JPH09185713A - 特徴ベクトル抽出装置及びこれを用いた情報処理装置 - Google Patents

特徴ベクトル抽出装置及びこれを用いた情報処理装置

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JPH09185713A
JPH09185713A JP76096A JP76096A JPH09185713A JP H09185713 A JPH09185713 A JP H09185713A JP 76096 A JP76096 A JP 76096A JP 76096 A JP76096 A JP 76096A JP H09185713 A JPH09185713 A JP H09185713A
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Takeshi Hashimoto
武 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力ベクトル認識や分類に有効な特徴ベクト
ルに高速に変換する特徴ベクトル抽出装置、この特徴ベ
クトル抽出装置を用いて認識や分類を高精度に行う情報
処理装置。 【解決手段】 処理対象となるベクトル情報を系内に入
力するための対象ベクトル入力表示手段1と、この入力
された処理対象となるベクトル情報を多重複製するため
の対象ベクトル多重化手段2と、この多重化された処理
対象となるベクトル情報からその多重度分だけ並列的に
複数の特徴量を抽出して新たに特徴ベクトルとして変換
・出力するための特徴ベクトル変換出力手段3とから構
成され、特徴ベクトル変換出力手段3内に多重度分の複
数の空間周波数フィルター37を含み、処理対象のベク
トルの複数の空間周波数構造を抽出するようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力ベクトルの認
識や分類に有効な特徴ベクトルに変換するための特徴ベ
クトル抽出装置、及び、この特徴ベクトル抽出装置を用
いて認識や分類を行う情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、画像や信号等の各種情報の認識や
分類をする場合、これらをベクトル量とみなし、比較基
準となる他のベクトルとの類似度を計算することにより
認識や分類を行う。その類似度計算の手段としては、従
来からマッチドフィルターと相関器の組み合わせや、ジ
ョイントトランスフォーム相関器、あるいは、ニューラ
ルネットワーク等が用いられてきた。
【0003】しかし、これらの方法で直接複雑な特徴を
持つ画像や信号を処理すると、認識や分類にあまり寄与
しない情報まで同時に処理しなければならず、これらが
誤差要因となっていた。また、さらに、多少の変形等に
対しても鋭敏に反応し、誤差を生じる場合が多かった。
【0004】そこで、これらを解決するために、画像や
信号等の各種情報を直接処理するのではなく、前処理で
認識や分類に寄与の大きな特徴を抽出し、この抽出した
特徴を用いて認識する試みが従来から多くなされてい
る。画像の場合を例にとると、これらの特徴としては、
テクスチャー、構造的特徴、色、時間的特徴等が代表的
なものとしてあげられる。テクスチャーに関しては、濃
度ヒストグラム、同時生起行列、差分統計量等の計算に
より、また、エッジや線、輪郭等の構造的特徴に関して
は、ラプラシアンフィルターのコンボルーションやハフ
変換等により、さらに、色に関しては、RGB空間やH
SV空間、あるいは、スペクトルへの変換等により、時
間的特徴に関しては、オプティカルフローの計算やウェ
ーブレットへの変換により、それぞれ特徴量が求められ
ている。
【0005】しかし、これらの前処理による特徴量への
変換は、特に2次元の画像が対象ベクトルとなっている
場合は、膨大な時間がかかり、通常のコンピュータによ
るシリアルな計算では実用的でなく、光学的な方法や並
列コンピュータ等の並列的に処理できる方法がとられて
いる。この中、光学的な方法としては、従来から、レン
ズを用いた空間周波数フィルタリングが、2次元画像の
エッジの検出や特定の周波数成分の抽出を高速に行うも
のとしてよく用いられている。また、さらに、この方法
を発展させ、系をコンパクトかつ安価に構成するものと
して、特公平3−66645号に示されている方法があ
る。この方法を図17を用いて簡単に説明する。図17
(a)は1個のレンズに関する断面図、同図(b)は全
体の断面図、同図(c)はレンズに対する遮光体の配置
を示す斜視図であり、この方法は、両端面が平面で屈折
率が半径方向に変化する屈折率分布型レンズ102を複
数平行に配列し、各レンズの焦点面上にレンズ光軸を中
心としてレンズ外径より小さい一定の径を有する円形の
遮光体106を設けることにより、入力物体像109か
ら高周波数成分のみを抽出し、透明体の傷や異物の検査
に使用しようと言うものである。この方法によれば、大
面積の画像でも大口径の(高価な)レンズを使うことな
く個々の小径な(安価な)レンズで並列的にフィルタリ
ングを行える。また、使用している屈折率分布型レンズ
は両端面が平面であり、この面に直接フィルターである
遮光体を設ければ、アライメント等も楽でかつコンパク
トに系を構成できると言うものである。
【0006】しかし、更に精度を向上させるためには、
これらの特徴量を一種類だけでなく複数用いて(つま
り、一定のフィルターではなく、複数のフィルターを使
って)、認識や分類を行うことが必要である。この方法
の例としては、「微小レンズアレイによる視覚認識シス
テム」,亀丸俊一,映像情報(I),65頁〜70頁
(1993年1月号の提案がある。この方法は、図18
に構成を示すような装置を用い、対象となる物体の部分
的な構造的特徴を複数のマッチドフィルターと相関器を
並べた多重相関器により抽出し、この結果を用いてニュ
ーラルネットワークで認識しようと言うものである。よ
り具体的には、前処理で入力像(文字K)を左右2つの
部分要素に分割した上で、参照物体の数(縦3×横2の
計6個)だけそれぞれ複製したプレート201を作製す
る(詳しい記述はないが、この部分は実際には人的手段
でプレート上に作製されていると思われる。)。次に、
主処理では、作製したプレート201上の複製された入
力像の分割パターンが、予め作製してある参照物体20
2から作った縦3×横2のマッチドフィルターアレイ2
03をこの分割数(2個)だけフーリエ変換面に並べ、
2組の合計12個(3×2×2個)のマイクロレンズか
らなるマイクロレンズアレイ204、205により並列
にフーリエ変換と逆フーリエ変換を行う多重相関系に入
力する。これにより、この複製された入力像の分割パタ
ーンと参照物体の相関信号が出力面206に並列的に出
力される。最後に、後処理では、この並列的に得られた
12個の相関信号をCCDカメラ207によりコンピュ
ータ208内に取り込み、2値化し、ニューラルネット
ワークとして用意されているバックプロパゲーションの
入力層に入力し、認識を行うと言うものである。この方
法により、D、K、O、Xの4文字と1個の空白につい
て認識が行えたと報告している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来例にあげた特公平
3−66645号の方法は、先にも述べたように、系が
コンパクトで安価に構成できるメリットはあるものの、
取り出せる特徴量は1種類であり、特定の目的には十分
であっても、一般的な画像の認識や分類を精度良く行う
には不十分である。
【0008】一方、亀丸による方法は、複数の特徴量を
同時・並列的に取り出し、これらをニューラルネットワ
ークに入れて認識しようと言うものであるから、高速か
つ精度の良い認識がある程度可能となっている。しか
し、特徴抽出部で実際の文字の部分要素のマッチドフィ
ルターアレイを用いて多重相関を取っているため、従来
例で述べたマッチドフィルターが持つ多少の変形等に対
しても鋭敏に反応し誤差を生じる欠点は残されている。
また、例にあげられた比較的構造の単純な5文字程度の
認識ならよいが、認識する対象を増やしたり、複雑な特
徴を持つ画像を処理しようとすれば、それだけ部分要素
への分割数と参照ベクトルの数を増やさなければなら
ず、マッチドフィルターアレイの数が(部分要素への分
割数)×(参照物体の数)となり飛躍的に増大すること
を考えれば、あまり実用的とは言えない。
【0009】本発明は上記のような従来技術の状況に鑑
みてなされたものであり、その目的は、入力ベクトルの
認識や分類に有効な特徴ベクトルに高速に変換する特徴
ベクトル抽出装置を提供し、さらに、この特徴ベクトル
抽出装置を用いて認識や分類を高精度に行う情報処理装
置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴ベクトル抽出装置は、少なくとも、処理対象と
なるベクトル情報を系内に入力するための対象ベクトル
入力表示手段と、この入力された処理対象となるベクト
ル情報を多重複製するための対象ベクトル多重化手段
と、この多重化された処理対象となるベクトル情報から
その多重度分だけ並列的に複数の特徴量を抽出して新た
に特徴ベクトルとして変換・出力するための特徴ベクト
ル変換出力手段とから構成されたことを特徴とするもの
である。
【0011】このような構成により、複数の特徴量を同
時並列に抽出し、特徴ベクトルとして高速に出力するこ
とができる。
【0012】この場合、特徴ベクトル変換出力手段内に
多重度分の複数の空間周波数フィルターを含み、処理対
象のベクトル情報の複数の空間周波数構造を抽出するよ
うにすることが望ましく、特徴量を抽出するためのその
空間周波数フィルターとして、ガボール(Gabor)
フィルター、方向性のあるバンドパス空間周波数フィル
ター、ウエーブレット(Wavelet)フィルター等
を用いて、方向性のある空間周波数構造を抽出するよう
することにより、複雑な空間構造を持つ一般的な画像で
あっても、部分要素に分割しなくとも単純かつ最小限の
フィルターで認識・分類等の後段の処理に有効な対象ベ
クトル情報の特徴を高速かつ良好に抽出することができ
る。
【0013】また、特徴ベクトル変換出力手段内に多重
度分の複数の色フィルターを含み、処理対象のベクトル
情報の色空間での特徴を抽出するようにすることもで
き、その場合、複雑な色分布を持つ画像であっても、単
純かつ最小限のフィルターで認識・分類等の後段の処理
に有効な対象ベクトル情報の特徴を高速かつ良好に抽出
することができる。
【0014】また、特徴ベクトル変換出力手段内に多重
度分の複数のモーメント検出フィルターを含み、処理対
象のベクトル情報の複数のモーメントの特徴を抽出する
ようにすることもでき、その場合、姿勢変化のある物体
の含まれる画像に対しても、単純かつ最小限フィルター
で認識・分類等の後段の処理に有効な対象ベクトル情報
の特徴を高速かつ良好に抽出することができる。
【0015】なお、これらの各フィルターを組み合わせ
て用いることにより、より複雑に特徴が組み合わさった
画像であっても、単純かつ最小限のフィルターで認識・
分類等の後段の処理に有効な対象ベクトル情報の特徴を
高速かつ良好に抽出することができる。
【0016】また、本発明の情報処理装置は、少なくと
も、比較対象となるベクトル情報を入力し特徴ベクトル
に変換出力するための特徴ベクトル抽出装置と、この特
徴ベクトル抽出装置から出力される特徴ベクトルを系内
に表示するための特徴ベクトル入力手段と、比較の基準
となるベクトルを入力するための参照ベクトル入力手段
と、入力された特徴ベクトルと比較の基準となるベクト
ルの類似性を計算するための類似性マッチング手段と、
類似性の高さを判断するための類似度判定手段とにより
構成される情報処理装置において、前記特徴ベクトル抽
出装置として以上の何れかの特徴ベクトル抽出装置によ
り構成したことを特徴とするものである。
【0017】この場合、上記のような特徴ベクトル抽出
装置により抽出・変換した特徴ベクトルあるいは参照ベ
クトルを用いて類似度を計算するようにしたので、従
来、同様な処理を行うときに用いられているマッチドフ
ィルターと相関器の組み合わせや、ジョイントトランス
フォーム相関器等のように、変形やノイズに対して鋭敏
に反応して誤差が生じる問題や、フーリエ変換面でのダ
イナミックレンジ不足の問題等が解決され、高速かつ精
度良く認識や分類を行う情報処理装置を提供することが
できるようになった。
【0018】本発明のもう1つの情報処理装置は、対象
となるベクトル情報を入力し特徴ベクトルに変換出力す
るめための特徴ベクトル抽出装置と、この特徴ベクトル
抽出装置から出力される特徴ベクトルを系内に表示する
ための特徴ベクトル表示手段と、認識・分類のための競
合学習手段とを有する情報処理装置において、前記競合
学習手段が、類似性マッチング手段と、重みベクトル更
新表示手段と、勝利ベクトル決定手段とを有し、さら
に、前記特徴ベクトル抽出装置として以上の何れかの特
徴ベクトル抽出装置により構成したことを特徴とするも
のである。
【0019】この場合、上記のような特徴ベクトル抽出
装置により抽出・変換した特徴ベクトルにより類似度を
計算し、勝利素子を決定できるようになったので、高速
かつ非常に精度良く認識や分類を行う競合学習型の情報
処理装置を提供することができるようになった。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の特徴ベクトル抽出
装置及びこれを用いた情報処理装置の好適な第1実施例
〜第9実施例について図面を参照にして説明する。 〔第1実施例〕本実施例の特徴ベクトル抽出装置は、図
1の断面図に示すように、少なくとも処理対象となるベ
クトル情報を系内に入力するための対象ベクトル入力表
示手段1と、この入力された処理対象となるベクトル情
報を多重複製するための対象ベクトル多重化手段2と、
この多重化された処理対象となるベクトル情報から多重
度分だけ並列的に複数の特徴量を抽出して新たに特徴ベ
クトルとして変換・出力するための特徴ベクトル変換出
力手段3とから構成するものである。なお、本実施例
は、特に、特徴量として空間周波数構造を抽出するフィ
ルターを用いるものである。
【0021】より具体的には、対象ベクトル入力表示手
段1は、インコヒーレント光源11としてのXe−Hg
ランプと、このランプ11の光を効率良く平行光束化す
るために共焦点配置に配置されさらにその焦点位置にラ
ンプ11を配する同一焦点距離のレンズ12a及びミラ
ー12bと、さらに、この光束の単色性を増すための波
長フィルター13と、ミラー14とにより略平行なイン
コヒーレント光束15を発生させ、さらに、CCDカメ
ラ等の撮像素子16と、この撮像素子16からの信号を
入力し空間光変調器17に表示するための信号を発生す
るためのコントローラー18及びドライバー19とによ
り空間光変調器17に対象ベクトルである本実施例の場
合は画像を表示し、この情報を光束15を空間光変調器
17に入射させることにより系内に入力するものであ
る。本実施例の場合、空間光変調器17としては、印加
される電圧に応じて透過率の変化する電気アドレス型で
透過読み出しタイプの液晶空間光変調器を用いている。
また、ミラー14により系を折り曲げているが、これら
は本質的なものではなく、スペースに余裕があれば、ミ
ラー14を省略して系を真っ直ぐにしてもよい。
【0022】対象ベクトル多重化手段2は、対象ベクト
ル入力表示手段1により入力された画像を、結像レンズ
21とレンズアレイ22によって抽出するフィルターの
数と同一に設定されたレンズアレイ22の多重度分だけ
複製し、空間光変調器23に書き込むものである。この
際、結像レンズ21はその前側焦点位置に空間光変調器
17の読み出し面が一致するように、レンズアレイ22
はその後側焦点位置に空間光変調器23の書き込み面が
一致するように、さらに、結像レンズ21の光軸とレン
ズアレイ22の各レンズの光軸が平行になるように配置
する。また、空間光変調器23としては、入射する光量
に応じて反射率が変化する光アドレス型で反射読み出し
タイプの液晶空間光変調器を用いる。
【0023】特徴ベクトル変換出力手段3は、コヒーレ
ント光源31としてのレーザと、このレーザ31の光線
を系の方向に曲げるためのミラー32と、レーザ31の
光線のノイズを除去した上で略平行なコヒーレント光束
に変換するための絞り込みレンズ33a、スペイシャル
フィルター33b、コリメータレンズ33cからなビー
ムエクスパンダ33により発生させた略平行なコヒーレ
ント光束34と、この光束34を空間光変調器23の読
み出し面に略垂直に入射させ、対象ベクトル多重化手段
2で多重複製され空間光変調器23に書き込まれている
対象ベクトルの多重像を反射光として読み出すためのビ
ームスプリッタ35と、空間光変調器23の読み出し面
に前側焦点位置を一致させ各光軸が系の光軸と平行にな
るように配置され、レンズアレイ22と同一個数のレン
ズで構成されているフーリエ変換レンズアレイ36と、
このフーリエ変換レンズアレイ36の後側焦点位置にこ
のフーリエ変換レンズアレイ36と同一個数で一対一に
対応するよう配置され、多重複製された対象ベクトルで
ある画像の複数の異なったフィルタリングを施すための
フィルターアレイ37と、このフィルターアレイ37と
同一個数で一対一に対応するようその後側に密着もしく
は近傍配置されるディテクターアレイ38とで構成す
る。なお、ディテクターアレイ38として、本実施例で
は、シリコン製のフォトディテクターをアレイ状に並べ
たものを用いたので、抽出された特徴量は各ディテクタ
ーで光電変換され強度に比例した電流値となるが、さら
に、この各ディテクターにオペアンプ等を用いた電流電
圧変換増幅回路を繋げ、最終的には特徴量に比例した電
圧が得られるようになっている。
【0024】以上の構成により、略平行なコヒーレント
光束34で読み出された対象ベクトルの多重化像は、フ
ーリエ変換レンズアレイ36の個々のレンズでフーリエ
変換された後、フィルターアレイ37の個々のフィルタ
ーで異なったフィルタリング(特徴抽出)が行われ、対
応するディテクターアレイ38で特徴量として検出さ
れ、最終的に電圧値として得られる。
【0025】このフィルターアレイ37を構成する各フ
ィルターとして、本実施例では、Gaborフィルター
Gを用いた。Gaborフィルターとは、画像中から方
向性のある空間周波数構造を抽出するものであり、広義
には、方向性の規定されたバンドパス空間周波数フィル
ターと同一のものである。その実空間での記述式は、例
えば、 G(x,y)=exp[−2π(x2 +y2 )(u0 2+v0 2)/σ2 ] ×exp[j2π(u0 x+v0 y)] ・・・(1) であり、周波数空間での記述式は、 G(u,v)={σ2 /(2u0 0 )}exp[−πσ2 /2 ×{(u−u0 2 /u0 2 +(v−v0 2 /v0 2 }] ・・・(2) である。(1)式及び(2)式で、x,yは実空間での
座標系、u,vはフーリエ変換面(周波数面)での座標
系、u0 ,v0 は振動成分の周波数、σはガウシアン
(Gaussian)型の包絡線をそれぞれ規定する変
数もしくは定数である。図2(a)及び(b)に(1)
式及び(2)式で表されるGaborフィルターの概形
を示した、図の(a)は(1)式に基づく実空間でのG
aborフィルター、図の(b)は(2)式に基づく周
波数空間でのGaborフィルターである。このフィル
ターは実空間では負の値を含み、周波数空間では正の値
のみなので、直接的には正の値しか扱えない光の強度で
処理するためには、周波数空間で取り扱うのがよいこと
が分かる。また、実験により、数本/mmから100本
/mm程度までの範囲の空間周波数の特徴を抽出するこ
とが適当と分かったので、この実施例では、図3(a)
に示すような、u=0方向()、v=0方向()、
u=v方向()、u=−v方向()の4方向につい
て、u0 の空間周波数がそれぞれ4√2(=5.7)本
/mm、8√2(=11.3)本/mm、16√2(=
22.6)本/mm、32√2(=45.3)本/m
m、64√2(=90.5)本/mmの20通りのフィ
ルターを使用した。したがて、レンズアレイ等の配列
は、図1の断面方向が4で、これに垂直な方向が5の2
0多重とした。実際のフィルターは、コンピュータによ
って(2)式より計算した結果を濃淡値でプリンターに
出力し、これを写真縮小して作製した。計算の際、σ=
2とした。フーリエ変換レンズアレイ36の各レンズの
焦点距離を50mm、入力される多重化された画像の一
辺が4mm、光束の中心波長を633nmとすると、こ
れらのGaborフィルターの中心は、光軸からそれぞ
れ90μm,0.179mm,0.357mm,0.7
16mm,1.430mmにあればよいから、これを考
慮して縮小倍率を決定した。
【0026】これらの各フィルターは、u0 の空間周波
数が高くなるるつれてその包絡線が大きくなり、含まれ
る周波数範囲が大きくなる。図4にこの実施例で用いた
フィルターアレイ37を模式的に示す。また、図3
(b)に、一例としてu=v方向()でu0 の空間周
波数が32√2(=45.3)本/mmの場合のプリン
ターに出力したGaborフィルターの例を示す。
【0027】以上の説明により、前述の構成をとれば、
方向性の規定されたバンドパス空間周波数フィルターの
一種であるGaborフィルターにより瞬時に対象ベク
トルである画像から複数方向の複数周波数の空間周波数
構造が特徴抽出できることは明らかである。
【0028】本実施例では、略平行なインコヒーレント
光束15を得るのにXe−Hgランプ11を用いたが、
勿論他のどんなインコヒーレント光源も用いることがで
きるし、レーザ等のコヒーレント光源により略平行な光
束を得た上で、拡散板等によりインコヒーレント化した
ものでもよい。その場合、略平行なコヒーレント光束3
4を共通に用いてもよい。略平行なコヒーレント光束3
4は、LD等他のコヒーレント光源を用いて発生させて
も勿論よい。
【0029】また、本実施例では、図1の断面図を見て
も分かるように、レンズアレイ22及びフーリエ変換レ
ンズアレイ36として均質レンズを用いているが、先行
例のように、両端面が平面の屈折率分布型のレンズを用
いてもよいし、回折型レンズアレイを用いてもよい。こ
の場合、アライメントが楽になる利点がある。また、曲
面に非球面を用いたり、屈折率分布型レンズに曲率を付
けてもよい。この場合、収差が補正しやすくなり、情報
の誤差がより小さくなる。
【0030】さらに、フィルターアレイ37とディテク
ターアレイ38は、図5(a)のように離して配置し、
レンズ39で集光させた光束あるいはある程度収束させ
た光束をディテクターアレイ38で検出してもよいし、
図5(b)のように、フィルターアレイ37とディテク
ターアレイ38のピッチが異なる場合は、離して配置し
た上で、レンズ39で倍率を変えて結像させてディテク
ターアレイ38で検出してもよい等、効率的にディテク
ターアレイ38に情報が伝わるなら、どんな方法でもよ
い。
【0031】また、フィルターアレイ37の各フィルタ
ーは、(2)式で表されるフーリエ変換面でのGabo
rフィルターの値の半値幅を目安に2値化し、これより
内側を透明領域、外側を不透明領域としたバンドパス空
間周波数フィルターでもよい。図3(c)に一例とし
て、同図(b)に例示したGaborフィルターを2値
化した場合の例を示す。また、さらに、次式のようなW
aveletフィルターWを用いるようにしてもよい。
【0032】 W(a,b,xn ,yn )=1/(ab)1/2 ×∫∫f(x,y)h* {(x−xn )/a,(y−yn )/b}dxdy ・・・(3) この(3)式中の変数a,b,xn ,yn を適当に変化
させたフィルターh(x,y)によりフィルターアレイ
37を作製すれば同様の効果があり、さらに、時系列信
号等も扱えることは一般的なWaveletフィルター
の性質から明らかである。
【0033】さらに、対象ベクトル入力表示手段1の変
形例として、空間光変調器17に空間光変調器23と同
様な反射読み出しタイプの光アドレス型空間光変調器1
7を用い、物体Oを結像レンズI1 を用いて直接書き込
む場合の例を図6に示す。この例は、略平行なインコヒ
ーレント光束15を上記の実施例と同様に発生させ、ビ
ームスプリッタB1 によりこの光束15を空間光変調器
17の読み出し面に略垂直に入射させ、対象ベクトル入
力表示手段1で書き込まれ空間光変調器17に記録され
ている対象ベクトル情報を反射光として読み出し、後は
上記の実施例と同様に一連の処理をするものである。こ
の場合、電気的アドレスを使わず光で直接書き込む分だ
け高速になる。
【0034】〔第2実施例〕本実施例の特徴ベクトル抽
出装置は、図7(a)の断面図に示すように、少なくと
も処理対象となるベクトル情報を系内に入力するための
対象ベクトル入力表示手段1と、この入力された処理対
象となるベクトル情報を多重複製するための対象ベクト
ル多重化手段2と、この多重化された処理対象となるベ
クトル情報からその多重度分だけ並列的に複数の特徴量
を抽出し新たに特徴ベクトルとして変換・出力するため
の特徴ベクトル変換出力手段3とから構成するものであ
る。なお、本実施例は、特徴量として特に色空間での特
徴量を抽出するフィルターを用いるものである。
【0035】より具体的には、対象ベクトル入力表示手
段1は、インコヒーレント光束を発生させるためのイン
コヒーレント光源11として、液晶パネルディスプレイ
によく使用されるコールドランプと単色性を増すための
色フィルターとを組み合わせたもの、空間光変調器17
として第1実施例と同様の電気アドレス型で透過読み出
しタイプの液晶空間光変調器と、この空間光変調器17
に対象ベクトルである画像を表示するための第1実施例
と同様のCCDカメラ等の撮影素子16と、コントロー
ラー18及びドライバー19とにより情報を系内に入力
するものである。
【0036】対象ベクトル多重化手段2は、対象ベクト
ル入力表示手段1によって入力された画像を、第1実施
例と同様、結像レンズ21とレンズアレイ22を配置す
ることにより、抽出するフィルター数と同一に設定され
たレンズアレイ22の多重度分だけ複製するものであ
る。
【0037】特徴ベクトル変換出力手段3は、レンズア
レイ22の各レンズの後側焦点位置付近に(光束が各デ
ィテクターの開口内に入ればよく、前後に多少ずれても
よい。)、このレンズアレイ22と同一個数で一対一に
対応するよう配置されたディテクターアレイ38と、デ
ィテクターアレイ38のレンズアレイ22側に同一個数
で一対一で対応するよう配置され、多重複製される対象
ベクトルである画像に複数の異なったフィルタリングを
施すためのフィルターアレイ37とで構成する。
【0038】本実施例において、フィルターアレイ37
は色フィルターであり、それぞれ異なった波長に透過ピ
ークを持つようガラス基板の表面に多層コーティングが
なされているものである。本実施例の場合、具体的に
は、図7(b)に示すように、多重度を4×4の16多
重とし、500nmから650nmまで10nmおきに
透過の中心ピークを持つフィルターをアレイ状に配置し
て用いた。また、ディテクターアレイ38の各ディテク
ターには、第1実施例と同様、オペアンプ等で構成され
る電流電圧変換増幅回路を付加して、特徴量を電圧値と
して出力するようになっている。
【0039】以上の説明より、上記の構成をとれば、多
重度分の複数の色フィルターにより瞬時に対象ベクトル
である画像から色空間での特徴を抽出できることは明ら
かである。
【0040】〔第3実施例〕本実施例の特徴ベクトル抽
出装置は、図8(a)の断面図に示すように、少なくと
も、処理対象となるベクトル情報を系内に入力するため
の対象ベクトル入力表示手段1と、この入力された処理
対象となるベクトル情報を多重複製するための対象ベク
トル多重化手段2と、この多重化された処理対象となる
ベクトル情報からその多重度分だけ並列的に複数の特徴
量を抽出し新たに特徴ベクトルとして変換・出力するた
めの特徴ベクトル変換出力手段3とから構成するもので
ある。なお、本実施例は、特に、特徴量としてモーメン
トの特徴を抽出するフィルターを用いるものである。
【0041】より具体的には、対象ベクトル入力表示手
段1及び対象ベクトル多重化手段2は第2実施例と同一
に構成する。特徴ベクトル変換出力手段3は、レンズア
レイ22の各レンズの後側焦点位置近傍に、レンズアレ
イ22と同一個数で一対一に対応するように配置され、
多重複製された対象ベクトルである画像に複数の異なっ
たフィルタリングを施すためのフィルターアレイ37
と、このフィルターアレイ37と同一個数で一対一に対
応するようその後側に密着もしくは近傍に配置されるデ
ィテクターアレイ38とで構成する。本実施例におい
て、フィルターアレイ37はモーメント検出フィルター
であり、次式で表されるモーメントMの特徴を、xp
q に比例した透過率の分布を付けたフィルターにより抽
出するものである。
【0042】 Mpq=∫∫f(x,y)xp q dxdy ・・・(4) なお、本実施例では、多重度を4×3の12とし、フィ
ルターアレイ37は、図8(b)に示すように、(p,
q)が(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,
1)、(0,2)、(2,0)、(1,2)、(2,
1)、(0,3)、(3,0)の10種類のモーメント
検出フィルターを、第1実施例と同様に、プリンター出
力を写真縮小する方法で作製して使用している(残りの
2個は使用しなかった。)。また、ディテクターアレイ
38の各ディテクターには、第1実施例と同様、オペア
ンプ等で構成される電流電圧変換増幅回路を付加して、
特徴量を電圧値として出力するようになっている。
【0043】以上の説明により、上記の構成をとれば、
多重度分の複数のモーメント検出フィルターにより瞬時
に対象ベクトルである画像から複数のモーメントの特徴
を抽出できること明らかである。
【0044】〔第4実施例〕本実施例の特徴ベクトル抽
出装置は図9(a)の断面図に示すように、少なくと
も、処理対象となるベクトル情報を系内に入力するため
の対象ベクトル入力表示手段1と、この入力された処理
対象となベクトル情報を多重複製するための対象ベクト
ル多重化手段2と、この多重化された処理対象となるベ
クトル情報からその多重度分だけ並列的に複数の特徴量
を抽出し新たに特徴ベクトルとして変換・出力するため
の特徴ベクトル変換出力手段3とから構成するものであ
る。なお、本実施例は、特徴量として第1実施例に示し
た空間周波数構造を抽出するフィルターと、第2実施例
に示した色空間での特徴量を抽出するフィルターとを同
時に用いるものである。
【0045】より具体的には、対象ベクトル入力表示手
段1は第2実施例と同一構成にし、対象ベクトル多重化
手段2と特徴ベクトル変換出力手段3は第1実施例と同
一構成にした上で、空間光変調器23のレンズアレイ2
2側に第2実施例と同様の色検出用のフィルターアレイ
37′を付加したものである。本実施例では、この色検
出用のフィルターアレイ37′を、図9(b)に示すよ
うに、2×2の4種類用意し、この各色の領域に対して
それぞれ第1実施例と同様な4×5の20種類のGab
orフィルター37をかけるようにしてある。したがっ
て、レンズアレイ22、ディテクータアレイ38等の多
重度は8×10の80多重になっている。対象ベクトル
入力表示手段1によって入力された画像は、対象ベクト
ル多重化手段2により多重度分の80だけ複製される
が、これが系内に付加された色検出用のフィルターアレ
イ37′により4×5の20の領域の1つの領域として
各領域毎に異なった色の像に複製され、さらに、特徴ベ
クトル変換出力手段3によってこの各領域から第1実施
例と同様な4×5の20種類のGaborフィルターに
よりそれぞれ複数の方向の複数の空間周波数的な構造が
抽出できるのである。つまり、瞬時に複数の色部分の複
数の方向の複数の空間周波数構造が抽出できるのであ
る。
【0046】なお、本実施例では、第1実施例に示した
空間周波数構造を抽出するフィルターと、第2実施例に
示した色空間での特徴量を抽出するフィルターの組合せ
を示したが、第3実施例に示したモーメント検出フィル
ターとこれらの組み合わせ、あるいは、他の同様なフィ
ルターとの組み合せ等、色々な変形が考えられる。
【0047】〔第5実施例〕本実施例の情報処理装置
は、図10の断面図に示すように、少なくとも、対象ベ
クトル入力表示手段1と対象ベクトル多重化手段2と特
徴ベクトル変換出力手段3とから構成され、比較対象と
なるベクトルを入力し特徴ベクトルを変換出力するため
の上記第1実施例から第4実施例の何れかの特徴ベクト
ル抽出装置と、この特徴ベクトル抽出装置から出力され
る特徴ベクトルを系内に入力するための特徴ベクトル入
力手段4と、比較の基準となるベクトルを入力するため
の参照ベクトル入力手段5と、入力された特徴ベクトル
と比較の基準となるベクトルの類似性を計算するための
類似性マッチング手段6と、類似性の高さを判断するた
めの類似度判定手段7とから構成されるものである。
【0048】より具体的には、特徴ベクトル抽出装置は
第1実施例に示すものを用いた。
【0049】また、特徴ベクトル入力手段4は、この特
徴ベクトル抽出装置により得られた4×5の20要素の
空間周波数に関する特徴量ベクトルをディテクターアレ
イ38からの電圧値として転送する転送部41と、これ
を2値化し空間光変調器61に書き込むための閾値回路
40、ドライバー42及びコントローラー43で構成し
ている。
【0050】参照ベクトル入力手段5は、予め比較の基
準となるベクトル(画像)を特徴ベクトル抽出装置に入
力し、これより得られた4×5の20要素の空間周波数
に関する特徴量を特徴ベクトル入力手段4を経由して2
値化して入力するための転送部54と、この情報を参照
ベクトルとして記録しておくメモリー51と、識別時に
このメモリー51から情報を読み出して空間光変調器6
2に書き込むためのドライバー52及びコントローラー
53とで構成した。
【0051】さらに、類似性マッチング手段6は、比較
する特徴量ベクトルと参照ベクトルをそれぞれ2次元的
に表示するための空間光変調器61及び空間光変調器6
2と、この2つの空間光変調器61、62同士を結像関
係にし、対応するベクトルの要素同士を重ねるためにこ
の2つの空間光変調器61、62間に設置された結像レ
ンズ63と、これらの空間光変調器61、62の偏光の
状態を制御し否定排他論理和もしくは排他論理和を計算
するためにこれらの空間光変調器61、62の外側に設
置された一組の偏光子64及び検光子65と、一連の処
理をするための光源光であり、第1実施例等で示した方
法等で発生され偏光子64側から入射するインコヒーレ
ント光束66と、2つのベクトル量の否定排他論理和も
しくは排他論理和の計算結果である2次元の光束を集光
させその類似度を光強度に変換するための集光レンズ6
7と、この光強度に変換された類似度を検出するための
ディテクター68とで構成するものである。
【0052】より具体的には、2つの空間光変調器61
及び62は、何れもTN液晶製の偏光子のないタイプの
透過読み出しタイプで電気アドレス型の空間光変調器を
用いた。TN液晶には、ベクトルの成分の値1に対する
部分には電圧を印加することにより偏光状態を変化させ
ずに光束を透過させ、ベクトルの成分の値0に対応する
部分には電圧を印加しないことにより偏光状態を90°
変化させて光束を透過させる性質がある。
【0053】したがって、さらにこれらの空間光変調器
61、62の外側に偏光子64と検光子65をパラレル
に配置すれば、否定排他論理和が計算される。実際、空
間光変調器61と62に表示される双方のベクトルの成
分の値が1の場合には、両方の空間光変調器61、62
には電圧が印加され偏光方向がそのままの状態で透過さ
れるので、検光子65からは光が出射される。さらに、
一方のベクトルの成分の値が1でもう一方のベクトルの
成分の値が0の場合、一方の空間光変調器では電圧が印
加され偏光方向がそのままで、もう一方の空間光変調器
では電圧が印加されず偏光方向が90°回転されて透過
されるので、トータルでは偏光方向が90°回転され、
検光子65からは光が出射されない。さらに、何れのベ
クトルの成分の値も0の場合、両方の空間光変調器6
1、62には電圧が印加されず、双方の空間光変調器6
1、62で偏光方向が90°ずつ回転されて透過される
ので、トータルでは偏光方向がそのままの状態で透過さ
れ、検光子65から光が出射される。この検光子65か
ら光が出射される場合を1、されない場合を0とする論
理(bright true logic)を用いる
と、下表のようになり、丁度否定排他論理和の計算がな
されたことになる。この否定排他論理和とは、ベクトル
成分の一致している部分だけ出力1が出るのであるか
ら、両者のベクトルの一致度を正確に計算していること
になる。
【0054】
【0055】また、排他論理和は、上記偏光子64と検
光子65をクロスニコルに配置するか、もしくは、逆の
論理(dark true logic)を用いれば実
現できることは言うまでもない。この場合、出力が0の
部分の一致度が高いことになる。以上の構成要素によ
り、否定排他論理和及び排他論理和の計算が可能とな
り、ひいては類似度の計算が正確になされることは明ら
かである。
【0056】本装置では、さらに、上記で用いた2つの
空間光変調器61、62が同一の表示ピッチを持つの
で、これらの間の結像関係を等倍の結像関係にするた
め、この2つの空間光変調器61、62間に結像レンズ
63を設置している。これにより、空間光変調器61、
62に入力し高密度に2次元的に表示させた情報が光の
回折により広がり、対応する要素以外と重なったりして
類似度の計算精度か低下するのを防ぐことができる。ま
た、さらに、否定排他論理和もしくは排他論理和の計算
結果である2次元の光束を集光させその類似度を光強度
に変換するための集光レンズ67と、この光強度に変換
された類似度を検出するためのディテクター68、具体
的には、シリコン製のフォトディテクター及びこのフォ
トディテクターから出力される電流値を電圧値に変換す
るためのオペアンプとにより、2次元状に展開され検光
子15から透過してくる計算結果をスカラー値(電圧
値)に変換して、その一致度を高速かつ簡単に明確に判
断できるようにしている。否定排他論理和の場合には、
電圧値が高い程両者の類似度が高いことになる。一方、
排他論理和にした場合は、逆に電圧値が低い程両者の類
似度が高くなる。
【0057】さらに、類似度判定手段7は、否定排他論
理の場合、ディテクター68からの電圧値が予め設定し
た閾値を越えたときだけ電流を発生する閾値回路71
と、この閾値回路71からの電流によって光るランプ7
2とで構成されている。また、排他論理和の場合は、逆
に電圧値がある一定の閾値以下のときに電流が発生する
ような閾値回路71にすればよい。
【0058】以上の構成により、本実施例の情報処理装
置の認識は以下のようになされる。対象ベクトル入力表
示手段1で入力された対象画像は、特徴ベクトル抽出装
置によって特徴ベクトルに変換され、特徴ベクトル入力
手段4によって類似性マッチング手段6の空間光変調器
61に入力・表示される。この情報は偏光子64で偏光
方向が揃えられた光束66により読み出される。この読
み出され対象ベクトルの情報が乗った光束は、参照ベク
トル入力手段5から送られた参照画像が入力・表示され
たもう一方の空間光変調器62に、結像レンズ63によ
り対応する成分が一致するように重ね合わされる。この
重ね合わさった情報がさらに偏光子64とパラレルに配
置された検光子65を通過することにより、両方の画像
の否定排他論理和が計算される。この結果は、集光レン
ズ67で集光され、フォトディテクター68で光電変換
され、さらに、類似度判定手段7によって、設定された
適当な閾値を越えたときのみ類似物としてランプ72が
点き、判断できるようになっている。さらに、参照ベク
トル入力手段5から順次別の参照画像を入力・表示する
ようにすれば、複数のものとの認識が可能となる。
【0059】本実施例では、上記のような特徴ベクトル
抽出装置により抽出・変換した特徴ベクトルあるいは参
照ベクトルを用いて類似度を計算するようにしたので、
従来、同様な処理を行うときに用いられているマッチド
フィルターと相関器の組み合せや、ジョイントトランス
フォーム相関器等のように、変形やノイズに対して鋭敏
に反応して誤差が生じる問題や、フーリエ変換面でのダ
ンナミックレンジ不足の問題等が解決され、高速かつ精
度良く認識や分類を行う情報処理装置を提供できるよう
になった。
【0060】本実施例の変形として、本実施例の類似度
判定手段6を複数配列し、それぞれ異なった参照ベクト
ルを参照ベクトル入力手段5で入力し、さらに、特徴ベ
クトル入力手段4で特徴ベクトルの情報を多重化して入
力して、並列的に処理を行ってもよい。この場合、記録
してある参照ベクトルを順次切り替えない分だけ認識が
速くなる。例えば、類似度判定手段6において、結像レ
ンズ63として、対象ベクトル多重化手段2と同様な複
数のレンズを2次元状に並べたレンズアレイを含む多重
化光学系を用い、集光レンズ67として同様のレンズア
レイを、さらに、ディテクター68として、同様にフォ
トディテクターとオペアンプで構成されるディテクター
を複数2次元状に並べたディテクターアレイを用いれば
よい。これにより、空間光変調器61に入力・表示され
たベクトルがレンズアレイの多重度だけ多重複製され、
さらに、この多重度の数だけもう一方の空間光変調器6
2に入力・表示される複数の参照画像にその対応する成
分が一致するように重ね合わされる。この重ね合わさっ
た情報がさらにこのレンズアレイの多重度の数のレンズ
アレイで集光され、ディテクターアレイで検出される。
これら一連の処理は同時並列的に行われるから、高速に
1つの入力ベクトルと複数の参照ベクトルの類似度が計
算され、相対的な処理速度が向上する。
【0061】さらに、類度判定手段7は、ディテクター
68からの個々の出力電圧値をAD変換し個々に取り込
むためのインターフェイス付きのコンピュータと、類似
度判定のためのソフトウエアで構成してもよい。上記の
並列化と合わせて用いた場合、類似度判定のためのソフ
トウエアは、並列に求められた電圧値を比較し、最も高
い値を示す参照ベクトルを対象ベクトルとの類似度が高
いものと認識するように作製すればよい。この場合、い
くつかの閾値を設けておき、それに応じて同一物、類似
物、非類似物等と更に細かく分類してもよい。また、も
し入力・表示した複数の参照ベクトル中に類似物がない
場合は、順次別の参照画像を入力・表示するようにして
もよい。
【0062】〔第6実施例〕本実施例の情報処理装置
は、図11に示すように、競合学習手段を用いて競合学
習を行うために、第5実施例の参照ベクトル入力手段5
を重みベクトル更新表示手段5′に、類似度判定手段7
を勝利ベクトル決定手段7′に変更し、位相保存写像や
パターン認識を行うための競合学習型のニューラルネッ
トワークとして機能する情報処理装置である。本実施例
では、さらに、類似性マッチング手段6の処理を内積演
算処理に変更し、特徴ベクトル入力手段4と特徴ベクト
ル抽出装置内の特徴ベクトル変換出力手段3を、出力さ
れた特徴ベクトルを直接光で伝送するように変更してい
る。
【0063】より具体的には、特徴ベクトル抽出装置内
の特徴ベクトル変換出力手段3のディテクターアレイ3
8を省略し、さらに、フーリエ変換レンズアレイ36と
フィルターアレイ37間の行路をミラーM1 により略直
角に折り曲げ、さらに、特徴ベクトル入力手段4である
結像レンズ44とビームスプリッタ45により類似性マ
ッチング手段6の空間光変調器61の書き込み面に、こ
のフィルターアレイ37を通過し特徴ベクトルに変換さ
れた情報を結像・記録させるものである。この際、空間
光変調器61としては、書き込まれる光量によってその
透過率が変化する光アドレス型の透過読み出しタイプの
液晶空間光変調器を用いた。また、この特徴ベクトル
は、ビームスプリッタ45の透過方向で空間光変調器6
1と対応する位置に設定された2次元ディテクター55
で検出され、オペアンプ等により電圧値に変換されて出
力されるようになっており、この情報は重みベクトル更
新表示手段5′に転送部54により送られる。
【0064】この特徴ベクトル入力手段4に書き込まれ
た情報は、次に競合学習手段に送られる。この競合学習
手段として、本実施例では、ニューラルネットワークの
一種である自己組織化特徴マップを用いる場合を例にあ
げたので、まず、この自己組織化特徴マップについて簡
単に以下に説明する。自己組織化特徴マップ(以下、S
OMと表記する。)は、図12に示すように、2次元に
並ぶ素子群の層ML(以下、マップ層MLと表記す
る。)とデータを入力する入力層ILとから構成され
る。このマップ層MLは、図12では2次元に並ぶ素子
を示したが、1次元に並ぶ素子を用いてもよい。入力層
ILは、マップ層MLの全ての素子と結合しており、入
力データをマップ層MLの全ての素子に与えることがで
きる。入力データはスカラーでもベクトルでもかまわな
いが、ここでは、一般的にベクトルX(n次元)とお
く。マップ層MLの素子i(iはマップ上の順番とし、
全素子層をk個とする。)は全て重みベクトルmi (n
次元)を持つことにする。SOMのアルゴリズムは、入
力ベクトルXと各素子の重みベクトルmi との類似性か
ら更新すべき重みベクトルを決定する<類似性マッチン
グ>と、その重みベクトルmi を入力ベクトルXの方に
近付ける<更新>とに分けられる。そして、両者の作用
を繰り返すことにより、入力ベクトルXの分布を反映す
る重みベクトルmi (1≦i≦k)を生成するものであ
る。<類似性マッチング>と<更新>の具体的な表式を
以下に示す。
【0065】<類似性マッチング> <更新> mi (t+1)=mi (t)+α(t){X(t)−mi (t)} i∈Nc i (t+1)=mi (t) その他 ・・・(6) ここで、|X−mi |はXとmi のユークリッド距離、
cはその距離が最も小さかった素子(勝利素子)、Nc
はその勝利素子cのマップ層MLでの近傍、α(t)は
正の定数、tは時刻を示す。更新を繰り返しながら、N
c とα(t)の大きさを徐々に小さくする。また、α
(t)は勝利素子cから離れるに従い小さくなるように
選ぶこともできる。また、類似性マッチングの部分は以
下のように内積を用いてもよい。
【0066】 以上から、本装置では、競合学習過程において、(7)
式に基づく内積の類似性マッチングを行った上で勝利素
子を決定し、さらに、(6)式に基づく重みベクトルの
更新をすればよいことが分かる。より具体的には、ま
ず、類似性マッチング手段6の空間光変調器61に表示
された特徴ベクトルを光束66によって読み出し、さら
に、結像レンズ63a及びレンズアレイ63bからなる
多重結像光学系63によって、ニューラルネットワーク
の素子数と同一の個数用意したレンズアレイ63bの多
重度分だけ空間光変調器62の表示面に複製させる。こ
の際、結像レンズ63aはその前側焦点位置に空間光変
調器61の読み出し面が一致するように、レンズアレイ
63bはその後側焦点位置に空間光変調器62の表示面
が一致するように、さらに、結像レンズ63aの光軸と
レンズアレイ63bの各レンズの光軸が平行になるよう
に配置する。また、空間光変調器62としては、印加さ
れる電圧によってその透過率が変化する電気アドレス型
で透過読み出しタイプの液晶空間光変調器を用いた。
【0067】以上により、ニューラルネットワークの素
子数だけ多重化された特徴ベクトルは、次に、重みベク
トル更新表示手段5′からの信号により空間光変調器6
2に表示される重みベクトルの情報がそれぞれ重畳さ
れ、さらに、レンズアレイ63bと同一個数で同一配列
のレンズアレイ67′で集光され素子毎の内積の演算が
なされる。この結果は、同様にレンズアレイ63bと同
一個数で同一配列のディテクターアレイ68′で検出さ
れ、さらに、オペアンプ等で電圧値に変換されて勝利ベ
クトル決定手段7′に送られる。
【0068】次に、以上の構成により内積演算が計算さ
れる過程を図13を用いて説明する。(7)式の内積演
算部分は、入力ベクトルを要素数N×Nの2次元に展開
し、重みベクトルを要素数N×Nのサブマトリックスを
M×M個(ニューラルネットワークの素子数に対応)並
べたものに展開すれば、各成分毎に次式のように書き直
せる。
【0069】 説明を簡単にするために、N=3、M=2とすると、類
似性マッチング手段6の部分は、図13のように模式的
に書ける。つまり、空間光変調器61に入力された要素
数3×3の特徴ベクトルは、結像レンズ63a及びレン
ズアレイ63bからなる多重結像光学系63によって、
レンズアレイ63bの多重度分の2×2だけ空間光変調
器62の表示面に複製され(同図(A))、さらに、空
間光変調器62に表示される重みベクトルの情報(同図
(B))がそれぞれ重畳され、さらに、レンズアレイ6
7′で個々に集光され素子毎の内積の演算がなされるの
である。具体的に、y21の成分について、各要素の処理
結果を示すと、重畳する部分は掛算、集光する部分は足
算となるから、 となり、(2,1)成分に対応する素子の内積が計算さ
れていることになる。他の成分についても同様に計算で
きるので、トータルでは、 となり、(8)式の内積のN=3,M=2の場合が確か
に計算されていることが分かる。上記光学系では簡単の
ため、N=3,M=2の場合について説明したが、上記
光学系ではレンズアレイ、入力ベクトルの配列、重みベ
クトルの配列等は任意に選定でき、この場合、(8)式
を満足することは明らかである。
【0070】次に、勝利ベクトル決定手段7′では、類
似性マッチング手段6のディテクターアレイ68′から
出力される個々の素子毎の内積の演算から、その最も出
力の大きな素子を勝利素子として決定し、この情報を重
みベクトル更新表示手段5′に送る。重みベクトル更新
表示手段5′では、上記(6)式の更新則に則って重み
ベクトルの更新が行われる。本装置において、競合学習
を行う重みベクトル更新表示手段5′と勝利ベクトル手
決定手段7′は同一のコンピュータ上に実現している。
その中、勝利ベクトル決定手段7′は、類似性マッチン
グ手段6のディテクターアレイ68′からの個々の出力
電圧をAD変換し個々に取り込むための転送部と、この
結果を比較し最も高い電圧を示したものを勝利素子とし
て選択するソフトウエアとからなっている。重みベクト
ル更新表示手段5′は、新たに付加された2次元ディテ
クター55から特徴ベクトルの情報をAD変換して取り
込むための転送部54と、勝利ベクトル決定手段7′で
決定された勝利素子の情報と2次元ディテクター55か
らの特徴ベクトルの情報を用いて(6)式の更新則に則
って重みベクトルを更新するソフトウエアと、この更新
された重みベクトルの情報を空間光変調器62に入力・
表示するためのメモリー51、コントローラー52及び
バライバー53(図10)とから構成してある。この場
合、特徴ベクトルは正規化をしてから(6)式を用いる
と更によい。また、この競合学習過程においては、繰り
返し対象ベクトルを入力し、順次、上記の重みベクトル
の更新を行っていけば、適当な所で重みベクトルは安定
するので、そこで学習を止めればよい。
【0071】学習後の認識・分類過程においては、重み
ベクトルを固定したまま識別対象のベクトルを入力し、
ディテクターアレイ68′の中どれが勝利素子となるか
によって入力ベクトルを分類すればよい。例えば図11
のように多重度が6×6で素子数が36だとすれば、個
々の素子毎に36種類に分類してもよいし、30個と6
個の2つの領域に分けて2種類に分類してもよい。対象
に合わせて自由にソフトウエアで設定すればよい。な
お、重みベクトルの初期設定はランダムなデータ列を発
生させたものを表示するようにしてある。
【0072】本実施例では、今まで説明してきたよう
に、上記のような特徴ベクトル抽出装置により抽出・変
換した特徴ベクトルを用いて類似度を計算し勝利素子を
決定できるようになったので、高速かつ非常に精度良く
認識や分類を行う競合学習型の情報処理装置を提供する
ことができるようになった。
【0073】〔第7実施例〕本実施例の情報処理装置も
前実施例と同様、位相保存写像やパターン認識を行うた
めの競合学習型のニューラルネットワークとして機能す
る情報処理装置である。前実施例との違いは、図14に
示すように、特徴ベクトル入力手段4を光学系でなく電
気系にし、さらに、類似性マッチング手段6の空間光変
調器61をLEDアレイにした点であり、他は全て同一
に構成し、同様に作用する。なお、特徴ベクトル入力手
段4の変更に伴って、重みベクトル更新表示手段5′へ
の特徴ベクトル情報転送は、直接ディテクターアレイ3
8から送るような転送部54に変更してある。
【0074】具体的には、特徴ベクトル入力手段4はデ
ィテクターアレイ38からの各出力をパラレルに入力
し、このディテクターアレイ38と同数のLEDアレイ
61をこの出力に比例した輝度に発光させるためのイン
ターフェイス41とドライバ−46とで構成している。
【0075】本実施例では、現状技術である程度速度の
限定されている液晶空間光変調器の代わりにLEDを用
い、しかも、パラレルに情報伝送を行っているので、第
6実施例と比較してその処理速度は更に向上している。
また、本装置では、競合学習時に、学習に用いる対象ベ
クトルを更新の度に繰り返して特徴ベクトル抽出装置内
に入力しなくとも、特徴ベクトル入力手段4内に予め抽
出・変換された特徴ベクトルを記録しておくメモリー部
を設け、ここから読み出すようにしておいてもよい。ま
た、ディテクターアレイ38からの特徴ベクトルの情報
を正規化してか重みベクトル更新表示手段5′や類似性
マッチング手段6で使用するようにすると、照合精度が
さらに向上する。
【0076】〔第8実施例〕本実施例の情報処理装置も
前実施例と同様、位相保存写像やパターン認識を行うた
めの競合学習型のニューラルネットワークとして機能す
る情報処理装置である。前実施例との違いは、図15に
示すように、特徴ベクトル抽出装置に第4実施例の装置
を用い、類似性マッチング手段6の内積処理を第5実施
例と同様の否定排他論理和もしくは排他論理和に代えて
類似度の計算を行う点である。これに伴って、類似性マ
ッチング手段6の空間光変調器61及び62は何れも第
5実施例と同様、TN液晶製の偏光子のない透過読み出
しタイプで電気アドレス型の空間光変調器を用い、さら
に、これらの空間光変調器の外側に設置された一組の偏
光子64及び検光子65を配した。これらの構成によ
り、類似性マッチング手段6では、各素子毎に否定排他
論理和もしくは排他論理和が計算され、より正確な類似
度が計算されることになる。また、特徴ベクトル入力手
段4は、この特徴ベクトル抽出装置により得られた各色
空間での空間周波数に関する特徴ベクトルを、ディテク
ターアレイ38からの電圧値として転送する転送部41
と、この情報を2値化した上でこれを空間光変調器61
に書き込むための閾値回路40、ドライバー42、コン
トローラー43、及び、さらにこの特徴量ベクトルの情
報を重みベクトル更新手段5′に転送する転送部54と
で構成した。
【0077】以上の構成により、本実施例では、上記の
ような特徴ベクトル抽出装置により色と空間周波数と言
う異なった範疇の特徴ベクトルを同時に抽出・変換して
得た特徴ベクトルを用い、さらに、否定排他論理和もし
くは排他論理和を用いて類似度を計算して勝利素子を決
定できるようになったので、高速により精度良く認識や
分類を行う競合学習型の情報処理装置を提供することが
できるようになった。また、本装置では、競合学習にお
いては、学習に用いる対象ベクトルを更新の度に繰り返
し特徴ベクトル抽出装置内に入力しなくとも、特徴ベク
トル入力手段4内に予め抽出・変換された特徴ベクトル
を記録しておくメモリー部を設け、ここから読み出すよ
うにしておいてもよい。
【0078】〔第9実施例〕本実施例の情報処理装置も
前実施例と同様、位相保存写像やパターン認識を行うた
めの競合学習型のニューラルネットワークとして機能す
る情報処理装置である。前実施例との違いは、図16に
示すように、特徴ベクトル抽出装置に第2実施例の装置
を用いて色空間での特徴抽出を行い、さらに、類似性マ
ッチング手段6の類似度の計算を干渉作用に基づいて行
うようにした点である。
【0079】この類似性マッチング手段6は前半部で
は、前実施例同様、まず、空間光変調器61に入力され
た特徴ベクトルを素子数分だけの多重度で複製する。こ
れは、空間光変調器61に入力された特徴ベクトルを光
束66によって読み出し、さらに、結像レンズ63a及
びレンズアレイ63bからなる多重結像光学系63によ
って空間光変調器61′の書き込み面に複製させるもの
である。この際、結像レンズ63aはその前側焦点位置
に空間光変調器61の読み出し面が一致するように、レ
ンズアレイ63bはその後側焦点位置に空間光変調器6
1′の書き込み面が一致するように、さらに、結像レン
ズ63aの光軸とレンズアレイ63bの各レンズの光軸
が平行になるように配置する。また、空間光変調器6
1′としては、書き込まれた光量によって読み出し光の
位相を変調させる光アドレス型で反射読み出しタイプの
液晶空間光変調器を用いた。一方、中間部では、空間光
変調器61′と、重みベクトルを表示する空間光変調器
62(本実施例の場合は、印加された電圧量によって読
み出し光の位相を変調させる電気アドレス型で反射読み
出しタイプの液晶空間光変調器を用いた。)と、ビーム
スプリッタ69と、ディフューザ60が図のように配置
され、干渉計を形成している。この中間部においては、
読み出しのためのコヒーレント光束66′はビームスプ
リッタ69に入射し、2つの光束に分岐される。その
中、一方の光束が空間光変調器61′に入射し、そこか
ら素子数分だけの多重度で複製された特徴ベクトルの情
報が位相に変換された情報を読み出して反射され、ビー
ムスプリッタ69に戻り、もう一方の光束は空間光変調
器62に入射し、重みベクトル情報が位相情報に変換さ
れた情報を読み出して反射され、ビームスプリッタ69
に戻る。これら2つの光束がさらにビームスプリッタ6
9で合波されてディフューザ60で干渉作用を起こす。
この際、空間光変調器61′からディフューザ60まで
の距離と空間光変調器62からディフューザ60までの
距離の差を波長の整数倍になるように調節すれば、干渉
作用により特徴ベクトルと重みベクトルの一致度に応じ
た明暗がディフューザ60上に形成される。つまり、両
者の一致度が高い部分程明るくなる。この情報をレンズ
アレイ63bと同一配列のレンズアレイ67′で集光す
れば、ニューラルネットワークの各素子毎に一致度を計
算したこととなる。この情報は前実施例同様、後段の勝
利ベクトル決定手段7′、重みベクトル更新表示手段
5′に送られ、同様の処理がなされる。
【0080】以上の構成により、本実施例でも、上記の
ような特徴ベクトル抽出装置により抽出・変換した色空
間での特徴ベクトルを用い、さらに、干渉作用を利用し
て類似度を計算し勝利素子を決定できるようになったの
で、高速にかつ精度良く認識や分類を行う競合学習型の
情報処理装置を提供することができるようになった。
【0081】以上の実施例では、空間光変調器として入
手の容易な液晶製のものを用いたが、電気光学効果や磁
気光学効果を利用するもの、有機化合物製のもの等、他
のものでも勿論よい。レンズアレイ等は、均質レンズを
一体成形したものや回折光学レンズアレイ、屈折率分布
型レンズアレイ等を用いると、アライメントが楽にな
り、照合・認識精度が向上することは前述の通りであ
る。
【0082】また、以上の実施例における類似度計算装
置や情報処理装置には、入力ベクトルを画像としたが、
これに限定される訳でもなく、マイクロフォンや濃度セ
ンサー、流量センサー等、他のセンサー等で得られた信
号、データ、あるいは、コンピュータ内で計算されたデ
ータ等でも何でもよい。
【0083】また、上記実施例中、否定排他論理和もし
くは排他論理和を類似度計算に用いたものは、基本的に
は情報を2値化して演算しているが、多値のまま扱いた
い場合には、空間コーディング等の方法でコーディング
して同様に演算すればよい。また、第5〜第9実施例に
用いた特徴ベクトル抽出装置は、特にこれらの実施例に
固有のものではなく、何れであっても、また、それらを
組み合せて用いても、さらには、他の特徴量を用いて
も、同様な効果があることは明らかである。
【0084】以上の本発明の特徴ベクトル抽出装置及び
これを用いた情報処理装置は、例えば次のように構成す
ることができる。 〔1〕 少なくとも、処理対象となるベクトル情報を系
内に入力するための対象ベクトル入力表示手段と、この
入力された処理対象となるベクトル情報を多重複製する
ための対象ベクトル多重化手段と、この多重化された処
理対象となるベクトル情報からその多重度分だけ並列的
に複数の特徴量を抽出して新たに特徴ベクトルとして変
換・出力するための特徴ベクトル変換出力手段とから構
成されたことを特徴とする特徴ベクトル抽出装置。
【0085】〔2〕 前記特徴ベクトル変換出力手段内
に多重度分の複数の空間周波数フィルターを含み、処理
対象のベクトル情報の複数の空間周波数構造を抽出する
ことを特徴とする上記〔1〕記載の特徴ベクトル抽出装
置。
【0086】〔3〕 前記空間周波数フィルターがガボ
ール(Gabor)フィルターであることを特徴とする
上記〔2〕記載の特徴ベクトル抽出装置。
【0087】〔4〕 前記空間周波数フィルターが方向
性のあるバンドパス空間周波数フィルターであることを
特徴とする上記〔2〕記載の特徴ベクトル抽出装置。
【0088】〔5〕 前記空間周波数フィルターがウエ
ーブレット(Wavelet)フィルターであることを
特徴とする上記〔2〕記載の特徴ベクトル抽出装置。
【0089】〔6〕 前記特徴ベクトル変換出力手段内
に多重度分の複数の色フィルターを含み、処理対象のベ
クトル情報の色空間での特徴を抽出することを特徴とす
る上記〔1〕記載の特徴ベクトル抽出装置。
【0090】〔7〕 前記特徴ベクトル変換出力手段内
に多重度分の複数のモーメント検出フィルターを含み、
処理対象のベクトル情報の複数のモーメントの特徴を抽
出することを特徴とする上記〔1〕記載の特徴ベクトル
抽出装置。
【0091】〔8〕 少なくとも、比較対象となるベク
トル情報を入力し特徴ベクトルに変換出力するための特
徴ベクトル抽出装置と、この特徴ベクトル抽出装置から
出力される特徴ベクトルを系内に表示するための特徴ベ
クトル入力手段と、比較の基準となるベクトルを入力す
るための参照ベクトル入力手段と、入力された特徴ベク
トルと比較の基準となるベクトルの類似性を計算するた
めの類似性マッチング手段と、類似性の高さを判断する
ための類似度判定手段とにより構成される情報処理装置
において、前記特徴ベクトル抽出装置として上記〔1〕
から〔7〕の何れかに記載の特徴ベクトル抽出装置によ
り構成したことを特徴とする情報処理装置。
【0092】
〔9〕 対象となるベクトル情報を入力し
特徴ベクトルに変換出力するめための特徴ベクトル抽出
装置と、この特徴ベクトル抽出装置から出力される特徴
ベクトルを系内に表示するための特徴ベクトル表示手段
と、認識・分類のための競合学習手段とを有する情報処
理装置において、前記競合学習手段が、類似性マッチン
グ手段と、重みベクトル更新表示手段と、勝利ベクトル
決定手段とを有し、さらに、前記特徴ベクトル抽出装置
として上記〔1〕から〔7〕の何れかに記載の特徴ベク
トル抽出装置により構成したことを特徴とする情報処理
装置。
【0093】
【発明の効果】以上、本発明の特徴ベクトル抽出装置
は、少なくとも、処理対象となるベクトル情報を系内に
入力するための対象ベクトル入力表示手段と、この入力
された処理対象となるベクトル情報を多重複製するため
の対象ベクトル多重化手段と、この多重化された処理対
象となるベクトル情報からその多重度分だけ並列的に複
数の特徴量を抽出して新たに特徴ベクトルとして変換・
出力するための特徴ベクトル変換出力手段とから構成し
たので、後段の分類や認識の処理に有用な特徴量の抽出
を高速に行うことができるようになった。
【0094】また、本発明の情報処理装置は、このよう
な特徴ベクトル抽出装置により抽出された特徴ベクトル
を用いて類似性の判断をするようにしたので、認識や分
類を高性能に行うことができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の特徴ベクトル抽出装置の
概略の構成を示す断面図である。
【図2】Gaborフィルターの概形を示す図である。
【図3】第1実施例で用いるフィルターの具体例を示す
図である。
【図4】第1実施例で用いるフィルターアレイを模式的
に示す図である。
【図5】第1実施例の変形例の要部の断面図である。
【図6】第1実施例の別の変形例の概略を示す断面図で
ある。
【図7】第2実施例の特徴ベクトル抽出装置の概略の構
成を示す断面図とフィルターアレイを模式的に示す図で
ある。
【図8】第3実施例の特徴ベクトル抽出装置の概略の構
成を示す断面図とフィルターアレイを模式的に示す図で
ある。
【図9】第4実施例の特徴ベクトル抽出装置の概略の構
成を示す断面図とフィルターアレイを模式的に示す図で
ある。
【図10】第5実施例の情報処理装置の概略の構成を示
す断面図である。
【図11】第6実施例の情報処理装置の概略の構成を示
す断面図である。
【図12】自己組織化特徴マップの概略を説明するため
の図である。
【図13】第6実施例で用いた内積演算を説明するため
の図である。
【図14】第7実施例の情報処理装置の概略の構成を示
す断面図である。
【図15】第8実施例の情報処理装置の概略の構成を示
す断面図である。
【図16】第9実施例の情報処理装置の概略の構成を示
す断面図である。
【図17】第1の従来例を説明するための図である。
【図18】第2の従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
O…物体 I1 …結像レンズ B1 …ビームスプリッタ M1 …ミラー ML…マップ層 1L…入力層 1…対象ベクトル入力表示手段 2…対象ベクトル多重化手段 3…特徴ベクトル変換出力手段 4…特徴ベクトル入力手段 5…参照ベクトル入力手段 5′…重みベクトル更新表示手段 6…類似性マッチング手段 7…類似度判定手段 7′…勝利ベクトル決定手段 11…インコヒーレント光源 12a…レンズ 12b…ミラー 13…波長フィルター 14…ミラー 15…インコヒーレント光束 16…撮像素子 17…空間光変調器 18…コントローラー 19…ドライバー 21…結像レンズ 22…レンズアレイ 23…空間光変調器 31…コヒーレント光源 32…ミラー 33…ビームエクスパンダ 33a…絞り込みレンズ 33b…スペイシャルフィルター 33c…コリメータレンズ 34…コヒーレント光束 35…ビームスプリッタ 36…フーリエ変換レンズアレイ 37…フィルターアレイ 37′…フィルターアレイ 38…ディテクターアレイ 40…閾値回路 41…転送部(インターフェイス) 42…ドライバー 43…コントローラー 44…結像レンズ 45…ビームスプリッタ 46…ドライバー 51…メモリー 52…ドライバー 53…コントローラー 54…転送部 55…2次元ディテクター 60…ディフューザ 61…空間光変調器(LEDアレイ) 61′…空間光変調器 62…空間光変調器 63…結像レンズ(多重結像光学系) 63a…結像レンズ 63b…レンズアレイ 64…偏光子 65…検光子 66…インコヒーレント光束 66′…コヒーレント光束 67…集光レンズ 67′…レンズアレイ 68…ディテクター 68′…ディテクターアレイ 69…ビームスプリッタ 71…閾値回路 72…ランプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、処理対象となるベクトル情
    報を系内に入力するための対象ベクトル入力表示手段
    と、この入力された処理対象となるベクトル情報を多重
    複製するための対象ベクトル多重化手段と、この多重化
    された処理対象となるベクトル情報からその多重度分だ
    け並列的に複数の特徴量を抽出して新たに特徴ベクトル
    として変換・出力するための特徴ベクトル変換出力手段
    とから構成されたことを特徴とする特徴ベクトル抽出装
    置。
  2. 【請求項2】 少なくとも、比較対象となるベクトル情
    報を入力し特徴ベクトルに変換出力するための特徴ベク
    トル抽出装置と、この特徴ベクトル抽出装置から出力さ
    れる特徴ベクトルを系内に表示するための特徴ベクトル
    入力手段と、比較の基準となるベクトルを入力するため
    の参照ベクトル入力手段と、入力された特徴ベクトルと
    比較の基準となるベクトルの類似性を計算するための類
    似性マッチング手段と、類似性の高さを判断するための
    類似度判定手段とにより構成される情報処理装置におい
    て、前記特徴ベクトル抽出装置として請求項1記載の特
    徴ベクトル抽出装置により構成したことを特徴とする情
    報処理装置。
  3. 【請求項3】 対象となるベクトル情報を入力し特徴ベ
    クトルに変換出力するめための特徴ベクトル抽出装置
    と、この特徴ベクトル抽出装置から出力される特徴ベク
    トルを系内に表示するための特徴ベクトル表示手段と、
    認識・分類のための競合学習手段とを有する情報処理装
    置において、前記競合学習手段が、類似性マッチング手
    段と、重みベクトル更新表示手段と、勝利ベクトル決定
    手段とを有し、さらに、前記特徴ベクトル抽出装置とし
    て請求項1記載の特徴ベクトル抽出装置により構成した
    ことを特徴とする情報処理装置。
JP76096A 1996-01-08 1996-01-08 特徴ベクトル抽出装置及びこれを用いた情報処理装置 Withdrawn JPH09185713A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1139325A (ja) * 1997-07-22 1999-02-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 類似検索方法及び類似検索システム
US6192150B1 (en) 1998-11-16 2001-02-20 National University Of Singapore Invariant texture matching method for image retrieval

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JPH1139325A (ja) * 1997-07-22 1999-02-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 類似検索方法及び類似検索システム
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