JPH09242990A - 高圧容器ライナー用成形品及びその製造方法 - Google Patents

高圧容器ライナー用成形品及びその製造方法

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JPH09242990A
JPH09242990A JP4890096A JP4890096A JPH09242990A JP H09242990 A JPH09242990 A JP H09242990A JP 4890096 A JP4890096 A JP 4890096A JP 4890096 A JP4890096 A JP 4890096A JP H09242990 A JPH09242990 A JP H09242990A
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molded product
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JP4890096A
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Akira Ota
彰 大田
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧ガス容器のライナ−として用いられ、特
にブロ−成形製ライナ−の肉厚に多少の誤差があったり
充填される高圧ガスの圧力自体に変化があっても、口金
Cのネジ込み方の強さを調整することで常に最適のシ−
ル性を得ることができるブロ−成形品を提供する。 【解決手段】 両端部がドーム形状でそれら両端の中心
軸線上を外側に向かって立ち上がりその内部に口金Aを
インサートされた円筒状突起を有するライナー用ブロ−
成形品であって、上記口金Aは、ドーム状内壁面との間
にリング状パッキングを装着させて接触する円盤状フラ
ンジ部分と、上記円筒状突起の内壁面に密着して外部へ
突出しかつその先端外周面にネジ部を設けた円筒状ノズ
ル部分とが一体化されているとともに、該円筒状ノズル
先端外周面のネジ部分に口金Cをネジ込んでド−ム部内
壁面の上記パッキングを内外から圧迫することによっ
て、パッキングによるシ−ル性を高めるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂を原料
とした高圧容器ライナー用成形品に関するものであり、
特にその外面にフィラメントワインディング補強層を積
層して高圧ガス容器用等に使用されるライナ−成形品及
びそのブロー成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、都市部を中心とする大気汚染の原
因の一つとしてガソリン自動車の排気ガスが問題となっ
ており、対策の一つとして排気ガスがクリ−ンな圧縮天
然ガスを燃料とする自動車が注目を集めている。ただこ
れまでは内容物が高圧の圧縮天然ガスということで搭載
される燃料タンクには主として金属製ボンベが考えら
れ、これでは身軽に動きまわることが目的の自動車用に
は重すぎるという問題があった。天然ガス自動車の普及
には燃料タンクの軽量化が不可欠と言われている。
【0003】近年になって金属製ボンベの他に、内容物
ガスのシ−ルド用にアルミ・ライナ−を用い外側を繊維
強化複合樹脂材料(FRP)で耐圧強化したボンベや、さらな
る軽量化を狙ってガスシ−ルド用に熱可塑性樹脂成形品
をライナ−としたボンベ等の必要性が叫ばれている。そ
して、アイディアの面では、こうした軽量化を狙った高
圧ガス容器として、ライナ−(又はマンドレル等)と称
される円筒状容器に熱可塑性樹脂成形品を用い、その外
面に樹脂を含浸させた長繊維をフィラメントワインディ
ング法(以下FW法と略記する)等で巻回積層し、これ
を硬化させた後に円筒状容器を抜き出すことなく製品と
するものが従来より数多く提案されている。
【0004】例えば特開平3−89098号公報には、
口金部を金属により補強したプラスチック製円筒容器の
外面にFRP補強層を積層したことを特徴とするFRP
製ガス容器が提案され、ライナ−としてのプラスチック
製円筒容器はブロ−成形法、射出成形法、反応射出成形
法等の慣用法で製造することができるが、なかでもブロ
−成形法による製造が簡単で望ましい旨記載されてい
る。米国特許(US Patent Number5253778)にはラ
イナ−と呼ばれる非金属製の内殻容器をシェルと呼ばれ
る繊維強化複合樹脂製の円筒状外殻容器でつつみ、容器
両端部にボスと呼ばれる口金を装着した圧力容器が提案
されている。
【0005】欧州出願(European Patent Publication N
umber0550951AI)にも非金属製ライナ−の外側
をフィラメントワインディングで強化し、容器両端部に
ボスを装着した圧力容器が提案されている。NGV System
s Inc.社発行ス−パ−シリンダ−技術資料には熱可塑性
樹脂ライナ−をEガラスワインディングで強化し、容器
端部にボスを装着した全複合型シリンダー(All-compos
ite Cylinder)が提案されている。
【0006】特開平7−055097号公報には、マン
ドレル(ライナ−)を利用しFW法により製造される圧
力容器であって、両端部のド−ムの開口径が互いに異な
る高圧燃料用圧力容器をFW法の際のワインディングバ
ンドの経路が直線状を維持するように製作する方法が提
案されている。また特開平7−088817号公報に
は、ライナ−の外側をFW法で強化する方法ではない
が、全体としての軽量化を図りつつ剪断強度の必要な部
分のみの剪断強度を向上せしめてなる圧力容器として炭
素繊維強化プラスチック材を積層して形成しそれらの各
層間に樹脂含有率増加用のフィルム状樹脂を介装してな
ることを特徴とする圧力容器及びその製造方法が提案さ
れている。
【0007】また特開平7−088943号公報には、
特に圧力容器ということではないが、押出しブロ−成形
により成形されるプラスチック容器の底割れの発生を防
ぐ目的で、容器底部からピンチオフ部を突出させた上
で、このピンチオフ部の両側面にピンチオフ部の先端側
と基部側に段違いな押圧凹部を形成したプラスチック容
器が提案されている。
【0008】従来より提案されている軽量化を狙ったこ
れら高圧ガス容器では、熱可塑性樹脂製を含む非金属製
のライナ−だけでは内圧に耐えられないため、大半の物
は一様に外面にFW法等による耐圧強化が施されてい
る。そして、FWの際には回転軸となるシャフトが容器
全体の中心軸に固定される必要があるため、シャフト固
定用のボス(口金)を容器両端部に装着し、そのボスを
ガス充填・放出用バルブの取り付け用治具としても利用
しているのが特徴である。
【0009】しかもこのボスは、ライナ−の外面にFW
法を行う時には既に存在していなくてはならないもので
あるから、必然的にライナ−に組み込まれていなければ
ならない。事実、従来より提案されている上記高圧ガス
容器では全てボスは内殻であるライナ−に固定されてい
る。そして、このボスにはFWの際にはフィラメントの
張力によって容器内部に向かって押し込む力が働き、逆
に製品になった後は高圧ガスの圧力によって容器外部に
押し出す方向の力が作用する。すなわち、容器の両端部
に装着されるボスは容器内部に向かって押し込もうとす
る力と、容器外部に向かって押し出そうとする力のどち
らに対しても十分に耐えられるよう堅固に取り付けられ
ていなければならない。
【0010】しかも、これら高圧容器は一般に最低でも
250Kgf/cm2 程度の高圧ガスを充填することが想定さ
れている。従って、全体的な耐圧強度は言うに及ばず、
ライナー両端部内壁面と、そこに装着されるボス(口
金)との間のシール性が十分であるかどうかが大きな問
題となる。円筒状容器をブロー成形法で製造する場合、
容器の開口部分の径より大きい径のボスを後から容器の
一部を破壊することなく容器内部に組み込むことは不可
能であるから、必然的にボスの装着はパリソン射出段階
でボスをパリソン内部に挿入しておくインサート・ブロ
−成形方法をとらなければならない。しかし、従来のイ
ンサート・ブロ−成形方法では、容器の内部に装着され
るボスを、ブロー成形工程の中だけで(後工程を用いる
ことなく)上記両方向の力のどちらに対しても十分に耐
えられるよう容器内部に堅固に固定し、しかも250Kg
f/cm2 もの高圧ガスに対して十分なシール性を保持でき
るようインサートすることは困難であるという問題があ
った。
【0011】また、高圧容器用ライナーをブロー成形法
で作るにはもう一つの問題がある。押出ブロー成形法で
は、成形品に金型16によるパリソン38の喰い切りに
よるピンチオフ部48が不可避的に発生する。そして、
このピンチオフ部の肉厚はその周囲と比較してかなり薄
くなり、その結果、図34に示すように成形品の内壁面
に窪み49のできるのが一般的である。肉厚が薄くなれ
ば当然機械的強度が低下するので、それを防ぐ目的でピ
ンチオフ部付近を容器の外側に向かって突出させてこの
部分を意図的に厚くし、加えて突出した部分を両側から
強く押しつけて密着強度を高めようというのが特開平7
−088943号公報に示されている方法である。
【0012】ピンチオフ部の機械的強度を高める目的だ
けからは、この特開平7−088943号公報の方法は
有効であろうが、次の3つの理由から本件の高圧容器用
ライナーにこの方法を適用することは意味が無いし、又
不可能である。すなわち第1は、本件のような高圧容器
の場合、耐圧強度はFW法による外殻が受け持つので内
殻であるブロー成形製ライナーに内圧による過重な膨張
力が働くことはないため、ピンチオフ部の本来的な機械
的強度が薄くなった分だけ低下しても、そのこと自体は
問題にならないこと。
【0013】第2は、ライナーに外側に向かって突出す
る部分があるとFW法が著しく困難になること。そして
第3は、これが特に重要な点であるが、特開平7−08
8943号公報の方法でピンチオフ部の肉厚そのものは
確かに厚くなっても、成形品内部の当該箇所にできる溝
状の窪み49は依然無くならない点である。すなわち、
ピンチオフ部48が存在することの最大の問題点は成形
品の内壁面に溝状の窪み49ができることで、それがガ
スシール性に影響を及ぼすことなのである。
【0014】本件ブロー成形製ライナーのピンチオフ部
は図2及び図3に示されたパーティングラインE上、即
ち両端ドーム部の中央付近及び円筒状突起部の側面に経
線E(地球儀の経線に相当)に沿って、インサートされ
た口金の両側に対称的に発生する。そして、従来のイン
サート・ブロー成形法では薄くなって凹型に窪んだライ
ンが結果的にインサートされた口金のフランジ部分及び
ノズル部分との間にライナーの外部にまで連通する溝状
のガス通路を形成してしまうからである。以下、こうし
た問題を上記従来技術を例として具体的に述べる。
【0015】特開平3−89098号公報の第2図に実
施態様の一つが例示されている。この図のような口金
(ボス)の組み込み方が従来のインサート・ブロー成形
方法で実際に可能な典型的方式である。この口金の固定
のしかたについて、公報中に「第2図の容器では、(中
略)金属口金11の外面には、金属口金11がプラスチック
製円筒容器のプラスチック部12にアンカー効果で固定さ
れるように、細かい溝が全面にわたって形成されてい
る。」との説明がある。しかし、これだけの対策では、
口金(ボス)が容器内部に向かって押し込まれる力に対
して十分耐えられるよう堅固に容器に固定される保証は
何もなく、まして、充填された高圧ガスが金属口金11の
外面とプラスチック部12の内面との間を通して漏れ出す
ことを防ぐシール性を持たせることは不可能である。本
件発明者が事前に行った実験によって、このような方法
で保持し得るシール性はガス圧力が高々30Kgf/cm2
度までであって、充填されるガスの圧力がこれを超える
場合には確実にリークが発生してしまうことが確認され
ている。
【0016】また、同公報(特開平3−89098)の
第1図には別の実施態様が例示されており、公報中に
「第1図に示す(中略)この円筒容器はブロー成形法に
より作製して金属口金とプラスチックとを一体化し
た。」との説明及び、「第1図の(中略)プラスチック
製円筒容器10の(中略)金属口金11は、内部にネジ部
11aが形成された円筒11bと、円筒部11bから下方にラッ
パ状に延びるスカート部11cとよりなる。スカート部11c
は、(中略)プラスチック製円筒容器10のプラスチック
部12内にアンカー効果で強固に固定されている。」との
説明がある。しかし、ラッパ状に延びるスカート部を有
するこのような金属口金をブロー成形によっていかにし
て該第1図に示す形態でプラスチック製円筒容器のプラ
スチック部内に固定するかの方法については何等の開示
も無い。すなわち、該第1図は、実際にブロー成形法に
より得ることは困難である。
【0017】米国特許(US Patent Number525377
8)の公報のFig.4に示されている実施態様には、“内
殻ライナー内部の開口部付近には上部唇(upper lip)
と下部唇(lower lip)からなる二重唇(dual-layer li
p)が形成されており、これら二重唇の間にボスのフラ
ンジ部が挟みつけられているために、ボスはその位置に
安全に保持される”旨の説明がある。該米国特許の公報
中にはライナーを必ずしもブロー成形法で製造するとの
記述は無いが、このようにボス・フランジ部を固定する
形態も本質的には上記特開平3−89098号公報第1
図の形態と変わりなく、ブロー成形法により得ることは
困難である。
【0018】欧州出願(European Patent Publication N
umber0550951A1)の公報のFig.1に示されてい
る実施態様も上記2例と全く同様で、ブロー成形だけで
の実施は困難である。ただ、この欧州出願の場合には、
ボス・フランジを固定すべき円筒状ライナー端部(ドー
ム部)は射出成形法で製造し、別途胴体部だけをブロー
成形法で製造して、後工程でこれらを溶着させる方法を
とっているので、これならば成形可能である。しかし、
この方式ではライナーの製造が少なくとも3工程に増え
てしまうという別の問題がある。
【0019】NGV Systems Inc.社発行スーパーシリンダ
ー技術資料には2つの部品に分かれていてネジ込み式で
組み合わせるようになっているフランジ付ボスが図示さ
れている。この形態では、まず片方の部品を内部にイン
サートしてライナーを成形し、金型から取り出した後、
もう一方の部品をライナーの外側からネジ込んで、ライ
ナー開口部を2つのボス部品で内外から締め付ける方式
をとっている。この方式ではライナーがブロー成形法以
外の例えば射出成形法等で作られる場合には確かにイン
サートされたボスとライナーとの間の密着度を上げて高
いシール性を保持することが可能である。この技術資料
にはライナーの製造方法が必ずしもブロー成形であると
の記載は無いが、本件発明との関連において仮にブロー
成形であるとすれば、パリソン喰い切りによるピンチオ
フ部の存在に対する対策が何等施されておらず、この方
法をもってしても充填高圧ガスのリークを防ぐことは不
可能である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした問
題点を解決すべく、インサート・ブロー成形法によって
製造される口金付き円筒容器状ブロー成形品であって、
容器内部の両端にインサートされた口金が容器の内外か
ら作用するどの方向の力にも十分耐えるよう堅固に装着
されていて、該口金がFW法の際に回転軸シャフトを固
定するための治具としても、また高圧ガス充填・放出用
バルブの取り付け用治具としても利用できる高圧容器ラ
イナー用ブロー成形品を提供することを目的とするもの
である。また、本発明は、インサートされた口金の外壁
面と容器内壁面との間の隙間を通して充填ガスがリーク
するのを防ぐに十分なシール性を保持する高圧容器ライ
ナー用ブロー成形品及びその製造方法を提供するもので
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1番目の本発明になる
高圧容器ライナー用成形品は、両端部がドーム形状でそ
れら両端の中央先端部には、中心軸線上を外側に向かっ
て立ち上がりその内部に口金Aをインサートされた円筒
状突起を有し、かつ胴体部が円筒形又は略円筒形をした
ボンベ状の熱可塑性樹脂からなる高圧容器ライナー用成
形品であって、 上記口金Aは、ドーム状内壁面との間にリング状パッ
キングを装着させて接触する円盤状フランジ部分と、上
記円筒状突起の内壁面に密着して外部へ突出しかつその
先端外周面にネジ部を設けた円筒状ノズル部分とが一体
化されているとともに、該円筒状ノズル先端外周面の
ネジ部分に口金Cをネジ込むことによって、成形品端部
のドーム内壁面と口金Aの円盤状フランジ部分との間の
パッキングを内外から挟圧してシ−ル性を高めるよう構
成されていることを特徴とする高圧容器ライナー用成形
品である。
【0022】第2番目の本発明になる高圧容器ライナー
用ブロー成形品は、両端部がドーム形状でその中央先端
部には、中心軸線上を外側に向かって立ち上がりその内
部に口金Aをインサートされた円筒状突起を有し、かつ
胴体部が円筒形又は略円筒形をしたボンベ状の熱可塑性
樹脂からなるライナー用ブロ−成形品であって、 上記口金Aは、ドーム状内壁面と接触する円盤状フラ
ンジ部分と、上記円筒状突起から外部へ突出しかつその
先端外周面にネジ部を設けた円筒状ノズル部分とが一体
化されているとともに、円盤状フランジ部分のドーム
状内壁面に接触する面には、リング状パッキングを装着
させたリング状溝とこの溝からパーティングラインに相
当する線に沿って左右に延びる直線状の溝とが設けられ
ており、さらに上記円筒状ノズル部分の円筒外周に
は、円環状口金Bが嵌合され、該円環状口金Bは上記円
筒状突起の内壁面と密着したままその下端部全周が円盤
状フランジ部分に密着しているとともに、ドーム部内
壁面の上記円盤状フランジ部分に設けたリング状溝に一
致する部分が該溝内に押し込められて山脈状盛り上がり
を形成してリング状パッキングと接触し、さらにドー
ム部内壁面のパーティングライン上の左右金型の型締め
によるパリソン喰い切り箇所(ピンチオフ部)が、上記
口金Aのフランジ部直線状溝内に押し込まれた状態に
て、上記円筒状ノズル先端外周面のネジ部分に口金C
をネジ込んで円盤状フランジ部のリング状溝内とドーム
状内壁面の山脈状盛り上がり先端との間に装着させたリ
ング状パッキングを内外から挟圧して成形品内部の上下
両端部内壁面と口金Aの円盤状フランジ部との間のシー
ル性とピンチオフ部のシール性とを高めるよう構成され
ていることを特徴とする高圧容器ライナー用成形品であ
る。
【0023】本発明になる第1番目及び第2番目のブロ
−成形品における、 口金Cは、中央開口部に内ネジ部
を有し外周辺部には垂下した脚部を有する筒状口金から
なり、該垂下した脚部で上記円筒状突起の外周囲を被覆
し、かつ該中央開口部の内ネジ部を口金Aの円筒状ノズ
ル先端外周面のネジ部にネジ込むことで、垂下した脚部
先端をド−ム状外壁面から円盤状フランジ部分へ押しつ
けて、ドーム状内壁面と円盤状フランジ部分の間に装着
させたリング状パッキングを内外から挟圧する構成とす
ることが特に望ましい。このように構成されることによ
って、第1番目及び第2番目のブロ−成形品ではインサ
ートされた口金(ボス)Aが容器の内外から作用するど
の方向の力にも十分耐えるよう堅固に装着されるととも
に、充填される高圧ガスがリークするのを防ぐに十分な
シール性を保持した高圧容器ライナー用ブロー成形品と
なる。
【0024】第3番目の本発明になる高圧容器ライナー
用ブロー成形品は、上下両端部がドーム形状でその両端
の中央先端部には、中心軸線上を外側に向かって立ち上
がりその内部に口金Aをインサートされた円筒状突起を
有し、かつ胴体部が円筒形又は略円筒形をしたボンベ状
の熱可塑性樹脂からなるライナー用ブロ−成形品であっ
て、上記口金Aが、円盤状フランジと円筒状ノズルが
一体化した口金を二段重ねによって2つの離間した外フ
ランジと内フランジを形成しているとともに、両フラン
ジ間には成形品のドーム内壁面の一部を円周上全周にわ
たって突き出し延在させた衝立状平板が形成され、該衝
立状平板が前記口金の外フランジと内フランジとによっ
て強く挟持されているとともに、該衝立状平板と成形品
の端部内壁面とによって口金の外フランジが強く挟持す
るよう構成されていることを特徴とする高圧容器ライナ
ー用成形品である。
【0025】かかる本発明になる第3番目のブロ−成形
品は、このように構成されることによって、インサート
された口金(ボス)が容器の内外から作用するどの方向
の力にも十分耐えるよう堅固に装着されるとともに、ま
た高圧ガス充填・放出用バルブの取り付け用治具として
も利用できる高圧容器ライナー用ブロー成形品となる。
また、こうしたブロー成形品を単一ブロー成形工程で同
時一体的に形成することが可能となる。
【0026】本発明になるブロー成形方法は、高圧容器
ライナ−用成形品のブロー成形法であって、左右に開
閉自在でかつ成形品の両端ド−ム部に相当するキャビテ
ィ部分が、金型本体に対して上下中心軸線方向にスライ
ド可能な割型にて構成したブロー成形用金型を使用し、
該ブロー成形用金型が左右に開いている時に、ブロー
成形機本体の上下可動台に差し込まれたインサート用支
柱の所定の上下位置に、口金Aの円盤状フランジ部を内
側に円筒状ノズル部分を外側に向けて保持し、かつ口金
Aの円筒状ノズル部分の円筒部には円環状口金Bをスラ
イド可能にインサートさせてから、熱可塑性樹脂から
なるパリソンを、上記インサート用支柱と口金A全体を
外側から包みこむように押し出し、左右のブロー成形
用金型が型締めされてパリソン上下部分を挟み込んだま
ま所定のインサートブローを行って所望の高圧容器ライ
ナ−用成形品を賦形させる工程の途中において、成形
品の上下両端ド−ム部に相当するキャビティ割型部分
を、金型本体の中心軸線上の内部方向に向けて圧縮作動
によりスライドさせることによって、円環状口金Bを
その外周面に密着した成形品の円筒状突起部分とともに
口金Aの円筒状ノズル部分の根元側へスライドさせて口
金Bの下端部を円盤状フランジ部に密接する迄押し込む
とともに、ド−ム部内壁面の上記円盤状フランジ部分
に設けたリング状溝に一致する部分をキャビティ割型部
分の突起によって上記リング状溝内に押し込んで山脈状
盛り上がりを形成し、さらに上記ド−ム部内壁面のパ
−ティングライン上の割型によるパリソン喰い切り箇所
(ピンチオフ部)を上記口金Aのフランジ部直線状溝内
に押し込み山脈状盛り上がりで該溝内を圧着させてブロ
ー成形を行った後に、得られた成形品の円筒状ノズル
先端外周面のネジ部分に口金Cをネジ込み、成形品端部
のドーム内壁面と口金Aの円盤状フランジ部分との間の
パッキングによるシ−ル性を高めるよう構成することを
特徴とする高圧容器ライナ−のブロー成形法である。
【0027】以下本発明の構成及び作用について更に詳
細に説明する。上記第1及び第2の本発明の高圧容器ラ
イナー用ブロー成形品では、成形品内部にインサートさ
れた口金Aのフランジ部に付属するリング状パッキング
は成形品内壁面に発生するピンチオフ部の溝状のライン
を横断するよう装着されている。従って、口金Cを成形
品の外部から口金Aのノズル部先端外周面のネジ部分に
ネジ込んで、内外からパッキングを成形品内壁面と円盤
状フランジ部分で挟圧して押しつけることによって、ピ
ンチオフ部及びパッキングの双方が互いに接している箇
所でともに変形して窪みが埋まり、そこで溝状のガス通
路が遮断される作用がある。そして、この作用は当然の
ことながら口金Cを強くネジ込めばネジ込むほど著しく
なる。すなわち本発明の高圧容器ライナー用ブロー成形
品では、外からネジ込む口金Cのネジ込み方を調整する
ことによって、ブロー成形品特有の内壁面のピンチオフ
部窪みの程度いかんにかかわらず完全なシール性を確保
することができる。
【0028】上記第3の本発明における高圧容器ライナ
ー用ブロ−成形品では、その内部の上下両端部にインサ
ートされた口金(ボス)と成形品とは、容器の内側から
外側に向かう方向に沿って口金の内フランジ、成形品本
体の衝立状平板、口金の外フランジ、成形品本体の端部
壁面の順で配列され、互いに歯車の歯が噛み合うように
挟持し合っている。このため、口金を容器外部に押し出
そうとする力(すなわち容器内圧)が発生する場合に
は、口金の内フランジがまずこの力を受ける形になり、
この結果、口金の内フランジと外フランジとはますます
強く成形品本体の衝立状平板を挟みつけることになり、
成形品本体と口金の固定が一層強まるようになる。
【0029】逆に口金を容器内部に押し込もうとする力
に対しては、口金の外フランジがまずこの力を受ける形
になるが、この場合にも同様に結局は成形品本体と口金
の固定が一層強まることになる。すなわち、第3発明の
高圧容器ライナー用ブロー成形品には、容器内外から強
い力を受ければ受けるほど、その分だけ成形品本体と口
金の固定が強化され、逆に力が解除されれば同時に成形
品本体と口金の固定の程度も緩やかになり、双方に不必
要なストレスを発生させないですむという作用がある。
また、口金がいっさい成形品本体端部(ドーム部)の外
側には出ていないので、このドーム部外面の滑らかな曲
面形状が口金の存在によって乱れることもなくFW法の
障害となることもない。なおこの第3発明の高圧容器ラ
イナー用成形品の場合でも、外フランジとドーム内壁面
の間に前記したリング状パッキングを適宜介在させて更
にシール性を高めることもできる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて、具体的に説明する。 (実施例1)図1は、第1番目の本発明になる高圧容器
ライナー用ブロ−成形品40の一例であって、特にライ
ナーの上部ドーム部における要部縦断面図である。該図
1で、ライナー本体は、上部(下部も同じ)ドーム部分
1の中央先端部に、中心軸線上を外側に向かって立ち上
がる円筒状突起3を有し、その内部には口金Aをインサ
ートされ、かつライナー胴体部2が円筒形又は略円筒形
をしたボンベ状の熱可塑性樹脂からなるブロ−成形品4
0である。インサートされている口金Aは、ドーム状内
壁面との間にリング状パッキング4を装着させて接触す
る円盤状フランジ部分5と、上記円筒状突起3の内壁面
に密着した円筒状のノズル部分6及び更に外部へ突出し
かつその先端外周面にネジ部7aを設けたノズル先端部
分7とが一体化されたものである。なお円盤状フランジ
部分5のドーム状内壁面に接触する側には、適宜リング
状パッキング4を所定の位置に装着させ易くするために
浅いリング状の溝を設けることが望ましい。
【0031】なお、口金Aの中心部分には、通常容器の
内部と外部を連通する通気口が穿設され更にその上端の
通気口内壁面には開閉弁取り付け用等に用いる内ネジ7
bが設けられる。ここで口金Cは、上記のリング状パッ
キング4を内外から挟圧するために取り付けるものであ
り、その形状は簡単なナット状のものでもよく特に限定
するものではない。特に好ましいものは図示している如
く、中央開口部にナット状の内ネジ部8を有し外周辺部
には垂下したスカート状の脚部9を有しており、該脚部
9によって上記円筒状突起3の外周囲が被覆され、かつ
該中央開口部の内ネジ部8を口金Aの円筒状ノズル先端
部分7の外周面に設けたネジ部7aにネジ込むことで、
脚部9の先端をド−ム状外壁面から押しつけて、ドーム
状内壁面と円盤状フランジ部分5の間に介在させたリン
グ状パッキング4を内外から挟圧する構成としたもので
ある。また脚部9はスカート状に一体の筒体が好ましい
が、或いは等間隔に垂下した複数本からなる脚部であっ
てもよい。かかる構成によって成形品内部の両端部ドー
ム状内壁面1と口金Aの円盤状フランジ部5との間のリ
ング状パッキング4によるシール性が高められる。
【0032】なおライナ−の円筒状突起部分3と口金A
の円筒状ノズル部分6との中程にある凹部10は、円周
方向全周にわたる窪みではなく、左右に1箇所づつある
窪みで、ライナー本体と口金Aとが相対的に回転するの
を防ぐ回り止めの役割を果たしている。また筒状口金C
の上部に配置された口金Dは、口金Cの上部で円筒状ノ
ズル先端部分7の外周面に設けたネジ部7aにネジ込み
かつ複数の植え込みボルトで口金Cに固定することによ
って口金Cの緩みを防止しているものである。この成形
品の長手軸方向の寸法は約1240mm、胴体部の外径は
約250mmで内容量を約50リットルである。またこの
成形品本体の材質はHMW-HDPE(高分子量高密度ポリエチ
レン樹脂)で、口金Aの材質はアルミニウムである。
【0033】なお本実施例成形品の寸法が上記の数値で
あるのは、たまたま内容量を約50リットル に選んだ
だけのことであって、これらの数値自体が本発明の本質
にかかわるものでないことは言うまでもない。これらの
数値は通常のブロ−成形が可能な範囲で自由に選ぶこと
ができる。また同様に、成形品本体の材質も通常のブロ
−成形が可能な熱可塑性樹脂であれば何をえらんでもよ
い。特に成形品の使用目的が高圧ガス容器のライナ−で
あることから、ガスバリア性の高い樹脂が特に望まし
く、その点ではPA樹脂(PA6,PA66,PA61
0,PA46,PA11,PA12,等)は比較的廉価
である点からもより好ましい。
【0034】さらに、成形品本体の材質は複数種類の樹
脂を組み合わせた多層ブロ−成形品であってもよい。特
にHMW-HDPE樹脂とPA樹脂を複数層の中の2層として積
層した多層ブロ−成形品はブロ−成形性の良さとガスバ
リア性の高さの両面から好ましい。口金Aの材質もアル
ミニウムに限定される理由な何もなく、鉄やその他の金
属でもよく、また場合によっては樹脂成形品であっても
よい。このライナー成形品自体には、外面に樹脂を含浸
させた長繊維を公知のFW法で巻回積層し、これを硬化
させた後にライナーを抜き出すことなく製品とすること
ができる。
【0035】(実施例2)図2は、第2番目の本発明に
なる高圧容器ライナー用ブロ−成形品40に関するもの
であって、特にライナーの上部ドーム部1における要部
縦断面(一部切り欠き面を含む)の模式図を示し、又図
3には口金Aと口金Bの組み立てられた状態の鳥瞰図の
模式図を示す。以下の図面において符号が図1と一致す
るものは図1で説明したものと同じである。また成形品
の寸法や材質,口金Aと口金C及び口金Dの機能、材質
等は実施例1の場合と同様である。ただしこの図2、図
3の場合には、特に口金Aの円盤状フランジ部分5のド
ーム状内壁面1に接触する側に、リング状パッキング4
を装着させたリング状の溝11とこの溝11からパーテ
ィングラインEに相当する線に沿って左右に延びる直線
状の溝14及び必要に応じて円筒状ノズル部分6の根元
周辺のフランジ部分には更に別のリング状の溝15(図
6参照)とが設けられていること。
【0036】また上記円筒状ノズル部分6の円筒外周に
は、スライド可能に円環状口金Bが嵌合され、かつ該円
環状口金Bは上記円筒状突起3の内壁面と密着したまま
円筒状ノズル部分6の根元方向にスライドしてその下端
部全周を円盤状フランジ部分5に密着していること、こ
の密着手段としては、円筒状ノズル部分6の根元のリン
グ状の溝15内に突き出されてはめ込み密着させるのが
好ましい。またドーム部内壁面1の上記円盤状フランジ
部分5に設けたリング状溝11に一致する部分が該溝内
に押し込められて山脈状盛り上がり12を形成しその先
端がリング状パッキング4と接触していること。
【0037】更にドーム部内壁面のパーティングライン
E(図3参照)の左右金型の型締めによるパリソン喰い
切り箇所(ピンチオフ部)が、上記口金Aのフランジ部
直線状溝14内に押し込まれて直線の山脈状盛り上がり
13を形成していること等の点で図1の場合とは異な
る。この場合も、上記円筒状ノズル先端部分7の外周面
のネジ部分7aには図1と同様の口金Cをネジ込んで円
盤状フランジ部のリング状溝11内とドーム状内壁面の
山脈状盛り上がり12の先端との間に装着させたリング
状パッキング4を内外から挟圧して成形品内部の上下両
端部内壁面と口金Aの円盤状フランジ部との間のシール
性とピンチオフ部のシール性とを更に高めている。又凹
部10は図1と同様に円周方向全周にわたる窪みではな
く、左右に1箇所づつある窪みで、ライナ−成形品40
と口金A及び口金Bとが相対的に回転するのを防ぐ回り
止めの役割を果たしている。口金Dは同じく口金Cの緩
み防止用である。
【0038】図4には、本発明の上記した実施例2の成
形品をブロー成形法で得るのに用いられるブロー用金型
及び口金A,Bをパリソン内に挿入するためのインサ−
ト用支柱との位置関係を模式的に示した縦断面図であ
る。ただし、インサ−ト用支柱の部分は略図であり、正
確な構造は図6に示す。金型は左右の金型半体16、1
6′に分割された上で、各金型半体は更に上部割型1
7,18及び下部割型19,20とに分割され、各割型
はそれぞれに付随した駆動装置(この場合は油圧シリン
ダ−21)を介して金型半体本体16、16'に対して上
下移動可能に取り付けられている。
【0039】図5に金型右半体16の上半分の鳥瞰図の
模式図を示す。上部割型18(及び下部割型20)には
図示されているように回り止めを形成するための凸部1
0aが設けられている。成形の型締工程(後述)で、こ
の凸部10aが口金Bの回り止めの凹部10b(図3に
図示)に挿入されて左右に凹部10が形成されてライナ
−円筒状突起部分3と口金A及び口金Bの回り止めが形
成される。
【0040】図6はインサ−ト用支柱22及び口金A,
円環状口金Bの正確な構造とこれらの位置関係を示す縦
断面図である。口金Aのノズル部分6に円環状口金Bが
嵌合される形でC型リング23(図7に図示)を介して
分離不可能に組み立てられている。そして、口金Aに対
して円環状口金Bを強く押しつけると、該口金BがC型
リング23とともに口金Aノズル部分のテ−パ部24を
滑って移動し、口金Aノズル部6の根元にあるC型リン
グ受け溝25にC型リング23がすっぽり収まったとこ
ろで、口金Aと口金Bの相対位置が決まる構造になって
いる。
【0041】後に口金Cを口金Aの先端ノズル部分7の
外周ネジ7aにネジ込む際に円環状口金Bが口金Aに対
してさらに押し込まれる方向に少し移動することがある
が、C型リング受け溝25の幅をC型リング23の厚み
より少し大きめにしておくことで、こうした移動が阻害
されることはない。また口金Aと円環状口金Bが相対的
に回転しないように円環状口金Bの下端部に回り止めピ
ン26を固定してノズル部6の根元に設けたリング状溝
15内に下端部を嵌め込み更に穴27に該ピン26を挿
入することによって回り止めがなされている。
【0042】インサ−ト用支柱22は内部インサ−ト用
支柱28,外部インサ−ト用支柱29,インサ−ト用支
柱30の3つの部品からなり、全体としてはブロ−成形
機本体の上下可動台31の上部穴に上から差し込まれる
だけの構造になっている。従って、この台に対するイン
サ−ト用支柱22の取り付け取り外しは随時自由であ
る。支柱28と支柱29はそれぞれ径の異なるパイプに
なっており、支柱29は成形品下端部側にインサ−トさ
れる口金A(下端部口金A)にネジ込まれた状態で下端
部口金A,Bと一体で上方から支柱29に差し込まれる
構造になっている。
【0043】そして下端部口金Aはインサ−ト用支柱2
8の上に乗っているだけであり、さらに成形品上端部に
インサ−トされる口金A(上端部口金A)は上端部口金
Bとともに最後に支柱29の上に置かれるだけである。
そして上端部口金Aとインサ−ト用支柱28との間,下
端部口金Aとインサ−ト用支柱28との間及びインサ−
ト用支柱28とブロ−成形機本体の上下可動台31との
間は、それぞれ相対的に回転しないように面取り32に
よって回り止めがなされている。
【0044】またインサート用支柱の所定の上下位置
に、口金Aの円盤状フランジ部を内側に円筒状ノズル部
分を外側に向けて保持されるが、上端部口金Aと下端部
口金Aの間の距離はインサ−ト用支柱29の長さによっ
て厳密に決まり、支柱29を含む両端部口金全体の金型
に対する位置(高さ)調整はインサ−ト用支柱30によ
って行われる。また、支柱28には空気吹き込み用パイ
プ33が連結されており、パリソン内への空気吹き込み
は支柱28及び支柱29に明けられた空気吹き込み用穴
34を通して行われる。図7にC型リング23の模式図
を示す。このリングは直径が多少変化できて、しかも強
靱でなければならないので、材質としてはバネ鋼で作ら
れるのが望ましい。また図8はブロー金型を閉じた状態
の平面図を示す。図8におけるFはライナーの円筒状突
起部分の外径を、Gはライナーの胴体部分の外径を示し
ている。
【0045】(実施例3)以下に第2図に示した本発明
ブロー成形品の具体的なブロ−成形方法の工程を順を追
って説明する。 (準備段階):図9に示す如くまずインサ−ト用支柱2
8の上端に吊り上げ用ボルト35が装着され、次に上端
部口金Aのノズル先端部分の内面ネジ部7bに吊り上げ
用ボルト36が装着される。(パリソン射出工程):図
10に示す如く左右の金型半体16、16′が開き、イ
ンサ−トすべき上下両端部の口金Aがインサ−ト用支柱
22の然るべき位置に保持されて待機しているところ
に、押し出し機のダイヘッド37からパリソン38がイ
ンサ−ト用支柱22と口金A,B全体を外側から包み込
むように押し出される。
【0046】この時、押し出されるパリソンの外径寸法
φL0 は図12に示すようにレイフラット寸法Lf(=
πL0/2)が上部割型17(及び下部割型19)の幅
寸法Ld より小さくなる(Lf<Ld)ようにコントロ−
ルされる。これは後述する賦形工程で上部割型17及び
下部割型19が内部へスライドすることによってパリソ
ン38が上下の割型と金型半体本体との境界面で剪断さ
れて破損することを防止するためである。
【0047】(型締工程):図11に示す如く左右の金
型半体16、16′が閉じて型締めが行われる。この工
程の時点では、上部割型17、18及び下部割型19、
20はともに後退した状態にある。またこの図11は、
この工程における図8中のX−X矢視に相当する縦断面
図であり、また図12にこの工程における図8中のY−
Y矢視に相当する縦断面図である。
【0048】(ブロ−アップ工程):図13に示す如く
パリソン38の内部に圧縮空気が吹き込まれてパリソン
が金型キャビティ形状までブロ−アップされる。同時
に、製品搬出装置の左右の腕39が閉じて、ダイヘッド
下面と金型上面との間のパリソンを挟み込む。 図14
にこの工程の図8中Y−Y矢視に相当する縦断面図を示
す。 図15にこの工程の図8中Z−Z矢視に相当する
上端部口金Aフランジ部近傍の縦断面図を示す。
【0049】(賦形工程):図16に示す如く上部割型
17,18及び下部割型19,20が油圧シリンダー2
1の圧縮作動により内部へ前進し、上端部及び下端部の
口金Bがそれに外接するライナ−円筒状突起部分3とと
もに中心軸線方向にスライドして、成形品端部ド−ム部
内壁面のパッキング4に接する箇所にリング状の山脈状
盛り上がり12を形成すると同時に、パリソン喰い切り
箇所(ピンチオフ部)に同じく直線状の山脈状盛り上が
り13を形成する(図15参照)。そして、これら山脈
状盛り上がり13は口金Aの当該箇所に彫られた溝14
内に収まる(図18参照)。
【0050】またこの時点で、口金BのC型リング23
が口金AのC型リング受け溝25に収まり(図6参
照)、口金Aと口金Bの相対位置が決まる。図17はこ
の工程での図8中Y−Y断面の模式図を示す。図18は
この工程での図8中Z−Z断面の上端部口金Aフランジ
部近傍の模式図を示す。
【0051】(型開工程):図19に示す如く左右の金
型16,16′が開き、同時にインサート用支柱30よ
り上部を残してブロ−成形機本体の上下可動台31が下
降する。 (製品搬出工程):図20に示す如く成形品40がブロ
−成形機本体の製品搬出装置41の腕42によって金型
の外に取り出される。この時インサ−ト用支柱28,2
9,30も成形品といっしょに取り出される。
【0052】(インサ−ト用支柱抜き取り工程):図2
1に示す如く吊り上げ用ボルトを36→35の順ではず
せばインサ−ト用支柱28(支柱30をくっつけたま
ま)→支柱29の順で抜き取ることができる。インサ−
ト用支柱28,29,30を抜き取った後バリ部分43
が切断除去される。
【0053】(口金Cのネジ込み工程):図22に示す如
く最後に口金Cの中央のナットネジ部分8を口金Aのノ
ズル先端部外周のネジ部分7aに対してネジ込んで、脚
部9とフランジ部分5の内外からの挟圧でライナ−ド−
ム部1の内壁面とパッキング4の間の密着度を上げるこ
とによりシ−ル性を高める。口金Aフランジ部5の直線
状溝14に収まったライナ−ド−ム部内壁面の直線状の
山脈状盛り上がり13(図18参照)は、ライナ−と口
金Aの直接的な回り止めの役割も果たす。また口金Dが
口金Cの緩み防止として装着される。
【0054】(実施例4)図23には第3の本発明の実
施例にかかる高圧容器ライナ−用ブロ−成形品の縦断面
図を示す。上下両端部1がドーム形状でその両端の中央
先端部には、中心軸線上を外側に向かって立ち上がりそ
の内部に口金Aをインサートされた円筒状突起3を有
し、かつ胴体部2が円筒形又は略円筒形をしたボンベ状
の熱可塑性樹脂からなるライナー用ブロ−成形品40で
あって、上記口金Aが、円盤状フランジと円筒状ノズ
ル6が一体化した口金を二段重ねによって2つの離間し
たフランジ部分(外フランジ5aと内フランジ5b)及
び同筒状ノズル(6a,6b)を形成しているととも
に、該フランジ部分内には成形品のドーム内壁面の一部
を円周上全周にわたって突き出し延在させた衝立状平板
44が形成され、該衝立状平板44が前記口金の外フラ
ンジ5aと内フランジ5bとによって強く挟持されてい
るとともに、該衝立状平板44と成形品の両端ドーム部
分内壁面1とによって口金の外フランジ5aが強く挟持
するよう構成されている高圧容器ライナー用ブロー成形
品である。
【0055】この成形品の長手軸方向の寸法は約124
0mm、胴体部の外径は約250mmである。成形品本体の
材質はHMW-HDPE(高分子量高密度ポリエチレン樹脂)
で、口金の材質はアルミニウムである。但し、本実施例
成形品の寸法が上記の数値であるのは、たまたま内容量
を約50Liter に選んだだけのことであって、これらの
数値自体が本発明の本質にかかわるものでないことは言
うまでもない。これらの数値は通常のブロ−成形が可能
な範囲で自由に選ぶことができる。また同様に、成形品
本体の材質も通常のブロ−成形が可能な熱可塑性樹脂で
あれば何をえらんでもよい。
【0056】特に成形品の使用目的が高圧ガス容器のラ
イナ−であることから、ガスバリア性の高い樹脂ならな
お望ましく、その点ではPA樹脂(PA6,PA66,
PA610,PA46,PA11,PA12,等)は比
較的廉価である点からもより好ましい。さらに、成形品
は複数種類の樹脂を組み合わせた多層ブロ−成形品であ
ってもよい。特にHMW-HDPE樹脂とPA樹脂を複数層の中
の2層として積層した多層ブロ−成形品はブロ−成形性
の良さとガスバリア性の高さの両面から好ましい。口金
の材質もアルミニウムに限定される理由な何もなく、鉄
やその他の金属でもよく、また場合によっては樹脂成形
品であってもよい。
【0057】図24に、図23に示した成形品のブロー
成形に用いられるブロー金型及び口金をパリソン内に装
入するためのインサート用支柱との位置関係の縦断面の
模式図を示す。(ただし、インサート用支柱の部分は略
図になっている。インサート用支柱の正確な構造は図2
5に示される。金型は左右の金型半体16,16′に分
割された上で、各金型半体は金型半体本体と上部割型1
7,18及び下部割型19,20とに分割され、各割型
17,18はそれぞれに付随した駆動装置(この場合は
油圧シリンダ−21)を介して金型半体16,16′に
対して上下移動可能に取り付けられている。さらに、金
型半体16,16′と各割型17,18の間にはそれぞ
れ上部スライドプレート45,及び下部スライドプレー
ト46が組み込まれ、これらも駆動装置21を介して金
型半体本体に対してスライド(前進後退)可能に取り付
けられている。
【0058】図25にインサ−ト用支柱22及び口金A
の正確な構造とこれらの位置関係の縦断面の模式図を示
す。口金は外フランジ5aと内フランジ5bの2つの部
分から成り、外フランジの下部窪み部分47に内フラン
ジ5bの突起部分6bが一部挿入される形でC型リング
23を介して分離不可能に組み立てられている。そし
て、内フランジ5bに対して外フランジ5aを強く押し
つけると、外フランジ5aがC型リング23とともに内
フランジ5bの突起部分6bのテーパ部24を滑って移
動し、内フランジ突起部分6bの根元にあるリング受け
溝25にC型リング23がすっぽり収まったところで、
両フランジの最終距離が決まる構造になっている。C型
リング23がリング受け溝25に収まった後は、口金全
体が破壊されない限り外フランジ5aと内フランジ5b
の間隔が拡がることはない。なお、このリングは直径が
多少変化できて、しかも強靱でなければならないので、
材質としてはバネ鋼で作られるのが望ましい。
【0059】インサ−ト用支柱22はインサ−ト用支柱
28,インサ−ト用支柱29,インサ−ト用支柱30の
3つの部品からなり、全体としてはブロ−成形機本体の
上下可動台31の穴にインサ−ト用支柱30の下部を上
から差し込むだけの構造になっている。従って、この台
に対するインサ−ト用支柱22の取り付け取り外しは随
時自由である。支柱28と支柱29はそれぞれ径の異な
るパイプになっており、支柱29は成形品下端部にイン
サ−トされる口金A(下端部口金A)にネジ込まれた状
態で下端部口金Aと一体で上方から支柱28に差し込ま
れる構造になっている。そして下端部口金Aはインサ−
ト用支柱30の上に乗っているだけであり、さらに成形
品上端部にインサ−トされる口金A(上端部口金A)は
最後に支柱29の上に置かれるだけである。
【0060】上端部口金Aの内フランジ5bと下端部口
金の内フランジ5b間の距離はインサ−ト用支柱29の
長さによって厳密に決まり、支柱29を含む両端部口金
全体の金型に対する位置(高さ)調整はインサ−ト用支
柱30によって行われる。また、支柱28には空気吹き
込み用パイプ33が連結されており、パリソン内への空
気吹き込みは支柱28及び支柱29にあけられた空気吹
き込み用穴34を通して行われる。
【0061】以下に、第3の本発明にかかる成形品をブ
ロー成形法で製造する場合の成形工程を順を追って説明
する。 (パリソン射出工程):図26に示す如く左右の金型半
体16,16′が開き、インサ−トすべき上下両端部の
口金Aがインサ−ト用支柱22の然るべき位置に保持さ
れて待機しているところに、パリソン38がインサ−ト
用支柱全体を外側から包み込むようにタイヘッド37か
ら射出される。この時点では上部割型17,18、下部
割型19,20、上部スライドプレート45及び下部ス
ライドプレート46等はすべて後退した状態にある。
【0062】(型締工程):図27に示す如く左右の金
型半体16,16′が閉じて型締めが行われる。 (衝立状平板形成予備工程):図28に示す如く上部ス
ライドプレート45,及び下部スライドプレート46が
前進してパリソン38を水平方向へ突き出すことによっ
て、上下両端部の口金のそれぞれの外フランジ5aと内
フランジ5bの間にパリソンが円周方向全周にわたって
凹状に湾曲した状態になる。
【0063】(ブロ−アップ及び賦形工程):図29に
示す如くパリソン内部に圧縮空気が吹き込まれてパリソ
ンが金型キャビティ形状までブロ−アップされると同時
に、上部スライドプレート45及び下部スライドプレー
ト46が後退し、間髪を入れずに上部割型17,18及
び下部割型19,20が前進する。上部割型17,18
及び下部割型19,20の前進によって、上下両端部口
金Aのそれぞれの外フランジ5aが成形品両端のドーム
内壁面を介して内側に強く押されて移動し、内フランジ
5bとの間で凹状に湾曲したパリソンを挟みつける状態
になる。上下両端部口金Aの内フランジ5b同士はイン
サート用支柱22を介してそれぞれの位置が決まってい
るので外フランジ5aの移動の際にも位置が動くことは
なく、そのため外フランジ5aと内フランジ5bは、間
に挟まっている湾曲パリソンを両側から強く圧縮するこ
とになり、成形品内部に円周状全周にわたる衝立状平板
43が形成される。
【0064】(型開及び成形品脱型工程):図30に示
す如く左右の金型半体16,16′が開き成形品40が
金型から取り出される。このとき、インサート用支柱2
2も成形品と一緒に取り出される。これらインサート用
支柱22は台31の上に乗っているだけであるから取り
出しは容易である。
【0065】(インサ−ト用支柱抜き取り工程):図3
1に示す如くインサ−ト用支柱22が成形品40から抜
き取られる。支柱22と30は一体のまま抜き出すだけ
でよく、一方支柱29は支柱28と30を抜き出した
後、ネジ回し用工具を用いて下端部口金Aの内フランジ
から抜き取られる。
【0066】なお、本実施例の成形に用いた金型に組み
込まれている上部スライドプレート45及び下部スライ
ドプレート46は、図32に示す如く左右の各金型半体
16,16′当たり、上下それぞれ1枚の板で作られて
いるのではなく、上下それぞれを3枚づつの板(スライ
ドプレート45a、スライドプレート45b、スライド
プレート45c)で構成する形式を採用した。ただし、
この図では、金型左半体16′に属する部分が省略され
ている。)なお、図32中の寸法D1,D2,D3,D4 は図
24中の同記号の寸法と同じものである。そして、これ
ら3枚のスライドプレート45a、45b、45cのシ
ーケンシャルな動きは、まずスライドプレート45aが
前進し、それが前進し終わった時点でスライドプレート
45b、45cが前進する形態をとる。これはスライド
プレートの前進に際してスライドプレート45aと45
bの間、及びスライドプレート45aと45cの間にパ
リソンを挟み込まないようにするためである。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のブロ−成形
品では口金A(又は口金A,B)はパリソン内にインサ
−トされることによってブロ−成形工程中だけで同時一
体的に成形品内部に装着され、かつ口金C及び口金Dは
成形品外部から口金Aにネジ込まれるだけであるから本
質的にブロ−成形工程以外の余分な工程を必要とせず極
めて経済的に製造できる。また口金Cを口金Aの外部ノ
ズル先端部分にネジ込むことによって、口金Aフランジ
部に装着されたパッキングと成形品のドーム状内壁面と
の密着度を上げて充填高圧ガスのリ−クに対するシ−ル
性を高める効果がある。しかも口金Cは後からネジ込ま
れるので、ブロ−成形品の肉厚に多少の誤差があったり
充填される高圧ガスの圧力自体に変化があっても、適当
な頻度でサンプリングを行ってその都度口金Cのネジ込
み方の強さを調整すれば常にそうした変化に応じた最適
のシ−ル性を得ることができる。
【0068】また本発明のブロ−成形方法は、こうした
シ−ル性の高いブロ−成形品を実際に作る方法を示した
もので、これによって従来のインサ−ト・ブロ−成形法
では困難とされていた充填高圧ガスに対する口金との間
のシ−ル性の完全なブロ−成形製ライナ−を製造する道
を拓いたことで、今後の高圧ガス容器軽量化動向及びそ
うした軽量化高圧ガス容器の普及に大きく貢献するもの
である。
【0069】また、第3の発明では、円盤状フランジと
円筒状ノズルが一体化した口金を二段重ねによって2つ
の離間した外フランジと内フランジを形成している口金
をパリソン内にインサ−トすることによってブロ−成形
工程の中だけで同時一体的に形成されるので、他の余分
な工程を必要とせず極めて経済的に製造できるととも
に、口金は成形品の内外から作用する力が強ければ強い
ほど堅固に成形品本体に固定される構造になっているの
で、強い力に対する口金まわりの抵抗力を増す目的でこ
とさら成形品全体の強度を上げておく必要が全くなく、
この点でも経済的に製造できるという効果があり、今後
の高圧ガス容器軽量化動向及びそうした軽量化高圧ガス
容器の普及に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(第1番目の本発明)になる高圧容器
ライナーの上部ドーム部における要部縦断面図である。
【図2】実施例2(第2番目の本発明)になる高圧容器
ライナーの上部ドーム部における要部縦断面図(一部切
り欠き面を含む)である。
【図3】図2における口金Aと口金Bを組み立てた状態
の鳥瞰図である。
【図4】図2における成形品に用いられるブロー金型及
び口金A,Bをパリソン内に挿入するためのインサ−ト
用支柱との位置関係を示す縦断面図である。
【図5】金型右半体の上半分を示す鳥瞰図である。
【図6】インサ−ト用支柱及び口金の正確な取り付け構
造とこれらの位置関係を示す縦断面図である。
【図7】C型リングの模式図である。
【図8】ブロー金型を閉じた状態の平面図である。
【図9】準備段階を示すブロー金型内の縦断面図であ
る。
【図10】パリソン射出工程を示す金型内の縦断面図で
ある。
【図11】型締工程における図8のX−X断面に相当す
る金型内の縦断面図である。
【図12】型締工程における図8のY−Y断面に相当す
る金型内の縦断面図である。
【図13】ブロ−アップ工程を示す金型内の縦断面図で
ある。
【図14】ブロ−アップ工程における図8のY−Y断面
に相当する金型内の縦断面図である。
【図15】ブロ−アップ工程における図8のZ−Z断面
に相当する上端部口金Aフランジ部近傍の縦断面図であ
る。
【図16】賦形工程における上下割り金型が内部へ移動
した状態の金型内の縦断面図である。
【図17】賦形工程における図8のY−Y断面に相当す
る金型内の縦断面図である。
【図18】賦形工程における図8のZ−Z断面に相当す
る金型内の縦断面図である。
【図19】型開工程を示す金型内の縦断面図である。
【図20】製品搬出工程を示す概略図である。
【図21】インサ−ト用支柱抜き取り工程を示す概略の
縦断面図である。
【図22】口金Cのネジ込み工程における上部縦断面図
である。
【図23】実施例4(第3番目の本発明)になる高圧容
器ライナーの全体縦断面による鳥瞰図である。
【図24】図23における成形品の成形に用いられるブ
ロー金型及び口金Aをパリソン内に挿入するためのイン
サ−ト用支柱との位置関係を示す縦断面図である。
【図25】インサ−ト用支柱及び口金の正確な取り付け
構造とこれらの位置関係を示す縦断面図である。
【図26】パリソン射出工程を示す金型内の縦断面図で
ある。
【図27】型締工程における金型内の縦断面図である。
【図28】衝立状平板形成予備工程における金型内の縦
断面図である。
【図29】ブローアップ及び賦形工程における金型内の
縦断面図である。
【図30】型開及び成形品脱型工程における金型内の縦
断面図である。
【図31】インサ−ト用支柱抜き取り工程おける概略の
縦断面図である。
【図32】金型右半体のスライドプレートを示す概略平
面図である。
【図33】従来のブロ−成形でのピンチオフ部(パリソ
ン喰い切り部)近傍を示す概略の縦断面図である。
【符号の説明】
A 口金 B 円環状口金 C 筒状口金 D 緩み防止用の口金 E パーテイングライン F ライナーの円筒状突起部分の外径 G ライナーの胴体部分の外径 1 ドーム部分 2 ライナー胴体部 3 円筒状突起 4 リング状パッキング 5 円盤状フランジ部分 6 円筒状のノズル部分 7 ノズル先端部分 8 ナット状の内ネジ部 9 脚部 10 凹部 11 リング状の溝 12 山脈状盛り上がり 13 ピンチオフ部の直線状山脈の盛り上がり 14 直線状の溝 15 リング状の溝 16,16’ 左右の金型半体 17,18 上部割型 19,20 下部割型 21 油圧シリンダ− 22 インサ−ト用支柱 23 C型リング 24 テ−パ部 25 C型リング受け溝 26 ピン 27 穴 28 内部インサ−ト用支柱 29 外部インサ−ト用支柱 30 下部インサ−ト用支柱 31 ブロ−成形機本体の上下可動台 32 面取り33 空気吹き込み用パイプ 34 空気吹き込み用穴 35,36 吊り上げ用ボルト 37 ダイヘッド 38 パリソン 39 製品搬出装置の左右の腕 40 成形品 41 製品搬出装置 42 製品搬出装置の腕 43 バリ部分 44 衝立状平板 45 上部スライドプレート 46 下部スライドプレート 47 外フランジの下部窪み部分 48 ピンチオフ部 49 窪み

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部がドーム形状でそれら両端の中央
    先端部には、中心軸線上を外側に向かって立ち上がりそ
    の内部に口金Aをインサートされた円筒状突起を有し、
    かつ胴体部が円筒形又は略円筒形をしたボンベ状の熱可
    塑性樹脂からなる高圧容器ライナー用成形品であって、 上記口金Aは、ドーム状内壁面との間にリング状パッ
    キングを装着させて接触する円盤状フランジ部分と、上
    記円筒状突起の内壁面に密着して外部へ突出しかつその
    先端外周面にネジ部を設けた円筒状ノズル部分とが一体
    化されているとともに、 該円筒状ノズル先端外周面のネジ部分に口金Cをネジ
    込むことによって、成形品端部のドーム内壁面と口金A
    の円盤状フランジ部分との間のパッキングを内外から挟
    圧してシ−ル性を高めるよう構成されていることを特徴
    とする高圧容器ライナー用成形品。
  2. 【請求項2】 両端部がドーム形状でその中央先端部に
    は、中心軸線上を外側に向かって立ち上がりその内部に
    口金Aをインサートされた円筒状突起を有し、かつ胴体
    部が円筒形又は略円筒形をしたボンベ状の熱可塑性樹脂
    からなるライナー用ブロ−成形品であって、 上記口金Aは、ドーム状内壁面と接触する円盤状フラ
    ンジ部分と、上記円筒状突起から外部へ突出しかつその
    先端外周面にネジ部を設けた円筒状ノズル部分とが一体
    化されているとともに、 円盤状フランジ部分のドーム状内壁面に接触する面に
    は、リング状パッキングを装着させたリング状溝とこの
    溝からパーティングラインに相当する線に沿って左右に
    延びる直線状の溝とが設けられており、 さらに上記円筒状ノズル部分の円筒外周には、円環状
    口金Bが嵌合され、該円環状口金Bは上記円筒状突起の
    内壁面と密着したままその下端部全周が円盤状フランジ
    部分に密着しているとともに、 ドーム部内壁面の上記円盤状フランジ部分に設けたリ
    ング状溝に一致する部分が該溝内に押し込められて山脈
    状盛り上がりを形成してリング状パッキングと接触し、 さらにドーム部内壁面のパーティングライン上の左右
    金型の型締めによるパリソン喰い切り箇所(ピンチオフ
    部)が、上記口金Aのフランジ部直線状溝内に押し込ま
    れた状態にて、 上記円筒状ノズル先端外周面のネジ部分に口金Cをネ
    ジ込んで円盤状フランジ部のリング状溝内とドーム状内
    壁面の山脈状盛り上がり先端との間に装着させたリング
    状パッキングを内外から挟圧して成形品内部の上下両端
    部内壁面と口金Aの円盤状フランジ部との間のシール性
    とピンチオフ部のシール性とを高めるよう構成されてい
    ることを特徴とする高圧容器ライナー用成形品。
  3. 【請求項3】 口金Cは、中央開口部に内ネジ部を有し
    外周辺部には垂下した脚部を有する筒状口金からなり、
    該垂下した脚部で上記円筒状突起の外周囲を被覆し、か
    つ該中央開口部の内ネジ部を口金Aの円筒状ノズル先端
    外周面のネジ部にネジ込むことで、垂下した脚部先端を
    ド−ム状外壁面から円盤状フランジ部分へ押しつけて、
    ドーム状内壁面と円盤状フランジ部分の間に装着させた
    リング状パッキングを内外から挟圧する構成としたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の高圧容器ライ
    ナー用成形品。
  4. 【請求項4】 上下両端部がドーム形状でその両端の中
    央先端部には、中心軸線上を外側に向かって立ち上がり
    その内部に口金Aをインサートされた円筒状突起を有
    し、かつ胴体部が円筒形又は略円筒形をしたボンベ状の
    熱可塑性樹脂からなるライナー用ブロ−成形品であっ
    て、 上記口金Aが、円盤状フランジと円筒状ノズルが一体
    化した口金を二段重ねによって2つの離間した外フラン
    ジと内フランジを形成しているとともに、両フランジ間
    には成形品のドーム内壁面の一部を円周上全周にわたっ
    て突き出し延在させた衝立状平板が形成され、該衝立状
    平板が前記口金の外フランジと内フランジとによって強
    く挟持されているとともに、該衝立状平板と成形品の端
    部内壁面とによって口金の外フランジが強く挟持するよ
    う構成されていることを特徴とする高圧容器ライナー用
    成形品。
  5. 【請求項5】 高圧容器ライナ−用成形品のブロー成形
    法であって、 左右に開閉自在でかつ成形品の両端ド−ム部に相当す
    るキャビティ部分が、金型本体に対して上下中心軸線方
    向にスライド可能な割型にて構成したブロー成形用金型
    を使用し、該ブロー成形用金型が左右に開いている時
    に、 ブロー成形機本体の上下可動台に差し込まれたインサ
    ート用支柱の所定の上下位置に、口金Aの円盤状フラン
    ジ部を内側に円筒状ノズル部分を外側に向けて保持し、
    かつ口金Aの円筒状ノズル部分の円筒部には円環状口金
    Bをスライド可能にインサートさせてから、 熱可塑性樹脂からなるパリソンを、上記インサート用
    支柱と口金A全体を外側から包みこむように押し出し、 左右のブロー成形用金型が型締めされてパリソン上下
    部分を挟み込んだまま所定のインサートブローを行って
    所望の高圧容器ライナ−用成形品を賦形させる工程中に
    おいて、 成形品の上下両端ド−ム部に相当するキャビティ割型
    部分を、金型本体の中心軸線上の内部方向に向けて圧縮
    作動によりスライドさせることによって、 円環状口金Bをその外周面に密着した成形品の円筒状
    突起部分とともに口金Aの円筒状ノズル部分の根元側へ
    スライドさせて口金Bの下端部を円盤状フランジ部に密
    接する迄押し込むとともに、 ド−ム部内壁面の上記円盤状フランジ部分に設けたリ
    ング状溝に一致する部分をキャビティ割型部分の突起に
    よって上記リング状溝内に押し込んで山脈状盛り上がり
    を形成し、 さらに上記ド−ム部内壁面のパ−ティングライン上の
    割型によるパリソン喰い切り箇所(ピンチオフ部)を上
    記口金Aのフランジ部直線状溝内に押し込み山脈状盛り
    上がりで該溝内を圧着させてブロー成形を行った後に、 得られた成形品の円筒状ノズル先端外周面のネジ部分
    に口金Cをネジ込み、成形品端部のドーム内壁面と口金
    Aの円盤状フランジ部分との間のパッキングによるシ−
    ル性を高めるよう構成することを特徴とする高圧容器ラ
    イナ−のブロー成形法。
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