JPH09243792A - 放射線遮蔽体、並びにこの遮蔽体を有するビーム輸送管,ビームストッパ、及びコリメータ - Google Patents

放射線遮蔽体、並びにこの遮蔽体を有するビーム輸送管,ビームストッパ、及びコリメータ

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JPH09243792A
JPH09243792A JP5286996A JP5286996A JPH09243792A JP H09243792 A JPH09243792 A JP H09243792A JP 5286996 A JP5286996 A JP 5286996A JP 5286996 A JP5286996 A JP 5286996A JP H09243792 A JPH09243792 A JP H09243792A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新たに放射線の波動的性質を考慮した光学的手
法を導入することによって、遮蔽設備の性能の向上及び
経済性の向上を図ること。 【解決手段】X線源1から放出されるX線ビーム2は、
その周囲を取り囲んだ光学遮蔽体3によって遮蔽され
る。この光学遮蔽体3は、入射X線を反射・散乱させる
多層の遮蔽物質層5,散乱X線を遮蔽体全体に素速く分
散させる層間空隙4、及び、多重散乱したX線を遮蔽体
内に閉じ込め吸収させるための遮蔽体の外表面を覆う吸
収性物質層6から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線遮蔽体、並び
にこの遮蔽体を有するビーム輸送管,ビームストッパ、
及びコリメータに係り、特に、放射線を発生・利用する
加速器,核融合,原子力,医療機器,工業応用,基礎研
究分野の放射線遮蔽技術に好適な放射線遮蔽体、並びに
この遮蔽体を有するビーム輸送管,ビームストッパ、及
びコリメータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線遮蔽設計は、取り扱う放射
線のエネルギーが高くビーム透過力が強いので、モンテ
カルロ法などの放射線の粒子的挙動を記述した設計理論
を用いて実施されている。また、一般に既設の遮蔽体
は、放射線発生源を単層又は多層密着の吸収性物質で取
り囲んだ単純な構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、加速器,核融合
装置,放射光発生装置などの大型化にともない、従来の
レベルを越える高エネルギー・高強度の放射線が発生す
るようになった。そのため、これらの放射線防護用の遮
蔽設備が大型化することになり、さらなる遮蔽技術の高
性能化及びコストダウンが要求されることとなった。
【0004】しかしながら、従来の粒子的取り扱い手法
による放射線遮蔽解析方法は、既に高度化されており、
この粒子的手法の延長上での大幅な遮蔽性能の向上への
アプローチは相当の困難をともなうと考えられる。
【0005】本発明の目的は、従来の考え方と異なり、
新しく放射線の波動的性質を考慮した光学的手法(以
下、光学的遮蔽法と略称する)の導入によって、遮蔽設
備の性能の向上及び経済性の向上を図ることのできる放
射線遮蔽体、並びにこの遮蔽体を有するビーム輸送管,
ビームストッパ、及びコリメータを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】遮蔽体を光学的に機能さ
せるため、遮蔽物質層を多層構成とし、下記の3種類の
解決手段を採用した。
【0007】(1)遮蔽物質層間に真空又はガスの空隙
層を設ける。(2)遮蔽物質層材として、散乱性物質と
吸収性物質を組み合わせた複合構成材を使用する。
(3)多層遮蔽物質層の表面を吸収性物質で覆う。
【0008】次に、光学的遮蔽法の実用化の観点からす
れば、多層遮蔽体をセグメント化すればよく、また、遮
蔽構造物の製作・施工上の留意点として、遮蔽体の電位
固定も考慮した。
【0009】さらに、ビーム応用装置の主要要素機器に
ついては、光学的遮蔽法の原理をビーム輸送管,ビーム
ストッパ、及びコリメータに適用した。
【0010】まず、本発明の原点となった放射線の光学
的遮蔽法の基本的な考え方について、高エネルギーX線
の遮蔽を例にとって説明する。放射線の種類は、X線,
電子線,重粒子線,中性子線や、放射性物質から放射さ
れるα線,β線,γ線などがあるが、以降の説明のほと
んどは、放射線の代表例としてX線を取り上げ詳述す
る。
【0011】X線ビームが遮蔽物質層を通過する際、遮
蔽物質との衝突によって、X線の吸収,散乱,透過現象
を起こす。これらの現象の中で散乱現象に注目すると、
下記に示すごとく、左辺の粒子的描像を、右辺の光学的
描像に置き換えて考えることができる。
【0012】 前方散乱X線エネルギー束 ⇔ 屈折透過光 後方散乱X線エネルギー束 ⇔ 反射光 この光学的類推の基で遮蔽設計が可能であるという発想
の転換に、はじめて気がついたことが、本発明の発端で
ある。
【0013】次に、光学的遮蔽法が有効に機能するため
には、反射,屈折現象を司る散乱性物質と吸収現象を司
る吸収性物質の選択が重要である。これらの現象を起こ
す割合は、物質の種類やX線エネルギーによって変化す
る。本発明の利用対象となるCT装置や放射光装置など
で用いられるX線エネルギー範囲は、数keV〜数Me
Vである。この領域におけるX線の物質通過に関係する
主な原因はコンプトン効果であるから、遮蔽物質の真の
散乱と吸収の割合とX線エネルギーとの関係は計算によ
って求めることができ、散乱性物質と吸収性物質との選
択が可能である。
【0014】例えば、重い元素である鉛(Pb)やタン
グステン(W)は、X線エネルギー1MeV程度以下で
吸収性物質として取り扱える。一方、中量の元素である
鉄(Fe)は、70〜80keV程度以上では散乱性物
質としての働きを示すが、それ以下のエネルギー領域で
は吸収性物質としての働きが顕著となる。さらに、元素
が軽くなるにつれて、散乱性物質としての働きから吸収
性物質としての働きへのX線エネルギーの転換点が、ア
ルミニウム(Al)では20〜30keV程度、炭素
(C)では10数keV程度と順次低下して行くことが
わかる。これらの性質を理解することによって、利用対
象設備に適した散乱性物質と吸収性物質の選択が可能と
なる。なお、散乱性物質と吸収性物質の分類は、元素固
有の性質ではないことに留意する必要がある。
【0015】光学的遮蔽法とは、多層遮蔽体に放射線の
反射,吸収などの光学的特性を有効に機能させることに
よって、遮蔽性能を向上させる方法であり、以下、各請
求項に示した手段の働きについて述べる。
【0016】請求項1に記載の多層構成の放射線遮蔽体
において、各遮蔽物質層間への真空又はガスの空隙層設
置により、入射した放射線エネルギーの一部は物質層で
散乱現象によって反射し、空隙層に放出される。空隙は
放射線エネルギーを光速、又は粒子の速度で運ぶ能力の
ある媒質であるから、空隙層の役割は、散乱された放射
線エネルギーを遮蔽体内全体に非常に速く分散,平均化
する働きをすることといえる。
【0017】請求項2に記載の多層遮蔽体内蔵の各遮蔽
物質層構成材の働きについては、まず、散乱性物質を用
いることにより、放射線ビームの反射特性を向上させ、
空隙層に放出する放射線エネルギー量を増加させるとと
もに、衝突散乱により放射線エネルギーを低下させる役
割をする。次に、散乱/吸収性複合構成材の選択使用に
より、遮蔽物質層の放射線の反射・吸収特性を加減制御
できるので、対象製品仕様に合うよう最適化が可能とな
る。また、複合構成材に少量内蔵された吸収性物質は低
エネルギー散乱放射線を効率良く捕獲する働きをする。
【0018】請求項3に記載の多層遮蔽体の最外層を構
成し、外表面を囲む吸収性物質の働きについては、低エ
ネルギー放射線を遮蔽体内部に閉じ込め、外部に漏洩す
る放射線量を低減する役割をになっている。
【0019】請求項4に記載の遮蔽材セグメントは、上
述の光学遮蔽法の機能を一体化した遮蔽構造物の要素部
品であり、これを組み合わせて遮蔽設備を構築すること
によって、遮蔽設備の修理・改造・廃棄が容易となる。
【0020】請求項5に記載の遮蔽体の電位固定法は、
各層を構成する導電性物質を共通接地することによっ
て、遮蔽体の内蔵材料が浮遊電位を持つ蓄電現象の発生
による障害を防ぐ働きをする。また、各遮蔽物質層の材
料として、磁性材料,導電性材料,絶縁材料を使用目的
に応じて適切に選択すると、磁気遮蔽や静電遮蔽も兼ね
ることができる。
【0021】放射線発生・利用装置の要素機器である、
請求項6に記載のビーム輸送管、請求項7に記載のビー
ムストッパー、及び請求項8に記載のコリメータへの多
層遮蔽体の採用は、遮蔽性能向上のための光学的遮蔽法
の原理の応用例である。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に、多層構成のX線遮蔽体に
関する光学的遮蔽法の第1の実施例を示す。該図に示す
ごとく、X線源1から放出されるX線ビーム2は、その
周囲を取り囲んだ光学遮蔽体3によって遮蔽される。こ
の光学遮蔽体3は、層間空隙4,多層の遮蔽物質層5、
及び外表面を覆う吸収性物質層6から構成されている。
この遮蔽物質層5の材料として散乱特性の良いものを選
ぶことにより、反射される散乱X線ビームを後方(放射
線源方向)に追い返すとともに、層間空隙4にて多重衝
突させエネルギーを減衰し、周辺の物質層に効率良く捕
獲することができる。また、最外層の吸収性物質層6付
近では、散乱X線のエネルギーも相当低下しているの
で、その物質層厚みを節約することができる。なお、各
遮蔽物質層5の層厚は、設計上の代表的X線エネルギー
(例えば入射X線エネルギー)の1mfp(平均自由行
路)程度を考えている。
【0023】図2に、光学遮蔽体の詳細構造例を示し、
併せてその機能を説明する。先ず、遮蔽物質第1層5a
は、単一元素構成材を使用した例で、通常は散乱性物質
を使用する。しかし、放射線源側の内部空間のバックグ
ラウンド放射線量を下げる必要がある場合は、第1層材
として吸収性物質を使用することもある。次に、遮蔽物
質第2層5bに示したものは、散乱/吸収性物質の二層
複合構成材を使用した例である。X線入射側に散乱性物
質板を用い層間空隙4への反射効率をあげるとともに、
後に薄い吸収性物質板を密着させることによって多重散
乱されたX線を捕獲するようにしている。
【0024】この二層複合構成材の採用によって、散乱
性物質を用いた単一元素構成材を使用した場合に比べ
て、大幅な遮蔽性能の向上と遮蔽材料の使用量の節約が
できることが、本発明の考察の過程で理論的・実験的
(後述)に証明されている。つづく、遮蔽物質第3層5
cに示したものは、散乱/吸収/散乱性物質の三層複合
構成材の使用例である。これは、複合構成材両端の層間
空隙4への反射効率の増加をねらったところに特徴があ
る。
【0025】図2の層間空隙4の下部に示した多孔散乱
・吸収性物質7は、層間空隙4内で多重反射してエネル
ギーの低下したX線を反射・捕獲するためのもので、多
孔物質の採用も請求項1に記載の空隙層設置の実施例の
一つである。また、遮蔽物質層の表面に凹凸をつけてX
線の反射効率を上げるような試みも本発明の範疇であ
る。
【0026】図3は、遮蔽材セグメントの実施例の一つ
である。遮蔽材セグメント8は、層間空隙4付き多層の
遮蔽物質層5の周囲を吸収性物質6で取り囲んだ、前述
の光学遮蔽体を一体化したものである。図3は、多数の
遮蔽材セグメント8を組み合わせて大きい遮蔽壁を構成
した例である。各遮蔽材セグメント8は、吸収性物質の
充填剤9を用いて放射線の漏洩を防ぐようになってい
る。
【0027】このような遮蔽材セグメント8は、板状の
遮蔽材料を組み合わせて、建築用資材と同様の製法で工
場生産できるので、品質の良い遮蔽ボードとして製作す
ることができる。また、脱着自由の遮蔽ボードの採用に
より、遮蔽設備の修理・改造・廃棄が容易となるなどの
利点をもつことができる。また、放射線のエネルギーが
低い場合は遮蔽物質層5の厚さが薄くなるので、遮蔽材
セグメント8は、ポリエチレンシートとAl箔シートな
どを組み合わせた遮蔽シートや遮蔽テープとして製作す
ることができる。これらは放射線利用機器の隙間からの
放射線防護に有効である。
【0028】一方、遮蔽物質層5の複合構成材の製作法
に関連して、板やシート状の物質の単なる組み合わせ構
造だけでなく、例えば、ポリエチレンシートにAlやF
eの薄膜を蒸着するなど、最新の薄膜積層技術を用いて
製作する多層複合構成材の利用等も本発明の範疇に入
る。また、遮蔽構造物に内蔵する遮蔽物質層5などを構
成する導電性物質は、そのまま放置すると浮遊電位を持
ち、蓄電による放電現象の発生などの障害を起こすこと
がある。この障害は、各々の導電性物質を共通接地する
ことによって防止することができる。これも本発明の範
囲内である。
【0029】図4〜図6は、放射線発生・利用装置の要
素機器への光学的遮蔽法の応用例である。
【0030】まず、図4は、加速器等のビーム輸送管1
0に適用した例である。ビーム輸送管10は、内管の中
を真空にした二重管構成であり、その中を高エネルギー
のX線又は荷電粒子ビーム11が走っている。このX線
・粒子ビームが輸送管内を走行中に発散したビームの一
部が内管に衝突しX線を散乱・放出する。輸送管10の
内、外管の間を上述した層間空隙4,遮蔽物質層5,吸
収性物質6とすることによって、このビーム輸送管10
は放射線遮蔽を兼用できる。
【0031】図5は、1MeVを越えるような高エネル
ギーのX線などのビームストッパに適用した例である。
この場合、入射X線ビーム2の物質透過力が強いので、
ビーム照射面前方のみPbやWなどの重い元素の吸収性
遮蔽物質12を用いて、短い距離で入射X線の透過力を
おさえる構成になっている。そして、ビーム照射面から
外れた側面部、および終端部のエネルギーの低下した散
乱X線が主力の外周部分に上述した層間空隙4,遮蔽物
質層5,吸収性物質6を採用することによって、ビーム
ストッパ全体のコンパクト化を図っている。
【0032】図6は、X線CT装置のコリメータに適用
した例である。高速の電子線ビーム13を標的物質14
に衝突させ、高エネルギーのX線を発生する。この高エ
ネルギーのX線ビーム2を指定方向に放出させるためコ
リメータ16が設置されている。このコリメータ16
は、高エネルギー透過X線の遮蔽も必要であるので、P
bやWなどの重い元素の吸収性遮蔽物質を用いている。
一方、散乱したX線を遮蔽するため、コリメータ16の
周囲を上述した層間空隙4,遮蔽物質層5,吸収性物質
6で覆って、全体として効率のよい遮蔽システムを構成
している。
【0033】以下、実験例について説明する。光学的遮
蔽法の原理検証をするため、下記の実験を行った。
【0034】図7に、実験システムの構成を示す。X線
発生装置17のX線管球に150kVの高電圧を印加し、
最高150keVのX線ビーム2を発生させ、光学遮蔽
体3に入射した。この光学遮蔽体3は、層間空隙4,多
層の遮蔽物質層5、及び外表面を覆う吸収性物質層6か
ら構成されている。光学遮蔽体3を通過したX線ビーム
2の線量を測定するため、PN接合型シリコン半導体検
出器18及びX線フィルム19を配置した。
【0035】遮蔽物質層5の材料については、散乱性物
質としてAlを、吸収性物質としてFeを選択し、複合
構成材はAl/Fe複合構成材とした。なお、各遮蔽物
質層5の層厚は、いずれも150kVのX線エネルギーに
おける1mfp とした。
【0036】まず、3層構成の純Al遮蔽体を用いて、
空隙効果確認試験を行った結果を図8に示す。Al遮蔽
物質層を密着状態から、層間空隙を広げるにつれて、遮
蔽体を通過するX線線量率が低下し、空隙効果のあるこ
とが確認できた。
【0037】次に、多層遮蔽体の光学遮蔽効果の確認試
験を、5層構成の純Al遮蔽体、純Fe遮蔽体、及びA
l/Fe複合遮蔽体(ただし、第1層は純Al層)の3
種類について実施した。
【0038】表1に、各種遮蔽体通過後のX線線量率比
について、半導体検出器及びX線フィルムで計測した測
定値と、事前に計算した理論予測値を示した。これらの
測定結果は、理論的予測の結果と良く一致しており、光
学遮蔽効果の有効性が実証できた。また、本発明の特徴
の一つである散乱/吸収性複合構成材の遮蔽性能の良さ
も明らかとなった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、従来の粒
子的取り扱いによる遮蔽法と異なり、放射線の反射吸収
などの光学的特性を機能させた空隙を含む多層遮蔽体の
採用したものであるから、遮蔽体に入射した放射線エネ
ルギーを、散乱性物質や空隙によって、そのエネルギー
を下げながら遮蔽体内全体に分散し、その後吸収性物質
に吸収させ閉じ込めて、外部への漏洩をできるだけ少な
くすることが可能となり、この光学的遮蔽の採用によっ
て、従来方式を上回る遮蔽性能の向上が期待でき、ま
た、遮蔽物質の種類や配置の選択の幅が拡大するため、
経済性の向上も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線遮蔽体の一実施例を示す断面図
である。
【図2】図1の詳細構造を示す部分断面図である。
【図3】本発明の放射線遮蔽体の応用例の一つで、多数
の光学遮蔽体を組み合わせた遮蔽材セグメントを一部断
面して示す側面図である。
【図4】本発明の放射線遮蔽体を採用したビーム輸送管
を示す斜視図である。
【図5】本発明の放射線遮蔽体を採用した放射線ビーム
ストッパを示す断面図である。
【図6】本発明の放射線遮蔽体を採用したX線CT装置
コリメータを示す断面図である。
【図7】本発明の光学的遮蔽法の原理検証をするための
実験システムを示す断面図である。
【図8】本発明空隙効果を確認した試験の結果を示す特
性図である。
【符号の説明】
1…X線源、2…X線ビーム、3……光学遮蔽体、4…
層間空隙、5…遮蔽物質層、6…吸収性物質層、7…多
孔散乱・吸収性物質、8…遮蔽材セグメント、9…充填
剤、10…ビーム輸送管、11…荷電粒子ビーム、12
…吸収性遮蔽物質、13…電子線ビーム、14…標的物
質、16…コリメータ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線発生源を取り囲む多層の遮蔽物質か
    ら構成される放射線遮蔽体において、 前記各遮蔽物質層間に真空、又はガスの空隙層を設けた
    ことを特徴とする放射線遮蔽体。
  2. 【請求項2】前記各々の遮蔽物質層を、放射線散乱性物
    質、又は吸収性物質の単一元素構成材、放射線散乱性物
    質と吸収性物質を組み合わせた複合構成材で形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の放射線遮蔽体。
  3. 【請求項3】前記多層の遮蔽物質層の最外層を吸収性物
    質で構成したことを特徴とする請求項1、又は2記載の
    放射線遮蔽体。
  4. 【請求項4】放射線発生源を取り囲む多層の遮蔽物質か
    ら構成される放射線遮蔽体において、 前記各遮蔽物質層は、多数の遮蔽材セグメントを組み合
    わせて構成されると共に、該各々の遮蔽材セグメント
    は、多層遮蔽物質層の間に真空、又はガスの空隙層が設
    けられ、且つ多層の遮蔽物質層の周囲を吸収性物質で覆
    って形成されていることを特徴とする放射線遮蔽体。
  5. 【請求項5】前記各遮蔽物質層が導電性物質で形成され
    るとき、各々の導電性物質が共通接地されていることを
    特徴とする請求項1,2,3、又は4記載の放射線遮蔽
    体。
  6. 【請求項6】外管と内管からなる二重管構造であり、該
    内管の内側を真空にすると共に、その中を高エネルギー
    のX線、又は荷電粒子ビームが走り、このX線、又は荷
    電粒子ビームが走行中に発散したビームの一部が前記内
    管に衝突してX線を散乱・放出するビーム輸送管におい
    て、 前記外管と内管の間が、多層遮蔽物質層の間に真空、又
    はガスの空隙層が設けられ、且つ多層の遮蔽物質層の周
    囲を吸収性物質で覆った放射線遮蔽材で形成されている
    ことを特徴とするビーム輸送管。
  7. 【請求項7】ビーム照射面に放射線吸収性遮蔽物質を設
    け、高エネルギーの一次X線、又は粒子線ビームを捕獲
    ・吸収すると共に、該吸収性物質で衝突・散乱する二次
    ビームを捕獲・吸収するための遮蔽物質層を、前記ビー
    ム照射面から外れた側面部,終端部の外周部分に設けた
    二重構造を有するビームストッパにおいて、 前記ビーム照射面から外れた側面部,終端部外周部分の
    遮蔽物質層は、多層遮蔽物質層の間に真空、又はガスの
    空隙層が設けられ、且つ多層の遮蔽物質層の周囲を吸収
    性物質で覆った放射線遮蔽材で形成されていることを特
    徴とするビームストッパ。
  8. 【請求項8】標的物質に電子線ビームを衝突させ、発生
    した高エネルギーのX線ビームを指定方向に放出させる
    コリメータにおいて、 このコリメータの周囲を、多層遮蔽物質層の間に真空、
    又はガスの空隙層が設けられ、且つ多層の遮蔽物質層の
    周囲を吸収性物質で覆って形成される放射線遮蔽材で覆
    ったことを特徴とするコリメータ。
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