JPH09229548A - 冷蔵庫のヒンジ装置、ヒンジ装置の加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷蔵庫の冷蔵庫扉を支えるヒンジ装置では、
冷蔵庫扉のポケット等の収納量が増大すると、ヒンジの
強度を増大させる必要がある。そこで、ヒンジ部品の板
厚を厚くするとヒンジ部品の突起形状部の板厚も同様に
厚くなり、ヒンジ本体が大型化する。 【解決手段】 ヒンジ装置のヒンジ部品４の突起形状部
７を、潰し加工を用いて薄く形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、冷蔵庫の冷蔵庫
扉を冷蔵庫本体に開閉自在に保持するヒンジ装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】図６〜図８は、従来の冷蔵庫の冷蔵庫扉
を支えるヒンジ装置に関する図で、図６は冷蔵庫本体に
設けられた冷蔵庫扉を支えるヒンジ装置の要部斜視図、
図７はヒンジ部の側面図及び正面図、図８はヒンジ部の
側面図及び正面図である。

【０００３】図において、２は冷蔵庫本体の冷蔵庫扉で
あり冷蔵庫本体の前面開口部を覆っている。９は冷蔵庫
扉２の庫内側外周に取り付けた扉パッキン部品である。
１０は冷蔵庫本体の一部で前面を数部屋に仕切る中仕切
り部品、３は冷蔵庫扉２を支える上ヒンジ、４は冷蔵庫
扉２を支え、上ヒンジ３に対向した下ヒンジである。ま
た７は下ヒンジ４の突起形状部である。下ヒンジ４はネ
ジ１１により中仕切り部品１０に締結している。８は冷
蔵庫扉２の下側面を構成するキャップ部品である。１２
はロック部品１４を備えた軸受け部で、キャップ部品８
に取り付けられ、下ヒンジ４と係合している。また、取
っ手部品や、扉内側には食品を収納するための棚やポケ
ットが取り付けられている。１３は冷蔵庫扉の下側に位
置する冷蔵庫下側扉である。

【０００４】従来の冷蔵庫扉を支えるために設けられた
ヒンジ部は上記のように構成され、冷蔵庫扉２はネジ１
１によって冷蔵庫本体に固定された上ヒンジ３、下ヒン
ジ４により支持され、下ヒンジ４のヒンジ軸６を回転の
中心にして開閉する。冷蔵庫扉２が閉じると下ヒンジ４
の突起形状部７と軸受け部１２のロック部品１４が係合
する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の冷
蔵庫の冷蔵庫扉を支えるヒンジ装置では、冷蔵庫扉のポ
ケット等の収納量が増大すると、ヒンジ強度を増大させ
る必要があり、ヒンジの板厚を厚くする。すると、図７
において、掛かる荷重が下ヒンジ４本体部よりも小さい
下ヒンジ４の突起形状部７の板厚も下ヒンジ４本体と同
様に厚くなるので、中仕切り１０に固定するためのネジ
１１の位置を、ネジ締結工具サイズのヒンジ部品への投
影１５で示すと図７の矢印の方向へ移し、ネジ１１の締
結スペースを確保すると、荷重を受けるヒンジの軸部分
からネジ締結部までの距離が大きくなり強度的に不利に
なる。図８もまた従来の形状による下ヒンジ４の側面図
と正面図であるが、ネジ１１の位置を、ネジ締結工具サ
イズのヒンジ部品への投影１５で示すと図８の矢印の方
向へ移し、ネジ１１の締結スペースを確保すると、下ヒ
ンジ４本体が大型化してヒンジの上下に取り付く扉パッ
キン部品９と干渉したりするため扉間隔を広くとらなけ
ればならず意匠性を損ねるという問題点があった。また
異なる板厚の部品を取り付ける方法もあるが、別部品
や、取付け工数が必要である等の問題がある。そこで、
市場の要請による、扉収納量増加に対する十分な強度の
ヒンジを、取付けスペースが少なく、扉間隔が小さく、
部品点数が少なく、意匠的に優れたヒンジ装置を備えた
冷蔵庫を提供すること、またヒンジ取付けの作業性の改
善を行うことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明の第１の発明に
係わる冷蔵庫の冷蔵庫扉を支えるヒンジ装置は、冷蔵庫
の冷蔵庫扉を冷蔵庫本体に開閉自在に保持するヒンジ装
置において、冷蔵庫本体側に設けられたヒンジ部品と、
ヒンジ部品と係合するロック部品を有するとともに冷蔵
庫扉側に設けられた軸受け部と、ロック部品に係合し冷
蔵庫扉の閉状態にて冷蔵庫扉を固定するヒンジ部品の突
起形状部と、を備え、ヒンジ部品の突起形状部は軸受け
部と係合するヒンジ部本体より薄く形成し、ロック部品
はヒンジ部品の突起形状部より厚く形成したものであ
る。

【０００７】この発明の第２の発明に係わる冷蔵庫の冷
蔵庫扉を支えるヒンジ装置は、ロック部品は高分子材料
からなるものである。

【０００８】この発明の第３の発明に係わる冷蔵庫の冷
蔵庫扉を支えるヒンジ装置の加工方法は、ヒンジ部品の
突起形状部を潰し加工により形成するステップを備え、
連続型を用いてヒンジ部品を形成するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】

発明の実施の形態１．図１〜図５はこの発明の実施の形
態の一例を示す図で、図１は冷蔵庫箱体本体、図５はヒ
ンジ部の側面図（左側）と正面図（右側）、図２は冷蔵
庫扉２開閉時のヒンジ装置で、冷蔵庫扉２はネジ１１に
よって冷蔵庫本体１に固定された上ヒンジ３、下ヒンジ
４により支持され、下ヒンジ４のヒンジ軸６を回転の中
心にして開閉する。図３は冷蔵庫扉２が閉状態でのヒン
ジ装置の要部斜視図で、冷蔵庫扉２が閉じると下ヒンジ
４の突起形状部７と軸受け部１２の鍵型形状ロック部１
４が係合し、ロック部品１４が持つ弾性力によって扉の
自閉力を発生させる。例えば自閉力とは、扉を勢いよく
閉めた時に扉が反発する（扉が開く）ことを防ぐ力、ま
た、扉を閉めたとき、扉内（庫内）圧力が上がり、他の
扉内（庫内）に空気が移動しその扉内（庫内）圧力が上
がり扉が開くことを防ぐ力、などがある。図４はロック
部品１４を備えた軸受け部１２を示し、軸受け部１２は
高分子材料からなるものである。また、従来装置と同様
の部分は同一符号で示す。

【００１０】図において、１は冷蔵庫本体であり下板金
部品などによって外郭を構成され、内部空間に発泡ウレ
タンなどの断熱材を充填して製作されている。２は冷蔵
庫本体１の冷蔵庫扉であり冷蔵庫本体１の前面開口部を
覆っている。また、冷蔵庫扉２は板金部品やプラスチッ
ク部品などで外郭を構成され内部には発泡ウレタンなど
の断熱材を充填されている。９は冷蔵庫扉２の庫内側外
周に取り付けた扉パッキン部品である。１０は冷蔵庫本
体１の一部で前面を数部屋に仕切る中仕切り部品、３は
冷蔵庫扉２を支える上ヒンジ、４は冷蔵庫扉２を支え、
上ヒンジ３に対向した下ヒンジで、線材の鍛造によっ
て、板金部品の曲げ加工などによって成形されている。
また７は下ヒンジ４の突起形状部であり、ヒンジ軸６よ
り冷蔵庫扉取っ手側にカシメ加工にて下ヒンジ４と一体
成形されている。下ヒンジ４はネジ１１により中仕切り
部品１０に締結している。８は冷蔵庫扉２の下側面を構
成するキャップ部品であり、プラスチックにより成形さ
れている。１２はプラスチックなどの高分子材料で成形
されたロック部品１４を備えた軸受け部で、キャップ部
品８のヒンジ側に取り付けられ、軸受け部１２のロック
部品１４は、下ヒンジ４の突起形状部７と係合するよう
に角度が調整された鍵型の形状である。また、取っ手部
品や、扉内側には食品を収納するための棚やポケットが
取り付けられている。１３は冷蔵庫扉の下側に位置する
冷蔵庫下側扉である。

【００１１】図５は、本発明による下ヒンジ４の側面図
（左図）と正面図（右図）で、１５はネジ１１の締結に
用いる工具サイズの投影である。冷蔵庫扉のポケット等
の収納量が増大すると、下ヒンジ４の強度を増大させる
必要があり、下ヒンジ４の板厚を厚くすると、下ヒンジ
４の突起形状部７の板厚も同様に厚くなるが、突起形状
部７は掛かる荷重がヒンジ本体部よりも小さいので、下
ヒンジ４本体よりある程度薄く形成しても、必要な強度
を保つことができる。突起形状部７を薄く形成すること
により、図５の正面図に示すように、ネジ締結工具の投
影に干渉しないので新たな部品を取り付ける必要もな
く、ネジ１１を締結するためのスペースが十分とれる。
また、荷重を受けるヒンジ軸６部分からネジ締結部まで
の距離も大きくなることはなく、必要な強度を保つこと
ができる。また、下ヒンジ４本体が大型化することもな
く、下ヒンジ４上下に取り付く扉パッキン部品９と干渉
したりすることもなく、扉間隔（冷蔵庫扉２と冷蔵庫下
側扉１３の間隔）を広くとらずにすみ、意匠性を損ねな
い。掛かる荷重がヒンジ本体部よりも小さいヒンジの突
起形状部をヒンジ本体部よりも薄く成形したので、ネジ
締結が容易になり装置が安価に出来、従来通りの扉間隔
で扉が重くなっても冷蔵庫強度が保てるので意匠性にも
優れた冷蔵庫を提供することができる。図４は軸受け部
１２の斜視図であり、軸受け部１２の鍵型形状ロック部
１４は特に厚く成形し、下ヒンジ４の突起形状部７に対
して２倍程度とする。これは冷蔵庫を使用した時、万一
の突起形状部７の磨耗や突起形状部７と鍵型形状部１４
が板厚方向でずれて機能しなくなることを防止するなど
長期使用に耐えるためのものである。

【００１２】次に本発明のヒンジの製作方法について述
べる。本発明によるヒンジは板金の連続型によって製作
される。連続型とは複数のステージを持つ１つの金型
で、曲げ、穴あけなど複数の工程を行うもので、ヒンジ
部品の突起形状部７はこの連続型の複数のステージのう
ち一ステージを用いた潰し加工により形成する。連続型
で部品を完成できるので、曲げや穴あけの加工の度に金
型を交換する必要がなくなり作業性が良くなる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したとおり第１の発明に係わる
ヒンジ装置は、冷蔵庫の冷蔵庫扉を冷蔵庫本体に開閉自
在に保持するヒンジ装置において、冷蔵庫本体側に設け
られたヒンジ部品と、ヒンジ部品と係合するロック部品
を有するとともに冷蔵庫扉側に設けられた軸受け部と、
ロック部品に係合し冷蔵庫扉の閉状態にて冷蔵庫扉を固
定するヒンジ部品の突起形状部と、を備え、ヒンジ部品
の突起形状部は軸受け部と係合するヒンジ部本体より薄
く形成し、ロック部品はヒンジ部品の突起形状部より厚
く形成したものであるから、冷蔵庫本体へのヒンジ部品
取り付けスペースが少なく、扉間隔を小さくとることが
でき、また、冷蔵庫を使用したとき、万一の突起形状部
の磨耗や突起部と鍵型形状ロック部が板厚方向でずれて
機能しなくなることを防止するなど長期使用に耐えるこ
とができる。

【００１４】また第２の発明に係わる冷蔵庫のヒンジ装
置は、ロック部品は高分子材料からなるものであるの
で、ロック部品が持つ弾性力によって冷蔵庫扉の自閉力
を発生させる。

【００１５】また第３の発明に係わる冷蔵庫のヒンジ装
置の加工方法は、ヒンジ部品の突起形状部を潰し加工に
より形成するステップを備え、連続型を用いてヒンジ部
品を形成するものなので、作業性が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷蔵庫本体の斜視図。

【図２】本発明の冷蔵庫扉開閉時のヒンジ装置を示す
図。

【図３】本発明の冷蔵庫の冷蔵庫扉を支えるヒンジ装置
の要部斜視図。

【図４】本発明の軸受け部を示す斜視図。

【図５】本発明による冷蔵庫に使用するヒンジ部の側面
図、正面図

【図６】従来の冷蔵庫の冷蔵庫扉を支えるヒンジ装置の
要部斜視図。

【図７】従来の冷蔵庫のヒンジ部の側面図、正面図。

【図８】従来の冷蔵庫のヒンジ部の側面図、正面図。

【符号の説明】

１ 冷蔵庫本体、２冷蔵庫扉、３ 上ヒンジ、４ 下ヒ
ンジ、５ ヒンジ本体部、 ６ヒンジ軸、７ 突起形状
部、８ 冷蔵庫扉下側キャップ部品、９ 扉パッキン部
品、１０ 中仕切り部品、１１ ネジ、１２ ロック部
品を備えた軸受け部、１３ 冷蔵庫下側扉、１４ 鍵型
形状ロック部品、１５ ネジ締結工具サイズのヒンジ部
品への投影。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷蔵庫の冷蔵庫扉を冷蔵庫本体に開閉自
   在に保持するヒンジ装置において、冷蔵庫本体側に設け
   られたヒンジ部品と、上記ヒンジ部品と係合するロック
   部品を有するとともに冷蔵庫扉側に設けられた軸受け部
   と、上記ロック部品に係合し上記冷蔵庫扉の閉状態にて
   上記冷蔵庫扉を固定するヒンジ部品の突起形状部と、を
   備え、上記ヒンジ部品の突起形状部は上記軸受け部と係
   合するヒンジ部本体より薄く形成し、上記ロック部品は
   上記ヒンジ部品の突起形状部より厚く形成したことを特
   徴とする冷蔵庫のヒンジ装置。
2. 【請求項２】 上記ロック部品は高分子材料からなる請
   求項１記載の冷蔵庫のヒンジ装置。
3. 【請求項３】 上記ヒンジ部品の突起形状部を潰し加工
   により形成するステップを備え、連続型を用いてヒンジ
   部品を形成することを特徴とする請求項１、２記載のヒ
   ンジ装置の加工方法。