JPH09243470A - 溶湯容器の溶湯レベル測定方法及び装置 - Google Patents

溶湯容器の溶湯レベル測定方法及び装置

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JPH09243470A
JPH09243470A JP8056354A JP5635496A JPH09243470A JP H09243470 A JPH09243470 A JP H09243470A JP 8056354 A JP8056354 A JP 8056354A JP 5635496 A JP5635496 A JP 5635496A JP H09243470 A JPH09243470 A JP H09243470A
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JP
Japan
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optical fiber
molten metal
temperature distribution
furnace
refractory
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Application number
JP8056354A
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English (en)
Inventor
Toshiya Maekawa
俊哉 前川
Koichi Tezuka
浩一 手塚
Akio Nagamune
章生 長棟
Tetsuo Akashi
哲夫 明石
Chuichi Miyagawa
忠一 宮川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Levels Of Liquids Or Fluent Solid Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火物で内張りされた溶湯容器の耐火物中に
光ファイバを敷設することにより、溶湯容器内の溶湯レ
ベルの位置を精度よく測定することのできる溶湯容器の
溶湯レベル測定方法及び装置を得ること。 【解決手段】 耐火物5a〜5cで内張りされた溶湯容
器1の耐火物5a〜5c中に、溶湯レベルが変化する方
向に少なくともその変化範囲に亘って光ファイバを敷設
し、疑似ランダム信号で変調された光信号を用いた光フ
ァイバ温度分布計22により光ファイバの温度分布を測
定し、この温度分布パターンに基いて溶湯レベルの位置
を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火物で内張りさ
れた溶湯容器の溶湯レベル測定方法及び装置に係り、例
えば、ごみ焼却灰や下水汚泥などの廃棄物の焼却灰を溶
融する焼却灰溶融炉内の溶融スラグ面の位置を計測する
溶湯レベルの測定方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、都市ごみの焼却灰や下水汚泥の
焼却灰などの廃棄物には、各種の無機物や有機物が含ま
れているため、これをそのまま地中に埋設すると重大な
二次公害を引き起こす。そこで、近年、かかる廃棄物を
無害化処理するため、焼却灰溶融炉が利用されている。
【0003】この焼却灰溶融炉は、内部に装填された電
極間に通電して投入された廃棄物を抵抗加熱し、廃棄物
の大部分をガラス状溶融物である溶融スラグにすると共
に、残物を金属である溶融メタルにして両者を分離し、
外部に排出するようにしたものである。そして、溶融炉
を効率的に稼動するためには、所定量の廃棄物を溶融炉
に逐次投入し、多量の溶融スラグを連続的に取出す一
方、少量の溶融メタルを間欠的に取出すことが望まし
い。この場合の条件としては、溶融スラグのスラグ面と
スラグ抜き口との高低差が常に一定になるように、炉内
におけるスラグ面が常に所定の範囲に保たれ、また、廃
棄物を効率的に溶融するためには、電極の先端部がスラ
グ面から一定の深さに位置していることが必要である。
【0004】ところで、この溶融炉は上部が密閉されて
いるため、炉内におけるスラグ面の位置を知ることがで
きない。また、廃棄物に含まれる有機物と無機物との割
合もわからないため、溶融炉内に所定量の廃棄物を投入
しても溶融スラグ面の位置は変動し、溶融スラグ面の位
置が低すぎるときはスラグ抜き口が詰ったり、取出され
る溶融スラグに溶融メタルが混入してそのスラグが再利
用できなくなったりする。一方、溶融スラグ面の位置が
高すぎるときは、溶融炉から溶融スラグが溢れてしまう
おそれがある。
【0005】また、溶融メタル面の位置も変動するた
め、溶融メタルを何時取出してよいかも判断できなかっ
た。さらに、電極の先端部が溶融スラグ面から一定の深
さに位置しているかどうかも知ることができず、電極の
先端部が溶融スラグ面から一定の深さに位置していない
ときは、廃棄物を効率的に溶融することができない。そ
こで、このような事態を避けるために、溶融炉内におけ
る溶融スラグ面の位置を知ることが要請されていた。
【0006】従来、上部が密閉されている焼却灰溶融炉
において、炉内における溶融スラグ面の位置を知るため
の溶融炉の湯面深さ測定方法又は装置には、次のような
ものがあった。
【0007】湯面深さ測定方法:炉蓋より炉内に挿入し
た保護管付き熱電対によって炉内の溶融スラグの温度を
検知し、この温度に基いて溶融スラグ面の位置を知るよ
うにしたもので、溶融スラグ面の温度を直接測定する方
法である(従来技術1)。
【0008】湯面深さ測定装置:特開平6−19420
8号公報に記載されているもので、この装置は、炉頂か
ら炉底に設けられた端子板に向けて金属製のワイヤを所
定の送り量で送給するワイヤ送り出し装置と、ワイヤ送
り出し装置によって送り出されたワイヤの送り量を計測
するエンコーダと、ワイヤと端子板とに電圧を供給する
電源装置と、ワイヤと端子板との間の電圧又はワイヤに
流れる電流を測定する手段と、エンコーダが計測したワ
イヤ送り量と電圧変化又は電流変化とに基いて炉頂から
溶融スラグ面及び溶融メタル面の位置を演算する演算手
段とを備えたものである(従来技術2)。
【0009】この先行技術2は、ワイヤ送り出し装置に
よって金属製のワイヤを、溶融炉の炉頂から炉底にかけ
て設けられた端子板に向けて所定の送り量で送給し、エ
ンコーダで送り出されたワイヤの送り量を計測すると共
に、ワイヤ送給中に電源装置によりワイヤと端子板との
間に所定の電圧を印加し、ワイヤ送給中におけるワイヤ
と端子板との間の電圧変化を電圧計で計測し、又はワイ
ヤに流れる電流変化を電流計で計測し、演算手段により
エンコーダが計測したワイヤの送り量と、電圧変化又は
電流変化に基いて炉頂からの溶融スラグ面及びメタル面
の位置を演算し、その演算結果に基いて溶融炉内の溶融
スラグ面及びメタル面の位置を検知するようにしたもの
である。
【0010】また、特開平4−351254号公報に
は、連続鋳造におけるモールドレベル測定装置が記載さ
れている。この装置は、モールド壁面若しくは表面に光
ファイバを埋設若しくは密着させ、この光ファイバの一
端に光ファイバ温度分布計(パルス状レーザ投光器と反
射強度解析器とを連接し、投射レーザ光の各位置よりの
散乱光強度と経過時間とにより、各散乱位置をその位置
での温度として換算し、ほぼ連続した光ファイバ長さ方
向の温度情報としてCRTなどに出力する装置)を接続
して、温度変曲点を溶鋼レベルと判定するようにしたも
のである(従来技術3)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1の方法は、
非常に高温(1500℃程度)の溶融スラグの温度を繰
返し測定するために、保護管及び熱電対の寿命が短く消
耗品扱いとなり、かなりの頻度で交換しなければならな
いため、交換作業が面倒であるばかりでなく、ランニン
グコトスが増嵩する。
【0012】従来技術2の装置は、金属製のワイヤを炉
底に対して鉛直方向に正確に送り出すことがきわめて困
難で、曲りが生じ易い。また、溶融炉の上部は密閉され
ているため、炉内のワイヤの状態を確認することができ
ず、そのため測定誤差が大きくなるおそれがある。それ
に加えて、測定用のワイヤは1度しか使用できないた
め、測定のたびにワイヤを切断して新しいワイヤを送り
込む作業が必要となる。さらに、溶融炉上でワイヤドラ
ムの交換等、危険な作業も行わなければならない。
【0013】また、従来技術3においては、モールドは
通常数十mm厚さの銅板製であり、冷媒によって冷却し
て溶鋼から抜熱することにより固化して外殻を形成して
低温に保たれており、また、光ファイバ自身の耐熱性の
問題から最大250℃程度の温度の測定を対象としてい
る。このため、焼却灰溶融炉の如き合計数100mm厚
さの3〜4層からなる耐火物中に埋込んで適用しようと
しても温度差が極小となり、光ファイバの位置分解能も
悪いため、溶湯容器内の溶湯レベルを測定するとその精
度が低く、実際上溶湯レベルを測定することができな
い。
【0014】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、耐火物で内張りされた溶湯容器の耐火物
中に光ファイバを敷設することにより、溶湯容器内の溶
湯レベルの位置を精度よく測定することのできる溶湯容
器内の溶湯レベル測定方法及び装置を得ることを目的と
したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る溶湯容器の溶湯レベル測定方法は、
耐火物で内張りされた溶湯容器内に、溶湯レベルが変化
する方向に少なくともその変化範囲に亘って光ファイバ
を敷設し、疑似ランダム信号で変調された光信号を用い
た光ファイバ温度分布計で光ファイバの温度分布を測定
し、この温度分布パターンに基いて溶湯レベルの位置を
求めるようにしたものである。
【0016】(2)また、上記(1)の溶湯容器の溶湯
レベル測定方法において、内張り耐火物中に敷設された
光ファイバの両端部を光ファイバチャンネルセレクタに
接続して光ファイバ温度分布計により光ファイバの温度
分布を両方向から測定し、溶湯レベルの位置計測誤差を
補正するようにした。 (3)上記(1),(2)の疑似ランダム信号にM系列
信号を用いた。
【0017】(4)また、本発明に係る溶湯容器の溶湯
レベル測定装置は、耐火物で内張りされた溶湯容器の耐
火物中に溶湯レベルが変化する方向に設置した複数の導
管と、これら導管中にそれぞれ敷設した光ファイバと、
この光ファイバが接続された光ファイバチャンネルセレ
クタと、光ファイバチャンネルセレクタからの光信号を
処理する光ファイバ温度分布計を備えたものである。
【0018】(5)上記(4)の導管を、ステンレス管
にアルミナチューブを被覆して構成した。 (6)上記(4)又は(5)において、光ファイバをN
i合金からなる金属管に挿通してなる光ファイバ管を導
管中に敷設すると共に、光ファイバ管に不活性ガスを送
給する不活性ガス供給装置を設けた。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の第1の実施形態を実施した
焼却灰溶融炉の模式的説明図である。図において、1は
焼却灰溶融炉で、2はその炉本体、3は炉本体2の上部
開口部を閉塞する蓋体、4は蓋体3に設けた廃棄物投入
口である。炉本体2の内壁は、上下に積層され、かつ図
2に示すように、半径方向に複数列に配設された内張り
耐火物5a,5b,5cで内張りされており、底部は底
部耐火物6で構成されている。7は炉本体2の炉壁に設
けたスラグ抜き穴、8は炉壁の炉底近傍に設けたメタル
抜き穴である。
【0020】9は蓋体3を貫通して炉本体2内に上下動
自在、かつ下端部が炉底近傍に達するように設置された
複数本(図には2本だけ示してある)の電極で、電源装
置23から交流電圧が印加される。
【0021】10は蓋体3、炉本体2の内張り耐火物5
a〜5cの、損耗時においても1000℃を超えず、か
つ、溶融スラグに近い位置の境界部(例えば、内張り耐
火物5aと5bの間、又は5bと5cの間)、及び炉底
耐火物6を貫通して溶融スラグレベルの変化する方向、
したがって垂直方向に設置された導管である。この導管
10は図には2本だけ示してあるが、円周方向に複数本
設置されている。そして、導管10は、図3にその断面
を示すように、ステンレス管11と、その外周に被覆さ
れ、高温時に耐火物中に含まれるカーボンのステンレス
管11への浸炭を防止するアルミナチューブ12とから
なっている。
【0022】13はNi合金からなる金属管(ハステロ
イ管)14内に、ポリイミド樹脂で被覆された光ファイ
バ15が挿通された光ファイバ管(Fiber In Metallic
Tube)で、導管10内にそれぞれ挿通して敷設され、一
端は後述の不活性ガス供給装置を介して光ファイバチャ
ンネルセレクタに接続されており、他端は導管10の下
端部に固定されている。なお、この光ファイバ管13の
下部は、炉内におけるスラグレベルの変化範囲に位置さ
せてもよい。
【0023】20は光ファイバ管13内にN2 の如き不
活性ガスを送給するための不活性ガス供給装置で、圧力
調整器、流量計、ダストフィルタ、水分除去フィルタ、
弁などを備えている。21は複数本の光ファイバ15を
切換えて、特定の光ファイバに後述の光ファイバ温度分
布計からの光信号を送信し、また、特定の光ファイバ1
5からの後方散乱光を光ファイバ温度分布計に送る光フ
ァイバチャンネルセレクタである。
【0024】22は光ファイバ温度分布計で、疑似ラン
ダム信号(例えば、M系列信号)で変調された光信号を
各光ファイバ15に投光する投光器、各光ファイバ15
の変極点からの後方散乱光を受光する受光器、受光器で
受光した後方散乱光を電気信号に変換する光/電変換
器、この電気信号を処理して光ファイバ15の温度分布
を測定する信号処理器(CRTなどを含む)を備えてい
る。なお、これら各構成要素の一部を別に設けてもよ
い。
【0025】上記のように構成した本実施形態におい
て、光ファイバ15を敷設するには、先ず、蓋体3、内
張り耐火物5a〜5cの半径方向に隣接する耐火物5a
と5b又は5bと5cの境界部、及び炉底耐火物6を貫
通し、かつ、両端部を蓋体3の上面及び炉底耐火物5の
下面から突出させて、垂直方向に導管10を設置する。
そして、この導管10中に、光ファイバ15が挿通され
た光ファイバ管13をそれぞれ挿入して敷設し、その先
端部を導管10の端部に固定し、他端を不活性ガス供給
装置20を介して光ファイバチャンネルセレクタ21に
それぞれ接続する。なお、光ファイバチャンネルセレク
タ21の出力側は、1本の光ファイバ管13によって光
ファイバ温度分布計22に接続される。
【0026】次に、上記のように構成した本実施形態の
操業の一例について説明する。先ず、蓋体3に設けた廃
棄物投入口4から炉内に廃棄物を投入し、電源装置23
から電極9に交流電圧を印加する。これにより、電極9
に生じた抵抗加熱によって廃棄物が溶融し、溶融スラグ
と溶融メタルになり、上から焼却灰層P、溶融スラグ層
S及び溶融メタル層Mが形成される。なお、焼却灰層P
は、溶融スラグ層S及び溶融メタル層Mと比べてその厚
さは薄いが、炉内の上部空間に対して断熱的役割を果た
している。
【0027】このとき、炉内の温度は、焼却灰層Pの上
面では600℃程度と低く、焼却灰層Pを境界としてそ
の下部の溶融スラグ層S及び溶融メタル層Mは、150
0℃以上の高温となっている。この影響を受けて、光フ
ァイバ15の位置においても同様の温度分布を生じる
が、この温度分布は、スラグレベルSL の変動に伴って
変化する。
【0028】一方、光ファイバチャンネルセクタ21で
切換えられた光ファイバ15には、疑似ランダム信号で
変調された光信号が投光され、また、各光ファイバ管1
3内には、不活性ガス供給装置20からN2 の如き不活
性ガスが送給され、その先端部から放出されている。そ
して、炉内温度の変化に応じて生じた光ファイバ15の
変極点からの後方散乱光は、光ファイバチャンネルセレ
クタ21で切換えられて光ファイバ温度分布計22に送
られ、電気信号に変換されて処理される。
【0029】上記のような焼却灰溶融炉において、光フ
ァイバ15によって計測した廃棄物の溶融中の炉内温度
分布の例を図4に示す。なお、図4(A)はスラグ抜き
前の炉内の温度分布図であり、図4(B)はスラグ抜き
後の炉内温度分布図である。また、図4において、縦軸
は炉内温度を、横軸は光ファイバ15の炉上部から炉下
部までの長さを示す。
【0030】図4(A)において、H2 からH3 までは
蓋体3の下面から焼却灰層Pの溶融レベルまでの温度上
昇部であるが、この間の温度上昇の距離のほとんどは光
ファイバ温度分布計22の応答距離によるものである。
つまり、この温度分布において、H3 からH4 の間で温
度上昇が一服しているが、実際のこの温度分布の幅は、
応答距離分だけ広いと考えられる。
【0031】実際の温度分布は、溶融スラグ層Sのスラ
グレベルSL の位置を中心に、その上部から下部にかけ
て温度が上昇していると考えられるため、H4 とH5
ほぼ中間(矢印aで示す)にスラグレベルSL があると
考えられる。H5 からH6 までは溶融スラグ層Sと溶融
メタル層Mであり、温度安定部となる。H6 は炉底耐火
物6の上面位置であり、それ以降は炉底耐火物6内に入
るため、温度は下降し始める。
【0032】図4(B)はスラグ抜きが行われてスラグ
レベルSL が下降した状態の温度分布を示すもので、ス
ラグ抜きに伴ってH4 位置が図の右側、したがって炉底
側に移動し、スラグレベルSL の位置(矢印a1 )がh
だけ下方に移動していることがわかる。そしてさらに、
5 からH6 までの距離が短くなり、溶融スラグ層Sの
深さが浅くなっていることがわかる。しかし、H3 から
4 までの温度分布は図4(A)の場合と異なり、スラ
グレベルSL が下降したのちも、下降したスラグレベル
L の上部は温度が高いため、H3 からH4 にかけて温
度が上昇している。
【0033】(実施例)図1、図2の焼却灰溶融炉1の
内張り耐火物の5aと5bとの境界部に、上下方向に垂
直に導管10を設置し、その中に光ファイバ管13を敷
設して炉内の温度分布を連続的に計測した、なお、光フ
ァイバ温度分布計、光ファイバ管及び導管の仕様は、次
の通りであった。 (1) 光ファイバ温度分布計 温度精度 ±5% 計測温度 0〜1000℃ 応答距離 400mm 距離分解能 20mm 応答時間 200秒(200回平均) 計測距離 240m 投光方式 M系列疑似ランダム信号で変調 (2) 光ファイバ管及び導管 光ファイバ 材料 石英ガラス光ファイバをポリイミドで被覆 コア/クラッド径 200/250μmマルチモード 金属管 材料 Ni合金(ハステロイ) 内/外径 1.8/2.2mm 導管 材料 ステンレス 内/外径 8/10mm 保護チューブ 材料 アルミナ製 不活性ガス N2 ガス
【0034】上記により、スラグ抜き開始前の炉内温度
分布と、スラグ抜き終了後の炉内温度分布を測定したと
ころ図5に示すような温度分布パターンが得られた。な
お、図5(A)はスラグ抜き前の炉内の温度分布を、図
5(B)はスラグ抜き後の炉内温度分布を示す。図から
明らかなように、スラグ抜き終了後は、スラグレベルが
a点からa1 点までhだけ下降したことがわかる。
【0035】実施形態2.図6は本発明の第2の実施形
態の模式的説明図である。なお、第1の実施形態と同じ
部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本実
施形態においては、内張り耐火物5a〜5cの境界部に
設けた各導管10内に敷設された光ファイバ15の両端
部を、それぞれ不活性ガス供給装置20を介して光ファ
イバチャンネルセレクタ21に接続したものである。そ
して、このように構成したことにより、光ファイバチャ
ンネルセレクタ21を切換えることによって、光ファイ
バ15の両端部から交互に光信号を投光し、かつ、光フ
ァイバ15の両端部からの後方散乱光を測定することに
より、より正確に炉内の温度分布を測定しうるようにし
たものである。
【0036】図7に光ファイバ15の両端部から交互に
投光して炉内温度を計測した場合の、図4におけるH4
からH5 の領域の温度分布を示す。図7において、1点
鎖線Aは炉上部側から炉底方向に投光して炉内の温度分
布を計測した結果であり、1点鎖線Bはその逆方向から
投光して炉内の温度分布を計測した結果である。また、
実線Cは予想される実際の温度分布線である。つまり、
厳密には、H4 AとH5 Bを結んだ実線Cと、H4 Bと
5 Aを結んだ破線Dとの交点Hが実際のスラグレベル
L に近い位置であることがわかる。
【0037】以上のように、本発明においては、光信号
をM系列疑似ランダム信号で変調した光ファイバ温度分
布計は高温計測が可能であり、また、炉本体の内張り耐
火物内のできるだけ溶融スラグに近い位置、つまり、炉
内温度が耐火物に比較的よく反映されている位置に導管
を設け、この導管内に光ファイバ管を敷設するようにし
たので、焼却灰層上部の炉内空間及び溶融スラグの温度
によって形成される炉内温度分布を、内張り耐火物中に
おいて感度よく計測することができ、この温度分布パタ
ーンの勾配の変化、時間的変化などを解析することによ
り溶融スラグレベルの位置を測定することができる。
【0038】また、M系列疑似ランダム信号で変調され
た光信号を用いた光ファイバ温度分布計は、応答距離が
従来より3倍から10倍以上優れており、サンプリング
データピッチが従来の50倍から100倍以上優れてい
るため、実際の炉内の温度分布をより正確にトレースす
ることができ、このため、溶融スラグレベルの位置を精
度よく測定することができる。
【0039】さらに、光ファイバチャンネルセレクタに
より複数本の光ファイバの後方散乱光を連続的に測定で
きるため、光ファイバの数を増加するだけで、炉内円周
方向の溶融スラグレベルの位置を正確に把握することが
できる。また、各光ファイバの両端部を光ファイバチャ
ンネルセレクタに接続することにより、光ファイバの両
端部から炉内の温度分布を計測することができるので、
光ファイバ温度分布計の持つ応答距離によるスラグレベ
ルの検出誤差を補正して、より高精度で溶融スラグレベ
ルの位置を計測することができる。
【0040】また、光ファイバが挿通されたNi合金か
らなる金属管は、炉体の内張り耐火物中に設置された導
管内に敷設されて二重管構造になっているので、例え
ば、光ファイバが光学的に劣化したり、機械的に破断し
た場合は、導管から金属管ごと光ファイバを引抜いて新
しい光ファイバ管を敷設することにより、簡単に交換す
ることができる。さらに、金属管内に光ファイバと反応
性の乏しい不活性ガスを送給することにより、光ファイ
バの劣化を防止することができる。
【0041】上記の説明では、本発明を焼却灰溶融炉の
溶融スラグレベルの測定に実施した場合を示したが、本
発明はこれに限定するものではなく、他の溶湯容器内の
溶湯レベルの測定にも実施することができる。
【0042】
【発明の効果】
(1)本発明に係る溶湯容器の溶湯レベル測定方法は、
耐火物で内張りされた溶湯容器の耐火物中に、溶湯レベ
ルが変化する方向に少なくともその変化範囲に亘って光
ファイバを敷設し、疑似ランダム信号で変調された光信
号を用いた光ファイバ温度分布計により光ファイバの温
度分布を測定し、この温度分布パターンに基いて溶湯レ
ベルの位置を求めるようにしたので、上部の炉内空間及
び溶湯の温度によって形成される炉内温度分布を、内張
り耐火物中において感度よく計測し、この温度分布パタ
ーンを解析することにより溶湯レベルの位置を精度よく
測定することができる。
【0043】(2)また、上記(1)の溶湯容器の溶湯
レベル測定方法において、内張り耐火物中に敷設された
光ファイバの両端部を光ファイバチャンネルセレクタに
接続して光ファイバ温度分布計により光ファイバの温度
分布を両方向から測定し、溶湯レベルの位置計測誤差を
補正するようにしたので、より高精度で溶湯レベル位置
を測定することができる。
【0044】(3)上記(1),(2)の疑似ランダム
信号にM系列信号を用いたので、応答距離及びサンプリ
ングデータピッチが大幅に向上し、炉内の温度分布をよ
り正確にトレースすることができ、これにより溶湯レベ
ルの位置を精度よく測定することができる。
【0045】(4)また、本発明に係る溶湯容器の溶湯
レベル測定装置は、耐火物で内張りされた溶湯容器の耐
火物中に、溶湯レベルが変化する方向に設置した複数の
導管と、これら導管中にそれぞれ敷設した光ファイバ
と、この光ファイバが接続された光ファイバチャンネル
セレクタと、光ファイバチャンネルセレクタからの光信
号を処理する光ファイバ温度分布計とを備えたので、溶
湯容器内の溶湯に近い位置に光ファイバを敷設すること
ができ、これにより溶湯容器内の温度分布を感度よく計
測し、光ファイバ温度分布計によりこの温度分布パター
ンを解析することにより、溶湯レベルの位置を精度よく
測定することができる。
【0046】(5)上記(4)の導管を、ステンレス管
にアルミナチューブを被覆して構成したので、ステンレ
ス管への浸炭を防止することができ、寿命を延長するこ
とができる。
【0047】(6)上記(4)又は(5)の光ファイバ
をNi合金からなる金属管に挿通した光ファイバ管を導
管中に敷設すると共に、不活性ガス供給装置から光ファ
イバ管内に不活性ガスを送給するようにしたので、高温
の測定が可能になり、光ファイバの劣化を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を実施した焼却灰溶融
炉の模式的説明図である。
【図2】図1の炉体のA−A断面図である。
【図3】導管及び光ファイバ管の断面図である。
【図4】本発明によって測定した焼却灰溶融炉内の温度
分布パターンを示す線図である。
【図5】本発明の実施例によって測定した焼却灰溶融炉
内の温度分布図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の模式的説明図であ
る。
【図7】第2の実施形態で測定した焼却灰溶融炉内の温
度分布の一部を示す線図である。
【符号の説明】
1 焼却灰溶融炉 2 炉本体 3 蓋体 4 廃棄物投入口 5a〜5c 内張り耐火物 6 炉底耐火物 7 スラグ抜き穴 8 メタル抜き穴 9 電極 10 導管 11 ステンレス管 12 アルミナチューブ 13 光ファイバ管 14 金属管 15 光ファイバ 20 不活性ガス供給装置 21 光ファイバチャンネルセレクタ 22 光ファイバ温度分布計 23 電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01K 13/00 G01K 13/00 (72)発明者 明石 哲夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宮川 忠一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火物で内張りされた溶湯容器の前記耐
    火物中に、溶湯レベルが変化する方向に少なくともその
    変化範囲に亘って光ファイバを敷設し、疑似ランダム信
    号で変調された光信号を用いた光ファイバ温度分布計に
    より前記光ファイバの温度分布を測定し、この温度分布
    パターンに基いて前記溶湯レベルを求めることを特徴と
    する溶湯容器の溶湯レベル測定方法。
  2. 【請求項2】 内張り耐火物中に敷設された光ファイバ
    の両端部を光ファイバチャンネルセレクタに接続して光
    ファイバ温度分布計により前記光ファイバの温度分布を
    両方向から測定し、溶湯レベルの位置計測誤差を補正す
    ることを特徴とする請求項1記載の溶湯容器の溶湯レベ
    ル測定方法。
  3. 【請求項3】 疑似ランダム信号がM系列信号である請
    求項1又は2記載の溶湯容器の溶湯レベル測定方法。
  4. 【請求項4】 耐火物で内張りされた溶湯容器の前記耐
    火物中に溶湯レベルが変化する方向に設置した複数の導
    管と、 これら導管中にそれぞれ敷設した光ファイバと、 該光ファイバが接続された光ファイバチャンネルセレク
    タと、 該光ファイバチャンネルセレクタからの光信号を処理す
    る光ファイバ温度分布計とを備えたことを特徴とする溶
    湯容器の溶湯レベル測定装置。
  5. 【請求項5】 導管を、ステンレス管にアルミナチュー
    ブを被覆して構成したことを特徴とする請求項4記載の
    溶湯容器の溶湯レベル測定装置。
  6. 【請求項6】 光ファイバをNi合金からなる金属管に
    挿通してなる光ファイバ管を導管中に敷設すると共に、
    前記光ファイバ管に不活性ガスを送給する不活性ガス供
    給装置を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の
    溶湯レベル測定装置。
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