JPH09221424A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH09221424A
JPH09221424A JP8351948A JP35194896A JPH09221424A JP H09221424 A JPH09221424 A JP H09221424A JP 8351948 A JP8351948 A JP 8351948A JP 35194896 A JP35194896 A JP 35194896A JP H09221424 A JPH09221424 A JP H09221424A
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Kyoji Tomita
恭司 冨田
Katsumi Chiba
勝已 千葉
Shigeki Kashimoto
茂樹 柏本
Katsuhisa Nakada
勝久 中田
Kouichirou Shibamori
厚一郎 柴森
Yasutomo Chikugi
保知 筑木
Masanori Tajima
雅徳 田嶋
Tomio Oue
富夫 大植
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬として有用な抗腫瘍剤を提供する。 【解決手段】 次の一般式 【化1】 (式中、----- は単結合の存在または非存在を意味し、
XはNまたはC−Rxを意味し、ここにおいてRxは水素原
子またはハロゲン原子を意味し、R1 およびR2は同一
または異なり水素原子やハロゲン原子などを意味し、R
3 は水素原子やカルボキシル基などを意味し、R4 はオ
キソ基または水酸基を意味し、R5 は水素原子やアミノ
基などを意味し、R6 は環状アミノの如き置換基を意味
する。)で表される化合物を有効成分とする抗腫瘍剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬として有用な抗
腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】2−チアゾリル基を有するピリドンカル
ボン酸誘導体が抗菌活性を有することは知られている。
例えば、特開昭61-152682 号公報( 以下、Ref.1とい
う)の実施例24には次の化合物が記載されている。
【0003】
【化12】
【0004】また、このRef.1の実施例5には次の化合
物が記載されている。
【0005】
【化13】
【0006】更に、このRef.1の実施例12には、次の
化合物が記載されている。
【化14】
【0007】前記〔化13〕や〔化14〕で表される化
合物はは特開昭62-33176号公報(以下Ref.2という)の
表1にも記載されている。特開昭60-56959号公報(以下
Ref.3 という) の実施例24-4および特開昭61-251667 号
公報(以下、Rf.4という)の実施例15には次の化合
物が記載されている。
【0008】
【化15】
【0009】特開昭60-163866 号公報(以下Ref.5 とい
う) の実施例28-16 には次の化合物が記載されている。
【0010】
【化16】
【0011】更に、特開平2-85255号公報( 以下、Ref.
6という)の実施例8には次の化合物が記載されてい
る。
【0012】
【化17】
【0013】しかし、以上のRef.1〜6は、これらの化
合物が抗菌作用を有することについて言及するだけであ
って、抗腫瘍活性や抗癌活性については全く教示してい
ない。なお、これらの化合物はその6位にフッ素原子が
置換されている点において共通している。
【0014】また、ある種のピリドンカルボン酸誘導体
が抗腫瘍活性や抗癌活性を有することも知られている。
例えば、Cancer Research 52 , 2818 (1992)は、90種
類のピリドンカルボン酸誘導体の抗腫瘍作用を検討した
結果、ほとんどのピリドンカルボン酸誘導体に抗腫瘍活
性は認められず、認められた化合物は数種にすぎなかっ
た、と報告している。そして、この論文には、1位に置
換されているシクロプロピル基および6位と8位に置換
されている2個のハロゲン原子が抗腫瘍作用の発現に重
要な役割を果たしており、このような置換基をもたない
ピリドンカルボン酸誘導体は抗腫瘍作用を示さないこと
が教示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは抗腫瘍作
用を有する化合物を鋭意探索し、その結果として、1位
にシクロプロピル基を持たないピリドンカルボン酸およ
びその関連化合物が顕著な抗腫瘍作用を有することを見
出し、本発明を完成した。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば2−チア
ゾリル基を含む下記一般式(I)を有する化合物、その
立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの生理的に
許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和物もしく
は溶媒和物を有効成分とする抗腫瘍剤が提供される。
【0017】
【化18】
【0018】なお、前記、一般式(I)における基本骨
格の各位置を示す番号は、原則として、2−チアゾリル
基が結合する位置から反時計回りに順次付すこととす
る。従って、2−チアゾリル基が結合している位置は1
位であり、R6 が結合する位置は7位となる(この番号
づけは、通常の場合と異なっていることもあるが、本明
細書では、説明の便宜上、このように扱うこともあ
る)。
【0019】以下に前記一般式(I)における各記号
(置換基)について定義し、説明する。
【0020】一般式(I)における--------- は単結合
の存在または非存在を意味する。すなわち、2位の炭素
原子と3位の炭素原子の間の結合および4位の炭素原子
と置換基R4 の間の結合は単結合であったり、二重結合
であったりする。
【0021】XはNまたはC−Rx を意味し、ここにお
いてRx は水素原子またはハロゲン原子を意味する。本
明細書において、「ハロゲン」または「ハロゲン原子」
なる用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味
し、フッ素または塩素が好適である。
【0022】R1 およびR2 は同一または異なり、水素
原子、ハロゲン原子、ニトロ基、低級アルコキシ基、低
級アルキル基(該低級アルキル基は低級アルコキシカル
ボニルまたはカルボキシルで置換されていてもよい)、
ハロゲンで置換されていてもよいフェニル基もしくはチ
エニル基、またはフェニルスルホニル基(該フェニル部
分はハロゲンもしくはニトロで置換されていてもよい)
を意味するか、あるいはR1 およびR2 が一緒になって
ベンゼン環またはナフタレン環を形成し、該ベンゼン環
またはナフタレン環はハロゲン、ニトロもしくは低級ア
ルキルで置換されていてもよい。
【0023】本明細書において、「低級」なる用語は、
特に断らないかぎり、この用語が付された基が1〜5個
の炭素原子を含むことを意味する。従って、例えばR1
の定義に含まれる低級アルキル基としては、直鎖状また
は分岐状のものであり、例えば、メチル基,エチル基,
n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,te
rt −ブチル基,ペンチル基が挙げられ、メチル基やエ
チル基が好適である。また、「低級アルコキシ基」は前
記低級アルキル基と酸素原子とが結合したものであり、
例えば、メトキシ基やエトキシ基が挙げられる。
【0024】R3 は水素原子、ベンジル基、水酸基、カ
ルボキシル基またはカルボキシル基に変換しうる基を意
味する。
【0025】置換基R3 の定義に含まれる「カルボキシ
ル基に変換しうる基」としては、化学的手段または酵素
学的手段により脱離してカルボキシル基に変換しうる基
であればいずれでもよく、必ずしも生体内でカルボキシ
ル基に変換される必要はない。
【0026】このようなカルボキシル基に変換しうる基
としては、ヒドロキシメチル基やホルミル基、エステル
体、カルバモイル基またはアミド体が好適である。
【0027】前記エステル体としては、メチルエステル
やエチルエステルの如き低級アルキルエステル、アセト
キシメチルエステルや1−アセトキシエチルエステル、
ピバロイルオキシメチルエステルの如き低級アルカノイ
ルオキシ低級アルキルエステル、1−エトキシカルボニ
ルオキシエチルエステルの如き低級アルコキシカルボニ
ルオキシ低級アルキルエステル、2−ジメチルアミノエ
チルエステルのようなジ低級アルキルアミノ低級アルキ
ルエステル、2−(1−ピペリジニル)エチルエステ
ル、3−ブチロラクトニルエステル、コリンエステル、
フタリジルエステル、(5−メチル−2−オキソ−1,
3−ジオキソール−4−イル)メチルエステルなどが挙
げられる。
【0028】R4 はオキソ基または水酸基を意味する。
4 がオキソ基であり、R3 がカルボキシル基である場
合には、一般式(I)で表される化合物はピリドンカル
ボン酸誘導体となる。
【0029】5位の置換基たるR5 は水素原子、アミノ
基、ハロゲン原子または低級アルキル基を意味し、該低
級アルキル基はハロゲンで置換されていてもよい。ここ
におけるハロゲンで置換されている低級アルキル基の例
としては、トリフルオロメチル基が挙げられる。
【0030】R6 はN−C結合、C−C結合、S−C結
合またはO−C結合により母核と結合している置換基を
意味し、より具体的には、以下の(a)〜(e)から選
ばれるいずれかの基がその例として挙げられる。
【0031】(a):R6 は次の式(a)で表される4
〜7員の単環性アミノ基である。
【0032】
【化19】
【0033】(式中、--------- は単結合の存在または
非存在を意味し、R6a1、Ra2、R6a3およびR6a4は
同一または異なり、C、CH、CH2 、CH2 CH2
CH=CH、S(O)0-2 、O、NまたはN−R6a を
意味し、ここでR6a は水素原子、低級アルキル基また
はフェニル基を意味し、該フェニル基は低級アルコキ
シ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロで置換されて
いてもよい。kおよびmは同一または異なり、0または
1の整数を意味する。R6a5、R6a6およびR6a7につ
いては、後述する。)
【0034】式(a)には、例えば、次の〔化20〕で
表される基が包含され、これらの基は、N−C結合(m
が0の場合)またはC−C結合(mが1の場合)により
母核の7位と結合している。
【0035】
【化20】
【0036】(式中、R6a 、R6a5、R6a6、R6a7
およびmは前掲と同じものを意味する。)
【0037】式(a)における置換基R6a5は、水素原
子、メチレン基または次の式(R6a −5)で表される
基を意味する:
【0038】
【化21】
【0039】〔式中、R6a51 は水素原子またはフェニ
ル基(該フェニル基はハロゲンで置換されていてもよ
い)を意味するか、またはフェニルもしくはハロゲノフ
ェニルで置換されていてもよい低級アルキル基を意味
し、R6a52 は水素原子、低級アルキル基または水素原
子に変換しうる基であり、nは0〜4の整数である。〕
【0040】置換基R6a52 の定義に含まれる「水素原子
に変換しうる基」としては、加水分解の如き化学的手段
または酵素学的手段により水素原子に変換できるものな
らばいずれでもよく、必ずしも生体内で水素原子に変換
される必要はない。
【0041】このような「水素原子に変換しうる基」と
しては、ホルミルやアセチルの如きアシル基、エトキシ
カルボニルの如きオキシカルボニル基を有する基、アミ
ノ酸残基やペプチド残基の他、例えばo−ニトロフェニ
ルスルフェニル、トリメチルシリル、テトラヒドロピラ
ニル、ジフェニルホスフィニルなどが挙げられ、殊にア
ミノ酸残基やペプチド残基が好適である。
【0042】アミノ酸は、一般に3文字からなる英文字
でもって表され、本明細書でもこれに従う。また、L−
体、D−体またはこれらの混合体は、3文字の頭に「L
−」、「D−」または「DL−」なる記号を付すことに
より区別することにする。これらの異性体を区別するこ
となく総称するときは、これらの記号は付さないことに
する。
【0043】アミノ酸残基としては、例えば、Gly(グリ
シン) 、Ala(アラニン)、Arg(アルギニン)、Asn(アス
パラギン)、Asp(アスパラギン酸) 、Cys(システイ
ン)、Glu(グルタミン酸) 、His(ヒスチジン) 、Ile(イ
ソロイシン)、Leu(ロイシン) 、Lys(リジン)、Met(メ
チオニン)、Phe(フェニルアラニン) 、Pro(プロリン)
、Ser(セリン)、Thr(トレオニン) 、Trp(トリプトフ
ァン)、Tyr(チロシン)、Val(バリン)、Nva(ノルバリ
ン) 、Hse(ホモセリン)、4-Hyp(4−ヒドロキシプロリ
ン)、5-Hyl(5−ヒドロキシリジン) 、Orn(オルニチ
ン) などのアミノ酸の残基が挙げられる。
【0044】ペプチド残基としては、前述のアミノ酸が
2〜5個、好ましくは2〜3個連結されたペプチド残基
であり、例えば、Ala-Ala 、Gly-Phe 、Nva-Nva 、Ala-
Phe、Gly-Gly 、Gly-Gly-Gly 、Ala-Met 、Met-Met 、L
eu-Met 、Ala-Leu などのペプチドの残基が挙げられ
る。
【0045】これらのアミノ酸やペプチドの残基におけ
る立体化学的配置は、D−体、L−体またはこれらの混
合体であってもよいが、L−体が好ましい。更に、「水
素原子に変換しうる基」がアミノ酸やペプチドの残基で
あるときは、これらの残基中にも不斉炭素原子を有する
こともある。不斉炭素原子を有するアミノ酸残基の例と
しては、Ala, Leu, Phe, Trp, Nva, Val, Met, Ser, Ly
s, Thr, Tyr などのアミノ酸の残基が挙げられ、不斉炭
素原子を有するペプチド残基の例としては、不斉炭素原
子を有するこれらのアミノ酸残基を構成成分とするもの
が挙げられる。
【0046】式(a)に含まれる置換基R6a6は、水素
原子、ハロゲン原子、水酸基、アジド基、ホルミル基、
オキソ基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基また
は低級アルキル基(該低級アルキル基はハロゲンもしく
はヒドロキシで置換されていてもよい)を意味する。
【0047】また、式(a)に含まれる置換基R6a7
は、R6a6と同じものを意味するか、あるいは次の式
(R6a −7)で表されるスピロ環状アミノ基を意味す
る:
【0048】
【化22】
【0049】〔式中、pは3または4の整数を意味す
る。〕 なお、R6a6とR6a7とは、同一または異なるものを選
択してもよい。
【0050】(b):7位の置換基R6 は次の式(b) で
表される二環性アミノ基である。
【0051】
【化23】
【0052】(式中、--------- は単結合の存在または
非存在を意味し、q,sおよびtは同一または異なり、
0〜2の整数であり、qとtの和は2または3である。
R6b1はC、CH、CH2 またはN−R6b を意味し、
ここにおいてR6b は水素原子または低級アルキル基を
意味し、R6b2はC、CH、CH2 、CH2 CH2 また
はCH=CHを意味し、R6b3はC、CH、CH2 また
はOを意味し、u、vおよびwは同一または異なり、0
または1の整数であって、これらの和が1〜3であるこ
とを意味し、R6b4およびR6b5は同一または異なり、
水素原子、水酸基、低級アルキル基、アミノ基、モノも
しくはジ−低級アルキルアミノ基またはモノもしくはジ
−低級アルキルアミノ低級アルキル基を意味する。)
【0053】式(b)には、例えば、次の〔化24〕で
表される基が包含され、これらの基はN−C結合により
母核の7位と結合している。
【0054】
【化24】
【0055】(式中、------、R6b 、R6b4およびR
6b5は前掲と同じものを意味する。)
【0056】(c):R6 は、次の式(c)で表される
3〜7員の環状基である。
【0057】
【化25】
【0058】(式中、--------- は単結合の存在または
非存在を意味し、R6c1、R6c2、R6c3およびR6c4
は同一または異なり、C、CH、CH2 、CH2 CH
2 、CH=CH、S(O)0-2 O、NまたはN−R
6c を意味し、ここでR6c は水素原子または低級アル
キル基を意味する。R6c5はO、SまたはCH2 を意味
し、R6c6およびR6c7は同一または異なり、水素原
子、アミノ基または低級アルキル基を意味する。f、g
およびhは同一または異なり、0または1の整数を意味
する。)
【0059】式(c)には、例えば、次の〔化26〕で
表される基が包含され、これらの基はC−C結合(R6
c5がCH2 であるか、hが0の場合)、O−C結合(R
6c5がOでありhが1の場合)またはS−C結合(R6
c5がSでありhが1の場合)により母核の7位と結合し
ている。
【0060】
【化26】
【0061】(式中、R6c、R6c5 、R6c6 、R6c7 お
よびhは前掲と同じものを意味する。)
【0062】(d):R6 は次の式(d)で表されるア
ミノ基である。
【0063】
【化27】
【0064】(式中、R6d1はSまたはNHを意味し、
R6d2およびRd3は同一または異なり、水素原子または
低級アルキル基を意味し、iは0または1の整数を意味
し、jは1〜5の整数を意味する。)
【0065】式(d)には、低級アルキルで置換されて
いてもよいアミノ基(iが0の場合)、低級アルキルで
置換されていてもよいアミノアルキルアミノ(iが1で
R6d1 がNHの場合)および低級アルキルで置換されて
いてもよいアミノアルキルチオ(iが1でR6d1がSの
場合)が含まれる。
【0066】(e):R6 は、水酸基、低級アルキル
基、低級アルケニル基または低級アルキニル基のいずれ
かである。低級アルケニル基の例としては、ビニル基
が、低級アルキニル基の例としてはエチニル基が、それ
ぞれ挙げられる。
【0067】一般式(I)で表される本発明にかかわる
化合物には、その立体異性体もしくはその光学異性体ま
たはこれらの生理的に許容される塩あるいは場合によっ
て存在することもあるこれらの水和物や溶媒和物が包含
される。
【0068】塩としては、その構造中に存在することも
あるカルボキシル基部分の塩とアミノ基や環状アミノ基
の如き塩基性置換基部分の酸付加塩とがある。
【0069】該カルボキシル基での塩としては、例え
ば、ナトリウム,カリウム,マグネシウム,亜鉛,銀,
アルミニウム,白金などの金属との塩、またはジメチル
アミノエタノール,メチルアミノエタノール,トリエタ
ノールアミン,グアニジン等の有機塩基との塩が挙げら
れる。
【0070】また、塩基性置換基での酸付加塩として
は、例えば、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,
リン酸などの無機酸との塩、またはメタンスルホン酸,
シュウ酸,マレイン酸,フマル酸,マロン酸,乳酸,リ
ンゴ酸,クエン酸,酒石酸,安息香酸,p−トルエンス
ルホン酸,アスコルビン酸,グルクロン酸,2−ヒドロ
キシエタンスルホン酸,ラクトビオン酸,グルコヘプト
ン酸, グルコン酸などの有機酸との塩が挙げられる。
【0071】以上、詳述した本発明にかかわる化合物
は、冒頭に述べた6位がフッ素原子である極一部の化合
物を除き、新規である。
【0072】本発明にかかわる化合物は、いずれも抗腫
瘍剤ないし抗癌剤として優れているが、その内でも下記
一般式(I−a)に包含される化合物、その立体異性体
もしくは光学異性体またはこれらの生理的に許容される
塩、あるいは前記のいずれかの水和物もしくは溶媒和物
が抗腫瘍剤として好ましい。
【0073】
【化28】
【0074】(式中、------、R1 、R2 、R3 、R
4 、R5 、X、R6a1 、R6a2、R6a3、R6a4、R6
a5、R6a6、R6a7およびkは前掲と同じものを意味す
る。)
【0075】さらに抗腫瘍剤として好適な本発明に係わ
る化合物は、下記一般式(I−b)で表される化合物、
その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの生理
的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和物も
しくは溶媒和物である。
【0076】
【化29】
【0077】(式中、Wは水素原子またはフッ素原子で
あり、------、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6a
5、R6a6およびR6a7は前掲と同じものを意味す
る。)
【0078】抗腫瘍剤として特に好適な本発明にかかわ
る化合物は、下記一般式(I−c)で表される化合物、
その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの生理
的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和物も
しくは溶媒和物である。
【0079】
【化30】
【0080】(式中、R6a511は低級アルキル基であ
り、R6a61 およびR6a71 は、同一または異なり、水
素原子、低級アルコキシ基または低級アルキル基を意味
する。)
【0081】一般式(I−c)で表される化合物の構造
上の特徴は、(1)1,8−ナフチリジン骨格を基本と
し、(2)1位に2−チアゾリル基が結合されており、
(3)3位がカルボキシル基であり、(4)4位がオキ
ソ基であり、(5)5位および6位にフッ素原子の如き
置換基が存在せず、(6)7位に特定の置換基を有する
1−ピロリジニル基が結合されている、ことにあり、特
に1位と7位の置換基の組み合わせと6位にフッ素原子
を含まない点にある。
【0082】一般式(I−c)に包含される具体的化合
物としては、例えば、1,4−ジヒドロ−7−(3−メ
トキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−
オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸、その立体異性体もしくは光学異性
体またはこれらの生理的に許容される塩が挙げられる。
【0083】本発明にかかわる化合物は、具体的には後
記実施例に記載されているが、この他に以下の化合物、
その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの生理
的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和物も
しくは溶媒和物が挙げられる。
【0084】7−(3−アミノ−4−フルオロ−1−ピ
ロリジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸
【0085】7−(3−アミノ−4−メトキシ−3−メ
チル−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸
【0086】5,8−ジヒドロ−2−(3−メトキシ−
4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−5−オキソ−
8−(2−チアゾリル)ピリド〔2,3−d〕ピリミジ
ン−6−カルボン酸
【0087】8−(4−フルオロ−2−チアゾリル)−
5,8−ジヒドロ−2−(3−メトキシ−4−メチルア
ミノ−1−ピロリジニル)−5−オキソピリド〔2,3
−d〕ピリミジン−6−カルボン酸
【0088】5−アミノ−1−(4−フルオロ−2−チ
アゾリル)−1,4−ジヒドロ−7−(3−メトキシ−
4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
【0089】5−アミノ−7−(1−アミノ−3−アザ
ビシクロ〔3.1.0〕ヘキサ−3−イル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,
8−ナフチリジン−3−カルボン酸
【0090】以下において示されることもある立体構造
は、特に断らないかぎり、絶対的なものではなく相対的
なものである。そして、以下の表中の「立体」の欄は7
位の相対的な立体構造を示し、光学活性な化合物につい
ては(+)(−)もしくは(R)(S)で表すことにす
る。
【0091】また、以下において用いられることもある
記号は次の意味を有する。 Me:メチル基、 Et:エチル基、 Ac:アセチル基、 Bz:ベンジル基、 Ph:フェニル基、 Bu:ブチル基、 t−:tert−。
【0092】
【試験例】つぎに本発明にかかわる化合物の抗腫瘍活性
について、試験例を挙げて説明する。市販抗癌剤たるエ
トポシド(EP)および市販抗菌剤たるシプロフロキサ
シン(CPFX)およびエノキサシン(ENX)を対照
として用いた。
【0093】試験例 1:P388リンパ性マウス白血
病細胞に対する抗腫瘍活性
【0094】P388リンパ性マウス白血病細胞を用
い、MTT〔3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphe
nyltetrazolium bromide] 法により、試験化合物の抗腫
瘍活性を試験した。
【0095】1000〜2000個のP388リンパ性マウス白
血病細胞と所定濃度の試験化合物を含む培養液の0.1 m
lずつを96穴プレ−トの各穴に加え、37℃、5%炭
酸ガス条件下で72時間培養した。培養後、MTT(5
mg/ml)溶液の0.02mlずつを各穴に添加し、更に
4時間培養した。培養液を遠心分離(4℃、2000rpm
×20分)し、上清を吸引除去した。ついで0.1 mlの
ジメチルスルホキシドを各穴に加えて形成されているフ
ォルマザン(formazan)を溶解し、更に0.1 mlのジメ
チルスルホキシドを加えた。この溶液の吸光度(OD)をマ
ルチスキャンバイクロマティック(主波長570 nm,副
波長690 nm)で測定した。未処理細胞(コントロー
ル)の吸光度を100 %とし、最小二乗法により50%増
殖抑制濃度(IC50:μg/ml)を算出した。
【0096】結果を以下の第1表〜第9表に示す。な
お、対照化合物のデータは第9表に示されている。
【0097】第1表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【化31】
【0098】
【表1】 *:1=HCl
【0099】
【表2】 *:1=HCl、 2=1/2 HCl、 3=1/5 HCl
【0100】
【表3】 *:1=HCl
【0101】
【表4】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0102】
【0103】第2表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0104】
【化32】
【0105】
【表5】 *:1=HCl
【0106】
【表6】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0107】
【表7】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0108】
【表8】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0109】
【表9】 *:「−」=遊離体、 1=HCl、 4=1/2 H2SO4
【0110】
【化33】
【0111】第3表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0112】
【化34】
【0113】
【表10】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0114】第4表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0115】
【化35】
【0116】
【表11】 *:「−」=遊離体、 1=HCl、 4=1/2 H2SO4
【0117】第5表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0118】
【表12】
【0119】第6表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0120】
【表13】
【0121】
【表14】第6表のつづき
【0122】第7表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0123】
【化36】
【0124】
【表15】 *:「−」=遊離体、 1=HCl、 5=4/3 CF3COOH 、 6=3/2 HCl
【0125】
【化37】
【0126】第8表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0127】
【化38】
【0128】
【表16】 *:1=HCl、 7=CF3COOH
【0129】第9表 P388リンパ性マウス白血病
細胞に対する抗腫瘍活性
【0130】
【表17】
【0131】第1表〜第9表に示すように、P388リ
ンパ性マウス白血病細胞に対する本発明にかかわる化合
物のin vitroにおける抗腫瘍活性(IC50)は、優れてい
る。一方、第9表に示すように、市販抗菌剤たるシプロ
フロキサシンならびにエノキサシンは、実質的に抗腫瘍
活性をもたない。
【0132】試験例 2:ヒト癌細胞に対するin vitro
における抗腫瘍活性
【0133】500 〜2000個のヒト癌細胞を含む培養液の
0.1 mlずつを96穴プレ−トの各穴に加え、37℃、
5%炭酸ガス条件下で約20時間培養した。培養後、所
定濃度の試験化合物の溶液を添加し、更に72時間培養
した。培養後、MTT(5mg/ml)溶液の0.01ml
ずつを各穴に添加し、更に4時間培養した。培養液の上
清を吸引除去し、ついで0.1 mlのジメチルスルホキシ
ドを各穴に加えて形成されているフォルマザンを溶解
し、更に0.1 mlのジメチルスルホキシドを加えた。こ
の溶液について、試験例1と同様にして50%増殖抑制
濃度(IC50 :μg/ml)を算出し、つぎの第10表
に示す結果を得た。
【0134】
【表18】 表中の数字はIC50(μg/ml)を示す。
【0135】
【表19】 表中の数字はIC50(μg/ml)を示す。
【0136】第10表に示すように本発明にかかわる化
合物のヒト癌細胞に対するin vitroにおける抗腫瘍活性
(IC50)は優れている。特に、本発明にかかわるH系
化合物、すなわち6位が非置換体の化合物は、市販抗癌
剤たるエトポシド(EP)と同等以上の抗腫瘍活性を示
した。
【0137】試験例 3:P388リンパ性マウス白血
病細胞移植マウスにおける延命効果
【0138】1×106 個のP388リンパ性マウス白
血病細胞をSLC :BDF1マウス(8〜10週齢,雌,1群
7匹)の腹腔内に移植した。試験化合物(薬剤)を0.1
N−NaOHに溶解するか、または0.4 %カルボキシメ
チルセルロース溶液に懸濁し、これを各投与濃度になる
ように蒸留水または0.4 %カルボキシメチルセルロース
溶液で希釈した。各溶液の0.2 mlを移植の翌日(1日
目)と5日目の2回、腹腔内(ip)に投与した。30日間
にわたってマウスの生死を観察し、各群の生存日数中央
値を求め、下記式により延命率(ILS:%)を算出し
た。
【0139】
【数1】
【0140】薬効の判定は米国の国立癌研究所の基準に
従って行った。すなわち、延命率が≧75%,++(著
効);20〜74%,+(有効);≦19%,−(無
効)と判定した。 結果を第11表に示す。
【0141】
【表20】
【0142】
【表21】
【0143】
【表22】
【0144】
【表23】
【0145】第11表に示すように、P388リンパ性
マウス白血病細胞を移植したマウスに対する本発明にか
かわる化合物による延命効果は優れている。
【0146】試験例 4:コロン26マウス腫瘍細胞移
植マウスにおける腫瘍増殖抑制効果
【0147】SLC :CDF1雌性マウス(7〜9週齢,1群
7匹)の腹部皮内にコロン26マウス腫瘍細胞の2%ブ
ライ(brei) を0.1 ml移植した。試験化合物(薬剤)
を0.1 N−NaOHで溶解し、これを各投与濃度になる
ように蒸留水で希釈した。各溶液の0.2 mlを移植の翌
日(1日目)より9日目まで1日1回、腹腔内(ip)に投
与した。移植後、21〜22日目の腫瘍径より推定腫瘍
重量を求め、下記式より、対照群に対する薬剤投与群の
腫瘍増殖抑制率(IR:%)を算出し、第12表の結果
を得た。
【0148】
【数2】
【0149】
【表24】 第12表 コロン26マウス腫瘍細胞移植マウスにおける腫瘍増殖抑制効果 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 投与量(mg/kg) 腫瘍増殖抑制率(%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H-1-1-1 1.56 86 ──────────────────────────── H-1-2 1.10 69 ──────────────────────────── H-1-3 1.56 50 2.21 75 ──────────────────────────── H-1-4 3.13 61 ──────────────────────────── H−2 12.5 79 ──────────────────────────── H−3 3.13 77 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0150】
【表25】 第12表のつづき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 投与量(mg/kg) 腫瘍増殖抑制率(%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H−4 1.56 64 3.13 89 ──────────────────────────── H−5 1.56 78 ──────────────────────────── H−6 1.56 71 ──────────────────────────── H−7 1.56 61 3.13 95 ──────────────────────────── 7H−1 0.78 50 1.56 58 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2F−1 6.25 62 ──────────────────────────── 2F1-3 7.5 68 ──────────────────────────── 2F−2 6.25 59 ──────────────────────────── 2F−3 6.25 55 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ エトポシド 12.5 57 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0151】第12表に示すように、コロン26マウス腫
瘍細胞を移植したマウスに対する本発明にかかわる化合
物の腫瘍増殖抑制効果(IR)は優れている。
【0152】以下の試験例5〜9は、ヒト癌細胞をヌー
ドマウスに移植し、これにNaOHを含む水溶液で溶解
した試験化合物を投与し、癌細胞増殖抑制の程度の強さ
を観察したものである。
【0153】以下の試験例5〜9の結果は第1図〜第5
図に示されており、そこには試験例4で説明した腫瘍増
殖抑制率(IR)の経日変化が示されている。また、各
図には各化合物の投与量(mg/kg/day)および観察最終日
での腫瘍増殖抑制率も示されている。
【0154】ここで説明の便宜上、試験化合物のヌード
マウスへの投与スケジュールについて述べる。ヌードマ
ウスにヒト癌細胞を移植した日からx日後に試験化合物
をy日間投与〔腹腔内投与(ip)〕し、その後、z日間投
薬を中止(休薬) し、その後、再び試験化合物をy日間
投薬したとき、投薬(y日間)および休薬(z日間)の
サイクルを「クール(course)」と名付けた。この場合の
投薬スケジュールは次の記号により表されるものとす
る。
【0155】〔(x)(y)(z)(クール)(i
p)〕
【0156】つぎに例を挙げてこの記号について説明す
る。但し、矢印は投薬日を示す。
【0157】〔例〕 移植後25日目に1回投薬(i
p)し、その後6日間の休薬期間をもうけた後、再度1
回投薬する。これを5回繰り返す。
【0158】
【表26】
【0159】試験例 5:ヒト鼻咽腔癌細胞移植ヌード
マウスに対する抗腫瘍効果
【0160】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件: 使用動物 :雌性 BALB/c ヌードマウス(9〜14週
齢、1群5〜7匹)。 使用癌細胞 :ヒト鼻咽腔癌KB。 癌細胞の移植:2 〜2.5 ×106 個の癌細胞をマウスの腹
部皮内に移植。 投薬スケシ゛ュール :〔(5)(1)(6)(6 クール)(ip)]。 結 果:第1図。
【0161】試験例 6:ヒト乳癌細胞移植ヌードマウ
スに対する抗腫瘍効果
【0162】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件: 使用動物 :雌性 BALB/c ヌードマウス(7〜9週
齢、1群5〜7匹)。 使用癌細胞 :ヒト乳癌MX−1。 癌細胞の移植:2mm3 の癌組織片をマウスの背部皮下
に移植。 投薬スケシ゛ュール :〔(15 〜23)(1)(6)(6 クール)(ip)]。 結 果:第2図。
【0163】試験例 7:ヒト結腸癌細胞移植ヌードマ
ウスに対する抗腫瘍効果
【0164】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件: 使用動物 :雌性 BALB/c ヌードマウス(9週齢、1
群6匹)。 使用癌細胞 :ヒト結腸癌WiDr。 癌細胞の移植:2.5 ×106 個の癌細胞をマウスの腹部皮
内に移植。 投薬スケシ゛ュール :[(7)(1)(6)(6クール)(ip)]。 結 果:第3図。
【0165】試験例 8:ヒト黒色腫移植ヌードマウス
に対する抗腫瘍効果
【0166】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件: 使用動物 :雌性 BALB/c ヌードマウス(8〜15週
齢、1群6〜7匹)。 使用癌細胞 :黒色腫HMV−2。 癌細胞の移植:2.5 〜4.4 ×106 個の癌細胞をマウスの
腹部皮内に移植。 投薬スケシ゛ュール :[(8〜10)(1)(6)(9 クール)(ip)]。 結 果:第4図。
【0167】試験例 9:ヒト肺癌移植ヌードマウスに
対する抗腫瘍効果
【0168】以下の条件に従って実験を行った。 実験条件: 使用動物 :雌性 BALB/c ヌードマウス(13週齢、
1群6匹)。 使用癌細胞 :ヒト肺癌LX−1。 癌細胞の移植:2mm3 の癌組織片をマウスの背部皮下に
移植。 投薬スケシ゛ュール :[(19〜26)(1)(6)(5 〜6 クール)(i
p)]。 結 果:第5図。
【0169】以上の第1図〜第5図に示すように本発明
にかかわる化合物は、ヌードマウスに移植したヒト癌細
胞の増殖を顕著に抑制した。
【0170】試験例 10:急性毒性
【0171】マウスに所定濃度の試験液を投与(0.1ml/
体重10g) し、投与後14日目におけるマウスの死亡
率からLD50値を算出し、次表の結果を得た。なお、次
表において、H系化合物については雌性BALB/c CrSlcマ
ウス( 1群5〜10匹、10週齢)に対する毒性を、また
F系化合物については雌性JCL:ICRマウス(1群
5〜10匹)に対する毒性をみた。
【0172】
【表27】 第13表 急性毒性(LD50:mg/kg) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 化合物 腹腔内投与(ip) 静脈内投与(iv) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ H-1-1-1 93.2 ─── H−2 135 ─── H−3 55.2 119 H−4 ─── 100 H−5 ─── 66.7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2F−1 123 71 2F1-3 123 81 2F−2 141 115 2F−3 141 123 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ E P 71 123 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0173】第13表に示すように、本発明にかかわる
化合物の急性毒性は、市販抗癌剤たるエトポシド(E
P)と同程度である。
【0174】以上の試験結果に示すとおり、本発明にか
かわる化合物は、リンパ性白血病腫瘍の如き非固形腫瘍
のみならず、例えば肺、乳、胃、子宮、皮膚、腸、膀
胱、鼻咽などの各組織に発生する各種の固形腫瘍に対し
て顕著な抗腫瘍活性を示す。また、本発明にかかわる化
合物の安全性も高い。従って、本発明にかかわる化合物
はヒト腫瘍の治療剤または予防剤として有用である。
【0175】本発明にかかわる化合物の投与量は、化合
物の腫瘍抑制作用量であり、その薬力学的特性,投与方
法,症状・年齢,処置形式(予防又は治療)などにより
異なる。通常、1日につき、体重1kg当り約0.4 mg
〜約20mg、好ましくは約1mg〜約10mg、特に
好ましくは3〜6mgである。例えば、体重約50kg
の患者には、1日当り合計約20mg〜約1g,好まし
くは50mg〜500mg、特に好ましくは150mg
〜300mgの活性成分が投与される。1日に2〜4回
に分割投与してもよい。投与経路は経口、非経口のいず
れでもよいが、非経口投与が推奨される。
【0176】本発明にかかわる化合物は、製剤の形で投
与されるのが一般的である。これらの製剤は、本発明に
かかわる化合物と製剤担体とを配合することにより調製
できる。例えば、非経口投与製剤たる液剤における製剤
担体としては溶剤が必須の成分であり、このほか等張化
剤、可溶化剤、無痛化剤、pH調節剤、緩衝剤、保存剤
などの補助成分が、適宜、配合される。
【0177】溶剤としては、水が一般的に用いられ、プ
ロピレングリコールの如き有機溶媒または水と有機溶媒
との混合物も用いられる。
【0178】等張化剤としてはソルビットやマンニット
の如き糖類、塩化ナトリウムなどが挙げられ、糖類が好
適である。
【0179】pH調節剤としては水酸化ナトリウムの如
き塩基または塩酸やリン酸の如き酸が挙げられる。
【0180】可溶化剤としてはポリソルベート80やプ
ルロニックF68の如き界面活性剤、または、乳酸,メ
タンスルホン酸などの本発明にかかわる化合物と酸付加
塩を形成しうる有機酸などが挙げられる。
【0181】無痛化剤としては塩酸リドカインや塩酸プ
ロカインなどが、保存剤としてはベンジルアルコールな
どが、安定化剤としてはアスコルビン酸の如き抗酸化剤
が、緩衝剤としてはリン酸、クエン酸、乳酸などの酸の
塩などがそれぞれ挙げられる。
【0182】注射剤や輸液剤の如き液剤は本発明にかか
わる化合物を溶剤に溶解または懸濁、好ましくは溶解
し、所望により溶解もしくは懸濁の前もしくは後にその
他の補助成分を配合することにより調製できる。凍結乾
燥製剤は、これらの液剤を凍結乾燥することにより調製
でき、投与するとき溶剤で再溶解または再懸濁される。
【0183】また、錠剤やカプセル剤、顆粒剤、細粒
剤、散剤の如き固形製剤における担体としては、本発明
化合物と反応せず、当分野で使用されているものならば
いずれでもよいが、例えば、デンプン,マンニット,結
晶セルロース,カルボキシメチルセルロースなどが使用
される。
【0184】なお、これらの製剤には、本発明にかかわ
る化合物とは別に、治療上有効な他の医薬成分を更に含
有していてもよい。
【0185】
【製造方法】つぎに本発明にかかわる化合物の製造方法
について説明する。本発明にかかわる化合物は、基本的
には、抗菌性ピリドンカルボン酸の製造方法とほぼ同様
な方法により製造できる。以下には、代表的な製造方法
である7位置換法による製造方法を説明する。その他の
製造方法については、後記製造例において詳細に説明す
る。
【0186】7位がN−C結合、S−C結合またはO−
C結合により母核と結合している本発明にかかわる化合
物は、次の一般式(II)
【0187】
【化39】
【0188】(式中、Lは脱離しうる基であり、----、
1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびXは前掲と同じも
のを意味する。)で表される化合物またはこれらの塩
と、置換基R6 に対応するアミン類、チオール類または
アルコール類とを反応させることにより製造することが
できる。
【0189】式(II)の脱離しうる基(L)は、前記
アミン類などと置換して脱離し得るものならばいずれで
もよく、例えば、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、低
級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級
アルキルスルホニル基、アリルスルホニル基、低級アル
キルスルホニルオキシ基、アリルスルホニルオキシ基な
どが挙げられ、特にフッ素原子や塩素原子の如きハロゲ
ン原子が好適である。
【0190】また、一方の原料たるアミン類は、先に説
明した置換基R6 に含まれるmが0である(a) 群の単環
性アミノ基、(b) 群の二環性アミノ基、iが0である
(d) 群のアミノ基などに対応するものがその例として挙
げられる。チオール類やアルコール類としては、置換基
6 に含まれるR6c5 がSやOでありhが1である(c)
群やR6d1 がSでありiが1である(d) 群に含まれる基
に対応するものが例示される。
【0191】化合物(II)とアミン類などとの反応
は、無溶媒下または適当な溶媒中、好ましくは塩基の存
在下、10〜150 ℃の温度範囲で実施することができ
る。溶媒としては、アセトニトリルや水, エタノール,
ピリジン, ジメチルスルホキシド, 1−メチル−2−ピ
ロリドンなどが使用される。塩基は酸受容体として機能
するものであり、例えば、トリエチルアミン, 1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0 〕−7−ウンデセンまたは炭酸
ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水素化
ナトリウム等が使用される。アミン類を使用する時は、
これを過剰に用いて酸受容体としての役割を兼ねそなえ
させることもできる。
【0192】なお、原料として使用される化合物(I
I)も新規であり、例えば、後記製造例により製造する
ことができる。
【0193】本法により得られる本発明にかかわる化合
物がエステル体である場合、そのエステル部分を常法に
より加水分解することによりカルボン酸体に変換するこ
とができる。また、逆にカルボン酸部分を常法によりエ
ステル化したり、またはカルボキシル基に変換しうる基
に導くこともできる。更に、保護されたアミノ基が存在
するときは、常法により、該保護基を脱離することもで
きる。
【0194】このようにして製造される本発明にかかわ
る化合物は、常法に従って、単離、精製される。単離・
精製条件によって、塩の形、遊離カルボン酸や遊離アミ
ンの形で得られるが、これらは、目的に応じて相互に変
換され、所望の化合物が製造できる。
【0195】化合物がラセミ体であるときは、必要な
ら、公知の方法を適用することにより、それぞれの光学
異性体に分離することができる。化合物の立体異性体
(シス型−トランス型、R体−S体)や光学活性体(+
体や−体)は、必要なら、通常の方法、例えば、分別結
晶法やクロマトグラフィー法などにより、互いに分離す
ることができる。
【0196】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明にかかわる化合
物の製造方法について詳細に説明する。なお、以下にお
いて、シリーズAの実施例には中間体(II)の製造方法
を、シリーズBの実施例には原料アミン類の製造方法
を、シリーズCの実施例には目的物(I) の製造方法を、
シリーズDの実施例には製剤の製造方法を、それぞれ具
体的に説明する。
【0197】シリーズA:中間体(II)の製造法
【0198】実施例A−1:−−中間体(II)の製造−
−: 7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸エチルエステル
【0199】(1) 2,6−ジクロロピリジン(20
g)をテトラヒドロフラン(200ml)に溶解し、アル
ゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウム(1.6M)の
n−ヘキサン溶液(84.5ml)を30分で滴下した。同温
度で1時間攪拌後、大過剰の二酸化炭素(固体)を加え
た。1時間攪拌後、−10℃まで昇温させ、水、塩酸を
順次加え、pH1〜2となし、酢酸エチルで抽出した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し乾固さ
せた。得られた固体に塩化チオニル(40ml)を加え、
3時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを減圧留去
し、粗生成物を減圧蒸留して、2,6−ジクロロニコチ
ン酸クロリド(19.8g)を得た。
【0200】沸点:97−99℃/1mmHg; IR(neat)cm-1:1784
【0201】(2) 金属マグネシウム(5.36g)、マ
ロン酸ジエチルエステル(35.4g)およびエタノール
(27ml)から誘導されたエトキシマグネシウムマロン
酸ジエチルエステルをテトラヒドロフラン(35ml)お
よびトルエン(140 ml)からなる混合溶液に溶解す
る。この溶液を氷冷し、攪拌下、これに前項で得た酸ク
ロリド(44.9g)を含むテトラヒドロフラン(19ml)
およびトルエン(32ml)からなる混液を滴下した。滴
下終了後、室温で一夜攪拌した。減圧濃縮し、残渣に塩
酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。これを無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して油状物を得た。
これに水(190 ml)およびp−トルエンスルホン酸
(0.1 g)を加えて2時間還流した。冷却後、クロロホ
ルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減
圧留去して油状物を得た。粗生成物を減圧蒸留して2,
6−ジクロロニコチノイル酢酸エチルエステル(45.2
g)を得た。沸点:135−140℃/2mmHg
【0202】(3) 前項(2)で得た化合物(44.9
g)、無水酢酸(43.8g)およびオルトギ酸エチル(3
7.7g)からなる混合物を1時間還流した。減圧乾固
し、氷冷下、ジイソプロピルエーテル(500 ml)およ
び2−アミノチアゾール(20g)を加え、室温で5時
間攪拌した。析出結晶を濾取して2−(2,6−ジクロ
ロニコチノイル)−3−(2−チアゾリルアミノ)アク
リル酸エチルエステル(52.8g)を得た。
【0203】融点:119 −122 ℃(ジイソプロピルエー
テルから再結晶); IR(KBr)cm-1:1700
【0204】(4) 前項(3)で得た化合物(51.7
g)をジオキサン(310 ml)に溶解し、炭酸カリウム
(21.4g)を加えて、60℃で1時間攪拌した。氷水を
加えたのち10%塩酸水で中和し、析出する結晶を濾取
した。クロロホルムおよびジイソプロピルエーテルの混
液から再結晶して7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−
オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸エチルエステル(44.6g)を得た。
【0205】融点:176−177℃; IR(KBr)cm-1:1724; NMR(CDCl3 )δ:1.43(t,3H,J=6.5 H
z), 4.45(q,2H, J=6.5 Hz), 7.38
(d,1H,J=3.5 Hz),7.52(d,1H,J=8.
5 Hz), 7.75(d,1H,J=3.5 Hz), 8.78
(d,1H,J=8.5 Hz), 10.00 (s,1H)
【0206】実施例A−2:−−中間体(II)の製造−
−: 7−クロロ−1−(4−フルオロ−2−チアゾリル)−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸エチルエステル
【0207】実施例1(4)で得たエステル(250 m
g)、N−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウムテ
トラフルオロボレート(240 mg)および1,2−ジク
ロロエタン(10ml)からなる混合物を2日間加熱還
流した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
離液 クロロホルム)で精製し、酢酸エチルから再結晶
して標記化合物(40mg)を得た。
【0208】融点:174−175℃; IR(KBr)cm-1:1700; NMR(CDCl3 )δ:1.42(t,3H,J=6.5 H
z), 4.45(q,2H, J=6.5 Hz), 7.33
(d,1H,J=3.5 Hz),7.51(d,1H,J=8.
5 Hz), 8.78(d,1H,J=8.5 Hz), 9.85
(s,1H)
【0209】実施例A−3:−−中間体(II)の製造−
−: 5,7−ジクロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1
−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カ
ルボン酸
【0210】(1) 4−アミノ−2,6−ジクロロピ
リジン(5.5 g)、塩化第一銅(4.4g)および濃塩酸
(50ml)の混合物に、氷−塩冷却下、亜硝酸ナトリ
ウム(3.5 g)を少しずつ加えた。同温度で1時間、室
温で1.5 時間攪拌後、水を加えてクロロホルムで抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して
2,4,6−トリクロロピリジン(5.5 g)を得た。
【0211】IR(neat)cm-1:1563, 1357, 11
55, 851, 823; NMR(CDCl3 )δ:7.31(s,2H)
【0212】(2) 前項(1)で得た化合物(5.5
g)とテトラヒドロフラン(55ml)からなる混合物
に−78℃でn−ブチルリチウム(1.6 M)のn−ヘキ
サン溶液(20ml)を滴下した。同温度で1時間攪拌
後、大過剰の二酸化炭素(固体)を加えた。1時間攪拌
後、0℃まで昇温させ、塩酸水を加えて酸性となし、酢
酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を減圧留去して残渣にジイソプロピルエーテルを加
え、結晶を濾取して2,4,6−トリクロロニコチン酸
(6.5 g)を得た。
【0213】融点:138−141℃; IR(KBr)cm-1:1715
【0214】(3) 前項(2)で得た化合物(6.5
g)と塩化チオニル(25ml)からなる混合物を3時
間還流した。過剰の塩化チオニルを減圧留去し、粗生成
物を減圧蒸留して2,4,6−トリクロロニコチン酸ク
ロリド(6.6 g)を得た。
【0215】沸点:93−95℃/1mmHg; IR(neat)cm-1:1791
【0216】(4) マロン酸モノエチルエステル(3.
6 g)とテトラヒドロフラン(30ml)からなる混合物
に0℃で臭化メチルマグネシウム(3M)のエーテル溶
液(19ml)を滴下した。室温で1時間攪拌後、前項
(3)で得た化合物(6.6 g)とテトラヒドロフラン
(30ml)の混合物を滴下し、60℃で1.5 時間加熱
した。溶媒を減圧留去して残渣に塩酸水を加え、クロロ
ホルムで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を減圧留去し、粗生成物を減圧蒸留して2,4,6−ト
リクロロニコチノイル酢酸エチルエステル(4.8 g)を
得た。
【0217】沸点:160−162℃/2mmHg; IR(neat)cm-1:1746
【0218】(5) 前項(4)で得た化合物(4.8
g)、無水酢酸(4.2 g)およびオルトギ酸エチル(3.
6 g)からなる混合物を1.5 時間還流した。減圧乾固
し、氷冷下、ジイソプロピルエーテル(100 ml)およ
び2−アミノチアゾール(1.6 g)を加え、室温で3時
間攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホル
ム)で精製し、酢酸エチルから再結晶して2−(2,
4,6−トリクロロニコチノイル)−3−(2−チアゾ
リルアミノ)アクリル酸エチルエステル(4.0 g)を得
た。
【0219】融点:126−127℃; IR(KBr)cm-1:1691
【0220】(6) 前項(5)で得た化合物(4.0
g)、炭酸カリウム(1.5 g)および酢酸エチル(40
ml)からなる混合物を60℃で1時間加熱した。溶媒
を減圧留去して残渣に水を加え、クロロホルムで抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液 クロロホルム)で精製し、クロロホルムから
再結晶して5,7−ジクロロ−1,4−ジヒドロ−4−
オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸エチルエステル(2.5 g)を得た。
【0221】融点:226−227℃; IR(KBr)cm-1:1737,1692
【0222】(7) 前項(6)で得たエステル体(1.
8 g)と20%塩酸水60mlの混合物を5時間加熱還
流し、冷後、水を加えて析出結晶を濾取し、水洗して標
記の5,7−ジクロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルボン酸(1.4 g)を得た。
【0223】融点:264−266℃; IR(KBr)cm-1:1729
【0224】実施例A−4:−−中間体(II)の製造−
−: 5−アミノ−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキ
ソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−
3−カルボン酸
【0225】(1) 実施例A−3(6)で得た化合物
(500 mg)、ベンジルアミン(140mg)、トリエチ
ルアミン(280 mg)およびトルエン(15ml)から
なる混合物を30分間還流した。溶媒を減圧留去して残
渣に水を加え、クロロホルムで抽出した。無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣を酢
酸エチルから再結晶して5−ベンジルアミノ−7−クロ
ロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾ
リル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチル
エステル(510 mg)を得た。
【0226】融点:141−143℃; IR(KBr)cm-1:1733; NMR(CDCl3 )δ:1.42(t,3H,J=7H
z), 4.41(q,2H,J=7Hz), 4.49(d,
2H,J=6.5 Hz),6.47(s,1H), 7.31
(d,1H,J=3.5 Hz), 7.32−7.40(m,5
H), 7.70(d,1H,J=3.5 Hz), 9.87
(s,1H), 11.2−11.7(m,1H)
【0227】(2) 前項(1)で得たエステル(1.0
g)、濃硫酸(2ml)および酢酸(8ml)からなる
混合物を110 ℃で5 時間攪拌し、冷後、水8mlを加
え、110℃で1 時間攪拌した。析出結晶を濾取・水洗し
て740 mgの標記化合物を得た。
【0228】融点:264−265℃; IR(KBr)cm-1:1727
【0229】実施例A−5:−−中間体(II)の製造−
−: 7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−5−トリフルオロメチル−1,8−ナ
フチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
【0230】(1) 2,6−ジクロロ−4−トリフル
オロメチルピリジン(5g)とテトラヒドロフラン(5
0ml)からなる混合物を−78℃に冷却し、n−ブチ
ルリチウム(1.6 M)のn−ヘキサン溶液(16ml)
を滴下し、30分間攪拌した。これに大過剰の二酸化炭
素(固体)を加え、1時間攪拌した。0℃まで昇温し、
酢酸エチルと希塩酸を加えて抽出し、有機層を硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣に塩化チオ
ニル(20ml)を加え、6時間加熱還流した。過剰の
塩化チオニルを減圧留去し、残渣を減圧蒸留して2,6
−ジクロロ−4−トリフルオロメチルニコチン酸クロリ
ド(3.8 g)を得た。
【0231】沸点:77−78℃/2mmHg; IR(neat)cm-1:1797
【0232】(2) マグネシウム(0.36g)とエタノ
ール(1.5 ml)からなる混合物に1滴の四塩化炭素を
加え、マロン酸ジエチル(2.4 g)、エタノール(1.5
ml)およびトルエン(10ml)からなる混合物を滴
下し、2時間攪拌した。さらに氷冷下、前項(1)で得
た化合物(3.8 g)とテトラヒドロフラン(10ml)
の混合物を滴下し、室温で3時間攪拌した。これに酢酸
エチルと希塩酸水を加えて抽出し、有機層を水洗し、硫
酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣に水
(20ml)とp−トルエンスルホン酸(50mg)を
加え、3時間加熱還流した。これにクロロホルムと水を
加えて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒
を減圧留去して2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメ
チルニコチノイル酢酸エチルエステル(0.9 g)を得
た。
【0233】IR(neat)cm-1:1744,17
21; MS(m/z):330(MH+
【0234】(3) 前項(2)で得た化合物(0.9
g)、オルトギ酸エチル(0.6 g)および無水酢酸(0.
7 g)からなる混合物を140 ℃で1.5 時間加熱還流し、
減圧乾固した。残渣にジイソプロピルエーテル(20m
l)を加え、氷冷下、2−アミノチアゾール(0.3 g)
を加え、室温で3時間攪拌後、溶媒を留去した。これに
クロロホルムと水を加えて抽出し、有機層を硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム)で
精製して2−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメ
チルニコチノイル)−3−(2−チアゾリルアミノ)ア
クリル酸エチルエステル(0.37g)を得た。
【0235】IR(neat)cm-1:1713; MS(m/z):440(MH+
【0236】(4) 前項(3)で得た化合物(0.37
g)、炭酸カリウム(0.13g)および酢酸エチル(10
ml)からなる混合物を15分間加熱還流し、酢酸エチ
ルと水を加えて抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルから再結晶
して標記の7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−5−トリフルオロメチル−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(0.27g)を得た。
【0237】融点:184−185℃; IR(KBr)cm-1:1736,1703
【0238】実施例A−6:−−中間体(II)の製造−
−: 7−クロロ−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸エチルエステル
【0239】(1) 特開昭61−152682号公報
(Ref.1) に記載の方法に準じて、2,6−ジクロロ−
5−フルオロニコチノイル酢酸エチルエステル9.8 gを
オルトギ酸エチルと無水酢酸で処理して、2−(2,6
−ジクロロ−5−フルオロニコチノイル)−3−エトキ
シアクリル酸エチルエステルとし、次いで、この化合物
に、エタノ−ル中、室温下で2−アミノチアゾ−ルとト
リエチルアミンを反応させて、2−(2,6−ジクロロ
−5−フルオロニコチノイル)−3−(2−チアゾリル
アミノ)アクリル酸エチルエステル12.3gを得た。融
点:125−126℃
【0240】(2)上記化合物12.3gを無水ジオキ
サン中でカリウムt−ブトキシドと反応させて、7−ク
ロロ−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−
1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−
カルボン酸エチルエステル7.1gを得た。 融点:182−184℃
【0241】実施例A−7:−−中間体(II)の製造−
−: 5,8−ジヒドロ−2−メタンスルホニル−5−オキソ
−8−(2−チアゾリル)ピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−6−カルボン酸エチルエステル
【0242】(1) マロン酸モノエチルエステル(1
2.3g)のテトラヒドロフラン溶液(80ml)を氷冷
し、臭化メチルマグネシウム(3M)のエーテル溶液
(64ml)を滴下し、20分間攪拌後、4−クロロ−
2−メチルチオピリミジン−5−カルボニルクロリド
(8.6 g)のテトラヒドロフラン溶液(100 ml)を滴
下し、室温で2時間攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、濃
塩酸でpH5〜6にして、酢酸エチルで抽出した。硫酸
ナトリウで乾燥後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム)で精製
して3−(4−クロロ−2−メチルチオピリミジン−5
−イル)−3−オキソプロピオン酸エチルエステル(8.
0 g)を得た。
【0243】IR(neat)cm-1:1743; MS(m/z):275(MH+
【0244】(2) 前項(1)で得た化合物(7.95
g)、オルトギ酸エチル(6.80g)および無水酢酸(7.
76g)からなる混合物を130 ℃で1時間加熱還流し、減
圧濃縮した。氷冷下、ジイソプロピルエーテル(100 m
l)および2−アミノチアゾール(3.28g)を加え、室
温で一夜攪拌して析出結晶を濾取し、ジイソプロピルエ
ーテルで洗浄した。これを1,4−ジオキサン(70m
l)に溶解し、氷冷下、炭酸カリウム(2.72g)を加
え、室温で5時間攪拌した。これを氷冷し、氷水(200
ml)を加え、10%塩酸水で中和した。析出結晶を濾
取し、水、1,4−ジオキサンおよびジイソプロピルエ
ーテルで順次、洗浄して5,8−ジヒドロ−2−メチル
チオ−5−オキソ−8−(2−チアゾリル)ピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−6−カルボン酸エチルエス
テル(6.0 g)を得た。
【0245】融点:183−184℃; IR(KBr)cm-1:1736
【0246】(3) 前項(2)で得た化合物(5.99
g)の塩化メチレン溶液(450 ml)を氷冷し、80%
のm−クロロ過安息香酸(9.30g)を少量ずつ加え、室
温で一夜攪拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液、炭酸水
素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチル
とジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して標記の
5,8−ジヒドロ−2−メタンスルホニル−5−オキソ
−8−(2−チアゾリル)ピリド〔2,3−d〕ピリミ
ジン−6−カルボン酸エチルエステル(4.48g)を得
た。
【0247】融点:185−187℃; IR(KBr)cm-1:1741
【0248】実施例A−8:−−中間体(II) の製造−
−: 実施例A−1からA−6までに記載の方法またはこれに
準じる方法により第14表に示す中間体(II)を得た。
【0249】第14表 中間体(II)
【化40】
【0250】
【表28】
【0251】
【表29】
【0252】
【化41】
【0253】シリーズB:原料アミン類の製造方法
【0254】実施例B−1:−−アミン類の製造−−: トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルア
ミノ)−4−メチルピロリジン
【0255】(1) トランス−3−アミノ−1−ベン
ジル−4−メチルピロリジン(19g)を塩化メチレン
(200 ml)に溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(22.9
g)の塩化メチレン(20ml)溶液を水冷下加えた。
室温で1時間攪拌後、反応液を減圧濃縮して、トランス
−1−ベンジル−3−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−4−メチルピロリジン(28.2g)を得た。
【0256】融点:138 −140 ℃(酢酸エチル−n−ヘ
キサンから再結晶); IR(KBr)cm-1:3198,1706; MS(m/z):291(MH+ )
【0257】(2) 水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウムナトリウムの70%トルエン溶液(40
ml)をトルエン(150 ml)で希釈し、前項(1)で
得た化合物(10g)を氷冷下、少しずつ加えた。反応
液を1時間加熱還流し、氷冷後、過剰の試薬を水で分解
した。不溶物を濾別し、濾液を無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩化メチ
レン(100 ml)に溶解し、これに二炭酸ジ−t−ブチ
ル(7.5 g)の塩化メチレン(10ml)溶液を氷冷
下、加えた。室温で3.5 時間攪拌後、反応液を減圧濃縮
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液 n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で
精製してトランス−1−ベンジル−3−(N−t−ブト
キシカルボニルメチルアミノ)−4−メチルピロリジン
(9.9 g)を得た。
【0258】IR(neat)cm-1:1694; MS(m/z):305(MH+ )
【0259】(3) 前項(2)で得た化合物(1.52
g)をエタノール(50ml)に溶解し、10%パラジ
ウム炭素(200 mg)を加えて、50℃で理論量の水素
を吸収させた。触媒を濾去後、溶媒を減圧留去して目的
のトランス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチル
アミノ)−4−メチルピロリジン(950 mg)を得た。
【0260】IR(neat)cm-1:3337,16
85; MS(m/z):215(MH+ )
【0261】実施例B−2:−−アミン類の製造−−: (+)−トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニル
メチルアミノ)−4−メトキシピロリジン
【0262】(1) 特開平2−69474 号公報に記載の
トランス−3−アミノ−1−ベンジル−4−メトキシピ
ロリジン(ラセミ体、22.4g)と19.6gのL−酒石酸を
メタノール(350 ml)に溶解し、室温で7時間放置し
た。析出したL−酒石酸塩を濾取し、メタノールと水に
て再結晶して下記物性のトランス−3−アミノ−1−ベ
ンジル−4−メトキシピロリジンL−酒石酸塩(14.1
g)を得た。
【0263】次いで、総ての母液を合わせ、溶媒を減圧
下留去し、飽和食塩水を加え、炭酸カリウムにて塩基性
となし、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得
られた残渣とD−酒石酸(6.73g)をメタノール(180
ml)に溶解し、室温で7時間放置した。析出したD−
酒石酸塩を濾取し、メタノールと水にて再結晶して下記
物性のトランス−3−アミノ−1−ベンジル−4−メト
キシピロリジンD−酒石酸塩(9.9 g)を得た。
【0264】L−酒石酸塩; 融点:206−208℃(分解); 〔α〕D 29 +33.0°(c=1.003 ,水); 元素分析値(%):C12H18N2O ・3/2 C4H6O6として; 計算値 C,50.11 ;H,6.31;N,6.49; 実測値 C,49.85 ;H,6.26;N,6.27;
【0265】D−酒石酸塩; 融点:207−209℃(分解); 〔α〕D 29 −33.4°(c=1.020 ,水); 元素分析値(%):C12H18N2O ・3/2 C4H6O6として; 計算値 C,50.11 ;H,6.31;N,6.49; 実測値 C,50.35 ;H,6.32;N,6.47;
【0266】(2) 前項(1)で得たL−酒石酸塩
(3.65g)に飽和食塩水を加え、炭酸カリウムにて中和
し、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して(+)−
トランス−3−アミノ−1−ベンジル−4−メトキシピ
ロリジン(1.23g)を得た。 〔α〕D 27 +32.2°(c=1.053 ,メタノール)
【0267】(3) 前項(2)で得た化合物(5.74
g)をメタノール(65ml)に溶解し、氷冷下、二炭
酸ジ−t−ブチル(7.29g)を加えた。同温度で30分
間、室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロ
ホルム:メタノール=50:1)で精製して、(+)−
トランス−1−ベンジル−3−(t−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−4−メトキシピロリジン(8.55g)を得
た。
【0268】融点:44−45℃; 〔α〕D 29 +9.5 °(c=1.044 ,メタノール)
【0269】(4) 水素化リチウムアルミニウム(3.
43g)を無水テトラヒドロフラン(150 ml)に懸濁さ
せ、前項(3)で得た化合物(8.4 g)の無水テトラヒ
ドロフラン(50ml)溶液を滴下し、室温で1時間攪
拌した。さらに5時間加熱還流した後、氷冷下、過剰の
試薬を水で分解し、不溶物を濾去した。濾液を酢酸エチ
ルで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩化
メチレン(180 ml)に溶解し、氷冷下、二炭酸ジ−t
−ブチル(6.3 g)を加えた。同温度で30分間、室温
で2時間攪拌後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロ
ホルム:メタノール=50:1)で精製して(+)−ト
ランス−1−ベンジル−3−(N−t−ブトキシカルボ
ニルメチルアミノ)−4−メトキシピロリジン(8.26
g)を得た。 〔α〕D 29 +9.9 °(c=1.002 ,メタノール)
【0270】(5) 実施例B−1(3)項と同様にし
て、前項(4)で得た化合物(8.15g)から目的とする
(+)−トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニル
メチルアミノ)−4−メトキシピロリジン(5.59g)を
得た。
【0271】〔α〕D 29 +12.5°(c=1.051 ,メタ
ノール); IR(neat)cm-1:3318,1693; MS(m/z):231(MH+
【0272】実施例B−3:−−アミン類の製造−−: (−)−トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニル
メチルアミノ)−4−メトキシピロリジン
【0273】(1) 実施例B−2(2)項と同様にし
て、実施例B−2(1)で得たD−酒石酸塩(2.57g)
から(−)−トランス−3−アミノ−1−ベンジル−4
−メトキシピロリジン(1.01g)を得た。 〔α〕D 27 −32.7°(c=1.016 ,メタノール)
【0274】(2) 実施例B−2(3)項と同様にし
て、前項で得た化合物(3.03g)から(−)−トランス
−1−ベンジル−3−(t−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−4−メトキシピロリジン(4.5 g)を得た。
【0275】融点:44−45℃; 〔α〕D 29 −9.5 °(c=1.080 ,メタノール)
【0276】(3) 実施例B−2(4)項と同様にし
て、前項で得た化合物(4.25g)から(−)−トランス
−1−ベンジル−3−(N−t−ブトキシカルボニルメ
チルアミノ)−4−メトキシピロリジン(4.25g)を得
た。 〔α〕D 29 −10.1°(c=1.054 ,メタノール)
【0277】(4) 実施例B−2(5)項と同様にし
て、前項で得た化合物(4.25g)から目的とする(−)
−トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチル
アミノ)−4−メトキシピロリジン(2.81g)を得た。
【0278】〔α〕D 29 −12.2°(c=1.003 ,メタ
ノール); IR(neat)cm-1:3318,1693; MS(m/z):231(MH+
【0279】実施例B−4:−−アミン類の製造−−: 3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)−3
−メチルピロリジン
【0280】(1) 実施例B−1(1)と同様にし
て、3−アミノ−1−ベンジル−3−メチルピロリジン
(20g)から1−ベンジル−3−(N−t−ブトキシ
カルボニルアミノ)−3−メチルピロリジン(28.3g)
を得た。
【0281】IR(neat)cm-1:3356、17
16、1697; MS(m/z):291(MH+
【0282】(2) 実施例B−1(2)と同様にし
て、前項(1)で得た化合物(11.4g)から1−ベンジ
ル−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)
−3−メチルピロリジン(7.5 g)を得た。
【0283】IR(neat)cm-1:1697 ; MS(m/z):305(MH+ )
【0284】(3) 実施例B−1(3)と同様にし
て、前項(2)で得た化合物(7.5 g)から目的の3−
(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)−3−メ
チルピロリジン(5.5 g)を得た。
【0285】IR(neat)cm-1:3337、 1
682; MS(m/z):215(MH+
【0286】実施例 B−5:−−アミン類の製造−
−: (1R* ,4R* ,5S* )−4−t−ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタン
【0287】(1) 2−エトキシカルボニルシクロペ
ンタノン97g,ベンジルアミン71.2mlおよびp−トルエ
ンスルホン酸 5.9gにトルエン 500mlを加え、Dean−St
ark 装置で脱水しながら2時間加熱還流した。反応液を
減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液:n−ヘキサン)で精製して、2−ベンジル
アミノ−1−シクロペンテン−1−カルボン酸エチル 1
19.6gを得た。
【0288】融点:31−32℃; IR(neat)cm-1:3328,2951,1656,1606; MS(m/z): 246(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.25(t,3H,J=7.5 H
z),1.80(m,2H),2.55(t,4H,J=7.5 H
z),4.15(q,2H,J=7.5 Hz),4.40(d,2
H,J=6.5Hz ),7.20−7.40(m,5H),7.75(b
r s,1H)
【0289】(2) 前項で得られた化合物60gをエタ
ノール 500mlに溶解し、二酸化白金1gを加えて中圧で
接触還元した。触媒を濾去した後、濾液を減圧下濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液:クロロホルム)で精製して、シス−2−ベ
ンジルアミノ−1−シクロペンタンカルボン酸エチル3
4.0gを得た。
【0290】IR(neat)cm-1:2955,2871,1727; MS(m/z): 248(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.25(t,3H,J=7.5 H
z),1.40−2.10(m,7H),2.95(m,1H),3.3
0(m,1H),3.80(s,2H),4.15(q,2H,
J=7.5 Hz),7.15−7.35(m,5H)
【0291】(3) 前項で得られた化合物85.6g,ブ
ロモ酢酸エチル46ml,炭酸カリウム57.4gおよびヨウ化
カリウム 2.9gに1000mlのジオキサンを加え、18時間
加熱還流した。反応液を濾別し、濾液を減圧下濃縮し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:n−ヘキサン)で精製して、シス−2−
〔(N−ベンジル)エトキシカルボニルメチルアミノ〕
−1−シクロペンタンカルボン酸エチル92.5gを得た。
【0292】IR(neat)cm-1:2976,2871,1732; MS(m/z): 334(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.10−1.30(m,6H),1.50
−2.10(m,6H),3.10(m,1H),3.35(s,2
H),3.50−3.70(m,1H),3.85−4.30(m,6
H),7.15−7.35(m,5H)
【0293】(4) 1000mlのテトラヒドロフランに
60%水素化ナトリウム12.2gを懸濁させて、前項で得ら
れた化合物92.5gのテトラヒドロフラン溶液 400mlを加
えた。1時間加熱還流した後、反応液を減圧下濃縮し、
残渣に1000mlの20%塩酸水を加え、6時間加熱還流し
た。反応液を中和し、トルエンで抽出した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、シス
−2−ベンジル−2−アザビシクロ〔3.3.0〕オク
タン−4−オン53.7gを得た。
【0294】IR(neat)cm-1:2952,2866,1751; MS(m/z): 216(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.50−2.05(m,6H),2.75
(m,1H),2.80(m,1H),3.15(d,1H,J
=16Hz),3.42(d,1H,J=13Hz),3.45−3.55
(m,1H),4.03(d,1H,J=13Hz),7.20−7.
40(m,5H)
【0295】(5) ヒドロキシルアミン塩酸塩26gを
水 500mlに溶解し、前項で得られた化合物53.7gのエタ
ノール溶液 200mlを加えた。更に、20%水酸化ナトリウ
ム水溶液80mlを加え、室温で17時間攪拌した。反応液に
酢酸水を加えて、酢酸酸性とし、トルエンで洗浄した。
水層をアルカリ性とし、トルエンで抽出した。有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、シ
ス−2−ベンジル−2−アザビシクロ〔3.3.0〕オ
クタン−4−オンオキシム30.6gを得た。
【0296】融点:90−91℃ IR(KBr)cm-1:3279,2958,1699; MS(m/z): 231(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.40−2.10(m,6H),2.90
−4.00(m,6H),7.15−7.35(m,5H),7.80
(br s,1H)
【0297】(6) 前項で得られた化合物12gをジオ
キサン 120mlに溶解し、ラネーニッケル6gを加え、70
℃で理論量の水素を添加した。触媒を濾去した後、濾液
を減圧下濃縮し、得られた残渣を塩化メチレン 100mlに
溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル13.6gを加えた。室温で
11時間攪拌後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣に
酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加え、析出
結晶を濾取して(1R*,4R* ,5R* )−2−ベン
ジル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−アザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン10.6gを得た。
【0298】融点: 161−162 ℃; IR(KBr)cm-1:3353,2950,1678; MS(m/z): 317(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.20−1.80(m,6H),1.40
(s,9H),2.20(m,1H),3.00−3.20(m,2
H),3.35(d,1H,J=13Hz),3.85(d,1H,
J=13Hz),3.60−3.80(m,1H),4.55(br
s,1H),7.15−7.35(m,5H)
【0299】上記で得られた母液を減圧下濃縮し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:クロロホルム)で精製して、(1R* ,4S* ,5
*)−2−ベンジル−4−t−ブトキシカルボニルア
ミノ−2−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタン 3.0g
を得た。
【0300】IR(neat)cm-1:3447,2952,1713; MS(m/z): 317(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.20−1.80(m,6H),1.45
(s,9H),2.20−2.40(m,1H),2.55−3.00
(m,3H),3.10−3.95(m,2H),4.10(m,1
H),4.80(br s,1H),7.15−7.35(m,5
H)
【0301】(7) 前項で得られた(1R* ,4
* ,5R* )−2−ベンジル−4−t−ブトキシカル
ボニルアミノ−2−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン10.5gをエタノール 150mlに溶解し、5%パラジウム
炭素 1.0gを加え、理論量の水素を添加した。触媒を濾
去した後、濾液を減圧下濃縮して、目的物 7.1gを得
た。
【0302】融点: 102−103 ℃; IR(KBr)cm-1:3305,3184,2926,1709; MS(m/z): 227(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.40−1.90(m,6H),1.45
(s,9H),2.20(m,1H),2.60−3.20(m,2
H),3.65(br s,1H),3.75(m,1H),4.
70(br s,1H)
【0303】実施例B−6:−−アミン類の製造−−: (1R* ,4S* ,5S* )−4−t−ブトキシカルボ
ニルアミノ−2−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタン
【0304】実施例B−5の(6)項で得られた(1R
* ,4S* ,5R* )−2−ベンジル−4−t−ブトキ
シカルボニルアミノ−2−アザビシクロ〔3.3.0〕
オクタン1.58g,5%パラジウム炭素 200mgおよびエタ
ノール20mlを用いて、実施例B−5(7)項と同様に処
理して目的物 940mgを得た。
【0305】融点:85−87℃; IR(KBr)cm-1:3372,3210,2940,1682; MS(m/z): 227(MH+ ); NMR(CDCl3)δ:1.40−1.90(m,6H),1.45
(s,9H),2.05(br s,1H),2.60−3.10
(m,3H),3.70(br s,1H),4.05(m,1
H),4.75(br s,1H)
【0306】実施例B−7:−−アミン類の製造−−: 1−アミノ−3−アザビシクロ〔3.1.1〕ヘプタン
【0307】(1) 60%水素化ナトリウム1.29gをn
−ヘキサンで2回洗浄後、エーテル60mlに懸濁させた。
氷冷下エーテル5mlに溶解したマロン酸ジエチル 5.0g
を10分間で滴下した。この混合物を室温下30分攪拌した
のち氷冷し、エーテル10mlに溶解したベンジルクロロメ
チルエーテル5.38gを10分間で加えて室温で一夜攪拌
し、更に5時間還流した。反応液を氷水に注ぎ酢酸エチ
ルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を減圧留去し、ベンジルオキシメチルマロ
ン酸ジエチルの粗生成物 9.0gを得た。
【0308】これをエーテル50mlに溶解し、氷冷下水素
化アルミニウムリチウム2.85gとエーテル 300mlの混合
物に滴下した。同温で 1.5時間、更に室温で2時間攪拌
した。氷冷下飽和酒石酸ナトリウム水を加え、一夜攪拌
した。不溶物を濾別し濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ
た後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶離液 クロロホルム:エタノール=4
0:1〜20:1)により精製し、2−ベンジルオキシメ
チル−1,3−プロパンジオール1.96gを得た。
【0309】IR(neat)cm-1:3380;1 H−NMR(CDCl3) δ:2.05(m,1H),2.3
5(br s,2H),3.63(d,2H,J=5.5Hz
),3.81(dd,4H,J=5.5, 5.5Hz),4.52
(s,2H),7.25−7.40(m,5H)
【0310】(2) 前項で得た化合物84.8gとピリジ
ン 360mlからなる混合物を氷−食塩で冷却しながら、塩
化p−トルエンスルホニル 206.3gを3回に分けて加
え、同温で2時間、室温で一夜攪拌した。反応液を氷水
に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。希塩酸,水で洗浄した
のち硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液 クロロホ
ルム:エタノール=30:1)で精製し、2−ベンジルオ
キシメチル−1,3−ビス(p−トルエンスルホニルオ
キシ)プロパン 162.3gを得た。
【0311】IR(neat)cm-1:1598,1361;1 H−NMR(CDCl3) δ:2.33(m,1H),2.4
4(s,6H),3.41(d,2H,J=6Hz),4.04
(m,4H),4.34(s,2H),7.10−7.40(m,9
H),7.74(d,4H,J=8Hz)
【0312】(3) 60%水素化ナトリウム22.8gをn
−ヘキサンで2回洗浄後、トルエン 350mlに懸濁させ
た。氷冷下トルエン 150mlに溶解したマロン酸ジエチル
91.1gを25分間で滴下した。この混合物を室温下で40分
攪拌した後、トルエン 300mlに溶解した前項で得た化合
物 119.6gを加え、 4.5日間還流した。反応液を氷水に
注ぎ酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナ
トリウムで乾燥した。減圧下溶媒および未反応のマロン
酸ジエチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶離液 クロロホルム:エタノール=50:
1)で精製し、3−ベンジルオキシメチルシクロブタン
−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステル66.8gを得
た。
【0313】IR(neat)cm-1:1726,1263;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.23(t,3H,J=
7Hz),1.25(t,3H,J=7Hz),2.25−2.50
(m,2H),2.55−2.80(m,3H),3.44(d,2
H,J=6Hz),4.17(q,2H,J=7Hz),4.21
(q,2H,J=7Hz),4.50(s,2H),7.20−7.
40(m,5H)
【0314】(4) 前項で得られた化合物66.8gを酢
酸エチル 500mlに溶解し、5%パラジウム炭素6.68gを
加え、30〜40℃で理論量の水素を添加した。触媒を濾別
後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ー(溶離液 クロロホルム:エタノール=20:1)で精
製し、3−ヒドロキシメチルシクロブタン−1,1−ジ
カルボン酸ジエチルエステル45.0gを得た。
【0315】IR(neat)cm-1:3452,1728,1266;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.25(t,3H,J=
7Hz),1.27(t,3H,J=7Hz),1.70(br
s,1H),2.30−2.50(m,2H),2.50−2.70
(m,3H),3.62(d,2H,J=5.5 Hz),4.20
(q,2H,J=7Hz),4.23(q,2H,J=7Hz)
【0316】前項で得られた3−ヒドロキシメチルシク
ロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステル45.0
gとピリジン 350mlの混合物に氷冷下、塩化p−トルエ
ンスルホニル48.5gを4回に分けて加えた。同温で 5.5
時間、室温で13.5時間、30〜40℃で8時間攪拌後、氷水
を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和重曹水,水,希塩
酸および飽和食塩水で順次洗浄後、硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を減圧留去し、3−p−トルエンスルホニ
ルオキシメチルシクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジ
エチルエステルの粗生成物を得た。
【0317】上記粗生成物,ベンジルアミン42.2g,炭
酸カリウム32.4gおよびジオキサン600 mlの混合物を
4.5日間還流した。反応液に氷水を加えてクロロホルム
で抽出し、飽和重曹水、次いで飽和食塩水で洗浄後、硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液ク
ロロホルム:エタノール=20:1)で精製し、3−ベン
ジルアミノメチルシクロブタン−1,1−ジカルボン酸
ジエチルエステル32.3gを得た。
【0318】IR(neat)cm-1:3324,2813,1727,
1263;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.23(t,3H,J=
7Hz),1.25(t,3H,J=7Hz),2.15−2.30
(m,2H),2.40−2.70(m,3H),2.67(d,2
H,J=6Hz),3.76(s,2H),4.17(q,2H,
J=7Hz),4.21(q,2H,J=7Hz),7.20−7.40
(m,5H)
【0319】(5) 前項で得られた3−ベンジルアミ
ノメチルシクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチル
エステル32.3g,10%水酸化ナトリウム水溶液 120mlお
よびテトラヒドロフラン 120mlからなる混合物を、室温
で13.5時間、次いで50〜60℃で6時間攪拌した。減圧下
濃縮し、水 100mlと活性炭を加えて濾過した。濾液に室
温下、20%塩酸水54.5mlを攪拌しながら加えた。氷冷後
結晶を濾取し、水およびエタノールで洗浄して、3−ベ
ンジルアミノメチルシクロブタン−1,1−ジカルボン
酸20gを得た。
【0320】融点 : 224−226 ℃(分解); IR(KBr)cm-1:3444,1632;1 H−NMR(DMSO−d6 ) δ:2.10−2.26
(m,2H),2.30−2.45(m,2H),2.65−2.95
(m,1H),3.02(d,2H,J=7Hz),4.11
(s,2H),7.35−7.55(m,5H),9.00(br
s,2H)
【0321】(6) 前項で得られた化合物20gとN,
N−ジメチルホルムアミド 200mlからなる混合物にカル
ボニルジイミダゾール37gを加え、室温で13時間、30〜
40℃で5.5時間、60〜70℃で4時間攪拌した。溶媒を減
圧留去し、残渣に希塩酸を加えてpH2とした。酢酸エチ
ルで抽出し、飽和食塩水で洗浄したのち硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣にジイソプロピル
エーテル−n−ヘキサン(2:1)を加えて析出結晶を
濾取し、3−ベンジル−2−オキソ−3−アザビシクロ
〔3.1.1〕ヘプタン−1−カルボン酸15.5gを得
た。
【0322】融点 : 127−128 ℃(酢酸エチルから再結
晶); IR(KBr)cm-1:2531,1750,1732;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.85−2.00(m,2
H),2.70−2.84(m,1H),2.84−2.97(m,2
H),3.44(d,2H,J=2Hz),4.65(s,2
H),7.20−7.45(m,5H)
【0323】(7) 前項で得られた化合物15.5g,ト
リエチルアミン 9.6gおよびt−ブタノール 150mlから
なる混合物を70℃に加熱し、ジフェニルホスホリルアジ
ド26gを滴下した。この反応液を15時間還流した。減圧
下濃縮し、残渣に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。
希水酸化ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し
たのち、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液 クロロホルム:エタノール=50:1)で精製し、3
−ベンジル−1−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−
アザビシクロ〔3.1.1〕ヘプタン−2−オン14.6g
を得た。
【0324】融点 : 106−107 ℃(塩化メチレン−ジイ
ソプロピルエーテルから再結晶); IR(KBr)cm-1:3402,1723,1646;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.45(s,9H),1.7
0−1.83(m,2H),2.56(tt,1H,J=2.5 ,
7Hz),3.10−3.35(m,2H),3.25(d,2H,J
=2.5Hz ),4.60(s,2H),6.22(br s,1
H),7.20−7.40(m,5H)
【0325】(8) 前項で得られた化合物6.07g,10
%塩酸水12mlおよびテトラヒドロフラン6mlからなる混
合物を50〜60℃で3時間加温した。減圧下濃縮し、残渣
に水を少量加え、n−ヘキサンで洗浄した。水層を水酸
化ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、クロロホルムで
抽出した。飽和食塩水で洗浄したのち、硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去し、1−アミノ−3−ベン
ジル−3−アザビシクロ〔3.1.1〕ヘプタン−2−
オン4.09gを得た。
【0326】IR(neat)cm-1:3381,1659,1495,
1250;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.85−2.00(m,2
H),1.90(s,2H),2.10−2.25(m,2H),2.
54(tt,1H,J=2.5 ,7Hz),3.26(d,2H,
J=2.5Hz ),4.60(s,2H),7.20−7.40(m,5
H)
【0327】(9) 前項で得られた化合物 2.1gとテ
トラヒドロフラン25mlからなる混合物に、ボラン−テト
ラヒドロフラン錯体の 1.0M−テトラヒドロフラン溶液
30mlを加えた。7時間還流した後、減圧下濃縮した。残
渣にエタノール40mlを加え、9時間還流した。減圧下濃
縮し、残渣に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和
重曹水、次いで飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をクーゲルロー
ルミクロ蒸留装置で蒸留して、1−アミノ−3−ベンジ
ル−3−アザビシクロ〔3.1.1〕ヘプタン1.86gを
得た。
【0328】沸点:約100 ℃(3mmHg); IR(neat)cm-1:3360,2791,1603;1 H−NMR(CDCl3) δ:1.51(br s,2
H),1.60−1.90(m,4H),2.18(tt,1H,J
=3,6Hz),2.65(s,2H),2.69(d,2H,J
=3Hz),3.67(s,2H),7.15−7.40(m,5H)
【0329】(10) 前項で得られた化合物1.86gを
エタノール20mlに溶解し、5%パラジウム炭素 190mgを
加え、理論量の水素を添加した。触媒を濾去し、減圧下
溶媒を留去して、目的物 1.0gを得た。
【0330】実施例B−8:−−アミン類の製造−−: 9−メチレン−1,7−ジアザスピロ〔4.4〕ノナン
二塩酸塩
【0331】(1) 2,3−ジブロモプロペン300g、
3,4-ジメトキシベンジルアミン245.3g、トリエチルア
ミン503.7 gおよび3000mlのトルエンからなる混合物
を45分間加熱還流し、冷後、水、酢酸水を加え、酢酸
エチルで抽出し、水洗した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を留去して残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液 クロロホルム)で精製して、2−ブ
ロモ−3−(3,4−ジメトキシベンジルアミノ)プロ
ペン120gを得た。 IR(neat)cm-1:2934,2833,1516
【0332】(2) N−(t−ブトキシカルボニル)
−L−プロリン 73.8 g、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)
72.4gおよび1000mlのジクロロメタンからなる混合物
に、氷冷下、前項で得た化合物108gとジクロロメタ
ン100mlとの混合物を20分間かけて滴下後、室温
で20時間攪拌し、これに水を加え、ついでジクロロメ
タンにより抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液 クロロホルム)で精製してN−(2−ブロ
モプロペニル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)
−1−(t−ブトキシカルボニル)プロリンアミド14
9gを得た。 IR(neat)cm-1:2974,1697
【0333】(3) 前項で得た化合物67.7gおよびト
ルエン800mlからなる混合物に、氷冷下、0.5 N−
カリウムヘキサメチルジシラザンのトルエン溶液800
mlを20分間かけて滴下し、同温度で90分間攪拌し
た。これに水、酢酸水を加え、酢酸エチルで抽出した。
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液 クロロホルム)で精製して1−(t−ブト
キシカルボニル)−7−(3.4−ジメトキシベンジ
ル)−9−メチレン−6−オキソ−1,7−ジアザスピ
ロ〔4.4〕ノナン29.3gを得た。
【0334】IR(neat)cm-1:2971,169
2; MS(m/z):=403(MH+
【0335】(4) 前項で得た化合物20gおよびジ
クロロメタン500mlからなる混合物に、氷冷下、ト
リフルオロ酢酸100mlを10分間かけて滴下し、室
温で16時間攪拌した。これに水および水酸化ナトリウ
ム水溶液を加え、ジクロロメタンにより抽出した。無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホル
ム)で精製して7−(3,4−ジメトキシベンジル)−
9−メチレン−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ
〔4.4〕ノナン10.6gを得た。
【0336】IR(neat)cm-1:2959,169
9; MS(m/z):303(MH+
【0337】(5) 前項で得た化合物10.6gおよびト
ルエン200mlからなる混合物に、氷冷下、水素化ビ
ス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムの
70%トルエン溶液20.5 mlを5分間かけて滴下し、
室温で5時間攪拌した。これに食塩水および水酸化ナト
リウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
離液 クロロホルム)で精製して7−(3,4−ジメト
キシベンジル)−9−メチレン−1,7−ジアザスピロ
〔4.4〕ノナン7.8 gを得た。
【0338】IR(neat)cm-1:2953,151
6; MS(m/z):289(MH+
【0339】(6) 前項で得た化合物0.23g、クロロ
蟻酸1−クロロエチル0.57gおよび1,2−ジクロロエ
タン10mlからなる混合物を2時間加熱還流し、溶媒
を留去した。残渣にメタノ−ル10mlを加え、1時間
加熱還流し、溶媒を留去して目的とする9−メチレン−
1,7−ジアザスピロ〔4.4〕ノナン二塩酸塩0.12g
を得た。本化合物は、後記化合物6F−6の製造原料と
して使用した。
【0340】IR(neat)cm-1:3400,291
7,1631; MS(m/z):139(MH+ );1 H−NMR(DMSO−d6 ) δ:1.8 −2.1
(m,4H), 3.0 −3.3(m,4H), 3.6.−3.9
(m,2H) 5.26(t,1H,J=2Hz),5.43
(t,1H,J=2Hz)
【0341】実施例B−9:−−アミン類の製造−−: 3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルピロリジン
【0342】(1) 1−ベンジル−3−ピロリドン1
4.5gにテトラヒドロフラン150ml、テトラ−n−
ブチルアンモニウムフルオリドの1M−テトラヒドロフ
ラン溶液0.92mlを加えた。混合物に氷冷下、トリメチ
ルシリルトリフルオロメタン16.5gを加え、30分間攪
拌した。反応液を室温にし、更に、3時間攪拌した。そ
こにテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドの1M
−テトラヒドロフラン溶液30mlを加えて、室温で4
時間攪拌した。反応終了後、水と酢酸エチルを加えて抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム)で
精製し、1−ベンジル−3−ヒドロキシ−3−トリフル
オロメチルピロリジン13.3gを得た。 融点60−61℃
【0343】(2) 前項で得られた化合物1.0 gにエ
タノール15ml、10%パラジウム炭素100mgを
加え60℃で理論量の水素を吸収させた。触媒を濾去
し、溶媒を減圧乾固し、目的のアミン630mgを得
た。
【0344】実施例 B−10:−−アミン類の製造−
−: (1R,5S,8R)−8−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−2−オキサ−6−アザビシクロ〔3.3.
0〕オクタン
【0345】(1) D−酒石酸を原料にしてJ. Org. Che
m. 60, 103-108 (1995)の記載に従って製造した(3
S,4R,5S)−1−ベンジル−3,4−ビス(tert
−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−(2−ヒドロキ
シエチル)−2−ピロリジノン125.5gに60% 酢酸水1200
mlを加え、一夜還流した。減圧濃縮後、残渣に濃アンモ
ニア水300ml およびメタノール500ml を加え、室温で一
夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム:メタ
ノール=10:1)で精製して、(3S,4R,5S)−1
−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−5−(2−ヒドロ
キシエチル)−2−ピロリジノン35g を得た。
【0346】IR (neat) 3370, 1682 cm-1; MS (m/z) : 252 (MH+ )
【0347】1H-NMR (CDCl3)δ:7.10-7.32(m, 5H), 5.
52(br s, 2H), 4.90(d, 1H, J=15.0Hz), 4.50(d, 1H, J
=7.5Hz), 4.21(br t, 1H, J=7.5Hz), 3.94(d, 1H, J=1
5.0Hz),3.55(br s, 3H), 2.20-2.00(br s, 1H), 1.86(b
r s, 2H)
【0348】(2) 前項で得た化合物35g をピリジン40
0ml に加え、氷冷したところにp−トルエンスルホニル
クロリド26.6g を加え、一晩攪拌した。反応溶液に水、
クロロホルムを加え生成物を有機層に抽出した後、10
%塩酸水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去し、油状の(1R,5S,8S)−6−
ベンジル−8−ヒドロキシ−7−オキソ−2−オキサ−
6−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタン24g を得た。
【0349】IR (neat):3390, 1692 cm -1; MS m/z:234 (MH+ )
【0350】1H-NMR (CDCl3)δ:7.40-7.18(m, 5H), 4.
84(d, 1H, J=15.0Hz), 4.49(br, 1H),4.42(dd, 1H, J=
6.5, 1.7Hz), 4.32(br, 1H), 4.16-4.06(m, 2H), 3.92-
3.66(m, 2H), 1.92-1.82(m, 2H)
【0351】(3) 前項で得た化合物14g を塩化メチレ
ン250ml に加え、氷冷したところにピリジン14.6mlを加
え、次にゆっくりトリフルオロメタンスルホン酸無水物
13.1mlを加えた。2時間後、反応液にジメチルホルムア
ミド550ml および酢酸カリウム58.9g を加え、一晩攪拌
した。不溶物を濾過し、減圧濃縮して得た残渣に水およ
びクロロホルムを加え、生成物を有機層に抽出した後、
溶媒を減圧留去して、粗製の(1R,5S,8S)−8
−アセトキシ−6−ベンジル−7−オキソ−2−オキサ
−6−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタンを得た。
【0352】この化合物にエタール500ml と濃アンモニ
ア水200ml を加え、室温で一晩攪拌し、減圧濃縮した。
残渣に水およびクロロホルムを加え、生成物を有機層に
抽出後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶離液 クロロホルム:メタノール=30:
1)で精製して(1R,5S,8R)−6−ベンジル−
8−ヒドロキシ−7−オキソ−2−オキサ−6−アザビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン9.2gを得た。
【0353】IR (neat):3381, 1694 cm -1; MS m/z:234 (MH+ )
【0354】1H-NMR (CDCl3)δ:7.40-7.20(m, 5H), 4.
93(d, 1H, J=15.0Hz), 4.50(dd, 1H,J=6.0, 5.0Hz), 4.
28(d, 1H, J=6.0Hz), 4.09(d, 1H, J=15.0Hz), 4.08-3.
93(m,2H), 3.80-3.66(m, 1H), 3.22(br s, 1H), 2.24-
2.11(m, 1H), 2.01-1.81(m, 1H)
【0355】(4) 前項で得た化合物9.2gを塩化メチレ
ン100ml に加え、氷冷したところにピリジン9.5ml を加
え、次にゆっくりトリフルオロメタンスルホン酸無水物
9.1mlを加えた。2時間後、反応液にジメチルホルムア
ミド300ml およびアジ化ナトリウム24.4g を加え、一晩
攪拌した。減圧濃縮して得た残渣に水およびクロロホル
ムを加え、生成物を有機層に抽出した。希塩酸水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留
去して(1R,5S,8S)−8−アジド−6−ベンジ
ル−7−オキソ−2−オキサ−6−アザビシクロ〔3.
3.0〕オクタン7.4gを得た。
【0356】IR (neat) : 2109, 1694 cm -11 H-NMR (CDCl3)δ:7.40-7.20(m, 5H), 4.93(d, 1H, J=
15.0Hz), 4.23(dd, 1H,J=6.0, 1.5Hz), 4.16-4.02(m, 3
H), 3.94-3.82(m, 1H), 3.81-3.67(m, 1H), 2.00-1.80
(m, 2H)
【0357】(5) 前項で得た化合物7.4gをテトラヒド
ロフラン300ml に加え、氷冷したところにボラン−テト
ラヒドロフラン錯体の1.0 モル−テトラヒドロフラン溶
液116ml を加えた。30分後加熱し、一晩還流した。反応
液を室温に冷却し、過剰のボランをエタノールで処理し
た。減圧濃縮後、残渣にエタノール600ml を加え、一晩
還流した。減圧濃縮後、残渣に10% 塩酸水を加え、生成
物を水層に抽出し、クロロホルムで洗浄した。20% NaOH
水でアルカリ性にした後、クロロホルムで抽出した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して(1
S,5S,8R)−8−アミノ−6−ベンジル−2−オ
キサ−6−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタン5.5gを
得た。
【0358】続いてこの化合物をメタノール100ml に加
えて氷冷し、これに二炭酸−ジ−tert−ブチル7.2gを加
え、一晩攪拌した。減圧濃縮して得た残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液 n−ヘキサン:酢
酸エチル=6:1)に付し、(1S,5S,8R)−6−ベ
ンジル−8−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2
−オキサ−6−アザビシクロ〔3.3.0〕オクタン7.
0gを得た。
【0359】融点115−116℃(酢酸エチルから再
結晶); 〔α〕D 27 +2.3 °(c=1.023,メタノール)
【0360】(6) 前項で得た化合物5.4gをエタノール
100ml に溶解し、5%パラジウム炭素350mg を加え、40
℃で理論量の水素を吸収させた。触媒を濾去し、溶媒を
減圧留去した後、得られた粗結晶をエチルエーテル−ジ
イソプロピルエーテルから再結晶して、最終目的物たる
(1R,5S,8R)−8−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノ)−2−オキサ−6−アザビシクロ〔3.3.
0〕オクタン3.5gを得た。
【0361】融点110−111℃; IR (KBr) : 3377, 3228, 1680 cm-1; 〔α〕D 29 −44.4°(c=1.026, メタノー
ル)
【0362】シリーズC:目的物の製造方法
【0363】実施例C−1:−−目的物(I)の製造−
−: 1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキシ−4
−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1
−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カ
ルボン酸(ラセミ体)およびその関連化合物
【0364】(1) 実施例A−1(4)で得た7−ク
ロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチ
ルエステル(7.1 g)とトランス−3−メトキシ−4−
メチルアミノピロリジン二塩酸塩(6.0 g)およびアセ
トニトリル(150 ml)からなる懸濁液にトリエチルア
ミン(18ml)を加えた。室温で5時間攪拌し、減圧
下、反応液を濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホル
ム:メタノール=6:1)で精製して1,4−ジヒドロ
−7−(トランス−3−メトキシ−4−メチルアミノ−
1−ピロリジニル)−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエ
ステル(6.1 g)を得た。 融点:73−76℃
【0365】(2) 上記エステル(6.0 g)および1
8%塩酸水(100 ml)からなる溶液を100 ℃で28時
間攪拌した。析出結晶を濾取し、エタノールおよびジイ
ソプロピルエーテルからなる混液で洗浄して4.45gの
1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキシ−4
−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1
−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カ
ルボン酸塩酸塩(化合物H−1−1−1)(4.45g)を
得た。 融点:270−273℃
【0366】(3) 前記(2)で得た塩酸塩(51.5
g)、水(500 ml)およびアンモニア水(40ml)
からなる溶液を50℃で一夜攪拌した。これにアセトニ
トリルを加え、減圧濃縮し、析出結晶を濾取した。得ら
れた結晶を水およびアセトニトリルで洗浄して32.6gの
1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキシ−4
−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1
−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カ
ルボン酸(化合物H-1-1-0)を得た。 融点:290−292℃(分解)
【0367】(4) 前項(3)で得た化合物(2.0
g)、乳酸(3.1 g)および蒸留水(4ml)からなる
混合物を60℃で加熱溶解した。室温に冷却後、エタノ
ール(70ml)を加え、析出結晶を濾取し、エタノー
ルで洗浄して2gの乳酸塩(化合物H-1-1-2 )を得た。 融点:288−291℃(分解)
【0368】(5) 前項(1)で得たエステル(1.89
g)、N−t−ブトキシカルボニル−L−アラニン(1.
26g)および塩化メチレン(80ml)からなる混合物
に1.27gのWSCを加え、室温で3時間攪拌した。水洗
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホル
ム:メタノール=50:1)により精製して7−{トラ
ンス−3−〔N−(N−t−ブトキシカルボニル−L−
アラニル)〕メチルアミノ−4−メトキシ−1−ピロリ
ジニル}−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−
チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
エチルエステル(2.15g)を得た。
【0369】融点:120−123℃; 〔α〕D 28 +10.2°(c=1.0 ,クロロホルム)
【0370】このエチルエステル(1.71g)、0.5 N塩
酸水(42ml)、エタノール(22ml)からなる混
合物を80℃で17.5時間加熱攪拌した。この溶液を減圧
濃縮し、析出結晶を濾取し、10%塩酸水およびエタノ
ールで洗浄して7−〔トランス−3−(N−L−アラニ
ルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩1.
16gを得た。
【0371】融点:230−233℃; 〔α〕D 29 +8.4 °(c=1.0 ,水)
【0372】実施例C−2:−−目的物(I)の製造−
−: (+)−1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メト
キシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オ
キソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸(光学活性体)およびその関連化合物
【0373】(1) 実施例A−1(4)で得た7−ク
ロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチ
ルエステルと実施例B−2で得た(+)−トランス−3
−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)−4−
メトキシピロリジンを用い、実施例C−1(1)と同様
にして(−)−7−〔トランス−3−(N−t−ブトキ
シカルボニルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロ
リジニル〕−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸エチルエステル(非結晶体)を得た。 〔α〕D 29 −9.1 °(c=1.006 ,クロロホルム)
【0374】(2) 実施例C−1(2)に記載の方法
に準じて、前項(1)で得たエチルエステル体から標記
塩酸塩(化合物H−1−2)を得た。
【0375】融点:278−282℃(分解); 〔α〕D 29 +24.8°(c=0.500 ,水)
【0376】(3) 前記(2)で得た塩酸塩(28.1
g)、水(300 ml)およびアンモニア水(25ml)
からなる溶液を50℃で一夜攪拌し、ついで減圧濃縮し
た。析出結晶を濾取し、水およびエタノールで洗浄して
目的のカルボン酸体(化合物H−1−2−1)(19.5
g)を得た。
【0377】融点:268−271℃; 〔α〕D 30 +53.1°(c=1.005 ,1N NaOH)
【0378】(4) 前記(3)項で得たカルボン酸体
6.22gを蒸留水150mlに溶解し、氷冷下にて、1.00
2 N−水酸化ナトリウム水溶液14.8mlを加え、直ちに
10分間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣にアセトニ
トリルおよびジイソプロピルエーテルを加えて析出する
結晶を濾取し、目的とするナトリウム塩(化合物H−1
−2−2)6.28gを得た。 融点:189−190℃(分解)
【0379】(5) 前記(3)で得た化合物(300
mg)と水(1.2 ml)からなる懸濁液にメタンスルホ
ン酸(140mg)を加え、60℃で加熱溶解した。熱
時濾過し、濾液を室温で冷却した。これにアセトン(1
0ml)を加え、析出結晶を濾取し、アセトンで洗浄し
て標記化合物のメタンスルホン酸塩(化合物H−1−2
−3)を得た。
【0380】融点:283−285℃(分解); 〔α〕D 28 +46.9°(c=1.00,1N NaOH)
【0381】(6) 実施例C−1(4)に記載の方法
に準じて、前記(3)で得た化合物から標記化合物の乳
酸塩(化合物H−1−2−4)を得た。
【0382】融点:273−275℃(分解); 〔α〕D 27 +44.7°(c=1.00,1N NaOH)
【0383】(7) 前記(3)で得た化合物(350
mg)およびグルコン酸(約50%、1.1 g)を水(1
ml)に加熱(60℃)溶解した。放冷後、アセトン
(100ml)を加え、析出する固体を水−メタノール
から再結晶し、析出結晶を濾取し、メタノールで洗浄し
て標記化合物のグルコン酸塩(化合物H−1−2−5)
を得た。
【0384】融点:129−132℃; 〔α〕D 28 +36.7°(c=0.36,1N NaOH)
【0385】(8) 前記(1)で得た化合物を塩酸−
エタノール(30%)で処理して、(−)−1,4−ジ
ヒドロ−7−(トランス−3−メトキシ−4−メチルア
ミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1−(2−チ
アゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エ
チルエステル(化合物H−1−2−6)を得た。
【0386】融点:184−185℃; 〔α〕D 28 −16.9°(c=0.503, クロロホルム)
【0387】実施例C−3:−−目的物(I)の製造−
−: (−)−1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メト
キシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オ
キソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸(光学活性体)およびその塩
【0388】(1) 実施例A−1(4)で得た7−ク
ロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチ
ルエステルと実施例B−3で得た(−)−トランス−3
−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)−4−
メトキシピロリジンを用い、実施例C−1(1)と同様
にして(+)−7−〔トランス−3−(N−t−ブトキ
シカルボニルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロ
リジニル〕−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸エチルエステル(非結晶体)を得た。 〔α〕D 29 +9.0 °(c=1.002 ,クロロホルム)
【0389】(2) 実施例C−1(2)に記載の方法
に準じて、前項(1)で得たエチルエステル体から標記
化合物の塩酸塩(化合物H−1−3)を得た。
【0390】融点:278−282℃(分解); 〔α〕D 29 −25.2°(c=0.504 ,水)
【0391】(3) 実施例C−2(3)に記載の方法
に準じて、前記(2)で得た化合物から目的のカルボン
酸体(化合物H−1−3−1)を得た。
【0392】融点:277−279℃(分解); 〔α〕D 29 −59.9°(c=1.00,1N NaOH)
【0393】(4) 実施例C−2(5)に記載の方法
に準じて、前記(3)で得た化合物から標記化合物のメ
タンスルホン酸塩(化合物H−1−3−2)を得た。
【0394】融点:287−289℃(分解); 〔α〕D 30 −47.2°(c=1.00,1N NaOH)
【0395】実施例C−4:−−目的物(I)の製造−
−: 1,4−ジヒドロ−7−(シス−3−メトキシ−4−メ
チルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸およびその関連化合物
【0396】(1) 実施例A−1(4)で得た7−ク
ロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチ
ルエステルとシス−3−メトキシ−4−メチルアミノピ
ロリジンを用い、実施例C−1(1)と同様にして1,
4−ジヒドロ−7−(シス−3−メトキシ−4−メチル
アミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1−(2−
チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
エチルエステルを得た。 融点253−259℃(分解)
【0397】(2) 実施例C−1(2)に記載の方法
に準じて、前項(1)で得たエチルエステル体から標記
化合物の塩酸塩(化合物H−1−4)を得た。 融点:263−269℃(分解)
【0398】実施例 C−5:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチチリジン−3−カルボン酸塩酸塩
(化合物2F−1)
【0399】(1) 実施例A(6)で得た7−クロロ
−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸エチル6.5 g,3−アミノピロリジン1.7 g,ト
リエチルアミン5.6 gおよびアセトニトリル65mlの混
合物を30分間加熱還流した。冷後、結晶を濾取し、エ
タノ−ルから再結晶して、7−(3−アミノ−1−ピロ
リジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸エチルエステル(化合物2F−1のエ
ステル体)7.1gを得た。 融点:218−220℃。
【0400】(2) 上記エステル7.1gと10%塩
酸水200mlの混合物を1時間加熱還流した。冷後、結
晶を濾取し、水−エタノ−ルから再結晶して、6.9g
の7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオ
ロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾ
リル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸塩酸塩
(化合物2F−1)を得た。 融点:294−296℃(分解)
【0401】(3) 上記塩酸塩を常法に従って処理
し、7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フル
オロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(化
合物2F−1の遊離体)を得た。 融点:253−254℃(分解)
【0402】(4) (R)−3−アミノピロリジンを
用い、前記と同様に反応・処理して下記化合物を得た。
【0403】7−〔(R)−3−アミノ−1−ピロリジ
ニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルボン酸エチルエステル; 融点:254−257℃
【0404】7−〔(R)−3−アミノ−1−ピロリジ
ニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルボン酸塩酸塩(化合物2F−1−1)
【0405】融点:297−300℃(分解); [α]D 28=−21.0O (1N NaOH ,c=0.1 )
【0406】(5) (S)−3−アミノピロリジンを
用い、前記と同様に反応・処理して下記化合物を得た。
【0407】7−〔(S)−3−アミノ−1−ピロリジ
ニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルボン酸エチルエステル; 融点:256−259℃
【0408】7−〔(S)−3−アミノ−1−ピロリジ
ニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルボン酸塩酸塩(化合物2F−1−2)
【0409】融点:>300℃; [α]D 28=+20.0O (1N NaOH ,c=0.1 )
【0410】(6) 実施例C−1(5)の記載に準じ
て、7−〔3−(N−L−アラニルアミノ)−1−ピロ
リジニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オ
キソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸塩酸塩(化合物2F−1−3)を得
た。; 融点:236−239℃
【0411】実施例C−6;−−目的物(I)の製造−
−: 上記実施例C−1からC−5までに記載の方法またはこ
れに準じる方法により、以下の第15表〜第21表に示
す化合物およびそのエチルエステルを得た。
【0412】第15表 目的化合物(I)
【0413】
【化42】
【0414】
【表30】 *:1=HCl、 2=1/2 HCl、 3=1/5 HCl **:(分)は分解点を示す。以下、同様。
【0415】
【表31】 *:1=HCl
【0416】
【表32】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0417】第16表 目的化合物(I)
【化43】
【0418】
【表33】 *:1=HCl
【0419】
【表34】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0420】
【表35】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0421】
【表36】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0422】
【表37】 *:「−」=遊離体、 1=HCl、 4=1/2 H2SO4
【0423】
【表38】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0424】
【化44】
【0425】第17表 目的化合物(I)
【0426】
【化45】
【0427】
【表39】 *:「−」=遊離体、 1=HCl
【0428】第18表 目的化合物(I)
【0429】
【化46】
【0430】
【表40】 *:「−」=遊離体、 1=HCl、 4=1/2 H2SO4
【0431】
【表41】 *:「−」=遊離体、 1=HCl、 **:3位エチルエステル体
【0432】第19表 目的化合物(I)
【0433】
【表42】
【0434】
【表43】第19表のつづき
【0435】第20表 目的化合物(I)
【0436】
【表44】
【0437】
【表45】第20表のつづき
【0438】
【表46】第20表のつづき
【0439】第21表 目的化合物(I)
【0440】
【化47】
【0441】
【表47】 *:水中(c=0.1)で測定。 **:DMSO中(c=0.1 )で測定。
【0442】
【表48】 *:水中(c=0.1)で測定。 **:2塩酸塩。
【0443】
【表49】 *:水中(c=0.1)で測定。 **:水中(c=0.5)で測定。
【0444】実施例C−7:−−目的物(I)の製造−
−: 2−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−5,8−ジヒ
ドロ−5−オキソ−8−(2−チアゾリル)ピリド
〔2,3−d〕ピリミジン−6−カルボン酸
【0445】実施例A−7で得た5,8−ジヒドロ−2
−メタンスルホニル−5−オキソ−8−(2−チアゾリ
ル)ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−6−カルボン酸
エチルエステルと3−アミノピロリジンとを実施例C−
1とほぼ同様な方法により反応させ、標記化合物(9N
−1)を得た。 融点:288−291℃(分解)
【0446】実施例C−8:−−目的物(I)の製造−
−: 3−ホルミル−1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3
−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−
4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチ
リジン塩酸塩(化合物7H−1)
【0447】(1) 実施例A−1(4)で得た7−ク
ロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチ
ルエステル(8.49g)、トランス−3−メトキシ−4−
メチルアミノピロリジン二塩酸塩(6.5 g)およびアセ
トニトリル(400 ml)からなる懸濁液にトリエチルア
ミン(13.4ml)を加えた。室温で一夜攪拌後、反応液
を減圧濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロ
ロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣
に塩化メチレン(500 ml)を加え、氷冷下、二炭酸ジ
−t−ブチル(6.4 g)を加えた。室温で一夜攪拌後、
反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム:メタノー
ル=100 :1)で精製して7−〔トランス−3−(N−
t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)−4−メトキシ
−1−ピロリジニル〕−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルボン酸エチルエステル(9.1 g)を得た。
【0448】IR(KBr)cm-1:1735,169
5; MS(m/z):530(MH+
【0449】(2) 前項(1)で得た化合物(8.95
g)とエタノール(150 ml)の混合物に氷冷下、1N
水酸化ナトリウム水溶液(150 ml)を加え、同温度で
30分間、室温で一夜攪拌した。酢酸水で酸性となし、
クロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して7−〔トラ
ンス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミ
ノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8
−ナフチリジン−3−カルボン酸(7.19g)を得た。
【0450】融点 185−188℃; IR(KBr)cm-1:1715,1690; MS(m/z):502(MH+
【0451】(3) 前項(2)で得た化合物(7.15
g)とメタノール(400 ml)からなる混合物に、氷冷
下、水素化ホウ素ナトリウム(2.16g)を加え、同温度
で15分間、室温で一夜攪拌した。溶媒を減圧留去し、
ついでクロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
離液 クロロホルム:メタノール=100 :1)で精製し
て7−〔トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニル
メチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−
1,2,3,4−テトラヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン(3.9 g)を得
た。
【0452】IR(neat)cm-1:1690; MS(m/z):460(MH+
【0453】(4) 前項(3)で得た化合物(3.8
g)をテトラヒドロフラン(500 ml)に溶解し、−7
8℃でn−ブチルリチウム(1.6 M)のn−ヘキサン溶
液(6.1ml)を滴下した。同温度で30分間攪拌後、
ギ酸エチル(1.34ml)を加え、ゆっくり昇温させ、一
夜攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸水を加えク
ロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して7−〔トラン
ス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)
−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−3−ホルミル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン(3.87g)を得
た。
【0454】IR(neat)cm-1:1690,16
15; MS(m/z):488(MH+
【0455】(5) 前項(4)で得た化合物(3.6
g)を1,4−ジオキサン(160 ml)に溶解し、2,
3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノ
ン(2.51g)をゆっくり加えた。2時間攪拌後、溶媒を
減圧留去し、残渣に水酸化ナトリウム水溶液を加え、ク
ロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロ
ロホルム:メタノール=100 :1)で精製して7−〔ト
ランス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミ
ノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−3−ホルミ
ル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾ
リル)−1,8−ナフチリジン(1.73g)を得た。
【0456】融点 130−132℃; IR(KBr)cm-1:1695,1645,161
5; MS(m/z):486(MH+
【0457】(6) 前項(5)で得た化合物(1.65
g)、10%塩酸水(10ml)およびエタノール(4
0ml)からなる混液を50−60℃で7時間加熱し
た。析出結晶を濾取し、エタノールおよびジイソプロピ
ルエーテルで洗浄して3−ホルミル−1,4−ジヒドロ
−7−(トランス−3−メトキシ−4−メチルアミノ−
1−ピロリジニル)−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン塩酸塩(化合物7H−1)
(1.05g)を得た。
【0458】融点 255−263℃(分解); IR(KBr)cm-1:3460,1695,164
5; MS(m/z):386(MH+
【0459】実施例C−9:−−目的物(I)の製造−
−: 1,2,3,4−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−3−
ヒドロキシメチル−7−(トランス−3−メトキシ−4
−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン(化合物7H−2)
【0460】氷冷下にて、4.90gの1,4−ジヒドロ−
7−(トランス−3−メトキシ−4−メチルアミノ−1
−ピロリジニル)−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエ
ステルを無水テトラヒドロフラン150mlに溶解し、
水素化リチウムアルミニウム3.00gを加え、30分間攪
拌し、更に、室温で一晩攪拌した。反応液を水にゆっく
り加え、塩化アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム
水溶液を、順次加えた。これをクロロホルムにて抽出
し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶離液 クロロホルム:メタノール=
50:1)で精製し目的とする化合物7H−2(1.60
g)を得た。融点:69−70℃
【0461】実施例C−10:−−目的物(I)の製造
−−: 1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキシ−4
−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1
−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カ
ルボン酸 2−ヒドロキシエチルエステル 4/3トリ
フルオロ酢酸塩(化合物7H−3)
【0462】(1) 氷冷下にて、1.00gの7−〔トラ
ンス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミ
ノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8
−ナフチリジン−3−カルボン酸を塩化メチレン90m
lに溶解し、エチレングリコール1.24g、WSC420
mg、4−ジメチルアミノピリジン50mgを加えて3
0分間攪拌し、更に、室温で一晩攪拌した。水を加え、
これをクロロホルムにて抽出し、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 ク
ロロホルム:メタノール=50:1)で精製し、1,4
−ジヒドロ−7−〔トランス−3−(N−t−ブトキシ
カルボニルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロリ
ジニル〕−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,
8−ナフチリジン−3−カルボン酸2−ヒドロキシエチ
ルエステル(590mg)を得た。 融点:101−105℃
【0463】(2) 前項の化合物250mgを塩化メ
チレン3mlに溶解し、氷冷下にて、トリフルオロ酢酸
1.0 mlを加え、1時間攪拌し、更に、室温で一晩攪拌
した。ジイソプロピルエーテルを加え析出結晶を濾取
し、目的とする化合物7H−3(150mg)を得た。 融点:125−127℃
【0464】実施例C−11:−−目的物(I)の製造
−−: 1−〔1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキ
シ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキ
ソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−
3−カルボニル〕−3−ヒドロキシピロリジン 3/2
塩酸塩(化合物7H−4)
【0465】(1) 氷冷下にて、250mgの7−
〔トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチル
アミノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−1,4
−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸を塩化メチレン
20mlに溶解し、これに3−ピロリジノール52m
g、ベンゾトリアゾール−1−イロキシトリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
(BOP試薬)265mgおよびトリエチルアミン0.17
mlを加えて30分間攪拌し、更に、室温で一晩攪拌し
た。水を加え、これをクロロホルムにて抽出し、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減
圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液 クロロホルム:メタノール=20:1)で
精製し、1−{7−〔トランス−3−(N−t−ブトキ
シカルボニルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロ
リジニル〕−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボニ
ル}−3−ヒドロキシピロリジン(280mg)を得
た。 融点:127−129℃
【0466】(2) 前項の化合物275mgをエタノ
ール5mlに溶解し、氷冷下にて、10%エタノール−
塩酸3.0 mlを加え、1時間攪拌し、更に、室温で一晩
攪拌した。ジイソプロピルエーテルを加え析出結晶を濾
取し、目的とする化合物7H−4(163mg)を得
た。 融点:189−193℃(分解)
【0467】実施例C−12:−−目的物(I)の製造
−−: 3−ヒドロキシメチル−1,4−ジヒドロ−7−(トラ
ンス−3−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジ
ニル)−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8
−ナフチリジン塩酸塩(化合物7H−5)
【0468】氷冷下にて、実施例C−8で得た110m
gの3−ホルミル−1,4−ジヒドロ−7−(トランス
−3−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニ
ル)−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−
ナフチリジンの塩酸塩をメタノール30mlに溶解し、
これに塩化セリウム七水和物108mg、水素化ホウ素
ナトリウム30mgを加えて30分間攪拌し、クロロホ
ルムおよび酢酸水溶液を加えた。炭酸水素ナトリウム水
溶液でアルカリ性となし、クロロホルムにて抽出した。
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を減圧留去し、エタノール−塩酸溶液を加えて析出結
晶を濾取し、69mgの目的化合物7H−5を得た。 融点:263−268℃(分解)
【0469】実施例C−13:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド ト
リフルオロ酢酸塩(化合物8F−1)
【0470】(1) 氷冷下にて、メタノール150m
lに9.00gの7−〔3−(N−t−ブトキシカルボニル
アミノ)−1−ピロリジニル〕−6−フルオロ−1,4
−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステ
ル、1N−水酸化ナトリウム水溶液150mlを加え、
30分間攪拌し、更に、室温で一晩攪拌した。酢酸水溶
液を加え、クロロホルムにて抽出した。飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去
し、7−〔3−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)
−1−ピロリジニル〕−6−フルオロ−−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−
ナフチリジン−3−カルボン酸8.50gを得た。 融点:220−224℃
【0471】(2) 前項の化合物2.20gをクロロホル
ム20mlに溶解し、氷冷下にて、トリエチルアミン0.
97ml、クロロ蟻酸エチル604mgを加え、1時間攪
拌し、更に、室温で1時間攪拌した。再び、氷冷下、飽
和アンモニア−エタノール溶液20mlを加え1時間攪
拌し、更に、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、
残渣に水を加え、クロロホルムにて抽出した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホル
ム:メタノール=100:1)で精製し、7−〔3−
(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ピロリジ
ニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
−カルキサミド1.19gを得た。 融点:240−243℃
【0472】(3) 前項の化合物700mgをクロロ
ホルム40mlに溶解し、氷冷下にて、トリフルオロ酢
酸1.3 mlを加え、1時間攪拌し、更に、室温で一晩攪
拌した。溶媒を減圧留去し、残渣にエタノールを加えて
析出する結晶を濾取し、635mgの目的化合物(8F
−1)を得た。 融点:227−233℃(分解)
【0473】実施例C−14:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン トリフルオロ酢酸塩(化
合物8F−2)
【0474】(1) 氷冷下にて、7−〔3−(N−t
−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ピロリジニル〕−
6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸11.3gをメタノール400mlに溶解し、水素化
ホウ素ナトリウム4.5 gを加えて30分間攪拌し、更に
室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸水
を加え、クロロホルムにて抽出した。飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液 クロロホルム:メタノール=100:1)で精製
し、7−〔3−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)
−1−ピロリジニル〕−6−フルオロ−1,2,3,4
−テトラヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)
−1,8−ナフチリジン5.41gを得た。 融点:234−236℃
【0475】(2) 前項の化合物700mgを1,4
−ジオキサン70mlに溶解し、2,3−ジクロロ−
5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン440mgを
加え、一晩加熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣に水
酸化ナトリウム水溶液を加えてクロロホルムにて抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液
クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、7
−〔3−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−
ピロリジニル〕−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4
−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリ
ジン270mgを得た。 融点:234−236℃
【0476】(3) 前項の化合物160mgをクロロ
ホルム12mlに溶解し、氷冷下にて、トリフルオロ酢
酸0.6 mlを加え、1時間攪拌し、更に、室温で一晩攪
拌した。溶媒を減圧留去し、残渣にエタノールを加えて
析出する結晶を濾取し、150mgの目的化合物(8F
−2)を得た。 融点:237−240℃
【0477】実施例C−15:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−3−ベンジル
−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン(化合物8
F−3)
【0478】(1) エタノール10mlに実施例C−
14(1)で得た7−〔3−(N−t−ブトキシカルボ
ニルアミノ)−1−ピロリジニル〕−6−フルオロ−
1,2,3,4−テトラヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン400mg、2
0%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、そこにベン
ズアルデヒド350mgを加え、一晩攪拌した。酢酸水
を加え、クロロホルムにて抽出した。飽和食塩水にて洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液 クロロホルム:メタノール=100:1)で精製
し、3−ベンジル−7−〔3−(N−t−ブトキシカル
ボニルアミノ)−1−ピロリジニル〕−6−フルオロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン325mgを得た。 融点:234−236℃
【0479】(2) 前項の化合物200mgをクロロ
ホルム15mlに溶解し、氷冷下にて、トリフルオロ酢
酸0.59mlを加え、1時間攪拌し、更に、室温で一晩攪
拌した。溶媒を減圧留去し、残渣にジイソプロピルエー
テルを加えて析出する結晶を濾取し、185mgの目的
化合物(8F−3)を得た。 融点:237−240℃
【0480】実施例C−16:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−3−ホルミル
−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン塩酸塩(化
合物8F−4)
【0481】実施例C−8に記載の方法に準じて標記化
合物(8F−4)を得た。 融点:242−250℃(分解)
【0482】実施例C−17:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−フルオロ
−1,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1
−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジントリフル
オロ酢酸塩(化合物8F−5)
【0483】(1) 7−〔3−(N−t−ブトキシカ
ルボニルアミノ)−1−ピロリジニル〕−6−フルオロ
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸0.5 g、
超酸化カリウム0.75g、エタノール5ml、水5mlか
らなる混合物を15分間加熱還流し、溶媒を留去した。
酢酸水で中和し、クロロホルムで抽出した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をクロロ
ホルム−エタノールから再結晶して7−〔3−(N−t
−ブトキシカルボニルアミノ)−1−ピロリジニル〕−
6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4
−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリ
ジン260mgを得た。 融点:251−252℃
【0484】(2) 前項の化合物260mg、塩化メ
チレン6mlおよびトリフルオロ酢酸6mlからなる混
合物を室温で20時間攪拌し、溶媒を減圧留去した。残
渣にアセトニトリルを加えて析出する結晶を濾取し、こ
れをアセトニトリルで洗浄して170mgの目的化合物
(8F−5)を得た。 融点:206−207℃
【0485】実施例C−18:−−目的物(I)の製造
−−: 1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−7−ビニル−1,8−ナフチリジン−3−カルボ
ン酸(化合物9H−1)
【0486】(1) 7−クロロ−1,4−ジヒドロ−
4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチ
リジン−3−カルボン酸エチルエステル3.6 g、ビニル
トリブチルスズ3.8 g、ビストリフェニルホスフィンパ
ラジウムジクロリド1.0 gおよびトルエン150mlか
らなる懸濁液を6.5 時間還流した。氷冷後、水洗し、溶
媒を減圧留去した。得られた結晶をトルエンおよびエタ
ノールで洗浄して1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−7−ビニル−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸エチルエステル2.7 gを得た。 融点:163−164℃
【0487】(2) 前項の化合物0.32g、10%塩酸
水15mlおよびエタノール2mlからなる懸濁液を1
00℃で13時間加熱し、結晶を濾取し、エタノールで
洗浄して目的物9H−1(0.19g)を得た。 融点:284−288℃(分解)
【0488】実施例C−19:−−目的物(I)の製造
−−: 1,4−ジヒドロ−7−(2,6−ジメチル−4−ピリ
ジニル)−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,
8−ナフチリジン−3−カルボン酸(化合物9H−2)
【0489】(1) 7−クロロ−1,4−ジヒドロ−
4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチ
リジン−3−カルボン酸エチルエステル1.1 g、2,6
−ジメチル−4−(トリメチルスズ)ピリジン0.98g、
ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.25
gおよびトルエン51mlからなる懸濁液を6.5 時間還
流した。氷冷後、水洗し、溶媒を減圧留去した。シリカ
ゲルカラムクラマトグラフィー(溶離液 クロロホル
ム)により精製し、エタノールで洗浄して1,4−ジヒ
ドロ−7−(2,6−ジメチル−4−ピリジニル)−4
−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリ
ジン−3−カルボン酸エチルエステル0.38gを得た。 融点:232−235℃
【0490】(2) 実施例C−18(2)とほぼ同様
に処理して目的化合物9H−2を得た。 融点:272−275℃(分解)
【0491】実施例C−20:−−目的物(I)の製造
−−: 7−エチニル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−
(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸(化合物9H−3)
【0492】(1) 7−クロロ−1,4−ジヒドロ−
4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチ
リジン−3−カルボン酸エチルエステル1.5 g、(トリ
メチルシリル)エチニルトリブチルスズ2.0 g、ビスト
リフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.45gおよ
びトルエン75mlからなる懸濁液を100℃におい
て、アルゴン雰囲気下で3時間加熱した。氷冷後、水洗
し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクラマトグ
ラフィー(溶離液 クロロホルム)より精製し、1,4
−ジヒドロ−4−オキソ−7−(トリメチルシリル)エ
チニル−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジ
ン−3−カルボン酸エチルエステル1.0 gを得た。
【0493】(2) 前項で得られた化合物1.0 g、フ
ッ化カリウム0.45gおよびエタノール25mlからなる
懸濁液を2時間還流し、溶媒を減圧留去した。クロロホ
ルムおよび水を加え、不溶物をセライト濾過により分離
し、水洗後、溶媒を減圧濃縮した。これをクロロホルム
−エタノールの混合物で洗浄し、7−エチニル−1,4
−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
0.34gを得た。 融点:228−231℃(分解)
【0494】(3) 前項で得られた化合物を実施例C
−18(2)とほぼ同様に処理して目的化合物9H−3
を得た。 融点:>300℃
【0495】実施例C−21:−−目的物(I)の製造
−−: 実施例C−18から実施例C−20までに記載の方法ま
たはこれに準じる方法により以下の化合物を得た。
【0496】1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−フェ
ニル−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸(化合物9H−4); 融点:227−230℃(分解)
【0497】1,4−ジヒドロ−7−メチル−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸(化合物9H−5); 融点:268−269℃
【0498】1−(5−ブロモ−2−チアゾリル)−
1,4−ジヒドロ−7−(1−ピロリジニル)メチル−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(化合物9H−
6); 融点:238−239℃
【0499】実施例C−22:−−目的物(I)の製造
−−: 1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−(3−ピラゾリ
ル)−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸(化合物9H−7)
【0500】(1)実施例C−20(2)で得られた7
−エチニル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸エチルエステル0.34g、トリメチルシリルジアゾメタ
ン(10%ヘキサン溶液)1.3gおよびクロロホルム2
0mlからなる懸濁液を5.5 時間還流した。溶媒を減圧
留去し、エタノールで洗浄して1,4−ジヒドロ−4−
オキソ−7−(3−ピラゾリル)−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエ
ステル0.31gを得た。 融点:285−287℃(分解)
【0501】(2) 前項で得られた化合物を実施例C
−18(2)とほぼ同様に処理して標記目的化合物9H
−7を得た。 融点:>300℃
【0502】実施例C−23:−−目的物(I)の製造
−−: 6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−7−ヒドロキシ−4
−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリ
ジン−3−カルボン酸(化合物9F−1)
【0503】7−クロロ−6−フルオロ−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−
ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル1.0 gに
水酸化ナトリウム水溶液10mlを加え、85℃で6.5 時間
攪拌した。反応液を塩酸水で酸性となし、析出結晶を濾
取した。この結晶を5%水酸化ナトリウム水溶液に溶解
し、活性炭処理をした後、塩酸酸性となし、析出結晶を
濾取した。結晶を水洗し、ついでエタノールで洗浄して
目的化合物690mgを得た。 融点:261−264℃
【0504】実施例C−24:−−目的物(I)の製造
−−: 7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−クロロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸0.85塩酸
塩(化合物Cl−1)
【0505】(1) 無水酢酸(60ml)および濃硝
酸(5ml)からなる混液に、氷冷下、2,6−ジメト
キシニコチン酸(8.71g)を加えた。同温度で3時間、
室温で4時間攪拌後、析出結晶を濾取し、イソプロパノ
ールおよびジイソプロピルエーテルで洗浄した。濾液を
酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去して得られる結晶
をイソプロパノールおよびジイソプロピルエーテルで洗
浄し、先の結晶を合わせて2,6−ジメトキシ−5−ニ
トロニコチン酸(6.95g)を得た。
【0506】融点:227−230℃(分解); IR(KBr)cm-1;1706,1610; MS(m/z):229(MH+ ) ;1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:4.03(s,3H),
4.08(s,3H),8.71(s,1H)
【0507】(2) マロン酸エチルカリウム(18.6
g)、塩化マグネシウム(11.3g)に酢酸エチル(250
ml)を加え、得られる懸濁液に、氷冷下、トリエチル
アミン(28.0g)を滴下し、室温で2.5 時間攪拌した。
【0508】一方で前項で得た化合物(18.5g)のテト
ラヒドロフラン(150 ml)溶液にカルボニルジイミダ
ゾール(14.8g)を加え、70℃で1時間攪拌した。こ
の溶液を先の懸濁液に、氷冷下、加え、室温で一夜、更
に70℃で30分間攪拌した。反応液に濃塩酸を加えて
酸性となし、析出結晶を濾取し、酢酸エチルで洗浄し
た。濾液を酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去して得
られる結晶を酢酸エチルとジイソプロピルエーテルとの
混合物から再結晶した。先の結晶と合わせて2,6−ジ
メトキシ−5−ニトロニコチノイル酢酸エチルエステル
(19.9g)を得た。
【0509】MS(m/z):299(MH+ ) ;1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.19(t,3H,J
=7Hz ),4.00(s,2H),4.10(s,3H),4.
11(q,2H,J=7Hz),4.15(s,3H),8.78
(s,1H)
【0510】(3) 前項で得た化合物(2.2 g)、オ
ルトギ酸エチル(1.7 g)および無水酢酸(2.4 g)か
らなる混合物を1.5 時間加熱還流した。反応液を減圧濃
縮し、残渣にジイソプロピルエーテル(10ml)および1,
4−ジオキサン(3ml)を加えた。この溶液に、氷冷
下、2−アミノチアゾール(0.84g)を加え、室温で一
夜攪拌した。析出結晶を濾取し、ジイソプロピルエーテ
ルで洗浄して、2−(2,6−ジメトキシ−5−ニトロ
ニコチノイル)−3−(2−チアゾリルアミノ)アクリ
ル酸エチルエステル(2.3 g)を得た。
【0511】融点:166−170℃; IR(KBr)cm-1;1729,1603
【0512】(4) 前項で得た化合物(2.0 g)と
1,4−ジオキサン(90ml)からなる懸濁液に炭酸
カリウム(1.0 g)を加え、60℃で3時間加熱した。
冷後、水を加え、20%塩酸水で中和し、析出結晶を濾
取した。水、エタノールおよびジイソプロピルエーテル
で、順次、洗浄して、1,4−ジヒドロ−7−メトキシ
−6−ニトロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−
1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
(1.7 g)を得た。
【0513】融点:208−210℃; IR(KBr)cm-1;1739; MS(m/z):337(MH+ ) ;1 H−NMR(DMSO−d6 )δ:1.31(t,3H,J
=7Hz),4.30(s,3H),4.33(q,2H,J=
7Hz),7.85(d,1H,J=4Hz),7.88(d,
1H,J=4Hz),9.08(s,1H),9.69(s,1
H)
【0514】(5) 前項で得た化合物(10.3g)、3
−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン(5.9
g)および炭酸カリウム(4.7 g)のジメチルホルムア
ミド(150 ml)溶液を60℃で2時間加熱した。冷
後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び
飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去して得られる残渣を酢酸エチルおよびエタノ
ールとの混液から再結晶して、7−(3−t−ブトキシ
カルボニルアミノ−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒ
ドロ−6−ニトロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエ
ステル(11.4g)を得た。 融点:204−205℃
【0515】(6) 前項で得た化合物(1.0 g)をエ
タノール(100ml)および1,4−ジオキサン(5
0ml)に溶解し、ラネ−ニッケル(約1g)を加えて
50℃で2.5 時間、水素を吸収させた。析出結晶を濾取
し、ジメチルホルムアミドを加えて加熱し、不溶物を濾
過した。濾液を減圧濃縮し、得られる結晶をジメチルホ
ルムアミド、1,4−ジオキサンからなる混液およびエ
タノールで洗浄して、6−アミノ−7−(3−t−ブト
キシカルボニルアミノ−1−ピロリジニル)−1,4−
ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,
8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.
81g)を得た。 融点:270−272℃(分解)
【0516】(7) 前項で得た化合物(250 mg)と
濃塩酸(5ml)の混合物に、氷冷下、亜硝酸ナトリウ
ム(60mg)の水(2ml)溶液を滴下し、同温度で
10分間攪拌した。この反応液を、氷冷下、塩化銅
(I)(70mg)と濃塩酸(2ml)の混合物に滴下
した。同温度で1時間、60℃で30分間攪拌後、20
%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性となし、ついで
クロロホルムで抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を減圧留去し、得られる残渣をクロロホルム
およびジイソプロピルエーテルの混合液から再結晶し
て、7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−クロ
ロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾ
リル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチル
エステル(30mg)を得た。 融点:208−210℃
【0517】(8) 実施例C−1(2)に記載の方法
に準じて、前項で得たエチルエステルを加水分解して目
的とする7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−6−
クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チ
アゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
0.85塩酸塩(化合物Cl−1)を得た。 融点:288−291℃(分解)
【0518】実施例C−25:−−目的物(I)の製造
−−: C−シリーズ系実施例のいずれかに記載の方法またはこ
れに準じる方法により以下の化合物を得た。
【0519】
【化48】
【0520】
【表50】第22表
【0521】実施例C−26:−−目的物(I)の製造
−−: 3−〔1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキ
シ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキ
ソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−
3−イル〕アクリル酸 メチルエステル 0.9 トリフル
オロ酢酸塩(化合物9H−9)
【0522】実施例C−8で得た3−ホルミル−1,4
−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキシ−4−メチ
ルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ−1−(2
−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン塩酸塩(100
mg)にアンモニア水3mlを加え、クロロホルムで抽
出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を減圧留去して油状物を得た。
【0523】一方で60%水素化ナトリウム(19m
g)をn−ヘキサンで洗浄し、テトラヒドロフラン10
mlを加えた。得られる懸濁液にホスホノ酢酸トリメチ
ル(65mg)を室温で加え、10分間攪拌した後、氷
冷し、先に得た油状物のテトラヒドロフラン(5ml)
溶液を滴下した。室温で3時間攪拌後、水を加えてクロ
ロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られる残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液クロロ
ホルム:メタノール=50:1)で精製して油状物を得
た。これを塩化メチレンに溶解し、氷冷下、トリフルオ
ロ酢酸5滴を加え、更にジイソプロピルエーテルを加え
て析出結晶を濾取し標記化合物(22mg)を得た。
【0524】融点:230−233℃(分解); IR(KBr)cm-1;2950,1680,162
0; MS(m/z):442(MH+ )
【0525】実施例C−27:−−目的物(I)の製造
−−: 3−アセチル−1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3
−メトキシ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−
4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチ
リジン(化合物9H−10)
【0526】(1) マロン酸エチルカリウム(572 m
g)に酢酸エチル(60ml)を加え、得られる懸濁液
に塩化マグネシウム(343 mg)およびトリエチルアミ
ン(1.0 ml)を室温で加え、5時間攪拌した。
【0527】一方で実施例C−8(2)で得た7−〔ト
ランス−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミ
ノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8
−ナフチリジン−3−カルボン酸(1.2 g)のクロロホ
ルム(120 ml)溶液に室温でBOP試薬(1.27g)お
よびトリエチルアミン(0.8 ml)を加え、20分間攪
拌した。この反応液を先の反応液に室温で加え、1日攪
拌した。
【0528】反応液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出し
た。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム:メタノ
ール=200:1)で精製して、3−{7−〔トランス
−3−(N−t−ブトキシカルボニルメチルアミノ)−
4−メトキシ−1−ピロリジニル〕−1,4−ジヒドロ
−4−オキソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフ
チリジン−3−イル}−3−オキソプロピオン酸エチル
エステル(397 mg)を得た。 MS(m/z):572(MH+ )
【0529】(2) 前記(1)で得た化合物(170 m
g)をエタノール(2ml)に溶解し、10%塩酸水
(10ml)を加えた。室温で30分間、95℃で4時
間攪拌した。冷後、炭酸水素ナトリウム水でアルカリ性
となし、ついでクロロホルムで抽出した。抽出液を飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒
を減圧留去し、残渣をジイソプロピルエーテルで結晶化
させ、標記化合物(76mg)を得た。
【0530】融点:112−114℃; IR(KBr)cm-1;3085,1685,162
0; MS(m/z):400(MH+ )
【0531】実施例C−28:−−目的物(I)の製造
−−: N−〔1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキ
シ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキ
ソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−
3−カルボニル〕グリシンエチルエステル トリフルオ
ロ酢酸塩(化合物9H−11)
【0532】実施例C−11(1)に記載の方法に準じ
て、7−〔トランス−3−(N−t−ブトキシカルボニ
ルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニル〕
−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チアゾリ
ル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(250
mg)と塩酸グリシンエチルエステル(78mg)から
N−{7−〔トランス−3−(N−t−ブトキシカルボ
ニルメチルアミノ)−4−メトキシ−1−ピロリジニ
ル〕−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−(2−チア
ゾリル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボニル〕グ
リシンエチルエステル(290mg)を得た。
【0533】これを塩化メチレン(9ml)に溶解し、
氷冷下、トリフルオロ酢酸(1.2 ml)を加えた。室温
で一日攪拌した後、反応液にジイソプロピルエーテルを
加え、析出結晶を濾取し、目的とする化合物9H−11
(260mg)を得た。 融点:233−236℃(分解)
【0534】実施例C−29:−−目的物(I)の製造
−−: N−〔1,4−ジヒドロ−7−(トランス−3−メトキ
シ−4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキ
ソ−1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−
3−カルボニル〕−L−アラニン トリフルオロ酢酸塩
(化合物9H−12)
【0535】実施例C−28と同様の方法により標記化
合物を得た。 融点:168−170℃(分解)
【0536】つぎに製剤の製造例を挙げる。
【0537】実施例D−1:−−液剤の調製−−: 処 方:−−
【0538】
【表51】 化合物H−1−1−1 2 g ソルビトール 50 g 水酸化ナトリウム 適量 注射用蒸留水 適量 ────────────────────────── 全量 1000ml
【0539】調製法:−−化合物H−1−1−1および
ソルビトールを注射用蒸留水の一部に溶解し、水酸化ナ
トリウムおよび残りの蒸留水を加え、溶液のpHを5.0
に調製した。この溶液をメンブランフィルター(0.22 μ
m)で濾過し、注射用液剤を得た。
【0540】実施例D−2:−−凍結乾燥製剤の調製−
−: 処 方:−−
【0541】
【表52】 化合物H−1−1−1 1g マンニトール 5g 水酸化ナトリウム 適量 注射用蒸留水 適量 ────────────────────────── 全量 100ml
【0542】調製法:−−化合物H−1−1−1および
マンニトールを注射用蒸留水の一部に溶解し、水酸化ナ
トリウムおよび残りの蒸留水を加え、溶液のpHを5.0
に調製した。この溶液をメンブランフィルター(0.22 μ
m)で濾過し、これを凍結乾燥して注射用粉末剤を得た。
【0543】
【発明の効果】本発明にかかわる化合物は、リンパ性白
血病腫瘍の如き非固形腫瘍のみならず、例えば、肺、
乳、胃、子宮、皮膚、腸、膀胱、鼻喉などの各組織に発
生する各種の固形腫瘍に対してても顕著な抗腫瘍作用を
示す。また、本発明にかかわる化合物は生体に対する安
全性が高い。従って、本発明にかかわる化合物は、ヒト
腫瘍の治療剤または予防剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト鼻咽腔癌(KB)に対する抗腫瘍効果を示
す図である。
【図2】ヒト乳癌(MX−1)に対する抗腫瘍効果を示
す図である。
【図3】ヒト結腸癌(WiDr)に対する抗腫瘍効果を
示す図である。
【図4】はヒト黒色腫(HMV−2)に対する抗腫瘍効
果を示す図である。
【図5】ヒト肺癌(LX−1)に対する抗腫瘍効果を示
す図である。
フロントページの続き (72)発明者 柴森 厚一郎 兵庫県西宮市甲東園3丁目2番22−702号 (72)発明者 筑木 保知 大阪府摂津市三島3丁目14番29号 (72)発明者 田嶋 雅徳 大阪府豊中市東泉丘2丁目11番17号第2熊 野ハイツ202号 (72)発明者 大植 富夫 大阪府大阪市住吉区東粉浜3丁目16番1号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物、そ
    の立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの生理的
    に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和物もし
    くは溶媒和物を有効成分とする抗腫瘍剤: 【化1】 (式中、--------- は単結合の存在または非存在を意味
    する。XはNまたはC−Rx を意味し、ここにおいてR
    x は水素原子またはハロゲン原子を意味する。R1 およ
    びR2 は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、
    ニトロ基、低級アルコキシ基、低級アルキル基(該低級
    アルキル基は低級アルコキシカルボニルまたはカルボキ
    シルで置換されていてもよい)、ハロゲンで置換されて
    いてもよいフェニル基もしくはチエニル基、またはフェ
    ニルスルホニル基(該フェニル部分はハロゲンもしくは
    ニトロで置換されていてもよい)を意味するか、あるい
    はR1 およびR2 が一緒になってベンゼン環またはナフ
    タレン環を形成し、該ベンゼン環またはナフタレン環は
    ハロゲン、ニトロもしくは低級アルキルで置換されてい
    てもよい。R3 は水素原子、ベンジル基、水酸基、カル
    ボキシル基またはカルボキシル基に変換しうる基を意味
    する。R4 はオキソ基または水酸基を意味する。R5
    水素原子、アミノ基、ハロゲン原子または低級アルキル
    基を意味し、該低級アルキル基はハロゲンで置換されて
    いてもよい。R6 はN−C結合、C−C結合、S−C結
    合またはO−C結合により母核と結合している置換基を
    意味する。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)におけるR6 が下記の
    (a)〜(e)から選ばれるいずれかの基である請求項
    第1項記載の抗腫瘍剤。 (a)次の式(a)で表される4〜7員の単環性アミノ
    基: 【化2】 (式中、--------- は単結合の存在または非存在を意味
    し、R6a1、R6a2、R6a3およびR6a4は同一または
    異なり、C、CH、CH2 、CH2 CH2 、CH=C
    H、S(O)0-2 、O、NまたはN−R6a を意味し、
    ここでR6a は水素原子、低級アルキル基またはフェニ
    ル基を意味し、該フェニル基は低級アルコキシ、低級ア
    ルキル、ハロゲンまたはニトロで置換されていてもよ
    い。kおよびmは同一または異なり、0または1の整数
    を意味する。R6a5は水素原子、メチレン基または次の
    式(R6a −5)で表される基を意味する: 【化3】 〔式中、R6a51 は水素原子またはフェニル基(該フェ
    ニル基はハロゲンで置換されていてもよい)を意味する
    か、またはフェニルもしくはハロゲノフェニルで置換さ
    れていてもよい低級アルキル基を意味し、R6a52 は水
    素原子、低級アルキル基または水素原子に変換しうる基
    であり、nは0〜4の整数である。〕 R6a6は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アジド基、
    ホルミル基、オキソ基、低級アルコキシ基、低級アルキ
    ルチオ基または低級アルキル基(該低級アルキル基はハ
    ロゲンもしくはヒドロキシで置換されていてもよい)を
    意味する。R6a7はR6a6と同じものを意味するか、あ
    るいは次の式(R6a −7)で表されるスピロ環状アミ
    ノ基を意味する: 【化4】 〔式中、pは3または4の整数を意味する。〕 (b)次の式(b)で表される二環性アミノ基: 【化5】 (式中、--------- は単結合の存在または非存在を意味
    し、q,sおよびtは同一または異なり、0〜2の整数
    であり、qとtの和は2または3である。R6b1はC、
    CH、CH2 またはN−R6b を意味し、ここにおいて
    R6b は水素原子または低級アルキル基を意味し、R6
    b2はC、CH、CH2 、CH2 CH2 またはCH=CH
    を意味し、R6b3はC、CH、CH2 またはOを意味
    し、u、vおよびwは同一または異なり、0または1の
    整数であって、これらの和が1〜3であることを意味
    し、R6b4およびR6b5は同一または異なり、水素原
    子、水酸基、低級アルキル基、アミノ基、モノもしくは
    ジ−低級アルキルアミノ基またはモノもしくはジ−低級
    アルキルアミノ低級アルキル基を意味する。) (c)次の式(c)で表される3〜7員の環状基: 【化6】 (式中、--------- は単結合の存在または非存在を意味
    し、R6c1、R6c2、R6c3およびR6c4は同一または
    異なり、C、CH、CH2 、CH2 CH2 、CH=C
    H、S(O)0-2 、O、NまたはN−R6c を意味し、
    ここでR6c は水素原子または低級アルキル基を意味す
    る。R6c5はO、SまたはCH2 を意味し、R6c6およ
    びR6c7は同一または異なり、水素原子、アミノ基また
    は低級アルキル基を意味する。f、gおよびhは同一ま
    たは異なり、0または1の整数を意味する。) (d)次の式(d)で表されるアミノ基: 【化7】 (式中、R6d1はSまたはNHを意味し、R6d2および
    R6d3は同一または異なり、水素原子または低級アルキ
    ル基を意味し、iは0または1の整数を意味し、jは1
    〜5の整数を意味する。) (e)水酸基、低級アルキル基、低級アルケニル基また
    は低級アルキニル基。
  3. 【請求項3】 下記一般式(I−a)で表される化合
    物、その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの
    生理的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和
    物もしくは溶媒和物を有効成分とする請求項第1項また
    は第2項記載の抗腫瘍剤: 【化8】 (式中、------、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、X、
    R6a1、R6a2、R6a3、R6a4、R6a5、R6a6、R
    6a7およびkは請求項第2項に記載のものと同じものを
    意味する。)
  4. 【請求項4】 下記一般式(I−b)で表される化合
    物、その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの
    生理的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和
    物もしくは溶媒和物を有効成分とする請求項第3項記載
    の抗腫瘍剤: 【化9】 (式中、Wは水素原子またはフッ素原子であり、-----
    -、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6a5、R6a6お
    よびRa7は請求項第2項に記載のものと同じものを意味
    する。)
  5. 【請求項5】 下記一般式(I−c)で表される化合
    物、その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの
    生理的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和
    物もしくは溶媒和物を有効成分とする請求項第3項また
    は第4項記載の抗腫瘍剤: 【化10】 (式中、R6a511は低級アルキル基であり、R6a61 お
    よびR6a71 は同一または異なり、水素原子、低級アル
    コキシ基または低級アルキル基を意味する。)
  6. 【請求項6】 下記一般式(I−c)で表される化合
    物、その立体異性体もしくは光学異性体またはこれらの
    生理的に許容される塩、あるいは前記のいずれかの水和
    物もしくは溶媒和物からなる医薬: 【化11】 (式中、R6a511は低級アルキル基であり、R6a61 お
    よびR6a71 は同一または異なり、水素原子、低級アル
    コキシ基または低級アルキル基を意味する。)
  7. 【請求項7】 1,4−ジヒドロ−7−(3−メトキシ
    −4−メチルアミノ−1−ピロリジニル)−4−オキソ
    −1−(2−チアゾリル)−1,8−ナフチリジン−3
    −カルボン酸、その立体異性体もしくは光学異性体また
    はこれらの生理的に許容される塩からなる請求項第6項
    記載の医薬。
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