JPH09256353A - 地盤液状化防止方法とその通水筒及びその埋設方法 - Google Patents

地盤液状化防止方法とその通水筒及びその埋設方法

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JPH09256353A
JPH09256353A JP10876096A JP10876096A JPH09256353A JP H09256353 A JPH09256353 A JP H09256353A JP 10876096 A JP10876096 A JP 10876096A JP 10876096 A JP10876096 A JP 10876096A JP H09256353 A JPH09256353 A JP H09256353A
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JP
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water
ground
tip cone
tip
cone
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JP10876096A
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Hikari Sugimoto
光 杉本
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TOKYO CHIKA KOJI KK
Original Assignee
TOKYO CHIKA KOJI KK
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、通常時は毛細管現象による地
下水の汲み上げがなく、地震時にはその振動により生じ
る過剰間隙水を素早く地上に排出し、地盤の液状化を防
止できるようにすることである。 【構成】本発明では、先端コーン2があり、該コーンの
後方に通常時は毛細管現象による地下水の汲み上げがな
く、地震の際は素早く大量の地下水を地表に排水できる
通水筒4と、その筒の外周を覆う透水シート8からなる
先端コーン付き透過通水筒1を適宜間隔で埋設すること
により、地盤の液状化を防止する方法とそれに用いる先
端コーン付き透過通水筒及びその埋設方法に関するもの
である。 【効果】本発明によれば、簡単な構造の先端コーン付き
透過通水筒を地盤中に埋設するだけで、確実に地震時の
液状化を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震の際の地盤液状化
防止方法とそれに用いる通水筒及びその埋設方法につい
てのものであり、さらに詳しくは、地震の際に液状化し
やすい地盤に、通常は地下水を汲み上げないが、地震時
の振動により過剰間隙水が発生し地下水圧が上昇した
際、地下水が地表面に上昇できる通水路を有する通水筒
を地表面に対し垂直または斜め方向に埋設しておくこと
により、地震の際の地盤の液状化を防止する方法とその
ための特殊な構成からなる通水筒及びこの通水筒を地盤
中に埋設する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】暗渠排水によって地中の水を排水すること
は良く知られており、そのためのプラスチックからなる
排水材料があり、各地で実施されている。しかし、この
様な暗渠排水設備では地表に近い地中の水を排水するだ
けで、地中の奥深い部分の地下水を排出するものではな
いし、ましてや地震の際に早期に地下水を地表に排出し
て地盤の液状化を防止できるものではなかった。そのた
め、地震の際に早期に地下水を地表に排出し、地盤の液
状化を防止するために、地盤に縦穴を掘りそこに砕石を
つめた砕石ドレーンを形成することにより地震時の振動
により生じる過剰間隙水を汲み上げることが行われてい
る。
【0003】しかし従来の砕石ドレーンは、地震が起き
るまでの長い期間中に砕石ドレーンの石の間に土砂が詰
まり、いざ地震というときに十分な排水ができない状態
になっていることが多かった。そのため定期的に石を堀
り出し、石の間に溜まった土砂を除去し埋め戻すという
メンテナンスが必要だったし、メンテナンスの直前に地
震が起きると、目詰まりのため地下水の排水速度が遅
く、十分な液状化防止が出来なかった。
【0004】
【解決すべき課題】そこで本発明では、設置のための工
事が簡単で、通常時には土砂による目詰まりによるメン
テナンスの必要がなく、しかも地震時には大量の地下水
を素早く地上に排水でき、地盤の液状化を確実に防止で
きるような地盤の液状化防止方法、そのための通水筒及
びそれを地盤中に埋設するための埋設方法を開発するこ
とが解決すべき課題である。
【0005】
【解決するための手段】本発明では上記課題を解決する
ために、先端に金属やプラスチックのような堅い物質で
形成された先端コーンがあり、該コーンの後方に、多数
の入水口が設けられており、該入水口に連通して地表方
向に通水路が形成されている地盤中で押し潰されたりし
ない程度の剛性と弾性を兼ねそなえた筒状体であって、
該通水路は毛細管現象を起こさない程度に大きい断面積
を有するものである通水筒と、その筒の外周を覆う透水
シートとが設けられている地盤液状化防止のための先端
コーン付き透過通水筒を、地震の際に液状化しやすい地
盤中に適宜間隔で地表面に対し垂直又は斜め方向に埋設
したことを特徴とする地盤液状化防止方法を開発した。
【0006】上記方法に用いる通水筒として、地盤に埋
設され、地震の際に地盤が液状化する前に地下水を地上
に逃がす通路となるものであって、先端に金属やプラス
チックのような堅い物質で形成された先端コーンがあ
り、該コーンの後方に、多数の入水口が設けられてお
り、該入水口に連通して地表方向に通水路が形成されて
いる地盤中で押し潰されたりしない程度の剛性と弾性を
兼ねそなえた筒状体であって、該通水路は毛細管現象を
起こさない程度に大きい断面積を有するものである通水
筒と、その筒の外周を覆う透水シートとが設けられてい
る地盤液状化防止のための先端コーン付き透過通水筒を
開発した。
【0007】また、地盤が軟弱であるとか空隙がある場
合などには、先端コーン付き透過通水筒として先端コー
ンの部分に出没自在のアンカーを取り付けたものを開発
したし、先端コーン付き透過通水筒が長い場合には、1
m程度に切断したものを軸方向に連結したものを開発し
た。
【0008】さらに本発明では、地震の際に地盤が液状
化する前に地下水を地上に逃がす通路となるものであっ
て、先端に金属やプラスチックのような堅い物質で形成
された先端コーンがあり、該コーンの後方に、多数の入
水口が設けられており、該入水口に連通して地表方向に
通水路が形成されている地盤中で押し潰されたりしない
程度の剛性と弾性を兼ねそなえた筒状体であって、該通
水路は毛細管現象を起こさない程度に大きい断面積を有
するものである通水筒と、その筒の外周を覆う透水シー
トとが設けられている先端コーン付き透過通水筒を地中
に埋設する際に、(a)前記透水シートの外側を保護筒
で覆い、(b)保護筒で覆われた先端コーン付き透過通
水筒を、先端コーンを先にして振動機、モンケンハンマ
ー機、油圧押込機等の打込機によって打ち込むか又は、
先端コーンにある掘削刃により掘削することによって地
中に挿入し、(c)挿入後、上記保護筒を抜き去ること
を特徴とする地盤液状化防止のための先端コーン付き透
過通水筒の埋設方法と、それとは別の埋設方法として、
あらかじめ地盤に穴を掘っておき、そこに先端コーン付
き透過通水筒を埋設する方法を開発した。
【0009】なお、本願発明においては、地表面とは、
一般にいう地表面の他に、人工的に形成された崖面、ト
ンネルや地下空間の壁面なども含まれる用語として使用
される。また透水シートとは、繊維、金属、プラスチッ
ク、化学繊維などを素材とした網状物、織物、編物、不
織布からなるもので、▲ろ▼過作用を有するものであ
る。
【0010】
【実施例】請求項1記載の発明は、例えば図1ないし図
6に示すごとき先端コーン付き透過通水筒1を図8、図
12に示すように、地表面30に対しほぼ垂直に複数本
適宜間隔で地盤中に埋設することによって達成される。
図12はその1例を示す一部破断見取図で、図8は図1
2におけるII−II線における断面図である。これら
の図において、先端コーン付き透過通水筒1は、ある地
域に渡って複数個規則的に、または、ランダムに埋設さ
れており、その地表面30に接する端部34から流水層
31が側溝などの排水路33に繋がるように設けられて
いる。地表面30の上に流水層31を覆うように舗装層
32を形成した状態を示すものである。これらの図にお
ける先端コーン付き透過通水筒1の詳しい構成は、以下
に述べる先端コーン付き透過通水筒1の実施例で詳細に
説明する。これにより、地震によって地盤中に発生した
間隙水は、先端コーン付き透過通水筒1を通って地表面
30に噴出され、さらに通水部材31を通して排水溝3
3に排出される。これにより地盤の液状化は防止され
る。
【0011】図1と図2、図3と図4および図5と図6
は、いずれも請求項2記載の発明である先端コーン付き
透過通水筒1の実施例を示すものであるが、この先端コ
ーン付き透過通水筒1は、請求項1、6及び7の各発明
でも用いられる。図1と図2は、その先端コーン付き透
過通水筒1の第1実施例を示すもので、地震時の過剰間
隙水を地表に上昇させる通水筒として内部に補強体7が
ある円筒体を用いたものを示している。
【0012】図1はその縦断面図であり、図2は図1に
おけるA−A断面図である。これらの図において、1が
先端コーン付き透過通水筒であって、2は先端コーンで
ある。この先端コーン2は、金属やプラスチックさらに
はセラミックスなどの堅い物質から出来ており、その形
状は、先の尖った円錐または角錐などの錐形または半円
球をしたものが良く、後端には、最大径になっている後
端部3がある。しかし、土質によっては先端が平らな円
盤や板状物でも良い。
【0013】先端コーンの後方には通水筒4が設けられ
ており、この通水筒4は硬質のプラスチック又は金属で
形成されている。そしてそれは円筒形をしており、該円
筒には全面に渡って内外に通じた多数の入水口5があ
り、その入水口5に連なって通水路6が形成されてお
り、この通水路6は通水筒4の軸方向に全長に渡って伸
びており、後端(図において右側)で即ちそれが埋設さ
れたときに地表面に接するところで開口している。この
通水筒4は地盤中で押し潰されたりしない程度の剛性と
弾性を兼ねそなえた筒状体であって、中心部に向かって
補強体7がある。この通水筒4は、先端コーンに連結さ
れており、その外周面は透水シート8で覆われている。
【0014】そして、この透水シート8も先端コーン2
に連結されている。しかし、通水筒4および透水シート
8の先端コーン2への連結は、いずれか一方でも良く、
また通水筒4が先端コーン2に連結されているときは、
それに透水シート8が連結されていても良い。また、先
端コーン2の後方面には、先端コーン付き透過通水筒1
の挿入の際に使用される管または棒状の操作棒11が挿
入される穴があり、操作棒11をこの穴に入れた状態
で、該棒の地表面に出ている部分をさらに打ち込み、先
端コーンを地盤に食い込ませた後保護筒9を引き抜く
と、通水筒が共上りすること無く保護筒だけを引抜くこ
とができる。さらに操作棒は、予めケーシングパイプで
掘削した穴にケーシンパイプをそのままにして先端コー
ン付き透過通水筒1を挿入する際に、操作棒11を通水
筒4内の穴に入れて通水筒の屈曲蛇行を防ぎ、操作棒1
1により先端コーンを地中に押し込むことにより、ケー
シングパイプを引抜く際、先端コーン付き透過通水筒1
が共上りしない。
【0015】図3と図4は、地震時に地下水を地表に排
水するための通水筒としてプラスチックの線状物を蛇行
させて互いに絡み合わせ筒状にしたものを用いた実施例
2で、図3はその縦断面図であり、図4は、図3におけ
るB−B断面図である。これらの図において、1は先端
コーン付き透過通水筒で、2は先端コーンであって、こ
れは実施例1と変わらない。その後方には複数本のプラ
スチックの線状物を蛇行させて互いに絡み合わせ筒状に
した通水筒14が設けられている。この通水筒14の各
線状物は緩く絡み合っているので空隙部が多くあり、そ
の外周面には全面に渡って多数開口がありそれが入水口
15となる。この通水筒14は、図示したように中心部
が空洞になっているので、空洞部が大きいものはそこが
通水路となって地下水を排出できる。しかし空洞部が細
いものや空洞部がないものは、プラスチックの線状物を
蛇行させて互いに絡み合った部分が通水路となる。
【0016】そして、内部の空隙部は全長にわたり蛇行
しながら連続して後端(図において右側)まで伸びてお
り、これが通水路16を形成する。この通水筒14は地
盤中で押し潰されたりしない程度の剛性と弾性を兼ねそ
なえた筒状体である。これらの通水路16は、毛細管現
象を起こさない程度に大きい断面積を有するものであ
り、地震以外のときは地下水が汲み上げられることはな
い。そして地震で地下の水圧が高まったときには、十分
の量の地下水を地表に逃がすことが出来る程度に大き
い。
【0017】また、通水筒14の外周には数ミクロン程
度以上の粒径を有する土砂は通さない透水シート8があ
り、これにより、通常時においても地震時においても通
水筒14内に水だけを通して土砂を入り込ませない。し
たがって、通水路16は土砂による目詰まりがなく、地
震時にも、振動により生じる間隙水を地盤が液状化する
前に素早く地表に排水できるし、土砂が地表面に噴出す
ることもない。なお通常時は通水筒14内に透水シート
8を通して水だけが入ってくるが、地下水の水位以上に
は上昇しない。さらに、先端コーン2の後方には、先端
コーン付き透過通水筒1の中心を貫通する操作棒11を
連結することもできる。これにより、操作棒の後端を打
ち込めば先端コーンが地中に食い込み、保護筒を抜き去
るとき通水筒の共上りを防止できる。ここで用いられて
いるプラスチックの線状物を蛇行させて互いに絡み合わ
せ筒状にした通水筒14は、図示した物のほか、中心部
まで線状物が存在するものでも良い。
【0018】次ぎに、図5と図6は、地震時に地下水を
地表に排水するための先端コーン付き透過通水筒1とし
てプラスチックからなる補強筒体を用いた別の実施例を
示すもので、図5はその一部破断図である。この補強筒
体は、4種類の異なる構成を有する4種類の短筒、即ち
引出線▲イ▼、▲ロ▼、▲ハ▼、▲ニ▼、で示すものを
継ぎ合わせたものを一単位として、その単位が繰り返し
連結されているものである。そして、この一単位の4種
類の短筒の各構成は図6に示されており、図5における
引出線▲イ▼、▲ロ▼、▲ハ▼、▲ニ▼、における各断
面図を図6の▲イ▼、▲ロ▼、▲ハ▼、▲ニ▼、に対応
させて示してある。
【0019】これらの図において、1は先端コーン付き
透過通水筒であり、2は先端コーン、3はその後端部で
あって、先の例で述べたものと変わらない。24は通水
筒であって、各部分の断面は図6に示すように4種類の
形状を有するプラスチック補強筒体からなっている。ま
た25は入水口であり、通水筒24の全周に渡り多数設
けられており、この入水口25に連通して通水路26が
設けられている。27は通水筒24を補強するための補
強体であり、全長に渡って通水路26が形成され地下水
が地上に排水されるのを妨げないように形成されてい
る。そして、この通水筒24の外周には透水シート8が
ある。
【0020】また、これら実施例1、2および3におい
て、先端コーン2の最大外形である後端縁3は、図1、
図3並びに図5からも明らかなように通水筒4、14、
並びに24さらには透水シート8の最大外径より大きく
なっており、それには重要な意昧がある。というのは、
先端コーン付き透過通水筒1を地盤に開けた穴に挿入す
る際には、図7に示すように、先端コーン付き透過通水
筒1を損傷させないようにするために、図1や図2に示
した先端コーン付き透過通水筒1の外周に保護筒9を差
し込んだ後、予め掘られている穴10に挿入するか又は
先端コーンにより掘削しながら地盤の所定位置まで進入
する。このとき保護筒9が先端コーン2の後端縁3より
外に出ていると、保護筒9が穴10の内壁との摩擦によ
り抜け、保護の役目を果たさなくなるからである。
【0021】図7は、実施例1〜3に示した先端コーン
付き透過通水筒1を地盤の所定位置まで進入させたとき
の状態を示す図で、上記例に示した先端コーン付き透過
通水筒1を損傷させないようにするために、地盤への進
入に先だって、その外周に保護筒9を差し込み、透水シ
ートを保護した状態で自重またはモンケンハンマなどで
加重を掛けて、予め掘られている穴10に挿入するか又
は先端コーンにより掘削しながら地盤の所定位置まで進
入する。。そのため、先端コーン2の後端縁3は、保護
筒9を差し込んだ状態においてもなお、保護筒9の外周
より外側に張り出している。
【0022】先端コーン付き透過通水筒1を穴10に挿
入した後又は先端コーン2に設けられている掘削刃45
によって掘削しながら所定深度まで進入させた後(第7
図参照)、保護筒9を先端コーン付き透過通水筒1から
分離して穴から抜き取らねばならない。このため、保護
筒9を逆回転させたり、上方に引き上げたりして両者の
係合を解くが、保護筒9と先端コーン付き透過通水筒1
とが一緒に回転したり連れ上りするのを防止する働きを
するのが先端コーン2の後端縁3である。先端コーン2
の後端縁3は先端コーン付き透過通水筒1が少し上昇す
ると、周囲の地盤に食い込み楔の役割を果たし、先端コ
ーン付き透過通水筒1の逆回転や上昇を防ぐ。これによ
り保護筒9が先端コーン2から離れ、保護筒だけを地表
に抜き取ることが出来る。
【0023】しかし、土質によっては先端コーン2の後
端縁3が周囲の土砂に係合できなかったり係合しても楔
の役割を果たせず、先端コーン付き透過通水筒1の逆回
転や上昇を防ぐことができないことがある。すなわち、
保護筒9だけを逆回転させたり上下動させても、先端コ
ーン付き透過通水筒1も一緒に逆回転したり上下動した
りして、保護筒9が先端コーンから離れず保護筒9だけ
を地表に抜き取ることは出来ないことがある。
【0024】この様な場合が予想される地盤において
は、先端コーン2として図9、図10や図11のごとき
アンカー40、50の付いたものを用いる。まず図9、
図10に示すものは、保護筒9と先端コーン2とがねじ
46によって結合している場合などに用いられるもので
あって、保護筒9だけを先端コーン付き透過通水筒1か
ら抜き取るに当たっては、まず、保護筒9と先端コーン
2とのねじ結合を解除しなければならない。そのため保
護筒9を逆回転即ち図10の矢印B方向に回転しなけれ
ばならないが、地盤の状況によってはこの逆回転に連れ
て先端コーン付き透過通水筒1もB方向に回転してしま
い、結合が解けない。
【0025】このねじ結合を解くため、先端コーン2に
アンカー40が回動自在に取り付けられている。このア
ンカー40は、先端コーン2の外周43付近に設けられ
た凹所41に軸42を介して出没自在に取り付けられて
おり、凹所41に没したとき即ち点線で示した状態にな
ったときにもその一部が外周43より外に突出してい
る。
【0026】このため、保護筒9によって覆われた先端
コーン付き透過通水筒1を穴10に挿入したり掘削によ
って所定深度まで進入させるため先端コーン付き透過通
水筒1を順方向即ち図10における矢印A方向に回転さ
せた際には、アンカー40は抵抗力を有せず先端コーン
の外周43より外にその一部を残して大部分が先端コー
ン2の内部に入り込み、逆方向即ち図10における矢印
B方向に回転させた際には、実線で示すように先端コー
ンの外周43から大きく外に飛び出して周囲の土砂に食
い込み、先端コーン付き透過通水筒1の逆回転および上
昇に対して抵抗力を発揮するようにな構成になってい
る。
【0027】これは、アンカーの一部が閉じているとき
にもその一部が凹所41から突出しているため、逆回転
させたときこれが周囲の土砂と係合して外側に開くよう
に揺動し、ある角度開くとストッパー44に係合してそ
れ以上は開かなくなり、その状態で周囲に土砂に食い込
み先端コーン付き透過通水筒1の逆回転や上昇を防止す
ることができるようになっているからである。
【0028】これは、アンカー40の一部が閉じている
ときにもその一部が凹所41から外に突出しているた
め、逆回転させたときこれが周囲の土砂と係合して外側
に開くように揺動し、ある角度開くとストッパー44に
係合してそれ以上は開かなくなり、その状態で周囲の土
砂に食い込み先端コーン付き透過通水筒1の逆回転や上
昇を防止することができるようになっているからであ
る。なお、図9における4は通水筒であり、8は透水シ
ートである。
【0029】また、保護筒9と先端コーン2とが凹凸や
その他の周知の着脱自在の係合手段56による噛み合わ
せによって係合している場合などであって、保護筒9を
先端コーン2から抜き取る際の先端コーン付き透過通水
筒1の連れ上りを防止するための先端コーン2として
は、図11のごときアンカー50の付いたものを用いる
こともできる。このアンカー50は、先端コーン2の外
周53付近に設けられた凹所51に先端を上にして軸5
2を介して出没自在に取り付けられており、先端コーン
付き透過通水筒1を地盤中に進入させるときには凹所5
1に没した状態、即ち点線で示すようにその一部が外周
53より外に突出しているだけで、大部分は凹所51に
没している。
【0030】このため、保護筒9によって覆われた先端
コーン付き透過通水筒1を掘削によって所定深度まで進
入させるため先端コーン付き透過通水筒1を図11にお
いて下方に移動させた際には、アンカー50は抵抗力を
有せず先端コーンの外周53より外にその一部を残して
大部分が先端コーン2の内部に入り込み、保護筒9を上
方に移動させて抜き取る際には、実線で示すように先端
コーン2の外周53からストッパ54に当接するまで大
きく外に飛び出して周囲の土砂に食い込み、先端コーン
付き透過通水筒1の上昇に対して抵抗力を発揮するよう
な構成になっている。
【0031】図8は、先端コーン付き透過通水筒1が地
盤中に埋設された状態を示すものでる。この状態は、図
7の状態から保護筒9を地上に引き抜き、穴10内には
先端コーン付き透過通水筒1が残される。先端コーン付
き透過通水筒1とその周りの地盤との間にできた空間に
は、▲ろ▼過砂が詰められても良いが、そのままでも良
い。そして、先端コーン付き透過通水筒1の上端に連接
して、地表面上または地表面上に溝を掘って流水層31
を形成し、その上に舗装層32を形成した状態を示すも
のである。さらに、上記流水層31は、側溝などの排水
路33に繋がっている。
【0032】この様子を全体的な広がりで分りやすくし
たのが図12で、ある地域に渡って先端コーン付き透過
通水筒1が複数個規則的に、またはランダムに埋設され
ており、その地表面に接する端部から流水層31が側溝
33などの排水路に繋がるように設けられている。そし
て、この流水層31を覆うように全地表面に舗装層32
が形成されている。しかし、この舗装層はなくても良
い。
【0033】この様になっているため、地震により地下
の間隙水圧が上昇したとき、間隙水は先端コーン付き透
過通水筒1の入水口5、15、25より通水路6、1
6、26を通って地表に排水される。このため、地下水
の間隙水圧が低下し、地盤強度が弱い亀裂などから土砂
が地下水と一緒に地表に噴出することはない。これによ
って、地震時の地盤の液状化を防止できる。
【0034】
【効果】請求項1の発明によれば、次のような効果が得
られる。 1、簡単な構造の先端コーン付き透過通水筒を埋設する
だけで、確実に地震時の地盤の液状化を防止できる。 2、先端コーン付き透過通水筒を埋設した後のメンテナ
ンスが要らないので、維持管理が容易であり、地震時に
土砂の地表への噴出がない、確実に液状化を防止できる
地盤が得られる。
【0035】請求項2の発明によれば、次ぎの効果がえ
られる。 1、先端コーン付き透過通水筒の構造が簡単であり、制
作が容易である。 2、先端コーン付き透過通水筒の構造は先端が尖った柱
状であるから、地盤への進入が容易である。 3、先端コーン付き透過通水筒の通水路の断面積が大き
く、毛細管現象による地下水の上昇がなく、地震時以外
のとき不必要に地下水を汲み上げないし、地震時には短
時間で地下水を排水できるので、確実に地震時の地盤の
液状化を防止できる。
【0036】4、先端コーン付き透過通水筒は補強体が
あるなど強固であり、地震時にも押し潰されたり曲げら
れたりしない。 5、透水シートがあるので、通水筒の中に土砂が入らな
いし、地下水と一緒に土砂が地表に排出されない。この
ため地盤の崩壊が起きない。 6、先端コーン付き透過通水筒は、全体がプラスチック
またはほとんどがプラスチックであり一部のみが金属
(この部分は腐食しても地震時の地下水排出には関係な
い)であるから耐久性がある。
【0037】請求項3、4の発明によれば、次ぎの効果
がえられる。 1、地盤に進入しやすい形状をしている先端コーン付き
透過通水筒を、適宜間隔で地表面に対し垂直又は斜め方
向に自重又は打込機で打ち込むだけで良いから、簡単な
工事で液状化を防止できる地盤が得られる。 2、地震時の地下水の排水路となる先端コーン付き透過
通水筒を、埋め込み時の損傷を無くして簡単に埋設でき
る。 3、埋め込みに際し、特別な機械や装置が要らない。 4、簡単な工法であるから、トラブルが少なく、効率が
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の先端コーン付き透過通水筒の第1実
施例を示す一部を切断した縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線での断面図である。
【図3】本願発明の先端コーン付き透過通水筒の第2実
施例を示す一部を切断した縦断面図である。
【図4】図3におけるB−B線での断面図である。
【図5】本願発明の先端コーン付き透過通水筒の第3実
施例を示す一部を切断した側面図である。
【図6】図5における各引き出し線の位置での断面図で
ある。
【図7】本願発明の先端コーン付き透過通水筒に保護筒
を被せて、地盤中に予め掘った穴に挿入したときの地盤
中における断面図である。
【図8】図7の状態から保護筒を抜き去った後の状態、
即ち、本願発明の先端コーン付き透過通水筒を地中に埋
設した状態を示すものである。
【図9】アンカーが設けられている先端コーンの一実施
例の縦断面図である。
【図10】図9におけるI−I線における断面図であ
る。
【図11】アンカーが設けられている先端コーンの別の
実施例の縦断面図である。
【図12】請求項1記載の発明を示すもので、先端コー
ン付き透過通水筒を複数本適宜間隔で地中に埋設した状
態の一部破断見取り図である。
【符号の説明】
1・・・先端コーン付き透過通水筒 2・・・先端コーン 4、14、24・・・通水筒 5、15、25・・・入水口 6、16、26・・・通水路 8・・・透水シート 9・・・保護筒 31・・・流水層 33・・・溝 40、50・・・アンカー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に金属やプラスチックのような堅い
    物質で形成された先端コーンがあり、該コーンの後方
    に、多数の入水口が設けられており、該入水口に連通し
    て地表方向に通水路が形成されている地盤中で押し潰さ
    れたりしない程度の剛性と弾性を兼ねそなえた筒状体で
    あって、該通水路は毛細管現象を起こさない程度に大き
    い断面積を有するものである通水筒と、その筒の外周を
    覆う透水シートとが設けられている地盤液状化防止のた
    めの先端コーン付き透過通水筒を、地震の際に液状化し
    やすい地盤中に適宜間隔で地表面に対し垂直又は斜め方
    向に埋設したことを特徴とする地盤液状化防止方法。
  2. 【請求項2】 地盤に埋設され、地震の際に地盤が液状
    化する前に地下水を地上に逃がす通路となるものであっ
    て、先端に金属やプラスチックのような堅い物質で形成
    された先端コーンがあり、該コーンの後方に、多数の入
    水口が設けられており、該入水口に連通して地表方向に
    通水路が形成されている地盤中で押し潰されたりしない
    程度の剛性と弾性を兼ねそなえた筒状体であって、該通
    水路は毛細管現象を起こさない程度に大きい断面積を有
    するものである通水筒と、その筒の外周を覆う透水シー
    トとが設けられている地盤液状化防止のための先端コー
    ン付き透過通水筒。
  3. 【請求項3】 先端コーンの外周には1または2以上の
    揺動自在なアンカーが取り付けられており、このアンカ
    ーは、先端コーンを順方向に回転させた際には抵抗力を
    有せず先端コーンの外周に沿うかまたは一部を残して大
    部分が先端コーンの内部に入り込み、逆回転の際には、
    先端コーンの外周から外に飛び出して周囲の土砂に食い
    込み逆回転および上昇に対して抵抗力を発揮するような
    構成になっている請求項2記載の先端コーン付き透過通
    水筒。
  4. 【請求項4】 先端コーンの外周には1または2以上の
    揺動自在なアンカーが取り付けられており、このアンカ
    ーは、先端コーンを地中に進入させる際には抵抗力を有
    せず先端コーンの外周に沿うかまたは一部を残して大部
    分が先端コーンの内部に入り込み、引き抜く際には、先
    端コーンの外周から外に飛び出して周囲の土砂に食い込
    み逆回転および上昇に対して抵抗力を発揮するような構
    成になっている請求項2記載の先端コーン付き透過通水
    筒。
  5. 【請求項5】 先端コーン付き透過通水筒が、適宜長さ
    に切断されているものを連設したものである請求項2記
    載の先端コーン付き透過通水筒。
  6. 【請求項6】 地震の際に地盤が液状化する前に地下水
    を地上に逃がす通路となるものであって、先端に金属や
    プラスチックのような堅い物質で形成された先端コーン
    があり、該コーンの後方に、多数の入水口が設けられて
    おり、該入水口に連通して地表方向に通水路が形成され
    ている地盤中で押し潰されたりしない程度の剛性と弾性
    を兼ねそなえた筒状体であって、該通水路は毛細管現象
    を起こさない程度に大きい断面積を有するものである通
    水筒と、その筒の外周を覆う透水シートとが設けられて
    いる先端コーン付き透過通水筒を地中に埋設する際に、
    (a)前記透水シートの外側を保護筒で覆い、(b)保
    護筒で覆われた先端コーン付き透過通水筒を、先端コー
    ンを先にして振動機、モンケンハンマー機、油圧押込機
    等の打込機によって打設するか又は、先端コーンにある
    掘削刃により掘削することにより地中に挿入し、(c)
    挿入後、上記保護筒を抜き去ることを特徴とする地盤液
    状化防止のための先端コーン付き透過通水筒の埋設方
    法。
  7. 【請求項7】 地震の際に地盤が液状化する前に地下水
    を地上に逃がす通路となるものであって、先端に金属や
    プラスチックのような堅い物質で形成された先端コーン
    があり、該コーンの後方に、多数の入水口が設けられて
    おり、該入水口に連通して地表方向に通水路が形成され
    ている地盤中で押し潰されたりしない程度の剛性と弾性
    を兼ねそなえた筒状体であって、該通水路は毛細管現象
    を起こさない程度に大きい断面積を有するものである通
    水筒と、その筒の外周を覆う透水シートとが設けられて
    いる先端コーン付き透過通水筒を地中に埋設する際に、
    (a)前記先端コーンの最大外形と同じかそれより大き
    い穴を、地表面に対し垂直または斜め方向に堀り、
    (b)該穴に、前記先端コーン付き透過通水筒をそのま
    ま又はその透水シートの外側を保護筒で覆い、自重で又
    は打込機によって挿入し、(c)挿入後、前記保護筒が
    ある場合にはその保護筒を抜き去ることを特徴とする地
    盤液状化防止のための先端コーン付き透過通水筒の埋設
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180701A (ja) * 2010-05-27 2010-08-19 Tekken Constr Co Ltd 水抜き管配設工法
CN102108699A (zh) * 2011-01-12 2011-06-29 北京长安光大机电设备有限公司 干法振冲器
CN102465523A (zh) * 2010-11-19 2012-05-23 葛辉 新吹填砂软弱地基加固“干密共振法”

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