JPH09264900A - 熱式流速センサの製造方法 - Google Patents

熱式流速センサの製造方法

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JPH09264900A
JPH09264900A JP8076592A JP7659296A JPH09264900A JP H09264900 A JPH09264900 A JP H09264900A JP 8076592 A JP8076592 A JP 8076592A JP 7659296 A JP7659296 A JP 7659296A JP H09264900 A JPH09264900 A JP H09264900A
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substrate
sensor
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JP8076592A
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Yoshiyuki Tonami
与之 戸波
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力特性のバラツキが小さく、精度および
信頼性が高い小型の熱式流速センサを低コストで製造す
る方法の提供を目的とする。 【解決手段】 基板の一方の表面には凹部が形成さ
れ、他方の表面には犠牲層と、発熱抵抗体および測温抵
抗体を設けた熱絶縁膜を含む感知層とが形成される。こ
の結果、積層用ブロックが形成される。次に、一の積層
用ブロックの凹部形成表面と、他の積層用ブロックの感
知層の表面とが重なるように複数の積層用ブロックが一
体に接合される。この後、一体に接合された複数の積層
用ブロックから犠牲層を除去すると基板と感知層が分離
し、熱式流速センサが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式流速センサの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近は、極めて精密なエッチング等の手
段をシリコン基板に施して種々の小型部品を作製するシ
リコンマイクロマシンニング技術が急速に進歩し、小型
で、応答性が早く、低消費電力という特徴を有する種々
の熱式流速センサが開発されている。
【0003】図7(a)および(b)を用いて、特公平
5−7659号公報に記載された第一の熱式流速センサ
について説明する。
【0004】熱式流速センサは、シリコン基板1と、第
一の絶縁層2と、第二の絶縁層3と、熱感知センサ4
A、4Bと、ヒ−タ5A、5Bと、比較抵抗6とから構
成される。なお、第一の絶縁層2と第二の絶縁層3は窒
化シリコンの薄膜を用いて形成される。また、熱感知セ
ンサ4A、4Bと、ヒ−タ5A、5Bおよび比較抵抗6
は、パ−マロイの薄膜を用いて形成される。
【0005】シリコン基板1の表面には、開口形が六角
形の凹部7が形成される。
【0006】第一の絶縁層2は、基板絶縁層2Aと、凹
部絶縁層2B、2Cとから一体に形成される。基板絶縁
層2Aは、シリコン基板1の表面に形成される。また、
凹部絶縁層2B、2Cは、凹部7の開口部中央を覆うよ
うに並設して設けられ、両端は基板絶縁層2Aに架橋接
続される。この結果、凹部絶縁層2Bと2Cの間には開
口形が四角形の開口部8が形成され、凹部絶縁層2B、
2Cの他端側には開口形が五角形の開口部9A、9Bが
形成される。
【0007】開口部8近傍の凹部絶縁層2B、2Cの表
面には、発熱抵抗体であるヒ−タ5A、5Bが形成さ
れ、ヒ−タ5A、5Bは直列に接続される。またヒ−タ
5A、5Bと隣接する凹部絶縁層2B、2Cの表面に
は、測温抵抗体の熱感知センサ4A、4Bが形成され
る。さらに、基板絶縁層2Aの表面には、比較抵抗6が
形成される。第一の絶縁層2の表面には、第二の絶縁層
3が積層形成される。この結果、ヒ−タ5A、5Bおよ
び熱感知センサ4A、4Bは、第一の絶縁層2と第二の
絶縁層3によって挟まれた構造となる。
【0008】なお、上述した凹部絶縁層2B、2Cの両
端が基板絶縁層2Aに接続されて架橋構造を形成する場
合を例示したが、これに限られず凹部絶縁層2B、2C
の一端側のみを基板絶縁層2Aに接続させたカンチレバ
−構造(片持ち梁形状)としても良い。
【0009】次に、熱式流速センサの動作原理を説明す
る。
【0010】窒化シリコンは熱的絶縁性が極めて高いと
いう特徴を有する。このため、シリコン基板1の温度に
比べて一定の温度だけ高くなるようにヒ−タ5を加熱す
ると、発生する熱は第一の絶縁層2および第二の絶縁層
3を介して伝熱するよりも、周囲の空気を介して熱感知
センサ4A、4Bに伝熱する。すなわち、空気に流れが
ない場合は、熱が二つの熱感知センサ4A、4Bに均一
に伝わり、熱感知センサ4A、4Bは同一の温度とな
る。しかしながら、空気に流れがある場合は、例えば上
流に位置する熱感知センサ4Aは、ヒ−タ5A、5Bに
向かう空気の流れによって熱が運び去られるので冷やさ
れる。一方、例えば下流に位置する熱感知センサ4B
は、ヒ−タ5A、5Bからの空気の流れによって加熱さ
れる。このため、熱感知センサ4A、4Bの抵抗値の差
が電圧値の差をもたらし、空気の流速が測定される。な
お、周囲の空気の温度は比較抵抗6によってモニタさ
れ、空気の流速が補正される。
【0011】次に、図8(a)乃至(c)を用いて、熱
式流速センサの製造方法の一例を概略説明する。
【0012】(100)の結晶面を有するシリコン基板
1の表面に、窒化シリコンの薄膜層10が形成される。
この後、窒化シリコンの薄膜層10の表面に形成された
パ−マロイの薄膜層にフォトリソグラフィ手段を施し
て、熱感知センサ4A、4Bと、ヒ−タ5A、5Bおよ
び比較抵抗6が形成される。さらに、露出した窒化シリ
コンの薄膜層10と、熱感知センサ4A、4Bと、ヒ−
タ5A、5Bおよび比較抵抗6の表面を覆うように、窒
化シリコンの薄膜層11が形成される。なお、窒化シリ
コンの薄膜層10、11およびパ−マロイの薄膜層は、
スパッタリング等の手段を用いて形成される。
【0013】次に、シリコン基板1の表面の所定部分が
露出するように、窒化シリコンの薄膜層10、11の一
部がドライエッチング等の手段を用いてエッチング除去
され、開口部8、9A、9Bが形成される。この結果、
第一の絶縁層2および第二の絶縁層3が形成される。
【0014】次に、開口部8、9A、9Bを介して、シ
リコン基板1の表面から裏面方向に向けて化学的エッチ
ングを行う。この結果、凹部絶縁層2B、2Cの下部の
シリコン基板1はエッチング除去され、凹部7が形成さ
れる。なお、凹部7の壁面は、化学エッチングされずら
い(111)の結晶面あるいは他の結晶面によって形成
される。エッチング液は、水酸化カリウム(KOH)と
イソプロパノ−ルアルコ−ルの混合液が用いられる。
【0015】図9を用いて、特公平5−79876号公
報に記載された第二の熱式流速センサについて説明す
る。なお、動作原理は、第一の熱式流速センサと同じな
ので省略する。
【0016】熱式流速センサは、シリコン基板12と、
第一の絶縁層13と、ヒ−タ14と、感温測温体15、
16と、第二の絶縁層17と、第三の絶縁層18とから
構成される。なお、第一の絶縁層13と、第二の絶縁層
17および第三の絶縁層18は、窒化シリコンの薄膜を
用いて形成される。また、ヒ−タ14と、感温測温体1
5、16は、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属
の薄膜を用いて形成される。
【0017】シリコン基板12の表面には第一の絶縁層
13が積層形成され、第一の絶縁層13の表面には、ヒ
−タ14と、感温測温体15、16が形成される。な
お、絶縁層13の表面中央部にヒ−タ14が配置され、
ヒ−タ14の両脇に感温抵抗体15、16が配置され
る。さらに、露出した第一の絶縁層13と、ヒ−タ14
および感温測温体15、16の表面を覆うように、第二
の絶縁層17が積層形成される。シリコン基板12には
表裏面を貫通する貫通孔19が設けられる。この結果、
第一の絶縁層13の裏面が一部露出し、ダイヤフラム構
造が形成される。なお、ヒ−タ14と、感温測温体1
5、16の一部は、ダイヤフラム部分上に形成されるの
で熱容量が小さくなり、熱応答性が早くなる。シリコン
基板12の裏面には第三の絶縁層18が積層形成され、
また、シリコン基板12の一側面には、貫通孔19を外
側に連通させる連通溝20が形成される。
【0018】次に、図10(a)乃至(c)を用いて、
熱式流速センサの製造方法を概略説明する。
【0019】シリコン基板12の表裏面に、第一の絶縁
層13が形成される。この後、シリコン基板12の表面
側の第一の絶縁層13の表面に形成された、ニッケルあ
るいは白金等の薄膜層にフォトリソグラフ手段を施し
て、ヒ−タ14および感温測温体15、16が形成され
る。さらに、シリコン基板12の表面側の露出した第一
の絶縁層13と、ヒ−タ14および感温測温体15、1
6の表面を覆うように、第二の絶縁層17が形成され
る。さらに、第二の絶縁層17にはシリコン基板12の
裏面の所定部分を露出させるため、シリコン基板12の
裏面側の第一の絶縁層13の一部がドライエッチング等
の手段を用いてエッチング除去され、開口部21が形成
される。この結果、シリコン基板12の裏面には、第三
の絶縁層18が形成される。なお、第一の絶縁層13お
よび第二の絶縁層17は、スパッタリングあるいはプラ
ズマCVD等の手段を用いて形成され、ニッケルあるい
は白金等の薄膜層は真空蒸着法、スパッタ法等の手段を
用いて形成される。
【0020】次に、開口部21を介して、シリコン基板
12の裏面から表面方向に向けて、化学的エッチングを
行う。この結果、シリコン基板12には貫通孔19が形
成され、第一の絶縁層13の裏面が露出する。なお、エ
ッチング液は、水酸化カリウム(KOH)溶液が用いら
れる。また、連通溝20も、化学的エッチングによって
形成される。
【0021】図11(a)および(b)を用いて、特開
昭63−271167号公報に記載された第三の熱式流
速センサについて、説明する。
【0022】熱式流量センサは、シリコン基板22と、
第一のシリコン酸化層23と、BPSG層(ボロン−リ
ン−シリコン系ガラス層)24と、第二のシリコン酸化
層25と、発熱素子26と、流体温度検出素子27とか
ら構成される。
【0023】シリコン基板22の表面には、開口形が四
角形の凹部28が形成される。また、凹部28の開口縁
には、第一のシリコン酸化層23およびBPSG層24
が積層形成される。さらに、BPSG層24の表面に
は、凹部28を覆うように、第二のシリコン酸化層25
が設けられる。なお、第二のシリコン酸化層25の裏面
側の中央部には多孔質のシリコン酸化層29が形成され
る。多孔質のシリコン酸化層29と対向する第二のシリ
コン酸化層25の表面には、発熱素子26と、流体温度
検出素子27が形成される。なお、多孔質のシリコン酸
化層29は、熱絶縁性を高めるために設けられる。
【0024】次に、熱式流速センサの動作原理を説明す
る。
【0025】加熱された発熱素子26の表面温度は、流
体によって冷却されるので下がろうとするが、流体温度
検出素子27によって測定される流体温度よりも常に一
定温度だけ高くなるように発熱素子26にはフィ−ドバ
ック電力が加えられる。この供給される電力は流体によ
って冷却された熱量と等しく、また、冷却された熱量は
流体の速度に依存するという原理から、流体の流速が測
定される。
【0026】次に、図12(a)乃至(i)を用いて、
熱式流速センサの製造方法を概略説明する。
【0027】(100)の結晶面を有する単結晶の第一
のシリコン基板22の表面の所定領域を部分酸化するこ
とにより、シリコン酸化膜23が形成される。このシリ
コン酸化膜23をマスクとして水酸化カリウム等を用い
た化学的エッチングを行い、第一のシリコン基板22の
表面には凹部28が形成される。なお、第一のシリコン
基板22の表面の結晶面は(110)面でも良く、ま
た、第一のシリコン基板22の代わりにパイレックスガ
ラス、サファイヤ等を用いても良い。この後、シリコン
酸化膜23の表面にはBPSG膜24が形成される。
【0028】一方、例えばその比抵抗が3〜5Ωcmの
N型導電型であって、結晶面が(100)あるいは(1
10)の第二のシリコン基板30の表面の所定領域にレ
ジスト膜31を形成する。この後、50%HF中で陽極
酸化し、第二のシリコン基板30の表面が露出した部分
に多孔質シリコン層32を形成する。
【0029】次に、レジスト膜31を除去した後、第二
のシリコン基板30の表面を酸化する。この結果、多孔
質シリコン層は32は、多孔質のシリコン酸化層29と
なり、シリコン基板30の表面にはシリコン酸化層33
が形成される。この後、シリコン酸化層33の所定領域
にBPSG膜24が形成される。
【0030】次に、第二のシリコン基板30のBPSG
膜24と、第一のシリコン基板22のBPSG膜24を
重ね合わせた後、BPSG膜24を加熱溶融する。この
結果、第一のシリコン基板22と第二のシリコン基板3
0は接着される。
【0031】次に、第一のシリコン基板22の露出面を
ワックスで覆う。この後、例えばエチレンジアミン、ビ
ロカテロ−ル、水を主成分とするエッチング液を用いて
第二のシリコン基板30の化学的エッチングを行い、第
二のシリコン基板30を除去する。この結果、シリコン
酸化層33の表面が露出した基台が形成される。この
後、多孔質のシリコン酸化層29と対向するシリコン酸
化層33の表面には加熱素子26および流体温度検出素
子27およびその素子部を周辺回路部に接続するための
配線部(図示せず)が形成される。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例には次のような問題があった。
【0033】第一の熱式流速センサの場合、エッチング
処理によって形成される凹部の壁面が斜めに形成され
る。このため、凹部の形状が大きくなり、熱式流速セン
サの小形化が妨げられていた。
【0034】第二の熱式流速センサの場合、シリコン基
板を裏面から表面方向にエッチング処理して貫通孔を形
成するのでエッチング処理に長い時間を要し、生産効率
すなわちスル−プットが悪かった。また、第一の熱式流
速センサと同様に、凹部の形状が大きくなり、熱式流速
センサの小形化が妨げられていた。さらに、シリコン基
板の厚さのバラツキによって貫通孔を形成するためのエ
ッチング処理時間が変わるため、ダイヤフラム部分の面
積が多少変化する。従って、ダイヤフラム部分の熱容量
がバラツキ、ヒ−タおよび感温測温体の熱的特性が変化
する。この結果、熱式流速センサ相互間の測定精度が一
定しないという品質上の問題があった。
【0035】第三の熱式流速センサの場合、高価な材料
であるシリコン基板をエッチング処理によって除去する
ため、材料効率が悪く、コスト高の原因となっていた。
【0036】また、第一、第二、第三の熱式流速センサ
のいずれを製造する場合にも、シリコン基板の異方性エ
ッチングによって凹部あるいは貫通孔が形成される。こ
のため、架橋構造やダイヤフラム構造はシリコン基板の
面方位によって制限されるので、設計の自由度が少なか
った。
【0037】そこで、本発明は上記問題を解決するため
の熱式流速センサの製造方法の提供を目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の熱式流速センサ
は、上記目的を達成するため次のように構成される。す
なわち、第一に、基板の一方の表面に複数の凹部を形成
する工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける工程
と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜を含
む感知層を形成する工程とから積層用ブロックを形成
し、一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロッ
クの抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの
凹部形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが
重なるように複数の積層用ブロックを一体に接合する工
程と、この後前記犠牲層を除去して基板と感知層とを分
離して複数のセンサ区分が一体に形成されたセンサブロ
ックを形成する工程と、該センサブロックを切断して複
数のセンサ区分を分離する工程とからなるものである。
【0039】一の積層用ブロックの凹部形成表面と他の
積層用ブロックの感知層の表面とを重ねて、複数の積層
用ブロックを一体に接合する。複数の接合された積層用
ブロックから犠牲層を除去すると基板と感知層とが分離
し、複数のセンサ区分が一体に形成されたセンサブロッ
クが形成される。センサブロックを切断するとセンサ区
分が分離され、複数の熱式流量センサが生産効率良く形
成される。
【0040】第二に、基板の一方の表面に複数の凹部を
形成する工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける
工程と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜
を含む感知層を形成する工程とから積層用ブロックを形
成し、一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロ
ックの抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロック
の凹部形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面と
が重なるように複数の積層用ブロックを一体に接合する
工程と、接合された積層用ブロックを切断してセンサ区
分が複数積層された積層体を形成する工程と、該積層体
から前記犠牲層を除去する工程とからなるものである。
【0041】複数の接合された積層用ブロックを切断し
て、センサ区分が複数積層された積層体を形成する。こ
の場合、感知層は積層用ブロックによって覆われて保護
されているので、切断時に損傷を受けにくい。また、積
層体の犠牲層は、短時間で除去される。
【0042】第三に、基板の一方の表面に複数の凹部お
よび該凹部を取り囲む溝を形成する工程と、該基板の他
方の表面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表面に抵
抗体を複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程
とから積層用ブロックを形成し、一の積層用ブロックの
凹部部分に他の積層用ブロックの抵抗体が位置するよう
に前記一の積層用ブロックの凹部形成表面と他の積層用
ブロックの感知層の表面とが重なるように複数の積層用
ブロックを一体に接合する工程と、この後前記犠牲層を
除去して基板と感知層とを分離して複数のセンサ区分が
一体に形成されたセンサブロックを形成する工程と、該
センサブロックを前記溝に沿って切断して分離する工程
とからなるものである。
【0043】複数の接合された積層用ブロックから犠牲
層を除去すると基板と感知層とが分離し、複数のセンサ
区分が一体に形成されたセンサブロックが形成される。
溝が基板に設けられているので、その部分の基板の厚み
は薄くなる。従って、センサブロックを溝に沿って切断
すると、複数の熱式流量センサが容易に分離される。
【0044】第四に、基板の一方の表面に複数の凹部お
よび該凹部を取り囲む溝を形成する工程と、該基板の他
方の表面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表面に抵
抗体を複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程
とから積層用ブロックを形成し、一の積層用ブロックの
凹部部分に他の積層用ブロックの抵抗体が位置するよう
に前記一の積層用ブロックの凹部形成表面と他の積層用
ブロックの感知層の表面とが重なるように複数の積層用
ブロックを一体に接合する工程と、接合された積層用ブ
ロックを前記溝に沿って切断してセンサ区分が複数積層
された積層体を形成する工程と、該積層体から前記犠牲
層を除去する工程とからなるものである。
【0045】複数の接合された積層用ブロックを切断し
て、センサ区分が複数積層された積層体を形成する。こ
の場合、溝に沿って積層用ブロックを切断するので、複
数の積層体を容易に分離することができる。また、感知
層は積層用ブロックによって覆われて保護されているの
で、切断時に損傷を受けにくい。また、積層体の犠牲層
は、短時間で除去される。
【0046】第五に、基板の一方の表面に複数の凹部を
形成する工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける
工程と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜
を含む感知層を形成する工程と、該感知層に前記抵抗体
を取り囲む溝を設ける工程とから積層用ブロックを形成
し、一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロッ
クの抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの
凹部形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが
重なるように複数の積層用ブロックを一体に接合する工
程と、この後前記犠牲層を除去して基板と感知層とを分
離して複数のセンサ区分が一体に形成されたセンサブロ
ックを形成する工程と、該センサブロックを前記溝に沿
って切断して分離する工程とからなるものである。
【0047】複数の接合された積層用ブロックから犠牲
層を除去すると基板と感知層とが分離し、複数のセンサ
区分が一体に形成されたセンサブロックが形成される。
第二の溝が感知層に設けられているので、センサブロッ
クを第二の溝に沿って切断すると、複数の熱式流量セン
サが容易に分離される。
【0048】第六に、基板の一方の表面に複数の凹部を
形成する工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける
工程と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜
を含む感知層を形成する工程と、該感知層に前記抵抗体
を取り囲む溝を設ける工程とから積層用ブロックを形成
し、一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロッ
クの抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの
凹部形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが
重なるように複数の積層用ブロックを一体に接合する工
程と、接合された積層用ブロックを前記溝に沿って切断
してセンサ区分が複数積層された積層体を形成する工程
と、該積層体から前記犠牲層を除去する工程とからなる
ものである。
【0049】複数の接合された積層用ブロックを切断し
て、センサ区分が複数積層された積層体を形成する。こ
の場合、溝に沿って積層用ブロックを切断するので、複
数の積層体を容易に分離することができる。また、感知
層は積層用ブロックによって覆われて保護されているの
で、切断時に損傷を受けにくい。また、積層体の犠牲層
は、短時間で除去される。
【0050】第七に、基板の一方の表面に複数の凹部お
よび該凹部を取り囲む第一の溝を形成する工程と、該基
板の他方の表面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表
面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成す
る工程と、該感知層に前記第一の溝と対向して前記抵抗
体を取り囲む第二の溝を設ける工程とから積層用ブロッ
クを形成し、一の積層用ブロックの前記第一の溝と他の
積層用ブロックの該第二の溝が重なるように複数の積層
用ブロックを一体に接合する工程と、この後前記犠牲層
を除去して基板と感知層とを分離して複数のセンサ区分
が一体に形成されたセンサブロックを形成する工程と、
該センサブロックを前記第一の溝および前記第二の溝に
沿って切断して分離する工程とからなるものである。
【0051】第一の溝および第二の溝がセンサブロック
に設けられているので、センサブロックを第一の溝およ
び第二の溝に沿って切断すると、複数の熱式流量センサ
が極めて容易に分離される。
【0052】第八に、基板の一方の表面に複数の凹部お
よび該凹部を取り囲む第一の溝を形成する工程と、該基
板の他方の表面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表
面に対となる発熱抵抗体および測温抵抗体を複数設けた
熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程と、該感知層に前
記第一の溝と対向して対となる前記発熱抵抗体および測
温抵抗体を取り囲む第二の溝を設ける工程とから積層用
ブロックを形成し、一の積層用ブロックの前記第一の溝
と他の積層用ブロックの該第二の溝が重なるように複数
の積層用ブロックを一体に接合する工程と、接合された
積層用ブロックを前記第一の溝および前記第二の溝に沿
って切断してセンサ区分が複数積層された積層体を形成
する工程と、該積層体から前記犠牲層を除去する工程と
からなるものである。
【0053】第一の溝および第二の溝に沿って積層用ブ
ロックを切断するので、複数の積層体を極めて容易に分
離することができる。
【0054】第九に、第一または第二または第三または
第四または第五または第六または第七または第八の発明
において、感知層の抵抗体はメッキ手段を用いて抵抗部
材を析出する工程を用いて形成されるものである。
【0055】抵抗体は、メッキ手段を用いて析出形成さ
れた抵抗部材によって形成される。従って、抵抗体は、
容易かつ任意の形状に形成される。
【0056】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1(a)および(b)を用いて、本発明
に係る熱式流速センサの製造方法を用いて形成した熱式
流速センサの一例について説明する。
【0057】熱式流速センサは、基板50と、基板50
の表面に設けられた感知層51とから構成される。
【0058】基板50の表面には、基板50の表面と垂
直に形成された壁面を有する凹部52が設けられる。な
お、基板50は、アルミナ等のセラミックや、ガラス等
で形成される。また、凹部52の開口部の開口形はいず
れの形状でも良い。
【0059】感知層51は、第一の保護膜53と、熱絶
縁膜54および第二の保護膜55とから構成される。
【0060】第一の保護膜53は、凹部52の開口部を
覆うように、基板50の表面に設けられる。なお、第一
の保護膜53は、窒化シリコン化合物(SiNx)等の
薄膜で形成される。
【0061】熱絶縁膜54は、第一の保護膜53の表面
に積層して設けられる。なお、熱絶縁膜54には貫通溝
56が形成され、貫通溝56の内部には発熱抵抗体57
と、測温抵抗体58A、58Bおよび温度補償抵抗59
が熱絶縁膜54と一体に設けられる。発熱抵抗体57お
よび測温抵抗体58A、58Bは、凹部52の中央部に
位置するように形成される。なお、測温抵抗体58A、
58Bは発熱抵抗体57の両脇に配置され、温度補償抵
抗59は凹部52以外の部分に配置される。この結果、
発熱抵抗体57と、測温抵抗体58A、58Bおよび温
度補償抵抗59は、熱絶縁膜54により相互に熱絶縁さ
れる。
【0062】第二の保護膜55は、熱絶縁膜54と、発
熱抵抗体57と、測温抵抗体58A、58Bおよび温度
補償抵抗59の表面に積層して設けられる。第二の保護
膜55あるいは基板50および第一の保護膜53の凹部
52に相当する部分以外の部分には、発熱抵抗体57
と、測温抵抗体58A、58Bおよび温度補償抵抗59
の引出端子Tを外部回路(図示せず)と接続するための
開口部(図示せず)が形成される。なお、第二の保護膜
55は、窒化シリコン化合物等の薄膜で形成される。ま
た、開口部は、スル−ホ−ルとしても良い。
【0063】この結果、熱式流速センサはダイヤフラム
構造に形成される。
【0064】なお、上述した熱式流速センサでは、従来
例の第一の熱式流速センサのように一つの発熱抵抗体5
7と、一対の測温抵抗体58A、58Bを設けた場合を
例示したが、従来例の第三の熱式流速センサのように発
熱抵抗体と測温抵抗体を各一つずつ設けたものでも良
い。
【0065】また、発熱と測温を兼用する抵抗体を一
つ、ダイヤフラム部分に形成しても良い。この場合、こ
の抵抗体と温度補償抵抗59は、ブリッジ回路の二辺に
配置して使用される。抵抗体と温度補償抵抗59の温度
差に起因するブリッジ回路の不平衡電圧は増幅され、出
力電流はブリッジ回路にフィ−ドバックされる。この結
果、抵抗体は加熱され、抵抗体と温度補償抵抗59の温
度差は常に一定に保たれる。なお、流速は、フィ−ドバ
ックされる出力電流の値から計算により求められる。こ
れは定温度方式といわれ、流速を測定するために用いら
れる良く知られた方法である。
【0066】さらに、感知層51は、熱絶縁膜54の表
裏面の少なくとも一方に第一の保護膜53あるいは第二
の保護膜55を設けた構造としても良いし、第一の保護
膜53および第二の保護膜55のいずれも設けない構造
としても良い。第一の保護膜53と第二の保護膜55の
少なくとも一方を設けた場合は、熱絶縁膜54の強度は
補強される。また、第二の保護膜55を設けた場合に
は、熱絶縁膜54の表面が保護絶縁される。
【0067】さらにまた、ダイヤフラム構造に限られる
ことなく、発熱抵抗体57と測温抵抗体58A、58B
の間の感知層51に貫通孔を設け、凹部52と外側が連
通するような架橋構造あるいはカンチレバ−構造として
も良い。この場合は、貫通孔の効果により、発熱抵抗体
57と測温抵抗体58A、58B相互間の熱的絶縁性が
さらに高まる。
【0068】その上、発熱抵抗体57と、測温抵抗体5
8A、58Bおよび温度補償抵抗59は、熱絶縁膜54
に形成された貫通溝56の内部に形成される場合を例示
したが、金属の薄膜を用いて熱絶縁膜54の表面に形成
しても良い。
【0069】次に、図2(a)乃至(i)を用いて、本
発明に係る熱式流速センサの第一の製造方法を説明す
る。
【0070】基板50の表面には、基板50の表面と垂
直な壁面を有する複数の凹部52が、エッチングやサン
ドブラスト加工等の手段を用いて形成される。
【0071】次に、基板50の裏面に、犠牲層60が形
成される。犠牲層60は、アルミニウム等の薄膜であ
り、真空蒸着あるいはスパッタリング等の手段を用いて
形成される。この後、犠牲層60の表面には、第二の保
護膜55が形成される。なお、第二の保護膜55の窒化
シリコン化合物等の薄膜は、プラズマCVDあるいはス
パッタリング等の手段を用いて形成される。さらに、第
二の保護膜55の表面には、熱絶縁膜54が形成され
る。熱絶縁層54は、スピンコ−ト等の手段を用いて形
成されたポリイミド等の有機材料の膜や、プラズマCV
Dあるいはスパッタリング等の手段等を用いて形成され
た酸化シリコン化合物(SiO2)等の無機材料の膜の
いずれでも良い。
【0072】次に、熱絶縁膜54の表面には、例えば感
光性のフォトレジストを塗布した後、パタ−ニングして
フォトレジスト膜61が形成される。この結果、熱絶縁
膜54の表面の所定部分が露出する。この後、フォトレ
ジスト膜61の上からドライエッチング等の手段を用い
て熱絶縁膜54がエッチング除去され、貫通溝56が形
成される。この結果、第二の保護膜55の表面が露出す
る。
【0073】次に、第二の保護膜55の露出した表面に
抵抗温度係数(TCR)が大きい白金あるいはニッケル
等の金属薄膜を形成するため、無電解メッキが施され
る。この結果、第二の保護膜55の露出した表面と、フ
ォトレジスト膜61の表面および側壁に、メッキ層62
が形成される。なお、無電解メッキは、例えばプラスチ
ックの表面に金属薄膜を形成する際に用いられる一般的
な方法である。
【0074】次に、フォトレジスト膜61を除去する
と、第二の保護膜55の露出した表面にのみメッキ層6
2が残り、発熱抵抗体57と、測温抵抗体58A、58
Bおよび温度補償抵抗59が形成される。この後、熱絶
縁膜54と、発熱抵抗体57と、測温抵抗体58A、5
8Bおよび温度補償抵抗59の表面には、第一の保護膜
53が形成される。第一の保護膜53は窒化シリコン化
合物等の薄膜であり、プラズマCVDあるいはスパッタ
リング等の手段を用いて形成される。この結果、基板5
0と、犠牲層60および感知層51とからなる積層用ブ
ロック63が形成される。
【0075】次に、一つの積層用ブロック63の凹部5
2が形成された表面と、他の積層用ブロック63の犠牲
層60の表面とが重なるように、複数の積層用ブロック
63が積層される。このとき、一つの積層用ブロック6
3の発熱抵抗57および測温抵抗体58A、58Bが、
他の積層用ブロック63の凹部52と重なるように配置
される。なお、積層する場合、高温でも劣化しにくい有
機性の耐熱性接着剤、例えばポリイミド樹脂等を用いて
接合される。また、第二の保護膜55が設けられる場合
には、陽極接合等の方法を用いて接合しても良い。
【0076】次に、積層された積層用ブロック63をエ
ッチング液に浸すと、犠牲層60がエッチング除去され
る。なお、エッチング液は、アルミニウムを犠牲層60
として用いた場合は塩酸(HCl)水溶液が用いられ
る。この結果、基板50が第二の保護膜55から分離さ
れ、複数のセンサ区分が配置形成されたセンサブロック
64が形成される。この後、発熱抵抗体57と、測温抵
抗体58A、58Bおよび温度補償抵抗59を外部回路
に接続するための引出端子Tを露出させるため、第二の
保護膜55に開口部(図示せず)が形成される。さらに
この後、センサブロック64がセンサ区分に切断され、
複数の熱式流速センサが分離形成される。
【0077】なお、上述した実施例では、基板50の表
面にエッチングやサンドブラスト加工等の手段を用いて
凹部52を形成したがこれに限られることなく、図3
(a)のように複数の貫通口65が設けられたグリ−ン
シ−ト66を、貫通口が設けられていないグリ−ンシ−
ト67に貼り合わせた後、図3(b)のように両者を一
体に焼結して形成したものを使用しても良い。
【0078】なお、第一の保護膜53と第二の保護膜5
5の少なくとも一方が設けられた感知層51を備えたダ
イヤフラム構造では、第一の保護膜53あるいは第二の
保護膜55を形成する工程が省かれるので、工程時間が
短縮される。第一の保護膜53と第二の保護膜55のい
ずれも設けられていない感知層51を備えたダイヤフラ
ム構造では、さらに工程時間が短縮される。
【0079】上述した実施例では、犠牲層60をエッチ
ング除去して基板50と第二の保護膜55を分離して形
成したセンサブロック64をセンサ区分に切断したが、
これに限られない。図4(a)乃至(c)を用いて、他
の方法について説明する。なお、積層用ブロック63を
形成する工程は上述した実施例と同じなため、説明は省
略する。
【0080】一つの積層用ブロック63の凹部52が形
成された表面と、他の積層用ブロック63の犠牲層60
の表面とが重なるように、複数の積層用ブロック63が
積層される。このとき、一つの積層用ブロック63の発
熱抵抗57および測温抵抗体58A、58Bが、他の積
層用ブロック63の凹部52と重なるように配置され
る。なお、積層する場合、高温でも劣化しにくい有機性
の耐熱性接着剤、例えばポリイミド樹脂等を用いて接合
される。また、第二の保護膜55が設けられる場合に
は、陽極接合等の方法を用いて接合しても良い。
【0081】次に、積層された複数の積層用ブロック6
3を切断して、センサ区分が複数積層された積層体68
を分離形成する。
【0082】次に、積層体68をエッチング処理し、犠
牲層60を除去する。この結果、基板50が第二の保護
膜55から分離され、複数の熱式流速センサが分離形成
される。
【0083】この方法では、積層された複数の積層用ブ
ロック63を切断する際、感知層51が積層用ブロック
63によって覆われて、保護されている。この結果、感
知層51は切断時に損傷を受けることが少なく、切断工
程での良品率が向上する。また、積層体68をエッチン
グ処理して犠牲層60を除去するので、積層された複数
の積層用ブロック63から犠牲層60を除去する場合に
比べて、短時間で犠牲層60が除去される。
【0084】なお、上述した実施例では、フォトレジス
ト膜61を形成した後、フォトレジスト膜61の上から
ドライエッチング等の手段を用いて貫通溝56を形成
し、さらに貫通溝56の内部に無電解メッキを用いて、
発熱抵抗57と、測温抵抗体58A、58Bおよび温度
補償抵抗59を形成した。しかしながら、これに限られ
ることなく、貫通溝56を形成せず、フォトレジスト膜
61の上から無電解メッキを施しても良い。この場合
は、熱絶縁膜54の表面に、発熱抵抗57と、測温抵抗
体58A、58Bおよび温度補償抵抗59が形成され
る。この方法では、貫通溝56を形成する工程が省かれ
るので、熱式流速センサがより簡便に形成される。
【0085】また、発熱抵抗57と、測温抵抗体58
A、58Bおよび温度補償抵抗59を形成する方法は無
電解メッキに限られることなく、電解メッキを用いて形
成しても良い。図5(a)乃至(h)を用いて、電解メ
ッキを用いて発熱抵抗57と、測温抵抗体58A、58
Bおよび温度補償抵抗59を形成する本発明に係る熱式
流速センサの第二の製造方法の概略を説明する。
【0086】基板50の表面に凹部52を形成した後、
基板50の裏面に犠牲層60を形成する。なお、犠牲層
60は、導電性の銅等が用いられる。
【0087】次に、犠牲層60の表面に、熱絶縁膜54
を形成する。この後、パタ−ニングしたフォトレジスト
膜(図示せず)を用いて、熱絶縁膜54をエッチング除
去して貫通溝56を形成する。なお、これと同時に熱絶
縁膜54の周囲に貫通孔(図示せず)を設けて犠牲層6
0の表面を露出させ、メッキ用端子(図示せず)を形成
する。フォトレジスト膜を除去した後、メッキ用端子を
介して犠牲層60に電圧を印加してニッケル等の電解メ
ッキを行う。この結果、貫通溝56の内部に、発熱抵抗
57と、測温抵抗体58A、58Bおよび温度補償抵抗
59が形成される。
【0088】次に、熱絶縁膜54と、発熱抵抗57と、
測温抵抗体58A、58Bおよび温度補償抵抗59の表
面に第一の保護膜53が形成され、積層用ブロック63
が形成される。
【0089】次に、複数の積層用ブロック63が積層さ
れる。このとき、一つの積層用ブロック63の発熱抵抗
57および測温抵抗体58A、58Bが、他の積層用ブ
ロック63の凹部52と重なるように配置される。
【0090】次に、積層された積層用ブロック63をア
ンモニア−硫酸銅混合液等のエッチング液に浸して、犠
牲層60を除去する。この結果、基板50は、熱絶縁膜
54と、発熱抵抗57と、測温抵抗体58A、58Bお
よび温度補償抵抗59の表面から分離する。
【0091】次に、熱絶縁膜54と、発熱抵抗57と、
測温抵抗体58A、58Bおよび温度補償抵抗59の表
面に第二の保護膜55が形成され、複数のセンサ区分が
配置形成されたセンサブロック64が形成される。
【0092】次に、センサブロック64がセンサ区分に
切断され、複数の熱式流速センサが分離形成される。
【0093】(実施例2)図6(a)乃至(e)を用い
て、本発明に係る熱式流速センサの第三の製造方法を説
明する。なお、上述した第一の製造方法と基本的方法は
同じなため、同じ構成部分は同じ番号を用いて、説明は
簡略化する。
【0094】基板50の表面層には、熱式流速センサの
外形寸法に合わせたピッチで凹部52を囲むように第一
の溝69が設けられ、複数のセンサ区分が形成される。
この後、基板50の裏面には、犠牲層60と感知層51
が積層形成される。
【0095】次に、第一の溝69と対向して、発熱抵抗
体57と、測温抵抗体58A、58Bおよび温度補償抵
抗59を囲むように第二の溝70が形成される。この結
果、基板50と感知層51とからなる、積層用ブロック
71が形成される。
【0096】次に、一つの積層用ブロック71の凹部5
2が形成された表面と、他の積層用ブロック71の犠牲
層60の表面とが重なるように、複数の積層用ブロック
71が積層される。このとき、一つの積層用ブロック7
1の第一の溝69と、他の積層用ブロック71の第二の
溝70が重なるように積層される。なお、積層する場
合、高温でも劣化しにくい有機性の耐熱性接着剤、例え
ばポリイミド樹脂等を用いて接合される。また、第二の
保護膜55が設けられる場合には、陽極接合等の方法を
用いて接合しても良い。
【0097】次に、積層された積層用ブロック71をエ
ッチング液に浸すと、犠牲層60がエッチング除去され
る。この結果、基板50が第二の保護膜55から分離さ
れ、複数のセンサ区分が配置形成されたセンサブロック
72が形成される。
【0098】次に、センサブロック72が切断される。
切断は、第一の溝68および第二の溝69に沿って基板
50を切断することにより行われ、複数の熱式流速セン
サが分離形成される。
【0099】この方法では、積層された複数の積層用ブ
ロック71から犠牲層60を除去する際、第一の溝69
および第二の溝70をエッチング液の液溜めとして用い
ることができるので、犠牲層60のエッチング除去を効
率良く行うことができる。また、センサブロック72を
切断する際、第一の溝69および第二の溝70に沿って
行うために切断する基板50の厚みが薄く、切断を容易
に行なうことができる。
【0100】なお、上述した実施例では、基板50の表
面に第一の溝69と、感知層51に第二の溝70を形成
したが、いずれか一方に溝を形成しても良い。
【0101】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されるの
で、下記の効果を有する。
【0102】基板に設けられた凹部は、従来のようにシ
リコン基板をエッチング処理することによって形成しな
いので、ダイヤフラム部分の面積のバラツキが少なくな
る。このため、ダイヤフラム部分の熱容量が一定し、熱
式流量センサの出力特性のバラツキが低減し、精度及び
信頼性が向上する。
【0103】また、熱式流速センサの形状を設計する際
の自由度が高くなる。特に、凹部の壁面が基板の表面と
垂直に形成されるので凹部の形状が小さくなり、熱式流
速センサを小型化することができる。さらに、セラミッ
クあるいはガラス等の安価な基板を用いることができる
ので、熱式流速センサのコストが安くなる。
【0104】さらにまた、シリコン基板のエッチングに
要していた時間が不要となるので、作業効率が高くなる
とともに、長時間エッチングする際に熱式流速センサに
与えていたダメ−ジを低減することができる。また、一
度に複数の基台を処理することができるので、エッチン
グ処理に要する時間が短縮でき、熱式流速センサを効率
良く生産することができ、熱式流速センサのコストが安
くなる。発熱抵抗体と、測温抵抗体および温度補償用用
抵抗は、メッキ手段によって形成されるため、従来のス
パッタリングや蒸着の方法に比べて安価に形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱式流速センサの製造方法を用い
て形成した熱式流速センサの一例であり、図1(a)は
熱式流速センサの上面図、図1(b)は図1(a)にお
けるA−A´における断面図である。
【図2】本発明に係る熱式流速センサの第一の製造方法
の工程概略図である。
【図3】本発明に係る熱式流速センサの第一の製造方法
における、基板の他の形成方法を示す図である。
【図4】本発明に係る熱式流速センサの第一の製造方法
における、熱式流速センサの他の分離形成方法を示す図
である。
【図5】本発明に係る熱式流速センサの第二の製造方法
の工程概略図である。
【図6】本発明に係る熱式流速センサの第三の製造方法
の工程概略図である。
【図7】従来の第一の熱式流速センサに係り、図7
(a)は上面図、図7(b)は図7(a)おけるA−A
´での断面図である。
【図8】従来の第一の熱式流速センサの製造方法の工程
概略図である
【図9】従来の第二の熱式流速センサの外観斜視図であ
る。
【図10】従来の第二の熱式流速センサの製造方法の工
程概略図である
【図11】従来の第三の熱式流速センサに係り、図11
(a)は上面図、図11(b)は図11(a)おけるA
−A´での断面図である。
【図12】従来の第三の熱式流速センサの製造方法の工
程概略図である
【符号の説明】
50 基板 51 感知層 52 凹部 53 第一の保護膜 54 熱絶縁膜 55 第二の保護膜 56 貫通溝 57 発熱抵抗体 58A、58B 測温抵抗体 59 温度補償抵抗 60 犠牲層 61 フォトレジスト膜 62 メッキ層 63 積層用ブロック

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一方の表面に複数の凹部を形成す
    る工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける工程
    と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜を含
    む感知層を形成する工程とから積層用ブロックを形成
    し、一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロッ
    クの抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの
    凹部形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが
    重なるように複数の積層用ブロックを一体に接合する工
    程と、この後前記犠牲層を除去して基板と感知層とを分
    離して複数のセンサ区分が一体に形成されたセンサブロ
    ックを形成する工程と、該センサブロックを切断して複
    数のセンサ区分を分離する工程とからなる熱式流速セン
    サの製造方法。
  2. 【請求項2】 基板の一方の表面に複数の凹部を形成す
    る工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける工程
    と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜を含
    む感知層を形成する工程とから積層用ブロックを形成
    し、一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロッ
    クの抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの
    凹部形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが
    重なるように複数の積層用ブロックを一体に接合する工
    程と、接合された積層用ブロックを切断してセンサ区分
    が複数積層された積層体を形成する工程と、該積層体か
    ら前記犠牲層を除去する工程とからなる熱式流速センサ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の一方の表面に複数の凹部および該
    凹部を取り囲む溝を形成する工程と、該基板の他方の表
    面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表面に抵抗体を
    複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程とから
    積層用ブロックを形成し、一の積層用ブロックの凹部部
    分に他の積層用ブロックの抵抗体が位置するように前記
    一の積層用ブロックの凹部形成表面と他の積層用ブロッ
    クの感知層の表面とが重なるように複数の積層用ブロッ
    クを一体に接合する工程と、この後前記犠牲層を除去し
    て基板と感知層とを分離して複数のセンサ区分が一体に
    形成されたセンサブロックを形成する工程と、該センサ
    ブロックを前記溝に沿って切断して分離する工程とから
    なる熱式流速センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 基板の一方の表面に複数の凹部および該
    凹部を取り囲む溝を形成する工程と、該基板の他方の表
    面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表面に抵抗体を
    複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程とから
    積層用ブロックを形成し、一の積層用ブロックの凹部部
    分に他の積層用ブロックの抵抗体が位置するように前記
    一の積層用ブロックの凹部形成表面と他の積層用ブロッ
    クの感知層の表面とが重なるように複数の積層用ブロッ
    クを一体に接合する工程と、接合された積層用ブロック
    を前記溝に沿って切断してセンサ区分が複数積層された
    積層体を形成する工程と、該積層体から前記犠牲層を除
    去する工程とからなる熱式流速センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 基板の一方の表面に複数の凹部を形成す
    る工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける工程
    と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜を含
    む感知層を形成する工程と、該感知層に前記抵抗体を取
    り囲む溝を設ける工程とから積層用ブロックを形成し、
    一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロックの
    抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの凹部
    形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが重な
    るように複数の積層用ブロックを一体に接合する工程
    と、この後前記犠牲層を除去して基板と感知層とを分離
    して複数のセンサ区分が一体に形成されたセンサブロッ
    クを形成する工程と、該センサブロックを前記溝に沿っ
    て切断して分離する工程とからなる熱式流速センサの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 基板の一方の表面に複数の凹部を形成す
    る工程と、該基板の他方の表面に犠牲層を設ける工程
    と、該犠牲層の表面に抵抗体を複数設けた熱絶縁膜を含
    む感知層を形成する工程と、該感知層に前記抵抗体を取
    り囲む溝を設ける工程とから積層用ブロックを形成し、
    一の積層用ブロックの凹部部分に他の積層用ブロックの
    抵抗体が位置するように前記一の積層用ブロックの凹部
    形成表面と他の積層用ブロックの感知層の表面とが重な
    るように複数の積層用ブロックを一体に接合する工程
    と、接合された積層用ブロックを前記溝に沿って切断し
    てセンサ区分が複数積層された積層体を形成する工程
    と、該積層体から前記犠牲層を除去する工程とからなる
    熱式流速センサの製造方法。
  7. 【請求項7】 基板の一方の表面に複数の凹部および該
    凹部を取り囲む第一の溝を形成する工程と、該基板の他
    方の表面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表面に抵
    抗体を複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程
    と、該感知層に前記第一の溝と対向して前記抵抗体を取
    り囲む第二の溝を設ける工程とから積層用ブロックを形
    成し、一の積層用ブロックの前記第一の溝と他の積層用
    ブロックの該第二の溝が重なるように複数の積層用ブロ
    ックを一体に接合する工程と、この後前記犠牲層を除去
    して基板と感知層とを分離して複数のセンサ区分が一体
    に形成されたセンサブロックを形成する工程と、該セン
    サブロックを前記第一の溝および前記第二の溝に沿って
    切断して分離する工程とからなる熱式流速センサの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 基板の一方の表面に複数の凹部および該
    凹部を取り囲む第一の溝を形成する工程と、該基板の他
    方の表面に犠牲層を設ける工程と、該犠牲層の表面に抵
    抗体を複数設けた熱絶縁膜を含む感知層を形成する工程
    と、該感知層に前記第一の溝と対向して前記抵抗体を取
    り囲む第二の溝を設ける工程とから積層用ブロックを形
    成し、一の積層用ブロックの前記第一の溝と他の積層用
    ブロックの該第二の溝が重なるように複数の積層用ブロ
    ックを一体に接合する工程と、接合された積層用ブロッ
    クを前記第一の溝および前記第二の溝に沿って切断して
    センサ区分が複数積層された積層体を形成する工程と、
    該積層体から前記犠牲層を除去する工程とからなる熱式
    流量センサの製造方法。
  9. 【請求項9】 感知層の抵抗体はメッキ手段を用いて抵
    抗部材を析出する工程を用いて形成される請求項1また
    は請求項2または請求項3または請求項4または請求項
    5または請求項6または請求項7または請求項8記載の
    熱式流量センサの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002525212A (ja) * 1998-09-12 2002-08-13 イギリス国 マイクロ装置でのブリッジの形成
JP2015175723A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 株式会社デンソー 流量センサおよびその製造方法
JP2015194427A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 アズビル株式会社 フローセンサおよびフローセンサの製造方法

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