JPH09253463A - ポリスルホン系限外濾過膜の製造方法 - Google Patents

ポリスルホン系限外濾過膜の製造方法

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JPH09253463A
JPH09253463A JP8093413A JP9341396A JPH09253463A JP H09253463 A JPH09253463 A JP H09253463A JP 8093413 A JP8093413 A JP 8093413A JP 9341396 A JP9341396 A JP 9341396A JP H09253463 A JPH09253463 A JP H09253463A
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film
membrane
polysulfone
polyvinylpyrrolidone
hydrophilic polymer
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Hideki Tashiro
秀樹 田代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水濡れ性がよく、高い透水性能およびシャ
ープな分画特性を有するポリスルホン系限外濾過膜の製
造方法の提供。 【解決手段】 ポリスルホン系高分子と親水性高分子
と溶媒とを含む製膜原液を湿式法または乾湿式法で製膜
し、ついで保湿剤で処理した後、乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用途や工業用途に
用いられる分離膜の製法に関する。より詳しくは、多孔
質膜面上に親水性の濾過層を有する限外濾過膜の製法に
関する。
【0002】
【従来の技術】選択透過性を有する分離膜の素材として
のポリスルホン系樹脂は、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐薬品性等の物理的および化学的性質に優れ、また
製膜も容易であることなどから各種分離用膜として多用
されている。
【0003】しかし、ポリスルホン系樹脂は疎水性のた
めに、膜をいったん乾燥させると透過性能が著しく減少
したりあるいは油または蛋白質などの有機系分子が膜面
に堆積しやすい等の性質がある。
【0004】これらの欠点を改良するため、例えば特開
昭63ー99325号にはポリスルホンを含む製膜原液
中に親水性高分子であるポリビニルピロリドン系樹脂を
加えて紡糸する。ついで、1時間沸騰水で洗浄した後、
170℃で3時間乾熱処理しポリビニルピロリドンを熱
架橋させ、さらに3時間沸騰水処理を行った後130℃
で3時間乾燥することによって、水濡れ性のよい透水性
が大きい表面孔径5μm以下のドライ中空糸を得る試み
がされている。
【0005】しかしながら、上記従来技術はμmオーダ
ーの大きい表面孔径のため分子量約1万〜10万程度を
排除する限外濾過用途には使用できない。また、限外濾
過膜のような孔径の小さい選択透過膜を上記方法で得よ
うとしても透水率の低いものしか得られず、その製作工
程も繁雑でありコストもかかるという欠点を有してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、簡素な製作工程でポリビニルピロリドン系
樹脂を含む層を膜に固定化し、水濡れ性がよく高い透水
性能およびシャープな分画特性を有するポリスルホン系
限外濾過膜の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリスルホ
ン系限外濾過膜の製造方法は、前記の課題を解決したも
のである。すなわち、ポリスルホン系高分子と親水性高
分子と溶媒とを含む製膜原液を用いて、湿式法または乾
湿式法により多孔質膜を作成し、ついで該多孔質を乾燥
することなく保湿剤により処理し、ついで100℃以下
で乾燥することより達成される。
【0008】特に、親水性高分子としては重量平均分子
量1万〜10万のポリビニルピロリドンを用い、また保
湿剤としては、グリセリンを用いることにより高い純水
透過係数およびシャープな分画特性を有する限外濾過膜
が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】先ず製膜原液用材料について説明
する。膜の主要材であるポリスルホン系樹脂としては、
ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等が用い
られる。これらは、単独で使用されてもよく、また、混
合して使用されてもよい。ポリスルホン樹脂としては、
ユニオンカーバイド社から“P−1700“または“P
−3500“の商品名で市販されており使用することが
できる。
【0010】親水性高分子としてはポリビニルピロリド
ン、変性ポリビニルピロリドン、共重合ポリビニルピロ
リドンや、ビニルアルコールを単位として含む水溶性高
分子例えばポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニル
アルコール系共重合体、ビニルホルマール−ビニルアル
コール系共重合体、ビニルブチラール−ビニルアルコー
ル系共重合体等が挙げられる。これらの高分子は単独で
使用してもよく、また混合して使用してもよい。
【0011】ポリビニルピロリドンについては、重量平
均分子量約1万から約150万程度までが入手可能で使
用し得るがこの範囲に限定されるものではない。特に重
量平均分子量5万程度(重量平均分子量4〜6万)のポ
リビニルピロリドンを使用すると純水透過係数が大きく
かつシャープな分画特性を有する限外濾過膜が得られ易
いので特に好適である。
【0012】尚、市販されているポリビニルピロリドン
としては、BASF社のK−17、K−30、K−90
などがある。
【0013】また、重量平均分子量1万程度(重量平均
分子量7000〜13000)のポリビニルピロリドン
(K−17)を使用する場合には製膜直後の膜表面に形
成されたポリビニルピロリドンの親水性層が、膜の洗浄
中や保湿剤処理工程中に、溶解除去されやすい不利益は
あるが洗浄あるいは保湿剤処理工程条件を制限すること
で使用は可能である。
【0014】重量平均分子量130万程度(重量平均分
子量100万〜150万)のポリビニルピロリドン(K
−90)を使用する場合には製膜直後の膜面に形成され
たポリビニルピロリドンの親水性層は膜の洗浄や保湿剤
処理工程中でも比較的に安定に存在するので取り扱いは
容易である。しかし重量平均分子量4万程度のポリビニ
ルピロリドンを用いた場合よりも透水性能および分子量
分画性能の点で劣る傾向がある。通常長時間の運転を行
う膜濾過操作において、僅かな透水性能の差であっても
処理しうる量に大きな差が生じるので使用するポリビニ
ルピロリドンの分子量は重要である。
【0015】ポリビニルピロリドンは単独で使用しても
よくまた平均分子量の異なるものを混合して使用しても
よい。また、他の水溶性高分子たとえばポリビニルアル
コール等と混合使用してもよい。混合使用の場合には好
ましくは重量平均分子量4万から6万のポリビニルピロ
リドンを約半分以上の割合で用いることが好ましい。
【0016】溶媒としては、ポリスルホン系樹脂および
親水性高分子を溶解するものであればよい。たとえばジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、等の水と
相溶する極性溶媒が好適に使われる。
【0017】製膜原液の組成については、ポリスルホン
系樹脂含量が約10重量%〜30重量%、溶媒が約50
重量%〜90重量%、また、水溶性高分子が約1重量%
〜20重量%の割合で混合撹拌溶解されて作られる。
【0018】混合撹拌溶解されて作られた溶液に、添加
剤として、塩化リチウムなどの水溶性の塩や水、アルコ
−ル類、グリコール類、ポリエチレングリコールなどの
膨潤剤等を任意に添加することができる。これらの添加
剤を加えることにより得られる多孔質中空糸の孔の大き
さを調節することが可能である。
【0019】水溶性高分子としてポリビニルピロリドン
を用いた場合には、製膜原液中のポリビニルピロリドン
の濃度が1重量%より低い場合には透水性能が低くな
る。また、20重量%以上の場合にも、透水性能が低く
なる不具合が生じる。したがって好適なポリビニルピロ
リドンの紡糸原液中の量は1〜20重量%である。
【0020】次に製膜について説明する。上記材料を混
合溶解した製膜原液を湿式法、乾湿式法などで平膜状、
管状、中空糸状などに製膜できる。
【0021】以下特に、2重環状ノズルを用いて中空糸
状に製膜する方法について説明する。
【0022】2重環状ノズルの中央ノズルより芯液を吐
出させ、中空ノズルからは製膜原液を吐出させる。吐出
された中空状原液は直ちにあるいは一定距離の空中走行
の後に凝固浴に導かれる。凝固浴で固体状となった中空
糸膜は洗浄浴に移されて膜中の残存溶媒や添加剤等が除
かれさらに保湿剤で処理される。保湿剤で処理された中
空糸は乾燥工程を経た後最終製品となる。
【0023】中空糸成形のための芯液としては、気体や
液体等の流体が任意に使用できる。好適にはポリスルホ
ン系樹脂を凝固させる液体たとえば水、または水とポリ
スルホン系樹脂の溶媒との混合液体等が好ましい。ま
た、紡糸性を高めるために、ポリビニルピロリドンやポ
リビニルアルコールあるいはポリエチレングリコールな
どの水溶性高分子を芯液に添加してもよい。
【0024】芯液が存在するために、口金ノズルから押
し出された原液は、中空部に芯液を含んだ状態で凝固浴
中または空中に押し出される。押し出された中空状原液
は、まず押し出された直後に芯液に接するため、芯液成
分が凝固成分を含んでいる場合には、原液中の樹脂成分
の凝固が中空の内部から徐々に進行する。
【0025】凝固浴組成としては、樹脂成分を凝固しか
つ原液の溶媒と相溶性のあるものが選択されるが、コス
トの点から水が好適に用いられる。凝固浴中では、中空
糸は外表面側から凝固が進み、固体状の中空糸状とな
る。
【0026】凝固浴の温度と浸漬時間については、特に
制限されるものではないが、中空糸表面に存在する親水
性高分子が溶出してポリスルホンの面が露出しない範囲
で、かつ糸の取り扱いにおいて中空糸形状が安定に存在
できるような条件になるような時間と浴温に設定する。
凝固浴の温度は高いと膜面にある親水性高分子が過剰に
溶出するおそれがあるため、常温付近である。
【0027】ついで、固体状となった中空糸は洗浄工程
に導かれ、中空糸内に残存している溶媒や添加剤を洗い
出す。この工程においては親水性成分であるポリビニル
ピロリドンやポリビニルアルコール等が糸から完全に溶
出しない条件であればよい。100℃以上の熱水で洗浄
を行った場合には、ポリビニルピロリドンやポリビニル
アルコール等の分子量が高い場合でも膜面に存在するポ
リビニルピロリドンやポリビニルアルコール等の過剰流
出のおそれがあるため、常温から90℃の範囲で洗浄を
行うのが好ましい。
【0028】洗浄の終わった中空糸は、直ちに乾燥され
ることなく保湿剤処理工程に導かれる。保湿剤処理工程
前に乾燥を行った場合は、たとえ乾燥温度が低い温和な
条件であっても、もはや高い透水性能を持つ膜は得られ
ない。
【0029】保湿剤としては、多価アルコール類が用い
られる。多価アルコール類としては2価および3価アル
コールを含む多価アルコールであって水分の吸収作用の
大きいグリセリン、エチレングリコール、プロピレング
リコール等が好適に使用できる。
【0030】これらの保湿剤は単独で使用してもよくま
た混合して用いてもよい。さらにこれらの保湿剤には保
湿剤の溶媒であり糸の非溶媒等で希釈した状態で用いて
もよい。高い透水性能を得ることおよび、扱い易さとコ
スト面を考慮すると保湿剤を水に溶解して膜に適用する
のが好適であり、1〜5重量%濃度のものが特に好まし
い。
【0031】糸への保湿剤の適用方法については、噴霧
法、塗布法、浸漬法など一般の工程が任意にとれる。
【0032】例えば保湿剤にグリセリンを用い希釈剤に
水を用いた浴に中空糸を浸漬する浸漬法は、膜への付着
が均一にでき簡素な装置でメンテナンスも容易なため有
利である。浸漬条件は特に制限されるものではないが生
産性を考慮すればグリセリン浴中のグリセリン濃度は
0.1〜10重量%好ましくは1〜5重量%さらに好ま
しくは3〜5重量%に設定することにより中空糸のグリ
セリン浴浸漬時間を1分から5分の間に設定でき好都合
である。
【0033】グリセリン浴中のグリセリン濃度は高濃度
よりもむしろ低濃度に設定すると膜への均一なグリセリ
ンの適用ができ望ましいがグリセリン濃度が0.2重量
%より低くかつ中空糸の浴への浸漬時間が1分より短い
場合には、得られる中空糸の水透過性は著しく低いもの
となる。
【0034】グリセリン浴温度は室温〜100℃の範囲
で任意に設定でき特に制限はない。
【0035】続いて、保湿剤処理された中空糸は乾燥工
程に送られる。乾燥温度は100℃以下好ましくは常温
から100℃の間が高い透水性を得る点で好ましい。乾
燥温度が100℃以上となると得られた膜の透水性が極
端に低下する。好適な乾燥処理温度は常温から90℃程
度であり、さらに好適には常温から50℃の温和な乾燥
条件がえらばれる。
【0036】乾燥時間としては、特に限定するものでは
ないが高温短時間よりも低温長時間の乾燥が透水性能を
高く保つのに好ましい。また、長時間の乾燥によっても
透水性能等の性能の劣化はない。
【0037】乾燥された膜は親水性を有し特別な前処理
を施さなくとも水に浸漬すると容易に濡れる。また膜表
面に存在するポリビニルピロリドンやポリビニルアルコ
ール等は、湿潤されてももはや水中に容易にとけ出す事
はない。その理由は不明ではあるが、おそらくポリビニ
ルピロリドンやポリビニルアルコール等の分子間の相互
作用が乾燥工程中に強められ、いったん強められた分子
間相互作用によってポリビニルピロリドンやポリビニル
アルコール等は再び水にさらされてももはや分子状に容
易に解離し得ない状態になるものと考えられる。
【0038】尚、一般的に製膜原液中に配合したポリビ
ニルピロリドン等の親水性高分子は、細孔径の小さい膜
面の細孔を埋めるように存在して層を形成していると考
えられる。例えば中空糸状の膜であれば、製膜条件によ
っては糸内面に緻密層がある場合には糸内面に、糸外面
に緻密層がある場合には糸外面に親水性高分子層が形成
されやすいためと思われる。
【0039】この結果、膜表面の孔を覆うように形成さ
れた親水性高分子層は後に保湿剤を適用され乾燥工程に
付されて膜表面に固定され倍率5万倍の電子顕微鏡観察
によっても孔の観察されない新たな選択分離機能を有す
る活性層となる。
【0040】このように調整された中空糸は複数本束ね
られて、透過試験に供され、純水透過係数と分画特性と
を測定した。
【0041】
【実施例】 次に実施例について述べる。
【0042】
【実施例1】製膜原液は下記割合で混合溶解して作成し
た。 N−N´−ジメチルホルムアミド 75重量部 ポリスルホン (ユニオンカーバイド社P−1700)20重量部 ポリビニルピロリドンK−30 (重量平均分子量約5万) 5重量部
【0043】製膜は次ぎの条件により行った。内径0.
2mm、外径0.3mmのノズルを使用し、温度30℃にて
押し出し速度50m/分、芯液に純水を用いて原液を押
し出した。空走距離300mmの後水100%、温度30
℃の凝固浴に導いた。このようにして得られた中空糸は
45℃で10分の洗浄を施した。ここで得られた膜をオ
ートクレーブで121℃の加圧熱水洗浄したものを5万
倍の電子顕微鏡観察をしたところ、内表面には平均直径
0.05μm、外表面には平均直径0.3μmの細孔が
観察され、膜内部の構造はスポンジ状である非対称構造
膜であった。
【0044】上記45℃で10分の洗浄を施して得られ
た糸は直ちに3重量%のグリセリンを含む水中に導かれ
3分間浸漬させた。
【0045】上記のようにして得られた中空糸を50℃
で、240分の乾燥処理を行った。得られた中空糸の5
万倍の電子顕微鏡観察をしたところ内表面には細孔が観
察されなかった。20本束ねてモジュールとしそのまま
純水透過係数と分画特性を測定した。測定時の温度と濾
過圧はそれぞれ25±1℃および1Kg/cm2 で行った。
【0046】分画分子量の測定はポリエチレングリコー
ルを標準物質に用いて行った。すなわち、ポリエチレン
グリコールの各種分子量のものを各分子量のものにつき
0.2%濃度で混合し水に溶解し分画曲線の測定液とし
た。測定液およびモジュールは25±1℃に保ち濾過圧
1Kg/cm2 で透過試験をし濾過液を液体クロマトグラフ
ィで分析し膜を透過した各分子量のポリエチレングリコ
ールの分子量と濃度を得た。
【0047】測定結果を表1および図1に示した。良好
な純水透過係数とシャープな分画曲線が得られた。
【0048】
【比較例1】実施例1と同様に製膜した後洗浄し、これ
をグリセリンに浸漬することなく実施例1と同様の乾熱
処理を行ってモジュールを作成した。この場合は透水性
が0であって濾過膜としての機能を示さなかった。
【0049】
【実施例2】実施例1のポリビニルピロリドンを重量平
均分子量約130万のK−90に変えたこと以外実施例
1と同様に処理した。結果は表1および図1に示した。
実施例1で得られた膜の性能に比較し透水透過係数が少
し劣るものではあるが良好な性能を示した。
【0050】
【比較例2】実施例1と同様に製膜した後、121℃熱
水中で1時間洗浄しポリビニルピロリドンを充分に洗い
出した。その後グリセリン処理を行わずに実施例1と同
様に50℃で240分乾燥処理した。結果を表2および
図1に示した。実施例1および実施例2に比較し、純水
透過係数および分画特性において共に劣っている。
【0051】
【比較例3】グリセリン浴のグリセリン濃度を0.1%
としグリセリン浴浸漬時間を30秒としたこと以外実施
例1と同様に処理を行った。純水透過係数は1 ml/cm
2 ・hrと低いものであった。
【0052】
【比較例4】実施例1と同様に製膜した後、100℃沸
騰水中で1時間膜洗浄した。ついで、170℃で3時間
乾熱処理し、さらに、3時間沸騰水処理を行った。その
のち、130℃で3時間乾燥した。得られた膜の純水透
過係数の測定結果を表2に示した。実施例1および実施
例2に比較し、純水透過係数において劣っている。
【0053】
【0054】 表2 比較例 1 2 3 4 製膜原液配合 ジメチルホルムアミド 75 75 75 75 ポリスルホンP−1700 20 20 20 20 ポリビニルピロリドン K−30 5 5 5 5 K−90 膜洗浄条件 膜洗浄温度(℃) 45 121 45 100 膜洗浄時間(分) 10 60 10 60 保湿剤処理条件 処理なし 処理なし 処理なし グリセリン浴濃度(%) 0.1 グリセリン浴浸漬時間(分) 0.5 膜乾燥条件 乾燥温度(℃) 50 50 50 130 乾燥時間(分) 240 240 240 240 純水透過係数 0 18 1 8 (ml/cm2 ・hr)
【0055】
【発明の効果】ポリスルホン系高分子と親水性高分子と
溶媒とを含む製膜原液を用いて製膜し、ポリスルホン多
孔膜面上に形成される親水性高分子を含む活性層を形成
固定することによって、水に親和性のあるポリスルホン
系樹脂膜が得られる。また親水性高分子の固定化に際し
保湿剤を併存させ、かつ100℃以下の温和な条件で固
定化を行うため親水性高分子が過度に固化されない活性
層が形成されるために、水湿潤性が優れ、高い透水性能
および良好な分画特性を有するポリスルホン系限外濾過
膜が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】分画性能を示す図である。
【符号の説明】
1 実施例1の分画曲線 2 実施例2の分画曲線 3 比較例2の分画曲線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスルホン系高分子と親水性高分子と
    溶媒とを含む製膜原液を湿式法または乾湿式法により多
    孔質膜を作成し、ついで該多孔質を乾燥することなく保
    湿剤により処理し、ついで100℃以下で乾燥すること
    を特徴とする膜表面に親水性高分子を含む活性層を有す
    るポリスルホン系限外濾過膜の製造方法。
JP8093413A 1996-03-22 1996-03-22 ポリスルホン系限外濾過膜の製造方法 Pending JPH09253463A (ja)

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