JPH09242575A - 四輪駆動車の挙動制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の挙動制御装置

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JPH09242575A
JPH09242575A JP7953496A JP7953496A JPH09242575A JP H09242575 A JPH09242575 A JP H09242575A JP 7953496 A JP7953496 A JP 7953496A JP 7953496 A JP7953496 A JP 7953496A JP H09242575 A JPH09242575 A JP H09242575A
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JP
Japan
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vehicle
engine
wheel speed
front wheels
speed difference
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JP7953496A
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Shiyouji Inagaki
匠二 稲垣
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪のディファレンシャルがトルク比例式差
動装置である四輪駆動車に於いて、不必要なエンジン出
力の低減を防止しつつ車輌がスピン状態になることを防
止する。 【解決手段】 左右前輪の車輪速度及び車輌のヨーレー
トを検出し(ステップ10)、車輌のヨーレートに基づ
き左右前輪の基準車輪速度差ΔVwyを演算し(ステップ
20)、左右前輪の実車輪速度より左右前輪の実車輪速
度差ΔVwaを演算する(ステップ30)。基準車輪速度
差ΔVwyと実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔVwd
iff を演算し(ステップ40)、偏差の大きさΔVwdif
f が大きいほどエンジンの出力低減量が大きくなるよう
エンジンの出力を制御しスピンモーメントを低減する
(ステップ50〜130)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
挙動制御装置に係り、更に詳細には四輪駆動車の挙動制
御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車のエンジン出力制御装置の一
つとして、例えば特開平6−323172号公報に記載
されている如く、車輪の加速スリップを検出し、車輪の
加速スリップが検出されたときにはエンジンの出力を低
減して車輪の駆動トルクを低減するよう構成されたエン
ジン出力制御装置が従来より知られている。
【0003】かかるエンジン出力制御装置によれば、車
輌の加速時に車輪の加速スリップに応じてエンジンの出
力が制御されることにより車輪の駆動トルクが過剰にな
ることが防止されるので、車輌の走行中に路面の状況が
急激に変化したり車輌が低摩擦係数の路面に於いて発進
するような場合にも、車輪が空転することが防止され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】周知の如く四輪駆動車
に於いてはエンジンの駆動力がセンタディファレンシャ
ルにより前輪用及び後輪用に分配され、前輪用の駆動力
は前輪のディファレンシャルにより左右の前輪に分配さ
れ、後輪用の駆動力は後輪のディファレンシャルにより
左右の後輪に分配される。
【0005】特に後輪のディファレンシャルがトーセン
ディファレンシャルとも呼ばれるトルク比例式差動装置
である四輪駆動車に於いては、車輌の旋回加速時に四輪
の全ての車輪がスリップ状態になると、接地荷重が高い
旋回外側前輪のみがまずグリップを回復し、左右の後輪
はトルク比例式差動装置の存在により同等のスリップ状
態を継続し、そのため旋回外側前輪のコーナリングフォ
ースのみが大きくなって車輌に大きいスピンモーメント
が作用し、その結果車輌の挙動が急激に不安定になるこ
とがある。
【0006】また後輪のディファレンシャルがトルク比
例式差動装置である四輪駆動車に於ける上述の問題を解
消すべく、車輌が旋回を伴って加速するときにはエンジ
ンの出力を低減することが考えられるが、四輪の全ての
車輪がスリップ状態にない場合には、上記理由によるス
ピン発生の虞れがないにも拘らず車輌の加速が制限され
ることになり、運転者が不満足感を覚える。
【0007】本発明は、後輪のディファレンシャルがト
ルク比例式差動装置である四輪駆動車に於ける上述の如
き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課
題は、左右前輪の加速スリップ状態の差を判定すること
により、車輌の旋回加速時にエンジン出力が不必要に低
減されることを防止しつつ車輌がスピン状態になること
を防止することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち後輪のディファレ
ンシャルがトルク比例式差動装置である四輪駆動車の挙
動制御装置にして、左右前輪の車輪速度を検出する手段
と、車輌のヨーレートを検出する手段と、前記車輌のヨ
ーレートに基づき前記左右前輪の基準車輪速度差ΔVwy
を演算する手段と、検出された前記左右前輪の車輪速度
より前記左右前輪の実車輪速度差ΔVwaを演算する手段
と、前記基準車輪速度差ΔVwyと前記実車輪速度差ΔV
waとの偏差の大きさΔVwdiff を演算する手段と、前記
偏差の大きさΔVwdiff が大きいほどエンジンの出力低
減量が大きくなるようエンジンの出力を制御する手段と
を有する四輪駆動車の挙動制御装置によって達成され
る。
【0009】上記の構成に於ける左右前輪の基準車輪速
度差ΔVwyは車輌のヨーレートに基づいて演算されるの
で、左右前輪が加速スリップしていない状況に於ける車
輪速度差として演算される。また左右前輪の何れも加速
スリップしていない場合や左右前輪が同程度に加速スリ
ップしている場合には、左右前輪の実車輪速度差ΔVwa
は基準車輪速度差ΔVwyと同一になるが、左右前輪がス
リップしている状態より旋回外側前輪のみがグリップを
回復すると、実車輪速度差ΔVwaの大きさは基準車輪速
度差ΔVwyよりも大きくなる。従って基準車輪速度差Δ
Vwyと実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔVwdiff
により旋回外側前輪のみがグリップを回復した状況であ
るか否かを判定したり左右前輪のグリップ状態の差を推
定することができる。
【0010】上述の請求項1の構成によれば、基準車輪
速度差ΔVwyと実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔ
Vwdiff が大きいほど、換言すれば左右前輪のグリップ
状態の差が大きいほどエンジンの出力低減量が大きくな
るようエンジンの出力が制御されるので、左右前輪がス
リップしている状態より旋回外側前輪のみがグリップを
回復した場合に車輌に作用するスピンモーメントが低減
され、これにより車輌の挙動が急激に不安定になること
が防止される。
【0011】また本発明によれば、上述の課題を効果的
に達成すべく、請求項1の構成に於て、車輌が実質的に
直進走行状態にあるときには前記エンジンの出力低減量
を小さくする手段を有するよう構成される(請求項2の
構成)。
【0012】上述の如く、旋回外側前輪のみがグリップ
を回復し車輌に大きいスピンモーメントが作用するのは
車輌が旋回しながら加速する場合であるので、車輌が実
質的に直進走行状態にありスピン状態になる虞れがない
ときにはエンジンの出力を不必要に低減しない方が好ま
しい。
【0013】請求項2の構成によれば、車輌が実質的に
直進走行状態にあるときにはエンジンの出力低減量が小
さくされるので、エンジンの出力が不必要に大きく低減
されることが防止され、これにより車輌の直進加速時に
運転者が車輌を十分に加速できないという不満足感を覚
えることが防止される。
【0014】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、上述の請求項1又は2の構成に於て、
路面の摩擦係数を推定する手段と、路面の摩擦係数の推
定値が所定値以上のときには路面の摩擦係数が高いほど
エンジンの出力低減量を小さくする手段とを有するよう
構成される。
【0015】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上述の請求項1又は2の構成に於て、車速が所定
値以上のときには車速が高いほどエンジンの出力低減量
を小さくする手段を有するよう構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0017】図1は本発明による四輪駆動車の挙動制御
装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。
【0018】図1に於いて、10はエンジンを示してお
り、エンジン10の駆動力はトルクコンバータ12及び
トランスミッション14を介して出力軸16へ伝達さ
れ、出力軸16の駆動力はセンタディファレンシャル1
8により前輪用プロペラシャフト20及び後輪用プロペ
ラシャフト22へ伝達される。
【0019】前輪用プロペラシャフト20の駆動力は前
輪ディファレンシャル24により左前輪車軸26L 及び
右前輪車軸26R へ伝達され、これにより左右の前輪2
8FL及び28FRが回転駆動される。同様に後輪用プロペ
ラシャフト22の駆動力は後輪ディファレンシャル30
により左後輪車軸32L 及び右後輪車軸32R へ伝達さ
れ、これにより左右の後輪34RL及び34RRが回転駆動
される。前輪ディファレンシャル24はフリーディファ
レンシャルであるが、後輪ディファレンシャル30はト
ルク比例式差動装置である。
【0020】エンジン10の出力は運転者により操作さ
れる図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み
量に応じて制御されるメインスロットル36及びサブス
ロットル38により制御される。サブスロットル38は
エンジン制御装置40によりアクチュエータ42を介し
て制御される。
【0021】エンジン制御装置40にはエンジン10の
回転数センサ44よりエンジン回転数Ne を示す信号が
入力されると共に、他の種々のエンジン制御パラメータ
を示す信号が入力され、またスロットル開度センサ46
よりメインスロットル36の開度φm を示す信号が入力
されるようになっている。エンジン制御装置40はエン
ジン回転数Ne その他のパラメータに基づいてエンジン
の目標トルクTreq を演算し、目標トルクTreq に基づ
きサブスロットル38の目標開度φstを演算し、特に挙
動制御装置50よりサブスロットル制御指令信号が入力
されたときには演算された目標開度を入力された目標開
度φstに置き換え、サブスロットル38の開度が目標開
度φstになるようアクチュエータ42へ制御信号を出力
し、これによりエンジンの出力を増減するようになって
いる。
【0022】挙動制御装置50にはヨーレートセンサ5
2より車輌のヨーレートγを示す信号、車輪速度センサ
54fl、54frより左右前輪の車輪速度Vfl及びVfrを
示す信号、車速センサ56より車速Vを示す信号、前後
加速度センサ58及び横加速度センサ60よりそれぞれ
車輌の前後加速度Gx 及び横加速度Gy を示す信号が入
力されるようになっている。尚横加速度センサ60及び
ヨーレートセンサ52等は車輌の左旋回方向を正として
横加速度等を検出し、前後加速度センサ58は車輌の加
速方向を正として前後加速度を検出するようになってい
る。
【0023】後に詳細に説明する如く、挙動制御装置5
0は車輌のヨーレートγに基づき左右前輪の基準車輪速
度差ΔVwyを演算し、検出された左右前輪の車輪速度よ
り左右前輪の実車輪速度差ΔVwaを演算し、基準車輪速
度差ΔVwyと実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔV
wdiff を演算し、偏差の大きさΔVwdiff が大きいほど
エンジン10の出力低減量が大きくなるようサブスロッ
トル38の目標開度φstを演算し、目標開度φstに対応
するサブスロットル制御指令信号をエンジン制御装置4
0へ出力するようになっている。
【0024】尚エンジン制御装置40及び挙動制御装置
50は実際には例えばCPU、ROM、RAM、入出力
装置を含む一つのマイクロコンピュータ及び駆動回路に
て構成されていてよい。
【0025】次に図2に示されたフローチャートを参照
して実施形態に於ける車輌の挙動制御のメインルーチン
について説明する。尚図2に示されたフローチャートに
よる制御は図には示されていないイグニッションスイッ
チの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行さ
れる。
【0026】まずステップ10に於いてはヨーレートセ
ンサ52により検出された車輌のヨーレートγを示す信
号等の読込みが行われ、ステップ20に於いてはTr を
車輌のトレッドとして下記の数1に従って左右前輪の基
準車輪速度差ΔVwyが演算される。
【数1】ΔVwy=Tr ×γ
【0027】ステップ30に於いては左前輪の車輪速度
Vfl及び右前輪の車輪速度Vfrに基づき下記の数2に従
って左右前輪の実車輪速度差ΔVwaが演算され、ステッ
プ40に於いては下記の数3に従って基準車輪速度差Δ
Vwyと実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔVwdiff
が演算される。
【0028】
【数2】ΔVwy=Vfr−Vfl
【数3】ΔVwdiff =|ΔVwy−ΔVwa|
【0029】ステップ50に於いては車速センサ56に
より検出された車速Vに基づき図4に示されたグラフに
対応するマップより補正係数Kv が演算され、ステップ
60に於いては車輌のヨーレートγに基づき図5に示さ
れたグラフに対応するマップより補正係数Ky が演算さ
れ、ステップ70に於いては図3に示されたフローチャ
ートに従って演算される路面の摩擦係数の推定値μg に
基づき図6に示されたグラフに対応するマップより補正
係数Kr が演算される。
【0030】ステップ80に於いては下記の数4に従っ
て補正後の基準車輪速度差ΔVwyと実車輪速度差ΔVwa
との偏差の大きさδVwdiff が演算され、ステップ90
に於いては図7に示されたグラフに対応するマップより
エンジンの出力トルク低減量Tdwn が演算され、ステッ
プ100に於いては図8に示されたグラフに対応するマ
ップよりエンジンの出力Tall が演算される。
【数4】δwdiff =ΔVwdiff ×Kv ×Ky ×Kr
【0031】ステップ110に於いては下記の数5に従
ってエンジンの目標トルクTreq が演算され、ステップ
120に於いては目標トルクTreq 及びエンジン制御装
置40より入力されるエンジン回転数Ne に基づき図9
に示されたグラフに対応するマップよりサブスロットル
の目標開度φstが演算され、ステップ130に於いては
サブスロットル38の開度を目標開度φstに制御するた
めの制御指令信号がエンジン制御装置40へ出力され
る。
【数5】Treq =(100−Tdwn )×Tall
【0032】次に図3に示されたフローチャートを参照
して図示の実施形態に於ける路面の摩擦係数の推定値μ
g の演算ルーチンについて説明する。尚図3に示された
フローチャートによる制御は所定の時間毎の割り込みに
より実行される。
【0033】ステップ210に於いてはそれぞれ前後加
速度センサ58及び横加速度センサ60により検出され
た車輌の前後加速度Gx 及び横加速度Gy を示す信号の
読み込みが行われ、ステップ220に於いては路面の摩
擦係数の推定値μg を演算するための車輌の水平加速度
Gxyが下記の数6に従って演算される。
【数6】Gxy=(Gx 2 +Gy 2 1/2
【0034】ステップ230に於いては水平加速度Gxy
が1サイクル前の路面の摩擦係数の推定値μg(n-1)以上
であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたとき
にはステップ240に於いて係数Kが1に設定され、否
定判別が行われたときにはステップ250に於いて係数
Kが0.01に設定される。ステップ260に於いては
路面の摩擦係数の推定値μg が下記の数7に従って演算
される。
【数7】μg =(1−K)*μg(n-1)+K*Gxy
【0035】尚図示の実施形態に於いては、路面の摩擦
係数はGx 及びGy の二乗和平方根として演算されるよ
うになっているが、車輌の横加速度Gy の絶対値により
推定されてもよく、また車輌のヨーイングにより発生す
る前輪位置及び後輪位置に於ける横加速度成分Gyfy 、
Gyry が演算され、これらの成分及び車輌の横加速度G
y の和として前輪位置及び後輪位置に於ける横加速度成
分Gyf、Gyrが演算され、Gyf及びGyrの大きい方の値
が横加速度Gysとして演算され、Gx 及びGysの二乗和
平方根として演算されてもよい。
【0036】かくして図示の実施形態によれば、左右の
前輪が加速スリップすることなく車輌が旋回している状
況や左右の前輪が同程度に加速スリップする状態にて車
輌が旋回している状況に於いては、基準車輪速度差ΔV
wy及び実車輪速度差ΔVwaは実質的に同一の値になり、
これらの偏差の大きさΔVwdiff は実質的に0になるの
で、ステップ90に於いて演算されるエンジン10の出
力トルク低減量Tdwnは0になり、従ってこの場合には
エンジンの出力は低減されず、実質的に運転者によるア
クセルペダルの踏込み量に応じて制御され、運転者が車
輌を十分に加速できないという不満足感を覚えることは
ない。
【0037】これに対し、左右前輪及び左右後輪が加速
スリップしている状態より旋回外側前輪のみがグリップ
を回復すると、実車輪速度差ΔVwaは基準車輪速度差Δ
Vwyとは異なる値になり、ステップ80に於いて演算さ
れる補正後の車輪速度差の偏差の大きさδVwdiff はδ
o 以上になり、エンジン10の出力トルク低減量Tdwn
も正の値になり、従ってこの場合には各輪の駆動力、特
にグリップを回復している旋回外側前輪の駆動力が低減
されることにより、車輌に与えられるスピンモーメント
が低減され、これにより車輌がスピンする虞れが低減さ
れる。
【0038】特に図示の実施形態によれば、ヨーレート
γに基づく補正係数Ky はヨーレートγの大きさが実質
的に0であるときには、換言すれば車輌が実質的に直進
走行状態にあるときには0又は1よりも小さい値に設定
され、補正後の車輪速度差の偏差の大きさδVwdiff が
低減されることによってエンジン10の出力トルク低減
量Tdwn も低減されるので、車輌がスピン状態になる虞
れがないときにエンジンの出力が不必要に低減されるこ
とに起因して運転者が車輌を十分に加速できないという
不満足感を覚えることが防止される。
【0039】また車輪の加速スリップが顕著に発生する
のは路面の摩擦係数が低い場合であり、四輪が加速スリ
ップしている状態より旋回外側前輪のみがグリップを回
復することによるスピン発生の虞れは路面の摩擦係数が
高くなるほど小さくなり、従ってエンジンの出力低減の
必要性も減少する。
【0040】図示の実施形態によれば、路面の摩擦係数
の推定値μg に基づく補正係数Krは路面の摩擦係数の
推定値μg が所定値μgo以上であるときには、路面の摩
擦係数の推定値が高いほど漸次1よりも小さくなるよう
設定されるので、路面の摩擦係数が高く車輌がスピン状
態になる虞れが低いときにエンジンの出力が不必要に低
減されることに起因して運転者が車輌を十分に加速でき
ないという不満足感を覚えることも防止される。
【0041】また車輪の加速スリップが顕著に発生する
のは車輌の発進時の如く車速が低速域にある場合であ
り、四輪が加速スリップしている状態より旋回外側前輪
のみがグリップを回復することによるスピン発生の虞れ
は車速が高くなるほど小さくなり、従ってエンジンの出
力低減の必要性も減少する。
【0042】図示の実施形態によれば、車速Vに基づく
補正係数Kv は車速が所定値Vo 以上であるときには、
車速Vが高いほど漸次1よりも小さくなるよう設定され
るので、車速が高く車輌がスピン状態になる虞れが低い
ときにエンジンの出力が不必要に低減されることに起因
して運転者が車輌を十分に加速できないという不満足感
を覚えることも防止される。
【0043】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0044】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、基準車輪速度差ΔVwyと
実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔVwdiff が大き
いほど、換言すれば左右前輪のグリップ状態の差が大き
いほどエンジンの出力低減量が大きくなるようエンジン
の出力が制御されるので、左右前輪がスリップしている
状態より旋回外側前輪のみがグリップを回復した場合に
車輌に作用するスピンモーメントを低減し、これにより
車輌が急激にスピン状態になることを防止することがで
きる。
【0045】また請求項1の構成によれば、左右前輪が
グリップ状態にあるときには、偏差の大きさΔVwdiff
は実質的に0になるので、エンジンの出力低減量が実質
的に0の状態にてエンジンの出力が制御され、従って車
輌が正常に旋回加速する場合に運転者が車輌を十分に加
速できないという不満足感を覚えることを防止すること
ができる。
【0046】特に請求項2の構成によれば、車輌が実質
的に直進走行状態にあるときにはエンジンの出力低減量
が小さくされるので、エンジンの出力が不必要に大きく
低減されることを防止し、これにより車輌の直進加速時
に運転者が車輌を十分に加速できないという不満足感を
覚えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による四輪駆動車の挙動制御装置の一つ
の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】実施形態に於ける車輌の挙動制御のメインルー
チンを示すゼネラルフローチャートである。
【図3】実施形態に於ける路面の摩擦係数の推定値μg
の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】車速Vと補正係数Kv との間の関係を示すグラ
フである。
【図5】車輌のヨーレートγと補正係数Kr との間の関
係を示すグラフである。
【図6】路面の摩擦係数の推定値μg と補正係数Kr と
の間の関係を示すグラフである。
【図7】補正後の車輪速度差の偏差の大きさδVwdiff
とエンジンの出力トルク低減量Tdwn との間の関係を示
すグラフである。
【図8】メインスロットルの開度φm とエンジン回転数
Ne とエンジンの出力Tall との間の関係を示すグラフ
である。
【図9】エンジン回転数Ne 及びエンジンの目標トルク
Treq とサブスロットル開度φs との間の関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10…エンジン 18…センタディファレンシャル 24…前輪ディファレンシャル 30…後輪ディファレンシャルハイドロブースタ 36…メインスロットル 38…サブスロットル 40…エンジン制御装置 50…挙動制御装置 52…ヨーレートセンサ 54fl、54fr…車輪速度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後輪のディファレンシャルがトルク比例式
    差動装置である四輪駆動車の挙動制御装置にして、左右
    前輪の車輪速度を検出する手段と、車輌のヨーレートを
    検出する手段と、前記車輌のヨーレートに基づき前記左
    右前輪の基準車輪速度差ΔVwyを演算する手段と、検出
    された前記左右前輪の車輪速度より前記左右前輪の実車
    輪速度差ΔVwaを演算する手段と、前記基準車輪速度差
    ΔVwyと前記実車輪速度差ΔVwaとの偏差の大きさΔV
    wdiff を演算する手段と、前記偏差の大きさΔVwdiff
    が大きいほどエンジンの出力低減量が大きくなるようエ
    ンジンの出力を制御する手段とを有する四輪駆動車の挙
    動制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1の四輪駆動車の挙動制御装置に於
    いて、車輌が実質的に直進走行状態にあるときには前記
    エンジンの出力低減量を小さくする手段を有することを
    特徴とする四輪駆動車の挙動制御装置。
JP7953496A 1996-03-07 1996-03-07 四輪駆動車の挙動制御装置 Pending JPH09242575A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004114764A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の差動制限制御装置

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JP2004114764A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の差動制限制御装置

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