JPH09222618A - 高分子溶液積層体 - Google Patents

高分子溶液積層体

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JPH09222618A
JPH09222618A JP5372596A JP5372596A JPH09222618A JP H09222618 A JPH09222618 A JP H09222618A JP 5372596 A JP5372596 A JP 5372596A JP 5372596 A JP5372596 A JP 5372596A JP H09222618 A JPH09222618 A JP H09222618A
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JP
Japan
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polymer solution
laminate
polymer
substrate
vacuum
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JP5372596A
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Haruo Watanabe
晴男 渡辺
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AFFINITY KK
Original Assignee
AFFINITY KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一部が透明で直視可能な基板で高
分子溶液を積層してなる高分子溶液積層体において、積
層体の垂直使用時に高分子溶液が自重で上部の液体が下
部に移動を起こさない高分子溶液積層体をうることであ
る。 【解決手段】 高分子溶液を負圧状態で積層した高分子
溶液積層体は、常に外側から押された状態となり高分子
溶液の自重落下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一部が
透明で直視可能な基板間に機能性をもつ高分子溶液を積
層した積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、機械的な方法に代えて機能性材料
を組み込んだ複合ガラスを使用して物理化学的に光線を
可逆的に制御する調光ガラスが提案されている。例え
ば、液晶、エレクトクロミック、微粒子分極配向、フォ
トクロミック、サーモクロミック、サーモトロピック等
の方式がある。また、太陽光エネルギーの居住空間への
侵入を防ぐために熱線吸収ガラスや熱線反射ガラス等が
窓にすでに使用されている。なお、調光ガラスは、社団
法人ニューガラスフォーラムの平成3年度ニューガラス
産業対策調査研究報告書(地球温暖化防止対策)に詳細
に記されているように、省エネルギー対策との関係もあ
り、これからの開発が強く期待されている。
【0003】そこで、本発明者は、太陽光エネルギーが
窓に照射していることに注目した。このエネルギーの有
無により、窓ガラスが熱作用の自律応答により白濁散乱
して透明ー不透明の可逆変化、呈色の可逆変化等をおこ
す現象を利用して、快適な居住空間をうる方法を検討し
てきた。この自律応答特性は、照射面のみ遮光して防眩
する特長や省エネルギー効果のみならず施工、メンテナ
ンス、維持費等からも非常に魅力的であることに着目し
てきた。そこで、機能性高分子の溶液を大面積状態で透
明基板に積層してその積層を維持できる積層体が非常に
重要となった。
【0004】従来、液体状態を積層して比較的大きい面
積で使用されている積層体は、端末表示用にすでに広く
使用されている液晶表示パネル程度である。本発明のよ
うに、機能性高分子の溶液を積層し、その溶液状態のま
ま積層体として最終使用(例えば、窓、広告表示体等)
に用いた例はいまだない。その理由は、高分子溶液を基
板に面状塗布または中央部滴下後に対向基板を積層加圧
して密着して外周を封止してなる積層体は、垂直使用す
ると高分子溶液の自重で上部の液体が下部に移動を起こ
し、均一な積層状態を維持することができなかった。例
えば、すでに、本発明者は、非架橋型の線状高分子の溶
液を積層した積層体に関し、特願平5−62502で検
討して述べてあが、垂直使用時における自重落下の問題
に関しては特に論じられていない。高分子溶液の積層体
として、この問題を解決することは非常に大切であり、
通常の窓ガラスのように垂直状態で使用する場合には必
ず必要となる。より具体的には、常圧の塗布、積層によ
る積層体は、10センチ角程度の基板サイズでも自重流
動性をもつ高分子溶液なら自重の流動を起こし上部と下
部の厚みにむらが発生した。なお、積層された高分子溶
液の厚みは、10ミクロンから5ミリ、通常は50ミク
ロンから2ミリ程度の厚みで使用されるので自重落下に
よる流動性を防止することは重要であった。よって、窓
等の建材使用を考えて20センチ以上、さらに10セン
チ以上の基板サイズからなる積層体に本発明は有用であ
る。
【0005】そこで、検討された方法は、化学的な方法
として高分子に部分的に架橋構造を導入して架橋型の膨
潤ゲルにして流動を防止した積層体である。しかし、流
動落下を防止できる程度まで架橋密度を導入すること
は、高分子の構造を架橋可能なモノマーをもつコポリマ
ー型の高分子設計にかえることであり、それにより本来
の機能特性、耐久性等に影響がでるため設計自由度を大
きくそこねることになる。特にこの分子設計の自由度を
そがれることは、大面積の均一可逆安定性という非常に
高度な機能を必要とする素子設計には、致命的な欠点と
なった。また、構造的、機械的な方法として、点状、線
状に内側から基板間を接着固定して層厚を維持する構造
もあるが、窓等のライトバルブ機能として使用する場
合、この点と線の存在が視覚に対して絶対的な欠陥とな
り満足しえるものではなかった。そこで、本発明者は、
化学的方法や機械的方法ではなく物理的方法を鋭意検討
して本発明の負圧状態をもつ高分子溶液積層体に至っ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高分子溶液を基板間に
積層してなる積層体において、積層体の垂直使用時に高
分子溶液が自重で上部から下部に移動を起こさない高分
子溶液積層体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するためになされたものであり、少なくとも一部
が透明で直視可能な基板で積層、封止された高分子溶液
をもつ積層体において、負圧状態で高分子溶液を積層し
ている高分子溶液積層体を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、高分子溶液を積層、封
止してなる高分子溶液の積層体が、垂直状態に設置して
も高分子溶液が自重落下しない高分子溶液積層体であ
る。
【0009】本発明の課題である積層体内にある高分子
溶液の自重落下を防止するには、積層体の使用時におい
て内部が外部より負圧に維持されておれば、基板が板ば
ねとなり常に外部から内部に押された状態となる。その
結果、高分子溶液は基板間で自重落下することなく維持
された。これを均一な高分子溶液層にするためには、内
部に目的の厚みになるようにスペーサー(例えば、ガラ
スビーズ、樹脂ビーズ等)を散布しておくとよい。この
自重落下の防止は、窓等に本発明の高分子溶液積層体を
使用する時に絶対に必要となる基本的な要件である。前
記したように、従来の窓ガラスのように均一で透明なノ
イズのない状態をうるには、本発明の負圧状態をもつ高
分子溶液積層体とするのが最良であるといえる。
【0010】本発明は、大気圧に対して負圧状態で高分
子溶液が積層されている高分子溶液積層体である。その
代表的な製法を通して本発明の高分子溶液積層体を説明
していく。その製法は、高分子溶液を塗布した基板を真
空装置内におき脱気して減圧真空状態にしてから、対向
基板を積層密着して加圧して高分子溶液積層体にする方
法である。より具体的な方法の例として、真空装置の真
空部を上下にゴムシートで分割してあり、下部に塗布基
板とそれに浮かすように対向基板をおき、上部と下部と
もに脱気して減圧真空状態にしてから対向基板を塗布基
板に接触密着させると共に上部を大気圧にもどしてゴム
シート加圧することにより、真空状態で一対の基板が高
分子溶液を介して積層するために基板内部が負圧状態を
もつ高分子溶液積層体をえた。当然であるが、減圧真空
状態下ならゴムシートによる大気圧加圧でなく、一般的
な機械プレスによる加圧でもよい。なお、特に説明しな
いが基板辺部に断差による特異な加圧がかからないない
ように補助部材を配置しておくと好ましい。このように
減圧真空状態にすると高分子溶液に溶存していた空気も
同時に脱気された。この脱気により、溶存酸素が大きく
減少して長期間使用される窓等に対しては、酸化作用に
よる劣化を大きく防止することができるので重要であ
る。また、積層後に一部残存した小さな気泡は、時間と
共に高分子溶液に吸収されて消失した。この減圧真空の
程度は、基板サイズの大きさにも依存するが、特にその
程度を限定されるものではないが、一般的な真空ポンプ
でも容易にえられる100mmHg以下、好ましくは5
0mmHg以下がよい。下限は、真空管、真空装置のよ
うに真空場を利用する目的ではないので、特に高真空状
態を必要とせず0.1mmHg、もしくは0.01mm
Hg程度でよい。この減圧真空状態では、例えば高分子
水溶液では減圧により発泡を起こすが特に問題にするこ
となくプロセスを進めて積層、大気圧で加圧していけば
よい。積層直後は、発泡箇所で溶媒、すなわち水が蒸発
減少して濃度が高くなりリンク状に模様が残る現象をみ
たが、時間とともに溶媒拡散がおこり室温放置で容易に
均一状態になり、全く問題にならないことを観察確認し
た。
【0011】さらに、均一な高分子溶液層をうるために
は、減圧真空状態の時に基板間ギャップを一定に維持す
るためにスペーサー(例えば、ガラスビーズ、樹脂ビー
ズ等)を全面に散布する必要がある。また、基板の外周
部は、細い板状のスペーサーを使用してもよい。特に板
状スペーサーの片側を接着固定しておくと積層時にずれ
ることがないので好ましい。スペーサーの高さは、かな
らずしも限定されるものではないが、0.01から2m
m程度でよく必要とする高分子溶液層の厚みに合せて選
択すればよい。また、基板間ギャップを一定に維持する
ためにスペーサーの代わりに型板ガラスのように基板表
面の凸凹を利用する方法も有用である。なお、塗布法
は、通常に広く使用されている方法、例えば、流し込
み、マスク塗布、バーコーター、アプリケーター、ディ
スペンサー、転写等でよく特に限定されるものではな
い。塗布は、特に均一な塗布を形成しなくてもよく、例
えば、ディスペンサーによるストライプ状に塗布してあ
っても真空状態で積層するために、積層、加圧とともに
基板間に全面展開して均一な高分子溶液積層体をえた。
よって、塗布表面の凸凹は全く問題でなく、マクロ的に
均一であればその高分子溶液の量により層厚が決定され
る。また、高分子溶液の粘度は、特に限定されるもので
はないが溶媒の様に低粘度では塗布がし難いので、高分
子溶液の高分子効果で増粘するので広く使用できるが、
20℃で1000cps以上、より好ましくは5000
cps以上あると塗布、積層の作業がし易く好ましい。
高い粘度に関しては塗布できればよく、特にライオトロ
ピック型の高分子液晶の場合は、非常に粘度が高く自重
のみでは流動変形に時間がかかり、数百万cps以上の
粘度とおもえるがチクソトロピック性もみられる溶液も
あり数値表現が困難である。しかし、バーコーター等の
塗布器で外部からエネルギーを掛けてやれば流動変形し
て塗布できれば、本発明の高分子溶液とすることができ
る。
【0012】つぎに、封止は、積層後に積層体の外周辺
部に封止剤を介して枠を固定する方法、マスクして塗布
して外周部に高分子溶液をもたない基板に対向基板を積
層してから外周部に封止剤を流し込む方法等がある。さ
らに、本発明では、基板の外周部に封止剤を高分子溶液
とともに設けてから対向基板を真空積層して、封止剤も
同時に積層する方法もある。特に封止剤に固形分100
%からなる液状の感光性樹脂(例えば、アクリル系の液
状樹脂等)を使用すると、積層、加圧した状態で基板の
外周部に紫外線を照射すると感光性樹脂が固化して基板
接着をする。その方法は、例えば、基板を受ける盤台に
放射状にスリットを設けて下部から光照射して仮固定す
る方法、光ファイバー利用してサイドから光照射して仮
固定する方法、石英、アクリル板等の紫外線を透過する
盤台を利用する方法等がある。その結果、真空を開放し
て常圧に積層体をおいても、高分子溶液の内部への引き
込み現象が起きずに、ほぼ理想的に十分な負圧状態をも
った積層体をえることができた。当然、外周部の感光性
樹脂を十分に光化学反応させて良好な封止とするため
に、真空を開放してから十分に光照射するとよい。ま
た、必要におうじて、枠構造をもうけて2段封止構造と
してもよい。さらに、高分子溶液の溶媒蒸発を防止する
ために、溶媒をもつ扁平なチューブを感光性樹脂ととも
に外周部にもうけてもよい。例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の20から50ミクロン程度のフィルム
からなる細長い袋に水をいれた水袋を4辺部に配するこ
とにより、飽和蒸気バリヤー層が形成されて高分子水溶
液の溶媒である水の膜拡散透過による蒸発を防止でき、
高分子水溶液の濃度を確実に長期間にわたって一定に保
つことがでる。この様な外周部の封止は、通常の使用時
には窓枠のサッシ溝内に隠され視覚機能的にも特に問題
はなかった。また、少し時間がかかるが例えば、エポキ
シ樹脂のように固形分100%の液状樹脂を感光性樹脂
の代わりに用いてもよい。
【0013】さらに、ホットメルト型封止剤を外周部に
設けて高分子溶液とともに対向基板を真空積層して封止
剤も同時に積層する方法も非常に有用であった。必要に
おうじて適度に加温すれば、ホットメルト型封止剤はよ
り軟化して変形し易くなり、減圧真空状態で対向基板を
積層、加圧することで、特に気泡の混入なく高分子溶液
は加圧により基板間内全面に拡大展開した。その結果、
封止剤が基板に粘着しかつ高分子溶液は封止の内側全面
に満たされた状態に封止、積層された。ここで注意する
ことは、真空状態であるので空気、すなわち気泡の残存
に関しては全く問題はなく、高分子溶液が封止に接触す
る前に基板間で封止剤との接触がとれていれば、高分子
溶液が封止外に漏れるこたはなかった。この方法は、特
に封止剤の硬化処理を必要とせず短時間で目的を達し
た。例えば、複層ガラスの封止剤に使用されているイソ
ブチレン系封止剤(例えば、テイパ化工社のPIB−5
21等)は室温加圧でも加圧変形し、かつ密着して封止
機能を十分に示した。当然、加温して加圧すると容易に
変形した。このイソブチレン系封止剤は、すでに知られ
ているように透水性が極端に小さく水溶性高分子溶液
(例えば、水性ゲル等)の封止に非常に有効であった。
封止をより十分にするために、このイソブチレン系封止
剤の外側の最外周部に前記した基板接着性をもつ感光性
樹脂を約5mm幅ほど流し込んで光照射した結果、機械
的な接着とともに高温時での透水性を小さくすることが
できた。そして、このようにしてえた積層体を垂直にし
て室温放置した結果、特に流動落下は観測されず良好で
あった。三ヶ月後も特に変化はなく安定していた。
【0014】その他の製法として、減圧真空状態の空間
に溶媒を注入して注入孔処理をすることにより積層体内
で高分子個体を溶解させて負圧状態をもつ高分子溶液積
層体をうる方法、温度差による体積収縮を利用して常温
で負圧状態をもつ高分子溶液積層体をうる方法等があ
る。
【0015】つぎに、本発明で使用できる機能性高分子
は、溶媒に溶解して溶液になる高分子、もう少し広げて
溶媒を高吸収して自重変形するゲル等などに特に限定さ
れることなく広く使用できる。要するに、自重落下する
ゲルも本発明に含まれるものとする。例えば、高分子と
溶媒からなるライオトロピック型の高分子液晶、疎水性
基をもつ水溶性高分子からなるサーモトロピック型の水
性ゲル、イオン伝導性をもつ高分子ゲル等がある。当
然、各種の添加剤を添加することもできる。例えば、水
性ゲルの相分離を防ぎ均一可逆性をもたらす両親媒性分
子、水性ゲルの相転移温度をシフトさせる水溶性無機電
解質、防腐剤、着色剤、紫外線吸収剤等の低分子を適
宜、高分子個体や溶媒に添加して使用できる。例えば、
プロピレンオキサイドを高付加して得られるヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルプルラン、ヒ
ドロキシプロピルデキストラン等がある。なかでもセル
ロース誘導体は、安定性が高く重要である。特記しない
限り、セルロース誘導体を主体として記述するが、もち
ろん本発明はこれに限定されるものではない。このセル
ロース誘導体に付加された各種の官能基やその付加方法
は、朝倉書店の出版である大有機化学第19巻に詳細に
開示されており、これらの方法と一般の付加反応を組み
合わせることにより、水酸基、低級アルキル基、ハロゲ
ン基等を付加せしめることによって親水性疎水性バラン
スを調製できる。また、その他の機能性高分子の例とし
て、可逆的に曇点現象を示す水溶性高分子である例え
ば、ポリビニルアルコール系のポリビニルアルコール部
分酢化物、ポリビニルメチルエーテル等、ポリN−置換
アクリルアミド誘導体のポリN−イソプロピルアクリル
アミド、ポリN−エトキシエチルアクリルアミド等、ポ
リN−置換メタクリルアミド誘導体のポリN−イソプロ
ピルメタクリルアミド、ポリN−3−エトキシプロピル
メタクリルアミド等、ポリN,N−ジ置換アクリルアミ
ド誘導体のポリN−メチルN−エチルアクリルアミド等
がある。
【0016】基板は、ガラスではソーダライムガラス、
ホウ珪酸ガラス、熱線吸収・紫外線吸収ガラス等があり
特に限定されることなく広く使用できる。また、強化ガ
ラス、耐熱ガラス、合わせガラス、網入りガラス、型板
ガラス等の板ガラスも特に限定することなく使用でき
る。なお、機能性高分子溶液を太陽光線の紫外線から保
護するには紫外線吸収・カットガラスが重要であり、例
えば、紫外線を吸収するセントラル硝子社のグリーンラ
ルSP、日本電気硝子社のファイアライト、紫外線をハ
ロゲン化銅の微粒子散乱でカットする五鈴精工硝子社の
ITY等の板ガラスは有用である。ただ、一般のソーダ
ライムガラスで厚みが約5mm以上であると350nm
以下の紫外線透過が急激に小さくなり耐候性の面で好ま
しい。また、プラスチックでは、ポリカーボネイト樹
脂、アクリル樹脂等があり、その樹脂板に紫外線吸収剤
の添加、ラミネート等により370nm以下の紫外線を
吸収・カットすることもできる。この基板サイズは、特
に限定されることなく使用でき、建築、車両等広く使用
できる。また、本発明は、少なくとも一部が透明であれ
ばよく、片側がガラスでもう一方が非透明板でもよく、
例えば、金属板(例えば、アルミ板、ステンレス板、チ
タン板等)、セラミックス板等を用いてもよい。これ
は、広告板、壁板等に利用できる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに説明す
る。なお、これらの実施例においては水にも有機溶媒に
も溶解する高分子である多糖類誘導体のヒドロキシプロ
ピルセルロースを用いるが、本発明はこれらの実施例に
より限定されるものではない。
【0018】実施例1 ヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシルプロピル
基:62.4%、2%水溶液粘度:8.5cps、重量
平均分子量:約60000)100重量部、ポリオキシ
プロピレン2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3
−プロパンジオール(平均分子量400)20重量部、
塩化ナトリウム6重量部および純水200重量部からな
る、20℃で無色透明な高分子水溶液を調整した。1×
2m角で4mm厚のソーダライムガラスの上に高分子水
溶液をバーコーターで全面に塗布展開し、直径約0.5
5mmの樹脂ビーズを散布した。シリコーンゴムで上下
に分割された真空槽の下層に、塗布基板の上に対向基板
を浮かした状態で一対の基板をセットし、さらにその外
周の4辺に幅30mmで9mm厚の樹脂板をおいた。そ
の後、真空ポンプで真空槽の上層、下層を同時に約1m
mHgに減圧吸引して減圧真空の状態にしてから対向基
板の浮かした状態をはずして塗布基板に重ねてから、上
層のみを常圧にもどしてゴムを介して大気圧で加圧して
高分子溶液を積層してから下層も常圧にもどして積層体
を取り出した。つぎに、室温硬化型のエポキシ接着剤を
介してコの字型のアルミ枠を4角に補助キャップを付け
て固定して封止とした。所々に発泡によるむらが観察さ
れたが約1週間の室温放置で完全に消えて均一な高分子
溶液積層体になった。この高分子溶液積層体は、室温
(無色透明状態)と60℃(白濁散乱状態)での可逆安
定性テストの結果、相分離を生じることなく良好であっ
た。つぎに、長辺を垂直にして室温放置した結果、特に
流動落下は観測されず良好であった。3ヶ月後も特に変
化はなく安定していた。
【0019】実施例2 実施例1と同様にして1×1m角で厚4mmのソーダラ
イムガラスの基板にマスク塗布して基板外周部を20m
m幅で未塗布状態の塗布基板を作成した。つぎに基板全
体に直径約0.55mmの樹脂ビーズを散布した後に、
実施例1と同様にして積層体とした。真空槽から取り出
して、この積層体の外周部に感光性樹脂を流し込み紫外
線を照射して封止とした。つぎに、この高分子溶液積層
体を垂直にして室温放置した結果、特に流動落下は観測
されず良好であった。3ヶ月後も特に変化はなく安定し
ていた。
【0020】実施例3 実施例2と同様にしてえた塗布基板の20mm幅で未塗
布状態の外周部に、実施例2で使用した感光性樹脂を塗
布してから基板全体に直径約0.55mmの樹脂ビーズ
を散布した後に、実施例1と同様にして基板をゴムを介
して大気圧で加圧してある状態で、外周に設けた樹脂版
を細工して線状に配置してある光ファイバーから紫外線
を照射して感光性樹脂を固化させて積層体とした。その
後、真空槽から取り出して十分に紫外線を照射して封止
とした。つぎに、この高分子溶液積層体を垂直にして室
温放置した結果、特に流動落下は観測されず良好であっ
た。3ヶ月後も特に変化はなく安定していた。
【0021】実施例4 実施例1のヒドロキシプロピルセルロース10重量部と
純水7重量部からなる室温で呈色をしめすライオトロピ
ック型の高分子液晶を調整した。その後、実施例1と同
様にして高分子溶液であるライオトロピック型の高分子
液晶を積層した高分子溶液積層体をえた。つぎに、長辺
を垂直にしてこの高分子溶液積層体を室温放置した結
果、特に流動落下は観測されず良好であった。3ヶ月後
も特に変化はなく安定していた。
【0022】実施例5 実施例1の無色透明な高分子水溶液を63×63cm角
で厚3mmのソーダライムガラスの基板に外周部を10
mm空けて直径10mm、高さ1mm、ピッチ15mm
で設け、最外周部を7mm空けて外周部に幅8mm、高
さ2mmイソブチレン系封止剤を設けた。その後、この
基板を60℃の加温プレートに置き、約1mmHgの真
空状態にしてから同サイズの対向基板をすみやかに積
層、均一加圧して封止剤、高分子水溶液を拡大展開して
封止幅約15mm、高分子水溶液層約1mmの積層体を
えた。所々に水蒸発による濃度差による円形状のむらを
観察したが、1週間後には水が拡散して均一になった。
また、特に気泡の問題もなかった。つぎに、この高分子
溶液積層体を垂直にして室温放置した結果、特に流動落
下は観測されず良好であった。3ヶ月後も特に変化はな
く安定していた。
【0023】実施例6 比較例として、63×63cm角で厚3mmのソーダラ
イムガラスの基板に、実施例1の高分子水溶液を塗布
し、スペーサーを散布してから大気圧下で通常の方法で
対向基板を気泡の混入をさけながら積層し、その後全面
をプレスし、はみだした高分子水溶液を十分に除去し
た。つぎに、実施例1と同様に室温硬化型のエポキシ接
着剤を介してコの字型のアルミ枠を4角に補助キャップ
を付けて固定して封止として積層体をえた。この積層体
を垂直にして室温放置した結果、残存した小さな気泡の
動きを観察したところ、上昇するのとは逆に高分子溶液
の自重による下方流動とともに下方に移動した。1週間
後には、上部に大きな気泡、気層が現われ徐々に拡大
し、通常の窓に使用できるものではなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明の効果は、単純に高分子溶液を基
板間に積層してなる高分子溶液積層体は、窓ガラスのよ
うに垂直状態で使用すると、高分子溶液が自重で上部か
ら下部に移動を起こし積層体が不均一化、さらには上部
に大きな気泡だまりを引き起こすが、本発明のように負
圧状態をもつ高分子溶液積層体は、基板が板ばねとなり
常に外部から内部に押された状態となる。その結果、高
分子溶液は基板間で自重落下することなく維持できた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が透明で直視可能な基板
    で積層、封止された高分子溶液をもつ積層体において、
    負圧状態で高分子溶液を積層している高分子溶液積層
    体。
  2. 【請求項2】 基板間にスぺーサーを散布してあること
    をを特徴とする請求項1の高分子溶液積層体。
JP5372596A 1996-02-19 1996-02-19 高分子溶液積層体 Pending JPH09222618A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2819802A1 (fr) 2001-01-24 2002-07-26 Saint Gobain Structure, notamment pour vitrage thermochrome, comportant une substance contenue entre deux substrats en verre

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FR2819802A1 (fr) 2001-01-24 2002-07-26 Saint Gobain Structure, notamment pour vitrage thermochrome, comportant une substance contenue entre deux substrats en verre
US7306833B2 (en) 2001-01-24 2007-12-11 Saint-Gobain Glass France Structure for thermochromic glazing having a substance contained between two glass substrates

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