JPH09202979A - 金型のシボ加工方法 - Google Patents

金型のシボ加工方法

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JPH09202979A
JPH09202979A JP1141996A JP1141996A JPH09202979A JP H09202979 A JPH09202979 A JP H09202979A JP 1141996 A JP1141996 A JP 1141996A JP 1141996 A JP1141996 A JP 1141996A JP H09202979 A JPH09202979 A JP H09202979A
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JP
Japan
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resist
pattern
etching
etched
mold
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JP1141996A
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Hitoshi Yamamoto
等 山本
Minoru Uda
宇田  実
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SANKEI KEMUTETSUKU KK
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
SANKEI KEMUTETSUKU KK
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現物に近いリアルな皮革模様が形成できる金
型のシボ加工方法を提供する。 【解決手段】 以下の(A)〜(E)の工程を含む金型
のシボ加工方法。 (A)金型のエッチング加工面に、下記(D)工程で形
成するレジストパターンよりも太い又は粗い又は大きい
任意の模様のレジストパターンを形成した後、レジスト
の付着していない部分を任意の深さまでエッチングす
る。 (B)金型のエッチング加工面に形成されたレジストの
一部又は全てを除去する。 (C)エッチングにより形成された凹凸のコーナー部分
の曲率半径を大きくする。 (D)金型のエッチング加工面の上記(A)工程で形成
された模様(凹凸)の上に、任意の模様のレジストパタ
ーンを形成した後、レジストの付着していない部分を任
意の深さまでエッチングする。 (E)金型のエッチング加工面からレジストを除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型のシボ加工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製品は、軽量性や低コスト
性などから年々その利用分野を広げており、従来、木製
あるいは金属製であったものの多くがプラスチックに代
替されるようになってきている。プラスチック製品のう
ち自動車内装用部品や家電製品の筐体などのいわゆる外
観製品には、その表面に皮革模様、木目模様、梨地模様
等の立体的な質感の付与(模様づけ)が広く行われ、商
品価値の向上が図られている。これらプラスチック製品
のほとんどは、金型を用いた成形により製造されてお
り、前記質感付与のための金型表面の加工は、プラスチ
ック製品の用途拡大及び商品価値の向上にとって重要な
技術となっている。
【0003】このような金型の表面加工法としては、一
般に「シボづけ」とか「シボ加工」と称されるエッチン
グ加工法が主流となっている。シボ加工のうちでも、皮
革のシワ模様を付ける「皮シボ加工」は最も一般的なも
のであり、各種プラスチック製品の成形用金型に広く実
施されている。
【0004】以下、従来の一般的な皮シボ加工法につい
て説明する。まず、現物のレザーシート(これを「原
稿」と称する)に絵の具をこすりつけ、原稿表面の凹部
に絵の具が十分に入るようにする。次いで、原稿の凹部
に入った絵の具が除去されないように注意しつつ、凸部
の絵の具を拭き取る。使用する絵の具は凹部と凸部のコ
ントラストが強調されるような原稿の反対色(一般には
白色)を用いる。
【0005】こうして細かな皮革模様を絵の具で浮き立
たせた原稿を写真撮影し、現像後、必要に応じてフィル
ムに修正を加え、反転してネガ、ポジの各フィルム原版
(これを「初版」と称する)とする。次いで、このフィ
ルム原版(初版)に現された原稿のパターンを、金型の
エッチング加工面にレジスト(耐酸膜)で形成する。こ
のレジストパターンの形成には直接法と間接法があり、
更に間接法には凸版法と凹版法がある。なお、レジスト
の密着性を高めるため、金型はレジストパターンを形成
する前に脱脂洗浄してその表面に付着した油脂や塵埃を
除去しておく。
【0006】直接法では、まず、暗所にて金型のエッチ
ング加工面全体に感光性のレジスト(フォトレジスト)
を所定の厚さに塗布し、乾燥後、レジストを塗布した面
上にネガ原版から反転して得たフィルムを貼り付ける。
この状態で高圧水銀灯などを用いて紫外線光を照射し露
光する。これを現像すると、フィルムの透明部(非画線
部)を透過した光が当たった部分のレジストは感光・硬
化して金型表面に残り、一方、フィルムの不透明部(画
線部)は光が透過しないので、その部分のレジストは硬
化せず金型表面から溶解除去される。
【0007】凸版法では、まず、暗所にて金属製の板に
フォトレジストを所定の厚さに塗布し、乾燥後、レジス
トを塗布した面上にネガ用フィルム原版を貼り付ける。
これを上記と同様に露光・現像した後、腐食液に浸漬
し、レジストが付着していない部分を任意の深さまで腐
食することにより、画線部が凸状に浮き出た凸版が得ら
れる。これ以外の凸版作製法として、光硬化性樹脂を一
定厚さに形成してある版に、ネガ用フィルム原版を貼り
付け、露光・現像することにより、画線部を凸状に浮き
出させた凸版を得る方法もある。このようにして得られ
た凸版に耐酸インキを塗布して、凸部に塗布された耐酸
インキを転写紙に印刷し、それを金型のエッチング加工
面に圧着させて耐酸インキのパターンを金型に転写す
る。通常は、その後バーニングと呼ばれる加熱処理を行
って、耐酸インキの揮発分を除去するとともに融着によ
り金型への密着性を向上させる。
【0008】凹版法では、まず、暗所にて金属製の板に
フォトレジストを所定の厚さに塗布し、乾燥後、レジス
トを塗布した面上にポジ用フィルム原版を貼り付ける。
これを上記と同様に露光・現像した後、腐食液に浸漬
し、レジストが付着していない部分を任意の深さまで腐
食することにより、画線部が凹状に窪んだ凹版が得られ
る。この凹版に耐酸インキを塗布して、凹部に満たされ
た耐酸インキを転写紙に印刷し、それを金型のエッチン
グ加工面に圧着させて耐酸インキのパターンを金型に転
写する。
【0009】通常、これらの方法で金型のエッチング加
工面にレジストパターンの形成を行う前に、金型のエッ
チング加工面以外をマスキングする。マスキング材に
は、耐酸性のテープや黒ニス等が用いられる。こうして
レジスト形成及びマスキングを施した金型を、腐食液に
てエッチングし、レジスト及びマスキング材の付着して
いない部分を任意の深さまで腐食する。エッチング終了
後、レジストを金型から除去し、必要に応じてサンドブ
ラスト等によりエッチング加工面の光沢や形状を調整す
るための仕上げ加工を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、皮シボ加工
に対するよりリアルな皮革模様再現の要請はプラスチッ
ク製品の普及とともに年々高まりつつあり、上記従来法
ではこのような要請に十分に対処できなくなってきてい
る。特に、従来法は基本的に単一のレジストパターンに
よる一回のエッチング処理であったため、現物の皮革が
持つような複雑な凹凸形状を表現することが困難であっ
た。本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので
あり、より現物に近いリアルな皮革模様が形成できる金
型のシボ加工方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以下の
(A)〜(E)の工程を含む金型のシボ加工方法が提供
される。 (A)金型のエッチング加工面に、下記(D)工程で形
成するレジストパターンよりも太い又は粗い又は大きい
任意の模様のレジストパターンを形成した後、レジスト
の付着していない部分を任意の深さまでエッチングす
る。 (B)金型のエッチング加工面に形成されたレジストの
一部又は全てを除去する。 (C)エッチングにより形成された凹凸のコーナー部分
の曲率半径を大きくする。 (D)金型のエッチング加工面の上記(A)工程で形成
された模様(凹凸)の上に、任意の模様のレジストパタ
ーンを形成した後、レジストの付着していない部分を任
意の深さまでエッチングする。 (E)金型のエッチング加工面からレジストを除去す
る。
【0012】なお、上記(C)工程において、エッチン
グにより形成された凹凸のコーナー部分の曲率半径を大
きくする方法としては、エッチング、機械的研磨及び研
削のうちのいずれか1つの方法、又はこれらのうちの2
以上の方法を用いることが好ましい。また、上記(D)
工程において、(A)工程で形成された模様(凹凸)の
上に、任意の模様のレジストパターンを形成する際に
は、(A)工程で形成された模様(凹凸)にシンクロさ
せるようにして任意の模様のレジストパターンを形成す
ることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の金型のシボ加工方法は、
上記(A)〜(E)の工程から基本的になるものであ
り、このような工程を経ることにより、現物の皮革が持
つ皮革模様に近い複雑な凹凸形状の皮シボを形成するこ
とができる。以下、本発明の各工程を、皮革模様のシボ
加工を例として、順に説明する。
【0014】(A)工程:金型のエッチング加工面に、
後述の(D)工程で形成するレジストパターンよりも太
い又は粗い又は大きい任意の模様のレジストパターンを
形成する。この具体的な例として、ここでは(D)工程
で形成する模様よりも太い線模様の段付け用レジストパ
ターンの形成について説明する。この段付け用レジスト
パターンは、通常、次のような方法で作製した段付け用
フィルム原版を用いて形成される。
【0015】まず、上記従来技術の説明で述べたように
して初版を取り終わったレザーシート(原稿)に、レザ
ーシート表面が見えなくなるまで絵の具を塗り付ける。
次いで、レザーシート上に塗られた絵の具を平滑なスキ
ージでかき取る。このときレザーシート水平面に対し
て、同じ高さのレベルで絵の具が除去されるように注意
する。レザーシートからかき取る絵の具の厚みを変えな
がら複数回撮影し、絵の具の線の太さが異なる複数のフ
ィルムを得る。
【0016】ここで、レザーシートからかき取る絵の具
の厚みが薄い(レザーシート上に残る絵の具の厚みが厚
い)ほど、絵の具によって現される線模様(皮のシワ
等)は太く粗いものとなり、レザーシートからかき取る
絵の具の厚みが厚い(レザーシート上に残る絵の具の厚
みが薄い)ほど、「初版」に近い細かな模様となる。得
られた複数のフィルムのうち、最も目的とする皮革模様
のイメージに近いものを段付け用フィルム原版として用
い、金型のエッチング加工面に段付け用レジストパター
ンを形成する。
【0017】なお、金型は段付け用レジストパターンを
形成する前に脱脂洗浄してその表面に付着した油脂や塵
埃を除去し、好ましくは更にエッチング加工面に軽くド
ライホーニングを施す。このような処理を施すことによ
りエッチング加工面に適度の表面粗さが付与され、レジ
ストの付着を強固にすることができる。また、金型のエ
ッチング加工面以外は、通常、段付け用レジストパター
ンを形成する前にマスキングしておく。
【0018】段付け用レジストパターンの形成は凹版法
により行うことが好ましい。すなわち、段付け用フィル
ム原版を用いて画線部が凹状に窪んだ凹版を作製し、こ
の凹版に耐酸インキを塗布して、凹部に満たされた耐酸
インキを転写紙に印刷し、それを金型のエッチング加工
面に圧着させて耐酸インキのパターンを金型に転写す
る。
【0019】段付け用レジストパターンの形成後、腐食
液を用いて、エッチング加工面のレジストの付着してい
ない部分を任意の深さまでエッチングする。図1はこの
エッチングの状態を示したもので、金型1のエッチング
加工面はレジスト3の付着していない部分が腐食され
て、比較的大きなパターンの凹凸が形成される。
【0020】なお、途中で一旦エッチングを中止し、溶
剤又はブラストホーニング等で段付け用レジストパター
ンのレジストを一部はがしてから再度エッチングを行う
ようにしてもよい。このような操作を行うことにより、
深さの異なるより複雑な凹凸が形成される。
【0021】エッチングに用いる腐食液としては、例え
ば、鉄鋼用化学研磨液や過塩化鉄液を単独で、あるいは
水、硝酸、塩酸等を配合して用いることができる。配合
成分や配合割合はエッチングの対象となる金型の材質に
応じて適宜決定される。
【0022】(B)工程:上記エッチングが終了した
後、金型のエッチング加工面に形成されたレジストの一
部又は全てを除去する。
【0023】(C)工程:レジストの除去後、上記エッ
チングによって形成された凹凸のコーナー部分の曲率半
径を大きくする処理を行う。すなわち、この処理は、図
2に示すように、前記(A)工程のエッチングで金型1
のエッチング加工面に形成された凹凸の角部を除去して
滑らかな丸みをもたせること(いわゆる「だらし」)を
目的とするものである。この処理の方法として、具体的
にはエッチング、機械的研磨、研削等の方法が挙げれ、
特にエッチングによる方法は労力を必要とせず、凹凸の
角部が優先的に腐食除去されて滑らかな凹凸形状が得ら
れるので好ましい。なお、エッチング、機械的研磨、研
削等の方法は単独で用いてもよいし、2以上の方法を組
み合わせて用いてもよい。例えば、金型の材質等により
エッチング処理のみでは滑らかな丸みが得られない場合
には、更にサンドペーパーを用いた角部の削り落とし等
の処理を併用することが好ましい。
【0024】(D)工程:金型のエッチング加工面の上
記(A)工程で形成された模様(凹凸)の上に、任意の
模様のレジストパターンを形成する。この具体的な例と
して、ここでは「初版」の皮革模様のレジストパターン
を形成する場合について説明する。「初版」の作製方法
は、従来技術の説明で述べたとおりである。なお、この
「初版」の皮革模様のレジストパターンの形成に際して
は、上記(A)工程で形成された模様(凹凸)に「初
版」の模様をシンクロさせるようにレジストパターンを
形成すると、よりリアルな皮革模様が得られるため好ま
しい。この「初版」のレジストパターンの形成は、
(A)工程の段付け用レジストパターンの形成と同様に
凹版法で行うのが好ましい。また、「初版」のレジスト
パターンを形成する前に、金型のエッチング加工面に軽
くブラストホーニングをかけて、レジストの付着性を良
くしておくことが好ましい。
【0025】「初版」のレジストパターンを形成した
後、エッチング加工面のレジストの付着していない部分
を任意の深さまでエッチングする。図3はこのエッチン
グの状態を示したもので、前記(A)〜(C)工程で形
成された比較的大きく滑らかな丸みを持った凹凸の上
に、「初版」の細やかなレジストパターンが形成され、
このレジスト5の付着していない部分が腐食されてた結
果、大きく滑らかな凹凸上に細かな凹凸が形成された状
態となる。
【0026】なお、この工程が終了した後、更に必要に
応じて、(A)工程とは異なる段付け用レジストパター
ンを金型のエッチング加工面に形成して、エッチングを
行い、より複雑な凹凸を形成するようにしてもよい。こ
の場合の段付け用レジストパターンの形成は、リアルな
皮革模様を再現するに適したパターンに従って、金型の
エッチング加工面を黒ニス等の耐酸性塗料でマスキング
する(塗りつぶす)ことにより行うのが好ましい。更に
また必要に応じて、金型のエッチング加工面に、黒ニス
等の耐酸性塗料を用いて細筆等で所定のパターンの線を
書き込んでからエッチングを行い、所定の線模様が強調
されるような処理を施してもよい。また、全体の凹凸を
滑らかにするために(皮革模様を柔らかいイメージにす
るために)、適宜レジストを除去してエッチング(だら
し)を行ってもよい。
【0027】(E)工程:図4のように、金型1のエッ
チング加工面からレジストを除去する。レジストの除去
は、例えば適当な砥粒(例:アランダム#220)を用
いたブラストホーニングにより行うことができる。な
お、上記のように黒ニス等でマスキングや線入れを行っ
た場合には、先にこれをテレピン油等で溶解し、ブラス
トで除去可能な程度に拭き取っておくことが好ましい。
【0028】通常は、以上の(A)〜(E)工程が終了
した後に、皮の毛穴に該当する点模様をエッチング加工
面に付与する。この毛穴模様の付与の方法は、毛穴模様
のみのレジストパターンを金型のエッチング加工面に形
成して、エッチングすることにより行う。こうして金型
に毛穴模様を付与した後、レジストを除去し、必要に応
じてエッチング加工面全体をエッチングして角部の除去
(だらし)を行い、最後に仕上げとしてエッチング加工
面の酸化膜を除去し光沢を整えるためのブラスト処理を
行う。
【0029】なお、以上説明してきた方法とは別に、次
の方法でも従来法より現物の皮革に近い複雑な凹凸形状
の皮シボを形成することができる。その方法とは以下の
(イ)〜(ハ)の工程を含むものである。 (イ)金型のエッチング加工面に、初版の皮革模様のレ
ジストパターンを形成した後、レジストの付着していな
い部分を任意の深さまでエッチングする。 (ロ)金型のエッチング加工面に、初版の皮革模様の線
よりも粗い線模様の段付け用レジストパターンを形成し
た後、レジストの付着していない部分を任意の深さまで
エッチングする。 (ハ)金型のエッチング加工面に形成されたレジストを
全て除去し、金型のエッチング加工面全体を任意の深さ
までエッチングする。 以下、この方法の各工程を、皮革模様のシボ加工を例と
して、順に説明する。
【0030】(イ)工程:金型のエッチング加工面に、
初版の皮革模様のレジストパターンを形成する。初版の
作製方法は、従来技術の説明で述べたとおりである。こ
の初版のレジストパターンの形成は、凹版法で行うのが
好ましい。なお、金型は初版のレジストパターンを形成
する前に脱脂洗浄し、好ましくは更にエッチング加工面
に軽くドライホーニングを施しておく。
【0031】初版のレジストパターンを形成した後、エ
ッチング加工面のレジストの付着していない部分を任意
の深さまでエッチングする。図5はこのエッチングの状
態を示したもので、金型1のエッチング加工面はレジス
ト7の付着していない部分が腐食されて、初版に現され
た細やかな凹凸が形成される。
【0032】(ロ)工程:金型のエッチング加工面に、
初版の皮革模様の線よりも粗い線模様の段付け用レジス
トパターンを形成する。この段付け用レジストパターン
は、先述の方法の(A)工程と同様にして得た段付け用
フィルム原版に現されたパターンに基づいて作製した所
定のパターンに従って、エッチング加工面を黒ニス等の
耐酸性塗料でマスキングする(塗りつぶす)ことにより
行うのが好ましい。
【0033】段付け用レジストパターンの形成後、エッ
チング加工面のレジストの付着していない部分を任意の
深さまでエッチングするが、この際(イ)工程で形成し
た初版のレジストパターンは除去せずにエッチングを行
う。なお、この段付け処理は、異なるパターンにより複
数回行うことが好ましい。図6は段付け処理を2回行っ
た例を示しており、符号9が1回目の段付け処理の際に
形成したレジストで、符号11が2回目の段付け処理の
際に形成したレジストである。2回目の段付け処理は、
1回目の段付け処理時に形成したレジスト9を除去せず
に行う。この段付け処理により前記(イ)工程で得られ
た細やかな凹凸に、更に比較的大きな段差が付与され
て、より立体的なメリハリがつく。
【0034】この段付け処理が終了した後、更に必要に
応じ、一旦レジストを除去した後、金型のエッチング加
工面に、黒ニス等の耐酸性塗料を用いて細筆等で所定の
パターンの線を書き込んでからエッチングを行い、所定
の線模様が強調されるような処理を施してもよい。
【0035】(ハ)工程:金型のエッチング加工面に形
成されたレジストを全て除去する。レジストの除去は、
先述の方法における(E)工程と同様に行うことができ
る。レジストを除去した後、金型のエッチング加工面全
体を任意の深さまでエッチングする。この工程でのエッ
チングは、図7に示すように、前記(イ)(ロ)工程の
エッチングで金型1のエッチング加工面に形成された凹
凸の角部を優先的に腐食除去して、線模様をより柔らか
いイメージにすること(だらし)を目的とするものであ
る。
【0036】通常は、以上の(イ)〜(ハ)工程が終了
した後に、先述の方法の場合と同様に毛穴模様の付与や
仕上げ加工を行う。
【0037】先述の方法と後述の方法との主な相違点
は、先述の方法が最初に段付け用レジストパターンによ
り比較的大きな凹凸を形成し、エッチングや機械研磨、
研削等によりこれに滑らかな丸みを与えた後で、初版の
レジストパターンによる細かな模様づけを行うのに対
し、後述の方法では、最初に初版のレジストパターンに
よる細かな模様づけを行った後、段付け用レジストパタ
ーンにより比較的大きな凹凸を付与し、その後にエッチ
ングによる角部の除去を行うことである。
【0038】このような工程の相違により、両方法で得
られる皮シボには次のような差が生じる。すなわち、先
述の方法では、図4のように、丸みのある大きく滑らか
な凹凸の上に細やかな模様が現され、自然で柔らかなイ
メージの皮革模様となる。また、初版の細やかな模様づ
けは後で行われるので、その凹凸の深さは一定に制御す
ることができる。これに対し、後述の方法では、図7の
ように、段付けによる人工的な鋭い段差ができ(図中の
矢印で示した部分)、現物の皮革模様のような大きく滑
らかなうねりは再現できない。また、初版のレジストパ
ターンが付着した部分はすべて、段付け処理の際にも腐
食されずに残るので、細かな模様の凹凸の深さを制御で
きない。このように後述の方法では、やや人工的で荒々
しいイメージの皮革模様となり、柔らかで滑らかなやさ
しいイメージの皮革模様の再現の点では先述の方法に劣
るが、従来法に比べれば立体的なメリハリの表現の点で
格段に優れ、有用なシボ加工方法の1つであると言え
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、複数の
異なるレジストパターンにより複合的にエッチングを行
うので、単一のレジストパターンによるエッチングの場
合よりも複雑な凹凸が得られ、より現物の皮革が持つ皮
革模様に近い皮シボを形成することができる。また、最
初に太い(又は粗い又は大きい)模様のレジストパター
ンにより比較的大きな凹凸を形成し、エッチング等によ
りこれに滑らかな丸みを与えた(だらした)後で、より
細やかなレジストパターンによる模様づけを行うことに
よって、自然で柔らかいイメージの皮革模様が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の(A)工程を説明するための拡大
断面図である。
【図2】本発明方法の(C)工程を説明するための拡大
断面図である。
【図3】本発明方法の(D)工程を説明するための拡大
断面図である。
【図4】本発明方法の(E)工程を説明するための拡大
断面図である。
【図5】別の方法の(イ)工程を説明するための拡大断
面図である。
【図6】別の方法の(ロ)工程を説明するための拡大断
面図である。
【図7】別の方法の(ハ)工程を説明するための拡大断
面図である。
【符号の説明】
1…金型、3…レジスト、5…レジスト、7…レジス
ト、9…レジスト、11…レジスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(A)〜(E)の工程を含む金型
    のシボ加工方法。 (A)金型のエッチング加工面に、下記(D)工程で形
    成するレジストパターンよりも太い又は粗い又は大きい
    任意の模様のレジストパターンを形成した後、レジスト
    の付着していない部分を任意の深さまでエッチングす
    る。 (B)金型のエッチング加工面に形成されたレジストの
    一部又は全てを除去する。 (C)エッチングにより形成された凹凸のコーナー部分
    の曲率半径を大きくする。 (D)金型のエッチング加工面の上記(A)工程で形成
    された模様(凹凸)の上に、任意の模様のレジストパタ
    ーンを形成した後、レジストの付着していない部分を任
    意の深さまでエッチングする。 (E)金型のエッチング加工面からレジストを除去す
    る。
  2. 【請求項2】 (C)工程において、エッチングにより
    形成された凹凸のコーナー部分の曲率半径を大きくする
    方法として、エッチング、機械的研磨及び研削のうちの
    いずれか1つの方法、又はこれらのうちの2以上の方法
    を用いる請求項1記載のシボ加工方法。
  3. 【請求項3】 (D)工程において、(A)工程で形成
    された模様(凹凸)の上に、任意の模様のレジストパタ
    ーンを形成する際に、(A)工程で形成された模様(凹
    凸)にシンクロさせるようにして任意の模様のレジスト
    パターンを形成する請求項1記載のシボ加工方法。
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