JPH09189682A - 探傷検査方法 - Google Patents

探傷検査方法

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JPH09189682A
JPH09189682A JP8018244A JP1824496A JPH09189682A JP H09189682 A JPH09189682 A JP H09189682A JP 8018244 A JP8018244 A JP 8018244A JP 1824496 A JP1824496 A JP 1824496A JP H09189682 A JPH09189682 A JP H09189682A
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Yoshihiro Matsumoto
善博 松本
Kazuhiko Aoki
一彦 青木
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Nuclear Fuel Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥形状の定量的な評価の性能向上を達成し
得る探傷検査方法。検査範囲内の確実な探傷に有用な多
数の欠陥情報を、迅速に得ることができる探傷検査方
法。 【解決手段】磁気検出手段として、被検体に対して交流
磁場を印加する磁場発生部との相対位置が互いに異なる
複数列の検出アレイを構成する複数の検出部を有するも
のを用い、被検体に対して交流磁場を印加すると共に、
検出アレイの各々により探傷検査範囲を面状に走査し
て、被検体表面に交叉する磁場の強度及び/又は位相の
変化の複数の分布情報を得ることにより、被検体に存在
する欠陥を検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検査物に存在す
る欠陥の形状を定量的に評価することができる探傷検査
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】材質や形状寸法を変化させることなく検
査対象物の健全性を検査する非破壊検査には、放射線透
過検査のほかに、超音波や磁気、電磁誘導を用いる方法
など様々なものがある。これらの方法のうち、例えばP
WR原子力プラントの蒸気発生器細管の定期検査などに
は、比較的短時間で簡便に探傷できることから、渦流探
傷検査法(ECT:eddy current testing)が広く用い
られている。
【0003】このECT検査法は、被検査物(導体、金
属材料)に対してコイルにより交流磁界を印加したとき
に被検査物内に誘起される渦電流の発生状態が、被検査
物の材質や欠陥の存在、あるいは異種金属等付着物の付
着などによって変化することを利用して、被検査物の健
全性を検査する方法である。渦電流の発生状態の変化
は、交流磁界を印加するコイルのインピーダンスの変化
や、このコイルとは別個に設けられた検出用コイルに発
生する起電力の変化として測定される。従って、被検査
物に対して交流磁界を印加して、被検査物に生じる渦電
流の発生状態を測定することにより、被検査物に生じた
局所的な材質の変化や欠陥、および異種金属など付着物
の付着の有無などを検出することができる。
【0004】また、ECT検査法を用いて、例えば原子
炉格納容器内に収納された蒸気発生器の金属管に存在す
る欠陥を管内面側から検査する場合には、金属管内に挿
入されるプローブの側面上に、コイル面を管壁面に向け
た一つの渦流探傷センサを設けたものを用い、このプロ
ーブ自身を回転させると共に管長手方向に移動させて金
属管内を探傷していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来のECT検査法では、被検差物に存在する欠
陥の長さや向き、あるいは検査表面側にあるのか裏面側
にあるのか、またその深さなどの検出は困難で、欠陥形
状の定量評価性に問題があった。特に、原子力の分野に
おいては原子炉の安全性を保証するためにも現在広く用
いられているECT検査法における前記問題の解決が望
まれており、また、その他種々の分野においても欠陥形
状の定量評価の実現の要請は大きい。
【0006】また、管状の被検査物に対し、前述のよう
なプローブを用いて探傷する方法では、原理的には被検
査管の全域を探傷することは可能であるが、プローブ自
身を回転させて行うために検出速度が極めて遅くなると
いう問題があり、被検査管の全域を探傷するには不向き
である。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、欠陥形状の定量的な評価の性能向上を達成し
得る探傷検査方法を提供することを主目的とする。ま
た、本発明の別の目的は、検査範囲内の確実な探傷に有
用な多数の欠陥情報を、迅速に得ることができる探傷検
査方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る探傷検査方法は、被検
体に対して交流磁場を印加すると共に、該交流磁場の変
化を磁気検出手段により検出しつつ被検体の探傷検査範
囲を走査して、該被検体に存在する欠陥を検査する探傷
検査方法であって、前記磁気検出手段として、前記交流
磁場を印加する磁場発生部との相対位置が互いに異なる
複数列の検出アレイを構成する複数の検出部を有するも
のを用い、前記検出アレイの各々により前記探傷検査範
囲を走査して、被検体表面に交叉する磁場の強度及び/
又は位相の変化の複数の分布情報を得ることを特徴とす
るものである。
【0009】本発明は、被検体に対して印加される交流
磁場の変化を検出するための磁気検出手段として、交流
磁場を印加する磁場発生部との相対位置が互いに異なる
複数列の検出アレイを構成する複数の検出部を有するも
のを用い、被検体の探傷検査範囲に存在する欠陥を複数
の検出アレイで走査する探傷検査方法である。
【0010】即ち、前記磁気検出手段を用いて行う検査
は、或る特定の位置にある磁場発生部から被検体に対し
て交流磁場を印加すると共に、前記磁気検出手段の複数
の検出アレイの各々により被検体表面に交叉する磁場の
強度及び/又は位相の変化を一方向に走査しつつ、それ
と直交する方向に検出アレイと被検体とを相対移動さ
せ、被検体の探傷検査範囲全体を面状に走査することに
より行われる。その結果、各検出アレイごとの走査結果
から被検体表面に交叉する磁場の強度及び/又は位相の
変化の多重分布情報を得ることができる。
【0011】例えば被検体の探傷検査範囲に欠陥が一つ
存在している場合、前記検出アレイの各々による探傷検
査範囲の一方向走査により得られる欠陥信号の分布情報
には、それぞれ前記欠陥に基づく一つの変化部分が現れ
るが、この欠陥部分の分布状態は、前記特定位置の磁場
発生部に対する各検出アレイの相対位置の差異に応じて
異なったものとなる。
【0012】即ち、磁場発生部に対する相対位置が互い
に異なる検出アレイから得られる各分布情報中の欠陥部
分は、走査中のいずれの時点における前記欠陥と磁場発
生部との相対位置関係に対して、前記欠陥と各検出アレ
イとの相対位置関係が互いに異なるため、互いに異なる
分布状態を呈することになる。
【0013】従って、一回の面状走査により、最大で検
出アレイの全列数分の互いに異なる分布状態の多重的な
欠陥情報を得ることができる。以上のように、本発明の
探傷検査方法によれば、被検体の探傷検査範囲内に存在
する欠陥に対して、各検出アレイごとに異なる分布状態
の欠陥情報を得ることができるので、一つの欠陥に対す
る情報量が増加することとなり、欠陥を多重検出するこ
とが可能となる。
【0014】本発明によって得られる多重的な欠陥情報
は、例えば複数の分布状態を模擬欠陥に対して予め求め
ておいた同様な多重情報の複数の分布状態と比較対照す
るなど、総合的な判断による欠陥の定量評価に利用する
ことができる。ここで、欠陥の定量評価とは、欠陥の
位置(例えば走査のZθ座標系の面内における位置)、
被検体の厚さ方向に関する欠陥の位置(プローブ側か
その反対側か)、欠陥の寸法、欠陥の向きなどにつ
いての評価をいうが、本発明はこれらの評価項目の全て
を検出するものに限定されるものではなく、これらの評
価項目のうちいずれを検出するものも含むものである。
【0015】本願請求項2に記載の探傷検査方法は、請
求項1に記載の探傷検査方法において、前記被検体が管
状をなすものであって、前記磁気検出手段として、前記
検出アレイの各々が管状被検体の周方向に配列された複
数の磁気検出素子からなり、該検出アレイが管長手方向
に複数列配列されたものを用い、各検出アレイ毎に磁気
検出素子をスイッチングすることにより周方向走査しつ
つ、前記磁気検出手段と管状被検体とを管長手方向に相
対移動させることにより前記探傷検査範囲を面状に走査
し、各検出アレイ毎の独立した前記分布情報を得ること
を特徴とするものである。
【0016】本発明は、被検体が管状をなすもの(管状
被検体)である場合に、管状被検体の探傷検査範囲に存
在する欠陥を検査する探傷検査方法であり、被検体の形
状に応じて構成された検出アレイを複数列備えた磁気検
出手段を用いて行われる。即ち、磁気検出手段の各々の
検出アレイは、管状被検体の周方向に配列された複数の
磁気検出素子から構成されており、これら検出アレイは
管長手方向に複数列配されたものである。
【0017】各検出アレイでは、複数の磁気検出素子が
順次スイッチング走査され、周方向に順番に管状被検体
の表面に交叉する磁場の強度及び/又は位相を測定可能
な状態(受信状態)にされる。
【0018】このような磁気検出手段を用いた検査は次
のように行われる。即ち、管状被検体に対して交流磁場
を印加すると共に、前記磁気検出手段の各検出アレイご
とに複数の磁気検出素子を順次スイッチング走査して前
記磁場の強度及び/又は位相の変化を検出しつつ、磁気
検出手段と管状被検体とを管長手方向に相対移動させ
て、管状被検体の探傷検査範囲を面状に走査する。
【0019】このように、磁気検出手段の検出アレイと
して、複数の磁気検出素子を周方向に配列した構成を採
用したので、磁気検出手段自体を機械的に回転させるこ
となくスイッチング走査によって周方向走査を行うこと
ができ、これら検出アレイを管状被検体の長手方向に相
対移動させることにより、管状被検体の探傷検査範囲を
面状に走査することが可能である。
【0020】また上述の走査の結果、前記検出アレイの
各々による探傷検査範囲の走査結果から、管状被検体の
表面に交叉する磁場の強度及び/又は位相の変化の多重
的な分布情報を得ることができる。各検出アレイごとの
走査結果では、管状被検体の探傷検査範囲に存在する欠
陥部分の分布状態が、磁場発生部に対する各検出アレイ
の相対位置の差異に応じて異なっており、前述したよう
に、欠陥を多重的に検出することができる。
【0021】なお、本発明は、管状被検体を、管内面側
から検査する方法、あるいは外面側から検査する方法の
いずれかにも適用できることは述べるまでもない。
【0022】本願請求項3に記載の探傷検査方法は、請
求項1に記載の探傷検査方法において、前記交流磁場を
印加する磁場発生部として、互いに異なる位置に配され
た複数の磁場印加素子を含むものを用い、前記複数の磁
場印加素子のうち少なくとも一個を選択的に発信状態と
することにより、被検体に対する交流磁場の印加位置を
選択し、発信状態にする前記磁場印加素子を異ならしめ
ることにより得られる複数の交流磁場印加位置の各々に
ついて、前記検出アレイの各々により前記探傷検査範囲
を走査して、複数の前記分布情報を得ることを特徴とす
るものである。
【0023】本発明は、前述した探傷検査方法におい
て、交流磁場を印加する磁場発生部として互いに異なる
位置に備えられた複数の磁場印加素子のうち少なくとも
一個を選択的に発信状態とすることにより、被検体に対
する交流磁場の印加位置を選択的に切り換え、個々の印
加位置について各検出アレイによる走査で被検体の探傷
検査範囲に存在する欠陥を検査する探傷検査方法であ
る。
【0024】ここで、交流磁場の印加位置は、前記複数
の磁場印加素子のうちどの位置にあるものを発信状態に
するかを選択するほかに、発信状態とする素子の個数や
組み合わせを変えることによっても適宜変更することが
可能である。このように、発信状態にする磁場印加素子
の選択を変更することによって、被検体に対して互いに
異なる複数の交流磁場印加状態を形成することができ
る。
【0025】本発明の探傷検査方法では、上述のように
形成される互いに異なる複数の交流磁場印加状態の各々
について、磁気検出手段の検出アレイの各々により被検
体表面に交叉する磁場の強度及び/又は位相の分布状態
を走査し、被検体の探傷検査範囲を面状に検査する。そ
の結果、各印加状態ごとに、被検体表面に交叉する磁場
の強度及び/又は位相の変化の多重的な分布情報をそれ
ぞれ得ることができる。
【0026】つまり、本発明の方法によれば、各交流磁
場印加状態ごとに、一回の面状走査により、最大で検出
アレイの全列数分の異なる分布状態の多重的な欠陥情報
を得ることができる。よって、探傷検査範囲に存在する
欠陥に対し、交流磁場印加状態の数に応じて更に多くの
欠陥情報を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る探傷検査方
法の一つの実施の形態について、図1〜図4を参照して
説明する。図1には、本実施の形態の検査方法に用いら
れる探傷検査装置の一例である、管状の被検体(被検査
管)を内面側から探傷するための検査装置の、先端部分
に備えられたマイクロECTプローブ100に関する概
略構成が示されている。
【0028】このマイクロECTプローブ100は、被
検査管(不図示)に対して交流磁場を印加するための本
発明の磁場発生部を構成する磁場発信器12と、交流磁
場の変化を検出するための本発明の磁気検出手段を構成
する磁気検出器11とが一体に設けられたものである。
【0029】磁場発信器12は、マイクロECTプロー
ブ100の周方向に配列された複数のパンケーキ型の励
起コイルを備えたものであり、本実施の形態の場合に
は、図1(b)に示すように、周方向にほぼ等間隔に配
列された8個の励起コイルA〜Hを備えている。なお、
励起コイルの数はこれに限定されるものではない。
【0030】これら8個の励起コイルA〜Hには、プロ
ーブに接続されたケーブルを介して選択的に交流励磁信
号を印加できるようになっており、8個の励起コイルA
〜Hのうち、少なくとも1個を選択して交流励磁信号を
印加することによって、被検査管に対する所定の交流磁
場印加状態を形成することができる。以降、交流励磁信
号が印加されている励起コイルの状態を発信状態と呼
ぶ。
【0031】例えば、励起コイルA、C、E、Gを同
時に発信状態とする、励起コイルB、D、F、Hを同
時に発信状態とする、励起コイルA〜Hのすべてを同
時に発信状態とするなどが考えられ、発信状態にする励
起コイルを選択を異ならしめることによって、複数の異
なる交流磁場印加状態を形成することができる。
【0032】このように、発信状態とする励起コイルを
選択することにより被検査管に対する交流磁場印加状態
を変更することができ、種々に設定された交流磁場印加
状態に応じて、被検査管内の交流磁場が印加されている
領域に渦電流を発生させることができる。ここで、被検
査管の交流磁場が印加されている領域内に欠陥などが存
在すれば、走査中に発生する渦電流に変化が生じる。こ
の乱された渦電流が作る誘導磁場は、後述する磁気検出
器11によって検知される。
【0033】磁気検出器11は、前述した励起コイルA
〜Hの外周側に備えられた複数の検出アレイを含んでお
り、これら複数の検出アレイは前記磁場発信器12(励
起コイルA〜H)との相対位置が互いに異なる位置に配
されている。本実施形態の場合、一つの検出アレイは、
図1(b)に示すように、マイクロECTプローブ10
0の周方向に配列された複数の受信コイルa〜xからな
る受信コイルアレイにより構成されている。
【0034】更に、図1(a)に示すように、上記の受
信コイルアレイはマイクロECTプローブ100の軸方
向に計4列(第1受信コイルアレイ〜第4受信コイルア
レイ)配されている。各受信コイルアレイは、同図の切
欠き断面部分よりわかるように、磁場発信器12との相
対位置が互いに異なる位置に配されている。なお、各受
信コイルアレイを構成する受信コイルの数、および受信
コイルアレイの列数はこれに限定されるものではない。
【0035】磁気検出器11を構成する複数の受信コイ
ルアレイの各々においては、各受信コイルが順次スイッ
チング走査により切り換えられて、被検査管の表面に交
叉する磁場の強度及び/又は位相を順次測定可能な状態
(これを受信状態と呼ぶ。)とされる。ここで、スイッ
チング走査の方式としては、好ましくは電子回路による
無接点方式を用いた周方向走査によるが、場合によって
はモータによる有接点方式を用いた周方向走査でもよ
い。
【0036】上記スイッチング走査により順次受信状態
とされた受信コイルは、被検査管の表面に交叉する磁場
の強度及び/又は位相の変化に基づく起電力(EMF:
electromotive force )を出力する。このEMF出力信
号は、例えばロックインアンプに入力され、励起コイル
に印加される交流励磁信号との位相の比較により、起電
力EMFおよび位相差φ(励起コイルの起電力との位相
差)の検出が行われる。これらのEMF検出データは、
コンピュータなどに保存される。
【0037】以上に説明した8個の励起コイルA〜Hを
含む磁気発信器12と、4列の受信コイルアレイ(各ア
レイは受信コイルa〜xから構成)を含む磁場検出器1
1とを備えたマイクロECTプローブ100は、被検査
管(不図示)の長手方向(Z方向)に不図示のコントロ
ーラにより相対移動可能に構成されている。ここで、マ
イクロECTプローブ100を被検査管内でZ方向に移
動させる際には、プローブの軸心が常に被検査管のセン
タ(軸心)に位置するように保持することが好ましい。
【0038】実際の測定に際しては、発信状態にする励
起コイルの選択により被検査管に対する交流磁場印加状
態を所定の状態に設定して、マイクロECTプローブ1
00を被検査管内に挿入し、プローブをZ方向に相対移
動させつつ、スイッチング走査により周方向走査される
受信コイルアレイの各々から検出データを収集する。こ
のようにして、被検査管の探傷検査範囲の全域を面状に
走査して、被検査管に存在する欠陥に関する多重情報を
得ることができる。
【0039】ここで、本実施形態のマイクロECTプロ
ーブ100のように、複数の受信コイルを周方向に配列
した受信コイルアレイを採用することにより、プローブ
自体を機械的に回転させることなく、スイッチング走査
と被検査管の長手方向への相対移動だけで被検査管の探
傷検査範囲の全域の走査が可能となり、しかも一回の走
査で各アレイごとの多重情報を入手することができる。
【0040】次に、図2〜図4を参照し、上記マイクロ
ECTプローブ100を用いて、例えば蒸気発生器の伝
熱管に存在する欠陥を管内面側から検査する方法につい
て説明する。図2は、磁気発生器12の励起コイルA〜
Bを同時に発信状態としたマイクロECTプローブ10
0を、伝熱管21内に挿入してZ方向(紙面に垂直方
向)に移動させ、欠陥の検査を行う場合の説明図であ
る。
【0041】励起コイルA〜Bにより交流磁場が印加さ
れる伝熱管21の領域内に、割れや異種金属の付着物あ
るいは局所的な材質の変化などの欠陥22が存在する場
合、この欠陥22によって変化された渦電流による磁場
は、各々の受信コイル(図2中には一つの受信コイルア
レイの受信コイルa〜eのみ記載されている)によって
受信される(この受信された信号を欠陥22からの欠陥
信号と呼ぶ)。
【0042】ここで、一つの受信コイルに注目すると、
一つの欠陥22に対して、励起コイルAによる欠陥信号
と励起コイルBによる欠陥信号とを区別なしに(同時
に)、受信することとなる。そして、前述のスイッチン
グにより受信状態とされたときに、この受信コイルから
は、これらの欠陥信号を合計したEMF出力信号が出力
される。このEMF出力信号は前述したように処理され
て、EMF検出データとしてコンピュータなどに保存さ
れる。
【0043】このような各受信コイルからのEMF検出
データは、例えば第1受信コイルアレイから第4受信コ
イルアレイまで順に、各受信コイルアレイごとに周方向
のスイッチング走査を行って順次収集保存されていく。
次いで、マイクロECTプローブ100をZ方向に、例
えば受信コイルアレイの一列分だけ移動させて、同様に
EMF検出データの収集保存を行う。各EMF検出デー
タは、受信コイルを特定する番号やプローブのZ方向位
置などが付されたものである。
【0044】以上のように、マイクロECTプローブ1
00を伝熱管内に挿入してZ方向に移動させると共に、
スイッチング走査により受信コイルの各々からEMF検
出データを収集保存することにより、伝熱管の探傷検査
範囲の全域に関する欠陥検査データを得ることができ
る。
【0045】こうして得られた伝熱管の探傷検査範囲の
全域に関する欠陥検査データは、磁場検出器11を構成
する各受信コイルアレイがZ方向走査により探傷検査範
囲の全域をカバーしたものとして、各受信コイルアレイ
ごとに整理することができる。例えば図4では、横軸を
Z方向、縦軸をプローブの周方向(θ方向)、即ち一つ
の受信コイルアレイを構成する受信コイルa〜xの番号
に取ったZθ座標系の中に探傷検査範囲を設定し、この
Zθ座標系に対してEMF検出データをプロットするこ
とにより3次元図を作図している。
【0046】図4(a)は、磁気発生器12の励起コイ
ルA〜Bを同時に発信状態とした場合に、磁場検出器1
1の第1受信コイルアレイによりZ方向走査した結果得
られた、被検査管の表面に交叉する磁場の強度及び/又
は位相の変化の分布を表している。一方、図4(b)
は、同じ交流磁場印加状態における第2受信コイルアレ
イによる結果を表している。図4(a)と(b)とを比
較してわかるように、同じ交流磁場印加状態であって
も、第1受信コイルアレイによる結果と第2受信コイル
アレイによる結果とは分布形状が異なっている。
【0047】上述したように受信コイルアレイにより異
なった形状を有する分布が得られることについて、図3
を参照して以下に説明する。図3には、マイクロECT
プローブ100のZ方向位置が、受信コイルアレイの一
列分だけズレた状態が(a)と(b)とに示されてい
る。これらの図を比較すると、欠陥22に対する図3
(a)での第3受信コイルアレイの位置関係と、図3
(b)での第4受信コイルアレイの位置関係とは同じで
ある。
【0048】しかし、第3受信コイルアレイと第4受信
コイルアレイとは磁場発信器12に対して相対位置が異
なる位置に配置されているため、欠陥22に対する磁場
発信器12の位置関係は図3(a)と(b)とでは異な
ることとなる。よって、どの受信コイルアレイによって
受信されるかで受信信号に差が生じることとなり、前述
したように、受信コイルアレイによって異なる分布形状
を有する3次元図が得られる。
【0049】本実施の形態のマイクロECTプローブ1
00は、第1受信コイルアレイから第4受信コイルアレ
イまで計4列を備えているので、励起コイルA〜Bを発
信状態とした場合の走査結果を、図4に例示される3次
元図として異なる分布形状のものが計4通り得られる。
【0050】以上のように、本実施の形態の探傷検査方
法によれば、被検査管の探傷検査範囲内に存在する欠陥
に対して、各受信コイルアレイごとに異なる情報を得る
ことができるので、同じ欠陥に対する情報量が増加する
こととなり、欠陥を多重的に検出することが可能とな
る。
【0051】更に、励起コイルA〜Hのうち同時に発信
状態とする励起コイルの組み合わせを変える(例えば、
励起コイルA、C、E、Gを同時に発信状態とする)こ
とにより被検査管に対する交流磁場印加状態を変更し
て、上述したと同様に被検査管の探傷検査範囲内を走査
することにより、上記励起コイルA〜Bを発信状態とし
た場合に得られる4枚の3次元図とはまた異なる分布形
状を有する3次元図を受信コイルアレイの列数分(計4
通り)だけ得ることができ、同一欠陥部分について更に
多数の3次元図が得られたこととなる。
【0052】このように、複数の異なる交流磁場印加状
態の各々において被検査管の探傷検査範囲内の走査を行
うことにより、同じ欠陥に対する情報量が更に増加す
る。つまり、本実施の形態の探傷検査方法によれば、あ
る一つの欠陥に対し、(交流磁場印加状態のパターン
数)×(受信コイルアレイの列数)に相当する複数の3
次元図を描くことが可能である。
【0053】これら複数の3次元図は、例えば、模擬欠
陥に対して予め得た3次元図と比較対照するなど、総合
的な判断による欠陥の定量評価に利用することができ
る。ここで、欠陥の定量評価とは、欠陥の位置(Zθ
座標系の面内における位置)、被検体の厚さ方向に関
する欠陥の位置(プローブ側かその反対側か)、欠陥
の寸法、欠陥の向きなどについての評価をいうが、本
発明はこれらの評価項目の全てを検出するものに限定さ
れるものではなく、これらの評価項目のうちいずれを検
出するものも含むものである。
【0054】なお、上述した実施の形態においては、管
状の被検体を内面側から探傷する場合を用いて本発明の
探傷検査方法について説明したが、本発明はこれに限る
ものではなく、例えば、管状の被検体を外面側から探傷
する場合にも適用できることはいうまでもない。更に、
被検体は管状のものに限らず、平板状のものであっても
本発明の探傷検査方法を適用できることはいうまでもな
い。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の探傷検査
方法は、欠陥形状の定量的な評価の性能向上を達成し得
るものである。また、本発明の探傷検査方法は、検査範
囲内の確実な探傷のために有用な多数の欠陥情報を迅速
に得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による検査方法に用いら
れる一つの探傷検査装置に関する概略構成図である。
【図2】図1に示す探傷検査装置により被検査管をその
内面側から探傷する場合の説明図である。
【図3】(a)は、図1の探傷検査装置のプローブが被
検査管内の欠陥近傍に位置する状態に関する説明図であ
る。(b)は、プローブのZ方向位置が(a)に示され
る位置よりも磁場検出器の受信コイルアレイの一列分だ
けズレた状態に関する説明図である。
【図4】(a)は、図1に示す探傷検査装置に備えられ
た磁場検出器の第1受信コイルアレイによりZ方向走査
した結果を、横軸Z方向、縦軸θ方向に取った座標系の
中にプロットした3次元図である。(b)は、第2受信
コイルアレイによりZ方向走査した結果の3次元図であ
る。
【符号の説明】
11:磁気検出器、a〜x:受信コイル 12:磁場発信器、A〜H:励起コイル 21:伝熱管、22:欠陥 100:マイクロECTプローブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に対して交流磁場を印加すると共
    に、該交流磁場の変化を磁気検出手段により検出しつつ
    被検体の探傷検査範囲を走査して、該被検体に存在する
    欠陥を検査する探傷検査方法であって、 前記磁気検出手段として、前記交流磁場を印加する磁場
    発生部との相対位置が互いに異なる複数列の検出アレイ
    を構成する複数の検出部を有するものを用い、 前記検出アレイの各々により前記探傷検査範囲を走査し
    て、被検体表面に交叉する磁場の強度及び/又は位相の
    変化の複数の分布情報を得ることを特徴とする探傷検査
    方法。
  2. 【請求項2】 前記被検体が管状をなすものであって、 前記磁気検出手段として、前記検出アレイの各々が管状
    被検体の周方向に配列された複数の磁気検出素子からな
    り、該検出アレイが管長手方向に複数列配列されたもの
    を用い、 各検出アレイ毎に磁気検出素子をスイッチングすること
    により周方向走査しつつ、前記磁気検出手段と管状被検
    体とを管長手方向に相対移動させることにより前記探傷
    検査範囲を面状に走査し、各検出アレイ毎の独立した前
    記分布情報を得ることを特徴とする請求項1に記載の探
    傷検査方法。
  3. 【請求項3】 前記交流磁場を印加する磁場発生部とし
    て、互いに異なる位置に配された複数の磁場印加素子を
    含むものを用い、 前記複数の磁場印加素子のうち少なくとも一個を選択的
    に発信状態とすることにより、被検体に対する交流磁場
    の印加位置を選択し、 発信状態にする前記磁場印加素子を異ならしめることに
    より得られる複数の交流磁場印加位置の各々について、
    前記検出アレイの各々により前記探傷検査範囲を走査し
    て、複数の前記分布情報を得ることを特徴とする請求項
    1に記載の探傷検査方法。
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