JPH09241227A - 新規光学分割剤 - Google Patents
新規光学分割剤Info
- Publication number
- JPH09241227A JPH09241227A JP5114696A JP5114696A JPH09241227A JP H09241227 A JPH09241227 A JP H09241227A JP 5114696 A JP5114696 A JP 5114696A JP 5114696 A JP5114696 A JP 5114696A JP H09241227 A JPH09241227 A JP H09241227A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- trans
- acid
- formula
- optically active
- optical resolution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ラセミ体アミンの光学分割剤として新規
な光学活性カルボン酸誘導体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)にて示される新規な光学
活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸誘導体。該誘
導体を光学分割剤として用いるラセミ体α−アミノ−ε
−カプロラクタムの光学分割法。 【化1】 (式中、Rは置換基を有してもよい炭素数1〜10のア
ルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル基、また
は置換基を有してもよい炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖ま
たは環状脂肪族アシル基、*は不斉炭素原子を示す)
な光学活性カルボン酸誘導体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)にて示される新規な光学
活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸誘導体。該誘
導体を光学分割剤として用いるラセミ体α−アミノ−ε
−カプロラクタムの光学分割法。 【化1】 (式中、Rは置換基を有してもよい炭素数1〜10のア
ルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル基、また
は置換基を有してもよい炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖ま
たは環状脂肪族アシル基、*は不斉炭素原子を示す)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性2−アミ
ノシクロヘキサンカルボン酸誘導体および該誘導体を光
学分割剤として用いるラセミ体アミン類の光学分割法に
関する。
ノシクロヘキサンカルボン酸誘導体および該誘導体を光
学分割剤として用いるラセミ体アミン類の光学分割法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性カルボン酸類は光学分割剤とし
て有用な物質であるが、2−アミノシクロヘキサンカル
ボン酸誘導体についてはラセミ体のみが知られており、
これまで光学活性体を製造した例およびこれを光学分割
剤として利用した試みは全く見ない。
て有用な物質であるが、2−アミノシクロヘキサンカル
ボン酸誘導体についてはラセミ体のみが知られており、
これまで光学活性体を製造した例およびこれを光学分割
剤として利用した試みは全く見ない。
【0003】光学活性アミン類、例えば光学活性α−ア
ミノ−ε−カプロラクタムは、光学分割剤としてあるい
は、医薬品中間体として有用な化合物である。ナイロン
等の合成原料から工業的に容易に合成されるラセミ体α
−アミノ−ε−カプロラクタムの光学分割については、
既に(i) 酒石酸とのジアステレオマー塩を用いる方法
(特公昭59−44358号公報)、(ii) N−p−ニト
ロベンゾイルグルタミン酸とのジアステレオマー塩を用
いる方法(特公昭48−3635号公報)、(iii)N−カ
ルバモイル−バリンとのジアステレオマー塩を用いる方
法(フランス特許第1559885号明細書)、(iv) マ
グネシウム塩の優先晶出を用いる方法(米国特許第40
62839号明細書)、(v) ニッケル塩の優先晶出を用
いる方法(J.Org.Chem.,44(26),484
1−7,(1979))、(vi) N−ベンゾイルメチオ
ニンとのジアステレオマー塩を用いる方法(特公昭62
−114969号公報)、(vii) N−ベンゾイルアラニ
ンとのジアステレオマー塩を用いる方法(特公昭62−
114968号公報)、(viii) N−アセチルインドリ
ン−2−カルボン酸とのジアステレオマー塩を用いる方
法(特公昭61−24573号公報)等が知られてい
る。その他酵母を用いる方法として(ix) L−α−アミ
ノ−ε−カプロラクタム資化性の酵母を用いてD−α−
アミノ−ε−カプロラクタムを製造する方法(特公昭5
8−155096号公報)等が知られている。
ミノ−ε−カプロラクタムは、光学分割剤としてあるい
は、医薬品中間体として有用な化合物である。ナイロン
等の合成原料から工業的に容易に合成されるラセミ体α
−アミノ−ε−カプロラクタムの光学分割については、
既に(i) 酒石酸とのジアステレオマー塩を用いる方法
(特公昭59−44358号公報)、(ii) N−p−ニト
ロベンゾイルグルタミン酸とのジアステレオマー塩を用
いる方法(特公昭48−3635号公報)、(iii)N−カ
ルバモイル−バリンとのジアステレオマー塩を用いる方
法(フランス特許第1559885号明細書)、(iv) マ
グネシウム塩の優先晶出を用いる方法(米国特許第40
62839号明細書)、(v) ニッケル塩の優先晶出を用
いる方法(J.Org.Chem.,44(26),484
1−7,(1979))、(vi) N−ベンゾイルメチオ
ニンとのジアステレオマー塩を用いる方法(特公昭62
−114969号公報)、(vii) N−ベンゾイルアラニ
ンとのジアステレオマー塩を用いる方法(特公昭62−
114968号公報)、(viii) N−アセチルインドリ
ン−2−カルボン酸とのジアステレオマー塩を用いる方
法(特公昭61−24573号公報)等が知られてい
る。その他酵母を用いる方法として(ix) L−α−アミ
ノ−ε−カプロラクタム資化性の酵母を用いてD−α−
アミノ−ε−カプロラクタムを製造する方法(特公昭5
8−155096号公報)等が知られている。
【0004】しかしながら、これらの方法は、晶出した
難溶性の塩から各成分を分離、回収することが難しいば
かりでなく、低光学純度、低収率等の欠点がある。
難溶性の塩から各成分を分離、回収することが難しいば
かりでなく、低光学純度、低収率等の欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ラセ
ミ体アミンの光学分割剤として有用な新規光学活性カル
ボン酸誘導体を提供すると共に、ラセミ体α−アミノ−
ε−カプロラクタム等のラセミ体アミン類の光学分割法
を提供することにある。
ミ体アミンの光学分割剤として有用な新規光学活性カル
ボン酸誘導体を提供すると共に、ラセミ体α−アミノ−
ε−カプロラクタム等のラセミ体アミン類の光学分割法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
達成すべく鋭意検討を行った結果、trans−1、2
−シクロヘキサン−1、2−ジカルボン酸無水物を出発
原料として、後述する一連の反応工程を経由して得られ
る新規な光学活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸
誘導体が上記目的によく合致することを見出し、本発明
を完成するに至った。
達成すべく鋭意検討を行った結果、trans−1、2
−シクロヘキサン−1、2−ジカルボン酸無水物を出発
原料として、後述する一連の反応工程を経由して得られ
る新規な光学活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸
誘導体が上記目的によく合致することを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は一般式(I)
【0008】
【化3】 (式中、Rは置換基を有してもよい炭素数1〜10のア
ルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル基、また
は置換基を有してもよい炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖ま
たは環状脂肪族アシル基、*は不斉炭素原子を示す)で
示される新規な光学活性2−アミノシクロヘキサンカル
ボン酸誘導体並びに該誘導体を光学分割剤として用いる
ラセミ体アミン、特にラセミ体α−アミノ−ε−カプロ
ラクタムの光学分割法である。
ルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル基、また
は置換基を有してもよい炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖ま
たは環状脂肪族アシル基、*は不斉炭素原子を示す)で
示される新規な光学活性2−アミノシクロヘキサンカル
ボン酸誘導体並びに該誘導体を光学分割剤として用いる
ラセミ体アミン、特にラセミ体α−アミノ−ε−カプロ
ラクタムの光学分割法である。
【0009】
【発明の実施の形態】上記一般式(I)表示の光学活性2
−アミノシクロヘキサンカルボン酸誘導体の出発原料で
あるtrans−1、2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物は、例えば工業的に容易に入手可能なcis−
1、2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物と硫酸を加
熱還流させることにより、trans−1、2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸を得、さらに塩化アセチルと加熱
還流させることにより、高収率で容易に合成することが
できる〔有機化学協会誌,34(1),55,(197
6)〕。
−アミノシクロヘキサンカルボン酸誘導体の出発原料で
あるtrans−1、2−シクロヘキサンジカルボン酸
無水物は、例えば工業的に容易に入手可能なcis−
1、2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物と硫酸を加
熱還流させることにより、trans−1、2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸を得、さらに塩化アセチルと加熱
還流させることにより、高収率で容易に合成することが
できる〔有機化学協会誌,34(1),55,(197
6)〕。
【0010】本発明の光学活性2−アミノシクロヘキサ
ンカルボン酸誘導体(I)はtrans−1、2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸無水物から次の一連の反応経路に
従って製造することができる。
ンカルボン酸誘導体(I)はtrans−1、2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸無水物から次の一連の反応経路に
従って製造することができる。
【0011】
【化4】 式中のRとしては、例えばメタンスルホニル、トリフル
オロメタンスルホニル、エタンスルホニル、シクロヘキ
サンスルホニル、トルエンスルホニル、ベンゼンスルホ
ニル、ニトロベンゼンスルホニル、クロロベンゼンスル
ホニルまたはナフタレンスルホニルなどの炭素数1〜1
0のアルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル
基、またはアセチル、トリフルオロアセチル、クロロア
セチル、プロピオニル、ピバロイルまたはシクロヘキサ
ンカルボニルなどの炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖または
環状脂肪族アシル基が挙げられる。
オロメタンスルホニル、エタンスルホニル、シクロヘキ
サンスルホニル、トルエンスルホニル、ベンゼンスルホ
ニル、ニトロベンゼンスルホニル、クロロベンゼンスル
ホニルまたはナフタレンスルホニルなどの炭素数1〜1
0のアルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル
基、またはアセチル、トリフルオロアセチル、クロロア
セチル、プロピオニル、ピバロイルまたはシクロヘキサ
ンカルボニルなどの炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖または
環状脂肪族アシル基が挙げられる。
【0012】すなわち、trans−1、2−シクロヘ
キサンジカルボン酸無水物(A)に氷冷下、濃アンモニア
水を作用させて開環反応を行ない、次いで水酸化ナトリ
ウム水溶液を作用させてtrans−2−カルバモイル
シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム塩(B)とする。こ
れを単離することなく、引き続き反応液を減圧下に濃縮
し、水酸化ナトリウム水溶液の存在下、次亜塩酸ナトリ
ウム水溶液を添加し、加熱反応を行うと、trans−
2−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウム(C)が
生成するので、これに一般式R2OまたはRClにて示
される酸無水物または酸塩化物を作用させて対応するt
rans−2−置換アミノシクロヘキサカルボン酸ナト
リウム塩(D)とし、引き続き塩酸で中和することによっ
てtrans−2−置換アミノシクロヘキサンカルボン
酸(E)が得られる。
キサンジカルボン酸無水物(A)に氷冷下、濃アンモニア
水を作用させて開環反応を行ない、次いで水酸化ナトリ
ウム水溶液を作用させてtrans−2−カルバモイル
シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム塩(B)とする。こ
れを単離することなく、引き続き反応液を減圧下に濃縮
し、水酸化ナトリウム水溶液の存在下、次亜塩酸ナトリ
ウム水溶液を添加し、加熱反応を行うと、trans−
2−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウム(C)が
生成するので、これに一般式R2OまたはRClにて示
される酸無水物または酸塩化物を作用させて対応するt
rans−2−置換アミノシクロヘキサカルボン酸ナト
リウム塩(D)とし、引き続き塩酸で中和することによっ
てtrans−2−置換アミノシクロヘキサンカルボン
酸(E)が得られる。
【0013】最終工程におけるtrans−2−置換ア
ミノシクロヘキサンカルボン酸(E)の光学分割は、エタ
ノール、水またはこれらの混合溶媒中、適当な光学活性
アミン、例えば光学活性α−メチルベンジルアミン、光
学活性α−アミノ−ε−カプロラクタムなどを作用させ
ジアステレオマー塩の結晶を得、引き続きこれを水酸化
ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液に溶解した後、溶
剤抽出することによりアミンを除き、さらに塩酸等で中
和晶析することによって行われる。後記実施例に示すよ
うに、例えば、trans−2−アセトアミドシクロヘ
キサンカルボン酸の光学分割剤として光学活性α−アミ
ノ−ε−カプロラクタムを、又、trans−2−ベン
ゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸の光学分
割剤として光学活性α−メチルベンジルアミンを使用す
ることによって効率よく達成することができる。
ミノシクロヘキサンカルボン酸(E)の光学分割は、エタ
ノール、水またはこれらの混合溶媒中、適当な光学活性
アミン、例えば光学活性α−メチルベンジルアミン、光
学活性α−アミノ−ε−カプロラクタムなどを作用させ
ジアステレオマー塩の結晶を得、引き続きこれを水酸化
ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液に溶解した後、溶
剤抽出することによりアミンを除き、さらに塩酸等で中
和晶析することによって行われる。後記実施例に示すよ
うに、例えば、trans−2−アセトアミドシクロヘ
キサンカルボン酸の光学分割剤として光学活性α−アミ
ノ−ε−カプロラクタムを、又、trans−2−ベン
ゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸の光学分
割剤として光学活性α−メチルベンジルアミンを使用す
ることによって効率よく達成することができる。
【0014】本発明の光学活性2−アミノシクロヘキサ
ンカルボン酸誘導体は、ラセミ体アミン類、例えばラセ
ミ体α−アミノ−ε−カプロラクタム、ラセミ体アミノ
酸エステル、例えばラセミ体t−ロイシンメチルエステ
ル、ラセミ体β−シクロヘキシルアラニンメチルエステ
ル、ラセミ体ロイシンメチルエステル、ラセミ体プロリ
ンメチルエステル、ラセミ体ピペコリン酸メチルエステ
ル等の光学分割剤として好適に使用される。
ンカルボン酸誘導体は、ラセミ体アミン類、例えばラセ
ミ体α−アミノ−ε−カプロラクタム、ラセミ体アミノ
酸エステル、例えばラセミ体t−ロイシンメチルエステ
ル、ラセミ体β−シクロヘキシルアラニンメチルエステ
ル、ラセミ体ロイシンメチルエステル、ラセミ体プロリ
ンメチルエステル、ラセミ体ピペコリン酸メチルエステ
ル等の光学分割剤として好適に使用される。
【0015】本発明の光学活性2−アミノシクロヘキサ
ンカルボン酸誘導体を用いたラセミ体α−アミノ−ε−
カプロラクタムの光学分割は、次の手順と条件下で行わ
れる。
ンカルボン酸誘導体を用いたラセミ体α−アミノ−ε−
カプロラクタムの光学分割は、次の手順と条件下で行わ
れる。
【0016】まず、溶媒中で、ラセミ体α−アミノ−ε
−カプロラクタム1モルに対し0.1〜20モル、好ま
しくは、0.5〜1.0モル量の光学活性2−アミノシ
クロヘキサンカルボン酸誘導体を接触させ、その溶液を
冷却あるいは濃縮する。すると難溶性のジアステレオマ
ー塩が晶出する。難溶性塩を分割溶媒から析出させる際
の温度は、使用する溶媒の凝固点から沸点の範囲であれ
ばよく、目的により適宜決められるが、通常0〜80℃
の範囲で充分である。
−カプロラクタム1モルに対し0.1〜20モル、好ま
しくは、0.5〜1.0モル量の光学活性2−アミノシ
クロヘキサンカルボン酸誘導体を接触させ、その溶液を
冷却あるいは濃縮する。すると難溶性のジアステレオマ
ー塩が晶出する。難溶性塩を分割溶媒から析出させる際
の温度は、使用する溶媒の凝固点から沸点の範囲であれ
ばよく、目的により適宜決められるが、通常0〜80℃
の範囲で充分である。
【0017】本発明で使用する溶媒は、反応に悪影響を
及ぼさず、かつ、原料が反応に必要な程度に溶解し、か
つ、ジアステレオマー塩が得られるものであれば特に限
定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、
プロパノール等の低級アルコール、アセトン、酢酸、酢
酸エチル、テトラヒドロフランまたは、これらの混合溶
媒などが挙げられる。これら溶媒の使用量は、反応液が
効率的に撹拌できる量であれば特に限定されないが、通
常、原料であるラセミ体α−アミノ−ε−カプロラクタ
ムの重量に対して1〜100倍容量、好ましくは5〜5
0倍容量である。
及ぼさず、かつ、原料が反応に必要な程度に溶解し、か
つ、ジアステレオマー塩が得られるものであれば特に限
定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、
プロパノール等の低級アルコール、アセトン、酢酸、酢
酸エチル、テトラヒドロフランまたは、これらの混合溶
媒などが挙げられる。これら溶媒の使用量は、反応液が
効率的に撹拌できる量であれば特に限定されないが、通
常、原料であるラセミ体α−アミノ−ε−カプロラクタ
ムの重量に対して1〜100倍容量、好ましくは5〜5
0倍容量である。
【0018】本発明において、ラセミ体α−アミノ−ε
−カプロラクタムに光学活性2−アミノシクロヘキサン
カルボン酸誘導体を接触させる方法としては、上記の溶
媒にラセミ体α−アミノ−ε−カプロラクタム及び光学
活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸誘導体を夫々
個別に溶解してから混合してもよいし、また溶媒中にそ
れらを順次溶解してもよい。また、予めラセミ体α−ア
ミノ−ε−カプロラクタムと光学活性2−アミノシクロ
ヘキサンカルボン酸誘導体とからつくった塩を、溶媒中
に添加溶解してもよい。
−カプロラクタムに光学活性2−アミノシクロヘキサン
カルボン酸誘導体を接触させる方法としては、上記の溶
媒にラセミ体α−アミノ−ε−カプロラクタム及び光学
活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸誘導体を夫々
個別に溶解してから混合してもよいし、また溶媒中にそ
れらを順次溶解してもよい。また、予めラセミ体α−ア
ミノ−ε−カプロラクタムと光学活性2−アミノシクロ
ヘキサンカルボン酸誘導体とからつくった塩を、溶媒中
に添加溶解してもよい。
【0019】難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、濾
過、遠心分離など通常の固液分離法によって容易に分離
可能である。
過、遠心分離など通常の固液分離法によって容易に分離
可能である。
【0020】一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離
した残りの母液をそのまま、または、濃縮あるいは冷却
して昜溶性のジアステレオマー塩を析出させ、これを分
離することも可能である。
した残りの母液をそのまま、または、濃縮あるいは冷却
して昜溶性のジアステレオマー塩を析出させ、これを分
離することも可能である。
【0021】かくして得られた各ジアステレオマー塩の
分解法は任意であり、例えば酸・アルカリによる処理を
して、各成分を分離、採取する。
分解法は任意であり、例えば酸・アルカリによる処理を
して、各成分を分離、採取する。
【0022】なお、本発明の手法は、L−α−アミノ−
ε−カプロラクタム叉はD−α−アミノ−ε−カプロラ
クタムのどちらか一方を過剰に含むラセミ混合物を原料
に用いた場合にも適用可能である。
ε−カプロラクタム叉はD−α−アミノ−ε−カプロラ
クタムのどちらか一方を過剰に含むラセミ混合物を原料
に用いた場合にも適用可能である。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明をより詳細に説明
する。もちろん、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
する。もちろん、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0024】実施例1 trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン
酸の合成 300mlのスリ付きナス型フラスコに、濃アンモニア
水40mlと水50mlを加え、氷冷した。これに乳鉢
を用いて粉砕したtrans−1、2−シクロヘキサン
ジカルボン酸無水物30.803g(0.2mol)を
少しずつ加えて無水物を完全に溶解させた後、さらに1
0分間ゆっくり撹拌した。水酸化ナトリウム26.91
7g(含量93%、0.6mol)を水80mlに溶解
し氷冷した水溶液の半量を少しずつ滴下した。滴下後浴
温を50℃以下に保ったまま、反応液をエバポレターに
かけ、約20mlの水が流出するまで減圧留去した。上
記反応液を、500ml三口フラスコに移し、冷却しな
がら残った半量の水酸化ナトリウム水溶液を加えた。撹
拌下、1.5M次亜塩素酸ナトリウム120mlを約1
5分間で滴下し、さらに5分間撹拌後、浴温を86℃に
替えて、反応液の温度を80〜85℃で5分間保った。
再び氷浴に替え、反応液を10℃以下に冷却した。激し
く撹拌しながら、無水酢酸24.269g(0.238
mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後30分間
撹拌した。6M塩酸約95mlを加えコンゴーレッド酸
性にし、析出した結晶を吸引濾過し、デシケーターで乾
燥してtrans−2−アセトアミドシクロヘキサンカ
ルボン酸の粗結晶を得た。 収量23.210g 収率62.7% m.p.198〜
213℃
酸の合成 300mlのスリ付きナス型フラスコに、濃アンモニア
水40mlと水50mlを加え、氷冷した。これに乳鉢
を用いて粉砕したtrans−1、2−シクロヘキサン
ジカルボン酸無水物30.803g(0.2mol)を
少しずつ加えて無水物を完全に溶解させた後、さらに1
0分間ゆっくり撹拌した。水酸化ナトリウム26.91
7g(含量93%、0.6mol)を水80mlに溶解
し氷冷した水溶液の半量を少しずつ滴下した。滴下後浴
温を50℃以下に保ったまま、反応液をエバポレターに
かけ、約20mlの水が流出するまで減圧留去した。上
記反応液を、500ml三口フラスコに移し、冷却しな
がら残った半量の水酸化ナトリウム水溶液を加えた。撹
拌下、1.5M次亜塩素酸ナトリウム120mlを約1
5分間で滴下し、さらに5分間撹拌後、浴温を86℃に
替えて、反応液の温度を80〜85℃で5分間保った。
再び氷浴に替え、反応液を10℃以下に冷却した。激し
く撹拌しながら、無水酢酸24.269g(0.238
mol)を2時間かけて滴下した。滴下終了後30分間
撹拌した。6M塩酸約95mlを加えコンゴーレッド酸
性にし、析出した結晶を吸引濾過し、デシケーターで乾
燥してtrans−2−アセトアミドシクロヘキサンカ
ルボン酸の粗結晶を得た。 収量23.210g 収率62.7% m.p.198〜
213℃
【0025】これをさらに酢酸エチルとエタノール
(1:2)の混合溶媒95mlで再結晶し、精製tran
s−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸の結晶
を得た。 収量15.366g 収率41.5% m.p.210〜
211℃
(1:2)の混合溶媒95mlで再結晶し、精製tran
s−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸の結晶
を得た。 収量15.366g 収率41.5% m.p.210〜
211℃
【0026】母液をエバポレーターで四分の一まで濃縮
し、析出した結晶を濾過し、酢酸エチルとエタノール
(1:2)の混合溶媒を用いて再結晶した後、さらに水6
0mlで再結晶して、精製trans−2−アセトアミ
ドシクロヘキサンカルボン酸の結晶を得た。 収量3.920g 収率10.6% m.p.210〜2
11℃
し、析出した結晶を濾過し、酢酸エチルとエタノール
(1:2)の混合溶媒を用いて再結晶した後、さらに水6
0mlで再結晶して、精製trans−2−アセトアミ
ドシクロヘキサンカルボン酸の結晶を得た。 収量3.920g 収率10.6% m.p.210〜2
11℃
【0027】実施例2 trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン
酸の光学分割 50ml三角フラスコに(±)−trans−2−アセト
アミドシクロヘキサンカルボン酸2.778g(15m
mol)とエタノールと水の混合溶媒(4:1)33m
lを加えた後、L−(−)−α−アミノ−ε−カプロラ
クタム1.923g(15mmol)を加え、完全に溶
けるまで加熱した。50℃に冷却してから難溶性塩の種
晶を少し加え、30時間室温に放置した。析出した結晶
を濾別し、デシケーターで乾燥し、難溶性の塩(−)−
trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン
酸・L−(−)−α−アミノ−ε−カプロラクタム塩を得
た。 収量1.949g ラセミ体の半量を100%とした収
率82.9% m.p.209〜212℃
酸の光学分割 50ml三角フラスコに(±)−trans−2−アセト
アミドシクロヘキサンカルボン酸2.778g(15m
mol)とエタノールと水の混合溶媒(4:1)33m
lを加えた後、L−(−)−α−アミノ−ε−カプロラ
クタム1.923g(15mmol)を加え、完全に溶
けるまで加熱した。50℃に冷却してから難溶性塩の種
晶を少し加え、30時間室温に放置した。析出した結晶
を濾別し、デシケーターで乾燥し、難溶性の塩(−)−
trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン
酸・L−(−)−α−アミノ−ε−カプロラクタム塩を得
た。 収量1.949g ラセミ体の半量を100%とした収
率82.9% m.p.209〜212℃
【0028】この塩をエタノールと水の混合溶媒(8:
1)7.8mlで再結晶し、精製(−)−trans−2
−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸・L−(−)
−α−アミノ−ε−カプロラクタム塩を得た。 収量1.493g ラセミ体の半量を100%とした収
率77.0% m.p.214〜216℃ 〔α〕589
−12.0°(c1,MeOH)
1)7.8mlで再結晶し、精製(−)−trans−2
−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸・L−(−)
−α−アミノ−ε−カプロラクタム塩を得た。 収量1.493g ラセミ体の半量を100%とした収
率77.0% m.p.214〜216℃ 〔α〕589
−12.0°(c1,MeOH)
【0029】この塩の一部を複分解し、得られた(−)
−trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボ
ン酸をベンジルエステルに誘導した後、CHIRALC
ELOJを用いる高速液体クロマトグラフィーで光学純
度の検定を行ったところ、光学純度99.9%であっ
た。
−trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボ
ン酸をベンジルエステルに誘導した後、CHIRALC
ELOJを用いる高速液体クロマトグラフィーで光学純
度の検定を行ったところ、光学純度99.9%であっ
た。
【0030】この塩1.535gに水3.5mlと3M
水酸化ナトリウム1.7mlを加え、クロロホルム2.5
mlで3回抽出し、水層を4M塩酸約2.5mlで酸性
にし、吸引濾過することにより光学活性な(−)−tr
ans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸
0.355gを得た。 m.p.170〜171℃ 〔α〕589−18.2°
(c1,MeOH)
水酸化ナトリウム1.7mlを加え、クロロホルム2.5
mlで3回抽出し、水層を4M塩酸約2.5mlで酸性
にし、吸引濾過することにより光学活性な(−)−tr
ans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸
0.355gを得た。 m.p.170〜171℃ 〔α〕589−18.2°
(c1,MeOH)
【0031】また、この濾液を酢酸エチル2.5mlで
3回抽出し、この有機層からさらに0.266gの
(−)−trans−2−アセトアミドシクロヘキサン
カルボン酸を回収した。 m.p.175〜176℃
3回抽出し、この有機層からさらに0.266gの
(−)−trans−2−アセトアミドシクロヘキサン
カルボン酸を回収した。 m.p.175〜176℃
【0032】参考例1 trans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン
酸の光学純度検定法 30mlスリ付き二口フラスコに、(±)−trans
−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸93mg
(0.5mmol)を入れて乾燥塩化メチレン2mlに
懸濁させ、その後ベンジルアルコール(1mmol)、
4−ジメチルアミノピリジン(1mmol)、及びN,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1mmol)
を順次加え、室温で一晩撹拌した。次に酢酸エチル1m
lを加えて濾過し、濾液に飽和食塩水2mlを加え、一
時間撹拌し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エ
バポレーターで溶媒を留去し、TLC(展開溶媒:酢酸
エチル/ヘキサン、Rf=0.3)で精製することによ
りtrans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボ
ン酸ベンジルエステルを得た。以下の条件により光学純
度を計算した。
酸の光学純度検定法 30mlスリ付き二口フラスコに、(±)−trans
−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボン酸93mg
(0.5mmol)を入れて乾燥塩化メチレン2mlに
懸濁させ、その後ベンジルアルコール(1mmol)、
4−ジメチルアミノピリジン(1mmol)、及びN,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1mmol)
を順次加え、室温で一晩撹拌した。次に酢酸エチル1m
lを加えて濾過し、濾液に飽和食塩水2mlを加え、一
時間撹拌し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エ
バポレーターで溶媒を留去し、TLC(展開溶媒:酢酸
エチル/ヘキサン、Rf=0.3)で精製することによ
りtrans−2−アセトアミドシクロヘキサンカルボ
ン酸ベンジルエステルを得た。以下の条件により光学純
度を計算した。
【0033】測定条件: カ ラ ム:CHIRALCEL OJ 移 動 相:7%2−プロパノール/ヘキサン 流 速:0.5ml/min 検出波長:254nm 保持時間:31min;(+)−trans−2−アセ
トアミドシクロヘキサンカルボン酸ベンジルエステル,
35min;(−)−trans−2−アセトアミドシ
クロヘキサンカルボン酸ベンジルエステル
トアミドシクロヘキサンカルボン酸ベンジルエステル,
35min;(−)−trans−2−アセトアミドシ
クロヘキサンカルボン酸ベンジルエステル
【0034】実施例3 trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸の合成 300mlのスリ付きナス型フラスコに、濃アンモニア
水30mlと水40mlを加え、氷溶で冷やした。これ
に乳鉢を用いて粉砕したtrans−1、2−シクロヘ
キサンジカルボン酸無水物23.155g(0.15m
ol)を少しずつ加えて無水物を完全に溶解させた後、
さらに10分間ゆっくり撹拌した。水酸化ナトリウム1
9.202g(含量93%、0.45mol)を水10
0mlに溶解し氷冷した水溶液の半量を少しずつ滴下し
た。滴下後浴温を50℃以下に保ったまま、反応液をエ
バポレーターにかけ、約20mlの水が留去するまで減
圧留去した。上記反応液を、500ml三口フラスコに
移し、冷却しながら残った半量の水酸化ナトリウム水溶
液を加えた。撹拌下、1.5M次亜塩素酸ナトリウム9
0mlを約10分間で滴下し、さらに5分間撹拌後、浴
温を86℃に替えて、反応液の温度を80〜85℃で5
分間保った。再び氷浴に替え、反応液を10℃以下に冷
却した。激しく撹拌しながら、ベンゼンスルホニルクロ
リド26.500g(0.15mol)とジオキサン2
2.5mlの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了
後さらに10分間撹拌した。濃塩酸約25mlを加えコ
ンゴーレッド酸性にし、析出した結晶を吸引濾過し、5
00mlビーカーに移し、沸騰水250mlを加え十分
撹拌後、熱いうちに吸引濾過した。得られた粗生成物を
80%エタノール48mlで再結晶した。 収量22.183g 収率52.1% m.p.185〜
190℃
ンカルボン酸の合成 300mlのスリ付きナス型フラスコに、濃アンモニア
水30mlと水40mlを加え、氷溶で冷やした。これ
に乳鉢を用いて粉砕したtrans−1、2−シクロヘ
キサンジカルボン酸無水物23.155g(0.15m
ol)を少しずつ加えて無水物を完全に溶解させた後、
さらに10分間ゆっくり撹拌した。水酸化ナトリウム1
9.202g(含量93%、0.45mol)を水10
0mlに溶解し氷冷した水溶液の半量を少しずつ滴下し
た。滴下後浴温を50℃以下に保ったまま、反応液をエ
バポレーターにかけ、約20mlの水が留去するまで減
圧留去した。上記反応液を、500ml三口フラスコに
移し、冷却しながら残った半量の水酸化ナトリウム水溶
液を加えた。撹拌下、1.5M次亜塩素酸ナトリウム9
0mlを約10分間で滴下し、さらに5分間撹拌後、浴
温を86℃に替えて、反応液の温度を80〜85℃で5
分間保った。再び氷浴に替え、反応液を10℃以下に冷
却した。激しく撹拌しながら、ベンゼンスルホニルクロ
リド26.500g(0.15mol)とジオキサン2
2.5mlの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了
後さらに10分間撹拌した。濃塩酸約25mlを加えコ
ンゴーレッド酸性にし、析出した結晶を吸引濾過し、5
00mlビーカーに移し、沸騰水250mlを加え十分
撹拌後、熱いうちに吸引濾過した。得られた粗生成物を
80%エタノール48mlで再結晶した。 収量22.183g 収率52.1% m.p.185〜
190℃
【0035】これをさらに80%エタノール35mlで
再結晶し、精製trans−2−ベンゼンスルホンアミ
ドシクロヘキサンカルボン酸の結晶を得た。 収量20.853g 収率49.0% m.p.190〜
191℃
再結晶し、精製trans−2−ベンゼンスルホンアミ
ドシクロヘキサンカルボン酸の結晶を得た。 収量20.853g 収率49.0% m.p.190〜
191℃
【0036】実施例4 trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸の光学分割 200ml三角フラスコに(±)−trans−2−ベン
ゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸2.83
5g(10mmol)とエタノール:酢酸エチル(1:1)
の混合溶媒75ml及び(−)−α−メチルベンジルアミ
ン11.21g(10mmol)を加え、完全に溶解す
るまで加熱した。室温に8時間静置し、析出した結晶を
濾別して乾燥し、難溶性の塩(+)−trans−2−
ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸・
(−)−α−メチルベンジルアミン塩を得た。 収量1.251g ラセミ体の半量を100%とした収
率61.8% m.p.174〜178℃ 〔α〕589
+12.4°(c1,MeOH)
ンカルボン酸の光学分割 200ml三角フラスコに(±)−trans−2−ベン
ゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸2.83
5g(10mmol)とエタノール:酢酸エチル(1:1)
の混合溶媒75ml及び(−)−α−メチルベンジルアミ
ン11.21g(10mmol)を加え、完全に溶解す
るまで加熱した。室温に8時間静置し、析出した結晶を
濾別して乾燥し、難溶性の塩(+)−trans−2−
ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸・
(−)−α−メチルベンジルアミン塩を得た。 収量1.251g ラセミ体の半量を100%とした収
率61.8% m.p.174〜178℃ 〔α〕589
+12.4°(c1,MeOH)
【0037】この塩をエタノールと酢酸エチル(1:
1)の混合溶媒40mlで2度再結晶し、精製(+)−
trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸・(−)−α−メチルベンジルアミン塩を
得た。 収量0.749g ラセミ体の半量を100%とした収
率37.0% m.p.185〜187℃ 〔α〕589
+20.1°(c1,MeOH)
1)の混合溶媒40mlで2度再結晶し、精製(+)−
trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸・(−)−α−メチルベンジルアミン塩を
得た。 収量0.749g ラセミ体の半量を100%とした収
率37.0% m.p.185〜187℃ 〔α〕589
+20.1°(c1,MeOH)
【0038】得られた塩0.149g(0.37mmo
l)に水1mlと1M水酸化ナトリウム0.6mlを加
え、遊離した(−)−α−メチルベンジルアミンをエー
テルで抽出した後、水層に1M塩酸を加えてコンゴーレ
ッド酸性にした。析出した結晶を濾過し、(+)−tr
ans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサンカ
ルボン酸77mgを得た。これをイソブチルエステルに
誘導した後、CHIRALCEL OD−Hを用いる高
速液体クロマトグラフィー分析で光学純度を検定したと
ころ、99.9%以上であった。
l)に水1mlと1M水酸化ナトリウム0.6mlを加
え、遊離した(−)−α−メチルベンジルアミンをエー
テルで抽出した後、水層に1M塩酸を加えてコンゴーレ
ッド酸性にした。析出した結晶を濾過し、(+)−tr
ans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサンカ
ルボン酸77mgを得た。これをイソブチルエステルに
誘導した後、CHIRALCEL OD−Hを用いる高
速液体クロマトグラフィー分析で光学純度を検定したと
ころ、99.9%以上であった。
【0039】参考例2 trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸の光学純度検定法 trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸をオキシ塩化リンの存在下でイソブチルア
ルコールと加熱還流し、trans−2−ベンゼンスル
ホンアミドシクロヘキサンカルボン酸のエステル体へ誘
導化した。反応後、水を加えて過剰のオキシ塩化リンを
分解させ、エバポレーターで残ったイソブチルアルコー
ル、塩酸を除去し、酢酸エチルで抽出し、TLC(展開
溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1:1、Rf=0.6)
で精製することによりtrans−2−ベンゼンスルホ
ンアミドシクロヘキサンカルボン酸イソブチルエステル
を得た。以下の条件により光学純度を計算した。
ンカルボン酸の光学純度検定法 trans−2−ベンゼンスルホンアミドシクロヘキサ
ンカルボン酸をオキシ塩化リンの存在下でイソブチルア
ルコールと加熱還流し、trans−2−ベンゼンスル
ホンアミドシクロヘキサンカルボン酸のエステル体へ誘
導化した。反応後、水を加えて過剰のオキシ塩化リンを
分解させ、エバポレーターで残ったイソブチルアルコー
ル、塩酸を除去し、酢酸エチルで抽出し、TLC(展開
溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1:1、Rf=0.6)
で精製することによりtrans−2−ベンゼンスルホ
ンアミドシクロヘキサンカルボン酸イソブチルエステル
を得た。以下の条件により光学純度を計算した。
【0040】測定条件: カ ラ ム:CHIRALCEL OD−H 移 動 相:4%2−プロパノール/ヘキサン 流 速:0.5ml/min 検出波長:254nm 保持時間:33min;(−)−trans−2−ベン
ゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸イソブチ
ルエステル、38min;(+)−trans−2−ベ
ンゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸イソブ
チルエステル
ゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸イソブチ
ルエステル、38min;(+)−trans−2−ベ
ンゼンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸イソブ
チルエステル
【0041】実施例5 光学活性trans−2−アセトアミドシクロヘキサン
カルボン酸による(±)−α−アミノ−ε−カプロラクタ
ムの光学分割 (±)−α−アミノ−ε−カプロラクタム0.128g
(1mmol)と(−)−trans−2−アセトアミド
シクロヘキサンカルボン酸0.185g(1mmol)
を混合し、エタノール3mlと水0.5mlを加えて加
熱溶解した。およそ50℃になったとき、難溶性塩の種
晶を少し加えて室温で13時間放置した。析出した結晶
を吸引濾過し、難溶性塩(−)−α−アミノ−ε−カプ
ロラクタム・(−)−trans−2−アセトアミドシ
クロヘキサンカルボン酸塩を得た。 収量0.121g ラセミ体の半量を100%とした収
率77.2% m.p.214〜216℃
カルボン酸による(±)−α−アミノ−ε−カプロラクタ
ムの光学分割 (±)−α−アミノ−ε−カプロラクタム0.128g
(1mmol)と(−)−trans−2−アセトアミド
シクロヘキサンカルボン酸0.185g(1mmol)
を混合し、エタノール3mlと水0.5mlを加えて加
熱溶解した。およそ50℃になったとき、難溶性塩の種
晶を少し加えて室温で13時間放置した。析出した結晶
を吸引濾過し、難溶性塩(−)−α−アミノ−ε−カプ
ロラクタム・(−)−trans−2−アセトアミドシ
クロヘキサンカルボン酸塩を得た。 収量0.121g ラセミ体の半量を100%とした収
率77.2% m.p.214〜216℃
【0042】この塩の一部を複分解して得られた(−)
−α−アミノ−ε−カプロラクタムをベンゾイル化した
後、CHIRALCEL OD−Hを用いてHPLC分
析を行った結果、光学純度99.9%であった。
−α−アミノ−ε−カプロラクタムをベンゾイル化した
後、CHIRALCEL OD−Hを用いてHPLC分
析を行った結果、光学純度99.9%であった。
【0043】実施例6 光学活性trans−2−ベンゼンスルホンアミドシク
ロヘキサンカルボン酸による(±)−α−アミノ−ε−
カプロラクタムの光学分割 (±)−α−アミノ−ε−カプロラクタム0.256g
(2mmol)と(−)−trans−2−ベンゼンスル
ホンアミドシクロヘキサンカルボン酸0.567g(2
mmol)を混合し、2−プロパノール10mlを加え
て加熱溶解した。およそ50℃になったとき、難溶性塩
の種晶をを少し加えて室温で6.5時間放置した。析出
した結晶を吸引濾過し、難溶性塩(−)−α−アミノ−
ε−カプロラクタム・(−)−trans−2−ベンゼ
ンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸塩を得た。 収量0.275g ラセミ体の半量を100%とした収
率67.0% m.p.161〜163℃
ロヘキサンカルボン酸による(±)−α−アミノ−ε−
カプロラクタムの光学分割 (±)−α−アミノ−ε−カプロラクタム0.256g
(2mmol)と(−)−trans−2−ベンゼンスル
ホンアミドシクロヘキサンカルボン酸0.567g(2
mmol)を混合し、2−プロパノール10mlを加え
て加熱溶解した。およそ50℃になったとき、難溶性塩
の種晶をを少し加えて室温で6.5時間放置した。析出
した結晶を吸引濾過し、難溶性塩(−)−α−アミノ−
ε−カプロラクタム・(−)−trans−2−ベンゼ
ンスルホンアミドシクロヘキサンカルボン酸塩を得た。 収量0.275g ラセミ体の半量を100%とした収
率67.0% m.p.161〜163℃
【0044】この塩の一部を複分解して得られた(−)
−α−アミノ−ε−カプロラクタムを用いたHPLC分
析の結果、光学純度73.8%であった。
−α−アミノ−ε−カプロラクタムを用いたHPLC分
析の結果、光学純度73.8%であった。
【0045】参考例3 α−アミノ−ε−カプロラクタムの光学純度検定法 (±)−α−アミノ−ε−カプロラクタム0.384g
(3mmol)に乾燥塩化メチレン4mlを加えて氷浴
で冷やし、これにトリエチルアミン0.617g(6m
mol)、塩化ベンゾイル0.843g(6mmol)
を加え、室温で3時間撹拌した。反応終了後エバポレー
ターで溶媒を除き、TLCで精製してα−ベンズアミド
−ε−カプロラクタムを得た。以下の条件により光学純
度を計算した。
(3mmol)に乾燥塩化メチレン4mlを加えて氷浴
で冷やし、これにトリエチルアミン0.617g(6m
mol)、塩化ベンゾイル0.843g(6mmol)
を加え、室温で3時間撹拌した。反応終了後エバポレー
ターで溶媒を除き、TLCで精製してα−ベンズアミド
−ε−カプロラクタムを得た。以下の条件により光学純
度を計算した。
【0046】測定条件: カ ラ ム:CHIRALCEL OD−H 移 動 相:10%2−プロパノール/ヘキサン 流 速:0.5ml/min 検出波長:254nm 保持時間:35min;(−)−α−ベンズアミド−ε
−カプロラクタム、43min;(+)−α−ベンズア
ミド−ε−カプロラクタム
−カプロラクタム、43min;(+)−α−ベンズア
ミド−ε−カプロラクタム
【0047】
【発明の効果】本発明により、光学活性2−アミノシク
ロヘキサンカルボン酸誘導体を光学分割剤として用いる
ことにより医薬品等の中間体として有用な光学活性α−
アミノ−ε−カプロラクタムの容易かつ効率的な製造が
可能になった。
ロヘキサンカルボン酸誘導体を光学分割剤として用いる
ことにより医薬品等の中間体として有用な光学活性α−
アミノ−ε−カプロラクタムの容易かつ効率的な製造が
可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 223/12 C07D 223/12 A // C07M 7:00
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは置換基を有してもよい炭素数1〜10のア
ルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル基、また
は置換基を有してもよい炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖ま
たは環状脂肪族アシル基、*は不斉炭素原子を示す)で
示される光学活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸
誘導体。 - 【請求項2】 Rがアセチル基である請求項1記載の化
合物。 - 【請求項3】 Rがベンゼンスルホニル基である請求項
1記載の化合物。 - 【請求項4】 光学活性2−アミノシクロヘキサンカル
ボン酸誘導体がトランス体である請求項1記載の化合物 - 【請求項5】 一般式(I) 【化2】 (式中、Rは置換基を有してもよい炭素数1〜10のア
ルキル、アラルキルまたはアリールスルホニル基、また
は置換基を有してもよい炭素数1〜7の直鎖、分岐鎖ま
たは環状脂肪族アシル基、*は不斉炭素原子を示す)で
示される光学活性2−アミノシクロヘキサンカルボン酸
誘導体を光学分割剤としてラセミ体アミンに作用せし
め、生成したジアステレオマー塩の溶解度差を利用して
光学分割を行うことを特徴とするラセミ体アミンの光学
分割法。 - 【請求項6】 ラセミ体アミンがα−アミノ−ε−カプ
ロラクタムである請求項5記載の光学分割法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5114696A JPH09241227A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 新規光学分割剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5114696A JPH09241227A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 新規光学分割剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241227A true JPH09241227A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=12878693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5114696A Pending JPH09241227A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 新規光学分割剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09241227A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000046189A1 (fr) * | 1999-02-02 | 2000-08-10 | Shionogi & Co., Ltd. | Derives de la sulfonamide a structures cycliques |
WO2003055846A1 (fr) * | 2001-12-27 | 2003-07-10 | Mitsui Chemicals, Inc. | Acides diaminodicarboxyliques et leurs intermediaires |
JP2014193176A (ja) * | 2008-10-17 | 2014-10-09 | Evonik Degussa Gmbh | 魚類及び甲殻類用飼料添加剤としてのメチオニル−メチオニンの製造及び使用 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP5114696A patent/JPH09241227A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000046189A1 (fr) * | 1999-02-02 | 2000-08-10 | Shionogi & Co., Ltd. | Derives de la sulfonamide a structures cycliques |
WO2003055846A1 (fr) * | 2001-12-27 | 2003-07-10 | Mitsui Chemicals, Inc. | Acides diaminodicarboxyliques et leurs intermediaires |
JP2014193176A (ja) * | 2008-10-17 | 2014-10-09 | Evonik Degussa Gmbh | 魚類及び甲殻類用飼料添加剤としてのメチオニル−メチオニンの製造及び使用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3653607B1 (en) | Process for the preparation of enantiomerically enriched 3-aminopiperidine | |
BG107234A (bg) | Нов метод за синтез на естери на n-[(s)-1-карбоксибутил]-(s)- аланин и приложението му при синтеза на периндоприл | |
JPH09241227A (ja) | 新規光学分割剤 | |
JP3209041B2 (ja) | 光学分割剤およびそれを用いた光学活性テトラヒドロフランカルボン酸類の製造法 | |
JP2555244B2 (ja) | 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法 | |
US5041637A (en) | Process for the synthesis of optically active aminoacids | |
JP3665976B2 (ja) | 光学分割剤およびそれを用いた光学活性N−tert−ブチル−2−ピペラジンカルボキシアミドの製造法 | |
EP0174358A1 (en) | Novel diastereomer salts of phenylalanine and n-acyl derivatives thereof and process for the separation of optically active phenylalanine and n-acyl derivatives thereof | |
JP3157118B2 (ja) | アシルアミノ酸を用いるピペリジン誘導体の光学分割方法 | |
JP4093608B2 (ja) | 光学活性2−フェノキシプロピオン酸の製造方法 | |
CA2488324A1 (en) | Optical resolution of n-acetyl-indoline-2-carboxylic acid with phenylglycinol | |
JPH10218863A (ja) | 光学活性2−ピペラジンカルボン酸誘導体の製造法 | |
JPH10101629A (ja) | 光学活性酪酸誘導体の製造方法 | |
JP2863002B2 (ja) | 光学活性な2―(アルキル置換フェニル)プロピオン酸誘導体および(±)―1―メチル―3―フェニルプロピルアミンの光学分割方法 | |
JP2002047263A (ja) | 2−アミノ−ω−シアノアルカン酸誘導体、およびその製造方法 | |
JPH06271512A (ja) | 光学活性トランス−1,2−ジアミノ−4−シクロヘキセンの製造方法 | |
JP2005298337A (ja) | β−ヒドロキシアミノ酸誘導体の製造方法およびその中間体 | |
JPH11199562A (ja) | 1−(3−アルカノイルチオ−2−アルキルプロパノイル)−プロリルフェニルアラニンの製造方法 | |
JPH07304746A (ja) | 新規ベンゾアゼピンカルボン酸誘導体 | |
KR20060125218A (ko) | 광학활성 벤족사진 유도체의 제조방법 | |
JPH11335367A (ja) | 光学活性なカルボン酸の製造法 | |
JPH10279564A (ja) | 光学活性なグアニジン誘導体 | |
JP2001163868A (ja) | 光学活性なカルボン酸誘導体の取得方法 | |
JP2003096053A (ja) | 光学活性な2−ベンジルコハク酸モノアミドの製造方法 | |
JPH10218840A (ja) | 光学活性シクロプロパン誘導体の製造方法 |