JPH09233775A - モータ回転子の製造装置 - Google Patents

モータ回転子の製造装置

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JPH09233775A
JPH09233775A JP8201169A JP20116996A JPH09233775A JP H09233775 A JPH09233775 A JP H09233775A JP 8201169 A JP8201169 A JP 8201169A JP 20116996 A JP20116996 A JP 20116996A JP H09233775 A JPH09233775 A JP H09233775A
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JP
Japan
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fiber bundle
bobbin
tension
glass fiber
motor
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Application number
JP8201169A
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English (en)
Inventor
Morimichi Miura
守道 三浦
Kenichi Kuroda
健一 黒田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH09233775A publication Critical patent/JPH09233775A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/27Rotor cores with permanent magnets
    • H02K1/2706Inner rotors
    • H02K1/272Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis
    • H02K1/274Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets
    • H02K1/2753Inner rotors the magnetisation axis of the magnets being perpendicular to the rotor axis the rotor consisting of two or more circumferentially positioned magnets the rotor consisting of magnets or groups of magnets arranged with alternating polarity
    • H02K1/278Surface mounted magnets; Inset magnets
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K15/00Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines
    • H02K15/02Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies
    • H02K15/03Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies having permanent magnets

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  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高張力をかけた際のガラス繊維束の切断およ
び傷付きを防止する。 【解決手段】 素材ボビン12から繰り出される繊維束
11の樹脂含浸手段の上流側に、張力付与手段である中
間ボビン14を設け、この中間ボビンに高張力モータ1
4aでバックテンションをかけることによってガラス繊
維束11に所定の張力を付与する。したがって、中間ボ
ビン14より上流の素材ボビン12側に高張力が作用し
ないため、素材ボビン12に巻装された未使用のガラス
繊維束11が繊維切れ等の損傷を受けることを防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガラス繊維等の
繊維束を巻回してモータ回転子に永久磁石を強固に固定
するモータ回転子の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図18および図19は、特開昭61−1
246号公報に記載されている従来の永久磁石同期モー
タの回転子1を示すもので、中心に回転軸2が貫通し固
着された円筒形ヨーク1aの外周には、断面円弧状の永
久磁石3が、円周をほぼ四等分する位置にそれぞれ配設
され、接着剤4により各永久磁石3と円筒形ヨーク1a
および永久磁石3相互間が接着されている。
【0003】そして、円筒形ヨーク1aの外周に接着さ
れた永久磁石3の外周には、糸状に形成した後、熱硬化
性樹脂を含浸させたガラス繊維束5が、前記永久磁石3
の外周面を隙間なく覆うように巻回されて一層目5aが
形成されるとともに、その上に同様にして二層目5bが
重ねて形成されており、ガラス繊維束5の巻き始めと巻
き終りとは、それぞれ重ねて巻回されたガラス繊維束5
の下側に挟み込んで係止した状態で加熱硬化させて取付
けられている。
【0004】しかし、上述した従来の方法を行う装置で
取付けられた永久磁石3は、モータの起動・停止によっ
て繰り返し加わる慣性力と、長時間に亘る遠心力とによ
ってガラス繊維束5が緩み、モータ運転時に永久磁石3
が遠心力によって円筒形ヨーク1aの表面から浮き上が
ってケーシングに接触したり、脱落する恐れがあった。
【0005】したがって、この永久磁石3のケーシング
への接触あるいは脱落を防止するためには、ガラス繊維
束5を高張力で巻回して、モータの高速運転時に浮き上
がらないように永久磁石3を強固に取付ける必要があ
る。
【0006】図20は、従来のモータ回転子の製造装置
において、素材ボビン6に巻装されたガラス繊維束7
が、高張力を付与されて引き出される状態を示すもの
で、図示していないモータ回転子に巻き取られることに
よって、素材ボビン6から一定速度で引き出されるガラ
ス繊維束7にかかる張力を、このガラス繊維束7が巻装
されている素材ボビン6の回転をバックテンションモー
タ8によって制動をかけることによって張力を増加させ
てながら回転させることによって、所定の張力を発生さ
せている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図20にその
一部を示した従来の装置においては、素材ボビン6から
引き出されるガラス繊維束7に直接高張力をかける構造
のため、素材ボビン6に巻装されている部分のガラス繊
維束7にも高張力が加わって締め付けられることによ
り、素材ボビン6の下層に巻装されているガラス繊維束
7に強い剪断力が加わることとなる。
【0008】その結果、素材ボビン6に巻装されたガラ
ス繊維束7は、この束を構成している各繊維が切れた
り、傷んで切れ易くなるという問題があった。そして、
繊維が切れて毛羽立つと、その一本一本の繊維が、ガイ
ドローラに巻き付いてガラス繊維束7が切断されるとい
う問題があった。
【0009】また、ガラス繊維束7が途中で切断される
と、バックテンションモータ8によって素材ボビン6が
逆転するため、ガラス繊維束7の既に樹脂含浸された部
分が巻き戻されて素材ボビン6に巻かれる結果、素材ボ
ビン6に巻装されているガラス繊維束7の未使用部分に
樹脂が付着して使用不能となるとともに、素材ボビン6
が汚損するという問題があった。このように、ガラス繊
維束7が途中で切れると、未使用のガラス繊維束7が無
駄になるとともに、素材ボビン6に対して新たなガラス
繊維束7を巻回する必要があり、この巻替に手間がかか
るという問題があった。
【0010】この発明は、上記の事情に鑑みなされたも
ので、モータ回転子へ永久磁石を固定するために巻回す
る繊維束を、傷付けず、かつ切断させずに高張力で巻回
できるモータ回転子の製造装置を提供することを目的と
している。
【0011】この目的は、繊維束にかかる張力を、所定
張力まで段階的に増大させて、素材ボビンにかかる張力
を低く設定することによって達成される。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の課
題を解決するため請求項1の発明は、繊維束が巻装され
た素材ボビンと、この素材ボビンから繰り出される前記
繊維束に熱硬化性樹脂を含浸させる樹脂含浸手段と、外
周に磁石を備えたモータ回転子を回転駆動可能に保持す
るとともに樹脂含浸された前記繊維束を、前記磁石が緊
結されるように前記モータ回転子の外側に巻き付ける巻
回手段とを備えたモータ回転子の製造装置において、前
記素材ボビンと前記樹脂含浸手段との間に、前記繊維束
に張力を付与する張力付与手段を備えていることを特徴
としている。
【0013】請求項1の発明によれば、上記したように
繊維束が巻装されている素材ボビンと、この素材ボビン
の下流側に設けられた樹脂含浸手段との間に、繊維束に
対して張力を付与する張力付与手段を介設し、この張力
付与手段より下流側の繊維束に所定の大きさの張力がか
かるようにしたので、上流側の素材ボビンにかかる張力
が軽減され、素材ボビンにかかる張力を小さくできる。
【0014】請求項2の発明は、前記繊維束にかかる張
力が、下流側となるに従って漸増するように、前記張力
付与手段を複数備えていることを特徴とする。
【0015】請求項2の発明によれば、張力付与手段を
複数設けて、繊維束にかかる張力が段階的に増大される
ため、素材ボビンおよび各張力付与手段にかかる張力を
小さくすることができる。
【0016】請求項3の発明は、前記張力付与手段が、
その外周に前記繊維束を数回巻回した後に下流側へ繰り
出す中間ボビンであり、この中間ボビン上の所定の位置
に前記繊維束を巻付ける定位置巻付手段を備えた構造と
する。
【0017】請求項3の発明によれば、張力付与手段と
して、外周に繊維束を数回巻回した後に下流側へ繰り出
す中間ボビンを用いるとともに、この中間ボビン上の所
定の位置に前記繊維束を巻付ける定位置巻付手段を備え
た構造としているため、中間ボビンに巻回される繊維束
の重なりを防ぎ、巻回される繊維束が重なることによっ
て生じる中間ボビンから下流側への繰り出し不能による
繊維束の切断が防止される。
【0018】請求項4の発明は、さらに、前記中間ボビ
ンに巻回される際の繊維束の挙動を検出する挙動検出手
段と、この挙動検出手段が前記繊維束の挙動が予め設定
された挙動以外の挙動を示したことを検出したときに、
前記中間ボビンおよび素材ボビンの回転停止制御を行う
制御手段とを備えた構造とすることができる。
【0019】請求項4の発明によれば、さらに、中間ボ
ビンに巻回される際の繊維束の挙動を検出する挙動検出
手段と、この挙動検出手段が前記繊維束の挙動が予め設
定された挙動以外の挙動を示したことを検出したとき
に、前記中間ボビンおよび素材ボビンの回転停止制御を
行う制御手段とを備えているため、繊維束の切断等の未
設定の挙動が検出された際に素材ボビンおよび中間ボビ
ンを直ちに停止させて、切断された繊維束の素材ボビン
等への巻き戻りによる、素材ボビンおよび素材ボビンに
巻装された繊維束の樹脂付着による汚損が防止される。
ここで、繊維束の挙動としては、繊維束の張力、繊維束
の繰り出し速度などが例示される。
【0020】請求項5の発明は、前記素材ボビンから繰
り出される繊維束を保持する保持手段と、前記素材ボビ
ンと前記保持手段との間の繰出し経路に設定される繰出
基準と、この繰出し基準に対する前記繊維束の繰り出し
角度を検出する繰出角度検出手段と、検出される繰り出
し角度に基づいて当該繰り出し角度を低減させる繰出角
度制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0021】請求項5の発明によれば、素材ボビンから
繰り出される繊維束の繰り出し角度が低減されて可及的
に繰出基準に沿って繰り出されるため、繊維束に高張力
が作用することが抑制され、繊維束の切れを防止するこ
とができる。また、繊維束の繰出し角度の増加が抑制さ
れるため、素材ボビンと保持手段との距離を可及的に短
く設定することが可能となる。したがって、繊維束の繰
出し方向における製造装置の占有スペースを可及的に狭
めることができ、製造装置のコンパクト化に寄与でき
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明のモータ回転子の
製造装置の実施例を図1ないし図11に基づいて説明す
る。なお、この実施例で用いられるガラス繊維束11の
素材となるガラス繊維としては、シリカ(SiO2 )60
〜70重量%、アルミナ(AlO2 )15〜30重量%、
酸化マグネシウム(MgO)5〜15重量%、その他数
%を成分としたガラスを使用し、1本の繊維太さが直径
20ミクロン以下で、1束の繊維本数が1000本以下
の糸状の繊維束に調製して使われる。また、含浸させる
熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が使用される。
【0023】図1ないし図4は、この発明の第1実施例
を示すもので、糸状のガラス繊維束を回転子の外周に巻
回して、永久磁石を回転子に緊結するモータ回転子の製
造装置は、糸状のガラス繊維束11を巻装した素材ボビ
ン12と、この素材ボビン12から繰り出されるガラス
繊維束11に含浸させる熱硬化性樹脂であるエポキシ樹
脂を貯溜したエポキシ樹脂貯溜槽13とを備えている。
【0024】このエポキシ樹脂貯溜槽13と前記素材ボ
ビン12との間には中間ボビン14が設けられている。
中間ボビン14が、この発明の請求項1の張力付与手段
に相当する。この中間ボビン14は、その外周に前記ガ
ラス繊維束11を1〜3回巻装することによって、この
中間ボビン14より下流側のガラス繊維束11にかかる
張力が、それより上流の素材ボビン12側に影響しない
ようにする役割を果たしている。
【0025】また、この中間ボビン14と素材ボビン1
2との間には、素材ボビン12から左右方向に振れなが
ら繰り出されるガラス繊維束11を中央にガイドするガ
イドローラ15と、このガイドローラ15の下流側(図
1において右側)に配設されて、前記中間ボビン14の
外周に1〜3回巻回された後、エポキシ樹脂貯溜槽13
側へ引き出されるガラス繊維束11が、中間ボビン14
上に巻き重ねられないように制御する巻き重ね防止装置
16とが設けられている。巻き重ね防止装置16が、こ
の発明の請求項3の定位置巻付手段に相当する。
【0026】また、前記エポキシ樹脂貯溜槽13内に前
記ガラス繊維束11を引き込む浸漬ローラ17が設けら
れ、この浸漬ローラ17と前記中間ボビン14との間に
は、この浸漬ローラ17と前記中間ボビン14との間に
張設されたガラス繊維束11の張力を直接検出する張力
測定機18が設けられている。エポキシ樹脂貯溜槽13
と浸漬ローラ17とが、この発明の請求項1の樹脂含浸
手段に相当する。
【0027】また浸漬ローラ17の下流側には、ガラス
繊維束11の樹脂含浸量が一定となるように調整する絞
りローラ19が設けられており、この絞りローラ19の
一対のローラ間をガラス繊維束11が通過する過程で余
分な樹脂が取り除かれて槽内に回収されるようになって
いる。
【0028】さらに、絞りローラ19の下流側には、こ
の樹脂含浸させたガラス繊維束11を巻回するワークで
あるモータの回転子20を一定の速度で回転駆動可能に
保持する巻回装置21と、この巻回装置21を左右方向
へ水平に往復駆動して、樹脂含浸したガラス繊維束11
の前記回転子20の表面への巻回ピッチおよび巻回範囲
を決定する巻回装置送りモータ22とを備えている。巻
回装置21がこの発明の請求項1の巻回手段に相当す
る。また、前記絞りローラ19と巻回装置21との間に
は、樹脂含浸されたガラス繊維束11が一定の位置から
前記回転子20へ供給されるようにするガイド部材23
が設けられている。
【0029】そして、前記素材ボビン12には、前記巻
回装置21に保持されて回転駆動される回転子20に巻
き取られることによって、この素材ボビン12から繰り
出されるガラス繊維束11に、一段階目として19.6
1N/束のバックテンションをかける低張力モータ12
aと、素材ボビン12に巻装されているガラス繊維束1
1が円滑に繰り出されるようにこの素材ボビン12およ
び低張力モータ12aとを左右方向へ水平に往復駆動す
る素材ボビン送りモータ12bとを備えている。
【0030】また、前記中間ボビン14には、既に低張
力が付与されたガラス繊維束11がその外周に1〜3回
を巻回されるとともに、この外周に巻回されたガラス繊
維束11に、2段回目として49.03N/束の張力を
加えて合計で68.64N/束のバックテンションがか
かるようにする高張力モータ14aを備えている。
【0031】さらに、中央制御装置24を備え、この中
央制御装置24と、前記素材ボビン送りモータ12b、
巻き重ね防止装置16、高張力モータ14aおよび張力
測定機18とがそれぞれ配線接続されている。中央制御
装置24は、中央演算処理装置、記憶装置、入出力イン
タフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構
成されている。
【0032】中央制御装置24の記憶装置には、素材ボ
ビン12から繰り出されるガラス繊維束11の繰出し位
置、つまり原点の変位に追従して素材ボビン12および
低張力モータ12aを水平移動させるため、素材ボビン
送りモータ12bの回転方向、回転数、回転角度を制御
するようなプログラムが記憶されている。この中央制御
装置24が、この発明の請求項4の制御手段に相当す
る。
【0033】そして、この中央制御装置24は、中間ボ
ビン14へガラス繊維束11が適正に巻回されるように
巻き重ね防止装置16を制御し、また張力測定機18
が、中間ボビン14から繰り出されるガラス繊維束11
の張力の変動を検出すると、高張力モータ14aを電流
値制御して、適正な張力が付与されるように制御する。
さらに、ガラス繊維束11の切断時には、前記低張力モ
ータ12a、素材ボビン送りモータ12bおよび高張力
モータ14aのそれぞれを一斉に停止するように制御す
るようになっている。
【0034】つぎに、上記のように構成されるこの実施
例の作用を説明する。先ず、ガラス繊維束11の端部を
素材ボビン12から引き出し、この端部をガイドローラ
15、巻き重ね防止装置16を経由し、中間ボビン14
の外周に2回だけ巻き付けた後、張力測定機18の測定
部から浸漬ローラ17に張り渡され、エポキシ樹脂貯溜
槽13内に導かれる。そして、熱硬化性樹脂であるエポ
キシ樹脂が含浸したガラス繊維束11は、絞りローラ1
9の一対のローラ間に挟持された後、ガイド部材23に
よって導出位置が固定されるとともに、このガラス繊維
束11の先端は、巻回装置21に保持された回転子20
の外周に巻取り可能に固定される。
【0035】そして、巻回装置21に保持された回転子
20が回転駆動されることによって、その表面に配設さ
れた磁石を緊結するように樹脂含浸させたガラス繊維束
11が巻回される。
【0036】この時、ガラス繊維束11には、低張力モ
ータ12aによって素材ボビン12にバックテンション
をかけることによって付与される19.61N/束の張
力と、高張力モータ14aによって中間ボビン14にバ
ックテンションをかけることによって付与される49.
03N/束の張力とが合わせられて68.64N/束の
張力が作用する。
【0037】ところが、前記ガラス繊維束11にかかる
張力は、中間ボビン14、浸漬ローラ17、絞りローラ
19およびガイド部材23の各ローラおよびモータ12
a,14a等のすべりによって張力が低下したり、エポ
キシ樹脂を含浸させたガラス繊維束11がローラに付
き、冷却されて粘度が高くなり、その結果、摩擦抵抗が
増大して張力が引き上げられる。
【0038】このように、ガラス繊維束11にかかる張
力は変動し易く、また、この張力が変動すると、回転子
20への巻回状態が不均一となり、回転子20への磁石
の取付けが不充分になったり、または、張力が高くなり
過ぎてガラス繊維束11が切断される恐れがあった。
【0039】そこで、この実施例の装置においては、ガ
ラス繊維束11にかかる張力を張力測定機18によって
測定し、繊維切れしない上限値と、緩まずに緊結できる
下限値との間の一定の範囲内に張力が保たれるように中
央制御装置24により制御が行われる。
【0040】次に、この張力の具体的な制御内容を、図
3および図4を参照して説明する。図4の線図に示すよ
うに、素材ボビン12にバックテンションをかける低張
力モータ12aは、直線Aによって示されるように、常
に一定の電流値で運転され、ガラス繊維束11に常時一
定の張力を付与するようになっている。これに対して中
間ボビン14にバックテンションをかける高張力モータ
14aは、折れ線Bによって示されるように、張力の変
動に基づいて電流値を増減させることによって、張力が
所定の範囲内に維持されるように制御されている。した
がって、低張力モータ12aによってバックテンション
がかけられる素材ボビン12から繰り出されるガラス繊
維束11には、低張力しかかからない。
【0041】この張力制御を図3のフローチャートに基
づいて説明する。先ず、制御プログラムがスタートする
と、ステップ1 において、張力測定機18がスイッチオ
ンされ、ステップ2 に進んで中間ボビン14の下流側の
張力、すなわち高張力モータ14aによって張力が付与
された後の張力が測定される。
【0042】そして、ステップ3 に進み、中央制御装置
24において、測定された値が予め設定されている範囲
内であるか否か、範囲を越えているか、あるいは範囲よ
り下かが判定される。この判定の結果、測定値が所定の
範囲内にあれば張力適正と判断してステップ4 に進み、
高張力巻きを続行するように制御される。
【0043】また、ステップ3 において、測定値が所定
の範囲を越えている場合には、張力過大と判断してステ
ップ5 に進み、高張力モータ14aを駆動する電源の電
流値を小さくし、回転速度を落とすことによって付与す
る張力を低下させるように制御した後、ステップ2 に戻
り、張力が測定される。
【0044】また、ステップ3 において測定値が所定の
範囲を下回っていた場合には、ステップ6 に進み、高張
力モータ14aを駆動する電源の電流値を大きくし、回
転速度を上げることによって付与する張力を上昇させる
制御を行った後、ステップ2に戻る。そして、測定値が
常に適正張力の範囲内に保たれるようにしている。
【0045】したがって、この実施例のモータ回転子の
製造装置によれば、ガラス繊維束11にかかる張力が、
常に所定の範囲内となるように制御されるため、ガラス
繊維束11の切断や、巻回張力不足による取付け不良等
の発生を抑制することができる。
【0046】また、この実施例においては、図2に拡大
して示すように、中間ボビン14の上流側に巻き重ね防
止装置16を備えており、この巻き重ね防止装置16
は、中間ボビン14上に巻付けられるガラス繊維束11
の巻付け開始位置が、所定の位置から左右方向に外れる
と、この位置ずれを検出して中央制御装置24に信号を
出力する。
【0047】そして、信号を受信した中央制御装置24
は、異常が発生したと判断して、巻回装置21を停止さ
せるとともに、中間ボビン14と素材ボビン12のそれ
ぞれにバックテンションをかけている低張力モータ12
aおよび高張力モータ14aを停止させて、中間ボビン
14上において巻き重なることによって生じるガラス繊
維束11の切断を防止するように制御される。
【0048】したがって、この実施例のモータ回転子の
製造装置によれば、素材ボビン12から繰り出される段
階でガラス繊維束11にかかる張力を小さくできるの
で、素材ボビン12に巻装されているガラス繊維束11
の未使用部分にかかる張力が大幅に軽減され、この素材
ボビン12に高張力がかかることによるガラス繊維束1
1の傷付きおよび繊維切れと、この繊維切れによるガラ
ス繊維束11の毛羽立ちがなくなり、毛羽立った繊維が
ローラへ巻き付くことに起因するガラス繊維束11の切
断が防止される。
【0049】また、素材ボビン12に巻装されたガラス
繊維束11を、途中で切断させることなく全量を使い切
ることが可能となるため、ガラス繊維束11の歩留まり
が向上し、製品のコストダウンが図れる。また、回転子
20の外周に、ガラス繊維束11を一定の強さの張力で
均一に巻回できるため、回転子20の外周に永久磁石を
堅牢に緊結でき、製品であるモータ回転子の耐久性の向
上を図ることができる。
【0050】また、図5ないし図11はこの発明の第2
実施例を示すもので、前記第1実施例においては1個だ
け用いた中間ボビンを2個用いることによって、ガラス
繊維束に付加する張力を段階的に増大させることによっ
て、素材ボビンおよび各中間ボビン上のガラス繊維束に
かかる張力を低下させたもので、前記第1実施例と同一
の構成部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省
略して、以下図面に基づいて説明する。
【0051】このモータ回転子の製造装置は、ガラス繊
維束11を巻装した素材ボビン12と、この素材ボビン
12から繰り出されるガラス繊維束11に含浸させる樹
脂を貯溜したエポキシ樹脂貯溜槽13と、このエポキシ
樹脂貯溜槽13と前記素材ボビン12との間には第1中
間ボビン31と第2中間ボビン32とが設けられてい
る。中間ボビン31,32が、この発明の請求項1また
は請求項2の張力付与手段に相当する。この両中間ボビ
ン31,32は、それぞれの外周に前記ガラス繊維束1
1を1〜3回巻装することによって、この第1中間ボビ
ン31と第2中間ボビン32のそれぞれ下流側のガラス
繊維束11にかかる張力が、それより上流の素材ボビン
12側に影響しないようにする役割を果たしている。
【0052】また、この両中間ボビン31,32のそれ
ぞれの上流側近傍には、ガラス繊維束11の左右方向の
振れを中央にガイドするとともに、各中間ボビン31,
32に巻付けられるガラス繊維束11の巻き重なりを防
止するガイドローラ33a,33bが設けられている。
ガイドローラ33a,33bが、この発明の請求項3の
定位置巻付手段に相当する。
【0053】また、前記第2中間ボビン32の下流側に
は、エポキシ樹脂貯溜槽13内に前記ガラス繊維束11
を引き込む浸漬ローラ17が設けられ、この浸漬ローラ
17と前記中間ボビン14との間には、この浸漬ローラ
17と前記中間ボビン14との間に張設されたガラス繊
維束11の張力を検出する張力測定機18が設けられて
いる。張力測定機18が、この発明の請求項4の挙動検
出手段に相当する。また浸漬ローラ17の下流側には、
ガラス繊維束11の樹脂含浸量が一定となるように調整
する絞りローラ19が設けられている。
【0054】さらに、絞りローラ19の下流側には、こ
の樹脂含浸させたガラス繊維束11を巻回する回転子2
0を一定の速度で回転駆動可能に保持する巻回装置21
と、この巻回装置21を左右方向に往復駆動する巻回装
置送りモータ22とを備えている。また前記絞りローラ
19と巻回装置21との間には、樹脂含浸されたガラス
繊維束11が一定の位置から前記回転子20へ供給され
るようにガイドするガイド部材23が設けられている。
【0055】そして、前記素材ボビン12には、前記巻
回装置21に保持された回転子20に巻き取られるガラ
ス繊維束11に、一段階目として19.61N/束のバ
ックテンションをかける低張力モータ12aと、素材ボ
ビン12と低張力モータ12aとを左右方向へ往復駆動
する素材ボビン送りモータ12bとを備えている。
【0056】また、前記第1中間ボビン31には、既に
低張力が付与されたガラス繊維束11がその外周に1〜
3回巻回されるとともに、この外周に巻回されたガラス
繊維束11に、2段階目として19.61N/束の張力
を加えて合計で39.22N/束のバックテンションが
かかるようにする中張力モータ31aを備えている。
【0057】また、前記第2中間ボビン32は、既に3
9.22N/束の張力が付与されたガラス繊維束11が
その外周に1〜3回巻回されるとともに、この外周に巻
回されたガラス繊維束11に、3段階目として29.4
2N/束の張力を加えて合計で68.64N/束のバッ
クテンションがかかるようにする高張力モータ32aを
備えている。
【0058】さらに、中央制御装置34を備え、この中
央制御装置34と、前記素材ボビン送りモータ12b、
中張力モータ31a、高張力モータ32aおよび張力測
定機18とがそれぞれ配線接続されている。中央制御装
置34は第1実施例の中央制御装置24と同様に構成さ
れている。中央制御装置34が、この発明の請求項4の
制御手段に相当する。
【0059】また、中央制御装置34は、図6の線図に
示すように、素材ボビン12と第1中間ボビン31とに
バックテンションをかける低張力モータ12aと中張力
モータ31aとが、それぞれ直線Cと直線Dとによって
示されるように、ガラス繊維束11に常時一定の張力を
付与するように一定の電流値にて運転されるように制御
されるとともに、第2中間ボビン32にバックテンショ
ンをかける高張力モータ32aが、折れ線Eによって示
されるように、張力の変動に基づいて電流値を増減させ
ることによって、張力が所定の範囲内に維持されるよう
に制御している。
【0060】また、中央制御装置34においては、この
装置の起動時および停止時に、素材ボビン12と第1中
間ボビン31との間、第1中間ボビン31と第2中間ボ
ビン32との間あるいは第2中間ボビン32と回転子2
0との間にそれぞれ掛け渡されたガラス繊維束11に弛
みができたり、所定以上に大きな張力がかからないよう
にするために、各モータ12a,31a,32aの同期
運転制御を行っている。
【0061】すなわち、図7の左半部に示すように、装
置の運転が開始されて、巻回装置21によって回転子2
0が駆動されると、ガラス繊維束11が回転子20に巻
取られることによって、素材ボビン12と第1中間ボビ
ン31と第2中間ボビン32とが一斉に回転を始める。
【0062】そして、先ず低張力モータ12aがスター
トしてバックテンションがかけられてガラス繊維束11
に19.61N/束の張力が付与される。この時、ガラ
ス繊維束11にかかる張力が所定の大きさ(19.61
N/束)に上昇するまでは、第1,第2の両中間ボビン
31,32は、回転子20に巻取られるガラス繊維束1
1によって回転駆動されるのみで、中張力モータ31a
あるいは高張力モータ32aによる張力付与は行われな
い。
【0063】そして、張力測定機18によって、ガラス
繊維束11にかかる張力が19.61N/束に達したこ
とが測定されると、中張力モータ31aにより第1中間
ボビン31に逆回転方向の力が加えられることによっ
て、さらに19.61N/束の張力が付加される。その
結果、第1中間ボビン31の下流側でのガラス繊維束1
1の張力が39.22N/束となる。
【0064】この時、ガラス繊維束11の前記部分にか
かる張力が所定の大きさ(39.22N/束)に上昇す
るまでは、第2中間ボビン32は、張力を付加された状
態で回転子20に巻取られるガラス繊維束11によって
回転駆動されるのみで、高張力モータ32aによる張力
付与は行われない。
【0065】そして、ガラス繊維束11にかかる張力が
39.22N/束となると、高張力モータ32aにより
第2中間ボビン32に逆回転方向の力が加えられること
によってさらに29.42N/束の張力が付加されて、
第2中間ボビン32の下流側のガラス繊維束11にかか
る張力が68.64N/束となり、以降、第2中間ボビ
ン32の下流側においてガラス繊維束11にかかる張力
を張力測定機18によって測定しながら、その張力が所
定の範囲(例えば18.64N±0.98N)から外れ
ないように制御される。
【0066】また、図7の右半部に示すように、運転を
停止するときには、先ず、高張力モータ32aによって
かけられていたバックテンションが漸減して、ガラス繊
維束11にかかる張力が68.64N/束から39.2
2N/束に下がると、つぎに中張力モータ31aによっ
て付与された張力が減少し、この張力が19.61N/
束まで低下する。
【0067】続いて低張力モータ12aによる張力付与
が解除され、回転子20に巻取られることによる張力の
みで第2中間ボビン32と第1中間ボビン31と素材ボ
ビン12とが回転駆動され、最後に巻回装置21による
回転子20の駆動が停止することによって、前記第2中
間ボビン32と第1中間ボビン31と素材ボビン12と
が一斉に停止するように制御される。
【0068】上述したように、この中央制御装置34に
おいては、張力測定機18が、第2中間ボビン32から
繰り出されるガラス繊維束11の張力の変動を検出する
と、高張力モータ32aを電流値制御して、適正な張力
が付与されるように制御する。
【0069】また、前記中張力モータ31a、高張力モ
ータ32aあるいは張力測定機18が、予め入力されて
いる適正な挙動以外の挙動、例えばモータの回転スピー
ドの急激な上昇、あるいは張力の急激な低下等を示す
と、ガラス繊維束11の切断を予測して前記低張力モー
タ12a、素材ボビン送りモータ12b、中張力モータ
31aおよび高張力モータ32aを停止制御するように
なっている。
【0070】つぎに、上記のように構成される第2実施
例の作用を説明する。先ず、ガラス繊維束11の端部を
ボビン12から引き出し、この端部をガイドローラ33
aを介して第1中間ボビン31の外周に2回だけ巻き付
けられる。
【0071】ついで、ガラス繊維束11は、その下流側
のガイドローラ33bを経由した第2中間ボビン32の
外周に2回だけ巻き付けられた後、張力測定機18の測
定部から浸漬ローラ17に張り渡され、エポキシ樹脂貯
溜槽13内に導かれる。そして、樹脂含浸したガラス繊
維束11は、絞りローラ19に挟持された後、その先端
は、ガイド部材23から巻回装置21に保持された回転
子20の外周に巻取り可能に固定される。
【0072】そして、巻回装置21に保持された回転子
20が回転駆動されることによって、その表面に配設さ
れた磁石を緊結するように樹脂含浸させたガラス繊維束
11が巻回される。
【0073】この時、ガラス繊維束11には、先ず、素
材ボビン12にバックテンションをかける低張力モータ
12aによって19.61N/束の張力が付与された
後、第1中間ボビン31の中張力モータ31aによって
19.61N/束の張力が付加され、さらに、第2中間
ボビン32の高張力モータ32aによって29.42N
/束の張力が付加される。
【0074】したがって、この第2実施例においては、
ガラス繊維束11にかかる張力は3段階に分けて付与さ
れ、第2中間ボビン32の下流においては68.64N
/束の張力が加わる。
【0075】ところが、前記ガラス繊維束11にかかる
張力は、各ローラおよびモータ等のすべりによって張力
が低下したり、エポキシ樹脂の付着等によって張力が上
昇する等によって変動するため、ガラス繊維束11にか
かる張力を張力測定機18によって測定し、張力が繊維
切れしない上限値と緩まずに緊結できる下限値との間の
一定の範囲内に保たれるように中央制御装置34におい
て、第2中間ボビン32にかける高張力モータ32aに
よるバックテンションを調整して張力制御が行われる。
【0076】この張力制御を図8のフローチャートに基
づいて説明すると、先ず、制御プログラムがスタートす
ると、ステップ1 において、張力測定機18がスイッチ
オンされるとともに、ステップ2 において第1,第2中
間ボビン31,32のそれぞれの回転スピードが、中張
力モータ31aと高張力モータ32aの回転数から測定
される。
【0077】そして、ステップ3 において、ガラス繊維
束11が切断されて急激な張力変化あるいは急激なスピ
ード変化等の予め入力されていない各機器の挙動が検出
されると、ステップ4 においてガラス繊維束11の張力
が測定されるとともに、ステップ5 において各中間ボビ
ン31,32の回転スピードが測定され、それぞれの測
定値が中央制御装置34に送られる。
【0078】つぎにステップ6 において、入力された測
定値と予め設定されている設定値との比較が行われ、張
力の測定値が適正な場合にはステップ7 に進んで高張力
による巻回が続行されて、制御が終了する。また、ステ
ップ6 において、中間ボビン31,32の回転スピード
の測定値が設定値より速い場合には、ステップ8 に進ん
で中張力モータ31aおよび高張力モータ32aによる
バックテンションを高めることによって張力が高められ
た後、ステップ4 に戻り、再び張力が測定される。
【0079】また、ステップ6 において、張力と回転ス
ピードとのいずれか一方もしくは両方の急激な低下が検
出された場合には、ガラス繊維束11が切断されたと判
断してステップ9 に進み、素材ボビン12および各中間
ボビン31,32に張力を付与している低張力モータ1
2aと中張力モータ31aと高張力モータ32aの運転
を停止させる。
【0080】以上のように、第2実施例の回転子の製造
装置においては、第1中間ボビン31と第2中間ボビン
32との2つの中間ボビンを設けることによって、ガラ
ス繊維束11に対して段階的に張力を増加して最終的に
は68.64N/束の所定張力で回転し20の外周に巻
回されるようにしている。
【0081】このため、素材ボビン12にかかる張力を
小さくして、巻装されている未使用のガラス繊維束11
を、上から締め上げることによるガラス繊維の傷付きや
繊維切れ、あるいはガラス繊維束11の切断を防止でき
るとともに、ガラス繊維束11の両中間ボビン31,3
2に巻付けられた部分にかかる張力、すなわちガラス繊
維束11の折曲部にかかる張力も小さくできる。
【0082】したがって、繊維束を小径に折曲した状態
で高張力がかかることにより生じる繊維の傷みおよび繊
維切れと、これに起因するガラス繊維束11の切断を防
止することができる。また、中央制御装置34によって
上記の張力制御が行われることによって、ガラス繊維束
11にかかる張力が、常に所定の範囲内となるように制
御されるため、ガラス繊維束11の切断や、巻回張力不
足による取付け不良等の発生を防止することができる。
【0083】また、第2実施例においては、第1中間ボ
ビン31の上流側(素材ボビン12側)近傍にガイドロ
ーラ33aを設けるとともに、第1中間ボビン31と第
2中間ボビン32との間にもガイドローラ33bを設け
ることによって、第1中間ボビン31に巻付けられるガ
ラス繊維束11の巻始め(入口)と巻終り(出口)とを
ガイドして、第1中間ボビン31上での巻き重なりを防
いで、巻き重なることによるガラス繊維束11の切断を
防止している。
【0084】これに対して、図9に示すように、第1中
間ボビン31と前記ガイドローラ33aとの間に、左右
感知センサ46を設けて、第1中間ボビン31上に案内
されるガラス繊維束11が左右方向に異常に振れた場合
には、この左右感知センサ46が検出し、巻き重ねによ
るガラス繊維束11の切断を予測して中央制御装置34
に信号を送り、装置を停止するように制御することもで
きるので、ガラス繊維束11の切断を未然に防ぎ、切断
した際のボビンおよび未使用のガラス繊維束11の汚損
を防ぐことができる。また、ガラス繊維束11の切断に
よる設備停止を防ぐことができる。
【0085】さらに、第2実施例においては、第2中間
ボビン32の上流側近傍にガイドローラ33bを設け
て、第2中間ボビン32に巻付けられるガラス繊維束1
1が常に一定の位置から供給されるようにして、巻き重
ねによるガラス繊維束11の切断を防止したが、図10
に示すように、第2中間ボビン32の上流側に左右感知
センサ47を設けて、第2中間ボビン32上に案内され
るガラス繊維束11の供給位置が変動した場合には、こ
の変動を左右感知センサ47が検出し、巻き重ねによる
ガラス繊維束11の切断を予測して中央制御装置34に
信号を送り、装置を停止するように制御することもでき
る。
【0086】また、前記第1中間ボビン31および第2
中間ボビン32の代わりに、図11に示すように、円柱
状のボビン48の周面に、ガラス繊維束11の径寸法に
合わせたU溝48bを螺旋状に形成したものを用いても
よい。このU溝48bが、この発明の請求項3の定位置
巻付手段に相当する。
【0087】そして、上流側から供給されるガラス繊維
束11をボビン48に2回巻付けた後、下流側へ導くよ
うにすれば、ガラス繊維束11が第1中間ボビンおよび
第2中間ボビンの各U溝48bに没入して常に一定の位
置に巻付けられるため、ガイドローラ33a,33bや
左右感知センサ46,47がなくてもガラス繊維束11
の巻き重なりは発生せず、したがって、巻き重ねによる
ガラス繊維束11の切断をなくすことができる。
【0088】また、ボビン48を用いることにより、こ
れに巻付けるガラス繊維束11との接触面積が増加する
ため、巻付けられたガラス繊維束11のすべりによる張
力変動を抑えることができる。
【0089】なお、各中間ボビン31,32の表面荒さ
は、ガラス繊維束11が傷付きにくいように、例えば1
0ミクロン以下とすれば繊維切れを少なくできる。また
表面硬度は、硬いほどよく、柔らかい材質のものを使用
すると、張力がかかったガラス繊維束11によって容易
に摩耗してしまい、摩耗によって生じた段差部により繊
維切れを起こし易く、繊維切れは設備停止が多発する原
因となるため、表面硬度を高くする必要がある。また、
中間ボビン31,32表面硬度は、ビッカース硬度Hv
400以上とするのが望ましい。また、中間ボビン3
1,32の表面は、毎月1回以上研磨して、表面を平滑
に維持することが好ましい。
【0090】図12は、この発明の第3実施例を示す概
略図であり、糸状のガラス繊維束11を巻装した素材ボ
ビン50と、この素材ボビン50から繰り出されるガラ
ス繊維束11に含浸させる熱硬化性樹脂であるエポキシ
樹脂を貯溜したエポキシ樹脂貯溜槽51とを備えてい
る。
【0091】このエポキシ樹脂貯溜槽51と素材ボビン
50との間には中間ボビン52が設けられている。中間
ボビン52が、この発明の請求項2の張力付与手段に相
当する。この中間ボビン52は、その外周にガラス繊維
束11を1回巻装することによって、この中間ボビン5
2よりも下流側のガラス繊維束11にかかる張力が、中
間ボビン52よりも上流の素材ボビン50側に影響しな
いようにする役割を果たしている。
【0092】また、素材ボビン50と中間ボビン52と
の間には、一対のガイドローラ53が配置されている。
一対のガイドローラ53は素材ボビン50から繰り出さ
れたガラス繊維束11を中間ボビン52に案内するため
のものである。この一対のガイドローラ53がこの発明
の請求項5の保持手段に相当する。
【0093】前記素材ボビン50は可動台54上に配置
されており、可動台54の下方には、図13に示すよう
な素材ボビン送りモータ55の送りねじ軸56、ボール
ねじ57などにより構成されるサーボ機構が設けられて
いる。そして、素材ボビン送りモータ55がCCW方向
またはCW方向に回転されると、可動台54が素材ボビ
ン50の軸線A方向に水平に往復移動する。
【0094】素材ボビン送りモータ55は中央制御装置
58により制御される。中央制御装置58は、中央演算
処理装置、記憶装置、入出力インタフェースを主体とす
るマイクロコンピュータにより構成されている。上記可
動台54、素材ボビン送りモータ55、送りねじ軸5
6、ボールねじ57、中央制御装置58が、この発明の
請求項5の繰出角度制御手段に相当する。
【0095】また、素材ボビン50と一対のガイドロー
ラ53との間には、位相センサ59が設けられている。
位相センサ59は例えばポテンショメータなどにより構
成されており、素材ボビン50から繰り出されるガラス
繊維束11の繰出基準Bと、繰り出されるガラス繊維束
11との角度θを検出するためのものである。位相セン
サ59が、この発明の請求項5の繰出角度検出手段に相
当する。上記繰出基準Bは、素材ボビン50の繰出し位
置である原点Cと、一対のガイドローラ53同士の間と
を結ぶ線分上に設定される。この繰出基準Bは素材ボビ
ン50の軸線Aとほぼ直角に交わる。
【0096】また、位相センサ59は中央制御装置58
に接続され、検出された角度θのデータが中央制御装置
58に入力される。そして、中央制御装置58は、角度
θに基づいて素材ボビン送りモータ55の回転方向、回
転速度、回転角度を演算処理し、演算結果に基づいてプ
ログラムを補正した制御信号を素材ボビン送りモータ5
5に出力する。
【0097】また、一対のガイドローラ53と中間ボビ
ン52との間における繊維束11の移送経路には、図1
4、図15に示すように、軸線(図示せず)をほぼ水平
に位置させたガイドローラ60が配置され、ガイドロー
ラ60の下流側には、軸線(図示せず)を垂直よりも若
干下流側に傾斜させたガイドローラ61が配置されてい
る。
【0098】このガイドローラ60は、中間ボビン52
に対するガラス繊維束11の円周方向の巻始め(入口)
位置を設定し、ガイドローラ61は、ガラス繊維束11
の中間ボビン52の軸線D方向における巻始め(入口)
位置を設定するためのものである。このガイドローラ6
0およびガイドローラ61が、この発明の請求項3の定
位置巻付手段に相当する。
【0099】そして、中間ボビン52の外周にはガラス
繊維束11が1回巻回され、かつ、ガラス繊維束11に
バックテンションをかけるための高張力モータ62を備
えている。高張力モータ62は中央制御装置58により
制御される。
【0100】さらに、中間ボビン52の下流側には一対
のガイドローラ63が配置されているとともに、エポキ
シ樹脂貯溜槽51と、一対のガイドローラ63との間に
は、張力測定機64が設けられている。また、エポキシ
樹脂貯溜槽51の上方には、ガラス繊維束11をエポキ
シ樹脂貯溜槽51内のエポキシ樹脂に浸漬させる浸漬ロ
ーラ65が設けられている。エポキシ樹脂貯溜槽51と
浸漬ローラ65とが、この発明の請求項1の樹脂含浸手
段に相当する。
【0101】エポキシ樹脂貯溜槽51には、エポキシ樹
脂の液温を検出する温度センサ66が設けられており、
温度センサ66の検出信号が中央制御装置58に入力さ
れる。また、エポキシ樹脂貯溜槽51にはヒータ67が
設けられており、ヒータ67のオン・オフおよび設定温
度は中央制御装置58により制御される。
【0102】また、浸漬ローラ65の下流側には、ガラ
ス繊維束11の樹脂含浸量が一定となるように調整する
一対の絞りローラ68が設けられており、この絞りロー
ラ68の間をガラス繊維束11が通過する過程で余分な
樹脂が取り除かれてエポキシ樹脂貯溜槽51に回収され
る。
【0103】さらに、絞りローラ68の下流側には一対
のガイドローラ69が設けられており、一対のガイドロ
ーラ69の下流側には、ガラス繊維束11を巻回するモ
ータ回転子70が設けられている。モータ回転子70
と、モータ回転子70を一定の速度で回転駆動可能に保
持する巻回装置71とは、可動台72上に搭載されてい
る。巻回装置71は中央制御装置58により制御され
る。この巻回装置71が、この発明の請求項1の巻回手
段に相当する。
【0104】可動台72の下方には、巻回装置送りモー
タ73の送りねじ軸74、ボールねじ75などにより構
成されるサーボ機構が設けられている。そして、巻回装
置送りモータ73の回転により、可動台72がモータ回
転子70の軸線方向に水平に往復移動する。巻回装置送
りモータ73の回転数、回転角度、回転方向などは中央
制御装置58により制御される。
【0105】つぎに、上記第3実施例の作用および制御
ルーチンを図16のフローチャートに基づいて説明す
る。素材ボビン50から繰り出されたガラス繊維束11
は、一対のガイドローラ53およびガイドローラ60,
61を介して中間ドラム14に巻き付けられる。また、
素材ボビン送りモータ55は中央制御装置58に記憶さ
れたプログラムにより駆動される。その結果、ガラス繊
維束11の繰り出される原点Cの移動変化に追従して可
動台54が往復移動し、ガラス繊維束11の繰出し位置
が繰出基準B付近に維持される。また、ガラス繊維束1
1の繰出し中、繰出基準Bに対するガラス繊維束11の
繰出し角度θが位相センサ59により検出される(ステ
ップ11)。
【0106】そして、繰出し角度θがほぼ0度であるか
否かが中央制御装置58により判断され(ステップ1
2)、ステップ12で肯定判断された場合には、ガラス
繊維束11の巻取プログラムが終了したか否かが判断さ
れる(ステップ13)。ステップ13で否定判断された
場合はステップ11に戻り、ステップ13で肯定判断さ
れた場合はこの制御ルーチンを終了する。
【0107】一方、ガラス繊維束11の繰り出しが進行
し、素材ボビン50におけるガラス繊維束11の巻き径
が減少すると、低張力モータ62の回転数が同一であっ
ても素材ボビン50の回転速度が増加する。すると、ガ
ラス繊維束11の繰り出される原点Cの移動変化が、予
め中央制御装置58にプログラムされた内容と相違する
結果を招く。たとえば、ガラス繊維束11の繰出し位置
が図13の一点鎖線で示すような位置に変位する。
【0108】すると、繰出し角度θがほぼ0度でなくな
ってステップ12で否定判断され、繰出し角度θの正負
が判断される(ステップ14)。この実施例では、繰出
し位置が繰出基準Bを隔てて素材ボビン送りモータ55
の反対側に移動した場合には正と判断する。一方、繰出
し位置が繰出基準Bよりも素材ボビン送りモータ55に
近い位置に移動した場合には負と判断する。
【0109】ステップ14で正であると判断された場合
には、図13で示すCCW方向に素材ボビン送りモータ
55が回転され(ステップ15)、繊維束11の繰出し
位置が原点Cに復帰されて角度θがほぼ0度になる位置
に素材ボビン50が移動する(ステップ16)。つま
り、この実施例では、素材ボビン50が図13において
右方向へ移動し、ステップ11に戻る。
【0110】ステップ14で負であると判断された場合
には、図13で示すCW方向に素材ボビン送りモータ5
5が回転され(ステップ15)、角度θがほぼ0度にな
る方向に素材ボビン50が移動する(ステップ16)。
つまり、この実施例では、素材ボビン50が図13にお
いて左方向へ移動し、ステップ11に戻る。
【0111】以上のように、図16の制御例によれば、
ガラス繊維束11の繰出しが進行してガラス繊維束11
の繰出し位置と繰出基準Bとに角度θが生じた場合は、
角度θが減少する方向に素材ボビン50が移動される。
つまり、ガラス繊維束11の繰出し位置を素材ボビン5
0の軸線Aに対してほぼ直角に維持することが可能とな
る。したがって、素材ボビン50と一対のガイドローラ
53との間で、ガラス繊維束11に所定値以上の張力、
つまり引っ張り荷重が作用することが抑制され、ガラス
繊維束11の切れを防止することができる。
【0112】また、ガラス繊維束11の繰出し角度θを
ほぼ0度に維持する制御を行うため、素材ボビン50と
一対のガイドローラ53との距離を可及的に短く設定す
ることが可能となる。したがって、ガラス繊維束11の
繰出し方向における製造装置の占有スペースを可及的に
狭めることができ、製造装置のコンパクト化に寄与でき
る。
【0113】ところで、図1、図2の実施例では、巻き
重ね防止装置16によりガラス繊維束11の位置ずれが
検出された場合は、装置全体が停止する構成である。こ
の実施例でガラス繊維束11の巻き重なりを防止するた
めには、中間ボビン14の材質を軟材質、たとえばゴ
ム、段ボールとしてガラス繊維束11が中間ボビン14
の表面に食い込ませなければならない。
【0114】このため、図1、図2の実施例では中間ボ
ビン14の表面硬度が金属に比べて低下し、ガラス繊維
束11と中間ボビン14との摩擦抵抗が増大し、中間ボ
ビン14の摩耗発生と、ガラス繊維束11の切れが発生
する。したがって、設備停止が多発することが予想され
る。
【0115】また、図11の実施例では、ボビン48の
外周面に螺旋状のU溝42aを形成してガラス繊維束1
1が巻き重なることを防止している。しかし、ガラス繊
維束11は直径数10μmの繊維を数100本束ねたも
のなので、張力によりガラス繊維束11が幅方向につぶ
れた状態となる。
【0116】その結果、ガラス繊維束11の一部がU溝
42aの山部に乗り上げて、ガラス繊維束11の巻き付
け半径が変化する。この状態ではボビン48に一定トル
クが加えられても、ガラス繊維束11に作用する長さ方
向の張力が不均一となる。さらに、高張力になるとガラ
ス繊維束11がU溝42aの山部を乗り越えて巻き重な
りが生じる場合がある。
【0117】これに対して、第3実施例では図14に示
すように、ガイドローラ60によりガラス繊維束11の
円周方向の巻始めが調整され、かつ、ガイドローラ61
により軸線D方向に巻始めが調整され、巻始めと巻終り
とが軸線D方向の異なる位置に設定、つまりオフセット
される。
【0118】したがって、中間ボビン52に巻き付けら
れるガラス繊維束11の巻き重なりを確実に防止するこ
とができ、設備停止が回避される。また、中間ボビン5
2の表面硬度を可及的に高めて表面の平滑化を図ること
が可能となり、中間ボビン52の摩耗やガラス繊維束1
1の切れを防止することができる。
【0119】さらに第3実施例では、エポキシ樹脂貯溜
槽51内のエポキシ樹脂の液温が中央制御装置58によ
り制御される。まず、中央制御装置58の記憶装置には
図17に示すような所定範囲の設定温度が記憶されてい
る。装置の動作中は温度センサ66によりエポキシ樹脂
の液温が検出され、その検出信号が中央制御装置58に
入力される。
【0120】そして、図17に示すように液温が設定温
度を越えた場合にはヒータ67をオフする一方、液温が
設定温度以下となった場合にはヒータ67をオンする制
御が行われる。その結果、エポキシ樹脂の液温が一定温
度に維持され、その粘度管理が可能となる。エポキシ樹
脂の粘度はガラス繊維束11に対する樹脂含浸率に影響
をおよぼすため、粘度管理を行うことでGFRP(Glas
s Fiber Reinforced Plastics )、つまりガラス繊維成
形性の品質が向上する。なお、第3実施例のそのほかの
作用効果については第1実施例と同様であるため説明を
省略する。
【0121】また、上記第1実施例ないし第3実施例に
おいては、エポキシ樹脂を含浸させた糸状のガラス繊維
束をモータ回転子に巻回する場合について説明したが、
巻回する繊維束としては、ガラス繊維の代わりに非磁性
体あるいは非導電性のセラミック繊維や化学繊維等を使
用することができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、繊維束が巻装された素材ボビンの下流側に張力
付与手段を設けて、この張力付与手段より上流側の素材
ボビン側に高張力がかからないようにしたので、素材ボ
ビンに巻装された未使用の繊維束が外周側から高張力で
締め付けられることによる繊維の傷みおよび繊維切れが
防止され、また繊維切れ等に起因する繊維束の切断を防
止できることにより、高張力による繊維束の巻回が可能
となり、磁石を堅牢に取付けることができる。
【0123】請求項2の発明によれば、請求項1と同様
の効果を得られるほか、張力付与手段を複数設けて、繊
維束にかかる張力が段階的に増大されるため、素材ボビ
ンおよび各張力付与手段にかかる張力を小さくすること
ができる。
【0124】請求項3の発明によれば、請求項1または
請求項2と同様の効果を得られるほか、張力付与手段と
して、外周に繊維束を数回巻回した後に下流側へ繰り出
す中間ボビンを用いるとともに、この中間ボビン上の所
定の位置に前記繊維束を巻付ける定位置巻付手段を備え
た構造としているため、中間ボビンに巻回される繊維束
の重なりを防ぎ、巻回される繊維束が重なることによっ
て生じる中間ボビンから下流側への繰り出し不能による
繊維束の切断が防止される。
【0125】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
請求項3のいずれかと同様の効果を得られるほか、さら
に、中間ボビンに巻回される際の繊維束の挙動を検出す
る挙動検出手段と、この挙動検出手段が前記繊維束の挙
動が予め設定された挙動以外の挙動を示したのを検出し
たときに、前記中間ボビンおよび素材ボビンの回転停止
制御を行う制御手段とを備えているため、繊維束の切断
等の未設定の挙動が検出された際に素材ボビンおよび中
間ボビンを直ちに停止させて、切断された繊維束の素材
ボビン等への巻き戻りによる、素材ボビンおよび素材ボ
ビンに巻装された繊維束の樹脂付着による汚損が防止さ
れる。
【0126】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
請求項4のいずれかと同様の効果を得られるほか、素材
ボビンから繰り出される繊維束の繰り出し角度が低減さ
れるため、繊維束に高張力が作用することが抑制され、
繊維束の切れを防止することができる。また、繊維束の
繰出し角度の増加が抑制されるため、素材ボビンと保持
手段との距離を可及的に短く設定することが可能とな
る。したがって、繊維束の繰出し方向における製造装置
の占有スペースを可及的に狭めることができ、製造装置
のコンパクト化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例のモータ回転子の製造装
置の全体の構成を示す概念図である。
【図2】第1実施例における中間ボビンの巻き重ね防止
機構を示す説明図である。
【図3】第1実施例における張力制御のフローチャート
である。
【図4】第1実施例において各モータを電力値制御する
ことによって付与される張力を示す線図である。
【図5】この発明の第2実施例の装置の全体の構成を示
す概念図である。
【図6】第2実施例において各モータを電力値制御する
ことによって付与される張力を示す線図である。
【図7】第2実施例における各モータの立ち上げ時と停
止時の張力変化を示す線図である。
【図8】第2実施例における張力制御のフローチャート
である。
【図9】第2実施例における中間ボビンへの巻き重ね防
止機構の変形例を示す斜視図である。
【図10】第2実施例における巻き重ね防止機構の別の
例を示す斜視図である。
【図11】この発明に用いられる中間ボビンの別の例で
ある溝付きボビンの正面図である。
【図12】この発明の第3実施例のモータ回転子の製造
装置の全体構成を示す概念図である。
【図13】第3実施例における素材ボビンと繰出角度検
出手段との平面図である。
【図14】第3実施例における中間ボビン付近の平面図
である。
【図15】第3実施例における中間ボビン付近の側面図
である。
【図16】第3実施例のモータ回転子の製造装置の制御
ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】第3実施例において、エポキシ樹脂貯溜槽の
温度と時間との関係を示す線図である。
【図18】従来のモータ回転子の断面図である。
【図19】従来のモータ回転子の斜視図である。
【図20】従来のモータ回転子製造装置の要部を示す説
明図である。
【符号の説明】
11 ガラス繊維束 12,50 素材ボビン 12a 低張力モータ 13,51 エポキシ樹脂貯溜槽 14,52 中間ボビン 17,65 浸漬ローラ 18,64 張力測定機 20,70 回転子 21,71 巻回装置 24 中央制御装置 31 第1中間ボビン 31a 中張力モータ 32 第2中間ボビン 32a 高張力モータ 46,47 左右感知センサ 48 U溝付きボビン 53 一対のガイドローラ(保持手段) 54 可動台(繰出角度制御手段) 55 低張力モータ(繰出角度制御手段) 56 送りねじ軸(繰出角度制御手段) 57 ボールねじ(繰出角度制御手段) 58 中央制御装置(繰出角度制御手段) 59 位相センサ(繰出角度検出手段) 60,61 ガイドローラ(定位置巻付手段) B 繰出基準

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維束が巻装された素材ボビンと、この
    素材ボビンから繰り出される前記繊維束に熱硬化性樹脂
    を含浸させる樹脂含浸手段と、外周に磁石を備えたモー
    タ回転子を回転駆動可能に保持するとともに樹脂含浸さ
    れた前記繊維束を、前記磁石が緊結されるように前記モ
    ータ回転子の外側に巻き付ける巻回手段とを備えたモー
    タ回転子の製造装置において、 前記素材ボビンと前記樹脂含浸手段との間に、前記繊維
    束に張力を付与する張力付与手段を備えていることを特
    徴とするモータ回転子の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記繊維束にかかる張力が、下流側とな
    るに従って漸増するように、前記張力付与手段を複数備
    えていることを特徴とする請求項1記載のモータ回転子
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記張力付与手段が、その外周に前記繊
    維束を数回巻回した後に下流側へ繰り出す中間ボビンで
    あり、この中間ボビン上の所定の位置に前記繊維束を巻
    付ける定位置巻付手段を備えていることを特徴とする請
    求項1または2記載のモータ回転子の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記中間ボビンに巻回される際の繊維束
    の挙動を検出する挙動検出手段と、この挙動検出手段が
    前記繊維束の挙動が予め設定された挙動以外の挙動を示
    したことを検出したときに、前記中間ボビンおよび素材
    ボビンの回転停止制御を行う制御手段とを備えているこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のモ
    ータ回転子の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記素材ボビンから繰り出される繊維束
    を保持する保持手段と、前記素材ボビンと前記保持手段
    との間の繰出し経路に設定される繰出基準と、この繰出
    し基準に対する前記繊維束の繰り出し角度を検出する繰
    出角度検出手段と、検出される繰り出し角度に基づいて
    当該繰り出し角度を低減させる繰出角度制御手段とを備
    えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のモータ回転子の製造装置。
JP8201169A 1995-12-21 1996-07-11 モータ回転子の製造装置 Pending JPH09233775A (ja)

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JP7-349706 1995-12-21
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102088214A (zh) * 2010-11-22 2011-06-08 宁波菲仕运动控制技术有限公司 一种永磁伺服电机转子及制造方法
CN102468699A (zh) * 2010-11-15 2012-05-23 腾禾精密电机(昆山)有限公司 一种电机转子
CN102468718A (zh) * 2010-11-05 2012-05-23 腾禾精密电机(昆山)有限公司 一种转子用树脂含浸胶带固定工艺
FR3033095A1 (fr) * 2015-02-19 2016-08-26 Renault Sa Dispositif de fixation des aimants dans un rotor de machine electrique discoide.
CN113557650A (zh) * 2019-03-20 2021-10-26 赛峰电气与电源公司 用于制造转子的改进方法

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