JPH09237685A - 照明装置 - Google Patents

照明装置

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JPH09237685A
JPH09237685A JP4361896A JP4361896A JPH09237685A JP H09237685 A JPH09237685 A JP H09237685A JP 4361896 A JP4361896 A JP 4361896A JP 4361896 A JP4361896 A JP 4361896A JP H09237685 A JPH09237685 A JP H09237685A
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JP
Japan
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circuit
output
high frequency
load circuit
arc discharge
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Withdrawn
Application number
JP4361896A
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English (en)
Inventor
Koji Fujimoto
幸司 藤本
Akio Okude
章雄 奥出
Shiyougo Ichimura
省互 一村
Yasuhiro Kudo
康宏 工藤
Yoshimitsu Hiratomo
喜光 平伴
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接触不良などによるアーク放電が発生しても、
アーク放電が持続することのない照明装置を提供する。 【解決手段】定電流高周波電源1は、交流電源ACを電
源とし電流を一定とした高周波を出力する。負荷回路2
は出力線Wに接続された電流トランスTrを介してラン
プLaに電力を供給する。出力線W上において接触不良
などによるアーク放電が生じると、位相検出回路3では
電圧位相と電流位相との位相差に基づいてアーク放電が
発生していることを検出し、定電流高周波電源1の出力
を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定電流高周波源の
出力により照明負荷を点灯させる照明装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、図14に示すように、商用電
源のような交流電源ACを電源とする定電流高周波電源
1から照明負荷である放電灯Laを含む負荷回路2に電
力を供給することによって放電灯Laを点灯させるよう
にした照明装置が提案されている(特開平6−2039
82号公報)。
【0003】負荷回路2は、定電流高周波電源1の出力
端子X,Y間に接続される絶縁被覆電線である出力線W
と、環状コアに2次巻線n2 を巻装した電流トランスT
rと、電流トランスTrの2次巻線n2 の両端間に接続
された放電灯Laとを備え、放電灯Laとしてはフィラ
メントを備えるものを用い、予熱用のコンデンサCp
放電灯Laのフィラメントの非電源側端間に接続してあ
る。出力線Wは電流トランスTrの環状コアに挿通され
ることにより電流トランスTrの1次巻線として機能す
る。この構成では、放電灯Laが複数であっても放電灯
Laの灯数に応じた個数の電流トランスTrを設け、各
電流トランスTrの2次巻線n2 に放電灯Laを接続す
るとともに出力線Wを電流トランスTrに挿通すればよ
いから、放電灯Laの灯数にかかわらず施工が容易であ
るという利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した照
明装置では、出力端子X,Yへの出力線Wの接続が不完
全である場合(出力端子X,Yと出力線Wとの接触不
良、あるいは出力端子X,Yとして端子ねじを備えた端
子を用いるのであれば端子ねじに緩みがある場合など)
のように定電流高周波電源1の出力端子X,Y間の電流
経路(厳密には出力線W以外に出力端子X,Yと出力線
Wとの接続部も含んでいるが、以下では出力線W上と述
べることにする)のいずれかの箇所でアーク放電が生じ
ることがある。アーク放電が生じると出力線Wの絶縁被
覆が過熱されて溶けたり燃えたりして発火あるいは発煙
し、場合によっては充電部である芯線が露出するなどの
問題が生じることがある。
【0005】とくに、定電流高周波電源1から出力され
る高周波電流では電離したイオンが消滅する前に再び電
圧が印加されるから、商用電源周波数の電流に比べると
アーク放電が持続しやすく、しかも定電流高周波電源1
は出力電流を一定に保とうとするから、出力線W上のイ
ンピーダンスが増加すれば出力端子X,Y間の電圧が上
昇することになり、アーク放電が持続されやすくなる。
このように、定電流高周波電源1を用いて照明負荷を点
灯させる照明装置では、出力線W上でアーク放電が生じ
るような状態になるとアーク放電が持続されやすいもの
である。
【0006】定電流高周波電源1を用いて照明負荷を点
灯させる構成としては、図15に示すように、複数ター
ンの1次巻線n1 を備えた電流トランスTrを設けるも
のも考えられている。この照明装置では電流トランスT
rは端子台6を介して出力線Wに接続される。したがっ
て、出力線W上に多数の電気的接続部が存在しており、
接触不良の生じる箇所が一層多くなるから、出力線W上
でアーク放電がさらに生じやすいことになる。
【0007】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、接触不良などによるアーク放電が発
生しても、アーク放電が持続することのない照明装置を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交流
電源を電源とし電流を一定とした高周波を出力する定電
流高周波電源と、定電流高周波電源の出力端子間に接続
された照明負荷を含む負荷回路と、定電流高周波電源か
ら負荷回路への電流経路でのアーク放電の発生を検出す
る放電検出手段と、放電検出手段によるアーク放電の検
出時に定電流高周波電源から負荷回路への出力を制限す
る保護手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】この構成によれば、定電流高周波電源の出
力端子間に接続されている負荷回路において接続不良な
どによってアーク放電が生じたときに、そのアーク放電
を検出して負荷回路への出力を制限するから、アーク放
電の持続を防止することができ、結果的にアーク放電か
ら発火や発煙などの危険な状態に陥ることを防止するこ
とができるのである。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、放電検出手段が定電流高周波電源の出力電圧と負荷
回路に流れる電流との位相差を検出する位相検出回路よ
りなり、位相検出回路は負荷回路に流れる電流が定電流
高周波電源の出力電圧に対して進相になるとアーク放電
が生じていると判定するものである。請求項3の発明
は、請求項1の発明において、放電検出手段が負荷回路
に流れる電流波形の対称性を検出する電流バランス検出
回路よりなり、負荷回路に流れる電流の大きさに向きに
よる差が生じるとアーク放電が生じていると判定するも
のである。
【0011】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、放電検出手段が定電流高周波電源の出力端子間の電
圧波形の対称性を検出する電圧バランス検出回路よりな
り、電圧波形が非対称になるとアーク放電が生じている
と判定するものである。請求項5の発明は、請求項1な
いし請求項3の発明において、アーク放電が検出される
と保護手段が定電流高周波電源から負荷回路への出力を
停止するものである。
【0012】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、アーク放電が検出されると保護手段
が定電流高周波電源から負荷回路に対して間欠的に出力
を供給するものである。請求項7の発明は、請求項1な
いし請求項3の発明において、アーク放電が検出される
と保護手段が定電流高周波電源から負荷回路への出力電
圧を低下させるものである。
【0013】請求項8の発明は、請求項1ないし請求項
7の発明において、定電流高周波電源が、負荷回路との
間に挿入される誘導性インピーダンス素子と出力端子間
に接続される容量性インピーダンス素子との少なくとも
一方を備えるものである。この構成によれば、定電流高
周波電源に誘導性インピーダンス素子や容量性インピー
ダンス素子設けていることによって、負荷回路の誘導性
インピーダンスや容量性インピーダンスが多少変動して
も、その影響を受けることがない。
【0014】本発明は以下の知見に基づくものである。
図14、図15などに示した従来構成の負荷回路2の等
価回路を考えると、図16のように、容量性インピーダ
ンスC0 と抵抗成分R0 の並列回路に誘導性インピーダ
ンスL0 を直列接続したものになる。誘導性インピーダ
ンスL0 は主として出力線Wのインダクタンス成分であ
り、抵抗成分R0 は主としてランプLaの抵抗成分であ
る。したがって、ランプLaの点灯時にはこの等価回路
の振動周波数f1 は数1で与えられる。
【0015】
【数1】
【0016】これは正常時であるが、出力線W上でアー
ク放電が生じているときには、放電の生じている箇所は
インピーダンスZを持つから、出力線Wの浮遊容量C1
が無視できなくなる。つまり、等価回路は図17のよう
になる。この等価回路では容量性インピーダンスC0
浮遊容量C1 が直列接続されるから、等価回路の容量性
インピーダンスの総量は図16に示した等価回路よりも
小さくなり、結果的にアーク放電が生じているときには
等価回路の振動周波数f2 はアーク放電の生じていない
場合よりも高くなる(f1 <f2 )。言い換えると、図
16の等価回路に対して図17の等価回路では浮遊容量
1 が直列に挿入されることによって負荷回路2の両端
電圧の位相に対して負荷回路2を流れる電流の位相が進
んだ電流進相モードに近い動作になる。
【0017】また、アーク放電が生じるときには、アー
ク放電が生じている箇所の両端の物質や放電の状態に応
じて、放電の生じやすい向きと放電の生じにくい向きと
ができるから、アーク放電が生じているときには負荷回
路2の両端間の電圧や負荷回路2に流れる電流の大きさ
や、負荷回路2に流れる電流の向きに応じて変化するこ
とになる。
【0018】以上説明したように、出力線W上でアーク
放電が生じていることは、負荷回路2の電圧位相と電流
位相との差や、負荷回路2の両端電圧や負荷回路2に流
れる電流の正負両極性でのピーク値の差に基づいて検出
することができる。したがって、アーク放電の持続を防
止するには、上述の技術により出力線W上でのアーク放
電を検出し、アーク放電が生じたときにはアーク放電が
持続しなくなる方向に負荷回路2への電圧や電流を制御
すればよいのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本実施形態は、図1に示すように、交流
電源ACの入力により一定電流の高周波出力を得る定電
流高周波電源1を備え、負荷回路2は電流トランスTr
と放電灯Laと予熱用のコンデンサCp とからなる。図
では放電灯Laを複数灯点灯させる構成を示してあり、
各放電灯Laごとに電流トランスTrおよび予熱コンデ
ンサCp が接続されている。また、各電流トランスTr
の1次巻線n1 は互いに直列接続されている。この構成
は図15に示した従来構成と同様であるが、本実施形態
では定電流高周波電源1と負荷回路2との間に放電検出
手段および保護手段としての位相検出回路3を挿入し、
負荷回路2を接続する出力端子X,Y間の電圧の位相
と、負荷回路2に流れる電流の位相との位相差を検出す
るとともに、検出した位相差に基づいて定電流高周波電
源1の出力を制御するように構成してある。ここに、位
相検出回路3と出力端子X,Yとの間にはインダクタL
が挿入される。
【0020】定電流高周波電源1は、図2に示すよう
に、商用電源のような交流電源ACを全波整流するダイ
オードブリッジよりなる全波整流器DBと、全波整流器
DBの出力を昇圧するとともに入力電流に休止期間が生
じないようにしながらも平滑された直流電圧を出力する
昇圧形のチョッパ回路11と、チョッパ回路11から出
力された直流電圧を高周波交流電圧に変換するフルブリ
ッジ形のインバータ回路12とからなる。
【0021】チョッパ回路11は、周知のように、全波
整流器DBの直流出力端間にインダクタL1 とスイッチ
ング素子(MOSFET)Q1 との直列回路を接続し、
さらに、スイッチング素子Q1 にダイオードD1 と平滑
コンデンサCB との直列回路を並列接続したものであ
り、スイッチング素子Q1 はチョッパ制御部13によっ
て高周波でオン・オフするように制御される。また、平
滑コンデンサCB の両端電圧は抵抗R1 ,R2 により分
圧され、チョッパ制御部13は、抵抗R2 の両端電圧に
基づいて平滑コンデンサCB の両端電圧がほぼ一定電圧
に保たれるようにスイッチング素子Q1 のオン期間をP
WM制御する。
【0022】チョッパ回路11では、スイッチング素子
1 のオン期間にインダクタL1 にエネルギが蓄積さ
れ、スイッチング素子Q1 のオフ期間にインダクタL1
からエネルギが放出されるときにインダクタL1 の両端
に生じる電圧と全波整流器DBの出力電圧との加算電圧
がダイオードD1 を通して平滑コンデンサCB に印加さ
れることによって、平滑コンデンサCB の両端電圧を全
波整流器DBの出力電圧よりも昇圧する。また、スイッ
チング素子Q1 のオン期間にインダクタL1 に電流が流
れ、スイッチング素子Q1 のオフ期間には平滑コンデン
サCB への充電電流が流れるから、交流電源ACの電圧
にかかわらず交流電源ACから全波整流器DBに対して
電流を流し続けることができ、チョッパ回路11を用い
ずに全波整流器DBと平滑コンデンサCB とだけを用い
て直流電圧を得る場合よりも、入力電流歪を少なくする
ことができ、しかも力率を高くすることができる。
【0023】上述したチョッパ制御部13は、汎用のス
イッチング電源用集積回路を用いたものであり、たとえ
ば富士電機製FA5331やモトローラ製MC3326
1を用いることができる。インバータ回路12は、チョ
ッパ回路11の出力電圧すなわち平滑コンデンサCB
両端電圧を電源とし高周波交流電圧を出力するものであ
り、ブリッジ接続された4個のスイッチング素子(MO
SFET)Q2 〜Q5 を備える。スイッチング素子Q2
とスイッチング素子Q3 とは直列接続されてブリッジ回
路の一方のアームを形成し、スイッチング素子Q4 とス
イッチング素子Q5 とは直列接続されてブリッジ回路の
他方のアームを形成するのであって、各アームは平滑コ
ンデンサCB に並列接続される。また、スイッチング素
子Q2 とスイッチング素子Q 3 との接続点はインダクタ
Lを介して出力端子Xに接続され、スイッチング素子Q
4 とスイッチング素子Q5との接続点は電流トランスC
1 の第1巻線n11を介して出力端子Yに接続される。
【0024】出力端子X,Y間には負荷回路2が接続さ
れるから、スイッチング素子Q2 とスイッチング素子Q
5 とをオンにすれば、出力端子Xから出力端子Yに向か
う向きの電流が負荷回路2に流れ、スイッチング素子Q
3 とスイッチング素子Q4 とをオンにすれば、出力端子
Yから出力端子Xに向かう向きの電流が負荷回路2に流
れる。つまり、図3に示すように、平滑コンデンサCB
の両端間に負荷回路2を挟んで直列に接続されたスイッ
チング素子Q2 ,Q5 またはQ3 ,Q4 が同時にオンに
なる期間を設けるとともに、平滑コンデンサCB の両端
間に負荷回路2を介さずに直列に接続されたスイッチン
グ素子Q2 ,Q3 またはQ4 ,Q5 が同時にオンになら
ないようにスイッチング素子Q2 〜Q5 をオン・オフさ
せれば、負荷回路2に交流電圧が印加される。また、負
荷回路2に流れる電流が反転する過渡期間にすべてのス
イッチング素子Q2 〜Q5 がオフになる期間を設けてあ
り、ブリッジ回路の各アームで平滑コンデンサCB の両
端間を短絡する危険を回避するとともに負荷回路2に正
弦波状の電流を流すのである。
【0025】電流トランスCT1 は3個の巻線を備え、
第2巻線n12はセンタタップを有しており、第2巻線n
12に誘起された電流はダイオードD2 ,D3 を用いて全
波整流される。また、第3巻線n13は整流されずに用い
られる。電流トランスCT1の1次巻線n11は上述のよ
うにインバータ回路12と負荷回路2との間に直列に接
続されるから、電流トランスCT1 の第2巻線n12およ
び第3巻線n13の出力に基づいて負荷回路2に流れる電
流を検出することができる。
【0026】インバータ回路12におけるスイッチング
素子Q2 とスイッチング素子Q3 との接続点にはダイオ
ードD4 と抵抗R3 との直列回路の一端が接続され、ダ
イオードD4 により半波整流された電圧を外部に取り出
すようにしてある。ところで、インバータ回路12は定
電流高周波電源1の出力部であるからインバータ回路1
2の出力は定電流に保たれなければならない。そこで、
電流トランスCT1 の第2巻線n12に誘起された電流を
全波整流した出力に基づいて、スイッチング素子Q2
5 のオン・オフのタイミングが制御される。スイッチ
ング素子Q2 〜Q5 を制御するインバータ制御部14は
図4のように構成される。ここに、図4における端子A
〜C,E〜G、J,K,Pは図2の同符号を付した端子
に接続される。インバータ制御部14では電流トランス
CT1 の第2巻線n12に誘起された電流が端子Kを通し
て検出用抵抗R4 に流されるから、検出用抵抗R4 の両
端電圧により負荷回路2に流れる電流の大きさを検出す
ることができる。検出用抵抗R4 にはコンデンサC4
並列接続さ検出用抵抗R4 の両端電圧が平滑される。そ
こで、検出用抵抗R4 の両端電圧を汎用のスイッチング
レギュレータ制御用の集積回路IC1 に入力することに
よって、検出用抵抗R4 の両端電圧がほぼ一定に保たれ
るようにスイッチング素子Q2 〜Q5 のオン・オフのタ
イミングを制御する。スイッチング素子Q2 〜Q5 の制
御方法としては、オン期間を制御するデューティ制御
と、スイッチング周波数を変化させる周波数制御とのい
ずれかを採用する。また、スイッチング周波数は放電灯
Laの予熱、始動、定常点灯などの動作状態に応じて4
0〜100kHzの範囲で選択される。
【0027】集積回路IC1 としては、たとえばNEC
製のμPC494を用いることができる。この集積回路
IC1 は、外付された抵抗Rt1,Rt2とコンデンサCt
とにより周波数が決定される鋸歯状波を内部で発生し、
鋸歯状波を所定の閾値で2値化することによって図3に
示した2種類の矩形波を出力する。両矩形波は、それぞ
れドライバ用の集積回路IC2 ,IC3 を介してスイッ
チング素子Q2 〜Q5に与えられる。集積回路IC2
IC3 としてはIR製のハーフブリッジ形インバータ用
のドライバに用いられるIR2111を用いることがで
きる。
【0028】位相検出回路3は、インバータ制御部14
を制御するものであって、集積回路IC1 に対する直流
電源Eからの給電路に挿入されたpnp形のトランジス
タQ 10を備える。このトランジスタQ10のオン・オフは
トランジスタQ11を介してサイリスタSCR1 により制
御されている。すなわち、サイリスタSCR1 がオンの
ときにトランジスタQ10がオフになる関係に接続され
る。したがって、サイリスタSCR1 がオンであればト
ランジスタQ10,Q11はともにオフになり、集積回路I
1 が発振動作を停止することによってインバータ回路
12の動作も停止する。一方、サイリスタSCR1 がオ
フであればトランジスタQ10はオンになるから、インバ
ータ回路12は上述の動作を行なう。
【0029】このようにサイリスタSCR1 をオンにす
るかオフにするかによってインバータ回路12から負荷
回路2に電力を供給するか電力の供給を停止するかが決
まることになる。本発明の目的は出力線W上でアーク放
電が生じたときにアーク放電が持続しないように制御す
ることであるから、アーク放電が検出されたときにサイ
リスタSCR1 をオンにしてインバータ回路12の動作
を停止すればよいことになる。
【0030】出力線W上でアーク放電が生じているか否
かは、位相検出回路3において検出される。位相検出回
路3には、負荷回路2に印加する電圧が端子Pに印加さ
れ、負荷回路2に流れる電流波形が端子Jを通して入力
される。すなわち、端子Pに印加される電圧はスイッチ
ング素子Q2 ,Q3 の接続点の電圧を半波整流した電圧
であって図5(e)のような矩形波状の電圧波形が得ら
れる。また、端子Jから入力される電流は電流トランス
CT1 の第3巻線n13に誘起された電流であって検出用
抵抗R11に流され、検出用抵抗R11の端子電圧は抵抗R
12を介してコンパレータCP1 の負入力端に印加され
る。コンパレータCP1 の負入力端と直流電源Eの負極
との間にはダイオードD12が挿入され、コンパレータC
1 の負入力端の電位が直流電源Eの負極電位にクラン
プされている。したがって、コンパレータCP1 の入力
電圧波形は図5(b)のように、負荷回路2に流れる電
流が正極性である期間に正電位となり、負荷回路2に流
れる電流が負極性である期間は絶対値がダイオードD12
の順方向電圧降下に相当する負電位になる。ただし、電
流トランスCT1 の第3巻線n13の極性を逆にすれば負
荷回路2に流れる電流が負極性である期間にコンパレー
タCP1 の入力電圧が正電位になる。ここに、図5
(b)〜(i)は図4にb〜iで示す各部位の信号波形
を示している。
【0031】コンパレータCP1 の正入力端は直流電源
Eの負極電位に設定されており、コンパレータCP1
出力端にプルアップ抵抗R13が接続されることによって
コンパレータCP1 の出力は常時はHレベルに設定され
ている。コンパレータCP1の負入力端への入力が正電
位である期間には、コンパレータCP1 の出力はLレベ
ルになるから、コンパレータCP1 の出力は図5(c)
のようになる。コンパレータCP1 の出力は否定回路N
1 により反転されて図5(d)のように負荷回路2に流
れる電流が正極性の期間にHレベルになる矩形波とな
り、この矩形波はDフリップフロップFF1 のクロック
端子CKに入力される。
【0032】一方、端子Pに印加された電圧はダイオー
ドD13によって直流電源Eの負極電位にクランプされ、
2個の否定回路と抵抗R14およびコンデンサC14よりな
る遅延回路を通してDフリップフロップFF1 のデータ
端子Dに入力される。したがって、端子Pに印加される
電圧にノイズが含まれていても遅延回路によって除去さ
れることになり、図5(e)に示す入力電圧波形に対し
て図5(g)に示すように遅延した矩形波が得られる。
図5(f)は遅延回路におけるコンデンサC14の端子電
圧を示す波形である。
【0033】DフリップフロップFF1 はクロック信号
となる否定回路N1 の出力の立ち上がり時点でデータ入
力である否定回路N3 の出力のレベルを非反転出力端よ
り出力する。しかして、正常時には電圧波形に対して電
流波形が遅相であるから、DフリップフロップFF1
非反転出力は図5(h)のようにHレベルであって、反
転出力は図5(i)のようにLレベルになる。一方、出
力線W上でアーク放電が生じたときには、原理説明とし
て説明したように、電流波形は電圧波形に対し進相にな
る。つまり、図5の時刻ta において放電アークが生じ
たとすると、時刻ta よりも右側のようにDフリップフ
ロップFF1 へのクロック信号の立ち上がり時点でデー
タ入力がLレベルになり非反転出力がLレベルになる。
【0034】DフリップフロップFF1 の非反転出力端
はダイオードD15および抵抗R15を介して抵抗Rt1,R
t2の接続点に接続されており、DフリップフロップFF
1 の非反転出力がLレベルになると、抵抗Rt1,Rt2
接続点の電位が直流電源Eの負極電位に引き下げられ
る。つまり、正常時にはスイッチング素子Q2 〜Q5
スイッチング周波数を抵抗Rt1,Rt2の直列合成抵抗に
より決定していたのに対して、放電アークが生じること
によって抵抗Rt1のみによってスイッチング周波数が決
定されるから、スイッチング周波数が高周波側にシフト
することになる。また、DフリップフロップFF1 の反
転出力端はダイオードD16と抵抗R16とコンデンサC16
とを介して直流電源Eの負極に接続され、抵抗R16とコ
ンデンサC 16との接続点はツェナーダイオードZD1
介してサイリスタSCR1 のゲートに接続されている。
また、ツェナーダイオードZD1 はDフリップフロップ
FF 1 の反転出力がHレベルになり、コンデンサC16
両端電圧が所定値まで上昇すると導通してサイリスタS
CR1 をオンにすることができるように選択されてい
る。逆に言えば、DフリップフロップFF1 の反転出力
が短時間だけHレベルになっても抵抗R16とコンデンサ
16とにより決められる時間内であればツェナーダイオ
ードZD1 はオンにならないのである。
【0035】しかして、まず正常な動作について説明す
ると、放電灯Laを予熱する間には端子Pに印加される
電圧よりも端子Jに流れ込む電流のほうが遅相になって
おり、始動状態に移行させると遅相動作から進相動作に
近付いてくる。進相動作に近付くとDフリップフロップ
FF1 の非反転出力はLレベルになり、反転出力はHレ
ベルになる。したがって、スイッチング周波数が高周波
側にシフトし、負荷回路2の共振周波数よりも高い周波
数に維持され、進相動作によってスイッチング素子Q2
〜Q5 に過大なストレスがかからないように保護され
る。一方、DフリップフロップFF1 の反転出力はHレ
ベルになるが、正常に動作するときは、抵抗R16とコン
デンサC16とにより設定されている時間内に始動状態か
ら点灯状態に移行するから、ツェナーダイオードZD1
が導通するには至らず、点灯状態では遅相動作に戻って
DフリップフロップFF1 の反転出力はLレベルに戻
る。
【0036】点灯状態になれば、図5における時刻ta
以前に示しているように遅相動作になるから、インバー
タ回路12のスイッチング周波数は抵抗Rt1,Rt2の直
列合成抵抗によって決まる。出力線W上でアーク放電が
生じたときには、図5における時刻ta 以後の動作にな
り、端子Pに印加されている電圧に対して端子Jに入力
されている電流が進相に近付く。したがって、Dフリッ
プフロップFF1 の非反転出力がLレベルになるから、
まずスイッチング周波数が高周波側にシフトすることに
よってスイッチング素子Q2 〜Q5 に過大なストレスが
かかるのを防止しようとする。さらに、この状態が継続
するとコンデンサC16の両端電圧が上昇することによっ
てツェナーダイオードZD1 が導通し、サイリスタSC
1 をオンにする。その結果、トランジスタQ10がオン
になり、集積回路IC1 への給電が停止されてスイッチ
ング素子Q2 〜Q5 がすべてオフになる。つまり、イン
バータ回路12が動作を停止し、負荷回路2への給電が
停止されるのである。以上のようにして、出力線W上で
アーク放電が生じたときにはアーク放電の持続が回避さ
れ、発煙や発火を防止することができる。
【0037】なお、出力線Wの長さによって出力端子
X,Y間のインダクタンス成分や浮遊容量が大きく変化
するから(たとえば、出力線Wが20mの場合に振動周
波数が約180kHzになり、出力線Wが60mの場合
に振動周波数が約120kHzになるという実験結果が
得られている)、出力線Wに直列に誘導性インピーダン
ス素子としてのインダクタLを挿入することによって出
力線Wの長さの変化に対するインダクタンス成分の変化
の割合を小さくしてある。このようにインダクタLを用
いることによって、出力線Wの長さ変化に対する振動周
波数の変化が小さくなり、出力線Wの長さの変化に対す
る進相電流の検出レベルの変化も小さくすることができ
る。その結果、アーク放電発生の検出レベルの変化が小
さくなるから、出力線Wの長さの変化に対する対応が容
易になる。また、出力端子X,Y間に容量性インピーダ
ンス素子としてのコンデンサを接続すれば出力線Wの長
さ変化による浮遊容量の変化に対する影響を抑制するこ
とができる。
【0038】(実施形態2)本実施形態は、位相検出回
路3によりインバータ制御部14を制御する他の構成例
であって、図6において図4に示した回路と同符号であ
る要素は同機能を有している。本実施形態における実施
形態1との主な相違点は、実施形態1では出力線W上で
アーク放電が生じたときに集積回路IC1 の給電路に挿
入したトランジスタQ10を制御することによってインバ
ータ回路12の動作を停止していたのに対して、本実施
形態ではアーク放電が生じたときに集積回路IC1 から
ドライバ用の集積回路IC2 ,IC3 への信号が無効に
なる期間を設けることにより、インバータ回路12を間
欠動作させて負荷回路2への供給電力を低減させるよう
にしている。
【0039】すなわち、集積回路IC1 の2つの出力端
と直流電源Eの負極との間にそれぞれnpn形のトラン
ジスタQ12,Q13のコレクタ−エミッタ間を挿入し、両
トランジスタQ12,Q13のベースをpnp形のトランジ
スタQ14のコレクタと直流電源Eの負極との間で直列接
続した抵抗R17,R18の接続点に接続してある。さら
に、トランジスタQ14はnpn形のトランジスタQ15
よりオン・オフが制御され、トランジスタQ15のオン時
にトランジスタQ14もオンになるように接続される。ト
ランジスタQ15のベースはツェナーダイオードZD2
介して抵抗R16とコンデンサC16との接続点に接続して
あり、コンデンサC16の両端電圧が上昇してツェナーダ
イオードZD2 がオンになれば、トランジスタQ12,Q
13がオンになってスイッチング素子Q2 〜Q5 の動作を
停止させるのである。トランジスタQ14のコレクタと直
流電源Eの負極との間には抵抗R19とコンデンサC19
の直列回路も接続してあり、抵抗R19とコンデンサC19
との接続点にはツェナーダイオードZD3 を介してトラ
ンジスタQ16のベースが接続される。このトランジスタ
16のコレクタ−エミッタ間はコンデンサC16に並列接
続されている。
【0040】正常時には、位相検出回路3は集積回路I
1 〜IC3 の動作に影響しないから、実施形態1と同
様に動作する。一方、出力線W上でアーク放電が生じた
ときには、実施形態1と同様に、DフリップフロップF
1 の非反転出力がLレベルになり反転出力がHレベル
になる。したがって、まず抵抗Rt1,Rt2の接続点が直
流電源Eの負極電位になり、スイッチング周波数が高周
波側にシフトする。その後、抵抗R16とコンデンサC16
とにより決められた時間が経過すると、ツェナーダイオ
ードZD2 が導通し、結果的にトランジスタQ12,Q13
がオンになる。つまり、ドライバ用の集積回路IC2
IC3 には集積回路IC1 からの信号が入力されなくな
り、インバータ回路12のスイッチング素子Q2 〜Q5
がオン・オフされなくなってインバータ回路12の動作
が停止する。
【0041】ところで、トランジスタQ14のコレクタに
は抵抗R19とコンデンサC19との直列回路が接続されて
いるから、トランジスタQ12,Q13のオン後に抵抗R19
とコンデンサC19とにより決まる時間が経過するとツェ
ナーダイオードZD3 が導通してトランジスタQ15がオ
ンになる。すなわち、トランジスタQ14はオフになり、
インバータ回路12は動作を再開する。トランジスタQ
14がオフになればコンデンサC19は抵抗R17〜R19を通
して放電し、トランジスタQ15が再びオフになってイン
バータ回路12を停止させる。
【0042】以上の動作を繰り返すことによって、イン
バータ回路12は間欠的に動作するのであって出力線W
に供給されるエネルギが低減され、結果的にアーク放電
が持続できなくなる。また、インバータ回路12が間欠
動作すればランプLaは点滅するから、間欠動作の周期
をランプLaの点滅が知覚できる程度に設定しておくこ
とにより、ランプLaの点滅によって使用者に異常を報
知することができるのである。他の構成および動作は実
施形態1と同様である。
【0043】(実施形態3)本実施形態は、図7に示す
ように、基本的な構成は図2と同様であるが、チョッパ
回路11を制御するチョッパ制御部13を図8のように
構成してある。また、実施形態1、2では位相検出回路
3がインバータ制御部14を制御する構成であったが、
本実施形態では位相検出回路3がチョッパ制御部13を
制御するように構成される。さらに、本実施形態では交
流電源ACと全波整流器DBとの間にラインフィルタL
Fを挿入してある。ただし、ラインフィルタLFは実施
形態1、2にも設けるのが望ましい。
【0044】チョッパ回路11は、図2に示した回路構
成と同様の出力電圧を分圧する抵抗R1 ,R2 に加えて
出力電圧を分圧する抵抗R5 ,R6 をもう一組備え、さ
らにチョッパ回路11への入力電圧を分圧する抵抗
7 ,R8 も付加されている。また、全波整流器DBの
負極の出力端とスイッチング素子Q1 のソースとの間に
検出用抵抗Rs を挿入してある。この検出用抵抗Rs
両端電圧はチョッパ回路11に流れる電流に比例する。
【0045】一方、チョッパ制御部13は、図8に示す
ように位相検出回路3により制御される。ここに、図7
と図8とにおける各端子J1〜J4および端子J,Pは
互いに接続される。チョッパ制御部13は実施形態1で
説明したように、スイッチング電源用の集積回路IC4
(ここでは富士電機製のFA5331)に外付部品を付
加して構成される。位相検出回路3は、基本的には実施
形態1に示したものと同様の構成を有している。すなわ
ち、DフリップフロップFF1 を用い、端子J,Pから
の入力を受けてチョッパ制御部13を制御する。ここ
で、DフリップフロップFF1 の入力側の構成について
は実施形態1と同様の構成を有している。一方、Dフリ
ップフロップFF1 の出力は反転出力のみを用いてお
り、DフリップフロップFF1 の反転出力端には抵抗R
20とコンデンサC20とツェナーダイオードZD4 とから
なる遅延回路を介して、トランジスタQ21のベースが接
続されている。このトランジスタQ21はトランジスタQ
22を介してトランジスタQ23のオン・オフを制御してお
り、トランジスタQ23は集積回路IC4 の給電経路に挿
入されている。ここに、トランジスタQ21〜Q23はトラ
ンジスタQ21がオンになればトランジスタQ23がオフに
なるように接続されており、DフリップフロップFF1
の反転出力がHレベルになってから抵抗R20およびコン
デンサC20により設定された時間が経過すると、ツェナ
ーダイオードZD4 が導通してトランジスタQ21をオン
にし、結果的に集積回路IC4 への給電を停止させて、
チョッパ回路11のスイッチング素子Q1 の制御を停止
させるようになっている。チョッパ回路11は、全波整
流器DBの出力端にインダクタL1 およびダイオードD
1 を介して平滑コンデンサCB を接続しているから、ス
イッチング素子Q 1 がオフであっても平滑コンデンサC
B の両端に電圧が生じるが、昇圧機能は動作しないか
ら、平滑コンデンサCB の両端電圧が正常時よりも低下
することになる。つまり、定電流高周波電源1からの出
力電圧が低下することになる。
【0046】しかして、正常時には端子Pに印加される
電圧波形に対して端子Jから流れ込む電流波形の位相の
ほうが遅相になっているから、DフリップフロップFF
1 の反転出力はLレベルであって、チョッパ制御部13
は通常の動作を行なう。このとき、チョッパ制御部13
は出力電圧を検出して出力電圧を一定に保つだけではな
く(たとえば平滑コンデンサCB の両端電圧は350V
に維持される)、チョッパ回路11の入力電圧、出力電
圧、回路電流の位相に基づいて力率を高く保つように制
御する。
【0047】一方、出力線W上で放電アークが生じる
と、実施形態1と同様にDフリップフロップFF1 の反
転出力がHレベルになるから、上述のように抵抗R20
コンデンサC27とにより決まる時間の経過後にチョッパ
制御部13の動作が停止する。つまり、スイッチング素
子Q1 はオフに保たれ、平滑コンデンサCB の両端電圧
は全波整流器DBの出力電圧まで低下する(たとえば、
交流電源ACの電圧が200Vとすれば、平滑コンデン
サCB の両端電圧は282Vになる)。このように、出
力線W上でのアーク放電の発生に伴って出力電圧が低下
し、アーク放電のエネルギが抑制されるから、アーク放
電の持続が防止される。他の構成および動作は実施形態
1と同様である。
【0048】(実施形態4)本実施形態では、負荷回路
2の両端電圧および負荷回路2に流れる電流の位相を定
電流高周波電源1から検出するのではなく、図9および
図10に示すように、定電流高周波電源1の出力端子T
と負荷回路2を接続する出力端子Yとの間に電流トラン
スCT2 の1次巻線n21を挿入することによって負荷回
路2に流れる電流のみを検出する構成としてある。電流
トランスCT2 の2次巻線n22はタップ付きであってタ
ップは直流電源C(図示せず)の負極に接続される。し
たがって、2次巻線n22の各端には1次巻線n21に流れ
る電流の向きに対応した電流が誘起される。本実施形態
は、放電検出手段および保護手段として機能する電流バ
ランス検出回路4を用いて負荷回路2に流れる電流の向
きによる電流の大きさのアンバランス(電流波形の非対
称性)を検出することによって出力線W上のアーク放電
の発生を検出するものである。
【0049】しかして、2次巻線n22の一端と直流電源
Eの負極との間にはダイオードD21と2個の抵抗R21
22との直列回路が接続され、2次巻線n22の他端と直
流電源Eの負極との間にはダイオードD22と抵抗R23
24との直列回路が接続される。また、抵抗R22および
抵抗R24にはそれぞれコンデンサC22,C24が並列接続
される。抵抗R21〜R24の各接続点は差入力検出回路U
Sの両入力端にそれぞれ接続される。ここに、電流トラ
ンスCT2 のタップはセンタタップであって、R21:R
22=R23:R24に設定されているものとする。
【0050】差入力検出回路USは、両入力端に電位差
が生じたときに出力に電流を流す回路であって、pnp
形の一対のトランジスタQ27,Q28を備え、両トランジ
スタQ27,Q28のベース間に抵抗R26が挿入されるとと
もに、両トランジスタQ27,Q28のベースとエミッタと
が互いに接続され、さらにコレクタを共通接続して出力
端としてある。また、上記抵抗R22,R24およびコンデ
ンサC22,C24を備える。したがって、両入力端(つま
り、抵抗R21,R22の接続点と抵抗R23,R24の接続
点)との電位に差が生じると、電位の高いほうにエミッ
タが接続されているトランジスタQ27,Q28がオンにな
り、出力に電流を流すのである。
【0051】差入力検出回路USの出力端は抵抗R25
コンデンサC25とからなる時定数回路を介してコンパレ
ータCP2 の正入力端に接続される。コンパレータCP
2 の負入力端には基準電圧が印加され、正入力端に入力
される信号が基準電圧以上になるとコンパレータCP2
の出力がHレベルになる。コンパレータCP2 の出力端
は、出力がHレベルのときにサイリスタSCR2 をオン
にするように接続され、このサイリスタSCR2 はトラ
ンジスタQ25のベース−エミッタ間に接続される。この
トランジスタQ25は、インバータ制御部14を構成する
集積回路IC1の給電路に挿入されたトランジスタQ26
をオン・オフさせるのであって、サイリスタSCR2
トランジスタQ25,Q26とは、サイリスタSCR2 がオ
ンになるとトランジスタQ26がオフになるように接続さ
れている。
【0052】いま、負荷回路2に流れる電流、すなわ
ち、電流トランスCT2 の1次巻線n 21に流れる電流に
ついて考察すると、図11の左部に示すように、正常時
には電流の向きによらずピーク値はほぼ等しくなる。こ
のとき、コンデンサC22,C24の端子電圧がほぼ等しく
なるから、差入力検出回路USは動作せず、コンデンサ
25の端子電圧はコンパレータCP2 の基準電圧よりも
低い状態に保たれる。その結果、コンパレータCP2
出力はLレベルに保たれ、サイリスタSCR2 はオンに
ならず、インバータ制御部14は正常に動作する。
【0053】一方、出力線W上でアーク放電が生じたと
すると、アーク放電の両端の物質や放電の状態によって
放電のしやすい向きとしにくい向きとが生じるから、図
11の右部に示すように、負荷回路2に流れる電流の向
きに応じてピーク値が変化する。つまり、負荷回路2は
図12のように整流用のダイオードDa ,Db とにそれ
ぞれインピーダンスZ1 ,Z2 を直列接続し、両直列回
路をダイオードDa ,Db の極性が逆向きになるように
並列接続したものと等価になる。電流の向きによる電流
の大きさの大小関係が図11のようであるとき(つま
り、Z1 <Z2 )、抵抗R21と抵抗R22との接続点の電
位よりも抵抗R23と抵抗R24との接続点の電位のほうが
高くなる。つまり差入力検出回路USから出力された電
流により抵抗R25を介してコンデンサC25が充電され、
コンデンサC25の端子電圧が基準電圧以上になるとコン
パレータCP2 の出力がHレベルになるのである。その
結果、上述したようにトランジスタQ26がオフになり、
インバータ制御部13の動作が停止してインバータ回路
12の動作も停止する。
【0054】このようにして出力線W上でアーク放電が
生じたことを検出し、インバータ回路12の出力を停止
することができるのである。他の構成および動作は実施
形態1と同様である。 (実施形態5)本実施形態は、図13に示すように、実
施形態4とほぼ同様の構成であるが、実施形態4におい
ては負荷回路2に流れる電流を検出していたのに対し
て、本実施形態では放電検出手段および保護手段として
機能する電圧バランス検出回路5を用いて負荷回路2の
両端電圧のアンバランス(電圧波形の非対称性)を検出
する点が相違する。したがって、電流トランスCT2
設けず、差入力検出回路USの各端を出力端子X,Yに
それぞれ接続してある。また、ダイオードD21,D 22
よび差入力検出回路USにおけるコンデンサC22,C24
を省略してある。他の構成は実施形態4と同様である。
【0055】しかして、出力線W上でアーク放電が生じ
たときには電流の向きによって電流のピーク値が異なる
のであるから、出力端子X,Y間の電位の平均値が0V
ではなくなる。その結果、抵抗R25を介してコンデンサ
25が充電されることになり、コンデンサC25の端子電
圧がコンパレータCP2 に設定されている基準電圧以上
になると、コンパレータCP2 の出力がHレベルになっ
てインバータ制御部14の動作を停止させるのである。
他の構成および動作は実施形態4と同様であるから説明
を省略する。
【0056】上記実施形態においては、インバータ回路
12にフルブリッジ形のものを用いているが、他の構成
のインバータ回路12であっても本発明の技術思想を適
用することができるのはいうまでもない。
【0057】
【発明の効果】本発明は、交流電源を電源とし電流を一
定とした高周波を出力する定電流高周波電源と、定電流
高周波電源の出力端子間に接続された照明負荷を含む負
荷回路と、定電流高周波電源から負荷回路への電流経路
でのアーク放電の発生を検出する放電検出手段と、放電
検出手段によるアーク放電の検出時に定電流高周波電源
から負荷回路への出力を制限する保護手段とを備えるも
のであり、定電流高周波電源の出力端子間に接続されて
いる負荷回路において接続不良などによってアーク放電
が生じたときに、そのアーク放電を検出して負荷回路へ
の出力を制限するから、アーク放電の持続を防止するこ
とができ、結果的にアーク放電から発火や発煙などの危
険な状態に陥ることを防止することができるという利点
がある。
【0058】また、定電流高周波電源が、負荷回路との
間に挿入される誘導性インピーダンス素子と出力端子間
に接続される容量性インピーダンス素子との少なくとも
一方を備えるものでは、負荷回路の誘導性インピーダン
スや容量性インピーダンスが多少変動しても、その影響
を受けることがないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示すブロック図である。
【図2】実施形態1の要部回路図である。
【図3】実施形態1に用いるインバータ回路の動作説明
図である。
【図4】実施形態1の要部回路図である。
【図5】図4に示した回路の動作説明図である。
【図6】実施形態2の要部回路図である。
【図7】実施形態3の要部回路図である。
【図8】実施形態3の要部回路図である。
【図9】実施形態4の要部回路図である。
【図10】実施形態4の要部回路図である。
【図11】実施形態4の動作説明図である。
【図12】実施形態4の動作状態を示す等価回路図であ
る。
【図13】実施形態5の要部回路図である。
【図14】従来例を示す回路図である。
【図15】他の従来例を示す回路図である。
【図16】負荷回路の等価回路図である。
【図17】アーク放電が生じているときの負荷回路の等
価回路図である。
【符号の説明】
1 定電流高周波電源 2 負荷回路 3 位相検出回路 4 電流バランス検出回路 5 電圧バランス検出回路 AC 交流電源 L インダクタ La ランプ Tr 電流トランス W 出力線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 康宏 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 平伴 喜光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源を電源とし電流を一定とした高
    周波を出力する定電流高周波電源と、定電流高周波電源
    の出力端子間に接続された照明負荷を含む負荷回路と、
    定電流高周波電源から負荷回路への電流経路でのアーク
    放電の発生を検出する放電検出手段と、放電検出手段に
    よるアーク放電の検出時に定電流高周波電源から負荷回
    路への出力を制限する保護手段とを備えることを特徴と
    する照明装置。
  2. 【請求項2】 放電検出手段は定電流高周波電源の出力
    電圧と負荷回路に流れる電流との位相差を検出する位相
    検出回路よりなり、位相検出回路は負荷回路に流れる電
    流が定電流高周波電源の出力電圧に対して進相になると
    アーク放電が生じていると判定することを特徴とする請
    求項1記載の照明装置。
  3. 【請求項3】 放電検出手段は負荷回路に流れる電流波
    形の対称性を検出する電流バランス検出回路よりなり、
    負荷回路に流れる電流の大きさに向きによる差が生じる
    とアーク放電が生じていると判定することを特徴とする
    請求項1記載の照明装置。
  4. 【請求項4】 放電検出手段は定電流高周波電源の出力
    端子間の電圧波形の対称性を検出する電圧バランス検出
    回路よりなり、電圧波形が非対称になるとアーク放電が
    生じていると判定することを特徴とする請求項1記載の
    照明装置。
  5. 【請求項5】 保護手段は、アーク放電が検出されると
    定電流高周波電源から負荷回路への出力を停止すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 保護手段は、アーク放電が検出されると
    定電流高周波電源から負荷回路に対して間欠的に出力を
    供給することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載
    の照明装置。
  7. 【請求項7】 保護手段は、アーク放電が検出されると
    定電流高周波電源から負荷回路への出力電圧を低下させ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の照明
    装置。
  8. 【請求項8】 定電流高周波電源は、負荷回路との間に
    挿入される誘導性インピーダンス素子と出力端子間に接
    続される容量性インピーダンス素子との少なくとも一方
    を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7記載
    の照明装置。
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