JPH0918046A - 内部回転対称性を有する太陽電池工作物 - Google Patents

内部回転対称性を有する太陽電池工作物

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JPH0918046A
JPH0918046A JP7197861A JP19786195A JPH0918046A JP H0918046 A JPH0918046 A JP H0918046A JP 7197861 A JP7197861 A JP 7197861A JP 19786195 A JP19786195 A JP 19786195A JP H0918046 A JPH0918046 A JP H0918046A
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Takaaki Ikeda
貴昭 池田
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/56Power conversion systems, e.g. maximum power point trackers

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  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 太陽電池装着面(受光面)の空間的形状特性
と太陽電池装着量、及び設計時間帯として設定する各季
の直達日照時間帯の設定方法により、各季に於ける直達
日射発電量の設計値が水平設置方位に依存しない太陽電
池工作物を提供する。 【構成】 受光面の単位法線方位ベクトルに正の係数を
割りあてて合成しベクトルが、天頂方位て垂直軸と重な
るように正の係数系により太陽電池容量比を割りあてた
ソーラールーフ、または垂直軸回りの2回以上の回転対
称性を有する傾斜面で構成した受光面に等しい容量の太
陽電池を装着したソーラールーフを形成する。また各季
日に全受光面に直達日射が当たるように設定した全面日
照時間帯を設計時間帯として積算した直達日射発電量を
もって、該季日の設計発電量に占める直達日射発電量と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陸上もしくは水面上を
含む屋外に設置あるいは浮遊もしくは移動する太陽電池
工作物もしくは太陽電池建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】屋外に設置される太陽電池工作物や建造
物の場合、太陽電池の取付け方法は我が国に於ける殆ど
の場合、太陽電池の受光面を南方に向けてほぼ45度の
傾斜角(この最適傾斜角は設置点の緯度により異なると
される)で設置されるのがいはば常識となっている。こ
のような設置方法は太陽電池の単位受光面当たり得られ
る年間の積算発電量が最大となるように設計されたもの
とされているが、この方法では用途に依っては次のよう
な深刻な問題がある。
【0003】(イ)設置点毎に太陽電池面方位が真南に
向くように設定せねばならず、道路標識や電話ボック
ス、修景工作物、あるいは公衆トイレのような場合、本
体表示面や構造物と太陽電池面方位が場所によって異な
ってくる為、表示物や工作物あるいは建造物としてのイ
メージの一体性・同一性を損なうおそれがある。
【0004】(ロ)それでも一本足のポール状のソーラ
ー標識やソーラー照明のような場合にはまだしも我慢出
来るとしても、例えば河川名標識や道路の案内標識のよ
うに横に広い表示面を有し、厚みが少ない標識物のよう
な場合、あるいは公衆電話ボックスや、トイレのような
場合、必要となる電力を充分賄う量の太陽電池を装着し
ようとすると、その為の太陽電池を常に南方に向けて
(傾斜角45度相当で)設置するのは、表示面あるいは
構造物との関係上、造作的にも極めて困難となる。まし
て水面上に漂う工作物や移動体に太陽電池を取りつけよ
うとすると、従来の方法のように、その方位を固定する
のは事実上殆ど不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、この様な太
陽電池工作物に於いては、 (A)工作物(あるいは表示物)としての機能上のイメ
ージの一体性・同一性が太陽電池の取付け方法によって
損なわれないような設計・製作方法 (B)取付けられた太陽電池による日間積算発電量が設
置方位によって大幅に変化しないような(あるいは殆ど
同程度となるような)設計・製作方法 (C)しかも、普及性において、設置点の日照条件を規
定する使用条件もしくは仕様条件の計量可能な数値によ
る提示 が必要であるが、本発明による太陽電池工作物はこの三
つの課題を同時に解決するものである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】このような課題は、次の
(1)から(8)のいずれかに記載の太陽電池工作物も
しくは建造物により解決される。
【0007】(1) 各受光面の単位法線ベクトルの水
平面上への射影ベクトルの位置関係が、原点を通る任意
の直線で該射影水平面を二つの半平面に分割したとき、
前記射影ベクトルのいずれかのものが必ず双方の半平面
上若しくは原点を隔てて該直線上に存在するように構成
された太陽電池の受光面の空間的位置関系と、各受光面
の単位法線方位ベクトルに太陽電池の定格出力の容量比
を係数として掛けたベクトルを合成して得られるベクト
ルが、垂直軸と重なるような容量比に於いて形成された
太陽電池受光面を有し、適当なる季日あるいは歴日もし
くは歴日期を設計季日として設定の上、各設計季日に於
ける直達日射発電量の計算値と散乱日射発電量の計算値
を合わせたものを該設計季日に於ける設計発電量とな
し、該設計発電量に占める直達日射発電量は、 a)水平設置方位の如何を問わず、前記受光面の全ての
面に同時に直達日射が当たるような全面日照時間帯に含
まれる時間帯、もしくは b)いずれかの水平設置方位に於いて、前記受光面の全
ての面に同時に直達日射が当たるような全面日照時間帯
に含まれる時間帯、をそれぞれの設計季日に於ける設計
時間帯として設定し、直達日射による発電量の該設計時
間帯に於ける積分値もしくは積算計算値をもって該設計
発電量に占める直達日射発電量の設計計算値とするか、
若しくは、前記全面日照時間帯に含まれる時間帯を設計
時間帯として設定し得ぬ場合には、 c)設計時間帯を全面日照時間帯と仮定して計算して得
られる直達日射による発電量の該設計時間帯に於ける積
分値あるいは積算値、もしくは、 d)直達日射による発電量の設計時間帯に於ける積分値
もしくは積算計算値が前記受光面の水平設置方位に於い
て最小となる値をもって設計発電量に占める直達日射発
電量の設計計算値としたものであることを特徴とする太
陽電池工作物もしくは建造物。 (2) 垂直軸回りの180度以下の回転に対して互い
に対称な関係にある異なる傾斜面もしくはその一部によ
り形成される受光面、もしくはその一部を平行移動して
得られる受光面は、ほぼ等しい定格出力の光起電力を有
する太陽電池もしくは太陽電池配列の受光面により形成
されたものであることを特徴とする前項(1)に記載の
太陽電池工作物もしくは建造物。 (3) 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、その設
置地点もしくは稼働地点の設置もしくは稼働条件を使用
上あるいは仕様上示すにあたり、直達日照条件にあって
は前記設計期日に於ける前記設置地点もしくは稼働地点
に於ける前記設計時間帯を、散乱日照条件にあっては無
障害水平面が摂取出来る空からの散乱光の摂取量に対す
る前記受光面が空から摂取出来る散乱光の摂取量の割合
値を表す値をもって示したものであることを特徴とする
前項(1)もしくは(2)のいずれかに記載の太陽電池
工作物もしくは建造物。 (4) 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、前記受
光面を形成する太陽電池もしくは太陽電池配列を装着し
たソーラールーフと、太陽電池により発生する昼間の光
起電力を蓄電する為の二次電池と、各種表示を施した表
示板と、EL(エレクトロルミネッセンス)発光板もし
くはLED(発光ダイオード)もしくは冷陰極管もしく
はそれらの発光体を任意に組み合わせた光源と、前記光
源を点灯させる為の点灯器と、太陽電池により発生する
光起電力の二次電池への充電を制御する充電制御器と、
二次電池の過放電を防止する為の過放電防止機構と、夜
間に於いて前記光源を点灯させる電力を二次電池から供
給・制御する為の放電制御器を有し、昼間の光起電力を
二次電池に蓄えた電力で、夜間に於いて前記光源を点灯
させることにより、前記表示に夜間視認性を付与するこ
とを目的としたソーラー標識物であることを特徴とする
前項(1)ないし(3)のいずれかに記載の太陽電池工
作物もしくは建造物。 (5) 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、電話機
を収納し、内部に於いて通話する為の電話ボックスの屋
根部に前記受光面を形成する太陽電池もしくは太陽電池
配列を装着し、光起電力を蓄電する為の二次電池と、太
陽電池から二次電池への充電を制御する充電制御器と二
次電池の過放電を防止する為の過放電防止機構と、内部
の空気を換気する為の換気扇と、前記光源により夜間発
光する電話マーク表示と、通話利用者の為の手元明かり
となる前記光源による手元照明を有し、それらの消費電
力のうち少なくとも電話マーク表示と前記手元照明の光
源用電力は前記光起電力を二次電池に蓄えた電力により
賄い、前記換気扇の電力は前記二次電池が過充電状態に
ある時に於いてのみ前記太陽電池による余剰光起電力を
もって賄う電力制御機構を備えたソーラー電話ボックス
であることを特徴とする前項(1)ないし(3)のいず
れかに記載の太陽電池工作物もしくは建造物。 (6) 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、前記受
光面を形成する太陽電池もしくは太陽電池配列を装着し
たソーラールーフと、水源の水を吸水する為の水中ポン
プもしくは吸水ポンプと、前記水中ポンプもしくは吸水
ポンプにより吸水した水を灌水する為の配水管及び/も
しくは配水チュープと、前記太陽電池もしくは太陽電池
配列により得られる光起電力を蓄える二次電池を収納す
る収納部と、太陽電池から二次電池への電力の充電を制
御する充電制御器と、二次電池の過放電を防止する為の
過放電防止機構と、太陽電池の光電力を検出して、日没
もしくは夜明け、もしくは日没と夜明けに、あらかじめ
設定せる一定時間、前記水中ポンプに二次電池から電力
を供給して、前記水源の水を灌水するソーラー自動灌水
システムを備えたものであることを特徴とする請求項1
ないし3のいずれかに記載の太陽電池工作物もしくは建
造物。 (7) 前記太陽電池工作物は、水面に浮上せる浮標も
しくは浮漂物もしくは浮設物等の浮体を前記受光面を形
成する太陽電池もしくは太陽電池配列を装着したソーラ
ールーフで蔽蓋し、浮体に取付けられた水中ポンプもし
くは吸水ポンプにより汲み上げた水に、浮体上で曝気も
しくは空気を混合したうえで、排水管もしくは排水チュ
ューブを通じて水中に戻す水質浄化工程を有し、前記水
中から水を汲み上げ還流させる吸排水用電力と空気の曝
気もしくは混合の為の動力用電力を前記蔽蓋用ソーラー
ルーフに装着された太陽電池による光起電力により賄う
ソーラー曝気水質浄化システムを備えたものであること
を特徴とする前項(1)ないし(3)のいずれかに記載
の太陽電池工作物。 (8) 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、前記受
光面を形成する太陽電池もしくは太陽電池配列を装着せ
るソーラールーフを屋根面に持ち、太陽電池もしくは太
陽電池配列によって得られる光起電力もしくは該光起電
力を二次電池に蓄電して得られる電力により、浄化槽の
曝気用電力及び水洗用水の循環用動力の電力及びその他
の夜間照明、夜間内照式トイレ表示、換気扇等の付帯電
力を賄うソーラートイレであることを特徴とする前項
(1)ないし(3)のいずれかに記載の太陽電池工作物
もしくは建造物。
【0008】
【作用】水平受光面では、設置水平方位すなわち垂直軸
回りの如何なる回転に対しても同一の光起電力が得られ
ることは自明であり、このような受光面を有する太陽電
池工作物もなくはないが、水はけが悪かったり、ほこり
がたまりやすかったりして諸々の欠点もあり、又、これ
を避ける為の特殊な断面を有する透明カバーの取付け
等、余分な対策を迫られる場合が多い。
【0009】本発明による太陽電池工作物に於いては、
異なる傾斜面により構成された太陽電池受光面の単位法
線ベクトルに正値係数を割り当てて加算合成して得られ
る合成ベクトルが垂直軸と重なるような受光面の空間的
位置関係と該正値係数系に比例する配分比に於いて各受
光面の太陽電池の容量比を設定することにより、設計時
間帯に於ける直達日射による積算発電量が、水平設置方
位の如何を問わず、任意の水平設置方位について同一と
なるか、或いはその時間帯に於ける積算発電量の最小値
もしくは下限値を確保する作用を有する。
【0010】本発明による太陽電池工作物は、同一平面
上あるいは平行平面上に無い異なる面方位の垂直軸の回
りの180度以下の或る回転に対して互いに回転対称と
なる傾斜面で構成される受光面を定格出力容量のほぼ等
しい太陽電池受光面で形成することにより、設計時間帯
に於ける直達日射による積算発電量が水平設置方位の如
何を問わず任意の水平設置方位について同一となるか、
或いはその時間帯に於ける積算発電量の最小値もしくは
下限値を確保する作用を有する。
【0011】本発明による太陽電池工作物は、如何なる
水平設置方位に於いても設計時間帯が全ての太陽電池受
光面に直達日射が当たっている全面日照時間帯に含まれ
る場合には、該設計時間帯に於いて積算した直達日射発
電量の積算値は、如何なる水平設置方位に於いても同一
となり、設計時間帯が、いずれかの水平設置方位に於い
て前記全面日照時間帯に含まれる場合には、そのような
水平設置方位に於いて計算せる直達日射発電量の該設計
時間帯に於ける積算値は、任意の水平設置方位に於いて
得られる直達日射発電量の該設計時間帯に於ける積算値
の最小値を与え、設計時間帯が前記全面日照時間帯に含
まれるような水平設置方位が存在しない場合には、該設
計時間帯を全面日照時間帯であると仮定して任意の水平
設置方位に於いて計算して得られる直達日射発電量の該
設計時間帯に於ける積算値は、いずれの水平設置方位に
於いても、直達日射発電量の該設計時間帯に於ける積算
値を上回ることはない。
【0012】更に、本発明に依る太陽電池工作物もしく
は建造物は、工作物もしくは建造物内部の温度上昇を防
ぐ為に換気扇を回す場合に、二次電池が過充電状態にあ
る場合に於いてのみ、もしくは/及び主たる負荷の電力
消費を上回る電力が太陽電池から供給される場合に於い
てのみ、その余剰電力をもって回すので、その為の電力
は、システム全体の電力バランスからは除外することが
出来る様になる。
【0013】
【実施例】
太陽電池工作物設置点の地上面に天頂方向をZ軸、水平
真南をX軸、水平真東をY軸とする直交座標系を導入
し、設置点の緯度をφ、太陽赤緯(赤道面と太陽方位の
成す角度)をδ、南中時を基準とする地球の自転の時角
をω(東すなわち午前中をプラス、西すなわち午後をマ
イナス)とすると、XYZ系に於ける太陽の方位ベクト
ルPは、数1の表現を有する。
【0014】
【数1】
【0015】又、同一季日に於ける大気透過率は一定で
あるとすると、太陽方位に垂直に向いている法線面(ひ
まわり面)が受光する単位面積当たりの受光エネルギー
Q(ワット値)は、エアマス値のみの関数となり、エア
マス(透過する大気の厚み)値は、同一季日に於いて
は、時角ωのみの関数となるから、時角ωを南中時を基
準とする時刻t(午前マイナス、午後プラス)によっ
て、 ω =−ω。t とすれば、Qは、tの関数として、 Q = Q(t) と記すことが出来る。
【0016】そうすると、法線方位単位ベクトルが V
n である傾斜受光面 Rn が時刻tに於いて受光す
る単位面積当たりの受光エネルギー Qnは、 Qn = Q(t) ・P・Vn で与えられる。 但し、P・Vn >=0である。従っ
て、傾斜面(ルーフ面)Rnに定格出力(容量)Cnの
太陽電池Sn が装着されている場合、この太陽電池に
よる光起電力 Wnは、適当な定数η(太陽電池の発電
効率等を含む)により、 Wn= ηCn・Qn で与えられるから、一般的に、 Wn= ηCn・Q(t) ・P・Vn 従って、法線方位単位ベクトル V1、V2、・・・
・、Vnを有する傾斜受光面(ルーフ面)R1、R2、
・・・・、Rnに、定格出力(容量)が、 C1、
C2、・・・・、Cnの太陽電池が装着されている場合
に於ける時刻t に於ける合計発電量 W(t)は、次
の数2となる。
【0017】
【数2】
【0018】但し、C1、C2、・・・、Cnは、正値
として、全ての V1、V2、・・・、Vnについて、
数3が成り立つものとする。
【0019】
【数3】
【0020】尚、どれかのルーフ Riについて、P・
Vi <0 となるのは、数理的には受光面の裏側から
光が当たっている状態であるが、この場合にはW(t)
に「負の発電量」が加算されることとなり、これは「負
の質量」問題と同様、エネルギーの負値化を避ける為に
除外され、零と設定されるので、数2が成立するのは、
実際には全ての受光面に(表側から)直達日射が当たっ
ている「全面日照」の状態に於いてのみである。従っ
て、例えば、第i番目の太陽電池受光面のみが非日照状
態であり、他の全ての太陽電池受光面には直達日照が得
られているような「部分面日照状態」に於ける発電量の
合計をW−i(t) とするとW−i(t) は、数4
で表される。
【0021】
【数4】
【0022】従って、数5が成立する。
【0023】
【数5】
【0024】何となれば、 W−i(t) +Wi
(t) = W(t)であるが、このような部分日照状
態では、Wi(t) <0 であるからである。
【0025】そこで、全ての受光面に直達日射が当たっ
ているような時間帯すなわち「全面日照時間帯」: T
= [t1〜t2]が存在するとして、この間の積算
発電量をΩ[T] とすると、Ω[T]は、 により与えられるので、結局 Ω[T] は、数6で与
えられる。
【0026】
【数6】
【0027】Ω[T]の値がTのみの関数で、太陽電池
ルーフ(ソーラールーフ)の水平設置方位に依存しない
ようにするには、結局、合成ベクトル: V=C1V1+C2V2+・・・+CnVn がソーラールーフの水平設置方位すなわち垂直軸(Z
軸)回りの回転に依存しないベクトルであればよいこと
が判るが、そのようなベクトルVは、結局、垂直方位ベ
クトルすなわちZ軸と重なるものであればよいことが判
る。
【0028】VがZ軸方向のベクトルである為には、V
の水平面(すなわちX−Y平面)上への射影ベクトルV
hが零ベクトルであればよい。それには、V1、V2、
・・・・、Vn のX−Y平面上への射影ベクトルをそ
れぞれ;V1h、V2h、・・・・、Vnh とする
と、水平射影平面(X−Y平面)上に於ける合成ベクト
ル; Vh=C1V1h+C2V2h+・・・+CnVnh が零ベクトルとなればよいことが判る。
【0029】C1、C2、・・・、Cn は全て正値の
係数であるから、Vhが零ベクトルとなるような正値係
数系; [C1,C2,.・・・, Cn] が存在する為には、X−Y平面上の原点を通る任意の直
線でX−Y平面を二つの半平面に分割したとき、いずれ
の半平面にも零ベクトルではない射影ベクトルV1h、
V2h、・・・・、Vnhのいずれかのものが存在しな
ければならない。但し、n=2 の場合には、V1h、
V2h が原点から互いに反対方向に一直線上に並べば
よい。
【0030】従って、このような要件を満たすソーラー
ルーフについては、適当な正値係数系ベクトル ε: で、 εT・Vh= 0 (但しεTはεの転置ベクト
ル) となる正値係数系[ε]が存在し、 C1/ε1 = C2/ε2 =・・・・= Cn/εn もしくは適当な正値定数λを選び、 C1=λε1, C2=λε2, ・・・・・・, Cn=λεn となるように太陽電池の容量比を決定すればよい。
【0031】 とし、行列 Aを、 とすると、A・ε = 0が成り立つ。そこで、n次元
ユークリッド空間に於いて、 とすると、 εT・a = 0 εT・b = 0 すなわち、n次元ユークリッド空間E に於いて、ベク
トルa,bによって張られる部分空間をEab とする
と、εは Eに於けるEabの直交補空間に存在するこ
ととなる。
【0032】これをn=2 とした場合について、図1
及び図5に基づき説明する。図1のソーラールーフ1は
二つの受光面 R1、R2を有し、その法線方位の単位
ベクトルV1、V2を、水平面(X−Y平面)に射影た
射影ベクトルV1h、V2hを図5に示した。V1h
V2hは原点から反対方向を向いて、一直線上に並んで
おり、、そのX−Y平面上での座標を図5に示した様に
それぞれ(a,b)、(−ma,−mb) とする。図
5に於いて、ベクトルa、bは、それぞれ、 となり、ベクトルa、b は一直線上に並び、これらが
X−Y平面で張る部分空間は、図5に示した原点0を通
る直綿Lとなる。従って、X−Y平面に於けるLの直交
補空間は、原点を通り、Lと直交する直線となり、ε
は、その正値部である 半直線l 上にあるが、 ε1+ε2 = 1 という制約を設けると、εは、(1,0)、(0,1)
を通る直線上にあるから、εは結局図5に於いてこの直
線と直線lが交わる交点に於いて一意的に定まる。
【0033】次に n=3 の場合について説明する。
まず n=3 の特殊な場合として、V1h、V2h、
V3hが図6に示した様に水平射影平面(X−Y平面)
に於いて、一直線上に並ぶ場合を想定する。これは、ソ
ーラールーフの受光面の構成が図2に示すような形状特
性の場合である。このような場合、ベクトルaとベクト
ルbは一次独立ではなくなるので、係数ベクトルεは、
図7で示した様な3次元ユークリッド空間に於いて、ベ
クトルaのみの張る部分空間(直線)の直交補空間πに
存在する。図7に於いて、この直交補空間πと、ε1−
ε2平面 及びε2−ε3平面との交わり直線を、それ
ぞれl1、l2で示したが、εについて、 ε1+ε2+ε3=1 という制約を設けると、εは、(1,0,0)、(0,
1,0)、(0,0,1)を通る平面上にあることにな
るので、図中破線で示した三角形と平面πとの交わりに
よって形成される線分l 上にあることになる。すなわ
ち、このような場合、ε、すなわち太陽電池の容量比は
一意的には決まらなくなる。
【0034】n=3 の一般的な場合は、図3に示した
様に、ルーフベクトル(受光面の単位法線方位ベクト
ル)V1、V2、V3 の水平面(X−Y平面)上への
射影ベクトルV1h、V2h、V3hが、原点0 を中
心にして放射状に広がる場合である。このような場合、
原点0を通る如何なる直線でX−Y平面を二つの半平面
に分割しても、必ず双方の半平面上にいずれかの射影ベ
クトルが存在し、一方の半平面上に全ての射影ベクトル
が含まれてしまうことはない。このような場合に於いて
は、ベクトルa とベクトルb とは互いに一次独立と
なり、3次元ユークリッド空間に於いてベクトルa、b
の張る部分空間は2次元平面となるので、その直交補空
間は、1次元の直線となるので、ε、すなわち太陽電池
の容量比は一意的に決まる。
【0035】n (異なるルーフベクトルを有する受光
面の数)が4以上のソーラールーフについては、前記直
交補空間(ε空間)の次元は2以上となるので、太陽電
池の容量比は、別の制約要因が無い限り、一意的には決
まらなくなるが、ルーフ面の形状や大きさに応じて、前
記直交補空間の中から適当なものを選べばよい。
【0036】以上は、請求項1に於ける受光面の形状特
性と、その場合に於ける本発明の作用を満たすような太
陽電池容量比の決定もしくは選択の仕方についての説明
である。次に設計時間帯の設定の仕方と、設計発電量の
設定方法について説明することにするが、請求項1の
d)に関する具体的方法は、請求項2の実施例に示す方
法が、そのまま請求項1の場合にも適用出来るので、こ
こでは請求項1に記載のa)、b)、c)の場合につい
て詳説する。
【0037】以上の説明で明らかな通り、このようなル
ーフ形状と太陽電池容量の配分比特性を有する太陽電池
工作物に於いては; (イ)如何なる水平設置方位にソーラールーフを設置し
ても全ての受光面に直達日射が当たるような全面日照時
間帯(これを「対称な時間帯」とよぶことにする)に於
いては、「対称な時間帯」に含まれる時間帯Sに於ける
直達日射発電量の時間積算値のルーフ合計は、如何なる
水平設置方位に於いても同一の値が得られる。従って、
設計時間帯設定の一つの方法は、このような「対称な時
間帯」に含まれる時間帯Sをもって設計時間帯とするや
り方で、その時間帯Sに於ける直達日射発電量の積算値
をもって設計発電量に占める直達日射の設計発電量とす
る方法である(請求項1の(a))。しかし、このよう
な方法は、請求項2に於ける説明で詳述するように、太
陽の高度が低くなる冬至季の頃に於いては、ルーフの傾
斜角度が大きなものが含まれて居ると、「対称な時間
帯」が極めて短くなったり、あるいは存在しなくなる場
合も有り得る。
【0038】(ロ)前記対称な時間帯が冬至等対象とす
る季日によっては短すぎたり、存在しない場合も有り得
るが、水平設置方位によっては、設定したい設計時間帯
を含む全面日照時間帯期間が存在する場合も有り得る。
このような場合においては、設計時間帯を含む全面日照
時間帯が得られるような水平設置方位に於いて、設計時
間帯で時間積算した直達日射発電量の積算値のルーフ合
計値をもって直達日射の設計発電量とする(請求項1の
(b))。このようにして得られた積算発電量は、数5
関連の説明から判るように該設計時間帯に於ける積算発
電量の水平設置方位による最小値を与えるものとなり、
どのような水平設置方位に設置したとしても、この間に
得られる直達日射発電量の積算値はこの値を下回ること
はない。 何となれば、非全面日照時間帯となる水平
設置方位についても、発電量量の負値化をおそれずに計
算した数2の値は、全面日照状態の水平設置方位に於い
て計算された数2の値と同一となるので、負値化をおそ
れずに計算した積算発電量である数6の値は、その間の
日照状態の如何を問わず、あらゆる水平設置方位につい
て計算上は同一の値となるが、実際の発電量はその間に
於いて部分日照状態あるいは非日照状態となって負値化
するルーフのものについては零として処理されるので、
数5が成り立ち、結局その時間積算値についても、その
関係が保存され、次の数7で示す関係が成立するからで
ある。
【0039】
【数7】
【0040】(ハ) 次に、設定したい設計時間帯に於
いて、「対称な時間帯」はもとより、如何なる設置方位
に於いても全面日照時間帯が確保出来ない場合には、設
計発電量に占める直達日射発電量の設定方法には二通り
の選択岐が有り得る。 一つの方法は、設定したい設計時間帯を「全面日照
時間帯」であると仮定して、発電量の負値化も許して
(すなわち、P(t)・Vi<0 となるVi項の存在
を許して)計算して得られた数6の値をもって設計発電
量に占める直達日射発電量とする方法である(請求項1
の(c))。このようにして計算された値は、必然的に
発電量の「負値化項」を含んでいるので、前述の説明か
ら明らかな通り、この間に於ける実際の発電量より必ず
小さな値となる。この値と前述(ロ)の場合の値の違い
は、(ロ)の場合に於いては、いずれかの水平設置方位
において、実際にとりうる「最小値」であるのに対し、
今回の値は、如何なる方位に於いても「全面日照時間
帯」に設計時間帯が含まれないので、実際にとりうる
「最小値」ではなく、「下限値」である。 もう一つの選択岐は、このような場合に於いても出
来るだけ「最小値」をもって押さえたいと云う趣旨か
ら、代表的な設置方位に於ける直達日射発電量の日の出
からの積算曲線を比較して、設計時間帯に於ける値が、
最も小さくなるような水平設置方位のものから選んだ値
をもって設定する方法であるが(請求項1の(d))、
この方法に関する詳細は、請求項2に於ける説明に譲る
こととする。
【0041】以上が、請求項1の場合に関する設計発電
量に占める直達日射発電量の設定方法に関する実施例の
説明であるが、散乱日射発電量の設定方法は、散乱日照
条件にあっては無障害水平面が摂取出来る空からの散乱
光の摂取量に対する前記受光面が空から摂取出来る散乱
光の摂取量の平均的割合を表す値を散乱日照条件の設計
値として設定の上、無障害水平面が当該季日に空から受
光する1日当たりの散乱日射量(これは気象データから
読み取れる)に設計値として設定した前記散乱日照条件
を乗じた値をもって、当該ソーラールーフの受光面が単
位面積当たり空から摂取出来る1日あたりの平均的散乱
日射量とする。このようにして、受光面が摂取出来る平
均的散乱日射量の設定値から求めた散乱日射発電量の値
をもって、設計発電量に占める散乱日射発電量の値とす
る。尚、散乱日照条件のより具体的数学概念や、その計
量方法については、本発明者の先願: 特願平 3−2
54614 「受光量測定方法、日照条件測定方法およ
び太陽エネルギー利用システム」に記載の処による。
【0042】すなわち、受光面の法線方位Vnを中心軸
とする頂点角2θの円錐が張る立体角の大きさを π(1−COS2θ)/2 (0 =< θ =< π/2) とするLebesgue−Stieltjes測度によ
り定義される該法線方位Vnを中心とする新たな立体角
Θ(θ)を空間に定義・導入し、1区画(メッシュ)当
たりのΘの分割値が等しくなるようなVnを中心とする
蜘蛛の巣状のメッシュパターンを天球に描き、空の開口
部に存在するメッシュ要素の数を同一の分割方法でΘ
(π/2)を分割した場合の全メッシュ要素数で割った
値をもって該受光面の散乱日照条件と定義する。すなわ
ち、天球のこのような分割方法は、天球のどの方位も一
様な輻射強度(明るさ)であるとするならば、任意の1
つのメッシュ要素から受光面が摂取する天球からの輻射
エネルギーが等しくなるような分割方法となっている。
従って、本来、散乱日照条件は受光面毎に設定すべき性
格のものであるが、各受光面の散乱日照条件を ν1,
ν2、・・・、νnとし、各受光面の太陽電池装着容量
比をε1、ε2、・・・、εn とすると、 ν = (ε1ν1 + ε2ν2 +・・・・+ εnνn) により受光面散乱日照条件のルーフ平均が定義・設定出
来る。但し、ε1 + ε2 +・・・・・・+ εn
= 1 とする。
【0043】しかし実際の天球上にこのような蜘蛛の巣
状の分割メッシュパターンを描くことは飛行機雲でも使
わない限り不可能であり、実際には、天球にこのような
メッシュパターンを描いたときに天球を魚眼レンズで撮
影した像をコンピュータシミュレーションによるコンピ
ュータグラフィックで描き、コンピュータグラフィック
の像を、魚眼レンズの光軸を一致させて撮影した風景画
像と重ね合わせる方法による。 尚、魚眼レンズにより
撮影した風景画像そのものをコンピュータグラフィック
で作成する「ランドスケープシミュレーション」による
方法を併用する場合もある。
【0044】 以上請求項1に関する実施例を説明したが、請求項2
は、請求項1の特殊な場合であり、従って、請求項1の
実施例で説明した検証事柄は、請求項2の場合に於いて
もそのまま「真の命題」として成立する。従って、重複
を避ける為、請求項2の実施例の説明では、理論的側面
からの説明は、請求項1に於いて殆ど済んで居るので、
具体的あるいは個別的な側面からの説明に重点を置くよ
うにする。
【0045】本発明の作用を、例えば日の出から日没ま
で晴天で陽が当たるものとして、図1 に示すような相
背向する2つのルーフ面11と12からなる断面が切妻
状のソーラールーフ1を有する実施例について考える。
図中V1、V2はそれぞれルーフ面R1、R2の法線方
位ベクトルであるが、まずその2つのルーフ面の傾斜角
すなわち図中のα1とα2が同一(α1=α2=α)で
あるとして、各々のルーフ面に定格出力がそれぞれ10
ワットの太陽電池が、受光面がルーフ面と平行となるよ
うに、あるいはルーフ面の一部を形成するように取りつ
けられているものとして、各々のルーフ面の傾斜角を、
15度、20度、30度、45度と変えて、その日間発
電量をソーラールーフ1の水平設置方位依存性の解消が
最も制約を受ける冬至の季日について調べて見る。 Z
は2回対称軸として選んだ垂直軸の一つであるが、この
ようなルーフ形状の場合、回転対称軸として選べる垂直
軸は、二つのルーフ面の交わりによって形成される直線
と交わるもの中から任意に選んでよい。場所は東京の某
所と想定し、周囲には日照を遮る障害物は何も無く、
又、直達日射発電量の計算に用いる各季の気象データは
表1 によるものとする。
【0046】
【表1】
【0047】図8 、図9 、図10 は図1 のソー
ラールーフ1を真上から見たもので、それぞれ水平設置
方位が異なる。すなわち;図8 ではソーラールーフ1
のルーフ面R1は真南を、ルーフ面R2は真北を向いて
おり、図9 ではルーフ面R1は南東を、ルーフ面R2
は北西を向き、図10 ではルーフ面R1は真東を、ル
ーフ面R2は真西を向いて居る。
【0048】図14から図25までの各図面に示したグ
ラフは、図1に示したような形状特性を有するソーラー
ルーフ1の各面にそれぞれ定格出力10ワットの太陽電
池を装着した場合に於ける発電量の時間推移を示すグラ
フで、▲印は太陽の南中時刻を、↑印に挟まれた区間は
双方のルーフ面に同時に直達日射の当たる時間区間を示
し、横軸は1目盛り1時間、縦軸は1目盛り1ワットで
ある。
【0049】又、図26から図37迄の各図面に示した
グラフは、これらの発電量の日の出からの時間積算量を
示すグラフで、Δ印は南中時、横軸は1目盛り1時間、
縦軸は1目盛り10W・HRSである。
【0050】これら図14から図37までに示した図面
に於いて、ソーラールーフ1のルーフ面傾斜角は、図1
4から図16までの各図面と図26から図28までの各
図面に於いては15度、図17から図19までの各図面
と図29から図31までの各図面に於いては20度、図
20から図22までの各図面と図32から図34までの
各図面に於いては30度、図23から図25までの各図
面と図35から図37までの各図面に於いては45度で
ある。
【0051】これら図14から図37までの各図面に示
したグラフに於いて、ソーラールーフ1の水平設置方位
は、図14、図17、図20、図23、図26、図2
9、図32、図35の各図面に於いては図8に示した場
合、図15、図18、図21、図24、図27、図30
2図33、図36の各図面に於いては図9に示した場
合、図16、図19、図22、図25、図28、図3
1、図34 図37の各図面に於いては図10に示した
場合に相当する。以上の関係を整理すると表2の様にな
る。
【0052】
【表2】
【0053】すなわち表2の中の同一コラム内にある2
つの図面のグラフがそれぞれ同一のルーフ傾斜角と水平
設置方位を有する場合の発電量(上段)とその時間積算
量(下段)となっており、以降の説明ではそれぞれのペ
アーを「対応するグラフ」と呼ぶことにする。
【0054】又、図38と図39に示したグラフは図1
の形状のソーラールーフ1のルーフ傾斜角が5度と10
度のものを、図8に示したような水平設置方位に置いた
場合に置ける直達日射発電量の日の出からの時間積算量
をそれぞれ示すグラフであり、装着されている太陽電池
の定格出力はいずれも各ルーフ面につき10ワットのも
のとしている。
【0055】表3は、発電量の積算時間帯Sを、南中時
の前後3時間、すなわち S=[−3:00〜3:00] と設定して、この積算時間帯Sに於ける図1に示したソ
ーラールーフ1の直達日射発電量の積算値を、表1で仕
分けした各々のルーフ傾斜角と水平設置方位の組合せに
ついて示した表であり、装着されて居る太陽電池の定格
出力は、各ルーフ面につきそれぞれ10ワットのもので
ある。
【0056】
【表3】
【0057】表4は、発電量の積算時間帯Sを、南中時
の前後2時間30分、すなわち S=[−2:30〜2:30] と設定して、この積算時間帯Sに於ける図1に示したソ
ーラールーフ1の直達日射発電量の積算値を、ルーフ傾
斜角がそれぞれ15度、20度、30度の場合につい
て、図8、図9、図10の各々の図面に示した水平設置
方位の場合について示した表であり、装着されて居る太
陽電地の定格出力は、各ルーフ面につきそれぞれ10ワ
ットのものである。
【0058】
【表4】
【0059】以上冬至の季日のデータを準備した上で、
図1に示したような形状特性のソーラールーフを有する
実施例について、本発明の作用を以下に検証、説明する
ことにする。
【0060】まず図14から図25までの各図面に示し
たグラフをみると、ルーフの傾斜角が15度と20度の
場合には、如何なる水平設置方位に於いても双方のルー
フ面に同時に陽が当たるような南中時を含む時間帯が存
在し、従って、如何なる水平設置方位に於いても双方の
ルーフ面に同時に陽が当たるような南中時を中心とする
前後対称な全面日照時間帯(これを「対称な時間帯」と
呼ぶことにする)が存在することが判る。
【0061】すなわち、この対称な時間帯は、傾斜角1
5度の場合には南中時の前後概ね3時間余、20度の場
合には南中時の前後概ね2時間半程度得られることが判
るが、傾斜角が30度になると、存在しないか、存在し
たとしても南中時の前後1時間程度となり(図8の設置
方位の場合、北側のルーフ面には、前後1時間弱程陽が
当たるが、ほんのかすめる程度であり、緯度が高い処で
は完全に当たらなくなる)、傾斜角が45度になるとこ
のような対称な時間帯は存在しなくなることが判る。
【0062】従って、本発明に於いて、「回転対称な関
係にある、全ての受光面に同時に直達日射が得られるよ
うな、南中時に対して対称な時間帯」が得られるような
ルーフ面の傾斜角度は30度以内、実用上は20度以内
のものとなる(但し、日本に設置する場合)。
【0063】そこで、ルーフ面の傾斜角が15度と20
度のものについて、その発電量の積算曲線を調べてみる
と、傾斜角が同一のものについては、それぞれの水平設
置方位のグラフを平行移動して南中時の点を重ねると、
対称な時間帯の区間では、3つのグラフの曲線が完全に
重なることが判る。図40はこの関係を判りやすくする
為に、3つのグラフを重ねた状態を概念図として模式的
に示したものである。
【0064】このことは何を意味しているかと云うと、
この対称な時間帯に含まれる時間帯(これは必ずしも南
中時を含む必要も、又、南中時に対称である必要もな
い)、すなわちそのような設計時間帯に於ける発電量の
積算値は水平設置方位に依存しない一定の値になると云
うことであり、これが本発明に於ける中心的作用を提供
している。
【0065】このことを、実際の直達日射発電量の積算
値によって見ることにする。まず設計時間帯を南中時の
前後3時間と設定して計算を行った表3の場合につい
て、設計時間帯が対称な時間帯に含まれている傾斜角が
15度の場合については、全ての水平設置方位に於いて
同一の値が得られており、ルーフ傾斜角が20度になる
と、設計時間帯が対称な時間帯からはみ出すので、水平
設置方位(図9の場合)により、やはり若干異なる値と
なっている。設計時間帯が、対称な時間帯からはみ出す
場合には、請求項1のb)に記載した如く、全面日照時
間帯が設計時間帯を含むような水平設置方位を選び、す
なわち傾斜角20度の場合には図8もしくは図10に対
応する水平設置方位に於いて計算された値をもって直達
日射による設計発電量とする。
【0066】一方、設計時間帯を南中時の前後2時間半
と設定した場合には、表4に示す如く、傾斜角が15
度、20度の双方の場合について、その水平設置方位に
関係無く同一の値が得られており、この場合が請求項1
のa)記載の設計時間帯の設定方法に相当するが、傾斜
角が30度になると、対称な時間帯から外れる為に差が
出てきており、設計時間帯が全面日照時間帯に含まれて
くる図10の設置方位において、最低の値となってい
て、これが上記請求項1のb)の場合の値となる。
【0067】これに対し、ルーフの傾斜角度が、30
度、45度と大きくなるにつれて、積算発電量の水平設
置方位依存性が大きくなってくるが、これは、積算発電
量の水平設置方位毎の3つのグラフの、南中時近傍の重
なりが少なくなり、傾斜角45度にあっては、全く重な
らなくなる。
【0068】このような傾斜角のソーラールーフでは、
「任意の水平設置方位で同一の積算発電量が得られる」
と云う前提条件そのものが崩れてしまうが、それでも、
図10に示した設置方位に於いて双方のルーフ面に同時
に陽が当たる全面日照時間帯が相当期間確保が可能な傾
斜角30度のソーラールーフでは、図22から明らかな
様に南中時の前後2時間半以上は得られているから、請
求項1のb)に対応する方法として、設計時間帯を南中
時の前後2時間半に設定すれば、図34の対応する積算
曲線グラフから、この時間帯の積算量を読み取った値を
もって直達日射による設計発電量成分とすることが出来
る。傾斜角45度のソーラールーフ1の場合でも、図2
5のグラフから判る様に、南中時の前後2時間弱の時間
帯ならば、このような設計時間帯を設けることが可能で
あることが判るが、しかし、電力バランス設計上、もっ
と長い設計時間帯を設定したい場合には、如何なる水平
設置方位に於いても、全面日照時間帯から設計時間帯が
はみだしてしまう場合が有り得る。このような場合に於
ける設計発電量に占める直達日射発電量の設定は、請求
項1のc)もしくはd)の実施例に於いて説明したと全
く同一の方法により行うもことが出来る。請求項1の
c)に相当する方法は、前段請求項1のc)の説明で詳
細に行ったので、ここでは、請求項1のd)記載の方法
について、詳細に説明することにする。
【0069】このような方法として、大変巧妙な方法を
このS字型の積算曲線自身が提供してくれる。 この作
用をルーフの傾斜角が45度の場合の積算曲線:図3
5、図36、図37により説明する。図41はこれらの
3つの曲線を南中時に於いて交叉するように平行移動し
たものを模式的に示したものであるが、積算発電量が小
さいものほど南中時近傍の勾配が緩やかとなり、南中時
の点を中心にしてだんだん右回りに回転した格好となっ
ている。
【0070】そして、右回りに回転した曲線程、南中時
を含む同一の時間帯で積算した値(すなわち同一の時間
区間で切り取られる曲線部分の上下の高さ巾)が小さく
なることが判る。
【0071】従って最小の積算曲線すなわち最も右回り
となるような積算曲線を与えるような水平設置方位の積
算曲線を選んで、設計時間帯の積算発電量を算出し(こ
れは積算曲線からも読み取れる)、この値をもって、設
計積算発電量に占める直達日射発電量としてやれば、ど
のような水平設置方位に置いてやっても、その設計時間
帯に於ける積算発電量がその値を下回ることはない。
【0072】以上の検証から明らかな通り、設計時間帯
Sが対称な時間帯Tに含まれる場合には、期間Sに於け
る積算発電量は、ソーラールーフの水平設置方位に依存
しない。尚、以上に示したデータで、表3.と表4.に
於ける図10の設置方位では、理論的にはルーフR1と
ルーフR2の積算発電量は厳密には同一となるはずであ
るが、若干の差が出ているのは、コンピュータによる積
算区間の分割方法に由来するものである。例えば−3時
から3時までの区間を取った場合、区間刻みの分配が、
実際には1刻み(事実上1分間)プラス側(すなわち南
中時を基準にして午後側)に偏り、その分積算量が1刻
みの分だけ差が出てしまうからである。これは、実際の
区間積算が、南中時に対して前後厳密には対称となって
いないことになるが、それでも、この区間が対称な時間
帯に含まれ得居れば、、ルーフR1とルーフR2の値を
足した合計値は、全ての設置方位について等しくなって
いることが理解される。
【0073】本発明では、前記の積算時間帯 S を設
計時間帯にみたて、S が上記対称な時間帯 T に含
まれる場合(例えば上記15度傾斜角のソーラールーフ
の場合)には、ソーラールーフの任意の水平設置方位に
於いて時間帯Sで期間積算した直達日射発電量を該季日
(上記では冬至)の設計発電量に於ける直達日射発電量
とし(請求項1のa))、S が上記対称な時間帯 T
に含まれないが、水平設置方位によっては、Sを含む
全面日照時間帯が存在する場合には、そのような水平設
置方位に於いて計算された時間帯Sに於ける直達日射発
電量の積算値をもって、該季日の設計発電量に占める直
達日射設計発電量とし(請求項1のb))、Sを含むよ
うな全面日照時間帯が、如何なる水平設置方位に於いて
も存在しないような場合には、請求項1のc)に記載の
方法で、その実施例の説明に於いて詳述せる方法を用い
るか、もしくは、前記積算曲線のS字型グラフから(時
間帯Sに於ける)積算発電量の値が最も少なくなるよう
な設置方位を選んで得られる、設計時間帯の積算発電量
をもって該季日(上記では冬至)の設計発電量に於ける
直達日射発電量とする(請求項1のd))。この最後の
方法は、勿論請求項1に記載のソーラールーフの場合に
も適用可能である。
【0074】本発明の作用は、太陽の高度(仰角)が高
くなる夏季(夏至)に於いて最も顕著に現れ、太陽の高
度(仰角)が低くなるにつれて、対称な時間帯が得られ
る条件が狭まってくるので、逆に、年間を通じて本発明
の作用を充分に活かせるような太陽電池工作物を設計・
製作するには、太陽高度(仰角)が最も低くなる冬至の
直達日照を前提として、ソーラールーフ等その具体的形
状を決めるのが得策である。
【0075】又、表3もしくは表4に示した積算発電量
の比較からも明らかな通り、同一季日に於いては、同一
の積算時間帯Sを設定した場合、設計発電量として得ら
れる直達日射の積算量は、ルーフの傾斜角が大きいほど
小さくなる。
【0076】すなわち、本発明の作用を充分に発揮出来
るような太陽電池工作物のソーラールーフの形状は、余
り極端な傾斜角度の物とはせずに、実際上問題が発生し
ない程度(すなわち極端な設置方位依存性が発生しない
程度で、しかも水はけが得られる)のものとし、発明者
が今までに実際に設計したものではせいぜい5度ないし
45度程度以内の傾斜角のものにするのがよい。
【0077】以上図1に示したソーラールーフ1は、垂
直軸回りの180度の回転に対して回転対称性を有する
場合であって、所謂2回対称軸を有するもので、いずれ
も異なる二つのルーフ面により構成されたものである
が、 たとえば、図4は、垂直軸Zの回りの180度の
回転に対して自己対称性を有する異なる四つのルーフ面
R1、R2、R3、R4により構成されるソーラールー
フ4を斜め上から見た図であるが、ルーフ面R1とルー
フ面R3が、ルーフ面R2とルーフ面R4が、垂直軸回
りの180度の回転に対してそれぞれ重なるが、垂直軸
回りの90度の回転に対しては必ずしも自己対称性は有
しない場合もある。(すなわち垂直軸回りの90度の回
転に対して、例えばルーフ面R1がルーフ面R2に、
又ルーフ面R2がルーフ面R3に、ルーフ面R3がルー
フ面R4に、ルーフ面R4がルーフ面R1に必ずしも重
ならなくてもよい)。この場合、回転対称軸として選べ
る垂直軸は、四つのルーフ面R1、R2、R3、R4の
共有点(交点)を通るものに限定される。
【0078】このようなソーラールーフ4を有する実施
例では、垂直軸回りの180度の回転対称性を有するル
ーフ面R1とルーフ面R3、 及びルーフ面R2とルー
フ面R4により構成される二つの部分ソーラールーフに
より合成されたものとみなし、それぞれの部分ソーラー
ルーフについて前記ソーラールーフ1の場合の作用が成
り立つので、全体としてすなわちソーラールーフ4につ
いても同様の作用が保存されることが理解される。又、
これに限らず偶数回の回転対称軸を有するソーラールー
フの作用は、全て、上記の如く2回対称軸を有するソー
ラールーフの作用から構成可能である。
【0079】又、このような作用が成り立つには、ルー
フ面R1とルーフ面R3もしくはそれらを任意に平行移
動して得られる受光面は、互いに等しい定格出力の太陽
電池受光面により形成せねばならない。同様にルーフ面
R2とルーフ面R4もしくはそれらを任意に平行移動し
て得られる受光面は、互いに等しい定格出力の太陽電池
受光面により形成せねばならない。しかし、たとえば、
ルーフ面R1もしくはそれを任意に平行移動して得られ
る受光面とルーフ面R2もしくはそれを任意に平行移動
して得られる受光面は、異なる定格出力の太陽電池の受
光面によって形成してもかまわない。請求項2の記載に
ある前段のくだり、すなわち 「・・・・・の回転に対
して互いに対称な関係にある異なる傾斜面もしくはその
一部により形成される受光面、もしくはその一部を平行
移動して得られる受光面は、ほぼ等しい定格出力の光起
電力を有する太陽電池もしくは太陽電池配列の受光面に
より形成された、」とは、このような意味であり、互い
に回転対称性を要請しない受光面同士まで、装着する太
陽電池の定格出力(容量)をそろえることを要請するも
のではない。 又、図4に示したソーラールーフ4が、
垂直軸回りの90度の回転に対して形状的に対称であっ
たとしても、上記の如く180度の回転に対してのみ対
称な受光面同士についてのみ太陽電池の定格出力(容
量)をそろえたとすると、このソーラールーフの受光・
発電装置としての回転対称性は、180度の回転に対す
るものに限定されてくる。
【0080】以上の実施例は、いずれも垂直軸回りの1
80度の回転対称性すなわち2回対称軸を有するソーラ
ールーフの場合についての作用の説明であるが、同様の
作用は、四面、六面、八面等もつと多くの異なる偶数面
により構成されるもつと小さな回転対称角度を有する
(すなわちもっと回転対称性の高い)ソーラールーフに
ついても成り立つことは既に説明した通りであるが、回
転対称性が高くなればなるほど、積算発電量の水平方位
依存性は低くなることが直感的に予想される。(その極
限として円錐を考えれば、如何なる回転に対しても、又
如何なる傾斜角でも同じ結果が得られることが分かる)
【0081】180度よりも小さな回転対称性を有する
実施例の典型的な場合として、垂直軸回りの120度の
回転対称性を有する、すなわち3回対称軸を垂直軸に有
するソーラールーフについて同様の作用を説明する。
尚、季日やルーフ面の傾斜角による作用の程度の変化
は、概ね前記180度の回転対称の場合と同様なので、
作用を説明するにあたっては、季日としては冬至に限定
し、傾斜角も一通りの場合についてのみ行うこととす
る。
【0082】図3は、異なる三つのルーフ面R1、R
2、R3によって構成された正三角錐の形状をしたソー
ラールーフ3を斜め上から見た図であり、各ルーフ面の
最大傾斜角はいずれも15度とし、各ルーフ面にはそれ
ぞれ定格出力が10Wの太陽電池の受光面がルーフ面に
平行に若しくはルーフ面の一部を構成するように取り付
けられているものとする。
【0083】図11、図12、図13 は、ソーラール
ーフ3をそれぞれ真上から見た図であり、ソーラールー
フ3のそれぞれ異なる水平設置方位を示す図である。
【0084】南中時に対称な積算期間S〔−s,s〕を
前記と同様に、南中時の前後3時間、すなわち、
S=〔−3時間 〜 3時間〕 とし、期間積算をそれ
ぞれの水平設置方位について行ったものの比較を、表5
に示す。
【0085】
【表5】
【0086】表5から分かるように、いずれの水平設置
方位に於いても冬至の日の積算期間S[−s,s]に於
ける積算発電量は、いずれも29.072W*HRSと
同一であり、このような形状特性すなわち3回対称軸を
垂直軸に有するソーラールーフの実施例についても前記
作用が実現していることが理解される。
【0087】本発明の実施例は、上記作用を達成出来る
ようなソーラールーフ面もしくは太陽電池受光面、もし
くはそれらの任意の組み合わせにより形成可能なソーラ
ールーフ面あるいは太陽電池受光面を有する太陽電池工
作物あるいは建造物が、その対象となる。例えば、図
1、図2、図3、図4に示したような形状特性を有する
ソーラールーフあるいは太陽電池受光面あるいはそれら
の任意の組み合わせにより得られるソーラールーフある
いは大陽電池受光面を有する太陽電池工作物・建造物で
ある。
【0088】そして、その結果得られる作用は、垂直軸
回りの、ソーラールーフの有するもともとの幾何学的対
称性(例えばn回対称性)を単に保存するのではなく、
連続回転に於けるより高次の回転対称性を獲得すること
になり、これが、本発明の名称に附した「内部回転対称
性」の意味する処となる。
【0089】このような本発明の作用を検証するに当た
り、以上の実施例に於いては、主にコンピュータによる
シミュレーションの結果を示したが、その方が、具体的
数値が得られ、どの程度の発電量が得られるのか判りや
すいからであるが、純粋数学的な面でのこの作用の検証
は請求項1の実施例に於いて示した通りであるが、改め
て典型的な場合について示すこととする。
【0090】そこでまず、2回対称の回転軸を有するソ
ーラールーフ1の場合について示すことにする。今、本
発明の太陽電池工作物が地上に設置されているとして、
水平真南方向をX軸方向、水平真東方向をY軸方向、天
頂垂直軸方向(すなわち回転対称軸方向)をZ軸とし、
太陽方位ベクトルが赤道面と為す角度をδ(太陽の赤
緯)とし、設置点の緯度をφ、南中時を基準とする太陽
の時角をω(午前がプラス、午後がマイナス)とし、ソ
ーラールーフ1の各ルーフ面の法線方位ベクトル(ルー
フベクトル)をそれぞれV1、V2 とし、太陽の方位
ベクトルをPとする。
【0091】ルーフ傾斜角α1、α2は等しくαとし、
2つのルーフベクトルの水平方位をそれぞれβ、−βと
すると、Pは数1の、V1、V2 はそれぞれ数8 の
ベクトル表現を有する。尚、ω=−ω。t:tは南中時
を基準とする時刻で、午前が負、午後が正とする。
【0092】
【数8】
【0093】本発明の作用を検証するには、双方のルー
フ面に同時に陽が当たる時間帯T=[t1=<t=<t
2]に於いて、数9に示す積分値I の値が、設置方位
βに依存しないことを示せばよい。
【0094】
【数9】
【0095】これを計算すると、結局; P・V1+P・V2=2(COSφCOSδCOS
(ω。t)COSα+SINφSINδCOSα) これより、Iの値は、数10の如く計算され、その値が
βに依存しないことが判る。
【0096】
【数10】
【0097】このことは、2回対称軸を有するソーラー
ルーフに限らず一般的にn回対称軸を有するソーラール
ーフについても示すことができる。n回対称軸を有する
ソーラールーフのルーフベクトルを;V1、V2、・・
・・・・、Vn として、数11に示す積分値Iの
値が設置方位βに依存しないことを示せばよい。
【0098】
【数11】
【0099】直感的に判ることは、このソーラールーフ
は垂直軸のまわりの回転に対しn回対称であるから、ル
ーフベクトル V1、V2、・・・・、Vnの合成はそ
の回転対称軸である垂直軸と重なる。すなわち、 V1+V2+・・・・+Vn=V・nCOSα Vは、回転対称軸の単位方位ベクトル。従って、P・V
自身が、設置方位 β に依存しないから、その時間
積分もβに依存しない。尚、ルーフベクトルの合成が、
垂直軸と重なることは、第i番目のルーフベクトル V
iの表現を数12として、数13に示す三角級数の定理
を用いて、h=2π/nとすれば、これらの級数の和が
零となり、結局Viの合成(和)は、垂直軸と重なるこ
とが示される。
【0100】
【数12】
【0101】
【数13】
【0102】以上により、請求項2に記載の受光面の形
状特性及び太陽電池の装着方法は請求項1に記載の特殊
な場合に過ぎないことが判ったわけであるが、その結
果、請求項1の実施例に於いて検証せる命題の全てが、
請求項2の場合にも成立することが判る。
【0103】 一方実施例として重要なことは、上記のようなソーラー
ルーフの形状特性に於いて、エネルギー収支バランスも
含めて、どのような太陽電池工作物あるいは建造物が具
体的目的に於いて実際上実現可能かということであり、
その具体例のいくつかを実施例として次に示すことにす
る。尚、実施例の説明に於いて、太陽電池の発電量の計
算は、本発明者の特願平 3−254614;「受光量
測定方法、日照条件測定方法および太陽エネルギー利用
システム」記載の方法によるものとして、冬至に於ける
設置地点の直達日照条件は実施例により若干異なるが概
ね南中時の前後それぞれ2時間半から3時間の間に設定
し、太陽電池面が摂取・受光出来る空からの散乱光の摂
取割合を示す散乱日照条件は85%から90%とし、必
要な気象データは表1に示した東京地方のものを用い
た。
【0104】上記前提のもと、以下に本発明の実施例と
して、夜間発光するソーラー標識の実例を幾つか示すこ
とにするが、これらのソーラー標識ではソーラールーフ
に取りつけられた12ボルト系の太陽電池により昼間発
電された光起電力を、内蔵の二次電池に蓄えて、夜間の
発光表示用の電力として使用するもので、発光体にはエ
レクトロルミネッセンス(EL)パネルを使用し、その
点灯回路には本発明者の特願平 6−163373;
「ソーラーサイン」に記載のものを用い、ELの発光照
度は、概ね15ルックスないし30ルックスの範囲に設
定するものとする。発光表示を含む表示面は透明な樹脂
基板の表面もしくは裏面に例えば塩化ビニール製の圧着
シートを貼って、発光文字部や発光パターンはシート切
り抜き文字により形成し、非発光文字部や非発光表示パ
ターンは、下地の圧着シートの色とは異なる色の圧着シ
ートから切り出した文字やパターンを切り貼りするもの
とする。
【0105】図42には互いに対向方向に傾斜した15
度の傾斜角を有する二つの段違い傾斜面からなるルーフ
面R1とR2に太陽電池S1、S2が装着されているソ
ーラールーフを示す。このようなソーラールーフの場
合、ルーフ面R1を含む平面とルーフ面R2を含む平面
が交差する直線と交わる垂直軸の一つが回転対称軸とな
る。
【0106】図43に示したものは、図42に示したソ
ーラールーフを有するソーラー河川名標識で、主に河川
に沿った堤防上に設置される。この河川名標識では、河
川名の表示は、主表示を平仮名もしくは/および漢字と
し、従表示をローマ字で行うものとする。又、平仮名表
記部のバックライトに使用するELは、余分な発光部分
と点灯器の部品点数、及び消費電力を節減する為に、原
則として、文字の形状に沿って(表示文字よりも若干太
めに)、発光部をパターン化形成するものとする。表示
文字の書体は平仮名と漢字はナールD、ローマ字はヘル
ベチカデミボールドを使用するものとし、表示面は両面
とし、どの面のどの文字表示を夜間何時間発光させるか
はルーフ面に装着する太陽電池の定格容量により選択で
きるものとし、その組み合わせにより、相当数の型式が
可能である。
【0107】図43に示したソーラー河川名標識に於い
て、表示面の寸法を縦横概ね1200ミリメートル×2
400ミリメートル相当、表示文字の大きさを主表示文
字数が4文字以内の場合、平仮名と漢字は、ほぼ 45
0ミリ角の正体とし、主表示文字数が5文字、6文字と
増えた場合には、文字寸法を長体にして、1文字あたり
の文字幅を切り詰めるものとし、ローマ字は文字背高が
ほぼ225ミリメートルのものによるものとして、ルー
フ1面当たりの概略寸法を、水平方向1300ミリメー
トル、傾斜方向の巾330〜400ミリメートル程度と
すると、ルーフ1面当たりに装着可能な単結晶シリコン
製の太陽電池の最大定格容量は概ね50〜60ワット程
度となる。
【0108】
【表6】
【0109】表6は、図1(もしくは図42)の二つの
ルーフ面R1、R2にそれぞれ定格出力107ワットの
太陽電池S1、S2が装着されていると想定した場合の
1日当たりの太陽電池発電量を計算した結果であるが、
これをもとに前記組合せが可能な型式を設定すると、本
発明の実施例として例えば 表7、表8、表9、表10
に示したような型式仕様が得られる。
【0110】
【表7】
【0111】
【表8】
【0112】
【表9】
【0113】
【表10】
【0114】この型式コードについて説明すると、表示
型式は文字のレイアウトを示すもので、たとえば、4H
R4HRならば、第一面の表示は平仮名4文字とローマ
字で、第二面も平仮名4文字とローマ字で標識文字のレ
イアウトがなされている。又たとえば、5HR4KRな
らば、第一面の表示は平仮名5文字とローマ字で、第二
面の表示は、漢字4文字とローマ字で標識文字のレイア
ウトが形成されていることを示す。すなわちHは平仮名
を、Kは漢字表記を意味しているが、平仮名表記に於い
ても漢字の「川」は平仮名表記の文字数を減らす為に平
仮名の「かわ」に代用して混用出来るものとする。
【0115】発光型式は、どの面のどの文字部分を夜間
発光させるかを示すコードであり、2HRは平仮名表記
とローマ字表記を両表示面とも発光させ、2Hは平仮名
表記のみ両表示面とも発光させ、HRは平仮名表記とロ
ーマ字表記を片面のみ発光させ、Hは平仮名のみを片面
についてのみ発光させる。 HRKRは、第一面の平仮
名表記とローマ字表記及び第二面の漢字表記とローマ字
表記を全て発光させ、HKは第一面の平仮名表記と第二
面の漢字表記を発光させ、KRは漢字表記とローマ字表
記を片面についてのみ発光させ、Kは漢字表記のみを片
面についてのみ発光させる。
【0116】ルーフ型式はソーラールーフの型式であ
り、アルファベット部はソーラールーフの形状寸法の特
性を示しハイホン「−」に次ぐ数字は、装着する太陽電
池の容量を示すコードである。すなわちTMJは図42
に示した上記概略寸法のソーラールーフの形状寸法を示
し、ルーフ一面当たりそれぞれ;TMJ−1 には定格
容量22ワット相当の太陽電池が、TMJ−2 には定
格容量43ワット相当の太陽電池が、TMJ−3 には
定格容量48.5ワット相当の太陽電池が、TMJ−4
には定格容量53ワット相当の太陽電池が、装着され
ている。
【0117】総合型式はこれらの全てのコードを組み合
わせたもので、夜間点灯時間は、型式によって異なる
が、概ね8時間からフルタイム(日没から夜明け迄)の
設定が可能である。尚、夜間点灯時間を上記の範囲と異
なるものに設定すると同一の表示・発光型式に於いても
ルーフ型式との組合せは表5 〜 表8に示した処とは
異なってものがあるのは当然である。二次電池(バッテ
リー)の容量は、冬至の頃の無日照動作日数の設定と、
当然型式によって異なるが、ここでは冬至の頃の無日照
動作日数を概ね6日以上と設定して、二次電池容量をほ
ぼ次の範囲で設定することとする。 ルーフ型式が TMJ−1のもの;24A・HRS ルーフ型式が TMJ−2のもの;24〜48A・HR
S ルーフ型式が TMJ−3のもの;48A・HRS ルーフ型式が TMJ−4のもの;48A・HRS 尚、二次電池は一つ当たりの容量が、24A・HRSの
ものを整数個の組み合わせて設定している。この場合、
一つ当たりの二次電池容量の選択を変えたり、もっと種
類を増やしたりすると、又異なる値となる。又、これら
の計算(無日照動作日数と二次電池容量の関係の計算)
には、無日照日に於いても、(皆既日食でも無い限り)
空からの散乱光(散乱日射)は太陽電池の光起電力に寄
与しているものとして計算している。
【0118】図44は上記ソーラー河川名標識の型式に
示した実施例の中から総合型式に於いて; 4HR4HR−2HR*TMJ−4 の型式に相当するものを、概略寸法も入れて示したもの
で、解りやすいように支柱も入れてあるが、支柱の長さ
が左右異なるのは、堤防の傾斜面(法面)に、堤防の走
る方向とは直角に(表示面の法線方向が堤防の走る方向
と平行になるように)設置することを意図しているから
である。
【0119】以上は、図43に示したソーラー河川名標
識に於いて、形状寸法を前記のものに規定した場合に得
られる実施例の型式であるが、形状寸法を変えれば、又
異なる実施例の型式が得られる。例えば、表示面の寸法
を、縦横1500ミリメートル × 3000ミリメー
トルとし、主表示文字である平仮名と漢字の1文字あた
りの概略寸法を、表示面一面当たり4文字以内の場合6
00ミリメートル角相当の正体とし、文字数が5文字、
6文字と増えた場合には、文字寸法を長体にして、1文
字あたりの文字幅を切り詰めるものとし、ローマ字の文
字背高を300ミリメートル相当にして、ルーフ1面当
たりの概略寸法を、水平方向1600ミリメートル、傾
斜方向の巾430〜500ミリメートル程度とすると、
ルーフ1面当たりに装着可能な単結晶シリコン製の太陽
電池の最大定格容量は概ね70〜80ワット程度とな
る。
【0120】以上の新たな寸法設定にもとずいて新たに
得られる実施例の総合型式を、表11、表12、表1
3、表14に示した。
【0121】
【表11】
【0122】
【表12】
【0123】
【表13】
【0124】
【表14】
【0125】型式のコードが意味する処は、前回と同様
であるが、今度はルーフコードのアルファベット部は、
TMLとし、それぞれルーフ一面当たり;TML−1
のものには定格容量43ワット相当の太陽電池が、TM
L−2 のものには定格容量48.5ワット相当の太陽
電池が、TML−3 のものには定格容量54ワット相
当の太陽電池が、TML−4 のものには定格容量78
ワット相当の太陽電池が、装着されている。
【0126】夜間点灯時間は前回同様型式によってこと
なるが、概ね6時間から、12時間程度の設定が可能で
ある。尚、夜間点灯時間を前記の範囲と異なるものに設
定すると、同一の表示・発光型式に於いてもルーフ型式
との組合せは表11 〜 表14に示した処とは異なっ
てくるものがあるのは当然である。 必要な二次電池
容量は、同じ無日照動作日数を設定した場合、当然前回
のものに比して相当増えることとなり、ルーフ型式の同
じ対応番号に於いて、前回のもののほぼ1.5ないし2
倍程度となる。
【0127】図45に示した実施例は、図42に示した
形状特性のソーラールーフを有するソーラー道路標識
で、交差点や道路の分岐点(追分)の手前に於いて、ど
ちらがどの方面かをドライバーに示す方面案内標識(道
路標識の専門分類に於いて所謂「108系」と呼ばれて
いる処の分類に属するもの)である。
【0128】108系の道路案内標識の表示板の標準的
寸法や文字の大きさは道路行政による一応の基準が設定
されているようであるが、道路の幅員や規格(例えば国
道か県道か、高規格自動車専用道路か、一般道か等)に
よりさまざまである。ここでは代表的事例として、一般
国道に用いられている寸法基準を参考にして、 縦 × 横 2400m/m × 3000m/m 日本語文字寸法 300m/m □ と設定しておく。文字数や矢印の分岐の仕方等はこれこ
そ交差点によってさまざまであるが、典型的なものは、
日本語文字数にして、8〜10文字、多いもので14文
字程度である。 国道では、日本語に加えて、ローマ字
併記のものが一般的であるが、
【0129】とりあえず夜間発光させる表示部は日本語
文字のみとすると、ソーラールーフの型式としては、前
記せるTMJ系のものが使用可能であり、図45に示し
た本発明の実施例に於ける日本語文字数とソーラールー
フ型式の組合せは概ね表15のようになる;
【0130】
【表15】
【0131】夜間点灯時間はフルタイム(概ね日没から
夜明け迄)を前提にしている。
【0132】日本語表記に加えて、ローマ字表記も発光
させるとなると使用するソーラールーフの型式として
は、TML系のものが主体となり、ルーフ型式の選定は
日本語文字数とローマ字表記部の数や大きさ(文字長)
に依存してくるので複雑となるが、たとえばローマ字表
記の一つ当たりの平均的文字並び寸法を 縦 × 横 200m/m × 1000m/m として、一つの表示面にローマ字表記が3 〜 5箇所
程度入ってくるとして、日本語文字数とローマ字表記数
との組合せで図45に示した本発明の実施例に於けるソ
ーラールーフの型式を選ぶとすると、たとえば概略表1
6のような選定・組合せが可能である。
【0133】
【表16】
【0134】尚、夜間点灯時間は12時間ないしフルタ
イムを前提にしている。
【0135】図46ないし図50に示した本発明の実施
例は、高速道路等に設置する非常電話の所在を示すソー
ラー非常電話標識で、図面に向かって真ん中が正面図、
右側が側面図、左側は表示面に於ける夜間発光部を白抜
きで表す。発光面は両面で、表示部分の大きさは、ここ
では外周部の金物枠を除いた表示面全体の大きさを概
ね; 縦 × 横 900m/m × 600m/m と設定し、表示部は大きく分けて、電話マークのピクト
表示と「非常電話」という文字表示により構成されてい
る。夜間発光部の組合せとして、例えばピクト表示部の
みを光らす場合と、ピクト表示部と文字表示部の双方を
光らす組合せが有り得る。又、ピクト表示の光らせ方
も、たとえば、電話マークそのものを発光させる場合、
電話マークの縁どりを発光させる場合、図示はしないが
電話マークは発光させないで、その周辺地を光らせる場
合の選択があり、それに応じてELパネルの必要な発光
部を形成した上て、表示面上に形成された圧着シートの
切り抜き、あるいは切り貼りパターンとうまく組み合わ
せて使用するとよい。尚、電話マークは発光させないで
周辺地を発光させる場合には、電話のピクトマークは表
示面に圧着シートを切り貼りして形成するかわりに、E
Lパネルそのものの非発光部を電話のピークマークで形
成し、しかも非発光時に於ける発光部の地色とは異なる
色のもの(すなわち電話のピクトマークの昼間の表示
色)にしておいて、ELパネルそのものをピクト表示部
の表示形成体として見せる方法もある。文字表示部も発
光させる場合には透明な表示基板に文字を切り抜いた圧
着シートを貼った表示板を通じてEL発光パネルからの
光を外部に出すようにする。
【0136】図46ないし図50に示した非常電話標識
も、どの部分をどの様に発光させるかで、当然消費電
力、ひいてはソーラールーフに装着する太陽電池の容量
が異なってくるが、ソーラールーフの各ルーフ面の傾斜
角を各々15度と設定、夜間発光時間をいずれもフルタ
イムと設定した上で、
【0137】図46は、ピクト表示部のみが発光し、し
かも電話マークの縁どりのみが例えば約10ミリメート
ルの巾で発光する様にELの発光部をパターン化形成し
たもので、ソーラールーフに装着出来る太陽電池の定格
容量は、最大で、ルーフ片面当たり概ね12ワット程度
のものとしている。
【0138】図47は、ピクト表示部のみが発光し、し
かも電話マークのみが全体的に発光するようにELの発
光部をバターン化形成したものとで、ソーラールーフに
装着出来る太陽電池の定格容量は、最大で、ルーフ片面
あたり概ね24ワット程度のものとしている。
【0139】図48は、ピクト表示部と文字表示部の双
方が発光し、しかもピクト部は電話マークの縁どりのみ
が例えば約10ミリメートルの巾に渡って発光するよう
にELの発光部をパターン化形成したもので、ソーラー
ルーフに装着出来る太陽電池の定格容量は、最大で、ル
ーフ片面当たり概ね24ワット程度のものとしている。
【0140】図49と図50は、ピクト表示部と文字表
示部の双方が発光し、しかもピクト部は電話マークのみ
が全体的に発光するようにELの発光部をパターン化形
成したものとし、ソーラールーフに装着出来る太陽電池
の定格容量は、最大で、ルーフ片面当たり概ね18ワッ
ト程度のものとしている。
【0141】図51に示した本発明の実施例は、道路の
交差点付近の中央分離体や交通島に設置して地点名を表
示するソーラー主要地点名標識である。発光面は両面と
し、発光時間帯は日没後夜間12時間ないしフルタイム
とする。表示文字の大きさは、1文字当たり概ね200
ないし220ミリメートル角とし、標準的文字数は表示
面1面当たり3〜4文字とする。尚、1表示面当たりの
文字数が4文字を越える場合には、1文字当たりの高さ
方向の寸法を切り詰め、又場合によっては、表示面の縦
方向寸法を延ばす。収納躯体の粋囲部を除いた表示面の
巾寸法は、文字巾の約2倍とする。発光部は文字部のみ
とし、たとえばそれを囲む帯状の枠は発光しないものと
する。表示面は、文字部からELの発光が透過するよう
に透明な表示基板に文字部を切り抜いた圧着シートを貼
ったものを用いる。ソーラールーフのルーフ面傾斜角は
概ね15度とし、装着する太陽電池の定格容量はルーフ
面1面当たり概ね10〜12ワット程度のものとしてい
る。
【0142】以上の説明に於いて夜間の発光時間を例え
ば10時間とか12時間とか記載しているのは、夜間時
間(概ね日没から夜明けまで)がそれよりも長い場合の
季日を念頭に入れたものであって、夏季のごとく夜間時
間がそれに満たない季日に於いては、夜明けとともに消
灯してしまうものとする。このような設定は、発光時間
を規定するタイマーによる時間設定と環境照度を検出す
るセンサー出力との論理的組合せ(これは制御回路に於
ける論理回路の横成で可能)で容易に達成できる。尚、
環境照度を検出するセンサー出力に太陽電地の光起電力
を兼用出来ることは云うまでもない。
【0143】以上に示した実施例はいずれも夜間発光す
る標識分野のものであるが、次にソーラー電話ボックス
に関する実施例を図52、図53に示す。このような電
話ボックスは、電話の受送信電力、ボックス内外の夜間
照明電力、人体を検出するセンサーシステム、場合によ
っては換気扇の駆動電力全てを太陽電池による光起電力
で賄うもので、当然二次電池を内蔵している。又、主た
る負荷である電話の受送信電力には特にテレホンカード
を使用する場合も考慮して、料金徴収装置の駆動電力も
含めて考えるものとする。又、このような電話ボックス
に収納する電話は、有線電話ではなく、災害時の有用性
を考慮すると、例えばセルラー方式の無線電話システム
を収納したほうが賢明である。
【0144】このソーラー電話ボックスには、所在を示
すための、ELを発光体とする夜間発光式表示を設け、
又、内部にもELもしくは冷陰極管による内部照明を設
けるが、その消費電力は例えば電話番号を調べられる程
度にせいぜい2ワット以下とし、しかも利用者が内部に
居るときだけ点灯するように人体を検出するセンサーシ
ステムをもうける。これには例えば最も簡単なものでは
焦電センサーを用いてもよいし、あるいは、数秒毎に点
減するLEDやレーザーダイオードの光ビームを受光す
るシステムを用いて介在物(すなわち人体)を検出して
もよい。換気扇を設ける場合にはブラッシレスの直流フ
ァンを使用し、駆動は昼間だけとし、しかも、二次電池
が過充電状態にあるときのみ、充電回路と通信用の主負
荷への電力供給回路とは分岐した分岐回路に流れる太陽
電池の余剰光起電力により温度センサーを設けてある一
定温度以上の時に換気するようにする。又、災害時利用
者が殺到することを考慮し、そのような場合には、主た
る負荷以外の電力を節約出来る様に、換気扇や、表示及
び内部照明にはそれぞれ手動のスウイッチを設けておい
て、設置者がそれらの電源を手動で切れるようにしてお
く。
【0145】図52は垂直軸回りの180度の回転に対
して対称な二つのルーフ面により構成されるソーラール
ーフを有する非常電話ボックスである。傾斜角を15度
としてルーフ1面あたりの大きさを、概ね、水平長 1
300ミリメートル、傾斜方向長 700ミリメートル
前後とすると、このルーフ1面当たりに装着出来る単結
晶シリコン太陽電池の定格容量は、太陽電池モヂュール
の種類や組合せによっても異なるが、概ね100 〜
110ワット程度であるから、106ワットとして計算
すると、光起電力の摂取量が最も少ない冬至の頃に於い
ても一日当たり概ね、 340W・HRS程度の消費電
力を賄うことが可能である。このうち主たる負荷以外の
負荷で換気扇以外のものが1日あたりに消費する電力
は、せいぜい 50 〜 70W・HRS程度であるか
ら、冬至の日に於いても1日当たり、270 〜 29
0W・HRSの電力を主たる負荷に確保することが可能
である。尚、換気扇の電力は、主たる負荷の駆動に寄与
し得ない完全余剰電力によるものなので主たる負荷が係
わるシステムのエネルギー収支からは系外の要因として
除外することが出来るのである。
【0146】又、これにより、主たる負荷としてどの程
度の電話通信システムが利用できるのかは、本実施例の
構成範囲を外れた問題、すなわち、本実施例はあくまで
電話ボックスに関するもので、そこに収容される電話シ
ステムに関するものではないので、あまり具体的に触れ
ないことにしておくが、例えば、代表的セルーラーホン
の場合受信待機時と送信(交信)時とでは、消費電力が
全く異なるが、(勿論送信時の方が圧倒的に大きい)、
送信時の消費電力といえどもせいぜい10ワット以下で
あるので、例えば災害時に利用者が昼夜ひっきりなしに
かけたとしてもその電力を賄いうるものであることは容
易に理解できる。
【0147】図53に示した実施例のソーラー電話ボッ
クスは、ちょうどボックスの中心を貫く垂直軸回りの1
80度の回転に対して対称な4つのルーフ面から構成さ
れるソーラールーフを有するもので、このソーラールー
フは図4に示したソーラールーフ4と同様の特徴を有す
る。4つのルーフ面の最大傾斜角は皆等しくほぼ15度
程度であるとして、ルーフ面一つ当たりに入れることの
出来る長方形の最大寸法(各ルーフ面は平行四辺形をし
ている)を、ほぼ、 650m/m × 600m/m 程度と設定すると、ルーフ1面当たりに装着可能な単結
晶シリコン太陽電池の定格容量は概ね44ワット程度と
なり、これにより摂取可能な1日当たりの光起電力は、
賄い得る消費電力換算で、概ね、280W・HRS程度
となり、図48の実施例に示したものとほぼ同様の能力
が得られることがわかる。
【0148】以上のソーラー標識やソーラー電話ボック
スの実施例に於いては、いずれも冬季の季日(冬至)に
於ける設計発電量に占める直達日射の積算発電量の計算
は、南中時を中心とする前後2時間半ないし3時間を設
計時間帯(すなわち積算時間帯)に設定しており、しか
もこの設定値は、上記実施例のいずれに於いても、該季
日(冬至)に於いて、水平設置方位による違いが積算発
電量に発生しない範囲のものである。又、以上に示した
ような太陽電池工作物のシステムエネルギー収支(電力
バランス)は、冬季に於いて最も厳しくなるので、シス
テムの設計ひいては型式の決定は、殆ど、冬季の設計季
日(冬至)の設計発電量から導き出すことが出来るの
で、あえて他の設計季日を設ける必要もないが、設ける
とすれば、常識的には、春分、夏至、秋分を設計季日と
して加えることになろう。このような場合、夏至および
春秋分に於ける前記設計時間帯 Sとして、それぞれ概
ね次の範囲に入るものを設定すれば、該季日に於いても
水平設置方位に於ける依存性を概ね解消出来る(念の為
冬至に於ける値も記しておく)。 夏至: S= 〔−5:30 〜 5:30〕 春秋分: S= 〔−4:30 〜 4:30〕 冬至: S= 〔−3:00 〜 3:00〕
【0149】表17は、各季に於ける上記のごとき設計
時間帯の設定に基ずく太陽電池工作物の電力バランス設
計の具体例を、前記ソーラー河川名標識で 型式 5HR4KR−HRKR*TMJ−4 に相当するものについて示したものであるが、表7〜表
10もしくは表11〜表14に示したこれ以外の各型式
についても、各設計季日の設計時間帯および散乱日照条
件の設定は表17に示した処と同じである。
【0150】
【表17】
【0151】表18には、各季に於ける設計時間帯の設
定に基ずく太陽電池工作物の電力バランス設計の具体例
を、前記108系のソーラー道路案内標識で、 日本文
字数10文字、ローマ字表記部4囲い、ルーフ型式TM
L−4 のものについて示した。
【0152】
【表18】
【0153】表19、表20は各季に於ける設計時間帯
の設定に基ずく太陽電池工作物の電力バランス設計の具
体例を、前記ソーラー非常電話標識のうち図48に示し
たものについて示したものである。表19と表20とで
は、装着する太陽電池容量および負荷消費電力(発光輝
度)が異なる。
【0154】
【表19】
【0155】
【表20】
【0156】以上実施例に於いて、散乱日照条件は、太
陽電池の受光面が摂取出来る空からの輻射エネルギーの
割合で有り、全天から無障害水平面が摂取できる場合を
1もしくは100%としており、無障害水平面が全天か
ら摂取できるエネルギーの具体的値は前記の気象データ
マップから読み取った値(表1の「水平面散乱日射」の
値)を用いる。従って本発明の実施例に於いてソーラー
ルーフの受光面の平均的散乱日照条件が90%であると
すれば、このソーラールーの受光面が単位面積当たり空
から受光する輻射エネルギーは前記「水平面散乱日射」
の値の90%ということになる。従って、ソーラールー
フの受光面に装着されている太陽電池が発生する散乱日
射による設計発電量がこれにより容易に計算出来る。
【0157】実際の設置点に於ける直達日照条件や散乱
日照条件の測定・チェックは既に説明したように本発明
者の先願である:特願平 3−254614;「受光量
測定方法、日照条件測定方法および太陽エネルギー利用
システム」に記載の方法による。尚、この場合、散乱日
照条件は、各受光面について割り出す必要があるが、直
達日照条件は、設置点としての受光面が置かれる点につ
いて判ればよく、各受光面については、各面の法線方位
により、コンピュータによる計算過程で処理される。
【0158】尚、本発明の実施例に於いて設計発電量の
計算に示した直達日射発電量の値は、太陽の方位による
時々刻々のエアマス値による太陽光の減衰や、日照率に
よる割りがけは既に計算値に折り込んであるが、太陽電
池受光面の汚れや、受光面材料の透過率による減衰等の
影響は一切折り込んでいないが、これらによる影響や二
次電池の充電効率等を、システムの安全係数として、一
括割りがけて処理している。 尚、日照率の計算は、法
線面直達日射の気象データから求めている。すなわち法
線面(常時太陽の方を向いているひまわり面)が受光す
べき日の出から日没までの完全晴天日で日照率が100
%の場合の理想受光日射量をやはりコンピュータによる
計算で求め、その値でもって、気象データにある法線面
直達日射量を除した値に100をかけた値をもって日照
率(%)としている。
【0159】このように、実際の発電量を計算するに
は、ルーフ面の空間方位以外にも諸々の要因を計算に入
れなければならないが、全面日照時間帯に含まれる設計
時間帯に於ける直達日射発電量およびその積算値の求め
方には、以下に示すような簡明な方法がある。この方法
は、請求項1の受光面(ソーラールーフ)にも、或いは
請求項2の受光面(ソーラールーフ)の場合にも共通し
て使える方法である。すなわち、各受光面の傾斜角(ル
ーフベクトルが、垂直軸となす角度)を、 α1,α2,・・・・,αn とし、各受光面の太陽電池容量をそれぞれ C1,C2,・・・・,Cn とすると、水平面すなわち前記射影平面に C=C1・SIN(α1)+C2・SIN(α2) +
・・・・+Cn・SIN(αn) の太陽電池が装着されて居るものと見做して計算すれば
よい。設計時間帯に全面日照時間帯となる水平設置方位
が存在する請求項1のb)の場合には、この方法で求め
た設計時間帯に於ける積算発電量が、その設計時間帯に
於ける積算発電量の最小値を与えるものとなる。
【0160】 以上の実施例の説明により、請求項3、4、5、のいず
れかに含まれる太陽電池工作物の設計、製作、導入・設
置方法を明らかにした。具体例としては、ソーラー標識
とソーラー電話ボックスをあげたが、請求項6、7、8
は、主たる負荷がポンプもしくは/及び送風機であるよ
うな太陽電池工作物もしくは建造物で、本発明の作用、
効果が顕著であるものである。本発明の作用に基づく太
陽電池工作物・建造物の設計、製作、導入・設置方法
は、負荷や使用目的が異なっても前述の実施例で説明し
た方法がそのまま適用できる。すなわち、設定季日に於
ける負荷電力の大きさが判れば、設置条件を考慮した設
計条件(前記設計時間帯と散乱日照条件)を設定して、
あとは負荷電力を賄い得るようなソーラールーフの形状
及び太陽電池装着量を決定してやれば良い。あるいは、
ソーラールーフの形状、太陽電池装着量及び設計条件を
まず設定しておいて、それに見合う大きさの負荷動力を
有する仕様のものに決定すれば良い。従って、請求項
6、7、8の実施例では、設計仕様の設定方法は既に説
明済みであるので、システムの電力収支に関する説明は
必要最低限に止め、図面による説明に主体を置く。
【0161】図54は請求項6に関する実施例の一つ
で、ソーラー自動灌水式の「ソーラーフラワーボック
ス」である。すなわち貯水槽に浸設された水中ポンプも
しくは貯水槽から吸水出来る吸水ポンプを有し、太陽電
池により発生した光起電力を二次電池に蓄えた電力によ
り、前記ポンプを日没、もしくは夜明け、もしくはその
双方の時刻に事前に設定せる一定の時間だけ駆動してや
り、チューブ等の送水管を通じて植栽に灌水する。日没
もしくは夜明けの判断は、太陽電池の光起電力の検出に
よるか、あるいは光センサーを別付けで設け、その出力
検出による。灌水時間帯はタイマーで設定出来るように
し、又、灌水時を日没にするか夜明けにするか、あるい
はその双方にするかは選択スウィッチにより選択できる
ものとする。貯水槽の水源には透水性タイルによる舗装
とうまく組み合わせて雨水を集める様に工夫してもよい
し、あるいは上水管をひいて或る一定レヴェルの水位を
保つようにしても良いし、あるいは上水を給水ホースや
給水車で補給することにしてもよい。 このようなシス
テムの場合ポイントは、水中ポンプ(吸水ポンプ)の性
能と 一日当たりの灌水量、貯水槽の容量、ソーラール
ーフの形状特性と太陽電池の装着量である。
【0162】水中(吸水)ポンプは、システムを簡略化
する為には、直流ポンプがよいが、たとえば、直流ポン
プとしては、次のような性能のものが−般的に市販され
ている。 直流12V用水中ポンプ: 最大揚水高程 3.5M 最大吐出水量 50リットル/分 消費電力 84ワット 直流24V用水中ポンプ 最大揚水高程 5M 最大吐出水量 35リットル/分 消費電力 84ワット 従って例えば、揚水高程を3メートルとして、12V用
の水中ポンプを使用し、1分間当たりの吐出水量が8リ
ットルになるとすると、一日(合計)10分間点滴灌水
してやるとすると、1日当たりの灌水量は、ほぼ80リ
ットルとなり、直栽一鉢あたり2リットル/日換算の点
滴灌水を施すものとすると、この水中ポンプ一つで40
鉢分の直栽の灌水を賄うことが可能となる(但し配管内
容量を無視しているので、もし灌水後の配管内残留水の
逆流を防ぎたいならば、配管の根元に逆流防止弁を付け
ておくとよい)。この場合の1日当たりの消費電力はほ
ぼ14W・HRS/日であるから、ソーラールーフの受
光面の空間形状特性を図1もしくは図42に示すような
配置特性の、等しい傾斜角15度の2つの受光面により
形成されたものとし、春夏秋冬の季日に於ける設計条件
と、基準(10W/受光面の太陽電池換算)設計発電量
を表6のものとすると、1受光面当たりの太陽電池容量
は概ね4.5ワット程度、両受光面あわせても9ワット
程度のものとなる。このようなシステムの場合、1個の
水中ポンプで、ほぼ20本分の空中花壇ポールの灌水が
賄えるから、送水管を何段階かで分岐して、各空中花壇
に配水し、又太陽電池ルーフも、貯水槽に近接した空中
花壇ポールを選んで装着すれば良い。
【0163】このようなソーラー自動灌水システムは、
貯水槽の水を飲料用の上水にしてをけば、常時は植栽用
の灌水にあてながら、非常時には、緊急用の飲料水にあ
てることが可能であり、防災用貯水槽としても兼用でき
る。
【0164】図55、図56、図57は、請求項7記載
の「ソーラーフロート浄化システム」の実施例である。
このシステムは、有機物による水質の富養化による水質
汚染が激しい(すなわち生物学的酸素要求量であるBO
D値が高い)湖や池等おもに陸水の水質浄化を目的とし
たもので、水中に空中の酸素を曝気富化した水を戻して
やることにより水中もしくは水底の好気性菌の繁殖をた
すけ、有機物の分解処理を促進する為のものであるが、
このようなシステムに曝気用動力源もしくは/及び吸排
水用の循環用動力源を外部から燃料補給したりあるいは
外部から系統電源を敷設するのは困難であり又、不経済
でもあるので、本実施例に示すような太陽電池による独
立電源型のものが好ましい。しかるに、本実施例にある
ような浮体構造物の場合、浮遊方位を固定するのは困難
であり、本発明の実施例が効を奏する事例である。
【0165】例えば、湖や沼の場合を例に取ると富養化
物が沈殿して最も汚染がひどいのは水底部であり、湖水
を曝気する場合には、深水部に曝気せねば意味がない
が、これを直接曝気すると、相当な曝気圧が必要であ
り、使用できるエアーポンプの種類も少なく高価なもの
となり、何よりも消費電力(ワット)当たりの曝気量が
極端に少なくなる。
【0166】そこで、本発明では、図55に示したよう
に、水中ポンプ553により管555及び吐出口556
を通じて浮体上の曝気水槽551に水をくみ上げ、収納
ボックス554内に設置された曝気用ファンあるいはエ
アーポンプにより、曝気吐出管Wを通じて空気を吐出し
て浮体上で浅水位曝気し、曝気済の酸素富化した水を、
湖面水位と浮体上の水槽水位の差により、あるいはサイ
フォン効果により、水底まで延びた排水管チューブ55
7で水底にもどしてやる循環曝気方式を採用している。
なお、サイフォン効果を用いる場合には、水槽の水が無
くなった場合サイフォン効果が自動的に復帰しなくなる
ので、初動時に水槽に設けたもう一つの水中ポンプある
いは吸水ポンプにより、排水作用を支援するようにする
とよい。
【0167】図56に示した実施例は、水槽体561を
密閉式にして、加圧曝気するもので、エアーは、吸入管
566を通じて吸入され、曝気吐出管Wから加圧排出さ
れ、曝気済みの水は、曝気槽内の水位と自然水位の水位
差に加え、曝気圧(槽内圧)の作用により、排水管56
7を通じて深水部の水底に排出される。
【0168】図57に示した実施例は、浮体上には水槽
は設けず(従って571は単なる空洞の匡体容器)、エ
アー吸入管576から吸入されたエアーは、吸水管57
4から吸い上げられる水と吸水管内或いはボックス57
3内のミキサー吸水ポンプのポンプ槽内、もしくはメッ
シュボックス575内のミキサー水中ポンプ内で直接混
合され、吐出排水管577を通じて水と共に水底に排水
される。従ってこのような場合匡体容器571を浮体と
して兼用出来る場合には、浮体572は不用な場合もあ
る。
【0169】本システムでは、二次電池は設けてもよい
し、設けなくてもよい。但し、太陽電池で直接駆動する
と、太陽電池の出力(内部)インピーダンスが、受光強
度により大幅に変化しするので、直流機器を使用する場
合にも動力機(モーター)の仕様に注意せねばならな
い。例えば、ブラシレスモーターの様に一定の入力イン
ピーダンスを前提とした仕様の場合には、太陽電池の発
生電力を充分に効率よく消化出来ない場合もあり、この
ような場合には、二次電池をバッファーとして抱かした
方がよい場合がある。但し、二次電池が過充電の状態に
あり、太陽電池からの電力が余剰電力となる場合には、
太陽電池による発生電力を主に消化し、二次電池からの
電力は、不足分を補充する程度に消費するような電力分
配系にしておく必要がある。このような電力分配方式
は、負荷への電源ラインを二次電池と太陽電池に分岐し
て双方から供給される電力を時分割法により、時分割デ
ューティー比を可変にして電力分配を行うような制御系
を設けるとよい。
【0170】このような「ソーラーフロート浄化システ
ム」の典型的性能仕様を図55の場合を例に、次に示
す。 ルーフ形状:図4に示すソーラールーフで、各受光面の
最大傾斜角を等しく15度とする。ソーラールーフ全体
の水平射影面積を、ほぼ25平米とする。 太陽電池装着量:1受光面当たり、定格出力容量概ね6
00ワット、ソーラールーフ全体で2.4KW(キロワ
ット)とする。 揚水電力:1立米/時あたり25ワット 曝気電力:1立米/時あたり1.5ワット とし、循環水量(処理水量)1立米あたり5立米の空気
を曝気するものとし、曝気時間帯は昼間だけとし、す
る。そうすると、春夏秋冬に於ける1日当たりの平均的
曝量及び、水循環量は概ね次の表21のようになる:
尚、各季日に於ける設計条件は、表6に示す通りとす
る。
【0171】
【表21】
【0172】図58は、請求項8に記載のソーラートイ
レの実施例の一例を示す図である。ソーラールーフの形
状特性は、図1のものとし、 受光面の傾斜角は双方と
もに15度とし、各設計季日の設計条件と基準設計発電
量は表6の通りとする。本ソーラートイレは、水洗式簡
易トイレであるが、一応三次処理迄含めた単独処理方式
の浄化槽583を備え、流入水のBODを260PPM
として、 排水管U2に於ける排出水質のBOD基準は
20〜30PPM程度まで達成出来るものとする。処理
排水は中水槽584に集められ、587に収納されてい
る吸水ポンプで水洗水貯水槽581に揚水され、水洗管
U1を通じて人体感知センサーJと電磁弁q1の組合せ
自動操作により便器582に送られ循環使用するが、中
水槽584の水位が一定レヴェル以下となると、収納ボ
ックス585に収納されている制御系から、配線F5を
通じて浄水補給管U5の電磁弁q2が開き、上水が水洗
水貯水槽581に補給される。尚、水洗水への吸水・止
水は、水洗貯水槽に取りつけられた水位センサーからの
信号を配線F6を通じて収納ボックス585に収納され
ている制御系に伝えられ、収納ボックス587に収納さ
れている吸水ポンプもしくは/及び電磁弁U5を制御す
ることにより行われる。浄化方式は、好気性菌の活性汚
泥による微生物処理方式によるものとし、収納ボックス
586に収納されたエアーポンプにより曝気吐出管Wを
通じて接触曝気槽583に空気が供給される接触曝気処
理となる。従って、主たる負荷は、この曝気用の動力
と、水洗水の循環用動力であり、あとは付帯的なものと
して換気扇やトイレサインもふくめた夜間用照明があ
る。便器の数は、大小合わせて3つ程度とし、浄化槽に
かかる負荷は50人槽換算とする(要するに1日あたり
の平均的利用延べ人数がほぼ50人)。
【0173】そうすると、水洗水の使用量は、1日当た
りほぼ2.5立米、曝気量は曝気深度を1〜1.5メー
トルとしてほぼ7.2立米/時必要であり、水洗水の循
環(若しくは吸水)用電力として1日当たり約200W
・HRS、曝気用の電力として、(昼夜連続曝気)1日
当たりほぼ3.6KW・HRSの電力が必要であり、夜
間照明用等の付帯負荷電力をほぼ140〜200W・H
RS/日とすると、1日当たりの必要負荷電力は、ほぼ
4KW・HRS程度必要となる。従って、表6に照らし
合わせると、結局必要な太陽電池装着量は実効率を85
%とすると、1受光面当たり概ね625ワット相当のも
のとなり、全部で2.5キロワット相当の容量となる。
大きさとしては、単結晶シリコン製の太陽電池ならば全
部で約25平米となり、平面図に於いて約5メートル四
方のトイレということになる。
【0174】尚、図示はしていないが、トイレサインや
トイレ内の夜間照明は、ELや冷陰極管を使用し、しか
も内部照明は、利用者の有無を人体感知センサーJで自
動検知して、利用者が存在する時のみ点灯させるシステ
ムとする。又、曝気は夜間も連続的に行うものとしてい
るが、夜間は間欠曝気に切り替えても支障は無いであろ
う。又当然二次電池を備えたシステムとする。換気扇5
88もとりつけた方がよいが、換気扇用の電力は、二次
電池が過充電状態にあり、しかも太陽電池の光起電力が
主たる負荷に必要な電力を供給して余り有る時に於いて
のみその余剰電力をもってこれに充てるものとする。従
って、請求項5に記載のソーラー電話ボックスの換気扇
の場合と同様、換気扇588の電力は、システム全体の
電力バランスの埒外に置くことが出来る。
【0175】
【効果】本発明の第一義的な効果は、その作用から直接
的に導き出すことが出来る。本発明の作用およびその実
施例に於ける説明から明らかな通り、本発明による太陽
電池工作物・あるいは建造物は、設計時間帯に於ける積
算発電量が、その水平設置方位に依存しないか、あるい
は或る値を下回らない。従って、本発明による太陽電池
工作物は、その設置点直達日照条件が上記設計時間帯を
含むものであれば、水平設置方位を気にせずに任意の設
置方位を選ぶことが可能であり、その結果、従来の一般
的太陽電池工作物の様に、設置点・設置方位によって場
所毎に太陽電池面を所定方位(通常は真南)に向けてや
る必要が無く、ひいては、太陽電池工作物としてのイメ
ージの一体性が損なわれることがない。
【0176】このことは、躯体も含めて表示物としての
イメージの同一性が重要視される標識類には特にその効
果が顕著であり、なかんずく、河川名標識や108系の
道路案内標識の様に表示面が横に広くてかつ厚みが薄い
ものは、必要とする太陽電池パネルを従来のように必ず
真南に向けて設定傾斜角度(ほぼ45度)で装着するこ
とが、造作的に殆ど不可能であり、本発明による方法し
か太陽電池の装着方法は有り得ないと云っても過言では
ない。
【0177】このことは、標識に限らず、他の用途に於
いても共通した著しい効果と云える。例えば、図52、
53に示したソーラー電話ボックスの場合にも従来の用
に屋根の太陽電池パネルを真南45度に傾けて取りつけ
るとすると、その重大さが理解されるはずである。何よ
りも太陽電池パネルが立ち上がってくるため、ボックス
の高さが高くなり、風に対する安定性が悪くなるので、
構造的な面が全て変わってきて、基礎の設計も大きくせ
ざるを得ないであろう。それに公衆電話ボックスも、や
はりイメージとしての一体性が必要なものである。
【0178】又、図54に示したようなソーラー空中花
壇の場合にも、このような太陽電池工作物は、太陽電池
工作物である以前に設置・配置上の美しさが求められる
修景物であり、太陽電池の向きを優先させて考えるのは
主客転倒となり、従って、花を見せたい方向に太陽電池
が従ってくれる本発明に依る方法以外に有効な手だては
無いであろう。
【0179】図55から図57に示した「ソーラーフロ
ート浄化システム」の場合には、本発明の効果は、実施
例の説明の処で既に言及した通りである。すなわち、こ
のような浮遊物の場合錨等を四隅に取付けて係留しても
水深が深くなればなるほど水平回転方位を完全に固定す
るのは不可能であり、従って本発明によるものしか有効
な手だては有り得ない。
【0180】図58に示した「ソーラー水洗トイレ」の
場合も本発明の効果は顕著である。この場合、その効果
は、「ソーラー電話ボックス」の場合とほぼ同様のもの
であるが、更にそれの極端な場合と考えれば理解しやす
いであろう。すなわち、数キロワットもの太陽電池パネ
ルを、南方45度の一枚物の面に装着する屋根の設計に
するのは大変である。又、たとえば、広い公園内の場
合、公衆トイレは至るところにあるが、やはりイメージ
としての一体性が有るものとなっており、その点でも本
発明の効果は顕著である。もしその為に、ソーラールー
フを建物の屋根に一体化した物を設計・製作したとし
て、これを従来の様に屋根面が必ず南方を向くように建
造するとなると、歩道や広場等他の公園施設との関係、
利用者のアプローチ・導線をすべて無視することとな
り、東西南北の方位のみが優先されるまるで昔し昔の陰
陽道の復活である。
【0181】次に普及上の効果について言及する。本発
明による太陽電池工作物は、日照条件に係わる設置点依
存性から解放される為、その設計・製作・設置が極めて
容易となり、かつ個別設置点に依存しない蓋然性、一般
性のある設計・製作・導入が可能となるため、今まで事
実上困難であった分野に於ける太陽電池システムの普及
・促進に寄与する。この効果を具体的に説明すると、今
まで太陽電池システムの設計・設置は最終的には具体的
設置点の日照条件を調べなければ始まらなかった。しか
し本発明による太陽電池工作物は、そのようなことをし
なくても、直達日照条件として前記せる設計時間帯を設
定し、又、前記の散乱日照条件も何%と設計値として設
定してやればそれだけで、システムの設計・製作が可能
であり、いざ設置にあたっては、その日照条件が、設計
値の範囲をカバーしているかどうか調べてやればよい。
そのチェックは、日照条件等測定方法に係わる本発明者
の前記先願発明に記載の方法を用いればよい。その設計
上の効果はまさに前記実施例の説明で具体的に見た通り
であり、河川名標識の型式すなわちシステムの類型をか
くも容易にあれだけの種類を一挙にそろえられるのは本
発明の効果そのものである。 この効果は、何も河川名
標識に限定されるわけではなく108系の道路案内標識
にしても(実施例で示したのはもう少し粗っぽい分類で
あるが)同様の効果が発揮出来ることは明白である。
【0182】上記のような普及上の効果は何も標識類に
限ったことではなく、ソーラー電話ボックスにしても、
ソーラートイレにしても同様である。特にソーラートイ
レの場合には、従来の太陽電池取り付け方法では、数キ
ロワットもの容量になると、単に設置・建造現場、太陽
電池パネルをグルッと回して南方向けてという訳には行
かない。利用者の便と太陽電池の向きの双方に同時に応
える為には、従来の方法では結局場所毎にソーラートイ
レその物を個別設計・製作と云うこととなり、ソーラー
化による「簡易水洗トイレ」どころではなくなってしま
う。本発明では、設計は一通りで済み、公衆トイレをソ
ーラー化した簡易水洗トイレを普及させる為には本発明
による方法が一番よいであろう。
【0183】太陽電池工作物の普及には、それを導入す
る側すなわち施主の意図とそれを設計する側の意図がう
まくかみ合わなければならない。今までの太陽電池シス
テムは、どちらかというと出た処勝負で、施主にしてみ
れば、その意向を帯してどのような設計のものが上がっ
てくるのか上がってきてみないと分らないし、設計する
ほうでも、果たしてそれが施主の意に沿うものが出来る
かどうか、設計してみないと分らない。しかし本発明に
よる太陽電池の型式工作物では、そのようなことは殆ど
有り得ない。既にそこには施主と設計者を結ぶ共通言語
たる型式が用意され、施主の意向は型式コードに即座に
翻訳可能で、その結果どのような工作物になるか、答え
が用意されているわけで、又、設置点の直達日照条件と
ソーラールーフの散乱日照条件も、その適合条件が前記
説明の如く単純明瞭であり、かつその確認の方法論も本
発明者の前記先願発明による極めて単純明瞭で分り安い
方法が用意されているわけである。
【0184】本発明のこのような効果すなわち太陽電池
普及上の効果は、単に小規模な工作物に止まらない。例
えば、昨今法改正や行政上の振興策そして何よりも太陽
電池そのもののコスト低減効果が効を奏して、住宅の屋
根に太陽電池を装着して電力を得ることが可能となりつ
つあるが、この場合、屋根の形状は太陽光発電を意図し
た新築住宅でも無い限りあらかじめ決まっている。日本
の一戸建て住宅の屋根は、切妻状にしろ、寄せ棟状にし
ろ、最近のものは傾斜角が緩やかで、しかもそのある部
分を取れば、本発明のソーラールーフの条件を満たすも
のが多い。現状は、(準)南向きのルーフ面のみに太陽
電池を装着する方法が取られているようであるが、本発
明を用いれば、例えば回転対称性によって選ばれた傾斜
ルーフ面を選んで太陽電池を装着してやれば、建物すな
わち屋根面の方位に関係なく、ある一定量の発電量が得
られることがあらかじめ分るので、それを買う方も売期
待発電量の定量的評価がしやすくひいては普及に役立つ
であろう。
【0185】このような場合何も全てのルーフ面に等し
い容量の太陽電池を装着する必要は必ずしも無い。例え
ば、話を簡単にする為に、ルーフ面は2面の切妻状屋根
であるとし、A面の太陽電地の装着可能量とその発電量
が分っているものとして、B面にはA面よりも少ないい
くばくかの太陽電池を装着することにした場合、B面に
装着せる太陽電池容量をもって本発明に於ける装着量と
して計算し、それにA面の残りの太陽電池による発電量
を足してやれば、全体の発電量が計算できる。
【0186】以上により、本発明の効果は明らかであ
が、本発明の説明を終えるに当たり、本発明と先行事例
なかんずく本発明者自身の先行事例との関係について触
れておく。
【0187】単に回転対称なルーフ形状だけならばは、
本発明によらなくても純粋に意匠上の感覚的発想からも
考え出すことは可能であり、太陽電池に係わらない通常
の一戸建て住宅の屋根のほとんどはむしろそのような形
のものが多いし、又、太陽電池を装着したルーフであっ
ても、例えば、本発明者の先願である特願平 3−2
54614;「受光量測定方法、日照条件測定方法およ
び太陽エネルギー利用システム」に記載の方法を用い
て、その発電量を算出出来るので、本発明によらなくて
も、すなわち、直達日射に対して設置方位依存性が無い
ということを知らなくても、回転対称なルーフ形状を有
する太陽電池工作物を設計したり、製作・設置したりす
ることは、設置点の日照条件や設置方位を現地であらか
じめ調べておけば可能ではある。
【0188】実際、本発明者が基本設計(すなわちルー
フの基本形状寸法や、太陽電池の装着量・発電量、シス
テムのエネルギー収支バランスの計算)を行って設置さ
れた太陽電池工作物の中にもそのルーフ形状が回転対称
なものがある。典型的なものは、本発明者の先願 特願
平 6−163373;「ソーラーサイン」の中で図1
に示した淀川のソーラー河川名標識や、同じく当該先願
の実施例として図65、図66、図67、図68、図6
9に示した太陽電池工作物(ソーラーサイン)で、その
内、図65と図66に示したものは、その後実際のフィ
ールドに設置されている。又最も最近の事例としては、
やはり本発明者の基本設計による利根川のソーラー河川
名標識で、JR宇都宮線(東北本線)が利根川を渡る鉄
橋の埼玉県側に本年度になって設置されたものがあり、
これも15度の傾斜角を有する断面が切妻状の回転対称
なソーラールーフを有するものである。
【0189】しかし重要なことは、これらの先行事例で
は、本発明の技術的思想の内容が開示されてなく、又、
そこからそれを読み取ることは全く不可能であると云う
ことである。実際本発明者の基本設計によるこれらの先
行事例として実際のフィールドに設置されたものを見
て、あのような形状のソーラールーフでは、設置方位に
よって発電量が変わって来るであろうから、意匠上の美
観は別として、太陽電池システムとしては好ましくない
と忠告する人が殆どであり、又、本発明者自身も最初は
そう思っていて、設置方位でどの程度変わるものかシミ
ュレーション計算をして初めて本発明の作用を明確に理
解した次第である。従って、単に形としての先行事例を
見ただけでは、決して本発明には結びつかないし、又、
本発明の先行実施例とは云えないのであり、従ってこれ
らの先行事例が本発明の新規性を損なうものとはならな
い。
【0190】既に実施例の説明於いて言及した如く、本
発明による太陽電池工作物は、外形上は、何らの回転対
称を持たないようなもの(請求項1)でも、あるいは外
形上何らかの回転対称を有するもの(請求項2)でも、
外形上現れた回転対称性(これはせいぜい2回対称軸と
か3回対称軸といった整数値)以上のもっと高次の連続
回転対称性をその性能上獲得するわけで、云うなればこ
れは外形上は目には見えない「内部に隠された対称性」
であり、本発明の名称の由来もそこにある。
【0191】すなわち単なる外形上の対称性からは見え
てこない本発明の内部対称性に関する技術思想を、自然
法則に基ずくその作用とともに明確に認識して初めて、
個別設置点の特異性から解放された普及性のある太陽電
池工作物あるいは建造物の設計・供給、ひいてはその採
用・設置導入が可能となるのであり、本発明の請求項1
ないし請求項2のいずれかに記載の太陽電池工作物(−
−−その設計方法により設計・製作されるべきものであ
ること)、もしくは請求項3に記載の太陽電池工作物
(−−−かくしてその使用条件もしくは仕様条件に於い
て供給・採用・設置導入されるべきものであること)に
於いて、初めてそのようなことが可能となる。
【0192】そのような太陽電池工作物の内部対称性に
関する技術思想を、自然法則に基ずくその作用ととも
に、公開されることを前提に開示するのは本発明に於い
て初めてであり、そこに本発明の出願の意味、すなわち
新規性と進歩性があるといえる。
【0193】又、本発明の効果を、請求項2のものにつ
いて言及すると、その作用の性格上、如何なる回転数の
回転対称軸を有するものについて成り立つわけではある
が、発明の目的から云って、むやみに回転対称性をルー
フ数を増やして増やすことがその趣旨ではない。
【0194】むしろ、本発明の本来の作用・効果は、外
形上は回転対称性が低いものであるにも拘わらず、機能
上は、連続回転に対して対称な内部対称性を獲得する処
にあり、むやみにルーフ形状の回転対称性を上げれば、
自明とは云わないまでも、水平方位依存性が低下するこ
とは誰にでも予想がつくので、本発明の効果は薄らぐと
いえる。
【0195】極端な場合、回転対称性を増やした場合の
極限として、円錐形のソーラールーフを考えると(円錐
形のソーラーパネルがあればの話ではあるが)、本発明
と同様の効果は、自明なことである。もとより、このよ
うな場合を本発明の範囲に入れるべきではないが、円錐
形のルーフの場合には、比較に於いて、別の意味で面白
い問題を提起してくれるので言及しておく。
【0196】円錐形のルーフの場合には、ソーラールー
フ面全体に陽が当たっていなくても、任意の日照時間帯
に於いて、如何なる設置方位でも同一の積算値が得られ
ることは自明である。 本発明に於いて、垂直軸回りの
回転対称性をどんどん上げて行けば、いずれはこの円錐
形と同様の現象が現れるのか、あるいは、単に円錐形の
場合に収束して行くだけなのか? 残念ながら、今そ
の答えは用意していないが、これはむしろ純粋に数学上
の関心として本発明の主旨とは別の問題として扱うべき
ものであり、先程述べた様に、太陽電池工作物の内部対
称性を獲得する為にルーフ形状の回転対称性をどんどん
上昇させるのは、能の無いやり方、というよりも、本発
明によると(意匠・デザイン上の要請は別としても)必
要の無いものなのである。
【0197】従って、例えば、冬至に於いて設計時間帯
として、通常最低2時間程度を要請するとするならば、
本発明請求項2に於けるソーラールーフの回転軸の対称
性の効果の範囲は12回対称程度のもの以下に限定して
考えてもよいであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に於ける太陽電池受光面の構成
方法の一例を示す図面である。
【図2】本発明の実施例に於ける太陽電池受光面の構成
方法の一例を示す図面である。
【図3】本発明の実施例に於ける太陽電池受光面の構成
方法の一例を示す図面である。
【図4】本発明の実施例に於ける太陽電池受光面の構成
方法の一例を示す図面である。
【図5】図1の太陽電池受光面の単位法線方位ベクトル
の水平面上への射影ベクトル及び係数値ベクトルを図示
した図面である。
【図6】図2の太陽電池受光面の単位法線方位ベクトル
の水平面上への射影ベクトルを図示した図面である。
【図7】図2の太陽電池受光面の係数値ベクトルを図示
した図面である。
【図8】図1に示した太陽電地受光面の水平設置方位の
一例を示す図面である。
【図9】図1に示した太陽電地受光面の水平設置方位の
一例を示す図面である。
【図10】図1に示した太陽電池受光面の水平設置方位
の一例を示す図面である。
【図11】図3に示した太陽電地受光面の水平設置方位
の一例を示す図面である。
【図12】図3に示した太陽電池受光面の水平設置方位
の一例を示す図面である。
【図13】図3に示した太陽電池受光面の水平設置方位
の一例を示す図面である。
【図14】図1に示した15度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図15】図1に示した15度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図16】図1に示した15度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の時間推移を示す図面である。
【図17】図1に示した20度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図18】図1に示した20度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図19】図1に示した20度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の時間推移を示す図面である。
【図20】図1に示した30度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図21】図1に示した30度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図22】図1に示した30度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の時間推移を示す図面である。
【図23】図1に示した45度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図24】図1に示した45度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の時間推移を示す図面である。
【図25】図1に示した45度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の時間推移を示す図面である。
【図26】図1に示した15度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図27】図1に示した15度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図28】図1に示した15度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面であ
る。
【図29】図1に示した20度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図30】図1に示した20度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図31】図1に示した20度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面であ
る。
【図32】図1に示した30度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図33】図1に示した30度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図34】図1に示した30度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面であ
る。
【図35】図1に示した45度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図36】図1に示した45度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図9に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図37】図1に示した45度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図10に示す水平設置方位に置いて、
各々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起
電力の日の出からの梢算値の時間推移を示す図面であ
る。
【図38】図1に示した5度の等しい傾斜角を有する太
陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各々
10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電力
の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図39】図1に示した10度の等しい傾斜角を有する
太陽電池受光面を図8に示す水平設置方位に置いて、各
々10ワットの定格出力を有する場合に発生する光起電
力の日の出からの積算値の時間推移を示す図面である。
【図40】図1に示した受光面傾斜角が20度以下の等
しい傾斜角を有する太陽電池受光面を図8、図9、図1
0に示した水平設置方位に置いた場合に於いて発生する
光起電力の日の出からの積算値の時間推移を示す3つの
グラフを、南中時に於いて交叉するように平行移動して
重ねた場合の特徴を示す模式図である。
【図41】図1に示した受光面傾斜角が45度の等しい
傾斜角を有する太陽電池受光面を図8、図9、図10に
示した水平設置方位に置いた場合に於いて発生する光起
電力の日の出からの積算値の時間推移を示す3つのグラ
フを、南中時に於いて交叉するように平行移動して重ね
た場合の特徴を示す模式図である。
【図42】本発明の実施例に於ける太陽電池受光面の特
徴の一例を示す図面である。
【図43】本発明の実施例の一つであるソーラー河川名
標識の本体部の一例を示す図面である。
【図44】本発明の実施例の一つであるソーラー河川名
標識の姿図の一例を示す図面である。
【図45】本発明の実施例の一つである108系ソーラ
ー道路案内標識の一例を示す図面である。
【図46】本発明の実施例の一つであるソーラー非常電
話標識の一例を示す図面である。
【図47】本発明の実施例の一つであるソーラー非常電
話標識の一例を示す図面である。
【図48】本発明の実施例の一つであるソーラー非常電
話標識の一例を示す図面である。
【図49】本発明の実施例の一つであるソーラー非常電
話標識の一例を示す図面である。
【図50】本発明の実施例の一つであるソーラー非常電
話標識の一例を示す図面である。
【図51】本発明の実施例の一つであるソーラー主要地
点名標識の一例を示す図面である。
【図52】本発明の実施例の一つであるソーラー電話ボ
ックスの一例を示す図面である。
【図53】本発明の実施例の一つであるソーラー電話ボ
ックスの一例を示す図面である。
【図54】本発明の実施例の一つであるソーラー灌水シ
ステムの一例を示す図面である。
【図55】本発明の実施例の一つであるソーラーフロー
ト浄化システムの一を示す図面である。
【図56】本発明の実施例の一つであるソーラーフロー
ト浄化システムの一を示す図面である。
【図57】本発明の実施例の一つであるソーラーフロー
ト浄化システムの一を示す図面である。
【図58】本発明の実施例の一つであるソーラー水洗ト
イレの一例を示す図面である。
【符合の説明】
1 ソーラールーフ 2 ソーラールーフ 3 ソーラールーフ 4 ソーラールーフ 42 ソーラールーフ 46 ソーラールーフ 47 ソーラールーフ 48 ソーラールーフ 49 ソーラールーフ 50 ソーラールーフ 51 ソーラールーフ 52 ソーラールーフ 53 ソーラールーフ 58 ソーラートイレ 401 直達日照発電量の積算曲線 402 直達日照発電量の積算曲線 403 直達日照発電量の積算曲線 411 直達日照発電量の積算曲線 412 直達日照発電量の積算曲線 413 直達日照発電量の積算曲線 430 標識ボックス 431 表示面 432 日本文字表記部 433 ローマ字表記部 434 表示枠 441 支柱 442 支柱 450 標識ボックス 451 表示面 452 支柱 460 標識ボックス 461 表示面(昼間の表示形式) 462 夜間の発光表示形式 470 標識ボックス 471 表示面(昼間の表示形式) 472 夜間の発光表示形式 480 標識ボックス 481 表示面(昼間の表示形式) 482 夜間の発光表示形式 490 標識ボックス 491 表示面(昼間の表示形式) 492 夜間の発光表示形式 500 標識ボックス 501 表示面(昼間の表示形式) 502 夜間の発光表示形式 510 標識ボックス 511 表示面 512 表示枠 514 支柱 520 ソーラー電話ボックス 521 電話マーク表示 522 換気扇 523 照明 524 電話機 525 二次電池・制御機器収納ボックス 530 ソーラー電話ボックス 531 電話マーク表示 532 換気扇 533 扉 541 配水管・配電管を兼ねた支柱 542 植栽鉢(フラワーボックス) 543 注水口 545 二次電池・システム制御機器収納部である支
柱部 546 貯水槽 548 水中ポンプ収納ボックス 551 ソーラールーフを兼ねた匡体容器である水槽 552 浮体 553 水中ポンプ収納ボックス 554 制御機器・エアーポンプ・二次電池等収納ボ
ックス 555 配水管 556 吐水口 557 配水管もしくは配水チュープ 558 空気吸入管口 559 空気取り入れ開口部 561 ソーラールーフを兼ねた匡体容器である密閉
水槽 562 浮体 563 制御機器・エアーポンプ・二次電池等収納ボ
ックス 564 配水管 565 水中ポンプ収納用メッシュ開口ボックス 566 空気吸入管 567 配水管もしくは配水チュープ 571 ソーラールーフを兼ねた匡体容器 572 浮体 573 制御機器・吸水エアーミキサーポンプ・二次
電池等収納ボックス 574 配水(吸水)管 575 メッシュ開口ボックス(ゴミよけ) 576 空気吸入管 577 吐出管もしくは吐出チュープ 581 水洗水貯水槽 582 便器 583 浄化槽 584 処理排水(中水)貯水槽 585 制御機器・二次電池収納ボックス 586 エアーポンプ収納ボックス 587 吸・揚水ポンプ収納ボックス 588 換気扇 Z 垂直軸 R1 ルーフ面もしくは受光面 R2 ルーフ面もしくは受光面 R3 ルーフ面もしくは受光面 R4 ルーフ面もしくは受光面 S1 太陽電池もしくは太陽電池受光面 S2 太陽電池もしくは太陽電池受光面 V1 受光面の単位法線方位ベクトル V2 受光面の単位法線方位ベクトル V3 受光面の単位法線方位ベクトル V4 受光面の単位法線方位ベクトル α1 受光面の単位法線方位ベクトルが垂直軸と成す
角度 α2 受光面の単位法線方位ベクトルが垂直軸と成す
角度 α3 受光面の単位法線方位ベクトルが垂直軸と成す
角度 α4 受光面の単位法線方位ベクトルが垂直軸と成す
角度 X 水平面に於けるX軸方位 Y 水平面に於けるY軸方位 V1h 単位法線方位ベクトルV1の水平射影ベクト
ル V2h 単位法線方位ベクトルV2の水平射影ベクト
ル V3h 単位法線方位ベクトルV3の水平射影ベクト
ル L n=2の場合に於いてベクトルa、bの張る1
次元部分空間 l ベクトルεの存在する線分 ε 係数値ベクトル ε1 3次元係数値空間に於ける一つの座標軸 ε2 3次元係数値空間に於ける一つの座標軸 ε3 3次元係数値空間に於ける一つの座標軸 a ベクトル π ベクトルaの2次元直交補空間(平面) l1 平面πとε1−ε2平面の交わり l2 平面πとε2−ε3平面の交わり ▲ 南中時 △ 南中時 D1 給水口 D2 給水管 F 配電管 F1 ソーラー配電線 F2 電磁弁・センサー配電線 F3 換気扇配電線 F5 電磁弁配電線 F6 水位検出線 U 配水管(チュープ) U1 水洗水配水管 U2 浄化槽処理済排水配水管 U3 吸水管 U4 揚水管 U5 上水管 W 曝気吐出管 J 人体感知センサー q1 電磁便 q2 電磁便 (A) 正面図 (B) 側面図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各受光面の単位法線ベクトルの水平面上
    への射影ベクトルの位置関係が、原点を通る任意の直線
    で該射影水平面を二つの半平面に分割したとき、前記射
    影ベクトルのいずれかのものが必ず双方の半平面上若し
    くは原点を隔てて該直線上に存在するように構成された
    太陽電池の受光面の空間的位置関系と、各受光面の単位
    法線方位ベクトルに太陽電池の定格出力の容量比を係数
    として掛けたベクトルを合成して得られるベクトルが、
    垂直軸と重なるような容量比に於いて形成された太陽電
    池受光面を有し、適当なる季日あるいは歴日もしくは歴
    日期を設計季日として設定の上、各設計季日に於ける直
    達日射発電量の計算値と散乱日射発電量の計算値を合わ
    せたものを該設計季日に於ける設計発電量となし、該設
    計発電量に占める直達日射発電量は、 a)水平設置方位の如何を問わず、前記受光面の全ての
    面に同時に直達日射が当たるような全面日照時間帯に含
    まれる時間帯、もしくは b)いずれかの水平設置方位に於いて、前記受光面の全
    ての面に同時に直達日射が当たるような全面日照時間帯
    に含まれる時間帯、 をそれぞれの設計季日に於ける設計時間帯として設定
    し、直達日射による発電量の該設計時間帯に於ける積分
    値もしくは積算計算値をもって該設計発電量に占める直
    達日射発電量の設計計算値とするか、若しくは、前記全
    面日照時間帯に含まれる時間帯を設計時間帯として設定
    し得ぬ場合には、 c)設計時間帯を全面日照時間帯と仮定して計算して得
    られる直達日射による発電量の該設計時間帯に於ける積
    分値あるいは積算値、もしくは、 d)直達日射による発電量の設計時間帯に於ける積分値
    もしくは積算計算値が前記受光面の水平設置方位に於い
    て最小となる値をもって設計発電量に占める直達日射発
    電量の設計計算値としたものであることを特徴とする太
    陽電池工作物もしくは建造物。
  2. 【請求項2】 垂直軸回りの180度以下の回転に対し
    て互いに対称な関係にある異なる傾斜面もしくはその一
    部により形成される受光面、もしくはその一部を平行移
    動して得られる受光面は、ほぼ等しい定格出力の光起電
    力を有する太陽電池もしくは太陽電池配列の受光面によ
    り形成されたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の太陽電池工作物もしくは建造物。
  3. 【請求項3】 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、
    その設置地点もしくは稼働地点の設置もしくは稼働条件
    を使用上あるいは仕様上示すにあたり、直達日照条件に
    あっては前記設計季日に於ける前記設置地点もしくは稼
    働地点に於ける前記設計時間帯を、散乱日照条件にあっ
    ては無障害水平面が摂取出来る空からの散乱光の摂取量
    に対する前記受光面が該地点に於いて空から摂取出来る
    散乱光の摂取量の割合を表す値をもって示したものであ
    ることを特徴とする請求項1もしくは請求項2のいずれ
    かに記載の太陽電池工作物もしくは建造物。
  4. 【請求項4】 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、
    前記受光面を形成する太陽電地もしくは太陽電池配列を
    装着したソーラールーフと、太陽電池により発生する昼
    間の光起電力を蓄電する為の二次電池と、各種表示を施
    した表示板と、EL(エレクトロルミネッセンス)発光
    板もしくはLED(発光ダイオード)もしくは冷陰極管
    もしくはそれらの発光体を任意に組み合わせた光源と、
    前記光源を点灯させる為の点灯器と、太陽電池により発
    生する光起電力の二次電池への充電を制御する充電制御
    器と、二次電池の過放電を防止する為の過放電防止機構
    と、夜間に於いて前記光源を点灯させる電力を二次電池
    から供給・制御する為の放電制御器を有し、昼間の光起
    電力を二次電池に蓄えた電力で、夜間に於いて前記光源
    を点灯させることにより、前記表示に夜間視認性を付与
    することを目的としたソーラー標識物であることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池工
    作物もしくは建造物。
  5. 【請求項5】 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、
    電話機を収納し、内部に於いて通話する為の電話ボック
    スの屋根部に前記受光面を形成する太陽電池もしくは太
    陽電池配列を装着し、光起電力を蓄電する為の二次電池
    と、太陽電池から二次電池への充電を制御する充電制御
    器と二次電池の過放電を防止する為の過放電防止機構
    と、内部の空気を換気する為の換気扇と、前記光源によ
    り夜間発光する電話マーク表示と、通話利用者の為の手
    元明かりとなる前記光源による手元照明を有し、それら
    の消費電力のうち少なくとも電話マーク表示と前記手元
    照明の光源用電力は前記光起電力を二次電池に蓄えた電
    力により賄い、前記換気扇の電力は前記二次電池が過充
    電状態にある時に於いてのみ前記太陽電池による余剰光
    起電力をもって賄う電力制御機構を備えたソーラー電話
    ボックスであることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の太陽電池工作物もしくは建造物。
  6. 【請求項6】 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、
    前記受光面を形成する太陽電池もしくは太陽電池配列を
    装着したソーラールーフと、水源の水を吸水する為の水
    中ポンプもしくは吸水ポンプと、前記水中ポンプもしく
    は吸水ポンプにより吸水した水を灌水する為の配水管及
    び/もしくは配水チュープと、前記太陽電池もしくは太
    陽電池配列により得られる光起電力を蓄える二次電池を
    収納する収納部と、太陽電池から二次電池への電力の充
    電を制御する充電制御器と、二次電池の過放電を防止す
    る為の過放電防止機構と、太陽電池の光電力を検出し
    て、日没もしくは夜明け、もしくは日没と夜明けに、あ
    らかじめ設定せる一定時間、前記水中ポンプに二次電地
    から電力を供給して、前記水源の水を灌水するソーラー
    自動灌水システムを備えたものであることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池工作物も
    しくは建造物。
  7. 【請求項7】 前記太陽電池工作物は、水面に浮上せる
    浮標もしくは浮漂物もしくは浮設物等の浮体を前記受光
    面を形成する太陽電池もしくは太陽電池配列を装着した
    ソーラールーフで蔽蓋し、浮体に取付けられた水中ポン
    プもしくは吸水ポンプにより汲み上げた水に、浮体上で
    曝気もしくは空気を混合したうえで、排水管もしくは排
    水チュューブを通じて水中に戻す水質浄化工程を有し、
    前記水中から水を汲み上げ還流させる吸排水用電力と空
    気の曝気もしくは混合の為の動力用電力を前記蔽蓋用ソ
    ーラールーフに装着された太陽電池による光起電力によ
    り賄うソーラー曝気水質浄化システムを備えたものであ
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の太陽電池工作物。
  8. 【請求項8】 前記太陽電池工作物もしくは建造物は、
    前記受光面を形成する太陽電池もしくは太陽電池配列を
    装着せるソーラールーフを屋根面に持ち、太陽電池もし
    くは太陽電池配列によって得られる光起電力もしくは該
    光起電力を二次電池に蓄電して得られる電力により、浄
    化槽の曝気用電力及び水洗用水の循環用動力の電力及び
    その他の夜間照明、夜間内照式トイレ表示、換気扇等の
    付帯電力を賄うソーラートイレであることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池工作物も
    しくは建造物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016010181A (ja) * 2014-06-21 2016-01-18 Gテクノ株式会社 太陽光発電装置
DE112020004447T5 (de) 2019-09-18 2022-09-22 Clean Energy Factory Co. , Ltd. Solarmodul
DE112020004421T5 (de) 2019-09-18 2022-09-29 Clean Energy Factory Co. , Ltd. Überwachungs-/steuerungssystem für eine photovoltaische erzeugungsstätte
DE112020004445T5 (de) 2019-09-18 2022-09-29 Clean Energy Factory Co. , Ltd. Bauverfahren für eine photovoltaische erzeugungsstätte

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