JPH09239671A - ソケットおよびインパクトレンチ - Google Patents

ソケットおよびインパクトレンチ

Info

Publication number
JPH09239671A
JPH09239671A JP7517096A JP7517096A JPH09239671A JP H09239671 A JPH09239671 A JP H09239671A JP 7517096 A JP7517096 A JP 7517096A JP 7517096 A JP7517096 A JP 7517096A JP H09239671 A JPH09239671 A JP H09239671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
socket
bolt
nut
fitting hole
circumferential surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7517096A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemi Shiotani
重美 塩谷
Mitsuharu Ishibashi
光治 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP7517096A priority Critical patent/JPH09239671A/ja
Publication of JPH09239671A publication Critical patent/JPH09239671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボルト・ナットの着脱を確実に行う。 【解決手段】 ソケット1の嵌合穴6の内表面を、ボル
ト14の外表面に合わせて密着可能とする。嵌合穴6の内
表面には、複数のスリット7を設けて把持爪を形成し、
さらに該把持爪の先端部を拡大または縮小するために、
軸芯部2、傘歯車3、ソケットカバー4等からなる駆動
部を構成する。そして、ボルト14に対してソケット1を
係合または離脱させるときには、嵌合穴6内表面とボル
ト14の外表面とのあいだに所望の隙間を設け、ボルトに
締付トルクまたは緩めトルクを付与するときには、前記
隙間を無くし、ボルト14の外表面に対してソケット1の
嵌合穴6内周面を面接触させる。そして、ソケット1の
軸芯とボルト14の軸芯とを一致させ、ソケット1からボ
ルト14への締付トルクまたは緩めトルクの伝達効率を高
め、いわゆる「ボルトなめ、ナットなめ」の状態を防止
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト・ナットの
着脱工具であるソケットと、該ソケットを装着して用い
ることが可能なインパクトレンチに関する。
【0002】
【従来の技術】ボルト・ナットの着脱工具であるソケッ
トは、レンチの先端部に取付けて用いられ、ボルト・ナ
ットと係合して、締付トルクまたは緩めトルクを直接ボ
ルト・ナットに伝達する。通常は、六角ボルト・ナット
用のソケットは六角の嵌合穴を有し、四角ボルト・ナッ
ト用のソケットは四角の嵌合穴を有している。そして、
予め様々なボルト・ナット径に対応したサイズの嵌合穴
を有するソケットを複数用意し、適宜交換して使用す
る。ところで、ソケットの嵌合穴は、ボルト・ナットに
対してスムーズな着脱が行われるように、適合寸法のボ
ルト・ナットの外表面に対して若干大きめに作られてい
る。したがって、ソケットの嵌合穴とボルト・ナットと
の間には、若干の隙間(1/10mm程度)が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、ボルト・ナ
ットを締め込むまたは緩める際には、ボルト・ナットの
外表面とソケットの嵌合穴内表面とが面接触せず、ボル
ト・ナットの多角形の角部のみがソケットの嵌合穴内表
面に当接する「片当り」の状態となる。よって、ボルト
・ナットの角部に圧縮応力が集中して変形し、ソケット
が空回りするいわゆる「ボルトなめ、ナットなめ」の状
態となったり、ソケットの嵌合穴内表面に傷を付けたり
するという欠点がある。また、ソケットの軸芯とボルト
・ナットの軸芯とがずれ易く、ボルト・ナットの片当り
を助長することにもなる。
【0004】さらに、ボルト・ナットによる締結部の使
用温度が高く、焼付きが生じている場合、腐食等により
ボルト・ナットのねじ部に錆付きが生じた場合等には、
これを緩めるために多大な回転トルクが必要となり、ボ
ルトなめ、ナットなめ状態が非常に生じ易くなる。この
ような場合には、ボルト・ナットの取り外しが不可能と
なることもあった。また、ボルト・ナットのねじ精度が
低い場合には、締付時にもボルトなめ、ナットなめを生
ずることもあり、意匠ボルト、意匠ナットに傷をつける
こともあった。
【0005】従来はこの問題を解決するために、ソケッ
トの嵌合穴内部に緩衝用の弾性体を設け、ソケットの嵌
合穴とボルト・ナットとの隙間を埋める手法を用いた例
や(特開昭59− 42275号公報参照)、ソケットの軸芯と
ボルト・ナットの軸芯とを一致させるために、レンチに
軸芯の調整機構を持たせた例(特開平 4− 53635号公報
参照)等がある。ところが、緩衝用の弾性体を用いる手
法では、弾性体の耐久性に難があり、レンチに軸芯の調
整機構を持たせたものは、レンチの構造が複雑化し、し
かもソケットの嵌合穴内表面とボルト・ナットとの片当
りは解決しない。
【0006】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ボルト・ナット外表面
に対してソケットの嵌合穴内表面を面接触させることを
可能とし、ソケットからボルト・ナットへの締付トルク
または緩めトルクの伝達効率を高めることにより、ボル
ト・ナットの着脱を確実に行うことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
の本発明に係る手段は、ボルト・ナットの着脱を行うソ
ケットであって、該ソケットの嵌合穴内表面を、ボルト
・ナットの外表面に合わせて密着可能としたことを特徴
とする。
【0008】この構成により、ボルト・ナットに対して
ソケットを係合または離脱させるときには、前記嵌合穴
内表面とボルト・ナットの外表面との間に所望の隙間を
設け、ボルト・ナットに締付トルクまたは緩めトルクを
付与するときには、前記隙間を無くしてボルト・ナット
外表面に対してソケットの嵌合穴内周面を面接触させ
る。すなわち、前記ソケットの嵌合穴にチャック機能を
持たせ、ソケットの軸芯とボルト・ナットの軸芯とを一
致させ、ソケットからボルト・ナットへの締付トルクま
たは緩めトルクの伝達効率を高める。
【0009】本発明においては、前記嵌合穴内表面は把
持爪を有し、さらに該把持爪を拡大または縮小する駆動
部を有することが望ましい。そして、この把持爪の拡大
または縮小によって、該把持爪をボルト・ナットの外表
面に面接触させる。
【0010】また、上記問題を解決するための本発明に
係るインパクトレンチは、ボルト・ナットとの嵌合穴内
表面を、ボルト・ナットの外表面に合わせて密着可能な
ソケットとのジョイント部と、前記嵌合穴内表面をボル
ト・ナットの外表面に密着させるための駆動手段とを備
えることを特徴とする。
【0011】本発明においては、ボルト・ナットに対し
てソケットを係合または離脱させるときには、前記嵌合
穴内表面とボルト・ナットの外表面とのあいだに所望の
隙間を設け、ボルト・ナットに締付トルクまたは緩めト
ルクを付与するときには、前記隙間を無くしてボルト・
ナット外表面に対してソケットの嵌合穴内周面を面接触
させる。すなわち、インパクトレンチに装着するソケッ
トの嵌合穴にチャック機能を持たせ、ソケットの軸芯と
ボルト・ナットの軸芯とを一致させ、ソケットからボル
ト・ナットへの締付トルクまたは緩めトルクの伝達効率
を高める。また、インパクトレンチに設けた駆動手段に
より、前記嵌合穴内表面をボルト・ナットの外表面に密
着させる動作を発生させ、これに連続させて締付トルク
まはた緩めトルクを発生させるための回転駆動を行う。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。まず、本発明の第1の実施の
形態に係るソケットを、図1ないし図3に示して説明す
る。
【0013】図1ないし図3に示すソケット1は、六角
ボルト・ナット用である。このソケット1は、軸芯部
2、傘歯車3およびソケットカバー4を有する。ソケッ
トカバー4は円筒状をなし、その後端部から中間部にか
けては同一径をなし、中間部から先端部4aにかけて徐
々に直径が減少する。また、ソケットカバー4の同一径
をなす部分の内周壁には、雌ねじ4bを形成している。
軸芯部2はその先端部をソケットカバー4の内周壁に挿
通し、フランジ部2aの周囲に形成した雄ねじ2bで、
ソケットカバー4の雌ねじ4bと螺合している。また、
傘歯車3は歯面3aを軸芯部2の後方に向け、中心孔3
bを軸芯部2に回転可能に挿通し、さらにソケットカバ
ー4に対してピン5を用いて固定している。
【0014】軸芯部2の先端部2cは、ソケットカバー
4の円錐内周壁4cに倣ったテーパ面をなしており、六
角形の嵌合穴6(図2参照)が形成されている。この嵌
合穴6には、さらに軸方向(図1の左右方向)のスリッ
ト7を設けることにより、先端部2cに複数の把持爪8
を形成している。また、軸芯部2の中間部には、ハンド
ル9を回転自在に支持するための台座10を設けている。
台座10はリング状をなし、ハンドル9の先端部を軸支す
る軸孔10aを有する。また台座10の固定位置は、軸孔10
aにハンドル9の先端を嵌め込むことにより、ハンドル
9に設けた歯車12が傘歯車3の歯面3aとかみ合う位置
とする。そして、ハンドル9に締付または緩めトルクを
加えて傘歯車3を回転させたときに、その反力で台座10
が軸芯部2に対して回転しないように、位置決めピン11
で軸芯部2に対する台座10の回り止めを施している。さ
らに、軸芯部2の後端部2dには、ソケット1を図示し
ないレンチに装着するための、四角形のレンチ連結穴13
(図3参照)を形成している。
【0015】さて、ハンドル9を台座10に取付けて、図
示の矢印のごとく回転させると、傘歯車3が歯車12に駆
動され、傘歯車3は軸芯部2に対して回転する。これと
共にソケットカバー4も軸芯部2に対して回転する。す
ると、ソケットカバー4の雌ねじ4bの回転によって、
これと螺合する雄ねじ2bを有するフランジ部2aが前
後方向に案内され、軸芯部2はソケットカバー4に対し
て前後方向に移動する。軸芯部2をソケットカバー4に
対して前方(図1の左方向)に移動させると、軸芯部2
の先端部2cに形成した複数の把持爪8の先端部は、ソ
ケットカバー4の円錐内壁4cに案内されて弾性変形
し、スリット7の間隔を狭める。したがって、嵌合穴6
は縮小する。また、軸芯部2をソケットカバー4に対し
て後方(図1の右方向)に移動させると、スリット7の
間隔が広がり、縮小した嵌合穴6を再び拡大させること
ができる。すなわち把持爪8が、軸芯部2、傘歯車3、
ソケットカバー4等からなる駆動部によって拡大または
縮小し、嵌合穴6の内壁はチャック機能を持つこととな
る。ところで、嵌合穴6を縮小させる前の、嵌合穴6と
ボルト・ナットとの隙間は1/10mm程度であることから、
嵌合穴6の拡大若しくは縮小に必要な軸芯部2の前後方
向の移動量は僅かであり、軸芯部2の移動に伴って台座
10の位置をスライドさせる必要はない。
【0016】ここで、本実施の形態に係るソケット1の
使用手順を、ボルト14の取り外しの場合を例に挙げて説
明する。まず図1に示すように、ソケット1の嵌合穴6
をボルト14に係合させる。そして、ハンドル9の先端部
を軸孔10aに嵌め込み、ハンドル9を回してソケットカ
バー4を回転させ、軸芯部2をソケットカバー4に対し
て前進させる。そしてスリット7の間隔を狭めて、把持
爪8をボルト14の外周壁に面接触させる。ここからさら
に密着圧力を高め、ボルト14の圧力破壊強度以下のプレ
ロードをかける。このプレロードは、例えば、ボルト強
度4TのM8ボルトの場合では、15kg/mm2程度とする。
その後に、ハンドル9を軸孔10aから取り外し、レンチ
連結穴13にレンチを取付け、緩めトルクをボルト14に与
える。そして、ボルト14を緩めた後に、再びハンドル9
を台座10に取付け、嵌合穴6を拡大させて、ソケット1
をボルト14から取り外す。
【0017】上記構成をなす本発明の第1の実施の形態
における作用効果は、以下の通りである。すなわち、ボ
ルト14に対してソケット1を係合させる時点では、嵌合
穴6とボルト14の外周壁との間には、所定の間隔を設け
ておき、ボルト14にソケット1を係合させた後に、着脱
式のハンドル9によってソケットカバー4を回転させる
ことにより、嵌合穴6の壁面である把持爪8をボルト14
の該表面に密着させ、さらにプレロードを与えてボルト
14を把持爪8でクランプする。この状態でソケット1に
レンチを連結して回転させることにより、ボルト14の外
表面とソケット1の嵌合穴6の内表面との片当りをなく
し、ソケット1の嵌合穴6からボルト14への緩めトルク
の伝達効率を高め、ソケットの空回り(ボルトなめ)を
防止する。また、嵌合穴6内表面に傷を付けることもな
くなる。また、ボルト14の締付けの際も、取り外しの時
とまったく同様の操作をして、ボルト14に対しプレロー
ドをかけ、十分な締め付けを行う。また、ナットに対し
ても同様の作用効果を有する。
【0018】次に、本発明の第2の実施の形態を、図4
ないし図7に基づいて説明する。第2の実施の形態にお
ける、第1実施例との同一部分若しくは相当部分につい
ての詳しい説明は省略する。
【0019】ところで、第2の実施の形態における特徴
点は、前記第1の実施の形態において説明したソケット
1と同様にクランプ機能を有するソケットを、インパク
トレンチで用いることを可能とし、かつ、ボルト・ナッ
トに対するプレロードの抜入を、インパクトレンチの動
力により自動的に行うというものである。ここではま
ず、図4ないし図6に第2の実施の形態に係るソケット
15を示し、説明を行う。ソケット15は、本体16とソケッ
トカバー17を有し、ピン50を用いて本体16とソケットカ
バー17とを固定し、さらに本体16およびソケットカバー
17の内部に軸芯部18を挿通している。また、ピン51を用
いて、ボルト・ナットとの嵌合穴19を有するテーパ部20
を、軸芯部18の先端に固定している。軸芯部18は貫通孔
18aを有し、貫通孔18aにドローバー21を挿通させてい
る。ドローバー21の先端部には、貫通孔18aの内径より
大きな径を有するストッパ21aが取付けられており、ド
ローバー21を後方に引っ張ることによって、本体16およ
びソケットカバー17に対し、軸芯部18およびテーパ部20
を後方に摺動させることができる。
【0020】また、本体16と軸芯部18との間には、皿バ
ネ22等の弾性体を介在させており、ドローバー21による
軸芯部18の後方への駆動力に反発するようになってい
る。したがって、ドローバー21による後方への引っ張り
力を減少させると、軸芯部18およびテーパ部20は、元の
位置に復帰する。図4および図6に示すように、ドロー
バー21の後端部には、後述するインパクトレンチ25(図
7)のドローバー26と連結するためのジョイント21bが
設けられている。また、軸芯部18の後端部18bは、イン
パクトレンチ25のジョイント部27(図7)に装着可能な
形状をなしている。
【0021】ところで、テーパ部20の外周壁は、その中
間部20aから先端部20bにかけて、徐々に直径が拡大し
ており、外周壁の傾斜角度は、ソケット15の軸線に対し
て10°〜20°をなしている。また、軸方向(図4の左右
方向)のスリット23を設けることにより、図5に示すよ
うに、嵌合穴19に複数の把持爪24を形成している。さら
に、ソケットカバー17の内周壁先端部17aは、テーパ部
20に形成された円錐外周壁20cに倣ったテーパ面をなし
ており、テーパ部20をソケットカバー17に対して後方
(図4の右方向)に移動させると、テーパ部20の先端部
20bに形成した複数の把持爪24は、ソケットカバー17の
内周壁先端部17aに案内されて弾性変形し、スリット23
の間隔を狭める。したがって、嵌合穴19は縮小される。
また、テーパ部20をソケットカバー17に対して前方(図
4の左方向)に移動させると、スリット23の間隔が広が
り、縮小した嵌合穴19を再び拡大させることができる。
すなわち、ソケットカバー17、軸芯部18、テーパ部20お
よびドローバー21からなる駆動手段によって、把持爪24
を拡大または縮小することが可能となり、嵌合穴19の内
壁はチャック機能を持つ。
【0022】次に、図7を参照しながら、ソケット15を
装着して用いるインパクトレンチ25の説明をする。イン
パクトレンチ25は、特に空気圧を動力源として用いた場
合を例示しているが、別の動力源として、例えば油圧、
電気モータ等を用いることも可能である。さて、このイ
ンパクトレンチ25は、ジョイント部27、打撃部28、エア
モータ部29、アクチュエータ部30および給気部31を有す
る。このうち、打撃部28およびエアモータ部29について
は、一般的なインパクトレンチと同様の構造を有するの
でここでの説明は省略し、以下にそれ以外の部分につい
ての説明をする。
【0023】インパクトレンチ25は、ジョイント部27に
ソケット15のドローバー21を駆動するためのドローバー
26が突出し、しかも、ドローバー26が打撃部28およびエ
アモータ部29を貫通して、アクチュエータ部30によって
軸線方向に駆動されるようになっている。さらに給気部
31は、エアモータ部29およびアクチュエータ部30の双方
に対し、適宜圧縮空気を供給可能な構造を有している。
【0024】ジョイント部27は、ソケット15の軸芯部18
の後端部18bに対応して、着脱が容易な形状を有してお
り、セレーション27aによって、ソケット15の軸芯部18
に形成したセレーション18c(図4参照)に対し、直接
的に回転トルクを伝達する。また、ジョイント部27から
前方に突出するドローバー26の先端部には球面ジョイン
ト26aが形成され、ソケット15のドローバー21後端部に
形成されたジョイント21bに対応して、迅速な着脱が可
能な連結構造を形成している。
【0025】打撃部28およびエアモータ部29の軸芯に
は、ドローバー26を挿通する貫通穴がそれぞれ設けられ
ており、ドローバー26はその後端部をアクチュエータ部
30まで延ばして、軸受32によって軸線方向に摺動自在
に、かつ、回転自在に軸支されている。アクチュエータ
部30の内部には、アクチュエータ部30を第1室33と第2
室34とに気密状態で分離するピストン35が設けられ、さ
らにピストン35はドローバー26に固定され、後述するエ
アモータ部29の回転作動時には、ドローバー26およびピ
ストン35は共回りする。また、第1室33、第2室34のそ
れぞれに第1吸排気口36、第2給排気口37が設けられ、
それぞれ第1連通管38、第2連通管39と連通している。
そして、第1室33に圧縮空気を充填すると、ピストン35
が後方に移動し、ドローバー26は後方に引き込まれる。
また、第2室34に圧縮空気を充填すると、ピストン35は
前方に移動し、ドローバー26は前方に送り出される。
【0026】給気部31は、インパクトレンチ25のグリッ
プ40内に形成されており、圧縮空気(例えば4kg/cm2
8kg/cm2程度)の供給口41をグリップ40の下端部に設け
ている。そして、レバー42を引くことによりコントロー
ル弁43を作動させ、第1連通管38または第2連通管39に
圧縮空気を送ることができる。ところで、第1連通管38
の途中にはディレー弁44を設け、第1連通管38内部の気
圧が所定値を越えるとディレー弁44が開いて、エアモー
タ部29に圧縮空気を送り込み、エアモータ部29を回転さ
せるようになっている。また、給気部31にはエアモータ
部29の回転方向を切り替える反転レバー45が設けられて
いる。
【0027】ここで、本発明の第2の実施の形態におけ
るインパクトレンチ25の作動手順を図7を基に説明す
る。まず、インパクトレンチ25のジョイント部27に、ソ
ケット15を装着する。給気部31のレバー42がオフの状態
では、吸気口41から供給される圧縮空気は、第2給排気
口37とつながる第2連通管39のプレッシャポート48を通
り、第2室34に圧縮空気を充填して、ピストン35を前方
に押し出す。したがって、ドローバー26は前方に移動し
た状態にある。参考までに、圧縮空気の供給がない場合
には、ピストン35およびドローバー26は、前後方向の動
作がフリーとなる。
【0028】レバー42をオンの状態にするとコントロー
ル弁43が下降し、それまで外気と連通していた第1連通
管38のリターンポート47が閉じ、プレッシャポート46が
開いて、圧縮空気がアクチュエータ部30の第1室33に充
填される。これと同時に、第2連通管39のプレッシャポ
ート48が閉じ、リターンポート49が開くので、第2室34
が外気と連通する。よって、第1室33の圧力が第2室34
の圧力を上回り、ピストン35は後方に移動して、ドロー
バー26を後方に引き込む。すると、ソケット15のドロー
バー21が後方に引っ張られ、図4、図5に示す嵌合穴19
の内壁が縮小する。よって、ボルト14に圧力破壊強度以
下のプレロードをかけることができる。
【0029】把持爪24がボルト14の外周壁に面接触する
ことにより、ドローバー26が後退した状態で停止する。
圧縮空気の供給は依然続けられているので、第1室33お
よび第1連通管38の気圧が上昇し、ディレー弁44が開
く。そして、エアモータ部30に圧縮空気が供給され、エ
アモータ部の回転トルクが打撃部28を介してジョイント
部27に伝達され、ソケット15を回転させる。そして、図
4に示すボルト14に締付または緩めトルクが効率良く伝
達され、ボルト14の締付または緩め作業が行われる。
【0030】再び、レバー42をオフの状態にすると、コ
ントロール弁43が上昇し、外気と連通していた第2連通
管39のリターンポート49が閉じ、プレッシャポート48が
開いて、圧縮空気がアクチュエータ部30の第2室34に充
填される。これと同時に、第1連通管38のプレッシャポ
ート46が閉じ、リターンポート27が開くので、第1室33
が外気と連通する。よって、第1室33および第1連通管
38の気圧が下がり、ディレー弁44が閉じてエアモータ部
30の回転が停止する。これと共に、第2室34の圧力が第
1室33の圧力に対して高まり、ピストン35は前方に移動
して、ドローバー26を前方に押し出す。よって、ソケッ
ト15のドローバー21が前方に押し出され、図4に示す嵌
合穴19の内壁は再び拡大する。また、エアモータ部30に
残った圧縮空気は、残圧抜きポート52から排出される。
【0031】以上のように、本発明の第2の実施の形態
では、ソケット15はボルト・ナットとの嵌合穴19の内表
面に把持爪24を有し、把持爪24をソケット本体16に対し
て相対移動可能とし、該相対移動により把持爪24の先端
部を拡大または縮小可能としている。そして、インパク
トレンチ25は、ソケット15を固定するジョイント部27
と、把持爪24の相対移動を発生させる駆動手段であるア
クチュエータ部30とを備える。すなわち、前記第1の実
施の形態において説明したソケット1と同様にクランプ
機能を有するソケット15を、インパクトレンチ25で用い
ることが可能となる。したがって、ボルト・ナットに対
するプレロードの抜入を、インパクトレンチ25の動力に
より自動的に行うことが可能となり、ボルト・ナットの
着脱作業を迅速に行うことが可能となる。その他、第1
の実施の形態と同一の作用効果については、ここでの説
明は省略する。
【0032】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。すなわち、ソケットの嵌合穴に
チャック機能を持たせ、ボルト・ナットに対してソケッ
トを係合または離脱させるときには、前記嵌合穴内表面
とボルト・ナットの外表面とのあいだに所望の隙間を設
け、ボルト・ナットに締付トルクまたは緩めトルクを付
与するときには、前記隙間を無くしてボルト・ナット外
表面に対してソケットの嵌合穴内周面を面接触させる。
そして、ソケットの軸芯とボルト・ナットの軸芯とを一
致させ、ソケットからボルト・ナットへの締付トルクま
たは緩めトルクの伝達効率を高めて、いわゆる「ボルト
なめ、ナットなめ」状態を防止し、ソケットの嵌合穴内
表面に傷を付ることをなくすことができる。
【0033】特に、ボルト・ナットによる締結部の使用
温度が高く、焼付きが生じている場合、腐食等によりボ
ルト・ナットのねじ部に錆付きが生じた場合等の、ボル
ト・ナットを緩めるために多大な回転トルクを必要とす
る時には、効果的に緩めトルクをボルト・ナットに伝達
し、確実に取り外しを行うことが可能となる。したがっ
て、廃車リサイクル工場等では有力な工具となる。ま
た、意匠ボルト・ナット等の締付の際には、ボルト・ナ
ットの多角形の角部のみがソケットの嵌合穴内表面に片
当りすることがなくなるので、組立時に意匠ボルト・ナ
ットに傷をつけるおそれもなくなる。
【0034】ところで、本発明においては前記嵌合穴内
表面に把持爪を設け、さらに該把持爪の先端部を拡大ま
たは縮小する駆動部を有するので、この把持爪先端部の
拡大または縮小によって、該把持爪をボルト・ナットの
外表面に面接触させ、ソケットの軸芯とボルト・ナット
の軸芯とを一致させると共に、ボルト・ナット外表面に
対する締付トルクまたは緩めトルクの伝達を確実に行う
ことが可能となる。
【0035】また、本発明においては、上記クランプ機
能を有するソケットを、インパクトレンチに装着して用
いることも可能となるので、ボルト・ナットに対するプ
レロードの抜入を、インパクトレンチの動力により自動
的に行うことが可能となり、ボルト・ナットの着脱作業
を迅速に、かつ、確実に行うことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るソケットを示
す断面図である。
【図2】図1に示すソケットの正面図である。
【図3】図1に示すソケットの裏面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るインパクトレ
ンチと共に用いられるソケットを示す断面図である。
【図5】図4に示すソケットの正面図である。
【図6】図4に示すソケットの裏面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るインパクトレ
ンチ、および、ソケットの一部分を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ソケット 2 軸芯部 3 傘歯車 4 ソケットカバー 6 嵌合穴 8 把持爪 14 ボルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト・ナットの着脱を行うソケットで
    あって、該ソケットの嵌合穴内表面を、ボルト・ナット
    の外表面に合わせて密着可能としたことを特徴とするソ
    ケット。
  2. 【請求項2】 前記嵌合穴内表面には把持爪を有し、さ
    らに該把持爪を拡大または縮小する駆動部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のソケット。
  3. 【請求項3】 ボルト・ナットとの嵌合穴内表面を、ボ
    ルト・ナットの外表面に合わせて密着可能なソケットと
    のジョイント部と、前記嵌合穴内表面をボルト・ナット
    の外表面に密着させるための駆動手段とを備えることを
    特徴とするインパクトレンチ。
JP7517096A 1996-03-05 1996-03-05 ソケットおよびインパクトレンチ Pending JPH09239671A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7517096A JPH09239671A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 ソケットおよびインパクトレンチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7517096A JPH09239671A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 ソケットおよびインパクトレンチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09239671A true JPH09239671A (ja) 1997-09-16

Family

ID=13568468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7517096A Pending JPH09239671A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 ソケットおよびインパクトレンチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09239671A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100915285B1 (ko) * 2007-10-16 2009-09-03 콘티넨탈 오토모티브 시스템 주식회사 볼트 및 나사 제거장치
KR101007402B1 (ko) * 2003-05-12 2011-01-14 주식회사 포스코 스프레이 노즐 점검 및 교환 장치
CN102489994A (zh) * 2011-11-11 2012-06-13 广汽本田汽车有限公司 一种轮毂螺母装配设备
CN105415282A (zh) * 2015-12-30 2016-03-23 同济大学 一种锥齿轮传动式单边螺栓紧固件安装工具
JP2020124787A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 株式会社 タイコー ナットランナー

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101007402B1 (ko) * 2003-05-12 2011-01-14 주식회사 포스코 스프레이 노즐 점검 및 교환 장치
KR100915285B1 (ko) * 2007-10-16 2009-09-03 콘티넨탈 오토모티브 시스템 주식회사 볼트 및 나사 제거장치
CN102489994A (zh) * 2011-11-11 2012-06-13 广汽本田汽车有限公司 一种轮毂螺母装配设备
CN105415282A (zh) * 2015-12-30 2016-03-23 同济大学 一种锥齿轮传动式单边螺栓紧固件安装工具
CN105415282B (zh) * 2015-12-30 2017-03-22 同济大学 一种锥齿轮传动式单边螺栓紧固件安装工具
JP2020124787A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 株式会社 タイコー ナットランナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3258626B2 (ja) 工具ホルダ
US4767230A (en) Shaft coupling
EP3717145B1 (en) Automatic double-action fastener installation tool
EP1027950A1 (en) Working tool
US4940370A (en) Inner lug removal tool
US9550283B2 (en) Power tool with spindle lock
CN113330222B (zh) 自我反作用中心轮螺母组件、驱动器组件、工具组件以及相关方法
WO2005028161A1 (ja) セキュリティナット締結用工具、セキュリティナット解除用工具、セキュリティナット締結兼解除用工具、およびこれらの工具専用のセキュリティナット
US6260855B1 (en) Workholding apparatus
JPH09239671A (ja) ソケットおよびインパクトレンチ
US20050092140A1 (en) Apparatus and method for removing a bolt from an assembly
US5699702A (en) Wrenching tool with free-floating, self-relieving anti-rotation key
US5012566A (en) Drilling and expanding tool for removing carburetor seal plugs
US5579567A (en) Pin unseating tool
JPWO2011126060A1 (ja) 締結工具
US5243749A (en) Transmission pump removal tool
KR100970140B1 (ko) 토오크형 나사 분리장치
JP3496332B2 (ja) 圧入シャフト取り外し治具
RU2587007C2 (ru) Инструмент для установки и снятия винтового средства на задней стороне предмета
WO2015166617A1 (ja) ドリルチャック
JPH07266156A (ja) ボルト締結治具およびボルト
KR200222542Y1 (ko) 커플링 취부, 취외용 지그
JPH09314479A (ja) 位置決めピン用引き抜き装置
GB2291156A (en) Breakneck bolt
CN216464342U (zh) 一种用于拆装紧固件的辅助工具