JPH09190918A - 磁気回路形成部材の形成方法と磁気回路形成部材及びこれを用いた磁気ヘッドと薄膜コイル - Google Patents

磁気回路形成部材の形成方法と磁気回路形成部材及びこれを用いた磁気ヘッドと薄膜コイル

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JPH09190918A
JPH09190918A JP1832496A JP1832496A JPH09190918A JP H09190918 A JPH09190918 A JP H09190918A JP 1832496 A JP1832496 A JP 1832496A JP 1832496 A JP1832496 A JP 1832496A JP H09190918 A JPH09190918 A JP H09190918A
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Shinji Furuichi
眞治 古市
Kaoru Jinnai
馨 神内
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 終点検出精度の高い、しかもレートの大きな
エッチングを行なうことができる磁気回路形成部材の形
成方法を提供する。 【解決手段】 磁気回路形成部材の形成方法において、
基台52上にスパッタリング或いは真空蒸着によりクロ
ム薄膜を形成することにより下地膜10を形成し、次に
パターニングされた第1のフォトレジスト40をマスク
とすると共に前記下地膜を電極として電気メッキにより
パーマロイ層を直接堆積させて磁気回路層56を形成
し、パターニングされた第2のフォトレジスト44をマ
スクとして前記磁気回路層をパーマロイエッチング液に
より選択的にエッチングし、次に、クロムエッチング液
により下地膜を選択的にエッチングするように構成す
る。これにより、エッチングレートを大幅に向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気回路形成部材
の形成方法と磁気回路形成部材及びこれを用いた磁気ヘ
ッドと薄膜コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気ディスクやフロッピディス
ク等の磁気記録媒体に対して情報の記録再生を行なうに
は、磁気ヘッドを用いるが、この磁気ヘッドは一般的に
は媒体表面上を僅かなギャップを隔てて空気浮上するス
ライダの端部に設けられ、媒体表面をトラッキングする
ようになっている。図6はスライダを示す斜視図であ
り、例えばAl23 ・TiC(アルミナチタンカーバ
イト)製のスライダ2の片面の両側には、ラップ加工さ
れた2本のレール面4、4が形成され、このスライダ2
の端部の一部に例えば電気メッキ、スパッタリング、C
VD等の各種の成膜技術などを用いて磁気ヘッド6が形
成されている。そして、記録再生時には、このスライダ
2のレール面4、4を磁気記録媒体面に対向させて、媒
体を回転することによりスライダを媒体と非接触で一定
量空気浮上させるようになっている。
【0003】この種の磁気ヘッド6としては、下部磁
極、コイル及び上部磁極等の構成部材を全て上記した薄
膜成形技術を用いて形成した薄膜磁気ヘッド(TFI:
Thin Film Inductive)や磁気ギャ
ップに合金膜を形成した一対のバルク型のコア間に薄膜
成形技術によりコイルを巻回させて設け、このコアの端
部を同じく薄膜成形技術により形成される磁気短絡部材
により磁気的に短絡させるようにしたDMG(Doub
le Metal In Gap)型の磁気ヘッド等が
知られている。ここで、磁気ヘッドの構造について説明
する。図7は薄膜磁気ヘッドの斜視図を示し、特に図7
(A)はヘッドの部分斜視図を示し、図7(B)はその
拡大断面図を示す。図8は図7中のA−A線矢視拡大断
面図を示す。図中、8はAl23 ・TiCにAl2
3 を約10μmスパッタした基板であり、成膜後、これ
を所定の形状に切り出すことにより例えばスライダとし
ての基台になる。
【0004】まず、この基板(基台)8上に電気メッキ
用の電極となる下地膜10を例えばスパッタリングによ
り0.1μm程度の厚さで成膜し、この上に磁性材料、
例えばパーマロイ(NiFe)層11を2〜4μm程度
の厚さで成膜レートの高い電気メッキにより成膜し、全
体で下部磁極12を形成する。そして、この下部磁極1
2上に絶縁材22を介してコイル16を薄膜成形技術に
より形成し、上部磁極用下地膜18とパーマロイ層13
よりなる上部磁極14を形成する。この場合、パーマロ
イ層13も電気メッキにより成膜することからこの下層
にメッキ用電極として磁性材料がスパッタリングにより
成膜されて上記上部磁極用下地膜18が形成される。上
部磁極14と下部磁極12の先端は、僅かな距離だけ隔
てられて磁気ギャップ20が形成され、両者の基端部は
接合されて磁気的に短絡されており、上部磁極14、磁
気ギャップ20及び下部磁極12を通る閉ループにより
磁気回路が形成される。尚、上記各部材間は、樹脂より
なる絶縁材22bにより充填されており、更に、全体を
アルミナ等により保護膜22aで覆っている。尚、23
は接合部である。
【0005】図9はDMG型の磁気ヘッドの拡大断面図
を示し、最終的に基台となる基板24上に前述の磁気ヘ
ッドの場合と同様に電気メッキ用の電極となる下地膜2
6を例えばスパッタリングにより0.1μm程度の厚さ
で成膜し、この上に磁性材料、例えばパーマロイ層27
を2〜4μm程度の厚さで電気メッキにより成膜するこ
とによって全体で磁気短絡部材28を形成している。そ
して、この磁気短絡部材28上に、一対のコア30、3
2を起立させられる様に結合部を設けると共に、このコ
ア30、32間に成膜技術によりコイル34を巻回させ
る様に薄膜コイルを形成する。両コア30、32の下端
は、磁気短絡部材28により磁気的に短絡されており、
また、両コア30、32の上端は、所定の間隙を隔てて
磁気ギャップ36が形成される。従って、一方のコア3
0、磁気ギャップ36、他方のコア32及び磁気短絡部
材28を通る閉ループにより磁気回路が形成される。
尚、各部材間は、例えばガラスや樹脂よりなる接合材3
8により充填される。
【0006】ところで、上述したような下部磁極12や
磁気短絡部材28のような磁気回路形成部材を電気メッ
キにより成膜する場合には、メッキ膜の付着強度を考慮
すると下地層10、26とその上のメッキ層は同一の材
質のものを使用するのが好ましいので、下地層としては
その上層のメッキ層と同じ材質のパーマロイを単層で用
いることが一般的に行なわれるが、この場合には基板と
下地層との接着強度が不足することも危惧されるので、
非磁性のCr膜とパーマロイ膜とを共にスパッタリング
により成膜して下地層を2層構造とし、いわばCr膜を
接着剤として使用することも行なわれている。尚、非磁
性のCr膜を下地層として用いる形成方法は、図8に示
す上部磁極14の形成時には使用することができない。
その理由は、上部磁極14と下部磁極12の基端部にて
非磁性のCr膜が介在してしまって磁気ギャップが生
じ、磁気抵抗が許容限度以上に大きくなるからでる。
【0007】ここで、図10を参照して上記した下部磁
極12や磁気短絡部材28等の磁気回路形成部材の従来
の形成方法(パターニング)について説明する。このよ
うな形成方法は、例えば特開平1−241106号公報
等に開示されている。尚、ここでは図6に示した下部磁
極12を形成する場合について説明するが、磁気短絡部
材28も同様にして形成できるのは勿論であり、図10
に示す断面図は図7において下部電極12を矢印B方向
から見た状態を示している。
【0008】まず、Al23 ・TiCにAl23
約10μmスパッタした非磁性の基板8の表面を洗浄し
(図10(A))、この表面に電気メッキ用の電極とし
てパーマロイよりなる下地層10をスパッタリングによ
り成膜し(図10(B))、更に、この上にフォトレジ
スト40を塗布して(図10(C))、所定のパターン
に露光する(図10(D))。次に、この露光後のフォ
トレジスト40を現像することによりフォトレジストの
マスク40Aを作る(図10(E))。ここでマスク4
0Aは、下部磁極12の輪郭形状となるように枠状に形
成されており、その平面図は図11に示されている。次
にこれをマスクとしてパーマロイを電気メッキにより成
膜することにより下部磁極12となるパーマロイ層42
を形成し(図10(F))、マスク40Aを除去する
(図10(G))。
【0009】次に、上記パーマロイ層42をマスクとし
てイオンミリング法を用いて露出した下地層10を除去
する(図10(H))。次に、再度、フォトレジスト4
4を塗布し(図10(I))、その後に、下部磁極12
に対応する部分を除いて露光して(図10(J))、現
像を行なって下部磁極12を覆うマスク44Aを形成す
る(図10(K))。次に、マスクを行なった状態でウ
ェットエッチングにより不要領域のメッキで形成したパ
ーマロイ層42とスパッタリングにより形成したパーマ
ロイ製の下地層10を除去し(図10(L))、更に、
マスク44Aを除去することにより下部磁極12をパタ
ーン形成する(図10(M))。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した磁
気回路形成部材の形成方法においては、図10(G)に
おいて下地膜10の露出した部分(マスク40Aの位置
に対応)を除去するためにイオンミリング法を用いてい
るが、このイオンミリング法による膜除去効率は10分
間で厚さが0.1μm程度なので非常に遅く、ヘッド製
造のスループットが良好でない。更には、イオンミリン
グで除去した成分が表面に再付着したり、或いは時間管
理を行なってもイオンミリングの終点を精度良く検出す
ることができないといった問題もあった。特に、イオン
ミリング不足の場合には、不必要な部分との間で磁気的
短絡や電気的短絡が生ずる恐れもあり、終点検出の精度
を上げる必要がある。
【0011】スループットを向上させるために図10
(H)に示すように下地層10の露出部分を除去する工
程を省略することも考えられる。上記特開平1−241
106号公報のパターン形成方法は、図10(H)に示
すような工程を省略した手順を示しているが、この場合
には、レジスト或いはマスク幅だけ、下地層が下部磁極
よりも外側にバリ状に出てしまって寸法精度が劣化し、
このバリ部分が他の不必要部分と接触して磁気的或いは
電気的絶縁性能を劣化させる恐れがある。このマスクの
幅に相当する幅W1は3〜10μm程度であり、微細化
要求が厳しくなかった従来においては問題とはならなか
ったが、特に、磁気ヘッドやコイルの高密度化、高微細
化及び高トラック密度化の要求が高まり、トラック幅
(W)精度においてサブミクロンのオーダが要求される
現在においては下部磁極の外周にバリ状に下地層がはみ
出ることは許されない。本発明は、以上のような問題点
に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであ
る。本発明の目的は、終点検出精度が高い、しかもレー
トの大きなエッチングを行なうことができる磁気回路形
成部材の形成方法と磁気回路形成部材及びこれを用いた
磁気ヘッドと薄膜コイル提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、基台上にスパッタリング或いは真空蒸
着により形成されたクロム薄膜よりなる下地膜と、この
下地膜上に電気メッキにより直接形成されたパーマロイ
層よりなる磁気回路層とにより磁気回路形成部材を構成
する。この場合、前記下地膜は、硝酸第2セリウムアン
モンを含むクロムエッチング液によりパターンエッチン
グされ、前記磁気回路層は、過硫酸アンモンと硝酸を含
むパーマロイエッチング液により、パターンエッチング
される。
【0013】具体的には、磁気回路形成部材の形成方法
において、基台上にスパッタリング或いは真空蒸着によ
りクロム薄膜を形成することにより下地膜を形成し、次
にパターニングされた第1のフォトレジストをマスクと
すると共に前記下地膜を電極として電気メッキによりパ
ーマロイ層を直接堆積させて磁気回路層を形成し、次
に、パターニングされた第2のフォトレジストをマスク
として前記磁気回路層をパーマロイエッチング液により
選択的にエッチングし、次に、前記下地膜を前記クロム
エッチング液により選択的にエッチングする。
【0014】このように形成された磁気回路形成部材
は、薄膜により下部磁極と上部磁極とコイルで形成する
磁気ヘッドの下部磁極として用いることができ、また、
磁気ギャップを有する一対のコア間に巻回される様に配
置された薄膜コイルと、両コア間を磁気的に短絡する磁
気短絡部材とを有するDMG型磁気ヘッドの磁気短絡部
材として用いることができる。このように磁気回路形成
部材をパターニングして形成するに際して、エッチング
レートの小さなイオンミリングではなく、エッチングレ
ートの大きなウェットエッチングで行なうことができる
ので、その分、迅速な形成を行なうことが可能となる。
また、ウェットエッチングで選択的にパターニングを行
なうことができることから、終点検出を精度良く行なう
ことができるのみならず、再付着の問題も解決すること
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る磁気回路形
成部材の形成方法と磁気回路形成部材及びこれを用いた
磁気ヘッドと薄膜コイルの一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図1は本発明に係る磁気回路形成部材の基
本構成を示す断面図である。尚、先に図面を参照して説
明した部分と同一部分については同一符号を付す。この
磁気回路形成部材50は、基台52上にスパッタリング
或いは真空蒸着により形成されたクロム(Cr)薄膜よ
りなる下地膜54と、この下地膜54上に電気メッキに
より直接形成されたパーマロイ(NiFe)層よりなる
磁気回路層56とにより構成される。
【0016】このような磁気回路形成部材50は、先に
図8や図9を参照して説明した薄膜磁気ヘッドの下部磁
極12及びDMG型磁気ヘッドの磁気短絡部材28とし
て用いられることになる。尚、この磁気回路形成部材5
0は、図8に示す薄膜磁気ヘッドの上部磁極14として
は用いない。その理由は、下地膜54の材料としては非
磁性のクロムを用いることから、もしこの磁気回路形成
部材50を上部磁極14に適用すると図8において下部
磁極12と上部磁極14の基端部が磁気的に絶縁状態に
なって磁気抵抗が限定値以上に増大してしまうからであ
る。上記基台52は、図8及び図9における基板8、2
4に対応するものであり、その材質は例えばガラスやA
23 ・TiCにAl23 を約10μmスパッタし
たものよりなり、基板から最終的に切り出されることに
なりスライダ2(図6参照)やスライダに取り付ける薄
膜コイルの部品となる。図5では絶縁層は不要なガラス
基台52として用いた場合を示す。
【0017】下地膜54の材料は、非磁性のクロムを用
いており、この上層に形成される磁気回路層56の電気
メッキ用の電極となる。この場合、下地膜54の厚さ
は、スパッタリングや真空蒸着による成膜速度は電気メ
ッキと比較して非常に遅いことからメッキ電極として使
用し得る最低限の厚さ、例えば0.1μm程度に設定す
る。このように、下地膜54としてクロムを用いる理由
は、クロムをエッチングする際に、エッチングレートの
高いウエットエッチングを可能とするためである。磁気
回路層56の材料は、強磁性体であるパーマロイを用い
るが、これを形成する際には上述のようにクロムよりな
る下地膜54をメッキ用電極として用い、成膜レートの
高い電気メッキにより成膜する。この磁気回路層56の
厚さは、形成される磁気回路にもよるが、例えば2〜4
μm程度の厚さに設定する。
【0018】さて、このように形成されるクロム製の下
地膜54やパーマロイ製の磁気回路層56は、エッチン
グにより所定の形状に形成してパターニングするのであ
るが、ここではエッチングレートの高いウエットエッチ
ングを行い、クロム製下地膜54をエッチングするとき
には硝酸第2セリウムアンモンを含む水溶液よりなるク
ロムエッチング液を用い、パーマロイ製磁気回路層56
をエッチングするときには過硫酸アンモンと硝酸を含む
水溶液よりなるパーマロイエッチング液を用いる。上記
クロムエッチング液は、クロムとパーマロイに対するエ
ッチングスピードが略1000倍程異なって選択比が大
であり、クロムは溶けてもパーマロイはほとんど溶ける
ことがない。また、このウエットエッチングによるエッ
チングレートは、0.1μm/10秒程度であり、エッ
チングレートが0.1μm/10分程度であるイオンミ
リング法と比較して遥かに大きなエッチングレートであ
るために迅速な処理が可能となる。
【0019】次に、上記エッチング時の選択比の相異を
検証してみる。図2はパーマロイ膜に対するパーマロイ
エッチング液とクロムエッチング液のエッチング状況を
示すグラフであり、パーマロイ膜としては、幅250μ
m、厚さ3.3μm程度のものを用いている。図2
(A)はこのパーマロイ膜をクロムエッチング液に14
0秒間だけ浸したときのエッチング状況を示しており、
ほとんどエッチングされていない。これに対して、図2
(B)はこのパーマロイ膜をパーマロイエッチング液に
10秒間だけ浸したときのエッチング状況を示してお
り、僅か10秒間浸しただけで、膜の上部がかなりエッ
チングされているのが判明する。尚、図中、斜線部分は
エッチングされた領域を示す。従って、パーマロイエッ
チング液は、パーマロイ膜を容易にエッチングするが、
クロム膜に対してはほとんどエッチングできず、両者の
選択比が非常に大きいことが判明する。
【0020】図3はクロムエッチング液に対するパーマ
ロイ膜とクロム膜のエッチング状況を示すグラフであ
り、図中、直線Pはパーマロイ膜のエッチング特性を示
し、直線Cはクロム膜のエッチング特性を示す。グラフ
によれば、クロム膜は2秒程度で略100Åのエッチン
グが行なわれるのに対して、パーマロイ膜は22.5分
(1350秒)で略100Åのエッチングが行なわれ、
選択比は略675倍である。従って、クロムエッチング
液により、パーマロイの膜厚をほとんど減ずることなく
クロム膜をエッチングできることが判明する。図4は下
地膜の種類をクロム膜とパーマロイ膜にしてそれぞれの
上にパーマロイ磁気回路層を電気メッキにより成膜した
磁気回路形成部材の磁気特性等を比較するグラフを示
し、ともにメッキ液組成、メッキ電流密度、メッキ液P
H、メッキ時間等のメッキ条件は同じである。グラフ中
において、左側のプロットはシード膜としての下地膜が
パーマロイの場合の特性を示し、右側のプロットは下地
膜がクロムの場合を示す。プロットは測定値の上限、下
限値と丸印で平均値を表している。又、図中の数字は平
均値を表わしたものである。
【0021】図4(A)はメッキ膜厚を示し、図4
(B)はメッキ膜のNiの組成比を示し、図4(C)は
飽和磁束密度を示し、図4(D)は保磁力を示す。各グ
ラフから明らかなようにメッキ膜の厚さにおいて両者間
で僅かな差が生ずるが、他のメッキ膜中のNiの組成
比、飽和磁束密度、保磁力等の磁気特性に関しては誤差
範囲内で両者は略一致しており、従って、非磁性材料の
クロム膜を下地膜として用いても、磁性材料のパーマロ
イ膜を下地膜として用いた場合と略同様な磁気特性を得
られることが判明した。尚、メッキ膜の厚さに関して
は、メッキ時間を調整することにより容易に対処可能で
ある。次に図5を参照して上述したような磁気回路形成
部材の形成方法について説明する。本発明方法の工程に
おいて、先に図10において説明した工程と異なる点
は、下地層としてパーマロイ膜に代えてクロム膜を用い
た点及び下地層のみを選択的にエッチングする場合にイ
オンミリングに代えてウェットエッチングを用いた点で
ある。ここでも図10にて説明した場合と同様に磁気ヘ
ッドの下部磁極を形成する場合について説明する。
【0022】まず、厚さ0.5mm程度のAl23
TiCにAl23 を約10μmスパッタした基台(基
板)52の表面をプラズマ等により洗浄し(図5
(A))、この表面に電気メッキ用の電極としてクロム
よりなる下地膜54をスパッタリング或いは真空蒸着に
より厚さ0.1μm程度成膜し、下地膜を形成する(図
5(B))。次に、この下地膜の上に厚さ5.6μm程
度の第1のフォトレジスト40をスピンコートにより均
一に塗布してベークし(図5(C))、これを所定のマ
スクパターンとなるように露光する(図5(D))。
尚、図5(D)中において第1のフォトレジスト40内
の網掛け状のエリアは露光された部分を示す。次に、こ
の露光後の第1のフォトレジスト40を現像することに
より、フォトレジストのマスク40Aを作る(図5
(E))。ここでこのマスク40Aは、前述の図10の
場合と同様に下部磁極12(図8参照)の輪郭形状とな
るように枠状に形成されており、その斜視図は図11に
示されている。尚、薄膜コイルの磁気短絡部材を形成す
る場合には、このマスク40Aの形状は、磁気短絡部材
の輪郭形状となるように形成するのは勿論である。
【0023】次に、これをマスクとして厚さ2〜4μm
程度にパーマロイを電気メッキにより成膜することによ
り下部磁極となる磁気回路層56を形成する(図5
(F))。この時のメッキ時間は、略20〜50分の範
囲内である。次に、アセトン等で溶解することによりフ
ォトレジストのマスク40Aを除去する(図4
(G))。
【0024】次に、上面全体に亘って厚さ1.8μm程
度の第2のフォトレジスト44をスピンコートにより均
一に塗布してベークし(図5(H))、その後、下部磁
極に対応する部分を露光する(図5(I))。図5
(I)中において第2のフォトレジスト44内の網掛け
状のエリアは露光された部分を示す。次に、この露光後
の第2のフォトレジスト44を現像することにより下部
磁極の部分を覆うマスク44Aを形成する(図5
(J))。次に、前述した過硫酸アンモンと硝酸とを含
む溶液よりなるパーマロイエッチング液を用いて磁気回
路層56の露出部分を5分程度エッチングして不要な部
分を除去する(図5(K))。この場合、下部磁極に相
当する部分はマスク44Aによりマスクされており、し
かも、パーマロイエッチング液は、前述のようにクロム
膜に対してはほとんどエッチング作用が働かないので終
点検出精度を向上させることができる。この時のパーマ
ロイエッチング液の組成は、過硫酸アンモンが360
g、硝酸が200cc、純水が2000ccである。
【0025】次に、アセトンを用いてマスク44Aを除
去する。(図5(L)。次に、クロムエッチング液を用
いて下地膜54の露出部分をエッチングして不要な部分
を除去する(図5(M))。この時のクロムエッチング
液の組成は、硝酸第2セリウムアンモン360g、純水
2040ccである。このように、下部磁極や磁気短絡
部材を形成する際に、エッチングレートの小さいイオン
ミリングではなく、エッチングレートの大きい、ウエッ
トエッチングにより行なうことができるので、下地膜除
去処理の速度をイオンミリングの場合よりも60〜60
0倍も迅速に行なうことができ、スループットを大幅に
向上させることができる。また、イオンミリングを用い
ないでウェットエッチングを行なうことから、再付着の
問題やエッチングの終点検出の問題も一気に解決するこ
とが可能となる。尚、上記実施例においては、磁気回路
形成部材を薄膜磁気ヘッドの下部磁極と薄膜コイルの磁
気短絡部材に適用する場合を例にとって説明したが、こ
れに限定されず、メッキ面側を他の磁気回路形成部材と
磁気的に接合するような部分には全て適用し得るのは勿
論である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気回路
形成部材の形成方法と磁気回路形成部材及びこれを用い
た磁気ヘッドと薄膜コイルによれば、次のように優れた
作用効果を発揮することができる。クロム薄膜よりなる
下地膜とパーマロイ層よりなる磁気回路層により磁気回
路形成部材を構成し、下地膜をエッチングレートの大き
なウェットエッチングによりパターン形成できるように
したので、イオンミリングを用いた従来方法と比較して
エッチング速度を大幅に向上させることができる。従っ
て、上記した磁気回路形成部材を磁気ヘッドの下部磁極
や薄膜コイルの磁気短絡部材に適用することにより、エ
ッチング処理速度が向上してスループットを大幅に向上
させることができる。また、イオンミリングを用いない
でウェットエッチングを行なうことから、再付着の問題
やエッチングの終点検出の問題も解決でき、しかも、高
価なイオンミリング装置も不要になって設備コストも大
幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁気回路形成部材の基本構成を
示す断面図である。
【図2】パーマロイ膜に対するパーマロイエッチング液
とクロムエッチング液のエッチング状況を示すグラフで
ある。
【図3】クロムエッチング液に対するパーマロイ膜とク
ロム膜のエッチング状況を示すグラフである。
【図4】下地膜の種類を変えた時の磁気回路形成部材の
膜厚、メッキ膜組成、磁気特性等を示すグラフである。
【図5】本発明の磁気回路形成部材の形成方法を示す工
程図である。
【図6】一般的な薄膜磁気ヘッドスライダを示す斜視図
である。
【図7】一般的な薄膜磁気ヘッド部を示す斜視図であ
る。
【図8】図7中のA−A線矢視拡大断面図である。
【図9】一般的なDMG型の磁気ヘッドを示す拡大断面
図である。
【図10】磁気回路形成部材の従来の形成方法を示す工
程図である。
【図11】下部磁極のマスクパターンを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 スライダ 6 磁気ヘッド 8,24 基板 10,26 下地膜 12 下部磁極 14 上部磁極 16 コイル 20 磁気ギャップ 28 磁気短絡部材 30,32 コア 34 コイル 36 磁気ギャップ 40 第1のフォトレジスト 40A マスク 44 第2のフォトレジスト 44A マスク 50 磁気回路形成部材 52 基台 54 下地膜 56 磁気回路層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台上にスパッタリング或いは真空蒸着
    により形成されたクロム薄膜よりなる下地膜と、この下
    地膜上に電気メッキにより直接形成されたパーマロイ層
    よりなる磁気回路層とにより構成されることを特徴とす
    る磁気回路形成部材。
  2. 【請求項2】 前記下地膜は、硝酸第2セリウムアンモ
    ンを含むクロムエッチング液によりパターンエッチング
    され、前記磁気回路層は、過硫酸アンモンと硝酸を含む
    パーマロイエッチング液により、パターンエッチングさ
    れることを特徴とする請求項1記載の磁気回路形成部
    材。
  3. 【請求項3】 基台上に形成された下部磁極と、この下
    部磁極に対して磁気ギャップを形成するために一端が僅
    かに離間されると共に他端が磁気的に接合された上部磁
    極と、この上部磁極に巻回されたコイルとを有する磁気
    ヘッドにおいて、前記下部磁極は、前記基台上にスパッ
    タリング或いは真空蒸着により形成されたクロム薄膜よ
    りなる下地膜と、この下地膜上に電気メッキにより直接
    形成されたパーマロイ層よりなる磁気回路層とよりなる
    磁気回路形成部材よりなることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記下地膜は、硝酸第2セリウムアンモ
    ンを含むクロムエッチング液によりパターンエッチング
    され、前記磁気回路層は、過硫酸アンモンと硝酸を含む
    パーマロイエッチング液により、パターンエッチングさ
    れていることを特徴とする請求項3記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 磁気ギャップを有する一対のコア間に巻
    回される様に配置されたコイルと、前記一対のコアの端
    部を磁気的に短絡すべく接合される磁気短絡部材とを有
    する薄膜コイルにおいて、前記磁気短絡部材は、基台上
    にスパッタリング或いは真空蒸着により形成されたクロ
    ム薄膜よりなる下地膜と、この下地膜上に電気メッキに
    より直接形成されたパーマロイ層よりなる磁気回路層と
    よりなる磁気回路形成部材よりなることを特徴とする薄
    膜コイル。
  6. 【請求項6】 前記下地膜は、硝酸第2セリウムアンモ
    ンを含むクロムエッチング液によりパターンエッチング
    され、前記磁気回路層は、過硫酸アンモンと硝酸を含む
    パーマロイエッチング液により、パターンエッチングさ
    れることを特徴とする請求項5記載の薄膜コイル。
  7. 【請求項7】 磁気回路形成部材の形成方法において、
    基台上にスパッタリング或いは真空蒸着によりクロム薄
    膜を形成することにより下地膜を形成し、次にパターニ
    ングされた第1のフォトレジストをマスクとすると共に
    前記下地膜を電極として電気メッキによりパーマロイ層
    を直接堆積させて磁気回路層を形成し、次に、パターニ
    ングされた第2のフォトレジストをマスクとして前記磁
    気回路層をパーマロイエッチング液により選択的にエッ
    チングし、次に、クロムエッチング液により選択的にエ
    ッチングするように構成したことを特徴とする磁気回路
    形成部材の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記パーマロイエッチング液は、過硫酸
    アンモンと硝酸を含んでおり、前記クロムエッチング液
    は、硝酸第2セリウムアンモンを含んでいることを特徴
    とする請求項7記載の磁気回路形成部材の形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100487364B1 (ko) * 1997-11-26 2005-06-16 엘지전자 주식회사 박막인덕터제조방법
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JP2014089208A (ja) * 2009-03-26 2014-05-15 Honeywell Internatl Inc 磁束を導いてmemsデバイスを通過させるための磁極片の使用および製造方法

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