JPH09249541A - 歯磨剤 - Google Patents

歯磨剤

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JPH09249541A
JPH09249541A JP8713896A JP8713896A JPH09249541A JP H09249541 A JPH09249541 A JP H09249541A JP 8713896 A JP8713896 A JP 8713896A JP 8713896 A JP8713896 A JP 8713896A JP H09249541 A JPH09249541 A JP H09249541A
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chitosan
dentifrice
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present
toothpaste
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JP8713896A
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Yoichi Asada
洋一 浅田
Takateru Idekura
隆輝 出蔵
Giichi Yanagibashi
義一 柳橋
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FUDO KOSAN KK
Original Assignee
FUDO KOSAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】歯を腐食させるヒドロキシ酸を歯磨剤成分によ
り中和反応によって直接的に除去して歯にの腐食を防止
し、口腔内細菌の増殖阻止及び口腔内の粘膜への潤い付
与にも有益な歯磨剤を提供する。 【解決手段】歯磨剤は、グルコサミンの数の平均値が2
〜4,500の範囲であるキトサンの一種若しくは二種
以上が、潤性歯磨剤、練歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液
体歯磨剤に配合されているものである。 【効果】本発明の歯磨剤によれば、歯に腐食を与える因
子であるヒドロキシ酸が減少して、口腔内のpHが正常
になり、口腔内細菌の増殖も阻止される等の従来の歯磨
剤には存在しない優れた効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口腔内粘膜をなめ
らかにし、口腔内に発生した乳酸等を化学反応により中
和し、歯に腐食を与える直接的因子を減少若しくは除去
でき、かつ、口腔内のpHを調整できる等の特徴を備え
た新しいタイプの歯磨剤(洗口剤を含む)に関する。
【0002】本発明は、そのような特徴に加えて、人体
の健康に有益な天然物質より口腔内細菌の増殖を抑制で
きる等の特徴をも備えている歯磨剤に関する。
【0003】
【従来の技術】歯磨剤には、清浄作用を主体とする歯磨
剤及び清浄作用に薬理効果等が付与された歯磨剤があ
る。歯磨剤は、広義には、歯ブラシと併用される一般的
な歯磨剤以外に洗口剤(単独で使用される)を含んだ意
味で使用されている。
【0004】歯磨剤は、それを研磨剤の含有量に由来の
形態による分類からは、粉歯磨剤(研磨剤が95%以
上)、潤性歯磨剤(研磨剤が70%前後)、練歯磨剤
(研磨剤が60%以下)、液状歯磨剤(低粘度の液状剤
型)及び液体歯磨剤(研磨剤が無配合)に区別される
(光井武夫編:新化粧品学(南山堂、1994)p49
9〜501参照)。
【0005】歯磨剤の清浄作用は、口腔内の種々の沈着
物の除去による口腔内の浄化が主体となるもので、それ
に加えて、歯を白くする作用及び口腔内へ爽快感を付与
する作用も付加されている。口腔内の沈着物には歯及び
口腔粘膜への沈着物がある。前者には、歯垢、歯石及び
有色性沈着物等があり、後者には、歯肉及び頬粘膜への
沈着物等がある(光井武夫編:新化粧品学(南山堂、1
994)p501参照)。従来の歯磨剤では、口腔内の
沈着物(代表的には、歯垢)を歯磨剤成分の研磨剤(歯
磨剤の主体成分)により物理的に除去するようにしてい
る。
【0006】そして、従来の歯磨剤においては、発泡剤
等を併用することにより、研磨剤の物理的な歯垢の除去
機能をより向上させている。歯磨剤の主成分である研磨
剤は、無機物質の粉末であって、それは、(イ)無味無
臭で白色であり、(ロ)歯のエナメル質に傷を付けない
硬度(すなわち、3以下の硬度)であり、(ハ)粒子径
が1〜20μm程度の小さい粉末であり、(ニ)pHが
弱酸性〜弱アルカリ性の範囲にあり、(ホ)水に不溶性
であり、しかも(ヘ)歯磨剤の他の成分(発泡剤、香味
剤、湿潤剤、粘結剤、甘味剤及び保存剤)との相溶性が
良いこと等の条件に適合するものである。実用的には、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第二リン酸カルシ
ウム、無水ケイ酸、水酸化アルミニユム、ピロリン酸カ
ルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム及びその他が研
磨剤として使用されている。
【0007】一方、多種の口腔内細菌の存在が確認され
ていて、口腔内の沈着物の生成には、口腔内細菌、食物
残渣及び唾液有機質が相互に関与しあうことが知られて
いる。口腔内細菌が、ムシ歯、歯槽膿漏及び歯肉炎の発
生及び歯石の沈着に影響を与えることも定説になってい
る。
【0008】特に、ムシ歯は、歯に付着した歯垢内で、
ムシ歯の原因菌であるstreptococcus m
utans(ストレプトコッカス・ミュ−タンス)がそ
の菌体表層に局在するグルコ−ス転移酵素によってショ
糖から水不溶性で粘着性を有する物質であるグルカンを
産生して歯に強固に付着し、それがエネルギ−代謝によ
り乳酸を産生して、その乳酸が歯のエナメル質を脱灰し
て生ずることが定説になっている(光井武夫編:新化粧
品学(南山堂、1994)p701等参照)。
【0009】そのために、ムシ歯予防のための歯磨剤
は、(a)歯の付着物(代表的には歯垢)の除去機能、
(b)乳酸の接触による歯の脱灰を防止して歯の耐酸性
を増強する機能、(c)ムシ歯の原因菌の殺菌機能、
(d)ショ糖から産生したグルカンの分解及びグルカン
の生合成を阻止する機能等を備えていることが必要であ
る。 (a)の歯垢等の付着物の除去機能は、歯磨剤に配合の
研磨剤の物理的研磨作用によるものである。 (b)の歯の耐酸性増強は、歯磨剤に配合のフッ素化合
物のフッ素イオンを歯のエナメル質のヒドロキシアパタ
イトの構造の一部と置換させて、歯のエナメル質を耐酸
性の高いフルオロアパタイトにすること等によるもので
ある。歯磨剤に配合のフッ素化合物は、フッ化ナトリウ
ム、モノフルオロリン酸ナトリウム若しくはフッ化スズ
等である。 (c)のムシ歯原因細菌の殺菌は、グルコン酸クロルヘ
キシジン、塩化セチルピリジニウム若しくはイソプロピ
ルメチルフェノ−ルの殺菌剤によるものである(光井武
夫編:新化粧品学(南山堂、1994)p171等参
照)。 (d)のグルカンの分解及び生合成の阻止は、歯磨剤に
配合するデキストラ−ゼ等の分解酵素によって阻止され
る。歯磨剤による口腔衛生の主目的は、このstrep
tococcus mutans等の細菌の存在により
生ずるムシ歯予防である。
【0010】口腔内細菌としては、Bacteroid
es、Bacterionema、Eikenell
a、Fusobacterium,Actinomyc
es、Trepoema,Sterptococcu
s、Stephlococcus、Sterptoco
cci、Veillnella及びその他の菌体の存在
も確認されている。
【0011】そして、歯周疾患及びその他の疾患の主原
因が、歯に付着した歯垢にあるので、歯周疾患等の防止
のためにも歯垢を抑制する殺菌剤等が歯磨剤に配合され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の歯磨剤は、口腔
衛生の実効の点からは、下記(1)〜(3)のような種
々の問題点を有するものであった。 (1)歯磨剤用の従来の殺菌剤(グルコン酸クロルヘキ
シジン、塩化セチルピリジニウム若しくはイソプロピル
メチルフェノ−ル)は、歯磨剤への配合が許容されては
いるが、人体の健康保持の点からは、人体への使用を控
えるべきであるとの問題点があった。 (2)歯垢等内での、ムシ歯原因菌、食物残渣及び唾液
有機質の活動によるグルカン(水不溶性で粘着性の物
質)及び乳酸の産生とその乳酸による歯の腐食の過程
は、従来の歯磨剤よれば、デキストラ−ゼ等の酵素によ
りグルカンに分解により阻止する方法が存在するだけで
あった。従って、一旦、グルカン分解による乳酸が口腔
中に発生すると、歯の腐食を阻止することができず、か
つ、口腔中のpHが異常になる等の問題点があった。 (3)従来の歯磨剤によっては、研磨剤によりある程度
の歯垢等を研磨剤により物理的に除去したとしても、ム
シ歯原因菌等の活動により残存する歯垢内等でグルカン
が産生されてしまうと、ムシ歯が生成する確率が高くな
るとの問題点があった。
【0013】そこで、本発明は、かかる問題点を解決し
て、下記(a)〜(e)等の特徴を有する歯磨剤(すな
わち、新しいタイプの歯磨剤)を提供すること、を目的
とする。 (a)歯磨剤成分が歯垢等から生ずるヒドロキシ酸(代
表的には、乳酸)と中和反応し、それによって、歯に腐
食を与える因子を直接的かつ直ちに除去して歯の腐食を
防止する等の特徴、(b)口腔内に発生するヒドロキシ
酸等の有機酸を中和して口腔内のpHを調整できる等の
特徴、(c)人体の健康にとつて有益となる物質により
口腔内細菌の増殖阻止が可能になる等の特徴、(d)口
腔内の粘膜をなめらかにし、かつ、潤いをもたせる等の
特徴、(e)歯磨剤全体を天然物から構成することが可
能になる等の特徴である。
【0014】
【課題を解決するための手段】第一の本発明(請求項1
に記載の本発明)による歯磨剤は、下式(1)で表され
る繰り返し単位の数nの平均値が2〜4,500の範囲
であるキトサンの一種若しくは二種以上が、潤性歯磨
剤、練歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液体歯磨剤に配合さ
れているものであること、を特徴とする。
【0015】
【化4】 第二の本発明(請求項2に記載の本発明)による歯磨剤
は、下式(1)で表される繰り返し単位の数nの平均値
が2〜150の範囲である低分子量キトサンが、潤性歯
磨剤、練歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液体歯磨剤に配合
されているものであること、を特徴とする。
【0016】
【化5】 第三の本発明(請求項3に記載の本発明)による歯磨剤
は、下式(1)で表される繰り返し単位の数nの平均値
が150を越えて4,500以下である高分子量キトサ
ンが、潤性歯磨剤、練歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液体
歯磨剤に配合されているいるものであること、を特徴と
する。
【0017】
【化6】
【0018】
【発明の実施の形態】
〔第一の本発明による歯磨剤〕第一の本発明による歯磨
剤は前述の構成からなるものである。第一の本発明を以
下に具体的に説明する。 〈キトサン〉キトサンは、キチンのアセトアミド基から
アセチル基がとれた2−アミノ−2−デオキシ−D−グ
ルコ−ス(式(1)の括弧内の化合物)がβ−1、4結
合した直鎖の多糖である。
【0019】下式(2)は、グルコサミンがβ−1、4
結合した状態を示している。2−アミノ−2−デオキシ
−D−グルコ−スはグルコサミンという慣用名で特定さ
れることが多い。本明細書においては、便宜上から、慣
用名である「グルコサミン」の用語を使用する。
【0020】
【化7】 キトサンは、工業的には、甲殻類等に広く存在するキチ
ンを濃アルカリ液で処理して脱アセチル化して得られて
いる。キトサンは、脱アセチル化度(すなわち、N−ア
セチルグルコサミンがグルコサミンになっている割合)
が約60%程度以上で100%未満のものが工業的に使
用されている。そして、特に、脱アセチル化度が70〜
85%程度(すなわち、キトサン含有量が70〜85%
程度)のものが実際的に多く用いられている。
【0021】本発明(第一〜第三の本発明)に用いるキ
トサンは、脱アセチル化度についてみれば、約60%程
度以上で100%未満のものが使用である。従って、本
発明の「キトサン」の用語は、脱アセチル化度について
みれば、約60%程度以上で100%未満の脱アセチル
化度のキトサンの意味で使用している。脱アセチル化度
が大きい場合には有機酸との反応性が大きくなるので、
本発明に使用のキトサンは、脱アセチル化度が約70%
以上であることが好ましい。
【0022】第一の本発明においては、式(1)で表さ
れる繰り返し単位の数nの平均値が2〜4,500の範
囲であるキトサンが歯磨剤に配合されている。なお、第
一の本発明においては、キトサンオリゴ糖と称されるこ
とがあるnの数が小さいキトサンを使用しても、本発明
による効果を享受可能であるところから、nの数が小さ
いキトサンをも包含するようにしている。
【0023】キトサンは分子量によって溶解性が変化す
ることが知られていて、分子量が大きいキトサンは、
水、有機溶媒及びアルカリ溶液に不溶で、無機酸及び有
機酸に可溶である。無機酸は、例えば、希塩酸及び希硝
酸等である。有機酸は、例えば、カルボン酸、置換カル
ボン酸、アミノ酸、酸性アミノ酸若しくはアスコルビン
酸等である。置換カルボン酸は、カルボン酸の母体の水
素を、ヒドロキシル基、アルコキシ基若しくはオキソ基
で置換したものである。
【0024】有機酸の具体例としては、例えば、酢酸、
クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルタミン酸若しくはアス
コルビン酸等がある。分子量が小さいキトサンは、一般
的に、水等に可溶である。キトサンは、ポリカチオンの
性質も有して凝集剤としての機能も有している(内田
泰:「キトサン」、日添協会報、VOL.7、NO.
8)。
【0025】キトサンは、工業的には、グルコサミンの
数(式(1)の数n)が相違するキトサンが或る範囲で
集まったもの(すなわち、分子量が相違するキトサンの
集合物)が、或るグレ−ドのキトサン(例えば、平均分
子量10,000のグレ−ドのキトサン)として取り扱
われている。
【0026】工業的に使用されているグレ−ドのキトサ
ンは、グルコサミンの数が、例えば、2〜10、15〜
20、150〜370、500〜750、1,200〜
3,200若しくは3,200以上のものが代表的であ
る。第一の本発明においては、グルコサミンの数(式
(1)の数n)の平均値が2〜4,500の範囲のキト
サンであれば、単一若しくは複数のグレ−ドのキトサン
を歯磨剤に配合することが可能である。グルコサミンの
数(式(1)の数n)の平均値が2以上のキトサンを使
用するのは、それ以上のグルコサミンが歯磨剤中に存在
していると、口腔中に発生する有機酸(代表的には、歯
垢から発生の乳酸)との中和反応が可能になるからであ
る。グルコサミンの数(式(1)の数n)の平均値が
4,500を越えるキトサンの使用を排除するのは、そ
れを越える分子量のキトサンは、口腔中に発生する有機
酸との中和反応の速度が遅くなるからである。
【0027】キトサンは、抗菌性及び殺菌性を有して、
細菌に対しては幅広い抗菌スペクトルを示すことが知れ
ている。キトサンの抗菌性については、例えば、大腸菌
の増殖に及ぼすキトサン濃度の影響を調べた実験では、
キトサン濃度0.02%以上の濃度では、大腸菌のの生
育が阻害されることが報告されている(内田 泰:「キ
トサン」、日添協会報、VOL.7、NO.8等参
照)。キトサンは、他のグラム陰性細菌及びグラム陽性
細菌等にたいしても同様の増殖抑制効果がある旨が報告
されている。
【0028】キトサンの殺菌性については、例えば、大
腸菌に対するキトサンの殺菌性を調べた実験では、条件
によっては、91%の殺菌率を示すことが報告されてい
る(内田 泰:「キトサン」、日添協会報、VOL.
7、NO.8等参照)。
【0029】従って、キトサンの配合により、その抗菌
性及び殺菌性を歯磨剤に付与することがが可能になる。
【0030】第一の本発明においては、キトサンと併用
してキトサンの有機酸塩を使用することができる。キト
サンの有機酸塩は、代表的には、カルボン酸、置換カル
ボン酸、アミノ酸若しくは酸性アミノ酸等である。キト
サンの有機酸塩の具体例としては、例えば、酢酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、乳酸、グルタミン酸若しくはアスコル
ビン酸等の塩がある。例えば、高分子量キトサンの有機
酸塩の併用して粘性を増大させ、それによって粘結剤の
低減をもたらす等が可能になる。第一の本発明において
は、低分子量キトサンを用いてもよく、低分子量キトサ
ンと高分子量キトサンを併用してもよく若しくは高分子
量キトサンを用いることもできる。
【0031】ただし、本発明の効果を享受する代表的な
具体例は、低分子量キトサンを一種若しくは二種以上を
用いる場合と低分子量キトサンと高分子量キトサンとを
併用する場合である。
【0032】なお、本発明においては、キトサンとし
て、単一若しくは集合物のいずれをも使用することが可
能である。又、キトサンの集合物は、同一分子量のキト
サンの集合物であること若しくは相違する分子量のキト
サンの集合物であることも可能である。そのために、本
発明のキトサンの「一種」は、単一のキトサンからなる
場合、同一分子量のキトサンの集合物からなる場合若し
くは相違する分子量のキトサンの集合物からなる場合が
ある。低分子量キトサン 低分子量キトサンは、グルコサミンの数(式(1)の数
n)の平均値が1〜150の範囲にあるものである。
【0033】キトサンは低分子量化により水に可溶にな
る。そこで、本発明においては、低分子量キトサンを歯
磨剤中の水分に溶解若しくはそれに近い状態で配合し
て、歯磨剤を使用した場合に低分子量キトサンがヒドロ
キシ酸等の有機酸と容易に反応させることができる。そ
のために、歯垢等内のグルカンから乳酸が産生すると、
直ちに、乳酸と低分子量キトサンとが中和反応して、そ
れによって、口腔内の酸度が減少して、歯の腐食因子が
直接的に減少することになる。従って、従来の歯磨剤で
は得られなったムシ歯予防効果が得られることになる。
【0034】又、口腔内に生じた有機酸の減少若しくは
消失により、口腔中のpHが正常に維持されることにな
る。しかも、キトサンは低分子量のものであっも、ある
程度の抗菌性を有しているので低分子量キトサンによっ
て口腔内細菌の増殖が抑制される。
【0035】なお、低分子量キトサンは、例えば、脱ア
セチル化度が例えば約80〜約85%程度であって、グ
ルコサミンの数(すなわち、式(1)のnの数)の平均
が10〜20程度のものは、淡黄褐色の粉体で、その5
重量%水溶液が5〜10cps程度の粘度を有してい
る。その少量を溶解した水溶液のpHは6〜8程度(ガ
ラス電極法による測定)である。又、精製品は、一般生
菌数が3×103 /g以下(標準寒天板培養法による測
定)で、太陽菌群が陰性(デゾキシコレ−ト培地培養法
による測定)に調整される。
【0036】キトサンの水可溶化については、分子量切
断によるオリゴマ−化、誘導体化(カルボキシメチルキ
トサン等)、脱アセチル化度の調整、親水基導入(親水
性ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンキトサン
等)、リン酸化及び硫酸化等の方法がある(特開昭62
−221615号公報参照)。低分子量化により水溶性
になっているキトサンは、口腔内に生じたヒドロキシ酸
との反応性(例えば、反応速度)において優れて、歯磨
剤に与える味質が良好である。高分子量キトサン 本発明の歯磨剤においては、高分子量キトサンの単独使
用若しくは併用が可能である。高分子量キトサンは、そ
の繰り返し単位であるグルコサミンの数(すなわち、式
(1)のn)の平均値が、150を越えて4,500未
満の範囲にあるものである。
【0037】高分子量キトサンは、水に難溶性若しくは
不溶性であって、繰り返し単位の数nが大きくなる程
(すなわち、分子量が高分子量化する程)に水への不溶
性が大きくなる。
【0038】しかし、高分子量キトサンについては、水
溶性有機酸(例えば、ヒドロキシ酸、酸性アミノ酸)と
塩を形成して水溶性化することができる。従って、高分
子量キトサンは、歯垢等内のグルカンから産生の乳酸に
は徐々に溶解して、歯垢等内のグルカンから産生の乳酸
との中和反応をより完全なものにする。そのために、高
分子量キトサンの配合によって、ムシ歯生成の阻止等が
より完全なものなる。高分子量キトサンは、細菌増殖の
阻止能力も備えているので、高分子量キトサンの配合に
よっても歯磨剤への細菌増殖阻止能力の付与が可能にな
る。
【0039】本発明の歯磨剤においては、歯磨剤の抗菌
性、有機酸の捕捉能力及びその他の因子から、高分子量
キトサンの配合の有無及び高分子量キトサンとの量的比
率を決めることができる。本発明の歯磨剤に配合の高分
子量キトサンについては、高分子量キトサンのみが配合
されている場合、高分子量キトサン及び低分子量キトサ
ンが併用されている場合がある。
【0040】なお、キトサン全体の配合量は、0.01
〜10.00重量%(歯磨剤全体の重量基準)、好まし
くは0.05〜5.00重量%、さらに好ましくは0.
10〜1.00重量%である。 〈歯磨剤〉本発明の対象となる歯磨剤は、潤性歯磨剤、
練歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液体歯磨剤(いわゆる、
洗口剤)等である。それらは、一般に、潤性歯磨剤、練
歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液体歯磨剤であると認めら
れるものであれば、種々の態様及び種類のものに本発明
を適応するすることができる。従って、例えば、本発明
の「練歯磨剤」には、半練歯磨剤と一般に称されるもの
も包含される。又、キトサン配合の効果を特に減少させ
ることがない限り、潤性歯磨剤、練歯磨剤、液状歯磨剤
若しくは液体歯磨剤に配合する成分の種類において特に
制約がない。なお、歯磨剤は、それが、練歯磨剤である
場合に本発明による効果を最大に享受することが可能と
なる。
【0041】又、本発明の歯磨剤においては、キトサン
配合による本来的な効果(乳酸中和作用及び抗菌作用
等)に加えて、キトサンが有するそれ以外の種々の作用
(例えば、甘味剤としての作用等)を歯磨剤に付与する
することが可能である。配合されている特有の成分との
間で特有の効果を生じさせることができる。
【0042】発明の各歯磨剤は、代表的には、研磨剤の
含有量の数値によって区分することができる。すなわ
ち、研磨剤70%前後が潤性歯磨剤、研磨剤が60%以
下が練歯磨剤、低粘度液状剤型が液状歯磨剤及び研磨剤
無配合型が液体歯磨剤になる区分である。ただし、本発
明の歯磨剤においては、水分が存在する場合は、研磨剤
の量が少なくても本発明の効果を享受することが可能で
ある。従って、研磨剤含有量が60%を越えるものであ
っても、本発明の練歯磨剤の範囲に入れることが可能で
ある。
【0043】本発明においては、歯磨剤は、基本的に
は、研磨剤、発泡剤、粘結剤、香味剤、湿潤剤及び保存
剤等の各成分が配合されているものである。本発明の歯
磨剤に配合する研磨剤については、特に制約がなく、歯
磨剤の研磨剤として用いられるものであれば、いずれも
使用可能である。
【0044】歯磨剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、ピロリン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リ
ン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム・無水和
物、リン酸水素カルシウム・2水和物、不溶性メタリン
酸ナトリウム、沈降性シリカ、アルミノケイ酸塩、酸化
アルミニウム、炭酸マグネシウム及び第三リン酸マグネ
シウム等が挙げられ。特に本発明の歯磨剤においては、
キチンを研磨剤として配合し、キチンにスクラブ剤の役
割をもさせ得ることが本発明で見いだされている。又、
キチンを歯磨剤に配合することにより、独自の天然の甘
みを歯磨剤に与え得ることも本発明で見いだされてい
る。
【0045】歯磨剤に配合するキチンは、その繰り返し
単位数が150〜4,500で、30〜200メッシュ
(好ましくは、80〜100メッシュ)であれば、歯磨
剤に配合してそのような効果の享受の容易であることも
本発明で見いだされている。なお、キチンの繰り返し単
位は、式(1)のNH2 基がNHCOCH3 基に変わっ
ているものである。
【0046】発泡剤は、発泡性、分散性、懸濁性、浸透
性及び洗浄性等に優れている界面活性剤が一般に使用さ
れている。本発明の歯磨剤においても発泡剤の使用が可
能である。発泡剤の使用によってキトサンの効果をより
向上させる得るからである。界面活性剤としては、一般
的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシ
ンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤ
シ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム及びシ
ョ糖脂肪酸エステル等が使用される。
【0047】本発明の歯磨剤は、キトサンの配合によっ
て歯磨剤の清浄効果が向上するので、発泡剤の配合を少
なくすることも可能である。しかも、本発明の歯磨剤
は、それが、発泡剤の配合をしない歯磨剤(いわゆる、
発泡剤無添加歯磨剤、ノンフォ−ムハミガキ)である場
合においても、優れた清浄効果が期待される。
【0048】歯磨剤においては、粉末成分と液体成分と
の分離を防止して適度の粘弾性と形態性を歯磨剤に付与
するために、粘結剤が歯磨剤されている。本発明の歯磨
剤においても、歯磨剤の粘結剤として使用可能なもので
あれば、いずれも使用可能である。粘結剤としては、例
えば、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−
ス、カルボキシメチルセルロ−スアルカリ塩、カラギ−
ナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム若しくは
トラガントガム等の有機天然物系粘結剤、ポリビニルア
ルコ−ル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシ
ビニル若しくはポリビニルピロリドン等の合成高分子量
系粘結剤及びその他がある。
【0049】なお、水溶性有機酸と高分子キトサンの使
用により歯磨剤の粘性が増大するので、そのような場合
には、粘結剤(特に、無機物系粘結剤)の低減をもたら
すことが可能である。
【0050】本発明の歯磨剤においては、これら粘結剤
の一種若しくは二種以上の配合が可能であるが、有機若
しくは無機の天然物系粘結剤を配合することにより、歯
磨剤全体を天然物で構成することが可能となる。又、高
分子量キトサンの配合により歯磨剤の粘結剤の配合量を
低減することも可能になる。
【0051】本発明の歯磨剤においては、キトサンの原
料に由来の渋味(特に、高分子量キトサン由来の渋み)
を香味剤(香料及び甘味料)の配合により緩和すること
ができる。
【0052】本発明の歯磨剤に配合する香料は、例え
ば、ペパ−ミント、スペアミント、メント−ル、カルボ
ン若しくはアネト−ル等が挙げられる。甘味料として
は、ステビオシド、グリセリン、ソルビト−ル、グルチ
ルリチン酸塩等の天然物系甘味料、及びサッカリンナト
リウム、及びアスパルテ−ム等の合成物系甘味料等が挙
げられる。なお、キチンオリゴマ−を甘味料の補助剤と
して用いることも可能である。
【0053】しかし、本発明の歯磨剤は、天然物である
キトサンが配合されているので、他の成分についても天
然物を配合して、それによって、歯磨剤全体を天然物で
構成して、かつそれが従来の歯磨剤が有しない新しい機
能を発揮するものにすることが可能となる。
【0054】本発明の歯磨剤には、プロピレングリコ−
ル、グリセリン及びソルビト−ル等の一般的な湿潤剤を
配合することができる。ただし、キトサン自体が湿潤剤
の役割を果たすので、従来の湿潤剤を低減することが可
能になる。
【0055】本発明による歯磨剤の好適な代表例は、歯
磨剤のキトサンを含めた成分全体が天然物からなる歯磨
剤である。研磨剤はその多くが天然物である。従って、
天然物の研磨剤、有機天然物系若しくは無機天然物系の
粘結剤、ペパ−ミント、スペアミント、メント−ル、カ
ルボン若しくはアネト−ル等の天然物系の香料、ステビ
ア粉末、ステビア抽出液(ステビアエキス)、グリセリ
ン、ソルビット及びソルビト−ル等の天然物系甘味料及
び本発明の、低分子量キトサン、高分子量キトサンから
なるキトサン及び水等とから容易に全体が天然物からな
る歯磨剤にすることができる。
【0056】しかも、キトサンは天然の甘味剤としての
機能を有しているので、例えば、塩配合歯磨剤(例え
ば、約8%の塩配合歯磨剤)にキトサンを配合して、塩
配合歯磨剤特有の塩辛さをキトサンにより軽減して歯磨
剤の使用感を向上させる等の付加的効果をも得ることが
できる。 〔第二の本発明による歯磨剤〕第二の本発明は、グルコ
サミンの数(すなわち、式(1)のn)の平均値が2〜
150の範囲にある低分子量キトサンが配合されている
歯磨剤である。
【0057】第二の本発明は、低分子量キトサンが有す
る利点が付加された歯磨剤である。低分子量キトサン
は、水に対する溶解性が大きいので、水分含量が小さい
歯磨剤でも、キトサンを十分に配合することが可能であ
る。又、水系の歯磨剤(例えば、洗口剤)では、任意の
量(例えば、多量)のキトサンを配合するが可能であ
る。
【0058】第二の本発明の代表的な歯磨剤は、洗口剤
等の水系歯磨剤である。なお、洗口剤は、水歯磨若しく
はマウスウォッシュと称されているもので、適量を口に
含んで口腔内を清浄にした後で吐き出して使用するもの
である。洗口剤は、水、溶剤、湿潤剤、可溶化剤、香味
剤、保存剤、着色剤、pH調整剤及び薬効成分からなる
のが一般的である。そして、洗口剤は、低分子量キトサ
ンの配合により従来の洗口剤にはない効能を備えたもの
にすることができる。キトサンの配合量は、前述の範囲
と同様にすることが可能である。〔第三の本発明による
歯磨剤〕第三の本発明は、グルコサミンの数(すなわ
ち、式(1)のn)の平均値が150を越えて4,50
0以下である高分子量キトサンが配合されている歯磨剤
である。
【0059】第三の本発明は、高分子量キトサン又は/
及びその有機酸塩を配合することによって、それらが有
する利点が付加された歯磨剤にしたものである。高分子
量キトサンは、水に不溶若しくは難溶であるが有機酸
(例えば、リンゴ酸等のヒドロキシ酸)には可溶であ
る。歯磨剤に配合された高分子量キトサンは、乳酸と反
応して徐々に溶解することになる。又、高分子量キトサ
ン及びその有機酸塩は抗菌性が大きいので、抗菌性にお
いて優れる歯磨剤にすることが可能である。
【0060】次に、本発明による歯磨剤を実施例に基づ
いて具体的に説明するが、実施例は例示であって本発明
を拘束するものではない。
【0061】
【実施例】
〈実施例1〉練歯磨剤に対するキトサン配合の影響を調
べるために、基準となる練歯磨剤を調製した。基準練歯
磨剤は、その配合組成を一般的な練歯磨剤と同様にし
た。
【0062】 この基準練歯磨剤の1.5グラムを精製水50グラムに
溶解した水溶液のpHは6.7(室温)であった。この
基準練歯磨剤1.5グラムを乳酸0.01%水溶液50
グラムに溶解の水溶液のpHは5.8(室温)であっ
た。なお、0.01%の乳酸水溶液のpHは2.6(室
温)であった。 〈実施例2〉キトサン(平均分子量2,500、(株)
共和テクノス製のフロ−ナックS(商品名))の0.7
重量%を実施例1の基準練歯磨剤の配合組成に加えたキ
トサン含有の練歯磨剤を調製した。なお、キトサンを
0.7重量%を加える代わりに精製水を0.7重量%少
なくしておいた。実施例2で調製の練歯磨剤1.5グラ
ムを乳酸0.01%水溶液50グラムに溶解した水溶液
のpHは6.5(室温)であった。 〈実施例3〉キトサン(平均分子量1000、キトサン
オリゴ糖)の0.2重量%及びキトサン(平均分子量
2,500、(株)共和テクノス製のフロ−ナックS
(商品名))の0.3重量%を実施例1の基準練歯磨剤
の配合組成に加えたキトサン含有の練歯磨剤を調製し
た。なお、キトサンを0.5重量%を加える代わりに精
製水を0.5重量%少なくしておいた。
【0063】実施例3で調製の練歯磨剤1.5グラムを
乳酸0.01%水溶液50グラムに溶解した水溶液のp
Hは6.4(室温)であった。 〈実施例4〉キトサン(平均分子量2,500、(株)
共和テクノス製のフロ−ナックS(商品名))の0.3
重量%及びキトサン(平均分子量100,000、
(株)共和テクノス製のフロ−ナックHL(商品名))
の0.3重量%を実施例1の基準練歯磨剤の配合組成に
加えたキトサン含有の練歯磨剤を調製した。なお、キト
サンを0.6重量%を加える代わりに精製水を0.6重
量%少なくしておいた。
【0064】実施例4で調製の練歯磨剤1.5グラムを
乳酸0.01%水溶液50グラムに溶解した水溶液のp
Hは6.3(室温)であった。 〈実施例5〉キトサン(平均分子量300,000、
(株)共和テクノス製のフロ−ナックH(商品名))の
剤を調製した。なお、キトサンを0.5重量%を加える
代わりに精製水を0.5重量%少なくしておいた。
【0065】実施例4で調製の練歯磨剤1.5グラムを
乳酸0.01%水溶液50グラムに溶解した水溶液のp
Hは6.2(室温)であった。以上の実施例2〜5にお
いて調製の微量のキトサンを含有の練歯磨剤は、一般的
な成人の一回の平均使用量(1.5グラム)によって
も、乳酸を中和して、乳酸が存在しない状態のときの水
溶液のpHの6.7に近付いていた。
【0066】又、キトサンは高分子量のものでも乳酸を
中和する能力があり、キトサンの配合料を僅かでも大き
くると、乳酸を中和する能力が向上しているのがわかっ
た。 〈実施例6〉洗口剤に対するキトサン配合の影響を調べ
るために、基準となる洗口剤を調製した。基準洗口剤
は、その配合組成を一般的な洗口剤と同様にした。
【0067】 この基準洗口剤のpHは6.8(室温)であった。 〈実施例7〉キトサン(平均分子量2,500、(株)
共和テクノス製のフロ−ナックS(商品名))の0.5
重量%を実施例6の基準洗口剤の配合組成に加えたキト
サン含有の洗口剤を調製した。なお、キトサンを0.5
重量%を加える代わりに精製水を0.5重量%少なくし
ておいた。実施例7で調製の洗口剤10グラムを乳酸
0.01%水溶液40グラムに混合した水溶液のpHは
6.5(室温)であった。 〈実施例8〉キトサン(平均分子量1000、キトサン
オリゴ糖)の0.2重量%及びキトサン(平均分子量
2,500、(株)共和テクノス製のフロ−ナックS
(商品名))の0.3重量を実施例6の基準洗口剤の配
合組成に加えてキトサン含有の洗口剤を調製した。な
お、キトサンを0.5重量%を加える代わりに精製水を
0.5重量%少なくしておいた。実施例8で調製の洗口
剤10グラムを乳酸0.01%水溶液40グラムに混合
した水溶液のpHは6.5(室温)であった。 〈実施例9〉キトサン(平均分子量2,500、(株)
共和テクノス製のフロ−ナックS(商品名))の0.3
重量%、及びキトサン(平均分子量100,000、
(株)共和テクノス製のフロ−ナックHL(商品名))
とL−アスコルビン酸とが1:1の混合物の0.2重量
とを実施例6の基準洗口剤の配合組成に加えてキトサン
含有の洗口剤を調製した。
【0068】なお、キトサンを0.5重量%を加える代
わりに精製水を0.5重量%少なくしておいた。実施例
9で調製の洗口剤10グラムを乳酸0.01%水溶液4
0グラムに混合した水溶液のpHは6.2(室温)であ
った。 〈実施例10〉実施例2〜5で調製のキトサン含有の練
歯磨剤、及び実施例7〜9で調製のキトサン含有の洗口
剤について、感触及び味等についての官能試験をした。
【0069】官能試験は、50人の男女のパネル(評価
対象者)について行った。パネルには、練歯磨剤及び洗
口剤の味及び感触の微細な相違が識別できる者を選定し
た。練歯磨剤についての官能試験は、市販の代表的な5
種類の練歯磨剤との対比して行った。低分子量キトサン
配合の実施例1〜8の歯磨剤は、基準配合と同様の味で
あるとする回答が多かった。高分子量キトサン配合の実
施例9の歯磨剤は、やや渋みが感じられるとする回答が
多かった。感触は、実施例1〜9の歯磨剤が基準配合と
同様であるとする回答が多かった。
【0070】
【発明の効果】第一の本発明によれば、歯を腐食させる
ヒドロキシ酸等の有機酸と中和反応して、歯に腐食を与
える因子を直接的に減少させ、口腔内のpHが正常にな
るように作用して、それに加えて、細菌(代表的には、
口腔内細菌)の増殖阻止作用が天然物から得られている
歯磨剤が得られる。
【0071】さらに、第一の本発明によれば、歯磨剤全
体が天然物からなる歯磨剤にできる等の従来の歯磨剤に
は存在しなかった効果が得られる。
【0072】第二の本発明によれば、洗口剤等の水系の
歯磨剤についても、第一の本発明と同様の効果が容易に
得られる。
【0073】第三の本発明によれば、第一の本発明と同
様の効果が得られる、かつ、抗菌性に優れた歯磨剤が得
られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月26日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】歯磨剤に配合するキチンは、その繰り返し
単位数が150〜4,500で、30〜200メッシュ
(好ましくは、80〜100メッシュ)であれば、歯磨
剤に配合してそのような効果の享受の容易であることも
本発明で見いだされている。なお、キチンの繰り返し単
位は、式(1)のNH基がNHCOCH基に変わっ
ているものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(1)で表される繰り返し単位の数n
    の平均値が2〜4,500の範囲であるキトサンの一種
    若しくは二種以上が、潤性歯磨剤、練歯磨剤、液状歯磨
    剤若しくは液体歯磨剤に配合されていること、を特徴と
    する歯磨剤。 【化1】
  2. 【請求項2】下式(1)で表される繰り返し単位の数n
    の平均値が2〜150の範囲である低分子量キトサン
    が、潤性歯磨剤、練歯磨剤、液状歯磨剤若しくは液体歯
    磨剤に配合されていること、を特徴とする歯磨剤。 【化2】
  3. 【請求項3】下式(1)で表される繰り返し単位の数n
    の平均値が150を越えて4,500以下である高分子
    量キトサンが、潤性歯磨剤、練歯磨剤、液状歯磨剤若し
    くは液体歯磨剤に配合されていること、を特徴とする歯
    磨剤。 【化3】
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