JPH09228264A - 玉虫調装飾性を備えた植毛布及び製造方法 - Google Patents

玉虫調装飾性を備えた植毛布及び製造方法

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JPH09228264A
JPH09228264A JP8058564A JP5856496A JPH09228264A JP H09228264 A JPH09228264 A JP H09228264A JP 8058564 A JP8058564 A JP 8058564A JP 5856496 A JP5856496 A JP 5856496A JP H09228264 A JPH09228264 A JP H09228264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 見る角度によって異色、濃淡差が複合された
透視性光沢が視認できる玉虫調装飾性を備えた植毛布及
び製造方法を提供する。 【解決手段】 繊維基布層に設けた植毛接着剤層に、予
め淡色に染着色した植毛パイルを植毛し形成した植毛繊
維加工積層体を、浸漬染色法等により、異色、かつ濃色
で染着色を施した後、乾燥、仕上げ処理を行ない、隠蔽
力のある繊維基布層の上に、濃色に染着された植毛接着
剤層、及び先染に続き同時に後染めされた植毛パイルの
二層からなる透視性効果が得られる構成とする。 【効果】 既存の設備、装置の特に改良等や、倒伏や長
短差でなく殆ど直立形態の植毛パイルで、高級感のある
玉虫調装飾性を備えた植毛布を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は玉虫調装飾性を備えた植
毛布及び製造方法に関し、外観上見る角度によって異
色、濃淡差が複合された透視性光沢が視認できる玉虫調
装飾性を備えた植毛布及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植毛加工品は近年益々増加の一途をたど
っており、衣料用途のほか、履物、資材用途、建材、カ
−ペット用途その他の広範囲にわたって利用されてきて
いる。たとえば、衣料用途についてみても、その形態は
バックスキンタイプ、ベルベットタイプと呼ばれる裏革
調、ベルベット調に似たものが主流であったが、近年で
は表面変化をもった種々のベロアタイプ植毛布の加工が
注目され、さらに植毛に二次加工を施すことによって外
観を変化させる種々の加工が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、例えば模様植毛
布を得るには、平生地の一面を一定の柄模様に起毛する
か、あるいは生地面を起毛した後模様状にエンボス加工
で凹凸を施し、該起毛部に更に植毛するもの等のよう
に、これらは何れもその作業工程が煩雑である上、比較
的単純な柄模様しか形成できず、しかも起毛むらが多い
為その起毛部に植毛しても不鮮明で密度の高い高級感の
ある装飾模様布を得ることは困難であった。また、植毛
は電気的に行われる為接着面に対し通常直角に短繊維が
植毛され、加工表面が揃い加工表面に変化が少なく商品
の用途が限られるので、得られた植毛加工品の表面を更
に加工する二次加工が施されるが、製造工程を増すこと
になりコストアップとなる欠点があった。
【0004】たとえば、衣料用に改良されたシ−ルの毛
皮に似せた外観を持った比較的長いパイルを使用するシ
−ルタイプでは、パイルに方向性を付与し、光沢と外感
の効果を図っており、ナイロンの光沢をそれぞれ異なっ
たものを得る為に、光沢の異なる原糸を使用して変化さ
せることによって多様化が図られている。このように衣
料用途の植毛加工についてみても、近年植毛に二次加工
を施すことによって外観を変化させ、植毛らしからぬ植
毛品を作り出すもの等が提案されているが、作業能率の
低下やコスト的に高くなるのが難点となっている。この
ように、たとえば衣料用植毛布についてみても、希望さ
れる加工布に、変わった感じを出す植毛布、並びにこれ
を工業的有利に得ることが望まれている。
【0005】本発明は、繊維素系繊維織物等の繊維基布
層の表面に、塗布した植毛接着剤層に植毛パイルを植毛
して形成された植毛加工積層体からなり、前記植毛パイ
ルが予め所望の染顔料によって比較的淡色ないし希薄色
に染着色されたものから選択され、該植毛加工積層体が
前記植毛パイルとは少なくとも異色系統であって、かつ
より濃色に後染め染着色されており、該植毛接着剤層に
植毛された前記植毛パイルが再び後染め染着色され、該
透視性を備えた植毛パイルの色相を前記植毛接着剤層の
異色、濃厚の色相と隣り合わせに顕現可能としたことを
特徴とする玉虫調装飾性を備えた植毛布、および予め反
応性染料等の染顔料によって所望の色彩で、比較的淡色
ないし希薄色に染着色した植毛パイルを用い、繊維素系
繊維織物等の繊維基布布層の表面に、アクリル系共重合
樹脂等の中から選択された接着剤を塗布して植毛接着剤
層を形成する第1工程と、該植毛接着剤層に前記予め比
較的淡色又は希薄色に染着色が施された植毛パイルを植
毛し植毛加工積層体を形成する第2工程と、前記植毛パ
イルが植毛された該植毛加工積層体を、異色系統の染顔
料で、かつより濃色に浸漬染色法等で後染め染着色を施
す第3工程とからなることを特徴とする玉虫調装飾性を
備えた植毛布の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、従来の植毛パイルに方向性等を付与する
方法、或いは例えば実開昭56−139538号、実開
昭56−108523号等のごとく生地自体に凹凸を形
成し粒状の接着剤を塗布、凹凸柄模様を形成した基布上
に接着剤を点着せしめた模様植毛布、また表面変化の為
の起毛等の二次加工を施す方法等のごとき煩雑な作業工
程や作業能率の低下、コスト増や既存設備、装置の大幅
な改良を伴わず、生産性よく工業的有利に、変化に富み
例えば衣料用途等としても、異色、かつ濃淡差が複合さ
れた透視性光沢が視認できる玉虫調装飾性が付与された
植毛布及びその製造方法に関し検討を重ね到達した。
【0007】本発明は、予め反応性染料等の染顔料によ
って所望の色彩で、比較的淡色又は希薄色に染着色した
植毛パイルを用い、第1工程として繊維素系繊維織物等
の表面に、アクリル系樹脂等の中から選択された接着剤
を塗布して植毛接着剤層を形成する、第2工程として該
植毛接着剤層に前記予め比較的淡色又は希薄色に染着色
が施された植毛パイルを植毛し植毛加工積層体を形成す
る、さらに前記植毛パイルが植毛された該植毛加工積層
体を、異色系統の染顔料で、かつより濃色に浸漬染色法
等で後染め染着色を施す第3工程とからなり、これによ
って玉虫調装飾性を備えた植毛布、並びに製造方法に係
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の構成を
説明する。図1は、本発明に係る植毛布の断面略示図で
あり、植毛布本体1は、繊維基布層2とその表面にアク
リル系共重合樹脂等の接着剤を塗布した植毛接着剤層3
に静電植毛法等により植毛パイル4が植毛された植毛加
工積層体5の構成からなるものである。図1において、
前記植毛パイル4は、予め淡色ないし希薄色の淡色着色
相8に染着色された後、さらに後染めにより該植毛加工
積層体5が異色、濃厚に染着色されて、植毛接着剤層3
は異色濃厚着色相9に染着色されるが、一方、植毛パイ
ル4は繊維基布層2と同時に、異色濃厚着色相9と同色
調の汚染状態の保護色に再び染着色されて、しかも後染
め処理で切断頂面6および長手方向の側壁部7に付着し
た加工油剤等が除去される為、透明度が向上し表面光沢
或いは透視性を備えた構成となる。このように、繊維基
布層2の表面に、後染めでの異色濃厚着色相9によって
濃く染着色された植毛接着剤層3と、予め淡色ないし希
薄色の淡色着色相8で染着色され、さらに後染めでの異
色濃厚着色相9によって保護色に覆われた染着色が施さ
れる植毛パイル4の二層が、非透視性ならびに隠蔽力を
備えた前記繊維基布層2の表面に敷設された構成となっ
ている。
【0009】本発明において、繊維基布層は、綿、麻等
の天然繊維、レ−ヨン、キュプラ、アセテ−ト等の繊維
素系人造繊維、或いはポリエステル系、ポリアミド系、
ポリオレフィン系他の合成繊維等の一種又は二種以上よ
り選択された混紡品などよりなる各種布帛が適用され
る。
【0010】本発明において、使用する植毛パイルとし
ては、ポリアミド、レ−ヨン、綿等の合成繊維もしくは
天然繊維を細片状に切断したモノフィラメントが用いら
れ、該モノフィラメントを主として静電植毛法、すなわ
ち電着または電気植毛法によって直接植毛加工される。
また、パイル長さは通常約0.2〜3mmの範囲が適当
であり、パイル長さが余り長すぎると得られる植毛体の
摩粍堅牢度が低下し易く、逆に短すぎると風合いが乏し
くなる等、いずれの場合も好ましくない。また、本発明
において、該植毛パイルに染着色を施す染料又は顔料は
使用素材を特に淡色に染着色できるものであれば特に制
限はなく、例えば反応性染料の他直接染料又は酸性染料
等の中から選択されたものを用い、所望の色彩に染着色
が施される。その染着色では、植毛パイルが全体として
比較的淡色又は希薄色に染着色が施されることが適当で
ある。また、必要に応じて通常の染料固着剤、浸透湿潤
剤、緩染剤などを添加することもできる。
【0011】本発明において、植毛接着剤層に使用する
接着剤としては、特に限定はなく、一般に植毛加工に使
用できる接着剤を用いることができる。例えば自己架橋
型アクリル酸エステル、ポリウレタン、反応型アクリル
酸エステル等を用いることができ、植毛接着剤層の耐熱
性をも考慮した接着剤の選択が望ましい。また、エマル
ジョン型とソルベント型のいずれでも使用できるが、作
業性、危険性、毒性等から、エマルジョン型が適当であ
る。
【0012】また、柔軟性や薄さに限度がある繊維基布
層に対し、低い加熱温度条件で短時間に所定位置に植毛
できる植毛加工積層体を得る場合には、ホットメルト接
着性能を有する合成樹脂を用いることもでき、たとえば
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂に代表されるビニル系
樹脂、ポリエチレン樹脂等に代表されるポリオレフィン
系樹脂、ナイロン6/66等に代表されるポリアミド系
樹脂等一般にホットメルト接着剤用として使用されるも
のを用いることができ、共重合ポリアミド系樹脂が好ま
しい。
【0013】次に、植毛加工積層体を染着色する染料と
しては、植毛接着剤層の素材又は種類に応じ、たとえば
直接染料、酸性染料、反応性染料、含金属染料、酸性媒
染染料、分散染料等の通常の染料を使用することがで
き、浸漬方法等により染色を施すことができる。上記染
料浴には染料以外に必要に応じて通常の染料固着剤、染
色増進剤、浸透湿潤剤などを添加してもよい。
【0014】そして、本発明において、植毛接着剤層
は、非透視性ないし隠蔽力をもった繊維基布層、すなわ
ち被着体に対し、透視性が付与され、好ましくは半透明
状態に染着色が施されることが望ましい。また、該植毛
パイルの淡色ないし希薄色に対し、植毛接着剤層は異
色、かつ濃色が望ましく、たとえば赤色、青色および黄
色の三色よりそれぞれ選択された二色の組み合わせから
所望により選択され、該植毛パイルが予めいずれかの色
に先染めされ、該植毛パイルの色相を基に組み合わせを
行なうことができる。これによって、本発明では、従来
の単なる濃淡色の組み合わせ等による装飾付与等とは顕
著に相違し、直角又は直立状で高さがほぼ均等な植毛パ
イルに拘わらず、また、格別二次加工を施すことなく、
見る角度によって乱反射を伴う異色、濃淡差が複合され
た透視性装飾光沢を発揮するように働く。
【0015】本発明において、該植毛パイルには、予め
反応性染料等から選択された染顔料を用いて所望の色彩
に染着色が施され、かつ植毛パイルが全体として比較的
淡色又は希薄色に染着色が施される。ここで比較的淡色
又は希薄色の染着色とは、視覚的、感覚的に薄い色相
で、予め染着色された該植毛パイルの色相に対し植毛さ
れた植毛加工積層体が後染めにより染着色された濃色に
比し、淡色又は希薄色を意味すると判断される。さら
に、本発明において、植毛加工積層体が前記植毛パイル
とは異色で、かつより濃色に後染めが施され、この植毛
接着剤層の後染めでは、アクリル系共重合樹脂等の植毛
接着剤層が濃色に染着色されるのに対し、繊維基布層な
らびに植毛パイルは汚染着色された状態であると推定さ
れる。そして、植毛パイルは再び後染めにより前記植毛
接着剤層と同色系統の共通したいわば保護色で覆われ、
加えて非透視性ならびに隠蔽力のある繊維基材層の表面
に敷設された該植毛接着剤層は、濃く染着色された色相
を浮き上がらせることができ、また、植毛パイルの側壁
部に淡色の先染め後、異色かつ濃色で後染め汚染された
染着色の色彩がともる効果が得られるように働く。
【0016】本発明において、後染めでの異色系統は、
例えば赤、青、黄色の三色の中の少なくとも一種以上よ
り選ばれ、しかも濃色に染着色されていることが望まし
い。このように、先染めされ再び後染めで汚染着色され
る植毛パイルの層と、これと隣接し、異色かつ濃色に染
着色された植毛接着剤層の二層が形成され、すなわち非
透視性ならびに隠蔽力を有する繊維基布層の表面に、こ
れら二層が敷設された構成となっている。これによっ
て、本発明に係る構成では、たとえ植毛パイルは、ほぼ
直角状又は直立状に植毛されていながらも、隣り合わせ
の異色で、かつ濃色に着色された植毛接着剤層の濃い色
相がマグレ−トし、汚染着色されて表面光沢や透視性を
備えた植毛パイルに隣接した該植毛接着剤層の濃い色相
を浮き上がらせ、また、見る角度によって該植毛パイル
の側壁部の汚染着色された保護色の色相が視認され、乱
反射的に異色と濃淡光沢が複合し、これらの相乗効果に
よって玉虫調の透視性装飾光沢を持った特徴のある植毛
布が得られるものである。
【0017】このように、本発明においては、隣り合わ
せで連接する異色、かつ濃色の植毛接着剤層に対し、先
染めに続き後染めが施される植毛パイルが透視性を備え
ることが望ましい。すなわち該植毛接着剤層は隠蔽力の
ある繊維基布層の表面に敷設されており、植毛パイルは
後染め処理により表面に付着した油剤等が除去され、表
面光沢ならびに透過率が向上するものと推定される。こ
の場合、全光線透過率35%以上、拡散光線透過率30
%以上、及び平行光線透過率5%以上を有し、半透明状
態であることが望ましく、それぞれ上記所定の数値以下
であれば不透明となる。
【0018】従って、上記のような構成によって、後染
めで保護色に見え透視性を備えた植毛パイルに対し、非
透視性並びに隠蔽力を有する繊維基布層の表面が暗く見
え、植毛接着剤層は相対的に濃く浮き上がって明るく見
え、これらの明るさのト−ンに差が生じて透視性模様と
なって現れて見える。このため、本発明に係る植毛加工
積層体は、従来装飾性に欠けるとされるほぼ直角や直立
形態の植毛パイルに拘わらず、また、ベロア調の長短パ
イルのごとき構成でなく、ほぼパイル長の均等な植毛パ
イルであっても、外観上、植毛接着剤層の濃い色相が浮
き上がって見え、また、該植毛接着剤および植毛パイル
の透視性と明るさのト−ン差によって異色、濃淡差が複
合された透視性光沢が視認できると推定される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げ説明するが、本
発明の要旨を逸脱しない限り本発明はこれに限定される
ものではない。 実施例1 まず、植毛パイルとして、レ−ヨン糸.旭化成製,ブラ
イト糸SRB.2デニ−ルを用い、反応性染料.Rem
azol,BlueRK−N.およびRemazol,
YellowGL(三菱化成ヘキスト製)により反応染
色を行ない、淡色調の黄緑色に染色した植毛パイルを作
製した。平均パイル長さは2d×1.0mmであった。 第1工程 繊維基布層として、レ−ヨン平織,オ−ミケンシ製,番
手30単糸,30番双糸,50×49本の表面に、アク
リル共重合樹脂,中央理化製,FK−4300を用い、
塗布量wet300g/m2 で塗布を行い、90℃×2
分乾燥した後、150℃×7分キュアリングし、0.1
5〜0.25μm(乾燥分)の膜厚の植毛接着剤層を形
成した。 第2工程 上記植毛接着剤層に、常法により静電植毛により全面植
毛をを行ない、全面植毛の植毛加工積層体を作製した。 第3工程 次に、予め淡色調に染着色を施した上記植毛パイルが植
毛された植毛加工積層体を、酸性染料,Kayakal
an.Red BL.及びKayakalanYell
ow GL−143(日本化薬製)を用い、浸漬染色方
法により、濃色オレンジ色の後染め染着色を行なった。
さらに、上記の染着色を施した植毛加工積層体に、柔軟
加工を施した後、乾燥し、仕上げ処理を行ない、植毛接
着剤層が濃く植毛パイルの相対的に明るいト−ンの差が
複合された透視性光沢が視認される植毛布を得た。この
植毛布で、ジャケット等のアウタ−ウエア、及びズボ
ン、スカ−ト等に縫製したところ、見る角度によって異
色の明るさの模様が隣り合わせに現れて見える玉虫調の
外観を持った被服製品として見栄えのすぐれたものであ
った。
【0020】実施例2 植毛パイルとして、実施例1と同じく、レ−ヨン糸.旭
化成製,ブライト糸.SRB.2デニ−ルをを用い、反
応性染料.Remozol BlueRK−N(三菱化
成ヘキスト製)により反応染色を行ない、淡色調の青色
に染色した植毛パイルを作製した。平均パイル長さは2
d×1.0であった。 第1工程 繊維基布層として、ポリエステル・ジョ−ゼット(平
織),東レ製.番手75×36を使用し、その表面にア
クリル共重合樹脂.中央理化製,FK−4300及びウ
レタン系樹脂,大日本インキ製,ハイドランHWを用
い、花柄模様をスクリ−ンコ−ティング法により捺染処
理を施した。樹脂膜厚は、0.15μm(乾燥分)であ
った。 第2工程 上記植毛接着剤層に、常法により静電植毛により植毛を
行ない、捺染植毛された植毛加工積層体を形成した。 第3工程 次に、予め淡色調の青色に染色した植毛パイルが捺染植
毛された植毛加工積層体を、酸性染料,Kayakal
an.Red BL.及びKayakalanYell
ow GL−143(日本化薬製)を用い、浸漬染色方
法により、濃いオレンジ色の後染め染着色を行なった。
上記の染着色を施した植毛加工積層体に、柔軟加工を施
した後、乾燥し、仕上げ処理を行なった。上記により得
られた捺染植毛布は、淡色の青色に染着色した植毛パイ
ルと、オレンジ色に後染め染着色された植毛接着剤層と
の異色、濃淡の明るさのト−ン差があり、透視性光沢が
複合され現れて見える玉虫調の捺染植毛布であった。こ
の植毛布で、衣料用途としてブラウスを縫製したとこ
ろ、見る角度によって異色の透視性光沢模様が浮き上が
って見える玉虫調の衣料として特殊な輝きを持ったもの
であった。
【0021】実施例3 植毛パイルとして、レ−ヨン糸(ダイワボウレ−ヨン
RB1d)を用い、反応性染料.Cibacron Y
ellow F−3R(CIBA),およびCibac
ron Blue FR(CIBA)により反応染色を
行ない、淡色調の緑色に染色した植毛パイルを作製し
た。平均パイル長さは1.5d×1.0mmであった。 第1工程 繊維基布層として、レ−ヨン・ポリノジック.東洋紡
製,マリ−ド.番手40×40.110×65本(平
織)を用い、その表面に、アクリル共重合樹脂,中央理
化製,FK−4300.及び発泡剤(大日本インキ.ボ
ンコ−トF−1)を用い、柔軟弾性を有する植毛接着剤
層を形成した。 第2工程 上記植毛接着剤層に、常法により静電植毛により植毛を
行ない、柔軟で全体に自由に伸縮する弾性を備えた植毛
加工積層体を得た。 第3工程 次に、予め淡色調の緑色に染色した植毛パイルが植毛さ
れた前記植毛加工積層体を、酸性染料,Kayakal
an.Red BL(日本化薬製)を用い、浸漬染色方
法により、濃い赤色の後染め染着色を行なった。上記の
染着色を施した植毛加工積層体に、柔軟加工を施した
後、乾燥し仕上げ処理を行なった。上記により得られた
柔軟弾性を有する植毛加工積層体を有する植毛布は、淡
色の緑色の植毛パイルが後染めの濃い赤色で汚染された
保護色で覆われ、植毛接着剤層との明るさのト−ン差が
透視性光沢として複合され、見る角度によって違った輝
きが現れて見える玉虫調の植毛布であった。この植毛布
を、鞄用生地に使用したところ、異色の光沢模様が浮き
上がった特徴のある美麗な玉虫調の反射光を有する袋物
製品であった。
【0022】実施例4 植毛パイルとして、レ−ヨン.ダイワボウレ−ヨン製.
ダル糸,1.5dを用い、Cibacron Blue
FR(CIBA)により反応染色を行ない、淡色調の
青色に染色した植毛パイルを作製した。平均パイル長さ
は、1.5d×1.0mmであった。 第1工程 繊維基布層として、レ−ヨン・ポリノジック.東洋紡
製,マリ−ド.番手40×40.110×65本(平
織)を用い、その表面に、アクリル共重合樹脂,中央理
化製FK−4300.及びホットメルト接着用樹脂(住
友化学製,Sumilink DR−150SM)を用
い、植毛接着剤層を形成した。 第2工程 上記植毛接着剤層に、常法により静電植毛により植毛を
行ない、植毛加工積層体を得た。樹脂厚さは0.15〜
0.25μm(乾燥分)であった。 第3工程 次に、予め淡色調の青色に染色した植毛パイルが植毛さ
れた前記植毛加工積層体を、酸性染料,Kayakal
an.Yellow GL−143(日本化薬製)を用
い、浸漬染色方法により、濃い黄色の後染め染着色を行
なった。上記の染着色を施した植毛加工積層体に、柔軟
加工を施し、乾燥した後、エンボス凹凸処理加工を施し
た。上記により得られた植毛布は、淡色の青色に先染め
し濃い黄色に後染め汚染された植毛パイル箇所に比し、
植毛接着剤層が相対的に濃く浮き上がって透視性模様と
なって現れて見える玉虫調の反射光を有する植毛布であ
った。この植毛布を、ユニホ−ムの背番号箇所にアップ
リケ及びマ−クとして使用したところ、被着体の生地色
彩との組み合わせとして繊維基布層が生地色彩の隠蔽力
を有すると共に、アップリケ箇所には複合された透視性
光沢が美麗に現れて見える玉虫調の特殊な輝きが視認さ
れるものであった。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。隠
蔽力のある繊維基材層の表面で、異色かつ濃色に染着色
された植毛接着剤層の色相を浮き上がらせることがで
き、植毛パイルの側壁部に淡色の先染めと異色かつ濃色
に後染め汚染された染着色の色相がともる装飾効果が得
られる。また、特にパイル長短差や倒伏状態等を設定す
る必要はなく、植毛パイルは殆ど直立形態であっても特
徴のあるオ−ロラ調の装飾光沢を顕現できる。さらに、
既存設備や装置の大きな改変を伴わず、また、異色、濃
淡差並びに透視性等を組み合わせた植毛パイルと植毛接
着層の二層の組み合わせにより、高級感をもった玉虫調
装飾性を有する植毛布を工業的有利に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明に係る植毛布の断面略示図である。
【符号の説明】
1 植毛布本体 2 繊維基布層 3 植毛接着剤層 4 植毛パイル 5 植毛加工積層体 6 切断頂面 7 側壁部 8 淡色着色相 9 異色濃厚着色相

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維素系繊維織物等の繊維基布層の表面
    に、塗布した植毛接着剤層に植毛パイルを植毛して形成
    された植毛加工積層体からなり、前記植毛パイルが予め
    所望の染顔料によって比較的淡色ないし希薄色に染着色
    されたものから選択され、該植毛加工積層体が前記植毛
    パイルとは少なくとも異色系統であって、かつより濃色
    に後染め染着色されており、該植毛接着剤層に植毛され
    た前記植毛パイルが再び後染め染着色され、該透視性を
    備えた植毛パイルの色相を前記植毛接着剤層の異色、濃
    厚の色相と隣り合わせに顕現可能としたことを特徴とす
    る玉虫調装飾性を備えた植毛布。
  2. 【請求項2】 予め反応性染料等の染顔料によって所望
    の色彩で、比較的淡色又は希薄色に染着色した植毛パイ
    ルを用い、繊維素系繊維織物等の繊維基布層の表面に、
    アクリル系共重合樹脂等の中から選択された接着剤を塗
    布して植毛接着剤層を形成する第1工程と、該植毛接着
    剤層に前記予め比較的淡色又は希薄色に染着色が施され
    た植毛パイルを植毛し植毛加工積層体を形成する第2工
    程と、前記植毛パイルが植毛された該植毛加工積層体
    を、異色系統の染顔料で、かつより濃色に浸漬染色法等
    で後染め染着色を施す第3工程とからなることを特徴と
    する玉虫調装飾性を備えた植毛布の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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