JPH09224246A - 画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装置 - Google Patents

画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装置

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Publication number
JPH09224246A
JPH09224246A JP2819696A JP2819696A JPH09224246A JP H09224246 A JPH09224246 A JP H09224246A JP 2819696 A JP2819696 A JP 2819696A JP 2819696 A JP2819696 A JP 2819696A JP H09224246 A JPH09224246 A JP H09224246A
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JP
Japan
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image
quantization matrix
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image compression
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Pending
Application number
JP2819696A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Murakami
芳弘 村上
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮、伸張処理出力画像の周波数特性、歪み
特性を制御することができる画像圧縮符号化および画像
圧縮復号化装置の提供を目的とする。 【解決手段】 この装置は、圧縮処理部1と伸張処理部
2とを有する。一方の、圧縮処理部1は、DCT変換回
路2と、量子化回路3と、可変長符号化回路4とを有す
る。また他方の、伸張処理部5は、可変長復号化回路6
と、逆量子化回路7と、DCT逆変換回路8とを有す
る。ここで、圧縮処理部1の量子化に用いる第1の量子
化マトリクスM1 と伸張処理部5の逆量子化に用いる第
2の量子化マトリクスM2 とを異なるものにした。つま
り、圧縮処理部1では低域から高域への値の増加の傾き
のより大きい第1の量子化マトリクスM1 を、伸張処理
部5では値の増加のより平坦な第2の量子化マトリクス
2 を使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ビデオデ
ィスク装置やハイビジョンテレビ受像機等に用いて好適
な画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ビデオテープレコーダーにおい
て、画像データを記録再生するときに、画像データの容
量が大きいため、生のデータをそのまま記録して再生す
るために、大量のビデオテープを必要としていた。
【0003】また、画像データを蓄積または転送した後
に再生するビデオディスクやハイビジョンテレビ受像機
等においては、生のデータをそのまま蓄積または転送す
ることが考えられるが、画像データの容量が大きいた
め、生のデータをそのまま蓄積または転送すると大容量
のメモリーを必要とすることになる。しかし、例えば、
最も大きいハードディスクでさえも10分程度しか記録
できないので、生のデータをそのまま蓄積または転送す
ることは現実的でなかった。
【0004】そこで、これらの装置においては、画像デ
ータを圧縮処理するようにしていた。つまり、画像デー
タを圧縮して蓄積または転送した後に伸張して再生する
ようにしていた。図4に、従来の画像圧縮符号化および
画像圧縮復号化装置のブロック図を示す。まず、この従
来の画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装置の構成を
説明する。この装置は、圧縮処理部1と伸張処理部5と
を有する。一方の、圧縮処理部1は、DCT変換回路2
と、量子化回路3と、可変長符号化回路4とを有する。
また他方の、伸張処理部5は、可変長復号化回路6と、
逆量子化回路7と、DCT逆変換回路8とを有する。
【0005】まず、圧縮処理部1について説明する。D
CT変換回路2は、入力画像Siの電気信号をフーリエ
変換により信号の周波数成分に分解して、信号をいろい
ろな周波数成分の足し合わせによって構成するように変
換する回路である。このようなDCT変換を行う理由
は、以下の通りである。変換前にランダムに分布してい
た画素値が変換後には、低周波の方に大きな値が集中す
る。人間の視覚特性は、画像の細かい部分には比較的鈍
感であり、また速く動いているものの場合、多少ボケて
いても気づきにくいことが知られている。従って、細か
い絵柄のところは、多少情報量を少なくしても人間の目
には感じにくいことになる。そこで、これを利用して、
絵柄の細かい、高周波の部分を無くしてしなえば、情報
量の圧縮を行うことができる。これがDCT変換を行う
理由である。
【0006】量子化回路3は、DCT変換後の、絵柄の
細かい、高周波の部分を落とすための回路である。ここ
で、量子化とは、DCT変換されたそれぞれの値をある
値(除数)で割り算をし、余りを丸めてしまう操作をす
る回路である。除数の値が大きいとほとんどの値が0に
なり、圧縮率が高いことになる。言い換えると、丸める
部分が多くなるので、再生映像がボケた感じの強い映像
になる。量子化マトリクスMは、DCT変換後のブロッ
クの内の各画素に対して割り算を行う除数を配置したテ
ーブルである。ここでは、4×4のDCTブロックに対
して定義した量子化マトリクスMを示す。横方向は水平
周波数成分を示し、縦方向は垂直周波数成分を示し、L
は低域を示し、Hは高域を示す。水平周波数方向及び垂
直周波数方向共に高域(H)になるに従って除数の値が
増えるように構成されている。つまり、低域(L)を細
かく、高域(H)を粗く量子化するように構成されてい
る。
【0007】可変長符号化回路4は、ランレングス符号
化とハフマン符号化を用いて画像圧縮を行う回路であ
る。ランレングス符号化は、各画素の情報を1つ1つの
ものではなく、連続する同じ状態をひとまとめにする方
法である。例えば、0と1の2値の状態を取り扱う場合
には、最初に送るデータが0か1かを記しておけば、次
のデータはこれとは別の状態になるので、この状態(ラ
ン)がいくつ続くかを記すことで符号化を行う。従っ
て、ランレングス符号化では、ランが長いほど圧縮率が
高くなる。
【0008】また、ハフマン符号化は、例えば、0、
1、2、3の4種類の状態を取り扱う場合には、出現回
数の多いデータ0を1ビット0で、次に多いデータ1を
2ビット10で、出現回数の少ないデータ2と3をそれ
ぞれ3ビットの110、111で表現すると圧縮率を上
げることができる。このように、出現確率の高い状態に
少ないビット数を割り当てて、出現確率の低い状態に多
くのビット数を与えて符号化する方法を可変長符号化と
いう。
【0009】つぎに、伸張処理部5について説明する。
可変長復号化回路6は、可変長符号化回路4において行
われた符号化に対して復号化を行う回路である。逆量子
化回路7は、量子化回路3において行われた量子化と逆
の動作を行う回路である。DCT逆変換回路8は、DC
T変換回路2において行われたDCT変換と逆の動作を
行う回路である。ここで、逆量子化回路7においては、
量子化誤差及び逆量子化誤差の累積を防ぐため、量子化
回路3において用いた量子化マトリクスMと同じものを
用いて、逆量子化を行う。
【0010】このように構成された従来の画像圧縮符号
化および画像圧縮復号化装置の動作を以下に説明する。
まず、圧縮処理部1の動作を説明する。入力画像Siの
データは、DCT変換回路2に供給される。DCT変換
回路2は、入力画像Siの空間面の信号を周波数面の信
号へ変換する。この変換は、演算精度などにも依存する
が、基本的に可逆な変換である。このように変換された
周波数面の信号は、量子化回路3に供給される。
【0011】量子化回路3は、この周波数面の信号の振
幅を圧縮する。この量子化は、画像の情報量を減らすた
めに行われる不可逆な変換である。この量子化は、上述
したように、通常、低域を細かく、高域を粗く行われ
る。この量子化は、量子化マトリクスMで定義される。
量子化された周波数面の信号は、可変長符号化回路4に
供給される。可変長符号化回路4は、量子化された周波
数面の信号を可逆な可変長符号に変換して情報の圧縮を
行い、圧縮データScとして各種媒体に転送する。
【0012】次に、伸張処理部5の動作を説明する。圧
縮データScは、可変長復号化回路6に供給される。可
変長復号化回路6は、圧縮データScを可変長復号化
し、伸張処理部1における量子化後の周波数面の信号と
同じ信号に変換する。この信号は逆量子化回路7に供給
される。逆量子化回路7は、圧縮処理部1における量子
化のときと同じ量子化マトリクスMを使って、逆の演
算、つまり乗算を行う。この逆量子化によって、圧縮処
理部1におけるDCT変換後の周波数面の信号と同じ信
号に量子化の誤差を加えた信号が得られる。
【0013】この量子化誤差の量は、量子化マトリクス
M中の除数を示す値が大きいほど大きい。例えば、水
平、垂直共に最低周波数の値1を使ったときは、この値
1に対応するDCT変換後の係数が1.5のとき、1.
5を除数の値1で割って四捨五入した整数は、2であ
る。このとき、量子化結果は2である。量子化結果1に
除数の値1をかけた2が逆量子化結果である。従って、
このとき量子化誤差は、係数1.5に対して逆量子化結
果2を引いた値−0.5である。ところが、水平、垂直
共に最高周波数の値10を使ったときは、この値10に
対応するDCT変換後の係数が25のとき、25を除数
の値10で割って最も近い整数は、3である。このと
き、量子化結果は3である。量子化結果3に除数の値1
0をかけた30が逆量子化結果である。従って、このと
き量子化誤差は、係数25に対して逆量子化結果30を
引いた値−5である。このように、量子化誤差は、高域
になるほど大きな値となる。
【0014】このような高域になるほど大きな誤差を有
する周波数面の信号は、DCT逆変換回路8に供給され
る。DCT逆変換回路8は、周波数面の信号を空間面の
信号に変換して、出力画像Soとして出力する。この出
力画像Soは、上述したように、量子化誤差を有してい
て、この誤差が高域の画像の歪みとして現れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の画像
圧縮、伸張処理の画像の歪みと周波数との関係について
説明する。図5は、圧縮、伸張処理による出力画像の周
波数に対する利得の特性を示す図である。縦軸に利得A
[dB]、横軸に周波数f[Hz]を示す。図5におい
て示すように、周波数fが変化してもその出力画像の利
得Aは1[dB]のまま変化しない。これは、圧縮処理
における量子化、伸張処理における逆量子化のそれぞれ
において、同じ量子化マトリクスMを用いているためで
ある。
【0016】また、図6は、圧縮、伸張処理による出力
画像の周波数に対するモスキート歪みの特性を示す図で
ある。縦軸にモスキート歪みの大きさD、横軸に周波数
f[Hz]を示す。ここで、モスキート歪みについて説
明する。DCT変換後の周波数面の信号は、量子化、逆
量子化処理による誤差がなければ、DCT係数の基底パ
ターンが相互に補間しあい入力画と同じ信号を再現でき
るが、量子化、逆量子化によって係数が量子化誤差を持
つためDCT係数の基底パターンが相互に補間できず
に、IDCT変換後の空間面の信号にDCTの基底パタ
ーンの重ね合わせたパターンが発生し、これが動画像の
場合、画の移動などにより上記基底パターンの重ね合わ
せパターンが時間的に変化するため、まるでハエが飛ん
でいるかのような歪みを発生するが、この歪みをモスキ
ート歪みと言い、前記量子化誤差が大きいほど目につ
く。モスキート歪みは特に画像のエッジ近傍のフラット
な部分で発生しやすく、また目立ち易い。図6において
示すように、このモスキート歪みDは周波数が高くなる
ほど大きくなると言う不都合があった。これは、上述の
ように、高域になるほど粗く量子化しているためであ
る。
【0017】ここで、上述した圧縮処理部1の量子化に
おいて、低域を細かく高域を粗く量子化する理由をDC
Tブロックとの関係において説明する。まず、DCTブ
ロック内においては、次のようなことが言える。人間の
視覚特性の中に空間的に周波数の高い成分ほど感度が低
くなるという特性があり、低域から高域まで同じレベル
の歪みを持つよりも高域により多くの歪みを持ったほう
が主観的な画質が向上するからである。
【0018】次に、DCTブロック間においては、次の
ようなことが言える。DCT変換はブロック変換である
ためブロック歪みが発生して画質を損なうことがある。
ここで、ブロック歪みとは、DCT変換等の直行変換特
有のものであり、ブロック間の境目が見える現象を言
う。このDCTブロック間を滑らかにつなぐために、低
域の信号の誤差を少なくする必要があるからである。な
お、このブロック歪みは、低ビットレートになるほど顕
著に現れ、大きな画質劣化につながる。
【0019】このような理由により、現在用いられてい
る圧縮技術においては、低域を細かく高域を粗く量子化
することで、視覚的な画質劣化をより少なくするように
している。なお、量子化マトリクスMは、高ビットレー
ト時は低域から高域への値の増加をより平坦に低ビット
レート時は値の増加の傾きをより大きく設定される。つ
まり、量子化マトリクスMは、高ビットレート時は水
平、垂直周波数共に低域から高域までの値の増加をより
少なくし、低ビットレート時はこの低域から高域までの
値字の増加をより大きく設定するようにしていた。
【0020】特に、低ビットレート時に低域から高域ま
での値の増加を大きく設定した場合、上述した高域のモ
スキート歪みDがかなり大きくなり、いかに人間の視覚
特性を考慮しても大きな画質劣化として評価される。ま
た、このような現象を考慮して低ビットレート時に量子
化マトリクスMの値の増加をより平坦に設定すると、低
域から高域までの歪みが大きくなると共に、ブロック歪
みも発生し易くなるため、画質劣化が大きくなるという
不都合があった。
【0021】このような画質劣化を抑えるため、別の方
法としては、圧縮処理部の前段に前処理としてプリフィ
ルターを設け、入力画像を圧縮処理する前に入力画像に
対して空間的なフィルターをかけて高域信号を減衰させ
て最終的な画質をより良くするという方法が採用される
場合がある。しかし、フィルターを増設するためハード
ウエアが増大する点や、フィルターの特性とDCT変換
の特性がうまくマッチしないために、高域を減衰させて
も直接的に符号量を削減することができず、全体として
圧縮効果が少ないというという不都合があった。
【0022】本発明は、かかる点を考慮してなされたも
のであり、圧縮、伸張処理出力画像の周波数特性、歪み
特性を制御することができる画像圧縮符号化および画像
圧縮復号化装置の提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明の画像圧縮符号
化および画像圧縮復号化装置は、入力画像データをDC
T変換し、DCT変換された画像データを量子化し、量
子化された画像データを可変長符号化することにより、
圧縮処理して圧縮データとして転送する圧縮処理手段
と、転送された圧縮データを可変長復号化し、可変長復
号化された圧縮データを逆量子化し、逆量子化された圧
縮データをDCT逆変換することにより、伸張処理する
伸張処理手段とを備え、圧縮処理手段における画像デー
タの量子化に用いる第1の量子化マトリクスと、伸張処
理手段における圧縮データの逆量子化に用いる第2の量
子化マトリクスとが少なくとも相対的に異なるようにし
たものである。
【0024】この発明の画像圧縮符号化および画像圧縮
復号化装置によれば、以下の作用をする。まず、圧縮処
理手段の作用を説明する。入力画像データは、DCT変
換により、入力画像の空間面の信号を周波数面の信号へ
変換される。このように変換された周波数面の信号は、
量子化により、この周波数面の信号の振幅が圧縮され
る。この量子化は、画像の情報量を減らすために行われ
る不可逆な変換である。この量子化は、上述したよう
に、通常、低域を細かく、高域を粗く行われる。この量
子化は、第1の量子化マトリクスで定義される。可変長
符号化により、量子化された周波数面の信号は可逆な可
変長符号に変換されて情報の圧縮が行われ、圧縮データ
として各種媒体に転送される。ここで、圧縮データと共
に、ヘッダー部に伸張処理手段の逆量子化に用いる第2
の量子化マトリクスが付加されて転送される。
【0025】次に、伸張処理手段の作用を説明する。圧
縮データは、可変長復号化により、可変長復号化され、
圧縮処理手段における量子化後の周波数面の信号と同じ
信号に変換される。この信号は逆量子化により、圧縮処
理手段における量子化のときと異なる第2の量子化マト
リクスを使って、逆の演算、つまり乗算が行われる。こ
の逆量子化によって、圧縮処理手段におけるDCT変換
後の係数に対して量子化の誤差を加え、この結果に対し
高域部の係数を減衰させた信号が得られる。これによっ
て、モスキート歪みを発生していた量子化誤差そのもの
も減衰される。
【0026】一般的には量子化誤差とは、量子化以前の
値に対して逆量子化後の値が持つ誤差のことであり量子
化と逆量子化値が同じ値Qを用いた場合、量子化誤差の
最大値はQ/2となることが知られている。ところが本
発明のように、量子化値と逆量子化値が異なる場合に関
して、量子化以前の値に対して逆量子化後の値が持つ誤
差を次の2つの誤差の重ね合わせと定義しこれ以降の説
明にて使用する。一方向に減衰、増幅する誤差成分を利
得A、入力信号(DCT変換後の係数データ)の値によ
って正負両方向に確率的に誤差を持つ成分を量子化誤差
Bと定義する。前述したモスキートノイズは主に後者の
量子化誤差Bが大きいほど大きく見える。上述の利得A
は量子化値と逆量子化値の比で決まり、量子化誤差Bの
大きさは逆量子化値の大きさによって決まる。このよう
に、量子化の数はその値が小さいと、量子化の前のDC
T係数値と量子化後のDCT係数値との誤差が少なくな
り、モスキート歪みは少なく高画質を実現できるが、圧
縮率を高くすることが出来ない。逆に、量子化の数が大
きいと、圧縮率を高くすることは出来るが、量子化の前
のDCT係数値と量子化後のDCT係数値との誤差が大
きくなり、特に高域のモスキート歪みが増大し画質劣化
を招く。この発明においては、DCT係数の高域部分の
利得Aを下げることで、DCT係数の高域部分の量子化
誤差Bを少なくし、DCT逆変換後の高域のモスキート
歪みそのものを減衰させ、高い圧縮率でも画質を損なわ
ない様にするものである。
【0027】このようなDCT変換後の高域の係数に対
して利得A、量子化誤差Bを減衰された信号は、DCT
逆変換により、空間面の信号に変換されて、出力画像と
して出力される。この出力画像は、高域成分が少なくな
り画像から解像度感はある程度失われるが、モスキート
歪みそのものも減衰することにより最終的な画質として
は改善される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本実施例について説明す
る。図1に、本実施例の画像圧縮符号化および画像圧縮
復号化装置のブロック図を示す。図1に示す本実施例が
図4に示した従来例と対応する部分には同一の符号を付
す。本実施例が従来のものと異なる点は、圧縮処理部1
の量子化に用いる第1の量子化マトリクスM1 と伸張処
理部5の逆量子化に用いる第2の量子化マトリクスM2
とを異なるものにした点である。
【0029】まず、この画像圧縮符号化および画像圧縮
復号化装置の構成を説明する。この装置は、圧縮処理部
1と伸張処理部5とを有する。一方の、圧縮処理部1
は、DCT(ディスクリート・コサイン・トランスフォ
ーム)変換回路2と、量子化回路3と、可変長符号化回
路4とを有する。また他方の、伸張処理部5は、可変長
復号化回路6と、逆量子化回路7と、DCT逆変換回路
8とを有する。
【0030】まず、圧縮処理部1について説明する。D
CT変換回路2は、入力画像Siの電気信号をフーリエ
変換により信号の周波数成分に分解して、信号をいろい
ろな周波数成分の足し合わせによって構成するように変
換する回路である。このようなDCT変換を行う理由
は、以下の通りである。変換前にランダムに分布してい
た画素値が変換後には、低周波の方に大きな値が集中す
る。人間の視覚特性は、画像の細かい部分には比較的鈍
感であり、また速く動いているものの場合、多少ボケて
いても気づきにくいことが知られている。従って、細か
い絵柄のところは、多少情報量を少なくしても人間の目
には感じにくいことになる。そこで、これを利用して、
絵柄の細かい、高周波の部分を無くしてしまえば、情報
量の圧縮を行うことができる。これがDCT変換を行う
理由である。
【0031】入力画像Siの動画像は、テレビジョン放
送での転送レートで1秒間に30枚、映画で24枚の映
像を取り扱わなければならない。動画像の特徴は、時間
的な情報を持ち合わせていることである。言い換える
と、1枚1枚の映像がまったく異なるものではなく、似
かよっている部分を多く持っていることが特徴である。
つまり、動画像は、時間的な相関が高いので、画面間の
時間的相関関係を利用した圧縮が可能となる。この動き
の情報を動きベクトルといい、画面間で引き算を行うこ
とにより得られる。この差信号成分をDCT変換するこ
とにより、扱うデータ量を少なくすることができる。こ
の動画像の性質をうまく利用した動画像圧縮方法がMP
EG(Moving Picture Experts
Group)である。
【0032】以下、MPEGの仕組みを説明する。MP
EGでは、符号化の最小単位をピクチャと呼び、3つの
タイプを規定している。Iピクチャは自分自身の情報だ
けで、1枚の映像を構成できるデータである。Pピクチ
ャとBピクチャは前後のIピクチャやPピクチャの情報
を利用することで、元の映像を再現できるデータで、P
ピクチャとBピクチャだけでは、完成した映像を構成で
きない。そこで、適当な間隔でIピクチャを入れること
で、ランダムなアクセスが可能となる。このような、ラ
ンダムアクセス可能な単位をGOP(Group of
Pictures)と呼び、およそ15ピクチャで1
GOPを構成する。このGOPを繰り返して複数連続す
ることによりDCTの1シーケンスを構成する。
【0033】ここで、Bピクチャの情報を用いて、符号
化時には、双方向予測といわれる動き補償が行われる。
具体的には、Iピクチャを過去の画面、Pピクチャを未
来の画面とすると、IピクチャからPピクチャへの過去
の画面から未来の画面を予測する順方向予測だけでな
く、PピクチャからIピクチャへの未来の画面から過去
の画面を予測する逆方向予測の両面から、その中間の映
像Bピクチャを予測する方法を用いている。つまり、P
ピクチャからBピクチャへの未来再生画像から中間の映
像の逆方向予測と、IピクチャからBピクチャへの過去
再生画像から中間の映像の順方向予測とを行う。そのた
め、符号化、復号化は、IピクチャからPピクチャ、P
ピクチャからBピクチャの順に行われる。この順序は、
原画像の順序と、途中の処理での順序が異なっているこ
とになる。MPEGは、CD(コンパクト ディスク)
などの蓄積メディアに記録するための符号化規格として
検討されたものであるが、MPEG2では、現行のNT
SC方式のテレビジョン放送からHDTV(ハイビジョ
ン)などの次世代テレビジョン放送までを対象として検
討されている。
【0034】上述したGOPは、さらに階層(レイヤ)
に分割される。GOPは、上述したIピクチャ、Pピク
チャ、Bピクチャから構成される。1枚のピクチャは輝
度信号Yと2つの色差信号Cb,Crに分離して符号化
するコンポーネント符号化が行われる。ただし、色差信
号Cb,Crは輝度信号Yに比べて、水平、垂直とも1
/2にサブサンプリングされている。ピクチャはスライ
スから構成される。スライスは複数のマクロブロックか
ら構成される。マクロブロックは、隣接する4つの輝度
信号Yのブロックとそれに位置的に対応する1つの色差
信号Cbブロック,1つの色差信号Crブロックの計6
個のブロックである。この例では、符号化する最小単位
は4×4画素からなるブロックである。このブロックが
DCT変換を行う単位である。
【0035】量子化回路3は、DCT変換後の、絵柄の
細かい、高周波の部分を落とすための回路である。ここ
で、量子化とは、DCT変換されたそれぞれの値をある
値(除数)で割り算をし、余りを丸めてしまう操作をす
る回路である。除数が大きいとほとんどの値が0にな
り、圧縮率が高いことになる。言い換えると、丸める部
分が多くなるので、再生映像がボケた感じの強い映像に
なる。量子化マトリクスM1 は、DCT変換後のブロッ
クの内の各画素に対して割り算を行う除数を配置したテ
ーブルである。ここでは、4×4のDCTブロックに対
して定義した量子化マトリクスM1 を示す。横方向は水
平周波数成分を示し、縦方向は垂直周波数成分を示し、
Lは低域を示し、Hは高域を示す。水平周波数方向及び
垂直周波数方向共に高域(H)になるに従って除数が増
えるように構成されている。つまり、低域(L)を細か
く、高域(H)を粗く量子化するように構成されてい
る。
【0036】可変長符号化回路4は、ランレングス符号
化とハフマン符号化を用いて画像圧縮を行う回路であ
る。ランレングス符号化は、量子化された各画素の情報
を1つ1つのものではなく、連続する同じ状態をひとま
とめにする方法である。例えば、0と1の2値の状態を
取り扱う場合には、最初に送るデータが0か1かを記し
ておけば、次のデータはこれとは別の状態になるので、
この状態(ラン)がいくつ続くかを記すことで符号化を
行う。従って、ランレングス符号化では、ランが長いほ
ど圧縮率が高くなる。
【0037】また、ハフマン符号化は、例えば、0、
1、2、3の4種類の状態を取り扱う場合には、出現回
数の多いデータ0を1ビット0で、次に多いデータ1を
2ビット10で、出現回数の少ないデータ2と3をそれ
ぞれ3ビットの110、111で表現すると圧縮率を上
げることができる。このように、出現確率の高い状態に
少ないビット数を割り当てて、出現確率の低い状態に多
くのビット数を与えて符号化する方法を可変長符号化と
いう。
【0038】つぎに、伸張処理部5について説明する。
可変長復号化回路6は、可変長符号化回路4において行
われた符号化に対して復号化を行う回路である。逆量子
化回路7は、量子化回路3において行われた量子化と逆
の動作を行う回路である。DCT逆変換回路8は、DC
T変換回路2において行われたDCT変換と逆の動作を
行う回路である。
【0039】ここで、逆量子化回路7においては、高域
のモスキート歪みを少なくするため、量子化回路3にお
いて用いた第1の量子化マトリクスM1 と異なる第2の
量子化マトリクスM2 を用いて、逆量子化を行う。この
例では、水平、垂直共に最低域(L)では第1の量子化
マトリクスM1 と第2の量子化マトリクスM2 とで共通
の値1を使用しているが、水平、垂直共に低域(L)か
ら高域(H)になるに従って、第1の量子化マトリクス
1 で使用している値3、4、6、8、10に比べて第
2の量子化マトリクスM2 で使用している値1、2、3
は小さい値を使用している。つまり、圧縮処理部1では
低域から高域への値の増加の傾きのより大きい第1の量
子化マトリクスM1 を、伸張処理部5では値の増加のよ
り平坦な第2の量子化マトリクスM2 を使用している。
【0040】このように構成された本実施例の画像圧縮
符号化および画像圧縮復号化装置の動作を以下に説明す
る。まず、圧縮処理部1の動作を説明する。入力画像の
Siデータは、DCT変換回路2に供給される。DCT
変換回路2は、入力画像Siの空間面の信号を周波数面
の信号へ変換する。つまり、入力画像Siを水平、垂直
とも4画素からなる4×4の小ブロックに分割し、各々
のブロックに2次元のDCTを施すことにより4×4の
DCT係数F(u,v)とする。このDCT係数F
(u,v)に対応する基底画像は4×4の画像ブロック
であり、16個の基底ベクトルの線形結合で表現され
る。この基底ベクトルは、フーリエ変換されたいろいろ
な周波数の信号に対応する。これらのいろいろな周波数
の信号を足し合わせた信号が基底画像に対応する。
【0041】基底画像は左から右へより高周波の水平周
波数成分、上から下へより高周波の垂直周波数成分を含
む。F(0,0)は、直流成分の係数を表し、F(u,
v)はu,vが大きくなるほど高周波成分に相当する基
底画像の変換係数に対応する。このような基底画像は、
いずれの4×4の画素ブロックにおいても、直流成分を
中心とする低周波数領域に集中的に分布する。こうし
て、高周波の部分を無くしてしまうことにより、情報量
の圧縮を行うことができる。このブロックの画素の大き
さは、この例では4画素としたが、変換効率から8〜1
6に設定しても良い。画素が大きくなるほど一度に変換
する効率は向上するが、飽和傾向を示すことと、演算規
模の増大に伴って装置規模が大きくなるという条件があ
る。この変換は、演算精度などにも依存するが、基本的
に可逆な変換である。このように変換された周波数面の
信号は、量子化回路3に供給される。
【0042】量子化回路3は、この周波数面の信号の振
幅を圧縮する。この量子化は、画像の情報量を減らすた
めに行われる不可逆な変換である。この量子化は、上述
したように、通常、低域(L)を細かく、高域(H)を
粗く行われる。この量子化は、第1の量子化マトリクス
1 で定義される。以下、量子化の動作を具体的に説明
する。
【0043】上述したように、DCT変換された結果は
DCT係数となる。4×4=16個のDCT係数をその
まま転送・蓄積するのでは高い圧縮率を上げることはで
きない。そこで、DCT係数の量子化を行うのである。
このDCT係数の量子化について説明する。DCT係数
は、その位置に応じた除数を用いて量子化が行われる。
例えば、第1の量子化マトリクスM1 の左上は直流(D
C)係数成分、右下は最も高い周波数(AC)係数成分
である。
【0044】ここで、c(u,v)を位置(u,v)の
DCT係数、m(u,v)を位置(u,v)の量子化マ
トリクスの値、qを量子化スケールファクタ、i(u,
v)を量子化されたDCT係数値、//を四捨五入によ
る整数化除算とすると、
【0045】
【数1】i(u,v)=4*c(u,v)//(q*m
(u,v)) となる。
【0046】このような、DCT係数の位置(u,v)
に応じた除数を与える量子化マトリクスは、画像特性、
出力特性などに応じて最適化させて選ぶことができる。
量子化された周波数面の信号は、可変長符号化回路4に
供給される。可変長符号化回路4は、量子化された周波
数面の信号を可逆な可変長符号に変換して情報の圧縮を
行う。
【0047】量子化されたDCT係数を可変長符号化す
るときに、DC係数とAC係数では統計的性質が異なる
ため、それぞれに適した符号化を行う。まず、DC係数
の符号化を説明する。DC係数は単独ではさまざまな値
をとるが、自然画像の場合、隣接するブロックのDC成
分は互いに近い値をとるという性質がある。この性質を
利用して、DC係数については直前のブロックのDC係
数との差分をハフマン符号化することにより、値0や小
さな値の発生する確率を大きくすることができる。従っ
て、差分0に最も近い符号を割り当てることにより、効
率よく符号化を行うことができる。
【0048】次に、AC成分の符号化を説明する。AC
係数は量子化を行うことにより値0の発生確率が高くな
る。従って、0の連続する個数(ラン長)と非0の係数
の組み合わせをハフマン符号化することにより、効率的
な符号化を行うことができる。AC係数は周波数の低い
方から高い方へとジグザグにスキャンを行い符号化す
る。
【0049】このようにして可変長符号化された情報は
圧縮データScとして各種媒体に転送される。ここで、
転送されるデータは、ヘッダー情報Sh、制御情報Ss
および符号化された圧縮データScである。この例で
は、特に、ヘッダー情報Shに伸張処理部5の逆量子化
に用いる第2の量子化マトリクスM2 を付加して転送す
る。第2の量子化マトリクスM2 は、低域から高域への
値の増加の傾きのより大きい第1の量子化マトリクスM
1 に比べて、値の増加がより平坦に構成されている。こ
の第2の量子化マトリクスM2 は、各GOPの転送毎に
転送される。
【0050】次に、伸張処理部5の動作を説明する。圧
縮データScは、可変長復号化回路6に供給される。可
変長復号化回路6は、圧縮データScを可変長復号化
し、圧縮処理部1における量子化後の周波数面の信号と
同じ信号に変換する。この信号は逆量子化回路7に供給
される。逆量子化回路7は、圧縮処理部1における量子
化のときと異なる第2の量子化マトリクスM2 を使っ
て、逆の演算、つまり乗算を行う。この逆量子化によっ
て、圧縮処理手段におけるDCT変換後の係数に対して
量子化の誤差を加え、この結果に対し高域部の係数を減
衰させた信号が得られる。結果として前記、利得A、量
子化誤差BをCDT変換後の係数に対して付加した信号
が得られる。
【0051】前述の様に、利得Aは量子化値と逆量子化
値の比によって決まり、量子化誤差Bは逆量子化値によ
って決まる。例えば、水平、垂直共に最高周波数の係数
部分の量子化マトリクスで説明すると、従来の例では量
子化値、逆量子化値共に10であるので、利得Aは1で
あり、量子化誤差Bは最大±5である。これに対して本
実施例においては、量子化値は10であるが、逆量子化
値は3であるので利得Aは3/10であり、量子化誤差
Bは最大±1.5である。実際の係数例を使って説明す
ると、従来例ではDCTの変換後の係数値が25の場
合、量子化値10で割ると3、3に逆量子化値10をか
けると30、25から30を引くと−5となり、量子化
誤差Bは−5となる。本実施例では、DCTの変換後の
係数値が25の場合、量子化値10で割ると3、3に逆
量子化値3をかけると9、25に利得Aをかけたもの
7.5(25*3/10)から9を引くと−1.5とな
り、量子化誤差Bは−1.5となる。よって、高域部分
の係数は利得Aだけ減衰するものの、モスキート歪みの
原因となる量子化誤差Bは高域部分になっても大きくな
らない。
【0052】このように、量子化の数はその値が小さい
と、量子化の前のDCT係数値と量子化後のDCT係数
値との誤差が少なくなり、モスキート歪みは少なく高画
質を実現できるが、圧縮率を高くすることが出来ない。
逆に、量子化の数が大きいと、圧縮率を高くすることは
出来るが、量子化の前のDCT係数値と量子化後のDC
T係数値との誤差が大きくなり、特に高域のモスキート
歪みが増大し画質劣化を招く。この実施例においては、
DCT係数の高域部分の利得Aを下げることで、DCT
係数の高域部分の量子化誤差Bを少なくし、DCT逆変
換後の高域のモスキート歪みそのものを減衰させ、高い
圧縮率でも画質を損なわない様にするものである。
【0053】このような高域になっても大きな誤差にな
らない周波数面の信号は、DCT逆変換回路8に供給さ
れる。DCT逆変換回路8は、周波数面の信号を空間面
の信号に変換して、出力画像Soとして出力する。この
出力画像Soは、上述したように、量子化誤差を有して
いるが、この誤差は高域での画像の歪みとして現れない
ような小さな値である。
【0054】このような本実施例の画像圧縮、伸張処理
の画像の歪みと周波数との関係について説明する。図2
は、圧縮、伸張処理による出力画像の周波数に対する利
得の特性を示す図である。縦軸に利得A[dB]、横軸
に周波数f[Hz]を示す。図2において示すように、
周波数fが低い部分では出力画像の利得Aは1[dB]
であるが、周波数fが高くなるに従って出力画像の利得
Aは1[dB]より小さくなる。これは、水平、垂直共
に最低域(L)では第1の量子化マトリクスM 1 と第2
の量子化マトリクスM2 とで共通の値1を使用し、水
平、垂直共に低域(L)から高域(H)になるに従っ
て、第1の量子化マトリクスM1 で使用している値3、
4、6、8、10に比べて第2の量子化マトリクスM2
で使用している値1、2は小さい値を用いているためで
ある。
【0055】また、図3は、圧縮、伸張処理による出力
画像の周波数に対するモスキート歪みの特性を示す図で
ある。縦軸にモスキート歪みの大きさD、横軸に周波数
f[Hz]を示す。ここで、モスキート歪みについて説
明する。DCT変換後の周波数面の信号は、量子化、逆
量子化処理による誤差がなければ、DCT係数の基底パ
ターンが相互に補間しあい入力画と同じ信号を再現でき
るが、量子化、逆量子化によって係数が量子化誤差を持
つためDCT係数の基底パターンが相互に補間できず
に、IDCT変換後の空間面の信号にDCTの基底パタ
ーンの重ね合わせたパターンが発生し、これが動画像の
場合、画の移動などにより上記基底パターンの重ね合わ
せパターンが時間的に変化するため、まるでハエが飛ん
でいるかのような歪みを発生するが、この歪みをモスキ
ート歪みと言い、前記量子化誤差Bが大きいほど目につ
く。モスキート歪みは特に画像のエッジ近傍のフラット
な部分で発生しやすく、また目立ち易い。図3において
示すように、このモスキート歪みDは、周波数fが高く
なっても従来例ほど大きくならない。これは、モスキー
ト歪みDに見えるノイズ成分は、主に伸張処理部5の逆
量子化の第2の量子化マトリクスM2 に依存するためで
ある。つまり、水平、垂直共に最低域(L)では第1の
量子化マトリクスM1 と第2の量子化マトリクスM2
で共通の値1を使用し、水平、垂直共に低域(L)から
高域(H)になるに従って、第1の量子化マトリクスM
1 で使用している値3、4、6、8、10に比べて第2
の量子化マトリクスM2 で使用している値1、2、3は
小さい値を用いているためである。
【0056】このように、上例によれば、図2に示すよ
うに、この画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装置
は、入力画像SiのデータをDCT変換し、DCT変換
された画像データを量子化し、量子化された画像データ
を可変長符号化することにより、圧縮処理して圧縮デー
タScとして転送する圧縮処理手段としての圧縮処理部
1と、転送された圧縮データScを可変長復号化し、可
変長復号化された圧縮データScを逆量子化し、逆量子
化された圧縮データScをDCT逆変換することによ
り、伸張処理する伸張処理手段としての伸張処理部5と
を備え、圧縮処理手段における画像データの量子化に用
いる第1の量子化マトリクスM1 と、伸張処理手段にお
ける圧縮データの逆量子化に用いる第2の量子化マトリ
クスM2 とが少なくとも相対的に異なるようにしたの
で、従来例と比較して、高域(H)の利得Aが下がるた
め、出力画像So全体から解像度感が失われるが、ブロ
ック歪みを抑えつつ、高域のモスキート歪みDを少なく
することができる。これにより、圧縮処理の量子化に用
いる第1の量子化マトリクスM1 と伸張処理の逆量子化
に用いる第2の量子化マトリクスM2 のそれぞれを適当
に調整することにより、解像度感とブロック歪みと高域
のモスキート歪みDのバランスをとり、出力画像Soの
主観的な画質を向上させることができる。
【0057】また、上例によれば、第1の量子化マトリ
クスM1 の高域(H)の値よりも、第2の量子化マトリ
クスM2 の高域(H)の値が少なくとも小さいので、高
域(H)の利得Aが下がるため、出力画像So全体から
解像度感が失われるが、ブロック歪みを抑えつつ、高域
のモスキート歪みDを少なくすることができる。
【0058】また、上例において、伸張処理手段におけ
る圧縮データScの逆量子化に用いる第2の量子化マト
リクスM2 を、値がすべて同じであって、少なくとも第
1の量子化マトリクスM1 の高域(H)の値よりも小さ
くしても良い。例えば、第2の量子化マトリクスM2
値を、すべて1にしても良い。
【0059】上例によれば、第1の量子化マトリクスM
1 は低域(L)から高域(H)まで値が増加し、第2の
量子化マトリクスM2 は値がすべて同じであって、少な
くとも第1の量子化マトリクスM1 の高域の値よりも小
さいので、高域(H)の利得Aがさらに下がるため、出
力画像So全体から解像度感が失われるが、ブロック歪
みを大きく抑えつつ、高域(H)のモスキート歪みDを
少なくすることができる。
【0060】また、上例によれば、第2の量子化マトリ
クスM2 は、圧縮処理手段から伸張処理手段に圧縮デー
タScと共に伝送されるので、ハードウエアを増大させ
ること無く出力画像Soの解像度感とブロック歪みおよ
びモスキート歪みDのバランスをとることができる。
【0061】また、同様な効果を得るために、圧縮処理
部1の前段に前処理としてプリフィルターを設ける場合
と比較すると、単に圧縮処理の量子化に用いる第1の量
子化マトリクスM1 と伸張処理の逆量子化に用いる第2
の量子化マトリクスM2 とを異なるように変更するだけ
なので、ハードウエアの増大はなく、DCTの係数に直
接働きかけるため、画像データの符号量を直接減らすこ
とができる。
【0062】また、上例では、DCT変換によって空間
面の信号から周波数面の信号に変換する際の画像圧縮、
伸張処理出力の周波数特性及び歪み特性を制御する例を
示したが、他のウエーブレット変換、サブバンド符号化
によって空間面の信号から周波数面の信号に変換する際
にも同様に適用しても良い。
【0063】ここで、ウエーブレット変換について簡単
に説明する。まず、入力画像Siに対して水平方向にハ
イパスフィルターとローパスフィルターによってそれぞ
れフィルタリングした後に、1/2に間引かれた中間画
像を得る。その後、垂直方向にも同様の処理を行う。以
上の処理を水平垂直のローパスフィルターの出力に対し
て再帰的に行い、異なる周波数領域の出力画像の集合を
得て、これを走査して符号化する。また、逆ウエーブレ
ット変換は、出力画像から出発して補間とフィルター出
力の合成によって上述と逆の処理を行う。
【0064】このように、ウエーブレット変換は、低周
波数成分のみを再帰的に分割するので、上例のように圧
縮処理の量子化に用いる第1の量子化マトリクスM1
伸張処理の逆量子化に用いる第2の量子化マトリクスM
2 のそれぞれを適当に調整して適用することにより、エ
ッジ周囲のウエーブレット変換特有の歪みを抑制するこ
とができ、低ビットレートでの主観的な画質を向上させ
ることができる。
【0065】次に、サブバンド符号化について説明す
る。まず、入力画像Siの信号を帯域分離フィルターに
よって低域信号と高域信号の2つの帯域信号に分けて、
2:1にサブサンプリングする。圧縮処理部では、各帯
域信号に適当に符号化ビット数を分配し、各帯域信号を
その性質に適合した符号化方によって符号化する。伸張
処理部では、各帯域信号を復号した後に、帯域合成フィ
ルターによって補間しながら元の信号に再生する。
【0066】このように、サブバンド符号化は、2つの
帯域信号に対してその性質に適合した符号化方によって
符号化するので、上例のように圧縮処理の量子化に用い
る第1の量子化マトリクスM1 と伸張処理の逆量子化に
用いる第2の量子化マトリクスM2 のそれぞれを適当に
調整して適用することにより、エッジ周囲のサブバンド
変換特有の歪みを抑制することができ、低ビットレート
での主観的な画質を向上させることができる。
【0067】
【発明の効果】この発明の画像圧縮符号化および画像圧
縮復号化装置は、入力画像データをDCT変換し、DC
T変換された画像データを量子化し、量子化された画像
データを可変長符号化することにより、圧縮処理して圧
縮データとして転送する圧縮処理手段と、転送された圧
縮データを可変長復号化し、可変長復号化された圧縮デ
ータを逆量子化し、逆量子化された圧縮データをDCT
逆変換することにより、伸張処理する伸張処理手段とを
備え、圧縮処理手段における画像データの量子化に用い
る第1の量子化マトリクスと、伸張処理手段における圧
縮データの逆量子化に用いる第2の量子化マトリクスと
が少なくとも相対的に異なるようにしたので、ハードウ
エアを増大すること無く、出力画像の解像度感とブロッ
ク歪みおよびモスキート歪みのバランスをとることがで
き、また、解像度感を減衰させることも増幅させること
もでき、さらに、圧縮処理の前段に前処理としてプリフ
ィルターを設ける場合と比較してハードウエアを少なく
することができ、しかも、DCTの係数に直接働きかけ
るため、画像データの符号量を直接減らすことができる
という効果を奏する。
【0068】また、この発明の画像圧縮符号化および画
像圧縮復号化装置は、上述において、第1の量子化マト
リクスの高域の値よりも、第2の量子化マトリクスの高
域の値が少なくとも小さいので、高域の利得が下がるた
め、出力画像全体から解像度感が失われるが、ブロック
歪みを抑えつつ、高域のモスキート歪みを少なくするこ
とができるという効果を奏する。
【0069】また、この発明の画像圧縮符号化および画
像圧縮復号化装置は、上述において、第1の量子化マト
リクスは低域から高域まで値が増加し、第2の量子化マ
トリクスは値がすべて同じであって、少なくとも第1の
量子化マトリクスの高域の値よりも小さいので、高域の
利得がさらに下がるため、出力画像全体から解像度感が
失われるが、ブロック歪みを大きく抑えつつ、高域のモ
スキート歪みを少なくすることができるという効果を奏
する。
【0070】また、この発明の画像圧縮符号化および画
像圧縮復号化装置は、上述において、第2の量子化マト
リクスは、圧縮処理手段から伸張処理手段に圧縮データ
と共に転送されるので、ハードウエアを増大させること
無く出力画像の解像度感とブロック歪みおよびモスキー
ト歪みのバランスをとることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の画像圧縮符号化および画像圧縮復号
化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例の画像圧縮符号化および画像圧縮復号
化装置の圧縮、伸張処理による出力画像の周波数に対す
る利得の特性を示す図である。
【図3】本実施例の画像圧縮符号化および画像圧縮復号
化装置の圧縮、伸張処理による出力画像の周波数に対す
るモスキート歪みの特性を示す図である。
【図4】従来の画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装
置の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装
置の圧縮、伸張処理による出力画像の周波数に対する利
得の特性を示す図である。
【図6】従来の画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装
置の圧縮、伸張処理による出力画像の周波数に対するモ
スキート歪みの特性を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮処理部、2 DCT変換回路、3 量子化回
路、4 可変長符号化回路、5 伸張処理部、6 DC
T逆変換回路、7 逆量子化回路、8 可変長復号化回
路、Si 入力画像、Sh ヘッダー情報、Ss 制御
情報、Sc 圧縮データ、So 出力画像、M1 第1
の量子化マトリクス、M2 第2の量子化マトリクス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像データをDCT変換し、上記D
    CT変換された画像データを量子化し、上記量子化され
    た画像データを可変長符号化することにより、圧縮処理
    して圧縮データとして転送する圧縮処理手段と、 転送された上記圧縮データを可変長復号化し、上記可変
    長復号化された圧縮データを逆量子化し、上記逆量子化
    された圧縮データをDCT逆変換することにより、伸張
    処理する伸張処理手段とを備え、 上記圧縮処理手段における画像データの量子化に用いる
    第1の量子化マトリクスと、上記伸張処理手段における
    圧縮データの逆量子化に用いる第2の量子化マトリクス
    とが少なくとも相対的に異なるようにしたことを特徴と
    する画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像圧縮符号化および画
    像圧縮復号化装置において、 上記第1の量子化マトリクスの高域の値よりも、上記第
    2の量子化マトリクスの高域の値が少なくとも小さいこ
    とを特徴とする画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像圧縮符号化および画
    像圧縮復号化装置において、 上記第1の量子化マトリクスは低域から高域まで値が増
    加し、上記第2の量子化マトリクスは値がすべて同じで
    あって、少なくとも上記第1の量子化マトリクスの高域
    の値よりも小さいことを特徴とする画像圧縮符号化およ
    び画像圧縮復号化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像圧縮符号化および画
    像圧縮復号化装置において、 上記第2の量子化マトリクスは、上記圧縮処理手段から
    上記伸張処理手段に上記圧縮データと共に転送されるこ
    とを特徴とする画像圧縮符号化および画像圧縮復号化装
    置。
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