JPH09257799A - 免疫学的梅毒診断試薬 - Google Patents

免疫学的梅毒診断試薬

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JPH09257799A
JPH09257799A JP6084196A JP6084196A JPH09257799A JP H09257799 A JPH09257799 A JP H09257799A JP 6084196 A JP6084196 A JP 6084196A JP 6084196 A JP6084196 A JP 6084196A JP H09257799 A JPH09257799 A JP H09257799A
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antigen
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syphilis
diagnostic reagent
buffer
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JP6084196A
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Tetsuya Ota
哲也 大田
Yoshitaka Izumoto
義隆 伊豆本
Katsumi Yoshikawa
勝己 吉川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量生産可能で、安定した抗原活性を持つ4
7kDa抗原が、安定性良く担体に担持され、従来方法
と同等以上の感度を有する免疫学的梅毒診断試薬を提供
する。 【解決手段】 カルボキシル基を有する不溶性担体
(例、スチレン−メタクリル酸共重合体ラテックス)
に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩を用いてスペーサー(例、γ−ア
ミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸)が共有結合されてお
り、該スペーサーに、遺伝子組換え手法を用いて得られ
た、梅毒トレポネーマの47kDa抗原が、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩を用いて共有結合されている不溶性担体からなる
免疫学的梅毒診断試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梅毒抗原が結合さ
れた不溶性担体を利用して、抗梅毒トレポネーマ抗体と
の抗原抗体反応に基づいて同抗体を測定する免疫学的梅
毒診断試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】梅毒トレポネーマ(Treponema Pallidu
m)抗原を不溶性担体に担持させ、抗梅毒トレポネーマ
抗体との抗原抗体反応により生じた不溶性担体の凝集の
度合いを検出することにより該抗体を測定する免疫測定
法がある。このような測定方法としては、赤血球凝集反
応法、ラテックス凝集法が知られている。
【0003】従来、これらの方法に用いられる梅毒トレ
ポネーマ抗原は梅毒菌体から抽出されたものが用いられ
ていた(特開平2−234063号公報)。しかし、梅
毒菌体はin vitroでの培養が現在の技術では不可能であ
り、in vivo であってもウサギ睾丸中での培養のみ可能
であるため、大量の抗原を得ることが困難であった。ま
た、菌体からの精製過程も煩雑であり、精製毎に診断試
薬作成に必要な抗原活性があるものが得られるとは限ら
なかった。
【0004】また、梅毒トレポネーマの表面抗原タンパ
ク質には種々の分子量のものが存在することが知られて
おり、その一つである47kDa抗原は病原体特異的で
あることが知られ、そのDNA配列、アミノ酸配列はす
でに公知であり(Infectionand Immunity 57(1),196-20
3(1989)) 、その遺伝子組換え手法を用いた生産方法が
提案されるとともに、得られた47kDa抗原を用いて
抗梅毒トレポネーマ抗体を検出する方法も提案されてい
る(特表平2−500403号公報)。この方法を使用
すれば、梅毒トレポネーマ抗原を大量に、且つ安定的に
得ることが可能と考えられる。しかし、特表平2−50
0403号公報には、抗梅毒トレポネーマ抗体を検出す
る方法の詳細については、記載されていない。
【0005】また、梅毒トレポネーマ抗原を不溶性担体
へ担持する方法には、従来、物理吸着法が用いられてき
たが、疎水性相互作用によって担持しているため、担持
に際して界面活性剤のような疎水性相互作用を弱める物
質が存在すると該抗原を担持しにくいという欠点があっ
た。また、該抗原が担持された不溶性担体を長期間保存
すると該抗原が担体から脱落していく可能性があるとい
う欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、その目的は、大量生産可能で、
安定した抗原活性を持つ47kDa抗原が、安定性良く
担体に担持され、従来方法と同等以上の感度を有する免
疫学的梅毒診断試薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の免疫学的梅毒診
断試薬は、活性基を有する不溶性担体の該活性基にスペ
ーサーが共有結合されており、該スペーサーに、遺伝子
組換え手法を用いて得られた、梅毒トレポネーマの47
kDa抗原が共有結合されている不溶性担体からなるこ
とを特徴とする。
【0008】本発明に用いられる梅毒トレポネーマの4
7kDa抗原は遺伝子組換え手法を用いて、梅毒菌体遺
伝子からクローニングされたものであれば、そのクロー
ニング法はどのような方法でもよい。梅毒トレポネーマ
の47kDa抗原を得るための方法の例を挙げると、4
7kDa抗原のDNA配列は、前述のように公知である
ので、例えば、PCR法により47kDa抗原に対する
DNAを増幅、精製し、これを適当な発現ベクターに組
み込む。このベクターを大腸菌に導入し、大腸菌に大量
生産させる方法が挙げられる。大腸菌から効率よく47
kDa抗原を精製するには、ベクターとして特公平6−
81596号公報に記載されているようなグルタチオン
−S−トランスフェラーゼ(以下、GSTという)遺伝
子を含むものを用いるのが好ましい。この方法を用いる
場合は、GST遺伝子の後に47kDa抗原遺伝子を挿
入し、大腸菌にGSTと47kDa抗原の融合タンパク
質として生産させる。十分に生産させた後、菌体を破壊
し、リゼイドを固定グルタチオンカラムと接触させるこ
とにより融合タンパク質を分離する。次いで、この融合
タンパク質を開裂させて47kDa抗原を得る。
【0009】本発明に用いられる不溶性担体としては、
例えば、有機高分子粉末、微生物、血球、細胞膜片、プ
ラスチック製マイクロタイタープレート等が挙げられ、
スペーサーと共有結合を形成し得る活性基、例えば、カ
ルボキシル基、アミノ基、チオール基等を有しているこ
とが必要である。この場合、不溶性担体が上記の活性基
をもともと有しているときは、そのままでよいが、上記
活性基を有していないときは、不溶性担体に、例えば、
酸化、還元、修飾などの反応を行って上記活性基が導入
されたものでもよい。
【0010】上記有機高分子粉末としては、例えば、不
溶性アガロース、セルロース、不溶性デキストラン等の
天然高分子粉末、ポリスチレン、スチレン−メタクリル
酸共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体等の合成高分子粉末
等が挙げられ、特に合成高分子粉末を均一に懸濁させた
ラテックスが好ましい。
【0011】上記ラテックスを用いる場合、スペーサー
と共有結合を形成し得る活性基としてはカルボキシル
基、アミノ基が好ましい。粒径は、0.1〜1.0μm
が好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。
【0012】カルボキシル基を有するラテックスを用い
る場合、そのカルボキシル基の量は、表面荷電が0.0
3〜0.75meqCOO- /gが好ましく、0.05
〜0.40meqCOO- /gがより好ましい。
【0013】本発明に用いられるスペーサーとは、不溶
性担体と47kDa抗原との間に介在して、不溶性担体
と47kDa抗原とを結合させるものであり、不溶性担
体及び47kDa抗原上の活性基と共有結合を生じるも
のである。このようなスペーサーとしては、スペーサー
と47kDa抗原のカルボキシル基とが結合される場合
は、β−アミノアラニン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノ
カプロン酸、グルタミン酸、p−アミノベンゾエート等
のアミノ酸が好ましい。またスペーサーと47kDa抗
原のアミノ基とが結合される場合は、ジアミノエタン、
ヘキサメチレンジアミン、p−アミノアニリン等のジア
ミンが好ましい。本発明において、スペーサーとして特
に好ましいものは、47kDa抗原がスペーサーを介し
て、より安定性良く担体に結合される点からγ−アミノ
酪酸、ε−アミノカプロン酸である。
【0014】本発明の免疫学的梅毒診断試薬を製造する
には、例えば、活性基を有する不溶性担体に1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩(以下、EDCという)をカップリング剤として
用いて、γ−アミノ酪酸又はε−アミノカプロン酸など
のスペーサーを共有結合し、次に、更にEDCをカップ
リング剤として用いてスペーサーに47kDa抗原を共
有結合する方法が挙げられる。上記カップリング剤はE
DCに限定されるわけではなく、水溶性カルボジイミド
であればいずれも使用可能であり、例えば、1−シクロ
ヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミ
ドメト−p−トルエンスルホン酸塩、1−エチル−3−
(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミド過塩素
酸塩等が挙げられるが、溶解度、反応性等の点からED
Cを用いることが好ましい。
【0015】上記EDCによるカップリング反応の反応
温度は、低くなると十分に反応が進行しなくなり、高く
なると47kDa抗原が変性し抗原性を失う恐れがある
ので、0℃〜40℃が好ましい。
【0016】本発明の免疫学的梅毒診断試薬は、検体と
混合されて使用されることにより、検体中の抗梅毒トレ
ポネーマ抗体との抗原抗体反応に基づいて同抗体を測定
することができる。
【0017】上記の抗原抗体反応に際しては、検体を、
pH5.0〜9.0の緩衝液を用いて希釈してもよい。
上記の検体の希釈液としては、例えば、リン酸緩衝液、
グリシン緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、ク
エン酸緩衝液、トリス緩衝液などが挙げられる。
【0018】上記検体希釈液には、測定感度の向上、及
び抗原抗体反応の促進を目的として種々の添加剤を添加
することができる。上記添加剤としては、例えば、特開
平2−173567号公報に記載されたメチルセルロー
ス、エチルセルロース等のアルキル化多糖類、特開平5
−180838号公報に記載されたプルラン、ポリビニ
ルピロリドン等が挙げられる。
【0019】また、上記検体希釈液には、非特異反応抑
制を目的として牛血清アルブミン、卵性アルブミン等を
添加することもできる。
【0020】本発明の免疫学的梅毒診断試薬によって、
抗梅毒トレポネーマ抗体を測定する際の測定系として
は、例えば、前記不溶性担体と抗梅毒トレポネーマ抗体
との反応による前記不溶性担体の凝集の程度を測定する
ものが挙げられ、特に、不溶性担体としてラテックスを
用いるラテックス凝集反応系が好ましい。
【0021】上記反応により生じた凝集を測定する方法
としては、凝集の程度を光学的に観察する方法あるいは
目視により観察する方法などが挙げられる。
【0022】具体的には、光学的に観察する方法におい
ては、検体を検体希釈液で希釈した液に、梅毒トレポネ
ーマの47kDa抗原が担持された不溶性担体(免疫学
的梅毒診断試薬)を含有する液(通常、リン酸緩衝液、
グリシン緩衝液、ベロナール緩衝液、ホウ酸緩衝液、ク
エン酸緩衝液、トリス緩衝液など)を混合した後、該混
合液の散乱光強度、吸光度又は透過光強度を測定する。
測定の波長は300〜2400nmが使用でき、測定方
法は公知の方法に従い、用いる不溶性担体の粒径、濃
度、反応時間によって散乱光強度、吸光度、又は透過光
強度の増加もしくは減少を測定する。またこれらの方法
は単独で用いられても併用されてもよい。
【0023】目視により観察する方法においては、通
常、検体と上記抗原が担持された不溶性担体を含む液を
判定板上で混合し、揺り動かした後、凝集の有無を判定
する。判定には単に肉眼で判定する以外に、ビデオカメ
ラで撮影し画像処理を施すことによって判定することも
できる。
【0024】前記抗原抗体反応は通常の条件で行われ、
反応媒体としては、例えば、上記のように、リン酸緩衝
液、クエン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス緩衝液等
が用いられる。反応時のpHは、4.5〜10.0が好
ましく、さらに好ましくは5.8〜8.0である。反応
時の温度は、0〜50℃が好ましく、さらに好ましくは
20〜40℃である。反応時間は適宜決められる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明を実施例及び比較例につき
説明する。 参考例1 梅毒トレポネーマの47kDa抗原の調製 トレポネーマパリダム(Treponema Pallidum)継代ウサ
ギ睾丸の破砕物(常磐化学社製)より、トレポネーマパ
リダム菌体を抽出し、ゲノムDNAを抽出した。すでに
47kDa抗原のDNA配列は既知であるので、それを
もとにDNA合成装置を用いてプライマーを作成した。
前記で抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、上記のプラ
イマーを用いて、PCR法により47kDa抗原のDN
A断片を得た。次に、GSTとの融合タンパク質を発現
するために作られたベクターpGEX−4T−3(ファ
ルマシア社製)に、上記のDNA断片を挿入し、pGE
X−4T−3−47kと命名した。
【0026】次に、pGEX−4T−3−47kを大腸
菌に導入し、培養した。培養液にイソプロピル−β−
(−)−チオガラクトピラノシドを加えることにより、
47kDa抗原とGSTの融合タンパク質の発現を誘導
した。十分に融合タンパク質が発現した大腸菌を超音波
処理により菌体を破砕し、遠心分離により細胞膜、核な
どを除いた上清に、グルタチオンセファロース4B(フ
ァルマシア社製)を加え、一晩放置し、融合タンパク質
をグルタチオンセファロース4Bに吸着させた。遠心分
離により融合タンパク質が吸着したグルタチオンセファ
ロース4Bを回収し、これをカラムに充填した。数回洗
浄の後、グルタチオン溶液を流すことにより融合タンパ
ク質がグルタチオンセファロース4Bから遊離し溶出し
た。こうして精製された47kDa抗原−GST融合タ
ンパク質溶液にトロンビン溶液を添加し、47kDa抗
原とGSTの結合を切断した。この結果、47kDa抗
原、GST及びトロンビンを含む溶液が得られた。この
溶液をグルタチオンセファロース4Bカラムに流すこと
によりGSTを除去した。さらにヘパリンセファロース
CL−6B(ファルマシア社製)を充填したカラムに流
すことにより、トロンビンを除去し、47kDa抗原を
得た。
【0027】実施例1 (1)ラテックスへのスペーサーの結合 スチレン−メタクリル酸共重合体ラテックス(カルボキ
シル基0.25meqCOO- /g、粒径0.4μm、
積水化学工業社製)を5%(w/v)含有する水懸濁液
150μlに対し、pH5.0のリン酸緩衝液(以下、
PB緩衝液という)にEDCを15%(w/v)の割合
で溶解した溶液を1ml加え、室温で5時間攪拌した。
遠心分離により未反応のEDCを除去し、PB緩衝液で
2回洗浄後、1mlのpH9.0のホウ酸緩衝液(以
下、BB緩衝液という)に懸濁した。この懸濁液に、B
B緩衝液にγ−アミノ酪酸を10%(w/v)の割合で
溶解した溶液を1ml加え、室温で24時間攪拌した。
遠心分離により未反応のγ−アミノ酪酸を除去し、BB
緩衝液で2回洗浄後、1mlのPB緩衝液に懸濁して、
ラテックスのカルボキシル基とγ−アミノ酪酸のアミノ
基が共有結合された、スペーサー結合ラテックスを得
た。
【0028】(2)47kDa抗原の結合 上記スペーサー結合ラテックス1mlに、PB緩衝液に
EDCを30%(w/v)の割合で溶解した溶液を1m
l加え、室温で5時間攪拌した。遠心分離により未反応
のEDCを除去し、PB緩衝液で2回洗浄後、2mlの
BB緩衝液に懸濁した。この懸濁液に、リン酸緩衝液
(pH7.2)に参考例1で調製した47kDa抗原が
500μg/mlになるように溶解された溶液を100
μl加え、室温で24時間攪拌した。遠心分離により未
反応の47kDa抗原を除去し、BB緩衝液で2回洗浄
後、ウシ血清アルブミン(以下、ウシ血清アルブミンを
BSAという)を1%(w/v)含有するPBS緩衝液
(0.9重量%塩化ナトリウム−リン酸緩衝液、pH
7.4。以下で用いられるPBS緩衝液も、全て同様の
組成である)の2mlに懸濁し、室温で1時間攪拌し、
ブロッキング(非特異的反応を防ぐために、ラテックス
表面にBSAを吸着させること)を行った。次に、遠心
分離により未反応のBSAを除去し、BSAを1%(w
/v)含有するPBS緩衝液4mlに懸濁し、梅毒トレ
ポネーマ抗原結合ラテックス(本発明の免疫学的梅毒診
断試薬)液を得た。
【0029】(3)感度の測定 得られた梅毒トレポネーマ抗原結合ラテックス液の感度
を以下のようにして測定した。生化学自動分析装置(日
立7050形、日立製作所社製)により、0、50、1
00、250、500各タイターユニット(以下、T.
U.と略す)の標準梅毒トレポネーマ陽性血清を検体と
して測定した。測定条件は、温度37℃、波長570n
mとした。測定方法は、上記検体20μlを分注後、直
ちに検体希釈液(梅毒診断用試薬「メディエースTPL
A」(積水化学工業社製)に含まれているものを用い
た。)350μlを添加・混合し、次いで上記(2)で
得られた梅毒トレポネーマ抗原結合ラテックス液50μ
lを添加・混合した。反応量は、上記ラテックス液添加
後80秒から320秒の間の吸光度変化量とした。各検
体について、測定された吸光度変化量(△O.D.)を
10000倍した値を図1に示した。なお、測定の繰り
返し数は3とし、図1にはその平均値を示した。
【0030】実施例2 実施例1におけるγ−アミノ酪酸を、ε−アミノカプロ
ン酸に代えたことの他は実施例1と同様にして、免疫学
的梅毒診断試薬を作製し、実施例1と同様にして、感度
の測定を行い、結果を図1に示した。
【0031】比較例1 実施例1における500μg/mlの47kDa抗原を
100μl用いたことに代えて、梅毒トレポネーマを接
種、培養したウサギ睾丸から精製した梅毒トレポネーマ
抗原が100μg/ml濃度でリン酸緩衝液(pH7.
2)に溶解された溶液を100μl用いたことの他は実
施例1と同様にして、梅毒トレポネーマ抗原結合ラテッ
クス液を作製し、実施例1と同様にして、感度の測定を
行い、結果を図1に示した。
【0032】比較例2 この比較例では、47kDa抗原をスペーサーを使用せ
ずに、ラテックスに、直接、共有結合させて免疫学的梅
毒診断試薬を作製し、その感度の測定を行った。 (1)抗原のラテックスへの直接結合 スチレン−メタクリル酸共重合体ラテックス(カルボキ
シル基0.25meqCOO- /g、粒径0.4μm、
積水化学工業社製)を5%(w/v)含有する水懸濁液
150μlに対し、850μlのPB緩衝液を加え攪拌
した。この液に、PB緩衝液にEDCを30%(w/
v)の割合で溶解した溶液を1ml加え、室温で5時間
攪拌した。遠心分離により未反応のEDCを除去し、P
B緩衝液で2回洗浄後、2mlのBB緩衝液に懸濁し
た。この懸濁液に、リン酸緩衝液(pH7.2)に参考
例1で調製した47kDa抗原が500μg/mlにな
るように溶解された溶液を100μl加え、室温で24
時間攪拌した。遠心分離により未反応の47kDa抗原
を除去し、BB緩衝液で2回洗浄後、BSAを1%(w
/v)含有するPBS緩衝液の2mlに懸濁し、室温で
1時間攪拌し、ブロッキングを行った。次に、遠心分離
により未反応のBSAを除去し、BSAを0.5%(w
/v)含有するPBS緩衝液4mlに懸濁し、梅毒トレ
ポネーマ抗原結合ラテックス液を得た。
【0033】(2)感度の測定 上記(1)で得られた梅毒トレポネーマ抗原結合ラテッ
クス液を使用したことの他は、実施例1の(3)と同様
にして、感度の測定を行い、結果を図1に示した。
【0034】比較例3 この比較例では、47kDa抗原をラテックスに物理的
吸着により結合させて梅毒トレポネーマ抗原結合ラテッ
クス液を作製し、その感度の測定を行った。 (1)物理的吸着による47kDa抗原のラテックスへ
の担持 参考例1で調製した47kDa抗原を500μg/ml
で含有する0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)100
μlを、スチレン−メタクリル酸共重合体ラテックス
(固形分10%(w/v)の水懸濁液、カルボキシル基
0.25meqCOO- /g固形分、粒径0.4μm、
積水化学工業社製)100μlに添加し、4℃で1時間
攪拌した。次いでBSAを1%(w/v)含有する0.
1Mリン酸緩衝液(pH7.4)2mlを添加し、1.
5時間攪拌した。この液を10℃で30分間、1800
0rpmで遠心分離した。得られた沈殿物に、BSAを
0.25%(w/v)含有する0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.4)5mlを添加し、ラテックスを懸濁さ
せ、梅毒トレポネーマ抗原担持ラテックス液を調製し
た。
【0035】(2)感度の測定 上記(1)で得られた梅毒トレポネーマ抗原担持ラテッ
クス液を使用したことの他は、実施例1の(3)と同様
にして、感度の測定を行い、結果を図1に示した。
【0036】以下の実施例3及び比較例4においては、
梅毒トレポネーマ抗原結合ラテックス液(実施例3)及
び梅毒トレポネーマ抗原担持ラテックス液(比較例4)
の界面活性剤共存時の安定性を試験した。 実施例3 実施例1の(1)、(2)に従って調製した梅毒トレポ
ネーマ抗原結合ラテックス液2mlに、界面活性剤とし
てトライトンXー100(ナカライテスク社製)を1重
量%含むPBS溶液を1ml加え、室温で3時間激しく
攪拌した。遠心分離によりトライトンXー100を除去
後、PBSで2回洗浄した後、BSAを0.5(w/
v)%含有するPBS2mlに懸濁した。得られた梅毒
トレポネーマ抗原結合ラテックス液を使用したことの他
は、実施例1の(3)と同様にして、感度の測定を行
い、結果を図2に示した。
【0037】比較例4 実施例3の梅毒トレポネーマ抗原結合ラテックス液2m
lの代わりに、比較例3の(1)に従って調製した梅毒
トレポネーマ抗原担持ラテックス液2mlを用いたこと
の他は、実施例3と同様にしてトライトンXー100処
理梅毒トレポネーマ抗原担持ラテックス液を得、実施例
3と同様にして感度の測定を行い、結果を図2に示し
た。
【0038】なお、図2には、界面活性剤処理をしない
場合と比較するために、実施例1及び比較例3で得られ
た感度測定の結果も示した。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の免疫学的梅毒診断試薬の
構成は上記の通りであり、スペーサーを介して、不溶性
担体と遺伝子組換え手法を用いて得られた梅毒トレポネ
ーマの47kDa抗原がそれぞれ共有結合されているの
で、大量生産可能で、安定した抗原活性を持つ47kD
a抗原が、安定性良く担体に担持され、従来方法と同等
以上の感度を有する免疫学的梅毒診断試薬を提供する。
また、界面活性剤が存在しても感度が低下しない免疫学
的梅毒診断試薬を提供する。請求項2記載の免疫学的梅
毒診断試薬の構成は上記の通りであり、請求項1記載の
免疫学的梅毒診断試薬において、スペーサーがγ−アミ
ノ酪酸又はε−アミノカプロン酸であるので、47kD
a抗原が、より安定性良く担体に担持され、より安定な
免疫学的梅毒診断試薬を提供する。
【0040】請求項3記載の免疫学的梅毒診断試薬の構
成は上記の通りであり、請求項1又は2記載の免疫学的
梅毒診断試薬において、活性基がカルボキシル基である
ので、47kDa抗原が、より安定性良く担体に担持さ
れ、より安定な免疫学的梅毒診断試薬を提供する。請求
項4記載の免疫学的梅毒診断試薬の構成は上記の通りで
あり、請求項1、2又は3記載の免疫学的梅毒診断試薬
において、不溶性担体とスペーサー及びスペーサーと梅
毒トレポネーマの47kDa抗原との、それぞれの共有
結合に用いる化合物が、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩であるので、
47kDa抗原が、より安定性良く担体に担持され、よ
り安定な免疫学的梅毒診断試薬を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2及び比較例1〜3の感度測定の結
果を示すグラフである。
【図2】実施例1、3及び比較例3、4の感度測定の結
果を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性基を有する不溶性担体の該活性基に
    スペーサーが共有結合されており、該スペーサーに、遺
    伝子組換え手法を用いて得られた、梅毒トレポネーマの
    47kDa抗原が共有結合されている不溶性担体からな
    ることを特徴とする免疫学的梅毒診断試薬。
  2. 【請求項2】 スペーサーがγ−アミノ酪酸又はε−ア
    ミノカプロン酸である請求項1記載の免疫学的梅毒診断
    試薬。
  3. 【請求項3】 活性基がカルボキシル基である請求項1
    又は2記載の免疫学的梅毒診断試薬。
  4. 【請求項4】 不溶性担体とスペーサー及びスペーサー
    と梅毒トレポネーマの47kDa抗原との、それぞれの
    共有結合に用いる化合物が、1−エチル−3−(3−ジ
    メチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である請
    求項1、2又は3記載の免疫学的梅毒診断試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011125872A1 (ja) * 2010-03-31 2011-10-13 積水メディカル株式会社 抗梅毒トレポネーマ抗体測定試薬

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011125872A1 (ja) * 2010-03-31 2011-10-13 積水メディカル株式会社 抗梅毒トレポネーマ抗体測定試薬
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US8969520B2 (en) 2010-03-31 2015-03-03 Sekisui Medical Co., Ltd. Reagent for assaying anti-treponema pallidum antibody

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