JPH092229A - 車両用アンチロックブレーキ装置 - Google Patents

車両用アンチロックブレーキ装置

Info

Publication number
JPH092229A
JPH092229A JP14752095A JP14752095A JPH092229A JP H092229 A JPH092229 A JP H092229A JP 14752095 A JP14752095 A JP 14752095A JP 14752095 A JP14752095 A JP 14752095A JP H092229 A JPH092229 A JP H092229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel brake
valve
brake
passage
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14752095A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Ida
田 雅 宏 位
Tomohiko Funabashi
橋 知 彦 舩
Toshihiro Maeno
野 敏 宏 前
Hiroshi Toda
田 啓 戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP14752095A priority Critical patent/JPH092229A/ja
Publication of JPH092229A publication Critical patent/JPH092229A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で安価に製造でき、アンチロック
制御終了後に液圧ポンプを作動させる必要がなく、真空
エア抜き方法に適したアンチロックブレーキ装置を提供
する。 【構成】 車輪ブレーキ16,18の液圧を制御する制
御弁14を電磁切換弁14aと電磁遮断弁14b,14
cとで構成する。低背圧リザーバ20のブレーキ液は液
圧ポンプ20により一方向弁23,26とオリフィス2
4,26により車輪ブレーキ16,18に分流・供給す
る。電磁切換弁14aの弁体は常態では流体圧により移
動自在とする。液圧ポンプ20の吸入弁21cのシート
面にはバキューム伝達用の小スリットを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願の発明は、車両用アンチ
ロックブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車輪ブレーキをマスタシリンダの圧力発
生室に接続する通路に設置した制御弁により車輪ブレー
キをマスタシリンダの圧力発生室から遮断し且つ低背圧
リザーバ(低背圧を加えられたリザーバ)に接続するこ
とによって車輪ブレーキ内のブレーキ液を低背圧リザー
バ内に流出させて車輪ブレーキ内の液圧を減圧させ、ま
た、制御弁により車輪ブレーキをマスタシリンダの圧力
発生室および低背圧リザーバから遮断し且つ電動機によ
り駆動させる液圧ポンプにより低背圧リザーバ内のブレ
ーキ液を車輪ブレーキに流入させることによって車輪ブ
レーキ内の液圧を再増圧させる構成の車両用アンチロッ
クブレーキ装置は既に知られており、特開昭62−13
4361公報、特開平5−50910号公報に記載され
ている。
【0003】特開昭62−134361公報に記載され
た車両用アンチロックブレーキ装置は、第1の車輪ブレ
ーキおよび第2の車輪ブレーキをマスタシリンダの1つ
の圧力発生室に接続する通路に設置した制御弁により第
1の車輪ブレーキおよび第2の車輪ブレーキを同時に圧
力発生室から遮断し且つ1つの低背圧リザーバに接続す
ることによって第1の車輪ブレーキ内のブレーキ液およ
び第2の車輪ブレーキ内のブレーキ液を同時に低背圧リ
ザーバ内に流出させて第1の車輪ブレーキ内の液圧およ
び第2の車輪ブレーキ内の液圧を同時に減圧させ、ま
た、制御弁により第1の車輪ブレーキおよび第2の車輪
ブレーキを同時に圧力発生室および低背圧リザーバから
遮断し且つ低背圧リザーバ内のブレーキ液を1つの電動
機により駆動させる1つの液圧ポンプにより1つの一方
向弁を通して第1の車輪ブレーキおよび第2の車輪ブレ
ーキに流入させることによって第1の車輪ブレーキ内の
液圧および第2の車輪ブレーキ内の液圧を同時に再増圧
させるものである。制御弁は、1個の3ポート3位置の
電磁切換弁または2個の2ポート2位置の電磁遮断弁に
より構成されている。
【0004】特開平5−50910号公報に記載された
車両用アンチロックブレーキ装置は、通路によりマスタ
シリンダの1つの圧力発生室に接続した第1の車輪ブレ
ーキおよび第2の車輪ブレーキの各々に対して低背圧リ
ザーバおよび液圧ポンプが設置されている。制御弁は、
4個の2ポート2位置の電磁遮断弁により構成されてお
り、第1の車輪ブレーキおよび第2の車輪ブレーキを個
別に圧力発生室から遮断し且つ低背圧リザーバに接続す
ることができ、また第1の車輪ブレーキおよび第2の車
輪ブレーキを個別に圧力発生室および低背室リザーバか
ら遮断することができる。2つのポンプは1つの電動機
により駆動され、液圧ポンプにより車輪ブレーキに流入
させるブレーキ液の流量は車輪ブレーキから低背圧リザ
ーバに流出させるブレーキ液の流量よりも少なくされ
る。このアンチロックブレーキ装置は第1の車輪ブレー
キの液圧と第2の車輪ブレーキの液圧を個別に減圧およ
び再増圧させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】今日、車両用アンチロ
ックブレーキ装置には、マスタシリンダの1つの圧力室
に接続した第1の車輪ブレーキの液圧と第2の車輪ブレ
ーキの液圧を個別に減圧および再増圧させることができ
且つ安価であることが要求されている。
【0006】特開昭62−134361号公報に記載さ
れた車両用アンチロックブレーキ装置は、電磁弁、液圧
ポンプ、低背圧リザーバの数が少ないため安価である
が、第1の車輪ブレーキの液圧と第2の車輪ブレーキの
液圧を個別に減圧および再増圧することができない。
【0007】また、特開平5−50910号公報に記載
された車両用アンチロックブレーキ装置は、第1の車輪
ブレーキの液圧と第2の車輪ブレーキの液圧を個別に減
圧および再増圧することができるが、電磁弁、液圧ポン
プ、低背圧リザーバの数が多いため高価である。
【0008】更に、それら従来の車両用アンチロック制
御装置においては、低背圧リザーバ内のブレーキ液を液
圧ポンプの作動によってのみ低背圧リザーバ内から排出
する構成であり、アンチロック制御終了後所定時間液圧
ポンプを作動させることにより低背圧リザーバを空状態
とし、次回のアンチロック制御時のブレーキ液圧の減圧
性能を確保していたが、アンチロック制御終了後の液圧
ポンプの作動により電力が消費される。
【0009】更に、従来の車両用アンチロック制御装置
においては、車両組立時のブレーキ装置内のエアを真空
エア抜き方法により行う場合、電磁弁を作動させる必要
がある上、液圧ポンプ内のエアを抜くことができない。
【0010】この出願の発明の第1の目的は、マスタシ
リンダの1つの圧力発生室に接続された第1の車輪ブレ
ーキおよび第2の車輪ブレーキを個別に減圧および再増
圧することができ且つ安価であり、アンチロック制御終
了後に液圧ポンプを作動させなくても低背圧リザーバを
空状態にすることができる車両用アンチロックブレーキ
装置を提供することである。
【0011】この出願の第2の目的は、第1の目的に加
えて、車両組立時の真空エア抜き作業を容易にすること
ができる車両用アンチロックブレーキ装置を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この出願の発明に係る車
両用アンチロックブレーキ装置は、請求項1に記載され
ているように、第1車輪ブレーキと、第2車輪ブレーキ
と、前記両車輪ブレーキに液圧を付与するための圧力発
生室を有したマスタシリンダと、低背圧リザーバと、ア
ンチロック制御時に前記圧力発生室から前記各車輪ブレ
ーキへのブレーキ液の供給を止め前記各車輪ブレーキ内
のブレーキ液を前記低背圧リザーバに流出させて前記各
車輪ブレーキの液圧を減圧する電磁切換弁と、アンチロ
ック制御時に前記各車輪ブレーキから前記低背圧リザー
バに流出したブレーキ液を前記低背圧リザーバ内から前
記第1車輪ブレーキに互いに直列な第1一方向弁および
第1オリフィスを介して流入させると同時に前記第2車
輪ブレーキに互いに直列な第2一方向弁および第2オリ
フィスを介して流入させる液圧ポンプと、アンチロック
制御時に前記第1車輪ブレーキおよび第2車輪ブレーキ
から前記電磁切換弁へのブレーキ液の流れをそれぞれ選
択的に止めて前記第1車輪ブレーキの液圧および前記第
2車輪ブレーキの液圧を再増圧させるための第1常開型
電磁遮断弁および第2常開型電磁遮断弁と、前記第1車
輪ブレーキ内のブレーキ液が前記第1常開型電磁遮断弁
および前記電磁切換弁を通らずに前記圧力発生室に戻る
ことを許容するがその逆の流れを阻止する逆止弁を有し
た第1バイパス通路と、前記第2車輪ブレーキ内のブレ
ーキ液が前記第2常開型電磁遮断弁および前記電磁切換
弁を通らずに前記圧力発生室に戻ることを許容するがそ
の逆の流れを阻止する逆止弁を有した第2バイパス通路
とを備えた車両用アンチロックブレーキ装置であって、
前記電磁切換弁は、そのソレノイドが通電されない状態
ではその弁体に作用する流体圧に応じて弁体が自由に移
動するように構成されているものである。
【0013】また、この出願の発明に係る車両用アンチ
ロックブレーキ装置は、請求項2に記載されているよう
に、前記逆止弁は流体圧のみによって閉鎖する構成とさ
れており、前記第1一方向弁および前記第2一方向弁が
前記液圧ポンプの吐出弁を形成しており、前記液圧ポン
プの吸入弁のシート面には前記低背圧リザーバの側から
伝達されるバキュームをポンプ室に伝達するためのバキ
ューム伝達用スリットが形成されているものである。
【0014】
【作用】請求項1に記載の車両用アンチロックブレーキ
装置において、車両を制動するためにブレーキ操作力が
マスタシリンダに加えられると、ブレーキ操作力に対応
した液圧がマスタシリンダの圧力発生室から第1車輪ブ
レーキおよび第2車輪ブレーキに付与され、第1車輪ブ
レーキおよび第2車輪ブレーキが第1車輪および第2車
輪にそれぞれ制動力を加える。
【0015】アンチロック制御時、電磁切換弁の作動お
よび/または電磁遮断弁の作動により第1車輪ブレーキ
および/または第2車輪ブレーキが圧力発生室から遮断
され且つ低背圧リザーバに接続されると、第1車輪ブレ
ーキのブレーキ液および/または第2車輪ブレーキのブ
レーキ液が電磁遮断弁および電磁切換弁を通って低背圧
リザーバへ流出し、第1車輪ブレーキの液圧および/ま
たは第2車輪ブレーキの液圧が減圧する。
【0016】液圧ポンプは、基本的に、アンチロック制
御の開始から終了までの間駆動され続ける。従って、第
1車輪ブレーキおよび/または第2車輪ブレーキから低
背圧リザーバへと流出したブレーキ液は液圧ポンプによ
り第1一方向弁および第1オリフィスを通して第1車輪
ブレーキに流入されると同時に第2一方向弁および第2
オリフィスを通して第2の車輪ブレーキに流入される。
2つのオリフィスの存在により、液圧ポンプの吐出液は
第1車輪ブレーキと第2車輪ブレーキとの間の液圧差の
有無に拘らず第1車輪ブレーキに流入する流れと第2車
輪ブレーキに流入する流れとに分流されるものである。
そして、2つの一方向弁の存在により、第1車輪ブレー
キと第2車輪ブレーキのうちで液圧の高い車輪ブレーキ
のブレーキ液が液圧ポンプの吸入行程中に液圧の低い車
輪ブレーキへ流れることが防止される。
【0017】液圧ポンプにより第1車輪ブレーキに流入
させるブレーキ液の流量は第1車輪ブレーキから低背圧
リザーバへ流出させるブレーキ液の流量よりも少なく、
また液圧ポンプにより第2車輪ブレーキに流入させるブ
レーキ液の流量は第2車輪ブレーキから低背圧リザーバ
へ流出させるブレーキ液の流量よりも少なくしてあるた
め、電磁切換弁、電磁遮断弁の操作により第1車輪ブレ
ーキおよび/または第2車輪ブレーキを圧力発生室から
遮断し且つ低背圧リザーバに接続した状態を保持するこ
とにより第1車輪ブレーキの液圧および/または第2車
輪ブレーキの液圧が減圧し続ける。また、電磁切換弁、
電磁遮断弁の操作により第1車輪ブレーキおよび/また
は第2車輪ブレーキを圧力発生室および低背圧リザーバ
から遮断した状態にすると、第1車輪ブレーキのブレー
キ液および/または第2車輪ブレーキのブレーキ液の流
出が止まり、第1車輪ブレーキの液圧および/または第
2車輪ブレーキの液圧が液圧ポンプによるブレーキ液の
流入によって再増圧する。
【0018】ブレーキ操作が解除された場合、マスタシ
リンダの圧力発生室の液圧が大気圧まで低下し、また電
磁切換弁および電磁遮断弁の作動が解除される。従っ
て、各車輪ブレーキ内のブレーキ液は車輪ブレーキ内の
液圧と圧力発生室の液圧との間の差により電磁遮断弁お
よび電磁切換弁を通って圧力発生室に戻ると同時にバイ
パス通路を通って圧力発生室に戻る。そして、低背圧リ
ザーバ内のブレーキ液は電磁切換弁の弁体が低背圧リザ
ーバ内の液圧により移動可能となった時点、つまり車輪
ブレーキの液圧が低背圧リザーバの液圧により低くなっ
た時点で電磁切換弁を通って圧力発生室へ戻る。
【0019】また、請求項2に記載した車両用アンチロ
ックブレーキ装置においては、更に、車両組立時におけ
る真空エア抜き作業時、マスタシリンダにバキュームが
印加されると、このバキュームが電磁切換弁に伝達する
とともにバイパス通路を通って各車輪ブレーキに伝達す
る。車輪ブレーキに伝達したバキュームは更に電磁遮断
弁を通って電磁切換弁に伝達する。電磁切換弁ではマス
タシリンダ側と車輪ブレーキ側の双方からバキュームが
伝達するので、弁体の移動により低背圧リザーバがマス
タシリンダまたは車輪ブレーキに連通した状態となり、
バキュームが低背圧リザーバに伝達し、そこから更に液
圧ポンプの吸入弁のバキューム伝達用スリットを通って
液圧ポンプのポンプ室に伝達する。従って、電磁切換弁
や電磁遮断弁を操作しないでもブレーキ液圧路の全部分
にバキュームが伝達し、ブレーキ液圧路の全部分のエア
抜きが達成される。
【0020】
【実施例】この出願の発明にかかる車両用アンチロック
ブレーキ装置の実施例を図面に基づいて説明する。
【0021】図1の実施例は、駆動車輪である左前車輪
に制動力を加える左前車輪ブレーキおよび従動車輪であ
る右後車輪に制動力を加える右後車輪ブレーキをタンデ
ム型のマスタシリンダの第1の圧力発生室に、また駆動
車輪である右前車輪に制動力を加える右前車輪ブレーキ
および従動車輪である左後車輪に制動力を加える左後車
輪ブレーキをマスタシリンダの第2圧力発生室にそれぞ
れ接続したFF車(フロントエンジン・フロントドライ
ブ車)用アンチロックブレーキ装置である。
【0022】図1において、ブレーキペダル10に加え
られたブレーキ操作力は、負圧式倍力装置11により倍
加されてタンデム型のマスタシリンダ12に加えられ
る。マスタシリンダ12は、第1圧力発生室12aと第
2圧力発生室12bとを有している。圧力発生室12a
および12bにブレーキ液を補給するためのマスタシリ
ンダリザーバ12cがマスタシリンダ12に付属してい
る。
【0023】マスタシリンダ12の圧力発生室12a
は、通路13、制御弁14および通路15を介して右前
車輪ブレーキ16に、また通路13、制御弁14および
通路17を介して左後車輪ブレーキ18にそれぞれ接続
されている。
【0024】制御弁14は、通路13に接続され且つ通
路14eおよび14fを介して通路15および17にそ
れぞれ接続される通路14dに設置されており右前車輪
ブレーキ16および左後車輪ブレーキ18を選択的に且
つ同時に圧力発生室12aから遮断し且つ通路19を介
して低背圧リザーバ20に接続するための3ポート2位
置の電磁切換弁14aと、通路14eに設置されており
右前車輪ブレーキ16を選択的に電磁切換弁14aから
遮断するための2ポート2位置の常開型電磁遮断弁14
bと、通路14fに設置されており左後車輪ブレーキ1
8を選択的に電磁切換弁14aから遮断するための2ポ
ート2位置の常開型電磁遮断弁14cとで構成されてい
る。
【0025】低背圧リザーバ20は、シリンダとピスト
ンとで通路19に接続する液室を形成させ、この液室の
容積が小さくなるようにピストンをスプリングで付勢し
て成る周知のものである。
【0026】低背圧リザーバ20は液圧ポンプ21の吸
入通路21aと接続されている。液圧ポンプ21はピス
トン型の液圧ポンプであり、電動機22により駆動され
る。
【0027】液圧ポンプ21の吸入通路21aには吸入
弁21cが配設されており、またその吐出通路21b
は、一方向弁23とオリフィス24が直列に設置された
通路25により通路15に、また一方向弁26とオリフ
ィス27が直列に設置された通路28により通路17に
それぞれ接続されている。これら一方向弁23,26は
液圧ポンプ21の吐出弁を構成しており、吸入弁21c
および一方向弁23,26は何れも閉弁用スプリングを
具備する構成である。
【0028】一端を通路13に接続し且つ他端を通路1
5に接続したバイパス通路29には通路15から通路1
3への流れのみを許容する逆止弁30が設置され、一端
を通路13に接続し且つ他端を通路17に接続したバイ
パス通路31には通路17から通路13への流れのみを
許容する逆止弁32が設置されている。逆止弁30,3
2は流体圧のみにより閉弁する構成のものである。
【0029】マスタシリンダ12の圧力発生室12b
は、通路33、制御弁34および通路35を介して左前
車輪ブレーキ36に、また通路33、制御弁34および
通路37を介して右後車輪ブレーキ38にそれぞれ接続
されている。
【0030】制御弁34は、通路33に接続され且つ通
路34eおよび34fを介して通路35および37にそ
れぞれ接続される通路34dに設置されており左前車輪
ブレーキ36および右後車輪ブレーキ38を選択的に且
つ同時に圧力発生室12bから遮断し且つ通路39を介
して低背圧リザーバ40に接続するための3ポート2位
置の電磁切換弁34aと、通路34eに設置されており
左前車輪ブレーキ36を選択的に電磁切換弁34aから
遮断するための2ポート2位置の常開型電磁遮断弁34
bと、通路34fに設置されており右後車輪ブレーキ3
8を選択的に電磁切換弁34aから遮断するための2ポ
ート2位置の常開型電磁遮断弁34cとで構成されてい
る。
【0031】低背圧リザーバ40は、シリンダとピスト
ンとで通路39に接続する液室を形成させ、この液室の
容積が小さくなるようにピストンをスプリングで付勢し
て成る周知のものである。
【0032】低背圧リザーバ40は液圧ポンプ41の吸
入通路41aと接続されている。液圧ポンプ41はピス
トン型の液圧ポンプであり、電動機22により駆動され
る。
【0033】ポンプ41の吸入通路41aには吸入弁4
1cが配設されており、またその吐出通路41bは、一
方向弁42とオリフィス43が直列に設置された通路4
4により通路35に、また一方向弁45とオリフィス4
6が直列に設置された通路47により通路37にそれぞ
れ接続されている。吸入弁41cおよび一方向弁42,
45は何れも閉弁用スプリングを具備する構成である。
【0034】一端を通路33に接続し且つ他端を通路3
5に接続したバイパス通路48には通路35から通路3
3への流れのみを許容する逆止弁49が設置され、一端
を通路33に接続し且つ他端を通路37に接続したバイ
パス通路50には通路37から通路33への流れのみを
許容する逆止弁51が設置されている。逆止弁49,5
1は流体圧のみにより閉弁する構成のものである。
【0035】電磁切換弁14aおよび34a、電磁遮断
弁14b、14c、34bおよび34c、および電動機
22は、車両の制動時、右前車輪、左後車輪、左前車輪
および右後車輪の各々に対して設けられた回転センサー
53,54,55および56からの信号に基づき右前車
輪ブレーキ16、左後車輪ブレーキ18、左前車輪ブレ
ーキ36、右後車輪ブレーキ38の各々について減圧、
再増圧の必要性を判定する電子制御装置52により電気
的に操作させるものである。
【0036】電磁遮断弁14b、14c、34bおよび
34cはスプリングにより開位置(非作動位置)に復帰
する構成のものであるのに対し、電磁切換弁14a,3
4aには非作動位置に復帰させるスプリングは設けられ
ていない。
【0037】電磁切換弁14a,34aは同じ構成のも
のであり、電磁切換弁14aの詳細が図2および図3に
示されている。図2において、61は金属製のボデーで
あり、左右方向の軸線を有する段付シリンダ孔62と、
この段付シリンダ孔62の小径部62aに連通する第1
のポート63(図1の通路13と連通する)と、段付シ
リンダ孔62の小径部62aに連通する第2のポート6
4(図1の通路14dと連通する)と、段付シリンダ孔
62の大径部62bに連通する第3のポート65(図1
の通路19と連通する)が形成されている。
【0038】段付シリンダ孔62の大径部62bの右方
膨径部内には、ソレノイド66の固定鉄心67の左方膨
径部と非磁性体製のスリーブ68の左方テーパ部が配置
されており、スリーブ68のテーパ部とボデー61のテ
ーパ部との間に止めリング69を圧入することにより固
定鉄心67およびスリーブ68がボデー61に固定され
且つスリーブ68とボデー61との間がシールされてい
る。
【0039】ソレノイド66は、スリーブ68内の可動
鉄心70と、可動鉄心70を右方へ付勢するスプリング
71と、スリーブ68の外側を囲むように配置されてい
る電気コイル72と、磁性体製のヨーク部材73および
74を含む。
【0040】図2および図3に示されるように、段付シ
リンダ孔62の小径部62a内には、金属製の第1の弁
座部材75、金属製の第2の弁座部材76、金属製のス
ペーサ77および球状の金属製の弁体78の組立体79
が配置されている。弁座部材75および76は同一の形
状および寸法を有するものであり、弁座部材75および
76は通孔75aおよび76aをそれぞれ中心部に有し
ている。弁座部材75および76の縮径部75bおよび
76bはスペーサ77の内側に圧入されている。スペー
サ77は、弁座部材75および76の外径よりも若干小
さい外径を有しており、段付シリンダ孔62の小径部6
2aの周面との間に環状の通路80を形成する。また弁
体78が位置する部分の内径から外径に達する放射溝を
3本有している。通路80と放射溝により、組立体79
の周方向の位置がどのようであっても第2ポート64と
通孔75a,76aとの連通が確保される。
【0041】組立体79を小径部62a内に挿入した
後、小径部62aの上端部の周囲部分をかしめて止め部
61aを形成することにより、弁座部材75の下面に形
成された突起84が小径部62aの下端面に食い込んで
両者間がシールされ、弁座部材76の上端部外周と止め
部61aとの間がシールされ、両弁座部材75,76が
ボデー61に固定される。
【0042】段付シリンダ孔62の大径部62b内に
は、弁体28を弁座部材76から離脱させ弁座部材75
に圧接させるロッド81が配置されている。このロッド
81はソレノイド66の可動鉄心70と結合されてお
り、電気コイル72が通電された場合にはソレノイド6
6により左方へ推進させられる。段付シリンダ孔62の
大径部62b内には、ロッド81を案内するガイド82
とこれを固定する止めリング83が配置されている。止
めリング83は大径部62bの周壁をかしめることによ
り固定されている。
【0043】液圧ポンプ21,41は同じ構成のもので
あり、液圧ポンプ21の詳細が図4に示されている。図
4において、ボデー100の孔101の右端に近接して
配置されている駆動カム102は図1の電動機22によ
り回転中心O周りに回転駆動されるものである。孔10
1の左端部には出口103(図1の吐出通路21bに連
通する)を設けたプラグ104が嵌入・固定されてい
る。孔101の右側部分には環状シール部材110を装
着したポンププランジャ111が摺動可能に嵌合されて
いる。このポンププランジャ111とプラグ104との
間に形成されたポンプ室112にはポンププランジャ1
11の右端面を駆動カム102に押圧する圧縮コイルス
プリング113が配置されている。ポンプ室112に連
通するようにボデー100に形成された孔114内に
は、ボデー100に固定のシート部材115、このシー
ト部材115に係止されたリテーナ116、このリテー
ナ116との間に張設された圧縮コイルスプリング11
7によりシート部材115のテーパ付シート面118に
押圧される球状弁体119とよりなる吸入弁120が配
設されている。シート面118にはバキューム伝達用の
小さいスリット124が形成されている。
【0044】車両が走行し且つブレーキペダル10が踏
み込まれない場合は、電磁切換弁14aおよび34a
と、電磁遮断弁14b、14c、34bおよび34cは
図1に示す位置を占めており、電動機22は作動されな
い。
【0045】ブレーキペダル10が踏み込まれた場合、
マスタシリンダ12の圧力発生室12aのブレーキ液が
通路13、制御弁14および通路15を通して右前車輪
ブレーキ16に、また通路13、制御弁14および通路
17を通して左後車輪ブレーキ18にそれぞれ供給され
る。それと同時に、マスタシリンダ12の圧力発生室1
2bのブレーキ液が通路33、制御弁34および通路3
5を通して左前車輪ブレーキ36に、また通路33、制
御弁34および通路37を通して右後車輪ブレーキ38
にそれぞれ供給される。その場合、通路13のブレーキ
液は電磁切換弁14aおよび電磁遮断弁14bを通って
通路15へ流れると同時に電磁切換弁14aおよび電磁
遮断弁14cを通って通路17へ流れ、通路33のブレ
ーキ液は電磁切換弁34aおよび電磁遮断弁34bを通
って通路35へ流れると同時に電磁切換弁34aおよび
電磁遮断弁34cを通って通路37へ流れる。これによ
り、右前車輪ブレーキ16、左後車輪ブレーキ18、左
前車輪ブレーキ36および右後車輪ブレーキ38の各々
の液圧が増圧し、右前車輪ブレーキ16、左後車輪ブレ
ーキ18、左前車輪ブレーキ36および右後車輪ブレー
キ38により右前車輪、左後車輪、左前車輪および右後
車輪にそれぞれ制動力が加えられる。右前車輪、左後車
輪、左前車輪および右後車輪の何れにもロック傾向が発
生しなければ、右前車輪ブレーキ16、左後車輪ブレー
キ18、左前車輪ブレーキ36および右後車輪ブレーキ
38の各々の液圧は、ブレーキペダル踏力に対応した液
圧になる。
【0046】ブレーキペダル10の踏み込みが解除され
ると、圧力発生室12aおよび12bの液圧が下がり、
右前車輪ブレーキ16のブレーキ液が通路15および通
路13を通って圧力発生室12aに、左後車輪ブレーキ
18のブレーキ液が通路17および通路13を通って圧
力発生室12aに、左前車輪ブレーキ36のブレーキ液
が通路35および通路33を通って圧力発生室12b
に、右後車輪ブレーキ38のブレーキ液が通路37およ
び通路33を通って圧力発生室12bにそれぞれ戻り、
右前車輪ブレーキ16、左後車輪ブレーキ18、左前車
輪ブレーキ36および右後車輪ブレーキ38の各々の液
圧が下がる。その場合、通路15のブレーキ液は電磁遮
断弁14bおよび電磁切換弁14aを通って通路13へ
流れるとともにバイパス通路29を通って通路13へ流
れ、通路17のブレーキ液は電磁遮断弁14cおよび電
磁切換弁14aを通って通路13へ流れるとともにバイ
パス通路31を通って通路13へ流れ、通路35のブレ
ーキ液は電磁遮断弁34bおよび電磁切換弁34aを通
って通路33へ流れるとともにバイパス通路48を通っ
て通路33へ流れ、通路37のブレーキ液は電磁遮断弁
34cおよび電磁切換弁34aを通って通路33へ流れ
るとともにバイパス通路50を通って通路33へ流れ
る。
【0047】ブレーキペダル10が踏み込まれている場
合において、右前車輪、左後車輪、左前車輪および右後
車輪の何れか1つでもロック傾向になると、例えば左後
車輪がロック傾向になると、電子制御装置は左後車輪ブ
レーキ18の液圧の減圧が必要と判定し、電磁切換弁1
4aと電磁遮断弁14bを作動させると同時に電動機2
2を作動させる。電磁切換弁14aの作動により左後車
輪ブレーキ18が通路17、電磁遮断弁14c、電磁切
換弁14aおよび通路19を介して低背圧リザーバ20
に接続され、左後車輪ブレーキ18のブレーキ液が低背
圧リザーバ20へ流出し始め、左後車輪ブレーキ18の
液圧が減圧し始める。電磁遮断弁14bの作動により右
前車輪ブレーキ16が電磁切換弁14aから遮断された
め、右前車輪ブレーキ16のブレーキ液が低背圧リザー
バ20へ流出することはない。
【0048】電動機22により駆動される液圧ポンプ2
1は、左後車輪ブレーキ18から低背圧リザーバ20に
流出したブレーキ液を吸入通路21aにより吸入して吐
出通路21bおよび通路25を通して通路15に流入さ
せると同時に吐出通路21bおよび通路28を通して通
路17に流入させる。つまり、通路25および28にオ
リフィス24および27がそれぞれ設置されていること
により吐出通路21bの液圧は右前車輪ブレーキ16お
よび左後車輪ブレーキ18のうちで液圧の高い右前車輪
ブレーキ16の液圧よりも高まり、吐出通路21bのブ
レーキ液が通路15に流入する流れと通路17に流入す
る流れとに分流される。通路15に流入する流量と通路
17に流入する流量との比はオリフィス24の面積とオ
リフィス27の面積との比に依存する。液圧ポンプ21
が吸入行程にあるときに液圧の高い右前車輪ブレーキ1
6のブレーキ液が通路25および通路28を通って液圧
の低い左後車輪ブレーキ18へ流れることは一方向弁2
3により阻止される。
【0049】このように、液圧ポンプ21の作動により
低背圧リザーバ20から通路17、つまり左後車輪ブレ
ーキ18に対してブレーキ液が流入されるが、その流量
は左後車輪ブレーキ18から通路17、電磁遮断弁14
c、電磁切換弁14aおよび通路19を通して低背圧リ
ザーバ20に流出するブレーキ液の流量に比べて遙かに
少なくされているものであり、左後車輪ブレーキ18の
液圧は減圧し続ける。
【0050】電磁遮断弁14bの作動によりブレーキ液
の流出を止められている右前車輪ブレーキ16の液圧は
液圧ポンプ21の作動によるブレーキ液の流入に応じて
増圧する。
【0051】左後車輪のロック傾向が解消すると、電子
制御装置は左後車輪ブレーキ18の液圧の増圧が必要と
判定し、電磁遮断弁14cを作動させて左後車輪ブレー
キ18から低背圧リザーバ20へのブレーキ液の流出を
止める。これにより、左後車輪ブレーキ18の液圧は液
圧ポンプ21の作動によるブレーキ液の流入に応じて再
増圧する。
【0052】電動機22の作動により液圧ポンプ41も
作動されるが、低背圧リザーバ40が空であるため、液
圧ポンプ41は空運転状態となる。
【0053】左後車輪ブレーキ18の液圧を制御してい
る最中に例えば右後車輪がロック傾向になると、電子制
御装置は右後車輪ブレーキ38の液圧の減圧が必要と判
定し、電磁切換弁34aと電磁遮断弁34bを作動させ
る。電磁切換弁34aの作動により右後車輪ブレーキ3
8が通路37、電磁遮断弁34c、電磁切換弁34aお
よび通路39を介して低背圧リザーバ40に接続され、
右後車輪ブレーキ38のブレーキ液が低背圧リザーバ4
0へ流出し始め、右後車輪ブレーキ38の液圧が減圧し
始める。電磁遮断弁34bの作動により左前車輪ブレー
キ36が電磁切換弁34aから遮断されるため、左前車
輪ブレーキ36のブレーキ液が低背圧リザーバ40へ流
出することはない。
【0054】電動機22により駆動される液圧ポンプ4
1は、右後車輪ブレーキ38から低背圧リザーバ40に
流出したブレーキ液を吸入通路41aにより吸入して吐
出通路41bおよび通路44を通して通路35に流入さ
せると同時に吐出通路41bおよび通路47を通して通
路37に流入させる。つまり、通路44および47にオ
リフィス43および46がそれぞれ設置されていること
により吐出通路41bの液圧は左前車輪ブレーキ36お
よび右後車輪ブレーキ38のうちで液圧の高い左前車輪
ブレーキ36の液圧よりも高まり、吐出通路41bのブ
レーキ液が通路35に流入する流れと通路37に流入す
る流れとに分流される。液圧ポンプ41が吸入行程にあ
るときに液圧の高い左前車輪ブレーキ36のブレーキ液
が通路44および通路47を通って液圧の低い右後車輪
ブレーキ38へ流れることは一方向弁42により阻止さ
れる。
【0055】このように、液圧ポンプ41の作動により
低背圧リザーバ40から通路37、つまり右後車輪ブレ
ーキ38に対してブレーキ液が流入されるが、その流量
は右後車輪ブレーキ38から通路37、電磁遮断弁34
c、電磁切換弁34aおよび通路39を通して低背圧リ
ザーバ40に流出するブレーキ液の流量に比べて遙かに
少なくされているものであり、右後車輪ブレーキ38の
液圧は減圧し続ける。
【0056】電磁遮断弁34bの作動によりブレーキ液
の流出を止められている左前車輪ブレーキ36の液圧は
液圧ポンプ41の作動によるブレーキ液の流入に応じて
増圧する。
【0057】右後車輪のロック傾向が解消すると、電子
制御装置は右後車輪ブレーキ38の液圧の増圧が必要と
判定し、電磁遮断弁34cを作動させて右後車輪ブレー
キ38から低背圧リザーバ40へのブレーキ液の流出を
止める。これにより、右後車輪ブレーキ38の液圧は液
圧ポンプ41の作動によるブレーキ液の流入に応じて再
増圧する。
【0058】左後車輪ブレーキ18の液圧および右後車
輪ブレーキ38の液圧を制御している最中に例えば右前
車輪および左前車輪がロック傾向になると、電子制御装
置は右前車輪ブレーキ16の液圧および左前車輪ブレー
キ36の液圧の減圧が必要と判定し、電磁遮断弁14b
の作動および電磁遮断弁34bを作動を解除する。電磁
遮断弁14bの作動解除により右前車輪ブレーキ16の
ブレーキ液が通路15、電磁遮断弁14b、電磁切換弁
14aおよび通路19を通って低背圧リザーバ20へ流
出する。右前車輪ブレーキ16にはポンプ21の作動に
よりブレーキ液が流入されるが、その流量は右前車輪ブ
レーキ16から低背圧リザーバ20へ流出するブレーキ
液の流量に比べて遙かに少なくされていることにより、
右前車輪ブレーキ16の液圧が減圧し始める。また、電
磁遮断弁34bの作動解除により左前車輪ブレーキ36
のブレーキ液が通路35、電磁遮断弁34b、電磁切換
弁34aおよび通路39を通って低背圧リザーバ40へ
流出する。左前車輪ブレーキ36には液圧ポンプ41の
作動によりブレーキ液が流入されるが、その流量は左前
車輪ブレーキ36から低背圧リザーバ40へ流出するブ
レーキ液の流量に比べて遙かに少なくされていることに
より、左前車輪ブレーキ36の液圧が減圧し始める。
【0059】右前車輪ブレーキ16の液圧により右前車
輪のロック傾向が解消すると、電子制御装置は右前車輪
ブレーキ16の液圧の再増圧が必要と判定して電磁遮断
弁14bを再び作動させ、右前車輪ブレーキ16から低
背圧リザーバ20へのブレーキ液の流出を止める。これ
により、右前車輪ブレーキ16はポンプ21の作動によ
るブレーキ液の流入に応じて再増圧する。また、左前車
輪ブレーキ36の液圧により左前車輪のロック傾向が解
消すると、電子制御装置は左前車輪ブレーキ36の液圧
の再増圧が必要と判定して電磁遮断弁34bを再び作動
させ、左前車輪ブレーキ36から低背圧リザーバ40へ
のブレーキ液の流出を止める。これにより、左前車輪ブ
レーキ36は液圧ポンプ41の作動によるブレーキ液の
流入に応じて再増圧する。
【0060】以上説明したように、ブレーキペダル10
が踏み込まれている状態において、右前車輪ブレーキ1
6の液圧および左後車輪ブレーキ18の液圧は、電磁切
換弁14aおよび電動機22を作動させた上で電磁遮断
弁14bおよび14cを個別に作動および作動解除する
ことにより個別に減圧および再増圧させることができ
る。また、左前車輪ブレーキ36の液圧および右後車輪
ブレーキ38の液圧も、電磁切換弁14aおよび電動機
22を作動させた上で電磁遮断弁34bおよび34cを
個別に作動および作動解除することにより個別に減圧お
よび再増圧させることができる。そして、電磁遮断弁1
4bおよび14cを作動させて右前車輪ブレーキ16の
液圧および左後車輪ブレーキ18の液圧を再増圧させて
いる最中に電磁切換弁14aの作動を解除し且つ電磁遮
断弁14bの作動および/または電磁遮断弁14cの作
動を解除することにより、ブレーキ液を圧力発生室12
aから右前車輪ブレーキ16および/または左後車輪ブ
レーキ18に流入させて右前車輪ブレーキ16の液圧お
よび/または左後車輪ブレーキ18の液圧を急速に増圧
させることができる。同様に、電磁遮断弁34bおよび
34cを作動させて左前車輪ブレーキ36の液圧および
右後車輪ブレーキ38の液圧を再増圧させている最中に
電磁切換弁34aの作動を解除し且つ電磁遮断弁34b
の作動および/または電磁遮断弁34cの作動を解除す
ることにより、ブレーキ液を圧力発生室12bから左前
車輪ブレーキ36および/または右後車輪ブレーキ38
に流入させて左前車輪ブレーキ36の液圧および/また
は右後車輪ブレーキ38の液圧を急速に増圧させること
ができる。
【0061】右前車輪ブレーキ16、左後車輪ブレーキ
18、左前車輪ブレーキ36、右後車輪ブレーキ38の
各々の液圧を減圧している最中に例えばブレーキペダル
踏力が大きく減少されたことによって圧力発生室12a
および12bの液圧が大きく下がり右前車輪ブレーキ1
6、左後車輪ブレーキ18、左前車輪ブレーキ36、右
後車輪ブレーキ38の各々の液圧よりも低くなった場
合、右前車輪ブレーキ16のブレーキ液および左後車輪
ブレーキ18のブレーキ液がバイパス通路29および3
1をそれぞれ通って圧力発生室12aに戻り、左前車輪
ブレーキ36のブレーキ液および右後車輪ブレーキ38
のブレーキ液がバイパス通路48および50をそれぞれ
通って圧力発生室12bに戻り、右前車輪ブレーキ16
の液圧および左後車輪ブレーキ18の液圧が圧力発生室
21aの液圧まで下がり、左前車輪ブレーキ36の液圧
および右後車輪ブレーキ38の液圧が圧力発生室12b
の液圧まで下がる。
【0062】電子制御装置52はアンチロック制御の終
了条件が成立するとアンチロック制御を終了し、電磁切
換弁14a,34aと、電磁遮断弁14b,14c,3
4b,34cの作動を解除し、同時に電動機22を停止
させる。ブレーキ操作が解除されマスタシリンダ12の
圧力発生室12a,12bの圧力が低下するのに伴い、
車輪ブレーキ16,18,36,38内のブレーキ液が
制御弁14,34を通って圧力発生室12a,12bへ
戻るとともにバイパス通路29,31,48,50を通
って圧力発生室12a,12bへ戻る。そして、電磁切
換弁14a,34aにおいてはポート64の液圧(車輪
ブレーキの液圧)がポート65の液圧(低背圧リザーバ
20,40内の液圧)がよりも低くなった時点で弁体7
8が弁座部材76から離脱するので、低背圧リザーバ2
0,40内のブレーキ液が電磁切換弁14a,34aを
通って圧力発生室12a,12bへ戻り、低背圧リザー
バ20,40が空状態になる。
【0063】次に、車両組立工程において、真空エア抜
き方法により液圧路内のエアを抜く場合、マスタシリン
ダリザーバ12cに供給されるバキュームは圧力発生室
12a,12bを通って通路13,33に伝達し、通路
13から電磁切換弁14aに伝達して弁体78を弁座部
材75に吸着するとともにバイパス通路29,31と通
路15,17を通って車輪ブレーキ16,18に伝達
し、また通路33から電磁切換弁34aに伝達して弁体
78を弁座部材75に吸着するするとともにバイパス通
路48,50と通路35,37を通って車輪ブレーキ3
6,38に伝達する。通路15,17に伝達したバキュ
ームは、更に、電磁遮断弁14b,14cを通って電磁
切換弁14aに伝達し、弁体78と弁座部材76との隙
間を通って通路19および低背圧リザーバ20に伝達
し、更に液圧ポンプ21の吸入弁21cのシート面11
8に形成されたスリット124を通ってポンプ室112
および吐出通路21bに伝達する。また、通路35,3
7に伝達したバキュームは、更に、電磁遮断弁34b,
34cを通って電磁切換弁34aに伝達し、弁体78と
弁座部材76との隙間を通って通路39および低背圧リ
ザーバ40に伝達し、更に液圧ポンプ41の吸入弁41
cのシート面118に形成されたスリット124を通っ
てポンプ室112および吐出通路41bに伝達する。従
って、液圧路の全部分にバキュームが伝達し、液圧路の
全部分のエアが抜ける。その後、マスタシリンダリザー
バ12cに供給されるバキュームがブレーキ液に切り換
えられることで液圧路の全部にブレーキ液が充填され
る。
【0064】尚、図2において、スリーブ68を磁性体
で形成して新たな磁気回路を形成し、通常電流領域内で
スリーブ68を通る磁束が飽和されるようにスリーブ6
8の厚みを設定し、新たな磁気回路を通る磁束損失を、
スリーブ68を非磁性体で形成した場合における磁束が
スリーブ68を横切ることによる磁束損失よりも小さく
することで、吸引力の向上を図っても良い。
【0065】
【発明の効果】この出願の発明の車両用アンチロックブ
レーキ装置においては、マスタシリンダの1つの圧力発
生室に接続する2つの車輪ブレーキのブレーキ液を電磁
切換弁と2個の電磁遮断弁とからなる制御弁により個別
に1つの低背圧リザーバに流出させて2つの車輪ブレー
キの液圧を個別に減圧させ、低背圧リザーバのブレーキ
液を2つの車輪ブレーキに対して1つの電動機により駆
動する1つの液圧ポンプと2つの一方向弁および2つの
オリフィスにより流入・分配させ、制御弁により2つの
車輪ブレーキを個別に圧力発生室および低背圧リザーバ
から遮断することにより2つの車輪ブレーキの液圧を個
別に再増圧するものであり、2つの車輪ブレーキのブレ
ーキ液を個別に減圧および再増圧させることができ、且
つ、低背圧リザーバと液圧ポンプが各々1つであるから
安価である。そして、低背圧リザーバ内のブレーキ液は
ブレーキ操作の解除により自動的に電磁切換弁を通って
圧力発生室に戻るので、アンチロック制御終了後に液圧
ポンプを作動させる必要はない。
【0066】また、制御弁を請求項2のように構成する
ことにより、車両組立工程において、制御弁を操作しな
くても真空エア抜き方法により液圧路の全部のエアを抜
くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の実施例のブレーキ液圧経路図
である。
【図2】図1中の電磁切換弁の詳細を示す図である。
【図3】図2中の部分拡大図である。
【図4】図1中の液圧ポンプの詳細を示す図である。
【符号の説明】
16,18,36,38・・・車輪ブレーキ 10・・・ブレーキペダル 11・・・負圧式倍力装置 12・・・マスタシリンダ 12a,12b・・・圧力発生室 14a,34a・・・電磁切換弁 14b,14c,34b,34c・・・電磁遮断弁 20,40・・・低背圧リザーバ 21,41・・・液圧ポンプ 21c,41c・・・吸入弁 23,26,42,45・・・一方向弁 24,26,43,46・・・オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸 田 啓 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1車輪ブレーキと、第2車輪ブレーキ
    と、前記両車輪ブレーキに液圧を付与するための圧力発
    生室を有したマスタシリンダと、低背圧リザーバと、ア
    ンチロック制御時に前記圧力発生室から前記各車輪ブレ
    ーキへのブレーキ液の供給を止め前記各車輪ブレーキ内
    のブレーキ液を前記低背圧リザーバに流出させて前記各
    車輪ブレーキの液圧を減圧する電磁切換弁と、アンチロ
    ック制御時に前記各車輪ブレーキから前記低背圧リザー
    バに流出したブレーキ液を前記低背圧リザーバ内から前
    記第1車輪ブレーキに互いに直列な第1一方向弁および
    第1オリフィスを介して流入させると同時に前記第2車
    輪ブレーキに互いに直列な第2一方向弁および第2オリ
    フィスを介して流入させる液圧ポンプと、アンチロック
    制御時に前記第1車輪ブレーキおよび第2車輪ブレーキ
    から前記電磁切換弁へのブレーキ液の流れをそれぞれ選
    択的に止めて前記第1車輪ブレーキの液圧および前記第
    2車輪ブレーキの液圧を再増圧させるための第1常開型
    電磁遮断弁および第2常開型電磁遮断弁と、前記第1車
    輪ブレーキ内のブレーキ液が前記第1常開型電磁遮断弁
    および前記電磁切換弁を通らずに前記圧力発生室に戻る
    ことを許容するがその逆の流れを阻止する逆止弁を有し
    た第1バイパス通路と、前記第2車輪ブレーキ内のブレ
    ーキ液が前記第2常開型電磁遮断弁および前記電磁切換
    弁を通らずに前記圧力発生室に戻ることを許容するがそ
    の逆の流れを阻止する逆止弁を有した第2バイパス通路
    とを備えた車両用アンチロックブレーキ装置であって、 前記電磁切換弁は、そのソレノイドが通電されない状態
    ではその弁体に作用する流体圧に応じて弁体が自由に移
    動するように構成されていることを特徴とする車両用ア
    ンチロックブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用アンチロックブレ
    ーキ装置であって、前記逆止弁は流体圧のみによって閉
    鎖する構成とされており、前記第1一方向弁および前記
    第2一方向弁が前記液圧ポンプの吐出弁を形成してお
    り、前記液圧ポンプの吸入弁のシート面には前記リザー
    バの側から伝達されるバキュームをポンプ室に伝達する
    ためのバキューム伝達用スリットが形成されていること
    を特徴とする車両用アンチロックブレーキ装置。
JP14752095A 1995-06-14 1995-06-14 車両用アンチロックブレーキ装置 Pending JPH092229A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14752095A JPH092229A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 車両用アンチロックブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14752095A JPH092229A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 車両用アンチロックブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH092229A true JPH092229A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15432191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14752095A Pending JPH092229A (ja) 1995-06-14 1995-06-14 車両用アンチロックブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH092229A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009513403A (ja) * 2003-06-26 2009-04-02 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー ピストンタイプアキュムレーター

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009513403A (ja) * 2003-06-26 2009-04-02 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー ピストンタイプアキュムレーター
JP4723488B2 (ja) * 2003-06-26 2011-07-13 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー ピストンタイプアキュムレーター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6918570B2 (en) Anti-lock brake equipment solenoid valve
JP2588365Y2 (ja) 圧力制御弁
JP3598409B2 (ja) 液圧ブレーキ装置における液圧制御弁装置
JPH0631643B2 (ja) 流路流量切換電磁弁
JP2567473B2 (ja) 車両のアンチロック装置用流量制御弁
JPH0840236A (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
JPH06107153A (ja) アンチスキッド液圧ブレーキ装置
JPH092229A (ja) 車両用アンチロックブレーキ装置
JP2001225731A (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP3982005B2 (ja) 車輪ブレーキ液圧制御装置
JPH0524531A (ja) ブレーキ制御装置
JP4728981B2 (ja) シミュレータ及び車両用ブレーキ制御装置
JP4104482B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置用電磁弁
US6280006B1 (en) Brake hydraulic control device for use in vehicle
JP3901352B2 (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
JP3759470B2 (ja) 電磁弁
JP3684649B2 (ja) 車両用制動力制御装置
JPH0121098Y2 (ja)
KR100328233B1 (ko) 안티록 브레이크 시스템의 노멀 오픈형 밸브
JP3778552B2 (ja) 電磁弁
JPH10329674A (ja) 液圧ブレーキ装置
JPH10132130A (ja) 液圧制御装置および液圧制御用電磁弁
JP2001055129A (ja) 車両用アンチロックブレーキ装置の常開型電磁弁
JPH03503750A (ja) アンチロック液圧ブレーキシステム
JPH10230832A (ja) 制動力制御装置