャネル信号を含む受信信号を受け受信希
望チャネルの帯域の上端または下端または該当する隣接
チャネルとの境界の周波数を該境界周波数を中心に上下
およそ各3チャネルまでの周波数範囲を選択的に直流領
域へ周波数変換する手段と、受信希望チャネルの帯域幅
または該当無線システムのチャネル間隔周波数の1/2
の周波数の16倍の周波数でサンプリングする手段と、
そのサンプリング出力から位相上での直交成分を抽出す
る手段と、その正相軸信号成分と直交位相軸信号成分と
から受信希望チャネルの信号を抽出する手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0029】また請求項3記載の発明は、請求項1記載
の発明において、受信希望チャネル信号を含む受信信号
を受け受信希望チャネルの帯域の上端または下端または
該当する隣接チャネルとの境界の周波数を中間周波数と
する周波数変換器と、この周波数変換器から周波数変換
出力を受け中間周波数を中心に上下およそ各3チャネル
までの周波数範囲を通過帯域とする中間周波段と、この
中間周波段の出力を受け受信希望チャネルの帯域幅の1
6倍または該当無線システムのチャネル間隔周波数の8
倍の周波数でサンプリングするサンプル・ホールド回路
と、そのサンプリング出力から位相上での直交成分を抽
出しその正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを生成
するヒルベルト変換器と、その受信信号正相軸信号成分
と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル信号に隣
接する上下各3チャネルの隣接チャネルを除去する機能
を有する複素係数フィルタと、その出力を個々に受ける
2基の位相等化器と、その個々の出力を受ける2基のロ
ーパス・フィルタとから受信希望チャネルの信号を抽出
することを特徴とする。
【0030】また請求項4記載の発明は、請求項2記載
の発明において、受信希望チャネル信号を含む受信信号
を受け受信希望チャネルの帯域の上端または下端または
該当する隣接チャネルとの境界の周波数を直流すなわち
ゼロ周波数とする周波数変換器と、この周波数変換器か
ら周波数変換出力を受け直流すなわちゼロ周波数を中心
に正負およそ各3チャネルまでの周波数範囲を通過帯域
とする低周波段と、この低周波段の出力を受け受信希望
チャネルの帯域幅の16倍または該当無線システムのチ
ャネル間隔周波数の8倍の周波数でサンプリングするサ
ンプル・ホールド回路と、そのサンプリング出力から位
相上での直交成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位
相軸信号成分とを生成するヒルベルト変換器と、その受
信信号正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて
希望チャネル信号に隣接する上下各3チャネルの隣接チ
ャネルを除去する機能を有する複素係数フィルタと、そ
の出力を個々に受ける2基の位相等化器と、その個々の
出力を受ける2基のローパス・フィルタとから受信希望
チャネルの信号を抽出することを特徴とする。
【0031】また、請求項5記載の発明は、請求項1な
いし請求項4いずれかに記載の発明において、前記2基
のローパス・フィルタから抽出した受信希望チャネルの
直交信号に対してそれぞれ間引き処理を行なう間引き回
路と、その2つの出力を受けてオフセット周波数を除去
するためのイメージ抑制型周波数変換回路とを備えるこ
とを特徴とする。
【0032】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記
2基の等化器から抽出した受信希望チャネルを含む直交
信号に対してそれぞれ平均化処理を行なう平均化回路
と、その2つの出力を受けてオフセット周波数を除去す
るためのイメージ抑制型周波数変換回路とを備えること
を特徴とする。
【0033】本発明の請求項7に記載の発明は、搬送波
周波数が均等の周波数間隔でチャネル配置されまたはそ
れに近似の周波数配置の、直交変調またはこれに類する
変調方式を利用する無線システムを対象にする受信装置
であって、受信希望チャネル信号を含む受信信号を受け
受信希望チャネルの帯域の上端または下端または該当す
る隣接チャネルとの境界の周波数を該境界周波数を中心
に上下およそ各12チャネルまでの周波数範囲を選択的
に中間周波数または直流領域へ周波数変換する手段と、
受信希望チャネルの帯域幅または該当無線システムのチ
ャネル間隔周波数の1/2の周波数の64倍の周波数で
サンプリングする手段と、そのサンプリング出力から位
相上での直交成分を抽出する手段と、その正相軸信号成
分と直交位相軸信号成分とから受信希望チャネルを含む
4チャネルの信号をそれ以外の隣接チャネルを除去して
抽出する手段と、抽出した受信希望チャネルを含む4チ
ャネルを、受信希望チャネルの帯域幅または該当無線シ
ステムのチャネル間隔周波数の1/2の周波数の16倍
の周波数をサンプリング周波数として、受信希望チャネ
ル以外の隣接チャネルを除去して受信希望チャネルのみ
を抽出する手段とを備えたことを特徴とする。
【0034】また、請求項8記載の発明は、請求項7に
記載の発明において、搬送波周波数が均等の周波数間隔
でチャネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、
直交変調またはこれに類する変調方式を利用する無線シ
ステムを対象にする受信装置であって、受信希望チャネ
ル信号を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の
上端または下端または該当する隣接チャネルとの境界の
周波数を該境界周波数を中心に上下およそ各12チャネ
ルまでの周波数範囲を選択的に中間周波数または直流領
域へ周波数変換する手段と、受信希望チャネルの帯域幅
または該当無線システムのチャネル間隔周波数の1/2
の周波数の64倍の周波数でサンプリングするサンプル
・ホールド回路と、そのサンプリング出力から位相上で
の直交成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位相軸信
号成分とを生成するヒルベルト変換器と、その受信信号
正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チ
ャネル信号に隣接する上側または下側の3チャネルの隣
接チャネル以外を除去する機能を有する第2の複素係数
フィルタと、その出力を個々に受ける2基の第2の位相
等化器と、その個々の出力を受ける2基の第2のローパ
ス・フィルタと、その出力を受け1/4に間引く第2の
間引き回路と、その受信信号正相軸信号成分と直交位相
軸信号成分とを受けて希望チャネル信号に隣接する上下
各2チャネルの隣接チャネルを除去するとともにベース
バンド信号帯域へ変換する機能を有する第1の複素係数
フィルタと、その出力を個々に受ける2基の第1の位相
等化器と、その個々の出力を受ける2基の第1のローパ
ス・フィルタと、その出力を受け1/4に間引く第1の
間引き回路と、オフセット周波数を除去するためのイメ
ージ抑制型周波数変換回路と、を備えることを特徴とす
る。
【0035】また、請求項9の発明は、請求項7に記載
の発明において、搬送波周波数が均等の周波数間隔でチ
ャネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、直交
変調またはこれに類する変調方式を利用する無線システ
ムを対象にする受信装置であって、受信希望チャネル信
号を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端
または下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波
数を該境界周波数を中心に上下およそ各12チャネルま
での周波数範囲を選択的に中間周波数または直流領域へ
周波数変換する手段と、受信希望チャネルの帯域幅また
は該当無線システムのチャネル間隔周波数の1/2の周
波数の64倍の周波数でサンプリングするサンプル・ホ
ールド回路と、そのサンプリング出力から位相上での直
交成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位相軸信号成
分とを生成するヒルベルト変換器と、その受信信号正相
軸信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネ
ル信号に隣接する上側または下側の3チャネルの隣接チ
ャネル以外を除去する機能を有する第2の複素係数フィ
ルタと、その出力を個々に受ける2基の第2の位相等化
器と、その出力を受け8サンプルにわたって平均化する
2基の第2の平均化回路と、その受信信号正相軸信号成
分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル信号に
隣接する上側または下側の3チャネルの隣接チャネルを
除去するとともにベースバンド信号帯域へ変換する機能
を有する第1の複素係数フィルタと、その出力を個々に
受ける2基の第1の位相等化器と、その出力を受け8サ
ンプルにわたって平均化する2基の第1の平均化回路
と、オフセット周波数を除去するためのイメージ抑制型
周波数変換回路と、を備えることを特徴とする。
【0036】また請求項10の発明は、請求項3、請求
項4、請求項8または請求項9いずれかに記載の発明に
おいて、前記ヒルベルト変換器を、スイッチトキャパシ
タ回路からなる緩衝増幅器と反転増幅器とスイッチで構
成したことを特徴とする。
【0037】また、請求項11の発明は、請求項3、請
求項4、請求項8または請求項9いずれかに記載の発明
において、前記複素係数フィルタにおける係数の絶対値
を2種類だけで構成したことを特徴とする。
【0038】また、請求項12の発明は、請求項3、請
求項4または請求項8いずれかに記載のの発明におい
て、前記2基の等化器に必要なそれぞれのオペアンプを
後段の前記ローパス・フィルタのオペアンプとそれぞれ
共用したことを特徴とする。
【0039】また、請求項13の発明は、請求項12記
載の発明において、前記ローパス・フィルタをCCDを
用いて構成しオペアンプの個数を削減したことを特徴と
する。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、搬送波周波数が均等の周波数間隔でチャネル配置さ
れまたはそれに近似の周波数配置の、直交変調またはこ
れに類する変調方式を利用する無線システムを対象にす
る受信装置であって、受信希望チャネル信号を含む受信
信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端または下端ま
たは該当する隣接チャネルとの境界の周波数を該境界周
波数を中心に上下およそ各3チャネルまでの周波数範囲
を選択的に中間周波数へ周波数変換する手段と、受信希
望チャネルの帯域幅または該当無線システムのチャネル
間隔周波数の1/2の周波数の16倍の周波数でサンプ
リングする手段と、そのサンプリング出力から位相上で
の直交成分を抽出する手段と、その正相軸信号成分と直
交位相軸信号成分とから受信希望チャネルの信号を抽出
する手段とを備えたことを特徴とする受信装置としたも
ので、上下各3チャネルの隣接チャネルに対して各1回
の演算で除去するという作用を有する。
【0041】本発明の請求項2に記載の発明は、搬送波
周波数が均等の周波数間隔でチャネル配置されまたはそ
れに近似の周波数配置の、直交変調またはこれに類する
変調方式を利用する無線システムを対象にする受信装置
であって、受信希望チャネル信号を含む受信信号を受け
受信希望チャネルの帯域の上端または下端または該当す
る隣接チャネルとの境界の周波数を該境界周波数を中心
に上下およそ各3チャネルまでの周波数範囲を選択的に
直流領域へ周波数変換する手段と、受信希望チャネルの
帯域幅または該当無線システムのチャネル間隔周波数の
1/2の周波数の16倍の周波数でサンプリングする手
段と、そのサンプリング出力から位相上での直交成分を
抽出する手段と、その正相軸信号成分と直交位相軸信号
成分とから受信希望チャネルの信号を抽出する手段とを
備えたことを特徴とする受信装置としたもので、上下各
3チャネルの隣接チャネルに対して各1回の演算で除去
するという作用を有する。
【0042】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1記載の発明において、受信希望チャネル信号を含む受
信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端または下端
または該当する隣接チャネルとの境界の周波数を中間周
波数とする周波数変換器と、この周波数変換器から周波
数変換出力を受け中間周波数を中心に上下およそ各3チ
ャネルまでの周波数範囲を通過帯域とする中間周波段
と、この中間周波段の出力を受け受信希望チャネルの帯
域幅の16倍または該当無線システムのチャネル間隔周
波数の8倍の周波数でサンプリングするサンプル・ホー
ルド回路と、そのサンプリング出力から位相上での直交
成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位相軸信号成分
とを生成するヒルベルト変換器と、その受信信号正相軸
信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル
信号に隣接する上下各3チャネルの隣接チャネルを除去
する機能を有する複素係数フィルタと、その出力を個々
に受ける2基の位相等化器と、その個々の出力を受ける
2基のローパス・フィルタとから受信希望チャネルの信
号を抽出することを特徴とする受信装置としたもので、
複素係数フィルタにより直交フィルタ機能を実現すると
いう作用を有する。
【0043】また、本発明の請求項4に記載の発明は、
請求項2記載の発明において、受信希望チャネル信号を
含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端また
は下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波数を
直流すなわちゼロ周波数とする周波数変換器と、この周
波数変換器から周波数変換出力を受け直流すなわちゼロ
周波数を中心に正負およそ各3チャネルまでの周波数範
囲を通過帯域とする低周波段と、この低周波段の出力を
受け受信希望チャネルの帯域幅の16倍または該当無線
システムのチャネル間隔周波数の8倍の周波数でサンプ
リングするサンプル・ホールド回路と、そのサンプリン
グ出力から位相上での直交成分を抽出しその正相軸信号
成分と直交位相軸信号成分とを生成するヒルベルト変換
器と、その受信信号正相軸信号成分と直交位相軸信号成
分とを受けて希望チャネル信号に隣接する上下各3チャ
ネルの隣接チャネルを除去する機能を有する複素係数フ
ィルタと、その出力を個々に受ける2基の位相等化器
と、その個々の出力を受ける2基のローパス・フィルタ
とから受信希望チャネルの信号を抽出することを特徴と
する受信装置としたもので、上下各3チャネルの隣接チ
ャネルに対して各1回の演算で除去するとともに複素係
数フィルタにより直交フィルタ機能を実現するという作
用を有する。
【0044】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記
2基のローパス・フィルタから抽出した受信希望チャネ
ルの直交信号に対してそれぞれ間引き処理を行なう間引
き回路と、その2つの出力を受けてオフセット周波数を
除去するためのイメージ抑制型周波数変換回路とを備え
ることを特徴とする受信装置としたもので、間引き処理
とオフセット周波数を除去を行なうことによって正確に
受信希望チャネルを抽出しうるようになるという作用を
有する。
【0045】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1ないし請求項4いずれかに記載の発明において、前記
2基の等化器から抽出した受信希望チャネルを含む直交
信号に対してそれぞれ平均化処理を行なう平均化回路
と、その2つの出力を受けてオフセット周波数を除去す
るためのイメージ抑制型周波数変換回路とを備えること
を特徴とする受信装置としたもので、平均化処理とオフ
セット周波数を除去を行なうことによって正確に受信希
望チャネルを抽出しうるようになるという作用を有す
る。
【0046】本発明の請求項7に記載の発明は、搬送波
周波数が均等の周波数間隔でチャネル配置されまたはそ
れに近似の周波数配置の、直交変調またはこれに類する
変調方式を利用する無線システムを対象にする受信装置
であって、受信希望チャネル信号を含む受信信号を受け
受信希望チャネルの帯域の上端または下端または該当す
る隣接チャネルとの境界の周波数を該境界周波数を中心
に上下およそ各12チャネルまでの周波数範囲を選択的
に中間周波数または直流領域へ周波数変換する手段と、
受信希望チャネルの帯域幅または該当無線システムのチ
ャネル間隔周波数の1/2の周波数の64倍の周波数で
サンプリングする手段と、そのサンプリング出力から位
相上での直交成分を抽出する手段と、その正相軸信号成
分と直交位相軸信号成分とから受信希望チャネルを含む
4チャネルの信号をそれ以外の隣接チャネルを除去して
抽出する手段と、抽出した受信希望チャネルを含む4チ
ャネルを、受信希望チャネルの帯域幅または該当無線シ
ステムのチャネル間隔周波数の1/2の周波数の16倍
の周波数をサンプリング周波数として、受信希望チャネ
ル以外の隣接チャネルを除去して受信希望チャネルのみ
を抽出する手段とを備えたことを特徴とする受信装置と
したもので、受信希望チャネルを含む隣接チャネルの帯
域を広くしても希望のチャネルを抽出しうるという作用
を有する。
【0047】本発明の請求項8に記載の発明は、搬送波
周波数が均等の周波数間隔でチャネル配置されまたはそ
れに近似の周波数配置の、直交変調またはこれに類する
変調方式を利用する無線システムを対象にする受信装置
であって、受信希望チャネル信号を含む受信信号を受け
受信希望チャネルの帯域の上端または下端または該当す
る隣接チャネルとの境界の周波数を該境界周波数を中心
に上下およそ各12チャネルまでの周波数範囲を選択的
に中間周波数または直流領域へ周波数変換する手段と、
受信希望チャネルの帯域幅または該当無線システムのチ
ャネル間隔周波数の1/2の周波数の64倍の周波数で
サンプリングするサンプル・ホールド回路と、そのサン
プリング出力から位相上での直交成分を抽出しその正相
軸信号成分と直交位相軸信号成分とを生成するヒルベル
ト変換器と、その受信信号正相軸信号成分と直交位相軸
信号成分とを受けて希望チャネル信号に隣接する上下各
2チャネルの隣接チャネル以外を除去する機能を有する
第2の複素係数フィルタと、その出力を個々に受ける2
基の第2の位相等化器と、その個々の出力を受ける2基
の第2のローパス・フィルタと、その出力を受け1/4
に間引く第2の間引き回路と、その受信信号正相軸信号
成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル信号
に隣接する上下各2チャネルの隣接チャネルを除去する
とともにベースバンド信号帯域へ変換する機能を有する
第1の複素係数フィルタと、その出力を個々に受ける2
基の第1の位相等化器と、その個々の出力を受ける2基
の第1のローパス・フィルタと、その出力を受け1/4
に間引く第1の間引き回路と、オフセット周波数を除去
するためのイメージ抑制型周波数変換回路と、を備える
ことを特徴とする受信装置としたもので、基本的な信号
処理ブロックを縦続することによって希望チャネル信号
に隣接する上側または下側の3チャネルの隣接チャネル
を除去するとともにベースバンド信号帯域へ変換せしめ
るという作用を有する。
【0048】また、本発明の請求項9に記載の発明は、
請求項7に記載の発明において、搬送波周波数が均等の
周波数間隔でチャネル配置されまたはそれに近似の周波
数配置の、直交変調またはこれに類する変調方式を利用
する無線システムを対象にする受信装置であって、受信
希望チャネル信号を含む受信信号を受け受信希望チャネ
ルの帯域の上端または下端または該当する隣接チャネル
との境界の周波数を該境界周波数を中心に上下およそ各
12チャネルまでの周波数範囲を選択的に中間周波数ま
たは直流領域へ周波数変換する手段と、受信希望チャネ
ルの帯域幅または該当無線システムのチャネル間隔周波
数の1/2の周波数の64倍の周波数でサンプリングす
るサンプル・ホールド回路と、そのサンプリング出力か
ら位相上での直交成分を抽出しその正相軸信号成分と直
交位相軸信号成分とを生成するヒルベルト変換器と、そ
の受信信号正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを受
けて希望チャネル信号に隣接する上側または下側の3チ
ャネルの隣接チャネル以外を除去する機能を有する第2
の複素係数フィルタと、その出力を個々に受ける2基の
第2の位相等化器と、その出力を受け8サンプルにわた
って平均化する2基の第2の平均化回路と、その受信信
号正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望
チャネル信号に隣接する上側または下側の3チャネルの
隣接チャネルを除去するとともにベースバンド信号帯域
へ変換する機能を有する第1の複素係数フィルタと、そ
の出力を個々に受ける2基の第1の位相等化器と、その
出力を受け8サンプルにわたって平均化する2基の第1
の平均化回路と、オフセット周波数を除去するためのイ
メージ抑制型周波数変換回路と、を備えることを特徴と
する受信装置としたもので、基本的な信号処理ブロック
を縦続することによって希望チャネル信号に隣接する上
側または下側の3チャネルの隣接チャネルを除去すると
ともにベースバンド信号帯域へ変換せしめるという作用
を有する。
【0049】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項3、請求項4、請求項8または請求項9いずれかに記
載の発明において、前記ヒルベルト変換器を、スイッチ
トキャパシタ回路からなる緩衝増幅器と反転増幅器とス
イッチで構成したことを特徴とする受信装置としたもの
で、簡潔な同期制御と低い消費電力を実現するという作
用を有する。
【0050】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項3、請求項4、請求項8または請求項9いずれかに記
載の発明において、前記複素係数フィルタにおける係数
の絶対値を2種類だけで構成したことを特徴とする受信
装置としたもので、限定した固定値の回路エレメントで
回路を構成し設計の容易性と回路デバイスの生産品質を
向上せしめかつ動作を安定にさせるという作用を有す
る。
【0051】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項3、請求項4または請求項8いずれかに記載のの発明
において、前記2基の等化器に必要なそれぞれのオペア
ンプを後段の前記ローパス・フィルタのオペアンプとそ
れぞれ共用したことを特徴とする受信装置としたもの
で、限定した回路エレメントで回路を構成し消費電力の
低減と回路デバイスの生産品質を向上せしめかつ動作を
安定にさせるという作用を有する。
【0052】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項11記載の発明において、前記ローパス・フィルタを
CCDを用いて構成しオペアンプの個数を削減したこと
を特徴とする受信装置としたもので、低消費電力化を促
進するとともに設計の容易性と回路デバイスの生産品質
を向上せしめかつ動作を安定にさせるという作用を有す
る。
【0053】(第1の実施の形態)図1は,本発明の第
1の実施の形態の構成例を示すものである。アンテナか
ら得た受信信号1は高周波増幅器2に供給されて増幅さ
れる。その出力は第1の帯域通過フィルタ3により該当
する通信システムの全チャネル信号のみを他の無線信号
から抽出する。この出力は、周波数変換器4に供給され
局部発振器5からの局部発信周波数fLOで周波数変換さ
れる。
【0054】周波数変換器4の出力は第2の帯域通過フ
ィルタ6により周波数変換器4において発生するイメー
ジ信号を阻止し、同時に希望波のみを通過させるチャネ
ルフィルタ効果を得る。この出力はAGC増幅器7に供給
されて所定の信号強度にて出力される。この出力はサン
プル・ホールド回路8に供給されてサンプリング・クロ
ック9により制御されてサンプル・ホールドが行なわれ
る。サンプル・ホールドのサンプリング周波数は、第2
の帯域フィルタ6などにより規定される通過帯域幅に等
しい周波数の整数分の1に設定する。すなわちサンプル
・ホールド回路におけるサンプリングは帯域制限サンプ
リング定理を用いる。こうして得られた受信信号の離散
化信号はI軸成分分離回路10とQ軸成分分離回路11にそ
れぞれ供給される。
【0055】この標本出力はI軸成分分離回路10では1
クロック置きに取り、Q軸成分分離回路11ではI軸成分
分離回路10で取らなかった時刻の標本出力を取り、I軸
Q軸各々、1つ置きに標本出力の極性を反転することに
より、ヒルベルト変換を行ない、位相平面上の直交2成
分の形にする。この2信号は複素係数フィルタ12に供給
される。複素係数フィルタ12では不要な隣接チャネル信
号群を除去し、その直交出力13、14をそれぞれI軸等化
器15とQ軸等化器16に提供する。ここで、位相遅延を等
化し、その出力17、18をそれぞれI軸ローパス・フィル
タ19とQ軸ローパス・フィルタ20に提供し、高域不要残
留成分を除去する。
【0056】さらに必要であれば、レベル変換を行な
い、ディジタル信号レベルの出力21、22をディジタル系
に供給する。サンプル・ホールド以降の動作制御はすべ
てクロック信号発生および制御回路23から供給される各
種クロック信号で行なわれる。
【0057】図2を用いて、図1の第1の実施の形態に
おける周波数変換回路までの周波数軸から見た処理関係
について説明する。
【0058】図2(a)は、対象とする通信システムの使
用する周波数帯域と、その通信用帯域内での通信用チャ
ネルの配置と、その一つを希望波チャネルとして例示し
たもので、この通信用帯域の上下の周波数域は、他の通
信信号群に占有されている状況を示したものである。
【0059】図2(b)は図1の第1の帯域通過フィルタ
3により対象とする通信用帯域が他の通信信号群から抽
出された状況を示すものである。
【0060】図2(c)は、図1の周波数変換器4により
対象とする通信用帯域が周波数変換を受け、低い周波数
帯に移動し、さらに第2の帯域通過フィルタ6により対
象とする通信用帯域が、希望波チャネルの帯域下端を中
心とする中間周波数帯域幅fFB内に帯域制限された状態
を示す。
【0061】図2(d)は、前記の中間周波数帯域幅fFB
内に帯域制限された状態の信号にサンプル・ホールド回
路8によりサンプリングと同時に周波数変換作用を与
え、ベースバンド周波数近傍に移動した状態を示す。こ
こでfsはサンプリング・クロック9の周波数を示し、本
発明においては中間周波帯域幅fFBをチャネル間隔幅の
6倍以内とする。このときサンプリング周波数はベース
バンド帯域幅周波数fbもしくはチャネル間隔周波数fwの
1/2の16倍または16倍の偶数倍の周波数に設定する。
【0062】従来のサンプリングにおいては、通常は1
次サンプリング定理により中間周波中心周波数fIFの2
倍以上に設定される。本発明においては、帯域制限を施
した信号に対する標本化定理を用いて、最低のサンプリ
ング周波数fsを中間周波数帯の帯域幅fFBの2倍にでき
る。
【0063】図2(d)においてはサンプリングによるダ
ウンコンバージョンの結果、希望波チャネルがベースバ
ンド領域の直流点付近に希望波チャネルの下端を置く位
置に移動するとともに、直流軸を境に周波数軸正負に同
数のチャネルが対称に並ぶスペクトルが得られる。
【0064】図3を用いて、図1の第1の実施の形態に
おける周波数変換回路からサンプリング以降までの周波
数軸から見た処理関係について説明する。
【0065】図3(a)は、図2(c)に示したものと同一
のもので、図1の周波数変換器4により対象とする通信
用帯域が周波数変換を受け、低い周波数帯に移動し、さ
らに第2の帯域通過フィルタ6により対象とする通信用
帯域が、希望波チャネルの帯域下端を中心とする中間周
波数帯域幅fFB内に帯域制限された状態を示す。
【0066】図3(b)は、サンプル・ホールド回路のサ
ンプリング周波数fsと中間周波中心周波数(fc-fLO)の関
係を示すもので、サンプリング周波数fsは中間周波中心
周波数(fc-fLO)の2以上の整数分周波の関係が必要であ
る。
【0067】図3(c)は、図3(b)の周波数ゼロを含め
たサンプリング周波数の倍数波上に中間周波数帯域幅f
FBのチャネル群が重畳するスペクトルが得られることを
示す。図3(c)から明らかなように、サンプリングにお
いてエイリアシングが発生しないようにするために、中
間周波中心周波数(fc-fLO)を中間周波数帯域幅fFBの値
よりも高い周波数にする。
【0068】図3(d)は、本発明における複素係数フィ
ルタと位相等化器と遅延型ローパス・フィルタから成る
隣接チャネル除去フィルタ特性をチャネル配置上に示し
たものである。フィルタの零点が隣接チャネルの各中心
周波数上に位置されることを示している。
【0069】図3(e)は、図3(d)のチャネル特性によ
る隣接チャネル除去効果を模式的に図示したものであ
る。
【0070】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第
2の実施の形態の構成例を示すものである。アンテナか
ら得た受信信号1は高周波増幅器2に供給されて増幅さ
れる。その出力は帯域通過フィルタ3により該当する通
信システムの全チャネル信号のみを他の無線信号から抽
出する。この出力は、周波数変換器4に供給され局部発
振器5からの局部発振周波数fLOを希望波と低い隣接チ
ャネルの境界の周波数で周波数変換される。
【0071】周波数変換器4の出力は初段のローパス・
フィルタ6'により周波数変換器4において発生するイ
メージ信号を阻止し、同時に希望波のみを通過させるチ
ャネルフィルタ効果を得る。この出力はAGC増幅器7に
供給されて所定の信号強度にて出力される。この出力は
サンプル・ホールド回路8に供給されてサンプリング・
クロック9により制御されてサンプル・ホールドが行な
われる。
【0072】サンプル・ホールドのサンプリング周波数
は、初段のローパス・フィルタ6'などにより規定され
る通過帯域幅の2倍に等しい周波数の整数分の1に設定
する。すなわちサンプル・ホールド回路におけるサンプ
リングは一次サンプリング定理を用いる。こうして得ら
れた受信信号の離散化信号はI軸成分分離回路10とQ軸
成分分離回路11にそれぞれ供給される。
【0073】この標本出力をI軸成分分離回路10では1
クロック置きに取り、Q軸成分分離回路11ではI軸成分
分離回路10で取らなかった時刻の標本出力を取り、I軸
Q軸各々、1つ置きに標本出力の極性を反転することに
より、ヒルベルト変換を行ない、位相平面上の直交2成
分の形にする。
【0074】この2信号は複素係数フィルタ12に供給さ
れる。複素係数フィルタ12では不要な隣接チャネル信号
群を除去し、その直交出力13、14をそれぞれI軸等化器
15とQ軸等化器16に提供する。ここで、位相遅延を等化
し、その出力17、18をそれぞれI軸ローパス・フィルタ
19とQ軸ローパス・フィルタ20に提供し、高域不要残留
成分を除去する。
【0075】さらに必要であれば、レベル変換を行な
い、ディジタル信号レベルの出力21、22をディジタル系
に供給する。サンプル・ホールド以降の動作制御はすべ
てクロック信号発生および制御回路23'から供給される
各種クロック信号で行なわれる。
【0076】図5を用いて、図4の第2の実施の形態に
おける周波数変換回路までの周波数軸から見た処理関係
について説明する。
【0077】図5(a)は、対象とする通信システムの使
用する周波数帯域と、その通信用帯域内での通信用チャ
ネルの配置と、その一つを希望波チャネルとして例示し
たもので、この通信用帯域の上下の周波数域は、他の通
信信号群に占有されている状況を示したものである。
【0078】図5(b)は、図4の帯域通過フィルタ3に
より対象とする通信用帯域が他の通信信号群から抽出さ
れた状況を示すものである。
【0079】図5(c)は、図4の周波数変換器4により
対象とする通信用帯域が周波数変換を受け、低い周波数
帯に移動し、さらに初段のローパス・フィルタ6'によ
り対象とする通信用帯域が、希望波チャネルの帯域下端
を中心とする中間周波数帯域幅fFB内に帯域制限された
状態を示す。
【0080】図5(d)は、前記の中間周波数帯域幅fFB
内に帯域制限された状態の信号にサンプル・ホールド回
路8によりサンプリングと同時に周波数変換作用を与
え、ベースバンド周波数近傍に移動した状態を示す。こ
こでfsはサンプリング・クロック9の周波数を示し、本
発明においては中間周波帯域幅fFBをチャネル間隔幅の6
倍以内とする。このときサンプリング周波数はベースバ
ンド帯域幅周波数fbもしくはチャネル間隔周波数fwの1
/2の16倍または16倍の偶数倍の周波数に設定する。従
来のサンプリングにおいては、通常は1次サンプリング
定理により中間周波中心周波数fIFの2倍以上に設定さ
れる。
【0081】本発明においては、帯域制限を施した信号
に対する標本化定理を用いて、最低のサンプリング周波
数fsを中間周波数帯の帯域幅fFBの2倍にできる。
【0082】図5(d)においては、サンプリングによる
ダウンコンバージョンの結果、希望波チャネルがベース
バンド領域の直流点付近に希望波チャネルの下端を置く
位置に移動するとともに、直流軸を境に周波数軸正負に
同数のチャネルが対称に並ぶスペクトルが得られる。
【0083】図6を用いて、図4の第2の実施の形態に
おける周波数変換回路からサンプリング以降までの周波
数軸から見た処理関係について説明する。
【0084】図6(a)は、図5(b)に示したものと同一
のもので、図6(c)は、図5(c)に示したものと同一の
ものであり、図4の周波数変換器4により対象とする通
信用帯域が周波数変換を受け、低い周波数帯に移動し、
さらに初段のローパス・フィルタ6'により対象とする
通信用帯域が、希望波チャネルの帯域下端を直流付近と
するベースバンド周波数領域fBB内に帯域制限された状
態を示す。
【0085】図6(b)は、局部発振周波数fLOすなわち
(希望チャネル周波数fc−チャネル幅/2)の値とサン
プル・ホールド回路のサンプリング周波数fsとの関係を
示すもので、サンプリング周波数fsはサンプリングにお
いてエイリアシングが発生しないようにするために、ベ
ースバンド周波数領域fBBの2倍以上であることが必要
である。
【0086】図6(c)は、図6(b)の周波数ゼロを含め
たサンプリング周波数の倍数波上にベースバンド周波数
領域fBBのチャネル群が重畳するスペクトルが得られる
ことを示す。なお、局部発振周波数fLOとサンプリング
周波数fsの間には、一般的には制約はない。
【0087】図6(d)は、本発明における複素係数フィ
ルタと位相等化器と遅延型ローパス・フィルタから成る
隣接チャネル除去フィルタ特性をチャネル配置上に示し
たものである。フィルタの零点が隣接チャネルの各中心
周波数上に位置されることを示している。
【0088】図6(e)は、図6(d)のチャネル特性によ
る隣接チャネル除去効果を模式的に図示したものであ
る。
【0089】(第3の実施の形態)図7は、本発明の第
3の実施の形態の構成例を示すものである。図7は、本
発明の第2の実施の形態の第1の構成例を示した図4に
おいて、主にI軸間引き回路24とQ軸間引き回路25とイ
メージ抑制型周波数変換回路26がI軸ローパス・フィル
タ19とディジタル系21'またはQ軸ローパス・フィルタ2
0とディジタル系22'の間に挿入されたものである。関連
してクロック信号発生および制御回路23'は制御系が増
加する。
【0090】アンテナから得た受信信号1は、高周波増
幅器2に供給されて増幅される。その出力は帯域通過フ
ィルタ3により該当する通信システムの全チャネル信号
のみを他の無線信号から抽出する。この出力は、周波数
変換器4に供給され局部発振器5からの局部発振周波数
fLOを希望波と低い隣接チャネルの境界の周波数で周波
数変換される。
【0091】周波数変換器4の出力は初段のローパス・
フィルタ6'により周波数変換器4において発生するイ
メージ信号を阻止し、同時に希望波のみを通過させるチ
ャネルフィルタ効果を得る。この出力はAGC増幅器7に
供給されて所定の信号強度にて出力される。この出力は
サンプル・ホールド回路8に供給されてサンプリング・
クロック9により制御されてサンプル・ホールドが行な
われる。
【0092】サンプル・ホールドのサンプリング周波数
は、初段のローパス・フィルタ6'などにより規定され
る通過帯域幅の2倍に等しい周波数の整数分の1に設定
する。すなわちサンプル・ホールド回路におけるサンプ
リングは一次サンプリング定理を用いる。こうして得ら
れた受信信号の離散化信号はI軸成分分離回路10とQ軸
成分分離回路11にそれぞれ供給される。
【0093】この標本出力をI軸成分分離回路10では1
クロック置きに取り、Q軸成分分離回路11ではI軸成分
分離回路10で取らなかった時刻の標本出力を取り、I軸
Q軸各々、1つ置きに標本出力の極性を反転することに
より、ヒルベルト変換を行ない、位相平面上の直交2成
分の形にする。
【0094】この2信号は複素係数フィルタ12に供給さ
れる。複素係数フィルタ12では不要な隣接チャネル信号
群を除去し、その直交出力13、14をそれぞれI軸等化器
15とQ軸等化器16に提供する。ここで、位相遅延を等化
し、その出力17、18をそれぞれI軸ローパス・フィルタ
19とQ軸ローパス・フィルタ20に提供し、高域不要残留
成分を除去する。
【0095】I軸ローパス・フィルタ19とQ軸ローパス
・フィルタ20の出力は、それぞれI軸間引き回路24とQ
軸間引き回路25に入力される。そして、I軸間引き回路
24とQ軸間引き回路25の出力は、イメージ抑制型周波数
変換回路26に入力され、その出力はディジタルの出力2
1'および22'となってディジタル系に提供される。
【0096】図7の第3の実施の形態における周波数変
換回路までの周波数軸から見た処理関係および周波数変
換回路からサンプリング以降までの周波数軸から見た処
理関係は、図4の第2の実施の形態における周波数変換
回路までの周波数軸から見た処理関係を説明した図5お
よび周波数変換回路からサンプリング以降までの周波数
軸から見た処理関係を説明した図6と同じなので省略す
る。
【0097】そこで図8を用いて、間引き回路の作用を
説明する。図8(a)は、図6(d)のフィルタリングの位
置を示す図と同一であり、図7に示されたI軸間引き回
路24とQ軸間引き回路25の働きを示す。
【0098】図8(b)は、複素係数フィルタ12とI軸等
化器15とQ軸等化器16とI軸ローパス・フィルタ19とQ
軸ローパス・フィルタ20とから成る隣接チャネル除去フ
ィルタ特性により希望波が概ね抽出できた様子を示して
いる。ただし、サンプリング周波数fsの高調波毎に、直
流域に移った希望波および隣接チャネル信号群の残余の
スペクトルと同一のスペクトルが繰り返される。
【0099】ここで、図8(c)はデータを1/2に間引い
たものであるが、もとのサンプリング周波数fsの1/2と
なったサンプリング周波数fs'は高調波の間隔が1/2と
なり、スペクトルの繰り返しが倍になる。すなわち、16
倍オーバーサンプリングにおいてはサンプリング周波数
の高調波間に8チャネルが存在していたが、1/2の間引
きにより4チャネルになり、各チャネル位置において
は、異なるチャネルの信号残余が重なり合うことにな
る。
【0100】図8(d)においては、さらにデータを1/2
に間引き、図8(e)においてはさらにデータを1/2に間
引き、図8(b)からは1/8の間引きを行なったものにな
っている。この結果、希望波スペクトルは、チャネル間
隔で繰り返し現れることになる。この時のサンプリング
周波数fs'''は、希望波に対して2倍オーバーサンプリ
ングとなり、サンプリング定理の最低基準を満たす状態
にまで引き下げられたことになる。
【0101】図8(e)においては、隣接チャネル群の信
号が折り重なって希望波スペクトル内にたたみこまれて
いるが、基本的には複素係数フィルタ12とI軸等化器15
とQ軸等化器16とI軸ローパス・フィルタ19とQ軸ロー
パス・フィルタ20とから成る隣接チャネル除去フィルタ
特性により隣接チャネル信号は大きく減衰している。
【0102】したがって、図8(e)においては、希望波
が希望波の2倍の周波数でサンプリングされ抽出された
とみてよい。ただし、直流からの周波数オフセットはま
だ存在しており、このオフセット周波数を除去するため
に出力をイメージ抑制型周波数変換回路26に入力する。
なお、間引き回路は、8クロックに1回だけサンプリン
グをするサンプル・ホールド回路もしくは転送回路であ
り、具体的回路は十分に公知であるので、ここでの提示
は省略することとする。
【0103】このように第3の実施の形態の説明から明
らかなように、複素係数フィルタ12とI軸等化器15とQ
軸等化器16とI軸ローパス・フィルタ19とQ軸ローパス
・フィルタ20とから成る隣接チャネル除去フィルタ特性
により希望波を抽出できる。
【0104】(第4の実施の形態)図9は、本発明の第
4の実施の形態の構成例を示すものである。図9は、本
発明の第2の実施の形態の第1の構成例を示した図4に
おいて、主にI軸平均化回路27とQ軸平均化回路28とイ
メージ抑制型周波数変換回路26がI軸等化器15とディジ
タル系21'またはQ軸等化器16とディジタル系22'の間に
挿入されたものである。関連してクロック信号発生およ
び制御回路23'は制御系が増加する。
【0105】アンテナから得た受信信号1は高周波増幅
器2に供給されて増幅される。その出力は帯域通過フィ
ルタ3により該当する通信システムの全チャネル信号の
みを他の無線信号から抽出する。この出力は、周波数変
換器4に供給され局部発振器5からの局部発振周波数f
LOを希望波と低い隣接チャネルの境界の周波数で周波数
変換される。
【0106】周波数変換器4の出力は初段のローパス・
フィルタ6'により周波数変換器4において発生するイ
メージ信号を阻止し、同時に希望波のみを通過させるチ
ャネルフィルタ効果を得る。この出力はAGC増幅器7に
供給されて所定の信号強度にて出力される。この出力は
サンプル・ホールド回路8に供給されてサンプリング・
クロック9により制御されてサンプル・ホールドが行な
われる。
【0107】サンプル・ホールドのサンプリング周波数
は、初段のローパス・フィルタ6'などにより規定され
る通過帯域幅の2倍に等しい周波数の整数分の1に設定
する。すなわちサンプル・ホールド回路におけるサンプ
リングは一次サンプリング定理を用いる。こうして得ら
れた受信信号の離散化信号はI軸成分分離回路10とQ軸
成分分離回路11にそれぞれ供給される。
【0108】この標本出力をI軸成分分離回路10では1
クロック置きに取り、Q軸成分分離回路11ではI軸成分
分離回路10で取らなかった時刻の標本出力を取り、I軸
Q軸各々、1つ置きに標本出力の極性を反転することに
より、ヒルベルト変換を行ない、位相平面上の直交2成
分の形にする。
【0109】この2信号は、複素係数フィルタ12に供給
される。複素係数フィルタ12では不要な隣接チャネル信
号群を除去し、その直交出力13、14をそれぞれI軸等化
器15とQ軸等化器16に提供する。ここで、位相遅延を等
化し、その出力17、18をそれぞれI軸間平均化回路27と
Q軸平均化回路28に入力する。そして、I軸間平均化回
路27とQ軸平均化回路28の出力は、イメージ抑制型周波
数変換回路26に入力され、その出力はディジタルの出力
21'および22'となってディジタル系に提供される。
【0110】図9の第4の実施の形態における周波数変
換回路までの周波数軸から見た処理関係および周波数変
換回路からサンプリング以降までの周波数軸から見た処
理関係は、図4の第2の実施の形態における周波数変換
回路までの周波数軸から見た処理関係を説明した図5お
よび周波数変換回路からサンプリング以降までの周波数
軸から見た処理関係を説明した図6と同じなので省略す
る。
【0111】そこで図10を用いて、平均化回路の作用
を説明する。図10(a)は、図6(d)のフィルタリング
の位置を示す図と同一であり、図9に示されたI軸平均
化回路27とQ軸平均化回路28の働きを示す。
【0112】図10(b)は、複素係数フィルタ12とI軸
等化器15とQ軸等化器16とI軸平均化回路27とQ軸平均
化回路28とから成る隣接チャネル除去フィルタ特性によ
り希望波が概ね抽出できた様子を示している。ただし、
サンプリング周波数fsの高調波毎に、直流域に移った希
望波および隣接チャネル信号群の残余のスペクトルと同
一のスペクトルが繰り返される。
【0113】ここで、図10(c)はデータを2サンプリ
ング期間にわたり平均化したものであるが、もとのサン
プリング周波数fsの1/2となったサンプリング周波数f
s'は高調波の間隔が1/2となり、スペクトルの繰り返し
が倍になる。すなわち、16倍オーバーサンプリングにお
いてはサンプリング周波数の高調波間に8チャネルが存
在していたが、2区間の平均化により4チャネルにな
り、各チャネル位置においては、異なるチャネルの信号
残余が重なり合うことになる。
【0114】図10(d)において、はさらにデータを平
均化し、図10(b)からは4期間の平均化を行なったも
のである。図10(e)においてはさらにデータを平均化
し、図10(b)からは8期間の平均化を行なったものに
なっている。この結果、希望波スペクトルは、チャネル
間隔で繰り返し現れることになる。この時のサンプリン
グ周波数fs'''は、希望波に対して2倍オーバーサンプ
リングとなり、サンプリング定理の最低基準を満たす状
態にまで引き下げられたことになる。
【0115】図10(e)においては、隣接チャネル群の
信号が折り重なって希望波スペクトル内にたたみこまれ
ることが想像されるが、平均化によるローパス・フィル
タ効果により折重ねの隣接チャネル成分は減衰されてい
る。
【0116】したがって、図10(e)においては、希望
波が希望波の2倍の周波数でサンプリングされ抽出され
たとみてよい。ただし、直流からの周波数オフセットは
まだ存在しており、このオフセット周波数を除去するた
めにこの出力をイメージ抑制型周波数変換回路26に入力
する。
【0117】図11は、8サンプルを平均化する回路の
構成例である。遅延手段をI軸Q軸ともに7段用いて、
カスケードに接続するとともにその入出力をすべて合成
することにより平均化している。厳密には1/8に除算す
べきであるが、システム全体の必要な増幅度の中の構成
要素に配分することで、実際に除算する必要はないと考
える。
【0118】このように第4の実施の形態の説明から明
らかなように、複素係数フィルタ12とI軸等化器15とQ
軸等化器16とI軸平均化回路27とQ軸平均化回路28とか
ら成る隣接チャネル除去フィルタ特性により希望波を抽
出できる。
【0119】(第5の実施の形態)図12および図13
は本発明の第5の実施の形態の構成例を示すものであ
る。図12は、本発明の第2の実施の形態および第4の
実施の形態に示す構成例のうち、主にI軸成分分離回路
10と第1の複素係数フィルタ12との間、およびQ軸成分
分離回路11と第1の複素係数フィルタ12との間に、第2
の複素係数フィルタである4倍域複素係数フィルタ112
と第2のI軸4等化器であるI軸4倍域等化器115と第
2のQ軸等化器であるQ軸4倍域等化器116および第2
のI軸平均化回路であるI軸4倍域平均化回路127と第
2のQ軸平均化回路であるQ軸4倍域平均化回路128を
挿入したものであり、また図13は、本発明の第1の実
施の形態および第3の実施の形態に示す構成例のうち、
主にI軸成分分離回路10と第1の複素係数フィルタ12と
の間、およびQ軸成分分離回路11と第1の複素係数フィ
ルタ12との間に、第2の複素係数フィルタである4倍域
複素係数フィルタ112と第2のI軸等化器であるI軸4
倍域等化器115と第2のQ軸等化器であるQ軸4倍域等
化器116および第2のI軸ローパス・フィルタであるI
軸4倍域ローパス・フィルタ119と第2のQ軸ローパス
・フィルタであるQ軸4倍域ローパス・フィルタ120お
よび第2のI軸間引き回路出あるI軸4倍域間引き回路
124と第2のQ軸間引き回路であるQ軸4倍域間引き回
路125を挿入したものである。
【0120】そして、これらの複素係数フィルタ、等化
器、平均化回路または間引き回路からなる回路手段を挿
入して、ベースバンド周波数から見た場合の16倍のオー
バーサンプリングによる隣接波除去作用を二重に用い、
16×4すなわち64倍のオーバーサンプリングによる両側
各9波ないし16波の隣接チャネル波の除去を行なうもの
である。
【0121】図12において、アンテナからサンプル・
ホールド回路8における構成および接続についての説明
は上述したものと変わりないので省略する。サンプル・
ホールド回路8はクロック信号発生および制御回路23'
から64倍オーバーサンプリングに必要なサンプリング・
クロック9を受け、受信信号をサンプル・ホールドす
る。サンプリングは帯域制限サンプリング定理を用い
る。
【0122】こうして得られた受信信号の離散化信号
は、I軸成分分離回路10とQ軸成分分離回路11にそれぞ
れ供給される。その各出力は4倍域複素係数フィルタ11
2に供給されて上下各8つの隣接チャネル信号が除去さ
れる。その各出力113、114は各々I軸4倍域等化器115
とQ軸4倍域等化器116に供給される。さらに、それぞ
れI軸4倍域平均化回路127とQ軸4倍域平均化回路128
に供給され、ここで希望波を含む4倍帯域のベースバン
ド出力に復元される。
【0123】こうして得られた4倍帯域ベースバンド出
力の2出力は、前記した第3の実施の形態ないし第4の
実施の形態で説明した本来のベースバンド信号を抽出す
る回路手段に供給される。すなわち、第4の実施の形態
に従えば、16倍オーバーサンプリングに対応する第1の
複素係数フィルタ12と、第1の等化器15、16と、第1の
平均化回路27、28と、イメージ抑制型周波数変換回路26
に供給されて本来のベースバンド信号が抽出される。ま
た、第3の実施の形態に従えば、16倍オーバーサンプリ
ングに対応する第1の複素係数フィルタ12と、第1の等
化器15、16と、第1のローパス・フィルタ19、20と、第
1の間引き回路24、25と、イメージ抑制型周波数変換回
路26に供給されて本来のベースバンド信号が抽出され
る。
【0124】間引き回路の具体的構成例を図14に示
す。図14の間引き回路は、入力を受けるスイッチSW1
と入力電圧を充電するキャパシタC1と反転増幅器U6と帰
還容量C3と前記反転増幅器U6の入力と出力を選択的に接
続させるスイッチSW2とこのスイッチSW2により接地間に
接続されるキャパシタC2と、サンプリング・クロック信
号aをクロック入力CLKに受ける第1のD型フリップ
フロップU1とそのQ出力をクロック入力に受ける第2の
D型フリップフロップU2とそのQ出力をクロック入力に
受ける第3のD型フリップフロップU3そのすべてのQ出
力と前記サンプリング・クロック信号aとを入力する論
理積回路U4とから成る。
【0125】この図14を用いて動作を説明する。サン
プリング・クロック信号aをクロック入力に受けると8
クロックに1回だけサンプリングをするサンプリル・ホ
ールド回路もしくは転送回路であり、第1のD型フリッ
プフロップU1と第2のD型フリップフロップU2と第3の
D型フリップフロップU3により8分周され、論理積回路
U4の出力はそれらすべての出力とサンプリング・クロッ
ク信号aが高電位"H"となる8クロックに1回だけ高電
位"H"となる。
【0126】この出力により前記スイッチSW1は制御さ
れて入力をキャパシタC2に接続し、同時にスイッチSW2
は反転増幅器U6の入力にキャパシタC2を接続する。この
瞬間は反転増幅器U6の出力はそれまでの出力状態を記憶
したキャパシタC2によりさらにその出力状態を継続す
る。論理積回路U4の出力はサンプリング・クロック信号
1パルス幅分の時間が経過すると低電位"L"に戻るの
で、スイッチSW1およびスイッチSW2は、以前の状態に接
続するが、この時キャパシタC1には入力の瞬時電圧が充
電されており、反転増幅器U6の電圧にはこの入力信号の
瞬時電圧が以後のサンプリング・パルス15本分の期間だ
け継続する。以上により、前記回路によれば入力信号が1
/8に間引かれることが明らかである。
【0127】第5の実施の形態における周波数変換回路
からサンプリング以降までの周波数軸から見た処理関係
を図15に示す。図15(a)は、64倍オーバーサンプリ
ングを受け、サンプル・ホールドされた受信信号群が、
4チャネルを1組とする仮想のチャネルとして扱われる
様子を示している。図15(b)は、図3(d)または図6
(d)に示したものと同じで、以降の処理につながる様子
を示したものである。
【0128】このように第5の実施の形態の説明から明
らかなように、ベースバンド周波数から見た場合の16倍
のオーバーサンプリングによる隣接波除去作用を二重に
用いることにより希望波を抽出することができる。
【0129】(サンプル・ホールド回路の具体例)図1
に示したように、本発明は高周波回路の負担を軽減すべ
く、ダウンコンバージョンを1段行なった状態でそのま
ま広帯域サンプリングを行ない、以後の信号処理をディ
ジタル化手段で行なうようにしたものである。構成要素
の具体例として、サンプル・ホールド回路は入力バッフ
ァ段とサンプリング・ゲートと出力バッファで構成する
ようにしている。サンプル・ホールドした受信信号は離
散化され、データ化したアナログ信号といえる。
【0130】サンプリング周波数は、隣接チャネル除去
フィルタ機能の一部を負担する目的で中間周波段の帯域
幅を広めにして中間周波段のフィルタの要求される性能
も軽減できるようにしている。中間周波段の帯域幅は隣
接チャネルを上下合計5チャネルを対象とすると、希望
チャネルを含めて6チャネル分に相当するものになる。
したがって、ベースバンド信号の帯域幅から見ると16倍
のオーバーサンプリングとなる。
【0131】したがって、図16のサンプル・ホールド
回路は中間周波数段の信号を2倍以上のオーバ−サンプ
リングできるものとするために、GaAsなど化合物半導体
等によるサンプリング・ゲートで構成することが望まし
い例である。
【0132】さらに、GaAsなど化合物半導体等の低雑音
のデバイスで構成すれば、サンプリングの入出力が従来
のA/Dコンバータが要求するような大振幅信号でなく
て済むので、電力消費を根本的に低くできる。
【0133】なお、図16のサンプリング・クロック信
号CLKは、サンプリング・ゲートのスイッチング用アイ
ドリング電流を低減するためにデューティ比を50%前後
としてトラック・ホールド動作させることとする。この
方式はセットリング時間に対してわずかに要求を厳しく
するものであるが、総合的には無理の少ない方法であ
る。
【0134】(直交成分分離回路の具体例)図1または
図4におけるI軸成分分離回路10とQ軸成分分離回路11
の具体例を図17およびその動作説明を図18に示す。
【0135】図17において、サンプル・ホールド回路
8から提供されるサンプル・ホールド出力はスイッチSW
21とスイッチSW31に供給される。反転増幅器U1はキャパ
シタC3による負帰還によりシャントフィードバック型増
幅器となっている。SW21およびSW22が図17の図示の状
態であるとき、出力はキャパシタC1に蓄積された電荷に
よる端子電圧で規定されている。
【0136】時刻toにSW21およびSW22が反転すると、そ
れまで反転増幅器U1の出力端に接続され出力電圧により
充電されていたキャパシタC2をSW22が反転増幅器U1の入
力に接続する。したがって、C2とC3の容量が等しい場合
には、反転増幅器U1の出力電位はなおも同一電位に保た
れる。この間、SW21はサンプル・ホールド回路の出力を
キャパシタC1に接続し、キャパシタC1は新たなサンプル
値で充電される。
【0137】時刻t1に再びSW21およびSW22が図17の図
示の状態に戻ると、キャパシタC1に充電されたサンプル
・ホールド回路8の出力電圧が反転増幅器U1に接続され
C1とC3が同一容量の場合は反転増幅器U1の出力に新たな
サンプル値に等しい電圧が生成される。すなわち、U1は
サンプル・ホールド回路出力に対して同一極性の緩衝増
幅器として作用する。
【0138】反転増幅器U2は、キャパシタC6による負帰
還によりシャントフィードバック型増幅器となってい
る。SW32およびSW33が図17の状態であるとき、出力は
キャパシタC5に蓄積された電荷による端子電圧で規定さ
れている。このとき、キャパシタC4はサンプル・ホール
ド回路出力を受け、充電されている。
【0139】時刻toにSW31、SW32およびSW33が反転する
と、それまで反転増幅器U2の入力端に接続され出力電圧
を支配していたキャパシタC5がSW33により反転増幅器U2
の出力に接続する。同時にキャパシタC4はSW31が接地側
になりSW32が反転増幅器U2の入力に接続されるので、キ
ャパシタC4とC6の容量が等しい場合には反転増幅器U2の
出力にはサンプル・ホールド回路8のサンプル値電圧が
生成される。さらに同時にキャパシタC5はSW33により反
転増幅器U2の出力に接続されており、出力電圧で充電さ
れる。
【0140】したがって、時刻t1に再びSW32およびSW33
が図17に図示した状態に戻ると、キャパシタC5に充電
された電圧が反転増幅器U2にの入力端子に接続され、出
力電位をさらに保持し続ける。すなわち、U2はサンプル
・ホールド回路出力を極性反転させる増幅器として作用
する。
【0141】つぎに、D型フリップフロップU3はサンプ
リング・クロック信号を入力とし、出力QバーをD入力
に帰還して分周器を構成している。同様にフリップフロ
ップU5も分周器を構成しており、この2段のフリップフ
ロップが縦続することで4分周が行なわれる。
【0142】図18の動作タイミングに示した信号動作
例を用いてこの回路の作用を説明する。サンプリング・
クロック信号は時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8、.....に
等時間間隔で到来する。その波形は前述のようにおよそ
50%のデューディ比の方形波である。この信号を受け
て、フリップフロップU3は時刻t1、t3、t5、t7、.....の奇
数番目で出力Qが"1"となる。これを受けてフリップ・
フロップU4は時刻t1、t5、t9、...でその出力Qを"1"にす
る。
【0143】他方、直交変調された信号を位相空間で2
つに分けるためには、同一周波数にて位相弁別すればよ
い。このための直交検波はπ/2だけずれたサンプリン
グに等しい。これを連続して単一にサンプリングしたサ
ンプル値列から生成するためには、I軸成分側のcosine
関数とQ軸成分側のsine関数で乗算して弁別すればよ
い。
【0144】これをサンプリングの限界で扱うとサンプ
ル値は図18(a)に示すサンプリング・クロック信号が
π/2間隔で対応すると考えられる。すなわち図18
(a)に示すサンプリング・クロック信号4パルス分で最
高周波数成分をサンプリングすることになる。
【0145】このとき、直交成分を抽出するためのI軸
成分抽出用のcosine関数とQ軸成分抽出用のsine関数
も、最高周波数に対応する周波数にして、同時にサンプ
リングすればよい。すなわち、サンプリング・クロック
信号でこのサンプリング・クロックの繰り返し周波数の
1/4の正弦波をサンプリングすると、cosine関数は図1
8(d)に示す位置に+1、+1がサンプリングされ、sine関
数は図18(e)に示すように1サンプルに相当するπ/
2の位相だけ前記cosine関数から遅れた位置に+1、-1が
サンプリングされる。したがって、I軸側は図18(d)
に示す位置でサンプル出力の極性を反転させることなく
得られ、Q軸側は図18(e)に示す位置でサンプル出力
の極性を交互に反転させることにより得られることにな
る。
【0146】以上のようにすれば、1系列のサンプリン
グで得られたサンプル値から、直交信号としてサンプリ
ングを行なった場合に等しいサンプリング出力を得るこ
とができる。回路としてこれを処理するために、図18
(d)のI軸乗算係数と図18(e)のQ軸乗算係数とを同
一極性区間でグループ分けをすると図18(h)に示すよ
うに3サンプルと1サンプルのペアになることが分か
る。
【0147】フリップフロップU3のQ出力とフリップフ
ロップU4のQ出力を受ける論理和ゲートU5は、図18に
おいて時刻t1,t2,t3およびt5,t6,t7に"H"の状態にな
る。したがって、この出力とサンプリング・クロック信
号aとを入力とする論理積ゲートU6の出力は図18(h)
の波形を作り出す。他方、前記論理和ゲートU5の負論理
出力とサンプリング・クロック信号aとを入力とする論
理積ゲートU7の出力は図18(i)の波形を作り出す。
【0148】他方、I軸とQ軸は交互に出力されるの
で、この状態を図示すると図18(j)のようになる。以
上から図17の回路により、サンプル・ホールド回路8
の出力は直交信号出力に形を変えることができる。この
ような状態変化を回路上で管理するためには、前述のフ
リップフロップの出力を用いた図17の3種のゲート回
路U5,U6,U7を設ける。
【0149】(複素係数フィルタの具体例)図19に
は、図1の複素係数フィルタ12の具体例を示す。複素係
数フィルタ12は、3つの同じ構造のフィルタ即ち複素係
数フィルタI、複素係数フィルタII、複素係数フィルタI
IIを縦続して構成する。この3つは、図2(d)において
ベースバンド領域に移され負周波数領域に置かれた3種
の隣接チャネル信号の中心周波数にフィルタ零点をそれ
ぞれ合わせる。
【0150】この様子を図19(複素係数フィルタの特
性の設定を示す図)により解説する。図20(A)は図2
(b)に示した通信帯域の各チャネル群に同じである。図
20(B)はベースバンド付近へ移された各信号で図2
(d)に等しい。
【0151】ここで、複素係数フィルタI、II、IIIの零
点をそれぞれ隣接チャネル信号の中心周波数-fb、-3f
b、-5fbに合わせる。図20(B-1)は中心周波数-fbの隣
接チャネルを除去する複素係数フィルタIのみの場合を
模式したものである。同様に、図20(B-2)は中心周波
数-fb、-3fb、-5fbの3種の隣接チャネルを除去する複素
係数フィルタI、II、IIIの特性を重ねて模式したもので
ある。図20(C)は特性を合成した場合を示したもの
で、実際には正領域の隣接チャネル信号も減衰すること
を示している。
【0152】図21に、複素係数フィルタの動作解説図
を示す。図21(a)は複素係数フィルタの基本ブロック
の構成を示すものであり、図21(b)は位相平面内での
作用を示すものであり、図21(c)は位相・周波数平面
内での作用を示したものである。
【0153】図21(b)は、中心周波数-fbに対する複
素係数フィルタIの場合を示したもので、希望波チャネ
ルとは正反対の位相回転をする隣接チャネル波が対象で
ある。希望波チャネルからはサンプリングは16倍のオー
バーサンプリングになっており、1サンプルの区間では
π/8の位相差がある。
【0154】中心周波数-fbの隣接波については、1サ
ンプルの区間で−π/8の位相差となる。そこで、本発
明は1サンプル後の信号に1サンプル前の信号ベクトル
を7π/8の位相だけ回転したものを加算して、中心周波
数-fbの隣接波を相殺する方法を考案した。
【0155】図21(b)で明らかなように、2つのサン
プルはπの位相差となり、正反対のベクトルとなって消
滅する。このとき、希望波は6π/8の位相差であり、2s
in(π/8)のベクトルとして生き残る。
【0156】図21(b)に示した隣接チャネル除去のた
めの位相回転角と同様の方法で、次隣接チャネルおよび
次次隣接チャネルに対する除去のための位相回転角を、
図22(a)および図22(b)に示す。その結果、次隣接
チャネル除去に対しては5π/8となり、次次隣接チャネ
ル除去に対しては3π/8となることが分かる。
【0157】時刻toにおけるサンプル値を、I軸、Q軸
でIo、Qoとすると、時刻t1における回転ベクトルは、 I軸回転ベクトル=Io×cos(回転角)−Qo×sin(回転角) =Io×cos7π/8−Qo×sin7π/8 =−Io×cosπ/8−Qo×sinπ/8 Q軸回転ベクトル=Io×sin(回転角)+Qo×cos(回転角) =Io×sin7π/8+Qo×cos7π/8 =Io×sinπ/8−Qo×cosπ/8 となる。ここで、I軸は位相から見てcosine成分であ
り、Q軸はsine成分であるが、回転ベクトルは双方の成
分に回転角を乗じて作られる。このため、このような複
素係数フィルタと呼ばれるフィルタが誕生する。
【0158】図19の複素係数フィルタI、II、IIIでそ
れぞれI軸、Q軸から相手側に交差する成分が示されて
いる。以上から時刻t1における合成値は1サンプル時刻
前のサンプルを遅延した情報を回転したベクトルとの合
成となり、複素係数フィルタIのI軸、Q軸の出力をI
1、Q1で表すと、 I1=Io(t=to+ts)−Io(t=to)×cosπ/8−Qo(t=to)×sinπ/8 -----(式1) Q1=Qo(t=to+ts)+Io(t=to)×sinπ/8−Qo(t=to)×cosπ/8 -----(式2) となる。ただし、t、toは時刻を表し、tsは1サンプル
の間隔時間を示す。
【0159】同様に、次隣接チャネルの除去のための複
素係数フィルタIIでは、回転ベクトルの回転量を、5π
/8とし、次次隣接チャネルの除去のための複素係数フ
ィルタIIIでは、回転ベクトルの回転量を、3π/8とす
る。複素係数フィルタIIのI軸、Q軸の出力をI2、Q2で
表すと、 I2=I1(t=to+ts)+I1(t=to)×cos5π/8−Q1(t=to)×sin5π/8 ---(式3) Q2=Q1(t=to+ts)+I1(t=to)×sin5π/8+Q1(t=to)×cos5π/8 ---(式4) 複素係数フィルタIIIのI軸、Q軸の出力をI3、Q3で表
すと、 I3=I2(t=to+ts)+I2(t=to)×cos3π/8−Q2(t=to)×sin3π/8 ---(式5) Q3=Q2(t=to+ts)+I2(t=to)×sin3π/8+Q2(t=to)×cos3π/8 ---(式6) 時刻toとto+tsのサンプルの間には遅延関係が存在す
る。図19においてはto側に遅延手段を設けている。な
お、前記複素係数フィルタの縦続の順序はどれをはじめ
にしても理論上は差はない。ただし、実際には回路を実
現する手段の周波数特性から望ましい順序が存在する。
【0160】図21(c)において希望波中心角周波数を
+ωoとし、下側隣接チャネル3波の中心角周波数を、そ
れぞれ-ωo、-3ωo、-5ωo、とすると、この隣接チャネ
ル波をそれぞれ除去しようとする複素係数フィルタI、I
I、IIIの位相特性Pはそれぞれ複素係数フィルタI:-
ωo除去 P=-πω/16ωo+3π/16複素係数フィルタII:-3ωo
除去 P=-πω/16ωo+5π/16複素係数フィルタIII:-5ωo
除去 P=-πω/16ωo+7π/16に示す関数の図中の右下がり
の平行3線のようになる。この3つのフィルタ位相特性
を合成すると、P=-3πω/16ωo+15π/16で表される
図21(c)のA線になり、ω=0における切片はB点で
表され15π/16となる。
【0161】この効果を、図23に理論計算結果で示
す。図23(a)は複素係数フィルタI、II、IIIの3種類
のフィルタの個別の特性を示したものであり、図23
(b)は総合特性である。図23(a)からは、複素係数フ
ィルタ1段では周波数零点がチャネル間隔の4倍で現れ
るが、合成するとチャネル間隔毎に発生する様が理解さ
れる。また図23(b)からは、この結果、灰色部で示し
た希望波が保護されながら、上下の隣接波群が大きく減
衰している様子が明らかである。
【0162】以上の効果は、図2(a)および(b)に示し
たように、周波数変換後の希望波中心周波数とサンプリ
ング周波数との間にチャネル間隔周波数の1/2だけ周波
数オフセットを施したことにより得られるものである。
【0163】また、周波数オフセットの他の効果は復調
後の直流オフセットやドリフトからの影響を回避する効
果がある。
【0164】ところで、図21(c)に示したように、複
素係数フィルタは周波数に依存しない一定の位相進み遅
れが与えられることを示しているが、複数段の複素係数
フィルタをカスケードに接続して使用すると図21(c)
のBに示したように、周波数に依存した位相歪みが発生
する。
【0165】そこで、この位相歪みを除去するために、
図24に示した等化器に接続する。この場合は信号の除
去は行なわないので、遅延手段は不要で単純に位相を戻
すことが可能となる。図25に示すように、等化器の位
相等化は、等化器のI軸、Q軸の出力をI4、Q4で表わ
し、回転位相を-15π/16にとると、 I4=I3×cos(-15π/16)−Q3×sin(-15π/16) --------(式7) Q4=I3×sin(-15π/16)+Q3×cos(-15π/16) --------(式8) 図24の構成により、I軸、Q軸からの信号情報を直交
軸を位相回転することにより、位相の修正が行なえる。
【0166】ここで、前述の式1から式6までを見直す
と、回転ベクトルを生成するために必要な演算係数が2
種類のみで構成できていることが分かる。すなわち、π
/8に着目してその正弦、余弦をおのおのα、βとする
と、 sinπ/8=cos3π/8=-cos5π/8=sin7π/8=0.3826
8=α cosπ/8=sin3π/8=sin5π/8=cos7π/8=0.92388
=β となる。したがって、式1から式6までの係数の絶対値は
前記2値のみで構成できる。すなわち、フィルタの係数
をすべて前記2値で構成できることは、各チャネルの角
速度の差がπ/8の倍数上に置かれたことによるもの
で、これもまた、周波数変換後の希望波中心周波数とサ
ンプリング周波数との間にチャネル間隔周波数の1/2だ
け周波数オフセットを施したことにより得られるもので
ある。
【0167】以上の結果、希望波を中心にして上下各2
波の隣接チャネルは減衰できる。しかし、希望波から離
れた周波数上で、イメージ抑制型化フィルタ特有の周波
数折り返し領域に図26に示すように通過域ができる。
【0168】(ローパスフィルタの具体例)そこで本発
明では最後に遅延手段を用いてローパス・フィルタを形
成し、簡単な構成でこれらの高域不要信号を除去する。
図26に周波数上の除去すべき位置を示し、図27にロ
ーパス・フィルタの構成を示す。
【0169】図27の構成によれば、各遅延素子は遅延
時間で定まる積分作用を持つことから、遅延時間を基本
周期とする基本周波数とその2倍波と4倍波に対して阻
止作用を持つ。この理論特性を図28に示す。
【0170】(イメージ抑制型周波数変換回路の具体
例)図29は、図7、図9および図12で用いられるイ
メージ抑制型周波数変換回路の具体例であり、また図3
1は、その動作タイミングを示したものである。
【0171】周波数変換は、複素数を用いて以下のよう
に表せる。今、角中心周波数ωcを持つφcosωoなる角
度変調と加算する角周波数ωoを合成する場合を考える
と、 cos((ωc+ωo)t+φcosωot)+jsin(((ωc+ωo)t+φcosωot) =cos(ωct+φcosωot)×cosωot-sin(ωct+φcosωot)×sinωot +j{sin(ωct+φcosωot)×cosωot+cos(ωct+φcosωot)×sinωot}--(式9 ) となる。ここで希望波においては直流域へ中心周波数の
引き下げを図る必要があるので、ωc→(-ωo)とする
と、前記式9は、 cos((ωot+φcosωot)-ωot)+jsin((ωot+φcosωot)-
ωot)=cos(ωot+φcosωot)×cosωot+sin(ωot+φcos
ωot)×sinωot+j{sin(ωot+φcosωot)×cosωot-cos
(ωot+φcosωot)×sinωot} ここで、φcosωot≪π/2とすると、 cos((ωot+φcosωot)-ωot)+jsin((ωot+φcosωot)-
ωot)=cos(ωot+φ)×cosωot+sin(ωot+φ)×sinωot
+j{sin(ωot+φ)×cosωot-cos(ωot+φ)×sinωot} となり、それぞれのcosine、sineはサンプリング周波数
が2ωoであれば標本化定理を満たす。したがって、サ
ンプリング時刻は、角周波数ωoの位相値がπ/2の整数
倍である1周期4サンプリング時刻とすればよい。
【0172】図31(d)および(e)はこれに従いcosωo
tとsinωotとを1周期4サンプリングでサンプリングし
た状態である。時刻nπではsinωotが、そのπ/2だけ
位相が遅れる時刻にはcosωotが、0になる。したがっ
て、サンプリングされたゼロでない値は図31(d)およ
び(e)のように1周期に2箇所だけとなる。
【0173】上述のように、周波数変換は乗算で求めら
れるので、ゼロとなる位相が無視できる。この結果、co
sωotまたはsinωotとの乗算が単純に+1、-1との積とな
るから、すなわち、極性だけの管理をすれば乗算がなさ
れる。図31(j),(l),(m)は、それぞれcosωotが+
1、-1になる時刻を示すと同時に、サンプル信号であるI
i(nT)とQi(nT)の信号に+1、-1を乗算した信号すなわち
正極性のIi(nT)とQi(nT)と逆極性の-Ii(nT)と-Qi(nT)と
を選択するゲート信号である。
【0174】なお、図31に示したこれらの制御信号群
はすべてクロック信号により支配されており、これらの
制御信号を生成することが可能であることは図17に示
した制御回路と酷似の回路となる上、標準の論理回路に
より生成することが可能であるのは、ほとんど自明であ
るので、具体例を以って提示することを省略する。
【0175】図29(b)の回路図において、増幅器U10
はスイッチSW11とキャパシタC10との構成により、図1
7の反転増幅器U1と同一の機能である入力信号と同一極
性の緩衝増幅器をなす。全く同様に増幅器U20は同様に
入力信号と同一極性の緩衝増幅器をなす。増幅器U11は
図17の反転増幅器U2と同様の機能である入力信号と極
性の反転する出力を生成する反転増幅器をなすものであ
る。増幅器U21も同様である。
【0176】増幅器U12およびU22は、複数のキャパシタ
C17、C28またはC18、C27から信号供給を受ける極性反転
乗算加算回路をなす。乗算利得は、帰還キャパシタC31
またはC32を分母として入力側キャパシタC17、C2、C1
8、C27を分子とする比の値で決定される。スイッチSW11
〜SW15、スイッチSW21〜SW25は前記増幅器U11、U12、U2
1、U22がそれぞれ入力信号Ii(nT)またはQi(nT)を受けて
正極性のIi(nT)とQi(nT)と逆極性の-Ii(nT)と-Qi(nT)と
を生成すべくクロック信号aに同期して生成された前述
の図31(a),(b),(c)またはその反転信号により制御
されて動作する。スイッチSW16〜SW19は、正極性のIi(n
T)とQi(nT)と逆極性の-Ii(nT)と-Qi(nT)とから選択して
増幅器U12による加算回路に伝えその出力Io(nT)を支配
する。スイッチSW16〜SW19を制御する信号は図31
(j),(k),(l),(m)またはその反転信号である。
【0177】いま、時刻t1では、図31(j)に示したタ
イミング制御jに示すようにcosineだけが+1となり、ス
イッチSW17が-Ii(nT)を通し極性反転乗算加算回路U12に
供給するのでその出力Io(nT)にはIi(nT)が発生する。
【0178】時刻t2では図31(l)に示したタイミング
制御lに示すようにsineだけが+1となり、スイッチSW18
が-Qi(nT)を通し極性反転乗算加算回路U12に供給するの
でその出力Io(nT)にはQi(nT)が発生する。
【0179】時刻t3では図31(k)に示したタイミング
制御kに示すようにcosineだけが-1となり、スイッチSW
16が+Ii(nT)を通し極性反転乗算加算回路U12に供給する
のでその出力Io(nT)には-Ii(nT)が発生する。
【0180】時刻t4では図31(m)に示したタイミング
制御mに示すようにsineだけが-1となり、スイッチSW19
が+Qi(nT)を通し極性反転乗算加算回路U12に供給するの
でその出力Io(nT)には-Qi(nT)が発生する。
【0181】同様に、Qo(nT)端子側では、時刻t1では図
31(j)に示したタイミング制御jに示すようにcosine
だけが+1となり、スイッチSW27が-Qi(nT)を通し極性反
転乗算加算回路U22に供給するのでその出力Qo(nT)にはQ
i(nT)が発生する。
【0182】時刻t2では図31(l)に示したタイミング
制御lに示すようにsineだけが+1となり、スイッチSW28
が-Ii(nT)を通し極性反転乗算加算回路U22に供給するの
でその出力Qo(nT)にはIi(nT)が発生する。
【0183】時刻t3では図31(k)に示したタイミング
制御kに示すようにcosineだけが-1となり、スイッチSW
26が+Qi(nT)を通し極性反転乗算加算回路U22に供給する
のでその出力Qo(nT)には-Qi(nT)が発生する。
【0184】時刻t4では図31(m)に示したタイミング
制御mに示すようにsineだけが-1となり、スイッチSW29
が+Ii(nT)を通し極性反転乗算加算回路U22に供給するの
でその出力Qo(nT)には-Ii(nT)が発生する。
【0185】以降、4クロック毎に時刻t1からt4までの
回路切替え制御が行なわれ、前記式7の演算が図29に
示した原理通りに実行される。
【0186】このようにして、スイッチドキャパシタ回
路を用いることによりイメージ抑制型周波数変換回路を
具現化することができる。
【0187】図30は、図29に示したイメージ抑制型
周波数変換回路を制御する回路例である。サンプリング
・クロック信号aをクロック入力端子CLKに受ける第
1のD型フリップフロップU1とそのQ出力をクロック入
力端子CLKに受ける第2のD型フリップフロップと第
1のD型フリップフロップU1のQ出力とサンプリング・
クロック信号aとを入力とする第1の論理積回路U3と第
1のD型フリップフロップU1のQバー出力と第2のD型
フリップフロップのQバー出力とを入力とする論理和回
路U4と第1のD型フリップフロップU1のQ出力と第2の
D型フリップフロップU2のQバー出力とを入力に受ける
第2の論理和回路U6と第1のD型フリップフロップU1の
Qバー出力と第2のD型フリップフロップU2のQ出力と
を入力に受ける第3の論理和回路U8と第1のD型フリッ
プフロップU1のQ出力と第2のD型フリップフロップU2
のQ出力とを入力に受ける第4の論理和回路U10と上記
第1の論理和回路U4の負論理出力とサンプリング・クロ
ック信号aとを入力とする第2の論理積回路U5と第2の
論理和回路U4の負論理出力とサンプリング・クロック信
号aとを入力とする第3の論理積回路U7と第3の論理和
回路U4の負論理出力とサンプリング・クロック信号aと
を入力とする第4の論理積回路U9と第4の論理積回路U4
の負論理出力とサンプリング・クロック信号aとを入力
とする第5の論理積回路U11とから成る。
【0188】図30により動作を説明する。サンプリン
グ・クロック信号aは第1のD型フリップフロップU1の
クロック入力CLKに供給されて分周出力Qおよび負論
理出力Qバーが得られる。そのQ出力は第2のD型フリ
ップフロップU2のクロック入力CLKに供給されて分周
出力Qおよび負論理出力Qバーが得られる。この結果、
第2のD型フリップフロップU2の出力Qおよび負論理出
力Qバーにはサンプリング・クロック信号aの4分周さ
れた信号が得られる。これより、第1の論理積回路U3は
サンプリング・クロック信号aと第1のD型フリップフ
ロップU2のQ出力が供給されてQ出力が高電位“H”の
期間の2クロック間のみ2クロックに合わせて出力が高
電位“H”になる。第2の論理積回路U5は第1のD型フ
リップフロップU1のQバー出力からのサンプリング・ク
ロック信号aの1/2分周信号と第2のD型フリップフ
ロップのQバー出力からのサンプリング・クロック信号
aの1/4分周とを入力とする第1の論理和回路U4の負
論理出力とサンプリング・クロック信号aとが供給され
て4サンプリング・クロック期間の最初のクロック期間
が高電位“H”になる。同様にして第3の論理積回路U7
は第1のD型フリップフロップU1のQ出力からのサンプ
リング・クロック信号aの1/2分周信号と第2のD型
フリップフロップのQバー出力からのサンプリング・ク
ロック信号aの1/4分周とを入力とする第2の論理和
回路U6の負論理出力とサンプリング・クロック信号aと
が供給されて4サンプリング・クロック期間の第2のク
ロック期間が高電位“H”になる。第4の論理積回路U9
は第1のD型フリップフロップU1のQバー出力からのサ
ンプリング・クロック信号aの1/2分周信号と第2の
D型フリップフロップのQ出力からのサンプリング・ク
ロック信号aの1/4分周とを入力とする第3の論理和
回路U8の負論理出力とサンプリングクロック信号aとが
供給されて4サンプリング・クロック期間の第3のクロ
ック期間が高電位“H”になる。第5の論理積回路U11
は第1のD型フリップフロップU1のQ出力からのサンプ
リング・クロック信号aの1/2分周信号と第2のD型
フリップフロップのQ出力からのサンプリング・クロッ
ク信号aの1/4分周とを入力とする第4の論理和回路
U10の負論理出力とサンプリング・クロック信号aとが
供給されて4サンプリング・クロック期間の第4のクロ
ック期間が高電位“H”になる。
【0189】以上から、上記制御回路により、図31に
示したイメージ抑制型周波数変換回路の具体例の動作タ
イミングにおける各タイミング波形は、+1/-1弁別信号
(h)は上記制御回路の第1の論理積回路U3の出力信号
が対応し、同様に図31に示したI/Q弁別信号(i)
は上記制御回路の第1のD型フリップフロップU1のQ出
力信号が対応し、cosθの+1のタイミング波形(j)は
上記制御回路の第2の論理積回路U5の出力信号が対応
し、cosθの-1のタイミング波形(k)は上記制御回路
の第3の論理積回路U7の出力信号が対応し、sinθの+1
のタイミング波形(l)は上記制御回路の第4の論理積回路
U9の出力信号が対応し、cosθの-1のタイミング波形
(m)は上記制御回路の第5の論理積回路U11の出力信
号が対応することが明らかとなる。したがって、図29
に示したイメージ抑制型周波数変換器の構成例とおよび
図30に示した制御回路によりイメージ抑制型周波数変
換が達成できることが明らかとなる。
【0190】(スイッチドキャパシタ回路による幾つか
の機能要素の具体化例)図32は、複素係数フィルタの
具体例について示す。図32は複素係数フィルタを構成
する基本要素である遅延器とインバータと乗算加算器と
をスイッチドキャパシタ回路で具現化したものである。
【0191】スイッチドキャパシタ回路の動作原理につ
いては図17の直交成分分離回路において行なった動作
説明を流用できるので、ここでは省略する。複素係数フ
ィルタを構成するためのスイッチドキャパシタ回路の回
路要素を図32(b)、(c)、(d)に示す。図32(a)に
示すように複素係数フィルタを実現するためには、遅延
器と正数乗算器と負数乗算器と加算器が必要になる。
【0192】図32(b)はスイッチドキャパシタ回路に
よる遅延器である。キャパシタンスで乗算作用を持たせ
ることができる。乗算式を図中に示す。
【0193】負数の乗算器を図32(c)に示す。加算器
を図32(d)に示す。正数の乗算を行なう場合は、負数
乗算器を2段縦続にする。
【0194】以上の基本要素を用いて構成したスイッチ
ドキャパシタ回路による複素係数フィルタ1段分の具体
化例を図33に示す。同様に、図34にスイッチドキャ
パシタ回路による位相等化器の具現化例を示す。
【0195】図35にスイッチドキャパシタ回路による
ローパス・フィルタの具現化例を示す。図35はI軸と
Q軸に同一のものが用いられる。動作はすべてクロック
で制御される。
【0196】すなわち、スイッチドキャパシタ回路にお
ける消費電力は、転送クロック速度に比例し、抱える静
電容量に比例し、扱う信号振幅の2乗に比例する。スイ
ッチドキャパシタ回路をGaAsなどの化合物半導体のよう
な低雑音デバイスで構成すると、信号振幅が小さくても
十分なS/Nが得られるので、大きな振幅を確保する必
要がなくなり、中間周波帯の信号が高い周波数になって
も、従来のディジタル回路による処理に比較してはるか
に低い消費電力となる。
【0197】図36は、スイッチドキャパシタ回路を用
いた等化器とローパス・フィルタの一体化を図った具体
化例である。スイッチドキャパシタは、原則として各段
にオペアンプを保有しているが、オペアンプはスイッチ
ドキャパシタ回路で消費電力を増大する大きな原因でも
ある。図36は等化器側のオペアンプとローパス・フィ
ルタ側のオペアンプとを共用してオペアンプの個数を低
減した例である。図中の等化器1はローパス・フィルタ
2と本来は直交成分をそれぞれ独立に接続すればよい
が、灰色太線枠内に本来置くべき等化器1の出力近傍の
オペアンプを省略し共用するために、ローパス・フィル
タ2の入力端近傍のオペアンプ4およびオペアンプ5に
直交成分の双方を供給する形で接続している。なお、図
36はQ軸側のみを示したものであるが、I軸側も全く
同様にして共用化することが可能である。
【0198】受信装置の消費電力をより低減するために
は、図33、図34、図35及び図36に示したスイッチ
ドキャパシタ回路によるフィルタでは不十分な場合があ
る。これは図33、図34、図35及び図36を見て明ら
かなように、電力を多く消費する能動素子とりわけ増幅
器が多すぎることが原因である。
【0199】(CCD回路による機能要素の具体化例)
図37はCCD回路により構成したフィルタにサンプリ
ング出力する本発明の具現化例を示したものである。図
37(a)はCCDの構造を示したものである。CCDは
n型基板とSiO2層との間に電荷のポテンシャル井戸を形
成できるようにしたもので、SiO2層の外側に設けたゲー
ト電極の電位によりポテンシャル井戸に格納した電荷を
転送できるものである。
【0200】図37(a)から明らかなように、電荷の転
送される方向に原理的には能動素子が存在しない。ま
た、電荷の移送により処理がなされるので、同一の情報
に対して新たな電荷を供給する必要がない。したがっ
て、根本的に消費電力が低い。また、動作はすべてゲー
ト電極に加えられるクロックで制御される。しかしスイ
ッチング素子を通さずにすむので、スイッチングによる
雑音などが少ない。
【0201】したがって、低雑音デバイスで構成する
と、信号振幅が小さくても十分なS/Nが得られるの
で、大きな振幅を確保する必要がなくなり、スイッチド
キャパシタ回路に比較してはるかに低い消費電力とな
る。CCDは一般に画像の転送に用いられる。このため
図37(a)に見られるように入力された電荷のみで最終
出力まで送られる。
【0202】本発明の目的達成のためには、遅延回路部
への信号の分配機能と遅延差の発生、および非遅延信号
と遅延信号の合成が必要となり、雑音耐性を考慮する
と、入力された電荷のみで最後まで処理することは好ま
しくない。
【0203】図37(b)においてはこのために前記機能
のための回路を考案した。ローパス・フィルタ1段につ
いてその内容を説明する。図37(b)において、灰色太
線枠は入力バッファ段1、遅延側CCD列2、非遅延側
CCD列3、加算用CCD4、出力バッファ兼用入力バ
ッファ段5から成る遅延型ローパス・フィルタ1段の基
本構成で、図27に示した遅延素子型ローパス・フィル
タの初段に対する具体化例を示している。これを図37
(b)で図示番号6として対応させている。同様に図示番
号7は2段分の遅延差を付加したローパス・フィルタ
段、図示番号8は4段分の遅延差を付加したローパス・
フィルタ段を示す。
【0204】初段において、入力バッファ段1は、入力
される電荷と等しい電荷を後続の遅延側CCD列2、非
遅延側CCD列3、に等量に供給するために設けたバッ
ファで、入力電荷量のおよそ2倍の電荷を電源からCC
D列に供給する。遅延側CCD列2、非遅延側CCD列
3、は伝送損失が無視できる場合には単位セルは全く同
一もので構成できる。
【0205】初段においてはCCD列の長さは遅延側C
CD列2が1セル多くしてある。加算用CCD4は2系
統からの電荷を受けるので、セルが飽和しないようにポ
テンシャル井戸を広くする。このことは出力バッファ兼
用入力バッファ段5においても同様である。バッファ段
5のFETバッファは基本的には入力バッファ段1と同
様の機能である。以上から、ローパス・フィルタはCC
Dデバイス技術を発展させて実現できる。
【0206】
【発明の効果】以上のような構成により、本発明は、中
間周波数段を1段にとどめると同時にその出力をサンプ
ル・ホールドし以降の信号処理を集積回路化が容易なデ
ィジタル化を図ることにより、第1の課題である良好な
受信チャネル選択度の確保に受信装置が多くの部品を必
要とすることへの解決としている。
【0207】また、本発明は、ディジタル化信号処理を
ディジタル論理回路を用いずにスイッチドキャパシタ回
路を採り入れることで信号振幅を低減するとともに少な
い回路素子による集積回路化を容易にして、第2の課題
である前記第1の課題の多くの部品が、大きな消費電力
を招くことの解決を図っている。
【0208】また、本発明は、ディジタル化に際してお
こなわれるサンプリングを、通常の一次サンプリングか
ら帯域制限サンプリング方式を採用してサンプリング・
クロック周波数を大幅に低下させることにより、第3の
課題であるアナログ処理の数倍の消費電力を招く信号処
理のディジタル化に対処している。
【0209】また、本発明は、(1)前記スイッチドキャ
パシタ回路を採る複素フィルタを用いることで加減乗除
をほぼ同等の低電力で処理するようにし、(2)中間周波
へのダウンコンバートにおいてチャネル間隔周波数に相
当する周波数オフセットを施すこと及び前記複素係数フ
ィルタを用いることで演算の回数の低減を図るようにし
て、第4の課題である演算が複雑で消費電力が大きい従
来型のディジタルフィルタへの解決としている。
【0210】さらに、本発明は、受信信号の離散化はサ
ンプル・ホールド回路で行なうものの、論理レベルへの
変換はせず、ディジタル信号処理を行なうことをスイッ
チドキャパシタ回路を用いることにより行ない、入力信
号の振幅を大きくする必要性を排除して、第5の課題で
ある大入力信号振幅を必要とするA/D変換器への解決
としている。
【0211】また、本発明は、局部発振信号を受信信号
の搬送波周波数と等しくせず、上述のとおり、チャネル
間隔周波数に相当する周波数オフセットを施すことで対
処して、第6の課題であるダイレクトコンバージョン受
信方式が局部発振信号を空中線から放射し隣接局に妨害
を与えたり、直流オフセットが発生し復調信号に誤りを
与えることへの解決としている。
【0212】以上から、本発明は従来の課題をすべて解
決した受信装置を提供することができるものである。
【0213】なお、請求項2〜6、8〜9の発明におい
て、構成要素の複素係数フィルタにおける3段の接続順
序、あるいは複素係数複素と等化器の接続順序は、それ
ぞれが数理的には乗算作用であることから、互いに逆の
順序で接続した構成にしても、ほぼ同様の効果をえるこ
とができることは、一般の線形回路が有する基本的性質
であり、本発明の範囲に含まれる。
【0214】同様に、なお、請求項8〜9の発明におい
て、構成要素の間引き回路とオフセット周波数除去のた
めの周波数変換器あるいは平均化回路とオフセット周波
数除去のための周波数変換器の接続順序においても、そ
れぞれが数理的には乗算作用であることから、互いに逆
の順序で接続した構成にしても、本発明の範囲に含まれ
る。
【0215】さらに、請求項1〜9の発明において、基
本的なサンプリング周波数を希望波の基底帯域幅の16
倍としている点を、32倍とし、隣接波数をおよそその
2倍の取ることは、基本的に本発明の考え方を拡張する
だけのことであり、本発明の範囲に含まれる。ことは言
うまでもない。
【0216】また、請求項7〜9の発明に示した複素係
数フィルタを用いた隣接波除去回路手段系を二重に用い
る方法において、総合したサンプリング周波数を希望波
の基底帯域幅の64倍としていることは、二重にまたは
多重に用いることが可能であることを示すものであっ
て、64倍オーバサンプリングは2の整数乗倍する場合
を包含すると考える。
【0217】また、本発明はハードウェアにより信号処
理を行なうことを目的の様々な工夫を凝らしたものであ
るが、例えばサンプリング周波数すなわち標本化周波数
を希望波基底帯域の16倍にとりディジタル信号処理に
より複素係数フィルタを構成し次隣接波および次隣接波
を位相角差π/4ごとの位置に捉えて除去することも、
本発明の範疇に入ることであると考える。
【0218】また、請求項1〜4における発明において
は、請求項5〜6の発明において示した周波数オフセッ
ト残量の除去をディジタル系における信号処理に委ねる
考えであって、基本的にはこの除去が不可欠であること
は言うまでもない。
【0219】また、請求項8の発明と請求項9の発明と
の折衷による間引き処理と平均化処理の併用は、請求項
7の発明に基本的に含まれると考える。
【0220】同様に、請求項8の発明と請求項9の発明
における局部発振による周波数変換において周波数変換
後の周波数域を中間周波数とする方法と直流域とする方
法との選択と間引き処理と平均化処理の選択上で複数の
ものの組み合わせが可能であるが、これらはすべて請求
項7の発明に基本的に含まれると考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成例を示す図、
【図2】本発明の第1の実施の形態の第1の説明図、
【図3】本発明の第1の実施の形態の第2の説明図、
【図4】本発明の第2の実施の形態の構成例を示す図、
【図5】本発明の第2の実施の形態の第1の説明図、
【図6】本発明の第2の実施の形態の第2の説明図、
【図7】本発明の第3の実施の形態の構成例を示す図、
【図8】本発明の第3の実施の形態の説明図、
【図9】本発明の第4の実施の形態の構成例を示す図、
【図10】本発明の第4の実施の形態の説明図、
【図11】本発明の第4の実施の形態で使用する平均化
回路の構成例を示す図、
【図12】本発明の第5の実施の形態の構成例を示す
図、
【図13】本発明の第5の実施の形態の構成例を示す
図、
【図14】本発明の間引き回路の構成例を示す図、
【図15】本発明の第5の実施の形態の説明図、
【図16】高速サンプル・ホールド回路例を示す図、
【図17】直交成分分離回路の具体例を示す図、
【図18】直交成分分離回路の具体例の動作タイミング
を示す図、
【図19】複素係数フィルタ例を示す図、
【図20】複素係数フィルタの特性の設定を示す図、
【図21】複素係数フィルタの動作解説を示す図、
【図22】次隣接チャネルおよび次次隣接チャネルに対
する除去のための位相回転角を示す図、
【図23】複素係数フィルタの理論特性を示す図、
【図24】等化器の構成例を示す図、
【図25】等化器の動作説明を示す図、
【図26】複素係数フィルタ群の出力に見られる高域周
波数でフィルタ機能が低下する様子とローパス・フィル
タで除去する領域を示す図、
【図27】遅延素子型ローパス・フィルタの構成例を示
す図、
【図28】遅延素子型ローパス・フィルタの特性と各チ
ャネル波の位置関係を示す図、
【図29】イメージ抑制型周波数変換回路の構成例を示
す図、
【図30】イメージ抑制型周波数変換回路を制御する回
路例を示す図、
【図31】イメージ抑制型周波数変換回路の動作タイミ
ングを示す図、
【図32】スイッチドキャパシタ回路によるフィルタの
具現化の説明図、
【図33】スイッチドキャパシタ回路による複素係数フ
ィルタ1段の具現化例を示す図、
【図34】スイッチドキャパシタ回路による位相等化器
の具現化例を示す図、
【図35】スイッチドキャパシタ回路によるローパス・
フィルタの具現化例を示す図、
【図36】オペアンプの共用化で消費電力低減を図った
等化器とローパス・フィルタの回路例を示す図、
【図37】CCDによる等化器およびローパス・フィル
タを示す図、
【図38】従来例の受信装置の構成を示す図、
【図39】ダイレクトコンバージョン受信装置の従来例
を示す図、
【図40】ダイレクトコンバージョン受信の課題を示す
図である。
【符号の説明】
1 受信信号入力 2 高周波増幅器 3 第1の帯域通過フィルタ 4 周波数変換器 5 局部発振器 6 第2の帯域通過フィルタ 6’ 初段のローパス・フィルタ 7 AGC増幅器 8 サンプル・ホールド回路 9 サンプリング・クロック 10 I軸成分分離回路 11 Q軸成分分離回路 12 複素係数フィルタ 13 複素係数フィルタI軸出力 14 複素係数フィルタQ軸出力 15 I軸等化器 16 Q軸等化器 17 I軸ベースバンド信号出力 18 Q軸ベースバンド信号出力 19 I軸ローパス・フィルタ 20 Q軸ローパス・フィルタ 21、21’ イメージ抑制型信号処理系へのI軸出力 22、22’ イメージ抑制型信号処理系へのQ軸出力 23、23’ クロック信号発生および制御回路 24 I軸間引き回路 25 Q軸間引き回路 26 イメージ抑制型周波数変換回路 27 I軸平均化回路 28 Q軸平均化回路 112 4倍域複素係数フィルタ 115 I軸4倍域等化器 116 Q軸4倍域等化器 119 I軸4倍域ローパス・フィルタ 120 Q軸4倍域ローパス・フィルタ 124 I軸4倍域間引き回路 125 Q軸4倍域間引き回路 127 I軸4倍域平均化回路 128 Q軸4倍域平均化回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 冨士雄 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送波周波数が均等の周波数間隔でチャ
    ネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、直交変
    調またはこれに類する変調方式を利用する無線システム
    を対象にする受信装置であって、受信希望チャネル信号
    を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端ま
    たは下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波数
    を該境界周波数を中心に上下およそ各3チャネルまでの
    周波数範囲を選択的に中間周波数へ周波数変換する手段
    と、受信希望チャネルの帯域幅または該当無線システム
    のチャネル間隔周波数の1/2の周波数の16倍の周波
    数でサンプリングする手段と、そのサンプリング出力か
    ら位相上での直交成分を抽出する手段と、その正相軸信
    号成分と直交位相軸信号成分とから受信希望チャネルの
    信号を抽出する手段とを備えたことを特徴とする受信装
    置。
  2. 【請求項2】 搬送波周波数が均等の周波数間隔でチャ
    ネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、直交変
    調またはこれに類する変調方式を利用する無線システム
    を対象にする受信装置であって、受信希望チャネル信号
    を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端ま
    たは下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波数
    を該境界周波数を中心に上下およそ各3チャネルまでの
    周波数範囲を選択的に直流領域へ周波数変換する手段
    と、受信希望チャネルの帯域幅または該当無線システム
    のチャネル間隔周波数の1/2の周波数の16倍の周波
    数でサンプリングする手段と、そのサンプリング出力か
    ら位相上での直交成分を抽出する手段と、その正相軸信
    号成分と直交位相軸信号成分とから受信希望チャネルの
    信号を抽出する手段とを備えたことを特徴とする受信装
    置。
  3. 【請求項3】 受信希望チャネル信号を含む受信信号を
    受け受信希望チャネルの帯域の上端または下端または該
    当する隣接チャネルとの境界の周波数を中間周波数とす
    る周波数変換器と、この周波数変換器から周波数変換出
    力を受け中間周波数を中心に上下およそ各3チャネルま
    での周波数範囲を通過帯域とする中間周波段と、この中
    間周波段の出力を受け受信希望チャネルの帯域幅の16
    倍または該当無線システムのチャネル間隔周波数の8倍
    の周波数でサンプリングするサンプル・ホールド回路
    と、そのサンプリング出力から位相上での直交成分を抽
    出しその正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを生成
    するヒルベルト変換器と、その受信信号正相軸信号成分
    と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル信号に隣
    接する上下各3チャネルの隣接チャネルを除去する機能
    を有する複素係数フィルタと、その出力を個々に受ける
    2基の位相等化器と、その個々の出力を受ける2基のロ
    ーパス・フィルタとから受信希望チャネルの信号を抽出
    することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  4. 【請求項4】 受信希望チャネル信号を含む受信信号を
    受け受信希望チャネルの帯域の上端または下端または該
    当する隣接チャネルとの境界の周波数を直流すなわちゼ
    ロ周波数とする周波数変換器と、この周波数変換器から
    周波数変換出力を受け直流すなわちゼロ周波数を中心に
    正負およそ各3チャネルまでの周波数範囲を通過帯域と
    する低周波段と、この低周波段の出力を受け受信希望チ
    ャネルの帯域幅の16倍または該当無線システムのチャ
    ネル間隔周波数の8倍の周波数でサンプリングするサン
    プル・ホールド回路と、そのサンプリング出力から位相
    上での直交成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位相
    軸信号成分とを生成するヒルベルト変換器と、その受信
    信号正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希
    望チャネル信号に隣接する上下各3チャネルの隣接チャ
    ネルを除去する機能を有する複素係数フィルタと、その
    出力を個々に受ける2基の位相等化器と、その個々の出
    力を受ける2基のローパス・フィルタとから受信希望チ
    ャネルの信号を抽出することを特徴とする請求項2記載
    の受信装置。
  5. 【請求項5】 前記2基のローパス・フィルタから抽出
    した受信希望チャネルの直交信号に対してそれぞれ間引
    き処理を行なう間引き回路と、その2つの出力を受けて
    オフセット周波数を除去するためのイメージ抑制型周波
    数変換回路とを備えることを特徴とする請求項1ないし
    請求項4いずれかに記載の受信装置。
  6. 【請求項6】 前記2基の等化器から抽出した受信希望
    チャネルを含む直交信号に対してそれぞれ平均化処理を
    行なう平均化回路と、その2つの出力を受けてオフセッ
    ト周波数を除去するためのイメージ抑制型周波数変換回
    路とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    いずれかに記載の受信装置。
  7. 【請求項7】 搬送波周波数が均等の周波数間隔でチャ
    ネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、直交変
    調またはこれに類する変調方式を利用する無線システム
    を対象にする受信装置であって、受信希望チャネル信号
    を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端ま
    たは下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波数
    を該境界周波数を中心に上下およそ各12チャネルまで
    の周波数範囲を選択的に中間周波数または直流領域へ周
    波数変換する手段と、受信希望チャネルの帯域幅または
    該当無線システムのチャネル間隔周波数の1/2の周波
    数の64倍の周波数でサンプリングする手段と、そのサ
    ンプリング出力から位相上での直交成分を抽出する手段
    と、その正相軸信号成分と直交位相軸信号成分とから受
    信希望チャネルを含む4チャネルの信号をそれ以外の隣
    接チャネルを除去して抽出する手段と、抽出した受信希
    望チャネルを含む4チャネルを、受信希望チャネルの帯
    域幅または該当無線システムのチャネル間隔周波数の1
    /2の周波数の16倍の周波数をサンプリング周波数と
    して、受信希望チャネル以外の隣接チャネルを除去して
    受信希望チャネルのみを抽出する手段とを備えたことを
    特徴とする受信装置。
  8. 【請求項8】 搬送波周波数が均等の周波数間隔でチャ
    ネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、直交変
    調またはこれに類する変調方式を利用する無線システム
    を対象にする受信装置であって、受信希望チャネル信号
    を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端ま
    たは下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波数
    を該境界周波数を中心に上下およそ各12チャネルまで
    の周波数範囲を選択的に中間周波数または直流領域へ周
    波数変換する手段と、受信希望チャネルの帯域幅または
    該当無線システムのチャネル間隔周波数の1/2の周波
    数の64倍の周波数でサンプリングするサンプル・ホー
    ルド回路と、そのサンプリング出力から位相上での直交
    成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位相軸信号成分
    とを生成するヒルベルト変換器と、その受信信号正相軸
    信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル
    信号に隣接する上側または下側の3チャネルの隣接チャ
    ネル以外を除去する機能を有する第2の複素係数フィル
    タと、その出力を個々に受ける2基の第2の位相等化器
    と、その個々の出力を受ける2基の第2のローパス・フ
    ィルタと、その出力を受け1/4に間引く第2の間引き
    回路と、その受信信号正相軸信号成分と直交位相軸信号
    成分とを受けて希望チャネル信号に隣接する上側または
    下側の3チャネルの隣接チャネルを除去するとともにベ
    ースバンド信号帯域へ変換する機能を有する第1の複素
    係数フィルタと、その出力を個々に受ける2基の第1の
    位相等化器と、その個々の出力を受ける2基の第1のロ
    ーパス・フィルタと、その出力を受け1/4に間引く第
    1の間引き回路と、オフセット周波数を除去するための
    イメージ抑制型周波数変換回路と、を備えることを特徴
    とする請求項7記載の受信装置。
  9. 【請求項9】 搬送波周波数が均等の周波数間隔でチャ
    ネル配置されまたはそれに近似の周波数配置の、直交変
    調またはこれに類する変調方式を利用する無線システム
    を対象にする受信装置であって、受信希望チャネル信号
    を含む受信信号を受け受信希望チャネルの帯域の上端ま
    たは下端または該当する隣接チャネルとの境界の周波数
    を該境界周波数を中心に上下およそ各12チャネルまで
    の周波数範囲を選択的に中間周波数または直流領域へ周
    波数変換する手段と、受信希望チャネルの帯域幅または
    該当無線システムのチャネル間隔周波数の1/2の周波
    数の64倍の周波数でサンプリングするサンプル・ホー
    ルド回路と、そのサンプリング出力から位相上での直交
    成分を抽出しその正相軸信号成分と直交位相軸信号成分
    とを生成するヒルベルト変換器と、その受信信号正相軸
    信号成分と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル
    信号に隣接する上側または下側の3チャネルの隣接チャ
    ネル以外を除去する機能を有する第2の複素係数フィル
    タと、その出力を個々に受ける2基の第2の位相等化器
    と、その出力を受け8サンプルにわたって平均化する2
    基の第2の平均化回路と、その受信信号正相軸信号成分
    と直交位相軸信号成分とを受けて希望チャネル信号に隣
    接する上側または下側の3チャネルの隣接チャネルを除
    去するとともにベースバンド信号帯域へ変換する機能を
    有する第1の複素係数フィルタと、その出力を個々に受
    ける2基の第1の位相等化器と、その出力を受け8サン
    プルにわたって平均化する2基の第1の平均化回路と、
    オフセット周波数を除去するためのイメージ抑制型周波
    数変換回路と、を備えることを特徴とする請求項7記載
    の受信装置。
  10. 【請求項10】 前記ヒルベルト変換器を、スイッチト
    キャパシタ回路からなる緩衝増幅器と反転増幅器とスイ
    ッチで構成したことを特徴とする請求項3、請求項4、
    請求項8または請求項9いずれかに記載の受信装置。
  11. 【請求項11】 前記複素係数フィルタにおける係数の
    絶対値を2種類だけで構成したことを特徴とする請求項
    3、請求項4、請求項8または請求項9いずれかに記載
    の受信装置。
  12. 【請求項12】 前記2基の等化器に必要なそれぞれの
    オペアンプを後段の前記ローパス・フィルタのオペアン
    プとそれぞれ共用したことを特徴とする請求項3、請求
    項4または請求項8いずれかに記載の受信装置。
  13. 【請求項13】 前記ローパス・フィルタをCCDを用
    いて構成しオペアンプの個数を削減したことを特徴とす
    る請求項12記載の受信装置。
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