JPH09226506A - エアバッグ用ガス発生器及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器及びその製造方法

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JPH09226506A
JPH09226506A JP8058402A JP5840296A JPH09226506A JP H09226506 A JPH09226506 A JP H09226506A JP 8058402 A JP8058402 A JP 8058402A JP 5840296 A JP5840296 A JP 5840296A JP H09226506 A JPH09226506 A JP H09226506A
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JP
Japan
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outer cylinder
gas
gas generator
cap
convex portion
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JP8058402A
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English (en)
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Kenichi Nagahashi
賢一 長橋
Seigo Taguchi
征吾 田口
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Sensor Technology Co Ltd Japan
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Sensor Technology Co Ltd Japan
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 構造が簡単で作業効率良く組み立てることが
でき、製造コストを低減化できるエアバッグ用ガス発生
器及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ガス放出用オリフィス6aを有する筒状
の外筒6内に軸中心側から径方向外側に向けて順々にガ
ス発生剤2と、ガス通過孔3aを有する内筒3と、フィ
ルタ部材4が収納されると共に、外筒6の軸方向の片端
に、点火具8及び伝火剤10を備えた蓋部材9を突き合
わせ摩擦溶接により取り付け、前記蓋部材9のつば付き
キャップ部材7のつば部7aを、前記内筒3及びフィル
タ部材4の端面に沿わせ延在させる一方、着火炎を通過
させる貫通孔7dを有するキャップ本体凸部を、前記内
筒3の内面に沿って嵌挿して、キャップ部材7に伝火剤
保持機能と、伝火剤10,内筒3及びフィルタ部材4を
軸方向にワンタッチで押さえる機能とを併有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエアバッ
グ装置に使用されるガス発生器に関し、詳しくは主とし
て助手席用エアバッグ装置に用いられる大容量のガス発
生器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のエアバッグ用ガス発生器
(以下、単に「ガス発生器」という。)としては、図2
及び図3に示すものが知られている。図面に基づきその
概要を説明すると、まず、図2は特開平5−50894
号公報に開示されたガス発生器の断面図である。このガ
ス発生器では、一端が閉鎖されたハウジング35内に軸
中心から径方向外側に向けて、伝火剤とそれを支持する
部材31,ガス発生剤32とそれを保持し発生したガス
の流れを規制する円筒部材33,フィルタ部材34が積
層配置されている。また、円筒部材33には軸方向に沿
って複数のガス通過孔が所定の間隔で設けられ、またハ
ウジング35にも複数のガス放出用オリフィスが同様の
態様で設けられており、かつこれらのガス通過孔とガス
放出用オリフィスは、径方向にずらして配置されてい
る。また、上記各部品を軸方向に固定するため、ハウジ
ング35の開放側端には、上記各部品を押さえる円板状
部材36とハウジング35の端部を形成し且つ点火具を
保持する蓋部材37が取り付けられている。さらに、高
温環境下での爆発事故の未然防止を保証するための自動
発火装置としての機能を発揮させるための火薬、いわゆ
るオートイグニッション剤38は、その機能をより確実
に発揮させられるような部位例えばハウジング35の底
部に配置されている。そして、ガス発生剤32の燃焼に
より発生したガスは、ガス発生剤32を保持する円筒部
材33のガス通過孔から抜けて、フィルタ部材34を通
過してハウジング35のガス放出用オリフィスから排出
されることにより、ガス発生器の長さ方向の全体にわた
ってほぼ均等に排出される旨、開示されている。
【0003】また、図3は特開平7−52743号公報
に開示されたガス発生器の断面図である。このガス発生
器では、ガス発生剤43及びガス冷却捕集材45を収納
したハウジング42内の片端部に、ガス発生剤43に対
応させて点火機構46を配置した点に特徴があって、図
2で示したような伝火剤保持部材31等の部品を不要と
して構造を簡素化し、製造コストを低減できる旨、開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の図2で
示した従来のガス発生器では、伝火剤保持部材31がガ
ス発生剤収納部の真ん中を軸方向に貫通するように配置
されるため、組立時には細長い環状空間部にガス発生剤
32を装入しなければならなくなり、その作業が非常に
煩雑となる。また、オートイグニッション剤38をハウ
ジング35の底部に配置する方式を採用しているため、
ガス発生器の組立に際しては、そのオートイグニッショ
ン剤38を取付けたハウジング35の周辺部を固定し状
態で後続の部品の組込み作業をしなければならないた
め、この点でも作業性が悪くなり、また、安全性の面で
も問題がある。
【0005】一方、上記の図3に示した従来のガス発生
器においても、点火機構46を内蔵してなる蓋部材48
をハウジング42へ固定するに際しては、ハウジング4
2の開放側端部内面に雌ネジ部を形成する一方、蓋部材
48の外周面に雄ネジ部を形成し、これらの両ネジ部を
螺合させたり、このようなネジを形成せずに両者の面を
当接させた後、上側(図では左側)から全周隅肉溶接を
することにより行われている。このため、ガス発生器の
組立作業が煩雑となり、また、全周隅肉溶接には精度が
要求されるため、高価な精密溶接装置を使用しなければ
ならず、いずれもガス発生器の製造コストを上昇させる
要因となっている。
【0006】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点を解消すべく鋭意検討の結果完成したものであ
り、本発明のうち請求項1記載の発明は、安全性にも配
慮しつつ簡単な設備で容易に組立作業ができるようにし
て、製造コストの低減化を可能とするガス発生器を提供
することを目的とする。また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明の効果のうち、特に組立作業の容易
化をさらに確実なものとすることができるガス発生器を
提供することを目的とする。また、請求項3記載の発明
は、請求項1又は請求項2記載の発明の目的に加えて、
組立作業時の安全性確保の面でさらに確実なものとする
ことができるガス発生器を提供することを目的とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3記
載の発明の目的に加えて、さらに組立作業の簡素化に寄
与することができるガス発生器を提供することを目的と
する。また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4記載の発明の目的に加えて、専用のオートイグニッ
ション剤を不要として部品点数を少なくすると共に、比
較的煩雑であった専用のオートイグニッション剤の組込
み工程を省いて組立作業性能を一層高めることができる
ガス発生器を提供することを目的とする。さらに、請求
項6記載の発明は、構造が簡単で部品数も少ないガス発
生器を簡単な設備で効率よく組立可能とし、製造コスト
の低減化を図ることができるエアバッグ用ガス発生器の
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明のうち、請求項1記載の発明は、ガス放出用オリフ
ィスを有する筒状の外筒内に軸中心側から径方向外側に
向けて順々にガス発生剤と、ガス通過孔を有する内筒
と、フィルタ部材が収納されると共に、外筒の軸方向の
片端に、点火具及び伝火剤からなる点火手段を備えた蓋
部材が突き合わせ摩擦溶接により取り付けられてなるエ
アバッグ用ガス発生器であって、前記蓋部材のガス発生
剤側面に前記伝火剤の上方から冠着されるつば付きキャ
ップ部材のうち、つば部を、前記内筒及びフィルタ部材
の点火手段側端面に沿わせつつ延在させる一方、着火炎
をガス発生剤に伝えるべく通過させるための貫通孔を有
するキャップ本体凸部を、前記内筒の内面に沿って嵌挿
してなることを特徴とする。即ち、このような単純な形
状のキャップ部材に伝火剤保持機能と、伝火剤,内筒及
びフィルタ部材を軸方向に押さえる機能とを併有させる
ようにしたものであり、部品数を減少することができ、
しかもキャップ部材を内筒内面に沿いつつ極くわずかな
距離だけ挿入すればよいので、組立作業が非常に容易と
なる。従って、形状が単純なこと及び部品数を減少でき
ることと相まって製造コストの低減化を図ることができ
る。なお、「フィルタ部材」としては、単一の金網部材
で構成しうることはもちろん、網目の大きさが異なる金
網部材を多層にして、例えば中間層に粗目の金網部材を
挟み、その両側層には細目の金網部材を配置してなる三
層構造の金網部材で構成することも可能である。さら
に、金網部材だけでなく、金属製不織布やセラミックフ
ァイバを介装することも可能である。いずれもガスの冷
却・スラグ捕集効果を向上させる点で有益である。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成に加えて、つば付きキャップ部材のつば
部先端が、突き合わせ溶接時に形成された外筒のばりに
当接して固定されたものであることを特徴とする。この
ようにキャップ部材を外筒のばりに当接させて軸方向内
部に付勢された状態で固定配置したことで、摩擦圧接時
の圧接量の誤差分を吸収させつつ、そのキャップ部材が
ガス発生剤,内筒及びフィルタ部材を軸方向に確実に且
つ均等に押さえ、位置決めが簡単にできるので、組立作
業の容易化を一層確実なものとすることができる。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の発明の構成に加えて、つば付きキャッ
プ部材と蓋部材の両者を、伝火剤の下端面と蓋部材の上
端面との間にすき間を確保できるような配置関係を保っ
て外筒の軸方向の片端に取り付けたことを特徴とする。
このようにすき間を確保することで、摩擦溶接時に蓋部
材が昇温しても、その熱が伝火剤に直接伝わらないの
で、伝火剤の誤爆発の回避を保証でき、組立作業時の安
全性を確実に確保することができる。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3記載の発明の構成に加えて、内筒及びフィルタ部材
の積層構成として、予め内筒にフィルタ部材を巻装した
ものを、外筒の内面に沿って嵌挿したものであることを
特徴とする。ことにより、組立作業の簡素化をさらに進
めることができる。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至請求項4記載の発明の構成に加えて、ガス発生剤及び
伝火剤が、同一の火薬組成物であり、且つ該火薬組成物
は窒素原子含有有機物を主燃料成分として含有した化合
物であることを特徴とする。このように、伝火剤にオー
トイグニッション剤としての機能を保有させることによ
り、専用のオートイグニッション剤を不要として部品点
数を少なくすることができ、また比較的煩雑であった専
用のオートイグニッション剤の組込み工程を省いて組立
作業を一層容易にすることができる。また、従来、別途
必要とされていた専用オートイグニッション剤の製造設
備も省略できることとも相まって、ガス発生器の製造コ
ストを大きく低減でき、安価なガス発生器を提供するこ
とができる。
【0012】さらに、請求項6記載の発明に係るガス発
生器の製造方法は、一端が閉鎖された筒状の外筒にガス
放出用オリフィスを軸方向に複数形成した後、この外筒
よりも小口径の筒体の外側に予めフィルタ部材を同心状
に積層してなる筒状の多層体を、前記外筒の開放端側か
らその内面に沿って嵌挿し、次いでつば付きキャップ部
材のキャップ本体凸部の上面中央部に貫通孔を形成する
一方、凸部の内側には、予め薄膜容器に伝火剤を封入し
たものを装着し、その凸部を前記小口径筒体の内面に沿
って嵌入すると共に、そのつば部は、前記小口径筒体及
びフィルタ部材の外筒開放側端面に沿わせて延在させ、
次いで前記キャップ本体凸部に相似する凸形状の蓋部材
を、その凸部のの先端側はキャップ本体凸部の内周面に
沿って嵌入させながら、その外周端部に形成された環状
リブの先端面と前記外筒の開放側端面とを突き合わせ溶
接し、次いで蓋部材の軸中央部に予め外部と連通するよ
うに形成されていた空間部に点火具を固定することを特
徴とする。このような製造方法によれば、構造が簡単で
部品数も少ないガス発生器を簡単な設備で効率よく組み
立てることができ、より安価なエアバッグ用ガス発生器
を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、ガス発生器の構成を示
す概略断面説明である。図1において、まず、ガス発生
器のハウジング1は、一方端(図では左側端)が閉鎖さ
れた筒状の外筒6の他端(図では右側端)と、その他端
を覆う蓋部材9であってその外周端部に形成された環状
のリブ9aの先端とを突き合わせて摩擦溶接することに
より密閉空間が形成された構造とされている。そして、
ガス発生器は、ガス放出用オリフィス6aを有する筒状
の外筒6内に軸中心側から径方向外側に向けて順々にガ
ス発生剤2と、ガス通過孔3aを有する内筒3と、フィ
ルタ部材4と、防湿及び燃焼時の内圧調整の役目を果た
す薄板円筒状のバーストプレート5が収納されている。
一方、軸方向に見れば、外筒6の軸方向の片端に、点火
具8及び伝火剤10からなる点火手段を備えた蓋部材9
が突き合わせ摩擦溶接により取り付けられた状態にあ
る。
【0014】さらに、蓋部材9の、ガス発生剤2側の凸
面9b上には、少しのすき間hをおいて伝火剤10を配
置し、さらにその上方から(図では左方向から)つば付
きキャップ部材7が冠着されている。また、つば付きキ
ャップ部材7のつば部7aは、内筒3の蓋部材側の外周
端部からフィルタ部材4の端面を覆うように貼られたク
ッション部材11の端面に沿いつつ延在させている。な
お、クッション部材11としては、シリコン発砲体やセ
ラミックファイバ等の成形物が好適である。12は、外
筒6の閉鎖側内壁に貼られた、ガス発生剤2,内筒3及
びフィルタ部4に対するクッション部材である。また、
キャップ本体凸部の前面7cには、着火炎をガス発生剤
2に伝えるべく通過させるための貫通孔7dが形成され
ている。さらに、キャップ部材7のつば部7aの先端
は、突き合わせ溶接時に形成された外筒6のばり6bに
当接して固定されている。なお、ガス通過孔3aとガス
放出用オリフィス6aとの位置関係は、径方向に相互に
90°ずれて配置されており、つまりガス放出用オリフ
ィス6aは上下方向の対称位置に、ガス通過孔3aは図
面貫通方向の対称位置にそれぞれ形成されている。
【0015】また、ガス発生剤2及び伝火剤10として
は、同一の火薬組成物であり、且つ該火薬組成物は窒素
原子含有有機物を主燃料成分として含有した化合物が使
用されうる。このような化合物として、具体的には次の
(a)〜(c)の群から選択された各成分を混合したも
のを採用することが好ましい。 (a)燃焼分解してガスを発生する主燃料成分たる窒素
原子含有有機物が、アゾジカルボンアミド,カルボヒド
ラジド,ジシアンジアミド,アミノテトラゾール,アミ
ノグアニジン,トリアミノグアニジンナイトレート,ニ
トログアニジン,トリアゾール,テトラゾール,アゾビ
テトラゾール,ビテトラゾール,あるいはこれらの塩か
らなる群より選択されたもの。 (b)上記主燃料成分を燃焼させる酸化剤。 (c)上記酸化反応を調整する触媒としての燃焼調整
剤。 上記のような窒素含有有機物を採用することにより、特
に分子中の窒素原子の含有率が高く且つ実質的に安価で
大量入手の容易なものを使用することにより、安価なガ
ス発生器の製造にも十分対応できるからである。
【0016】上記の火薬組成物を使用するに当たって
は、事前に粒径を調整しておくことが好ましく、例えば
個数基準50%平均粒径が5〜80μmとなる様に調整
するのが好ましい。また、使用しうる酸化剤の具体例と
しては硝酸塩,亜硝酸塩,オキソハロゲン酸塩等が挙げ
られるが、これらのうち硝酸塩が好ましく、殊に硝酸カ
リウムが好ましい。酸化剤の添加量としては、硝酸塩を
火薬組成物中に50重量%以上含有することが好まし
い。これは、発生ガスの燃焼特性の改善、特にNOX
減効果に有益だからである。酸化剤を使用する際も、事
前に火薬組成物と同程度に粒径を調整しておくことが好
ましい。
【0017】また、燃焼調整剤としては、次の〜の
群から選択された物質を使用することができる。これら
の燃焼調整剤を用いることにより、自己発火性を有する
火薬組成物となりうる。 ジルコニウム,ハフニウム,モリブデン,タングステ
ン,マンガン,ニッケル,鉄又はその酸化物若しくは硫
化物の一種以上。 炭素又は硫黄若しくはリンの一種以上。 上記及びの混合物。 このような燃焼調整剤は、上記酸化剤と主燃料成分であ
る窒素原子含有有機物との酸化反応(燃焼)速度を調整
する機能を有している。燃焼調整剤の添加量は、単位火
薬組成物当りのガス発生量を損なわない様に且つ過剰の
燃焼残査を生じさせない様にするため、火薬組成物重量
に対して10%以下とする事が好ましい。燃焼調整剤を
使用する際も、例えば個数基準50%平均粒径が10μ
m以下となる様に粒度調整しておくことが好ましい。
【0018】上記ように構成された本発明のガス発生器
は、単純な形状のキャップ部材7に伝火剤10の保持機
能と、伝火剤10,内筒3及びフィルタ部材4を軸方向
に押さえる機能とを併有する構造となっている。このた
め、部品数を減少することができ、しかもキャップ部材
7を内筒3の内面に沿いつつ極くわずかな距離だけ挿入
すればよいので、組立作業が非常に容易となる。従っ
て、形状が単純なためキャップ部材7の製作費が安いこ
と及び部品数を減少できることと相まって製造コストの
低減化を図ることができる。
【0019】また、つば付きキャップ部材7のつば部7
aの先端が、突き合わせ溶接時に形成された外筒6のば
り6bに当接して固定されている結果、キャップ部材7
は軸方向内部に付勢されつつ固定配置された状態にあ
る。従って、摩擦圧接時の圧接量の誤差分を吸収させつ
つ、キャップ部材7をガス発生剤2,内筒3及びフィル
タ部材4を軸方向に確実に且つ均等に押さえることがで
き、つまり簡単な設備でこれら部品の適切な位置決めを
容易に行えるので、組立作業の容易化を一層確実なもの
とすることができる。
【0020】また、つば付きキャップ部材7と蓋部材9
の両者は、伝火剤10の下端面が蓋部材9の上端面との
間にすき間を確保できるような配置関係を保って外筒の
軸方向の片端に取り付けられている。従って、このよう
にすき間を確保することで、摩擦溶接時に蓋部材9が昇
温しても、その熱が伝火剤10に直接伝わらないように
することができるので、伝火剤10の誤爆発の回避を保
証でき、組立作業時の安全性を確実に確保することがで
きる。
【0021】なお、外筒6内に内筒3及びフィルタ部材
4を積層させる構成としては、予め内筒3にフィルタ部
材4を巻装したものを、外筒6の内面に沿って嵌挿する
ようにすれば、組立作業の簡素化をさらに進めることが
可能となるため、より好ましい態様といえる。
【0022】また、ガス発生剤2及び伝火剤10として
は、上述のように同一の火薬組成物とし、且つ該火薬組
成物は前記のような窒素原子含有有機物を主燃料成分と
して含有した化合物を用いることが好ましい。このよう
なガス発生器では、伝火剤10にオートイグニッション
剤としての機能を保有させることにより、専用のオート
イグニッション剤を不要として部品点数を少なくするこ
とができ、また比較的煩雑であった専用のオートイグニ
ッション剤の組込み工程を省いて組立作業を一層容易に
することができる。また、従来、別途必要とされていた
専用オートイグニッション剤の製造設備も省略できるこ
ととも相まって、ガス発生器の製造コストを大きく低減
でき、安価なガス発生器を提供することができる。
【0023】次に、本発明に係るガス発生器の製造方法
の実施形態について、図1に基づき説明する。まず、一
端が閉鎖された筒状の外筒6にガス放出用オリフィス6
aを軸方向に複数形成した後、外筒6の閉鎖側内壁の全
体にクッション部材12を敷く。なお、クッション部材
12としては、シリコン発砲体やセラミックファイバ等
の成形物が好適である。次に、この外筒6よりも小口径
の筒体3の外側に予めフィルタ部材4を同心状に積層す
ると共に、その筒体3の外周端部からフィルタ部材4の
端面を覆うようにクッション部材11を貼り付けてなる
筒状の多層体を、外筒6の開放端側(図では右側)から
その内面に沿って嵌挿する。次に、つば付きキャップ部
材7のキャップ本体凸部の上面中央部に貫通孔7dを形
成する一方、凸部の内側には、予め薄膜容器16に伝火
剤10を封入したものを装着し、その凸部を前記小口径
筒体3の内面に沿って嵌入する。このとき、そのつば部
7aは、フィルタ押さえ板11の端面に沿わせて延在さ
せ、且つつば部7aの先端側を少し開放側へ向かうよう
に曲げておくと共に、その先端面は外筒6の開放側端面
よりも少し低い位置(図では左方向へ少し下がった位
置)となるようにセットしておく。次いでキャップ本体
凸部に相似する凸形状の蓋部材9を、その凸部の先端側
をキャップ本体凸部の内周面に沿わせて押し進める。そ
して、蓋部材9の外周端部に形成された環状リブ9aの
先端面が、外筒6の開放側端面に当接したとき、固定さ
れた外筒6に対して蓋部材9を把持して所定の圧力で回
動しつつ押し込む。この結果、当接面は摩擦熱で溶かさ
れ、外筒6と蓋部材9の突き合わせ溶接が終了する。
【0024】終了時点では、キャップ部材7のつば部7
aの先端側が周方向にわたって外筒6のばり6bと密着
し且つこのばり6bで押さえつけられた状態となってい
る。次いで蓋部材9の軸中央部に予め外部と連通するよ
うに形成されていた空間部17に点火具8を固定するこ
とにより、ガス発生器の組立製造作業は終了する。従っ
て、このような製造方法によれば、構造が簡単で部品数
も少ないガス発生器を簡単な設備で効率よく組み立てる
ことができ、より安価なエアバッグ用ガス発生器を提供
することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】本発明のうちで請求項1記載の発明は、
ガス放出用オリフィスを有する筒状の外筒内に軸中心側
から径方向外側に向けて順々にガス発生剤と、ガス通過
孔を有する内筒と、フィルタ部材が収納されると共に、
外筒の軸方向の片端に、点火具及び伝火剤からなる点火
手段を備えた蓋部材が突き合わせ摩擦溶接により取り付
けられてなるエアバッグ用ガス発生器であって、前記蓋
部材のガス発生剤側面に前記伝火剤の上方から冠着され
るつば付きキャップ部材のうち、つば部を、前記内筒及
びフィルタ部材の点火手段側端面に沿わせつつ延在させ
る一方、着火炎をガス発生剤に伝えるべく通過させるた
めの貫通孔を有するキャップ本体凸部を、前記内筒の内
面に沿って嵌挿したものである。
【0026】この結果、単純な形状のキャップ部材に伝
火剤保持機能と、伝火剤,内筒及びフィルタ部材を軸方
向に押さえる機能とを併有させることが可能となり、部
品数の減少が可能となった。しかもキャップ部材を内筒
内面に沿いつつ極くわずかな距離だけ挿入すればよいの
で、組立作業が非常に容易となる。従って、形状が単純
なこと及び部品数を減少できることと相まって製造コス
トの低減化を図ることができる。
【0027】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、さらにつば付きキャップ部材のつば
部先端を、突き合わせ溶接時に形成された外筒のばりに
当接して固定したものである。従って、キャップ部材を
外筒のばりに当接させて軸方向内部に付勢された状態で
固定配置したことで、摩擦圧接時の圧接量の誤差分を吸
収させつつ、そのキャップ部材がガス発生剤,内筒及び
フィルタ部材を軸方向に確実に且つ均等に押さえ、位置
決めが簡単にできるので、組立作業の容易化を一層確実
なものとすることができる。
【0028】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の発明において、さらにつば付きキャッ
プ部材と蓋部材の両者を、伝火剤の下端面と蓋部材の上
端面との間にすき間を確保できるような配置関係を保っ
て外筒の軸方向の片端に取り付けものである。従って、
このようにすき間を確保することで、摩擦溶接時に蓋部
材が昇温しても、その熱が伝火剤に直接伝わらないの
で、伝火剤の誤爆発の回避を保証でき、組立作業時の安
全性を確実に確保することができる。
【0029】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載の発明において、さらに内筒及び
フィルタ部材の積層構成として、予め内筒にフィルタ部
材を巻装したものを、外筒の内面に沿って嵌挿したもの
である。従って、組立作業の簡素化をさらに進め、製造
コストの低減化に寄与しうるガス発生器を提供すること
ができる。
【0030】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至請求項4のいずれかに記載の発明において、さらにガ
ス発生剤及び伝火剤として、同一の火薬組成物であって
且つその火薬組成物が窒素原子含有有機物を主燃料成分
として含有した化合物としたものである。伝火剤にオー
トイグニッション剤としての機能を保有させることによ
り、専用のオートイグニッション剤を不要として部品点
数を少なくすることができ、また比較的煩雑であった専
用のオートイグニッション剤の組込み工程を省いて組立
作業を一層容易にすることができる。また、従来、別途
必要とされていた専用オートイグニッション剤の製造設
備も省略できることとも相まって、ガス発生器の製造コ
ストを大きく低減でき、安価なガス発生器を提供するこ
とができる。
【0031】請求項6記載の発明に係るガス発生器の製
造方法は、一端が閉鎖された筒状の外筒にガス放出用オ
リフィスを軸方向に複数形成した後、この外筒よりも小
口径の筒体の外側に予めフィルタ部材を同心状に積層し
てなる筒状の多層体を、前記外筒の開放端側からその内
面に沿って嵌挿し、次いでつば付きキャップ部材のキャ
ップ本体凸部の上面中央部に貫通孔を形成する一方、凸
部の内側には、予め薄膜容器に伝火剤を封入したものを
装着し、その凸部を前記小口径筒体の内面に沿って嵌入
すると共に、そのつば部は、前記小口径筒体及びフィル
タ部材の外筒開放側端面に沿わせて延在させ、次いで前
記キャップ本体凸部に相似する凸形状の蓋部材を、その
凸部のの先端側はキャップ本体凸部の内周面に沿って嵌
入させながら、その外周端部に形成された環状リブの先
端面と前記外筒の開放側端面とを突き合わせ溶接し、次
いで蓋部材の軸中央部に予め外部と連通するように形成
されていた空間部に点火具を固定するようにしたもので
ある。従って、このような製造方法によれば、構造が簡
単で部品数も少ないガス発生器を簡単な設備で効率よく
組み立てることができ、より安価なエアバッグ用ガス発
生器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略断面説明図であ
る。
【図2】従来のガス発生器を示す概略断面説明図であ
る。
【図3】従来の他のガス発生器を示す概略断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 ガス発生剤 3 内筒 4 フィルタ部材 5 バーストプレート 6 外筒 7 キャップ部材 8 点火具 9 蓋部材 10 伝火剤 11,12 クッション部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 征吾 兵庫県姫路市豊富町豊富3903−39 日本化 薬株式会社姫路工場内センサー・テクノロ ジー株式会社姫路テクニカルセンター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス放出用オリフィス(6a)を有する
    筒状の外筒(6)内に軸中心側から径方向外側に向けて
    順々にガス発生剤(2)と、ガス通過孔(3a)を有す
    る内筒(3)と、フィルタ部材(4)が収納されると共
    に、外筒(6)の軸方向の片端に、点火具(8)及び伝
    火剤(10)からなる点火手段を備えた蓋部材(9)が
    突き合わせ摩擦溶接により取り付けられてなるエアバッ
    グ用ガス発生器であって、前記蓋部材(9)のガス発生
    剤(2)側の面に前記伝火剤(10)の上方から冠着さ
    れるつば付きキャップ部材(7)のうち、つば部(7
    a)を、前記内筒(3)及びフィルタ部材(4)の点火
    手段側端面に沿わせつつ延在させる一方、着火炎をガス
    発生剤(2)に伝えるべく通過させるための貫通孔(7
    d)を有するキャップ本体凸部を、前記内筒(3)の内
    面に沿って嵌挿してなることを特徴とするエアバッグ用
    ガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記つば付きキャップ部材(7)のつば
    部(7a)先端が、前記突き合わせ溶接時に形成された
    外筒(6)のばり(6b)に当接して固定されたもので
    ある請求項1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記つば付きキャップ部材(7)と蓋部
    材(9)の両者が、前記伝火剤(10)の下端面と前記
    蓋部材(9)の上端面との間にすき間(h)を確保でき
    るような配置関係を保って前記外筒(6)の軸方向の片
    端に取り付けられてなる請求項1又は請求項2記載のエ
    アバッグ用ガス発生器。
  4. 【請求項4】 前記内筒(3)及びフィルタ部材(4)
    の積層構成は、予め内筒(3)にフィルタ部材(4)を
    巻装したものを、外筒(6)の内面に沿って嵌挿したも
    のである請求項1乃至請求項3記載のエアバッグ用ガス
    発生器。
  5. 【請求項5】 前記ガス発生剤(2)及び伝火剤(1
    0)は、同一の火薬組成物であり、且つ該火薬組成物は
    窒素原子を構成元素とする有機化合物(以下「窒素原子
    含有有機化合物」と略称する)を主燃料成分として含有
    したものである請求項1乃至請求項4記載のエアバッグ
    用ガス発生器。
  6. 【請求項6】 一端が閉鎖された筒状の外筒(6)にガ
    ス放出用オリフィス(6a)を軸方向に複数形成した
    後、この外筒(6)よりも小口径の筒体(3)の外側に
    予めフィルタ部材(4)を同心状に積層してなる筒状の
    多層体を、前記外筒(6)の開放端側からその内面に沿
    って嵌挿し、次いでつば付きキャップ部材(7)のキャ
    ップ本体凸部の上面中央部に貫通孔(7d)を形成する
    一方、凸部の内側には、予め薄膜容器(16)に伝火剤
    (10)を封入したものを装着し、その凸部を前記小口
    径筒体(3)の内面に沿って嵌入すると共に、そのつば
    部(7a)は、前記小口径筒体(3)及びフィルタ部材
    (4)の外筒開放側端面に沿わせて延在させ、次いで前
    記キャップ本体凸部に相似する凸形状の蓋部材(9)
    を、その凸部の先端側はキャップ本体凸部の内周面に沿
    って嵌入させながら、その外周端部に形成された環状リ
    ブ(9a)の先端面と前記外筒(6)の開放側端面とを
    突き合わせ溶接し、次いで蓋部材(9)の軸中央部に予
    め外部と連通するように形成されていた空間部に点火具
    (8)を固定することを特徴とするエアバッグ用ガス発
    生器の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000027673A1 (fr) * 1998-11-09 2000-05-18 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Generateur de gaz
WO2004052523A1 (ja) * 2002-12-09 2004-06-24 Daicel Chemical Industries, Ltd. エアバッグ用ガス発生器
JP2008094259A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Nippon Kayaku Co Ltd ガス発生器
US7467588B2 (en) 2002-12-09 2008-12-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generator for air bag
JP2012086839A (ja) * 2000-03-13 2012-05-10 Nippon Kayaku Co Ltd ガス発生器

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