JPH09228785A - トンネル用緩衝工の超低周波音低減方法 - Google Patents

トンネル用緩衝工の超低周波音低減方法

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JPH09228785A
JPH09228785A JP6019096A JP6019096A JPH09228785A JP H09228785 A JPH09228785 A JP H09228785A JP 6019096 A JP6019096 A JP 6019096A JP 6019096 A JP6019096 A JP 6019096A JP H09228785 A JPH09228785 A JP H09228785A
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JP
Japan
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tunnel
compression wave
pressure
cover
entrance
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JP6019096A
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English (en)
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Toshimitsu Tanaka
俊光 田中
Ichiro Yamagiwa
伊知郎 山極
Takao Nagura
隆雄 名倉
Mineo Oishi
峰生 大石
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Kobe Steel Ltd
Central Japan Railway Co
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Kobe Steel Ltd
Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新幹線等の高速車両がトンネルに突入した
際、トンネル出口で発生する圧力波による超低周波音を
低減させる、トンネル用緩衝工の超低周波音低減方法を
提供する。 【解決手段】 トンネル出口で発生しようとする空気音
圧のピークの低減を、列車の突入により、覆体の入口に
より発生する第1段圧縮波及びトンネル入口により発生
する第2段圧縮波とを、緩衝工の前記諸元を適切にし
て、全体として一つの圧力勾配に近づいた合成圧縮波に
することによって行う。さらに、トンネル出口で発生し
ようとする超低周波音の低減は、前記合成圧縮波の波面
前面に混在する二つの圧力勾配の間隔を、前記緩衝工の
諸元をさらに適切にすることによって行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新幹線等の高速車
両がトンネルに突入した際、トンネル出口で発生する圧
力波による超低周波音を低減させる、トンネル用緩衝工
の超低周波音低減方法に関するものである。特に圧力波
の勾配の上がり方を調節し、トンネル出口での超低周波
音を低減させる効果のあるトンネル用緩衝工の超低周波
音低減方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】列車が高速でトンネルに突入すると、ト
ンネル内の空気は圧縮され圧縮波が生じる。この圧縮波
はトンネル内を出口に向かって音速で伝搬し、出口に達
したとき、圧縮波のー部がトンネル出口から外部に向か
ってパルス状の圧力波として放出され、空気圧音を発生
する。またこの空気圧音が2次的に家屋等の振動を引き
起こす。この空気圧音の大きさは、トンネル出口に達し
た圧縮波の波面前面の圧力勾配に比例し、トンネルの入
口で発生する圧縮波の波面前面の圧力勾配は列車の突入
速度のほぼ3乗に比例して形成されることが判ってい
る。このため、新幹線のように220km/hr以上の
高速になると、トンネル出口の空気圧音は級数的に増大
し、深刻な環境問題を引き起こす恐れがある。
【0003】トンネル出口での空気圧音を減少させるた
めは、圧縮波の波面前面の圧力勾配を下げる必要があ
る。この具体的方法として、特公昭55−31274号
公報に開示されるものが有効とされ、現在も使用されて
いる。
【0004】この空気圧音低減方法を図1により説明す
る。なお、図1は本発明の超低周波音低減方法で使用す
る緩衝工であるが、従来の緩衝工と構造は類似してい
る。この空気圧音低減方法は、トンネル2の突入口に設
けられ、トンネル断面積より大きな断面を有する覆体3
と、前記覆体3の側面に設けられた開口4とからなるト
ンネル用緩衝工5が用いられている。この方法は、新幹
線等の高速車両1がトンネル2に突入した際の圧縮波
を、覆体3の突入口で発生する第1段圧縮波とトンネル
2の突入口で発生する第2段圧縮波とに分ける。次に、
第1段圧縮波と第2段圧縮波との間に覆体の長さで決ま
る時間的経過を介在させ、開口の面積を最適にすること
により、第1段圧縮波と第2段圧縮波とが連続したなだ
らかな圧縮波にして波面前面の圧力勾配を下げる方法で
ある。
【0005】
【発明を解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では空気圧音を低減することはできるが、2次的に
発生する超低周波音、特に20Hz以下の超低周波音に
より、家屋等を振動させる問題がある。このような超低
周波帯域の圧力波は可聴域の空気圧音ほど低減すること
ができず、従って、空気圧音は聞こえないが、振動は発
生するいう超低周波振動の問題が生じる。そこで、本発
明は、トンネル出口で発生する圧力波による超低周波音
を低減させる、トンネル用緩衝工の超低周波音低減方法
に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、ト
ンネルにおける実際の圧縮波の発生の観察を行い、鋭意
検討を行った。この結果、覆体の突入口により発生する
第1段圧縮波とトンネル突入口により発生する第2段圧
縮波とを、合成した初期の圧縮波における波面前面に混
在する二つの圧力勾配の間隔を、前記緩衝工の諸元をさ
らに適切にして、所定間隔にすることによって、トンネ
ル出口で発生する2次の超低周波音の周波数域を20H
zを越えるようにし、超低周波音の発生を低減できるこ
とを見い出した。
【0007】合成した初期の圧縮波における波面前面に
混在する二つの圧力勾配の間隔を所定間隔にするための
緩衝工の諸元は、開口の面積、開口の形状、覆体の所定
長、覆体の断面積がある。これらの諸元の一つ以上をよ
り適切にすることにより、合成した初期の圧縮波におけ
る波面前面に混在する二つの圧力勾配の間隔を所定間隔
にする。この結果、トンネル出口で発生しようとする2
次音の周波数域を20Hzを越えるようにでき、超低周
波音の発生を低減できる。さらに、所定間隔以下にする
ことにより、超低周波音の周波数域を20Hzより、さ
らに高くすることは好ましい。
【0008】トンネル用緩衝工の超低周波音低減方法を
列車及び緩衝工の模型実験で行うことは好ましい。すな
わち、第1段圧縮波と第2段圧縮波を、全体として一つ
の圧力勾配に近づいた合成圧縮波にする第1工程と、合
成圧縮波の波面前面に混在する二つの圧力勾配の間隔を
所定間隔にする第2工程を、模型実験で行い、実機に適
用するものである。実機での実験は制約条件が多く、ま
た実施できない実験条件もある。一方、模型実験では実
験条件を自由に設定でき、この結果、効率良く、効果的
に実験が行え、トンネル出口で発生しようとする超低周
波音をより低減できることが可能である。さらに、模型
実験での圧力勾配の間隔を、覆体の入口で発生する第1
段圧縮波とトンネル入口で発生する第2段圧縮波が維持
される代表時間の間隔にすることは好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図示例と
ともに説明する。まず、緩衝工をトンネルの入口に設け
た時の模型実験圧縮波の解析結果を示す(実施例1)。
図1はトンネルの入口に緩衝工を設けた状態を示す側面
図と正面図である。図2は実験装置により、トンネル入
口付近を列車が通過するタイミングとその時に発生する
圧縮波をトンネル入口で計測した図である。測定条件は
トンネル長さ75m、緩衝工の覆体の長さ2.65m、
緩衝工の覆体の断面積/トンネル断面積の比率が2.5
の緩衝工をトンネルの入口に設け、車両模型を500k
m/hrでトンネルへ突入させた場合である。図2の横
軸は時間、縦軸は圧力を示す。
【0010】図2に示すように、圧縮波は3つの部分か
ら形成されている。即ち、(a)列車先頭部が緩衝工に
突入する際に形成される第1段圧縮波、(b)緩衝工通
過中に形成される圧縮波と、(c)列車先頭部が緩衝工
からトンネルに突入する際に形成される第2段圧縮波で
ある。
【0011】次に、圧縮波の圧力波形の伝搬の様子を調
査した解析結果を示す(実施例2)。図3は圧縮波がト
ンネル入口から出口への圧力波形の伝搬の様子を示し、
さらに、トンネル出口から放出された微気圧波の圧力波
形を示している。実施例1と同じ測定条件で行った。
【0012】図3は上から順に(a)トンネル入口の圧
縮波の圧力波形、(b)トンネル出口直前の圧縮波の圧
力波形、(c)トンネル出口から放出された微気圧波の
圧力波形である。(a)のトンネル入口直後の圧力波形
は、トンネル内を伝搬し出口近傍では(b)のような圧
力波形になる。大気圧では空気は音速約340m/sで
伝搬する。圧縮された空気は、圧力が大気圧よりも大き
いために、音速も速くなる。従って、(a)のトンネル
入口の圧縮波は、圧力が高い部分は圧力が低い部分より
も速くトンネル出口に到達する。このことが、トンネル
出口に進むに連れて圧力勾配が切り立ってくる理由であ
る。
【0013】(a)のトンネル入口の圧縮波の圧力勾配
が急な部分は、図3に示すように、(b)のトンネル出
口直前の圧縮波の圧力勾配がさらに急峻になる。(b)
の圧力波形が、ちょうど(a)の圧力波形の時間軸を圧
縮したような形になっている。
【0014】(b)のトンネル出口直前の圧縮波がトン
ネルから放出されると、トンネル出口の外では、(c)
のようなパルス状の微気圧波として観察される。この圧
力の大きさはトンネル出口での圧力勾配の大きさに比例
していることが分かる。いわゆる「ドン音」はこのパル
ス波のことであり、「ドン音」の大きさはパルス波の圧
力の大きさで決まる。すなわち、得られた圧縮波の波面
前面の圧力勾配が出口での空気圧力音の大きさを決定す
る。
【0015】一方、トンネル出口で発生する2次の超低
周波音はパルス状の微気圧波のピ−クの時間間隔を周期
とする周波数成分が支配的になる。この周波数が、家屋
等の構造物の共鳴周波数(通常は20Hz以下)と一致
するよう場合、超低周波空気振動問題が発生する。パル
ス状の微気圧波のピ−クの時間間隔が長い程、微気圧の
主な周波数成分が2次音の発生する周波数領域に入るこ
とにより超低周波の問題が発生することになる。特に、
(a)部の覆体の入口で発生する第1段圧縮波と(c)
部のトンネル入口で発生する第2段圧縮波のピ−クの時
間間隔が超低周波の発生への寄与が大きい。すなわち、
ピ−クの時間間隔が長くなり、20Hz以下の超低周波
が発生しやすくなる。なお、パルス状の微気圧波を周波
数分析し、トンネル出口で発生する2次の超低周波音の
周波数は前記微気圧波のピ−クの時間間隔が支配するこ
とを確認している。
【0016】図3の(a)のトンネル入口の圧縮波の圧
力勾配が急な部分が、トンネル出口で発生する2次の超
低周波音に大きな影響を与えることを今回初めて見出し
た。今まで、このような緩衝工をトンネルの入口に設け
た時の圧縮波の解析がほとんどなされていなかった。特
に、トンネル出口で発生する2次の超低周波音がどのよ
うに発生するか、今まで、実施例で示すような解析がな
されていなかった。
【0017】発明者らは、トンネル出口で発生しようと
する空気音圧のピークの低減(第1工程)と超低周波音
の低減(第2工程)について、鋭意研究を行った。第1
工程は、列車の突入により、緩衝工の覆体の入口により
発生する第1段圧縮波及びトンネル入口により発生する
第2段圧縮波とを、全体として一つの圧力勾配に近づい
た合成圧縮波にする手段である。第2工程は、前記合成
圧縮波の波面前面に混在する二つの圧力勾配の間隔を所
定間隔にする手段である。
【0018】第1工程のトンネル出口で発生しようとす
る空気圧音のピークの低減方法について、さらに説明す
る。第1工程での緩衝工の諸元を変化させた1例を示す
(実施例3)。覆体の長さ、断面積とも同じ、同一形状
の緩衝工の側面の開口面積を変化させて、同型車両模型
を同速度で突入させて実験を行い、圧縮波を測定した。
この結果を図4に示す。実線(イ)が側面の開口面積を
最適にした場合で、圧縮波の圧力勾配が緩やかになって
いる。開口面積を広くした破線(ロ)の場合は、(b)
部の圧力上昇が減少することにより、(c)部の傾きが
立ってくる。一方、開口面積を狭くした点線(ハ)の場
合は、(b)部の圧力上昇が増加することにより、
(a)部の傾きが立ってくる。
【0019】緩衝工の側面に設けられた開口は(b)部
の圧縮波を調節することができる。この開口により、
(a)部と(c)部の圧縮波を滑らかにつなぐことによ
って圧力勾配を緩やかにする機能を有するものである。
すなわち、側面の開口面積を調整することにより、空気
圧音の低減効果を上げることができる。本実施例では、
緩衝工の側面の開口面積を変化させた例を示したのみで
ある。緩衝工の諸元を、開口の面積、開口の形状、覆体
の所定長、覆体の断面積の一つ以上変化させ、全体とし
て一つの圧力勾配に近づいた圧縮波に合成できる。
【0020】次に、本発明のポイントである第2工程の
トンネル出口で発生しようとする超低周波音の低減方法
について説明する。第2工程では、緩衝工の諸元をさら
に変化させた。覆体の長さ、側面の開口面積が同じで、
覆体の断面積を変化させた緩衝工に、同型車両模型を同
速度で突入させて実験を行い、トンネル入口での圧縮波
を測定した(実施例4)。この結果を図5に示す。覆体
の断面積/トンネルの断面積の比率は1.2から2.5
に変化させた。
【0021】図4より、断面積の比率を変えることによ
り、圧縮波の圧力勾配の急な部分の位置及びその圧力勾
配が変化することが明らかとなった。特に、圧縮波の圧
力勾配の急な部分の位置が、トンネル出口で発生しよう
とする2次の超低周波音を低減するために、重要であ
る。なお、圧力勾配の急な部分が維持される代表時間の
位置は各勾配の中央部となる。
【0022】トンネル出口で発生しようとする2次の超
低周波音を低減するために、トンネル入口における、第
1段圧縮波と第2段圧縮波の圧力勾配の急な部分の時間
間隔を所定間隔にする必要がある。前記時間間隔を前記
所定間隔以下にし、前記超低周波音の周波数をさらに高
くすることは好ましい。
【0023】前記所定間隔は、トンネル出口から放出さ
れた微気圧波の圧力波形のピ−クの時間間隔により決定
されるものである。さらに、前記所定間隔はトンネル長
さ、列車速度等の条件を付加して決定される。トンネル
長さは圧縮波の伝播距離に影響をあたえる。トンネルが
長くなると、トンネル出口での圧縮波の圧力勾配がさら
に急峻になる。この結果、2次の超低周波音の周波数特
性に影響を与える。また列車速度も、2次の超低周波音
の周波数特性に影響を与えるものある。詳細については
後述する。
【0024】図4において、第1段圧縮波と第2段圧縮
波の圧力勾配の急な部分の時間間隔が短かかった、覆体
の断面積/トンネルの断面積の比率は1.2の緩衝工に
ついて、圧縮波の圧力波形の伝搬の様子を、さらに模型
実験で調査した(実施例5)。この解析結果を図6に示
す。実施例2(図3)に比べて、トンネル出口の微気圧
波の圧力波形のピ−クの時間間隔は狭くなっており、こ
の結果、発生する超低周波音の周波数は高くなる。図6
に示すように、トンネル出口の微気圧波の圧力波形のピ
−クの時間間隔は1.20msecとなる。この時に発
生する超低周波音の主な周波数は833Hzである。こ
の周波数は実機に換算すると24.5Hzとなる。
【0025】さらに、トンネル出口から放出される2次
の超低周波音の周波数におよぼす緩衝工の覆体の長さと
列車速度の影響について検討した。トンネル入口の圧力
波形の第1段圧縮波と第2段圧縮波との時間間隔の最大
値tは緩衝工の覆体の長さと列車速度から決定される。
トンネル入口の圧力波形の第1段圧縮波と第2段圧縮波
との時間間隔の最大値tは t=L/V−L/C となり、ここで、Lは緩衝工の覆体の長さ、Vは列車速
度、Cは音速である。この時の周波数fは f=1/t で表される。これにより、トンネル出口で発生する超低
周波音の最小の周波数がきまる。なお、このことは、ト
ンネル入口から出口に伝搬する際、時間間隔が縮まるこ
とと、入口での2つ圧力勾配の間隔がtよりも大きくな
らない事実によるものである。
【0026】本発明の前記超低周波音の周波数特性の調
節は前記最小の周波数が下限となる。前記の超低周波音
を低減するためには、緩衝工の覆体の長さを短くすれば
良い。しかしながら、トンネル出口での空気圧音を小さ
くするには、緩衝工の覆体の長さを所定の長さが必要と
なる。
【0027】先に、実施例2(図3)で説明したよう
に、緩衝工の側面の開口面積を調節することによって、
圧縮波の立ち上がり波形の調節が可能である。従って、
トンネル出口から放出される空気圧音の超低周波の周波
数特性を調節することが可能である。緩衝工の諸元を、
開口の面積、開口の形状、覆体の所定長、覆体の断面積
の一つ以上変化させ、合成圧縮波の波面前面に混在する
二つの圧力勾配の間隔を、所定間隔にすることにより、
トンネル出口で発生しようとする超低周波音を低減でき
る。
【0028】実機と模型での試験結果の比較例を図7に
示す(実施例6)。実機実験は緩衝工を設けた新欽明路
トンネル(トンネル長さ:7km)、列車を57m/s
でトンネルへ突入させ、発生する圧縮波をトンネル入口
(東坑口80m点)で測定した。模型実験は、1/34
模型のトンネルを用い、模型列車を58m/sの速度で
トンネルへ突入させ、発生する圧縮波をトンネル入口
(坑口2.3m点)で測定した。図7に示すように、圧
縮波の立ち上がりは実機と模型実験の間に大きな差は認
められなかった。本発明の覆体の入口により発生する第
1段圧縮波及びトンネル入口により発生する第2段圧縮
波は、図7の立ち上がり部に相当する。この結果、実機
と模型実験の相関が相当に高いことを確認した。なお両
者が異なるのは、圧縮波の後半部であるが、これは実機
の車両長さと模型の車両長さの違いからくる差異であ
り、微気圧波を決定する圧力勾配には関係しない。
【0029】
【発明の効果】本発明のうち請求項1および2記載の発
明は、緩衝工の諸元としての開口の面積、開口の形状、
覆体の所定長、覆体の断面積のの一つ以上をより適切に
することにより、覆体の突入口により発生する第1段圧
縮波とトンネル突入口により発生する第2段圧縮波と
を、合成した初期の圧縮波における波面前面に混在する
二つの圧力勾配の間隔を所定間隔にすることができる。
この結果、トンネル出口で発生する2次の超低周波音の
発生を低減できるという効果を有する。
【0030】また、本発明のうち請求項3および4記載
の発明は、超低周波音低減方法を列車及び緩衝工の模型
実験で行うことにより、より効率的にトンネル出口で発
生しようとする超低周波音をより低減できるという効果
を有する。本発明により、トンネル出口から発生する圧
力波の周波数特性の調節が可能になるので、問題になる
周波数を避けるように緩衝工を設計し、超低周波振動を
低減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネルの入口に本発明の緩衝工を設けた状態
を示す側面図と正面図である。
【図2】トンネル内の圧縮波の形成される過程を示す図
である。
【図3】トンネル内の圧縮波と出口から発生する圧力波
の関係を示す図である。(覆体の断面積/トンネルの断
面積の比率:2.5)
【図4】緩衝工の覆体の側面の開口面積の効果を示す図
である。
【図5】緩衝工の覆体の断面積変化による圧縮波の変化
を示す図である。
【図6】トンネル内の圧縮波と出口から発生する圧力波
の関係を示す図である。(覆体の断面積/トンネルの断
面積の比率:2.5)
【図7】緩衝工の実機と模型の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 列車 2 トンネル 3 覆体 4 開口 5 緩衝工 L 覆体の長さ S1 トンネルの断面積 S2 覆体の断面積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名倉 隆雄 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 大石 峰生 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル入口に設けられ、トンネル断面
    積より大きな断面を有する所定長の覆体と、前記覆体の
    側面に設けられた開口とからなるトンネル用緩衝工を用
    い、 列車の突入により、前記覆体の入口により発生する第1
    段圧縮波及び前記トンネル入口により発生する第2段圧
    縮波とを、前記緩衝工の前記諸元を適切にして、全体と
    して一つの圧力勾配に近づいた合成圧縮波にすることに
    よってトンネル出口で発生しようとする空気音圧のピー
    クを低減する第1工程と、 前記合成圧縮波の波面前面に混在する二つの圧力勾配の
    間隔を、前記緩衝工の諸元をさらに適切にして、所定間
    隔にすることによってトンネル出口で発生しようとする
    超低周波音を低減する第2工程と、を含んでなるトンネ
    ル用緩衝工の超低周波音低減方法。
  2. 【請求項2】 前記緩衝工の前記諸元は、前記開口の面
    積、前記開口の形状、前記覆体の所定長、前記覆体の断
    面積の一つ以上である請求項1記載のトンネル用緩衝工
    の超低周波音低減方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程及び前記第2工程は、前記
    トンネル、前記列車及び前記緩衝工の模型実験で行われ
    る請求項2記載のトンネル用緩衝工の超低周波音低減方
    法。
  4. 【請求項4】 前記圧力勾配の前記間隔は、二つの前記
    圧力勾配のそれぞれが維持される代表時間の間隔である
    請求項3記載のトンネル用緩衝工の超低周波音低減方
    法。
JP6019096A 1996-02-21 1996-02-21 トンネル用緩衝工の超低周波音低減方法 Pending JPH09228785A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102434166A (zh) * 2011-11-24 2012-05-02 上海交通大学 隧道开挖对既有近距离平行隧道影响的试验装置和方法

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CN102434166A (zh) * 2011-11-24 2012-05-02 上海交通大学 隧道开挖对既有近距离平行隧道影响的试验装置和方法

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JPH05321592A (ja) 消音トンネル
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Lin et al. Effect of Tunnel Diameter on Ground Vibrations Generated by Underground
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