JPH09259248A - 皮膚表面紋様入力装置及び透明弾性膜の光学面装着法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指紋等の自動採取は、乾燥皮膚での検出を容
易にするため、光学プリズム面にシリコーン膜をコーテ
ィングするやり方をとる。コーティング作業は容易でな
く、別のやり方で同様の目的をとげたい。 【解決手段】 光学プリズム面２に、シリコーンゴムよ
り成る透明弾性膜８を密着して搭載するようにした。そ
の際、蒸発しやすい液体１２をシリコーンゴム８とプリ
ズム面２との間に挿入しておけば、両者の間に空気等が
入り込む余地をなくせる。更に、シリコーンゴム８自体
が空気透過性のため、空気抜きも容易である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、指あるいは手のひ
らを押しつける皮膚表面紋様入力装置及び装着法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図６に従来の皮膚表面紋様入力装置の構
成を示す。この入力装置は、縦断面が三角形のプリズム
１を備え、その光学面２に例えば指３を押圧し、下方か
らの光源４による光学面２からの反射光を、２次元セン
サ５で受光する。光学面２からの反射光が指の表面紋様
に基づき明暗をなしており、２次元センサ５は、指の表
面紋様像を撮像する。

【０００３】図７には、プリズム１の光学面２からの全
反射光を、２次元センサ５に入力する従来例を示す。指
３の押圧面は、隆線Ａと谷線Ｂとそれらをつなぐ境界線
Ｃで構成されており、光学面２に接触した隆線Ａで光線
６は矢印に示す如く種々の方向に散乱を起こす。谷線Ｂ
や境界線Ｃでは、光学面２に接触しないため、光線７は
全反射する。この全反射の方向に２次元センサ５は設け
られており、谷線Ｂや境界線Ｃの部位に相当する光学面
２からの全反射光はこの２次元センサ５に入力する。一
方、隆線Ａからの散乱光の一部は２次元センサ５に入力
する。かくして、２次元センサ５は、隆線Ａ、谷線Ｂ、
境界線の反射した像を撮像する。又、散乱光の一部を２
次元センサ５に入力するやり方をとったが、散乱光その
ものを撮像するやり方もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記いずれの方法であ
れ、指の隆線部分と光学的な表面の接触が撮像した画像
のコントラストに大きく影響を及ぼす。特に皮膚表面が
乾燥している場合は、良好な接触が保てず、入力ムラが
生ずる。入力ムラをなくすために、光学面２に透明な弾
性膜（例えばシリコーン）をコーティングするやり方が
ある。コーティングにより良好な接触を保つことがで
き、入力ムラがなくなる。しかし、以下の点を持つ。 （１）、透明弾性膜がはがれたり、傷がついた場合に
は、透明弾性膜を再コーティングするか、コーティング
済みのプリズムと交換するかが必要となる。特にプリズ
ム交換の場合、プリズムの取り外しの作業の他に、新し
いプリズムを取り付けた際の光学系全体の調整が必要と
なる。 （２）、透明弾性膜のコーティングに際し、膜厚一定が
要求され、この一定にする作業が非常に大変な作業であ
る。又、コーティングした透明弾性膜と光学面との間の
境界面に気泡が入ると、表面像にその悪影響が現れ、画
像の性能を悪くする。

【０００５】本発明の目的は、光学面へのコーティング
を行うことなく、画像のコントラストを高めることを可
能にする入力装置及び装着法を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、皮膚表面が押
圧される光学面と、この光学面の皮膚表面接触部位を含
む近傍に光を照射する光源と、光学面の上記接触部位を
含む近傍からの反射又は散乱光を受光する２次元センサ
と、より成ると共に、上記光学面に、はくり自在な弾性
膜を密着させ、この透明弾性膜を介して皮膚表面の押圧
を行わせるようにした皮膚表面紋様入力装置を開示す
る。

【０００７】更に本発明は、上記透明弾性膜は、気体透
過性を持つものとした皮膚表面紋様入力装置を開示す
る。

【０００８】更に本発明は、上記透明弾性膜は、シリコ
ーンゴムとした皮膚表面紋様入力装置を開示する。

【０００９】更に本発明は、透明弾性膜を光学面に密着
させる透明弾性膜の光学面装着法において、光学面に蒸
発性液体を滴化させておき、この上に透明弾性膜を押し
つけて密着させるものとした皮膚表面紋様入力装置の透
明弾性膜の光学面装着法を開示する。

【００１０】更に本発明は、上記透明弾性膜はシリコー
ンゴムを用いることとした装着方法を開示する。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一実施の形態を
示す図である。プリズム１の光学面２にシリコーンゴム
８を載置した。シリコーンゴム８は０．２ｍｍ〜５ｍｍ
程度の厚みを持ち、且つ透明で弾力のある性質、及び気
体を透過させる性質を持つ。かかるシリコーンゴム８の
大きさ（サイズ）はプリズム１の光学面相当の大きさで
あり、使用時に、光学面２に載せる。

【００１２】光学面１とシリコーンゴム８との間に気泡
があれば、図２に示すように、この気泡で持ち上がった
シリコーンゴム８の部位１１に対して上から、手等で圧
力をかける（押さえつける）と、気泡はこの部位１１か
ら透過して外部に抜ける。気泡が部位１１から抜けるの
は、シリコーンゴム８が気体透過の性質（気体を透過さ
せる程のミクロな穴を持っていること）を持つためであ
る。

【００１３】シリコーンゴム８は交換可能である。この
交換時のシリコーンゴム８の取り付けの様子を図３に示
す。光学面２に蒸発しやすい液体１２を滴下する。この
液体１２の上からシリコーンゴム８を押しつけ、シリコ
ーンゴム８を光学面２に密着する。この押しつけの課程
で液体層１２内に気泡９が存在していれば、上から手等
で押しつけて気泡を外部に抜く。これは、シリコーンゴ
ム８の膜そのものの細かい穴を通して（図３の
（ａ））、及びシリコーンゴム８が押圧されることで気
泡を光学面の端部方向に押し出すこと（図３の（ｂ））
で、の両者で行われる。

【００１４】蒸発しやすい液体１２としては、瞬間蒸発
性の液体よりも数分〜数時間程度をかけて蒸発するもの
が好ましい。例えばアルコール等のものを使う。そし
て、シリコーンゴム８は当初はこの液体１２を通して光
学面２に接するが液体１２がシリコーンゴム８の膜その
ものを通して蒸発することで光学面２に密着する。尚、
蒸発中、又はその終了時にシリコーンゴム８を押さえつ
けて密着させれば使用に際して気泡がその接触面に存在
することはほとんどなくなる。

【００１５】シリコーンゴム８は、光学面２に密着させ
るに際して、シリコーンゴム８を枠にはめ込み、この枠
を光学面に載せるやり方もある。この例を図４、図５に
示す。シリコーンゴム８は光学面２の大きさよりも若干
大きい矩形サイズを有する。このシリコーンゴム８の長
手軸側を枠２０、２１で支持する。例えば枠２０、２１
は螺番形であり、この螺番部にシリコーンゴム８の端部
を挟み込み、ピン２２、２３で閉じる。かくして得た枠
付きのシリコーンゴム８を光学面２に載せて密着させ
る。この場合、枠２０、２１の重さによりシリコーンゴ
ム８は光学面２に密着してはりつき、密着面は安定す
る。

【００１６】以上はシリコーンゴム８を透明弾性膜とし
て利用した例であったが、プラスチック製の透明弾性膜
やプラスチック製の薄膜を使用することもできる。尚、
プラスチック製の薄膜はその内部に細かい穴がないた
め、気泡の抜きは、光学面の端部からのみ行う。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、シリコーンゴム等の透
明弾性膜をプリズムの光学面に直接に密着させて使用す
るようにしたために、簡便に透明弾性膜の交換が可能に
なった。又、気泡等の混入を容易に防止できる効果があ
り、画像のコントラストを向上できることになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す図である。

【図２】図の気泡抜きの例を示す図である。

【図３】透明弾性膜８の取り付け手順を示す図である。

【図４】本発明の他の実施の形態を示す図である。

【図５】図４の取り付け例図である。

【図６】従来例図である。

【図７】従来の全反射形の例を示す図である。

【符号の説明】

１ プリズム ２ 光学面 ３ 透明弾性膜としてのシリコーンゴム ９ 気泡 １１ 部位 １２ 液体層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 押圧された皮膚表面が接触する光学面
   と、 この光学面の皮膚表面接触部位を含む近傍に光を照射す
   る光源と、 光学面の上記接触部位を含む近傍からの反射又は散乱光
   を受光する２次元センサと、 より成ると共に、上記光学面に、はくり自在な弾性膜を
   密着させ、この透明弾性膜を介して皮膚表面の押圧を行
   わせるようにした皮膚表面紋様入力装置。
2. 【請求項２】 上記透明弾性膜は、気体透過性を持つも
   のとした請求項１の皮膚表面紋様入力装置。
3. 【請求項３】 上記透明弾性膜は、シリコーンゴムとし
   た請求項１の皮膚表面紋様入力装置。
4. 【請求項４】 請求項１の透明弾性膜を光学面に密着さ
   せる透明弾性膜の光学面装着法において、 光学面に蒸発性液体を滴化させておき、この上に透明弾
   性膜を押しつけて密着させるものとした皮膚表面紋様入
   力装置の透明弾性膜の光学面装着法。
5. 【請求項５】 上記透明弾性膜はシリコーンゴムを用い
   ることとした請求項４の装着方法。