JPH09243179A - 強制循環式風呂釜の浴槽用接続具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽水循環の順路の方向性をなくし、配管工
事における確認の煩わしさと誤配管を防止するとともに
浴槽水温度を均一にする性能もアップした強制循環式風
呂釜の浴槽用接続具。 【解決手段】 この浴槽用接続具１は、浴槽水を浴槽外
に循環させる往き管及び戻り管に接続される配管接続部
６と、配管接続部６に連結された接続受外管７を備え、
接続受外管７の内部に、往き管及び戻り管に独立して連
通する左開口部９ａ，右開口部９ｂとを設けたガイド９
を設け、これらの開口部を浴槽１４底面へ向け鉛直方向
に互いに所定距離Ｌ隔てて開口する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽水を循環させ
るために、往き管及び戻り管を介して浴槽と浴槽外の強
制循環式風呂釜とを接続する浴槽用接続具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、往き管及び戻り管を介して浴
槽と接続され循環ポンプを駆動して浴槽水を循環加熱す
る強制循環式風呂釜（以下単に風呂釜と呼ぶ）が知られ
ている。浴槽との接続部には、浴槽用接続具を設け、風
呂釜から往き管及び戻り管を接続する。浴槽用接続具
は、図３に示すように、浴槽１４の側壁に設けられた貫
通孔１４ａにパッキン５８を介して配管接続部５６と接
続受外管５７とをネジ締めにて挟み固定する。接続受外
管５７の内部に仕切管５９を装着し、往き戻り流路を仕
切る２重管構造の通路形成部６７が形成される。配管接
続部５６には、風呂釜からの往き管１０ｂに接続される
接手５２と、戻り管１０ａに接続される接手５３とが溶
接される。仕切管５９は、浴槽側へ水平に開口した開口
部５９ｄを設けた内管５９ｂと、開口部５９ｄ周囲に設
けられた円盤形状の仕切面５９ｃとを備え、接続受外管
５７との空間に外通路５９ａを形成する。内管５９ｂ
は、Ｏリング５５を介して配管接続部５６と嵌合する。
接続受外管５７の浴槽側外周には、仕切管５９の開口部
５９ｄと仕切面５９ｃとを覆うとともに接続受外管５７
外周に嵌合するキャップ５４が設けられる。キャップ５
４は、正面に複数の取入れ口５４ａと、側面に斜め下に
開口した２個の噴出口５４ｂを備える。取入れ口５４ａ
と噴出口５４ｂには、網目のフィルター６０が施され
る。風呂釜のポンプ駆動により、浴槽水は、まず取入れ
口５４ａよりキャップ５４内に吸引され仕切管５９の開
口部５９ｄから内管５９ｂを通り接手５３を経由して戻
り管１０ａから風呂釜へ入る。風呂釜に入って加熱され
た浴槽水（以下単に湯と呼ぶ）は、風呂釜より往き管１
０ｂを通り接手５２に入る。接手５２に入った湯は、仕
切管５９の外通路５９ａを通りキャップ５４の噴出口５
４ｂより浴槽１４内の斜め下に向かって噴出される。噴
出された湯は、対流することにより攪拌される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この浴
槽用接続具５１には、浴槽水の順路即ち往き管，戻り管
の浴槽内開口部に方向性があり、往き管１０ｂと戻り管
１０ａとを逆に接続してしまうと、浴槽水を循環加熱し
ても、湯が水平方向に噴出してしまい上下に対流しにく
いので、浴槽水の温度が均一にならない。そのため、こ
れらの管を接続工事する時には、確認しながら注意深く
施工しなければならず面倒である。これを解決するた
め、特開平８−１４６６７には、湯の順路を２つに分割
形成して、浴槽側へは左右対称に斜め下方向へ開口し、
往き管と戻り管とをどちらに接続しても、湯がどちらか
の開口部より斜め下方向に向かって噴出する浴槽用接続
具が示されている。こうしたものにおいても、配管の接
続において方向性の問題は解決されたものの、吹き出し
口が斜め下方に向けて設けられているので、湯が充分に
浴槽底面付近にまで届かず、浴槽水温度を均一にするこ
とにおいて、いまひとつもの足らないものであった。本
発明の強制循環式風呂釜の浴槽用接続具は、上記課題を
解決し、浴槽水の順路の方向性をなくして、配管工事に
おける確認の煩わしさと誤配管を防止するとともに浴槽
水温度を均一にすることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の請求項１記載の強制循環式風呂釜の浴槽用接続
具は、浴槽水を浴槽外に循環させる往き管及び戻り管に
接続される配管接続部と、上記配管接続部に連結され、
内部に上記往き管及び戻り管に独立して連通し浴槽側に
開口した第１通路及び第２通路を設けた通路形成部と、
上記通路形成部の第１，第２通路の両開口部を覆うキャ
ップとを備え浴槽壁に取り付けられる強制循環式風呂釜
の浴槽用接続具において、上記通路形成部の両開口部
は、左右に所定間隔をあけて設けられ、互いに平行に浴
槽底面真下へ向け開口したことを要旨とする。

【０００５】請求項２記載の強制循環式風呂釜の浴槽用
接続具は、請求項２記載の強制循環式風呂釜の浴槽用接
続具において、上記両開口部が、平行に６０ｍｍ以上隔
てて開口したことを要旨とする。

【０００６】強制循環式風呂釜では、浴槽用接続具に風
呂釜から往き管及び戻り管を接続し、往き管及び戻り管
を介して風呂釜で加熱される浴槽水を循環する。その
時、風呂釜はポンプを回転させ戻り管から浴槽水を吸引
し往き管から加熱された浴槽水（以下単に湯と呼ぶ）を
噴出する。請求項１記載の強制循環式風呂釜の浴槽用接
続具では、風呂釜の戻り管に接続された第１通路あるい
は第２通路の開口部から浴槽水を吸引し、いっぽう、往
き管に接続された第１通路あるいは第２通路の開口部か
ら湯を噴出する。例えば、第１通路と風呂釜の戻り管が
接続された場合は、第１通路の開口部から浴槽水が吸引
され、風呂釜を通って往き管から第２通路へ湯が循環さ
れ、第２通路の開口部より湯が噴出される。いっぽう、
風呂釜への接続が逆になった場合には、反対に第２通路
の開口部より浴槽水が吸引され、第１通路の開口部より
湯が噴出する。また、これらの両開口部は、左右に所定
間隔をあけて設けられ、互いに平行に浴槽底面真下へ向
け開口するので、湯は浴槽底面へ噴出され上部に対流す
る。噴出した湯が一番温度差の大きい（底へいくほど浴
槽水の温度が低い）浴槽底面真下に向かうので、斜め方
向や水平方向に噴出する場合に比べて浴槽水の温度が均
一になる。また、左右どちらの開口部であっても同様に
浴槽底面真下に向け開口しているので、風呂釜の往き管
あるいは戻り管と配管接続部とをどちらに接続しても噴
出する開口部が左右入れ替わるだけで浴槽水の温度均一
化性能に差が生じない。

【０００７】さらに、請求項２記載の強制循環式風呂釜
の浴槽用接続具によれば、左右開口部が、平行に６０ｍ
ｍ以上隔てて開口しているので、一方の開口部より噴出
した湯が、そのまま他方の開口部より吸込まれて戻って
しまうことがない。そのため、浴槽水の温度がより均一
になる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の強制循環式風
呂釜の浴槽用接続具の好適な実施例について説明する。
図１は一実施例としての強制循環式風呂釜の浴槽用接続
具１の概略構成図であり、図２はその浴槽用接続具１を
備えた給湯付強制循環式風呂釜１１（以下、単に風呂釜
１１と呼ぶ）の概略構成図である。風呂釜１１は、大別
して、浴槽用接続具１を介して浴槽水を循環加熱する循
環加熱回路１２と、浴槽１４及び一般給湯路１９に給湯
する給湯回路１３と、両回路の動作を制御するコントロ
ーラ１５とを備える。

【０００９】浴槽用接続具１は、図１に示すように、浴
槽１４の側壁に設けられた貫通孔１４ａにパッキン８を
介して配管接続部６と接続受外管７とをネジ締めにて挟
み固定する。接続受外管７の内部にガイド９を装着し、
往き戻り流路を仕切る２重管構造の通路形成部１７が形
成される。配管接続部６には、往き管，戻り管を介して
循環加熱回路１２の釜内循環路２７と連通する接手２及
び接手３が溶接される。通路形成部１７は、接続受外管
７とガイド９の空間に外通路９ｇを形成する。ガイド９
は、配管側でＯリング５を介して配管接続部６と嵌合
し、浴槽側で、内管９ｅと連通した左開口部９ａと、外
通路９ｇと連通した右開口部９ｂとを開口する。左開口
部９ａと右開口部９ｂは、左右対称で浴槽底面へ向け鉛
直方向に互いに所定距離Ｌ（例えば６０ｍｍ以上）隔て
て開口する。左開口部９ａは、断面逆Ｌ字状の循環路９
ｃを介して内管９ｅと連通し、一方の右開口部９ｂは、
断面釣針状の循環路９ｄ及びガイド入口９ｆを介して外
通路９ｇと連通する。接続受外管７の浴槽側外周には、
カップ状の形状でガイド９の右開口部９ａ，左開口部９
ｂを覆うとともにそれらの開口部に対応して側面に開口
した側面開口４ｄ，４ｅを設けられたキャップ４が嵌合
される。キャップ４の正面には、複数の正面開口４ｃが
設けられ、正面開口４ｃと側面開口４ｄ，４ｅには網フ
ィルター１６が設けられる。網フィルター１６は、浴槽
水が循環してこの網フィルター１６を通過する際、毛髪
等の汚れを濾過する。

【００１０】循環加熱回路１２は、ファン２４により燃
焼用空気が燃焼室２２に供給され、燃焼室２２内でガス
を燃焼させる。そして、釜内循環路２７に設けられた熱
交換器２１を加熱しつつ、ポンプ２０により浴槽水を強
制的に循環させる。給湯回路１３は、循環加熱回路１２
と同様に、水入口より熱交換器３１に供給された水をガ
ス燃焼により加熱し給湯する。コントローラ１５は、循
環加熱制御，自動給湯制御等を行なうもので、図示しな
い周知の算術論理演算回路を構成するＣＰＵ，ＲＡＭ，
ＲＯＭと、各種センサからの信号を入力する入力インタ
フェースと、各種のアクチュエータに駆動信号を出力す
る出力インタフェース等から構成される。

【００１１】この浴槽用接続具１を備えた風呂釜１１で
は、配管接続部６に溶接された接手２及び接手３を介し
て戻り管１０ａと往き管１０ｂを接続し、熱交換器２１
で加熱される浴槽水を循環する。加熱された浴槽水（湯
と呼ぶ）は、接続受外管７内部に設けられたガイド９へ
入り、ガイド９の出口である左開口部９ａあるいは右開
口部９ｂから浴槽１４へ噴出する。接手３に戻り管１０
ａを配管した場合には、左開口部９ａより浴槽水が吸引
され、内管９ｅを経由して戻り管１０ａを通り、湯が往
き管１０ｂより接手２を介して外通路９ｇに入る。そし
て、湯は、外通路９ｇからガイド入口９ｆを通り循環路
９ｄを通って右開口部９ｂから浴槽１４へ噴出する。い
っぽう、風呂釜１１との接続が逆になり、接手２に戻り
管１０ａを配管した場合には、先の順路が全く逆にな
り、右開口部９ｂから浴槽水が吸入され、左開口部９ａ
から湯が噴出する。湯は、浴槽底面真下へ噴出され、途
中で折り返して上部に対流する。左右どちらの開口部９
ａ，９ｂであっても同様に浴槽底面真下に開口している
ので、風呂釜１１と浴槽接続具１との接続により浴槽水
の順路がどちらになっても、湯が、一番温度差の大きい
（底へいくほど浴槽水の温度が低い）浴槽底面真下に向
けて噴出するので、斜め方向や水平方向に噴出する場合
に比べて浴槽水温度が均一になる。しかも、これらの両
開口部９ａ，９ｂは、互いに所定距離Ｌ（６０ｍｍ以
上）隔てて開口しているので、一方の開口部から噴出さ
れた湯がそのまま、他方の開口部より吸込まれることが
ない。（なお、出願人によるテストでは、６０ｍｍ以上
隔てることにより両開口部９ａ，９ｂが互いに影響なく
浴槽水温度を均一にすることができるというデータが得
られた。）

【００１２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項１
記載の強制循環式風呂釜の浴槽用接続具は、左右の開口
部が、浴槽底面真下へ向け開口し、湯がどちらかの開口
部より浴槽底面真下に向けて噴出するので、斜め方向や
水平方向に噴出する場合に比べて浴槽水の温度が均一に
なる。また、風呂釜の往き管あるいは戻り管と配管接続
部とをどちらに接続しても浴槽水温度の均一化性能に差
が生じないので、配管接続工事が煩わしくない。

【００１３】請求項２記載の強制循環式風呂釜の浴槽用
接続具は、一方の開口部より噴出した湯がそのまま他方
の開口部より吸込まれて戻ってしまうことがないので、
浴槽水の温度がより均一になる優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例としての強制循環式風呂釜の浴槽用接
続具の概略構成図である。

【図２】浴槽用接続具を備えた風呂釜の概略構成図であ
る。

【図３】従来例としての強制循環式風呂釜の浴槽用接続
具の概略構成図である。

【符号の説明】

１，５１ 浴槽用接続具 ２，３，５２，５３ 接手 ４，５４ キャップ ５，５５ Ｏリング ６，５６ 配管接続部 ７，５７ 接続受外管 ８，５８ パッキン ９ ガイド ９ａ 左開口部 ９ｂ 右開口部 ９ｃ，９ｄ 循環路 ９ｅ 内管 ９ｆ ガイド入口 ９ｇ 外通路 １０ａ 戻り管 １０ｂ 往き管 １１ 風呂釜 １２ 循環加熱回路 １３ 給湯回路 １４ 浴槽 ５９ 仕切管 １６，６０ フィルター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽水を浴槽外に循環させる往き管及び
   戻り管に接続される配管接続部と、 上記配管接続部に連結され、内部に上記往き管及び戻り
   管に独立して連通し浴槽側に開口した第１通路及び第２
   通路を設けた通路形成部と、 上記通路形成部の第１，第２通路の両開口部を覆うキャ
   ップとを備え浴槽壁に取り付けられる強制循環式風呂釜
   の浴槽用接続具において、 上記通路形成部の両開口部は、左右に所定間隔をあけて
   設けられ、互いに平行に浴槽底面真下へ向け開口したこ
   とを特徴とする強制循環式風呂釜の浴槽用接続具。
2. 【請求項２】 上記両開口部は、平行に６０ｍｍ以上隔
   てて開口したことを特徴とする請求項１記載の強制循環
   式風呂釜の浴槽用接続具。