JPH09214048A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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Publication number
JPH09214048A
JPH09214048A JP8018995A JP1899596A JPH09214048A JP H09214048 A JPH09214048 A JP H09214048A JP 8018995 A JP8018995 A JP 8018995A JP 1899596 A JP1899596 A JP 1899596A JP H09214048 A JPH09214048 A JP H09214048A
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JP
Japan
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layer
refractive index
low refractive
semiconductor
laser device
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Application number
JP8018995A
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English (en)
Inventor
Tadaaki Hashimoto
忠朗 橋本
Osamu Kondo
修 今藤
Masahiro Kume
雅博 粂
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の活性層外へのしみ出し量を抑制しつつ、
ストライプ窓を通る垂直方向の光強度分布を広げて、垂
直方向の光閉じ込め係数を維持したままで垂直方向のレ
ーザ光のビーム放射角を低減することができるようにす
る。 【解決手段】 GaAs基板1の上に、GaAsバッフ
ァ層2、第2クラッド層3、第3低屈折率層4、量子井
戸構造の活性層5、第1低屈折率層6、光ガイド層7及
び電流ブロック層8が順次形成され、光ガイド層7と電
流ブロック層8との上に第2低屈折率層9、第1クラッ
ド層10及びコンタクト層11が順次形成されている。
第2クラッド層3、第3低屈折率層4、第1低屈折率層
6、電流ブロック層8、第2低屈折率層9及び第1クラ
ッド層10の各層は、それぞれAlAs混晶比がXc2,
Xl3,Xl1,Xb ,Xl2及びXc1のGaAlAs混晶体
により構成されており、混晶比の間にXb >Xl1≧Xl2
>Xc1,Xb >Xl3>Xc2の関係が成立している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディスク等の光源
として最適な低放射角と低閾値とを有する半導体レーザ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、従来の半導体レーザ装置について
説明する。
【0003】図7は、特開平6−196801号公報に
開示されている従来の半導体レーザ装置の断面図であ
る。図7に示すように、n型のガリウム砒素(GaA
s)よりなる基板21の上に、n型のGaAsよりなる
バッファ層22、n型のGa0.5Al0.5 Asよりなる
第1クラッド層23、Ga0.85Al0.15Asよりなる活
性層24、p型のGa0.5 Al0.5 Asよりなる第1光
ガイド層25及びp型のGa0.8 Al0.2 Asよりなる
第2光ガイド層26が順次形成されている。第2光ガイ
ド層26の上には、電流狭窄のために、電流チャンネル
となるストライプ窓40以外の領域にはn型のGa0.4
Al0.6 Asよりなる電流ブロック層27が形成されて
いる。電流ブロック層27の上にはGa0.8 Al0.2
sよりなる保護層28が形成され、ストライプ窓40と
保護層28との上にはp型のGa0.5Al0.5 Asより
なる第2クラッド層29とp型のGaAsよりなるコン
タクト層30とが順次形成されている。
【0004】図7に示す従来の半導体レーザ装置におい
て、p型のGaAsよりなるコンタクト層30から注入
される電流は電流ブロック層27により狭窄されてスト
ライプ窓40内に集中し第2光ガイド層26と第1光ガ
イド層25とを経て、ストライプ窓40の下側の活性層
24に達して電流が活性層24内でとどめられてレーザ
発振が起こる。
【0005】一般に、Ga1-X AlX Asで表される化
合物層の屈折率はAlAs混晶比Xを大きくすると小さ
くなる。この構造では、電流ブロック層27のAlAs
混晶比は第2クラッド層29よりも大きいので、電流ブ
ロック層27の屈折率が第2クラッド層29の屈折率よ
りも小さくなる。そのため、ストライプ窓40の下の活
性層24中の光に対する実効屈折率が、電流ブロック層
27の下の活性層24中の光に対する実効屈折率より高
くなり、レーザ光はストライプ窓40の下の活性層24
内に有効に閉じ込められる。また、電流ブロック層27
の禁制帯幅は活性層24の禁制帯幅より十分に大きいの
で電流ブロック層27はレーザ光に対して透明となり、
内部損失が少ない低動作電流の半導体レーザ装置が得ら
れる。
【0006】また、第2光ガイド層26のAlAs混晶
比が小さいことから、電流ブロック層27を形成した後
にストライプ窓40内に露出している第2光ガイド層2
6の上に第2クラッド層29を再成長させるプロセスに
おいて表面酸化により第2クラッド層29の結晶性が悪
化することがないので、良好な電流−電圧特性が得られ
る。しかも、第2光ガイド層26があるために、p型の
Ga0.5 Al0.5 Asよりなる第1光ガイド層25のA
lAs混晶比を後の再成長プロセスを考慮することなく
大きくすることができる。したがって、レーザの発振波
長780nm帯を実現するために活性層24をGa0.85
Al0.15Asで構成しAlAs混晶比を0.15として
も温度特性が悪化することがない。
【0007】
【解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の半
導体レーザ装置の構造では、活性層24の主面に垂直な
方向(以下、単に「垂直方向」という)のビーム放射角
θv が約25°で主面に平行な方向(以下、単に「水平
方向」という)のビーム放射角θh が約10°となるた
め、ビームの形状はアスペクト比(θv/θh )が約2.
5の楕円となる。また、通常の光ディスク用光源に結合
する外部光学系におけるレンズの大きさ等には制限があ
るため、半導体レーザ装置を光源とする場合には水平側
放射角θh を基準として外部光学系の外部レンズの開口
数を決定する。このように、垂直側放射角θv より小さ
い水平側放射角θh を基準としているため、外部レンズ
内には出射されるレーザ光の水平方向のビーム全てが取
り込まれるが、垂直方向のビームについては水平側放射
角θh より大きい角度のビームは取り込むことができな
いので一部がカットされる。
【0008】また、光ファイバーからなる外部光学系に
半導体レーザ装置を光源として結合させる場合でも、ビ
ーム形状を円形とし且つビーム放射角を小さくしなけれ
ば、レーザ光を効率よく光ファイバーに取り込むことが
できない。
【0009】このように、半導体レーザ装置から出射さ
れるレーザ光の垂直側放射角θv が水平側放射角θh に
比べ2倍以上大きいため従来の半導体レーザ装置におい
ては、外部光学系との結合効率が悪くなるという問題が
あった。
【0010】ここで、従来の半導体レーザ装置の構造に
おける上記問題に対処する方法は次の2つである。
【0011】第1の方法は、活性層24の厚さを薄くす
ることにより、光の活性層24から第1クラッド層23
と第2クラッド層29とへのしみ出し量を増大させてス
トライプ窓40を通る垂直方向の光強度分布を広げる方
法である。こうすることにより、光が出力する端面にお
ける光の広がりを抑制してビームの垂直方向の放射角θ
v を低減することができる。
【0012】第2の方法は、第1クラッド層23、第1
光ガイド層25及び第2クラッド層29のAlAs混晶
比を小さくして各々の屈折率を大きくすることにより光
の活性層24から第1クラッド層23、第1光ガイド層
25及び第2クラッド層29へのしみ出し量を増大させ
てストライプ窓40を通る垂直方向の光強度分布を広げ
る方法である。これにより、前記第1の方法と同様に、
出射されるレーザ光の垂直側放射角θv を低減すること
ができる。
【0013】ところが、このような第1及び第2の方法
を用いることにより光の活性層24から第1クラッド層
23、第1光ガイド層25及び第2クラッド層29への
しみ出し量が増大しすぎると、活性層24内に光が閉じ
込められる割合が低下するため活性層24における垂直
方向の光閉じ込め係数Γv が大幅に減少して動作電流値
が大幅に増大するという好ましくない現象が生じる。
【0014】本発明はかかる問題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、光の活性層外へのしみ出し量を抑
制しつつ、ストライプ窓を通る垂直方向の光強度分布を
広げる手段を講ずることにより、垂直方向の光閉じ込め
係数の低下を招くことなく垂直方向のレーザ光のビーム
放射角を低減し、もって動作電流の上昇がなくかつ外部
光学系との結合効率の高い半導体レーザ装置を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、発明が講じた手段は、半導体レーザ装置において、
活性層とクラッド層との間に低屈折率層を介し、各層の
屈折率の大きさが活性層,クラッド層,低屈折率層の順
に小さくなるような構成とすることによりストライプ領
域の光強度分布をクラッド層にまで十分に広げると同時
に活性層での光閉じ込め係数を高く保持するものであ
る。
【0016】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、半導体基板の主面上に活性層を設け、該活性層を挾
んで両側に2つのクラッド層を設けるとともに、前記各
層に亘るストライプ領域を形成するようにした半導体レ
ーザ装置を前提とし、前記活性層と前記2つのクラッド
層のうち少なくともいずれか一方のクラッド層との間
に、第1導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる第1低
屈折率層と、前記ストライプ領域を規定するためのスト
ライプ窓を有するように形成され、前記第1導電型とは
逆導電型の第2導電型かつ屈折率nb の半導体からなる
電流ブロック層と、一部が前記ストライプ窓の内部を満
たすように形成され、第1導電型かつ屈折率nl2の半導
体からなる第2低屈折率層とを前記活性層の側から順次
介在させるとともに、前記活性層の屈折率をna 、前記
少なくともいずれか一方のクラッド層の屈折率をnc1と
したときに、各層の屈折率na ,nl1,nb ,nl2,及
びnc1の間に、nb <nl1≦nl2<nc1<na の関係が
成立している構成とするものである。
【0017】請求項1の構成により、ストライプ領域に
おける垂直方向の光強度分布は次のようになる。すなわ
ち、第1低屈折率層及び第2低屈折率層の屈折率は活性
層及びクラッド層の屈折率よりも小さく設定されている
ので、第1低屈折率層及び第2低屈折率層に分布する光
は抑制されてクラッド層だけでなく活性層にも押し出さ
れる。このクラッド層に押し出される光により光強度分
布が広げられるため垂直方向の放射角が低減される。ま
た、活性層に押し出される光により垂直方向の光閉じ込
め係数を高く保持し得るので、動作電流の上昇を招くこ
とはない。
【0018】請求項2の発明は、請求項1記載の半導体
レーザ装置を前提とし、前記各活性層,第1低屈折率
層,電流ブロック層,第2低屈折率層及び少なくともい
ずれか一方のクラッド層は、それぞれAlAs混晶比が
Xa ,Xl1,Xb ,Xl2及びXc1のGaAlAsにより
構成されており、前記第1低屈折率層と前記電流ブロッ
ク層との間に、AlAs混晶比がXg のGaAlAsか
らなる光ガイド層をさらに備えるとともに、前記混晶比
Xa ,Xl1,Xg ,Xl2,Xc1及びXb の間に、Xb >
Xl1≧Xl2>Xc1>Xa ≧0、かつXb >Xg の関係が
成立している構成とするものである。
【0019】請求項2の構成により、請求項1における
各層の半導体をGaAlAs混晶体で構成しながら、請
求項1と同様に、外部光学系との結合効率の良好な半導
体レーザ装置を得ることができる。
【0020】請求項3の発明は、半導体基板の主面上に
活性層を設け、該活性層を挾んで両側に各々第1,第2
導電型の半導体からなる第1,第2クラッド層を設ける
とともに、前記各層に亘るストライプ領域を形成するよ
うにした半導体レーザ装置を前提とし、前記活性層と前
記第1クラッド層との間に、第1導電型かつ屈折率nl1
の半導体からなる厚さdl1の第1低屈折率層と、前記ス
トライプ領域を規定するためのストライプ窓を有するよ
うに形成され、前記第1導電型とは逆導電型の第2導電
型かつ屈折率nb の半導体からなる電流ブロック層と、
一部が前記ストライプ窓の内部を満たすように形成さ
れ、第1導電型かつ屈折率nl2の半導体からなる厚さd
l2の第2低屈折率層とを前記活性層の側から順次介在さ
せる一方、前記活性層と前記第2クラッド層との間に、
前記第1導電型とは逆導電型の第2導電型かつ屈折率n
l3の半導体からなる厚さdl3の第3低屈折率層を介在さ
せるとともに、前記活性層の屈折率をna 、前記第1ク
ラッド層の屈折率をnc1、前記第2クラッド層の屈折率
をnc2としたときに、各層の屈折率na ,nl1,nl2,
nc1,nb ,nl3及びnc2と厚さdl1,dl2及びdl3と
の間に、nb <nl1≦nl2<nc1<na かつnb <nl3
<nc2<na の関係が成立し、かつnl1≦nl3,nl2≦
nl3及びdl1+dl2≧dl3のうち少なくともいずれか1
つの関係が成立している構成とするものである。
【0021】請求項3の構成により、nb <nl1≦nl2
<nc1<na の関係が成立しているので請求項1と同じ
作用が得られる。加えて、活性層と第2クラッド層との
間に介在する第3低屈折率層の屈折率が活性層及び第2
クラッド層より小さく設定されているので、第3低屈折
率層に分布する光は抑制されて活性層と第2クラッド層
とに押し出されて、活性層の第2クラッド層側にも光強
度分布が広げられる。したがって、第1クラッド層と第
2クラッド層とに光がバランスよく押し出されて光強度
分布が十分に広げられるので、垂直方向の放射角を確実
に低減することができる。また、第1低屈折率層及び第
2低屈折率層と第3低屈折率層とから活性層に押し出さ
れる光により光閉じ込め係数がより高く保持される。
【0022】一方、nl1≦nl3又はnl2≦nl3又はdl1
+dl2≧dl3としているので、電流ブロック層の直下で
第3低屈折率層内の光を半導体基板側へ押し出す効果が
過大となることはない。そのため、電流ブロック層の直
下における垂直方向の光強度分布が半導体基板側へ広が
ることによる影響でストライプ領域における垂直方向の
光強度分布が半導体基板側へ広がり過ぎるのを防止でき
る。したがって、光閉じ込め係数の低下を招くことな
く、垂直方向の放射角をほぼ円形のビーム形状が得られ
る程度まで低減できる。
【0023】請求項4の発明は、請求項3記載の半導体
レーザ装置を前提とし、前記各活性層,第1低屈折率
層,電流ブロック層,第2低屈折率層,第1クラッド
層,第3低屈折率層及び第2クラッド層は、それぞれA
lAs混晶比がXa ,Xl1,Xb,Xl2,Xc1,Xl3及
びXc2のGaAlAsにより構成されており、前記第1
低屈折率層と前記電流ブロック層との間に、AlAs混
晶比がXg のGaAlAsからなる光ガイド層をさらに
備えるとともに、前記混晶比Xa ,Xl1,Xg ,Xb ,
Xl2,Xc1,Xl3及びXc2と厚さdl1,dl2及びdl3と
の間に、Xb >Xl1≧Xl2>Xc1>Xa ≧0、Xb >X
g 及びXb >Xl3>Xc2>Xa ≧0の関係が成立し、か
つXl1≧Xl3,Xl2≧Xl3及びdl1+dl2≧dl3のうち
少なくともいずれか1つの関係が成立している構成とす
るものである。
【0024】請求項4の構成により、請求項3における
各層の半導体をGaAlAs混晶体で構成しながら、請
求項3と同様に、外部光学系との結合効率の良好な半導
体レーザ装置を得ることができる。
【0025】請求項5の発明は、半導体基板の主面上に
量子井戸構造を有する活性層を設け、該活性層を挾んで
両側に2つのクラッド層を設けるとともに、前記各層に
亘るストライプ領域を形成するようにした半導体レーザ
装置を前提とし、前記活性層と前記2つのクラッド層の
うち少なくともいずれか一方のクラッド層との間に、第
1導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる第1低屈折率
層と、前記ストライプ領域を規定するためのストライプ
窓を有するように形成され、前記第1導電型とは逆導電
型の第2導電型かつ屈折率nb の半導体からなる電流ブ
ロック層と、一部が前記ストライプ窓の内部を満たすよ
うに形成され、第1導電型かつ屈折率nl2の半導体から
なる第2低屈折率層とを前記活性層の側から順次介在さ
せるとともに、前記少なくともいずれか一方のクラッド
層の屈折率をnc1としたときに、各層の屈折率nl1,n
b ,nl2,及びnc1の間に、nb <nl1≦nl2<nc1の
関係が成立している構成とするものである。
【0026】請求項5の構成により、ストライプ領域に
おける垂直方向の光強度分布は次のようになる。すなわ
ち、第1低屈折率層及び第2低屈折率層の屈折率はクラ
ッド層の屈折率よりも小さく設定されているので、第1
低屈折率層及び第2低屈折率層に分布する光は抑制され
てクラッド層に押し出される。このクラッド層に押し出
される光により光強度分布が広げられるため垂直方向の
放射角が低減される。特に、活性層が量子井戸構造を有
しているので第1低屈折率層及び第2低屈折率層におけ
る光の分布が抑制されて活性層に押し出され垂直方向の
光閉じ込め係数を極めて高く保持し得る。したがって、
請求項1の作用が顕著に得られる。
【0027】請求項6の発明は、請求項5記載の半導体
レーザ装置を前提とし、前記活性層は量子井戸構造を有
するGaAlAsにより構成され、前記各第1低屈折率
層,電流ブロック層,第2低屈折率層及び少なくともい
ずれか一方のクラッド層は、それぞれAlAs混晶比が
Xl1,Xb ,Xl2及びXc1のGaAlAsにより構成さ
れており、前記第1低屈折率層と前記電流ブロック層と
の間に、AlAs混晶比がXg のGaAlAsからなる
光ガイド層をさらに備えるとともに、前記混晶比Xl1,
Xg ,Xl2,Xc1及びXb の間に、Xb >Xl1≧Xl2>
Xc1かつXb >Xg の関係が成立している構成とするも
のである。
【0028】請求項6の構成により、請求項5における
各層の半導体をGaAlAs混晶体で構成しながら、請
求項5と同様に、外部光学系との結合効率の一層良好な
半導体レーザ装置を得ることができる。
【0029】請求項7の発明は、半導体基板の主面上に
量子井戸構造を有する活性層を設け、該活性層を挾んで
両側に各々第1,第2導電型の半導体からなる第1,第
2クラッド層を設けるとともに、前記各層に亘るストラ
イプ領域を形成するようにした半導体レーザ装置を前提
とし、前記活性層と前記第1クラッド層との間に、第1
導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる厚さdl1の第1
低屈折率層と、前記ストライプ領域を規定するためのス
トライプ窓を有するように形成され、前記第1導電型と
は逆導電型の第2導電型かつ屈折率nb の半導体からな
る電流ブロック層と、一部が前記ストライプ窓の内部を
満たすように形成され、第1導電型かつ屈折率nl2の半
導体からなる厚さdl2の第2低屈折率層とを前記活性層
の側から順次介在させる一方、前記活性層と前記第2ク
ラッド層との間に、前記第1導電型とは逆導電型の第2
導電型かつ屈折率nl3の半導体からなる厚さdl3の第3
低屈折率層を介在させるとともに、前記第1クラッド層
の屈折率をnc1、前記第2クラッド層の屈折率をnc2と
したときに、各層の屈折率nl1,nl2,nc1,nb,nl
3及びnc2と厚さdl1,dl2及びdl3との間に、nb <
nl1≦nl2<nc1かつnb <nl3<nc2の関係が成立
し、かつnl1≦nl3,nl2≦nl3及びdl1+dl2≧dl3
のうち少なくともいずれか1つの関係が成立している構
成とするものである。
【0030】請求項7の構成により、nb <nl1≦nl2
<nc1の関係が成立しているので請求項5と同じ作用が
得られる。加えて、第3低屈折率層に分布する光は抑制
されて第2クラッド層に光強度分布が広げられる。特
に、活性層が量子井戸構造を有しているので垂直方向の
光閉じ込め係数を極めて高く保持し得る。したがって、
垂直方向の光強度分布が一層十分に広げられるので、垂
直方向の放射角を確実に低減することができる。また、
第1低屈折率層及び第2低屈折率層と第3低屈折率層と
から活性層に押し出される光により光閉じ込め係数が極
めて高く保持される。
【0031】一方、nl1≦nl3又はnl2≦nl3又はdl1
+dl2≧dl3の任意の構成の1つがとられていることに
より、請求項3と同様の作用が得られる。したがって、
光閉じ込め係数の低下を招くことなく、垂直方向の放射
角をほぼ円形のビーム形状が得られる程度まで確実に低
減できる。
【0032】請求項8の発明は、請求項7記載の半導体
レーザ装置を前提とし、前記各第1低屈折率層,電流ブ
ロック層,第2低屈折率層,第1クラッド層,第3低屈
折率層及び第2クラッド層は、それぞれAlAs混晶比
がXl1,Xb ,Xl2,Xc1,Xl3及びXc2のGaAlA
sにより構成されており、前記第1低屈折率層と前記電
流ブロック層との間に、AlAs混晶比がXg のGaA
lAsからなる光ガイド層をさらに備えるとともに、前
記混晶比Xl1,Xg ,Xb ,Xl2,Xc1,Xl3及びXc2
と厚さdl1,dl2及びdl3との間に、Xb >Xl1≧Xl2
>Xc1、Xb >Xg 及びXb >Xl3>Xc2の関係が成立
し、かつXl1≧Xl3,Xl2≧Xl3及びdl1+dl2≧dl3
のうち少なくともいずれか1つの関係が成立している構
成とするものである。
【0033】請求項8の構成により、請求項7における
各層の半導体をGaAlAs混晶体で構成しながら、請
求項7と同様に、外部光学系との結合効率の一層良好な
半導体レーザ装置を得ることができる。
【0034】請求項9の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7又は8記載の半導体レーザ装置を前提と
し、前記第1クラッド層は前記第1クラッド層内部の屈
折率の変化が第2低屈折率層側から段階的に増大するよ
うに構成されているものである。
【0035】請求項9の構成により、第2低屈折率層か
ら第1クラッド層へ押し出された光は第1クラッド層に
おいて、ストライプ領域の活性層に垂直な方向の光強度
分布を第2低屈折率層側から屈折率の変化に合わせてな
めらかに広げつつ減衰させるようにすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態に係
る半導体レーザ装置の構成について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0037】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導
体レーザ装置の断面図である。図1において、n型のG
aAsよりなる基板1の上に、n型のGaAsよりなる
バッファ層2、2.5μmの厚さをもつn型のGa0.52
Al0.48Asよりなる第2クラッド層3、0.15μm
の厚さをもつn型のGa0.49Al0.51Asよりなる第3
低屈折率層4が順次形成されており、第3低屈折率層4
の上にGa0.7 Al0. 3 As層、Ga0.9 Al0.1 As
層、Ga0.7 Al0.3 As層、Ga0.9 Al0. 1 As層
及びGa0.7 Al0.3 As層が順次形成されてなる量子
井戸構造を有する活性層5が形成されている。活性層5
の上に、0.125μmの厚さをもつp型のGa0.49
0.51Asよりなる第1低屈折率層6を介してp型のG
0.8 Al0.2 Asよりなる光ガイド層7が形成されて
おり、光ガイド層7の上には、電流狭窄のために、電流
チャンネルとなるストライプ窓20以外の部分にはn型
のGa0.4 Al0.6 Asよりなる電流ブロック層8が形
成されている。ストライプ窓20内に露出している光ガ
イド層7と電流ブロック層8との上には、0.025μ
mの厚さをもつp型のGa0.49Al0.51Asよりなる第
2低屈折率層9、2.5μmの厚さをもつp型のGa
0.52Al0.48Asよりなる第1クラッド層10及びp型
のGaAsよりなるコンタクト層11が順次形成されて
いる。そして、第1クラッド層10から第2クラッド層
3に至る領域でストライプ窓20に入る部分がストライ
プ領域となっている。
【0038】また、第2クラッド層3、第3低屈折率層
4、第1低屈折率層6、光ガイド層7、電流ブロック層
8、第2低屈折率層9及び第1クラッド層10における
各々のGaAlAs層のAlAs混晶比をXc2,Xl3,
Xl1,Xg ,Xb ,Xl2及びXc1とすると、Xc2=0.
48,Xl3=0.51,Xl1=0.51,Xg =0.
2,Xb =0.6,Xl2=0.51及びXc1=0.48
となるように設定されている。この場合、AlAs混晶
比Xc2,Xl3,Xl1,Xg ,Xb ,Xl2及びXc1の間
に、Xb >Xl1≧Xl2>Xc1、Xb >Xg 及びXb >X
l3>Xc2の関係が成立している。
【0039】この構成により、垂直方向の光強度分布は
次のようになる。すなわち、第1低屈折率層6及び第2
低屈折率層9のAlAs混晶比は第1クラッド層10の
AlAs混晶比よりも大きく設定されているので、Al
As混晶比と屈折率との間の相関関係により、第1低屈
折率層6及び第2低屈折率層9に分布する光は抑制され
て第1クラッド層10に押し出される。この第1クラッ
ド層10に押し出される光によりストライプ領域におけ
る垂直方向の光強度分布が広げられる。
【0040】さらに、本実施形態では、活性層5と第2
クラッド層3との間に介在する第3低屈折率層4のAl
As混晶比が第2クラッド層3より大きく設定されてい
るので、AlAs混晶比と屈折率との間の相関関係によ
り、第3低屈折率層4に分布する光は抑制されて第2ク
ラッド層3に押し出されて、この第2クラッド層3に押
し出される光によりストライプ領域における垂直方向の
光強度分布も広げられる。
【0041】すなわち、第1クラッド層10と第2クラ
ッド層3とに光がバランスよく押し出されてストライプ
領域における垂直方向の光強度分布が十分に広げられ
る。これにより、光の出力端面からの光の広がりを抑制
して垂直方向のビームの放射角θv が低減できるので、
外部光学系に半導体レーザ装置を光源として結合させる
場合、ビーム形状はほぼ円形となるためレーザ光を効率
よく外部光学系の外部レンズ内に取り込むことができ
る。
【0042】また、活性層5の両側の第1低屈折率層6
及び第2低屈折率層9と第3低屈折率層4とから活性層
5に光が押し出されて、垂直方向の光閉じ込め係数Γv
を高く保持し得る。これにより、活性層5における垂直
方向の光閉じ込め係数Γv が減少することはないので、
動作電流の上昇がない効率のよい半導体レーザ装置を実
現できる。
【0043】また、特に本実施形態のごとく、活性層5
が量子井戸構造を有する場合には、第1低屈折率層6、
第2低屈折率層9及び第3低屈折率層4に分布する光は
抑制されて活性層5にも押し出されるため光が活性層5
内に閉じ込められる割合つまり光閉じ込め係数Γv を極
めて高く保持し得る。ただし、活性層5を量子井戸構造
に代えて、バルク結晶により構成してもよい。その場
合、活性層のAlAs混晶比をXa として、Xc1>Xa
及びXc2>Xa とすることで本実施形態とほぼ同様の効
果が得られる。
【0044】尚、基板1をn型のGaAsに代えて、p
型のGaAsを用いた場合でも本実施形態と同じ効果が
得られる。
【0045】次に、図2及び図3は、本実施形態におけ
る半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の特性を示
す。図2は、光の出力端面からの垂直方向の広がりを示
す遠視野像であり、図3は半導体レーザ装置における電
流−光出力特性を示す。
【0046】まず、図2に示すように、レーザ光の垂直
方向の放射角θv が低減されて垂直方向のビームの放射
角θv が14°となると共に水平方向のビームの放射角
θhが10°となる遠視野像が得られる。
【0047】また、図3に示すように、活性層5におけ
る垂直方向の光閉じ込め係数Γv が減少することがない
ので動作電流値は大きくならないため光出力が30mW
の場合における動作電流値を70mAに抑制することが
できる。
【0048】従来の半導体レーザ装置の構造では、例え
ば垂直側放射角θv が約25°で水平側放射角θh が1
0°であり、光出力が30mWの場合における動作電流
値が約65mAである。この場合、垂直側放射角θv を
約25°から14°へ低減すると、活性層における垂直
方向の光閉じ込め係数Γv が大幅に減少するため光出力
が30mWの場合における動作電流値は160mAまで
大きく上昇してしまう。 それに対し、本実施形態で
は、図1に示す構造を採ることによって、ほぼ円形のビ
ーム形状を実現しながら動作電流を極めて小さくできる
ことがわかる。
【0049】本実施形態においては、垂直側放射角θv
が14°となる半導体レーザ装置の構造を示したが、垂
直側放射角θv はn型の第3低屈折率層4、p型の第1
低屈折率層6及びp型の第2低屈折率層9の各々のAl
As混晶比及び厚さを変えることで適宜変化させること
ができる。
【0050】次に、図4は、垂直方向の放射角θv と垂
直方向の光閉じ込め係数Γv との関係を計算して結果を
プロットしたものである。ただし、図4においては、n
型のGa1-X AlX Asよりなる第3低屈折率層4の厚
さをdμm,AlAs混晶比をXとし、p型のGa1-X
AlX Asよりなる第1低屈折率層6の厚さを0.12
5μm,AlAs混晶比をXとし、p型のGa1-X Al
X Asよりなる第2低屈折率層9の厚さを(d−0.1
25)μm,AlAs混晶比をXとして、dとXとをパ
ラメータとして変化させている。
【0051】図4に示すように、AlAs混晶比Xを大
きくするにつれて垂直側放射角θvが小さくなってい
る。すなわち、第3低屈折率層4、第1低屈折率層6及
び第2低屈折率層9の各々の屈折率を小さくしたことに
よって、上述の作用により垂直側放射角θv を低減し得
ることがわかる。また、厚さdを大きくするにつれて、
光を活性層5、第1クラッド層3及び第2クラッド層1
0へ押し出す効果が増大するのでストライプ領域におけ
る垂直方向の光強度分布が広げられ垂直側放射角θv が
低減されることもわかる。
【0052】また、図4に示す計算結果のプロットか
ら、光閉じ込め係数Γv が低下することを抑えながら垂
直側放射角θv を10°くらいまで低減するには、第3
低屈折率層4、第1低屈折率層6及び第2低屈折率層9
の各層のAlAs混晶比を大きくし且つ各層の厚さを大
きくすればよいことがわかる。ただし、図5に示すよう
に、n型の第3低屈折率層4における光を層外へ押し出
す効果を増大しすぎると、電流ブロック層8の直下にお
いて光強度分布が基板1側へ広がることになる。このよ
うな光強度分布の広がりの影響はストライプ領域に及ぶ
ためストライプ領域における垂直方向の光強度分布が基
板1側へ広がり過ぎることになる。そのため、光が活性
層5内に閉じ込められる割合が低下するため活性層5に
おける光閉じ込め係数Γv が低下して動作電流値が大き
くなる。
【0053】この現象に対処するためには、n型のGa
1-Xl3 AlXl3 Asよりなる第3低屈折率層4における
屈折率をnl3、厚さをdl3及びAlAs混晶比をXl3と
し、p型のGa1-Xl1 AlXl1 Asよりなる第1低屈折
率層6における屈折率をnl1、厚さをdl1、AlAs混
晶比をXl1とし、p型のGa1-Xl2 AlXl2 Asよりな
る第2低屈折率層9における屈折率をnl2、厚さをdl
2、AlAs混晶比をXl2とする場合に、これらの間
に、Xl1≧Xl3又はXl2≧Xl3の任意の構成の1つをと
ればよい。
【0054】すなわち、まず、Xl1≧Xl3つまりnl1≦
nl3の場合は第3低屈折率層4に分布する光を層外に押
し出す効果が第1低屈折率層6より弱められ、逆に第1
低屈折率層6における光を層外に押し出す効果が第3低
屈折率層4より強められることになる。次に、Xl2≧X
l3つまりnl2≦nl3の場合は第3低屈折率層4に分布す
る光を層外に押し出す効果が第2低屈折率層9より弱め
られ、逆に第2低屈折率層9における光を層外に押し出
す効果が第3低屈折率層4より強められることになるの
で、いずれの場合によっても第3低屈折率層4内の光を
電流ブロック層8の直下で基板1側へ押し出す効果が過
大になるのを防止することができる。
【0055】また、図4に示すように、前述の構成の他
に厚さdを大きくしても光を層外へ押し出す効果が増大
するので、dl1+dl2≧dl3の構成をとることによって
も前述同様に、第3低屈折率層4内の光を電流ブロック
層8の直下で基板1側へ押し出す効果が過大になるのを
防止することができる。
【0056】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
に係る半導体レーザ装置の構成について説明する。
【0057】本実施形態では、第1の実施形態に係る半
導体レーザ装置におけるp型の第1クラッド層10の構
造を、第1クラッド層10の内部の屈折率が第2低屈折
率層9側からGaAsよりなるコンタクト層11側に向
かって段階的に増加するように形成する。このような構
造とすることにより、屈折率の段階的な変化と対応する
ようにして垂直方向の光強度分布を第2低屈折率層9側
からコンタクト層11側へなめらかに広げつつ減衰させ
ることができる。そのため、コンタクト層11における
光の吸収を無視できる程度に抑えつつ、光を第1クラッ
ド層10内で十分に垂直方向へ広げることができるので
垂直方向の放射角θv を低減することができる。また、
第1クラッド層10の内部の屈折率の変化がコンタクト
層11側から活性層5へ向かって段階的に減少している
構造でもあり垂直方向の光強度分布は必要以上に大きく
広がることがないため活性層5における垂直方向の光閉
じ込め係数Γv が減少することはないので、動作電流の
増大を抑えることができる。
【0058】次に、本実施形態による作用・効果を具体
的に示す。
【0059】図6は、p型のGaAlAs層からなる第
1クラッド層10をその内部のAlAs混晶比が第2低
屈折率層9側からコンタクト層11側へ0.48から
0.47まで段階的に変化するように形成した場合にお
ける垂直方向の光強度分布を示している。また、n型の
第3低屈折率層4を0.15μmの厚さをもつGa0.49
Al0.51As層で構成し、p型の第1低屈折率層6を
0.125μmの厚さをもつGa0.49Al0.51As層で
構成し、p型の第2低屈折率層9を0.325μmの厚
さをもつGa0.49Al0.51As層で構成している。
【0060】このように、第1クラッド層10の内部の
AlAs混晶比が第2低屈折率層9からコンタクト層1
1に向かって段階的に減少するように形成されている場
合は、第1クラッド層10の内部における屈折率が段階
的に増加するので、第1クラッド層10内に第2低屈折
率層9からコンタクト層11へなめらかに広がるプロフ
ァイルをもつ光強度分布が得られる。そして、垂直方向
の光強度分布を第1クラッド層10内で十分に広げるこ
とができるので垂直方向の放射角θv を10°とするこ
とができ、水平方向の放射角θh は10°となるのでほ
ぼ円形のビーム形状を得ることができる。また、垂直方
向の光強度分布は必要以上に大きく広がることがないた
め活性層5における垂直方向の光閉じ込め係数Γv を減
少させることなく、動作電流の大幅な上昇を抑えること
ができる。これにより、光出力が30mWの場合におけ
る動作電流値を70mAに抑制することができる。
【0061】本実施形態では、基板1にn型のGaAs
よりなる半導体を用いているが、p型の半導体基板を用
いた場合でも同様に本発明の効果を得ることができる。
【0062】本実施形態では、基板1にn型のGaAs
よりなる半導体を用いているが、基板1を絶縁体材料層
の上に半導体層が形成されてなる基板とする場合でも同
様に本発明の効果を得ることができる。
【0063】本実施形態では、活性層5の片側に電流ブ
ロック層8が形成されているが、活性層5の両側に電流
ブロック層が形成されるダブルコンファインメント構造
としてもよい。ダブルコンファインメント構造とするこ
とにより本発明の効果が顕著に得られることはいうまで
もない。
【0064】本実施形態では、GaAlAs系混晶を材
料とした半導体レーザ装置について説明したが、InG
aAlP系混晶、InGaAsP系混晶、AlGaN系
混晶、InGaN系混晶など他の半導体材料を用いても
同様に本発明の効果を得ることができる。
【0065】本実施形態では、半導体レーザ装置の形成
にMOCVD結晶成長法を用いたが、MBE法等の結晶
成長方法を用いても同様に本発明の効果を得ることがで
きる。
【0066】
【発明の効果】請求項1又は請求項2によれば、活性層
とクラッド層との間に第1低屈折率層と電流ブロック層
と第2低屈折率層とを介在させ、屈折率にnb <nl1≦
nl2<nc1<na 又はAlAs混晶比にXb >Xl1≧X
l2>Xc1>Xa ≧0という関係を成立させたので、垂直
方向の光閉じ込め係数を高く保持したまま垂直方向の放
射角を低減することができ、よって、動作電流の上昇が
なくかつ外部光学系との結合効率のよい半導体レーザ装
置の提供を図ることができる。
【0067】また、請求項3又は請求項4によれば、第
1クラッド層と第2クラッド層との間に第1低屈折率層
と電流ブロック層と第2低屈折率層と第3低屈折率層と
を介在させ、屈折率にnb <nl1≦nl2<nc1<na か
つnb <nl3<nc2<na 又はAlAs混晶比にXb >
Xl1≧Xl2>Xc1>Xa ≧0、かつXb >Xl3>Xc2>
Xa ≧0という関係を成立させたので、第1低屈折率層
と第2低屈折率層とから第1クラッド層に光を押し出す
作用と、第3低屈折率層から第2クラッド層に光を押し
出す作用により、垂直方向の放射角をほぼ円形のビーム
形状が得られる程度まで低減でき、また、活性層の上下
から活性層に光を押し出す作用により、動作電流の大幅
な増大を抑えることができる。
【0068】また、請求項5,6,7,8によれば、そ
れぞれ請求項1,2,3,4における活性層を量子井戸
構造としたので、請求項1,2,3,4の効果を顕著に
発揮することができる。
【0069】また、請求項9によれば、請求項1,2,
3,4,5,6,7,8におけるクラッド層の内部の屈
折率が段階的に変化するように形成したので、垂直方向
の光強度分布をなめらかに広げつつ減衰させるようにす
ることができ、よって、著効を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装
置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装
置の出力端面からの光の広がりを示す遠視野像である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装
置の電流−光出力特性を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装
置による放射角θv と光閉じ込め係数Γv との関係を厚
さdとAlAs混晶比Xとをパラメータとして計算して
結果をプロットした図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装
置の第3低屈折率層による光の押し出し効果が過大とな
る場合の光強度分布の概念を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装
置の第1クラッド層の屈折率を段階的に変化させた場合
の光強度分布を示す図である。
【図7】従来の半導体レーザ装置の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 第2クラッド層 4 第3低屈折率層 5 活性層 6 第1低屈折率層 7 光ガイド層 8 電流ブロック層 9 第2低屈折率層 10 第1クラッド層 11 コンタクト層 20 ストライプ窓 21 基板 22 バッファ層 23 第1クラッド層 24 活性層 25 第1光ガイド層 26 第2光ガイド層 27 電流ブロック層 28 保護層 29 第2クラッド層 30 コンタクト層 40 ストライプ窓

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の主面上に活性層を設け、該
    活性層を挾んで両側に2つのクラッド層を設けるととも
    に、前記各層に亘るストライプ領域を形成するようにし
    た半導体レーザ装置において、 前記活性層と前記2つのクラッド層のうち少なくともい
    ずれか一方のクラッド層との間に、 第1導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる第1低屈折
    率層と、 前記ストライプ領域を規定するためのストライプ窓を有
    するように形成され、前記第1導電型とは逆導電型の第
    2導電型かつ屈折率nb の半導体からなる電流ブロック
    層と、 一部が前記ストライプ窓の内部を満たすように形成さ
    れ、第1導電型かつ屈折率nl2の半導体からなる第2低
    屈折率層とを前記活性層の側から順次介在させるととも
    に、 前記活性層の屈折率をna 、前記少なくともいずれか一
    方のクラッド層の屈折率をnc1としたときに、各層の屈
    折率na ,nl1,nb ,nl2,及びnc1の間に、nb <
    nl1≦nl2<nc1<na の関係が成立していることを特
    徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記各活性層,第1低屈折率層,電流ブロック層,第2
    低屈折率層及び少なくともいずれか一方のクラッド層
    は、それぞれAlAs混晶比がXa ,Xl1,Xb,Xl2
    及びXc1のGaAlAsにより構成されており、 前記第1低屈折率層と前記電流ブロック層との間に、A
    lAs混晶比がXg のGaAlAsからなる光ガイド層
    をさらに備えるとともに、 前記混晶比Xa ,Xl1,Xg ,Xl2,Xc1及びXb の間
    に、Xb >Xl1≧Xl2>Xc1>Xa ≧0、かつXb >X
    g の関係が成立していることを特徴とする半導体レーザ
    装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板の主面上に活性層を設け、該
    活性層を挾んで両側に各々第1,第2導電型の半導体か
    らなる第1,第2クラッド層を設けるとともに、前記各
    層に亘るストライプ領域を形成するようにした半導体レ
    ーザ装置において、 前記活性層と前記第1クラッド層との間に、 第1導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる厚さdl1の
    第1低屈折率層と、 前記ストライプ領域を規定するためのストライプ窓を有
    するように形成され、前記第1導電型とは逆導電型の第
    2導電型かつ屈折率nb の半導体からなる電流ブロック
    層と、 一部が前記ストライプ窓の内部を満たすように形成さ
    れ、第1導電型かつ屈折率nl2の半導体からなる厚さd
    l2の第2低屈折率層とを前記活性層の側から順次介在さ
    せる一方、 前記活性層と前記第2クラッド層との間に、前記第1導
    電型とは逆導電型の第2導電型かつ屈折率nl3の半導体
    からなる厚さdl3の第3低屈折率層を介在させるととも
    に、 前記活性層の屈折率をna 、前記第1クラッド層の屈折
    率をnc1、前記第2クラッド層の屈折率をnc2としたと
    きに、各層の屈折率na ,nl1,nl2,nc1,nb ,n
    l3及びnc2と厚さdl1,dl2及びdl3との間に、nb <
    nl1≦nl2<nc1<na かつnb <nl3<nc2<na の
    関係が成立し、かつnl1≦nl3,nl2≦nl3及びdl1+
    dl2≧dl3のうち少なくともいずれか1つの関係が成立
    していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記各活性層,第1低屈折率層,電流ブロック層,第2
    低屈折率層,第1クラッド層,第3低屈折率層及び第2
    クラッド層は、それぞれAlAs混晶比がXa,Xl1,
    Xb ,Xl2,Xc1,Xl3及びXc2のGaAlAsにより
    構成されており、 前記第1低屈折率層と前記電流ブロック層との間に、A
    lAs混晶比がXg のGaAlAsからなる光ガイド層
    をさらに備えるとともに、 前記混晶比Xa ,Xl1,Xg ,Xb ,Xl2,Xc1,Xl3
    及びXc2と厚さdl1,dl2及びdl3との間に、Xb >X
    l1≧Xl2>Xc1>Xa ≧0、Xb >Xg 及びXb >Xl3
    >Xc2>Xa ≧0の関係が成立し、かつXl1≧Xl3,X
    l2≧Xl3及びdl1+dl2≧dl3のうち少なくともいずれ
    か1つの関係が成立していることを特徴とする半導体レ
    ーザ装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板の主面上に量子井戸構造を有
    する活性層を設け、該活性層を挾んで両側に2つのクラ
    ッド層を設けるとともに、前記各層に亘るストライプ領
    域を形成するようにした半導体レーザ装置において、 前記活性層と前記2つのクラッド層のうち少なくともい
    ずれか一方のクラッド層との間に、 第1導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる第1低屈折
    率層と、 前記ストライプ領域を規定するためのストライプ窓を有
    するように形成され、前記第1導電型とは逆導電型の第
    2導電型かつ屈折率nb の半導体からなる電流ブロック
    層と、 一部が前記ストライプ窓の内部を満たすように形成さ
    れ、第1導電型かつ屈折率nl2の半導体からなる第2低
    屈折率層とを前記活性層の側から順次介在させるととも
    に、 前記少なくともいずれか一方のクラッド層の屈折率をn
    c1としたときに、各層の屈折率nl1,nb ,nl2,及び
    nc1の間に、nb <nl1≦nl2<nc1の関係が成立して
    いることを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記活性層は量子井戸構造を有するGaAlAsにより
    構成され、前記各第1低屈折率層,電流ブロック層,第
    2低屈折率層及び少なくともいずれか一方のクラッド層
    は、それぞれAlAs混晶比がXl1,Xb ,Xl2及びX
    c1のGaAlAsにより構成されており、 前記第1低屈折率層と前記電流ブロック層との間に、A
    lAs混晶比がXg のGaAlAsからなる光ガイド層
    をさらに備えるとともに、 前記混晶比Xl1,Xg ,Xl2,Xc1及びXb の間に、X
    b >Xl1≧Xl2>Xc1かつXb >Xg の関係が成立して
    いることを特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板の主面上に量子井戸構造を有
    する活性層を設け、該活性層を挾んで両側に各々第1,
    第2導電型の半導体からなる第1,第2クラッド層を設
    けるとともに、前記各層に亘るストライプ領域を形成す
    るようにした半導体レーザ装置において、 前記活性層と前記第1クラッド層との間に、 第1導電型かつ屈折率nl1の半導体からなる厚さdl1の
    第1低屈折率層と、 前記ストライプ領域を規定するためのストライプ窓を有
    するように形成され、前記第1導電型とは逆導電型の第
    2導電型かつ屈折率nb の半導体からなる電流ブロック
    層と、 一部が前記ストライプ窓の内部を満たすように形成さ
    れ、第1導電型かつ屈折率nl2の半導体からなる厚さd
    l2の第2低屈折率層とを前記活性層の側から順次介在さ
    せる一方、 前記活性層と前記第2クラッド層との間に、前記第1導
    電型とは逆導電型の第2導電型かつ屈折率nl3の半導体
    からなる厚さdl3の第3低屈折率層を介在させるととも
    に、 前記第1クラッド層の屈折率をnc1、前記第2クラッド
    層の屈折率をnc2としたときに、各層の屈折率nl1,n
    l2,nc1,nb ,nl3及びnc2と厚さdl1,dl2及びd
    l3との間に、nb <nl1≦nl2<nc1かつnb <nl3<
    nc2の関係が成立し、かつnl1≦nl3,nl2≦nl3及び
    dl1+dl2≧dl3のうち少なくともいずれか1つの関係
    が成立していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記各第1低屈折率層,電流ブロック層,第2低屈折率
    層,第1クラッド層,第3低屈折率層及び第2クラッド
    層は、それぞれAlAs混晶比がXl1,Xb ,Xl2,X
    c1,Xl3及びXc2のGaAlAsにより構成されてお
    り、 前記第1低屈折率層と前記電流ブロック層との間に、A
    lAs混晶比がXg のGaAlAsからなる光ガイド層
    をさらに備えるとともに、 前記混晶比Xl1,Xg ,Xb ,Xl2,Xc1,Xl3及びX
    c2と厚さdl1,dl2及びdl3との間に、Xb >Xl1≧X
    l2>Xc1、Xb >Xg 及びXb >Xl3>Xc2の関係が成
    立し、かつXl1≧Xl3,Xl2≧Xl3及びdl1+dl2≧d
    l3のうち少なくともいずれか1つの関係が成立している
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の半導体レーザ装置において、 前記第1クラッド層は前記第1クラッド層内部の屈折率
    の変化が第2低屈折率層側から段階的に増大するように
    構成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
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