JPH09262483A - 光触媒体およびランプならびに照明器具 - Google Patents

光触媒体およびランプならびに照明器具

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JPH09262483A
JPH09262483A JP8072417A JP7241796A JPH09262483A JP H09262483 A JPH09262483 A JP H09262483A JP 8072417 A JP8072417 A JP 8072417A JP 7241796 A JP7241796 A JP 7241796A JP H09262483 A JPH09262483 A JP H09262483A
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JP
Japan
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particles
photocatalyst
oxide particles
photocatalytic
tio
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Application number
JP8072417A
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English (en)
Inventor
Hisashi Honda
久司 本田
Tsutomu Watanabe
力 渡辺
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光触媒層の表面に露出する光触媒酸化物粒子の
割合を多くし、光触媒性能を高くすることができる光触
媒体、ランプおよび照明器具を提供する。 【解決手段】この基体1の表面に、光触媒酸化物粒子と
してTiO2 粒子3と結着用金属酸化物粒子としてSi
2 粒子4を混合してなる光触媒層2を形成し、上記T
iO2 粒子の平均一次粒径をRt、SiO2 粒子の平均
一次粒径をRsとした場合、 1/10≦Rt/Rs≦
1 としたことを特徴とする光触媒体。TiO2 粒子の
平均一次粒径RtとSiO2 粒子の平均一次粒径Rsの
格差が小さくなり、TiO2 粒子がSiO2 粒子の隙間
に入り込む量が少なくなり、光触媒層の表面に露出する
TiO2 粒子が多くなるから光触媒性能が高くなり、膜
強度も高く保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体に酸化チタン
などの光触媒酸化物粒子を付着させ、この光触媒酸化物
粒子に光を照射することにより空気中の有害物質や、悪
臭物質、油成分などを分解・浄化・殺菌するなどの触媒
作用を呈する光触媒体およびこれを用いた光源ならびに
照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、光触媒作用を奏する酸化物粒子を
用いて生活環境の中で生じる有害物質や、悪臭物質、油
成分などを分解し、浄化し、殺菌するなどの試みが進め
られており、上記光触媒酸化物粒子の適用範囲が拡大し
つつある。
【0003】光触媒酸化物粒子は、そのバンドギャップ
以上のエネルギーを持つ波長の光が照射されると、光励
起により伝導帯に電子を生じるとともに、荷電子帯に正
孔を生じ、このような電子のもつ強い還元力や、正孔の
もつ強い酸化力により、有機物の分解・浄化・殺菌、水
の分解作用を奏するものである。
【0004】例えば、TiO2 ,V25 、ZnO、F
23 、WO3 などの酸化物粒子は、410nm以下の
紫外線を含む光を照射すると、悪臭成分等の有機化合物
に対して酸素分子の吸着または脱着を起し、分解、酸化
を促進する物質であることが知られている。特に結晶構
造がアナターゼ型のTiO2 (酸化チタン)粒子はこの
ような光触媒機能に優れていることから、各種ランプ、
照明器具、壁材、タイル、ガラス、鏡、衛生陶器類、循
環濾過装置などへの応用が検討されている。
【0005】ところで、上記光触媒酸化物粒子は通常、
この光触媒酸化物粒子より大きな表面をもつガラス、プ
ラスチック、セラミックなどの基体の表面に膜状に成膜
して使用される。このような基体の表面に光触媒層
(膜)を形成するには、作業が容易であり、歩留まりが
向上し、製造コストが安くつくなどの利点から、基体表
面に、TiO2 粒子などをディップコーティング(DI
P)法やスプレーコーティング法などにより塗着し、こ
れを熱処理して焼成することにより成膜する方法が検討
されている。
【0006】すなわち、基体表面にTiO2 粒子からな
る光触媒層を形成するには、金属アルコキシド、すなわ
ちチタンアルコキシドを含有したコーティング溶液また
はスプレー溶液を準備し、基体をコーティング溶液に浸
漬してこれを一定速度で引き上げる、または基体表面に
スプレー溶液を噴霧して基体表面に塗布すると、基体表
面にゾル状の被膜ができ、この被膜を乾燥させ、高温で
焼成すると基体の表面にTiO2 粒子からなる光触媒層
を作ることができる。
【0007】しかしながら、このようにして成膜された
光触媒層は、TiO2 粒子が基体表面に直接接触した層
であるから基体に対する接着力が十分でなく、外圧など
で剥れ易くなるなどの心配がある。
【0008】これを防止するため、TiO2 粒子にTi
2 粒子間の結着力を高めかつ基体に対する接合力を強
化する担持体としてTiO2 以外の酸化物粒子を混ぜる
ことが考えられている。例えば、TiO2 粒子に結着担
持体としてSiO2 、SnO、Ag2 O、Cu2 Oなど
の粒子を混ぜて成膜すると、これらの粒子はTiO2
子に比べて基体に対する接着強度に優れており、しか
も、TiO2 粒子相互を機械的に結合する力が強く、よ
って光触媒層の膜強度が向上し、剥れに対する問題を解
決することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の場合、TiO2
の粒子サイズは小さい方が光触媒作用を奏するのに最も
有効であると考えられており、例えば平均一次粒径Rt
が6〜20nm程度のTiO2 粒子を使用していた。これ
に対し結着担持体として用いる例えば酸化ケイ素SiO
2 は、強度保持および光透過性の観点から比較的大きな
粒子サイズがよいと考えられており、平均一次粒径Rs
が上記TiO2 粒子の20〜30倍のSiO2 粒子を用
いていた。しかしながら、このようにTiO2 の粒子が
SiO2 の粒子より極端に小さいと(Rt/Rs=1/
20〜1/30)、TiO2 の粒子がSiO2 の粒子の
周囲にコロイド状に付着し、TiO2 粒子の一部がSi
2粒子間の隙間に入り込むためSiO2 粒子間に隠れ
るTiO2 粒子の量が多くなり、光触媒層の表面に露出
するTiO2 粒子の割合が少なくなる。光触媒層の表面
に露出するTiO2 粒子の割合が少なくなると、悪臭ガ
スなどのような分解対象気体の接触する面積が小さくな
り、よって光触媒性能が低下し、いわゆる光触媒の活性
が低くなるという問題がある。
【0010】そして、露出度を上げるためにTiO2
子の混合重量比を大きくすると、膜強度が低下し、Si
2 粒子間に隠れるTiO2 粒子の量が益々多くなり、
光触媒層の表面に露出するTiO2 粒子の割合が少なく
なって無駄なTiO2 の粒子量が増えるという問題があ
る。
【0011】したがって、本発明の目的とするところ
は、光触媒層の表面に露出する光触媒酸化物粒子の割合
を多くし、光触媒性能を高くすることができ、しかも膜
強度の低下を防止した光触媒体およびランプならびに照
明器具を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基体
と;この基体の表面に被着され、光触媒作用を奏する酸
化物粒子およびこの光触媒酸化物粒子の結着をなす結着
用金属酸化物粒子を含み、上記光触媒酸化物粒子の平均
一次粒径をRt、結着用金属酸化物粒子の平均一次粒径
をRsとした場合、 1/10≦Rt/Rs≦1 とし
た光触媒層と;とを具備していることを特徴とする光触
媒体である。
【0013】ここで、基体は、ランプ、照明器具、壁
材、タイル、ガラス、鏡、衛生陶器類、循環濾過装置な
ど、要するに酸化物粒子よりも大きな表面積を有するも
のであればなんでもよい。また、光触媒酸化物粒子は、
TiO2 ,V25 、ZnO、Fe23 、WO3 など
の酸化物粒子の少なくとも1種を含み、好ましくはTi
2 粒子が良い。結着用金属酸化物粒子は、SiO2
SnO、Ag2 O、Cu2 Oなどの酸化物粒子の少なく
とも1種を含み、好ましくはSiO2 が良い。
【0014】請求項1および以下の請求項において、平
均一次粒径というのは、酸化物粒子が原料の状態におけ
る平均粒径を意味する。請求項1の発明によれば、光触
媒酸化物粒子の平均一次粒径Rtと結着用金属酸化物粒
子の平均一次粒径Rsとの格差を小さくしたから、光触
媒酸化物粒子が結着用金属酸化物粒子の隙間に入り込む
量を少なくすることができ、光触媒層の表面に露出する
光触媒酸化物粒子の割合を多くすることができる。よっ
て、光触媒酸化物粒子が分解対象気体に触れる面積が増
し、光触媒性能を高くすることができる。
【0015】Rt/Rsが1/10未満であると、光触
媒酸化物粒子が結着用金属酸化物粒子の隙間に入り込む
量が多くなり、光触媒層の表面に露出する光触媒酸化物
粒子の割合が少なくなるので光触媒性能が低下する。ま
たRt/Rsが1を超えると、光触媒酸化物粒子の粒が
大きくなり過ぎ、結着用金属酸化物粒子が光触媒酸化物
粒子を覆うようになるから光触媒性能が低下し、かつ膜
強度が低下する。
【0016】請求項2の発明は、請求項1に記載の光触
媒体において、光触媒酸化物粒子と結着用金属酸化物粒
子の混合重量比を、 3/7≦光触媒酸化物粒子/結着
用金属酸化物粒子≦4 としたことを特徴とする光触媒
体である。
【0017】光触媒酸化物粒子と結着用金属酸化物粒子
の混合重量比が3/7未満であると、光触媒層の全体に
占める光触媒酸化物粒子の混合量が少なくなり、光触媒
層の表面に露出する光触媒酸化物粒子の割合も少なくな
って光触媒性能が低下する。逆に、光触媒酸化物粒子と
結着用金属酸化物粒子の混合重量比が4を超えると、光
触媒酸化物粒子の量が多くなり過ぎ、膜強度が低下す
る。
【0018】請求項3の発明は、請求項2に記載の光触
媒体において、光触媒酸化物粒子と結着用金属酸化物粒
子の混合重量比を、 4/5≦光触媒酸化物粒子/結着
用金属酸化物粒子≦5/4 としたことを特徴とする光
触媒体である。
【0019】請求項3の発明は、請求項2の発明におけ
る数値範囲のさらに好ましい数値範囲である。請求項4
の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載
の光触媒体において、光触媒酸化物粒子は酸化チタンT
iO2 であることを特徴とする光触媒体である。
【0020】酸化チタンTiO2 は優れた光触媒作用を
奏する酸化物である。請求項5の発明は、請求項4に記
載の光触媒体において、酸化チタンTiO2の平均一次
粒径Rtは5〜50nmであることを特徴とする光触媒体
である。
【0021】TiO2 の平均一次粒径Rtが5〜50nm
であると、特に光触媒作用に優れる。請求項6の発明
は、請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載の光触
媒体において、結着用金属酸化物粒子は酸化ケイ素Si
2 であることを特徴とする光触媒体である。
【0022】酸化ケイ素SiO2 は、光の透過性に優
れ、膜強度を高めるのに優れた物質である。請求項7の
発明は、少なくとも紫外線を発する気密容器と;この気
密容器の表面に形成され、請求項1ないし請求項6のい
ずれか一に記載の光触媒層と;を具備していることを特
徴とするランプである。
【0023】この場合のランプは、少なくとも紫外線を
照射する白熱電球、放電ランプ、蛍光ランプ等である。
このようなランプは紫外線を発することにより、表面に
形成された光触媒層の触媒作用を促し、生活環境の中で
生じる有害物質や、悪臭物質、油成分などを分解し、浄
化し、殺菌する。しかも、請求項1ないし請求項5に記
載された発明の利点を有する。
【0024】請求項8の発明は、少なくとも紫外線を発
するランプと;このランプが取り付けられた照明器具本
体と;この照明器具本体の上記ランプからの光を受ける
部分に被着され、請求項1ないし請求項6のいずれか一
に記載の光触媒層と;とを具備していることを特徴とす
る照明器具である。
【0025】ここで照明器具とは、室内用、屋外用、車
両や船舶、航空機などの輸送体、または冷蔵庫などの機
器内装着用を含む。また、照明器具本体は、照明器具を
構成する部品であるソケットやスイッチ類を含む。
【0026】このような照明器具は、照明器具本体に被
着された光触媒層がランプから発せられた紫外線を受け
て触媒作用を奏し、生活環境の中で生じる有害物質や、
悪臭物質、油成分などを分解し、浄化し、殺菌する。し
かも、請求項1ないし請求項5に記載された発明の利点
を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明について、図1ないし
図3に示す第1の実施の形態にもとづき説明する。図1
は、基体1の表面に光触媒層2を積層した状態を模式的
に拡大して示す断面図、図2はTiO2 粒子の平均一次
粒径RtとSiO2 粒子の平均一次粒径Rsとの比(R
t/Rs)と光触媒活性度の関係を示す特性図、図3は
(Rt/Rs)と膜鉛直強度の関係を示す特性図であ
る。
【0028】図1に示す基体1は、各種ランプ、照明器
具、壁材、タイル、ガラス、鏡、衛生陶器類、循環濾過
装置など、その対象物に制約されるものではないが、光
触媒層2に紫外線を受けるものであればよい。
【0029】基体1の表面に形成された光触媒層2は、
光触媒酸化物粒子、例えばアナターゼ結晶形の酸化チタ
ンTiO2 粒子3と、結着用金属酸化物粒子、例えば酸
化ケイ素SiO2 粒子4とを混合して形成されている。
【0030】TiO2 粒子3は平均一次粒径Rtが5〜
50nmであり、SiO2 粒子4は平均一次粒径Rsが5
〜100nmである。しかしながら、これらを混合する場
合、TiO2 粒子3の平均一次粒径RtとSiO2 粒子
4の平均一次粒径Rsの比(Rt/Rs)は、 1/10≦Rt/Rs≦1 …(1) を満足するようになっている。
【0031】また、TiO2 粒子3とSiO2 粒子4の
混合重量比は、 3/7≦TiO2 粒子/SiO2 粒子≦4 …(2) とされており、さらに好ましい範囲は、 4/5≦TiO2 粒子/SiO2 粒子≦5/4 …(3) となっている。
【0032】図1に示す具体例の模式図は、TiO2
子3の平均一次粒径Rtが10nmであり、SiO2 粒子
4の平均一次粒径Rs30nmであり、したがってRt/
Rs=1/3となっており、TiO2 粒子3とSiO2
粒子4の混合重量比は50:50となっている。なお、
光触媒層2の膜厚tは0.5μm以上で5.0μm以下
となっている。
【0033】上記光触媒層2は、以下のようにして成形
することができる。すなわち、平均一次粒径RtのTi
2 粒子3と平均一次粒径RsのSiO2 粒子4を所定
の混合比で酢酸ブチルなどの有機溶剤に混ぜ、混合溶液
を作り、これを充分攪拌する。表面を洗浄した基体を、
上記SiO2 とTiO2 の混合溶液に浸漬し、これを一
定速度で引き上げると、基体の表面にSiO2 とTiO
2 の混合溶液が付着し、ゾル状の被膜ができる。この被
膜の膜厚tは引上げ速度を制御することにより自由に選
定することができる。これを空気中に放置して被膜を乾
燥させ、これを加熱炉などで加熱して焼成する。このよ
うな焼成が終了すると焼成被膜に紫外線を照射し、これ
により被膜の光触媒作用により、被膜に残留している有
機物や不純物が分解、蒸発されて排出される。よって図
1に示す構造の光触媒体が完成する。
【0034】このような構成によれば、TiO2 粒子3
の平均一次粒径RtとSiO2 粒子4の平均一次粒径R
sの比(Rt/Rs)を、1/10〜1の範囲にしたか
ら、光触媒層の表面に露出するTiO2 粒子3を多くす
ることができ、分解対象気体に触れる面積が増し、光触
媒性能が高くなり、しかも膜強度を高くすることができ
る。
【0035】すなわち、図3は、(Rt/Rs)と光触
媒活性度との関係を調べた結果の特性図であり、この特
性図より(Rt/Rs)の値が小さい程光触媒活性度は
高くなる傾向にあることが判る。すなわち、TiO2
子3の平均一次粒径Rtは小さい方が、TiO2 粒子3
単体としての光触媒作用に優れており、5〜50nm程度
がよく、さらには5〜20nmの大きさが好ましいといえ
る。
【0036】そして、TiO2 粒子とSiO2 粒子の混
合重量比で見ると、TiO2 粒子の混合比が大きい程T
iO2 粒子が光触媒層2の表面に露出する割合が増える
から光触媒活性度が高い。
【0037】しかしながら、Rt/Rsが1/10未満
であると、TiO2 粒子がSiO2粒子の隙間に入り込
む量が多くなり、光触媒層の表面に露出するTiO2
子の割合が少なくなるので光触媒性能が低下する。また
Rt/Rsが1を超えると、TiO2 粒子の粒が大きく
なり過ぎ、TiO2 粒子の回りにSiO2 粒子が付着し
てTiO2 粒子を隠すので光触媒性能が低下する。
【0038】一方、図3は(Rt/Rs)と膜鉛直強度
との関係を調べた結果の特性図であり、この特性図より
(Rt/Rs)の値が小さい程膜の機械的強度が低くな
る傾向があることが判る。Rt/Rsが1/10未満で
あると、膜強度は極端に低下する。すなわち、SiO2
粒子21の平均一次粒径Rsが大きい方が、膜強度の点
で有利であるといえる。
【0039】しかも、TiO2 粒子とSiO2 粒子の混
合重量比で見ると、SiO2 粒子の比率が大きい程膜強
度が高くなる。このようなことから、 1/10≦Rt/Rs≦1 …(1) そして、TiO2 粒子とSiO2 粒子の混合重量比が3
/7未満であると、光触媒層の全体に占めるTiO2
子の混合量が少なくなり、光触媒層2の表面に露出する
TiO2 粒子の割合が少なくなって光触媒活性度が低下
する。逆に、TiO2 粒子とSiO2 粒子の混合重量比
が4を超えると、TiO2 粒子の量が多くなり過ぎ、膜
強度が低下する。このことから、 3/7≦TiO2 粒子/SiO2 粒子≦4 …(2) の範囲が有効であり、さらに好ましくは、 4/5≦TiO2 粒子/SiO2 粒子≦5/4 …(3) が良好な範囲である。
【0040】図1の光触媒体は、図4に示す蛍光ランプ
などに適用することができる。すなわち、図4は直管形
蛍光ランプ20を示すものであり、(A)図はランプ全
体の構成図、(B)図は(A)図のB部分を拡大して断
面した図である。図中21はソーダライムガラスからな
るバルブである。バルブ21の端部はステム22、22
により閉塞されており、これらステム22、22には内
部リード線23…を介してタングステンフィラメントか
らなる電極24、24が取着されている。電極24、2
4には、図示しないBaO、SrO、CaOなどからな
る電子放射性物質(エミッタ)が塗布されている。
【0041】バルブ21の端部には、口金25、25が
被着されており、これら口金25、25には上記内部リ
ード線23…に接続された口金ピン26…が突設されて
いる。
【0042】上記バルブ21の内面には、紫外線を可視
光に変換する蛍光体被膜27が形成されている。この蛍
光体被膜27は、特に蛍光体の種類を特定するものでは
ないが、本実施例の場合、希土類蛍光体からなる3波長
発光蛍光体を使用している。3波長発光蛍光体は、赤、
青、緑の各波長域に発光する3種類の希土類蛍光体を混
合して用いたものであり、上記の保護膜7の蛍光体と同
様に、例えば赤色系蛍光体には3価の酸化イットリウム
蛍光体Y23 :Eu、青色系蛍光体には2価のユーロ
ピウム付活アルカリ土類ハロ燐酸塩蛍光体(Sr,C
a,Ba)10(PO46 Cl2 :Euまたは2価のユ
ーロピウム付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体BaM
2 Al1627:Eu、および緑色蛍光体としてはセリ
ウムCeを含有するテリビウムTb付活けい・りん酸塩
蛍光体(La,Ce,Tb)・(P,Si)O4 などが
用いられている。
【0043】このようなバルブ21の内部には、所定量
の水銀と、アルゴンなどの希ガスが封入されている。こ
のような構成のバルブ21の外面には、図1の構成と同
様な光触媒層28が形成されている。この光触媒層28
は、平均一次粒径Rtが10nmのTiO2 粒子3と、平
均一次粒径Rsが30nmのSiO2 粒子4を混合重量比
が50:50となるように混合して形成したものであ
る。
【0044】このような構成の蛍光ランプ20は、点灯
によりバルブ21内の水銀蒸気が紫外線を発し、この紫
外線は蛍光体被膜27を励起して可視光を発し、この可
視光はバルブ21を透過して外部に放射される。
【0045】このような作動中、紫外線の一部が蛍光体
被膜27、バルブ壁、TiO2 粒子3とSiO2 粒子4
を混合してなる光触媒層28に達する。これにより光触
媒層28は光触媒作用を奏し、大気中の悪臭成分等の有
機物の分解・浄化・殺菌、水の分解作用を奏する。
【0046】図1の光触媒体は、図5に示す蛍光ランプ
照明器具にも適用することができる。すなわち、図5は
本発明を照明器具に適用した例を示し、照明器具の側面
図である。図5において、30は天井直付け形照明器具
の本体であり、この器具本体30の長手方向両端にはラ
ンプソケット31、31が相互に対向して配置されてい
る。これらソケット31、31間には、蛍光ランプ35
がその口金ピンを係合させて取り付けられている。器具
本体30にはランプの安定点灯を維持するための点灯回
路部品として、安定器32が収容されている。上記蛍光
ランプ35は上記安定器32を介して図示しない電源に
接続されている。
【0047】器具本体30の下面、すなわち蛍光ランプ
35の光を受ける面に、図1の構成と同様な光触媒層3
6が形成されている。この光触媒層36も、平均一次粒
径Rtが10nmのTiO2 粒子3と、平均一次粒径Rs
が30nmのSiO2 粒子4を混合重量比が50:50と
なるように混合して形成したものである。
【0048】このような照明装置によれば、上記蛍光ラ
ンプ35から出る紫外線が器具本体30の下面に形成さ
れた光触媒層36を照射し、これにより光触媒層36は
光触媒作用を奏する。よって、大気中の悪臭成分等の有
機物の分解・浄化・殺菌、水の分解作用を奏する。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、光触媒層を構成する光触媒酸化物粒子の平均一次
粒径Rtと、これら光触媒酸化物粒子の結着を強める結
着用金属酸化物粒子の平均一次粒径Rsとの格差が小さ
くなり、光触媒酸化物粒子が結着用金属酸化物粒子の隙
間に入り込む量が少なくなり、その代わり光触媒層の表
面に露出する光触媒酸化物粒子の割合が多くなるから、
光触媒酸化物粒子が分解対象気体に触れる面積が増し、
光触媒性能を高くすることができる。また平均粒子径の
比Rt/Rsは1を超えないから、膜強度が低下を防止
することができる。
【0050】請求項2の発明によれば、光触媒酸化物粒
子と結着用金属酸化物粒子の混合重量比を、 3/7≦
光触媒酸化物粒子/結着用金属酸化物粒子≦4 とした
から、光触媒層の表面に露出する光触媒酸化物粒子の割
合が多くなり、光触媒性能が高くなり、膜強度を高くす
ることができる。
【0051】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
における数値範囲のさらに好ましい効果を奏する。請求
項4の発明によれば、酸化チタンTiO2 は優れた光触
媒作用を奏する酸化物であるから、光触媒性能が高くな
る。
【0052】請求項5の発明によれば、酸化チタンTi
2 の平均一次粒径Rtは5〜50nmであるから、光触
媒作用に優れる。請求項6の発明によれば、酸化ケイ素
SiO2 は、光の透過性に優れ、膜強度を高めるのに優
れた物質であり、膜強度が高くなる。
【0053】請求項7の発明によれば、ランプ自身から
発する紫外線により光触媒層を励起して触媒作用を促
し、生活環境の中で生じる有害物質や、悪臭物質、油成
分などを分解し、浄化し、殺菌する。しかも、請求項1
ないし請求項6に記載された発明の利点を有する。
【0054】請求項8の発明によれば、照明器具本体に
被着された光触媒層がランプから発せられた紫外線を受
けて触媒作用を奏し、生活環境の中で生じる有害物質
や、悪臭物質、油成分などを分解し、浄化し、殺菌す
る。しかも、請求項1ないし請求項6に記載された発明
の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、光触媒体の構成を模
式的に示す一部を拡大した断面図。
【図2】TiO2 粒子の平均一次粒径RtとSiO2
子の平均一次粒径Rsとの比(Rt/Rs)と光触媒活
性度の関係を示す特性図。
【図3】(Rt/Rs)と膜鉛直強度の関係を示す特性
図。
【図4】本発明を蛍光ランプに適用した例を示し、
(A)図はランプ全体の構成図、(B)図は(A)図の
B部分を拡大して断面した図。
【図5】本発明を照明器具に適用した例を示し、照明器
具の側面図。
【符号の説明】
1…基体 2…光触媒層 3…TiO2 粒子 4…SiO2 粒子 20…蛍光ランプ 21…バルブ 24…電極 27…蛍光体被膜 28…光触媒層 30…器具本体 35…蛍光ランプ 36…光触媒層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と;この基体の表面に被着され、光
    触媒作用を奏する酸化物粒子およびこの光触媒酸化物粒
    子の結着をなす結着用金属酸化物粒子を含み、上記光触
    媒酸化物粒子の平均一次粒径をRt、結着用金属酸化物
    粒子の平均一次粒径をRsとした場合、1/10≦Rt
    /Rs≦1 とした光触媒層と;とを具備していること
    を特徴とする光触媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光触媒体において、光
    酸化物触媒粒子と結着用金属酸化物粒子の混合重量比
    を、 3/7≦光触媒酸化物粒子/結着用金属酸化物粒子≦4 としたことを特徴とする光触媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光触媒体において、光
    触媒酸化物粒子と結着用金属酸化物粒子の混合重量比
    を、 4/5≦光触媒酸化物粒子/結着用金属酸化物粒子≦5
    /4 としたことを特徴とする光触媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の光触媒体において、 光触媒酸化物粒子は酸化チタンであることを特徴とする
    光触媒体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光触媒体において、 酸化チタンの平均一次粒径Rtは5〜50nmであること
    を特徴とする光触媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか一に
    記載の光触媒体において、 結着用金属酸化物粒子は酸化ケイ素であることを特徴と
    する光触媒体。
  7. 【請求項7】 少なくとも紫外線を発する気密容器と;
    この気密容器の表面に形成され、請求項1ないし請求項
    6のいずれか一に記載の光触媒層と;を具備しているこ
    とを特徴とするランプ。
  8. 【請求項8】 少なくとも紫外線を発するランプと;こ
    のランプが取り付けられた照明器具本体と;この照明器
    具本体の上記ランプからの光を受ける部分に被着され、
    請求項1ないし請求項6のいずれか一に記載の光触媒層
    と;を具備していることを特徴とする照明器具。
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