JPH0917393A - 放電ランプ、照明装置および放電ランプの製造方法 - Google Patents

放電ランプ、照明装置および放電ランプの製造方法

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JPH0917393A
JPH0917393A JP16376595A JP16376595A JPH0917393A JP H0917393 A JPH0917393 A JP H0917393A JP 16376595 A JP16376595 A JP 16376595A JP 16376595 A JP16376595 A JP 16376595A JP H0917393 A JPH0917393 A JP H0917393A
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JP
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tungsten oxide
discharge
discharge vessel
discharge lamp
oxide
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JP16376595A
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Tsutomu Watanabe
力 渡辺
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 演色性がすぐれているだけでなく、発光効率
の高い放電ランプ、この放電ランプを光源とする照明装
置、およびこの放電ランプを容易に歩留まりよく製造で
きる方法の提供を目的とする。 【構成】 放電容器1と;前記放電容器1内に封入され
た希ガス,酸化タングステンおよびハロゲン化酸化タン
グステン2とを有することを特徴とする放電ランプであ
る。またその製造方法は、一端が開口した放電容器内に
酸化タングステンを収容し、排気ベーキング処理する工
程と;前記放電容器内を排気しながら室温に冷却した
後、前記酸化タングステン 1分子当たり、ハロゲン化ケ
イ素 0.5〜 0.1分子および希ガスを順次導入する工程
と;前記放電容器の開口部を封止する工程と;前記封止
した放電容器を少なくとも 900℃に加熱して酸化タング
ステンの一部をハロゲン化酸化タングステン化する工程
とを有する放電ランプの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放電容器内に封入された
金属化合物の蒸発・分解,凝縮金属微粒子の白熱放射に
よる光を利用する放電ランプ、照明装置および放電ラン
プの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】気密封止した光透過性の放電容器内に、
ハロゲン化タングステン,ハロゲン化酸化タングステ
ン,ハロゲン化酸化タンタル,酸化レニウム,ハロゲン
化ハフニウムもしくはハロゲン化ジルコニウムを、ペニ
ング作用を有する希ガスとともに封入して成る放電ラン
プが知られている(たとえば欧州特許出願EP−0420 335
A2 ,特開平 5−225953号公報)。
【0003】この種の放電ランプは、放電容器内に封入
されている金属化合物が放電ランプの動作中に蒸発し、
その金属蒸気の対流/拡散によって到達した放電容器内
の高温部で解離し,凝縮して粒子となり、この粒子が放
電による加熱で白熱放射する。また、前記粒子は放電容
器内の低温部へ移動し、水素/酸素との反応により再び
金属化合物化して、前記蒸発,解離,凝縮,白熱放射を
繰り返す循環プロセスで、所要の発光を行っている。そ
して、この放電ランプには、たとえば 0.1 MHz〜50 GHz
の高周波で励起して、前記循環プロセスを行う無電極型
の放電ランプと、封有した一対の電極間の放電で、前記
循環プロセスを行う有電極型の放電ランプとがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記放電ラン
プにおいては、実用上次のような不都合な問題が認めら
れる。たとえば、代表的な無電極型の放電ランプ、すな
わち、希ガスとともに、ハロゲン化酸化タングステン
(WO2 Cl2 など)を金属化合物として所定量封入し、高
周波励起による白熱放射で発光させる方式の無電極型の
放電ランプの場合、放電開始性や放電安定性に難があ
る。この原因についての検討では、前記ハロゲン化酸化
タングステン(WO2 Cl2 など)は吸湿性を有するので、
放電容器内に封装(導入)後十分ベーキングする必要が
ある。しかし、ハロゲン化酸化タングステン、たとえば
塩素化酸化タングステン(WO2 Cl2 )の場合、 266℃程
度の比較的低温で気化するため、ベーキングの温度およ
び時間も制約される。したがって、微量な水分を放電容
器内に持ち込んだまま封入された状態を採ることにな
り、放電開始が困難な原因、あるいは放電の安定性が損
なわれる原因となっているといえる。
【0005】この放電開始性や放電安定性の対応策とし
て、たとえばセシウム(Ce)などの放電補助材を併せて
封入することも試みられている。しかし、一般的に、放
電補助材は、熱的な面から放電補助材としての機能が制
約されるので、放電柱の温度も必然的に制限され(高々
4000 K程度)、結果的には十分な高温を確保できず、発
光効率の低下となる。
【0006】本発明は上記事情に対処してなされたもの
で、演色性がすぐれているだけでなく、発光効率の高い
放電ランプ、この放電ランプを光源とする照明装置、お
よびこの放電ランプを容易に歩留まりよく製造できる方
法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、放電
容器と;前記放電容器内に封入された希ガス,酸化タン
グステンおよびハロゲン化酸化タングステンを含む封入
物とを有することを特徴とする放電ランプである。
【0008】請求項2の発明は、放電容器と;前記放電
容器内に封入された希ガス,酸化タングステンおよびハ
ロゲン化酸化タングステンを含む封入物とを有すること
を特徴とする無電極型放電ランプである。
【0009】請求項3の発明は、放電容器と;前記放電
容器内に封入された希ガス,酸化タングステンおよびハ
ロゲン化酸化タングステンを含む封入物と;前記放電容
器内に対向して封装された一対の放電電極とを有するこ
とを特徴とする有電極型放電ランプである。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3記載のいずれかの放電ランプにおいて、酸化タングス
テンおよびハロゲン化酸化タングステンの混在分子比が
0/1〜 1/ 1であることを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4記載のいずれかの放電ランプにおいて、希ガスがネオ
ンおよびアルゴンの混合系であることを特徴とする。
【0012】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
4記載のいずれかの放電ランプにおいて、希ガスがアル
ゴンで、さらに水銀が封入されていることを特徴とす
る。
【0013】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6記載のいずれかの放電ランプと;前記放電ランプを装
着・点灯する器具本体とを有することを特徴とする照明
装置である。
【0014】請求項8の発明は、一端が開口した放電容
器内に酸化タングステンを収容し、その後放電容器内を
排気する工程と;前記放電容器内を排気しながら室温に
冷却した後、ハロゲン化ケイ素および希ガスを順次導入
する工程と;前記放電容器の開口部を封止する工程と;
前記封止した放電容器を少なくとも 900℃に加熱して酸
化タングステンの一部をハロゲン化酸化タングステン化
する工程とを有する放電ランプの製造方法である。
【0015】請求項9の発明は、一端が開口した放電容
器内に酸化タングステンを収容し、その後放電容器内排
気する工程と;前記放電容器内を排気しながら室温に冷
却した後、前記酸化タングステン 1分子当たり、ハロゲ
ン化ケイ素 0.5〜 0.1分子および希ガスを順次導入する
工程と;前記放電容器の開口部を封止する工程と;前記
封止した放電容器を少なくとも 900℃に加熱して酸化タ
ングステンの一部をハロゲン化酸化タングステン化する
工程とを有する放電ランプの製造方法である。本発明に
おいて、放電容器は一般的に透光性の石英ガラス製バル
ブで、通常、発光部内径 8〜15mm程度,発光部長さ10〜
30mm程度である。また、この放電容器内に封入された希
ガスとしては、ネオン,アルゴン,クリプトン,キセノ
ンなどが挙げられ、これらは1種もしくは2種以上の混
合系でもよく、たとえばネオン−アルゴンの混合系は、
ネオンの成分比によって演色性なども任意に調整できる
し、アルゴン−水銀系とした場合は、紫色系の発光など
を容易に調整できる。ここで、希ガスの封入量は、放電
容器の放電領域容積の大きさ、放電始動性、発光色など
によって、 2〜 400torr程度の範囲で適宜選択できる。
【0016】本発明において、放電容器内に封入された
金属化合物のうち、ハロゲン化酸化タングステン(WO2
X2 )としては、たとえば塩素化酸化タングステン(WO
2 Cl2 ),臭素化酸化タングステン(WO2 Br2 ),ヨウ
素化酸化タングステン(WO2I2 )が挙げられる。ここ
で、放電容器内では、ハロゲン化酸化タングステンおよ
び酸化タングステン(WO3 )が混在しており、その分子
比(WO3 /WO2 X2 )は、一般的に 0/ 1〜 1/ 1程
度、好ましくは 0/10〜 7/10程度である。
【0017】このような基本構成を採った本発明の放電
ランプの発光は、高周波励起型(無電極型)と封有した
一対の放電電極による放電を利用する形態に分けられ
る。すなわち、共振性容器内に配置した放電容器軸に対
して、 0.1 MHz〜10 GHzの高周波を平行に導入し、所要
の発光を行ういわゆる無電極型と、一対の放電電極間に
所要の電圧を印加して放電を起こさせる高圧放電灯型と
がある。
【0018】本発明に係る放電ランプの製造方法におい
ては、先ず、酸化タングステンのベーキング処理を行う
が、このときのベーキング条件は、一般的に、温度 500
〜 900℃程度,時間 0.5時間程度,減圧・排気10-3torr
以下とし、十分にベーキングすることが望ましい。ま
た、このベーキング後に、導入するハロゲン化ケイ素
は、たとえば四塩化ケイ素であり、その導入量は分子比
で、前記酸化タングステン1に対して 0.5〜 0.1程度で
あって、ガス状の形で希ガスとともに導入するのが好ま
しい。さらに、放電容器を封止した後、加熱によって、
前記酸化タングステンとハロゲン化ケイ素とを反応さ
せ、酸化タングステンの一部をハロゲン化酸化タングス
テンにするための温度,時間は、一般的に 700〜1100
℃, 0.5〜 1時間程度、好ましくは 800〜 900℃, 0.5
〜 1時間程度である。なお、前記反応で放電容器内で酸
化ケイ素( SiO2 )が副産物として生成し、放電容器内
に残留するが、演色性および発光効率に支障を来すこと
はない。
【0019】
【作用】請求項1の発明では、放電容器内に希ガス,酸
化タングステンおよびハロゲン化酸化タングステンが封
入されたことに伴い、安定した発光が維持されるととも
に、良好な演色性を呈する。
【0020】請求項2の発明では、放電容器内に希ガ
ス,酸化タングステンおよびハロゲン化酸化タングステ
ンが封入され、かつ無電極型に構成したことに伴い、長
期間に亘って安定した発光および良好な演色性を呈す
る。
【0021】請求項3の発明では、放電容器内に希ガ
ス,酸化タングステンおよびハロゲン化酸化タングステ
ンが封入され、かつ有電極型に構成したことに伴い、煩
雑な手段わ要せずに、安定した発光および良好な演色性
を呈する。
【0022】請求項4の発明では、放電容器内の酸化タ
ングステンおよびハロゲン化酸化タングステンの封入分
子比を一定の範囲内に設定したことにより、前記請求項
1ないし請求項3記載の発明における作用が、効果的に
なされる。
【0023】請求項5の発明では、放電容器内の希ガス
をネオン−アルゴン系としたことによって、前記請求項
1ないし請求項4記載の発明における作用で、演色性の
向上・調整などが、さらに効果的になされる。
【0024】請求項6の発明では、放電容器内の希ガス
をアルゴンとし、水銀を併せて封入したことによって、
請求項1ないし請求項4記載の発明における作用に加
え、紫色系を含む発光が得られる。
【0025】請求項7の発明では、請求項1ないし請求
項6記載のいずれかの放電ランプを光源としたことによ
り、照明装置は安定した発光および良好な演色性を呈す
る。請求項8および請求項9の発明では、酸化タングス
テンおよびハロゲン化酸化タングステンを放電容器内に
封入するに当たって、酸化タングステンを素材としたこ
とにより、十分なベーキング処理がなされる一方、室温
に冷却してからハロゲン化ケイ素および希ガスを導入,
封止して、加熱により酸化タングステンの一部をハロゲ
ン化酸化タングステン化しているため、微量な水分の残
留も解消され、良好な始動性および安定した放電性を呈
する放電ランプを再現性よく得ることができる。
【0026】
【実施例】以下図1,図2および図3を参照して本発明
の実施例を説明する。
【0027】実施例1 図1は本実施例の無電極型放電ランプの要部構成を断面
的に示したもので、1は気密封止した光透過性の放電容
器、たとえば石英ガラス製の放電容器、2は前記放電容
器1内に封入されている酸化タングステン(WO3 )およ
び塩素化酸化タングステン(WO2 Cl2 )の混合系、3は
酸化ケイ素( SiO2 )粒子であり、その他希ガスとして
ネオン−アルゴン系が 2〜10torr程度封入されている。
【0028】次に、前記構成の無電極型放電ランプ4の
製造例を説明する。
【0029】先ず、一端に排気管を、他端に導入管を有
する外径10mm,内径 8mm,長さ15mmの石英ガラス製の容
器を用意し、この容器内いに酸化タングステンを0.05mg
〜 0.3mg程度導入した。その後、この容器を排気セット
して、 500℃以上の温度でベーキングを十分に行ってか
ら、排気しながら室温まで冷却した。次いで、前記導入
した酸化タングステン 1分子( 1 mol)当たり、 0.5分
子( 0.5 mol)相当量の四塩化ケイ素(SiCl4 )をガス
状にして導入し、引き続いてネオン−アルゴン系を 2〜
10torr導入してから、排気管および導入管を封止・切断
した。その後、石英ガラス製容器を、 900℃程度以上に
加熱し、次式のごとき、 2WO3 +SiCl4 → 2WO2 Cl2 + SiO2 酸化タングステンおよび四塩化ケイ素の反応によって、
前記図1に示すような、放電容器1内に酸化タングステ
ン−塩素化酸化タングステン系2、酸化ケイ素粒子3お
よびネオン−アルゴン系ガスが封入された無電極型の放
電ランプ4を作成した。この製造工程によれば、放電容
器1内への水分混入が防止もしくは回避されるので、た
とえばセシウムなどの放電補助材を封入しなくとも、ア
ーク柱温度が4000 Kから6500 Kに向上していることが確
認された。また、このアーク柱温度の向上に伴って、白
熱放射に関与するタングステン微粒子も3500 Kから5000
Kと高温で発光し、発光効率が60lm/ Wから90lm/ Wに
向上していることも確認した。 すなわち、図2に概略
構成をブロック図で示すごとく、前記無電極型の放電ラ
ンプ4を、内径90mm,深さ60mmの真鍮製円筒(共振器)
5に同軸的に設置する一方、高周波発生器6で発生させ
た 2.4〜 2.5 GHzの高周波を、同軸ケーブル7にて真鍮
製円筒5に導く構成とした。さらに、前記真鍮製円筒5
の側壁面に設けた穴に石英ガラス製光ファイバー8を介
して照度計9を配置して、前記無電極型の放電ランプ4
の点灯を行った。この点灯・動作において、真鍮製円筒
5に導入した高周波が共振し、放電容器1内のネオン−
アルゴン系ガスが放電し、解離・凝縮したタングステン
微粒子が白熱発光する。そして、この白熱発光を光ファ
イバー8を介して照度計9で受け、全光束を測定するこ
とによって、発光効率などの評価を行った。
【0030】実施例2 本実施例は実施例1の場合と同様の構成を採った無電極
型の放電ランプにおいて、記放電容器内に封入されてい
る酸化タングステンおよび塩素化酸化タングステンの混
合系とランプの色温度との関係を例示するものである。
【0031】一端に排気管を、他端に導入管を有する外
径10mm,内径 8mm,長さ15mmの石英ガラス製の容器を 6
個用意し、この容器内に酸化タングステンを0.05mg〜
0.3mg程度導入した。その後、この容器を排気セットし
て、 500℃以上の温度でベーキングを十分に行ってか
ら、排気しながら室温まで冷却した。次いで、前記導入
した酸化タングステン 1分子( 1 mol)当たり、 0.5〜
0.25分子( 0.5〜0.25 mol)相当量の四塩化ケイ素(Si
Cl4 )をそれぞれガス状にして導入し、引き続いてネオ
ン−アルゴン系を 2〜10torr導入してから、排気管およ
び導入管を封止・切断した。その後、これら各石英ガラ
ス製容器を、 900℃程度以上に加熱し、次式のごとき、 2WO3 +SiCl4 → 2WO2 Cl2 + SiO2 酸化タングステンおよび四塩化ケイ素の反応によって、
前記図1に示すような、放電容器1内に酸化タングステ
ン−塩素化酸化タングステン系2、酸化ケイ素粒子3お
よびネオン−アルゴン系ガスが封入された無電極型の放
電ランプ4を作成した。この製造工程によれば、放電容
器内への水分混入が防止もしくは回避されるので、たと
えばセシウムなどの放電補助材を封入しなくとも、アー
ク柱温度が4000 Kから6500 Kに向上していることが確認
された。また、このアーク柱温度の向上に伴って、白熱
放射に関与するタングステン微粒子も3500 Kから5000 K
と高温で発光し、発光効率が60lm/ Wから90lm/ Wに向
上していることも確認した。さらに、これら 6種の無電
極型放電ランプについて、発光の色温度をそれぞれ測定
したところ図3に示すような傾向が認められた。すなわ
ち、四塩化ケイ素の導入量によって、未反応の酸化タン
グステン(換言すると塩素化酸化タングステン)量が変
化し、たとえば四塩化ケイ素の導入量が少ないと、未反
応の酸化タングステン量が増加する。そして、点灯中少
量ではあるが、放電容器壁からの蒸発・分解で一酸化タ
ングステンが発生し、この一酸化タングステンの分子発
光が生じる。ここで、一酸化タングステンの分子発光
は、約 470〜 480nmの青色で、この発光色がタングステ
ン微粒子の白熱発光に加味されるため、ランプの発光色
温度が上昇し、酸化タングステン 1分子( 1 mol)当た
り、四塩化ケイ素 0.1分子( 0.1 mol)相当量以下で
は、青みが強すぎて演色評価指数も80以下となって実用
的でない。
【0032】なお、図4〜図6は、前記無電極型放電ラ
ンプのうち、四塩化ケイ素および酸化タングステンの封
入量比、SiCl4 /WO3 が0.25で色温度6500 Kの場合(図
4)、SiCl4 /WO3 が0.35で色温度4500 Kの場合(図
5),SiCl4 /WO3 が0.40で色温度4000 Kの場合(図
6)について、それぞれの分光分布特性を示したもの
で、いずれも良好な演色性を呈するものであった。
【0033】実施例3 図7は本実施例の有電極型放電ランプの要部構成を一部
断面的に示したものである。図7において、10は外部接
続用端子 11a, 11bを備えた口金部、12は前記口金部10
によって封着された外被管、 13a, 13bは前記外被管12
内に封装され、かつ外部接続用端子 11a, 11bにそれぞ
れ電気的に接続した支持枠兼用の内部リード部、14は前
記外被管12内に封装され、かつ内部リード部 13a, 13b
に電気的に接続・支持された高圧放電ランプである。こ
こで、高圧放電ランプ14は、放電容器内に酸化タングス
テンおよび塩素化酸化タングステンの混合系、酸化ケイ
素粒子、ネオン−アルゴン系ガスが封入されている他
は、一般的な高圧水銀蒸気放電灯と同様の構成を採って
いる。
【0034】前記有電極型放電ランプを、いわゆる高圧
放電灯用点灯器具に装着して、点灯動作を行ったとこ
ろ、点灯寿命は短いが演色性良好で、発光効率の高い放
電ランプとして機能することが確認された。
【0035】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変
形を採ることができる。たとえば放電容器の大きさ,形
状など使用目的に応じて変えるてもよいし、塩素化酸化
タングステンの代わりに臭素化酸化タングステンを封入
した構成を採ることもできる。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、始動特性もよ
く、かつ安定した発光および良好な演色性をも呈するの
で、各種の照明用光源などとして有効な手段を提供す
る。
【0037】請求項2の発明によれば、始動特性もよ
く、かつ長期間に亘って安定した発光および良好な演色
性を呈するので、着脱交換など回避したい照明用光源な
どとして有効な手段を提供する。
【0038】請求項3の発明によれば、始動特性もよ
く、かつ煩雑もしくは付属的な装置などを要せずに、安
定した発光および良好な演色性を呈するので、簡略型の
照明用光源などとして有効な手段を提供する。
【0039】請求項4の発明によれば、前記請求項1な
いし請求項3記載の発明における効果がさらに助長され
る。
【0040】請求項5の発明によれば、前記請求項1な
いし請求項4記載の発明における演色性の向上・調整な
どが、容易に助長される。
【0041】請求項6の発明によれば、前記請求項1な
いし請求項4記載の発明における効果に加え、紫色系を
含む発光も得られるので、放電ランプの用途拡大を図る
ことができる。
【0042】請求項7の発明によれば、安定した発光お
よび良好な演色性を呈する照明装置の提供が可能とな
る。
【0043】請求項8の発明によれば、微量な水分の残
留も解消され、良好な始動性および安定した放電性を呈
する信頼性の高い放電ランプを歩留まりよく、また量産
的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の無電極型放電ランプの要部構成を
示す断面図。
【図2】第1実施例の無電極型放電ランプを光源とした
照明装置の回路構成を示すブロック図。
【図3】第2実施例の無電極型放電ランプの製造におけ
る酸化タングステンに対する四塩化ケイ素の導入比と放
電ランプの色温度都の関係を示す特性図。
【図4】第2実施例の無電極型放電ランプの発光分布例
を示す特性図。
【図5】第2実施例の無電極型放電ランプの他の発光分
布例を示す特性図。
【図6】第2実施例の無電極型放電ランプのさらに他の
発光分布例を示す特性図。
【図7】第3実施例の有電極型放電ランプの要部構成を
示す断面図。
【符号の説明】
1……放電容器 2……酸化タングステン−塩素化酸化タングステン系 3……酸化ケイ素粒子 4……無電極型放電ランプ 5……真鍮製円筒 6……高周波発生源 7……同軸ケーブル 8……光ファイバー 9……照度計 10……口金部 11a, 11b……外部接続用端子 12……外被管 13a, 13b……内部リード部 14……有電極型放電ランプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電容器と;前記放電容器内に封入され
    た希ガス,酸化タングステンおよびハロゲン化酸化タン
    グステンを含む封入物と;を有することを特徴とする放
    電ランプ。
  2. 【請求項2】 放電容器と;前記放電容器内に封入され
    た希ガス,酸化タングステンおよびハロゲン化酸化タン
    グステンを含む封入物と;を有することを特徴とする無
    電極型放電ランプ。
  3. 【請求項3】 放電容器と;前記放電容器内に封入され
    た希ガス,酸化タングステンおよびハロゲン化酸化タン
    グステンを含む封入物と;前記放電容器内に対向して封
    装された一対の放電電極と;を有することを特徴とする
    有電極型放電ランプ。
  4. 【請求項4】 酸化タングステンおよびハロゲン化酸化
    タングステンの混在分子比が 0/ 1〜 1/ 1であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3記載のいずれかの
    放電ランプ。
  5. 【請求項5】 希ガスがネオンおよびアルゴンの混合系
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の
    いずれかの放電ランプ。
  6. 【請求項6】 希ガスがアルゴンで、さらに水銀が封入
    されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4記
    載のいずれかの放電ランプ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6記載のいずれか
    の放電ランプと;前記放電ランプを装着・点灯する器具
    本体と;を有することを特徴とする照明装置。
  8. 【請求項8】 一端が開口した放電容器内に酸化タング
    ステンを収容し、その後放電容器内を排気する工程と;
    前記放電容器内を排気しながら室温に冷却した後、ハロ
    ゲン化ケイ素および希ガスを順次導入する工程と;前記
    放電容器の開口部を封止する工程と;前記封止した放電
    容器を少なくとも 900℃に加熱して酸化タングステンの
    一部をハロゲン化酸化タングステン化する工程と;を有
    する放電ランプの製造方法。
  9. 【請求項9】 一端が開口した放電容器内に酸化タング
    ステンを収容し、その後放電容器内を排気する工程と;
    前記放電容器内を排気しながら室温に冷却した後、前記
    酸化タングステン 1分子当たり、ハロゲン化ケイ素 0.5
    〜 0.1分子および希ガスを順次導入する工程と; 前記
    放電容器の開口部を封止する工程と;前記封止した放電
    容器を少なくとも 900℃に加熱して酸化タングステンの
    一部をハロゲン化酸化タングステン化する工程と;を有
    する放電ランプの製造方法。
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