JPH09209151A - ガス分散器及びプラズマ処理装置 - Google Patents

ガス分散器及びプラズマ処理装置

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JPH09209151A
JPH09209151A JP8016503A JP1650396A JPH09209151A JP H09209151 A JPH09209151 A JP H09209151A JP 8016503 A JP8016503 A JP 8016503A JP 1650396 A JP1650396 A JP 1650396A JP H09209151 A JPH09209151 A JP H09209151A
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disperser
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film
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摂 鈴木
Toku Tokumasu
徳 徳増
Kazuo Maeda
和夫 前田
Junichi Aoki
淳一 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応ガスをプラズマ化するための対向電極の一
つとしての機能を有し、プラズマガスにより成膜やエッ
チングを行うガス分散器に関し、反応ガスの吹出し口に
対して環状に置かれた複数の被処理体上に反応ガスを均
等に放出し、放電を抑制する。 【解決手段】中央部に凹部107が形成され、凹部10
7にガスを導入する貫通穴48を有する基体と、凹部1
07内に設置され、放射方向にガスを導くガス受け部材
108と、受け部材108によって導かれたガスを放出
する、環状のガス放出具とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス分散器及びプ
ラズマ処理装置に関し、より詳しくは、反応ガスをプラ
ズマ化するための高周波電力を印加する電極を備えたガ
ス分散器、及びプラズマガスにより成膜やエッチングを
行うプラズマ処理に用いるプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、量産規模でのCVD法による成膜
に関しては、主に、 マルチチャンバ式CVD装置 ウオーキングビーム式連続方式CVD装置 マルチリアクタ式バッチ方式CVD装置 が用いられている。
【0003】マルチチャンバ式CVD装置は、図10に
示すように、各処理チャンバ3a〜3fが独立して設け
られているため、種々の異なる処理が可能で、フレキシ
ビリティが高い。更に、各処理チャンバ3a〜3fにプ
ラズマ発生装置を設けてプラズマCVD装置とすること
も可能である。なお、図10中、1はロードロックチャ
ンバ、2はロードロックチャンバ1内に設置されたロボ
ット、4は各処理チャンバ3a〜3fにウエハ6a〜6
fを搬入し、又は搬出するロボットである。
【0004】ウオーキングビーム式連続方式CVD装置
は、図11に示すように、単一の処理チャンバ11内に
複数のウエハ載置部13a〜13hが配置されたウエハ
載置台12と、ウエハ15a〜15hを保持して回転軸
の周りに回転可能なウオーキングビーム14a〜14h
とが設置されている。また、各ウエハ載置部13a〜1
3hにヒータを備えている。なお、図11中、7は第1
のロードロックチャンバ、8は第1のロードロックチャ
ンバ7内に設置されたロボット、10は第2のロードロ
ックチャンバ、9aは室7と第2のロードロックチャン
バ10の間を開閉するバルブ、9bは第2のロードロッ
クチャンバ10と処理チャンバ11の間を開閉するバル
ブである。
【0005】ウオーキングビーム14a〜14hを用い
てウエハ15a〜15hを順次回転して移動させること
により、連続的に成膜を行い、高いスループットを得て
いる。成膜を分割して行い、各リアクタによる形成膜を
積み重ねることにより、ウエハ15a〜15h間の差異
をなくすことができる。マルチリアクタ式バッチ方式C
VD装置は、図12に示すように、単一の処理チャンバ
内のウエハ載置台21に反応ガスをプラズマ化するため
の電極を兼ねた複数のウエハ載置部22a〜22dが個
別に設けられている。ウエハ載置部22a〜22dに載
置された各ウエハは図示しないロボットにより成膜毎に
持ち上げられてウエハ載置部22a〜22d上を順に移
動していく。また、各ウエハ載置部22a〜22dに個
別に反応ガス及び高周波電力を供給するシャワーヘッド
付き電極23a〜23dが、各ウエハ載置部22a〜2
2d毎に各ウエハ載置部22a〜22dに対向して設け
られている。
【0006】マルチリアクタ式バッチ方式CVD装置に
おいて複数のウエハ載置部22a〜22dにそれぞれウ
エハ26a〜26dを搬送した後、一括して成膜処理を
行う。また、各シャワーヘッド23a〜23dにそれぞ
れ異なる種類の反応ガスを供給し、成膜毎にウエハ26
a〜26dを持ち上げて次のウエハ載置部22a〜22
dに移動させることにより異なる種類の多層膜の形成を
連続的に行うことができる。更に、一括処理するウエハ
26a〜26dの数に比例したスループットを得ること
ができる。
【0007】上記3種類のCVD装置のうちマルチリア
クタ式バッチ方式CVD装置がもっとも高いスループッ
トを得ることができる。また、上記のプラズマCVD装
置に用いられるガス分散器は、詳細は図示しないが、中
央部にガスを導入する貫通穴を有する基体と、導入され
たガスを放出するガス放出具とを有し、基体の周辺部で
接触がとられている。そして、ガス分散器は反応ガスを
プラズマ化するための対向電極の一つとしての機能を有
し、高周波電源が基体に接続され、高周波電力が供給さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、マルチチャン
バ式CVD装置では、ロボット4が一の処理チャンバ3
aからウエハ6a〜6fを搬出し、次の処理チャンバ3
bに搬入するという動作を行う必要があるため、搬送に
要する時間が多くかかり、処理チャンバ3a〜3fの数
に比例したスループットを得ることができない。また、
個々の処理チャンバ3a〜3fに対して排気系、ガス供
給系が必要である。更に、反応ガスや高周波電力の供給
系がリアクタ間で別々なので、それらのリアクタ間で反
応ガスや高周波電力の供給量に固有の差が存在し、各ウ
エハ6a〜6f間で形成膜の膜厚や膜質が相違してしま
う。
【0009】プラズマCVD装置では、励起用高周波電
源などを設置せねばならず、装置が大型化するという問
題もある。ウオーキングビーム式連続方式CVD装置で
は、単一の処理チャンバ11であることから各リアクタ
間の反応ガスや高周波電力を分離することができず、そ
のため、異なる種類の多層膜の形成を連続的に行うこと
はできない。更に、一の成膜後次の成膜に移るためにウ
エハ15a〜15hを移動させる際、ウエハ15a〜1
5hが載置台から離れるので、ウエハ15a〜15hの
温度が下がることを避けることができない。これによ
り、成膜途中で温度サイクルを受けることになり、形成
膜に歪みが残るという問題がある。また、ウエハ15a
〜15hの移動中は成膜を中断して、移動後にウエハ1
5a〜15hの温度が所定の温度になるように再加熱
し、更にガス流量の安定化を待つ必要がある。このた
め、処理時間が長くなり、結果として高いスループット
が得られないという問題も生ずる。
【0010】更に、マルチリアクタ式バッチ方式CVD
装置では、ウエハ26a〜26dがウエハ載置部22a
〜22d上を次々に移動させられるため、ウオーキング
ビーム式CVD装置におけるのと同じような問題が生じ
るほか、各リアクタ間で反応ガス及び高周波電力の供給
系が別々なので、装置が大型化するという問題があると
ともに、各リアクタ間で反応ガスや高周波電力の供給量
に固有の差が存在し、同一バッチ内のウエハ26a〜2
6d間で形成膜の膜厚や膜質に相違が生じる恐れがあ
る。
【0011】また、ガス分散器では、高周波電力が印加
されたとき、基体からその周辺部を通して高周波電力が
ガス放出具にかかる。しかし、ガス放出具自体が有する
高周波電力に対するインピーダンスによりガス放出具に
電位降下が生じ、ガス放出具の中央部にいくほど基体と
ガス放出具との間の電位差が大きくなる。このため、高
周波電力の大きさにより基体とガス放出具との間で放電
することがあるという問題がある。
【0012】上記のような問題はプラズマガスを用いた
同様な構造のエッチング装置においても生じ、その解決
が望まれている。本発明は、かかる従来の問題点に鑑み
てなされたもので、反応ガスの吹出し口に対して環状に
置かれた複数の被処理体上に反応ガスを均等に放出する
ことができ、放電を抑制することが可能なガス分散器、
及び、複数の被処理体上に均一な膜厚や膜質等を有する
膜や異なる種類の多層膜を成膜し、或いは均一なエッチ
ングを行うことができ、装置の大型化を防止することが
できるプラズマ処理装置を提供することを目的とするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1の発明
である、中央部にガスを導く第1のガス流路と、前記中
央部に導かれたガスを放射方向に分流し、さらに前記中
央部から端部に至る中程で前記ガスを前記中央部方向と
周辺方向に再分流する第2のガス流路と、前記再分流さ
れたガスを放出する、前記中央部の周りのドーナツ状領
域に配置されたガス放出孔とを有する第1の電極を兼ね
たガス分散器によって達成され、第2の発明である、中
央部に凹部が形成され、該凹部にガスを導入する貫通穴
を有する基体と、前記凹部内に設置され、前記ガスを放
射方向に前記ガスを導くガス受け部材と、前記受け部材
によって導かれたガスを放出する、環状のガス放出具と
を備えたことを特徴とするガス分散器によって達成さ
れ、第3の発明である、前記ガス放出具は、前記ガス放
出具の外周部で前記基体と接触し、かつ前記ガス放出部
の内周部で前記受け部材を介して前記基体と接触してい
ることを特徴とする第2の発明に記載のガス分散器によ
って達成され、第4の発明である、前記ガス放出具は、
前記環状領域に複数分布している前記ガス放出孔を有す
ることを特徴とする前記第2又は第3の発明に記載のガ
ス分散器によって達成され、第5の発明である、前記ガ
ス分散器は環状領域の方向に回転可能となっていること
を特徴とする第1乃至第4の発明のいずれかに記載のガ
ス分散器によって達成され、第6の発明である、第1乃
至第5の発明のいずれかに記載のガス分散器と、第2の
電極であって、前記ガス分散器に対向し、かつ固定して
設置された、前記環状領域に対面して載置される被処理
体の載置部を有する被処理体の載置台とを具備すること
を特徴とするプラズマ処理装置によって達成され、第7
の発明である、前記ガス分散器に前記ガスをプラズマ化
する高周波電源が接続されていることを特徴とする第6
の発明に記載のプラズマ処理装置によって達成され、第
8の発明である、前記載置台に載置される被処理体にバ
イアス電圧を付与する交流電源が前記載置台に接続され
ていることを特徴とする第6又は第7の発明に記載のプ
ラズマ処理装置によって達成される。
【0014】ところで、載置台の円周に沿って被処理体
が配置され、かつ単一のガス分散器を用いる場合、ガス
の吹出し口を中心としてその周りに被処理体が配置され
たとき、被処理体の中心から外れたところから反応ガス
が放出されるため、載置台の中央部から周辺部に向かっ
て反応ガスが広がっていく間に載置台の半径方向に被処
理体表面のガス供給量に偏差が生じる恐れがある。
【0015】本発明のガス分散器では、第1のガス流路
により中央部に導かれたガスを放射方向に分流し、さら
に中央部から端部に至る中程でガスを中央部方向と周辺
方向に再分流する第2のガス流路と、再分流されたガス
を放出する、中央部の周りの環状領域に配置されたガス
放出孔とを有する。例えば、第2のガス流路は、基体の
貫通穴(第1のガス流路)から導入されたガスを放射方
向に導くガス受け部材と環状のガス放出具とにより形成
される。
【0016】従って、第1のガス流路を通ったガスはさ
らに第2のガス流路を通ってガス放出孔に送られるた
め、第1のガス流路から出たガスは必要以上に広がるこ
となくガス放出孔に送られる。このため、ガス放出孔へ
のガスの供給が均等化される。さらに、第1のガス流路
から出たガスを放射方向に広げる受け部材を有するの
で、予めガスが広がった状態で放出することができる。
このため、第1のガス流路から直接ガスを放出する場合
と比べて周辺部へのガスの供給量をより均等化すること
ができる。
【0017】また、ガス分散器がプラズマ処理装置の対
向電極を兼ねる場合、ガス分散器の基体とガス放出具と
を基体の周辺部のみならず中央部で接触させることによ
り、ガスをプラズマ化するための高周波電源を基体に接
続して高周波電力を供給した場合、周辺部でのみ接触さ
せた場合と比較して基体とガス放出具との間の電位差を
より低減することが可能となる。このため、それらの間
の放電を防止することができる。
【0018】本発明のプラズマ処理装置においては、上
記ガス分散器を有し、複数の被処理体が環状領域に形成
されたガス放出具に対向して載置される載置台を有して
いるので、ガス放出具から被処理体のほぼ直上にガスが
放出されるようになり、被処理体へのガスの供給量をよ
り均等化することができる。これにより、複数の被処理
体上に膜厚や膜質の均一な膜を形成することができる。
【0019】また、ガス分散器からのガスの供給が場所
により偏っている場合、或いは装置構成上の非対称性に
よるガスの流れが偏っている場合でも、成膜中にガス分
散器を環状領域の方向に回転させることにより被処理体
への反応ガスの供給が均等化され、複数の被処理体上に
膜厚や膜質の均一な膜を形成することができる。更に、
被処理体にバイアス電圧を付与する交流電源が載置台の
電極に接続されることにより、活性粒子を電界による引
力により集めることができ、成膜レートやエッチングレ
ートを高め、さらに緻密な膜を形成することが可能とな
る。
【0020】また、ガス分散器と載置台をそれぞれ兼ね
た対向電極(第1及び第2の電極)とすることにより、
高周波電源が一つですむ。これにより、装置の大型化を
抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形
態に係るプラズマCVD装置について示す側面図であ
る。
【0022】図1において、31は単一の処理チャン
バ、32はウエハ(被処理体)を処理チャンバ31内に
搬入し、又は搬出する搬入/搬出口で、搬入/搬出口を
開閉するバルブ56が設けられている。33は図示しな
い排気装置が接続された排気口である。処理チャンバ3
1内は排気口32を通して排気され、所定の圧力に減圧
可能となっている。
【0023】さらに、処理チャンバ31内にはウエハの
載置台35が取り付けられた回転保持具34と、その載
置台35のウエハの載置面に対向するガス分散器47と
が設けられている。ガス分散器47は、反応ガスを導入
するガス導入口と反応ガスを放出するガス放出孔とを備
え、それらはガス流路により互いにつながっている。ま
た、ガス分散器47のガス導入口にはガス配管が接続さ
れており、ガス配管のガス導入口49はガス配管により
形成されたガス流路48を通してガス分散器47のガス
導入口とつながっている。ガス配管は一部が絶縁体50
で作成されているほかは導電性を有する。
【0024】また、ガス分散器47は反応ガスをプラズ
マ化する対向電極のうちの一の電極(第1の電極)とし
ての機能を有し、導電体で作成されている。そして、ガ
ス分散器47とつながる導電性のガス配管には反応ガス
をプラズマ化するための高周波電源54がマッチング回
路53を介して接続される。高周波電源54の周波数と
して13.56MHzが用いられる。なお、高周波電源
54の周波数として場合により100kHzその他の周
波数が用いられることもある。さらに、ガス導入口49
側の導電性のガス配管は接地される。ガス配管が設置さ
れる理由は、ガス配管に繋がるガスボンベ等を触れた人
が感電しないようにするためである。また、ガス配管の
一部が絶縁体50で作成されている理由は、ガス配管全
体に導電体を用いると、高周波電力が電極としてのガス
分散器47の方に供給されずにガス配管のガス導入口4
9の方に抜けるためである。
【0025】回転保持具34は、載置台35と側壁34
aと下部壁34bと回転軸40とからなり、成膜中に、
回転軸40により一方向に、或いは左右両方向に回転す
る。また、ガス分散器47のガス放出面に対して反対側
の面にはヒータ51が取り付けられている。これは、ガ
ス分散器47から放出される反応ガスにより生成され、
かつガス分散器47に付着する反応生成物はそのままで
は柔らかく、剥離してパーティクルとなり易いので、ガ
ス分散器47を200℃程度に加熱することにより反応
生成物を硬くして剥離しにくくするためである。
【0026】載置台35の詳細を図2(a),(b)に
示す。図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)の
II−II線断面図である。同図によれば、載置台35の表
面にはタンタルやタングステンからなる導電板101が
張られ、この導電板101と接触して反応ガスをプラズ
マ化するためのタンタルやタングステンからなる第2の
電極102が埋め込まれている。第2の電極102は対
向電極の他の電極としての機能を有する。更に、この第
2の電極102の下の載置台35の下部には絶縁体10
4を介してタンタルやタングステンからなるヒータ10
3が埋め込まれている。絶縁体104は、導電板10
1、第2の電極102、及びヒータ103の材料のタン
タルやタングステンと熱膨張係数がほぼ等しい絶縁材
料、例えばアルミナセラミックからなる。
【0027】また、第1の電極102には配線41が接
続され、配線41の他端は図示しない高周波電源とつな
がる。プラズマ生成中に第1の電極102に例えば周波
数380kHzの高周波電力を供給してウエハ55a〜
55dを負電圧にバイアスする。ヒータ103には他の
配線42a,42bが接続され、配線42a,42bの
他端は図示しない直流電源とつながる。ヒータ103に
直流電力を供給して発熱させ、ウエハ55a〜55dを
加熱する。
【0028】ウエハ55a〜55dを負電圧にバイアス
することにより成膜レートを上げることができ、また、
ウエハ55a〜55dを負電圧にバイアスし、加熱する
ことにより形成膜の緻密性を増すことができる。上記載
置台35は次のようにして作成される。即ち、アルミナ
の第1のグリーンシート上にヒータ103を載せ、その
上をアルミナからなる第2のグリーンシートで被覆し、
さらにその上に第2の電極102を載せる。そして第2
の電極102の上をアルミナからなる第3のグリーンシ
ートで被覆した後、第2の電極102上の第3のグリー
ンシートを除去し、第2の電極102を露出する。続い
て、第2の電極102とその周辺部の第3のグリーンシ
ート上に導電板101を載せた後、加熱してグリーンシ
ートを硬化させる。これにより、第2の電極102とヒ
ータ103とが一体的に埋め込まれた載置台35が作成
される。第2の電極102とヒータ103とがセラミッ
ク中に一体的に埋め込まれることにより、熱膨張係数の
差による熱応力に対する強度が増すため、ヒータ102
の加熱によりセラミックにひびが入ったりするのを抑制
することができる。
【0029】なお、上記の高周波電源及び直流電源に配
線41,42a,42bを直結させた場合、載置台35
の回転により配線41,42a,42bは捩れるが、載
置台35の回転を同じ回転数だけ順逆繰り返すことによ
り配線41,42a,42bの捩れを防止することがで
きる。また、高周波電源及び直流電源と配線41,42
a,42bとの接続を電源側と回転軸40側の双方に取
り付けた接触子(ロータリコネクタ)で行えば、一方向
の回転でも配線41,42a,42bの捩れを防止する
ことができる。
【0030】更に、図1に示すように、載置台35の下
側にはウエハ55cを載置台35から着脱させるための
ウエハリフタ38が設けられている。ウエハリフタ38
を押し上げることにより載置台35に形成された貫通孔
に差し込まれたウエハリフトピン39がウエハ55cを
載置台35から離脱させる。また、載置台35は加熱に
より昇温するため、例えば回転軸40と装置との間の隙
間の気密保持のために載置台35の下側に設けられる流
体磁気シールド43の鉄粉グリース43bが熱により変
質する恐れがある。これを避けるため装置下側への熱の
伝達を極力抑制する必要がある。従って、載置台35は
熱伝導を防止し、かつ熱輻射を抑制するため絶縁体36
を介してステンレスの細い支持棒37により数カ所で支
持されて、できるだけ装置下部から遠ざけられている。
なお、流体磁気シールド43は磁石43aと鉄粉グリー
ス43bとからなり、例えば、図示するように、回転軸
40と装置の基台58との間の隙間を密封するため、そ
の隙間に鉄粉グリース43bを詰め、基台58側を磁石
43aで形成して鉄粉グリース43bが移動しないよう
にし、処理チャンバ31内の気密を保持する。
【0031】更に、下部壁34bの中央部には配線4
1,42a,42bを引き出すための貫通孔が形成され
ている。また、その貫通孔の周囲の下部壁34bにはそ
の貫通孔の直径よりも大きい直径の回転軸40が取り付
けられ、配線41,42a,42bは載置台35からそ
の貫通孔を通り、さらに回転軸40の内部を通って引き
出される。
【0032】更に、回転保持具34は、ボールベアリン
グ45の支持により装置の基台58から所定の間隔を保
って保持されている。回転保持具34の下部壁34bの
下面と基台58の上面には、それぞれ同心円状に衝立状
の複数の遮蔽板44が形成され、それらが櫛形にかみ合
って回転保持具34が回転する。互いの遮蔽板44間の
隙間は狭く、隙間の断面形状は幾重にも折れ曲がってつ
づら折りのような形状をしている。このため、隙間のコ
ンダクタンスは小さく、ウエハ55a〜55dに供給さ
れた後に不要となった反応ガスはこの隙間を流れにく
い。また、反応ガスの反応により生成されたパーティク
ルの通過も抑制される。これにより、遮蔽板44の下流
であって回転保持具34の下部壁34bと装置の基台5
8の間に挟まれたボールベアリング45に反応生成物が
付着するのを防止し、更に、パーティクルにより鉄粉グ
リース43b等が汚染されるのを抑制することができ
る。また、これらを通り抜けてきた僅かな反応ガスも装
置の基台58に形成された排気口34aを通って装置の
排気口33から排気される。なお、図示していないが、
排気口34aと排気口33の間はガス配管によりつなが
れている。
【0033】更に、ガス分散器47及び回転保持具34
の側面からの放電を防止するため、ガス分散器47及び
回転保持具34の側面にはこの側面から僅かの隙間をあ
けてダークシールド46が設けられている。次に、図3
(a)〜(c)を参照しながらガス分散器47の詳細に
ついて説明する。図3(a)は断面図、図3(b)は図
3(a)の受け板108の上面図、図3(c)はガス分
散器47の下面図である。図3(a)の受け板108の
部分の断面図は図3(b)のIII-III 線断面に相当し、
図3(a)のガス分散器47全体の断面図は図3(c)
のIV-IV 線断面に相当する。
【0034】図3(a)〜(c)に示すように、ガス分
散器47は、基体105と、環状に複数のガス放出孔1
11が形成された円形状の導電性のガス放出板110と
を有する。ガス放出板110の中央部にはガス放出孔1
11は形成されていない。ガス分散器47を載置台35
上に設置したとき、ガス放出孔111は載置台35の円
周に沿って載置されたウエハと対向する。ガス放出板1
10は基体105の周辺部で基体105に固定されて取
り付けられている。また、基体105の中央部には貫通
穴が形成され、第1のガス流路48となる。第1のガス
流路48は基体105の端面でガスの吹出し口106と
なり、第2のガス流路48を介して複数のガス放出孔1
11とつながっている。
【0035】第2のガス流路48は、第1のガス流路4
8により中央部に導かれたガスを放射方向に分流し、さ
らに中央部から端部に至る中程でガスを中央部方向と周
辺方向に再分流する。そして、中央部の周りの環状領域
に配置されたガス放出孔111により、再分流されたガ
スが放出される。第2のガス流路48の具体的な構造は
以下のようである。即ち、基体105の中央部に凹部1
07が形成され、その凹部107には第1のガス流路4
8の吹出し口106が形成されている。更に、その凹部
107に入り込むような大きさの円板状の導電性の受け
板(受け部材)108が吹出し口106周辺の基体10
5に取り付けられている。受け板108の先端の位置が
ほぼ回転するウエハの中心が描く円周上にくるように、
かつ基体105と受け板108の間に第2のガス流路4
8が形成されるように凹部107の半径と受け板108
の半径は設定される。受け板108にはさらにガス流通
をよくするため、吹出し口106に対向する面に中心部
から放射状にガス流通溝109が形成されている。
【0036】また、ガス放出板110の中央部でガス放
出板110は受け板108と接触している。これによ
り、基体105とガス放出板110とは中央部と周辺部
で電気的な導通がとられることになる。ガス分散器47
を構成する基体105とガス放出板110との周辺部の
みで導通がとられた場合に、高周波電力が印加されたと
きガス放出板110のリードインダクタンスにより基体
105とガス放出板110との間の電位降下が中央部で
より大きくなり、このためガス分散器47の中央部の基
体105とガス放出板110との間で放電するようなと
きに、上記のように基体105とガス放出板110とは
周辺部に加えて中央部で導通がとられることにより、基
体105とガス放出板110との間の電位降下がより小
さくなるため、その間の放電を防止することができる。
【0037】以上のように、本発明の実施の形態によれ
ば、複数のウエハが載置される載置台35が、ガス分散
器47に対して回転移動するようになされているため、
ガス分散器47からの反応ガスの供給が場所により偏っ
ている場合、或いは装置構成上の非対称性による反応ガ
スの流れが偏っている場合でも、成膜中に載置台35を
一方向或いは左右に回転させることによりウエハへの反
応ガスの供給が均等化されるので、複数のウエハ上に膜
厚や膜質の均一な膜を形成することができる。
【0038】また、ガス分散器47と載置台35とをそ
れぞれ兼ねている対向電極をそれぞれ単一の電極とする
ことにより、電極に高周波電力を供給する高周波電源5
4が一つですむ。更に、載置台35のヒータを単一のヒ
ータ103とすることによりそれに電力を供給する電源
が一つですむ。これにより、装置の大型化を防止するこ
とができる。
【0039】更に、載置台35がヒータ103を具備し
ているので、ウエハを加熱しながら、載置台35を回転
移動させることができる。これにより、ウエハの温度を
所定の温度に保持したままでウエハの移動を行うことが
できる。更に、ガス分散器47は、載置台35の円周に
沿って配置された複数のウエハに対向する環状領域にガ
ス放出孔111が設けられ、更に、ガス導入口49と環
状のガス放出孔111とを結ぶ狭いガス流路48を有し
ている。狭いガス流路48を通してガス導入口49から
ガス放出孔111に反応ガスが送られるため、ガス導入
口49から導入された反応ガスは必要以上に広がること
なくガス放出孔111に送られる。このため、ガス放出
孔111への反応ガスの供給が均等化される。さらに、
ウエハと対向するガス放出孔111からウエハのほぼ直
上に反応ガスが供給されるため、ウエハへの反応ガスの
供給量をより均等化することができる。
【0040】次に、上記のプラズマ処理装置を用いて成
膜する方法について図5(a)〜(c)を参照しながら
説明する。シリコン含有反応ガスとしてアルコキシシラ
ンのうちトリメトキシシラン((CH3O)3SiH)を用いる。
図5(a)は配線層が形成された後であって、プラズマ
CVD法によりシリコン含有絶縁膜を形成する前の状態
を示す断面図である。図中、61はシリコン基板、62
はシリコン基板61上に形成されたシリコン酸化膜から
なる下地絶縁膜、63a,63bは下地絶縁膜62上に
形成された、所定の間隔で隣接する配線層である。以上
が被堆積基板としてのウエハ55a〜55dを構成す
る。
【0041】まず、処理チャンバ31内を排気し、所定
の圧力に保持する。続いて、処理チャンバ31内にウエ
ハ55a〜55dを搬入し、回転保持具34の載置台3
5に載置する。次いで、ヒータ103によりウエハ55
a〜55dを加熱し、所定の温度に保持する。この実施
形態の場合、温度300〜400℃とする。また、ヒー
タ51によりガス分散器47を200℃程度に加熱す
る。
【0042】次に、流量100sccmのアルゴンガス
(キャリアガス)により10℃に保温された液状のトリ
メトキシシランをバブリングし、トリメトキシシランを
含むアルゴンガスを生成する。これに酸化性ガスとして
所定の流量のN2 Oガスを加え、ガス分散器47を介し
て処理チャンバ31内に導入する。このとき、処理チャ
ンバ31内の圧力を約1Torrに保持する。
【0043】次いで、回転保持具34を一回転毎に左右
両方向に回転させる。次に、周波数13.56MHz,
電力2kWの高周波電力をガス分散器47に供給すると
ともに、載置台35の第2の電極102に周波数380
kHz,電力2kWの高周波電力を供給する。ガス分散
器47への電力印加により反応ガスはプラズマ化され
て、N2 Oは活性化窒素N*,活性化酸素O*に解離し、
シリコン含有ガスもSi−H結合を含むイオンと電子に
解離する。このとき、載置台35の第2の電極102に
高周波電力を印加しているため電子とイオンの移動度の
差により電子がウエハ55a〜55dに蓄積されてウエ
ハ55a〜55dは負電圧、この場合−80〜−90V
にバイアスされる。これにより、プラズマ化された反応
ガスのイオンがウエハ55a〜55d上に引き寄せられ
て活性化窒素や活性化酸素と反応し、ウエハ55a〜5
5d上に配線層63a,63bを被覆するSiOX y
膜64が形成されはじめる。ウエハ55a〜55dが負
電圧にバイアスされているためウエハへのイオンの到達
量が増え、成膜レートがより大きくなる。また、反応ガ
スはウエハ55a〜55dのほぼ真上から吹き出すので
ウエハ55a〜55dへの反応ガス供給量はより均等に
なる。更に、ウエハ55a〜55dが回転するので、ガ
ス分散器47からの反応ガスの供給が場所により偏って
いる場合、或いは装置構成上の非対称性による反応ガス
の流れが偏っている場合でも、成膜中に載置台35を左
右に回転させることによりウエハ55a〜55dへの反
応ガスの供給が均等化される。
【0044】この状態を所定の時間保持すると、図5
(b)に示すように、所定の膜厚のSiOX y 膜64
が形成される。このとき、ウエハ55a〜55dへの反
応ガスの供給が均等化されているので、複数のウエハ5
5a〜55d上に膜厚や膜質の均一な膜を形成すること
ができる。次いで、図5(c)に示すように、熱CVD
法によりSiOX y 膜64上にシリコン酸化膜65を
形成する。即ち、常圧雰囲気中にウエハ55a〜55d
を置き、ウエハ温度を約400℃に保持した状態で、キ
ャリアガスにより運ばれるTEOSに濃度6%の割合で
3 を含むO3 +O2 ガスを添加した反応ガスを導入す
ることにより、反応ガスを熱的に分解し、反応させてS
iOX y 膜64上にシリコン酸化膜65を形成する。
このとき、下地のSiOX y 膜64はTEOS+O3
の混合ガスを用いた熱CVD法によるシリコン酸化膜6
5との適合性がよいので、シリコン酸化膜65の成膜レ
ートが均一となり、異常成長が抑制され、かつシリコン
酸化膜65のステップカバレージもよい。
【0045】その後、図5(d)に示すように、プラズ
マCVD法により上記と同様な条件で、シリコン酸化膜
65上にSiOX y 膜66を形成すると3層構造の層
間絶縁膜が完成する。以上のように、本発明の実施の形
態によれば、プラズマCVD法による成膜方法におい
て、ウエハ55a〜55d上に供給される反応ガスの供
給量が均等化されるので、ウエハ55a〜55d表面に
は均一な膜厚や膜質のSiOX y 膜64,66が形成
される。
【0046】また、ウエハ55a〜55dのバイアスと
加熱により、形成されたSiOX y 膜64,66はよ
り緻密なものとなる。 (第2の実施の形態)図6は、本発明の第2の実施の形
態に係るプラズマ処理装置を示す側面図である。第1の
実施の形態と異なるところは、回転保持具34に取り付
けられた回転軸40を処理チャンバ31の外部で支えて
いることである。
【0047】即ち、図1に示す回転保持具34の下部壁
34bの下面と装置の基台58上面の反応ガスの流れを
抑制するための遮蔽板44と、回転保持具34を支える
ためのボールベアリング45とが取り除かれ、かわり
に、図2に示すように、基台58の下側の処理チャンバ
31の外部で回転軸40がボールベアリング60により
回転可能なように支持されていることである。なお、図
中、59aは回転軸40に取り付けられたベアリング受
け具、59bは処理チャンバ31の外部の装置とは別の
箇所に固定して取り付けられたベアリング受け具であ
る。
【0048】これにより、回転軸40の支持部でのボー
ルベアリング45の磨耗に起因する発塵の影響が装置内
部に及ぶのを防止することができる。 (第3の実施の形態)図7は、本発明の第3の実施の形
態に係るプラズマ処理装置の載置台の部分を示す上面図
である。第1の実施の形態と異なるところは、ヒータ1
03a〜103dがウエハ55a〜55dの各載置部に
独立に設置されていることである。
【0049】これにより、各ウエハ55a〜55dを別
個に独立に加熱することができる。従って、ウエハ55
a〜55dの各載置部での熱伝導度が異なる場合や単一
のヒータではヒータの発熱量が異なってくるような場
合、各ヒータ103a〜103dの発熱量を調整してウ
エハ55a〜55d間の温度の均一化を図ることができ
る。
【0050】(第4の実施の形態)図8(a)は、本発
明の第4の実施の形態に係るプラズマ処理装置のガス分
散器を示す断面図、図8(b)は図8(a)の下面図で
ある。図8(a)は図8(b)のV−V線断面に相当す
る。第1の実施の形態と異なるところは、4箇所独立に
反応ガスを供給することができるガス放出部を有するガ
ス分散器47aを備えていることである。図中、106
a〜106dは各々独立に反応ガスを流すことができる
ように形成された、ガス分散器47aの複数のガス導入
口とそれぞれ独立に繋がる複数のガス流路であり、11
1a〜111dは各ガス放出部のガス放出板110aに
形成された複数のガス放出孔である。
【0051】従って、製作後のガス分散器47aのガス
流路の長さや内径等が場所により異なっている場合で
も、ガス分散器47aの各ガス導入口から導入する反応
ガスの流量調整により各ガス放出部から放出される反応
ガスの放出量を均等にすることが可能となる。これによ
り、均一な膜厚、膜質の異なる種類の多層膜をウエハ上
に形成することができる。
【0052】この場合にも、対向電極は各々単一の電極
からなるので、高周波電源は一つでよく、装置の大型化
を抑制することができる。また、ウエハの温度を所定の
温度に保持したままでウエハの移動と連続的な成膜が可
能となる。これにより、所定の温度にウエハの温度を設
定し、かつガス流量等を設定しておけば、成膜が終了す
るまでウエハの温度やガス流量などを再調整する必要が
ないので、成膜条件の変動を受けることがなく、成膜条
件の精度を向上させることができる。
【0053】(第5の実施の形態)図9(a),(b)
は、本発明の第5の実施の形態に係るプラズマ処理装置
のガス分散器47に接続されたガス配管の部分を示す下
面図である。図1及び図4に示す第1の実施の形態と異
なるところは、ガス配管の一部に絶縁体50を用いずに
ガス配管は導電体で形成されていること、かつ高周波電
源54の接続部よりも上流のガス配管をコイル状に加工
していることである。なお、図4は図1のガス分散器4
7に接続されたガス配管の部分を簡略化した図である。
【0054】コイル状に形成されたガス配管112は高
周波電力の導通を阻止するコイルとしての機能を有し、
従って、図1及び図4に示すように、高周波電源54の
接続部よりも上流側のガス配管の一部に絶縁体50を介
在させなくても高周波電源54から供給された高周波電
力がガス配管のガス導入口49側に抜けるのを防止する
ことができる。
【0055】ガス配管で形成されたコイル112の具体
例について、そのインピーダンスを計算すると以下のよ
うになる。即ち、高周波電源54の周波数が13.56
MHzの場合、例えば、コイル112の内径50mm、
巻数4.5ターン、長さ40mmとすると、コイル11
2のインピーダンスは110Ω程度となる。このとき、
同じ周波数で、プラズマの抵抗は1Ω以下と見積もられ
るので、高周波電力はガス配管のガス導入口49側に抜
けないで殆どガス分散器47側に供給されることにな
る。
【0056】なお、上記の実施の形態では、ガス分散器
47,47aを固定し、載置台35の方を回転させてい
るが、逆に、載置台35の方を固定し、ガス分散器4
7,47aの方を回転させても上記の実施の形態と同様
な効果が得られる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明のガス分散器で
は、第1のガス流路により中央部に導かれたガスを放射
方向に分流し、さらに中央部から端部に至る中程でガス
を中央部方向と周辺方向に再分流する第2のガス流路
と、再分流されたガスを放出する、中央部の周りの環状
領域に配置されたガス放出孔とを有する。即ち、第2の
ガス流路は、第1のガス流路から導入されたガスを受け
て放射方向に導くガス受け部材と環状のガス放出具とに
より形成されている。
【0058】従って、第1のガス流路から出たガスは必
要以上に広がることなくガス放出孔に送られるので、ガ
ス放出孔へのガスの供給が均等化される。さらに、第1
のガス流路から出たガスを放射方向に広げる受け板を有
するので、予めガスが広がった状態で放出することがで
きるので、予めガスが広がった状態でガス放出孔から放
出し、周辺部へのガスの供給量をより均等化することが
できる。
【0059】また、基体の周辺部のみならず中央部でガ
ス放出具と基体と接触させることにより、基体を介して
ガスをプラズマ化するための高周波電力をガス放出具に
供給した場合、基体とガス放出具との間の電位差をより
低減させて、それらの間の放電を防止することができ
る。本発明のプラズマ処理装置においては、上記ガス分
散器を有し、複数の被処理体がガス放出具の環状領域に
対向して載置されている載置台を有しているので、ガス
放出具から被処理体のほぼ直上にガスが放出されるよう
になり、被処理体への反応ガスの供給量をより均等化し
て、複数の被処理体上に膜厚や膜質の均一な膜を形成す
ることができる。
【0060】また、ガス分散器からの反応ガスの供給が
場所により偏っている場合、或いは装置構成上の非対称
性による反応ガスの流れが偏っている場合でも、成膜中
にガス分散器を環状方向に回転させることにより被処理
体への反応ガスの供給が均等化され、複数の被処理体上
に膜厚や膜質の均一な膜を形成することができる。更
に、被処理体にバイアス電圧を付与する交流電源が載置
台の電極に接続されることにより、活性粒子を電界によ
る引力により集めることができ、成膜レートやエッチン
グレートを高め、さらに緻密な膜を形成することが可能
となる。
【0061】また、ガス分散器と載置台をそれぞれ兼ね
た対向電極(第1及び第2の電極)とすることにより、
高周波電源が一つですむ。これにより、装置の大型化を
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプラズマCV
D装置の全体構成について示す側面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の第1の実施の形態に係
るプラズマCVD装置のウエハの載置台の詳細について
示す平面図、図2(b)は図2(a)のII−II線断面図
である。
【図3】図3(a)は本発明の第1の実施の形態に係る
プラズマCVD装置のガス分散器の詳細について示す断
面図、図3(b)は受け板部分の平面図、図3(c)は
平面図である。図3(a)の受け板の断面図は図3
(b)のIII-III 線断面に相当し、図3(a)の断面図
は図3(c)のIV-IV 線断面に相当する。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るプラズマCV
D装置のガス分散器のガス配管部分の詳細について示す
側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るプラズマCV
D装置を用いて絶縁膜を作成する方法について示す断面
図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプラズマCV
D装置の全体構成について示す側面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るプラズマCV
D装置のウエハの載置台の詳細について示す平面図であ
る。
【図8】図8(a)は本発明の第4の実施の形態に係る
プラズマCVD装置のガス分散器の詳細について示す断
面図、図8(b)は平面図である。図8(a)は図8
(b)のV−V線断面に相当する。
【図9】図9(a)は本発明の第5の実施の形態に係る
プラズマCVD装置のガス分散器のガス配管部分の詳細
について示す側面図、図9(b)は図9(a)の模式図
である。
【図10】従来例に係るマルチチャンバ式CVD装置の
全体構成について示す平面図である。
【図11】従来例に係るウオーキングビーム式CVD装
置の全体構成について示す平面図である。
【図12】図12(a)は従来例に係るマルチリアクタ
式CVD装置の全体構成について示す平面図、図12
(b)は図12(a)のI−I線断面図である。
【符号の説明】
31 処理チャンバ、 32 搬入/搬出口、 33,34a 排気口、 34 回転保持具、 34a 側壁、 34b 下部壁、 35 載置台、 36 絶縁体、 37 支持棒、 38 ウエハリフタ、 39 ウエハリフトピン、 40 回転軸、 41,42a,42b 配線、 43 流体磁気シールド、 43a 磁石、 43b 鉄粉グリース、 44 遮蔽板、 45,60 ボールベアリング、 46 ダークシールド、 47,47a ガス分散器、 48,48a〜48d ガス流路、 49 ガス導入口、 50,104 絶縁体、 51,103,103a〜103d ヒータ、 52 冷却機、 53 マッチング回路、 54 高周波電源、 55a〜55d ウエハ(被処理体)、 56,57,113 バルブ、 58 基台、 59a,59b ベアリング受け具、 61 シリコン基板、 62 下地絶縁膜、 63a,63b 配線、 64,66 SiOx y 膜、 65 シリコン酸化膜、 101 導電板、 102 電極、 105,105a 基体、 106,106a〜106d 吹出し口、 107 凹部、 108 受け板(受け部材)、 109 ガス流通溝、 110,110a ガス放出板、 111,111a〜111d ガス放出孔、 112 コイル状ガス配管。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05H 1/46 H01L 21/302 C (72)発明者 前田 和夫 東京都港区港南2−13−29 株式会社半導 体プロセス研究所内 (72)発明者 青木 淳一 東京都港区三田3−11−28キャノン販売株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部にガスを導く第1のガス流路と、 前記中央部に導かれたガスを放射方向に分流し、さらに
    前記中央部から端部に至る中程で前記ガスを前記中央部
    方向と周辺方向に再分流する第2のガス流路と、 前記再分流されたガスを放出する、前記中央部の周りの
    環状領域に配置されたガス放出孔とを有する第1の電極
    を兼ねたガス分散器。
  2. 【請求項2】 中央部に凹部が形成され、該凹部にガス
    を導入する貫通穴を有する基体と、 前記凹部内に設置され、放射方向に前記ガスを導くガス
    受け部材と、 前記受け部材によって導かれたガスを放出する、環状の
    ガス放出具とを備えたことを特徴とするガス分散器。
  3. 【請求項3】 前記ガス放出具は、前記ガス放出具の外
    周部で前記基体と接触し、かつ前記ガス放出部の内周部
    で前記受け部材を介して前記基体と接触していることを
    特徴とする請求項2に記載のガス分散器。
  4. 【請求項4】 前記ガス放出具は、前記環状領域に複数
    分布している前記ガス放出孔を有することを特徴とする
    請求項2又は請求項3のいずれかに記載のガス分散器。
  5. 【請求項5】 前記ガス分散器は前記環状領域の方向に
    回転可能となっていることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載のガス分散器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    のガス分散器と、 第2の電極であって、前記ガス分散器に対向し、かつ固
    定して設置された、前記環状領域に対面して載置される
    被処理体の載置部を有する被処理体の載置台とを具備す
    ることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 前記ガス分散器に前記ガスをプラズマ化
    する高周波電源が接続されていることを特徴とする請求
    項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 前記載置台に載置される被処理体にバイ
    アス電圧を付与する交流電源が前記載置台に接続されて
    いることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のプ
    ラズマ処理装置。
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