JPH0920563A - 窒化けい素焼結体 - Google Patents

窒化けい素焼結体

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JPH0920563A
JPH0920563A JP7166518A JP16651895A JPH0920563A JP H0920563 A JPH0920563 A JP H0920563A JP 7166518 A JP7166518 A JP 7166518A JP 16651895 A JP16651895 A JP 16651895A JP H0920563 A JPH0920563 A JP H0920563A
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JP
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silicon nitride
weight
sintered body
nitride sintered
resistance
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JP7166518A
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Minoru Takao
実 高尾
Isao Ikeda
功 池田
Hiroyoshi Tonai
弘喜 藤内
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Toshiba Corp
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    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/32Balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/62Selection of substances
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2206/00Materials with ceramics, cermets, hard carbon or similar non-metallic hard materials as main constituents
    • F16C2206/40Ceramics, e.g. carbides, nitrides, oxides, borides of a metal
    • F16C2206/58Ceramics, e.g. carbides, nitrides, oxides, borides of a metal based on ceramic nitrides
    • F16C2206/60Silicon nitride (Si3N4)l

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Abstract

(57)【要約】 【目的】窒化けい素焼結体本来の特性である高強度、耐
摩耗性、耐熱性等を損なうことなく、さらに酸やアルカ
リ等の化学薬品に対しても優れた耐薬品性(耐腐食性)
を示す窒化けい素焼結体を提供する。 【構成】構成元素として、マグネシウムを0.1〜1.
5重量%、アルミニウムを0.1〜3重量%、炭素を
0.01〜6重量%、酸素を0.2〜5重量%の範囲で
含み、残部が実質的に窒化けい素からなる窒化けい素焼
結体である。この窒化けい素焼結体は、MgO・Al2
3 スピネル構造体を0.5〜6重量%、炭化けい素を
0.1〜20重量%、酸化けい素を1重量%以下、酸化
アルミニウムを3重量%以下、残部が実質的に窒化けい
素からなるセラミックス混合体を、焼成することにより
得られる。この窒化けい素焼結体は、耐薬品性部材や軸
受部材1,2,3として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化けい素焼結体に係
り、特に優れた機械的強度および耐摩耗性に加えて、耐
薬品性にも優れた窒化けい素焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化けい素を主成分とするセラミックス
焼結体は、優れた耐熱性を示し、かつ熱膨張係数が小さ
いため、耐熱衝撃性にも優れる等の諸特性を有すること
から、従来の耐熱合金に代わる高温構造用材料として、
エンジン部品、製鋼用機械部品等への応用が試みられて
いる。また、耐摩耗性にも優れていることから、軸受け
等の摺動部材や切削工具としての実用化も図られてい
る。
【0003】通常、窒化けい素は難焼結性のセラミック
ス材料であるため、焼結助剤として希土類酸化物や酸化
アルミニウム等を原料粉末に所定量添加して焼結性を改
善し、緻密で高強度なセラミックス焼結体を得ている。
例えば、窒化けい素系セラミックスの焼結組成として
は、Si3 4 −Y2 3 −Al2 3 系、Si3 4
−Y2 3 −Al2 3 −AlN系、Si3 4 −Y2
3 −Al2 3 −Ti,Mg,Zr等の酸化物系等が
知られている。
【0004】上記焼結組成における酸化イットリウム等
の希土類元素の酸化物や酸化アルミニウムを添加して形
成した窒化けい素焼結体は、焼結性が向上して緻密化が
促進され、機械的強度特性にも優れたものとなる。ま
た、窒化アルミニウムや酸化チタン等の複数種類の化合
物を組合せたものを添加する等によって、高温での機械
的特性、耐摩耗性を改善するように工夫されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記組
成を有する窒化けい素焼結体は、いずれも酸やアルカリ
等の化学薬品に対する耐腐食性が不十分であり、薬品が
混在する環境下で使用する構造材料として採用した場合
には、所定の耐久性や信頼性が得られないという問題が
あった。一方、耐薬品性に優れた材料として、β−サイ
アロンを原料とする焼結体も広く使用されているが、機
械的特性が不十分であるため、適用範囲が狭く限定され
るという欠点があった。
【0006】例えば、近年、化学物質が多量に存在する
環境下で使用可能な軸受け部材や耐熱性部材や耐摩耗性
部材に対する需要が増加しており、このような用途には
従来用いられてきた耐食・耐熱合金や耐熱超硬合金等で
は対応が困難であるため、耐熱性や耐摩耗性等が金属よ
り優れるだけでなく、耐薬品性(耐腐食性)にも優れた
セラミックス部材の出現が強く望まれている。特に化学
薬品が存在する環境下で使用可能な軸受けの需要が増加
しているが、従来の金属製の転がり軸受けでは、耐久性
が不十分であった。そこで耐薬品性や耐熱性などの基本
要求特性において金属材よりも優れた特性を有するセラ
ミックス材料を軸受け構成材として適用することが試行
されているが、軸受け材の全ての要求特性を満足するセ
ラミックス材料は未だ実現していない。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、窒化けい素焼結体本来の特性である
高強度、耐摩耗性、耐熱性等を損なうことなく、さらに
酸やアルカリ等の化学薬品に対しても優れた耐薬品性
(耐腐食性)を示す窒化けい素焼結体を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、上
記目的を達成するために、添加助剤の種類および量に着
目し、各種化合物を窒化けい素原料粉に添加して焼結体
を調製し、各焼結体を腐食雰囲気に暴露した後における
焼結体特性を比較評価することによって、上記添加助剤
の種類および添加量が焼結体の耐腐食特性に及ぼす影響
を確認した。
【0009】その結果、MgO・Al2 3 スピネル構
造体と、炭化けい素と、必要に応じて酸化けい素と、T
i、HfおよびWの酸化物、炭化物の少くとも一種とを
添加助剤として窒化けい素原料に適量配合することによ
って、耐薬品性に優れると共に、強度劣化等が少ない窒
化けい素焼結体が得られることを見出した。
【0010】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、本発明の窒化けい素焼結体は、構成元素として、
マグネシウムを0.1〜1.5重量%、アルミニウムを
0.1〜3重量%、炭素を0.01〜6重量%、酸素を
0.2〜5重量%の範囲で含み、残部が実質的に窒化け
い素からなることを特徴とする。また、上記窒化けい素
焼結体において、前記窒化けい素焼結体が、その構成元
素として、さらにチタニウム、ハフニウム、タングステ
ンから選ばれる少なくとも1種を0.1〜3.8重量%
の範囲で含むように構成してもよい。
【0011】また、本発明を出発原料組成から規定した
窒化けい素焼結体は、MgO・Al2 3 スピネル構造
体を0.5〜6重量%、炭化けい素を0.1〜20重量
%、酸化けい素を1重量%以下(0を含む)、酸化アル
ミニウムを3重量%以下(0を含む)含み、残部が実質
的に窒化けい素からなるセラミックス混合体を、焼成し
てなることを特徴としている。また、上記MgO・Al
2 3 スピネル構造体と、炭化けい素と、酸化けい素
と、酸化アルミニウムとの他に、さらに必要に応じてチ
タニウム、ハフニウム、タングステンの酸化物および炭
化物から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.1〜4
重量%の範囲で含むセラミックス混合体を焼成してなる
ことを特徴としている。
【0012】本発明に係る窒化けい素焼結体を製造する
工程において、窒化けい素原料粉末に添加されるMgO
・Al2 3 スピネル構造体は、焼結促進剤として機能
するばかりでなく、特に薬品に対して強い耐性を示す粒
界相を形成して、焼結体の耐薬品性を向上させるもので
ある。このため、原料粉末中に0.5〜6重量%の範囲
で添加される。その添加量が0.5重量%未満の場合に
は、焼結体の緻密化が不十分となり、窒化けい素焼結体
本来の特性が損われる。一方、添加量が6重量%を超え
ると、耐薬品性が逆に低下しはじめるので上記範囲に設
定されるが、特に好ましい添加量は2〜5重量%の範囲
である。
【0013】また、本発明において窒化けい素原料粉末
に添加する他の成分としての炭化けい素は、耐薬品性を
高める効果を発揮するのみでなく、窒化けい素焼結体の
機械的特性、特に硬度の向上に寄与し、焼結体の高剛性
化を達成するものである。また、薬品中等の無潤滑環境
下においては、摩擦抵抗の軽減にも効果を示すものであ
り、原料粉末中に0.1〜20重量%の範囲で添加され
る。炭化けい素の添加量が0.1重量%未満であると、
機械的特性の改善効果および摩擦抵抗の低減効果が不十
分であり、一方20重量%を超えると、焼結性を阻害す
る。より好ましい添加量は1〜10重量%の範囲であ
る。
【0014】さらに、本発明において窒化けい素原料粉
末に添加する他の成分としての酸化けい素は、窒化けい
素粒子と各種添加助剤との結合を強固にし、耐薬品性を
高める効果を有し、原料粉末中に1重量%以下(0を含
む)添加される。酸化けい素は必ずしも添加しなければ
ならないものではないが、上記したような効果を得る上
で添加することが望ましく、その際の添加量は1重量%
以下とする。添加量が1重量%を超える過量とした場合
には、焼結性が阻害される。より好ましい添加量の範囲
は0.2〜0.6重量%である。
【0015】また本発明において窒化けい素原料粉末に
添加する他の成分としての酸化アルミニウムは、焼結性
を向上させる焼結促進剤として機能するため、より多く
の添加が望ましい。しかしながら多量に添加すると焼結
体の耐薬品性を損うことになる。そして耐薬品性を低下
させることなく焼結促進剤として機能させる添加量の範
囲は3重量%以下であり、より好ましくは0.5〜2重
量%の範囲が望ましい。
【0016】本発明で用いるセラミックス混合体におい
ては、上記した各種添加助剤の他に、さらにTi、Hf
およびWの酸化物および炭化物から選ばれる少なくとも
1種の化合物を0.1〜4重量%の範囲で添加すること
ができる。これらのTi、Hf、Wの化合物は、MgO
・Al2 3 スピネル構造体と相乗的に作用し、緻密化
を促進する焼結促進剤として機能する上に、焼結後にお
いて高融点の化合物となって、単独で粒子として焼結体
組織内に分散する形態を示し、焼結体の強度および耐摩
耗性を向上させる効果を有する。上記Ti、Hf、Wの
化合物は、原料粉末中に0.1〜4重量%の範囲で添加
することが好ましい。添加量が0.1重量%未満のとき
は、焼結性の促進および強度特性の改善効果が少なく、
一方4重量%を超えると、耐薬品性が低下してしまう。
焼結体の機械的強度、耐薬品性を保持するためには、1
〜2重量%の範囲で添加することがより好ましい。
【0017】本発明の窒化けい素焼結体における各構成
元素の含有量は、上記した各添加成分の添加量規定と同
様な理由から規定されたものであり、Mgの含有量が
0.1重量%未満であったり、Alの含有量が0.1重
量%未満であると、良好な耐薬品性を付与することがで
きないと共に、焼結体の密度低下をもたらし、一方Mg
の含有量が1.5重量%を超えたり、Alの含有量が3
重量%を超えると、逆に耐薬品性が低下してしまう。こ
れらは、基本的にはMgO・Al2 3 スピネル構造体
を構成し得るような比率で含有されているものである
が、焼結過程等において多少変動するものである。酸素
(O)の含有量範囲は、上記MgとAlの含有量の理由
に準ずるものである。また、炭素(C)は炭化けい素と
して添加されたものであり、Cの含有量が0.01重量
%未満であると、機械的特性や耐薬品性を十分に高める
ことができず、一方6重量%を超えると、焼結体の密度
低下をもたらす。Ti、Hf、Wに関しても同様であ
る。
【0018】本発明に係る窒化けい素焼結体は、例えば
以下に示すような製造方法により作製される。
【0019】すなわち、窒化けい素原料粉末にMgO・
Al2 3 スピネル構造体、炭化けい素、酸化けい素、
酸化アルミニウム、さらには必要に応じて、Ti、H
f、Wの酸化物および炭化物から選ばれる少なくとも1
種の化合物を所定量添加し、原料混合体を調製する。次
いで、得られた原料混合体を金型プレス等の汎用の成形
法によって所望形状の成形体(セラミックス混合物成形
体)とした後、この成形体を窒素ガスまたはアルゴンガ
ス等の不活性ガス雰囲気中で、1700〜1850℃程
度の温度で所定時間焼結する。なお、上記焼結操作は、
常圧焼結法によっても、あるいはその他の焼結法、例え
ばホットプレス法、雰囲気加圧焼結法、熱間静水圧焼結
法(HIP)等を適用して実施してもよい。いずれの焼
結法においても緻密で機械的強度が高く、特に酸やアル
カリ等の化学的薬品が混在する使用環境下において、耐
薬品性(耐腐食性)に優れた窒化けい素焼結体が得られ
る。
【0020】
【実施例】次に、本発明を以下に示す実施例を参照して
より具体的に説明する。
【0021】実施例1および比較例1〜2 平均粒径0.7μmのα相型窒化けい素粉末89.5重
量%と、平均粒径0.8μmのMgO・Al2 3 スピ
ネル構造体粉末4重量%と、平均粒径0.5μmの炭化
けい素粉末3重量%と、平均粒径0.7μmの酸化けい
素粉末0.5重量%と、平均粒径0.9μmの酸化アル
ミニウム粉末3重量%との混合物を、トルエンを溶媒と
してボールミルで96時間混合し、均一な原料混合体を
作製した。
【0022】次に、得られた原料混合体に有機バインダ
を所定量添加して均一に混合した後に、1000kgf
/cm2 の成形圧力で加圧成形し、50×50×5mm
の成形体を作製した。次いで、得られた成形体を温度5
00℃の大気雰囲気中で脱脂した後、この脱脂体を窒素
ガス雰囲気中にて、1850℃で6時間常圧焼結し、実
施例1に係る窒化けい素焼結体を調製した。
【0023】一方、本発明との比較として、上記実施例
1において、MgO・Al2 3 スピネル構造体粉末を
添加せず、平均粒径0.9μmの酸化イットリウム粉末
を2重量%と平均粒径0.9μmの酸化アルミニウム粉
末2重量%のみを添加する以外は、実施例1と同一条件
で、混合、成形、焼結を行って、比較例1に係る窒化け
い素焼結体を調製した。
【0024】また上記実施例1において、酸化アルミニ
ウムの添加量を6重量%と過量に設定した以外は、実施
例1と同一条件で、混合、成形、脱脂、焼結を実施して
比較例2に係る窒化けい素焼結体を調製した。
【0025】こうして得た実施例1および比較例1〜2
に係る各窒化けい素焼結体について、密度、常温(25
℃)における曲げ強度および破壊靭性値を測定した。ま
た、耐薬品性を評価するために、各試料をそれぞれ30
%濃度のHCl溶液に浸漬し、90℃で100時間加熱
処理し、処理後における重量減および曲げ強度を測定し
た。それらの結果を表1に示す。なお、実施例1による
窒化けい素焼結体中に含まれる構成元素は、Mg 0.
7重量%、Al 1.8重量%、O 2.7重量%、C
1.0重量%、Si 57.2重量%、N 36.6
重量%、不純物(Fe等)0.01重量%であった。
【0026】
【表1】
【0027】表1の結果が示すように、実施例1に係る
窒化けい素焼結体は、曲げ強度、破壊靭性値等の機械的
特性が優れていると共に、浸漬処理後の特性について
も、比較例1の酸化イットリウム添加系の焼結体よりも
重量減が少なく耐薬品性に優れており、また機械特性に
も優れていることが判明した。
【0028】また実施例1および比較例2の各焼結体の
相違点は、ボールミルで混合して調製した原料混合体中
に含まれる酸化アルミニウムの添加量が、それぞれ3重
量%と6重量%と異なる点のみである。比較例2に係る
焼結体の曲げ強度や破壊靭性値などの機械的特性は、実
施例1の焼結体と比較して遜色がない。しかしながら、
比較例2の焼結体においては、HCl浸漬後における曲
げ強度が明らかに低下する傾向が判明した。
【0029】なお、酸化アルミニウム製ボールを粉砕媒
体とするボールミル混合機を使用して原料混合体を調製
する場合には、アルミナボールの減耗により、相当量の
酸化アルミニウム成分が不可避的に原料混合体中に混入
することが本発明者らの実験により確認されている。し
かしながら上記実施例1と比較例2との比較結果から明
らかなように、ボールミル混合機からの酸化アルミニウ
ム成分の混入汚染量が3重量%以下であれば、窒化けい
素焼結体の強度特性および耐薬品性を低下させるおそれ
が少ないことも確認できた。
【0030】実施例2〜15、比較例3〜6 実施例1で使用した窒化けい素粉末、MgO・Al2
3 スピネル構造体粉末、炭化けい素粉末、酸化けい素粉
末、酸化アルミニウム粉末およびTi、Hf、Wの酸化
物または炭化物粉末を、表2に示す組成比となるように
調合して原料混合体をそれぞれ調製した。次いで、得ら
れた各原料混合体を実施例1と同一条件で成形、脱脂、
焼結して、それぞれ実施例2〜15に係る窒化けい素焼
結体を作製した。
【0031】一方、比較例3〜6として、表2に示す通
り、炭化けい素を過剰に添加したもの(比較例3)、M
gO・Al2 3 スピネル構造体を過剰に添加したもの
(比較例4)、酸化けい素を過剰に添加したもの(比較
例5)、酸化チタニウムを過剰に添加したもの(比較例
6)をそれぞれ調製し、実施例1と同一条件で原料混合
から焼結操作を実施し、それぞれ対応する比較例3〜6
に係る窒化けい素焼結体を作製した。
【0032】
【表2】
【0033】こうして得た実施例2〜15および比較例
3〜6の各窒化けい素焼結体について、実施例1と同一
条件で、密度、曲げ強度、硬度をそれぞれ測定すると共
に、浸漬処理を実施して各試料の重量減および曲げ強度
を測定した。それらの測定結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3に示す結果から明らかなように、スピ
ネル構造体と炭化けい素と、酸化アルミニウムと、必要
に応じて酸化けい素と、Ti、Hf、Wの酸化物または
炭化物とを所定量添加した実施例2〜15の各焼結体
は、いずれも高い機械的特性を示し、かつHCl浸漬試
験後における重量減および曲げ強度の低下が少なく、耐
薬品性に優れていることが確認された。
【0036】また上記のように調製した窒化けい素焼結
体を、実際に軸受の耐薬品性部材に適用して、その軸受
の耐薬品性を含めた耐久性を評価した。すなわち、実施
例12に係る製造方法に準拠して調製した窒化けい素焼
結体を加工し、図1に示すようなセラミックス玉軸受
(ボールベアリング)を製造した。この玉軸受は、上記
窒化けい素焼結体から成る円筒状の内輪1と外輪2との
間に、球状の転動体(窒化けい素ボール)3を介在させ
て構成されている。
【0037】一方、比較例として、同一寸法を有する従
来の鋼(SUJ2)製玉軸受を用意し、上記セラミック
ス玉軸受とともに、塩酸ミストが混在するグリース潤滑
環境下で連続回転試験を実施した。その結果、耐熱・耐
食性がより優れたセラミックス玉軸受の方が、従来の鋼
製玉軸受と比較して高温下でも硬さを維持でき、焼き付
きも生じることがないため、10倍以上も寿命を延伸で
きることが判明し、優れた効果を発揮できることが確認
された。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る窒化
けい素焼結体によれば、特にスピネル構造体により焼結
体組織に耐薬品性を有する粒界相が形成されるため、耐
腐食性を向上させることがきると共に、窒化けい素焼結
体本来の耐摩耗性等を損なうことなく、機械的特性も改
善することができる。従って、軸受部品やガスタービン
部品等を構成していた従来の耐食・耐熱合金や耐食超硬
合金等に代わる高強度耐摩耗性・耐薬品性部材等として
極めて有用な窒化けい素焼結体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化けい素焼結体で形成した玉軸
受(ボールベアリング)の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 転動体(窒化けい素ボール)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成元素として、マグネシウムを0.1
    〜1.5重量%、アルミニウムを0.1〜3重量%、炭
    素を0.01〜6重量%、酸素を0.2〜5重量%の範
    囲で含み、残部が実質的に窒化けい素からなることを特
    徴とする窒化けい素焼結体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窒化けい素焼結体におい
    て、前記窒化けい素焼結体は、その構成元素として、さ
    らにチタニウム、ハフニウム、タングステンから選ばれ
    る少なくとも1種を0.1〜3.8重量%の範囲で含む
    ことを特徴とする窒化けい素焼結体。
  3. 【請求項3】 MgO・Al2 3 スピネル構造体を
    0.5〜6重量%、炭化けい素を0.1〜20重量%、
    酸化けい素を1重量%以下、酸化アルミニウムを3重量
    %以下含み、残部が実質的に窒化けい素からなるセラミ
    ックス混合体を、焼成してなることを特徴とする窒化け
    い素焼結体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の窒化けい素焼結体におい
    て、前記セラミックス混合体は、さらに、チタニウム、
    ハフニウム、タングステンの酸化物および炭化物から選
    ばれる少なくとも1種の化合物を0.1〜4重量%の範
    囲で含むことを特徴とする窒化けい素焼結体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の窒
    化けい素焼結体から成ることを特徴とする耐薬品性部
    材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の窒
    化けい素焼結体から成ることを特徴とする軸受部材。
JP7166518A 1995-06-30 1995-06-30 窒化けい素焼結体 Pending JPH0920563A (ja)

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