JPH0917626A - シリコーンオイルベースの磁性流体およびその製法 - Google Patents

シリコーンオイルベースの磁性流体およびその製法

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JPH0917626A
JPH0917626A JP7167746A JP16774695A JPH0917626A JP H0917626 A JPH0917626 A JP H0917626A JP 7167746 A JP7167746 A JP 7167746A JP 16774695 A JP16774695 A JP 16774695A JP H0917626 A JPH0917626 A JP H0917626A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリコーンオイルと界面活性剤と磁性金属酸
化物粒子とを含有するシリコーンオイルベースの磁性流
体であり、磁性金属酸化物粒子を分散する懸濁液にアル
カリ剤を添加することによりアルカリ性懸濁液を得、こ
のアルカリ性懸濁液に界面活性剤を添加し、その後に得
られる懸濁液のpHを2以下に調製し、得られる酸性懸
濁液を乾燥し、得られる乾燥物とシリコーンオイルとを
混合することにより製造可能。 【効果】 特に、温度変化による粘度変化が小さく、し
かも電気絶縁性および分散安定性の良好な磁性流体が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はシリコーンオイル
ベースの磁性流体およびその製法に関し、さらに詳しく
は、分散性、流動性および耐久性に優れ、しかも常温か
ら広い範囲の温度領域で好適に使用されることのできる
シリコーンオイルベースの磁性流体およびその製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】磁性流体は、粒径がおよそ10nm程度
の非常に微細な強磁性体の粒子を溶媒たとえば有機溶媒
中あるいは水中に安定した状態で分散させてなる。磁性
流体は、重力場や通常の遠心場あるいは磁場の中で粒子
の凝集沈降が起こらないので、強磁性を有する液体のよ
うに振る舞う。この性質は他の材料に類がなく、例え
ば、磁束の集中部分に磁性流体を置くことによって得ら
れるシーリング作用、磁場勾配下に置かれた磁性流体中
の非磁性物質に働く磁気的浮力を利用した比重選別、あ
るいは磁性を利用した記憶材料、プリンター用の磁性イ
ンク、廃油処理、種々のデバイスなど新しい応用の試み
が提案されており、応用性が広く期待されている材料で
ある。
【0003】このような強磁性体の製法については、例
えば特公昭53−17118号公報には、「湿式法によ
る強磁性酸化物微粉末を用い、その水懸濁液に不飽和脂
肪酸の塩基性塩を該懸濁液中の微粉末に上記脂肪酸イオ
ンの少なくとも単分子吸着層を完結せしめるに必要な量
を添加して、該脂肪酸イオンを上記懸濁液中の微粉末表
面に単分子以上吸着せしめ、その後、酸を添加してpH
7〜5の酸性水溶液となして懸濁質を凝集させ、この凝
集物を濾過、洗浄、脱水して油類の中に分散させること
を特徴とする磁性流体の製造方法」が記載されている。
この製造方法は、油ベースの磁性流体の製造方法である
と理解される。
【0004】ここで、油類と総称されている磁性流体の
分散媒は、石油生成物であるパラフィンなどの炭化水素
やその水素化物、あるいは合成された炭化水素やエステ
ル類、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、ハロカ
ーボン類、クロロフルオルカーボンなど、多様な油類を
含んでいるが、これら油類のすべてに対して磁性粒子が
良好な分散性を示すものではない。
【0005】分散媒は磁性流体に要求される特性に従っ
て選択される。たとえば磁性流体は流動性を有する磁性
材料であり、用途の多くはこの特徴を利用しているので
あるが、流動性を支配する磁性流体の粘性は、まず第一
に分散媒として用いた油類の粘性に左右される。そして
この油類の粘性は温度によって変化する。また、油類の
蒸発も流動性を損なう要因である。流動性を利用する用
途においては、磁性流体を構成する組成において、まず
分散媒は粘性が低く、蒸発しにくい油類でなくてはなら
ない。そして、その磁性流体が広い温度範囲に渡って安
定に作動するためには、油類自身の耐熱性や耐寒性と共
に、温度による粘性の変化ができるだけ少ないことが望
ましい。この特性は粘度指数として示されるが、シリコ
ーンオイル(有機シリコーン)は多くが低粘性で蒸発し
にくく、耐熱性や耐寒性も高い上に、粘度指数がもっと
も良好な油類として知られ、温度変化に伴う粘性の変化
が少ない。また磁性流体を医薬、化粧品などに用いる場
合、分散媒は生理学的に安全でなくてはならないが、シ
リコーンオイルの多くは生理学的に不活性であることが
知られている。ところがこのシリコーンオイルは、磁性
粒子の分散が容易に分散しない油類の一つであった。
【0006】特開昭63−175401号公報には、
「分散媒中に、界面活性剤を吸着させた強磁性体微粒子
を分散させてなる磁性流体において、分散媒が特定のシ
ロキサン化合物であり、界面活性剤は、一般式R−X
(ただし、Rは炭化水素基、Xはカルボキシル基、スル
ホン基等の極性基)で示される炭化水素化合物である第
1の界面活性剤および、特定のシロキサン化合物である
第2の界面活性剤からなることを特徴とする低温用磁性
流体」が記載されている。
【0007】特公昭54−40069号公報には、「湿
式法による強磁性酸化物微粉末の水懸濁液に、オレイン
酸の塩基性塩あるいはリノール酸の塩基性塩を該懸濁液
中の微粉末にオレイン酸イオンあるいはリノール酸イオ
ンの少なくとも単分子吸着層を完結せしめるに必要な量
添加して上記懸濁液中の微粉末表面にオレイン酸イオン
あるいはリノール酸イオンを単分子以上吸着せしめたの
ち、該液がPH7未満の酸性溶液となるように調整した
後濾過して粉末粒子を得、該粉末粒子を水あるいは他の
極性溶媒を用いて洗浄した後水中におき炭化水素鎖の炭
素数が9以上の陰イオン型あるいは非イオン型界面活性
剤を加えて懸濁液となすことを特徴とする水を分散媒と
した磁性流体の製造法」が記載されている。この製造方
法は、水ベース磁性流体の製法であると理解される。
【0008】特開平4−108898号公報には、「シ
リコンオイルを主成分とする分散媒と、強磁性体微粒子
と、該強磁性微粒子を前記分散媒中に分散してなる磁性
流体組成物において、前記強磁性体微粒子表面の官能基
と反応し、このときの反応生成物を介して当該強磁性体
微粒子表面に直接化学結合する官能基を備えたカップリ
ング剤と、当該カップリング剤の他の官能基と直接化学
結合する官能基を備えた反応性シリコンオイルとを介し
て前記強磁性体微粒子を前記分散媒に分散させることを
特徴とする磁性流体組成物」が記載されている。
【0009】類似の組成物は特開昭63−213326
号公報においても提案されている。しかしこれらの組成
物は分散質である磁性粒子に対して二種の吸着剤を用い
て、2層の吸着層とを設けなくてはならないので組成や
製法が複雑であり、吸着層が厚くなることによって粘性
が高くなり、低粘性であるシリコーンオイルの特徴が生
かせていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、分
散性、流動性および耐久性に優れ、しかも常温から広い
範囲の温度領域で好適に使用され、かつ粘度指数の低い
シリコーンオイルベースの磁性流体を提供すること、お
よびこのように優れたシリコーンオイルベースの磁性流
体の簡単な製法を提供することにある。
【0011】さらにこの発明の目的は、低蒸気圧で、か
つ無毒性で安全なシリコーンオイルベースの磁性流体お
よびその製法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本願請求項1に記載の発明は、シリコーンオイルとカ
ルボキシル基含有アニオン系界面活性剤と磁性金属酸化
物粒子および/または磁性金属粒子とを含有することを
特徴とするシリコーンオイルベースの磁性流体であり、
請求項2に記載の発明は、前記カルボン酸基含有アニオ
ン系界面活性剤が、エーテル結合を介してアルキル基を
結合するポリオキシアルキレン基の末端に、炭素数が1
〜7であるアルキレン基を介してカルボキシル基をを有
する化合物である前記請求項1に記載のシリコーンオイ
ルベースの磁性流体であり、請求項3に記載の発明は、
磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子を分散
する懸濁液にアルカリ剤を添加することによりアルカリ
性懸濁液を得、このアルカリ性懸濁液にカルボキシル基
含有界面活性剤を添加し、その後に得られる懸濁液のp
Hを2以下に調製し、得られる酸性懸濁液を乾燥し、得
られる乾燥物とシリコーンオイルとを混合することを特
徴とするシリコーンオイルベースの磁性流体の製法であ
り、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の乾
燥物にアルコール類を添加し、生成する黒色ゲル状物と
シリコーンオイルとを混合し、加熱することを特徴とす
るシリコーンオイルベースの磁性流体の製法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明のシリコーンオイ
ルベースの磁性流体およびその製法について詳細に説明
する。
【0014】〈シリコーンオイルベースの磁性流体〉こ
の発明のシリコーンオイルベースの磁性流体は、シリコ
ーンオイルと界面活性剤と磁性金属酸化物粒子および/
または磁性金属粒子とを含有する。
【0015】−シリコーンオイル− この発明におけるシリコーンオイルは、分散媒となるベ
ースオイルであり、常温で液体である限り特に制限がな
い。この発明において好適なシリコーンオイルとして
は、耐寒性、低揮発性および化学的安定性が優れている
という点において、以下の一般式(化1)で示されるシ
リコーン化合物が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】(ただし、R1 、R2 、R3 、およびR4
それぞれは、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳
香族炭化水素基を示す。R1 、R2 、R3 、およびR4
は互いに同一であっても相違していても良い。) この発明に使用されるシリコーンオイルとしては、例え
ば、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェン
ポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンオイル、α
−メチルスチレン変性シリコーンオイル、アルキル変性
シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、
アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコ
ーンオイル、塩素化あるいはフッ素化してなるハロシリ
コーンなどを挙げることができる。これらの中でも好ま
しいのは、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサ
ン、ペンタフェニルトリメチルトリシロキサン等のメチ
ルフェニルポリシロキサンなどを挙げることができる。
【0018】この発明に使用される、シリコーンオイル
はその25℃における粘度が10〜1,000cStで
あるのが好ましい。また、シリコーンオイルはその比重
が0.94〜1.11の範囲内にあるものが好ましい。
このようなメチルフェニルポリシロキサンは、粘性も低
くて生理学的にも安全である。例えば信越化学工業株式
会社より「KF−50」(商品名)、「KF−53」
(商品名)、「KF−54」(商品名)、「KF−5
6」(商品名)として入手可能である。
【0019】−界面活性剤− この発明に使用される界面活性剤は、カルボキシル基含
有アニオン系界面活性剤であり、カルボキシル基を分子
中に有する界面活性剤であれば特に制限がなく、たとえ
ば、たとえばカルボキシル基を含有する陰イオン界面活
性剤、カルボキシル基を含有する両性界面活性剤を挙げ
ることができる。
【0020】カルボキシル基含有アニオン系界面活性剤
としては、カルボン酸もしくはその塩、アルキル乳酸
塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン
酸もしくはその塩を挙げることができる。さらにこれら
の中でもアルキルエーテルカルボン酸もしくはその塩が
好ましく、その中でも取り分け、エーテル結合を介して
アルキル基を結合するポリオキシアルキレン基の末端
に、炭素数が1〜7であるアルキレン基を介してカルボ
キシル基を有する化合物が好ましく、特にエーテル結合
を介してアルキル基を結合するポリオキシアルキレン基
の末端に、炭素数が1〜3であるアルキレン基を介して
カルボキシル基を有する化合物が好ましい。このエーテ
ル結合を介してアルキル基を結合するポリオキシアルキ
レン基の末端に、炭素数が1〜7であるアルキレン基を
介してカルボキシル基を有する化合物は、以下の式(化
1)で示すことができる。
【0021】
【化1】
【0022】R1 −O−(CH2 CHR2 −O−)n
(CH2m −COOX (ただし、R1 はアルキル基、好ましくは炭素数が5〜
30であるアルキル基、さらに好ましくは炭素数が10
〜24であるアルキル基であり、R2 は水素原子または
メチル基であり、nは整数であり、好ましくは1〜30
の整数であり、さらに好ましくは2〜10の整数であ
り、mは炭素数が1〜7であるアルキル基であり、好ま
しくは1〜3であるアルキル基であり、さらに好ましく
は1であり、Xは水素原子またはNa、K等のアルカリ
金属または−NH3 である。) この発明におけるカルボキシル基含有界面活性剤は、通
常、水溶液として使用される。水溶液としてカルボキシ
ル基含有界面活性剤が使用されるときには、シリコーン
オイルに対して十分な溶解性が望まれる。シリコーンオ
イルがメチルフェニルポリシロキサンであるときには、
カルボキシ基含有界面活性剤としては高い溶解性を示す
ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸のナトリウ
ム塩が好ましい。
【0023】−磁性金属酸化物粒子および磁性金属粒子
− この発明における磁性金属酸化物粒子は、たとえば以下
の組成式で表される。
【0024】 (MgO)X (ZnO)Y (Fe23Z ただし、式中、X,YおよびZは以下の関係を満たす。
【0025】 0.2 ≦X≦1.0 、0.9 ≦Z≦1.1 、X+Y= 1 前記組成式で表される磁性金属酸化物粒子としては、単
元フェライトおよび復元フェライトが挙げられる。
【0026】これらフェライトの組成は、磁性流体に要
求される特性に従って設定される。たとえば高い磁化が
求められるときにはFeフェライト、黒い色調を強調す
るときにはMnフェライト、温度による磁化の変化を利
用するときにはMn−Znフェライトなどが好ましい。
【0027】この発明における磁性金属粒子としては液
中還元法、真空蒸発法、スパークエロージョン法、熱分
解法、プラズマCVD法等で得られるFe、Co、Ni
等の微粒子を挙げることができる。
【0028】この発明においては前記磁性金属酸化物粒
子および磁性金属粒子のいずれかを磁性成分として使用
することができるし、また磁性金属酸化物粒子および磁
性金属粒子の混合物を磁性成分として使用することもで
きる。
【0029】−シリコーンオイルベースの磁性流体の組
成− シリコーンオイルに分散された磁性金属酸化物粒子およ
び/または磁性金属粒子の濃度としては、流動性が許容
される限り任意に設定されることができる。磁性金属酸
化物および/または磁性金属粒子の濃度を高くすると磁
性流体自体の磁化が増大して磁気特性が向上し、粘性も
また増大するので流動性が低下する。また十分な流動性
を示す磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子
の濃度の上限は、通常60重量%である。磁気特性およ
び粘性が実用的な範囲内にある磁性流体を得るのであれ
ば、磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子の
濃度は、通常6〜40重量%である。また、シリコーン
オイルが20〜92重量%、好ましくは30〜91重量
%である。カルボキシル基含有界面活性剤は、2〜40
重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0030】前記シリコーンオイルと界面活性剤と磁性
金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子とが前記範
囲内にあると、より一層この発明の目的を達成すること
ができるようになり、具体的には、最終製品であるシリ
コーンオイルベース磁性流体は、分散性、流動性および
耐久性に優れ、しかも常温から広い範囲の温度領域で好
適に使用されることができるようになる。
【0031】なお、この発明のシリコーンオイルベース
の磁性流体は、この発明の目的を阻害しない範囲である
限り、この発明のシリコーンオイルベースの磁性流体の
特性をさらに高めるために、あるいはこの発明のシリコ
ーンオイルベースの磁性流体の本来の特性に加えて新た
な特性を付与するために、各種の添加剤を含有させるこ
ともできる。
【0032】前記添加剤としては、導電性付与剤、酸化
防止剤、ゲル化防止剤、染料、顔料、粘度指数向上剤、
減粘剤、増粘剤、金属不活性化剤、ER流体、液晶、そ
の他の磁性流体等を挙げることができる。これらは、エ
マルジョン、カプセル、粉体、ポリマー、界面活性剤と
して添加される。
【0033】−シリコーンオイルベースの磁性流体の製
法− シリコーンオイルベースの磁性流体は、この発明の製造
方法により好適に製造されることができる。
【0034】この発明の方法においては先ず磁性金属酸
化物粒子および/または磁性金属粒子の水性懸濁液を調
製する。金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子
は、磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子に
おける金属と同じ金属の塩を用いた水熱合成法、あるい
は共沈法を採用して得ることができる。好ましいのは共
沈法である。
【0035】この発明において重要なことは、この水性
懸濁液をアルカリ性に調製することである。水性懸濁液
にアルカリ剤たとえばカセイソーダ等を添加することに
より水性懸濁液を容易にアルカリ性にすることができ
る。前記アルカリ剤としてはカセイソーダに限定され
ず、前記水性懸濁液をアルカリ性にすることのできる化
合物であれば特に制限がない。アルカリ性に調製された
水性懸濁液のpHとしては、11〜12が好適である。
【0036】この発明の方法においては、得られたアル
カリ性懸濁液にカルボキシル基含有界面活性剤を添加す
る。カルボキシル基含有界面活性剤の添加量としては、
アルカリ性懸濁液中の磁性金属酸化物および/または磁
性金属粒子に対して、通常多くとも50重量%、好まし
くは20〜30重量%である。このカルボキシル基含有
界面活性剤の添加量を増加させると、沈殿物を生じて、
完全な分散系とならないことがある。
【0037】なお、カルキシル基含有界面活性剤は、こ
れを溶媒たとえば水に希釈するなどしてアルカリ性懸濁
液に添加しても良いし、また溶媒を使用せずに直接にこ
のカルボキシル基含有界面活性剤をアルカリ性懸濁液に
添加しても良い。
【0038】次いで得られた界面活性剤含有のアルカリ
性懸濁液に酸性物質を添加してそのpHを2以下にす
る。この発明の方法においてpHを2以下にすることは
重要である。界面活性剤含有のアルカリ性懸濁液に酸性
物質を添加してもその液のpHが2を越えると、この発
明の目的を良く達成することができないからである。
【0039】酸性物質としては、前記懸濁液のpHを2
以下にすることができ、しかも懸濁液中の各成分に悪影
響を与えない限り特に制限がない。この酸性物質として
好適なのは、硫酸、塩酸などである。
【0040】酸性物質の添加により得られた酸性懸濁液
を、次いで、乾燥する。乾燥により見かけ上粘稠な乾燥
物が得られる。
【0041】また、高濃度に磁性粒子を含有する磁性流
体が求められるときには、完全に分散している希薄な分
散系を、次のような方法で処理するのが好ましい。
【0042】すなわち、この濃縮方法は、前記アルカリ
性懸濁液にカルボキシル基含有界面活性剤を添加してな
るところの、沈殿物を生じていない比較的希薄な分散液
と、その分散液とほぼ同量のアルコール類とを混合す
る。すると、黒色ゲル状物が生成、沈降する。このとき
に磁場の勾配を与えると、沈降はさらに速やかになる。
この黒色ゲル状物を一旦上澄み液から分離する。分離方
法は、遠心分離および濾過等の常法に従い、上澄み液を
抜き取り除去する程度であっても良い。黒色ゲル化物に
はアルコール類が残留しているが、再度シリコーンオイ
ルを添加して、撹拌し、150℃以下に加熱するフラッ
シングにより、残留するアルコール類を除去する。この
とき、磁性粒子の濃度は、再度添加するシリコーンオイ
ルの量に応じて任意に決定されることができて、磁性粒
子が高濃度であっても沈殿物を生成することがない。
【0043】なお、前記アルコール類としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げ
られるが、その中で好ましいのは、メタノールおよびエ
タノールである。
【0044】−シリコーンオイルベースの磁性流体の用
途− この発明に係るシリコーンオイルベースの磁性流体は、
分散性、流動性および耐久性に優れ、しかも常温から広
い範囲の温度領域で好適に使用されることができる。こ
のような優れた特性を有することから、この発明に係る
シリコーンオイルベースの磁性流体は、シール剤、各種
センサ、アクチュエータ、潤滑剤、粘性ダンピング、荷
重保持ガイド、流体駆動、熱交換、位置制御、液−液シ
ール、軸受け、ダンパー、ヒートパイプ、ヒートシン
ク、インク、化粧品(アイライナ−)等に好適に使用さ
れる。
【0045】
【実施例】
(実施例1)あらかじめ共沈法によりFeフェライトの
コロイドを得た。すなわち、硫酸第一鉄と硫酸第二鉄と
をそれぞれ1モル/リットルの濃度で含む水溶液を80
℃に加熱しながらこれを撹拌し、撹拌下、これに80℃
に加温した6N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH
を11.5とした。このとき溶液中に暗色の粒子が析出
した。
【0046】さらに10〜60分かけて加温および撹拌
を続け、次いでこの粒子の懸濁した懸濁液にポリオキシ
エチレントリデシルエーテル酢酸のNa塩を添加した。
添加後さらに撹拌したのち、室温にまで冷却して3Nの
硫酸水溶液を添加して懸濁液のpHを2にした。その結
果、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸を吸着
したFeフェライト粒子が凝集して沈降した。
【0047】なお、前記ポリオキシエチレントリデシル
エーテル酢酸ナトリウム塩の添加量すなわち吸着量を、
Feフェライトに対して、0、30、50、70、10
0、120、150、170、200重量%の9通りに
した。
【0048】この凝集物を濾過、脱水し、乾燥機で90
℃に加熱、乾燥して黒色のゲル状物を得た。
【0049】水から分離された乾燥生成物すなわち前記
ゲル状物を以下においてマグネタイトと略称する。
【0050】前記9通りのマグネタイト15.0gそれ
ぞれをガラス管ビンの中に入れて、9通りの試料につき
以下の操作を行った。
【0051】前記ガラス管ビンそれぞれの中にエタノー
ル30ミリリットルを入れた。エタノールを加えた後、
前記ガラス管ビンそれぞれに超音波をかけた。超音波を
かけた後、前記ガラス管ビンを永久磁石の上に置いてマ
グネタイトを沈澱させた。
【0052】前記のようにマグネタイトを沈澱させる
と、エタノールが上澄液として残るので、このエタノー
ルを、デカンテーションにより、除去した。
【0053】上述のエタノールによる洗浄を、1〜4回
行った。
【0054】エタノール洗浄を行って得たマグネタイト
2gを、メチルフェニルポリシロキサンに溶解し、サン
ドバスを使用して90℃、30分間加熱し、エタノール
を除去して磁性流体を得た。冷却後、磁化を測定したと
ころ、図1に示すようにポリオキシエチレントリデシル
エーテル酢酸ナトリウム塩の添加量が70%である例
が、最も高い磁化値を示した。
【0055】次いで、ポリオキシエチレントリデシルエ
ーテル酢酸ナトリウム塩を70%添加した場合のマグネ
タイトに対して、上記のエタノール洗浄を、2〜4回行
った。
【0056】洗浄後、前記ガラス管ビン内の溶液にメチ
ルフェニルシリコーンオイル(信越化学工業株式会社
製;KF−56)15gを加えて、サンド・バスを使用
して加熱することによりエタノールを完全に除去した。
【0057】エタノールを完全に除去した後、永久磁石
に前記ガラス管ビンを置き、一日放置した。なお、この
ときの永久磁石の磁化はガウスメータで測定した結果、
約2500ガウスであった。
【0058】放置後、前記ガラス管ビン内の上澄み磁性
流体を採取した。採取した後、前記磁性流体を磁気天秤
により磁化測定を行った。
【0059】図2はエタノール洗浄回数別の磁化測定結
果を示したものである。
【0060】つぎに前記ガラス管ビン内の懸濁液を、サ
ンド・バスにより100℃、1時間加熱撹拌をした。
【0061】加熱撹拌したあと、二重円筒管型回転粘度
計により、粘度測定を行った。
【0062】図3はエタノール洗浄回数別の粘度測定結
果を示したものである。
【0063】こうして、シリコーンベース磁性流体を得
ることができた。このシリコーンベース磁性流体の特性
として、低蒸気圧、温度による粘度変化が小、電気絶縁
性が良好、化学的に不活性、凝固点が低い、磁性が大、
分散性・流動性および耐久性に優れていることを挙げる
ことができる。
【0064】特に、この中でも温度変化による粘度変化
を、回転粘度計を用いて測定したところ、20℃の粘度
変化と80℃の粘度変化は50%以内であった。
【0065】また、電気絶縁性を、高電圧テスターを用
いて測定したところ、3kV/mmまでは確実に絶縁破
壊が起こらなかった。
【0066】分散安定性は2,500ガウスの永久磁石
上で1日放置、30日間放置しても凝集が起こらずに安
定であった。
【0067】(実施例2)前記実施例1において得られ
たところの、エタノール洗浄前のマグネタイト15.0
gとメチルフェニルポリシロキサン(信越化学工業株式
会社製;KF−56)15gとを混合し、加熱撹拌する
ことにより、分散液を得た。
【0068】この分散液とエタノール30ミリリットル
とを混合し、撹拌することにより分散液をエタノール洗
浄した。分散液とエタノールとの混合物に超音波をかけ
た。超音波をかけた後、前記混合物を永久磁石の上に置
いてマグネタイトを沈澱させた。
【0069】前記のようにマグネタイトを沈澱させる
と、エタノールおよびメチルフェニルポリシロキサンが
上澄液として残るので、両者を、デカンテーションによ
り、除去した。
【0070】上述の洗浄を、1〜4回行った。
【0071】前記洗浄後のスラリー状物20gとメチル
フェニルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製;K
F−56)15gとを加えて、サンド・バスを使用して
加熱することによりエタノールを完全に除去した。
【0072】エタノールを完全に除去することによりシ
リコーンベース磁性流体を得た。このシリコーンベース
磁性流体を永久磁石上に置き、一日放置した。なお、こ
のときの永久磁石の磁化はガウスメータで測定した結
果、約2500ガウスであった。
【0073】放置後、前記ガラス管ビン内の上澄み磁性
流体を採取した。採取した後、前記磁性流体を磁気天秤
により磁化測定を行った。
【0074】図4はエタノール洗浄回数別の磁化測定結
果を示したものである。
【0075】前記磁化測定を行った後、二重円筒管型回
転粘度計により、粘度測定を行った。
【0076】図5はエタノール洗浄回数別の粘度測定結
果を示したものである。
【0077】こうして、シリコーンベース磁性流体を得
ることができた。
【0078】(実施例3)前記実施例1で得られたマグ
ネタイト60.0gをビーカーの中に入れた。
【0079】前記ビーカーにエタノール120ミリリッ
トルを加えた。エタノールを加えた後、前記ビーカーに
超音波をかけた。超音波をかけた後、前記ビーカーを永
久磁石の上に置いてマグネタイトを沈澱させた。
【0080】前記のようにマグネタイトを沈澱させる
と、エタノールが上澄液として残るので、上澄みである
エタノールを除去した。
【0081】上述の洗浄を、3回行った。
【0082】前記ビーカー内の溶液にメチルフェニルポ
リシロキサン(信越化学工業株式会社製;KF−56)
60.0gを加えて、サンド・バスを使用して加熱する
ことによりエタノールを完全除去した。
【0083】エタノールを完全除去した後、永久磁石に
前記ビーカーを置き、一日放置した。
【0084】放置後、前記ビーカー内の上澄み磁性流体
を採取した。採取した後、前記磁性流体を磁気天秤によ
り磁化測定を行った。
【0085】なお、前記磁化測定結果を「濃縮前」とし
て図6に示した。
【0086】次に前記磁性流体を別のビーカーに移し、
その中にエタノール39ミリリットルを加えた。エタノ
ールを加えたあと、前記ビーカーを永久磁石の上に1日
放置し、マグネタイトを沈澱させた。沈澱後、上澄み液
であるエタノールおよびシリコンオイルを除去した。
【0087】除去した後にメチルフェニルポリシロキサ
ン(信越化学工業株式会社製;KF−56)19.62
gを加え、サンド・バスを使用して加熱することにより
エタノールを完全除去して濃縮した。
【0088】濃縮後の磁性流体を磁気天秤により磁化測
定を行った。
【0089】前記磁化測定結果を「濃縮後」として図6
に示した。
【0090】こうして、シリコーンベース磁性流体を得
ることができた。
【0091】(実施例4)実施例1で得られた乾燥物
を、メチルフェニルポリシロキサンに混合、超音波をか
けて分散させた。このときの混合比は、メチルフェニル
ポリシロキサン1に対して、凝集乾燥物を0.2、1、
2、3であった。この分散液をそれぞれ80ミリリット
ルずつ、底面が約80cm2 の円筒状ガラス容器(シャ
ーレ)に入れて、表面磁束密度2,500ガウスの磁石
の上に室温で1カ月間静置した。 混合比が1:0.2
の分散液では、容器を逆さまにしても、底部に沈降物は
認められなかったが、混合比が1:1の分散液では、体
積にして約1/2の沈降物があった。
【0092】また1:2、1:3の分散液では大部分が
沈降していた。混合比が1:1の混合液から沈殿物を除
去して、安定な分散系を形成している上澄み部分の磁化
を測定したところ、8,000エルステッド(Oe)に
おいて2emu/gであった。
【0093】(実施例5)実施例4で混合比を1:1と
して得られた混合液の分散部分の磁化は、8000エル
ステッド(Oe)において2emu/gであった。
【0094】この分散部分を次の操作により濃縮した。
分散部分39ミリリットルにエタノール36ミリリット
ルを加えて永久磁石の上におくと、黒色のゲルを生じて
沈殿した。上澄液を傾斜、除去した後、メチルフェニル
ポリシロキサン19.62gを加えて撹拌して、黒色ゲ
ルを分散させ、サンドバスで100℃で30分間加熱し
た。室温放冷後の分散液の容量は30ミリリットルであ
り、磁化は8,000エルステッド(Oe)において
4.8emu/gであった。本発明における濃縮操作の
前と後の磁化曲線は図7の通りであった。
【0095】この分散液30ミリリットルを、底面が約
80cm2 のシャーレに入れて、表面磁束密度2,50
0ガウスの磁石の上に室温で1カ月間静置したが、沈殿
物の生成は認められなかった。
【0096】すなわち本発明により、実施例4で得られ
た分散部分は約1.3倍に濃縮されたことになり、しか
も磁化が大幅に増大し、磁場において安定な分散状態が
維持された。
【0097】以上、これらの実施例により、分散性、流
動性および耐久性に優れたシリコーンオイルベースの磁
性流体を得ることができた。
【0098】
【発明の効果】以上詳述した本発明により、低蒸気圧、
温度による粘度変化が小さく、電気絶縁性が良好であ
り、化学的に不活性であり、磁化が大であり、分散性、
流動性および耐久性に優れ、特に温度変化による粘度変
化が小さく、しかも電気絶縁性および分散安定性に優れ
たシリコーンオイルベースの磁性流体を提供することが
できる。
【0099】また本発明により、上記のように特性の優
れたシリコーンオイルベースの磁性流体の簡単な製法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明におけるPOEトリデシルエ
ーテル酢酸がコーティングされたマグネタイトをシリコ
ーンオイル中に分散させたときの磁化測定結果を示すグ
ラフである。
【図2】図2は、この発明の実施例1におけるシリコー
ンオイルベースの磁性流体の洗浄回数別の磁化変化を示
すグラフである。
【図3】図3は、この発明の実施例1におけるシリコー
ンオイルベースの磁性流体の洗浄回数別の粘度変化を示
すグラフである。
【図4】図4は、この発明の実施例2におけるシリコー
ンオイルベースの磁性流体の洗浄回数別の磁化変化を示
すグラフである。
【図5】図5は、この発明の実施例2におけるシリコー
ンオイルベースの磁性流体の洗浄回数別の粘度変化を示
すグラフである。
【図6】図6は、この発明の実施例3におけるシリコー
ンオイルベースの磁性流体の濃縮前および濃縮後の磁化
変化を示すグラフである。
【図7】図7は、繰り返し濃縮して磁性粒子濃度を増加
させた場合の、濃縮前および濃縮後の磁化変化を示すグ
ラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本願請求項1に記載の発明は、シリコーンオイルとカ
ルボキシル基含有アニオン系界面活性剤と磁性金属酸化
物粒子および/または磁性金属粒子とを含有することを
特徴とするシリコーンオイルベースの磁性流体であり、
請求項2に記載の発明は、前記カルボキシル基含有アニ
オン系界面活性剤が、エーテル結合を介してアルキル基
を結合するポリオキシアルキレン基の末端に、炭素数が
1〜7であるアルキレン基を介してカルボキシル基をを
有する化合物である前記請求項1に記載のシリコーンオ
イルベースの磁性流体であり、請求項3に記載の発明
は、磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子を
分散する懸濁液にアルカリ剤を添加することによりアル
カリ性懸濁液を得、このアルカリ性懸濁液にカルボキシ
ル基含有アニオン系界面活性剤を添加し、その後に得ら
れる懸濁液のpHを2以下に調製し、得られる酸性懸濁
液を乾燥し、得られる乾燥物とシリコーンオイルとを混
合することを特徴とするシリコーンオイルベースの磁性
流体の製法であり、請求項4に記載の発明は、前記請求
項3に記載の乾燥物にアルコール類を添加し、生成する
黒色ゲル状物とシリコーンオイルとを混合し、加熱する
ことを特徴とするシリコーンオイルベースの磁性流体の
製法である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】〈シリコーンオイルベースの磁性流体〉こ
の発明のシリコーンオイルベースの磁性流体は、シリコ
ーンオイルとカルボキシル基含 有アニオン系界面活性剤
と磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子とを
含有する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】−界面活性剤− この発明に使用される界面活性剤は、カルボキシル基含
有アニオン系界面活性剤であり、カルボキシル基を分子
中に有する界面活性剤であれば特に制限がなく、たと
カルボキシル基を含有する陰イオン界面活性剤、カル
ボキシル基を含有する両性界面活性剤を挙げることがで
きる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】カルボキシル基含有アニオン系界面活性剤
としては、カルボン酸もしくはその塩、アルキル乳酸
塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン
酸もしくはその塩を挙げることができる。さらにこれら
の中でもアルキルエーテルカルボン酸もしくはその塩が
好ましく、その中でも取り分け、エーテル結合を介して
アルキル基を結合するポリオキシアルキレン基の末端
に、炭素数が1〜7であるアルキレン基を介してカルボ
キシル基を有する化合物が好ましく、特にエーテル結合
を介してアルキル基を結合するポリオキシアルキレン基
の末端に、炭素数が1〜3であるアルキレン基を介して
カルボキシル基を有する化合物が好ましい。このエーテ
ル結合を介してアルキル基を結合するポリオキシアルキ
レン基の末端に、炭素数が1〜7であるアルキレン基を
介してカルボキシル基を有する化合物は、以下の式で
すことができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】R1 −O−(CH2 CHR2 −O−)n
(CH2m −COOX (ただし、R1 はアルキル基、好ましくは炭素数が5〜
30であるアルキル基、さらに好ましくは炭素数が10
〜24であるアルキル基であり、R2 は水素原子または
メチル基であり、nは整数であり、好ましくは1〜30
の整数であり、さらに好ましくは2〜10の整数であ
り、mは炭素数が1〜7であるアルキル基であり、好ま
しくは1〜3であるアルキル基であり、さらに好ましく
は1であり、Xは水素原子またはNa、K等のアルカリ
金属または−NH3 である。) この発明におけるカルボキシル基含有アニオン系界面活
性剤は、通常、水溶液として使用される。水溶液として
カルボキシル基含有アニオン系界面活性剤が使用される
ときには、シリコーンオイルに対して十分な溶解性が望
まれる。シリコーンオイルがメチルフェニルポリシロキ
サンであるときには、カルボキシ基含有アニオン系
面活性剤としては高い溶解性を示すポリオキシエチレン
トリデシルエーテル酢酸のナトリウム塩が好ましい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】−シリコーンオイルベースの磁性流体の組
成− シリコーンオイルに分散された磁性金属酸化物粒子およ
び/または磁性金属粒子の濃度としては、流動性が許容
される限り任意に設定されることができる。磁性金属酸
化物および/または磁性金属粒子の濃度を高くすると磁
性流体自体の磁化が増大して磁気特性が向上し、粘性も
また増大するので流動性が低下する。また十分な流動性
を示す磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子
の濃度の上限は、通常60重量%である。磁気特性およ
び粘性が実用的な範囲内にある磁性流体を得るのであれ
ば、磁性金属酸化物粒子および/または磁性金属粒子の
濃度は、通常6〜40重量%である。また、シリコーン
オイルが20〜92重量%、好ましくは30〜91重量
%である。カルボキシル基含有アニ オン系界面活性剤
は、2〜40重量%、好ましくは3〜20重量%であ
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】前記シリコーンオイルとカルボキシル基含
有アニオン系界面活性剤と磁性金属酸化物粒子および/
または磁性金属粒子とが前記範囲内にあると、より一層
この発明の目的を達成することができるようになり、具
体的には、最終製品であるシリコーンオイルベース磁性
流体は、分散性、流動性および耐久性に優れ、しかも常
温から広い範囲の温度領域で好適に使用されることがで
きるようになる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】この発明の方法においては、得られたアル
カリ性懸濁液にカルボキシル基含有アニオン系界面活性
剤を添加する。カルボキシル基含有アニオン系界面活性
剤の添加量としては、アルカリ性懸濁液中の磁性金属酸
化物および/または磁性金属粒子に対して、通常多くと
も50重量%、好ましくは20〜30重量%である。こ
のカルボキシル基含有アニオン系界面活性剤の添加量を
増加させると、沈殿物を生じて、完全な分散系とならな
いことがある。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】なお、カルキシル基含有アニオン系界面活
性剤は、これを溶媒たとえば水に希釈するなどしてアル
カリ性懸濁液に添加しても良いし、また溶媒を使用せず
に直接にこのカルボキシル基含有アニオン系界面活性剤
をアルカリ性懸濁液に添加しても良い。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】すなわち、この濃縮方法は、前記アルカリ
性懸濁液にカルボキシル基含有アニオン系界面活性剤を
添加してなるところの、沈殿物を生じていない比較的希
薄な分散液と、その分散液とほぼ同量のアルコール類と
を混合する。すると、黒色ゲル状物が生成、沈降する。
このときに磁場の勾配を与えると、沈降はさらに速やか
になる。この黒色ゲル状物を一旦上澄み液から分離す
る。分離方法は、遠心分離および濾過等の常法に従い、
上澄み液を抜き取り除去する程度であっても良い。黒色
ゲル化物にはアルコール類が残留しているが、再度シリ
コーンオイルを添加して、撹拌し、150℃以下に加熱
するフラッシングにより、残留するアルコール類を除去
する。このとき、磁性粒子の濃度は、再度添加するシリ
コーンオイルの量に応じて任意に決定されることができ
て、磁性粒子が高濃度であっても沈殿物を生成すること
がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:16 40:14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンオイルとカルボキシル基含有
    アニオン系界面活性剤と磁性金属酸化物粒子および/ま
    たは磁性金属粒子とを含有することを特徴とするシリコ
    ーンオイルベースの磁性流体。
  2. 【請求項2】 前記カルボン酸基含有アニオン系界面活
    性剤が、エーテル結合を介してアルキル基を結合するポ
    リオキシアルキレン基の末端に、炭素数が1〜7である
    アルキレン基を介してカルボキシル基を有する化合物で
    ある前記請求項1に記載のシリコーンオイルベースの磁
    性流体。
  3. 【請求項3】 磁性金属酸化物粒子および/または磁性
    金属粒子を分散する懸濁液にアルカリ剤を添加すること
    によりアルカリ性懸濁液を得、このアルカリ性懸濁液に
    カルボキシル基含有界面活性剤を添加し、その後に得ら
    れる懸濁液のpHを2以下に調製し、得られる酸性懸濁
    液を乾燥し、得られる乾燥物とシリコーンオイルとを混
    合することを特徴とするシリコーンオイルベースの磁性
    流体の製法。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載の乾燥物にアルコー
    ル類を添加し、生成する黒色ゲル状物とシリコーンオイ
    ルとを混合し、加熱することを特徴とするシリコーンオ
    イルベースの磁性流体の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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