JPH09257086A - 油圧緩衝装置 - Google Patents

油圧緩衝装置

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JPH09257086A
JPH09257086A JP9004096A JP9004096A JPH09257086A JP H09257086 A JPH09257086 A JP H09257086A JP 9004096 A JP9004096 A JP 9004096A JP 9004096 A JP9004096 A JP 9004096A JP H09257086 A JPH09257086 A JP H09257086A
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JP
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cylinder
vehicle
hydraulic
shock absorber
cushion
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JP9004096A
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Tadashi Jo
忠 城
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両に作用する路面振動を吸収しながら所定
のクッション機能を発揮し、車両における車高調整を可
能にしながら所望通りの車高降下をも可能にし、しか
も、車両における設計変更を要せずして車両への装備を
容易にして、その汎用性の向上を期待するのに最適とな
るようにする。 【解決手段】 車両に入力される路面振動を吸収すると
共に油圧給排源Pからの油圧の供給時に収縮し該供給油
圧の排出時に伸長する緩衝器本体Sが該緩衝器本体Sを
形成するシリンダ体1にクッション機構10を一体に有
してなる一方で、該クッション機構10が緩衝器本体S
の油圧供給による収縮の際に油圧の排出によるバンプク
ッション13の下降を可能にし、かつ、緩衝器本体Sに
おける油圧排出による伸長の際に油圧の供給によるバン
プクッション13の上昇を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油圧緩衝装置に
関し、特に、懸架ばねと共に車両における懸架構造を形
成する油圧緩衝装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】懸架ばねと共に車両における懸架構造を
形成する油圧緩衝装置としては、従来から種々の提案が
あるが、基本的には、車両に作用する路面振動の吸収を
可能にするように構成される。
【0003】一方、近年では、この種の油圧緩衝装置
は、車両における車高調整を可能にするようにも構成さ
れるが、その場合の車高調整は、懸架ばねが伸縮可能と
される範囲内、すなわち、油圧緩衝装置が伸縮可能とさ
れる範囲内で実現される。
【0004】しかしながら、この車高調整を可能にする
油圧緩衝装置が車両に装備される場合でも、車種によっ
ては、一層の車高調整、すなわち、油圧緩衝装置が最圧
縮される範囲を超える車高降下を可能にすることが要請
されることがある。
【0005】この要請に応じるものとして、たとえば、
実開平3−52207号公報には、車両の車体側と車軸
側との間に配在されて路面振動を吸収するサスペンショ
ンユニットに別置きの態様に併設される車高調整装置が
開示されている。
【0006】すなわち、該車高調整装置は、車両の車体
側に配在されたバンプ部材と、該バンプ部材に対向する
ように車両の車軸側に配在されたストッパ部材と、を有
してなり、上記バンプ部材は、内部に油室を有する弾性
体からなるとしている。
【0007】そして、該弾性体たるバンプ部材内の油室
に油が封入されるとき、該バンプ部材がサスペンション
ユニットの最圧縮近傍時に上記ストッパ部材に衝突する
クッションとして機能する一方で、上記油室の油が排出
される状態で該バンプ部材がストッパ部材に当接される
とき、該バンプ部材の潰れが可能とされて上記サスペン
ションユニットの更なる圧縮を可能にし、車両車高の一
層の降下を可能にするとしている。
【0008】その結果、上記提案の車高調整装置によれ
ば、これがサスペンションユニットと共に、たとえば、
トラック等に装備される場合には、サスペンションユニ
ットを最圧縮状態にすると共に車高調整装置の圧縮によ
って車両車高の一層の降下が可能になり、荷台に対する
荷物の積み降ろし等を容易にすることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案の車高調整装置による場合には、以下のような不都合
の招来が指摘されることになる。
【0010】すなわち、該車高調整装置におけるバンプ
部材は、内部に油室を有する弾性体からなり、該油室の
油が排出される際の潰れで所定の車高降下を図るように
構成されているから、弾性体の潰れの際にいわゆる潰し
代が残存されることになり、サスペンションユニットを
最圧縮状態にすると共にバンプ部材を最圧縮しても、上
記の潰し代が残存した状態での車高降下が実現されるこ
とになる。
【0011】一方、上記バンプ部材は、内部の油室に油
を充満するときにクッションとして機能することになる
が、油には弾性がないから、該バンプ部材を形成する弾
性体の弾性に頼ったクッション機能になる。
【0012】したがって、該バンプ部材を形成する弾性
体は、これが十分な弾性を発揮し得るように、また、潰
れの繰り返しで簡単に破断したりしないようにするため
に、かなりの肉厚を有するように設定される必要を生じ
る。
【0013】その結果、該車高調整装置の具体化にあっ
ては、バンプ部材をかなりの肉厚の弾性体で形成する必
要を生じ、したがって、上記した該バンプ部材の最圧縮
の際に発生される潰し代がかなり大きくなる危惧があ
る。
【0014】そして、この大きな潰し代の残存による車
高降下量の減少を回避するには、バンプ部材あるいはス
トッパ部材の基端をこれ等が連設される車両の車体側あ
るいは車軸側に後退させる必要を生じ、したがって、該
車高調整装置を装備するためには車両の車体側あるいは
車軸側における設計変更をせまることになり、その汎用
性が期待できなくなる危惧がある。
【0015】この発明は、上記した事情から創案された
ものであって、その目的とするところは、車両に作用す
る路面振動を吸収しながら所定のクッション機能を発揮
するのはもちろんのこと、車両における車高調整を可能
にしながら所望通りの車高降下をも可能にし、しかも、
車両における設計変更を要せずして車両への装備を容易
にして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる油
圧緩衝装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、車両の車軸側に連結される
シリンダ体と、該シリンダ体内に下端側が出没可能に挿
通されて上端が車両の車体側に連結されるロッド体と、
を有してなり、車両に入力される路面振動を吸収すると
共に、上記シリンダ体内への外部の油圧給排源からの圧
油の供給時に収縮しかつ上記シリンダ体内からの圧油の
排出時に伸長して車両における車高を調整し得るように
形成された緩衝器本体を有してなる油圧緩衝装置におい
て、緩衝器本体がシリンダ体の上端外周に連設されるサ
ブシリンダと、該サブシリンダ内にロッド体の出没方向
たる上下方向に摺動可能に収装されて該サブシリンダ内
に油圧室を区画するピストンと、該ピストンの上端に連
設されて尖端を上記ロッド体の上端に連結の車体側に対
向させるバンプクッションと、からなるクッション機構
を有してなり、該クッション機構が上記油圧給排源の作
動で圧油を上記シリンダ体内に供給するときに上記油圧
室からの圧油を排出させてサブシリンダ内でピストンを
下降させると共に、上記油圧給排源の作動で上記シリン
ダ体内からの圧油を排出するときに該油圧給排源からの
圧油を上記油圧室に供給してサブシリンダ内でピストン
を上昇させるように形成されてなるとする。
【0017】そして、好ましくは、ピストンがサブシリ
ンダ内で最下降するときにバンプクッションの尖端がシ
リンダ体の上端より下方に位置することになるように設
定されてなるとする。
【0018】また、具体的には、油圧給排源が油圧ポン
プを有してなる一方で、該油圧ポンプに連通する一方の
通路が緩衝器本体のシリンダ体内に連通されると共に他
方の通路がサブシリンダ内の油圧室に連通されてなると
する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態に基い
て、この発明を説明するが、この発明の一実施の形態に
よる油圧緩衝装置は、基本的には、図1に示すように、
外部に配設の油圧給排源Pに連通された緩衝器本体Sを
有してなる。
【0020】緩衝器本体Sは、車両(図示せず)の車軸
側(図示せず)に連結されるシリンダ体1と、該シリン
ダ体1内に下端側が出没可能に挿通されて上端が車両の
車体側(図示せず)に連結されるロッド体2と、を有し
てなり、その伸縮で車両に入力される路面振動を吸収す
ると共に、上記シリンダ体1内への上記油圧給排源Pか
らの圧油の供給時に収縮しかつ上記シリンダ体1内から
の圧油の排出時に伸長して車両における車高を調整し得
るように形成されている。
【0021】ちなみに、上記の緩衝器本体Sは、車両の
四輪各部に配設されても良いが、要する場合、たとえ
ば、トラック等の場合には、後輪側の左右輪部にのみ配
設されるとしても良い。
【0022】そして、油圧給排源Pについては、各緩衝
器本体Sごとに独立に配設されるとしても良いが、好ま
しくは、いわゆる同期性を確保するために、左右側の緩
衝器本体Sに対して一つが、あるいは、四輪各部の緩衝
器本体Sに対して一つが配設されるとするのが良い。
【0023】ここで、図示する実施の形態の緩衝器本体
Sの構造について少し説明すると、シリンダ体1は、シ
リンダ3の外周側に外筒4を有する複筒型に設定されて
なるもので、シリンダ3の内部にはロッド体2の下端に
連設されたピストン部5が摺動可能に収装され、該ピス
トン部5によってシリンダ3内に上方油室R1と下方油
室R2とを区画している。
【0024】また、シリンダ3の下端内部にはベースバ
ルブ部6が配在されており、該ベースバルブ部6に配在
の圧側減衰バルブ6aとこれに並列する圧側チェックバ
ルブ6bを介して上記下方油室R2がシリンダ3と外筒
4との間に形成されるリザーバ室R3に連通するとして
いる。
【0025】なお、リザーバ室R3は、外部に配設のリ
リーフバルブ7を介して油圧給排源PにおけるタンクT
に連通されてなると共に、油面(符示せず)を境にする
ガス室R4を有してなる。
【0026】ところで、上記上方油室R1と下方油室R
2は、図示する実施の形態では、ロッド体2からピスト
ン部5にかけて形成されている油路5aを介して相互に
連通されるのを原則としているが、該油路5aには、伸
側減衰バルブ5b,5cと、これに並列する伸側チェッ
クバルブ5dと、これ等に直列する切換バルブ8と、が
配設されてなるとしている。
【0027】伸側減衰バルブ5bは、ピストン速度が微
低速から低速域にあるときに減衰作用をし、伸側減衰バ
ルブ5cは、ピストン速度が中速域以上になるときに減
衰作用をするもので、図示する実施の形態では、図示上
で、伸側チェックバルブ5dに並列するとしているが、
これに代えて、図2に示すように、図示上で、伸側減衰
バルブ5cに並列するとしても良い。
【0028】ちなみに、この図2に示す実施の形態で
は、ピストン部5に上記上方油室R1と下方油室R2と
を連通する別の油路5eが形成されてなるとし、該油路
5eにピストン速度の中速域以上に減衰作用をする圧側
減衰バルブ5fが配在されてなるとしている。
【0029】なお、該圧側減衰バルブ5fは、シリンダ
3(図1参照)内をピストン部5が高速で下降するとき
に、上方油室R1に油の吸い込み不足によるバキューム
現象やエアレーション現象等を招来させないようにする
リリーフバルブとしても機能する。
【0030】切換バルブ8は、図示する実施の形態で
は、油圧パイロット式とされてなるもので、スプリング
(符示せず)の附勢力で維持される静止状態(図示する
状態)たる連通ポジション8aと、パイロット油圧の作
用時に切り換えられる切換状態たる遮断ポジション8b
と、を有してなり、連通ポジション8aにあるときに上
記油路5aを連通状態にして減衰バルブ5b,5cの作
動を可能にすると共に、遮断ポジション8bにあるとき
に上記油路5aを遮断状態にするように設定されてい
る。
【0031】もっとも、該切換バルブ8は、この発明に
あって、これが遮断ポジション8bにあるときには、上
記上方油室R1を外部の油圧供給源Pに連通させるよう
にも設定されている。
【0032】すなわち、前記ロッド体2は、軸芯部に油
路2aが形成されてなるとし、該油路2aが一方で上記
切換バルブ8に連通し、他方で外部の通路L1に連通さ
れてなるとしている。
【0033】そして、該通路L1は、後述する油圧給排
源Pにおける油圧ポンプとしての両方向油圧ポンプ20
に連通されており、該通路L1、すなわち、上記油路2
aを介してのシリンダ体1内への圧油の供給と該シリン
ダ体1内からの圧油の排出を可能にしている。
【0034】なお、上記切換バルブ8へのパイロット油
圧は、通路L1に連通する上記油路2aから案内される
としている。
【0035】それゆえに、該緩衝器本体Sにあっては、
切換バルブ8が連通ポジション8aに維持されている状
態でシリンダ3内をピストン部5が下降するとき、下方
油室R2の油が伸側チェックバルブ5dを介して上方油
室R1に流入すると共に、ロッド体2の侵入体積分に相
当する量の油が下方油室R2から圧側減衰バルブ6aを
介してリザーバ室R3に流入することになり、このと
き、油が圧側減衰バルブ6aを通過することで所定の圧
側減衰力が発生されることになる。
【0036】そして、同じく切換バルブ8が連通ポジシ
ョン8aに維持されている状態でシリンダ3内をピスト
ン部5が上昇するときは、上方油室R1の油が伸側減衰
バルブ5b,5cを介して下方油室R2に流出すると共
に、該下方油室R2において不足することになるロッド
体2の退出体積分に相当する量の油がリザーバ室R3か
ら圧側チェックバルブ6bを介して下方油室R2に流入
されて補充されることになり、このとき、油が伸側減衰
バルブ5b,5cを通過することで所定の伸側減衰力が
発生されることになる。
【0037】なお、図2に示す実施の形態にあっては、
上記のシリンダ3内をピストン部5が下降する圧側行程
のとき、上方油室R1と下方油室R2の間における油圧
の状況によっては、下方油室R2の油がピストン部5に
配設の圧側減衰バルブ5fをも通過することになり、し
たがって、このときにも、圧側減衰力が発生されること
になる。
【0038】その結果、該緩衝器本体Sにあっては、走
行中の車両が路面突起を乗り越える等するときに、伸側
および圧側の減衰力発生を伴う伸縮で車両に入力される
路面振動を吸収することになる。
【0039】一方、上記に対して、油圧給排源Pから通
路L1を介して油路2aに圧油が供給されると、切換バ
ルブ8が遮断ポジション8bに切り換えらた状態とな
り、油圧給排源Pからの圧油が上方油室R1に供給さ
れ、該上方油室R1における油圧が上昇し、したがっ
て、ピストン部5がシリンダ3内を下降することにな
り、下方油室R2の油がリザーバ室R3に流出すること
になる。
【0040】そして、上方油室R1における油圧力と懸
架ばね(図示せず)の伸長力とがバランスするとき、シ
リンダ3内でのピストン部5の下降が停止する。
【0041】このとき、油圧給排源Pの駆動を停止して
も、オペレートチェックバルブO1が通路L1および油
路2aの内圧を保持し、切換バルブ8は遮断ポジション
8bを保持して、該緩衝器本体Sが収縮傾向に維持さ
れ、車両における車高が低車高状態に維持されることに
なる。
【0042】なお、上記のとき、リザーバ室R3が設定
圧以上になる場合には、該リザーバ室R3からの圧油が
外部に配設のリリーフバルブ7を介してタンクTに解放
されることになり、リザーバ室R3側たる緩衝器本体S
におけるシールの破損等が未然に阻止される。
【0043】また、切換バルブ8が遮断ポジション8b
に切り換えらた状態で油圧給排源Pを逆転駆動して通路
L2に圧油を吐出すると、オペレートチェックバルブO
1が開放弁状態になり、懸架ばねの伸長力と油圧給排源
Pの吸引とによって上方油室R1の圧油が通路L1,油
路2aを介して油圧給排源PのタンクTおよび他方の通
路L2に流入する状態になり、ピストン部5がシリンダ
3内を上昇することになる。
【0044】このとき、下方油室R2の拡大に伴ってリ
ザーバ室R3からの作動油が圧側チェックバルブ6bを
介して下方油室R2に流入する。
【0045】そして、上方油室R1における圧油の排出
が懸架ばねと車重とのバランスによって停止されること
になり、このとき、切換バルブ8が連通ポジション8a
に戻されると、該緩衝器本体Sが伸長状態に維持され、
車両における車高が高車高状態に維持されることにな
る。
【0046】ところで、この発明にあって、緩衝器本体
Sは、言わば一体に設けられたクッション機構10を有
してなるとするもので、該クッション機構10は、図1
に示すように、サブシリンダ11と、ピストン12と、
バンプクッション13と、を有してなる。
【0047】少し説明すると、サブシリンダ11は、シ
リンダ体1の上端外周に一体に連設されてなり、図示す
る実施の形態では、環状に形成されてシリンダ体1を形
成する外筒4の上端外周にいわゆる上端開口の態様に連
設されてなるとしている。
【0048】そして、ピストン12は、上記サブシリン
ダ11内に前記ロッド体2の出没方向たる上下方向に摺
動可能に収装されて該サブシリンダ11内に油圧室Rを
区画するもので、図示する実施の形態では、環状に形成
されて環状の油圧室Rを形成するとしている。
【0049】なお、油圧室Rは、外部の通路L2に連通
されており、該通路L2は、後述する油圧給排源Pにお
ける両方向油圧ポンプ20に連通されている。
【0050】また、バンプクッション13は、上記ピス
トン12に相似する環状に形成されており、基端が該ピ
ストン12の上端に焼き付け等で連設されて、尖端が上
記ロッド体2の上端に連結の車体側、すなわち、図示す
る実施の形態では、上記ロッド体2の上端に連設されて
車体側部材に設定されるストッパ部材14に対向してい
る。
【0051】なお、該バンプクッション13は、たとえ
ば、ゴム等のいわゆるソリッド体からなり、全体が適宜
の弾性を発揮し得るように設定されている。
【0052】また、この発明にあって、ピストン12が
サブシリンダ11内で最下降するときにバンプクッショ
ン13の尖端がシリンダ体1、すなわち、前記外筒4の
上端より下方に位置することになるように設定されてい
る。
【0053】このように、最下降したバンプクッション
13の尖端がシリンダ体1の上端より下方に後退するよ
うに設定されることで、緩衝器本体Sの最収縮時に、図
示する実施の形態では、ストッパ部材14がシリンダ体
1の上端に当接される状態になり、したがって、該クッ
ション機構10におけるいわゆる収縮代、すなわち、前
記した従来例としてのバンプ部材における潰し代に相当
する無効部分の発生が危惧されなくなって、緩衝器本体
Sの言わば設定通りの完全な最収縮を実現し得ることに
なる。
【0054】それゆえに、該クッション機構10にあっ
ては、上記油圧給排源Pの作動で油圧が油圧室Rに供給
されるときにサブシリンダ11内でピストン12を上昇
させてバンプクッション13を上昇させると共に、上記
油圧室Rの油圧が排出されるときにサブシリンダ11内
でピストン12を下降させてバンプクッション13を下
降させることになる。
【0055】そして、該クッション機構10は、バンプ
クッション13が上昇状態にあるときに、該バンプクッ
ション13の尖端への前記ストッパ部材14の当接を許
容して所定のクッション機能を発揮すると共に、該バン
プクッション13が下降状態にあるときに、前記ストッ
パ部材14の前記シリンダ体1の上端への当接を許容す
ることになる。
【0056】ところで、該バンプクッション13による
クッション機能の発揮に際して、該バンプクッション1
3がいわゆるソリッドタイプの弾性体からなるから、必
要にして十分なクッション機能を発揮するのはもちろん
のこと、該バンプクッション13が下降してストッパ部
材14をシリンダ体1の上端に当接させるとき、該バン
プクッション13の尖端がシリンダ体1の上端より下方
に位置し得るように設定されてなるから、該クッション
機構10におけるいわゆる収縮代の発生の危惧なくし
て、緩衝器本体Sの完全な収縮状態を実現できることに
なる。
【0057】該クッション機構10は、機能的には、以
上のように形成されているが、この発明にあっては、該
クッション機構10が緩衝器本体Sに一体に設けられて
なるとするから、前記した従来の提案のようにサスペン
ションユニットと別体にバンプ部材を配在することに比
較して、車両への搭載性に関して有利となるのはもちろ
んのこと、緩衝器本体Sの収縮状態とクッション機構1
0の作動状態、すなわち、バンプクッション13のサブ
シリンダ11に対する下降状態を比較観察することが可
能になり、該クッション機構10の作動状態の設定が容
易になることになる。
【0058】また、該クッション機構10は、サブシリ
ンダ11内にピストン12で区画される油圧室Rを有し
てなるとするから、該油圧室Rがシリンダ体1の上端外
周に環状に形成されることと相俟って、言わば油溜室を
確保できることになり、本来的にリザーバとされる油圧
給排源PにおけるタンクTの小型化を可能にする。
【0059】一方、油圧給排源Pは、図示する実施の形
態にあっては、前記通路L1,L2に選択的に油圧を供
給する油圧ポンプとしての両方向油圧ポンプ20を有し
てなるもので、該両方向油圧ポンプ20は、駆動源とし
ての電動モータ21の駆動でタンクT内の油をチェック
バルブ22を介して吸い上げ、これを通路L1,L2に
吐出する。
【0060】その際、一方の通路L1には、リリーフバ
ルブ23によって設定された油圧、すなわち、前記緩衝
器本体Sを形成するシリンダ体1内の上方油室R1に供
給されて、該緩衝器本体Sの収縮を可能にする油圧が供
給される。
【0061】また、他方の通路L2には、絞り24によ
って設定された油圧、すなわち、前記クッション機構1
0を形成するサブシリンダ11内の油圧室Rに供給され
て、該サブシリンダ11内におけるピストン12の上昇
を可能にする油圧が供給される。
【0062】ところで、図示する実施の形態では、上記
通路L1,L2中にそれぞれオペレートチェックバルブ
O1,O2を有してなるが、該各オペレートチェックバ
ルブO1,O2は、両方向油圧ポンプ20からの油圧の
緩衝器本体S側あるいはクッション機構10側への供給
を許容するが、その逆流を阻止するように設定されてい
る。
【0063】そして、該各オペレートチェックバルブO
1,O2は、いわゆる反対側の通路からの、すなわち、
一方のオペレートチェックバルブO1には他方の通路L
2からの、また、他方のオペレートチェックバルブO2
には一方の通路L1からのパイロット油圧で開放弁状態
になるように設定されている。
【0064】それゆえ、該油圧給排源Pにあっては、両
方向油圧ポンプ20が、たとえば、正転されて通路L1
に油圧を供給するときに、すなわち、緩衝器本体Sを形
成するシリンダ体1内の上方油室R1に油圧を供給して
該緩衝器本体Sを収縮するときに、他方の通路L2に配
設のオペレートチェックバルブO2が開放弁状態にな
り、クッション機構10を形成するサブシリンダ11内
の油圧室Rにおける油圧が開放されることなって、上記
サブシリンダ11内でのピストン12の下降を可能にす
ることになる。
【0065】そして、該油圧給排源Pにあっては、両方
向油圧ポンプ20が逆転されて通路L2に油圧を供給す
るときに、すなわち、上記油圧室Rに油圧を供給して上
記ピストン12をサブシリンダ11内で上昇させるとき
に、通路L1に配設のオペレートチェックバルブO1が
開放弁状態になり、上記上方油室R1の油圧が開放され
ることになって、上記緩衝器本体Sの伸長を可能にする
ことになる。
【0066】以上のことから、該油圧給排源Pは、図示
する実施の形態に代えて、図3に示すように、片方向油
圧ポンプ25が駆動源としてのエンジン26の駆動で吐
出する油圧をソレノイド切換バルブ27によって通路L
1あるいはL2に選択的に給排し得るように設定される
としても良い。
【0067】なお、ソレノイド切換バルブ27は、ソレ
ノイド(符示せず)への励磁時に、通路L1に油圧を供
給し通路L2の油圧を解放する供給ポジション27a
と、同じく、通路L1の油圧を解放し通路L2に油圧を
供給する排出ポジション27bと、ソレノイドへの励磁
が解除されて通路L1あるいは通路L2に対する油圧の
給排を停止する遮断ポジションたる中立ポジション27
cと、を有する3ポジション型に設定されている。
【0068】したがって、この実施の形態による場合に
は、車両の走行用のエンジンが駆動源とされることにな
り、前記した図1に示す実施の形態に比較して、本来あ
るべきエンジン26が利用されて、電動モータ21を装
備しなくて済む点で有利となる。
【0069】また、この実施の形態による場合には、ソ
レノイド切換バルブ27が遮断ポジションとしての中立
ポジション27cを有してなるとするから、該ソレノイ
ド切換バルブ27部分および片方向油圧ポンプ25部分
におけるオイルリークが効果的に阻止されるものであれ
ば、通路L1中へのオペレートチェックバルブO1の配
設、および、通路L2中へのオペレートチェックバルブ
O2の配設がそれぞれ省略されるとしても良い。
【0070】また、この図3に示す実施の形態にあっ
て、上記のソレノイド切換バルブ27は、これが図4に
示すソレノイド切換バルブ28に代わるとしても良く、
この場合に、該ソレノイド切換バルブ28がスプリング
28aの附勢力で維持されるノーマルポジションたる供
給ポジション28bと、ソレノイド28cの励磁時に切
り換えられる排出ポジション28dと、を有する2ポジ
ション型に設定されることで、片方向油圧ポンプ25が
連続作動する状態では、該片方向油圧ポンプ25部分に
おけるオイルリークの有無に無関係に、上記した通路L
1,L2中のオペレートチェックバルブO1,O2の
配設を省略することが可能になる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、緩
衝器本体に設けられるクッション機構が緩衝器本体の収
縮時にバンプクッションを下降させると共に緩衝器本体
の伸長時にバンプクッションを上昇させるように形成さ
れてなるから、バンプクッションが上昇状態にあるとき
に、該バンプクッションの尖端への車体側部材の当接を
許容して所定のクッション機能を発揮すると共に、該バ
ンプクッションが下降状態にあるときに、上記車体側部
材の緩衝器本体を形成するシリンダ体の上端への当接を
許容し、緩衝器本体の収縮を可能にするのはもちろんの
こと、バンプクッションが下降して車体側部材をシリン
ダ体の上端に当接させる際に、該バンプクッションの尖
端がシリンダ体の上端より下方に位置し得るように設定
されてなから、該クッション機構におけるいわゆる収縮
代の発生の危惧なくして、緩衝器本体の完全なる収縮状
態、すなわち、車両の車高の所望の下降状態を実現でき
ることになる。
【0072】また、この発明にあっては、クッション機
構が緩衝器本体に一体に連設されてなるとするから、緩
衝器本体と別体にクッション機構を配在するのに比較し
て、車両への搭載性に関して有利となるのはもちろんの
こと、緩衝器本体の収縮状態とクッション機構の作動状
態、すなわち、バンプクッションのサブシリンダに対す
る下降状態を比較観察することが可能になり、該クッシ
ョン機構の作動状態の設定が容易になる。
【0073】そして、この発明にあっては、クッション
機構は、サブシリンダ内にピストンで区画される油圧室
を有してなるとするから、該油圧室がシリンダ体の上端
外周に環状に形成される場合には、言わば油溜室を確保
できることになり、本来的にリザーバとされる油圧給排
源におけるタンクの小型化を可能にする。
【0074】さらに、この発明にあっては、クッション
機構の作動が緩衝器本体の伸縮作動に言わば自動的に同
期するように設定されてなるから、クッション機構の作
動を制御したり、あるいは、該作動を緩衝器本体の伸縮
作動に同期させるようにする等の制御が不要になり、関
連機器の省略が可能になって低コストでの製品化を可能
にすることになる。
【0075】その結果、この発明によれば、車両に作用
する路面振動を吸収しながら所定のクッション機能を発
揮するのはもちろんのこと、車両における車高調整を可
能にしながら所望通りの車高降下をも可能にし、しか
も、車両における設計変更を要せずして車両への装備を
容易にして、その汎用性の向上を期待するのに最適とな
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による油圧緩衝装置を
原理的に示す図である。
【図2】この発明の油圧緩衝装置を構成する緩衝器本体
の一部の他の実施の形態を示す部分図である。
【図3】この発明の油圧緩衝装置を構成する油圧給排源
の他の実施の形態を示す部分図である。
【図4】油圧給排源を構成する切換バルブの他の実施の
形態を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1 シリンダ体 2 ロッド体 10 クッション機構 11 サブシリンダ 12 ピストン 13 バンプクッション 20 油圧ポンプとしての両方向油圧ポンプ 25 油圧ポンプとしての片方向油圧ポンプ L1,L2 通路 P 油圧給排源 R 油圧室 R1 上方油室 R2 下方油室 S 緩衝器本体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車軸側に連結されるシリンダ体
    と、該シリンダ体内に下端側が出没可能に挿通されて上
    端が車両の車体側に連結されるロッド体と、を有してな
    り、車両に入力される路面振動を吸収すると共に、上記
    シリンダ体内への外部の油圧給排源からの圧油の供給時
    に収縮しかつ上記シリンダ体内からの圧油の排出時に伸
    長して車両における車高を調整し得るように形成された
    緩衝器本体を有してなる油圧緩衝装置において、緩衝器
    本体がシリンダ体の上端外周に連設されるサブシリンダ
    と、該サブシリンダ内にロッド体の出没方向たる上下方
    向に摺動可能に収装されて該サブシリンダ内に油圧室を
    区画するピストンと、該ピストンの上端に連設されて尖
    端を上記ロッド体の上端に連結の車体側に対向させるバ
    ンプクッションと、からなるクッション機構を有してな
    り、該クッション機構が上記油圧給排源の作動で圧油を
    上記シリンダ体内に供給するときに上記油圧室からの圧
    油を排出させてサブシリンダ内でピストンを下降させる
    と共に、上記油圧給排源の作動で上記シリンダ体内から
    の圧油を排出するときに該油圧給排源からの圧油を上記
    油圧室に供給してサブシリンダ内でピストンを上昇させ
    るように形成されてなることを特徴とする油圧緩衝装置
  2. 【請求項2】 ピストンがサブシリンダ内で最下降する
    ときにバンプクッションの尖端がシリンダ体の上端より
    下方に位置することになるように設定されてなる請求項
    1の油圧緩衝装置
  3. 【請求項3】 油圧給排源が油圧ポンプを有してなる一
    方で、該油圧ポンプに連通する一方の通路が緩衝器本体
    のシリンダ体内に連通されると共に他方の通路がサブシ
    リンダ内の油圧室に連通されてなる請求項1の油圧緩衝
    装置
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007514105A (ja) * 2003-12-15 2007-05-31 コンペルデル・スポルタルテイケル・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 減衰装置
JP2012247055A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Hitachi Automotive Systems Ltd 緩衝器およびサスペンション装置
KR101371738B1 (ko) * 2012-08-23 2014-03-07 현대자동차(주) 차량의 쇽업소버
KR101937473B1 (ko) * 2017-09-14 2019-04-11 주식회사 만도 차량용 능동 현가장치

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