JPH09194712A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH09194712A
JPH09194712A JP647696A JP647696A JPH09194712A JP H09194712 A JPH09194712 A JP H09194712A JP 647696 A JP647696 A JP 647696A JP 647696 A JP647696 A JP 647696A JP H09194712 A JPH09194712 A JP H09194712A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
aromatic polycarbonate
polyoxyethylene
weight
resin composition
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JP647696A
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Seiji Yoshida
清次 吉田
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高剛性、高弾性率を有し、しかも透明性に優
れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。 【解決手段】芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部
に、該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が
0.015以下であるガラス繊維1〜150重量部およ
びポリオキシエチレングリコール成分が50重量%以上
のポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキシエ
チレン誘導体を1〜40重量部配合してなる芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリカーボ
ネート系樹脂組成物に関し、詳しくは、ガラス繊維で強
化された透明な芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明
性、耐衝撃性及び耐熱性に優れていることから、ガラス
の代替材料として、自動車部品、建材等の構造材料、レ
ンズ、プリズム等の光学部品に採用されている。芳香族
ポリカーボネート樹脂はガラスに比べて軽く、割れにく
という利点がある。その反面、剛性が低いため、高い剛
性を必要とする用途においては、ガラス繊維等の適当な
フィラーを添加することによってその改良を図る必要が
あった。
【0003】しかしながら、ガラス繊維、ガラスフレー
ク等のフィラーを添加した場合には、ガラスの屈折率と
芳香族ポリカーボネート樹脂の屈折率との差が大きいた
め、芳香族ポリカーボネート樹脂の大きな特徴である透
明性が損なわれるという欠点があった。一般に使用され
ている樹脂強化用ガラス繊維の屈折率は通常1.555
程度であり、ビスフェノールAを原料とした芳香族ポリ
カーボネート樹脂の屈折率は1.585であり、両者の
間に大きな屈折率差が有る。現在市販で入手可能な高屈
折率ガラス繊維の屈折率は1.579程度であり、これ
を用いてビスフェノールAを原料とした芳香族ポリカー
ボネート樹脂を強化しても、依然存在する屈折率差のた
め透明性の改良効果には限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高剛
性、高弾性率を有し、しかも透明性に優れた芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、芳香
族ポリカーボネート樹脂100重量部に、該芳香族ポリ
カーボネート樹脂との屈折率の差が0.015以下であ
るガラス繊維1〜150重量部、およびポリオキシエチ
レングリコール成分を50重量%以上含むポリオキシア
ルキレングリコールまたはポリオキシエチレン誘導体1
〜40重量部を配合してなる芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物に存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける芳香族ポリカーボネート樹脂としては、種々のジ
ヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させる
ホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジ
フェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させ
るエステル交換法によって得られる重合体、または共重
合体であり、代表的なものとしては、2,2ービス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)
から製造されたポリカーボネート樹脂があげられる。
【0007】ジヒドロキシジアリール化合物としては、
ビスフェノールAの他、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、、2,2’−(4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、 2,2’−(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン 、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3
−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキ
シアリール)アルカン類、1,1’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、のようなビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジ
ヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒ
ドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ
−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのような
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジ
ヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0008】これらは単独で、または2種以上混合して
使用されるが、これらの他にピペラジン、ジピペリジ
ル、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’ージヒドロ
キシジフェニル等を混合使用しても良い。芳香族ポリカ
ーボネート樹脂の粘度平均分子量(溶媒としてメチレン
クロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度よ
り換算した値)は、12,000〜50,000が好ま
しい。粘度平均分子量が12,000未満であると強度
が低下しやすく、50,000を越えると流動性が低下
しやすい。流動性と強度との兼ね合いの点から、より好
ましくは15,000〜35,000である。
【0009】本発明におけるガラス繊維は、芳香族ポリ
カーボネート樹脂との屈折率差が0.015以下のガラ
ス繊維である。かかるガラス繊維は、通常芳香族ポリカ
ーボネート樹脂の強化に使用されるEガラスの組成成分
から、B23、F2成分を除き、MgO,TiO2、ZnO
等の成分の割合を増加したものである。市販されている
ガラス繊維として、旭ファイバーガラス(株)のECR
ガラス(屈折率1.579)がある。
【0010】ガラス繊維は、樹脂とガラス繊維の親和性
を増し密着性を増大して空隙形成による不透明化要因を
排除、低減化するために、シランカップリング剤等の表
面処理剤で表面処理されているものが好ましい。シラン
カップリング剤としては、アミノシラン系、エポキシシ
ラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等がある。こ
れらの中では、アミノシラン系のものが好ましい。
【0011】ガラス繊維の配合割合は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂100重量部に対して、1〜150重量部
である。1重量%未満では、製品の剛性を上げるのに不
十分であり、150重量%以上では、成形性が低下し、
良好な透明成型品を得るのが困難になる。剛性と透明性
の点より、好ましくは、5〜100重量%である。
【0012】本発明におけるポリオキシエチレングリコ
ール成分を50重量%以上含むポリオキシアルキレング
リコールとしては、50〜100重量%のポリオキシエ
チレングリコール成分と50〜0重量%のポリオキシエ
チレングリコール以外のポリオキシアルキレングリコー
ル成分とからなる。ポリオキシエチレングリコール以外
のポリオキシアルキレングリコール成分としては、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレ
ングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール等
が挙げられる。ポリオキシエチレングリコール成分を5
0重量%以上含むポリオキシアルキレングリコールの具
体例としては、オキシエチレンとオキシプロピレンとの
ブロック又はランダム共重合体、オキシエチレンとテト
ラヒドロフランとのブロック又はランダム共重合体等が
挙げられる。ポリオキシエチレングリコール成分が50
重量%未満になると、芳香族ポリカーボネート樹脂とポ
リオキシアルキレングリコールとからなるマトリックス
樹脂が白濁して透明度が低下する。
【0013】ポリオキシエチレングリコール成分を50
重量%以上含むポリオキシアルキレングリコールの数平
均分子量(GPC測定)は、200〜50,000が好
ましい。数平均分子量が200未満であると得られる樹
脂組成物の機械的性質が低下しやすく、50,000を
越えるとマトリックス樹脂が白濁して透明度が低下しや
すい。機械的性質と透明性の点より、より好ましくは、
500〜20,000である。ポリオキシエチレングリ
コール成分を50重量%以上含むポリオキシアルキレン
グリコールとしては、透明性が優れている点より、ポリ
オキシエチレングリコールが好ましい。
【0014】本発明におけるポリオキシエチレン誘導体
としては、ポリオキシエチレングリコールの構造式であ
るHO(CH2CH2O)nH(n=5〜1140)の片
末端または両末端を、アルコール、脂肪酸、ビスフェノ
ールA、フェノールまたはノニルフェノール、オクチル
フェノール、ドデシルフェノール等のアルキル化フェノ
ールと反応させて得られるポリオキシエチレングリコー
ル誘導体、ポリオキシエチレンのソルビタン誘導体、共
重合体の側鎖としてポリオキシエチレンが導入されたグ
ラフト共重合体等が挙げられる。ポリオキシエチレング
リコールの片末端または両末端を、アルコール、脂肪
酸、ビスフェノールA、フェノール類と反応させて得ら
れるポリオキシエチレングリコール誘導体の具体例とし
ては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチ
レングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコ
ールモノオレエート、ポリエチレングリコールジステア
レート、ポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオ
キシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ポ
リオキシエチレンテトラブロムビスフェノールA、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ドデシルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0015】ポリオキシエチレンのソルビタン誘導体の
具体的としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタントリオレート等が挙げられる。共
重合体の側鎖としてポリオキシエチレンが導入されたグ
ラフト共重合体の具体的としては、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体の無水マレイン酸を介してポリオキシエ
チレンが側鎖に導入されたグラフト共重合体、スチレン
−無水マレイン酸−アリルアルコール共重合体のアリル
アルコールを介してポリオキシエチレンが側鎖に導入さ
れたグラフト共重合体等が挙げられる。
【0016】ポリオキシエチレングリコール成分を50
重量%以上含むポリオキシアルキレングリコールまたは
ポリオキシエチレングリコール誘導体の配合量は、芳香
族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、1〜4
0重量部である。配合量の増加に伴い、マトリックス樹
脂の屈折率が低下するので、使用するガラス繊維の屈折
率と等しくなる配合量が、透明性発現にとっての最適値
となるが、配合量の増加と共に成型品の耐熱性(熱変形
温度)等の低下が生じやすいので、使用するガラス繊維
の屈折率は出来るだけ高めのものが望ましい。ポリオキ
シエチレングリコール成分が50重量%以上のポリオキ
シアルキレングリコールまたはポリオキシエチレングリ
コール誘導体の配合量は、透明性と耐熱性との点より、
芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、好
ましくは1〜30重量部、より好ましく1〜20重量部
である。
【0017】本発明においては、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂とポリオキシエチレングリコール成分を50重量
%以上含むポリオキシアルキレングリコールまたはポリ
オキシエチレングリコール誘導体とを配合し混練する際
に、透明化を確実に且つ効果的に達成するために、エス
テル交換反応触媒を存在させることが好ましい。ポリオ
キシエチレングリコール成分を50重量%以上含むポリ
オキシアルキレングリコールまたはポリオキシエチレン
グリコール誘導体の添加が透明性発現に有効である理由
としては、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリオキシア
ルキレングリコール等がエステル交換反応を起こし、マ
トリックス樹脂の屈折率が低下しガラスの屈折率に近く
なったためと考えられる。
【0018】エステル交換反応触媒の具体例としては、
パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、無機酸ま
たは三フッ化ホウ素等のルイス酸等の酸性物質、水酸化
ナトリウム、各種アミン類等の塩基性物質、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酢酸塩等の金属塩、及び亜
鉛、マンガン、コバルト、アンチモン、ゲルマニュウ
ム、チタン、スズの化合物等が挙げられ、好ましくは、
テトラアルキルチタネート、酢酸亜鉛、酢酸第一スズ、
三酸化アンチモン等である。
【0019】エステル交換反応触媒を配合する場合、エ
ステル交換反応触媒の配合量としては、芳香族ポリカー
ボネート樹脂100重量部に対し、0.001〜0.2
重量部であることが好ましい。配合量が0.001未満
であると添加の効果が不十分であり、0.2重量%を超
えると着色等の問題が生じやすい。エステル交換反応触
媒の配合量としては、芳香族ポリカーボネート樹脂10
0重量部に対し、より好ましくは0.003〜0.1重
量部である。
【0020】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物には、任意の色調の成型品を得るため、更に染料を配
合しても良い。染料としては、アゾ系染料、シアニン系
染料、キノリン系染料、ペリレン系染料等、通常の熱可
塑性樹脂に使用されるものであれば任意に使用する事が
出来る。その使用量は、多過ぎると透明性が低下するの
で留意する必要がある。
【0021】更に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物には、本発明を損なわない範囲で、周知の種々
の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例
えば、高屈折率のガラスフレークやガラスビーズ等の補
強剤、少量のシリカ、アルミナ、炭酸カルシュウム等の
充填剤、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
蜜鑞、シリコンオイル等の離型剤、各種可塑剤、ヒンダ
ードフェノール系、亜燐酸エステル系、硫黄含有エステ
ル化合物系等の酸化防止剤や熱安定剤、ハロゲン化合
物、燐酸化合物等の難燃剤、紫外線吸収剤あるいは耐候
性付与剤等が挙げられる。また透明性を損なわない範囲
で各種のポリマーを配合できる。ポリマーとしては、例
えば、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン誘導
体、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、P
ET、PBT等のポリエステル系樹脂、芳香族ナイロ
ン、半芳香族ナイロン等の各種ナイロン、ポリスチレン
系樹脂、ポリアリレート、アイオノマー樹脂、フェノキ
シ樹脂等が挙げられる。
【0022】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物の製造方法として、任意の方法が採用される。例え
ば、比較的簡単な方法としては、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂、ガラス繊維、ポリオキシエチレングリコール成
分を50重量%以上含むポリオキシアルキレングリコー
ルまたはポリオキシエチレングリコール誘導体及び適宜
その他の添加剤等を、エステル交換触媒を用いる場合
は、更にエステル交換触媒を存在させて、V型ブレンダ
ー等の混合手段を用いて混合し、一括ブレンド品を調整
した後、ベント付き押出機で溶融混練してペレット化す
る方法が挙げられる。あるいは、二段階練込法として、
予め、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリオキシエチレ
ングリコール成分を50重量%以上含むポリオキシアル
キレングリコールまたはポリオキシエチレングリコール
誘導体及びその他の添加剤等を、十分混合後、ベント付
き押出機で溶融混練りしてペレットを製造した後、その
ペレットとガラス繊維を混合後、ベント付き押出機で溶
融混練りする方法が挙げられる。
【0023】更に、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリ
オキシエチレングリコール成分を50重量%以上含むポ
リオキシアルキレングリコールまたはポリオキシエチレ
ングリコール誘導体及びその他の添加剤を、エステル交
換触媒を用いる場合は、更にエステル交換触媒を存在さ
せて、V型ブレンダー等で十分混合したものを予め調整
しておき、それをベント付き二軸押出機の第一シュート
より供給し、ガラス繊維は押出機途中の第二シュートよ
り供給して溶融混練、ペレット化する方法が挙げられ
る。
【0024】溶融混練に際しての加熱温度は、通常22
0〜300℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が
高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因に
なる場合があるので注意が必要がある。それ故、剪断発
熱等に考慮したスクリュウー構成の選定が望ましい。混
練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防
止剤や熱安定剤の使用が望ましい。酸化防止剤および熱
安定剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100
重量部に対し、0.01〜2重量部であることが好まし
く、より好ましくは0.05〜1重量部である。
【0025】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
既知の種々の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、
圧縮成形、カレンダー成形、回転成形等により、電機・
電子機器分野、自動車分野、機械分野、建築分野、医療
分野等の成形品が得られる。成形方法としては、好まし
くは射出成形法である。本発明のポリカーボネート樹脂
組成物は、射出成形用ポリカーボネート樹脂組成物とし
て適しており、成形品を得るための射出成形において
は、樹脂温度を220〜300℃にコントロールするの
が好ましい。射出成型時においても、樹脂温度が高すぎ
ると、分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる
場合があるので注意を要する。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。尚、最終的に得られた樹脂組成物ま
たは比較例の樹脂組成物は射出成形によって成形片を成
形した後、下記の試験方法により性能評価を行った。 1)機械的性質 曲げ強度、曲げ弾性率は、ASTM D790によって
測定した。 2)Haze、全光線透過率(Tt) 厚さ3mmの円盤状成形品について、ヘーズメーター(ス
ガ試験機株式会社 商品 名HGM−2DP)を使用し
て測定した。
【0027】実施例及び比較例で用いた原料の詳細は次
の通りである。 1)芳香族ポリカーボネート樹脂 PC、ユーピロンS−3000、粘度平均分子量21,
000、屈折率1.585、三菱エンジニアリングプラ
スチックス(株)製 2)高屈折率ガラス繊維 チョップドストランド、ECRガラス;屈折率1.57
9、平均繊維径16μ、旭ファイバーガラス(株)製 3)ガラス繊維 チョップドストランド、Eガラス:FT−105;屈折
率1.555、平均繊維径13μ、旭ファイバーガラス
(株)製
【0028】4)ポリオキシアルキレングリコール ポリオキシエチレングリコール PEG4000N(平均分子量 3,000)、三洋化
成(株)製 PEG20000(平均分子量 20,000)、三洋化
成(株)製 5)ポリオキシアルキレングリコール ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロック
共重合体 プロノン208、数平均分子量10,000、エチレンオキサイト゛80重
量%、日本油脂(株) プロノン204、数平均分子量3,330、エチレンオキサイト゛40重量
%、日本油脂(株)
【0029】6)ポリオキシエチレン誘導体 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート ノニオンOT-221、日本油脂(株)製 ポリオキシエチレンビスフェノールA(PEG−BP
A) 7)触媒 チタニュウムテトラブトキシド(モノマー)、TBTと略
記、和光純薬(株)製 8)熱安定剤 アデカスタブPEP−36、旭電化(株)製
【0030】〔実施例1〜3〕芳香族ポリカーボネート
樹脂、ポリオキシエチレングリコール、熱安定剤を、そ
れぞれ表−1に記載した量を秤量し、タンブラーで十分
混合した。それをベント付き二軸押出機(東芝機械
(株)製TEM−35)の第一シュートより供給し、ガ
ラス繊維は押出機途中の第二シュートより供給して27
0℃で溶融混練、ペレット化した。得られたペレット
を、120℃で6時間乾燥後、260℃で射出成形を行
い物性試験片を得た。機械的性質として、引張強度、曲
げ強度、曲げ弾性率を、光学特性として、Haze、全
光線透過率を測定した。測定結果を表−1に示す。 〔実施例4〕芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリオキシ
エチレングリコール、エステル交換触媒、熱安定剤を、
それぞれ表−1に記載した量を秤量し、実施例1と同様
に、ペレット化した。ガラス繊維は、実施例1同様に押
出機途中の第二シュートより供給した。得られたペレッ
トを、実施例1と同様にして物性試験片を得、物性等の
測定を行った。測定結果を表−1に示す。
【0031】〔実施例5〕芳香族ポリカーボネート樹
脂、ポリオキシエチレングリコールを80重量%含むポ
リオキシアルキレングリコール(プロノン208)、熱
安定剤を、それぞれ表−1に記載した量を秤量し、実施
例1と同様に、ペレット化した。ガラス繊維は、実施例
1同様に押出機途中の第二シュートより供給した。得ら
れたペレットを、実施例1と同様にして物性試験片を
得、物性等の測定を行った。測定結果を表−1に示す。 〔実施例6〕芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエート、熱安定剤を、それ
ぞれ表−1に記載した量を秤量し、実施例1と同様に、
ペレット化した。ガラス繊維は、実施例1同様に押出機
途中の第二シュートより供給した。得られたペレット
を、実施例1と同様にして物性試験片を得、物性等の測
定を行った。測定結果を表−1に示す。 〔実施例7〕芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリオキシ
エチレンビスフェノールA(PEG−BPA)、熱安定
剤を、それぞれ表−1に記載した量を秤量し、実施例1
と同様に、ペレット化した。ガラス繊維は、実施例1同
様に押出機途中の第二シュートより供給した。得られた
ペレットを、実施例1と同様にして物性試験片を得、物
性等の測定を行った。測定結果を表−1に示す。
【0032】〔比較例1〜3〕芳香族ポリカーボネート
樹脂、熱安定剤のそれぞれを、表−1に記載した量を秤
量し、実施例1と同様に、ペレット化した。ガラス繊維
は、実施例1同様に押出機途中の第二シュートより供給
した。得られたペレットを、実施例1と同様にして物性
試験片を得、物性等の測定を行った。測定結果を表−1
に示す。 〔比較例4〕実施例5において、プロノン208の代わ
りにプロノン204を用いた以外は、実施例5と同様
に、ペレット化した。ガラス繊維は、実施例5同様に押
出機途中の第二シュートより供給した。得られたペレッ
トを、実施例5と同様にして物性試験片を得、物性等の
測定を行った。測定結果を表−1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物は、高剛性、高弾性率であり、しかも、優れた透明
性を有し、自動車分野、電気・電子分野、建材分野等で
透明な構造材料として使用でき、極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート樹脂100重量
    部に、該芳香族ポリカーボネート樹脂との屈折率の差が
    0.015以下であるガラス繊維1〜150重量部、お
    よびポリオキシエチレングリコール成分を50重量%以
    上含むポリオキシアルキレングリコールまたはポリオキ
    シエチレン誘導体1〜40重量部を配合してなる芳香族
    ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオキシエチレングリコール成分を5
    0重量%以上含むポリオキシアルキレングリコールの数
    平均分子量が、200〜50,000であることを特徴
    とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 ポリオキシエチレングリコール成分を5
    0重量%以上含むポリオキシアルキレングリコールが、
    ポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項
    1または2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 ポリオキシエチレン誘導体が、ポリオキ
    シエチレンのソルビタン誘導体であることを特徴とする
    請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオキシエチレン誘導体が、ポリオキ
    シエチレングリコールの片末端または両末端を、アルコ
    ール、脂肪酸、ビスフェノールA、フェノールまたはア
    ルキル化フェノールと反応させて得られるポリオキシエ
    チレングリコール誘導体であることを特徴とする請求項
    1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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