JPH0920732A - アリールアルキル系4級アンモニウム化合物、及び当該アンモニウム化合物を含有する電気メッキ浴 - Google Patents

アリールアルキル系4級アンモニウム化合物、及び当該アンモニウム化合物を含有する電気メッキ浴

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JPH0920732A
JPH0920732A JP18835595A JP18835595A JPH0920732A JP H0920732 A JPH0920732 A JP H0920732A JP 18835595 A JP18835595 A JP 18835595A JP 18835595 A JP18835595 A JP 18835595A JP H0920732 A JPH0920732 A JP H0920732A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規の4級アンモニウム化合物を使用して、
電着皮膜の光沢性、均一電着性、並びにハンダ付け性を
改善する。 【構成】 下記の(I)式の化合物を一例とする新規のア
リールアルキル系4級アンモニウム化合物を新規に合成
し、当該化合物をメッキ浴に含有して電気メッキを施
す。 【化1】 これにより、メッキ皮膜の均一電着性及びハンダ付け性
が向上し、公知の4級アンモニウム化合物を使用した場
合に比べて、光沢性もさらに改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規のアリールアルキル
系4級アンモニウム化合物、並びにこの化合物を含有す
る電気メッキ浴に関し、光沢性を向上するとともに、ハ
ンダ付け性や均一電着性に優れた各種金属類、或はこれ
らの合金類のメッキ皮膜が得られる電気メッキ浴を提供
する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、他の出願人と共同で、特開
昭59―182986号公報で、スズ、鉛、或はスズ−
鉛合金(即ち、ハンダ)メッキ浴にノニオン系界面活性剤
や平滑剤を加えて、密着性又は平滑性などを改善する発
明を開示したが、この発明では、同時に、第4級アルキ
ルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ベタイン型などの
カチオン系界面活性剤を浴に補助添加すると、高電流部
でのヤケ及びデンドライト(樹脂状物)の生長を抑制でき
ることも併記した(同公報第3頁左上欄〜右上欄参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、カ
チオン系界面活性剤の添加により、ヤケなどを防止して
光沢性(即ち、鏡面状の光沢や曇りガラス状の半光沢)の
良いスズ、鉛、或はハンダのメッキ皮膜が得られる。そ
こで、本発明は上記金属、或は合金以外の電気メッキに
も適用範囲を拡大して、各種金属などの電着皮膜の光沢
性をさらに改善するとともに、併せて、上記従来技術で
特段には言及しなかったハンダ付け性や均一電着性の点
でも、これらの性能の向上を図ることを技術的課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記従来技術では、カチ
オン系界面活性剤の具体例として、ベンジルジメチルド
デシルアンモニウム塩、ベンジルジメチルヘキサデシル
アンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩な
どのベンジルトリアルキル化合物が挙げられるが、本発
明者らは、このベンジルアンモニウム化合物のうちのあ
る種のものがメッキ皮膜の展延性に影響を及ぼすという
現象を見出したのを出発点として、文献未記載である一
連のアリールアルキル系の第4級アンモニウム化合物を
新規に合成して、これらのアンモニウム化合物のメッキ
皮膜への作用を鋭意研究した。
【0005】その結果、上記特定のアリールアルキル系
の4級アンモニウム化合物をメッキ浴に添加して電気メ
ッキを施すと、前記従来技術の公知のベンジルアンモニ
ウム化合物を使用した場合に比べて、メッキ皮膜の光沢
性がさらに改善されるとともに、ハンダ付け性や均一電
着性の点でも優れた作用を奏することを見出し、本発明
を完成した。
【0006】即ち、本発明1は、次の一般式(I)
【0007】
【化12】
【0008】(式(I)中、R1はC120アルキルであ
る;R2はC15アルキルである;R3はC15アルキ
ル、又は下記の(1)〜(10)式に示すアリールアルキル型
置換基のいずれかである;
【0009】
【化13】
【0010】
【化14】
【0011】
【化15】
【0012】
【化16】
【0013】
【化17】
【0014】
【化18】
【0015】
【化19】
【0016】
【化20】
【0017】
【化21】
【0018】
【化22】
【0019】R4は上記(1)〜(10)式に示すアリールアル
キル型置換基のいずれかである;Xはハロゲン、ヒドロ
キシル、C15アルカンスルホネート、パークロレイ
ト、サルフェート、ホスフェート、アセテート、テトラ
フルオロボレート、ベンゼンスルホネート、p−トルエ
ンスルホネートである;YはC15アルキル、ハロゲ
ン、C15アルコキシ、C15アルキルチオ、NO2
CN、(C=O)C13アルキル、S-O-C13アルキ
ル、SO2-C13アルキルであるが、但し、R4のYが
メチル又はハロゲンの場合、R3は前記アリールアルキ
ル型置換基であり、また、R3とR4がともに上記(1)式
のアリールメチル置換基である場合に限り、ベンゼン環
に結合するYはともに水素であっても良い;Zは水素、
15アルキル、ハロゲン、C15アルコキシ、C15
アルキルチオ、NO2、CN、(C=O)C13アルキル、
S-O-C13アルキル、SO2-C13アルキルである;
mは1〜3の整数である;nは2〜5の整数である。)で
表されるアリールアルキル系4級アンモニウム化合物で
ある。
【0020】本発明2は、上記本発明1のアリールアル
キル系4級アンモニウム化合物を含有することを特徴と
する電気メッキ浴である。
【0021】本発明3は、上記本発明2において、ノニ
オン系界面活性剤を添加することを特徴とするものであ
る。
【0022】上記アリールアルキル系4級アンモニウム
化合物において、アリールアルキル基は、置換基を有す
る(又は有さない)アリールメチル、ジアリールメチル、
或は、アリールエチル、アリールプロピルなどであり、
当該アリールは、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン
環、チオフェン環、ベンゾチアゾール環、イソオキサゾ
ール環、ピリジン環、ベンゾイル基などである。アリー
ルアルキル基がベンジルの場合、環に結合する置換基Y
はC25アルキル、C15アルコキシ、C15アルキル
チオなどが好ましい。アリールがフェニルエチル、ナフ
タレン環、フラン環、チオフェン環、ベンゾチアゾール
環、イソオキサゾール環、ピリジン環の場合、環に結合
する置換基Zは、ゼロである(即ち、ZはHである)か、
ハロゲン、C15アルキル、C15アルコキシ、C15
アルキルチオなどが好ましい。
【0023】従って、上記アリールアルキル系4級アン
モニウム化合物を上位概念的に表現すると、例えば、ト
リアルキルと一つのアリールアルキルを有する4級アン
モニウム塩や、ジアルキルと二つのアリールアルキルを
有する4級アンモニウム塩などであり、中でも、置換ベ
ンジル・トリアルキル、置換ナフチルメチル・トリアルキ
ル、置換フルフリル・トリアルキル、置換テニル・トリア
ルキルなどのアンモニウム塩が好ましい。
【0024】但し、R4のYがメチル又はハロゲンの場
合、R3はC15アルキル以外の前記アリールアルキル
型置換基であることを要し、逆言すると、R4のYがメ
チル又はハロゲン以外の場合には、R3はC15アルキ
ルであっても良いし、これ以外のアリールアルキル型置
換基であっても差し支えない。即ち、R3にC15アル
キルを選択し、且つ、R4に置換ベンジルを選択した場
合にだけYは制限を受け、この場合には、R4のベンゼ
ン環の置換基Yはメチルやハロゲンが排除されるのであ
る。また、R3とR4がともにベンジルメチル置換基の場
合に限り、ベンゼン環に結合するYはともに水素であっ
ても良い。従って、本発明1の化合物には、2個の無置
換のベンジル基と2個のアルキル基を有する(ジベンジ
ル)ジアルキルアンモニウム塩が含まれる。
【0025】そこで、上記アリールアルキル系4級アン
モニウム化合物の好ましい具体例を挙げると、下記の通
りである。 (1)(p−ニトロベンジル)ジメチルオクタデシルアンモ
ニウム塩 (2)(4−メチルナフチルメチル)ジメチルドデシルアン
モニウム塩 (3)(p−メトキシベンジル)ジメチルドデシルアンモニ
ウム塩 (4)(2,4−ジメトキシベンジル)ジメチルドデシルアン
モニウム塩 (5)(ジベンジル)ドデシルメチルアンモニウム塩 (6)(p−エトキシベンジル)ジエチルヘキサデシルアン
モニウム塩 (7)(フルフリル)ジメチルドデシルアンモニウム塩 (8)(2−テニル)ジメチルヘキサデシルアンモニウム塩 (9)(p−フルオロフェネチル)ジメチルテトラデシルア
ンモニウム塩 (10)(2,4−ジエチルベンジル)ジメチルオクタデシル
アンモニウム塩 (11)(p−メチルチオベンジル)ジメチルテトラデシルア
ンモニウム塩 (12)(p−メチルチオベンジル)ジエチルヘキサデシルア
ンモニウム塩 (13)(2,4−ジメトキシベンジル)ジメチルオクタデシ
ルアンモニウム塩 (14)(2,4−ジメチルベンジル)ジメチルテトラデシル
アンモニウム塩 (15)(p−イソプロポキシベンジル)ジメチルテトラデシ
ルアンモニウム塩 (16)(p−イソプロポキシベンジル)ジエチルヘキサデシ
ルアンモニウム塩 (17)(2,4−ジイソプロポキシベンジル)ジメチルドデ
シルアンモニウム塩 (18)(4−フルオロフルフリル)ジメチルドデシルアンモ
ニウム塩 (19)(4−メチルフルフリル)ジメチルヘキサデシルアン
モニウム塩 (20)(4−メトキシフルフリル)ジメチルオクタデシルア
ンモニウム塩 (21)(4−メトキシテニル)ジエチルテトラデシルアンモ
ニウム塩など
【0026】また、上記アンモニウム化合物のアニオン
部分Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、メタンスルホネート
などが好ましい。
【0027】上記アンモニウム化合物の合成では、例え
ば、先ず、次式(A)で示すように、フェニルリチウムの
存在下にエーテル中でジアルキルアミンとハロゲン化ア
ルキルを還流により反応させて、トリアルキルアンモニ
ウム塩を生成させる。 R12-N-H+R3X→(R12-N-R3H)+- …(A) (R1、R2、R3はアルキル基、Xはハロゲンである。) 又は、次式(B)で示すように、アルキルアミンにギ酸と
ホルムアルデヒドを反応させる。 R1−NH2+2CH2O+2HCOOH→R1-N-(CH3)2 …(B) (R1はアルキル基である。) 次いで、上記(A)又は(B)のアンモニウム塩にアルカリ
を作用させて第三アミン(R12-N-R3)を分離し、こ
れに例えばハロゲン化アリールアルキルをアルカルの存
在下、若しくは非存在下に反応させて、トリアルキル・
アリールアルキル4級アンモニウム化合物を生成する
(次式(C)参照)。 R12-N-R3+Ar-R-X→(R123-N-R-Ar)+- …(C) (Ar-R-はアリールアルキル基である。)
【0028】この場合、一般に、ジオキサンなどの溶剤
の存在下で、温度70〜100℃、時間3〜20時間程
度の条件で反応を行う。
【0029】上記アリールアルキル系アンモニウム化合
物は単用又は併用でき、その添加量は、メッキ浴全体に
対して、一般に0.01〜10g/l、好ましくは0.1
〜3g/lである。
【0030】上記本発明2の電気メッキ浴は、スズ、
鉛、亜鉛、銅、カドミウム、ニッケル等の金属、若しく
は、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−亜鉛、ニッケル
−スズ等の合金など、電気メッキ可能な金属類の広義の
メッキ浴を意味する。そして、当該電気メッキ浴には、
主に、硫酸浴、ホウ酸浴、ホウフッ化浴、ケイフッ化
浴、塩化物浴、有機スルホン酸浴、或はスルファミン酸
浴などが用いられるが、この外にも、通常の電気メッキ
浴に使用される媒体系であれば限定を受けずに使用でき
る。
【0031】また、例えば、ハンダメッキ浴では、有機
スルホン酸、即ち、アルカンスルホン酸、アルカノール
スルホン酸又は芳香族スルホン酸に、スズと鉛の供給源
を加えたものを基本組成とするメッキ浴が好ましい。こ
の場合、上記有機スルホン酸は単用又は併用でき、その
添加量は、一般に30〜400g/l、好ましくは70
〜150g/lである。
【0032】上記アルカンスルホン酸は、次の一般式を
有し、 R―SO3H (式中、R=C1〜5のアルキル基) 具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プ
ロパンスルホン酸、2―プロパンスルホン酸、ブタンス
ルホン酸、2―ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸
などである。
【0033】上記アルカノールスルホン酸は、次の一般
式を有し、 HO―R―SO3H (式中、R=C1〜5のアルキル基、但し、OH基はアル
キル基の任意の位置にあって良い。) 具体的には、イセチオン酸(2―ヒドロキシエタン―1
―スルホン酸)、2―ヒドロキシプロパン―1―スルホ
ン酸、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―
ヒドロキシプロパン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシ
ブタン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブタン―1―
スルホン酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸
などである。
【0034】また、上記芳香族スルホン酸は、基本的に
はフェノールスルホン酸やクレゾールスルホン酸などで
ある。
【0035】一方、本発明2の電気メッキ浴では、当該
浴の分散性を高め、平滑なメッキを得るために、ノニオ
ン系、アニオン系、両性などの種々の界面活性剤を添加
することができる。特に、本発明3のノニオン系界面活
性剤は、メッキ外観を向上させるとともに、つき回り性
を改善する点で効果がある。
【0036】本発明で有効に使用できる上記ノニオン系
界面活性剤は、(イ)ポリアルキレングリコール、(ロ)高
級アルコール、フェノール、ルキルフェノール、ナフト
ール、アルキルナフトール、ビスフェノール類、スチレ
ン化フェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、アルキレンジ
アミン、脂肪族アミド、スルホンアミド、りん酸、多価
アルコール、グリコシド等のポリアルキレン付加物など
が挙げられる。
【0037】一方、前記アニオン系界面活性剤として
は、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などが挙げ
られる。
【0038】上記両性界面活性剤としては、例えば、イ
ミダゾリン、ベタイン、スルホベタイン、アミノカルボ
ン酸などが挙げられる。
【0039】上記ノニオン系界面活性剤の添加量は、一
般に0.1〜50g/l、好ましくは0.1〜20g/l
である。また、適宜併用されるアニオン系界面活性剤及
び両性界面活性剤の添加量は、一般に0.01〜20g
/l、好ましくは0.1〜5g/lである。
【0040】他方、本発明2の電気メッキ浴には、必要
に応じて、平滑剤、光沢助剤、半光沢助剤、応力減少
剤、湿潤剤、或は、酸化防止剤などの種々の添加剤を加
えても差し支えない。例えば、スズやハンダなどのメッ
キ浴では、スズが2価から4価に酸化するのを防止する
ために上記酸化防止剤が添加され、具体的には、ハイド
ロキノン、レゾルシン、カテコール、フロログルシン、
ピロガロール、α又はβ―ナフトール、フェノールスル
ホン酸、クレゾールスルホン酸などが使用される。
【0041】上記酸化防止剤の添加量は、一般に0.0
5〜5g/l、好ましくは0.2〜2g/lである。
【0042】また、本発明のメッキ浴での上記各成分の
濃度は、バレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッ
キ、スルホールメッキ等に対応して任意に選択できる。
適用温度範囲は常温で良く、高速度メッキでは50〜6
0℃程度に昇温する。
【0043】
【作用及び効果】
(1)本発明1では、電気メッキ浴の添加剤として使用す
ることで、メッキ皮膜を改善できるなどの効果を備えた
新規のアリールアルキル系の4級アンモニウム化合物を
提供できる。
【0044】(2)後述の試験結果に示すように、上記(1)
のアリールアルキル系4級アンモニウム化合物を含有す
る本発明2のメッキ浴を使用して電気メッキを行うと、
無添加の場合に比べてハンダ付け性(即ち、ハンダ濡れ
性)に優れたメッキ皮膜が得られる。また、本発明2の
メッキ浴から得られる電着皮膜では、種々の電流密度下
でもメッキ膜厚のバラつきが少なく、一次電流分布比に
対する実際のメッキの析出比の関係を示すメッキ皮膜の
均一電着性を向上できる。
【0045】(3)後述の試験結果に示すように、電気メ
ッキ浴に本発明1の4級アンモニウム化合物を添加する
と、適正な電流範囲において、冒述の従来技術に示され
た公知の4級アンモニウム化合物を使用した場合に比べ
て、焼けやコゲがない状態でメッキ皮膜の光沢性をさら
に改善して、鏡面状の光沢、或は曇りガラス状の半光沢
の緻密なメッキ面が得られ、メッキ外観を向上できる。
【0046】(4)上記4級アンモニウム化合物の外に、
ノニオン系界面活性剤を併用添加すると、メッキ皮膜の
付き回り性、メッキ外観、密着性、及び平滑性などがさ
らに向上する。
【0047】
【実施例】以下、本発明のアンモニウム化合物の製造実
施例を順次述べるととともに、製造した各種化合物を含
有させてメッキ浴を調製し、電気メッキで得られた皮膜
の光沢性、均一電着性、並びにハンダ付け性の各種の試
験結果を併記する。尚、本発明は下記の実施例に拘束さ
れるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で多く
の変形をなし得ることは勿論である。
【0048】《製造実施例1》下記の手順で(p−ニト
ロベンジル)ジメチルオクタデシルアンモニウムクロラ
イドを生成した。即ち、ジメチルオクタデシルアミン1
0gをジオキサン30mlに溶解し、次いで、炭酸水素
ナトリウム0.1gを加えた。この溶液をスターラーで
撹拌しながら80℃に加熱するとともに、p−ニトロベ
ンジルクロライド5.77gをジオキサン15mlに溶
解した液を20分かけて前記加熱溶液に滴下した。滴下
終了後、撹拌しながら90〜95℃、10時間の条件下
で上記両化合物を反応させた。反応終了後、溶媒を留去
し、ヘキサンを用いて得られた粉末を濾過し、固化粉砕
した(即ち、トリチュレートした)。次いで、固形物を濾
過して上記アンモニウム化合物14.6gを得た。
【0049】当該アンモニウム化合物の各種機器分析に
よる同定結果は次の通りであった。 (1)元素分析値:C274922Clとして 計算値(%):C 69.15;H 10.46;N 5.98 実測値(%):C 68.71;H 10.12;N 5.74 (2)IR:2920cm-1(-CH2-);1520、146
0cm-1(-NO2)
【0050】《製造実施例2》下記の手順で(4−メチ
ルナフチルメチル)ジメチルドデシルアンモニウムブロ
マイドを生成した。即ち、ジメチルドデシルアミン8g
をジオキサン30mlに溶解し、次いで、炭酸水素ナト
リウム0.1gを加えた。この溶液をスターラーで撹拌
しながら80℃に加熱するとともに、4−メチルナフチ
ルメチルブロマイド8.82gをジオキサン30mlに
溶解した液を30分かけて前記加熱溶液に滴下した。滴
下終了後、撹拌しながら90〜95℃、8時間の条件下
で上記両化合物を反応させた。反応終了後、溶媒を留去
し、ヘキサンでトリチュレートした。次いで、固形物を
濾過して上記アンモニウム化合物15.51gを得た。
【0051】当該アンモニウム化合物の各種機器分析に
よる同定結果は次の通りであった。 (1)元素分析値:C2642NBrとして 計算値(%):C 69.64;H 9.38;N 3.13 実測値(%):C 68.74;H 8.58;N 2.76 (2)IR:820、750cm-1(ナフチレン(1,4-)基)
【0052】《製造実施例3》(p−メトキシベンジル)
ジメチルドデシルアンモニウムメタンスルホネートの製
造例を示す。即ち、ジメチルドデシルアミン10g、及
びメタンスルホン酸p−メトキシベンジル10.1g
を、前記製造実施例1と同様の処理条件下で反応させ
て、上記アンモニウム化合物18.53gを得た。
【0053】当該アンモニウム化合物の各種機器分析に
よる同定結果は次の通りであった。 (1)元素分析値:C2343NO4Sとして 計算値(%):C 64.34;H 10.02;N 3.26 実測値(%):C 65.85;H 10.35;N 3.81 (2)IR:1240、1030cm-1(-OCH3)
【0054】《製造実施例4》(2,4−ジメトキシベン
ジル)ジメチルドデシルアンモニウムメタンスルホネー
トの製造例を示す。即ち、ジメチルドデシルアミン8
g、及びメタンスルホン酸2,4−ジメトキシベンジル
9.24gを、前記製造実施例1と同様の処理条件下で
反応させて、上記アンモニウム化合物15.74gを得
た。
【0055】当該アンモニウム化合物の各種機器分析に
よる同定結果は次の通りであった。 (1)元素分析値:C2445NO5Sとして 計算値(%):C 62.75;H 9.80;N 3.05 実測値(%):C 63.81;H 10.35;N 3.64 (2)IR:1250、1035cm-1(-OCH3)
【0056】《製造実施例5》(ジベンジル)ドデシルメ
チルアンモニウムブロマイドの製造例を示す。即ち、ド
デシルメチルアミン5g、及びベンジルブロマイド8.
6gを用いることにより、前記製造実施例1と同様の処
理条件下で反応させて、上記アンモニウム化合物10.
54gを得た。
【0057】当該アンモニウム化合物の元素分析による
同定結果は次の通りであった。 元素分析値:C2742NBrとして 計算値(%):C 70.43;H 9.13;N 3.04 実測値(%):C 71.15;H 9.68;N 3.57
【0058】《製造実施例6》(p−エトキシベンジル)
ジエチルヘキサデシルアンモニウムベンゼンスルホネー
トの製造例を示す。即ち、ジエチルヘキサデシルアミン
8g、及びベンゼンスルホン酸p−エトキシベンジル
7.8gを、前記製造実施例1と同様の処理条件下で反
応させて、上記アンモニウム化合物14.47gを得
た。
【0059】当該アンモニウム化合物の各種機器分析に
よる同定結果は次の通りであった。 (1)元素分析値:C3559NO4Sとして 計算値(%):C 71.31;H 10.02;N 2.38 実測値(%):C 70.73;H 9.79;N 2.18 (2)IR:1240、1030cm-1(-OC25)
【0060】《製造実施例7》(フルフリル)ジメチルド
デシルアンモニウムブロマイドの製造例を示す。即ち、
ジメチルドデシルアミン10g、及びフルフリルブロマ
イド7.5gを、前記製造実施例1と同様の処理条件下
で反応させて、上記アンモニウム化合物16.03gを
得た。
【0061】当該アンモニウム化合物の元素分析による
同定結果は次の通りであった。 元素分析値:C1936NOBrとして 計算値(%):C 60.96;H 9.63;N 3.74 実測値(%):C 60.08;H 9.17;N 3.39
【0062】《製造実施例8》(2−テニル)ジメチルヘ
キサデシルアンモニウムブロマイドの製造例を示す。即
ち、ジメチルヘキサデシルアミン7g、及び2−テニル
ブロマイド4.6gを、前記製造実施例1と同様の処理
条件下で反応させて、上記アンモニウム化合物10.4
8gを得た。
【0063】当該アンモニウム化合物の元素分析による
同定結果は次の通りであった。 元素分析値:C2344NSBrとして 計算値(%):C 61.88;H 9.87;N 3.1
4;S 7.17 実測値(%):C 62.73;H 10.27;N 3.5
7;S 7.34
【0064】《製造実施例9》(p−フルオロフェネチ
ル)ジメチルテトラデシルアンモニウムp−トシレート
の製造例を示す。即ち、ジメチルテトラデシルアミン1
0g、及びp−トルエンスルホン酸p−フルオロフェネ
チル12.1gを、前記製造実施例1と同様の処理条件
下で反応させて、上記アンモニウム化合物20.31g
を得た。
【0065】当該アンモニウム化合物の元素分析による
同定結果は次の通りであった。 元素分析値:C3150NO3SFとして 計算値(%):C 69.53;H 9.35;N 2.62 実測値(%):C 68.97;H 9.13;N 2.47
【0066】《製造実施例10》(2,4−ジエチルベン
ジル)ジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの
製造例を示す。即ち、ジメチルオクタデシルアミン7
g、及び2,4−ジエチルベンジルクロライド4.3g
を、前記製造実施例1と同様の処理条件下で反応させ
て、上記アンモニウム化合物10.28gを得た。
【0067】当該アンモニウム化合物の元素分析による
同定結果は次の通りであった。 元素分析値:C3158NClとして 計算値(%):C 77.58;H 12.10;N 2.92 実測値(%):C 78.12;H 12.59;N 3.18
【0068】以下、上記製造実施例の各アンモニウム化
合物を用いてメッキ浴を建浴し、電気メッキを施して、
得られたメッキ皮膜について各種の試験を行った。
【0069】《試験例1》前記製造実施例3で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でスズ―鉛合
金メッキ浴を建浴した。 ヒドロキシエタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 24g/l ヒドロキシエタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 6g/l ヒドロキシエタンスルホン酸 100g/l (p−メトキシベンジル)ジメチルドデシルアンモニウム −メタンスルホネート 0.5g/l ノニルフェノールポリエトキシレート(POE15モル) 4g/l ハイドロキノン 0.3g/l イオン交換水 残部
【0070】次いで、上記メッキ浴をスターラーで撹拌
しながら、白金被覆チタンを陽極とし、銅板を陰極とし
て、浴温25℃で、電流密度、メッキ時間を種々に変化
させながら、ラック方式により電気メッキを行い、得ら
れた銅板上の電着皮膜について、光沢性を観察するとと
もに、均一電着性、並びにハンダ付け性(ハンダ濡れ
性)の測定試験を行った。
【0071】一方、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件(添加物の種類及び添加量)を当該試験例1と同
様に設定したものを比較例1Aとした。また、上記(p
−メトキシベンジル)ジメチルドデシルアンモニウム化
合物に替えて、冒述の従来技術に示された公知のアンモ
ニウム化合物の一例であるベンジルジメチルドデシルア
ンモニウム化合物を0.5g/l添加し、他の条件を当
該試験例1と同様に設定したものを比較例1Bとした。
【0072】但し、上記の各種試験は次の方式により実
施した。 (1)メッキ皮膜の光沢性 良好な光沢性を付与できる電流密度範囲を実測して、目
視により光沢性の良否の判断とした。
【0073】(2)均一電着性 ハーリングセル方法により、メッキ皮膜の試料板上での
2A/dm2の膜厚と、7A/dm2の膜厚との実測値か
ら、Haring−Blumの式、又はFieldの式に基づいて、両
電流密度下での比率を算出し、下記の区分評価を行っ
た。 60%以上 :○ 60〜40%:△ 40%以下 :×
【0074】(3)ハンダ付け性 25mm×25mmの圧延銅板の試料片に5A/dmでメ
ッキを施した後、フラックス(ロジン25%含有のイソ
プロパノール溶液)中に5秒間浸漬し、次いで、250
℃に保持した溶融ハンダ(Sn/Pb=60/40の共晶ハンダ)に
5秒間浸漬し、イソプロパノールで洗浄した後にその表
面を観察し、ハンダの濡れ具合により下記の区分評価を
行った。 100%濡れている :○ 98%以上濡れている :△ 濡れが98%未満である:×
【0075】《試験例2》前記製造実施例4で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でスズメッキ
浴を建浴した。 2−ヒドロキシプロパンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/l 2−ヒドロキシプロパンスルホン酸 100g/l (2,4−ジメトキシベンジル)ジメチルドデシルアンモニウム −メタンスルホネート 0.8g/l β−ナフトールポリエトキシレート(POE13モル) 4g/l カテコール 0.5g/l イオン交換水 残部
【0076】次いで、上記試験例1と同様の条件で電気
メッキを施し、得られたメッキ皮膜について同様の条件
で試験を行った。
【0077】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例2と同様に設定したものを比較例
2とした。
【0078】《試験例3》前記製造実施例2で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でスズ―鉛合
金メッキ浴を建浴した。 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 54g/l メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 6g/l メタンスルホン酸 150g/l (4−メチルナフチルメチル)ジメチルドデシルアンモニウム −ブロマイド 0.6g/l オレイルアミンポリエトキシレート(POE15モル) 5g/l ハイドロキノン 0.5g/l イオン交換水 残部
【0079】次いで、浴温30℃に設定し、その外の条
件を上記試験例1と同様にして電気メッキを施し、得ら
れたメッキ皮膜について同様の条件で試験を行った。
【0080】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例3と同様に設定したものを比較例
3とした。
【0081】《試験例4》前記製造実施例5で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でスズ―鉛合
金メッキ浴を建浴した。 スルファミン酸第一スズ(Sn2+として) 28g/l スルファミン酸鉛(Pb2+として) 12g/l スルファミン酸 130g/l (ジベンジル)ドデシルメチルアンモニウムブロマイド 0.4g/l ビスフェノールAポリエトキシレート(POE13モル) 6g/l レゾルシン 0.5g/l イオン交換水 残部
【0082】次いで、上記試験例1と同様の条件で電気
メッキを施し、得られたメッキ皮膜について同様の条件
で試験を行った。
【0083】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例4と同様に設定したものを比較例
4とした。
【0084】《試験例5》前記製造実施例8で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でスズメッキ
浴を建浴した。 硫酸第一スズ(Sn2+として) 40g/l 硫酸(比重1.84) 150g/l (2−テニル)ジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド 0.5g/l 2,4−ジブチルフェノール −ポリエトキシレート(POE15モル) 8g/l ベンジリデンアセトン 0.15g/l ハイドロキノン 0.5g/l イオン交換水 残部
【0085】次いで、浴温を20℃に設定し、その外の
条件を上記試験例1と同様にして電気メッキを施し、得
られたメッキ皮膜について同様の条件で試験を行った。
【0086】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例5と同様に設定したものを比較例
5Aとした。さらに、上記(2−テニル)ジメチルヘキサ
デシルアンモニウム化合物に替えて、冒述の従来技術に
示された公知のアンモニウム化合物の一例であるベンジ
ルジメチルヘキサデシルアンモニウム化合物を0.5g
/l添加し、他の条件を当該試験例1と同様に設定した
ものを比較例5Bとした。
【0087】《試験例6》前記製造実施例6で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でスズ―鉛合
金メッキ浴を建浴した。 ホウフッ化第一スズ(Sn2+として) 24g/l ホウフッ化鉛(Pb2+として) 6g/l ホウフッ化水素酸 150g/l (p−エトキシベンジル)ジエチルヘキサデシルアンモニウム −ベンゼンスルホネート 0.5g/l ポリオキシエチレン(POE12モル) −ソルビタンモノパルミテート 8g/l 1−ナフトアルデヒド 0.1g/l レゾルシン 0.8g/l イオン交換水 残部
【0088】次いで、上記試験例1と同様の条件で電気
メッキを施し、得られたメッキ皮膜について同様の条件
で試験を行った。
【0089】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例6と同様に設定したものを比較例
6とした。
【0090】《試験例7》前記製造実施例1で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成で亜鉛メッキ
浴を建浴した。 塩化亜鉛 60g/l 塩化カリウム 240g/l ホウ酸 50g/l (p−ニトロベンジル)ジメチルオクタデシルアンモニウム −クロライド 0.8g/l ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(POE23モル) 7g/l 4−メトキシベンジリデンアセトン 0.1g/l イオン交換水 残部
【0091】次いで、上記試験例1と同様の条件で電気
メッキを施し、得られたメッキ皮膜について同様の条件
で試験を行った。
【0092】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例7と同様に設定したものを比較例
7とした。
【0093】《試験例8》前記製造実施例7で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成でニッケル−
スズ合金メッキ浴を建浴した。 塩化ニッケル 50g/l 硫酸第一スズ(Sn2+として) 3g/l 塩化アンモニウム 15g/l ホウ酸 15g/l クエン酸ナトリウム 80g/l (フルフリル)ジメチルドデシルアンモニウムブロマイド 0.8g/l ラウリルアルコールポリエトキシレート(POE12モル) −ポリプロポキシレート(POP3モル) 8g/l イオン交換水 残部
【0094】次いで、浴温を30℃に設定し、その外の
条件を上記試験例1と同様にして電気メッキを施し、得
られたメッキ皮膜について同様の条件で試験を行った。
【0095】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例8と同様に設定したものを比較例
8とした。
【0096】《試験例9》前記製造実施例9で調製した
アンモニウム化合物を用いて、下記の組成で銅メッキ浴
を建浴した。 硫酸銅 180g/l 硫酸(比重1.84) 50g/l (p−フルオロフェネチル)ジメチルテトラデシルアンモニウム −p−トシレート 1g/l ラウリン酸アミドポリエトキシレート(POE15モル) 8g/l N−ブチリデンスルファニル酸 2g/l イオン交換水 残部
【0097】次いで、浴温を30℃に設定し、その外の
条件を上記試験例1と同様にして電気メッキを施し、得
られたメッキ皮膜について同様の条件で試験を行った。
【0098】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例9と同様に設定したものを比較例
9とした。
【0099】《試験例10》前記製造実施例10で調製
したアンモニウム化合物を用いて、下記の組成でカドミ
ウムメッキ浴を建浴した。 硫酸カドミウム 30g/l 硫酸(比重1.84) 100g/l (2,4−ジエチルベンジル)ジメチルオクタデシルアンモニウム −クロライド 0.5g/l クミルフェノールポリエトキシレート(POE15モル) 7g/l 37%ホルマリン 20ml イオン交換水 残部
【0100】次いで、上記試験例1と同様の条件で電気
メッキを施し、得られたメッキ皮膜について同様の条件
で試験を行った。
【0101】また、上記アンモニウム化合物を省略し、
他の条件を当該試験例10と同様に設定したものを比較
例10とした。
【0102】《試験結果の評価》図1及び図2は上記各
種試験の結果である。 (1)図1に示すように、本発明の新規のアンモニウム化
合物をメッキ浴に含有した試験例1〜10では、これら
を省略した各比較例(1A、2〜4、5A、6〜10)に比
べて、広い電流密度範囲(特に、高電流部はほぼ倍の数値
を示す)で鏡面状の光沢、或は曇りガラス状の半光沢の
緻密なメッキ面が得られ、光沢性が向上することが認め
られた。
【0103】また、均一電着性やハンダ付け性に関して
も、試験例1〜10は、新規のアンモニウム化合物を省
略した各比較例に比べて、全て評価が上回っていた。特
に、良好な均一電着性の達成が容易ではない亜鉛やカド
ミウムメッキにおいては(比較例7及び10参照)、本発
明の新規のアンモニウム化合物を含有することにより、
試験例7及び10の結果に示すように、均一電着性=4
0〜60%の成果を上げることができた。ハンダ付け性
についても、例えば、×の評価であるニッケル−スズの
メッキ皮膜(比較例8参照)が、本発明のアンモニウム化
合物を含有することにより、○の評価に改善できた(試
験例8参照)。
【0104】(2)図2に示すように、本発明の新規のア
ンモニウム化合物を含有するメッキ浴から得られた電着
皮膜については、冒述の従来技術に記載された公知のベ
ンジルアンモニウム化合物を使用した場合に比べると、
試験例1と比較例1B、若しくは試験例5と比較例5B
に示すように、均一電着性の評価は△から○に向上する
うえ、広い電流密度範囲で光沢又は半光沢を示すことか
ら光沢性もさらに改善されることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンモニウム化合物を含有するメッキ
浴から得られた電着皮膜を、無添加の浴から得られた電
着皮膜と対比した、皮膜の光沢性、均一電着性並びにハ
ンダ付け性の試験結果を示す図表である。
【図2】本発明のアンモニウム化合物を含有するメッキ
浴から得られた電着皮膜を、公知のアンモニウム化合物
を使用した場合の電着皮膜と対比した、皮膜の光沢性、
均一電着性並びにハンダ付け性の試験結果を示す図表で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 3/36 C25D 3/36 3/38 3/38 3/56 3/56 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I) 【化1】 (式(I)中、R1はC120アルキルである;R2はC15
    アルキルである;R3はC15アルキル、又は下記の(1)
    〜(10)式に示すアリールアルキル型置換基のいずれかで
    ある; 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 4は上記(1)〜(10)式に示すアリールアルキル型置換基
    のいずれかである;Xはハロゲン、ヒドロキシル、C1
    5アルカンスルホネート、パークロレイト、サルフェ
    ート、ホスフェート、アセテート、テトラフルオロボレ
    ート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネー
    トである;YはC15アルキル、ハロゲン、C15アル
    コキシ、C15アルキルチオ、NO2、CN、(C=O)C
    13アルキル、S-O-C13アルキル、SO2-C13
    ルキルであるが、但し、R4のYがメチル又はハロゲン
    の場合、R3は前記アリールアルキル型置換基であり、
    また、R3とR4がともに上記(1)式のアリールメチル置
    換基である場合に限り、ベンゼン環に結合するYはとも
    に水素であっても良い;Zは水素、C15アルキル、ハ
    ロゲン、C15アルコキシ、C15アルキルチオ、NO
    2、CN、(C=O)C13アルキル、S-O-C13アルキ
    ル、SO2-C13アルキルである;mは1〜3の整数で
    ある;nは2〜5の整数である。)で表されるアリールア
    ルキル系4級アンモニウム化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1のアリールアルキル系4級アン
    モニウム化合物を含有することを特徴とする電気メッキ
    浴。
  3. 【請求項3】 ノニオン系界面活性剤を添加することを
    特徴とする請求項2に記載の電気メッキ浴。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006045621A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Ebara Udylite Kk めっき用レベリング剤、酸性銅めっき浴用添加剤組成物、酸性銅めっき浴および該めっき浴を用いるめっき方法

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JP2006045621A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Ebara Udylite Kk めっき用レベリング剤、酸性銅めっき浴用添加剤組成物、酸性銅めっき浴および該めっき浴を用いるめっき方法
JP4499502B2 (ja) * 2004-08-05 2010-07-07 荏原ユージライト株式会社 めっき用レベリング剤、酸性銅めっき浴用添加剤組成物、酸性銅めっき浴および該めっき浴を用いるめっき方法

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