JPH09187275A - 核酸増幅の蛍光偏光検出法 - Google Patents

核酸増幅の蛍光偏光検出法

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JPH09187275A
JPH09187275A JP8304462A JP30446296A JPH09187275A JP H09187275 A JPH09187275 A JP H09187275A JP 8304462 A JP8304462 A JP 8304462A JP 30446296 A JP30446296 A JP 30446296A JP H09187275 A JPH09187275 A JP H09187275A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FPおよび蛍光標識を含むシグナルプライマ
ーを用いる、高温での核酸増幅の検出方法を提供する。 【解決手段】 核酸増幅を好熱温度で検出するための蛍
光偏光法は、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドシグナ
ルプライマーを用い、これが標的増幅依存性様式で一本
鎖から二本鎖形に変換される。このコンホメーションの
変化に伴って蛍光偏光値が増大する。高温で二重らせん
につき一般に見られるFPの減少は、二本鎖DNA結合
性蛋白質により克服される。これが普通は高温に伴う一
本鎖性を減少させることにより二本鎖構造を安定化する
と考えられる。本発明方法は、増幅および増幅のリアル
タイムまたは終末点検出のための閉鎖均質系を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸標的配列の増
幅を検出する方法、特に蛍光偏光による増幅検出法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光偏光(FP)は蛍光性分子の時間平
均回転運動の尺度である。それは1920年代から知ら
れており、分子の体積およびミクロ粘度の高感度測定の
ために研究および臨床の両方の用途に用いられている。
FP法は溶液中の分子の回転特性の変化に依存する。す
なわち溶液中の分子はそれらの種々の軸の周りに“混転
する(tumble)”傾向がある。大型分子ほど(た
とえば体積または分子量がより大きいものほど)小型分
子より緩慢に、より少ない軸に沿って混転する。したが
って励起と発光の間の運動がより少なく、このため発光
光線は比較的高度の偏光を示す。逆に、励起と発光の間
でより大きな混転を示す小型の蛍光性分子からの蛍光発
光ほど、より多面性(multiplanar)(偏光
度が低い)である。小型分子がより大きい、より堅牢な
コンホメーションをとると、その混転は低下し、発光蛍
光は相対的により大きく偏光するようになる。この発光
蛍光の偏光度の変化を測定して、蛍光分子の大きさおよ
び/または堅牢度の増大の指標として利用することがで
きる。
【0003】蛍光偏光法においては、蛍光性分子をまず
偏光により励起する。(i)偏光した励起光線の平面に
対して平行な発光と(ii)偏光した励起光線の平面に
対して垂直な発光との相対強度を測定することにより、
発光の偏光を測定する。大きさおよび/または堅牢度の
変化による混転率の変化に伴って、励起光線平面と発光
蛍光平面との関係の変化、すなわち蛍光偏光の変化が生
じる。このような変化は、たとえば一本鎖オリゴヌクレ
オチドプローブが二本鎖になった場合、または核酸結合
性蛋白質がオリゴヌクレオチドに結合した場合に起こる
可能性がある。蛍光異方性はFPに密接な関係をもつ。
この方法で分子の混転率の変化を測定することもできる
が、ただしこれは異なる方程式を用いて計算される。偏
光と異方性は本発明に用いるための互換性のある方法で
あることを理解すべきである。本明細書においては蛍光
偏光という用語を一般に用いるが、これには蛍光異方性
法も包含されると解すべきである。定常状態の偏光およ
び異方性の測定においては、これらの数値は以下の方程
式に従って計算される: 式中のIpaは偏光した励起光線の平面に対して平行な
蛍光発光の強度であり、Ipeは偏光した励起光線の平
面に対して垂直な蛍光発光の強度である。
【0004】FPは均質であるので、この方法は物理的
操作による妨害なしに溶液中の分子の相互作用を研究す
るために理想的である。したがって蛍光偏光は、一本鎖
の蛍光標識DNAがハイブリダイゼーションにより二本
鎖形に変換したのを監視するのに好都合な方法である
(Murakami,et.al.1991,Nuc
l.Acids Res.19,4097−410
2)。FPが一本鎖核酸と二本鎖核酸のコンホメーショ
ンを両形態の物理的分離なしに識別しうることにより、
この技術は診断形式においてプローブハイブリダイゼー
ションを監視するための魅力的な代替法となった。欧州
特許出願公開第0 382 433号明細書には、蛍光
プローブをアンプリコンにハイブリダイズさせることに
より、または蛍光標識した増幅プライマーの標的特異性
伸長法によって蛍光標識を増幅生成物に取り込ませるこ
とにより、増幅した標的配列を蛍光偏光検出することが
記載されている。国際特許出願公開第WO 92/18
650号明細書には、増幅したRNAまたはDNA標的
配列を蛍光プローブのハイブリダイゼーションに伴う蛍
光偏光の増大により検出するための類似の方法が記載さ
れている。
【0005】蛍光偏光は前定常状態FPまたは定常状態
FPとして監視することができる。前定常状態FPの場
合、励起光源を試料にフラッシュし、励起光源を消灯し
たのち光電子増倍管を点灯することにより、発光光線の
偏光を監視する。蛍光は光散乱より長時間持続するの
で、これにより光散乱による妨害は減少するが、蛍光強
度がある程度失われる。定常状態FPの場合、励起光お
よび発光監視が連続的である(すなわち励起光源および
光電子増倍管を連続的に点灯しておく)。その結果、監
視期間全体にわたる平均混転時間が測定され、これには
散乱光の影響が含まれる。
【0006】in vitroおよびin situ核
酸増幅法は、少量の核酸を検出および分析するための極
めて高感度の道具を提供した。核酸増幅法は処理の温度
要件に従って分類することができる。ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR;R.K.Saikiら,1985,Sc
ience 230,1350−1354)、リガーゼ
連鎖反応(LCR;D.Y.Wuら,1989,Gen
omics ,560−569;K.Barring
erら,1990,Gene 89,117−122;
F.Barany,1991,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 88,189−193)、お
よび転写に基づく増幅(D.Y.Kwohら,198
9,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86,1173−1177)は温度循環を必要とする。
これに対し鎖置換増幅(SDA;G.T.Walker
ら,1992,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 89,392−396、およびG.T.W
alkerら,1992,Nuc.Acids Re
s.20,1691−1696および米国特許第5,4
55,166号明細書)、自己持続型配列増幅(3S
R;J.C.Guatelliら,1990,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 87,18
74−1878)、核酸配列に基づく増幅(米国特許第
5,409,818号明細書)、制限増幅(米国特許第
5,102,784号明細書)およびQβレプリカーゼ
系(P.M.Lizardiら,1988,BioTe
chnology,1179−1202)は等温反応
である。PCRなどの増幅反応に特徴的な高温と低温の
間での循環に対し、等温増幅は本質的に一定の温度で行
われる。
【0007】連鎖置換増幅(SDA)は、制限酵素によ
る半修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位のニッキン
グ、およびポリメラーゼによる下流DNA鎖の置換を利
用して、標的核酸を増幅する(米国特許第5,270,
184号明細書;Walkerら,1992,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 89,39
2−396;G.T.Walkerら,1992,Nu
c.Acids Res.20,1691−169
6)。上記に引用した刊行物に最初に報告されたSDA
反応(“一般的SDA”)は、一般に35−45℃の温
度で行われ、約2時間で標的配列を108倍増幅するこ
とができる。最近、SDAがより高い反応温度に適用さ
れている(約45−65℃−“好熱性(thermop
hillic)SDA”または“tSDA”)。tSD
Aは約50−60℃において約15−30分間で109
−1010倍の増幅を生じることができる。反応速度の増
大のほか、tSDAにおいては一般的SDAと比較して
非特異的バックグラウンド増幅が有意に低下する。
【0008】一般に、増幅した標的配列はプローブのハ
イブリダイゼーション後増幅により検出される。このた
めには信号を測定する前に遊離プローブとハイブリダイ
ズしたプローブとを分離する必要がある。しかしFPの
変化を監視することにより遊離プローブとハイブリダイ
ズしたプローブを物理的に分離せずに識別することがで
き、したがって均質な閉鎖系内で増幅および増幅検出を
行うことが可能である。閉鎖した均質なアッセイにより
操作工程および処理の複雑さが少なくなり、かつ実験室
での増幅生成物の分散をより良く制御することができ、
これにより試料に誤って標的DNAが混入することによ
る偽陽性の可能性が少なくなる。FP検出は、蛍光標識
を含む一本鎖シグナルプライマーからの増幅反応に際し
て二本鎖二次増幅生成物が生成する方法において、増幅
を検出するために利用されている。標的増幅に際しての
二次増幅生成物の生成は、欧州特許出願公開第0 67
8582号および第0 678 581号明細書に記載
および図示されている。この方法においては、検出可能
な標識を含む一本鎖オリゴヌクレオチドシグナルプライ
マーを標的増幅依存法により二本鎖形に変換する。シグ
ナルプライマーのハイブリダイゼーション、伸長および
置換が増幅反応と同時に起こる。標識が蛍光性である場
合、シグナルプライマーから二本鎖形への変換をFPの
変化として検出することができる。蛍光標識としてフル
オレセインまたはラジョラブルー(La Jolla
Blue)を用いると、シグナルプライマーから二本鎖
形への変換の結果、FPが約20mP増大する。このF
Pの変化は、二本鎖DNA結合性蛋白質を二次増幅生成
物中に存在するそれの特異的結合配列に結合させること
により増強することができる(たとえば約133−18
5mPに)。蛋白質の結合は二次増幅生成物中の結合配
列が標的増幅の結果として二本鎖になった時点でのみ起
こりうるのであるから、したがって増強は増幅特異的で
ある。
【0009】標的増幅の速度および特異性は反応温度が
高いほど(一般に約45−75℃)増大する。したがっ
て増幅検出のためのFPの利点を高い増幅温度と組み合
わせることが望ましい。しかし高い反応温度は蛍光偏光
の測定に適合しないと予想されていた。多くの蛍光標識
が高温では不安定である。さらに、高温では二重らせん
の“ブリージング”および末端の“フレイイング(fr
aying)”が促進され、その結果一本鎖性が増大す
る。蛍光標識付近の、特に二重らせん末端の一本鎖性が
増大すると、二本鎖形に関するFPが有意に低下し、そ
の結果これらの反応条件下では増幅に伴うFP増大が排
除される可能性がある。これらの問題は55℃における
FPを評価する予備実験により支持された。この温度
(これはtSDAにとっては典型的な反応温度である)
では、一本鎖形と二本鎖形のオリゴヌクレオチド間でF
Pに差がなかった。さらに、FPは試料の粘度に対して
敏感であり、粘度は高温で変動する。したがって試料粘
度の変化が高い反応温度での増幅の検出にFPの変化を
利用しうる可能性に及ぼす影響は不確実であった。
【0010】本明細書においては以下の用語を下記のと
おり定義する:増幅プライマーは、そのプライマーのハ
イブリダイゼーションおよび伸長により標的配列を増幅
するためのプライマーである。SDAについては、増幅
プライマーの3′末端が、標的配列の3′末端にハイブ
リダイズする標的結合配列である。増幅プライマーはさ
らに、標的結合配列の5′側、一般にその5′末端付近
に制限エンドヌクレアーゼに対する認識部位を含む。制
限エンドヌクレアーゼ認識部位は制限エンドヌクレアー
ゼが認識するヌクレオチド配列であり、制限エンドヌク
レアーゼは制限エンドヌクレアーゼに対する二本鎖認識
部位が半修飾された場合にそれをニックする:Walk
erら(1992a)前掲、に記載。標的の両端に特殊
な配列を必要としない増幅法については、増幅プライマ
ーは一般に本質的に標的結合配列のみからなる。SDA
のニック可能な制限エンドヌクレアーゼ認識部位以外の
特殊な非−標的結合配列を必要とする増幅法(たとえば
3SR)には、標的結合配列および選ばれた増幅法に必
要な配列または構造を含む増幅プライマーを使用しう
る。
【0011】標的または標的配列という用語は、増幅す
べき核酸配列(DNAおよび/またはRNA)を意味す
る。これらには、増幅すべき元の核酸配列およびその相
補的な第2配列、ならびに増幅に際して生成した、元の
標的配列のいずれかの鎖のコピーが含まれる。これらの
コピーも、増幅プライマーがハイブリダイズする元の標
的配列のコピーを含むという事実により、増幅可能な標
的配列として作用する。
【0012】増幅生成物またはアンプリコンは、標的配
列の増幅に際して生成した、標的配列のコピーを含むオ
リゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドである。
【0013】シグナルプライマーは増幅プライマーの下
流において標的配列にハイブリダイズし、増幅プライマ
ーの伸長と同様な様式でポリメラーゼにより伸長され
る。シグナルプライマーは検出プローブとも呼ぶことが
できる。増幅プライマーの伸長により、標的配列から伸
長した下流のシグナルプライマーが置換される。次いで
反対側の増幅プライマーがこの伸長した置換されたシグ
ナルプライマーにハイブリダイズし、その結果シグナル
プライマーは、標的増幅を示す長鎖二重らせん(二次増
幅生成物)に取り込まれる。二次増幅生成物は、増幅生
成物の内部セグメント、およびシグナルプライマーに付
随する検出可能な標識を含む。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、FPおよび
蛍光標識を含むシグナルプライマーを用いる、高温での
核酸増幅の検出方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、FPおよび蛍
光標識を含むシグナルプライマーを用いる、高温での核
酸増幅(好熱性増幅、たとえば約45−75℃)の検出
方法を提供する。増幅は、一本鎖シグナルプライマーか
らの標的増幅依存性の二本鎖蛍光性二次増幅生成物の生
成に伴うFPの増大として検出される。予備実験から、
高温では二次増幅生成物の一本鎖性が増大することによ
り標的増幅に伴うFP増大が著しく低下または排除され
るであろうということが示されたが、意外にも標的の好
熱性標的増幅条件下でFPの増大が維持されることが見
出された。この現象は、二本鎖DNA結合性蛋白質が増
幅反応に際して二本鎖二次増幅生成物に結合し、その結
果二本鎖形が安定化することによると思われる。さら
に、好熱性増幅反応に際して標的が増幅されると、蛍光
偏光を低温(約45℃より低温)または好熱温度(約4
5−75℃)のいずれで測定するかに関係なく、配列−
非特異性の二本鎖DNA結合性蛋白質、たとえば増幅ポ
リメラーゼが標的増幅依存性の二次増幅生成物の生成に
伴う蛍光の変化を増大させうることが見出された。
【0016】最近開発された増幅検出法は少なくとも1
種類のシグナルプライマーを用いる。シグナルプライマ
ーは標的増幅の検出または監視を促進するために、増幅
反応に装入される。標的増幅に際してシグナルプライマ
ーは標的増幅の結果として伸長し、かつ二本鎖になっ
て、二次増幅生成物を生成する(欧州特許第0 678
582号および第0 678 581号明細書)。一本
鎖シグナルプライマーから二次増幅生成物における二本
鎖形への変換が標的増幅の指標である。標的増幅がない
場合、二次増幅生成物は生成しないからである。シグナ
ルプライマーの一本鎖から二本鎖への変換は、シグナル
プライマーの標識が蛍光性である場合、蛍光偏光または
蛍光異方性の測定により監視することができる。すなわ
ちプローブのコンホメーション(主として鎖の性状)が
変化することにより発蛍光団の局部移動度が低下した結
果、蛍光標識に関する相関時間(混転時間)が検出可能
な程度に変化する。これに伴うFP値の変化を、選ばれ
た蛍光標識の検出に適した前定常状態蛍光光度計(たと
えばダイアトロンより)または定常状態蛍光光度計(た
とえばジョリー・インスツルメンツより)で監視するこ
とができる。蛍光偏光の測定は、増幅後に(終末点測
定)または増幅反応と同時に(リアルタイム測定)行う
ことができる。蛍光のリアルタイム監視により、アッセ
イに際して著しい利点が得られる。すなわちそれは本質
的に即刻に結果を提供し、定量的であり、感度を向上さ
せ(勾配の変化の分析が1回の終末点より精確であ
る)、試料が自身の内標準として用いられる。この最後
の利点は臨床検体の分析に特に重要である。試料の粘度
が終末点の読みに著しく影響する可能性があるからであ
る。
【0017】ハイブリダイズしたシグナルプライマーと
ハイブリダイズしていないもの(すなわち二本鎖および
一本鎖)を測定前に分離しないので、標的増幅のFPに
基づく検出には一本鎖蛍光シグナルプライマーから二本
鎖形へのかなりの変換を必要とする。したがって比較的
低いシグナルプライマー濃度が高い感度(すなわち最初
は低い濃度である標的配列の増幅の検出)を与える。そ
れらは一定水準の標的増幅については比較的高い割合の
変換したシグナルプライマーを生じるからである。しか
し低いシグナルプライマー濃度は増幅反応につき力学的
攻撃を提起する。蛍光シグナルプライマーは上流の増幅
プライマーのハイブリダイゼーションおよび伸長の前に
標的にハイブリダイズしなければならない。したがって
一般に、プライマーの相対濃度を、シグナルプライマー
がそれを置換する増幅プライマーより低い濃度であり、
かつ増幅プライマーを置換するシグナルプライマーがシ
グナルプライマーを置換しない増幅プライマーより低い
濃度であるように調整することが有利である。
【0018】欧州特許第0 678 582号および第
0 678 581号明細書に示された方法は増幅反応
と同時に起こり、それを妨害しない。SDAの場合、シ
グナルプライマーおよび増幅プライマーによるミスプラ
イミングが生じた場合、ニック可能な制限エンドヌクレ
アーゼ認識部位が1つしかないため指数関数的に増幅し
えない伸長生成物が生成する(すなわち蛍光性シグナル
プライマーはニック可能な制限エンドヌクレアーゼ認識
部位を含まない)。したがってシグナルプライマーのミ
スプライミングによる非特異的なFP増大は無視するこ
とができる。SDAは指数関数的増幅を支持するために
は2つのプライマー(それぞれニック可能な制限エンド
ヌクレアーゼ認識部位を含むもの)を必要とするからで
ある。これはポリメラーゼ連鎖反応と対照的であり、こ
の場合はハイブリダイズする伸長可能なオリゴヌクレオ
チドはいずれも増幅プライマーとして作用し、ミスプラ
イミング生成物が指数関数的に増幅しうる。シグナルプ
ライマーが低濃度(たとえば50pM−20nM)で存
在する場合、シグナルプライマーによるミスプライミン
グからのバックグラウンドはさらに減少する。恐らく低
いシグナルプライマー濃度およびそれらが増幅プライマ
ーとして機能しえないことが、一般的SDAにおけるシ
グナルプライマーミスプライミングによる非特異的バッ
クグラウンドの減少にかなり大きく寄与しているのであ
ろう。しかしtSDAの反応温度は高いため一般的SD
Aの場合よりミスプライミングの水準が著しく低いの
で、シグナルプライマーの濃度および構造の効果をこの
系において評価するのは難しい。
【0019】等温核酸増幅に典型的な温度(たとえば3
5−42℃)では、5′−フルオレセイン標識シグナル
プライマーの一本鎖から二本鎖形への変換によって約2
0mPの容易に検出しうるFP増大が生じる。この増大
は、配列特異性の二本鎖DNA結合性蛋白質、たとえば
制限エンドヌクレアーゼ、リプレッサー蛋白質、リセプ
ター結合性蛋白質などの添加によって増強することがで
きる。二本鎖DNA結合性蛋白質に対する適切な認識部
位をシグナルプライマーに取り込ませ、標的増幅の結果
として認識部位が二本鎖になることにより、その蛋白質
の増幅特異性結合が可能となり、FPの変化が増大す
る。低温では、その蛋白質が二次増幅生成物にのみ結合
するのを保証するために、特異的蛋白質結合配列が必要
である。これは、低温でほど非特異的プライミングの水
準が高くなることによると考えられる。特異的認識配列
がない場合、二本鎖DNA結合性蛋白質がFPの増幅特
異性増大を排除するのに十分な量で非特異的バックグラ
ウンド増幅生成物に結合すると考えられる。
【0020】予備実験によれば、二次増幅生成物の生成
に伴うFP増大は末端標識シグナルプライマーに関して
は温度の上昇に伴って低下し、それは好熱性増幅反応、
たとえばPCRおよびtSDAに典型的な反応温度では
実質的に排除されるであろうということが示唆された。
核酸ハイブリダイゼーション試験においては、FPの変
化(△mP)は約45℃より低い温度では実質的に影響
されなかった。しかし△mPは約45℃で低下し始め、
ハイブリダイゼーション温度が約60℃に近づくと本質
的に認められなくなった。しかし二次増幅生成物の生成
を好熱性増幅反応において、FP値がハイブリダイゼー
ション試験で負の影響を受けた温度範囲、たとえば約4
5−75℃で監視した場合、意外にもFPの変化を維持
しうることが見出された。核酸標的の増幅に用いたポリ
メラーゼは二本鎖核酸結合性蛋白質であるので、この現
象は増幅ポリメラーゼが二次増幅生成物に配列非特異的
に結合することに起因すると本発明者らは考える。ポリ
メラーゼの結合は、二重らせんの安定化、および高いハ
イブリダイゼーション温度に伴う、一本鎖性増大の低下
または排除に寄与するのであろう。その結果、同様な温
度で実施した単純なハイブリダイゼーション実験からは
予測できない標的増幅特異性のFP増大が生じる。
【0021】さらに意外にも、高温での増幅により、増
幅に伴うFP変化を増大させるために配列−非特異性の
二本鎖DNA結合性蛋白質を使用しうることが見出され
た。一般的SDAはtSDAと対照的に、増幅反応にお
いて配列−非特異性のDNA結合性蛋白質の存在下では
FPの増大を示さなかった。これら2増幅系における結
果の相異は、一般的SDAにより生成する非特異的なバ
ックグラウンド増幅生成物の量が多いことによると思わ
れる。これらの二本鎖バックグラウンドアンプリコン
は、存在する可能性のある配列−非特異性の二本鎖DN
A結合性蛋白質が実質量結合することにより、FP変化
の増大の検出を妨害する可能性がある。tSDAでは実
質的にバックグラウンド増幅がないため、配列−非特異
性の二本鎖DNA結合性蛋白質に主として二次増幅生成
物が結合するのが保証されることにより、増大したFP
変化を検出することができる。したがって好熱性増幅系
における増幅のFP検出は著しく簡略化される。シグナ
ルプライマー中へ特異的結合性蛋白質を工学的に挿入す
る必要がなく、かつ付加的な反応成分(別個の二本鎖D
NA結合性蛋白質)の必要性が除かれるからである。す
なわち、標的増幅のために既に存在する酵素(たとえば
ポリメラーゼ)が二本鎖二次増幅生成物を安定化して高
温におけるFP変化を維持し、かつ標的増幅を示すFP
増大を増強するのにも役立つと思われる。すなわち好熱
性増幅の反応条件下では、試料粘度の変化によるわずか
な大きさの変化を除いて、FP増大は少なくとも約37
℃で観察されるものに匹敵する水準に維持される。
【0022】鎖置換増幅の標的形成および増幅反応経路
はWalkerら(前掲)、ならびに米国特許第5,4
55,166号および第5,270,184号明細書に
示されている。これらの一般的反応経路は一般的SDA
およびtSDA双方とも同じである。しかしtSDAは
熱安定性の制限エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼ
を使用し、高温で実施される。SDAは5′−3′エキ
ソヌクレアーゼ活性を欠如したポリメラーゼを必要と
し、二本鎖核酸中の一本鎖ニックにおいて重合を開始
し、かつニックの下流の鎖を置換し、一方で非ニック鎖
を鋳型として用いて新たな相補鎖を生成する。置換活性
は増幅反応にとって必須である。これによりさらにコピ
ーを合成するための標的が得られ、一本鎖伸長生成物が
生成し、これに指数関数的増幅反応において第2の増幅
プライマーがハイブリダイズしうるからである。熱安定
性であり、かつtSDAに用いるのに必要な特性を備え
たポリメラーゼの例は、exo-Vent(ニュー・イ
ングランド・バイオラボズ)、exo-Deep Ve
nt(ニュー・イングランド・バイオラボズ)、Bst
(バイオラッド)、exo-Pfu(ストラタジー
ン)、Bca(パンベラ)およびSequencing
Grade Taq(プロメガ)である。他はルーテ
ィンなスクリーニングアッセイ法により同定することが
できる。ポリメラーゼTth(ベーリンガー)、Tfl
(エピセンター)、レプリナーゼ(REPLINAS
E)(デュポン)およびレプリサーム(REPLITH
ERM)(エピセンター)はニックから鎖置換するが、
5′−3′エキソヌクレアーゼ活性をも備えている。こ
れらのポリメラーゼは、たとえば遺伝子工学的にエキソ
ヌクレアーゼ活性を除去したのちにtSDAに用いられ
る。これまでに同定された好熱性ポリメラーゼは大部分
が65−76℃に最適活性をもつ。しかし好熱性制限エ
ンドヌクレアーゼの熱安定性は一般に約65℃より低温
に限定されるので、これより低温に最適活性をもつ好熱
性ポリメラーゼ(たとえばBstおよびBca)の方
が、tSDAに用いる好熱性制限エンドヌクレアーゼと
適合する。
【0023】制限エンドヌクレアーゼによるニッキング
はSDA反応を永続させ、後続過程の標的増幅を開始さ
せる。制限酵素は一般に二本鎖切断を生じるので、開裂
部位の二重らせん中の2本の鎖のうちの一方の開裂を選
択的に阻止しなければならない。これは通常は、合成に
際してDNAの一方の鎖中へヌクレオチド類似体(たと
えばデオキシヌクレオシドホスホロチオエート)を導入
し、したがって2本の鎖のうちの一方がもはや開裂を受
けなくすることにより達成される。tSDAに用いるの
に適した制限エンドヌクレアーゼの例には、BsrI、
BstNI、BsmAI、BslI、BsoBI(ニュ
ー・イングランド・バイオラボズ)およびBstOI
(プロメガ)が含まれる。他はtSDAの温度でニッキ
ング活性を同定するためのルーティンなスクリーニング
アッセイにより同定することができる。
【0024】本明細書の記載においてはtSDAを好熱
性増幅の例として用いるが、本発明は鎖置換ポリメラー
ゼを用いるか、または鎖置換ポリメラーゼの代わりに
5′−3′エキソヌクレアーゼ活性を備えたポリメラー
ゼを用いて下流のシグナルプライマーを置換しうるいか
なる増幅法にも利用することができる。したがって本発
明方法は、標的配列がRNAまたはDNAのいずれであ
るかに無関係であるので、SDA以外の等温増幅反応、
たとえば自己持続型配列増幅(3SR)にも利用しう
る。3SRの場合、二本鎖シグナルプライマーの標的依
存性生成は一般にSDAの場合と同様に起こる。3SR
に用いるT7 RNAポリメラーゼは5′−3′エキソ
ヌクレアーゼ活性を欠如し、逆転写酵素の分解活性はD
NAにハイブリダイズしたRNAに対してのみ活性なR
NAse H活性である。したがってGuatelli
ら(1990,87,1874−1878)の3SR増
幅経路の場合、シグナルプライマーはRNA標的にハイ
ブリダイズし、そして3′側増幅プライマーの伸長によ
り置換されるであろう(Guatelliらの図1の
“A”)。あるいはシグナルプライマーは3SR反応の
逆転写により生成するcDNA標的配列にハイブリダイ
ズするであろう。いずれの場合も、伸長したシグナルプ
ライマーは上流の3′側(“A”)または5′側
(“B”)増幅プライマーが伸長された場合にポリメラ
ーゼにより置換される。次いで反対側の増幅プライマー
がシグナルプライマー伸長生成物に結合し、伸長して、
標識シグナルプライマーを二本鎖形に変換する。転写仲
介増幅(TMA)および核酸配列に基づく増幅(NAS
BA)反応は本質的に3SRと同じであり、シグナルプ
ライマーの付加により同様に進行して二本鎖の標的増幅
特異性二次増幅生成物を生成するであろう。3SRおよ
び関連の増幅法は現在は好熱温度範囲より低い(すなわ
ち約45−75℃より低い)温度で実施されているが、
必要に応じて熱安定性酵素に交換することにより、本発
明に従った好熱条件下での増幅の蛍光偏光検出が可能で
あろう。これらの増幅反応はすべて、高温で二重らせん
を安定化しかつFPの変化を維持する、配列−非特異性
の二本鎖DNA結合性蛋白質を含むからである。
【0025】本発明方法はポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)における増幅の検出にも利用しうる。ただし蛍光偏
光の測定は、増幅の“リアルタイム”監視のためには増
幅サイクルの低温期間に行わなければならない。PCR
におけるプライマーのハイブリダイゼーションおよび伸
長は一般に低温で、ただしなお好熱温度(約60−75
℃)で実施される。5′−3′エキソヌクレアーゼ欠失
ポリメラーゼ(たとえばexo-Vent、exo-Pf
u、またはTaqのストッフェルフラグメント)を用い
ると、標的配列にハイブリダイズしたPCR増幅プライ
マーの伸長によって下流の伸長したシグナルプライマー
が置換される。反対側のPCR増幅プライマーはシグナ
ルプライマーの伸長生成物にハイブリダイズし、伸長し
て、一本鎖シグナルプライマーが二本鎖形に変換され
る。二本鎖シグナルプライマーは、後続サイクルで1増
幅プライマーおよび1シグナルプライマーのハイブリダ
イゼーションおよび伸長により増幅されて、追加の二本
鎖シグナルプライマー源を提供する。次いでPCRの終
結後に、増幅生成物が二本鎖を維持する条件下で(約4
5℃より低温)蛍光偏光または蛍光異方性の増大を検出
することができる。あるいはPCRに際して循環プロト
コール(60−75℃)の低温時点で低温二次増幅生成
物を検出することができ、その際増幅ポリメラーゼが二
次増幅生成物の二本鎖構造を安定化し、かつ検出可能な
FP変化を維持する作用をする。
【0026】シグナルプライマーを用いる代わりに、前
記増幅法のいずれにおいても増幅プライマーを蛍光標識
してもよい。二本鎖蛍光標識生成物が一本鎖増幅プライ
マーから生成し、これに伴ってFPが変化する。シグナ
ルプライマーを用いる場合と比較してこの態様はバック
グラウンドがより高いので、感度が低下する可能性があ
る。
【0027】核酸の標識に関する技術分野で既知のいか
なる蛍光分子をも本発明方法に使用しうる:たとえばフ
ルオレセイン、およびフルオレセイン誘導体、たとえば
5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノ
フルオレセイン(5−DTAF);エオシン;ローダミ
ン類、たとえばテキサスレッド(Texas Red)
およびテトラメチルローダミン;シアニン染料、たとえ
ばチアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、ならび
に米国特許第4,957,870号および第4,88
8,867号明細書に記載される関連の染料;ピレン;
ポルフィリン染料、たとえばラジョラブルー。温度、粘
度、および蛍光染料が結合するオリゴヌクレオチドの大
きさがすべて混転時間に影響を及ぼすことを考慮して、
蛍光標識はその蛍光寿命の長さが測定の行われる相関時
間に匹敵するように選択されるべきである。たとえばフ
ルオレセイン(寿命約4ナノ秒)およびラジョラブルー
(寿命約2ナノ秒)は両方とも約0.1−100ナノ秒
の相関時間につき有用である。核酸結合性蛋白質を蛍光
標識と併用する場合、相関時間は一般に増大する。たと
えば遊離フルオレセイン標識に関する相関時間は約0.
2ナノ秒である。フルオレセイン標識が一本鎖オリゴヌ
クレオチドに結合した場合には相関時間は約0.4ナノ
秒に増大し、二本鎖オリゴヌクレオチドに結合した場合
には相関時間はさらに約2ナノ秒に増大する。フルオレ
セイン標識二本鎖オリゴヌクレオチドが二本鎖DNA結
合性蛋白質、たとえばEcoRIと結合することにより
FPが増大した場合、相関時間は再び約20ナノ秒に増
大する。ラジョラブルー(Devlinら,1993,
Clin.Chem.39,1939−1943)は、
生物学的試料を増幅したい場合、蛍光シグナルプライマ
ーの標識に特に有用である。この染料は近赤外スペクト
ル、すなわち臨床検体についてバックグラウンド蛍光が
比較的低い領域の光線を吸収および発光するからである
(それぞれ685nmおよび705nmにピーク最
大)。核酸の標識として用いる場合、5−DTAFはF
P分析にとってフルオレセインより優れていることも見
出された。この標識はフルオレセインと比較して有意に
高い動的範囲を提供し、FPアッセイの感度を向上させ
る。
【0028】蛍光標識は、標識からの蛍光の発光または
標的配列へのプローブのハイブリダイゼーションを妨害
しないようにシグナルプライマーに共有結合または結合
される。標識がコンホメーションの変化に近接している
か、または関与する場合にFPの変化が起こるので、結
合はコンホメーションの変化が予想される部位付近にす
べきである。これは一般にシグナルプライマーの5′末
端または内部である。一般に標識をシグナルプライマー
の3′末端には結合させない。3′末端はポリメラーゼ
による伸長に利用できなければならないからである。よ
り堅牢な結合または“つなぎ鎖(tether)”、た
とえば二重結合を含むものは蛍光標識の混転時間を緩慢
にし、より長い相関時間の測定を可能にする。蛍光標識
は標識をオリゴヌクレオチドに結合させるために用いる
のに適したリンカーまたは“つなぎ鎖”、たとえばアミ
ノエチル、アミノヘキシルおよびアミノプロピル結合ア
ームを介してシグナルプライマーに共有結合する(アプ
ライド・バイオシステムズ、クローンテク、グレン・リ
サーチ、Devlinら、前掲)。他のアミノリンカー
は国際特許出願公開第WO 92/18650号明細書
に記載されている。Goodchild,1990,B
ioconj.Chem,,165に全般的に記載さ
れるように、標識をピリミジン類のC5またはプリン類
のC8においてオリゴヌクレオチドに結合させてもよ
い。ホスホロチオエートを含むオリゴヌクレオチドを合
成し、次いでインドアセトアミドフルオレセインと反応
させることにより、フルオレセインを内部に結合させる
ことができる。5−DTAFをオリゴヌクレオチドに結
合させる方法は、一般にアミノ修飾オリゴヌクレオチド
をNaHCO3/Na2CO3緩衝液中で5−DTAFと
反応させることによる。標識オリゴヌクレオチドを過剰
の未反応染料からカラムクロマトグラフィーにより精製
し、非標識オリゴヌクレオチドを除去して最終生成物を
得る。
【0029】FPの変化をリアルタイムでの(すなわち
反応終了後ではなく増幅中に、シグナルプライマーから
二本鎖形への変換と同時に)増幅検出に利用する場合、
終末点測定の場合には必ず必要であるような、バックグ
ラウンド蛍光を補償するために試料を“ゼロ”にするこ
とが、必要ではない点を留意すべきである。それはFP
検出においては偏光の変化または偏光の変化(変化の
絶対的大きさでなく)が正の結果を示すからである。一
定濃度の増幅生成物については、低い濃度の蛍光標識シ
グナルプライマーほど高い割合の一本鎖シグナルプライ
マーが二本鎖形に変換されるのが保証されることによ
り、検出感度が向上する。しかし低いシグナルプライマ
ー濃度では、終末点測定法を採用した場合にはシグナル
プライマーが広範囲の増幅生成物水準にわたって飽和す
る可能性がある。したがってFPの終末点測定法は増幅
反応終了後に採用した場合、初期標的水準に関して厳密
には定量的でない可能性がある。FPをリアルタイムで
監視することによりシグナルプライマー飽和の問題は克
服される。高い水準の標的を含有する試料ほど、少ない
標的を含有するものより急速なFP値増大を示すからで
ある。もちろんFP増大率と初期標的水準の相関は、増
幅率が本質的に等しい試料を比較する場合にのみ有効で
ある。臨床検体については、それぞれが異なる水準の増
幅阻害物質を含有し、アッセイが厳密には定量的でない
可能性がある。たとえば高い量の初期標的を含有し、か
つ増幅が効果的に行われなかった試料を、低い量の初期
標的を含有していたが増幅は高率で行われた試料と識別
するのは困難であろう。それにもかかわらず、増幅中の
FP値をリアルタイムで監視することにより、少なくと
も準定量的に初期標的水準を推定することができる。内
部陽性対照として既知の初期濃度の追加標的配列を含有
させることにより(Walkerら,1994,Nu
c.Acids Res.22,2670−267
7)、または陽性対照を含有する試料を平行して試験す
ることによって、定量を向上させることができる。内部
陽性対照標的は試料についての全般的な増幅性能の指標
(すなわち偽陰性に対する対照)を提供するだけでな
く、その試料中の標的の初期量を定量するための基準を
も提供する。
【0030】
【実施例】
実施例1 結核菌(Mycobacterium tubercu
losis)のIS6110標的配列をtSDAにより
増幅させ、その際二次増幅生成物の生成による増幅の検
出のためにシグナルプライマーを含有させた。オリゴヌ
クレオチドはすべて標準法により合成され、ゲル電気泳
動により精製された。5′−フルオレセイン標識シグナ
ルプライマーは、標準法および6−FAM AMIDI
TE(アプライド・バイオシステムズ社)を用いて調製
された。シグナルプライマーはIS6110要素のヌク
レオチドの985−1010位(Thierryら,1
990,Nuc.Acids Res.18,188)
にハイブリダイズし、下記の配列をもつものであった:
【化1】 増幅プライマーおよびバンパープライマー(bumpe
r primer)は下記のとおりであり、BsoBI
認識配列を肉太のイタリック体で示し、IS6110標
的結合配列にアンダーラインを付した:
【化2】 100μLの試料において下記の最終濃度の試薬を用い
てtSDAを実施した:35mM K2HPO4(pH
7.5)、3mMトリス−HCl(pH7.9)、15
mM NaCl、0.3mM DTT、10.5mM
MgCl2、各1.4mMのdGTP、dATP、TT
PおよびdCTPαS、0.1mg/mLウシ血清アル
ブミン、500ngヒト胎盤DNA、15nMプライマ
ーS1、6nMプライマーS2、各5nMのプライマーB
1およびB2、320単位のBsoBI(ニュー・イング
ランド・バイオラボズ)、8単位のBca(パンベ
ラ)、5nM 5′−フルオレセイン標識シグナルプラ
イマー、ならびに表1に示す量の結核菌DNA。試料を
まず下記のもの70μL中に調製した:50mM K2
HPO4(pH7.5)、10.7mM MgCl2、各
2mMのdGTP、dATP、TTPおよびdCTPα
S、0.14mg/mL ウシ血清アルブミン、21.
4nMプライマーS1、85.7nMプライマーS2、各
7.1nMのプライマーB1およびB2、ならびに7.1
nM 5′−フルオレセイン標識シグナルプライマー。
次いで各試料に、下記のもの10μLアリコート中の種
々の量の標的を添加した:10mMトリス−HCl(p
H7.9)、10mM MgCl2、50mM NaC
l、1mM DTTおよび500ngヒト胎盤DNA。
これら80μLの試料を沸騰水浴中で2分間加熱するこ
とにより変性させ、プライマーアニーリングのために6
0℃で3分間平衡化した。BsoBIおよびexo-
caポリメラーゼを合わせて、10mMトリス−HCl
(pH7.9)、10mM MgCl2、50mM N
aCl、1mM DTT中にそれぞれ16単位/μLお
よび0.4単位/μLに希釈し、20μLアリコート
で、60℃において平衡化した80μLのSDA試料に
添加した。混合後にSDAを60℃で15分間進行さ
せ、次いで6μLの0.5M EDTAの添加により終
結させた。試料を下記のもの0.9mLで希釈した:5
5mM NaCl、111mMトリス−HCl(pH
7.5)、0.7mM K2HPO4(pH7.4)、
1.1mM EDTA、0.7mM β−メルカプトエ
タノール、27μg/mLウシ血清アルブミン、0.0
2%トリトン(TRITON)X−100、7%(v/
v)グリセリン。37℃で平衡化したのち、フルオレセ
イン用に特別に設計された蛍光光度計(FPM−1型、
ジョリー・コンサルティング・アンド・リサーチ)によ
り蛍光偏光を測定した。次いで大腸菌(E.coli)
ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ欠失クレノー断片
(ユナイテッド・ステーツ・バイオケミカル)の調製物
を添加し(5単位/μLの原液5μL)、37℃で再
度、蛍光偏光を記録した。
【0031】シグナルプライマーは表1に示すように標
的依存性の蛍光偏光増大を示した(mP)。
【0032】
【表1】 結核菌のゲノム数 1000 100 10 114(154) 108(136) 79(95) 62(68) 57(60) *かっこ内の数値はポリメラーゼ添加後のものである。
【0033】高い装入標的を含有する試料ほど高い偏光
値を示したが、陰性対照(0装入標的)は一本鎖シグナ
ルプライマーのものに匹敵する偏光値を示した。結核菌
のゲノム10の増幅は陰性対照より明らかに検出可能で
あり、1ゲノムの増幅はバックグラウンドよりわずかに
増大した。
【0034】exo-クレノーポリメラーゼを添加する
と、結核菌DNAを含有する増幅試料についてはFP値
がかなり増大し、アッセイ感度が増大した。これは恐ら
くポリメラーゼが二本鎖二次増幅生成物に結合すること
によりシグナルプライマー上の蛍光標識の混転時間をさ
らに緩慢にしたためであろう。標的を含有しない試料に
ポリメラーゼを添加しても本質的にFPの増大はなく、
これはtSDAの場合にはシグナルプライマーによるミ
スプライミングはごくわずかであることを証明する。t
SDAの操作温度が高いほど、同様に非特異的なバック
グラウンド増幅はDNA結合性蛋白質における配列特異
性の必要性がなくなる水準にまで低下する。すなわちt
SDAが終了した時点で存在する二本鎖DNAは主とし
て標的特異性であり、二次増幅生成物に特異的に結合す
るものではない二本鎖DNA結合性蛋白質をFPの変化
を増大させるために使用しうる。したがってtSDAお
よび他の好熱性増幅反応の条件下では、いかなる配列−
非特異性の二本鎖DNA結合性蛋白質がFPの変化を増
大させるためにも有効である。
【0035】FPの変化が増大したことの証拠は、ex
-クレノーポリメラーゼ添加前ですら明らかであっ
た。同様な効果はシグナルプライマーを相補的オリゴヌ
クレオチドにハイブリダイズさせる模擬SDA反応にお
いても観察された。BsoBIおよびBcaの不在下
で、ハイブリダイゼーションに際してFPが約55mP
から70mPに増大した。BsoBIおよびBcaの添
加により、ハイブリダイゼーションに伴ってFPが約1
25mPに増大した。これらの結果は予想外であった。
一般的SDAは、FPを同様に37℃で測定した場合、
配列特異性の二本鎖DNA結合性蛋白質を添加しないと
増大を示さなかったからである。模擬SDA反応の結
果、および表1の高標的試料においてポリメラーゼ添加
前にmP値が70mPより大きいという所見は、増幅反
応中に存在する二本鎖DNA結合性蛋白質がFPの変化
を増大させる作用もすることを示唆する。さらに、tS
DAを最大標的増幅時間(一般に約15分)より延長す
ると、蛍光偏光は減少し始める。これは増幅反応におい
て非特異的バックグラウンド生成物が増加し始める時点
でもある。
【0036】実施例2 蛍光偏光の終末点測定法を用いて、クラミジア・トラコ
マチス(Chramydia trachomati
s)基本小体(EB)中の標的配列の増幅を検出した。
クラミジア・トラコマチスのEB(血清型E)を95℃
で15分間加熱して、試料の感染性を低下させ、かつE
Bを細胞溶解させた。これにより増幅に用いるDNAが
放出された。水中の10ng/μLヒト胎盤DNAによ
り、溶解物の系列希釈液を調製した。ホスホルアミダイ
ト化学を用い、アプライド・バイオシステムズ380B
合成装置により製造業者の指示に従って、S1、S2、B
1およびB2プライマーを合成した。オリゴヌクレオチド
を水酸化アンモニウムで50℃において16時間脱保護
し、かつ常法によりゲル電気泳動によって精製した。シ
グナルプライマーは5′ホスフェート上に6炭素アミノ
リンク(AMINOLINK)(ABI)を用いて合成
された。このオリゴヌクレオチドを下記に従って5−D
TAFの5′末端に結合させた。アミノオリゴヌクレオ
チド(150μM溶液56μL)を60μLのNaHC
3/Na2CO3緩衝液(25mM,pH9)と混合し
た。この溶液にDMF中の40mM 5−DTAFを1
0μL添加した。反応物を37℃で72時間、暗所でイ
ンキュベートした。標識オリゴヌクレオチドをまず、2
5mM NaHCO3/Na2CO3緩衝液で平衡化した
NAP−5カラム(ファルマシア)上でのカラムクロマ
トグラフィーにより、過剰の未反応染料から精製した。
0.5mLの画分数個を採集し、標識オリゴヌクレオチ
ドを画分2中に見出した。次いで画分2をオリゴヌクレ
オチド・ピュアリフィケーション・カートリッジ(OP
N、ABI)および一般的プロトコールによってさらに
精製して、標識オリゴヌクレオチドを非標識オリゴヌク
レオチドから分離した。最終画分を、240−600n
mで走査するHP 89532A分光光度計によりスペ
クトル純度につきアッセイした。光学濃度は以下のとお
りであった:A260 0.11273、A494 0.02
15、A260280 1.62、A260494 5.25。
【0037】終末点測定のために、下記を含有する50
μL容量中でtSDAを実施した:5mM MgC
2、各0.2mMのdGTP、dATP、TTP、
1.4mM dCTPαS、20μg/mL非アセチル
化ウシ血清アルブミン、1ng/μLヒト胎盤DNA、
40mM K2HPO4(pH7.6)、5%(v/v)
グリセリン、3%(v/v)DMSO、750nMプラ
イマーS1、188nMプライマーS2、75nMのプラ
イマーB1およびB2、10nMシグナルプライマー、
3.2単位/μL BsoBI、0.25単位/μLエ
キソヌクレアーゼ欠失Bst DNAポリメラーゼ(モ
レキュラー・バイオロジー・リソーシズ)、および種々
の量のクラミジアEB。S2のハイブリダイゼーション
前に標的へのシグナルプライマーのハイブリダイゼーシ
ョンを促進するために、この実施例ではS2プライマー
はS1プライマーより4倍低い濃度、およびシグナルプ
ライマーより18.75倍高い濃度であった。BsoB
I、Bstポリメラーゼ、BSAおよびMgCl2の添
加前に、5μLの標的調製物を添加し、反応物を95℃
に2分間加熱して、標的DNAを変性させた。次いで5
3.5℃で5分間平衡化して、プライマーをアニールさ
せた。下記を含有する酵素配合物10μL:5μLの5
mM MgCl2、1μLのBSA(1mg/mL)、
1μLのBstポリメラーゼ(25単位/μL)、1μ
LのBsoBI(160単位/μL)、および2μLの
1X NEB2(10mMトリス−HCl pH7.
9、50mMNaCl、10mM MgCl2、1mM
ジチオトレイトール−ニュー・イングランド・バイオラ
ボズ)を添加したのち、増幅のために反応物を53.5
℃で30分間インキュベートした。増幅反応物のアリコ
ート(45μL)を1mLのFP緩衝液(100mMト
リス pH7.5、1mM EDTA、44mM Na
Cl、0.5mM βME、20μg/mL BSA、
0.015%トリトン−X 100、5%グリセリン)
に37℃で添加し、下記の設定を用いたFPM−1蛍光
光度計により読み取った:読取りモード−静止;単一ブ
ランク、ブランク遅れおよび試料遅れ−10秒;PMT
電圧−80;FP係数−1.0020;ランプフィード
バック−オフ;数値読取りサイクル数−1。
【0038】終末点測定法を用い、500、50、1
0、5および0のEBの増幅を検出して、DTAF系の
感度を評価した。5クラミジアEBの増幅はバックグラ
ウンド上方に容易に認められた(図1)。2種類の陰性
対照反応を行った−1つは標的DNAを含まないもの、
1つはEDTAによりSDAを阻害したもの。標的を含
まない反応はそれ以前の反応からの標的またはアンプリ
コンの混入のため、5EBより低い水準のわずかなmP
増大を示した。終末点アッセイは密閉管式均質アッセイ
ではないので、この系においては混入の可能性があっ
た。終末点FP測定値は二本鎖形に変換されたシグナル
プライマーの量を反映するので、高い装入標的水準では
本質的に100%のシグナルプライマーが変換されるた
め、結果は定量的でない。高い標的濃度を定量するため
に多量のシグナルプライマーを添加することができる
が、これは低い標的濃度で得られる感度を相殺するであ
ろう。低い標的濃度では、検出可能な増大を平均相関時
間内に生じるために、多量のシグナルプライマーが変換
されなければならない。この実施例においても、標的を
含有する試料において増大したFP値(DTAF末端標
識を用いた場合、約230mPより大きい)が観察され
た。これは、好熱性増幅条件下では増幅反応に際して存
在する配列−非特異性の二本鎖DNA結合性蛋白質が二
次増幅生成物への結合によって△mP増大に寄与するこ
とを示す。
【0039】実施例3 実施例2の場合と同様にして、標的調製物100μLを
含有する1mL中で、リアルタイム監視のためのtSD
A反応を実施した。アッセイの定量的観点を評価するた
めに、4種類の反応(106、104、102または0の
EBを含有)を行った。陰性SDA試料は10mM E
DTAを含有し、蛍光偏光対照として用いられた。標的
を95℃で5分間変性したのち、試料(800μL)を
SLM8100分光蛍光計(ミルトン−ロイ)の10m
m×45mmのキュベットに移し、水循環式温度制御に
より53.5℃で10分間平衡化した。200μLの酵
素配合物の添加により増幅を開始し、2分毎に合計45
分間、蛍光偏光を監視した。SLM 8100分光蛍光
計は4つのキュベットチャンバーをもち、これらを順次
読み取ってすべての試料を同時に分析することができ
る。
【0040】増幅反応に用いたポリメラーゼにより、意
外にも高温において密閉管形式でリアルタイム検出を行
うことが可能となった。この二本鎖DNA結合性蛋白質
の結合により、二本鎖二次増幅生成物における末端フレ
イイングおよび/またはブリージングが明らかに減少
し、または排除され、シグナルプライマーの一本鎖から
二本鎖への変換に伴ってFPが約220mPに増大し
た。予備実験によれば、高温では標識付近において一本
鎖性が増大するため、一本鎖から二本鎖への変換に関し
てFPには変化がないことが示された。増幅反応におけ
る制限エンドヌクレアーゼも二本鎖DNA結合性蛋白質
であるが、本発明者らは高温での二重らせんの安定化に
対するその寄与は少ないと考える。二次増幅生成物中に
制限エンドヌクレアーゼに対する認識部位がない場合、
結合は検出されなかったからである。
【0041】図2は、標的増幅のリアルタイム検出の最
初の30分間に関する結果を示す。106および104
EBを含有する反応は約20分でプラトーに達し、約2
00−220のmP値になった。しかし、高い初期水準
の標的を含有する試料ほど、低い初期水準の標的を含有
する試料より速やかなFP増大を示したので、リアルタ
イム検出に際してはすべての標的水準において量的な差
が見られた。図2に示すように、106のEBは約8分
でFP増大により検出可能となり、104のEBは約1
0分でFP増大により検出可能となり、102のEBは
約16分でFP増大により検出可能となった。したがっ
てリアルタイム検出は、存在する標的の初期量を定量し
たい場合に終末点分析の限界を克服する。これのような
制御された実験ではすべての試料が本質的に同率のSD
Aを示すと予想され、アッセイは定量的である。しかし
臨床試料は対照と比較して増幅率を低下させる増幅阻害
物質を含有する可能性がある。そのような試料のリアル
タイム定量のためには、既知の初期濃度の内部対照配列
を、臨床検体中で異なる発蛍光団を用いて、または平行
反応において同一の発蛍光団を用いて、同時増幅させ
る。次いで臨床試料が内部対照の定量に及ぼす影響を適
用して、臨床標的を精確に定量することができる。
【0042】
【配列表】
【0043】配列番号:1 配列の長さ:26塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: ATCCGTATGG TGGATAACGT CTTTCA 26
【0044】配列番号:2 配列の長さ:40塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: CGATTCCGCT CCAGACTTCT CGGGTCTACT GAGATCCCCT 40
【0045】配列番号:3 配列の長さ:40塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: ACCGCATCGA ATGCATCTCT CGGGTAAGGC GTACTCGACC 40
【0046】配列番号:4 配列の長さ:13塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: CGCTGAACCG GAT 13
【0047】配列番号:5 配列の長さ:13塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: TCCACCCGCC AAC 13
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の感度をクラミジア・トラコマチス
標的配列につき示したヒストグラムプロットである。
【図2】本発明方法を用いた種々の量のクラミジア・ト
ラコマチス標的のリアルタイム検出および定量を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジー・テランス・ウォーカー アメリカ合衆国ノース・カロライナ州 27514,チャペル・ヒル,マウント・ボラ ス・ロード 209 (72)発明者 パトリシア・アン・スピアーズ アメリカ合衆国ノース・カロライナ州 27615,ローリー,カロリンジアン・コー ト 8605

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸標的配列の増幅を検出するための方
    法であって、 a)標的配列を約45−75℃での増幅反応において増
    幅し、その際増幅反応は鎖置換ポリメラーゼ、および標
    的配列の第1鎖に第1増幅プライマーの下流においてハ
    イブリダイズする蛍光標識した一本鎖シグナルプライマ
    ーを含み、これにより標的配列の第1鎖から第1増幅プ
    ライマーの伸長により置換されたシグナルプライマー伸
    長生成物を調製し; b)置換されたシグナルプライマー伸長生成物に第2増
    幅プライマーをハイブリダイズさせ、第2増幅プライマ
    ーを伸長させ、これにより蛍光標識された二本鎖二次増
    幅生成物を調製し;そして c)標的配列増幅の指標として、二本鎖二次増幅生成物
    の生成を蛍光偏光により検出することを含む方法。
  2. 【請求項2】 増幅反応が好熱性鎖置換増幅である、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 鎖置換ポリメラーゼがBcaまたはBs
    tである、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 標的配列を約50−60℃で増幅させ
    る、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応(PC
    R)である、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 シグナルプライマーがフルオレセインま
    たは5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)ア
    ミノフルオレセインで蛍光標識されている、請求項1に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 蛍光偏光値を高めるために標的増幅後に
    二本鎖DNA結合性蛋白質を添加する、請求項1に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 蛍光偏光を終末点において検出する、請
    求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 蛍光偏光を標的増幅と同時に測定する、
    請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 標的配列の初期量を蛍光偏光値の増加
    率の分析により定量する、請求項1に記載の方法。
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