JPH09173676A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗濯、すすぎを実行する場合、噴射ノズルか
ら洗濯液、すすぎ水を噴射して、洗濯、すすぎを不足な
く行える洗濯機を提供する。 【解決手段】 噴射ノズルから洗濯兼脱水槽３の内壁よ
り内側に噴射された洗濯水は洗濯物と洗濯水を一緒に回
転させる。噴射された洗濯水は噴射ノズル前方にある洗
濯物にぶつかり、織り目を開き、汚れを洗い流し、繊維
１本１本まで洗濯する。しかも、洗濯兼脱水槽３が噴射
と同じ方向に回転し、洗濯物の回転を支援するととも
に、洗濯兼脱水槽を停止して洗濯兼脱水槽の内壁にある
送水管カバー１３の出っ張りに回転している洗濯物がぶ
つからせて揉み洗いする。すすぎでも同様にする。洗濯
とすすぎが満足に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般的な洗濯機は、上面が開口し
た外槽内に、同じく上面が開口した洗濯兼脱水槽を配置
し、洗濯兼脱水槽の内側底部にパルセータを回転自在に
取付けた構造において、パルセータを回転させて洗濯す
るものである。

【０００３】しかし、このような洗濯の仕方では、例え
ば、パルセータを回転させ、この水流により洗濯物に回
転力を与え、洗濯ものをねじり、反対にねじることによ
り洗濯しているが、均一に、短時間で洗浄比高く、洗濯
できにくい。

【０００４】即ち、大量の洗濯物が入っていたり、厚目
の腰のある衣類を洗濯する場合にはこのような底部のパ
ルセータからだけの水流では水流は期待通りに円状に回
転せず、更に、パルセータの上に乗っている衣類の部分
には強い回転力が作用するが、水面近くの部分には回転
力が少ない為、衣類に作用する回転力に差が生じ、衣類
に許容以上の力が作用し、布傷み型くずれ、最悪の場
合、ほつれ、破れが発生することがある。また、水流は
洗濯物の負荷に負け、通り易いところのみに流れ、回転
しきらず、洗濯物同士がデタラメニ絡んで固まりにな
る。

【０００５】一方、パルセータ方式の洗濯においては、
規定量の標準的な洗濯物を洗濯する時間だけ、パルセー
タを回転させ洗濯を行い、その時間を経過すると回転を
停止するものである。尚、この洗濯において、洗濯は洗
濯物が十分回転して汚れをおとす程度に行うだけでよ
く、洗濯所要時間を短かくし、洗濯物の布傷みも抑制で
きる。

【０００６】従って、パルセータの回転は標準的な洗濯
程度に限られた時間しか行われないにもかかわらず、洗
濯物は固まりになったり、十分回らなかったりして、均
一に十分汚れをおとすことができない。よって、満足な
洗濯が行えない。

【０００７】また、上述の洗濯の仕方では、例えば、洗
濯後の脱水においても、満足な脱水が行われない。

【０００８】即ち、脱水時には洗濯物が固まりになった
まま、洗濯兼脱水槽の中で、片寄った分布となり、均一
に遠心力が作用せず脱水不足になる。また、脱水の回転
が高まるにつれ、騒音、振動が大きくなり、満足な脱水
が行えないのである。

【０００９】また、上述の洗濯の仕方では、例えば、洗
濯して脱水した後、洗濯兼脱水槽に設定通りに給水後、
すすぎをしても、すすぎが不足し、満足なすすぎを行う
ことができない。

【００１０】即ち、洗濯兼脱水槽に設定通りにすすぎ水
を入れてのすすぎにおいても、洗濯物がデタラメに絡ま
った固まりと片寄りが解消されない。従って、すすぎの
段階で回転翼が回転しても洗濯物の動きは悪く、すすぎ
不足を招き、満足なすすぎが行えないのである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点を解決し、洗濯のみならず、脱水、すすぎを不足な
く、満足なものとし、更に、洗浄性を高め、衣類の型崩
れと布傷みを少なくできる、洗濯機を提供するものであ
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、請求項１の洗
濯機として、上面が開口した外槽とこの外槽内に配置さ
れ、洗濯、脱水するときに底壁に設けられた回転軸を中
心として回転する、上面が開口し、内壁には回転軸内部
の送水穴につながり洗濯水等、を正回転方向に噴射する
ノズルのある送水管と逆方向のノズルのある送水管の１
対または数対がある洗濯兼脱水槽とからなる。

【００１３】更に、請求項２の洗濯機として、上記洗濯
兼脱水槽の内側には底部から上部へ伸びる送水管があ
り、各送水管には上下、数個の正回転方向に噴射する、
または逆方向に噴射するノズルのある配管とが１対また
は数対からなる。

【００１４】更に、請求項３の洗濯機として、回転軸の
中途の外周面に開口する一対の送水穴の開口とその外周
にリング状に設けられる一対の水路により送水路が接続
される回転自在な送水路継ぎ手からなる。

【００１５】更に、請求項４の洗濯機として、洗濯、す
すぎを行う時、洗濯兼脱水槽を回転させたり止めたりす
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】請求項１の構成においては、洗濯
兼脱水槽に指示通りの水位まで注水する。加圧ポンプを
動作させ、一方向（仮に右回転方向）に設定した噴射方
向切り替えバルブを経て、上下の噴射ノズルから圧力の
かかった洗濯水を洗濯兼脱水槽に噴射し、洗濯物の外周
部上部と底部からモーメント力を作用させ、洗濯兼脱水
槽の中で、上から下まで効率よく洗濯物を回転させる。
これにより、洗濯物に押しと曲げの洗浄力が作用し、ま
た、洗濯兼脱水槽の内側には下から上に伸びる送水管カ
バーの飛び出しがあり、遠心力で洗濯物はこれにぶつか
り洗濯効果が発生し、洗濯が均一に不足なく満足に行わ
れる。それに続く反対方向の回転に於ても同様に作用す
る。すすぎに於ても、同様に作用しすすぎが満足に行わ
れる。

【００１７】請求項２の構成においては、噴射ノズルか
ら圧力のかかった洗濯水を洗濯兼脱水槽に内径より内側
方向に洗濯水を噴射し、効率よく、洗濯物と一緒に洗濯
水に回転力を与え、回転させ、洗濯が満足に行われる。

【００１８】また、噴射ノズルの前面にある洗濯物に圧
力のかかった洗濯水が噴射され、布の織り目を押し開
き、織り目に入った汚れを洗い流し、繊維１本１本まで
洗濯し、洗濯が均一に不足なく、なお一層、満足に行わ
れる。

【００１９】それに続く、反対方向のノズルからの噴射
と回転により洗濯が繰り返される。また、すすぎにおい
ても、同様にすすぎが満足に行われる。

【００２０】請求項３の構成においては、洗濯兼脱水槽
の回転軸の送水穴がリング状水路の中で開口して、送水
管継ぎ手を構成し、加圧ポンプで加圧された洗濯水が洗
濯兼脱水槽の回転軸との送水路が回転自在に接続される
ので、噴射ノズルへの送水が可能となり、洗濯が不足な
く、満足に行われる。

【００２１】請求項４の構成においては、排水バルブを
閉じ、給水バルブを開き給水し、洗濯においては加圧ポ
ンプを動作させ、噴射ノズルから圧力のかかった洗濯水
を噴射し、洗濯物と一緒に洗濯水を回転させる（例え
ば、右回転に）。

【００２２】この時、モータを回転し、ベルトを介し洗
濯兼脱水槽を噴射ノズルからの噴射方向と同一方向（例
えば、右回転）に回転し、洗濯物と一緒に洗濯水に回転
力を与え、洗濯物と一緒の洗濯水回転の始動を支援す
る。洗濯水が十分回転後、モーターを停止し、ブレーキ
を作動し洗濯兼脱水槽を停止させ、数秒の休止を設け、
慣性と噴射ノズルからの噴射により回り続ける洗濯物が
洗濯兼脱水槽の内壁にある送水管カバーの飛び出しにぶ
つかり、尚、一層よく洗濯が満足に行われる。

【００２３】その後、噴射ノズル切り替えバルブを逆方
向の噴射ノズル（例えば、左回転に）に切り替え、モー
タを逆方向に回転させ、噴射ノズルからの逆方向の噴射
と洗濯兼脱水槽の逆回転において、同様に洗濯する。こ
の正逆の運転を設定サイクル繰り返し、洗濯する。

【００２４】すすぎにおいて、洗濯水を排水し、脱水
後、注水し、洗剤なしで、同様に繰り返し、すすぎが満
足に行われ、その後、排水、脱水する。

【００２５】洗濯物の材質に合わせ洗濯水噴射圧、噴射
時間と洗濯兼脱水槽の回転数、回転の時間を調整するこ
とにより、布傷み、型崩れなく満足に洗濯が行われる。

【００２６】

【実施例】図１は本発明の実施例の洗濯機の構成を示
す。１は機枠 ２はこの機枠１内に４本の吊り棒（図示
しない）により吊り下げ支持された、上面が開口した外
槽である。３は周囲に多数の脱水孔４を有し、上記外槽
２内に配置された、同じく上面が開口した洗濯兼脱水槽
で、この洗濯兼脱水槽３は底壁に設けられた回転軸５を
中心にして回転する。この回転軸の下方には送水路継ぎ
手６、その下に、洗濯脱水時に洗濯兼脱水槽をベルト７
を介し、モータ８で駆動するプーリー９が、更に、下端
には洗濯兼脱水槽の回転を止めるブレーキ機構１０が設
けられる。また、この洗濯兼脱水槽３には底面から内壁
に沿って上部に伸び、下部と先端に右回転方向に洗濯水
等、を噴射する噴射ノズル１１がある送水管１２と左方
向に噴射するノズルがある送水管が１対または数対設け
られ、これらの送水管は洗濯兼脱水槽の底部で上記回転
軸５のそれぞれの送水穴に接続している。図２に噴射ノ
ズル部の断面図を示す。送水管は送水管カバー１３で被
われている。

【００２７】また、上記の回転軸５には１対の送水穴１
４が通っており、送水穴の下端はこの回転軸の外周面に
開口１５している。これら一対の開口の回りにはリング
状の送水路１６が位置し、送水路継ぎ手６を構成してい
る。送水路継ぎ手６の入口側には、それぞれの水路に噴
射方向切り替えバルブ１７が接続されており、交互に開
閉され、洗濯水等の噴射方向が切り替えられる。更に、
噴射方向切り替えバルブ１７の上流には加圧ポンプ１８
が接続されている。また、加圧ポンプ１８の下流は枝分
かれしており、一方は前述の噴射方向切り替えバルブ１
７へ、他方の配管には本体外への放出バルブ１９があ
り、通常は閉じている。 浴室等の掃除には、噴射方向
切り替えバルブ１７の両方を閉じ、放水バルブ１９を開
いて、加圧ポンプ１８で加圧した洗剤水等の放出を行う
ことができる。また、加圧ポンプ１８の上流には吸水切
り替えバルブ２０が接続されており、通常は洗濯槽側に
開いているが風呂水等の、吸水時には吸水切り替えバル
ブ２０を風呂水側へ開放する。この吸水切り替えバルブ
１９の手前の配管は枝分かれしており、一方は繊維等の
ろ過フイルター２１を経て外槽２に繋がっている。他方
には、排水バルブ２２が繋がっており、通常は閉じてお
り、排水時には開放する。

【００２８】更に、給水路の構成は、機枠１の上部に設
けられる給水継ぎ手２３であり、給水バルブ（図示され
ていない）を経て、開閉可能に設けられる上蓋２４に設
けられる放水孔２５である。

【００２９】洗濯、脱水すすぎ等の実行には、機枠１上
部に設けられる制御部２６からの信号により制御させ
る。

【００３０】図３は洗濯機の基本的な運転手順を示す。
上記制御部２６は先ず、給水工程を実行し、続いて洗濯
工程、脱水工程を実行し、シャワーすすぎ、溜めすすぎ
工程を経て、最後に脱水する。

【００３１】

【発明の効果】本発明の請求項１によれば、上下の噴射
ノズルから洗濯水を噴射し、洗濯物と洗濯水を上下同様
によく回転させ、洗濯物の絡みも少ない。従って、満足
に洗濯が行える。

【００３２】脱水に於ても、洗濯物の絡みが少く、洗濯
兼脱水槽内に片よりなく入っているので、振動、騒音と
もに少なく、満足に脱水できる。従って、すすぎも満足
に行える。

【００３３】請求項２によれば、噴射ノズルから洗濯水
を洗濯兼脱水槽の内径より内側に噴射するので、洗濯物
が洗濯水と一緒によく回り、更に、圧力のかかった洗濯
水が洗濯物にぶつかり、織り目を開き、繊維の１本１本
まで洗濯する。従って、洗濯を満足に行うことができ
る。

【００３４】すすぎにおいても、洗濯物が水の中でよく
回転し、織り目の中までと、繊維１本１本まですすがれ
るので、短時間で、満足にすすぎされ、節水できる。

【００３５】請求項３によれば、加圧された洗濯水、す
すぎ水が簡単な構造の送水路継ぎ手で接続される噴射ノ
ズルに供給されることにより、洗濯、すすぎを満足に行
うことができる。

【００３６】請求項４によれば、噴射ノズルからの洗濯
水の噴射に加え、同じ方向に洗濯兼脱水槽が回転し、洗
濯物と洗濯水の回転の始動を早め、よく回転させる。そ
の後、洗濯兼脱水槽の回転を止め、回転する洗濯物が洗
濯兼脱水槽の内側の送水管カバーの飛び出しにぶちあた
り、総合して、洗濯が満足に行える。すすぎにおいて
も、同様に、脱水が満足に行える。

【００３７】また、洗濯物の材質に合わせ洗濯水噴射
圧、噴射時間と洗濯兼脱水槽の回転数、回転の時間を制
御することにより、布傷み、型崩れなく満足に洗濯、す
すぎが行われる。

【００３８】また、吸水切り替えバルブを風呂水に切り
替え加圧ポンプを作動させると、風呂水を使用しての洗
濯が可能である。

【００３９】また、放水バルブを外部放水に切り替え、
加圧ポンプを作動させると、洗濯水を噴射して、浴室等
を掃除するのに用いられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の洗濯機の縦断面図である。

【図２】同洗濯機の噴射ノズル部の水平断面図である。

【図３】同洗濯機の運転手順を示す流れ図である。

【符号の説明】

１ 機枠 ２ 外槽 ３ 洗濯兼脱水槽 ５ 回転軸 ６ 送水路継ぎ手 ７ ベルト ８ モータ ９ プーリ １０ ブレーキ機構 １１ 噴射ノズル １８ 加圧ポンプ １４ 送水穴 ２６ 制御部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯機の外枠内に吊り下げられた、上面
   が開口した外槽と、この外槽内に配置され、洗濯、脱水
   するときに底壁に設けられた回転軸を中心として回転す
   る、上面が開口した洗濯兼脱水槽と、この脱水槽の内壁
   にて底部から上部へ伸び、回転軸内部の一対の送水穴の
   一方につながり、洗濯水等を正回転方向に噴射する噴射
   ノズルを有する１つ以上の正回転噴射用送水管と、上記
   脱水槽の内壁にて底部から上部へ伸び、回転軸内部の一
   対の送水穴の他方につながり、洗濯水等を逆回転方向に
   噴射する噴射ノズルを有する１つ以上の逆回転噴射用送
   水管と、一対の送水穴に加圧ポンプからの配管を接続す
   る送水路継ぎ手と、その上流に接続される噴射方向切り
   替えバルブと、回転軸に設けられる駆動用プ−リ−と、
   ブレーキ機構と、駆動用プ−リ−に駆動用ベルトを介し
   て回転力を伝達する洗濯兼脱水槽駆動用モータと、排水
   バルブとからなる洗濯機。
2. 【請求項２】 上記正回転噴射用送水管及び逆回転噴射
   用送水管は各々上下に脱水槽の内径より内側方向に噴射
   する複数の噴射ノズルを有し、送水穴の下端は回転軸の
   中途の外周面に開口している、請求項１に記載の洗濯
   機。
3. 【請求項３】 送水路継ぎ手は、回転軸の中途の外周面
   に開口する送水穴の開口と、その外周にリング状に設け
   られた一対の送水路とから構成され、１対の送水路内に
   回転軸が回転自在に位置する、請求項１または２に記載
   の洗濯機。
4. 【請求項４】洗濯、すすぎを行う時、噴射ノズルから噴
   射される洗濯水、すすぎ水で洗濯物を回転、洗濯し、更
   に、洗濯水、すすぎ水の回転の始動を支援し、停止して
   洗濯兼脱水槽の内面の送水管カバーの飛び出し部へ洗濯
   物をぶつけて洗濯するように、洗濯兼脱水槽を回転し、
   停止する、請求項１、２、３のいずれかに記載の洗濯
   機。