JPH09193762A - 発進補助装置 - Google Patents

発進補助装置

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JPH09193762A
JPH09193762A JP617096A JP617096A JPH09193762A JP H09193762 A JPH09193762 A JP H09193762A JP 617096 A JP617096 A JP 617096A JP 617096 A JP617096 A JP 617096A JP H09193762 A JPH09193762 A JP H09193762A
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JP
Japan
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vehicle
clutch
starting
brake pressure
signal
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Application number
JP617096A
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English (en)
Inventor
Koji Imamura
浩司 今村
Tatsuya Mori
辰也 森
Yoshiaki Higashihara
由晃 東原
Yoshiyuki Sumimoto
義行 住本
Yasuo Takashima
靖夫 高島
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチの接続位置を検出し、この検出結果
が基準のクラッチ接続位置となったときにブレーキ圧保
持を解除する発進補助装置において、路面の傾斜度や車
重が変化した場合でも、ブレーキ圧保持を解除するクラ
ッチ接続位置を略最適に維持する。 【解決手段】 道路の傾斜度又は車重に応じて変化する
検出データ(減速度A1、ブレーキ圧B)に基づいて、
道路の傾斜度又は車重の変化に対して車両の発進に過不
足のない駆動力が得られる方向に、基準のクラッチ接続
位置X1を補正する演算装置30を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の坂道等にお
ける発進を補助する発進補助装置に係わり、特にブレー
キ圧保持解除のタイミングが最適化された発進補助装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の坂道等からの発進時に、ドライバ
ーの操作ミスによる逆進、飛出し、エンストなどの不具
合を回避し、また平坦な路面においても停車時のブレー
キ圧の自動保持を行うための装置として、従来より発進
補助装置が知られている。これは、ブレーキ圧が一定値
を越えて車速がゼロになったとき、即ち車両が走行状態
を経て停車したときに、運転者がブレーキペダルから足
を離しても自動的にブレーキ圧力を保持するように構成
されたもので、運転者がセレクトレバーを発進位置に選
択しクラッチを繋いでアクセルペダルを踏込んだとき
に、装置がそれを自動的に検出してブレーキ圧保持を解
除するものである。
【0003】そして、このブレーキ圧保持を解除するク
ラッチ接続位置に関するタイミングとしては、基本的に
クラッチが所定のクラッチ接続位置に操作されたことが
検出された時点とされていた。即ち、例えば図7のブロ
ック線図に示すように、クラッチ位置センサ1から演算
装置2に入力要素3を介して入力されたクラッチ位置の
信号Xと、要素4から出力されたクラッチ接続基準位置
の信号X0(定数)とにより、加え合わせ点5において
Y=X−X0という演算がなされ、Yの符号が正のとき
にはクラッチ非接続と判定してブレーキ圧を保持し、Y
の符号が負となったときにクラッチ接続と判定してブレ
ーキ圧を解除する構成とされていた。
【0004】この図7の装置では、クラッチペダルを踏
込んだ足を発進時において運転者が接続方向に戻す操作
をしたときに、その踏込み位置が毎回一定位置まで戻さ
れると、発進補助装置により保持されたブレーキ圧が自
動的に解除される。なおこの装置では、クラッチの摩耗
等によりクラッチが接続される位置範囲が変化した場合
には、例えばクラッチが適正な押圧力で接続される前に
ブレーキ圧保持が解除されてしまい、車両が坂道(昇り
坂)にある場合には重力により不用意に逆進してしまう
といった不具合が発生する恐れがある。
【0005】そこで、このような不具合を防止すること
を目的として、例えば図8のブロック線図に示すような
制御装置を備えた発進補助装置もある。これは、クラッ
チ位置センサ11から演算装置12に入力要素13を介
して入力されたクラッチ位置の信号Xと、要素14から
出力されたクラッチ接続基準位置の信号X1(変数)と
により、加え合わせ点15においてY=X−X1という
演算がなされ、Yの符号が正のときにはクラッチ非接続
と判定してブレーキ圧を保持し、Yの符号が負となった
ときにクラッチ接続と判定してブレーキ圧を解除する。
そして要素16では、入力要素17を介して車速センサ
18から入力された車速信号に基づき、発進検出が行わ
れ、発進と判定されたときに要素14に発進検出信号S
が出力されて、要素14ではこの発進検出信号Sが入力
された時点のクラッチ位置の信号Xを毎回読取ってクラ
ッチ接続基準位置の信号X1として更新登録する構成の
ものである。
【0006】この図8の装置では、発進時の実際のクラ
ッチ位置が毎回検出されてクラッチ接続基準位置として
登録され、次回の発進時においては、このクラッチ接続
基準位置までクラッチペダルが戻されたときに、発進補
助装置により保持されたブレーキ圧が自動的に解除され
ることになる。つまりこの装置では、クラッチの摩耗等
によりクラッチが接続される位置範囲が変化した場合で
も、その変化に追従するようにクラッチ接続基準位置が
更新されるから、前述の昇り坂における逆進等の不具合
の解消が期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図8により
説明した上記従来の発進補助装置は、道路の傾斜度や車
重或いは路面状況(路面摩擦係数)が一定不変の場合に
は、常に略適正なクラッチ位置におけるブレーキ圧の自
動解除が可能となるが、道路の傾斜度や車重或いは路面
状況が前回の発進時と異なる場合には、ブレーキ圧の自
動解除を行うクラッチ位置が不適正となり、依然として
逆進等の不具合が発生する恐れがあった。
【0008】例えば、一定傾斜度の坂道で坂道発進を
し、その後さらに急勾配な坂道で坂道発進をする場合に
は、適正なクラッチ位置よりも前でブレーキ圧保持が自
動解除されてしまい車両が逆進する現象が生じる。とい
うのは、より急勾配な昇り坂であればあるほど、発進
(前進)するために必要な駆動力は当然増えるため、こ
れに応じて発進する際の適正なクラッチ位置は、クラッ
チがより強く押し付けられる方向(即ち、クラッチペダ
ルをより戻す方向)にずれることになる。ところが、前
回の発進時のクラッチ位置のみを基準にしてブレーキ圧
解除のタイミングを判定する図8に示す従来の発進補助
装置では、前回の発進時と同じ駆動力しか得られない同
一のクラッチ位置でフレーキ圧保持が自動解除されてし
まうので、急勾配により逆進する力(重力の分力)が打
ち勝って車両が逆進してしまうのである。なお、一定傾
斜度の坂道で坂道発進をし、その後逆に勾配の小さな坂
道或いは平坦な道等で発進する場合には、適正なクラッ
チ位置よりも後でブレーキ圧保持が自動解除されること
になるので、この場合には逆に駆動力が大きすぎて車両
が急激に発進して飛出すことになる。
【0009】また、車両の搭乗者数、荷物の積載量、或
いは燃料の装填量等を含む車重が軽いときに一定傾斜度
の坂道発進をし、その後荷物の積載量増加等により車重
が重くなった状態で同傾斜度の坂道発進をする場合に
も、やはり適正なクラッチ位置よりも前でブレーキ圧保
持が自動解除されてしまい昇り坂で車両が逆進する現象
が生じる。というのは、より車重が重くなればなるほ
ど、昇り坂においては発進(前進)するために必要な駆
動力は当然増えるため、これに応じて発進する際の適正
なクラッチ位置は、クラッチがより強く押し付けられる
方向にずれることになる。ところが、図8に示す従来の
発進補助装置では、前回の発進時と同じ駆動力しか得ら
れない同一のクラッチ位置でフレーキ圧保持が自動解除
されてしまうので、車重が増加した分だけ逆進する力
(重力の分力)が打ち勝って車両が逆進してしまうので
ある。なお、一定車重の状態で発進をし、その後逆に車
重が低下した状態で発進する場合には、適正なクラッチ
位置よりも後でブレーキ圧保持が自動解除されることに
なるので、この場合には逆に駆動力が大きすぎて車両が
急激に発進して飛出すことになる。
【0010】また、路面状況が通常の舗装道路から雪面
等の摩擦係数が低く滑りやすい路面に変化した場合に
は、スリップ防止の観点から発進時の駆動力を必要最小
限に低下させるのが好ましい。ところが、図8に示す従
来の発進補助装置では、前回の発進時と同じ駆動力とな
る同一のクラッチ位置でフレーキ圧保持が自動解除され
てしまうので、通常路面においても運転者がゆっくりし
た加速度で発進するような特殊な運転を行っていない限
りスリップ防止には全く貢献できない。
【0011】そこで本発明は、路面の傾斜度や車重さら
には路面状況が変化した場合でも、ブレーキ圧保持を解
除するクラッチ接続位置を略最適に維持できる発進補助
装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発進補助装置は、クラッチの接続位
置を検出し、この検出結果が基準のクラッチ接続位置と
なったときにブレーキ圧保持を解除する発進補助装置に
おいて、道路の傾斜度又は車重に応じて変化する検出デ
ータに基づいて、道路の傾斜度又は車重の変化に対して
車両の発進に過不足のない駆動力が得られる方向に、前
記基準のクラッチ接続位置を補正する演算装置を備えた
ことを特徴とする。
【0013】また、請求項2記載の発進補助装置は、前
記検出データとして、車両の減速度及びブレーキ圧を検
出することを特徴とする。また、請求項3記載の発進補
助装置は、前記検出データとして、車両のスロットル位
置及び加速度を検出することを特徴とする。
【0014】また、請求項4記載の発進補助装置は、ク
ラッチの接続位置を検出し、この検出結果が基準のクラ
ッチ接続位置となったときにブレーキ圧保持を解除する
発進補助装置において、スロットル位置、駆動輪により
求められる車速、及び従動輪により求められる車速をそ
れぞれ検出し、これら検出データが駆動輪のスリップが
通常よりも大きく滑り易い路面であることを示す値であ
る場合には、車両の発進に必要最低限の駆動力が得られ
る方向に前記基準のクラッチ接続位置を補正する演算装
置を備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の各例
を図面に基づいて説明する。第1例 まず、図1及び図2により第1例の発進補助装置につい
て説明する。図1は本例の発進補助装置の制御系の要部
構成を示すブロック線図であり、図2は同制御系の後述
する補正演算要素37の演算内容の一例を示す図であ
る。この装置の制御系は、図1に示すように、クラッチ
位置センサ21と、車速センサ22と、ブレーキ圧セン
サ23と、演算装置30とを備える。なお演算装置30
は、実際には、例えばマイクロコンピュータを含む電子
回路により実現される。
【0016】クラッチ位置センサ21は、車両における
クラッチ装置において、スプリング等の力によりクラッ
チ板に押し付けられるプレッシャプレートを、前記スプ
リング等の力に抗してクラッチ板から引き離す方向に押
す可動部材(例えば、レリーズレバー等)、或いはこの
可動部材と連動して動く部材(例えば、クラッチペダ
ル)の移動位置(以下、クラッチ位置という。)を検出
する位置センサである。すなわち、このクラッチ位置セ
ンサ21は、本発明におけるクラッチ接続位置を検出す
るもので、本発明におけるクラッチ接続位置は、クラッ
チが接続されている状態(前記プレッシャプレートがク
ラッチ板に接触している状態)おけるクラッチ位置を意
味する。
【0017】つまり、クラッチが接続されている状態に
おいてエンジンから車軸に伝えられる駆動力は、エンジ
ンの出力トルクが一定としてもクラッチペダルの微妙な
操作量(プレッシャプレートがクラッチ板に押し付けら
れる力の大きさ)に応じて変化するが、この駆動力の変
化を決定づける操作量がクラッチ接続位置である。な
お、演算装置30の内部では、この場合上記プレッシャ
プレートが引き離される方向(通常、クラッチペダルが
踏込まれる方向)において、上記クラッチ位置の信号X
の値が増加する方向に信号の極性が設定されている。
【0018】車速センサ22は、車両の速度を検出する
センサで、例えば従動輪の回転数を検出するエンコーダ
等である。なお、スリップし易い駆動輪の回転数を検出
する構成とした場合には、車速の検出値としては比較的
不正確なものとなるので、従動輪の回転数を検出するの
が好ましい。ブレーキ圧センサ23は、ドラムブレーキ
或いはディスクブレーキ等よりなるブレーキ本体に加え
られる油圧(ブレーキ圧)を検出するもので、このブレ
ーキ圧センサ23により検出されるブレーキ圧の信号B
は、車両の制動力の大きさを表わすことになる。
【0019】次に演算装置30は、クラッチ位置センサ
21,車速センサ22及びブレーキ圧センサ23からそ
れぞれ入力される信号を内部で取扱われる形態に変換す
る入力要素31,32,33と、車速センサ22の信号
に基づいて発進判定を行う発進検出要素34と、この発
進検出要素34が発進と判定して発進検出信号Sが出力
された時点のクラッチ位置の信号Xを毎回読取ってクラ
ッチ接続基準位置の信号X1として更新登録するクラッ
チ接続位置記録要素35と、車速センサ22の信号によ
り車両の減速度を算出する減速度算出要素36と、この
減速度算出要素36から出力された減速度A1、及びブ
レーキ圧センサ23からのブレーキ圧Bに基づいて補正
量Hを算出する補正演算要素37と、前記クラッチ接続
基準位置の信号X1から前記補正量Hを減算する演算
(X2=X1−H)を行う加え合わせ要素38と、この
加え合わせ要素38の演算結果X2(クラッチ接続位置
推定値)をクラッチ位置Xから減算する演算(Y=X−
X2)を行う加え合わせ要素39とを備える。
【0020】そして、演算結果Yの符号が正のときには
クラッチ非接続(クラッチ接続位置不適正)と判定して
ブレーキ圧を保持し、Yの符号が負となったときにクラ
ッチ接続(クラッチ接続位置適正)と判定してブレーキ
圧を解除する構成となっている。また、補正演算要素3
7は、例えばブレーキ圧Bが前回の停止時と比較して減
速度A1に対してより小さく、或いは減速度A1が前回
の停止時と比較してブレーキ圧Bに対してより大きい
と、補正量を増加させる特性を有しており、例えば図2
に示すような予め設定された関係に基づいて、補正量H
を決定する。例えば図2では、ブレーキ圧Bが最小で減
速度A1が最大の場合には、補正量Hが「3」となり、
ブレーキ圧Bが最大で減速度A1が最小の場合には、補
正量Hが「−3」となる。
【0021】以上のように構成された発進補助装置であ
ると、道路の傾斜度に応じて変化する検出データ(減速
度A1とブレーキ圧B)に基づいて、車両の発進に過不
足のない駆動力が得られる方向にクラッチ接続基準位置
X1が補正されるため、道路の傾斜度が変化しても常に
略適正なタイミングでブレーキ圧の解除がなされ、車両
の発進時の逆進や飛出しが確実に防止される。
【0022】すなわち、補正演算要素37において補正
量Hの演算のために使用される減速度A1とブレーキ圧
Bは、最新の値(即ち、発進前に停車した際の停車直前
のもの)に基づくものであり、車両が発進しようとする
路面の傾斜度に対応したものであるから、例えば車両が
前回の発進時よりもより傾斜度の大きな昇り坂で停止し
そこから発進しようとする場合には、ブレーキ圧Bに対
して減速度A1がより大きくなって、例えば図2に示す
線図に基づいて補正演算が行われると、補正量Hがより
大きな正の値となる。このため、クラッチ接続位置推定
値X2の値が前回発進時のクラッチ位置X1よりも減少
し、判定値Yが負となるクラッチ位置Xが前回発進時よ
りも補正量Hの分だけ小さな値となり、ブレーキ圧の解
除がより遅く(クラッチペダルの踏込み量がより小さな
位置で)なされることになる。したがって、ブレーキ圧
の保持が解除される際の駆動力は、補正量Hの分だけ前
回発進時よりも大きくなる。ところで、前回の発進時よ
りも車両がより傾斜度の大きな昇り坂で停止しそこから
発進しようとする場合には、前回に比較してより大きな
駆動力が伝達されなければ車両の逆進が起こることにな
るが、本例の場合にはこの傾斜度の変化に応じて前記補
正量Hが変化してその分だけ上述したように駆動力が前
回発進時よりも大きくなるため、逆進等の不具合が起こ
らず円滑な発進が実現される。
【0023】また逆に、例えば車両が前回の発進時より
もより傾斜度の大きな下り坂で停止しそこから発進しよ
うとする場合には、直前の停止時のブレーキ圧Bに対す
る減速度A1が前回の停止時に比較してより小さくなっ
て、例えば図2に示す線図に基づいて補正演算が行われ
ると、補正量Hがより小さな負の値となる。このため、
クラッチ接続位置推定値X2の値が前回発進時のクラッ
チ位置X1よりも増加し、判定値Yが負となるクラッチ
位置Xが前回発進時よりも補正量Hの分だけ大きな値と
なり、ブレーキ圧の解除がより早く(クラッチペダルの
踏込み量がより大きな位置で)なされることになる。し
たがって、ブレーキ圧の保持が解除される際の駆動力
は、補正量Hの分だけ前回発進時よりも小さくなる。と
ころで、前回の発進時よりも車両がより傾斜度の大きな
下り坂で停止しそこから発進しようとする場合には、前
回に比較してより小さな駆動力が伝達されなければ車両
の飛出しが起こることになるが、本例の場合にはこの傾
斜度の変化に応じて前記補正量Hが変化してその分だけ
上述したように駆動力が前回発進時よりも小さくなるた
め、飛出しの不具合が起こらず円滑な発進が実現され
る。
【0024】第2例 次に、図3及び図4により第2例の発進補助装置につい
て説明する。図3は本例の発進補助装置の制御系の要部
構成を示すブロック線図であり、図4は同制御系の後述
する補正演算要素43の演算内容の一例を示す図であ
る。なお、図1に示す第1例と同様の構成要素には同符
号を付してその説明を省略する。この装置の制御系は、
図3に示すように、入力要素41を介してスロットル位
置センサ24から入力されるスロットル位置の信号R
と、加速度算出要素42により求められた車両の加速度
A2とに基づいて、補正量Hを決定して出力する補正演
算要素43を有する演算装置40を備えた点に特徴を有
するものである。
【0025】本例におけるスロットル位置センサ24
は、本発明のスロットル位置を検出するものである。こ
こでスロットル位置とは、エンジンの出力トルクを左右
するスロットルバルブ又はこれと連動する可動部材(例
えば、アクセルペダル)の移動位置であり、ストットル
開度に応じたものである。なおこの場合、演算装置40
におけるこのスロットル位置の信号Rは、スロットル開
度が増加する方向において値が増加するようにその極性
が設定されている。また、加速度算出要素42は、車速
センサ22の信号により発進時の車両の加速度A2を算
出し、補正演算要素43に対して出力するものである。
【0026】そして、補正演算要素43は、例えばスロ
ットル位置Rが前回の発進時と比較して加速度A2に対
してより大きく、或いは加速度A2が前回の発進時と比
較してスロットル位置R対してより小さいと、補正量を
増加させる特性を有しており、例えば図4に示すような
予め設定された関係に基づいて、補正量Hを決定する。
例えば図4では、スロットル位置Rが最小で加速度A2
が最大の場合には、補正量Hが「−3」となり、スロッ
トル位置Rが最大で加速度A2が最小の場合には、補正
量Hが「3」となる。
【0027】以上のように構成された発進補助装置であ
ると、道路の傾斜度及び車重に応じて変化する検出デー
タ(加速度A2とスロットル位置R)に基づいて、車両
の発進に過不足のない駆動力が得られる方向にクラッチ
接続基準位置X1が補正されるため、道路の傾斜度や車
重が変化しても常に略適正なタイミングでブレーキ圧の
解除がなされ、車両の発進時の逆進や飛出しが確実に防
止される。なお、ここでいう車重には、車両自体の重量
の他に、燃料や搭乗者の重量、さらには積荷の重量等も
含まれる。
【0028】すなわち、補正演算要素43において補正
量Hの演算のために使用される加速度A2とスロットル
位置Rは、前回の発進直後の値に基づくものであり、前
回の発進後に積荷量の変化等による車重の変化や路面傾
斜度の変化がなければ、今回車両が発進しようとする時
点の車重や路面の傾斜度に対応したものである。このた
め、例えば車両が前前回の発進時よりもより傾斜度の大
きな昇り坂で発進し、或いは前前回の発進時よりも車重
が増加した状態で発進し、その後同様の状態から発進し
ようとする場合には、補正演算要素43におけるスロッ
トル位置Rに対する加速度A2がより小さくなって、例
えば図4に示す線図に基づいて補正演算が行われると、
補正量Hがより大きな正の値となる。このため、クラッ
チ接続位置推定値X2の値が前前回発進時のクラッチ位
置X1よりも減少し、判定値Yが負となるクラッチ位置
Xが前前回発進時よりも補正量Hの分だけ小さな値とな
り、ブレーキ圧の解除がより遅く(クラッチペダルの踏
込み量がより小さな位置で)なされることになる。した
がって、ブレーキ圧の保持が解除される際の駆動力は、
補正量Hの分だけ前回発進時よりも大きくなる。ところ
で、車両がより傾斜度の大きな昇り坂で停止しそこから
発進しようとする場合や、車両がより車重が増加した状
態で発進する場合には、前回に比較してより大きな駆動
力が伝達されなければ車両の逆進が起こることになる
が、本例の場合にはこの傾斜度の変化や車重の変化に応
じて前記補正量Hが変化してその分だけ上述したように
駆動力が前前回発進時よりも大きくなるため、逆進等の
不具合が起こらず円滑な発進が実現される。
【0029】また逆に、例えば車両が前前回の発進時よ
りもより傾斜度の小さな昇り坂で発進し、或いは前前回
の発進時よりも車重が減少した状態で発進し、その後同
様の状態から発進しようとする場合には、補正演算要素
43におけるスロットル位置Rに対する加速度A2が前
前回の発進時に比較してより大きくなって、例えば図4
に示す線図に基づいて補正演算が行われると、補正量H
がより小さな負の値となる。このため、クラッチ接続位
置推定値X2の値が前前回発進時のクラッチ位置X1よ
りも増加し、判定値Yが負となるクラッチ位置Xが前回
発進時よりも補正量Hの分だけ大きな値となり、ブレー
キ圧の解除がより早く(クラッチペダルの踏込み量がよ
り大きな位置で)なされることになる。したがって、ブ
レーキ圧の保持が解除される際の駆動力は、補正量Hの
分だけ前前回発進時よりも小さくなる。ところで、車両
がより傾斜度の小さな昇り坂で停止しそこから発進しよ
うとする場合や、或いは車重が減少した状態で発進する
場合には、より小さな駆動力が伝達されなければ車両の
飛出しが起こることになるが、本例の場合にはこの傾斜
度の変化や車重の変化に応じて前記補正量Hが変化して
その分だけ上述したように駆動力が前回発進時よりも小
さくなるため、飛出し等の不具合が起こらず円滑な発進
が実現される。
【0030】第3例 次に、図5及び図6により第3例の発進補助装置につい
て説明する。図5は本例の発進補助装置の制御系の要部
構成を示すブロック線図であり、図6は同制御系の後述
する補正演算要素53の演算内容の一例を示す図であ
る。なお、図1に示す第1例或いは図3に示す第2例と
同様の構成要素には同符号を付してその説明を省略す
る。この装置の制御系は、図5に示すように、入力要素
41を介してスロットル位置センサ24から入力される
スロットル位置の信号Rと、偏差率演算要素52により
求められた車両の駆動輪速度と従動輪速度の偏差率ΔV
とに基づいて、補正量Hを決定して出力する補正演算要
素53を有する演算装置50を備えた点に特徴を有する
ものである。
【0031】ここで、偏差率演算要素52は、入力要素
32を介して従動輪車速センサ22から入力される従動
輪速度Vfと、入力要素51を介して駆動輪車速センサ
25から入力される駆動輪速度Vdとに基づき、所定の
演算(ΔV=(Vd−Vf)/Vf)を行って発進時の
偏差率ΔV(≧0)を求めるものである。なお、この場
合偏差率ΔVが大きければ大きいほど、駆動輪が激しく
スリップしていることになる。
【0032】そして、補正演算要素53は、例えばスロ
ットル位置Rが通常路面と比較して偏差率ΔVに対して
より小さく、或いは偏差率ΔVが通常路面と比較してス
ロットル位置Rに対してより大きいと、補正量Hを0以
下に減少させる特性を有しており、例えば図6に示すよ
うな予め設定された関係に基づいて、補正量Hを決定す
る。例えば図6では、スロットル位置Rが最小で偏差率
ΔVが最大の場合には、補正量Hが「−3」となり、ス
ロットル位置Rが最大で偏差率ΔVが最小の場合には、
補正量Hが「0」となる。
【0033】以上のように構成された発進補助装置であ
ると、路面状態(路面の摩擦係数)に応じて変化する検
出データ(偏差率ΔVとスロットル位置R)を検出し、
これら検出データが駆動輪のスリップが通常よりも大き
く滑り易い路面であることを示す値である場合には、車
両の発進に必要最低限の駆動力が得られる方向にクラッ
チ接続基準位置X1が補正されるため、路面が雪面等の
滑りやすい状態に変化しても常に略適正なタイミングで
ブレーキ圧の解除がなされ、車両の発進時のスリップが
防止される。
【0034】すなわち、補正演算要素53において補正
量Hの演算のために使用される偏差率ΔVとスロットル
位置Rは、前回の発進直後の値に基づくものであり、前
回の発進後に路面状態の変化がなければ、今回車両が発
進しようとする時点の路面状態に対応したものである。
このため、例えば車両が通常路面よりもより摩擦係数の
小さな滑り易い路面で発進し、その後同様の路面から発
進しようとする場合には、補正演算要素53におけるス
ロットル位置Rに対する偏差率ΔVがより大きくなっ
て、例えば図6に示す線図に基づいて補正演算が行われ
ると、補正量Hがより小さな負の値となる。このため、
クラッチ接続位置推定値X2の値が前前回発進時のクラ
ッチ位置X1よりも増加し、判定値Yが負となるクラッ
チ位置Xが前前回発進時よりも補正量Hの分だけ大きな
値となり、ブレーキ圧の解除がより早く(クラッチペダ
ルの踏込み量がより大きな位置で)なされることにな
る。したがって、ブレーキ圧の保持が解除される際の駆
動力は、補正量Hの分だけ通常時よりも小さくなる。と
ころで、車両がより滑りやすい路面で発進しようとする
場合には、より小さな駆動力で発進しなければ駆動輪の
スリップが起こることになるが、本例の場合にはこの路
面状態の変化に応じて前記補正量Hが変化してその分だ
け上述したように駆動力が通常時よりも小さくなるた
め、スリップが起こらず円滑な発進が実現される。
【0035】なお、本発明は以上説明した各例に限られ
ず、各種の態様があり得る。例えば、第1例に示した補
正演算要素37、第2例に示した補正演算要素43、第
3例に示した補正演算要素53のうち、いずれか複数を
設けて、それぞれの出力によりクラッチ接続基準位置X
2を補正する構成としてもよい。このようにすれば、各
補正演算要素を設けた場合の効果が同時に実現される。
【0036】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3記載の発進補助装
置によれば、道路の傾斜度又は車重に応じて変化する検
出データに基づいて、道路の傾斜度又は車重の変化に対
して車両の発進に過不足のない駆動力が得られる方向
に、前記基準のクラッチ接続位置を補正する。このた
め、道路の傾斜度や車重が変化しても常に略適正なタイ
ミングでブレーキ圧の解除がなされ、車両の発進時の逆
進や飛出しが確実に防止される。
【0037】また、請求項4記載の発進補助装置によれ
ば、スロットル位置、駆動輪により求められる車速、及
び従動輪により求められる車速をそれぞれ検出し、これ
ら検出データが駆動輪のスリップが通常よりも大きく滑
り易い路面であることを示す値である場合には、車両の
発進に必要最低限の駆動力が得られる方向に前記基準の
クラッチ接続位置を補正する。このため、路面が滑り易
い雪面等に変化しても常に略適正なタイミングでブレー
キ圧の解除がなされ、車両の発進時のスリップが防止さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例である発進補助装置の要部構成
を示すブロック線図である。
【図2】本発明の第1例である発進補助装置における補
正演算の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2例である発進補助装置の要部構成
を示すブロック線図である。
【図4】本発明の第2例である発進補助装置における補
正演算の一例を示す図である。
【図5】本発明の第3例である発進補助装置の要部構成
を示すブロック線図である。
【図6】本発明の第3例である発進補助装置における補
正演算の一例を示す図である。
【図7】従来の発進補助装置の基本原理を示すブロック
線図である。
【図8】従来の発進補助装置の要部構成を示すブロック
線図である。
【符号の説明】
21 クラッチ位置センサ 22 車速センサ(従動輪車速センサ) 23 ブレーキ圧センサ 24 スロットル位置センサ 25 駆動輪車速センサ 30,40,50 演算装置 36 減速度算出要素 37 補正演算要素 42 加速度算出要素 43 補正演算要素 52 偏差率演算要素 53 補正演算要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住本 義行 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内 (72)発明者 高島 靖夫 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチの接続位置を検出し、この検出
    結果が基準のクラッチ接続位置となったときにブレーキ
    圧保持を解除する発進補助装置において、 道路の傾斜度又は車重に応じて変化する検出データに基
    づいて、道路の傾斜度又は車重の変化に対して車両の発
    進に過不足のない駆動力が得られる方向に、前記基準の
    クラッチ接続位置を補正する演算装置を備えたことを特
    徴とする発進補助装置。
  2. 【請求項2】 前記検出データとして、車両の減速度及
    びブレーキ圧を検出することを特徴とする請求項1記載
    の発進補助装置。
  3. 【請求項3】 前記検出データとして、車両のスロット
    ル位置及び加速度を検出することを特徴とする請求項1
    又は2記載の発進補助装置。
  4. 【請求項4】 クラッチの接続位置を検出し、この検出
    結果が基準のクラッチ接続位置となったときにブレーキ
    圧保持を解除する発進補助装置において、 スロットル位置、駆動輪により求められる車速、及び従
    動輪により求められる車速をそれぞれ検出し、これら検
    出データが駆動輪のスリップが通常よりも大きく滑り易
    い路面であることを示す値である場合には、車両の発進
    に必要最低限の駆動力が得られる方向に前記基準のクラ
    ッチ接続位置を補正する演算装置を備えたことを特徴と
    する発進補助装置。
JP617096A 1996-01-17 1996-01-17 発進補助装置 Pending JPH09193762A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9150973B2 (en) 2011-08-19 2015-10-06 Jernkontoret Ab Process for recovering metals and an electrolytic apparatus for performing the process

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