JPH09255086A - フランジを持つ成形体 - Google Patents

フランジを持つ成形体

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JPH09255086A
JPH09255086A JP8062215A JP6221596A JPH09255086A JP H09255086 A JPH09255086 A JP H09255086A JP 8062215 A JP8062215 A JP 8062215A JP 6221596 A JP6221596 A JP 6221596A JP H09255086 A JPH09255086 A JP H09255086A
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JP
Japan
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flange
mating surface
adhesive
tank
molded
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JP8062215A
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English (en)
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Hideki Hamanaka
英機 浜中
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂製成形体のフランジ相互を、接着剤
を用いて十分な接着力で密封性良く接合することができ
るフランジを持つ成形体を提供すること。 【解決手段】 フランジ4の先端部4aの第1合わせ面
6が、フランジ4の基端部の第2合わせ面8よりも突出
するように段差Sが設けてある。フランジ4の先端部の
第1合わせ面6と、フランジ4の基端部の第2合わせ面
8との間に、窪んだ接着剤溝10が形成してある。接着
溝10と第2合わせ面8との間に、第2合わせ面8より
も内側に窪んだシール部材装着溝12が形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば合成樹脂
製の成形体を組み立てて、中空組立体を構成するため
に、成形体に設けられたフランジ相互を、密封状態で接
合するために適したフランジを持つ成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】密封性が要求される中空体においては、
中空体の大きさや形状などが原因で、中空体を単一の成
形体で成形することができない場合がある。このような
場合には、複数の部材を密封的に接合する方法が採用さ
れている。
【0003】例えば、金属成形体相互を密封状態で接合
する場合には、金属成形体に形成されたフランジの接合
面に、Oリング溝を形成し、このOリング溝内にOリン
グなどのシール部材を収容し、シール部材が圧縮される
ように、フランジ相互を、ボルトなどの締結手段で締結
する密封接合構造は既に知られている。
【0004】しかしながら、金属成形体は、重いことお
よび切削加工が困難であることなどの欠点を有すること
から、近年では、従来金属で成形していた成形体を合成
樹脂で成形しようとする試みが盛んである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】合成樹脂製成形体を密
封的に接合する構造として、上述したような金属成形体
相互を密封的に接合する技術を応用することも考えられ
るが、合成樹脂成形体では、以下のような問題点を有す
る。
【0006】従来の樹脂成形品のフランジの合わせ面
は、先端部と基端部とで略同一平面であったため、ボル
トによる締め付け力がシール材にまで良好に伝達せず、
合わせ面でのシール性が不十分である。特に、接合され
る成形体相互を熱可塑性樹脂などの柔軟な材料で構成し
た場合には、樹脂の強度が低いために、ボルトによる締
め付け力がボルト周辺にしか作用しないため、Oリング
あるいはパッキンなどのシール材を良好に圧縮すること
ができず、シールが弱く漏れが生じるおそれがある。
【0007】また、シール材を用いずに、接着剤のみで
フランジの合わせ面相互を接続しようとする場合でも、
従来のフランジの構造では、密封性の点で課題があっ
た。なお、接合される成形体相互をSMC(シールモー
ルディングコンパウンド)などのFRP(繊維強化プラ
スチック)で構成すれば、得られる成形品のフランジ部
の機械的強度は十分である。しかしながら、パッキン溝
やボルト穴などのあるフランジをFRPで製造するに
は、作業が煩雑で、製造に時間がかかり、多量生産に向
かず、実用的でない。
【0008】そのため、従来は、接合される成形体相互
を、合成樹脂で成形し、これらの接合面に、シーリング
コンパウンドやグリースを塗布し、クランプなどの締結
手段で軽く接合する構造が一般的であった。ところが、
この方法では、接合部での密封性にむらが生じ易いと言
う課題を有する。
【0009】なお、特開平4−331,115号公報お
よび特開平5−112,306号公報には、合成樹脂製
成形体相互の接合部であるフランジ部に、接合用の樹脂
を射出成形し、これらを接合する構造が開示されてい
る。しかしながら、この方法では、比較的大型の成形体
相互の接合を行なう場合、設備が大型になると共に、作
業が煩雑になり、実用的でないという課題を有してい
る。
【0010】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、合成樹脂製成形体のフランジ相互を、接着剤を用い
て十分な接着力で密封性良く接合することができるフラ
ンジを持つ成形体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るフランジを持つ成形体は、フランジの
先端部の第1合わせ面が、フランジの基端部の第2合わ
せ面よりも突出するように段差が設けてあることを特徴
とする。
【0012】フランジの先端部の前記第1合わせ面と、
フランジの基端部の第2合わせ面との間に、これら合わ
せ面よりも内側に窪んだ接着剤溝が形成してあることが
好ましい。前記接着剤溝と前記第2合わせ面との間に、
窪んだシール部材装着溝が形成してあることが好まし
い。
【0013】前記第1合わせ面が形成されたフランジの
先端部には、このフランジに接合される他のフランジの
外周を覆う凸部が形成してあることが好ましい。本発明
に係るフランジを持つ成形体は、特に限定されないが、
反応射出成形によって得られるポリノルボルネン系樹脂
で構成されることが好ましい。特に、エラストマーで改
質されたノルボルネン系モノマーの開環重合体で構成さ
れたものが好ましい。
【0014】本発明に係るフランジを持つ成形体では、
フランジが接合される他の部材との間に、接着剤を介在
させ、フランジを他の部材に対してボルト・ナットなど
の締結手段で締め付けると、まず、フランジの先端部の
第1合わせ面が他の部材の合わせ面に圧接する。さらに
締め付けると、第2合わせ面が、他の部材の合わせ面に
近づくように、フランジが多少変形する。その結果、少
なくともフランジの先端部に形成してある第1合わせ面
が、他の部材の合わせ面に均一に密着する。また、第2
合わせ面が、他の部材の合わせ面に近づくようにフラン
ジが変形することで、間に介在された接着剤が、フラン
ジの第1合わせ面および第2合わせ面に、均一に良く馴
染み、接着性および密封性が向上する。
【0015】また、フランジのシール部材装着溝にパッ
キンなどのシール部材を介在させた状態で、フランジを
他の部材に締め付けることにより、フランジの変形に伴
い、シール部材も良好に圧縮され、密封性がさらに向上
する。また、前記第1合わせ面が形成されたフランジの
先端部に、このフランジに接合される他のフランジの外
周を覆う凸部を形成することで、第1合わせ面から滲み
出た接着剤がフランジ外周に溢れない。このため、フラ
ンジの接合強度が向上すると共に、フランジ接合部の外
観も良好である。
【0016】さらに、本発明に係るフランジを持つ成形
体を、反応射出成形によって得られるポリノルボルネン
系樹脂で構成することで、接着剤溝、シール部材装着溝
およびボルト用孔などが形成されたフランジを、きわめ
て容易に成形することができる。また、ポリノルボルネ
ン系樹脂でフランジを構成することで、ボルト・ナット
などの締結手段による締め付け力で弾性変形し、変形し
ても割れなどが生じることがなく、強度が低下すること
もない。
【0017】なお、締結手段としては、ボルト・ナット
以外に、スプリングなどの弾性を利用したもの、形状記
憶材料の熱などによる回復性を利用してフランジを挟持
するものなどが挙げられる。また、シール部材装着溝に
装着されるシール部材としては、成形体を構成する合成
樹脂より柔軟な素材のシール部材を用いることが好まし
い。シール部材の素材としては、ブチルゴム、クロロプ
レンゴム、ニトリルゴム、天然ゴムなどのゴム材、ある
いはゴム材の発泡体が用いられ、好ましくは、柔軟性に
優れたブチルゴムがよい。
【0018】また、フランジの合わせ面に介在される接
着剤としては、特に限定されないが、ウレタン系接着
剤、エポキシ系接着剤、ブチルゴム系接着剤などを例示
することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るフランジを持
つ成形体を、図面に示す実施形態に基づき、詳細に説明
する。第1実施形態 図1に示す実施形態では、同一断面形状のフランジ4を
持つ二つの成形体2を接合した場合の例である。
【0020】本実施形態では、各フランジ4の先端部4
aが、基端部に対して厚肉に構成してある。しかも、フ
ランジ4の先端部4aの第1合わせ面6が、基端部の第
2合わせ面8よりも突出するように構成してある。先端
部4aの第1合わせ面6と基端部の第は2合わせ面8と
の段差Sは、好ましくは0.5〜2.5mm程度である。
この段差Sが余りに小さいと、締結手段としてのボルト
18およびナット20による締め付け力によるフランジ
4の変形が小さく、接着性の向上および密封性の向上の
効果が小さい。また、この段差Sが余りに大きいと、締
め付け力を過大に加えるおそれがあり、フランジ4の変
形が大きく成りすぎて好ましくない。
【0021】フランジ4の先端部4aの厚みt1 は、フ
ランジ4の基端部の厚さをt2 とした場合に、t2 +2
〜30mm(好ましくはt2 +3〜15mm)であることが
望ましい。基端部の厚さt2 は、フランジ4が形成され
る成形体2の厚さt3 と同程度であることが好ましい。
成形体2の厚さt3 は、特に限定されないが、好ましく
は4mm以上である。4mm以上にすることで、十分な強度
を持たせることができる。ただし、厚さt3 の上限は、
好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下、特
に好ましくは15mm以下である。厚すぎると、成形体2
の製造が困難になる。
【0022】本実施形態のフランジ8において、先端部
の第1合わせ面6と基端部の第2合わせ面8との間に
は、接着剤溝10とシール部材装着溝12とが形成して
ある。接着剤溝10は、好ましくは0.5〜3mm程度に
窪んでいる。シール部材装着溝12は、第2合わせ面8
よりもさらに内側に、好ましくは2〜5mm程度に窪んで
いる。接着剤溝10には、接着剤14が充填され、シー
ル部材装着溝12には、パッキン16が配置される。
【0023】フランジ4,4相互は、パッキン16の外
側位置で、ボルト18およびナット20により締め付け
固定される。接着剤14としては、ウレタン系接着剤、
エポキシ系接着剤、ブチルゴム系接着剤などを用いるこ
とができる。また、パッキン16の素材としては、ブチ
ルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、天然ゴムな
どのゴム材、あるいはゴム材の発泡体が用いられ、好ま
しくは、柔軟性に優れたブチルゴムがよい。
【0024】本実施形態では、このようなフランジ4が
形成された成形体2が、反応射出成形法(RIM)によ
って得られるポリノルボルネン系樹脂で構成される。特
に、エラストマーの存在下でノルボルネン系モノマーを
メタセシス触媒及びその活性剤を用いて開環重合に得ら
れる重合体で構成されたものが好ましい。
【0025】エラストマーとしては、例えば、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー(EPT)などを挙げることがで
きる。
【0026】エラストマーの配合割合は、ノルボルネン
系モノマー100重量部に対して、1〜20重量部、好
ましくは2〜15重量部である。エラストマーの配合割
合が少ないと、可撓性が低下する。逆に、エラストマー
の配合割合が多すぎると、ガラス転移温度が低下し、か
つ、強度が低下するので好ましくない。
【0027】ノルボルネン系モノマーは、ジシクロペン
タジエンやジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシク
ロドデセン、トリシクロペンタジエン等のノルボルネン
環を有するシクロオレフィンである。メタセシス触媒
は、六塩化タングステン、トリドデシルアンモニウムモ
リブデート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデ
ート等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノルボル
ネン系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタセシ
ス触媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有機ア
ンモニウム塩が特に好ましい。
【0028】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、これらのアルコキシア
ルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げ
られる。反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系
モノマー、メタセシス触媒および活性剤を主材とする反
応射出成形用材料をノルボルネン系モノマーとメタセシ
ス触媒とよりなる液と、前記のノルボルネン系モノマー
と活性剤とよりなる液との安定な2液に分けて別の容器
に入れておく。反応射出成形に際しては、この2液を混
合し、次いで、この混合液を、金型のキャビティ内に注
入し、キャビティ内で塊状重合して、成形体2を得る。
【0029】反応射出成形に用いる金型は、必ずしも剛
性の高い高価な金型である必要はなく、金属製金型に限
らず、樹脂製金型、または単なる型枠を用いることがで
きる。ノルボルネン系樹脂の反応射出成形は、低粘度の
反応液を用い、比較的低温低で成形できるためである。
金型内は不活性ガスでシールし、重合反応に用いる成分
類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ
操作することが好ましい。
【0030】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0.1〜1
00Kg/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜選択
すればよいが、通常、反応液の注入終了後、30秒〜2
0分、好ましくは、5分以下である。
【0031】本実施形態に係るフランジ4を持つ成形体
2は、反応射出成形法により得られるポリノルボルネン
系樹脂で構成してあるので、比較的大型の成形体を容易
に成形することができる。また、ポリノルボルネン系樹
脂は、比剛性は低いが比強度は高いという材料的特徴を
利用して、成形体2として必要とされる十分な耐圧を有
することができる。
【0032】本実施形態では、フランジ4の先端部の厚
みt1 を厚くすることで、フランジ4の補強となり、フ
ランジ4の部分に外力が作用しても、その部分が破損す
るおそれが少なくなる。また、フランジ4の先端部の厚
みt1 を厚くすることで、その先端部の合わせ面6が長
手方向に沿って波打つ形状となることがなくなり、合わ
せ面6の平滑化を図ることができる。
【0033】また、段差Sを設けることで、フランジ
4,4相互をボルト18およびナット20で締め付ける
際に、まず、フランジ4,4の先端部の第1合わせ面
6,6相互が圧接する。さらに締め付けると、第2合わ
せ面8,8相互が近づくように、フランジ4,4が変形
する。締め付け後の第2合わせ面8,8相互の間隔(締
め付け後の2×S)は、0〜4mmが好ましい。この変形
の結果、少なくともフランジ4,4の先端部4a,4a
に形成してある第1合わせ面6,6相互が均一に密着す
る。また、第2合わせ面6,6相互が近づくようにフラ
ンジ4,4が変形することで、間に介在された接着剤1
4が、フランジ4,4の第1合わせ面6,6および第2
合わせ面8,8に、均一に良く馴染み、接着性および密
封性が向上する。
【0034】また、フランジ4,4のシール部材装着溝
12,12にパッキン16を介在させた状態で、フラン
ジ4,4を締め付けることにより、フランジ4,4の変
形に伴い、パッキン16も良好に圧縮され、密封性がさ
らに向上する。さらに、本実施形態では、フランジ4を
持つ成形体2を、反応射出成形によって得られるポリノ
ルボルネン系樹脂で構成することで、接着剤溝10、シ
ール部材装着溝12およびボルト18用孔などが形成さ
れたフランジ4を、きわめて容易に成形することができ
る。また、ポリノルボルネン系樹脂でフランジ4を構成
することで、ボルト18およびナット20による締め付
け力でフランジ4が弾性変形し、しかも、変形しても割
れなどが生じることがなく、強度が低下することもな
い。
【0035】第2実施形態 図2に示すように、本実施形態では、一方の成形体2の
フランジ4は、前記第1実施形態のフランジ4と同じ構
造とし、他方の成形体2のフランジ40の先端部40a
の構造をフランジ4とは異なる構造にしてある。
【0036】このフランジ40では、第1合わせ面6が
形成されたフランジ40の先端部40aに、このフラン
ジ40に接合される他のフランジ4の外周を覆う凸部4
2が形成してある。凸部42がフランジ40の先端に一
体に形成してある以外は、このフランジ40は、フラン
ジ4と同じ構造である。
【0037】本実施形態では、凸部42をフランジ40
の先端部40aに形成することで、第1合わせ面6,6
相互から滲み出た接着剤がフランジ4,40の外周に溢
れない。このため、フランジ4,40の接合強度が向上
すると共に、フランジ接合部の外観も良好である。
【0038】本実施形態のフランジを持つ成形体のその
他の作用は、前記第1実施形態の場合と同様である。第3実施形態 図3に示すように、本実施形態では、図1に示す構造の
フランジ4を持つ種々の形状の成形体2a〜2eのフラ
ンジ相互を、図1に示す接続構造で接続し、浄化槽のケ
ーシングを製作する。各成形体2a〜2eには、必要に
応じてリブ又はコルゲート30を形成しても良い。
【0039】図3に示すように、本実施形態に係るフラ
ンジ4を持つ成形体を組み合わせることで、浄化槽のケ
ーシングを作成することもできる。本実施形態の浄化槽
では、フランジ4,4の接続部での接合強度およびシー
ル性が良好であるため、大型の浄化槽でも容易に製作す
ることができる。
【0040】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、本発明に係るフランジを持つ
成形体は、フランジを持つその他の成形体に接合される
のみでなく、フランジを持たない単なる板材などの他の
部材に接合することもできる。また、本発明に係るフラ
ンジを持つ成形体を組み立てて製作される組立品は、浄
化槽のケーシングに限らず、水槽、タンク、あるいはそ
の他の組立品など、特に密封性が要求される組立品とし
て用いることができる。
【0041】
【実施例】次に、本発明のさらに具体的な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。実施例1 ジシクロペンタジエン(DCP)85%と、非対称型シ
クロペンタジエン三量体15%を用い、これにスチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン
1170、シェル社製)を5%とフェノール系の酸化防
止剤であるイルガノックス1010(チバガイギー社
製)を2%溶解させ、これを2つの容器に入れ、一方に
はモノマーに対しジエチルアルミニウムクロリド(DE
AC)を40ミリモル濃度、n−プロパノールを44ミ
リモル濃度、四塩化ケイ素を20ミリモル濃度となるよ
うに添加した(A液)。他方には、モノマーに対しトリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデートを10ミリモ
ル濃度となるように添加した(B液)。
【0042】A液およびB液をそれぞれギヤーポンプに
て1対1の容積比となるようにパワーミキサーに送液
し、次いで、凸状金型と凹状金型により形成した金型の
空間内に、金型温度70℃で、注入した。金型内で3分
間反応を行なった。これらの一連の操作は窒素雰囲気下
で行なった。
【0043】そして、図4(A)に示す形状の合成樹脂
製タンク成形体2g,2hを得た。これらタンク成形体
2g,2hの肉厚は、約9mm(図1に示すt3 )であっ
た。これら成形体2g,2hの開口端には、図1に示す
構造のフランジ4を成形した。フランジ4の先端部4a
の肉厚t1 は、12mmであり、基端部の肉厚t2 は、約
9mmであった。また、第1合わせ面6に対する第2合わ
せ面8の段差Sは2mmであった。
【0044】これらタンク成形体2g,2hを、鉄板4
4,46間に組み合わせ、タンクを構成した。タンクの
高さは約1500mmであり、タンクの外径は約900mm
であった。また、タンクの容積は、約0.75m3 であ
った。成形体2gのフランジ4と鉄板46との間および
フランジ4,4の間には、ブチルゴムで構成された直径
8mmのOリングを介在させ、ウレタン系接着剤を塗布し
た。鉄板44,46およびフランジ4の締結と、フラン
ジ部4,4の締結とに用いたボルトのサイズは、M12
であり、ボルトピッチは、150mmであった。
【0045】このタンク内に、1.2Kg/cm2 の加
圧水を封入し、シール性を調べたところ、どこからも漏
れは生じなかった。実施例2 実施例1で用いたタンクの内部に加圧水を入れることな
く、タンク内部を真空ポンプで引き、タンク内部を26
0mmHgに減圧した。
【0046】弁を閉じてタンクのシール性を調べたとこ
ろ、減圧状態は保持され、どこからも漏れは生じなかっ
た。実施例3 前記実施例1と同様なフランジ4を持ち、図4(B)に
示す形状のタンク成形体2i,2jを、実施例1に示す
方法と同様な反応射出成形法で得た。
【0047】タンクの縦径d1は約1800mmであり、
タンクの長さb1は約3000mmであった。また、タン
クの容積は、約5m3 であった。フランジ4,4間に
は、ブチルゴムで構成された直径10mmのOリングを介
在させた。フランジ4,4の締結に用いたボルトのサイ
ズは、M10であり、ボルトピッチは、150mmであっ
た。接着剤としては、実施例1と同じものを用いた。
【0048】このタンク内に、水頭H1が約1メートル
(0.1Kg/cm2 に相当する)の加圧水を封入し、
シール性を調べたところ、どこからも漏れが生じなかっ
た。実施例4 前記実施例1と同様なフランジ4を持ち、図4(C)に
示す形状のタンク成形体2k,2l,2m,2n,2o
を、実施例1に示す方法と同様な反応射出成形法で得
た。これらタンク成形体2k,2l,2m,2n,2o
を、フランジ4,4で接合し、タンクを構成した。
【0049】タンクの縦径d2は約2000mmであり、
タンクの長さb2は約4000mmであった。また、タン
クの容積は、12m3 であった。各フランジ4,4間に
は、ブチルゴムで構成された直径12mmのOリングを介
在させた。各フランジの締結に用いたボルトのサイズ
は、M12であり、ボルトピッチは、150mmであっ
た。接着剤としては、実施例1と同じものを用いた。
【0050】このタンク内に、水頭H2が約1メートル
(0.1Kg/cm2 に相当する)の加圧水を封入し、
シール性を調べたところ、どこからも漏れが生じなかっ
た。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、少なくともフランジの先端部に形成してある第1合
わせ面が、他の部材の合わせ面に均一に密着する。ま
た、第2合わせ面が、他の部材の合わせ面に近づくよう
にフランジが変形することで、間に介在された接着剤
が、フランジの第1合わせ面および第2合わせ面に、均
一に良く馴染み、接着性および密封性が向上する。
【0052】また、フランジのシール部材装着溝にパッ
キンなどのシール部材を介在させた状態で、フランジを
他の部材に締め付けることにより、フランジの変形に伴
い、シール部材も良好に圧縮され、密封性がさらに向上
する。また、前記第1合わせ面が形成されたフランジの
先端部に、このフランジに接合される他のフランジの外
周を覆う凸部を形成することで、第1合わせ面から滲み
出た接着剤がフランジ外周に溢れない。このため、フラ
ンジの接合強度が向上すると共に、フランジ接合部の外
観も良好である。
【0053】さらに、本発明に係るフランジを持つ成形
体を、反応射出成形によって得られるポリノルボルネン
系樹脂で構成することで、接着剤溝、シール部材装着溝
およびボルト用孔などが形成されたフランジを、きわめ
て容易に成形することができる。また、ポリノルボルネ
ン系樹脂でフランジを構成することで、ボルト・ナット
などの締結手段による締め付け力で弾性変形し、変形し
ても割れなどが生じることがなく、強度が低下すること
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るフランジを持
つ成形体の接続状態を示す概略断面図である。
【図2】図2は本発明のその他の実施形態に係るフラン
ジを持つ成形体の接続状態を示す概略断面図である。
【図3】図3は本発明のさらにその他の実施形態に係る
フランジを持つ成形体を組み合わせて製作した浄化槽の
ケーシングの斜視図である。
【図4】図4(A)〜(C)は本発明の実施例に係るフ
ランジを持つ成形体を用いて製作したタンクの断面図お
よび側面図である。
【符号の説明】
2,2a〜2o… 成形体 4,40… フランジ 4a… 先端部 6… 第1合わせ面 8… 第2合わせ面 10… 接着剤溝 12… シール部材装着溝 14… 接着剤 16… パッキン 18… ボルト 20… ナット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジの先端部の第1合わせ面が、フ
    ランジの基端部の第2合わせ面よりも突出するように段
    差が設けてあるフランジを持つ成形体。
  2. 【請求項2】 フランジの先端部の前記第1合わせ面
    と、フランジの基端部の第2合わせ面との間に、これら
    合わせ面よりも内側に窪んだ接着剤溝が形成してある請
    求項1に記載のフランジを持つ成形体。
  3. 【請求項3】 前記接着剤溝と前記第2合わせ面との間
    に、窪んだシール部材装着溝が形成してある請求項2に
    記載のフランジを持つ成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009139321A1 (ja) * 2008-05-15 2009-11-19 浜松ホトニクス株式会社 分光モジュール
JP2019183693A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 ダクト

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