JPH0923131A - 圧電共振部品 - Google Patents

圧電共振部品

Info

Publication number
JPH0923131A
JPH0923131A JP17246395A JP17246395A JPH0923131A JP H0923131 A JPH0923131 A JP H0923131A JP 17246395 A JP17246395 A JP 17246395A JP 17246395 A JP17246395 A JP 17246395A JP H0923131 A JPH0923131 A JP H0923131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
substrate
electrode
resonator
piezoelectric resonator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17246395A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Kaida
弘明 開田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP17246395A priority Critical patent/JPH0923131A/ja
Publication of JPH0923131A publication Critical patent/JPH0923131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 面振動モードを利用した圧電共振部品であ
り、部品点数の低減、全体構造の簡略化及び対機械衝撃
性の向上を図り得る安価な部品を提供する。 【解決手段】 面内変形を主体とする面振動モードを利
用した圧電共振子31〜34を弾性接着剤51,52を
介して接合し、得られた積層体23を基板22上に弾性
接着剤53,54を介して接合し、各圧電共振子と基板
22上との電極との間の電気的接続を柔軟性を有するリ
ード線55a〜55hで構成してなるラダー型フィルタ
21。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面内変形を主体と
する面振動モードを利用した圧電共振部品に関し、例え
ば、圧電発振子、ラダー型フィルタ、二重モード圧電フ
ィルタなどに用いられる圧電共振部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電発振子や種々のフィルタを構
成するために、周波数に応じて種々の振動モードを利用
した圧電共振子あるいは圧電共振部品が提案されてい
る。例えば、数百kHz帯で用いられる圧電共振子とし
て、平面形状が正方形の圧電板の拡がり振動モードを利
用した圧電共振子が知られている。拡がりモードを利用
した圧電共振子は、厚み方向に分極処理された平面形状
が正方形の圧電板を用いて構成されている。圧電板の両
主面には共振電極が形成されており、両主面の共振電極
から交流電圧を印加することにより、平面形状が正方形
の圧電板が拡がり振動モードで励振される。
【0003】拡がり振動モードでは、振動のノード点
は、両主面の中央に存在する。従って、圧電板の周辺部
分を用いて圧電共振子を機械的に支持すると、共振特性
が損なわれることになる。そこで、従来、拡がり振動モ
ードを利用した圧電共振子では、圧電板の主面に弾性接
触するばね端子を用いて、圧電共振子を支持していた。
【0004】上記のような拡がりモードを利用した圧電
共振部品の一例として、ラダー型フィルタを図1を参照
して説明する。図1に示す構造では、4個の圧電共振子
1〜4が用いられている。このうち圧電共振子1,2は
ラダー型フィルタの回路構成における直列共振子を構成
するものであり、他方、圧電共振子3,4は並列共振子
を構成するものである。圧電共振子1〜4は、導電性の
弾性板5〜7と、金属端子9,10とを間に介して図示
のように配置された状態で、下方に略図的に示すケース
12の開口12a内に収納される。
【0005】また、これらの圧電共振子1〜4の外側に
は、端子11などが配置される。上記弾性板5〜7及び
端子9〜11の圧電共振子1〜4の電極に接触する部分
は、各圧電共振子1〜4の主面中央部である。すなわ
ち、例えば金属端子11の中央に略図的に示されている
ように、中央に圧電共振子2の共振電極2aの中心に向
かって突出した弾性接触部11aが形成されており、該
弾性接触部11aがばね性を持って圧電共振子2のノー
ド点である主面中央に当接されている。他の圧電共振子
の共振電極についても、同様に、主面中央に各弾性板5
〜7及び金属端子9,10などの弾性接触部が当接され
ている。
【0006】また、特に図示はしないが、拡がりモード
を利用した単一の圧電共振子をケース内に収納してなる
圧電発振子においても、圧電共振子の両主面中央に接触
する弾性接触部を有するばね端子を用い、該ばね端子で
圧電共振子を支持していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
拡がりモードを利用した圧電共振子を用いた圧電共振部
品では、振動のノード点が圧電共振子の中央に位置する
ため、ばね端子を用いて機械的に支持し、かつケース等
に収納しなければならなかった。そのため、圧電共振部
品を構成するための部品点数が多くなり、かつ組み立て
工程が煩雑であるという問題があった。
【0008】さらに、ばね端子に弾性接触部として突起
を設ける必要があるため、最終的に得られる圧電共振部
品の厚み(圧電板の厚み方向に沿う寸法)が大きくなり
がちであり、圧電共振部品の小型化の妨げとなってい
た。また、上記のような複雑な形状のばね端子を用意し
なければならないため、ばね端子のコストが高いため、
圧電共振部品全体のコストが高くつくという問題もあっ
た。
【0009】加えて、ばね端子により圧電共振子を弾力
挟持するものであるため、圧電共振部品が落下した場合
等において、ばね端子の弾性接触部が圧電共振子の振動
のノード点からずれて、特性が劣化するという問題もあ
った。すなわち、対機械的衝撃性の点において十分でな
かった。
【0010】上記のような種々の問題は、拡がりモード
を利用した圧電共振部品だけでなく、幅モードなどの他
の面内変形を主体とする面振動モードを利用した圧電共
振部品においても同様であった。
【0011】本発明の目的は、面振動モードを利用した
圧電共振部品であって、少ない部品点数で構成すること
ができ、全体構造を簡略化することができ、かつ対機械
衝撃性に優れた安価な圧電共振部品を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の広い局面によれ
ば、面内変形を主体とする面振動モードを利用した圧電
共振子と、前記圧電共振子に電気的に接続される電極を
有し、かつ前記圧電共振子がその上に載置される基板
と、前記圧電共振子の面振動モードのノード点及びノー
ド点と同程度に変位が少ない部分の少なくとも一方と、
前記基板とを固定するように配置された弾性接着剤と、
前記圧電共振子と前記基板上の電極とを電気的に接続す
るように、前記圧電共振子及び基板に接合された柔軟性
を有する導体とをさらに備えることを特徴とする、圧電
共振部品が提供される。
【0013】また、好ましくは、上記基板は、平板状の
金属板から構成される。この場合には、平板状の金属板
では、一方側に延ばされており、かつ外部との電気的接
続のために用いられる端子部が設けられる。このよう
に、基板を上記端子部を有する金属板で構成することに
より、上記基板上に形成される電極と、基板とを単一の
材料で構成することができる。また、端子部の先端側以
外の領域において金属板及び圧電共振子等を外装樹脂で
被覆することにより、樹脂外装が施されたリード端子付
き電子部品として圧電共振部品を構成することができ
る。
【0014】また、本発明のある特定的な局面では、上
記弾性接着剤は、導電性接着剤により構成される。すな
わち、弾性接着剤を導電性接着剤で構成することによ
り、圧電共振子と基板との固定だけでなく、接着剤に電
気的接続機能をも持たせることができ、それによって導
体の使用数を低減することができる。
【0015】また、上記圧電共振部品は、種々の圧電発
振子、圧電フィルタ等に用いることが、本発明のある特
定的な局面では、圧電共振子は、厚み方向に分極された
平面形状が矩形の圧電板と、圧電板の両主面に形成され
た一対の共振電極とを有する圧電発振子として構成され
る。
【0016】なお、本発明においては、上記圧電共振子
上に、面振動モードを利用した少なくとも1つの他の圧
電共振子が積層されていてもよい。すなわち、面振動モ
ードのノード点及びノード点と同程度に変位が少ない部
分の少なくとも一方の部分において、少なくとも1つの
他の圧電共振子を上記圧電共振子上に弾性接着剤を用い
て接合し、積層体を構成してもよい。
【0017】本発明のある特定の局面では、上記圧電共
振部品として、少なくとも1つの直列共振子及び少なく
とも1つの並列共振子を有するラダー型フィルタが構成
される。ここでは、直列共振子及び並列共振子を構成す
るために、複数の面振動モードを利用した圧電共振子が
備えられている。この複数の圧電共振子は、振動のノー
ド点及びノード点と同程度に変位が少ない部分の少なく
とも一方において弾性接着剤を介して接合されて積層体
を構成している。
【0018】また、この場合、積層体は、基板上に載置
されるが、基板には、積層体の圧電共振子に電気的に接
続される電極が設けられている。さらに、積層体の最下
層の圧電共振子の振動のノード点及び該ノード点と同程
度に変位が少ない部分の少なくとも一方と、上記基板と
が、弾性接着剤により固定されて、積層体が基板上に固
定されている。積層体中の圧電共振子と、基板上の電極
とを電気的に接続するように、圧電共振子及び基板に接
合された柔軟性を有する複数の導体がさらに備えられ
る。
【0019】なお、本発明において、面振動モードと
は、面内変形を主体とする面振動モードを広く含むもの
とし、このような面振動モードとしては、正方形板の拡
がりモード、矩形板の幅モード、後述の幅拡がりモー
ド、矩形板の長さモードなどの種々の面内変形を主体と
するモードを挙げることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の圧電共振部品では、面振動モー
ドを利用した圧電共振子が、基板に対し、弾性接着剤に
より固定されている。従って、ばね端子のような複雑な
形状の支持構造を用いずに、圧電共振子が支持されてい
る。
【0021】しかも、上記弾性接着剤による支持は、圧
電共振子の面振動モードのノード点及びノード点と同程
度に変位が少ない部分の少なくとも一方において行われ
ている。すなわち、このような部分において支持されて
いること、並びに弾性を有する接着剤を用いて支持され
ているので、支持構造に起因する圧電共振子の特性の劣
化が生じ難い。
【0022】また、圧電共振子と基板上の電極とは、柔
軟性を有する導体により電気的に接続されている。導体
が柔軟性を有するため、圧電共振子の振動の如何に係わ
らず、圧電共振子と電極との間の電気的接続を確保する
ことができる。
【0023】加えて、上記のように弾性接着剤を用いて
圧電共振子を支持・固定しており、かつ柔軟性を有する
導体を用いているため、圧電共振部品が落下したり、圧
電共振部品に外力が加わったとしても、圧電共振子と基
板上の電極との電気的接続状態が損なわれたり、あるい
は圧電共振子の支持構造が破壊されたりするおそれが少
ない。
【0024】よって、面振動モードを利用した圧電共振
子を用いているにも係わらず、種々の圧電共振部品を構
成するにあたり、部品点数の低減、組み立て作業の簡略
化及び小型化を果たすことが可能となる。加えて、対機
械的衝撃性に優れた安価な圧電共振部品を提供すること
が可能となる。
【0025】また、本発明の上記ラダー型フィルタにお
いても、直列共振子及び並列共振子が、上記特定の圧電
共振子で構成されており、かつ複数の圧電共振子が弾性
接着剤を用いて振動のノード点及びノード点と同程度に
変位が少ない部分の少なくとも一方において接合されて
積層体とされている。加えて、この積層体が基板上に、
圧電共振子の振動のノード点及び該ノード点と同程度に
変位が少ない部分の少なくとも一方において弾性接着剤
により固定されている。従って、本発明の圧電共振部品
と同様に、部品点数の低減、組み立て作業の簡略化及び
小型化を図ることができる。加えて、複数の圧電共振子
が弾性接着剤を介して接合されて積層体とされており、
かつ上記積層体が弾性接着剤により基板に対して固定さ
れているため、対機械的衝撃性に優れたラダー型フィル
タを提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ実施形態
を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0027】第1の実施形態 図2〜図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る
ラダー型フィルタを説明する。
【0028】図2は、本実施形態のラダー型フィルタの
分解斜視図であり、図3は、該ラダー型フィルタの断面
図である。図3を参照して、ラダー型フィルタ21は、
矩形板状の基板22上に複数の圧電共振子を積層してな
る積層体23を載置した構造を有する。また、積層体2
3を覆うように下方に開口を有するキャップ24が基板
22に固定されている。
【0029】キャップ24は、基板22とともにラダー
型フィルタ21のケースを構成している。キャップ24
は、剛性を有する材料、例えば金属あるいは合成樹脂な
どの適宜の材料で構成することができる。ラダー型フィ
ルタを構成する積層体23を電磁シールドするために
は、キャップ24は金属などの導電性材料により構成す
ることが望ましい。もっとも、後述の基板22上の電極
間の短絡を防止するために、キャップ24を金属で構成
した場合には、絶縁性接着剤で基板22にキャップ24
を固定したり、あるいは後述の基板22の上面に形成さ
れる電極とキャップ24との接合部分において電極上に
絶縁層を形成しておくことが望ましい。
【0030】基板22及び積層体23の詳細を図4の分
解斜視図を参照して説明する。基板22は、平面形状が
略矩形の絶縁板、例えばアルミナなどの絶縁性セラミッ
クスもしくは合成樹脂などからなる板状部材で構成され
ている。基板22の一対の短辺側側面には、それぞれ、
切欠22a〜22c,22d〜22fが形成されてい
る。切欠22a〜22fは、後述の電極を利用したラダ
ー型フィルタ21をプリント回路基板などに表面実装し
た場合のプリント回路基板上の電極との電気的接続を容
易かつ確実にするために設けられている。
【0031】基板22の上面には、適宜の方法で導電性
材料を付与することにより、電極25〜30bが形成さ
れている。電極25〜27は、それぞれ、前述した切欠
22a〜22c内にも至るように形成されている。同様
に、電極29は切欠22d内に、電極30a,30bは
切欠22e,22f内に至るように形成されている。ま
た、電極28は、基板22の上面において、外周縁には
至らないように形成されている。
【0032】図2に示した積層体23は、図4に示す複
数の圧電共振子31〜34を積層することにより構成さ
れている。圧電共振子31は、チタン酸ジルコン酸鉛系
圧電セラミックスや水晶などの圧電単結晶などのような
圧電材料よりなる矩形の圧電板35を用いて構成されて
いる。圧電板35の上面には、圧電板35の上面の中央
に共振電極36が形成されている。共振電極36は、圧
電板35の一方の短辺側の側面35aと上面とのなす側
縁に至るように形成された引き出し電極37に電気的に
接続されている。すなわち、共振電極36及び引き出し
電極37は、図示のように連ねられて形成されている。
【0033】圧電板35の下面には、図4に略図的に右
側に示すように、共振電極38が形成されている。共振
電極38は、共振電極36と圧電板35を介して表裏対
向するように中央領域に形成されている。また、圧電板
35の下面においては、側面35aとは反対側の側面3
5bと下面とのなす端縁に至るように引き出し電極39
が形成されている。共振電極38は引き出し電極39に
電気的に接続されている。
【0034】圧電板35は、分極軸が厚み方向に揃うよ
うに分極処理されている。また、圧電板35は、長辺の
長さがb、短辺の長さがaの矩形の平面形状を有する。
上記長辺の長さbと、短辺の長さaとの比b/aは、
【0035】
【数1】
【0036】を満たす値を中心として±10%の範囲内
になるように選ばれている。なお、式(1)におけるσ
は、圧電板35を構成している圧電材料のポアソン比を
示す。
【0037】本願発明者は、先に、厚み方向に分極処理
された矩形の圧電板の両主面に共振電極を形成し、両主
面から交流電圧を印加した場合、比b/aが上記式
(1)を満たす値を中心として±10%の範囲内にある
場合、拡がりモードと幅モードとの間の振動姿態をとる
幅拡がりモードが励振されることを見出した。この幅拡
がりモードの振動は、圧電板35の主面の面内変形を主
とする振動であり、振動のノード部は、圧電板35の上
面及び下面の中心、並びに短辺側側面35a,35bの
中央領域に現れる。このような幅拡がりモードの詳細
は、例えば、特開平7−147526号公報に開示され
ている。
【0038】圧電共振子31の上方には、圧電共振子3
2が配置される。圧電共振子32は、圧電板35と同一
平面形状を有する圧電板40を用いて構成されている。
もっとも、圧電板40の厚みは、圧電板35よりも薄く
されている。また、圧電板40の上面には、全面に共振
電極41が形成されている。同様に、圧電板40の下面
には、全面に共振電極42が形成されている。圧電板4
0は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのよ
うな圧電セラミックスまたは水晶のような圧電単結晶に
より構成され、その分極軸が厚み方向に揃うように分極
処理されている。
【0039】また、圧電板40においても、上述した式
(1)を満たす値を中心として±10%の範囲内となる
ように比b/aが選ばれている。従って、圧電共振子3
2においても、共振電極41,42間に交流電圧を印加
した場合、圧電共振子32は上記幅拡がりモードで励振
される。
【0040】圧電共振子33は、圧電共振子32と同様
に構成されている。すなわち、圧電板43の上面に共振
電極44が、下面に共振電極45が全面に形成されてい
る。さらに、最上部に配置される圧電共振子34は、圧
電共振子31と同様に構成されている。すなわち、圧電
板46の上面に、共振電極47及び引き出し電極48が
形成されており、下面に共振電極49及び引き出し電極
50が形成されている。
【0041】上記のように、積層体23を構成している
4個の圧電共振子のうち、圧電共振子31と圧電共振子
34とが同一の圧電共振子で、圧電共振子32と圧電共
振子33とが同一の圧電共振子で構成されている。
【0042】図3に戻り、圧電共振子31〜34は、そ
れぞれ、弾性接着剤51,52により接着されて積層体
23が構成されている。この場合、弾性接着剤51は、
各圧電共振子31〜34の短辺側中央領域近傍において
圧電板の上面及び下面に付与されている。他方、弾性接
着剤52は、各圧電板の上面または下面の中央領域にお
いて両側の圧電板を接着している。
【0043】また、上下の圧電共振子の振動を妨げない
ための空隙Aを有するように、弾性接着剤51,52の
厚みが選択されている。従って、弾性接着剤51,5
2が各圧電共振子31〜34の振動のノード部に付与さ
れているため、弾性接着剤51,52が弾力性を有す
るため、並びに上記空隙Aが形成されているため、積
層体23においては、各圧電共振子31〜34の共振特
性が上記弾性接着剤51,52による接合により劣化す
るおそれが非常に少ない。
【0044】さらに、上記積層体23は、弾性接着剤5
3,54により基板22に固定されている。弾性接着剤
53,54は、弾性接着剤51,52と同様の材料で構
成されている。弾性接着剤53,54は、圧電共振子3
1の振動のノード部において圧電共振子31と基板22
とを接合している。すなわち、弾性接着剤53は圧電板
35の短辺側の側縁中央近傍に付与されており、弾性接
着剤54は下面の中央領域に付与されている。また、圧
電共振子31と基板22との間に圧電共振子31の振動
を阻害しないための空隙Aを形成するように、上記弾性
接着剤53,54の厚みが選ばれている。
【0045】次に、圧電共振子31〜34と基板22上
の電極25〜30との電気的接続構造を図2及び図3を
参照して説明する。圧電共振子31の上面の引き出し電
極37(図4参照)は、柔軟性を有するリード線55a
により電極27に電気的に接続されている。圧電共振子
31の下面側の引き出し電極39(図4参照)は、リー
ド線55bにより電極28に電気的に接続されている。
圧電共振子32の共振電極41は、リード線55cによ
り電極26に電気的に接続されており、共振電極42は
リード線55dにより電極30bに電気的に接続されて
いる。
【0046】さらに、圧電共振子33の共振電極44は
リード線55eにより電極28に電気的に接続されてい
る。共振電極43は、リード線55fにより電極30a
に電気的に接続されている。圧電共振子34の引き出し
電極48はリード線55gにより電極25に、引き出し
電極50はリード線55hにより電極28に電気的に接
続されている。
【0047】上述したリード線55a〜55hとして
は、Cuなどの適宜の金属もしくは合金からなる柔軟性
を有する線材を用いることができる。もっとも、リード
線55a〜55hは、ある程度の柔軟性を有する必要が
あるため、材料によっても異なるが、その径は10〜5
0μm程度のものが用いられる。
【0048】上記弾性接着剤51〜54としては、圧電
共振子31〜34の振動を阻害しないために、十分な弾
力性を有するものが用いられ、本実施形態では、JIS
K6301のスプリング式硬さ試験(A形)による硬
度30、アルミニウム板を貼り合わせてせん断方向に応
力をかける試験で測定された引っ張り強度=32kgf
/cm2 のシリコーン接着剤が用いられている。もっと
も、他の合成ゴムラテックスなどのゴム弾性を有する樹
脂を主成分とする接着剤や、ゴム変性エポキシ系接着剤
を用いてもよい。
【0049】上記のようにして、圧電共振子31〜34
が、基板22に形成された電極25〜30bに電気的に
接続され、従って電極25を入力端とし、電極27,3
0bを出力端とし、電極26,30aをグランド電位に
接続することにより、図5に示す2段のラダー型フィル
タとして動作させることができる。
【0050】すなわち、本実施形態のラダー型フィルタ
21は、上記のように基板22上に積層体23を固定
し、キャップ24で積層体23を囲撓してなる構造を有
するため、プリント回路基板などに面実装可能なチップ
型の電子部品として提供される。しかも、ラダー型フィ
ルタを構成するための各圧電共振子31〜34が幅拡が
りモードを利用したものであり、上記弾性接着剤51〜
54を介して相互に並びに基板22に対して接合されて
いる。従って、複雑な形状のばね端子を用意する必要は
ない。また、複数の圧電共振子31〜34を用いている
にも係わらず、弾性接着剤により相互に接合することが
できるため、組み立て工程を簡略化することができ、か
つ圧電共振子の積層方向の寸法を小さくすることができ
る。
【0051】なお、上記圧電共振子32,33の厚み
を、圧電共振子31,34よりも薄くし、かつ圧電共振
子31,34において共振電極36,47などを上面ま
たは下面の中央領域に部分的に形成しているのは、圧電
共振子31,34が直列共振子を、圧電共振子32,3
3が並列共振子を構成しているためである。すなわち、
ラダー型フィルタにおいて良好なフィルタ特性を得るに
は、直列共振子における静電容量を、並列共振子におけ
る静電容量よりも小さくすることが必要だからである。
【0052】本願発明者の具体的な実験結果によれば、
中心周波数455kHzのラダー型フィルタを得ようと
した場合に、圧電共振子31,34の寸法は、4.0×
5.6×厚み0.3mm、圧電共振子32,33は、
4.2×6.0×0.2mm程度の寸法とし得ることが
確かめられている。従って、かなり小型のラダー型フィ
ルタを提供し得ることがわかる。
【0053】第2の実施形態 図6及び図7は、本発明の第2の実施形態に係るラダー
型フィルタを説明するための図である。図6は、第2の
実施形態のラダー型フィルタの主要部を説明するための
分解斜視図を、図7は外観を示す斜視図である。
【0054】本実施形態においては、第1の実施形態で
用いた積層体23が用いられる。従って、積層体23内
の構成については、第1の実施形態について行った説明
を援用することにより省略する。本実施形態が第1の実
施形態と異なる点は、基板22に代えて平面形状が矩形
の基板62及びリード端子63〜65が用いられてお
り、リード端子付きの電子部品として構成されているこ
とにある。
【0055】基板62は、アルミナなどの絶縁性セラミ
ックスもしくは合成樹脂などの適宜の絶縁性材料により
構成されている。基板62の上面には、電極66〜69
が形成されている。電極66〜68には、それぞれ、C
uなどの金属よりなるリード端子63〜65が半田もし
くは導電性接着剤を用いて固定されている。電極66〜
68は、図4に示した電極25〜27に相当するもので
あり、電極69は電極28に相当するものである。ま
た、本実施形態では、電極68は、リード端子65が接
合されている側から基板62の反対側の短辺側端縁に至
るように形成されており、従って、図4に示した電極3
0bが設けられている領域にも至るように形成されてい
る。よって、第1の実施形態で用いたリード線55a〜
55hを用い、第1の実施形態と同様にして圧電共振子
31〜34と上記電極66〜69とを電気的に接続する
ことができ、それによって、リード端子63を入力端、
リード端子65を出力端、リード端子64を基準電位に
接続される端子として用いることにより、図5に示した
ラダー型フィルタとして動作させることができる。
【0056】なお、本実施形態においては、上記積層体
23は、基板62上に、弾性接着剤を用いて接合され
る。この弾性接着剤は、第1の実施形態で用いた弾性接
着剤53,54と同様であるため、その詳しい説明は省
略する。すなわち、図3において、キャップ24を取り
除いた状態となるように、積層体23が基板62上に弾
性接着剤を用いて接合されている。従って、本実施形態
においても、弾性接着剤を用いて基板62に圧電共振子
31を接合したとしても、圧電共振子31の共振特性の
劣化は生じ難い。
【0057】さらに、第2の実施形態では、図7に示す
ように、周囲に樹脂外装70が施される。樹脂外装70
は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により形成されて
おり、積層体23を外部から保護するために設けられて
いる。もっとも、樹脂外装70により、圧電共振子31
〜34の振動が阻害されてはならない。従って、公知の
樹脂外装が施された圧電共振子と同様に、基板62に積
層体23を接合した状態において、振動部分の周囲に加
熱により飛散されるパラフィンワックスなどのワックス
を塗布しておき、さらに周囲を熱硬化性樹脂で被覆し、
加熱・硬化させることにより、上記樹脂外装70を構成
することができる。すなわち、上記熱硬化性樹脂の加熱
・硬化に際し、前述したワックスが飛散し、ワックスが
存在していた部分に空洞が形成され、それによって圧電
共振子31〜34の振動を阻害しないための空間が周囲
に形成されることになる。
【0058】第2の実施形態から明らかなように、本発
明のラダー型フィルタは、リード端子を有する樹脂外装
が施されたリード付き電子部品として提供することも可
能である。
【0059】第3の実施形態 第3の実施形態は、上記幅拡がりモードを利用した圧電
共振子を用いて構成された圧電発振子に適用した例であ
る。
【0060】図8は、本実施形態の圧電発振子の分解斜
視図を、図9は外観を示す斜視図である。圧電発振子8
1では、平面形状が略矩形の基板82と、圧電共振子8
3とキャップ84とが用いられている。
【0061】基板82は、アルミナなどの絶縁性セラミ
ックスもしくは合成樹脂などの適宜の絶縁性材料により
構成されており、長辺側の一方の側面に切欠82a,8
2bが、他方の側面に切欠82c,82dが形成されて
いる。
【0062】基板82の上面には、電極85,86が形
成されている。電極85は、一方の短辺側側縁に沿うよ
うに形成されており、かつ上記切欠82a,82c内に
至るように形成されている。同様に、電極86は、他方
の短辺側側縁に沿うように形成されており、上記切欠8
2b,82dに至るように形成されている。
【0063】圧電共振子83は、矩形の圧電板87の上
面の全面に共振電極88を、下面の全面に共振電極89
が形成した構造を有する。圧電板87は、チタン酸ジル
コン酸鉛系圧電セラミックスのような圧電セラミックス
または水晶などの圧電単結晶により構成されており、そ
の分極軸が厚み方向に揃うように分極処理されている。
また、上記圧電板87では、前述した式(1)を満たす
値を中心として±10%の範囲内となるように比b/a
が定められている。従って、共振電極88,89から交
流電圧を印加することにより、第1及び第2の実施形態
で用いた圧電共振子と同様に幅拡がりモードで励振され
る。
【0064】従って、圧電共振子83の振動のノード部
は、上面及び下面の中央と、短辺側側面中央領域近傍と
に存在する。そこで、本実施形態では、基板82の上面
中央に、弾性接着剤90が付与されている。この弾性接
着剤90は、圧電共振子83の下面中央に当接されるよ
うにその位置が定められている。また、弾性接着剤90
の両側に、所定距離を隔てて弾性接着剤91,91が付
与されている。弾性接着剤91,91が付与されている
位置は、弾性接着剤91,91が圧電共振子83の短辺
側側面中央の振動のノード部に当接される位置である。
すなわち、圧電共振子83の短辺側側面と下面とのなす
端縁中央領域において下面に接合されるように、弾性接
着剤91,91の位置が選ばれている。
【0065】本実施形態では、上記圧電共振子83は、
上記弾性接着剤90,91を用いて基板82に接合され
ている。従って、第1の実施形態の場合と同様に、弾
性接着剤90,91が圧電共振子83の振動のノード部
を利用して基板82と圧電共振子83とを接合している
ため、圧電接着剤90,91が弾力性を有するため、
並びに弾性接着剤90,91の厚みが圧電共振子89
の振動を妨げないための空隙を圧電共振子83と基板8
2との間に形成し得るように選ばれているため、上記接
合により圧電共振子83の振動が阻害されることがな
い。
【0066】また、圧電共振子83と電極85,86と
の間の電気的接続は、図8において略図的に示す柔軟性
を有するリード線92,93を用いて行われている。す
なわち、共振電極88が電極85にリード線92により
接合され、共振電極89がリード線93により電極86
に接合されている。リード線92,93としては、第1
の実施形態で用いたリード線55a〜55hと同様の線
材を用いて構成することができる。
【0067】本実施形態においても、圧電共振子83の
共振電極88,89と基板82上の電極85,86との
電気的接続が柔軟性を有するリード線92,93を用い
て行われているため、電気的接続構造によって圧電共振
子83の振動が阻害されることもない。
【0068】キャップ84は、図9に示されているよう
に、上記圧電共振子83(図9では図示されず)を囲撓
するように、基板82に固定されている。キャップ84
は、金属または合成樹脂などの適宜の材料で構成するこ
とができるが、圧電共振子83を電磁シールドするに
は、金属によりキャップ84を構成することが望まし
い。もっとも、金属によりキャップ84を構成した場合
には、電極85,86間の短絡が問題となる。従って、
絶縁性接着剤を用いたり、あるいはキャップ84と基板
82との間の接合部分において、キャップ84及び基板
82側の何れか一方に絶縁層を形成しておくことが望ま
しい。あるいは、キャップ84として、金属よりなり、
さらに外表面が絶縁性材料で被覆されているものを用い
てもよい。
【0069】図9から明らかなように、第3の実施形態
に係る圧電発振子81は、第1の実施形態と同様に、プ
リント回路基板などに表面実装されるチップ型電子部品
として提供される。すなわち、電極85,86を用い
て、プリント回路基板に容易に面実装することができ
る。
【0070】第4の実施形態 図10は、本発明の第4の実施形態に係る圧電発振子を
説明するための斜視図である。
【0071】本実施形態の圧電発振子101は、リード
付き電子部品として構成されていることを除いては、第
3の実施形態の圧電発振子81と同様である。従って、
同一部分については、同一の参照番号を付することによ
り、その説明は省略する。
【0072】圧電発振子101では、矩形の基板102
が用いられている。基板102は、第3の実施形態で用
いた基板82と、切欠が形成されていないことを除いて
は同様に同様に構成されている。基板102には、上面
に電極85,86が形成されており、電極85,86
に、それぞれ、リード端子103,104が接合されて
いる。基板102上には、圧電共振子83が接合されて
いる。圧電共振子83は、図8に示した弾性接着剤9
0,91を基板102上に付与し、圧電共振子83を接
合することにより、基板102上に固定されている。ま
た、共振電極88はリード線92により電極85に電気
的に接続されている。同様に、図10には示されていな
いが、下面側の共振電極は、リード線により電極86に
電気的に接続されている。
【0073】本実施形態の圧電発振子101では、リー
ド付き電子部品を構成するために、リード端子103,
104の先端側部分を除いて、残りの部分が樹脂外装1
05により覆われている。図10では、樹脂外装105
が形成されている部分の輪郭を想像線で示しているが、
この樹脂外装105は、第2の実施形態で用いた樹脂外
装70と同様にして形成される。このように、本発明の
圧電発振子は、リード付き電子部品として提供すること
も可能である。
【0074】第3の実施形態の変形例 図11〜図13は、第3の実施形態の圧電発振子の変形
例を説明するための各分解斜視図である。図11〜図1
3に示す各変形例は、何れも使用する振動モードが異な
る点において、第3の実施形態と異なるものである。
【0075】図11は、正方形板の拡がりモードを利用
した圧電共振子111を用いた変形例である。圧電共振
子111は、平面形状が正方形の圧電板112の上面の
全面に共振電極113を下面に同じく全面に共振電極1
14を形成した構造を有する。
【0076】圧電板112は、チタン酸ジルコン酸鉛系
圧電セラミックスなどの圧電セラミックスや水晶などの
圧電単結晶を用いて構成されており、かつ厚み方向に分
極処理されている。従って、共振電極113,114か
ら交流電圧を印加することにより、正方形板の拡がりモ
ードで励振される。この場合、振動のノード点は、両主
面中央に位置する。従って、基板82の上面には、中央
領域にのみ弾性接着剤90が付与されている。その他の
構造は、図8に示した実施形態と同様である。また、図
11では特に示されていないが、上記圧電共振子111
と電極85,86とは図示しない柔軟性を有するリード
線で電気的に接続され、かつ図示しないキャップが圧電
共振子111を覆うようにして基板82に固定されてい
る。
【0077】図12に示す他の変形例では、圧電共振子
111が基板82上に弾性接着剤90,115〜118
を用いて接合されている。すなわち、弾性接着剤115
〜118が、上記圧電板112の側縁中央近傍において
圧電板112の下面に接着されるように、弾性接着剤1
15〜118が付与されている。従って、本変形例で
は、図11に示した変形例の場合に比べて、圧電共振子
111を基板82に対してより確実に固定することがで
きる。なお、拡がりモードの圧電共振子111では、振
動のノード点は両主面中央のみであり、従って、図12
に示す変形例では、弾性接着剤115〜118は振動の
ノード点以外において圧電共振子111を基板82に固
定している。しかしながら、正方形板の拡がりモードで
は、側面中央領域が、ノード点と同程度に変位が少ない
部分となっている。従って、上記弾性接着剤115〜1
18を用いて圧電板112を固定したとしても、正方形
板の拡がりモードの振動はさほど阻害されない。
【0078】その他の点は、図11に示した変形例と同
様に構成されている。図13は、第3の実施形態のさら
に他の変形例を説明するための分解斜視図であり、ここ
では、未だ公知ではない面振動モードを利用した圧電共
振子121が用いられている。
【0079】圧電共振子121は、厚み方向に分極処理
された矩形板状の圧電板122を有する。圧電板122
は、本実施形態では、ポアソン比σ=0.324のチタ
ン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスにより構成されて
いる。もっとも、圧電板122は、他の圧電セラミック
スあるいは水晶もしくはLiTaO3 などの圧電単結晶
などにより構成されていてもよい。
【0080】圧電板122では、上面の長辺の長さを
b、短辺の長さをaとしたときに、比b/aが、下記の
式(2)を満たす値を中心として±10%の範囲内とさ
れている。
【0081】
【数2】
【0082】圧電板122の上面及び下面には、それぞ
れ、全面に共振電極123,124が形成されている。
圧電共振子121では、共振電極123,124から交
流電圧を印加することにより、特定の幅モードで圧電共
振子121が励振される。すなわち、上述した式(2)
を満たすように圧電板122が構成されているため、圧
電共振子121では、上記長辺側の両側面中央を結ぶ全
領域が振動のノード部を構成するような幅モードの振動
が励振される。
【0083】本変形例では、上記圧電共振子121が上
記特定の幅モードで励振されるため、振動のノード部に
対応する部分において、下方の基板125の上面に弾性
接着剤126が付与されている。従って、基板125に
弾性接着剤126を介して圧電共振子121を接合した
としても、圧電共振子121の振動がほとんど阻害され
ない。
【0084】基板125の上面には、電極127,12
8が形成されている。電極127は、図示しない柔軟な
リード線により共振電極123に電気的に接続され、電
極128は図示しない柔軟なリード線により共振電極1
24に電気的に接続される。また、圧電共振子121を
基板125上に固定した後、図示しないキャップが圧電
共振子121を覆うようにして基板125に固定され
る。
【0085】本変形例においても、弾性接着剤126が
圧電共振子121の振動のノード部に接合されており、
圧電共振子121と基板125の上面との間に弾性接着
剤126の厚みに応じた空隙が形成されており、さらに
弾性接着剤126自身が弾力性を有するため、上記固定
構造によって圧電共振子121の共振特性の劣化が生じ
ることはない。加えて、柔軟性を有するリード線によ
り、共振電極123,124が電極127,128に接
合されているため、使用時に、電気的接続構造により圧
電共振子121の振動が妨げられることもない。
【0086】図11〜図13に示した変形例から明らか
なように、本発明の圧電発振子では、面内変形を主体と
する面振動モードを利用する限り、種々の振動モードを
利用して圧電共振子を構成することができる。
【0087】第5の実施形態 図14は、本発明の第5の実施形態に係る圧電フィルタ
を説明するための分解斜視図である。
【0088】本実施形態では、基板131上に弾性接着
剤133を介して圧電フィルタ素子132が固定されて
いる。基板131には、一方の側面に切欠131a〜1
31cが、該側面に向かい合う反対側の側面に、切欠1
31d〜131fが形成されている。また、基板131
の上面には、電極134a〜134cが互いに平行に形
成されている。電極134aは、上記切欠131a,1
31d内に至るように形成されている。同様に、電極1
34bは、切欠131b,131e内に至るように、電
極134cは、切欠131c,131f内に至るように
形成されている。
【0089】圧電共振子132は、平面形状が正方形の
圧電板135を用いて構成されている。圧電板135
は、圧電セラミックスまたは水晶などの圧電単結晶によ
り構成されており、上面中央に、平面形状が正方形の第
1の共振電極136が形成されている。また、上面の外
周縁に沿うように矩形枠状の第2の共振電極137が形
成されている。圧電板135の下面には全面に共振電極
138が形成されている。
【0090】従って、圧電フィルタ素子132では、共
振電極136を入力端、共振電極137を出力端とし、
裏面の共振電極138をグランド電位に接続することに
より、帯域フィルタとして動作させることができる。
【0091】本実施形態においても、圧電フィルタ素子
138が、下面中央において弾性接着剤133により基
板131に固定される。従って、振動のノード部におい
て、圧電フィルタ素子132が基板131に固定される
ことになるため、さらに弾性接着剤133が弾力性を有
するため、フィルタ特性に影響を与えることなく、上記
のように圧電フィルタ素子132を支持することができ
る。
【0092】なお、上記第1の共振電極136は、図示
しない柔軟性を有するリード線により電極134aに、
共振電極137は図示しない柔軟性を有するリード線に
より電極134cに、裏面側の共振電極132は図示し
ない柔軟性を有するリード線により電極134bに電気
的に接続される。これらのリード線についても、前述し
た第1の実施形態と同様に、柔軟性を有するCuなどの
線材により構成することができる。
【0093】また、特に図示はしないが、上記圧電フィ
ルタ素子132を基板131上に固定した状態におい
て、第1の実施形態と同様にキャップが圧電フィルタ素
子132を囲撓するようにして、基板131に固定され
る。
【0094】第6の実施形態 図15は、本発明の第6の実施形態に係る圧電フィルタ
を説明するための分解斜視図である。
【0095】第6の実施形態の圧電フィルタは、第5の
実施形態の圧電フィルタの変形例に相当する。異なると
ころは、基板131及び圧電共振子132上に、さら
に、弾性接着剤140を介して圧電フィルタ素子141
を積層し、圧電フィルタ素子132と圧電フィルタ素子
141とからなる積層体を構成したことにある。また、
2素子の圧電フィルタ素子132,141を用いている
ため、基板131上の電極も、それに応じて異ならされ
ている。
【0096】すなわち、基板131上には、電極142
a〜142gが形成されている。電極142aは、切欠
131aの近傍において基板131の上面に形成されて
おり、かつ切欠131a内に至るように形成されてい
る。また、電極142bは、切欠132b内に至るよう
に、切欠131b近傍において基板131の上面に形成
されている。同様に、電極142c,142e,142
f,142gは、それぞれ、切欠131c〜131fの
近傍において基板131の上面に形成されており、かつ
各切欠131c〜131f内に至るように形成されてい
る。また、電極142dは、電極142c近傍に独立に
形成されている。
【0097】本実施形態では、弾性接着剤133を介し
て圧電フィルタ素子132が基板131に固定されてお
り、かつ弾性接着剤140を介して圧電フィルタ素子1
32上に圧電フィルタ素子141が固定されている。弾
性接着剤133,140は、それぞれ、圧電フィルタ素
子132,141の振動のノード部において圧電フィル
タ素子132,141を接合している。従って、接合構
造により、圧電フィルタ素子132,141の特性が劣
化することがない。
【0098】また、圧電フィルタ素子132,141と
電極142a〜142gとの間の電気的接続は、図示し
ない柔軟性を有するリード線により行われる。なお、圧
電フィルタ素子141は、圧電フィルタ素子132と同
様に構成されている。すなわち、正方形板からなる圧電
板143の上面に共振電極144,145、下面に共振
電極146を有する。
【0099】共振電極136及び144は、図示しない
リード線により電極142dに接続されている。また、
共振電極137は電極142cに、共振電極145は電
極142aに電気的に接続されている。共振電極138
及び146は、リード線により電極142bに電気的に
接続されている。従って、電極142aを入力端とし
て、電極142cを出力端として用い、電極142bを
グラウンド電位に接続することにより、2つの圧電フィ
ルタ素子132,141を直結してなる2素子型のフィ
ルタ回路を構成することができる。なお、電極142e
〜142gはダミーの電極を示すが、電極142e〜1
42gは、それぞれ、基板131側において電極142
a〜142cに接続されていてもよく、それによって基
板131の一対の側面の何れの側においてもプリント回
路基板上に電気的に接続することが可能となる。
【0100】第7の実施形態 図16は、本発明の第7の実施形態を説明するための分
解斜視図である。第7の実施形態では、幅拡がりモード
を利用したコンデンサ内蔵型圧電発振子が提供される。
【0101】基板151は、アルミナなどの絶縁性材料
よりなり、平面形状が略矩形の板状部材で構成されてい
る。基板151の一方の短辺側側面には、切欠151a
〜151cが、反対側の側面には切欠151e〜151
gが形成されている。また、基板151の上面には、電
極152a〜152cが平行に形成されている。電極1
52aは、切欠151aと切欠151eとを結ぶ方向に
延ばされており、かつこれらの切欠151a,151e
内に至るように形成されている。同様に、電極152b
は、切欠151b,151f間を結ぶように、かつこれ
らの切欠151b,151f内に至るように形成されて
いる。電極152cについても、切欠151cと切欠1
51gとを結ぶ方向に延ばされており、かつこれらの切
欠151c,151g内に至るように形成されている。
【0102】基板151の上面中央には、弾性接着剤1
53が付与されている。また、弾性接着剤153と所定
距離を隔てて、弾性接着剤154,154が付与されて
いる。
【0103】基板151の上面には、上記弾性接着剤1
53,154を介して幅拡がりモードを利用したコンデ
ンサ内蔵圧電発振子155が固定される。圧電発振子1
55は、圧電板156を用いて構成されている。圧電板
156では、比b/aが、前述した式(1)を満たす値
を中心として±10%の範囲内となるように、比b/a
が選ばれている。
【0104】圧電板156の上面中央には、共振電極1
57が形成されている。また、上面の外周縁には、容量
取り出しのための矩形枠状の電極158が形成されてい
る。圧電板156の下面には電極159が全面に形成さ
れている。従って、圧電発振子155では、共振電極1
57と裏面の電極159とに交流電圧を印加することに
より、幅拡がりモードで圧電板156を励振させること
ができ、かつ電極158と電極159との間の容量が負
荷されたコンデンサ内蔵型圧電発振子として動作させる
ことができる。
【0105】上記共振電極157は、図示しないリード
線により電極152aに、電極158は図示しないリー
ド線により電極152bに、下面の電極159は図示し
ないリード線により電極152cに電気的に接続され
る。また、上記圧電発振子155は、幅拡がりモードで
励振されるが、弾性接着剤154,154は、圧電発振
子155を基板151に固定するに際し、圧電板156
の短辺側側面中央近傍において圧電板156と基板15
1とを接合する。同様に、弾性接着剤153は圧電板1
56の下面中央において圧電板156と基板151とを
接合する。よって、弾性接着剤153,154は幅拡が
りモードの振動のノード部において圧電発振子155を
接合しているため、上記接合構造による圧電発振子15
5の特性の劣化は生じ難い。
【0106】本実施形態においても、圧電発振子155
を基板151に固定した後で、第1の実施形態で用いた
のと同様のキャップが圧電発振子155を覆うように基
板151に固定され、それによってチップ型のコンデン
サ内蔵型圧電発振子が提供される。
【0107】なお、図16に示した構造と、図14に示
した構造とを比較すれば、圧電共振子の振動モードが異
なることを除いてはほぼ同様である。すなわち、コンデ
ンサ内蔵型圧電発振子と、1素子を用いた圧電フィルタ
は、同様の電極構造を有することがわかる。従って、図
16に示した本実施形態のコンデンサ内蔵型圧電発振子
は、そのまま、電極152aを入力端、電極152cを
出力端、電極152bをグラウンド電位に接続すること
により、圧電フィルタとして動作させ得る。逆に、図1
4に示した構造は、そのままコンデンサ内蔵型圧電発振
子として用いることができる。
【0108】第8の実施形態 図17及び図18は、本発明の第8の実施形態に係る圧
電フィルタを説明するための分解斜視図及び斜視図であ
る。
【0109】本実施形態では、細長い矩形板状の基板1
61上に、弾性接着剤163を介して長さモードを利用
した圧電フィルタ素子162が固定される。基板161
は、アルミナもしくは合成樹脂などの絶縁性材料により
構成されている。基板161の一方の長辺側側面には、
切欠161a〜161cが形成されている。他方の長辺
側側面には、切欠161d,161e,161fが形成
されている。
【0110】切欠161a近傍においては、基板161
の上面に電極164aが形成されており、該電極164
aは切欠161a内に延びるように形成されている。同
様に、切欠161bの近傍には、電極165aが形成さ
れており、電極165aは、切欠161b内に至るよう
に形成されている。さらに、電極165aは、切欠16
1a近傍にまで延ばされており、かつ切欠161f内に
も至るように形成されている。さらに、切欠161c,
161d,161e近傍には、基板上面に、電極164
c,164d,164eがそれぞれ形成されている。
【0111】他方、圧電フィルタ素子162は、細長い
矩形板状の圧電板166を用いて構成されている。圧電
板166の上面には、溝167がその長さ方向に延びる
ように形成されている。圧電板166は厚み方向に一様
に分極処理されており、本実施形態では、チタン酸ジル
コン酸鉛系圧電セラミックスにより構成されている。
【0112】圧電板166の上面においては、溝167
の両側に、それぞれ、第1,第2の共振電極168a,
168bが形成されている。また、圧電板166の下面
には、全面に共振電極168cが形成されている。従っ
て、共振電極168aを入力端もしくは出力端として用
い、共振電極168bを出力端もしくは入力端として用
い、共振電極168cをグラウンド電位に接続すること
により、長さモードを利用した帯域フィルタとして動作
させることができる。
【0113】長さモードを利用した圧電フィルタ素子1
62では、その長さ方向中央部に振動のノード部が位置
する。従って、本実施形態では、弾性接着剤163が、
圧電フィルタ素子162の下面の長さ方向中央領域と、
基板161とを接合するように、圧電フィルタ素子16
2が基板161上に弾性接着剤163を介して接合され
る。
【0114】よって、本実施形態においても、圧電フィ
ルタ素子162の固定構造による圧電フィルタ素子16
2の減衰量−周波数特性の劣化は、生じ難い。圧電フィ
ルタ素子162と基板161上の電極164a〜164
eとの接続は、図18に示す柔軟性を有するリード線1
69a〜169cで行われる。
【0115】すなわち、リード線169aにより、共振
電極168aと電極164aとが電気的に接続されてい
る。また、共振電極168bは、リード線169bによ
り電極164cに電気的に接続されている。さらに、共
振電極168cは、リード線169cにより電極165
aに電気的に接続されている。従って、電極164aを
入力端に、電極164cを出力端に接続し、電極165
aをグラウンド電位に接続することにより、圧電フィル
タとして動作させることができる。なお、図17に示し
た電極164d,164eはダミーの電極を示し、プリ
ント回路基板上のダミーの電極ランドに半田で接合する
ことにより、本実施形態の圧電フィルタの実装強度を高
めることができる。
【0116】また、図18では図示を省略してあるが、
基板161上に、図示しないキャップが圧電フィルタ素
子162を覆うようにして取り付けられ、かつ基板16
1の上面に固定される。
【0117】第9の実施形態 図19及び図20を参照して、本発明の第9の実施形態
に係るラダー型フィルタを説明する。
【0118】本実施形態では、図19に分解斜視図で示
す4個の圧電共振子が用いられる。図19を参照して、
4個の圧電共振子181〜184は、第1の実施形態で
用いた圧電共振子31〜34と同様に、幅拡がりモード
を利用した圧電共振子である。
【0119】圧電共振子181は、図4に示した圧電共
振子31とほぼ同様に構成されている。従って、同一部
分については、同一の参照番号を付することによりその
説明を省略する。圧電共振子181が、圧電共振子31
と異なるところは、圧電板35の一方の側面に、引き出
し電極37と電気的に接続されるように電極185が形
成されていることにある。
【0120】また、圧電共振子181の上方に積層され
る圧電共振子182は、矩形の圧電板186を用いて構
成されている。圧電板186は、図4に示した圧電板4
0と同様に構成されている。圧電板186の上面には、
共振電極187が形成されている。共振電極187は、
圧電板186の一方の側縁186aには至らないように
形成されている。また、共振電極187は、側面に形成
された引き出し電極188と連ねられている。また、圧
電板186の下面においては、共振電極187と表裏対
向するように共振電極が形成されている。この圧電板1
86の下面に形成された共振電極は、側縁186bには
至らないように形成されている。すなわち、引き出し電
極188とは電気的に接続されないように、側縁186
bから所定の幅のギャップ領域を隔てて形成されてい
る。さらに、下面の共振電極は、引き出し電極188が
形成されている側面とは反対側の側面に形成された引き
出し電極に連ねられている。
【0121】また、圧電板186の厚みは、圧電共振子
181の圧電板35の厚みよりも薄くされている。圧電
共振子183は、圧電共振子182と同様に構成されて
いる。すなわち、矩形の圧電板189の上面に共振電極
190を、側面に共振電極190と連ねられる引き出し
電極191を形成した構造を有する。また、圧電板18
9の下面には、他方の共振電極が形成されており、該他
方の共振電極が、引き出し電極191と反対側の側面に
形成された引き出し電極に連ねられている。
【0122】圧電共振子184は、圧電共振子181と
同様に構成されている。上記圧電共振子181〜184
のうち、圧電共振子181,184がラダー型フィルタ
の直列共振子を、圧電共振子182,183が並列共振
子を構成している。
【0123】製造に際しては、図19に示すように、圧
電共振子181と圧電共振子182とが、弾性接着剤1
92,193を介して接合される。弾性接着剤192
は、圧電共振子181の上面の中央と、圧電共振子18
2の下面の中央とを接合している。また、弾性接着剤1
93,193は、圧電共振子181,182の短辺側の
側面略中央領域近傍において、圧電共振子181の上面
と圧電共振子182の下面とを接合している。すなわ
ち、弾性接着剤192,193は、幅拡がりモードを利
用した圧電共振子181,182をそれぞれの振動のノ
ード部において接合している。同様に、圧電共振子18
2と圧電共振子183とは、弾性接着剤194,195
を介して接合されている。さらに、圧電共振子183と
圧電共振子184とは、弾性接着剤196,197を介
して接合される。
【0124】このようにして、図20に示す積層体19
8が構成されている。基板199と積層体198内の最
下層の圧電共振子181とは、上記弾性接着剤192,
193と同様に、圧電共振子181の振動のノード部に
配置された弾性接着剤により接合されている。また、こ
の弾性接着剤の厚みは、所定の空隙を圧電共振子181
と基板199との間に形成するように付与されている。
従って、第1の実施形態と同様に、基板上に複数の圧電
共振子からなる積層体を、各圧電共振子の振動を妨げな
い状態で積層して一体化した構造が得られる。
【0125】さらに、基板199上には、電極200a
〜200eが形成されている。電極200a〜200e
と、圧電共振子181〜184との間の電気的接続は、
第1の実施形態と同様にして行われる。すなわち、第1
の実施形態と同様に4個の圧電共振子を電気的に接続す
ることにより、本実施形態においても図5に示す2段の
ラダー型フィルタが構成されている。もっとも、本実施
形態のラダー型フィルタでは、第1の実施形態とは異な
り、圧電共振子と基板上の電極との電気的接続が、柔軟
性を有するリード線ではなく、平坦なリボン線201a
〜201dにより行われていることにある。その他の点
については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な
説明は省略する。
【0126】本実施形態のラダー型フィルタから明らか
なように、本発明における柔軟な導体としては、第1の
実施形態で用いた柔軟性を有する線材に限らず、リボン
線などの平坦な柔軟性を有する金属材により構成しても
よい。
【0127】また、本実施形態のラダー型フィルタから
明らかなように、各圧電共振子181〜184と基板1
99上の電極200a〜200cとの電気的接続は、圧
電共振子181〜184の側面に形成された電極18
5,188,191をなどを用いて行ってもよく、従っ
て、上記のような平坦な導体であるリボン線201a〜
200dを用いて、確実に圧電共振子181〜184と
基板上の電極200a〜200cとを接続することがで
きる。
【0128】第10の実施形態 図21及び図22は本発明の第10の実施形態に係るラ
ダー型フィルタを説明するための図である。
【0129】本実施形態では、図19及び図20に示し
た実施形態と同様に、圧電共振子の端面を利用して基板
上の電極との電気的接続が果たされている。図21を参
照して、本実施形態では、4個の圧電共振子211〜2
14が用いられ、これらが積層されて積層体が構成され
る。また、圧電共振子211〜214は、何れも前述し
た幅拡がりモードを利用した圧電共振子であり、従っ
て、使用している圧電板は、第1の実施形態で用いた圧
電共振子の圧電板と同様に構成されている。
【0130】圧電共振子211では、圧電板215の上
面中央に共振電極216が形成されている。共振電極2
16は、圧電板215の一方の側面に延ばされた引き出
し電極217に電気的に接続されている。また、圧電板
215の下面には、共振電極216と表裏対向する位置
に共振電極が形成されており、この共振電極が圧電板2
15の側面に形成された引き出し電極218に電気的に
接続されている。すなわち、圧電共振子211では、圧
電共振子211を後述の基板上の電極と電気的に接続す
るために、側面に引き出し電極217,218が形成さ
れている。
【0131】同様に、圧電共振子212では、圧電板2
19の上面に共振電極220が形成されており、該共振
電極220が圧電板219の側面に形成された引き出し
電極221に電気的に接続されている。さらに、共振電
極220と表裏対向する位置に共振電極が形成されてお
り、該共振電極が圧電板219の側面に形成された引き
出し電極222に電気的に接続されている。
【0132】圧電共振子213は、圧電共振子212と
同様に構成されている。また、圧電共振子214は、圧
電共振子211と同様に構成されている。圧電共振子2
11〜214は、弾性接着剤223を介して相互に接合
されて、図22に示す積層体230を構成している。弾
性接着剤223は、下方の圧電共振子の上面中央と、上
方に配置される圧電共振子の下面中央とを接合するよう
に配置されている。また、弾性接着剤223は、上下の
圧電共振子間に空隙を形成するために、所定の厚みを有
するように構成されている。図22を参照して、上記の
ようにして得られた積層体230が、基板231上に弾
性接着剤232を介して接合される。弾性接着剤232
は、圧電共振子211の下面中央に当接するように付与
されている。
【0133】従って、上記弾性接着剤232,223を
介して4個の圧電共振子211〜214が基板231上
において固定されるが、第1の実施形態の場合と同様
に、固定構造によって圧電共振子211〜214の特性
が劣化するおそれがない。
【0134】本実施形態の特徴は、上記圧電共振子21
1〜214と、基板231上に形成された電極233a
〜233cとの電気的接続が、各圧電共振子211〜2
14の側面に形成された引き出し電極217,218,
221,222並びに図22に右側に示すフレキシブル
配線基板234を用いて行われていることにある。フレ
キシブル配線基板234は、例えばポリイミドなどの柔
軟性を有する合成樹脂フィルムを基材とし、該基板の一
方面に所定の配線パターン235を形成した構造を有す
る。配線パターン235は、図22では略図的に示され
ているが、4個の圧電共振子211〜214が図5に示
した2段のラダー型フィルタを構成するように、引き出
し電極217,218,221,222と、電極233
a〜233cとを電気的に接続している。
【0135】フレキシブル配線基板234は、圧電共振
子211〜214の引き出し電極217,218,22
1,222に半田付けされ、同様にフレキシブル配線基
板234は、基板231上の電極233a〜233cに
も半田付けされる。このようにフレキシブル配線基板2
34は、半田付けにより圧電共振子211〜214及び
基板231上の電極233a〜233cに接合されてい
るが、フレキシブル配線基板234自身が十分な柔軟性
を有するため、上記半田による接合によって、圧電共振
子211〜214の共振特性が劣化するおそれは非常に
少ない。
【0136】図22に示した実施形態から明らかなよう
に、本発明における柔軟性を有する導体は、フレキシブ
ル配線基板234のように、柔軟性を有する基材上に所
定の電気的配線パターンを形成したものであってもよ
い。
【0137】第11の実施形態 図23及び図24は、本発明の第11の実施形態に係る
ラダー型フィルタを説明するための図である。
【0138】図23に示すように、本実施形態では、4
個の圧電共振子241〜244が積層されて積層体が構
成される。圧電共振子241〜244は、それぞれ、正
方形の圧電板の拡がりモードを利用した圧電共振子であ
る。
【0139】圧電共振子241は、平面形状が正方形の
圧電板245を用いて構成されている。圧電板245は
厚み方向に分極処理されている。圧電板245の上面中
央には、共振電極246が形成されている。また、共振
電極246に電気的に接続されるように、一方側縁に沿
うように引き出し電極247が形成されている。
【0140】特に図示はしないが、圧電板245の下面
においても、共振電極246と表裏対向する位置に共振
電極が形成されており、かつ引き出し電極247とは反
対側の側面側の端縁に沿うように引き出し電極が形成さ
れている。
【0141】圧電共振子242は、圧電板245よりも
厚みの薄い圧電板248を用いて構成されている。圧電
板248の上面には共振電極249が全面に形成されて
いる。特に図示はしないが、下面にも全面に共振電極が
形成されている。圧電共振子243は、圧電共振子24
2と同様に構成されている。また、圧電共振子244
は、圧電共振子241と同様に構成されている。
【0142】上記圧電共振子241,244がラダー型
フィルタの直列共振子として、圧電共振子242,24
3が並列共振子として用いられ、後述のように電気的に
接続されて、図5に示した2段のラダー型フィルタを構
成している。
【0143】また、圧電共振子241〜244は、それ
ぞれ、上下の圧電共振子の主面中央を接着するように配
置された弾性接着剤250により相互に接合されて、図
24に示す積層体251を構成している。積層体251
では、上面の電極構造は図示を省略してある。弾性接着
剤250は、第1の実施形態で用いた弾性接着剤と同様
に、上下の圧電共振子間に振動を妨げないための空隙を
形成するように厚みに付与されており、かつそれ自身が
弾力性を有する。
【0144】また、本実施形態では、上記圧電共振子2
41〜244が積層されて構成された積層体251が、
平板上の金属部材によりなる端子板253上に弾性接着
剤256を介して固定される。弾性接着剤256は、圧
電共振子241の下面中央と端子板253とを接合する
ように設けられている。従って、図24に示す積層体2
51を端子板253に固定した状態において、圧電共振
子241の振動が妨げるおそれはない。
【0145】すなわち、本実施形態では、本発明の基板
が、端子部253aを有する金属板からなる端子板25
3により構成されている。また、端子板253以外に、
端子板252,254,255が図23に示すように並
設されている。組み立てに際しては、図23に示すよう
に配置された端子板252〜255を配置しておき、端
子板253上に上記積層体251を弾性接着剤256を
介して接合する。
【0146】また、圧電共振子241〜244と、端子
板252〜255との間の電気的接続は、図24に示す
ように、リード線257a〜257dを用いて行われ
る。すなわち、圧電共振子241の引き出し電極247
がリード線257aにより端子板254に電気的に接続
されている。圧電共振子241の下面の共振電極は、図
示しないリード線により端子板253に電気的に接続さ
れている。また、圧電共振子242の共振電極249
は、リード線257bにより端子板252に電気的に接
続されている。圧電共振子242の下面の共振電極は、
図示しないリード線により端子板252に電気的に接続
されている。
【0147】圧電共振子243の上面の共振電極249
は、端子板253にリード線257cにより電気的に接
続されている。圧電共振子243の下面の共振電極は端
子板252に電気的に接続されている。さらに、圧電共
振子244の上面の共振電極246はリード線257d
により端子板255に電気的に接続されている。圧電共
振子244の下面の共振電極は図示しないリード線によ
り端子板253に電気的に接続されている。
【0148】従って、端子板255を入力端として、端
子板254を出力端として用い、端子板252を基準電
位に接続することにより、図4に示した2段のラダー型
フィルタとして動作させることができる。なお、端子板
253は、上記圧電共振子間の電気的接続を果たす配線
部分としての機能を果たしている。
【0149】本実施形態では、上記のように、端子板2
52〜255が設けられたリード付きの電子部品として
ラダー型フィルタが構成されている。実際には、図24
に略図的に示すように、上記端子板252〜255を配
置し、端子板253上に積層体251を固定し、上記電
気的接続を行い、さらに周囲にパラフィンワックスを塗
布し、さらに熱硬化性樹脂を用いて周囲を被覆し、加熱
・硬化させることにより、樹脂外装258を形成する。
このようにして、樹脂外装258が施されたリード端子
付き電子部品として、ラダー型フィルタを提供すること
ができる。
【0150】第12の実施形態 第11の実施形態は、端子板を用いて基板を構成し、そ
の上に4個の圧電共振子を積層してラダー型フィルタを
構成したものであったが、本発明においては、端子板を
基板として用いて圧電発振子を構成することも可能であ
る。このような例を、図25及び図26を参照して説明
する。
【0151】本実施形態では、基板として金属板よりな
る端子板261と、端子板262とが用いられている。
端子板261では、素子載置部261aがある程度の面
積を有するように構成されており、該素子載置部261
aから一方側に延ばされた端子部261bが形成されて
いる。素子載置部261aの中央には、弾性接着剤26
3が付与されている。この弾性接着剤263を用いて、
上方に配置された圧電共振子264が固定される。圧電
共振子264は、平面形状が正方形の圧電板265の上
面に共振電極266を、下面にも全面に共振電極(図示
されず)を形成した構造を有する。また、圧電板265
は厚み方向に分極処理されている。
【0152】圧電共振子264の下面中央が弾性接着剤
263により基板としての端子板261に固定される また、図26に示すように、リード線267aにより共
振電極266が端子板262に電気的に接続される。下
面の共振電極については、図示されないリード線により
端子板261に電気的に接続される 製造に際しては、図26に示すように、端子板261,
262上に圧電共振子264を固定し、上記リード線に
よる電気的接続作業を終えた後に、周囲を樹脂外装26
8で被覆する。この樹脂外装268は、前述した第10
の実施形態と同様に、端子板261,262の端子引き
出し部分を除いた残りの部分の周囲にパラフィンワック
スを付与し、さらに熱硬化性樹脂で周囲を被覆した後、
加熱することにより形成される。
【0153】第12の実施形態の変形例 図27は、第12の実施形態の変形例を示す。本変形例
では、正方形板の幅拡がりモードを利用した圧電共振子
に代えて幅拡がりモードを利用したコンデンサ内蔵型圧
電発振子271が用いられる。圧電発振子271では、
比b/aが式(1)を満たす値を中心として±10%の
範囲内にある圧電板272を用いて構成されている。圧
電板272の上面には、中央に共振電極273が形成さ
れており、外周縁に沿うように矩形枠状の電極274が
形成されている。また、圧電板272の下面には、全面
に共振電極275が形成されている。
【0154】本変形例においては、3本の端子板276
〜278が用いられる。中央に配置された端子板277
は、ある程度の面積を有する素子載置部277aと、素
子載置部277aから一方側に延ばされた端子引き出し
部277bを有する。素子載置部277aの中央には、
弾性接着剤279が付与される。この弾性接着剤279
により、圧電共振子271の下面中央領域が端子板27
7に固定される。
【0155】電気的接続は、共振電極273を図示しな
いリード線により端子板276に、電極274を図示し
ないリード線により端子板278に、下面の共振電極2
75を図示しないリード線により端子板277に接合す
ることにより行われる。
【0156】しかる後、第12の実施形態と同様に、周
囲に樹脂外装を施すことにより、幅拡がりモードを利用
したコンデンサ内蔵型圧電発振子をリード付き電子部品
として提供することができる。
【0157】本変形例から明らかなように、コンデンサ
内蔵型圧電発振子やフィルタ(圧電発振子271と全く
同一の構造でフィルタとして用いることができる。)に
ついても、端子板からなる基板を用いてリード付き電子
部品として構成することができる。
【0158】また、図27に示した変形例では、幅拡が
りモードを利用したコンデンサ内蔵型圧電発振子271
を用いた例につき説明したが、正方形板の拡がりモード
を利用したコンデンサ内蔵型圧電発振子についても、同
様にリード付き電子部品として構成することができる。
このような例を、図28に示す。
【0159】すなわち、図28に示すように、本変形例
では、正方形板の幅拡がりモードを利用した圧電発振子
281が用いられている。この圧電発振子281は平面
形状が正方形の圧電板282を用いたことを除いては、
圧電共振子271と同様に構成されている。従って、相
当の部分については相当の参照番号を付することによ
り、その説明を省略する。本変形例においても、圧電発
振子281は、端子板277上に弾性接着剤283を用
いて固定される。もっとも、本変形例では、弾性接着剤
283は弾性を有するだけでなく導電性をも有するよう
な材料で構成されている。このような導電性を有する弾
性接着剤としては、例えば導電性シリコン樹脂からなる
接着剤が挙げられる。弾性接着剤283により、圧電発
振子281の下面の共振電極275が端子板277に固
定されるだけでなく、該共振電極275と端子板277
との電気的接続も果たされる。従って、図28に示す変
形例では、図27に示した変形例の場合に比べて、電気
的接続に必要な柔軟な導体の数を1つ減らすことができ
る。
【0160】第13の実施形態 図29は、本発明の第13の実施形態に係るラダー型フ
ィルタを説明するための分解斜視図である。
【0161】本実施形態では、ラダー型フィルタを構成
するために、幅拡がりモードを利用した4個の圧電共振
子301〜304が積層される。圧電共振子301〜3
04は、幅拡がりモードを利用したものであり、それぞ
れ、比b/aが前述した式(1)を満たす値を中心とし
て±10%の範囲内である圧電板を用いて構成されてい
る。
【0162】圧電共振子301は、矩形の圧電板305
の上面中央に共振電極306を形成した構造を有する。
特に図示はしないが、圧電板305の下面においても共
振電極306と表裏対向するように共振電極が形成され
ている。共振電極306は、それぞれ、短辺側の側縁に
至るように形成された引き出し電極307a,307b
に連ねられている。引き出し電極307bは、柔軟性を
有する導体としての金属ワイヤ308に電気的に接続さ
れている。また、引き出し電極307bと金属ワイヤ3
08との接合部分を覆うように絶縁性接着剤309が塗
布されている。
【0163】圧電共振子302は、圧電板305よりも
薄い圧電板310を用いて構成されている。圧電板31
0の上面には共振電極311が全面に形成されている。
下面にも、全面に共振電極が形成されている。共振電極
311は、柔軟性を有する導体としての金属ワイヤ31
2に電気的に接続されている。また、絶縁性接着剤31
3が金属ワイヤ312と共振電極311との接合部分を
覆うように付与されている。
【0164】圧電共振子303は、圧電共振子302と
同様に構成されている。もっとも、ここでは、共振電極
311に接続される金属ワイヤ314が、圧電共振子3
02に接続された金属ワイヤ312とは異なる位置に引
き出されている。
【0165】圧電共振子304は、圧電共振子301と
同様に構成されている。もっとも、金属ワイヤ315
は、下方に設けられている金属ワイヤ308,312,
314とは異なる位置に引き出されている。
【0166】上記圧電共振子301〜304は、圧電共
振子の主面中央において、導電性を有する弾性接着剤3
16,317,318により相互に接合されて、積層体
を構成する。弾性接着剤316〜138は、導電性シリ
コンのような弾力性を有する導電性接着剤で構成されて
いるため、上記弾性接着剤316〜318を介して接合
される上下の共振電極が電気的に接続される。同様に、
圧電共振子301の下面の共振電極(図示されず)は、
宙に浮いた状態で図示されている導電性を有する弾性接
着剤319により基板320の上面に固定されるととも
に、圧電共振子301の下面の共振電極が基板320上
の電極320aに電気的に接続される。
【0167】基板320は、アルミナなどの絶縁性セラ
ミックスもしくは合成樹脂よりなり、上面に上記電極3
20aの他に、電極320b〜320gを形成した構造
を有する。
【0168】本実施形態では、上記圧電共振子301〜
304からなる積層体を基板320上に接合するに際
し、弾性接着剤319だけでなく絶縁性を有する弾性接
着剤321,322も用いられる。弾性接着剤321,
322は、圧電共振子301の短辺側側面略中央近傍に
おいて、圧電共振子301の下面を基板320に対して
接合している。すなわち、振動のノード部において、圧
電共振子301を基板320に固定している。
【0169】従って、本実施形態においても、基板32
0上に、上記圧電共振子301〜304からなる積層体
を固定した状態において、各圧電共振子の特性が妨げら
れることはない。
【0170】また、本実施形態では、合成樹脂などより
なる絶縁性の矩形枠状のスペーサ323が基板320上
に接着剤を用いて固定される。このスペーサ323は、
キャップが金属であった場合の絶縁用として設けられて
いる。また、特に図示はしないが、上述した圧電共振子
301〜304からなる積層体を覆うようにキャップが
上記基板320に固定されている。
【0171】本実施形態では、圧電共振子301〜30
4は、図5に示したラダー型フィルタを構成するように
電気的に接続される。この電気的接続は、上述した金属
ワイヤ308,312,314,315を、電極320
b〜320dにそれぞれ接合することにより行われ、か
つ各圧電共振子間の電気的接続は、前述した弾力性を有
する導電性接着剤よりなる弾性接着剤316〜319に
よっても行われる。
【0172】このように、本実施形態では、弾性接着剤
316〜319が電気的接続機能をも果たすため、圧電
共振子301〜304の電気的接続に必要な柔軟性を有
する導体の数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のラダー型フィルタの構造を説明するため
の模式的分解斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るチップ型ラダー
型フィルタを説明するための分解斜視図。
【図3】図2に示したラダー型フィルタの断面図。
【図4】第1の実施形態のラダー型フィルタに用いられ
る基板及び圧電共振子を説明するための分解斜視図。
【図5】ラダー型フィルタの回路構成を示す回路図。
【図6】第2の実施形態に係るラダー型フィルタを説明
するための分解斜視図。
【図7】第2の実施形態のラダー型フィルタの外観を示
す斜視図。
【図8】第3の実施形態に係る圧電発振子を説明するた
めの分解斜視図。
【図9】第3の実施形態に係る圧電発振子を示す斜視
図。
【図10】第4の実施形態に係る圧電発振子を説明する
ための斜視図。
【図11】本発明の第3の実施形態の変形例に係る圧電
発振子を説明するための分解斜視図。
【図12】第3の実施形態の圧電発振子の他の変形例を
説明するための斜視図。
【図13】第3の実施形態の圧電発振子のさらに他の変
形例を説明するための分解斜視図。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る圧電フィルタ
を説明するための分解斜視図。
【図15】本発明の第6の実施形態に係る圧電フィルタ
を説明するための分解斜視図。
【図16】本発明の第7の実施形態に係るコンデンサ内
蔵型圧電発振子を説明するための分解斜視図。
【図17】本発明の第8の実施形態に係る圧電フィルタ
を説明するための分解斜視図。
【図18】第8の実施形態に係る圧電フィルタを説明す
るための斜視図。
【図19】本発明の第9の実施形態に係るラダー型フィ
ルタを説明するための分解斜視図。
【図20】第9の実施形態に係るラダー型フィルタの要
部を示す斜視図。
【図21】本発明の第10の実施形態に係るラダー型フ
ィルタを説明するための分解斜視図。
【図22】第10の実施形態のラダー型フィルタにおい
て基板上に積層体を固定する工程を説明するための分解
斜視図。
【図23】本発明の第11の実施形態に係るラダー型フ
ィルタを説明するための分解斜視図。
【図24】第11の実施形態に係るラダー型フィルタを
説明するための斜視図。
【図25】本発明の第12の実施形態に係るリード付き
電子部品として構成されている圧電発振子を説明するた
めの分解斜視図。
【図26】本発明の第12の実施形態に係る圧電発振子
を説明するための斜視図。
【図27】本発明の第12の実施形態の変形例であり、
幅拡がりモードを利用したコンデンサ内蔵型圧電発振子
を説明するための分解斜視図。
【図28】本発明の第12の実施形態の他の変形例を示
し、拡がりモードを利用したコンデンサ内蔵型圧電発振
子を説明するための分解斜視図。
【図29】本発明の第13の実施形態に係るラダー型フ
ィルタを説明するための分解斜視図。
【符号の説明】
21…ラダー型フィルタ 22…基板 23…積層体 25〜29…電極 31〜34…圧電共振子 51〜54…弾性接着剤 55a〜55h…柔軟性を有する導体としてのリード線 62…基板 66〜69…電極 82…基板 83…圧電共振子 84…キャップ 85,86…電極 90,91…弾性接着剤 92,93…リード線(柔軟性を有する導体) 101…圧電発振子 102…基板 111…圧電共振子 112…圧電板 115〜118…弾性接着剤 121…圧電共振子 125…基板 126…弾性接着剤 127,128…電極 131…基板 132…圧電共振子 133…弾性接着剤 134a〜134c…電極 140…弾性接着剤 141…圧電共振子 151…基板 152a〜152c…電極 153,154…弾性接着剤 155…コンデンサ内蔵型圧電発振子 161…基板 162…圧電フィルタ素子 163…弾性接着剤 164a〜164e…電極 181〜184…圧電共振子 192,193,194,195,196,197…弾
性接着剤 198…積層体 199…基板 200a〜200e…電極 201a〜201d…リボン線(柔軟性を有する導体) 211〜214…圧電共振子 223…弾性接着剤 230…積層体 231…基板 232…弾性接着剤 233a〜233c…電極 234…フレキシブル基板(柔軟性を有する導体) 241〜244…圧電共振子 250…弾性接着剤 251…積層体 253…端子板(基板) 256…弾性接着剤 261…端子板(基板) 263…弾性接着剤 264…圧電共振子 271…コンデンサ内蔵型圧電発振子 277…端子板(基板) 279…弾性接着剤 281…圧電発振子 283…導電性を有する弾性接着剤 301〜304…圧電共振子 308,312,314,315…金属ワイヤ(柔軟性
を有する導体) 316〜319…導電性を有する弾性接着剤 320…基板 320a〜320d…電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0166
【補正方法】変更
【補正内容】
【0166】上記圧電共振子301〜304は、圧電共
振子の主面中央において、導電性を有する弾性接着剤3
16,317,318により相互に接合されて、積層体
を構成する。弾性接着剤316〜318は、導電性シリ
コンのような弾力性を有する導電性接着剤で構成されて
いるため、上記弾性接着剤316〜318を介して接合
される上下の共振電極が電気的に接続される。同様に、
圧電共振子301の下面の共振電極(図示されず)は、
宙に浮いた状態で図示されている導電性を有する弾性接
着剤319により基板320の上面に固定されるととも
に、圧電共振子301の下面の共振電極が基板320上
の電極320aに電気的に接続される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内変形を主体とする面振動モードを利
    用した圧電共振子と、 前記圧電共振子に電気的に接続される電極を有し、かつ
    前記圧電共振子がその上に載置される基板と、 前記圧電共振子の面振動モードのノード点及びノード点
    と同程度に変位が少ない部分の少なくとも一方と、前記
    基板とを固定するように配置された弾性接着剤と、 前記圧電共振子と前記基板上の電極とを電気的に接続す
    るように、前記圧電共振子及び基板に接合された柔軟性
    を有する導体とをさらに備えることを特徴とする、圧電
    共振部品。
  2. 【請求項2】 前記基板が、一方側に延ばされておりか
    つ外部との電気的接続のために用いられる端子部を有す
    る平板状の金属板からなる、請求項1に記載の圧電共振
    部品。
  3. 【請求項3】 前記弾性接着剤が、導電性接着剤である
    請求項1または2に記載の圧電共振部品。
  4. 【請求項4】 前記圧電共振子が、厚み方向に分極され
    た平面形状が矩形の圧電板と、前記圧電板の両主面に形
    成された一対の共振電極とを有する圧電発振子である、
    請求項1に記載の圧電共振部品。
  5. 【請求項5】 前記圧電共振子上に、面振動モードを利
    用した少なくとも1つの他の圧電共振子が、面振動モー
    ドのノード点及びノード点と同程度に変位が少ない部分
    の少なくとも一方の部分において弾性接着剤を介して接
    合されて積層体が構成されている、請求項1に記載の圧
    電共振部品。
  6. 【請求項6】 直列共振子と並列共振子とを有するラダ
    ー型フィルタであって、 直列共振子及び並列共振子を構成するための複数の面振
    動モードを利用した圧電共振子を備え、複数の圧電共振
    子が振動のノード点及びノード点と同程度に変位が少な
    い部分の少なくとも一方において弾性接着剤を介して接
    合されて積層されて積層体を構成しており、 前記積層体がその上に載置され、かつ前記積層体の圧電
    共振子に電気的に接続される電極を有する基板と、 前記積層体の最下層の圧電共振子の振動のノード点及び
    該ノード点と同程度に変位が少ない部分の少なくとも一
    方と、前記基板とを固定するように配置された弾性接着
    剤と、 前記積層体中の圧電共振子と前記基板上の電極とを電気
    的に接続するように、圧電共振子及び基板に接合された
    柔軟性を有する導体とをさらに備えることを特徴とす
    る、ラダー型フィルタ。
JP17246395A 1995-07-07 1995-07-07 圧電共振部品 Pending JPH0923131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17246395A JPH0923131A (ja) 1995-07-07 1995-07-07 圧電共振部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17246395A JPH0923131A (ja) 1995-07-07 1995-07-07 圧電共振部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0923131A true JPH0923131A (ja) 1997-01-21

Family

ID=15942468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17246395A Pending JPH0923131A (ja) 1995-07-07 1995-07-07 圧電共振部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0923131A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107547005A (zh) * 2017-09-14 2018-01-05 苏州迈客荣自动化技术有限公司 一种新型压电陶瓷致动器

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS599623B2 (ja) * 1978-10-23 1984-03-03 ゼネラル インスツルメント コ−ポレ−シヨン 誘導加熱される蒸着装置を冷却する方法およびそのための冷却装置
JPS6259929A (ja) * 1985-09-10 1987-03-16 Casio Comput Co Ltd 液晶光シヤツタ
JPH02134009A (ja) * 1988-11-14 1990-05-23 Toyo Commun Equip Co Ltd 圧電デバイスパッケージの構造
JPH0477013A (ja) * 1990-07-16 1992-03-11 Murata Mfg Co Ltd チップ型圧電共振部品
JPH0576121B2 (ja) * 1988-12-20 1993-10-22 Agabekofu Buranka
JPH05299970A (ja) * 1992-04-17 1993-11-12 Murata Mfg Co Ltd 圧電ラダーフィルタ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS599623B2 (ja) * 1978-10-23 1984-03-03 ゼネラル インスツルメント コ−ポレ−シヨン 誘導加熱される蒸着装置を冷却する方法およびそのための冷却装置
JPS6259929A (ja) * 1985-09-10 1987-03-16 Casio Comput Co Ltd 液晶光シヤツタ
JPH02134009A (ja) * 1988-11-14 1990-05-23 Toyo Commun Equip Co Ltd 圧電デバイスパッケージの構造
JPH0576121B2 (ja) * 1988-12-20 1993-10-22 Agabekofu Buranka
JPH0477013A (ja) * 1990-07-16 1992-03-11 Murata Mfg Co Ltd チップ型圧電共振部品
JPH05299970A (ja) * 1992-04-17 1993-11-12 Murata Mfg Co Ltd 圧電ラダーフィルタ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107547005A (zh) * 2017-09-14 2018-01-05 苏州迈客荣自动化技术有限公司 一种新型压电陶瓷致动器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3114526B2 (ja) チップ型圧電共振部品
JPH08288785A (ja) 幅モードを利用した共振子及び共振部品
JPS6196812A (ja) 電子部品
JP2007274339A (ja) 表面実装型圧電振動デバイス
US5925971A (en) Piezoelectric resonator and electronic component containing same
JPH0923131A (ja) 圧電共振部品
JP2004320297A (ja) 圧電振動デバイス
JP3498568B2 (ja) 圧電振動子ユニットおよび圧電発振器
US6064142A (en) Piezoelectric resonator and electronic component containing same
US6097134A (en) Piezoelectric resonator and electronic component including same
JP3262050B2 (ja) 電子部品およびラダーフィルタ
TWI595748B (zh) 小尺寸壓電音叉共振器
JP3063066B2 (ja) 表面実装型電子部品
JP2002064356A (ja) 圧電振動子
JP3303292B2 (ja) 表面実装型圧電振動デバイス
JP2010213015A (ja) 圧電デバイスおよびその製造方法
JP3077551B2 (ja) 圧電共振部品
JPH11261364A (ja) 電子部品
JPH11112279A (ja) 圧電部品
JPH11251863A (ja) 圧電振動子
JPH0964681A (ja) 圧電共振部品
JPH08265093A (ja) チップ型圧電共振部品
JP4417746B2 (ja) 圧電発振器
JP2005210673A (ja) 表面実装型水晶発振器
JPH1065483A (ja) 圧電共振子及びラダー型フィルタ