JPH09258761A - 残響生成方法および残響生成装置 - Google Patents

残響生成方法および残響生成装置

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JPH09258761A
JPH09258761A JP8096125A JP9612596A JPH09258761A JP H09258761 A JPH09258761 A JP H09258761A JP 8096125 A JP8096125 A JP 8096125A JP 9612596 A JP9612596 A JP 9612596A JP H09258761 A JPH09258761 A JP H09258761A
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reverberation
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Tsugumasa Takamiya
嗣昌 高宮
Tomomitsu Urai
知光 浦井
Shinji Kishinaga
伸二 岸永
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    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K15/00Acoustics not otherwise provided for
    • G10K15/08Arrangements for producing a reverberation or echo sound
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期反射音群に基づき、自然な感じの後部残
響音をつながりよく生成する。 【解決手段】 リターンマップ生成手段46は初期反射
音パラメータメモリ36に記憶されている初期反射音群
の遅延時間のパラメータに基づき初期反射音の時間間隔
のゆらぎを反映したリターンマップを生成する。後部残
響音遅延時間パラメータ演算手段50は、このリターン
マップに基づき後部残響音の時間間隔を決定して遅延時
間のパラメータを生成する。後部残響音強度パラメータ
演算手段52は、初期反射音の強度データおよび残響時
間の設定値から後部残響音の強度のパラメータを生成す
る。畳み込み演算手段56は生成された残響音パラメー
タに入力音響信号を畳み込み演算して、残響音を生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、残響音を生成す
るための方法および装置に関し、初期反射音群のパラメ
ータに基づき、この初期反射音群に自然な感じで連続す
る長時間の後部残響音のパラメータを容易に生成できる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】残響生成は、オーディオ信号の残響を人
工的に作り出すことにより、オーディオ再生や楽器演奏
等において臨場感を高める効果を付与するものである。
従来の残響生成手法には次のものがあった。 初期反射音のみ生成する方法 図2に示すように、オーディオ信号を畳み込み演算器1
0(DSP)に入力して、初期反射音パラメータメモリ
12に保持されている初期反射音群(インパルス応答)
のパラメータと畳み込み演算して初期反射音を生成す
る。
【0003】 IIRディジタルフィルタを用いる方
法 図3に示すように、オーディオ信号を複数の帰還系統を
有するIIR(巡回型)ディジタルフィルタ14に入力
して残響音全体を生成する。
【0004】 初期反射音と後部残響音を並列に生成
する方法 図4に示すように、オーディオ信号を畳み込み演算器1
6に入力して、初期反射音パラメータメモリ18に保持
されている初期反射音群のパラメータと畳み込み演算し
て初期反射音を生成する。これと並行して、オーディオ
信号をディレイ20で初期反射音群全体の時間分遅延し
た後、IIRディジタルフィルタ22で後部残響音を生
成する。そして初期反射音と後部残響音をミキシング手
段24でミキシングして出力する。
【0005】 初期反射音と後部残響音を連続して生
成する方法 図5に示すように、オーディオ信号を畳み込み演算器2
6に入力して、初期反射音パラメータメモリ28に保持
されている初期反射音群のパラメータと畳み込み演算し
て初期反射音を生成する。そして、生成された初期反射
音をIIRディジタルフィルタ30に入力して後部残響
音を生成し、ミキシング手段32で初期反射音とミキシ
ングして出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の初期反射音の
み生成する方法では、後部残響音まで含む長時間にわた
る残響音を生成することはできなかった。また、後部残
響音まで含めてこの方法で生成しようとすると、反射音
パラメータのデータ量が膨大になり、様々な種類の残響
音の反射音パラメータを予め用意するには、ハードディ
スク等の大規模な記憶装置が必要になり、コスト高とな
る問題があった。前記のIIRディジタルフィルタを
用いる方法では単純なパターンの残響音しか作ることが
できず、ホール等の自然な残響音を生成することはでき
なかった。
【0007】前記の初期反射音と後部残響音を並列に
生成する方法では、初期反射音と後部残響音のつながり
が悪かった。また、後部残響音は単純なパターンでしか
も時間密度も不自然であり、不自然さが残っていた。前
記の初期反射音と後部残響音を連続して生成する方法
においても、依然として初期反射音と後部残響音のつな
がりが悪く、やはり不自然さが残っていた。
【0008】この発明は、前記従来の技術における問題
点を解決して、初期反射音に自然な感じで連続する長時
間にわたる後部残響音を簡易な構成で生成できるように
した残響生成方法および残響生成装置を提供しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、初期反射音
群に続く後部残響音の1つの反射音から次の反射音まで
の時間間隔を、音源での音の発生タイミングもしくはこ
れに準ずるタイミングを基準とした前記1つの反射音の
発生時刻の自乗にある比例定数をもって反比例させ、こ
の比例定数を前記初期反射音群の各反射音から次の初期
反射音までの時間間隔に関して得られる当該比例定数の
ゆらぎを反映した漸化式写像に基づいて定めて、前記後
部残響音の前記次の反射音を生成するようにしたもので
ある。
【0010】これによれば、後部残響音の反射音の時間
間隔は、初期反射音群の反射音の時間間隔のゆらぎを反
映したゆらぎを持つものとなり、初期反射音群と自然な
つながりを持つ後部残響音を生成することができる。ま
た、複数種類の初期反射音群の中から1つの初期反射音
群を任意に選択して使用するようにした場合には、選択
された初期反射音群について後部残響音のパラメータを
算出して使用するようにすれば、各種類の初期反射音群
ごとの膨大な量の後部残響音の遅延時間のパラメータを
予め記憶装置に保持しておかなくてすみ、ハードウェア
構成が簡素化される。
【0011】なお、初期反射音パラメータは、測定ある
いは演算した結果の初期反射音パラメータを始めから装
置内に保持しておくほか、室形データ、音源位置デー
タ、受音位置データ等を入力して鏡面反射理論に従って
初期反射音データを算出する機能を装置に持たせること
もできる。また、初期反射音の時間間隔のゆらぎを反映
した比例定数の写像は、装置内で初期反射音パラメータ
から演算して求めるほか、初期反射音群から求めた結果
の写像を始めから装置内に保持しておくこともできる。
複数種類の写像を保持した場合には、初期反射音群の選
択操作(再現音場の選択操作)に連動して該当する写像
が読み出されるようにする。なお、写像を始めから装置
内に用意しておく場合には、初期反射音群の比例定数の
写像そのもの(離散的な点群)の形で保持しておいて、
その初期反射音群が選択された時点で演算によってこれ
ら点群を補間した写像(リターンマップ(Return
map)という)を生成するほか、始めからリターン
マップの形で保持しておくこともできる。また、後部残
響音の各反射音の強度については、例えば初期反射音群
のパラメータおよび残響時間のデータに基づき係数を最
小自乗法で求めた指数関数に従って減衰する特性等に設
定することができる。
【0012】尚、この発明で「初期反射音」、「後部残
響音」は一般に定義されている音源における音の発生か
らの絶対的な時間の経過で分類した概念ではなく、相対
的な概念(すなわち、測定あるいは計算等により与えら
れた反射音に基づいてこの発明の後部残響音の生成手法
により生成された反射音が後部残響音)である。したが
って、一般的には後部残響音に分類される時刻における
反射音であっても、独自に用意されあるいは鏡面反射理
論等に従って遅延時間のパラメータが算出された反射音
はこの発明では初期反射音であり、それ以降のこの発明
の後部残響音の生成手法により生成される反射音が後部
残響音である。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下説明
する。図1は、この発明の残響生成装置の実施の形態を
示したものである。残響生成装置34において、初期反
射音パラメータメモリ36(初期反射音パラメータデー
タ保持手段)には、実際のホール等で測定されもしくは
計算で求められまたは任意に設定された初期反射音群の
パラメータデータとして、当該初期反射音群を構成する
各初期反射音の遅延時間(音源での音の発生タイミング
を基準とした遅れ時間)と強度のデータが複数種類(す
なわち、複数の音場のデータが)記憶保持されている。
これら初期反射音群のパラメータデータは、始めから記
憶しておくほか、パラメータ生成手段38(初期反射音
パラメータデータ算出手段)での演算によって算出され
た初期反射音群のパラメータデータを記憶することもで
きる。すなわち、パラメータ演算手段38は、操作者に
よる操作キー40の操作等によって入力されたホール等
の室形データおよび音源位置、受音位置の各データから
鏡面反射理論(幾何音響計算)によって各初期反射音の
遅延時間および強度を算出して初期反射音パラメータメ
モリ36に記憶する。
【0014】初期反射音パラメータ読み出し手段42
は、操作キー40(初期反射音群選択指示手段)におけ
る操作者の音場選択操作によって選択指示された音場に
相当する初期反射音パラメータデータを初期反射音パラ
メータメモリ36から読み出す。
【0015】リターンマップ生成記憶手段44におい
て、リターンマップ生成手段46は、初期反射音パラメ
ータメモリ36から読み出される初期反射音群の遅れ時
間のパラメータデータに基づき、音源での音の発生タイ
ミングを基準とした初期反射音群の1つの初期反射音の
発生時刻の自乗に反比例して当該1つの初期反射音から
次の初期反射音までの時間間隔を規定するゆらぎを有す
る比例定数の写像の点群を補間したリターンマップを生
成する(具体的な生成手法については後述する。)。生
成されたリターンマップは、リターンマップメモリ48
(リターンマップ記憶手段)に記憶される。
【0016】後部残響音遅延時間パラメータ演算手段5
0は、リターンマップメモリ48に記憶されたリターン
マップに基づき後部残響音の遅延時間に関するパラメー
タデータを算出する。すなわち、初期反射音群に続く後
部残響音の1つの反射音から次の反射音までの時間間隔
を、音源での音の発生タイミングを基準とした当該1つ
の反射音の発生時刻の自乗に、その直前の反射音の時間
間隔からリターンマップに基づき得られる比例定数をも
って反比例させた値として演算して、当該後部残響音の
各反射音の遅延時間に関するパラメータデータを順次算
出する(具体的な算出手法については後述する。)。こ
の遅延時間に関するパラメータデータの算出は、初期反
射音群の種類ごとに予め定められ初期反射音群の選択に
伴って自動的に設定される(あるいは別途操作者が操作
キー40によって指示する)残響時間Tに応じた時間分
実行される。
【0017】後部残響音強度パラメータ演算手段52
(後部残響音強度パラメータ設定手段)は、初期反射音
パラメータメモリ36から読み出される初期反射音の強
度に関するパラメータデータと、残響時間Tのデータに
応じて、例えば係数を最小自乗法で求めた指数関数に従
って減衰する特性の後部残響音の各反射音の強度に関す
るパラメータデータを算出する。
【0018】後部残響音パラメータメモリ54(後部残
響音遅延時間パラメータデータ一時記憶手段)は、以上
のようにして求められた後部残響音の遅延時間と強度の
パラメータデータを一時的に記憶する。この記憶データ
は、別の種類の初期反射音群が選択された時あるいはそ
の後当該メモリ54の容量が一杯になった時に消去され
る。一旦別の初期反射音群が選択された後再び元の初期
反射音群が選択された場合に、残響音パラメータメモリ
54にまだこの元の初期反射音群に関して生成された後
部残響音のパラメータデータが保持されている場合には
それを使うことができる(つまり、あらためて算出しな
おす必要はない。)。
【0019】現在選択されている初期反射音群のパラメ
ータデータおよび後部残響音のパラメータデータは、初
期反射音パラメータメモリ36および残響音パラメータ
メモリ54からそれぞれ読み出されて、畳み込み演算手
段(DSP)56にセットされる。入力音響信号はA/
D変換器58(ディジタル入力の場合は不要)でディジ
タル信号に変換された後畳み込み演算手段56に入力さ
れて、前記初期反射音群および後部残響音の一連のパラ
メータデータと畳み込み演算されて、残響音(初期反射
音群+後部残響音)が生成される。生成された残響音は
D/A変換器60でアナログ信号に変換された後、ミキ
シング手段62で直接音とミキシングされて、アンプ6
2を介してスピーカ66で再生される。
【0020】次に、図1の残響生成装置34における後
部残響音の具体的な生成手法について説明する。音源位
置から発せられた音の受音位置で観測される自然の残響
音は音源で音が発生してからの経過時間の自乗に反比例
して発生間隔が短くなる性質を有する。ただし、個々の
反射音の時間間隔を見てみると、あるゆらぎを持って微
妙に変動している。このゆらぎは全くの規則性を持って
いるものでもまた全くのランダムでもなく、いわゆるカ
オス的な変動を示している。そして、ゆらぎが残響音の
自然さを与えているものと思われる。また、ある時点の
時間間隔のゆらぎは後続する反射音の時間間隔のゆらぎ
に影響を与えているものと思われる。
【0021】そこで、図6に示すように、ある時刻にお
いて反射音を発生したときに、次に反射音を発生すべき
時間間隔τを(1)式のように定義するものとする。
【0022】 τ=k/t2 (1) (1)式でtは音源での音の発生タイミングを基準にし
て最後に反射音を発生した時点の時刻である。また、k
は比例定数であり、前述の反射音の発生間隔のゆらぎを
反映しているものである。
【0023】図1の残響音生成装置34では、計測ある
いは計算等により与えられた初期反射音の遅延時間(音
源での音の発生タイミングを基準とした遅れ時間)のパ
ラメータについて上記比例定数kのゆらぎ集合{k}を
集合{k}自体に写像したリターンマップを求めて、こ
のリターンマップに従って後部残響音の比例定数kを順
次求めて、後部残響音の発生時刻を定めている。
【0024】また、後部残響音の強度(自乗音圧)はそ
の到達時刻tの指数関数であるとして、(2)式のよう
に定義するものとする。
【0025】 p2 =a・exp (−b・t) (2) (2)式でa,bは係数であり、初期反射音の強度に関
するパラメータデータおよび設定された残響時間から最
小自乗法で算定する。初期反射音群のパラメータデータ
は、図7に示すように到達時刻tと自乗音圧p2 の組
(対、ペア)として与えられ、これを (ti ,pi ) (i=1,2,……,n) とおく。初期反射音のデータ数は、例えば残響時間Tの
5〜10%分とする。残響音生成装置34では、最後の
初期反射音(tn ,pn )に続いて、(1)式で規定さ
れる発生間隔に(2)式で規定される自乗音圧を付与し
た後部残響音のパラメータデータ(tn+1 ,pn+1 ),
(tn+2 ,pn+2 ),……、を設定された残響時間Tに
応じた分順次算定する。
【0026】後部残響音のパラメータデータの具体的な
算定手順を図8〜図9のフローチャートに従って説明す
る。初期反射音のパラメータデータ(ti ,pi )(i
=1,2,……,n)および残響時間Tが与えられる
と、図8の(a)ブロックに示す諸量を算定する。ここ
で、τi は図10に示すように、初期反射音の時間間隔
であり、 τ1 =k1 /t1 2 ,τ2 =k2 /t2 2 ,…… (ki :比例定数(i=1,2,…,n))である。比
例定数ki は変動する。その最大量kmax と最小値k
min とを求めておく。
【0027】最後の初期反射音の到達時刻tn は最初の
後部残響音(tn+1 ,pn+1 )の生成に必要になるもの
で、fに値を保存する。b,s,aは自乗音圧p2 を算
定するための量である。
【0028】ブロック(b)は、最小値と最大値との間
を変動する比例定数ki を0と1との間を変動する量x
i に一次変換するものである。このxi の最後の値x
n-1 も最初の後部残響音(tn+1 ,pn+1 )の生成に必
要になるもので、保存(q=xn-1 とおく。)してお
く。これはτの最後の値τn-1 と対応している。尚、こ
の一次変換は計算の便宜を図るためにするものであっ
て、必ずしも必要な手順ではなく、比例定数ki でもっ
て計算を進めることもできる。
【0029】ブロック(c)は、初期反射音群の最後の
n-1 から後部残響音の最初のxn、さらにxn からx
n+1 、xn+1 からxn+2 、……を順次算定していくた
め、初期反射音のxi (i=1,2,……,n−1)の
写像の点群を内挿した連続したリターンマップを作成す
るものである。すなわち、初期反射音群の比例定数の写
像(xi ,xi+1 )(あるいは(ki ,ki+1 ))は、
図11に示すような離散的な点群であるから、これを後
部残響音の写像の算定に使用するために、線形補間、多
項式補間、スプライン補間、周知の関数による補間等の
手法でこれら点群を補間したリターンマップを作成す
る。ブロック(c)では正方行列を用いた線形補間の手
法を示している。具体的には、次の手順による。
【0030】すなわち、ブロック(c−1)では、図1
2に示すように、行列の次数m、区間[0,1]をm等
分した長さd、m次の正方行列の各要素を零にそれぞれ
定値する。mの値はここに示したものが唯一ではない。
初期反射音のデータ点数nに対して妥当な分類数であれ
ばよい。
【0031】ブロック(c−2)は、行列rの要素値を
行1,2,…,j,…,mごとに定値するループであ
る。すなわち、例えばj行においては、まずxの区間
[0,1]をm等分した第j番目の区間[(j−1)
d,jd](d=1/m)を確定しておく。次に(C−
2)内の小ループ(c−3)でxi (i=1,2,…,
n−1)中上記区間内に含まれるxk を摘出して個数
(区間内のプロットの数)をカウントし(フローチャー
トでは変数cに値を入れている。)、同時にxk+1 が含
まれる区間の番号uを確定し、rjuに1を加算する。x
i をすべて調べ終るとループ(c−3)が終了する。次
にrのj行の全要素を上記cで割算してこの行の定値が
終る。要するに(c−2),(c−3)では「条件付頻
度分布」を算定したことになる。
【0032】すなわち、図13に示すように、横軸の各
区間1〜mごとの総数をそれぞれ100%として、この
総数に対する縦軸の各区間1〜m(d×dの小区間)の
個数の割合をプロットして折れ線でつないでいったもの
が得られる。これで、初期反射音の比例定数の写像の点
群を補間したリターンマップ(初期反射音群の最後のx
n-1 から後部残響音のxn ,xn から次のxn+1 ,…を
順次求めていくためのリターンマップ)が作成されたこ
とになる。
【0033】以上で後部残響音生成のためのデータはす
べて揃う。ここから1つ1つの後部残響音を順次求めて
いく処理に入る。フローチャートのブロック(d)がこ
れに当たる。ブロック(d)はループになっていて、算
定した到達時刻が設定された残響時間Tに応じた所期の
値を超えた時点で終了する。ブロック(d−1)で前記
q(=xn-1 )が含まれる横軸の小区間の番号jとその
区間の下限からのqの偏差y(0≦y≦1)を定める
(図14参照)。ブロック(d−2)は正方行列rのj
行目の要素rjk(k=1〜m)の初めのk項の和がyを
超えるkを探索している(
【0034】
【数1】 かつ0≦y≦1であるから、そのようなkは1とmとの
間に必ず存在する。)。
【0035】ここまでで、現在のqの値から生成される
次のqの存在範囲が判明する。それは区間[k・d,
(k+1)・d]である。ブロック(d−3)で上記q
の新値を確定する。以上でxn-1 からxn が生成された
ことになる。
【0036】ブロック(d−4)では、次の反射音の到
達時刻tn+1 を定める。式の意味はq,fはそれぞれx
n ,tn-1 であって、前記一次変換の逆変換 kn =(kmax −kmin )・(xn +kmin ) を行い、比例定数kn を定め、現在時刻tn-1 より τn =kn /tn-1 2 なる時間間隔τn を定め、これをtn-1 に加え、 tn =tn-1 +τ としたものである。すなわち、図13のxn からその写
像xn+1 を次のxn としてさらに次のxn+1 を求めてい
くという操作を繰り返す。
【0037】ブロック(d−5)はこのようにして定め
た時刻tn に対応する反射音強度pn 2 を定めるもので
ある。
【0038】図15は、全ての反射音を鏡面反射理論に
より作成した場合の残響音パラメータ(a)と、200
msecまでを(a)と同じパラメータとし200msec以降
の後部残響音をこの200msecまでのパラメータに基づ
き上記手法で生成した残響音パラメータ(b)とを対比
して示したものである。両方のパラメータを用いて実際
に残響音を生成して聴感テストをしたところ、ほとんど
変わらない聴感結果が得られ、この発明による手法が自
然でつながりのよい残響音を生成できることがわかっ
た。
【0039】尚、以上の実施の形態では直前のパラメー
タに基づき次のパラメータを算定するという手法を用い
たが、所定分過去(2個以上前)のパラメータに基づき
次のパラメータを算定することもできる。また、前記実
施の形態では、反射音の時間の基準を音源での音の発生
タイミングとしたが、これに準ずるタイミング(例えば
直接音のタイミング)を基準としても実用上は問題な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の残響生成装置の実施の形態を示す
ブロック図である。
【図2】 従来の残響生成手法を示すブロック図であ
る。
【図3】 従来の残響生成手法を示すブロック図であ
る。
【図4】 従来の残響生成手法を示すブロック図であ
る。
【図5】 従来の残響生成手法を示すブロック図であ
る。
【図6】 (1)式の説明図である。
【図7】 初期反射音群のパラメータの説明図である。
【図8】 図1の残響音生成装置における後部残響音の
パラメータデータの具体的な算定手順を示すフローチャ
ートである。
【図9】 図8の続きを示すフローチャートである。
【図10】 初期反射音群における時間間隔τの説明図
である。
【図11】 初期反射音群の写像である。
【図12】 正方行列を用いた線形補間の説明図であ
る。
【図13】 初期反射音の比例定数の写像の点群を補間
したリターンマップである。
【図14】 図9のブロック(d−2)の説明図であ
る。
【図15】 全体を鏡面反射理論により作成した反射音
パラメータと、200msecまでを鏡面反射理論により作
成し、それ以降を図8〜図9の手順に従って生成した反
射音パラメータを示す図である。
【符号の説明】
34 残響生成装置 36 初期反射音パラメータメモリ(初期反射音パラメ
ータデータ保持手段) 38 パラメータ生成手段(初期反射音パラメータデー
タ算出手段) 40 操作キー(初期反射音群選択指示手段) 42 初期反射音パラメータ読み出し手段 44 リターンマップ生成記憶手段 46 リターンマップ生成手段 48 リターンマップメモリ(リターンマップ記憶手
段) 50 後部残響音遅延時間パラメータ演算手段 52 後部残響音強度パラメータ演算手段(後部残響音
強度パラメータ設定手段) 54 後部残響音パラメータメモリ(後部残響音遅延時
間パラメータデータ一時記憶手段) 56 畳み込み演算手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】初期反射音群に続く後部残響音の1つの反
    射音から次の反射音までの時間間隔を、音源での音の発
    生タイミングもしくはこれに準ずるタイミングを基準と
    した前記1つの反射音の発生時刻の自乗にある比例定数
    をもって反比例させ、この比例定数を前記初期反射音群
    の各初期反射音から次の初期反射音までの時間間隔に関
    して得られる当該比例定数ゆらぎを反映した漸化式写像
    に基づいて定めて、前記後部残響音の前記次の反射音を
    生成してなる残響生成方法。
  2. 【請求項2】初期反射音群を構成する各初期反射音の遅
    延時間と強度に関するパラメータデータを保持する初期
    反射音パラメータデータ保持手段と、 音源での音の発生タイミングもしくはこれに準ずるタイ
    ミングを基準とした前記初期反射音群の1つの初期反射
    音の発生時刻の自乗に反比例して当該1つの初期反射音
    から次の初期反射音までの時間間隔を規定するゆらぎを
    有する比例定数の写像の点群を補間したリターンマップ
    を記憶しあるいは生成して記憶するリターンマップ記憶
    あるいは生成記憶手段と、 前記初期反射音群に続く後部残響音の1つの反射音から
    次の反射音までの時間間隔を、前記音源での音の発生タ
    イミングもしくはこれに準ずるタイミングを基準とした
    当該1つの反射音の発生時刻の自乗に、その直前あるい
    は所定分過去の反射音の時間間隔から前記リターンマッ
    プに基づき得られる比例定数をもって反比例させた値と
    して演算して、当該後部残響音の各反射音の遅延時間に
    関するパラメータデータを順次算出する後部残響音遅延
    時間パラメータデータ演算手段と、 前記後部残響音の各反射音の強度に関するパラメータデ
    ータを設定する後部残響音強度パラメータ設定手段と、 前記初期反射音群の各初期反射音の遅延時間と強度に関
    するパラメータデータおよび前記後部残響音の各反射音
    の遅延時間と強度に関するパラメータデータを用いて入
    力ソースに畳み込みを行い残響音を生成する畳み込み演
    算手段とを具備してなる残響生成装置。
  3. 【請求項3】初期反射音群を構成する各初期反射音の遅
    延時間と強度に関するパラメータデータを複数種類保持
    する初期反射音パラメータデータ保持手段と、 この初期反射音パラメータデータ保持手段に保持された
    複数種類の初期反射音群のパラメータの中から操作者が
    任意のものを選択指示するための初期反射音群選択指示
    手段と、 この初期反射音群選択指示手段で選択指示された初期反
    射音群のパラメータを前記初期反射音パラメータデータ
    保持手段から読み出す初期反射音パラメータデータ読み
    出し手段と、 この読み出された初期反射音群のパラメータについて、
    音源での音の発生タイミングもしくはこれに準ずるタイ
    ミングを基準とした当該初期反射音群の1つの初期反射
    音の発生時刻の自乗に反比例して当該1つの初期反射音
    から次の初期反射音までの時間間隔を規定するゆらぎを
    有する比例定数の写像の点群を補間したリターンマップ
    を記憶しあるいは生成して記憶するリターンマップ記憶
    手段と、 当該初期反射音群に続く後部残響音の1つの反射音から
    次の反射音までの時間間隔を、前記音源での音の発生タ
    イミングもしくはこれに準ずるタイミングを基準とした
    当該1つの反射音の発生時刻の自乗に、その直前あるい
    は所定分過去の反射音の時間間隔から前記リターンマッ
    プに基づき得られる比例定数をもって反比例させた値と
    して演算して、当該後部残響音の各反射音の遅延時間に
    関するパラメータデータを順次算出する後部残響音遅延
    時間パラメータデータ演算手段と、 この算出された後部残響音の遅延時間のパラメータデー
    タを一時記憶する後部残響音遅延時間パラメータデータ
    一時記憶手段と、 前記後部残響音の各反射音の強度に関するパラメータデ
    ータを設定する後部残響音強度パラメータ設定手段と、 前記初期反射音群の各初期反射音の遅延時間と強度に関
    するパラメータデータおよび前記後部残響音の各反射音
    の遅延時間と強度に関するパラメータデータを用いて入
    力ソースに畳み込みを行い残響音を生成する畳み込み演
    算手段とを具備してなり、 前記初期反射音群の選択指示が変更されたときに、前記
    後部残響音遅延時間パラメータデータ一時記憶手段は、
    古い後部残響音遅延時間パラメータデータを消去して新
    たに選択された初期反射音群に関する後部残響音遅延時
    間パラメータデータを記憶する機能を有してなる残響生
    成装置。
  4. 【請求項4】室形データ、音源位置データ、受音位置デ
    ータを入力して鏡面反射理論に従って前記初期反射音パ
    ラメータデータを算出して前記初期反射音パラメータデ
    ータ保持手段に供給する初期反射音パラメータデータ算
    出手段をさらに具備してなる請求項2または3記載の残
    響生成装置。
  5. 【請求項5】前記後部残響音強度パラメータ設定手段
    は、前記後部残響音の各反射音の強度パラメータを、前
    記初期反射音群のパラメータデータおよび残響時間のデ
    ータに基づき係数を最小自乗法で求めた指数関数に従っ
    て減衰する特性に設定してなる請求項2〜4のいずれか
    に記載の残響生成装置。
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