JPH09187615A - 水蒸気凝集集塵装置及び集塵方法 - Google Patents

水蒸気凝集集塵装置及び集塵方法

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JPH09187615A
JPH09187615A JP8003945A JP394596A JPH09187615A JP H09187615 A JPH09187615 A JP H09187615A JP 8003945 A JP8003945 A JP 8003945A JP 394596 A JP394596 A JP 394596A JP H09187615 A JPH09187615 A JP H09187615A
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steam
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JP8003945A
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English (en)
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Takeo Komuro
武勇 小室
Takeyoshi Yokosuka
丈由 横須賀
Norio Arashi
紀夫 嵐
Hisao Yamashita
寿生 山下
Shigeru Azuhata
茂 小豆畑
Shigeru Nozawa
滋 野沢
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煙突より排出するガス流体中に含まれる微粒
ダストの捕集効率を向上し、可視煙を防止する。 【解決手段】 微粒ダストを含むガス流体6にガス流体
6より高温高圧の水蒸気を噴霧する手段600と、微粒
ダストを核にして水蒸気を凝集させ肥大化した液滴を除
去する手段(捕集部)700とよりなる。そして噴霧す
る手段600と、除去する手段700とは、湿式脱硫吸
収塔の出口に付設されてもよい。水蒸気を噴霧させるこ
とは、ガス流体中の1ミクロン以下のサブミクロン粒子
を捕集するのに特に有効であり、肥大化した微粒ダスト
を後流側の荷電部で容易にガス流体から除去でき、捕集
効率が向上しかつ装置がコンパクトになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭火力発電プラ
ントの煙突から排出するガス流中の微粒ダストを低減さ
せる集塵装置に係り、特に、煙突から排出される可視煙
を防止するのに好適な水蒸気凝集集塵装置及び集塵方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の火力発電プラントのボイラから排
出される燃焼排ガスの総合排煙処理システムとしては、
脱硝、脱塵及び脱硫の要素機器から構成されている。特
に、脱硫、脱硝と並行して、燃焼排ガスに含まれるばい
じん排出量を低減させることが積極的に行われており、
それに対応する集塵技術とその装置の開発が進められて
いる。
【0003】火力発電プラントの煙突から排出される煙
の状態は、排ガスに含まれる微粒ダストの濃度、微粒ダ
ストの粒径、硫酸ミスト濃度、脱硫装置から飛散する塩
類物質や気象条件などにより変化してくる。これらの微
妙な変化の組み合わせが原因して煙突出口での紫煙が観
察されたり、観察されない状態を引き起こしている。こ
の紫煙が観察される状態では微粒ダストの濃度や粒子径
が大きく影響していることが追跡調査で明らかになって
おり、微粒ダスト濃度が2mg/m3N付近を境として
可視煙が判別されることが明らかになってきた。従っ
て、煙突出口での積極的な低ばいじん化と紫煙の可視煙
防止には先ず微粒ダスト排出量を低減させることが不可
欠である。
【0004】火力発電プラントの総合排煙処理システム
の中で脱塵の要素機器としては電気集塵機が広く採用さ
れている。電気集塵機は、排ガスに含む微粒ダストに荷
電し補集するもので高性能脱塵装置として知られてい
る。石炭火力発電プラントの燃焼排ガス中の微粒ダスト
はプラントごとに異なるものの、約20g/m3Nを含
むボイラからの燃焼排ガスを電気集塵機に導入し微粒ダ
スト濃度を約100mg/m3Nに低減させる。さらに
電気集塵機の出口部に設置された脱硫装置に導入し脱塵
が行われる。
【0005】現在の火力発電プラントに設置されている
脱硫装置には、大部分が湿式石灰石ー石膏法を主体とす
る脱硫プロセスが採用されている。この脱硫プロセスは
石灰石、石膏を含むスラリーと排ガスとを気液接触させ
ることにより排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去する方法
である。この脱硫装置に多く採用される気液接触装置は
スプレ方式であり、スプレ吸収塔方式を対象として脱塵
作用を説明する。スプレ吸収塔(湿式脱硫吸収塔)は、
平均粒径が1000〜3000ミクロンの液滴を排ガス
と直接接触させることにより、脱硫反応と同時に集塵作
用が起きる。スプレ吸収塔では電気集塵機から供給され
てくる排ガス中の微粒ダスト濃度約100mg/m3
を5〜10mg/m3Nに低減することができる集塵が
可能である。現状では脱硫装置出口の排ガスを加熱し可
視煙を防止するようにして煙突から排出している。
【0006】従って煙突出口での紫煙防止や低ばいじん
化の要求に答えるには脱硫装置出口の排ガス中の微粒ダ
スト濃度5〜10mg/m3Nを2mg/m3N以下に低
ばいじん化する技術開発が必要になっている。現在、こ
の低ばいじん化を達成する集塵技術は、吸収塔出口に湿
式電気集塵機を設置することにより微粒ダスト濃度を2
mg/m3N以下にすることができる。しかし、この湿
式電気集塵機は大がかりな脱塵装置となるため、火力発
電プラントのバランスの取れた総合排煙処理システムを
構築するのには不具合であり、高性能でかつコンパクト
化できる簡易型集塵装置の出現が望まれている。
【0007】この湿式電気集塵機に代わる集塵技術とし
て、脱硫装置出口のガス流中の微粒ダストを電気的に荷
電し除去する方式が提案されている。この場合でも脱硫
装置の前流側に設置した電気集塵機やスプレ吸収塔で捕
集できないで飛散してくる微粒ダストの捕集を対象と
し、この微粒ダストであるサブミクロン粒子を荷電方式
により捕集するには脱硫装置の前流側に設置する電気集
塵機の装置構成や電流密度を高めるなどの工夫した改良
が必要になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の集塵装置にあっ
ては、微粒ダスト濃度を2mg/m3N以下に低ばいじ
ん化する湿式電気集塵機が大がかりな装置となるため、
簡易型集塵装置の開発を必要とする問題点がある。また
この湿式電気集塵機に代わる集塵技術として微粒ダスト
に電気的に荷電し除去する方式が提案されているが、脱
硫装置の前流側に設置した電気集塵機やスプレ吸収塔で
捕集できずに飛散してくる微粒ダストを捕集するために
は、電気集塵機の装置構成や電流密度を高めるなどの改
良を必要とする問題点がある。
【0009】本発明の目的は、簡易型でガス流体中の微
粒ダストを濃度2mg/m3N以下に除去することので
きる水蒸気凝集集塵装置及び集塵方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る水蒸気凝集集塵装置は、微粒ダストを
含むガス流体中にガス流体より高温高圧の水蒸気を噴霧
する手段と、微粒ダストを核にして水蒸気を凝集させ肥
大化した液滴を除去する手段とよりなる構成とする。
【0011】そして湿式脱硫吸収塔の出口に付設され、
微粒ダストを含むガス流体中にガス流体より高温高圧の
水蒸気を噴霧する手段と、微粒ダストを核にして水蒸気
を凝集させ肥大化した液滴を除去する手段とよりなる構
成でもよい。
【0012】また除去する手段は、噴霧する手段の後流
側に設置された捕集部である構成でもよい。
【0013】さらに除去する手段は、噴霧する手段の後
流側に設置された荷電部である構成でもよい。
【0014】そして除去する手段は、噴霧する手段の後
流側に設置された冷却部と、冷却部の後流側に設置され
た捕集部とよりなる構成でもよい。
【0015】また除去する手段は、噴霧する手段の後流
側に設置された冷却部と、冷却部の後流側に設置された
荷電部とよりなる構成でもよい。
【0016】さらに水蒸気凝集集塵方法においては、微
粒ダストを含むガス流体にガス流体より高温高圧の水蒸
気を断熱膨張させて水蒸気の過冷却状態を形成し、微粒
ダストを核にして水蒸気を凝縮させ肥大化して捕集する
構成とする。
【0017】そして湿式脱硫吸収塔出口の微粒ダストを
含むガス流体にガス流体より高温高圧の水蒸気を断熱膨
張させて水蒸気の過冷却状態を形成し、微粒ダスト及び
三酸化硫黄ミストを核にして水蒸気を凝縮させ肥大化し
て荷電部により捕集する構成でもよい。
【0018】また湿式脱硫吸収塔出口の微粒ダストを含
むガス流体にガス流体より高温高圧の水蒸気を断熱膨張
させて冷却部により水蒸気の過冷却を促進し、微粒ダス
ト及び三酸化硫黄ミストを核にして水蒸気を凝縮させ肥
大化して荷電部により捕集する構成でもよい。
【0019】さらに総合排煙処理システムにおいては、
前記いずれか一つの水蒸気凝集集塵装置を備えた構成と
する。
【0020】さらに前記いずれか一つの水蒸気凝集集塵
方法を用いる構成でもよい。
【0021】本発明によれば、ガス流体にガス流体より
高温高圧の水蒸気を噴霧させることにより、水蒸気は過
冷却過程でガス中のサブミクロン粒子を核として凝集
し、液滴が肥大化されて後流側に設置された捕集部で容
易に集塵され除去される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例である水蒸気凝
集集塵装置を図1を参照しながら説明する。図1に示す
ように、微粒ダストを含むガス流体6にガス流体6より
高温高圧の水蒸気を噴霧する手段600と、微粒ダスト
を核にして水蒸気を凝集させ肥大化した液滴を除去する
手段(捕集部)700とよりなる構成とする。
【0023】ここで石炭火力発電プラントに水蒸気噴霧
部(噴霧する手段)600と荷電部(除去する手段)7
00とを組み入れた総合排煙処理システムを図2を参照
しながら説明する。石炭火力発電ボイラ100に微粉炭
1が供給されて燃焼される。ボイラ100から排出した
燃焼排ガス2を、脱硝装置200に導入し窒素酸化物を
除去する。脱硝した燃焼排ガス3をガスーガス熱交換器
300に導き、温度の下った燃焼排ガス4を電気集塵機
400に導入する。電気集塵機400では燃焼排ガス
2,3,4中に含まれる約20g/m3Nの微粒ダスト
を100mg/m3N程度に低減させ、ガス流体5を脱
硫装置500に導入する。湿式石灰石ー石膏法を用いる
脱硫装置500を、高性能脱硫と脱塵とを達成できるス
プレ吸収塔(湿式脱硫吸収塔)を代表例として説明す
る。スプレ吸収塔では入口の微粒ダスト濃度100mg
/m3Nを5〜10mg/m3Nに低減させることができ
る。水蒸気噴霧部600には5〜10mg/m3Nの微
粒ダスト濃度のガス流体6が導入される。水蒸気噴霧部
600には図示していない水蒸気発生部601からの高
温高圧の水蒸気をガス流体6に対して分散性を高めるた
め向流噴霧を行わせる。
【0024】図1において、水蒸気噴霧部600の後流
側には荷電部700を設置し、微粒ダストであるサブミ
クロン粒子を核にして水蒸気を凝集させることにより肥
大化させ、この水蒸気の凝集した液滴を荷電部700に
導入して捕集し、捕集されて荷電部701を流下した微
粒ダストを含む液を排出部705より排出する。図2に
おいて、水蒸気噴霧部600及び荷電部700を脱硫装
置500の出口側に設置することにより、サブミクロン
粒子濃度を2mg/m3N以下に低減できる。噴霧する
水蒸気量はガス流体中に含まれる微粒ダスト濃度の約5
0〜100倍相当が有効であり、噴霧する水蒸気量を高
めると微粒ダストの捕集効率も高められる。
【0025】図2に示す実施例では水蒸気噴霧部600
で肥大化したサブミクロン粒子を核とする水蒸気の液滴
を捕集するのに荷電部700を設置しているが、既存の
慣性型ミストエリミネータ又は冷却型ミストエリミネー
タなどを捕集部に置き換えることも可能である。低ばい
じん化されたガス流体7はガスーガス熱交換器300に
より加熱されガス流体8となり、煙突800から排出す
ることができる。
【0026】微粒ダストを核として水蒸気が凝集し肥大
化した微粒ダストを含む液滴を、荷電部700で捕集す
る際の電極構成に関する他の実施例を図3に示す。水蒸
気噴霧部600で肥大化したダスト粒子は荷電部700
に導入され、放電極と集塵極との間に発生したコロナ放
電により帯電され、ガス流速とクーロンカとの釣合いで
集塵極に捕集される。排ガス流速を大きくすることは水
蒸気噴霧部及び荷電部をコンパクト化するのに有効であ
るが、放電極及び集塵極で所要滞留時間を得るため滞留
時間を長くする必要がある。通常、滞留時間は20ミリ
秒から50ミリ秒が選定される場合が多い。
【0027】次に排ガス流速、放電極及び集塵極よりな
る電極部の所要長さの関係を図4及び図5に示す。この
時の電極間隔は20cmとした。所要電極部長さLはサ
ブミクロン粒子を核にし肥大化した液滴粒径dpに大き
く依存しており、図5に示すように、液滴粒径dpが3
00ミクロンにもなると3m/sのガス流速の場合、所
要電極部長さLは3cm程度で集塵極に捕集することが
できる。ガス流速が10m/sになった場合でも所要電
極部長さLは7cm程度である。液滴粒径dpが3ミク
ロン程度の場合、所要電極部長さLはガス流速が3m/
s,10m/sに対しそれぞれ1.8m,5.0m程度で
ある。この所要電極部長さLは電極間隔に大きく影響す
るため、図3及び図4に示す電極間隔20cmを10c
mにすると電極部長さLをさらに短くでき、集塵装置の
容量をコンパクト化することができる。
【0028】図6は湿式脱硫吸収塔の出口に本発明の水
蒸気凝集集塵装置を付設した他の実施例を示す。湿式石
灰石ー石膏法を用いる脱硫装置にスプレ吸収塔(湿式脱
硫吸収塔)501を適用したものである。電気集塵機で
約100mg/m3Nに脱塵されたガス流体5をスプレ
イ502を内蔵したスプレ吸収塔501に導入する。ス
プレ吸収塔501では脱硫反応と脱塵とが行われ、吸収
塔出口505のガス流体中の微粒ダスト濃度は5〜10
mg/m3Nに低減され、水蒸気凝集集塵部(点線で囲
いをした部分)に導入する。
【0029】水蒸気凝集集塵部には水蒸気発生部601
で発生させた水蒸気が噴霧器602(噴霧する手段)に
よりガス流体系に噴霧される。ここで水蒸気は冷却され
て凝縮しガス流体中の微粒ダストを核に凝集し捕集部7
00に導入される。捕集部701は既存のミストエリミ
ネータ又は荷電部などにより肥大化した液滴を捕集す
る。
【0030】図7に示す他の実施例には、図6と同様に
湿式石灰石ー石膏法を用いた脱硫装置であるスプレ吸収
塔の出口に、水蒸気噴霧部600と、冷却部603及び
捕集部700よりなる除去する手段とを付設又は内蔵し
た構成を示す。吸収塔出口ガス505に水蒸気を噴霧器
602より噴霧させた後に冷却部603で冷却すること
により強制的に水蒸気を凝集させる。凝縮した水蒸気は
冷却器603の後流側に設置した捕集部701に導入
し、肥大化した液滴を除去することにより脱塵ができ
る。
【0031】本発明の他の実施例として水蒸気凝集集塵
方法は、微粒ダストを含むガス流体にガス流体より高温
高圧の水蒸気を断熱膨張させて水蒸気の過冷却状態を形
成する工程と、微粒ダストを核にして水蒸気を凝縮させ
肥大化して捕集する工程を含む構成とする。そして湿式
脱硫吸収塔出口の微粒ダストを含むガス流体にガス流体
より高温高圧の水蒸気を断熱膨張させて水蒸気の過冷却
状態を形成する工程と、微粒ダスト及び三酸化硫黄ミス
トを核にして水蒸気を凝縮させ肥大化して前記実施例の
荷電部により捕集する工程とを含む構成でもよく、また
高温高圧の水蒸気を断熱膨張させて前記実施例の冷却部
により水蒸気の過冷却を促進する工程と、微粒ダスト及
び三酸化硫黄ミストを核にして水蒸気を凝縮させ肥大化
して荷電部により捕集する工程とを含む構成でもよい。
【0032】次に本発明の作用を説明する。ガス流体中
の微粒ダストを捕集するには液滴や捕集媒体に衝突させ
る慣性力による方法や電気的に粒子に荷電する方法が一
般的に行われている。慣性力による集塵性能は、捕集す
る微粒ダストの粒径に大きく影響し微粒ダストの粒径が
大きいほど高くできることは周知の事実である。図8に
示すように、慣性力による集塵では微粒ダストの粒径に
依存してくるが、微粒ダストの粒径が0.5〜0.7ミク
ロン以下になると慣性力による集塵機構から捕集機構へ
大きく異なってくる。微粒ダスト粒径が0.5〜0.7ミ
クロン以下になると微粒ダストはあたかもダスト吸着現
象と類似する拡散が集塵性能を支配してくるようにな
る。この拡散集塵域では微粒ダスト粒径が0.5〜0.7
ミクロン以下になるほど高くなる傾向を示す。拡散集塵
域での脱塵性能は表面積に大きく影響してくるため、拡
散集塵域で液滴に微粒ダストを捕集する場合には表面積
を大きくするように、微細化した液滴をガス流体系に形
成させれば集塵性能を高めることができる。しかし、液
滴を微細化するには小口径のスプレノズルを多数設置す
る必要があり不具合である。
【0033】本発明ではスプレ噴霧で液滴を微細化し表
面積を増加させる代わりに高温高圧の水蒸気をガス流体
に噴霧させる方式を提供するものである。ガス流体に供
給された水蒸気は脱硫装置出口のガス流体中で冷却され
凝縮するが、この凝縮する際にガス流体中に含まれる微
粒ダストを核として見掛け上の微粒ダスト粒径を肥大化
させる。このようにして肥大化した液滴とともに微粒ダ
ストを捕集することは既存技術で容易に集塵でき、その
一手段としては後流側に荷電部を設置して捕集するもの
である。
【0034】以下に水蒸気噴霧集塵について説明する。
スプレ吸収塔内で起きる液滴による集塵性能について、
微粒ダスト粒径と集塵率との関係を図8に示す。集塵率
は微粒ダスト粒径に大きく影響していることがわかる。
特に微粒ダストと集塵率との関係で注目すべて現象は、
微粒ダスト粒径が約0.5ミクロンを境界として集塵率
の粒径依存性が異なる点である。微粒ダスト粒径が約
0.5ミクロン以上では液滴へ微粒ダストが衝突して捕
集される慣性力集塵である。一方、微粒ダスト粒径が約
0.5ミクロン以下では拡散集塵による集塵機構が支配
するような領域となる。
【0035】この両者の集塵機能の相違を比較すると、
先ず、慣性力による集塵の場合、微粒ダストの粒径が大
きいほど、微粒ダストと液滴との相対速度が大きいほど
集塵性能を高くできる。一方、拡散集塵の場合、表面積
の影響が大きく影響してくる。従って、微粒ダスト粒径
と集塵率との関係において、微粒ダスト粒径が0.5ミ
クロン近傍で集塵性能が最も小さくなる特性がでてく
る。
【0036】本発明の対象とする吸収塔出口の微粒ダス
ト粒径分布は1ミクロン以下のサブミクロンが対象とな
る。従って、図8に示す微粒ダスト粒径と集塵率との関
係から明らかなことは、吸収塔出口ガスを対象として集
塵する場合、慣性型の集塵装置では不具合であることが
わかる。
【0037】低ばいじん技術により可視煙防止を図るに
は、拡散集塵の効果を高める捕集方法が必要となる。こ
の拡散集塵効果を高めるには捕集する液滴径の表面積を
高めることである。すなわち、スプレ液滴により拡散集
塵性能を高めるにはスプレする液滴の粒径を微細化する
ことがより有効になる。しかし、スプレ噴霧で微細化す
るには小口径のスプレノズルを多数設置する必要があ
り、さらに通風損失を増加するなどの問題もある。
【0038】本発明では微細液滴を発生させるのに吸収
塔出口のガス流に高温高圧水蒸気を噴霧させることにあ
る。吸収塔出口のガス流に供給された高温高圧水蒸気は
過冷却過程でガス中のサブミクロン粒子を核として凝縮
し、微粒ダスト自体は肥大化するので肥大化した液滴を
後流側に設置する捕集部で集塵する方式である。
【0039】このような方法によりサブミクロン粒子自
体では捕集できなかったものが、微粒ダストを肥大化さ
せることにより見掛け上の粒径を大きくすることができ
るため、先に示した慣性衝突方式や簡易な荷電部又は既
存の脱硫装置出口に設置するミストエリミネータにより
容易に捕集することができる。図9に微粒ダストの粒径
分布を示す。
【0040】放電極と集塵極間の印加電圧をcm当り
5.8kVとし、排ガス流速を7m/s、微粒ダスト濃
度を平均10mg/m3Nの条件で集塵性能を評価した
結果を図10に示す。集塵率は微粒ダスト粒径に大きく
依存し、粒径が5〜7μm以上になるとほとんど100
%に近い高性能を示す。液滴の場合には電気的な抵抗を
小さくでき荷電部での捕集効果を微粒ダストより高くで
きる。
【0041】湿式石灰石ー石膏法を用いる脱硫装置出口
のガス流体は50〜55℃の水蒸気が飽和状態であり、
この状態に100℃〜130℃の高温高圧の水蒸気ある
いは高温高圧水を噴霧させることにより、非定常的では
あるが供給した高温高圧水蒸気あるいは高温高圧水は冷
却され、不安定な過冷却状態を作る。この水蒸気の過冷
却状態から凝集する場合にガス流体中に共存する微粒ダ
ストなどを核として凝縮し、微粒ダストは見掛け上粒径
が大きくなる。図1に示す実施例で吸収塔出口の約50
℃のガス流体に130℃程度の高温高圧水蒸気を噴霧さ
せると、一時的に高温高圧水蒸気は過冷却状態を作り、
ガス流体中の微粒ダストを核に水蒸気が凝縮しようと作
用する。微粒ダスト自身は液滴が凝縮することにより肥
大化し、後流側の捕集部(例えば、荷電部)に導入さ
れ、微粒ダストを核に生成した液滴を容易に捕集するこ
とができる。吸収塔出口部で1ミクロン以下のサブミク
ロン粒子を荷電部で捕集するには湿式電気集塵機等の大
がかりな集塵装置が必要になるが、微粒ダストを核に肥
大化した液滴を捕集することは容易になり、粒径の大き
な液滴は簡易な荷電部を設置することで容易に捕集する
ことができる。従って、水蒸気噴霧集塵法と荷電法とを
組み合わせることにより高性能で集塵部をコンパクト化
することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ガス流体中にガス流体
より高温高圧の水蒸気を噴霧し微粒ダストを核として液
滴を肥大化させ、その液滴を捕集して微粒ダストを除去
するため、微粒ダストの捕集効率が向上して捕集部がコ
ンパクト化するとともに、可視煙を防止できる効果があ
る。また噴霧した水蒸気が凝縮した液滴により捕集部の
洗浄ができ、長期間の運用にも安定した高集塵性能を維
持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す水蒸気凝集集塵装置の
断面図である。
【図2】図1に示す水蒸気凝集集塵装置を設置したシス
テムを示す図である。
【図3】図1の荷電部を示す斜視図である。
【図4】液滴粒径と電極部長さとの関係を示すグラフで
ある。
【図5】液滴粒径と電極部長さとの関係を示すグラフで
ある。
【図6】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図8】微粒ダスト粒径と集塵率との関係を示すグラフ
である。
【図9】微粒ダスト粒径の分布を示すグラフである。
【図10】粒径と集塵率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
6 ガス流体 100 ボイラ 200 脱硝装置 300 ガスーガス熱交換器 400 電気集塵機 500 脱硫装置 501 スプレ吸収塔 502 スプレ 505 スプレ吸収塔出口 600 水蒸気噴霧集塵部 601 水蒸気発生部 602 噴霧器 603 冷却部 700 荷電部 701 捕集部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 寿生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小豆畑 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 野沢 滋 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒ダストを含むガス流体中に該ガス流
    体より高温高圧の水蒸気を噴霧する手段と、前記微粒ダ
    ストを核にして該水蒸気を凝集させ肥大化した液滴を除
    去する手段とよりなることを特徴とする水蒸気凝集集塵
    装置。
  2. 【請求項2】 湿式脱硫吸収塔の出口に付設され、微粒
    ダストを含むガス流体中に該ガス流体より高温高圧の水
    蒸気を噴霧する手段と、前記微粒ダストを核にして該水
    蒸気を凝集させ肥大化した液滴を除去する手段とよりな
    ることを特徴とする水蒸気凝集集塵装置。
  3. 【請求項3】 除去する手段は、噴霧する手段の後流側
    に設置された捕集部であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の水蒸気凝集集塵装置。
  4. 【請求項4】 除去する手段は、噴霧する手段の後流側
    に設置された荷電部であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の水蒸気凝集集塵装置。
  5. 【請求項5】 除去する手段は、噴霧する手段の後流側
    に設置された冷却部と、該冷却部の後流側に設置された
    捕集部とよりなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の水蒸気凝集集塵装置。
  6. 【請求項6】 除去する手段は、噴霧する手段の後流側
    に設置された冷却部と、該冷却部の後流側に設置された
    荷電部とよりなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の水蒸気凝集集塵装置。
  7. 【請求項7】 微粒ダストを含むガス流体に該ガス流体
    より高温高圧の水蒸気を断熱膨張させて該水蒸気の過冷
    却状態を形成し、前記微粒ダストを核にして前記水蒸気
    を凝縮させ肥大化して捕集することを特徴とする水蒸気
    凝集集塵方法。
  8. 【請求項8】 湿式脱硫吸収塔出口の微粒ダストを含む
    ガス流体に該ガス流体より高温高圧の水蒸気を断熱膨張
    させて該水蒸気の過冷却状態を形成し、前記微粒ダスト
    及び三酸化硫黄ミストを核にして前記水蒸気を凝縮させ
    肥大化して荷電部により捕集することを特徴とする水蒸
    気凝集集塵方法。
  9. 【請求項9】 湿式脱硫吸収塔出口の微粒ダストを含む
    ガス流体に該ガス流体より高温高圧の水蒸気を断熱膨張
    させて冷却部により該水蒸気の過冷却を促進し、前記微
    粒ダスト及び三酸化硫黄ミストを核にして前記水蒸気を
    凝縮させ肥大化して荷電部により捕集することを特徴と
    する水蒸気凝集集塵方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか1項記載の水
    蒸気凝集集塵装置を備えたことを特徴とする総合排煙処
    理システム。
  11. 【請求項11】 請求項7、8又は9のいずれか1項記
    載の水蒸気凝集集塵方法を用いることを特徴とする総合
    排煙処理システム。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000042359A1 (en) * 1999-01-18 2000-07-20 Takuma Co.,Ltd. Method and device for reducing temperature of exhaust gas utilizing hot water
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