JPH09173343A - 心房性不整脈の非外科的マッピングおよび治療用の形状付与された誘導導入器 - Google Patents

心房性不整脈の非外科的マッピングおよび治療用の形状付与された誘導導入器

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JPH09173343A
JPH09173343A JP7333834A JP33383495A JPH09173343A JP H09173343 A JPH09173343 A JP H09173343A JP 7333834 A JP7333834 A JP 7333834A JP 33383495 A JP33383495 A JP 33383495A JP H09173343 A JPH09173343 A JP H09173343A
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cutting
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Frederick Schwarz John
ジョン・フレデリック・シュワルツ
John D Ockuly
ジョン・ディー・オカリー
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St Jude Medical LLC
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断および/またはマッピング用処置により
心房性不整脈を治療する際に、カテーテルを所定位置に
誘導するための誘導導入器。 【構成】 手前側からほぼ真っ直ぐな長い直線部からな
る第1領域、その先端につながる湾曲部 (複合曲線を描
く場合もある) を含む第2領域、さらにその先端につな
がる湾曲を含む第3領域からなる、心房内に形成する所
定の切断トラックごとに合わせて予め湾曲形状を付与し
た複数の誘導導入器を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状付与した誘導
導入器(shaped guiding introducer) により誘導された
カテーテルを用いた心房性不整脈(atrial arrhythmia)
のマッピングおよび治療方法に関する。さらに本発明
は、心房性不整脈のマッピングまたは治療のためにマッ
ピング(mapping) 用または切断(ablation)用カテーテル
と共に用いられる誘導導入器の好ましい形状にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】導入器とカテーテルは医療処置に長年使
用されてきた。例えば、その用途の1つは、電気刺激を
人体内部の特定部位に伝達することである。別の用途
は、体内での診断試験のために監視および測定を行うこ
とである。即ち、カテーテルは、それ以外の方法ではよ
り侵襲性の高い処置 (例、切開)を行わなければ接近不
可能な体内部位 (例、心臓) にも到達させることができ
るので、カテーテルをこのような接近困難な体内の特定
部位に位置させておき、その間にカテーテルで検査、診
断および治療を行うことができる。使用に際して、カテ
ーテルは体表面に近い主要な静脈または動脈中に挿入し
うる。その後、カテーテルを操作することにより、体内
の動脈または静脈を通してカテーテルを検査、診断また
は治療のための特定部位に誘導する。
【0003】体内の遠隔かつ到達しにくい部位における
カテーテルの有用性が増してきている。しかし、このよ
うなカテーテルの利用は、カテーテルの電極を体内の特
定部位に正確に配置 (位置決め) する必要があることか
ら往々にして制限される。
【0004】カテーテルの動きを制御して上記の正確な
位置決めを得ることは、カテーテルの固有の構造から難
しい。慣用のカテーテルの本体は長い管状体である。カ
テーテルの動きの十分な制御を行うには、その構造があ
る程度の剛性 (堅さ) を有する必要がある。一方で、カ
テーテルを所望の特定部位に到達するように静脈、動
脈、または他の体内部分を通って動かすのに必要なカテ
ーテルの屈曲を妨げるほど、カテーテルの剛性が高くて
はならない。さらに、カテーテルは、体内で移動させて
いる間に動脈や静脈を傷つけるほど剛性が高くてはなら
ない。
【0005】カテーテルが血管を傷つけるほどには剛性
が高くないことが重要である一方で、トルク (回転力)
の制御、即ち、カテーテルの長さ方向にねじり力を伝達
する能力、に見合った十分な剛性をカテーテルが備えて
いることもまた重要である。十分なトルク制御により、
カテーテルの近接 (手前側) 端部に加えたねじり力が、
カテーテルに沿ってその遠方端部に伝わることにより、
カテーテルの制御された操縦が可能となる。より大きな
トルク制御の必要性は、血管の傷つきを防止するための
剛性低下の必要性と相いれないことが多い。
【0006】カテーテルは人の心臓を含む医療処置にま
すます使われるようになっている。このような処置で
は、カテーテルを一般に静脈または動脈を通して心臓に
到達させ、心臓内の特定部位に位置させる。典型的に
は、カテーテルを患者の脚部、頸部、上胸部または腕部
の動脈または静脈に挿入し、しばしばガイドワイヤーや
導入器を利用して、さまざまな動脈または静脈内を誘
導、通過させ、カテーテルの先端が心臓内の所望部位に
到達するまで前進させる。
【0007】このような処置に用いられるカテーテルの
遠方端部を、予め所望のカーブ形状に湾曲させておくこ
とがある。この予備成形により、カテーテルをその軸線
を回転軸として回転させることで、心臓内または心臓に
付随する動脈または静脈内の所望部位の方にカテーテル
を誘導することができる。
【0008】例えば、米国特許第4,882,777 号には、人
の右心室での特定の処置に使用するための、遠方端部が
複雑に湾曲しているカテーテルが開示されている。米国
特許第5,299,574 号および同第4,117,836 号には、左冠
状動脈の選択的冠状動脈血管造影法に用いるカテーテル
が開示されており、米国特許第5,295,574 号、同第5,21
5,540 号、同第5,016,640 号および同第4,883,058 号に
は、右冠状動脈の選択的冠状動脈血管造影法に用いるカ
テーテルが開示されている。米国特許第4,033,031 号も
参照できる。
【0009】米国特許第5,269,326 号は、特定の医療処
置のために右心房を通って心臓周囲腔(pericardial spa
ce) に経静脈的に接近させる方法を開示している。米国
特許第4,898,591 号には、内層と外層 (編まれた部分が
ある) をもつカテーテルが開示されている。この米国特
許第4,898,591 号は、血管内カテーテルの多数の異なる
湾曲形状についても開示している。米国特許第5,231,99
4 号、同第4,838,879号、同第5,171,232 号および同第
5,290,229 号も参照できる。
【0010】心房細動は最も一般的な持続型不整脈であ
る。これは成人人口のほぼ0.4 %、60歳以上の人口のお
そらく10%程度は起きていると見積もられている。Cox,
J.L. et al., Electrophysiology, Pacing and Arrhyt
hmia, 「心房細動の処置(Operations for Atrial Fibri
llation)」, Clin. Cardiol., 14, 827-834 (1991)参
照。
【0011】心房性不整脈は、一過性と永続性のいずれ
の場合もある。多くの心房性不整脈は、根底にある別の
形態の心臓病を持つ者に起こるが、一部の心房性不整脈
は独立して起こる。心房性不整脈は、心室性不整脈ほど
には直接死に結びつくことは少ないが、他の多くの疾
患、例えば、発作、血栓症、アテローム性動脈硬化症、
全身および大脳の塞栓症、の危険因子を高め、多くの医
療上の問題をさらに引き起こす。
【0012】心房細動の治療においては、抗不整脈薬が
症状の軽減をもたらすことがある。抗不整脈薬は、例え
ば米国特許第4,558,155 号、同第4,500,529 号、同第4,
988,698 号、同第5,286,866 号および同第5,215,989 号
に開示されている。投薬手段による心房性不整脈の治療
については、例えば次のものを含む多くの医学論文や書
籍に開示されてきた。Martin, D., et al., 心房細動(A
trial Fibrillation),pp. 35-41 (1994); Falk, R.H.,
et al.,心房細動(Atrial Fibrillation) (1992); Singe
r, I., et al., 電気生理学の臨床マニュアル(Clinical
Manual of Electorophysiology) (1993); およびHorow
itz, L.N., 現代の不整脈管理(CurrentManagement of A
rrhythmias) (1991)。
【0013】心房性不整脈つまり心房細動の別の治療法
は、体内埋込み式の心房の除細動器を使用する方法、つ
まり電気的除細動法である。例えば、米国特許第5,282,
836号、同第5,271,392 号および同第5,209,229 号を参
照。Martin, D., et al., 心房細動(Atrial Fibrillati
on), pp. 42-59 (1994) も参照できる。
【0014】しかし、症候性の心房性不整脈または生命
の危険がある心房性不整脈の患者の中には、薬剤や上記
のような医療機器によっては十分に治療できない者がい
る。その場合には、手術を含む他の形態の攻撃的な処置
が必要となる。例えば、メイズ(Maze)法と呼ばれる心房
性不整脈の治療のための外科的処置が、Cox, J.L. eta
l., Electrophysiology, Pacing and Arrhythmia, 心房
細動の処置, Clin. Cardiol., 14, 827-834 (1991)に開
示されている。Cox, J.L. et al., 「心房細動の外科的
治療 (The Surgical Treatment of Atrial Fibrillatio
n)」The Journal of Thoracic and Cardiovascular Sur
gery, Vol.101, No.4, pp.584-592, 569-583 (1991年4
月) 、およびCox, J.L. et al., 「心房細動の外科的治
療」TheJournal of Thoracic and Cardiovascular Surg
ery, Vol.101, No.3, pp.406-426 (1991 年3月) も参
照できる。心房性不整脈の他の外科的処置は、例えば、
Martin, D., et al., 心房細動, pp.54-56 (1994) に開
示されている。
【0015】心房細胞ではない不整脈、即ち、非心房性
の不整脈の或る種のタイプに対してここ10〜15年ほど使
用されてきた別の処置法は、カテーテルによる切断 (ア
ブーション、ablation) である。この処置法は、心臓内
の心室性不整脈に付随して存在する伝達経路を中断する
か又は変形させるのに使用されてきた。切断する具体的
な部位は、根底にある心室性不整脈の種類により異な
る。
【0016】一般的な切断処置法の一つは、房室 (AV)
結節凹部頻脈の処置のためのものである。この問題では
速い又は遅いAV結節経路を切断することが許容される治
療法になってきた。Singer, I., et al., 「不整脈に対
するカテーテル切断 (Catheter Ablation for Arrhythm
ias)」電気生理学の臨床マニュアル (1993); Falk, R.
H., et al.,心房細動管理メカニズム(Atrial Fibrillat
ion Mechanisms in Management), pp.359-374 (1992);
Horowitz, L.N.,現代の不整脈管理, pp.373-378(1991);
およびMartin, D., et al., 心房細動, pp. 42-59 (199
4)を参照。心臓内部の切断位置に対する切断用カテーテ
ルの使用は、例えば、米国特許第4,641,649 号、同第5,
263,493 号、同第5,231,995 号、同第5,228,442 号およ
び同第5,281,217 号に開示されている。しかし、これら
はいずれも、誘導導入器を利用して切断用カテーテルを
特定の位置に誘導することを開示していない。
【0017】カテーテル切断に用いるエネルギーの供給
源は一定ではない。初期には高電圧の直流(DC)切断法の
使用が一般的であった。しかし、直流電流の使用に付随
する問題点を考慮して、高周波(R.F.)切断が切断法に対
する好ましいエネルギー供給源となってきた。切断に高
周波エネルギーを使用することは、例えば、米国特許第
4,945,912 号、同第5,209,229 号、同第5,281,218 号、
同第5,242,441 号、同第5,246,438 号、同第5,281,213
号および同第5,293,868 号に開示されている。心臓組織
の切断に考慮されている他のエネルギー源としては、レ
ーザー、超音波、マイクロ波、およびフルグトロナイゼ
ーション(fulgutronization)が挙げられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】心臓内の正確な位置を
切断するには、切断用カテーテルを心臓内で正確な位置
に配置する必要がある。切断用カテーテルの正確な位置
決めは、心臓の生理学機能からみて、特に切断処置は一
般に心臓が拍動している間に行うことから、特に困難で
ある。一般に、カテーテルの配置は、電気生理学的誘導
とX線透視法とを組合わせて決定される(カテーテルの
配置は、冠状静脈洞、高右心房(high right atrium) お
よび右心室といった既知の解剖学的構造の内部または表
面に放射線不透過性の診断用カテーテルを置くことによ
りマークした心臓の既知部位に対して行われる) 。
【0019】この方法は或る種の不整脈には有用であっ
たが、心房内で心房細動の治療にカテーテル切断を行う
ことはこれまで開示されたことがなかった。最も近いも
のでも、AV結節またはヒス・パーキンジェ (His-Purkin
je) 束のカテーテル切断処置が、例えば米国特許第4,64
1,649 号およびMartin, D., et al., 心房細動, p.53(1
994) に開示されているだけである。
【0020】本発明の目的は、形状付与した誘導導入器
により特定位置に誘導された切断用カテーテルを用いて
心房性不整脈のマッピングおよび治療のための方法を開
示することである。
【0021】本発明の別の目的は、心房性不整脈の治療
の1要素として左心房および/または右心房内の決めら
れた軌道 (トラック) の切断方法を開示することであ
る。
【0022】本発明のさらに別の目的は、心房性不整脈
の治療として、心房のマッピングおよび左心房および/
または右心房内の決められたトラックの切断のためにカ
テーテルに組合わせて使用される形状付与した誘導導入
器を開示することである。
【0023】本発明の別の目的は、心房性不整脈の治療
用の電気生理学的処置に用いる特定形状の誘導導入器を
提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記およびその他の目的
は、ここに開示する本発明の心房性不整脈の治療方法
と、この方法で用いる形状付与した誘導導入器により達
成することができる。
【0025】1側面において、本発明はマッピングおよ
び切断用のカテーテルを用いた心房性不整脈の治療およ
び/またはマッピング方法である。この方法は、一端か
ら他端まで貫通した内腔を有し、形状付与した誘導導入
器の内部にマッピングまたは切断用カテーテルを配置し
て心房内に導入し、心房内の所定位置をマッピングまた
は切断することからなる。
【0026】本発明の好適態様にあっては、心房性不整
脈の治療のための切断および/またはマッピング処置
は、下記工程からなる。 (a) 一端から他端まで貫通した内腔を有し、形状付与さ
れた誘導導入器を人の右心房に導入し、(b) この形状付
与された誘導導入器を用いて右心房内で切断および/ま
たはマッピング用カテーテルを、その一部が該誘導導入
器の内腔の先端から突出するようにして位置決めし、
(c) 形状付与された誘導導入器の内部に配置された切断
および/またはマッピング用カテーテルを用いて、右心
房内の所定トラックを切断および/またはマッピング
し、(d) 上記と同じ又は別の形状付与された誘導導入器
を用いて工程(a) 、(b) および(c) を反復し、右心房内
の複数の所定トラックを切断および/またはマッピング
することにより、右心房内の再導入回路 (reentry circ
uits) を低減または解消し、(e) 一端から他端まで貫通
した内腔を有し、形状付与された誘導導入器を人の左心
房に導入し、(f) この形状付与された誘導導入器を用い
て左心房内で切断および/またはマッピング用カテーテ
ルを、その一部が該誘導導入器の内腔の先端から突出す
るようにして位置決めし、(g) 形状付与された誘導導入
器の内部に配置された切断および/またはマッピング用
カテーテルを用いて、左心房内の所定トラックを切断お
よび/またはマッピングし、(h) 上記と同じ又は別の形
状付与された誘導導入器を用いて工程(e) 、(f) および
(g) を反復し、左心房内の複数の所定トラックを切断お
よび/またはマッピングすることにより、左心房内の再
導入回路を低減ないし解消し、それにより、ある程度完
全な心房収縮および房室同調を可能にしながら、洞房結
節から房室結節への電気インパルスの一般に中断されな
い経路または回廊を形成する。
【0027】本発明は別の面からは、心房性不整脈のマ
ッピングおよび/または治療においてマッピングおよび
/または切断用カテーテルと共に用いる特定形状の誘導
導入器を開示する。具体的には、それぞれ形状が異なる
5種類の形状付与された誘導導入器が左心房内の処置用
に開示され、4種類の形状付与された誘導導入器が右心
房内の処置用に開示される。
【0028】
【発明の実施の形態】普通の人の心臓は、右心室、右心
房、左心室および左心房を持っている。右心房は上大静
脈と下大静脈とに流体連絡している。房室中隔によって
右心房と右心室とが仕切られている。房室中隔内に含ま
れている三尖弁により、右心房と右心室とが連通してい
る。左心房と接する部分の右心房の内壁に薄肉の凹んだ
箇所があり、これが卵円窩である。右心房の詳細な説明
図を図1に、左心房の詳細な説明図を図2にそれぞれ示
す。
【0029】胎児の心臓では、卵円窩(開いた小孔)が
開いているので、胎児の血液は右心房と左心房の間を流
れることができる。ほとんどの人では、この開口部は生
後に閉じるが、25パーセント程度ものかなりの人では、
右心房と左心房の間の卵円窩の代わりに開口部(開いた
小孔)がなお残る。卵円窩と三尖弁の間には、冠状静脈
洞への開口部つまり口があいている。冠状静脈洞は、心
筋層から右心房に排出される静脈血の大部分を収容する
大心外膜静脈である。
【0030】正常な心臓では、心筋 (心筋層) の収縮と
弛緩は規則正しく起こり、これは電気化学信号が、心筋
層内を洞房 (SA) 結節から房室 (AV) 結節に伝達され、
ヒス・パーキンジェ系を含む明確な経路に沿って左右の
心室に順に流れる結果として起こる。最初の電気刺激は
SA結節で発生し、AV結節に伝達される。AV結節は右心房
の心房中隔内の冠状静脈洞の開口部付近にある。ヒス・
パーキンジェ系はAV結節から始まり、膜状の心房中隔に
沿って三尖弁に向かって進み、房室中隔を通って膜状の
心室中隔内に達する。心室中隔のほぼ中間で、ヒス・パ
ーキンジェ系は左右に枝分かれし、心室中隔の筋肉部の
頂部をまたいでいる。
【0031】心房性不整脈と呼ばれる異常なリズムが心
房内で時に起こる。最も普通の3種類の不整脈は、異所
性心房頻脈、心房細動、心房粗動である。心房細動は患
者に著しい不快感を生じ、時には死に至ることもある。
その理由は、心房細動が次の(1) 〜(3) を含む多くの付
随する問題を抱えているからである。(1) 不規則な心拍
数が不快感と不安感を生ずる、(2) 房室収縮の同期性が
失われて心臓の血行が不安定になり、多様なレベルのう
っ血性心不全を生ずる、(3) 血行の停止 (うっ血) によ
り血栓塞栓症の罹患性が増す。
【0032】心房細動の特定の病理学的原因を確定する
ことは困難な場合もあるが、主要なメカニズム (原因)
は左心房および/または右心房内に形成された1つまた
は複数の再導入(reentry) 回路であると考えられる。上
記の問題を軽減するための従来の試みとしては、薬理学
的な治療の利用が目立っていた。薬理学的治療は時には
有効であるが、場合によっては薬剤による治療は効果が
なく、また往々にして、めまい、吐き気、視覚障害その
他の症状を含む副作用に苦しめられる。
【0033】ここ数年、心房性不整脈の治療に外科的処
置も利用されるようになってきた。この外科的手段の目
標は、薬理学的治療の場合と同様に、心房性不整脈の自
覚症状の軽減と、心拍出量への規則的な心房の作用を回
復することによる血行動態の正常化、の両者である。提
案された一つの方法は、外科的処置により左心房を心臓
の残りの部分から孤立させる必要がある。Cox, J.L. et
al., 「心房細動の外科的治療」Journal of Thoracic
and Cardiovascular Surgery, Vol. 101, No.4, p. 570
(1991)を参照。
【0034】初期の切開はこのような手術後に瘢痕組織
(scar tissue) を残すものであって、左心房を効果的に
孤立させ、場合によっては患者の自覚症状をいくらか軽
減する。このような軽減は、右心房が充分な洞リズムを
維持している場合に限って起こりうる。この処置法に
は、適切な洞リズムの維持の必要性の他にも、血栓塞栓
症の危険性を含む様々な問題が付随する。
【0035】心房性不整脈の治療のための別の処置法と
して、ヒス束の切断がある。その後、永久ペースメーカ
ーを埋め込み、規則的心室拍動を生じさせる。Cox, J.
L. etal., 「心房細動の外科的治療」Journal of Thora
cic and Cardiovascular Surgery, Vol. 101, No. 4, p
p. 570-572 (1991) を参照。しかし、心房細動はなお続
くことがあり、正常な心臓血行動態は回復せず、血栓塞
栓症の危険性はなお残る。
【0036】ギラウドン(Guiraudon) が1985年に提案し
たより新しい外科的処置は、SA結節とAV結節との間に狭
い回廊(corridor)を形成するものである。Guiraudon,
G.M.,et al.,「組合わせ洞結節/房室結節の分離: 心房
細動患者におけるヒス束切断に代わる外科的処置 (Comb
ined Sinoatrial Node/Atrial Ventricular Node Isola
tion: a Surgical Alternative to His Bundle Ablatio
n in Patients with Atrial Fibrillation」, Circurat
ion 72: (pt-2) III-220 (1985) を参照。この処置は、
狭い回廊を残りの心房筋肉組織から分離するものであ
り、場合によっては、心房性不整脈に付随する幾つかの
問題を緩和できる。
【0037】より最近では、「メイズ(Maze)」法と呼ば
れる、より複雑な外科的処置が、心房性不整脈の治療に
提案されている。Cox, J.L. et al., 「心房細動の外科
的治療」Journal of Thoracic and Cardiovascular Sur
gery, Vol. 101, pp. 569-83(1991) を参照。この処置
法では、最も普通の再導入回路を生ずる心房内の領域の
伝達経路を中断するような適切な位置で心房切開を行
う。この処置はまた、洞刺激を洞結節から特定の経路に
沿って房室結節に向けるようにも意図される。また、処
置後に心房心筋層全体 (左右の心耳と肺静脈を除く) が
SA結節とAV結節との間の主要伝達経路から外れた複数の
ブラインドアレイ(blind alleys)を与えることにより電
気的に活性になり、それによって手術後の心房の輸送機
能を保存するようにも意図される。この処置法は一部の
患者では良好な治療結果を与えたが、広い範囲を手術す
ることから潜在的な危険性が大きい。
【0038】「メイズ」法の有効性は、心房の収縮がな
お可能で、正常な房室伝達に戻ることができるようにし
ながら、再導入回路の形成を防止するために特定の線、
即ちトラックに沿って心房内の組織を破壊することに依
存する。同様の成功を、心房内で行う切断 (アブレーシ
ョン) 処置を用いて、侵襲性の手術を行わずに達成する
ことができることが判明した。しかし、この切断処置を
行うには、切断用カテーテルを左右の心房内の所定位置
に位置決めして、左右の心房内で所定のトラック (線ま
たは軌道) を切断し、それにより再導入回路の形成に対
する自然障壁を形成することが必要となる。左右の心房
内の明確な所定位置に切断トラックを形成することが必
要である上、適正な経壁傷(transmural lesion) を形成
するには、切断用カテーテルの電極と切断を受ける心臓
組織との間に十分な接触圧を維持することが重要であ
る。
【0039】この切断処置に用いる切断用カテーテル
は、心房の所定位置に瘢痕組織を生ずる。組織の傷つけ
又は切断に必要なエネルギーは、多くの多様な供給源か
ら供給できる。初期には直流電流を利用して切断処置用
のエネルギーを得ていた。より最近は、好ましいエネル
ギー供給源として高周波(R.F.)が選択されるようになっ
てきた。レーザー、マイクロ波、超音波およびフルグト
ロナイゼーションの各手段も切断処置を行うのに利用さ
れてきた。本発明の切断処理に対する好ましいエネルギ
ー供給源は高周波エネルギーである。
【0040】心房内でいかなる心臓処置を行う場合にも
見られる著しい困難の一つが、拍動時 (特に拍動が異常
な場合) の心房自身の生理機能に原因がある。そのた
め、左右の心房内に切断トラックを作る好ましい処置法
では、心房組織内で所定トラックを切断するために、心
房内で切断用カテーテルの正確な位置決めと適正な接触
圧が求められる。この処置法で形成された傷部、即ちト
ラックは、「メイズ」法の切開部と同じ位置であっても
よいが、心房内の異なる位置に形成しても同様の結果を
生じさせることができる。
【0041】正確な位置決めと適正な接触圧がなく単に
切断用カテーテルを左心房または右心房に導入しても、
所望の切断トラックを形成できるようにはならないであ
ろう。この正確な位置決めと適正な接触圧は、適切に切
断されたトラックを生ずるように切断用カテーテルを正
確な位置に誘導し、かつ切断用カテーテルの先端に適切
な圧力を加わえることができる特殊な湾曲形状を予め付
与した誘導導入器を使用しなければ達成できない。
【0042】心房性不整脈の治療の要素には、心房内の
位置を感知して心房を効率的かつ正確にマッピングする
ことも含まれる。心臓の生理機能とその拍動は、マッピ
ング用カテーテルの有効性に対しても阻害要因となる。
本発明の誘導導入器は、かかるマッピング用カテーテル
の正確な配置も助けることができる。
【0043】医者は、血管系への心臓カテーテルの導入
と血管内でのその前進状況をX線透視装置を用いて監視
することが多い。残念ながらX線透視装置は、一般に心
臓内の特定形状を容易に識別することができず、具体的
には左右の心房の決定的に重要な構造を判別することが
できない。そのため、湾曲した誘導導入器を使用しない
と切断用カテーテルの配置と利用が極めて困難となる。
カテーテルの配置は、拍動する心臓が絶えず動いてお
り、血液が心臓から押し出されている間にカテーテルが
心房内で動くため、特に困難を極める。本発明の誘導導
入器の構造と形状は、このような問題に対処してこれを
解決し、正確な切断処置に必要な正確なカテーテルの配
置を可能にするものである。
【0044】本発明の誘導導入器は、その形状の結果と
して自動的にマッピングおよび/または切断用カテーテ
ルを処置に必要な正確な位置に配置させるという位置決
め機能を発揮する。この特定形状に設計された(形状付
与された)誘導導入器は、従来の細長いカテーテルから
製作される。本発明の誘導導入器は、以下に説明するよ
うに複数の区画(領域)を有しているが、慣用の誘導導
入器の製作法により、好ましくは単一の一体構造になる
ように製作する。本発明の誘導導入器は、その特有の湾
曲形状以外の別の特徴として、後でより詳しく説明する
放射線不透過性の先端 (チップ) マーカーと排出孔を有
する。
【0045】好適態様にあっては、左右いずれかの心房
内で特定のトラックを切断する際の切断用カテーテルを
補助するのに1個の誘導導入器を使用するが、2個以上
の誘導導入器を組合わせて使用し、適切な形状の誘導導
入器を構成してもよい。例えば、第一の形状付与した誘
導導入器を第2の形状付与した誘導導入器の内部に配置
して、一緒に機能する第1および第2の誘導導入器を組
合わせた形状が、第1および第2の各誘導導入器の回転
ならびに外側(第2)の誘導導入器の内部への内側(第
1)の誘導導入器の挿入の程度に応じて、複数の異なる
形状を生じさせるようにしてもよい。
【0046】各処置ごとにそれぞれ異なる単一の誘導導
入器を使用する場合、個々のトラックに沿ってカテーテ
ルを誘導するのに各誘導導入器を別々に使用する。予め
湾曲形状を付与した誘導導入器を用いて切断用カテーテ
ルを所定位置に保持した後、切断用カテーテルを用いて
所定の切断トラックを切断する。トラックを完全に切断
するのに、一つのトラックに沿って2本以上の切断作業
が必要となることもある。
【0047】カテーテル内に配置した感知要素を用いて
トラックに沿った活性を感知することもできる。切断処
置が終了した後、使用した第1の形状付与した誘導導入
器を取り出し、その代わりに第2の形状付与した誘導導
入器を挿入して、切断用カテーテルを用いた処置を繰り
返し、次の切断トラックを形成する。心臓内で予め決め
た切断トラックの全てを完全に切断し終わるまで、上記
の処置を続ける。どの形状付与した誘導導入器を最初に
使用し、またどの順序で使用するかの選択は、もちろん
個々の医者が決めることである。
【0048】左右の心房内で切断するトラックの選択
は、その患者についてそれまでに集められてきた実験お
よび臨床データから一般に決定される。例えば、Cox,
J.L. etal., 「心房細動の外科的治療」Journal of Tho
racic and Cardiovascular Surgery, Vol. 101, pp. 40
6-426 (1991)を参照。ただし、切断トラックの位置やそ
の本数 (切断トラック数) の調整は、明らかに医者の裁
量の範囲内である。例えば、シャインマン(Scheinman)
が「難治性の上室性不整脈を抑制するためのカテーテル
による房室接合部の切断(Catheter-Induced Ablation o
f the Atrioventricular Junction to Control Refract
ory Supraventicular Arrhythmias)」, JAMA 248: 851-
5 (1982)にて示唆したように、左心房を完全に分離する
ように切断トラックを選択することもできる。或いは、
ギラウドンがGuiraudon, G.M., etal.,「組合わせ洞結
節/房室結節の分離: 心房細動患者におけるヒス束切断
に代わる外科的処置, Circuration 72: (pt-2) III-220
(1985) にて示唆したように、房洞結節とAV結節との間
に「回廊(corridor)」を形成するように切断トラックを
選択することもできる。
【0049】切断およびマッピング処置を最初に左右い
ずれの心房から始めてもよいが、心房中隔の切断より先
に処置を右心房から始めることが好ましい。右心房での
切断処置は、具体的には心房粗動の発現を防止し、また
はその発現を遅らせるように図られる。これはまた他の
心房性不整脈の治療の補助にもなる。右心房に形成する
切断トラックは、再導入回路が特に上大静脈、下大静脈
および右心耳の周囲に形成されないように計画される。
図1は、トラック5, 6, 7, 8, 9 として示される右心房
内に形成される好ましい切断トラックを示す説明図であ
る。医者の選択によっては、これより多いか、または少
ないトラックを形成することもある。どのトラックを最
初に形成するかの選択も、医者の裁量に委ねられる。
【0050】トラック8として示す右心房の心房中隔内
の切断トラックは、左心房の心房中隔の対応する切断ト
ラックを形成するのと同時に形成することが好ましい。
図1のトラック8、図2のトラック8、図11〜13を参
照。これらの切断トラックを形成するための好ましい処
置は、図11に示すように、2本のカテーテルを用いたカ
テーテル間切断法である。この方法では、第1のカテー
テルには左心房用に特に好ましい誘導導入器を用い、第
2のカテーテルには右心房の心房中隔に沿って切断処置
を行うのに特に好ましい誘導導入器を用いる。右心房の
トラックは、卵円窩縁から上方に中隔蓋部(septal roo
f) に達して、左心房用の第1の誘導導入器により形成
されたトラック(図2のトラック1)および右心房に形
成された図1のトラック6とつながる。これは左心房の
トラックと右心房のトラックが心房中隔の両側にあるた
めに可能となる。これらのトラックは、残りの右側のト
ラックを形成した後に形成することが好ましい。
【0051】右心房のこの処置は、慣用のX線透視法を
用いて行うことができるので、特に形状を付与した誘導
導入器を処置に使用する必要はないが、右心房のトラッ
ク8に沿ってカテーテルを誘導するには湾曲の少ない誘
導導入器を使用することが好ましい。図1参照。
【0052】右心房内にこのトラック8を形成するため
の誘導導入器は、好ましくは2つの部分に分かれる。好
ましくは各部分は他方の部分につながり、好ましくは単
一作製過程で形成された1本の連続した誘導導入器を形
成している。図14A〜14Bおよび図11および12を参照。
この誘導導入器は、本出願人による特願平5−354369号
の図2に示した誘導導入器と同じである。
【0053】より詳しく説明すると、この右心房用の誘
導導入器は第1、第2および第3の3領域からなる。こ
の誘導導入器の第1領域は、普通のほぼまっすぐな細長
い中空誘導導入器領域であり、患者への導入とその挿入
地点から心臓の右心房内の特定の所望位置への操縦とに
十分な長さがある。この誘導導入器の第1領域の遠方端
部につながるのが第2領域であり、これは図14Aに示す
ように、左方に湾曲している湾曲部からなる。この湾曲
の角度は約45〜55°、好ましくは約50°である。この湾
曲の半径は約0.50〜2.00インチ(1.27 〜5.08cm) 、好ま
しくは約1.00〜2.00インチ(2.54 〜5.08cm) である。こ
の湾曲部の全長は約0.20〜2.00インチ (0.51〜5.08cm)
、好ましくは約0.50〜1.00インチ (1.13〜2.54cm) で
ある。この誘導導入器の第3領域は、第2領域の遠方端
部につながっている。図14Aに示すように、第3領域は
第1領域の方向から約40〜60°の角度を向いたほぼまっ
すぐな部分からなり、その全長は約0.50〜3.00インチ
(1.27〜7.62cm) である。
【0054】この右心房の切断トラック8と同時に形成
される左心房の切断トラック (図2にトラック8として
示す) は、卵円窩縁から始まって上方に中隔蓋部に至
り、図2に示したトラック1とつながるように形成す
る。このトラックは図13にもトラック8として示されて
いる。左心房内でこのトラックを形成するのに使用する
誘導導入器は、図17A、17Bおよび17Cに示されてい
る。
【0055】この左心房用の第1の誘導導入器も第1、
第2および第3の3領域からなる。この誘導導入器の第
1領域は、普通のほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器
領域であって、患者への導入とその挿入地点から心臓の
左心房内の特定の所望位置への操縦とに十分な長さがあ
る。この第1の形状付与された誘導導入器の第1領域の
遠方端部につながるのが第2領域であり、この第2領域
は湾曲部と直線部とから構成される。湾曲部は図17Aに
示す位置に配置した場合に左方に湾曲している。この湾
曲の内角は約60〜80°、より好ましくは約65〜75°であ
る。この湾曲の半径は約0.30〜0.70インチ (0.76〜1.78
cm) 、好ましくは約0.40〜0.60インチ (1.02〜1.52cm)
である。この湾曲の末端が直線部になっており、その長
さは約0.40〜1.00インチ (1.02〜2.54cm) 、好ましくは
約0.40〜0.85インチ (1.02〜2.16cm) である。この第1
の形状付与された誘導導入器の第3領域は、第2領域の
直線部の遠方端部につながっている。この第3領域も湾
曲部と直線部とから構成される。湾曲部は、図17Bおよ
び17Cに示すように、図17Aに示した位置で第1領域に
対して後方に、約80〜100 °、好ましくは約85〜95°の
角度および約0.20〜0.40インチ (0.51〜1.02cm) 、好ま
しくは約0.25〜0.35インチ (0.64〜0.89cm)の半径で湾
曲している。この湾曲の末端は最後の直線部になってお
り、その長さは約0.25〜0.65インチ (0.64〜1.65cm) 、
好ましくは約0.40〜0.50インチ (1.02〜1.27cm) であ
り、この部分の最後が誘導導入器の先端になっている。
【0056】左心房内にトラック8を形成するための別
の誘導導入器として、本出願人による特願平5−354368
号の図3に示したものを使用してもよい。この誘導導入
器は、第1、第2および第3の3領域から構成される。
図18Aおよび18Bを参照。第1領域は、普通のほぼまっ
すぐな細長い中空誘導導入器領域であり、患者への導入
とその挿入地点から心臓の左心房内の特定の所望位置へ
の操縦とに十分な長さがある。この鞘部(sheath)、即
ち、誘導導入器の第1領域の遠方端部につながるのが第
2領域である。第2領域は、第1長手方向曲線を描いて
上方に湾曲すると同時に、第2長手方向曲線を描いて左
方に湾曲するという複合曲線を描いて湾曲している。第
1長手方向曲線の湾曲半径は約0.50〜2.00インチ (1.27
〜5.08cm)、好ましくは約0.50〜1.50インチ (1.27〜3.8
1cm) である。第1長手方向曲線の円弧の角度は好まし
くは約40〜60°、より好ましくは約45〜55°である。第
2領域の第2長手方向曲線の湾曲半径は、約0.50〜4.00
インチ (1.27〜10.16cm)、好ましくは約0.50〜2.00イン
チ (1.27〜5.08cm) である。誘導導入器の第3領域は、
第3長手方向曲線を描いた湾曲部であり、この第3領域
の平面は、上向きに約40〜60°、好ましくは約45〜55°
の角度をなしており、この第3領域の実質的に全体が同
一平面内(少なくとも同一平面から15°以内) にある。
この長手方向に湾曲した第3領域の湾曲部の円弧の角度
は約35〜55°、好ましくは約40〜50°である。
【0057】全ての誘導導入器の遠方端部は、拡張器に
うまく移行するようにテーパーをつけてもよく、好まし
くはそのようにする。このテーパーは、好ましくは10°
未満、より好ましくは約4〜7°である。好ましくは、
誘導導入器の先端 (遠方端部) 付近に1または2以上の
放射線不透過性のチップマーカーバンド(tip markerban
d) を設けてもよい。また好ましくは、誘導導入器の先
端付近に1または2以上、より好ましくは3または4個
の小孔を設けてもよい。この小孔は、好ましくは誘導導
入器の先端から約1.00cm以内、より好ましくは先端から
0.10〜1.00cmの位置に設ける。この小孔の大きさは、直
径約40〜60ミル (1ミル=1/1000インチ=0.0254mm) が
よい。
【0058】一般にこれらの小孔は、万一この誘導導入
器の遠方端部が閉塞した場合に、誘導導入器内に挿入さ
れていたカテーテルの引抜きにより起こる空気塞栓症が
誘導導入器内に侵入するのを防止するためのものであ
る。例えば、誘導導入器の先端が心筋層に当たるように
位置している場合、誘導導入器内に挿入されていたカテ
ーテルを引き抜くと、小孔を全く設けていなければ、カ
テーテル内に減圧状態が生じることがある。このような
減圧状態になると、誘導導入器の管内へのカテーテルの
再挿入によって誘導導入器内に空気が逆流して流れこむ
ことがある。このような空気塞栓症は、脳卒中、心臓発
作の可能性やその他の心臓内の空気塞栓症で普通に見ら
れる問題を包む重大な問題を患者に引き起こすことがあ
る。誘導導入器の先端付近に小孔を追加することで、カ
テーテルを誘導導入器から引き抜くときに流体 (恐らく
は血液) が誘導導入器の管内に引き込まれることが可能
となり、上記の減圧の発生が防止され、それにより誘導
導入器内での空気塞栓症の発生の可能性が排除される。
【0059】本発明の誘導導入器は、形状記憶性のあ
る、即ち、変形させても所望の三次元、即ち複雑な多平
面形状に実質的に戻ることができる、人体内で使用する
のに適した任意の素材から作製することができる。制限
ではなく例示の目的で具体的寸法を示すと、誘導導入器
の内径は約6〜10フレンチ (1フレンチ=1/3 mm) の範
囲内である。このような誘導導入器は、約6〜10フレン
チの拡張器と適当なガイドワイヤを受け入れることがで
きる。より大直径または小直径の拡張器またはカテーテ
ルを本発明の誘導導入器と組合わせて使用する場合に
は、本発明の誘導導入器に寸法や形状の変更を加えるこ
とができることは当然である。
【0060】本発明の誘導導入器の寸法および形状を変
化させて、この誘導導入器を小児科で用いることも本発
明の範囲内であるが、好ましい用途は大人の心臓用であ
る。周知のように、小児科用の場合、誘導導入器の各領
域、特に第1領域の寸法の縮小が必要となるが、誘導導
入器の形状または湾曲については著しい変更は必要な
い。
【0061】また、本発明の誘導導入器の寸法および形
状を変化させて、肥大または回転した心臓を持つ患者に
時に見られるような特殊な状況に用いることも本発明の
範囲内である。
【0062】右心房用の第2の誘導導入器を図15Aおよ
び15Bに示す。この誘導導入器は、本出願人の特願平5
−354368号の図4に示した形状付与された誘導導入器と
同じである。この誘導導入器は、三尖弁と下大静脈とを
分ける組織峡部を切断するものである。図1のトラック
5および図7を参照。この切断が完了すると、三尖弁な
らびに上下の大静脈の周囲での再導入回路の形成が防止
される。
【0063】この右心房用の第2の誘導導入器も3領域
に区分される。第1領域は、普通のほぼまっすぐな細長
い中空誘導導入器領域であり、患者への導入とその挿入
地点から心臓の右心房内の特定の所望位置への操縦とに
十分な長さがある。この誘導導入器の第1領域の遠方端
部につながるのが第2領域であり、これは図15Bに示す
ように、第1長手方向曲線を描いて上方に湾曲すると同
時に、第2長手方向曲線を描いて左方に湾曲するという
複合曲線を描いて湾曲している。第1長手方向曲線の湾
曲半径は約0.50〜2.00インチ (1.27〜5.08cm) 、好まし
くは約0.50〜1.50インチ (1.27〜3.81cm) である。第1
長手方向曲線の内角は、好ましくは約 140〜120 °、よ
り好ましくは約 135〜125 °である。第2領域の第2長
手方向曲線の湾曲半径は、約0.50〜4.00インチ (1.27〜
10.16cm)、好ましくは約0.50〜2.00インチ (1.27〜5.08
cm) である。第2長手方向曲線の角度は好ましくは図15
に示すように右方に、約70〜110 °、より好ましくは約
80〜100 °である。この誘導導入器の第3領域は、第2
領域の遠方端部につながる。この第3領域は第3湾曲部
であって、第3領域の平面は、第1領域の平面から上方
に約40〜60°、好ましくは約45〜55°の角度をなし、第
3領域の実質的に全体が同一平面上にある。図15Aおよ
び15Bを参照。この第3領域の曲線の円弧は、約80〜10
0 °、好ましくは約85〜95°の半径を持つ。
【0064】右心房の第3の切断トラックは、上下大静
脈の周囲の分界稜に沿って走る。図1のトラック6およ
び図8を参照。図1の右心房の最初のトラック (トラッ
ク5) と一緒に、このトラックも上下大静脈の周囲での
再導入回路の形成を防ぐものである。この切断トラック
を形成するための第3の右心房用の誘導導入器も好まし
い形状がある。この第3の右心房用の誘導導入器は、図
16A、16B、16Cに示されるように3領域に区分され
る。
【0065】なお、以下に説明する残りの誘導導入器
も、それぞれ視点の異なる3面図で示す。各視点におい
て、誘導導入器は、慣用のカテーテルおよび停止コック
への接続のためのバルブに取付けられている。かかる各
配置において、誘導導入器の手前側の端部 (近接端部)
が所定位置に固定されているサイドポート管 (側方の出
入口管, side port tubing) に対する誘導導入器の位置
に関して、誘導導入器の形状を説明する。
【0066】これら3図面の第1図面では、サイドポー
ト管は、誘導導入器のまっすぐな第1領域の平面内にほ
ぼ位置するが、90°左向きになっている (図16A参照)
。第2図面では、停止コックとサイドポート管の残り
の部分が誘導導入器の第1領域の一部を覆うように、サ
イドポート管が時計方向に90°回転している (図16B参
照) 。第3図面 (例、図16C) では、サイドポート管は
さらに時計方向に90°回転していて、サイドポート管は
再び誘導導入器の第1領域とほぼ同一平面内にくるが、
サイドポート管は図の右側に位置する。図16Cを参照。
説明を助けるため、残りの誘導導入器に対しても、サイ
ドポート管を持った誘導導入器の同様な配置を採用して
いる。
【0067】図16に示した右心房用の第3の誘導導入器
の第1領域は、普通のほぼまっすぐな細長い中空誘導導
入器領域であって、患者への導入とその挿入地点から心
臓の右心房内の特定の所望位置への操縦とに十分な長さ
がある。この第3の形状付与された誘導導入器の第1領
域の遠方端部につながるのが第2領域であり、この第2
領域は図16Bに示すように右方に湾曲している湾曲部か
らなる。この湾曲部の内角は約 170〜150 °、好ましく
は約 165〜150 °である。この湾曲部の半径は約1.50〜
2.00インチ (3.81〜5.08cm) 、好ましくは約1.65〜1.85
インチ (4.19〜4.70cm) である。この湾曲部の末端から
第3領域が始まり、この第3領域は、最初が長さ約1.00
〜1.60インチ (2.54〜4.06cm) 、好ましくは約1.25〜1.
40インチ(3.18〜3.56cm) のほぼまっすぐな直線部であ
り、最後は図16Cに示すように右方に (または図16Aに
示すように左方に) 約70〜110 °、好ましくは約80〜10
0°の内角で湾曲している湾曲部となっている。この湾
曲部の半径は約0.30〜0.50インチ (0.76〜1.27cm) 、好
ましくは約0.35〜0.40インチ (0.89〜1.02cm) である。
この湾曲部の末端は誘導導入器の先端 (遠方端部) であ
る。この第3領域の湾曲部 (湾曲開始部から先端まで)
の全長は好ましくは約0.40〜0.70インチ (1.02〜1.78c
m) 、より好ましくは約0.50〜0.60インチ (1.27〜1.52c
m) である。この誘導導入器の先端は拡張器への移行が
うまくいくようにテーパーをつけてもよく、その方が好
ましい。また、既に説明したように、誘導導入器の先端
付近にはチップマーカーと小孔を設けてもよく、その方
が好ましい。
【0068】右心房にはさらに2本の切断トラックが形
成される。これらは図1にトラック7および9として示
されている。トラック7は上大静脈と下大静脈の中間部
の心房中隔の壁に沿って走る。このトラックは上下大静
脈の周囲での再導入回路の形成防止に役立つ。最後のト
ラック9は、分界稜付近に形成したトラックの末端付近
の上大静脈の中間部から、前方に向かって右心耳の先端
に至る。このトラックは、右心耳の周囲での再導入回路
の形成防止に役立つ。これらのトラックはどちらも、図
14Aおよび14Bに示したようなトラック8の形成に使用
する第1の右心房用誘導導入器、または図16A、16B、
16Cに示したような図1に6として示した分界稜トラッ
ク6の形成に使用する第3の右心房用誘導導入器のいず
れかを用いて形成することができる。これらの誘導導入
器については既に説明したので、これ以上の追加説明は
不要である。
【0069】次に、左心房に用いる誘導導入器について
詳述する。第1の左心房用誘導導入器は、左肺静脈から
左心耳を分離するためのものである。従って、この第1
の形状付与された左心房用誘導導入器は、僧帽弁および
左肺静脈より前の地点にある房室溝から心房中隔に向か
って走る切断トラックの形成において切断カテーテルを
補助するものである。図2のトラック1および図3を参
照。再導入回路の完全な切断には好ましくは4本のトラ
ックの全部を切断する必要があるが、左心房の心房細動
の軽減は、この第1のトラックのみを用いて達成するこ
とも可能である。
【0070】第1の左心房用誘導導入器は、好ましく
は、心房中隔において左心房の切断トラック8(これは
右心房のトラック8に対応)を形成するのに用いた誘導
導入器と同じものである。図11および13ならびに図17
A、17B、17Cを参照。
【0071】第2の左心房用誘導導入器は、右肺静脈か
ら左肺静脈を分離するのに用いられる。図2のトラック
2および図4を参照。第2の左心房用誘導導入器を用い
て形成される切断トラックは、第1の形状付与された誘
導導入器と切断用カテーテルとで形成されたトラックと
やや平行に位置する。このトラックは、房室溝内の三尖
弁から心房中隔に向かって、但し右肺静脈と左肺静脈と
の間を走る。第2の誘導導入器の形状は、第1の誘導導
入器と同様である。
【0072】この第2の左心房用誘導導入器も、3領域
に区分される。第2の誘導導入器の3面図である図19
A、19B、19Cを参照すると、第1領域は、普通のほぼ
まっすぐな細長い中空誘導導入器領域であって、患者へ
の導入とその挿入地点から心臓の左心房内の特定の所望
位置への操縦とに十分な長さがある。この第2の形状付
与された誘導導入器の第1領域の遠方端部につながるの
が第2領域であり、この第2領域は湾曲部と直線部とか
ら構成される。湾曲部は図19Aに示す位置に配置した場
合に左方かつ下方に湾曲している。この湾曲部の内角は
約40〜80°、より好ましくは約50〜70°である。この湾
曲部の半径は約0.30〜0.50インチ (0.76〜1.27cm) 、好
ましくは約0.35〜0.40インチ (0.89〜1.02cm) である。
この湾曲部の末端が直線部になっており、その長さは約
0.50〜1.00インチ (1.27〜2.54cm)、好ましくは約0.70
〜0.80インチ (1.78〜2.03cm) である。この第2の形状
付与された誘導導入器の第3領域は、第2領域の直線部
の遠方端部につながっている。この第3領域も湾曲部と
直線部とから構成される。湾曲部は、図19Aに示す位置
に配置した場合に第1領域に対して後方に、かつ図19B
に示す位置に配置した場合には左方に湾曲しており、こ
の湾曲の角度は約80〜100 °、好ましくは約85〜95°、
半径は約0.25〜0.40インチ (0.64〜1.02cm) 、好ましく
は約0.30〜0.40インチ (0.76〜1.02cm) である。この湾
曲の末端は短い直線部になっており、その長さは約0.30
〜0.70インチ(0.762〜1.778cm)、好ましくは約0.40〜0.
60インチ(1.02〜1.52cm) であり、この部分の最後が誘
導導入器の先端になっている。この第2の形状付与され
た誘導導入器の先端も、第1の誘導導入器と同様に、拡
張器への移行がうまくいくようにテーパーをつけてもよ
く、その方が好ましい。また、既に説明したように、誘
導導入器の先端付近にはチップマーカーと小孔を設けて
もよい。
【0073】次に、図20A、20、20Cは第3の左心房用
誘導導入器の3方向からの図である。この第3の左心房
用誘導導入器は、先に説明した二つの左心房用誘導導入
器とは著しく異なる形状をとる。この誘導導入器は特に
左下肺静脈と周囲組織を左心房の残りの部分から分離す
るのを完了させるためのものである。図2のトラック3
および図5を参照。これは、左下肺静脈の上方かつ側方
の地点から左肺静脈の間を通るように走る切断トラック
を形成するのを補助するものである。この切断トラック
は、第1および第2の左心房用誘導導入器を用いた切断
用カテーテルにより形成されたトラックと交差する。
【0074】第3の左心房用誘導導入器も、第1、第
2、第3の3領域からなる。図20A、20B、20Cを参
照。この第3の左心房用誘導導入器の第1領域は、普通
のほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器領域であり、患
者への導入とその挿入地点から心臓の左心房内の特定の
所望位置への操縦とに十分な長さがある。この誘導導入
器の第1領域の遠方端部につながるのが第2領域であ
り、これは複合曲線を描いた湾曲部と直線部とからな
る。第2領域の複合曲線からなる湾曲部は、図20Aに示
すように、まっすぐな第1領域に対して左方に第1曲線
を描いて湾曲すると同時に、第1領域に対して後方に
(或いは図20Bに示す位置では右方に) 第2曲線を描い
て湾曲している。第1曲線の湾曲半径は約0.40〜0.60イ
ンチ (1.02〜1.52cm) 、好ましくは約0.45〜0.55インチ
(1.14〜1.40cm) である。第1曲線の内角は、好ましく
は約 155〜115 °、より好ましくは約 140〜120 °であ
る。この第2領域の第2曲線の湾曲半径は、約0.15〜0.
45インチ(0.381〜1.143cm)、好ましくは約0.20〜0.30イ
ンチ (0.51〜0.76cm) である。この第2曲線の内角は好
ましくは約 120〜160 °、より好ましくは約 130〜150
°である。この第3誘導導入器の第2領域の直線部は、
この複合曲線を描いた湾曲部の最後から始まり、長さが
約1.20〜1.50インチ (3.05〜3.81cm) 、好ましくは約1.
30〜1.50インチ (3.30〜3.81cm) である。この直線部の
最後から第3領域が始まり、この第3領域も湾曲部と直
線部とから構成される。湾曲部は、図20Aに示すよう
に、約 155〜115 °、好ましくは約 140〜120 °の内角
で湾曲し、半径は約0.40〜0.60インチ (1.02〜1.52cm)
である。この湾曲部は第2領域の直線部と同一平面内に
ある。この湾曲部の末端が直線部になっており、この直
線部が誘導導入器の先端になる。この第3領域の直線部
は比較的短く、長さは好ましくは約0.20〜0.40インチ
(0.51〜1.02cm) である。これにも拡張器への移行がう
まくいくようにテーパーをつけることが好ましい。ま
た、他の誘導導入器と同様に、先端付近には放射線不透
過性のチップマーカーバンドと好ましくは小孔を設けて
もよい。
【0075】第4の左心房用誘導導入器は、特に左心房
内で右上肺静脈から右下肺静脈を分離するためのもので
ある。これは、心房中隔の後方地点から前方へ右上肺静
脈と右下肺静脈の間を通って走る切断トラックの形成を
補助するものであり、形成されたトラックは上述した第
2の切断トラックと交差する。図2のトラック4および
図6を参照。
【0076】第4の左心房用誘導導入器の形状は、左心
房用の前記の3つの誘導導入器とは異なるが、やはり第
1、第2、第3の3領域からなる。3面から見た図11
A、11B、11Cを参照。この第4の左心房用誘導導入器
の第1領域は、普通のほぼまっすぐな細長い中空誘導導
入器領域であり、患者への導入とその挿入地点から左心
房内の特定の所望位置への操縦とに十分な長さがある。
この第1領域の遠方端部につながるのが第2領域であ
り、これは複合曲線を描いた湾曲部と直線部とから構成
される。複合曲線からなる第2領域の湾曲部は、図21A
に示すように、まっすぐな第1領域に対して左方に第1
曲線を描いて湾曲すると同時に、第1領域から後方に
(或いは図21Bに示す位置では右方に) 第2曲線を描い
て湾曲している。第1曲線の内角は約 155〜105 °、好
ましくは約 140〜120 °であり、湾曲半径は約0.25〜0.
50インチ (0.64〜1.27cm) 、好ましくは約0.30〜0.40イ
ンチ (0.76〜1.02cm) である。第2曲線は、内角が約 1
55〜125 °、好ましくは約 150〜130 °であり、湾曲半
径は、約0.30〜0.70インチ (0.76〜1.78cm) 、好ましく
は約0.40〜0.60インチ (1.02〜1.52cm) である。この第
2曲線の複合曲線部分の最後に、第4の誘導導入器の第
2領域の直線部がくる。この直線部の長さは約1.00〜2.
00インチ (2.54〜5.08cm) 、好ましくは約1.20〜1.50イ
ンチ (3.05〜3.81cm) である。この直線部の最後から第
3領域が始まり、この第3領域は、最後が誘導導入器の
先端になる湾曲部からなる。この湾曲した第3領域は、
図21Aに示すように、約40〜80°、好ましくは約50〜70
°の内角、かつ約0.30〜0.50インチ (0.76〜1.27cm) 、
好ましくは約0.35〜0.40インチ (0.89〜1.02cm) の半径
で、第1領域の平面から円弧を描いて左方に湾曲してい
る。第1、第2および第3の左心房用誘導導入器と同様
に、第4の左心房用誘導導入器の先端付近にも放射線不
透過性のチップマーカーバンドと好ましくは小孔を設け
てもよい。
【0077】これら4本の切断トラックと心房中隔に沿
った切断トラックとによる複合効果は、左心房を互いに
電気的に直接導通することのない5つの区画に分けるこ
とである。具体的には、左下肺静脈の周囲の小さな区画
は、左心房の残りの部分から孤立する。しかし、残りの
区画はいずれも、優勢な洞速度(sinus rate)により制御
された電気的活性つまり収縮を受けることができる。実
験データと感知操作に基づいて、切断処置の本数を増減
させることもできる。
【0078】左心房の好ましい処置では5本の切断トラ
ックを形成するが、特に心臓が肥大している場合にはさ
らに余分のトラックが必要になることもある。或いは、
その患者の必要性に応じて、場合によってはより少ない
本数の切断処置しか必要ないこともある。
【0079】左心房の切断処置だけで心房性不整脈の症
候を軽減するのに十分なこともある。その場合には、右
心房の切断処置は必要ないこともある。しかし、心房性
細動の効果的な切断には、右心房内にも切断処置を行う
ことがよい。
【0080】手術時、誘導導入器と切断用カテーテルを
体内に挿入するのに普通は修正セルディンガー法が採用
される。この方法を用いた場合、カテーテルや拡張器が
通りやすい適当な位置に小さな皮膚切開を行う。次い
で、皮下組織を切開した後、比較的浅い角度に位置させ
たスタイレットを持つ適当な針で血管を穿孔する。針を
次いで不完全に引抜き、いくらか異なる角度で再び血管
に挿入して、針が確実に血管内にとどまるようにする。
次いで、適当な寸法のガイドワイヤーの柔軟な先端を針
を通して血管内に、先端が針より少し先にくるまで挿入
する。ガイドワイヤーをその位置にしっかり保持したま
ま針を取り出す。ガイドワイヤーを次いで血管内を進ま
せて、右大腿部の静脈から下大静脈を経て右心房に入れ
る。(好ましい処置法では左右の心房に下方から接近さ
せる。左心房への逆行接近および上方からの接近と右心
房への上からの接近も採用できる。ただし、このような
別の接近法に調和するように誘導導入器の形状の修正が
必要となる。)次いで、ガイドワイヤーを所定位置に保
持したまま、拡張器をワイヤーの周囲に通し、使用する
第1の誘導導入器をこの拡張器の周囲に配置する。拡張
器とこの誘導導入器は、一般に組立体 (アセンブリ) を
形成し、一体となってガイドワイヤーに沿って進ませ、
下大静脈に入れる。この組立体の挿入後、ガイドワイヤ
ーを引き抜く。
【0081】右心房用の第1の誘導導入器を、ガイドワ
イヤーの周囲を進ませて、右心房内で切断およびマッピ
ング処置を行う。右心房の切断トラックの目的は、上下
の大静脈と三尖弁の周囲の再導入回路の形成を防止し、
同時に右心耳を孤立させることである。好ましい処置で
は、左心房の切断トラックを形成する前に、最初に右心
房の切断トラックを形成する。図1参照。右心房内のト
ラックの切断順序は重要ではないが、図1に示したトラ
ックでの好ましい切断順序は、トラック5、6、7、
9、8の順序である。トラックの完全な切断のために、
1本のトラックに沿って複数回で切断を行うことが必要
になることもある。完全な切断が行われたことを確認す
るために右心房内で感知カテーテルを使用することもで
きる。適切な切断が行われたことを確認した後、最後の
右心房用誘導導入器を取り出して、右心房内の心房性不
整脈の処置を完了する。
【0082】右心房の処置が終わった後、最後の右側用
の誘導導入器を取り出し、ブロッケンブロー針またはト
ロカール (套管針) を拡張器の管内を通して右心房まで
挿入し、好ましくは卵円窩で心房中隔に開口を形成する
のに使用する。 (この処置は、左心房に誘導導入器を挿
入するために行う。) 心房中隔の貫通は、右心房内で左
心房と平行なトラック (図1、トラック8) を形成する
のと同時に左心房内の切断トラック (図2、トラック
8) を形成することができるように、右心房の処置が完
了する前に行うことが好ましい。この器具全体(拡張器
とブロッケンブロー針)を大静脈から右心房内に送り込
み、先端が卵円窩のレベルで心房中隔に当たった状態に
する。次いで、ブロッケンブロー針を拡張器の内部で前
進させて卵円窩まで到達させる。心房中隔に開口を作っ
たのち、針と拡張器と左心房用の第1誘導導入器を左心
房内に進ませる。左心房用第1誘導導入器を心房中隔を
経て左心房内まで進ませた後、ブロッケンブロー針と拡
張器を取り出すと、第1誘導導入器が左心房内に残る。
次いで、切断用カテーテルを誘導導入器内部の管内を通
して前進させ、第1誘導導入器のユニークな形状によっ
てトラックを形成する左心房内の所定位置に配置する。
使用する誘導導入器の選択は、医者が用いる処置法に応
じて異なる。好ましい各トラックについて、そのトラッ
ク全体を効果的に切断するのに数回の切断回数が必要と
なることもある。好ましい処置では、4個の切断用誘導
導入器を順に1個づつ使用して (図2および図3、4、
5、6を参照) 、トラック1、2、3、4を順に形成す
る。医者により誘導導入器の使用順序の変更が可能であ
ることは言うまでもない。
【0083】切断用カテーテルから切断ソースを切り離
して、カテーテルを感知装置に接続する場合、1または
2以上の形状付与された誘導導入器と一緒に独立した別
の電気生理学感知カテーテルを使用して、適切な切断ト
ラックが形成されたか否かを決定するために左心房内で
の位置を感知またはマッピングしてもよい。既に述べた
ように、左心房内の処置は、左心房を、互いには直接連
絡しあわず、SA結節と連絡する5つの独立した区画に分
けることを目的とする。さらに、この処置は、左下肺静
脈の周囲組織を左心房の残りの全ての組織から孤立させ
ることも目的とする。この処置により、左心房内の再導
入回路の形成を防止または制限する独立した経路または
回廊が形成されることになる。具体的なトラックの位置
は、個々の心臓の状態によって変化することもあるが、
上述した一般的な処置法は、左心房に対して所望の結果
を達成するのに好ましい処置法である。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、所望の誘導導入器をX
線透視法と組合わせて選択することにより、適切な誘導
導入器の遠方部分を操縦して、この誘導導入器の管内に
挿入したマッピングおよび/または切断用カテーテルの
遠方端部を左心房または右心房内の特定の内表面に向け
ることができる。さらに、心臓ならびに血管表面の多様
な解剖学的構造により誘導導入器が所定位置に保持され
るように十分な剛性と支持を付与することにより、誘導
導入器の遠方端部を心内膜のその固定された位置または
表面位置に保持することができ、それにより適切な切断
を行うことが可能となる。この切断用カテーテルの先端
の正確な配置は重要である。なぜなら、切断用カテーテ
ルの先端が常に動くことにより非集束エネルギーが心臓
の室内全体に消散して循環する血液内に失われることに
よる供給エネルギーの希釈が起こらないからである。そ
の結果、切断処置中に供給するエネルギー量を著しく低
減させることが可能となる。さらに、処置の遂行に必要
な時間が、誘導導入器を使用しない処置に比べて著しく
短縮される。また、この切断処置によって、例えば「メ
イズ」法、回廊法などの外科的処置法の使用といった手
術の適用においてこれまで達成されてきたのと同種の、
個々の切断トラックの破壊を達成することもできる。
【0085】以上には本発明の特定の態様について例示
および説明したが、本発明の範囲内で各種の変更が可能
であることは、以上の説明より明らかであろう。なお、
本発明の実施例態様を列挙すれば次の通りである。
【0086】(1) 人の心房内の心房性不整脈の治療方法
であって、一端から他端まで貫通した内腔を有し、所定
の湾曲形状を付与した誘導導入器を心房内に導入し、こ
の誘導導入器内に切断および/またはマッピング用カテ
ーテルを挿入し、この誘導導入器を用いてカテーテルを
心房内の選択された領域に誘導し、カテーテルを用いて
心房内の選択された領域をマッピング又は切断する、こ
とからなる切断および/またはマッピング処置を行うこ
とを特徴とする治療方法。
【0087】(2) 切断のために選択された領域が左心房
内にある1記載の方法。 (3) 切断のために選択された領域が右心房内にある1記
載の方法。 (4) 切断のために選択された領域が左心房および右心房
内にある1記載の方法。
【0088】(5) 切断のために選択された領域が左心房
内の複数のトラックを含んでいる1記載の方法。 (6) 切断のために選択された領域が右心房内の複数のト
ラックを含んでいる1記載の方法。 (7) 切断のために選択された領域が左心房内および右心
房内の複数のトラックを含んでいる1記載の方法。 (8) 左心耳を肺静脈から分離する2記載の方法。
【0089】(9) 複数のトラックの切断により下記の結
果を生ずる5記載の方法。 (a) 左心耳が肺静脈から分離、(b) 左肺静脈が右肺静脈
から分離、(c) 左下肺静脈が左上肺静脈から分離、(d)
右下肺静脈が右上肺静脈から分離。
【0090】(10)右心房内の切断のために選択された領
域が、上大静脈から下大静脈の周囲および下大静脈と三
尖弁との間に位置する複数のトラックを含んでいる6記
載の方法。
【0091】(11)人の心房内の心房細動の治療方法であ
って、一端から他端まで貫通した内腔を有し、所定の湾
曲形状を付与した誘導導入器を左心房内に導入し、この
誘導導入器内に切断および/またはマッピング用カテー
テルを挿入し、この誘導導入器を用いてカテーテルを左
心房内の選択された領域に誘導し、カテーテルを用いて
左心房内の選択された領域を切断する、ことからなる切
断処置を行うことを特徴とする治療方法。
【0092】(12)左心房内の切断のために選択された領
域が、1または2以上にトラックを含んでいる、11記載
の方法。 (13)左心房内の切断のために選択された領域が、左心耳
を肺静脈から分離させる、12記載の方法。
【0093】(14)切断トラックが下記の結果を生じる12
記載の方法。 (a) 左心耳が肺静脈から分離、(b) 左肺静脈が右肺静脈
から分離、(c) 左下肺静脈が左上肺静脈から分離、(d)
右下肺静脈が右上肺静脈から分離。
【0094】(15)心房性不整脈の治療を助けるため、前
記切断処置に投薬処置を併用する1記載の方法。 (16)切断処置において切断用エネルギー供給源として直
流、高周波、マイクロ波、超音波、レーザー、およびフ
ルグトロナイゼーションの一つを利用する1記載の方
法。 (17)切断処置を高周波エネルギーを利用して行う16記載
の方法。
【0095】(18)心房性不整脈の治療を助けるために、
切断用カテーテルに組合わせて1または2以上の湾曲し
ていない誘導導入器と1または2以上の湾曲形状を付与
した誘導導入器とを利用する1記載の方法。
【0096】(19)左心房の切断処置のために5つの誘導
導入器を利用する2記載の方法。 (20)左心房の切断処置のために5つの誘導導入器を利用
する9記載の方法。 (21)誘導導入器の先端にテーパーが付与されている1記
載の方法。 (22)誘導導入器がその先端付近に1または2以上の小孔
を有している1記載の方法。
【0097】(23)心房性不整脈の治療方法であって、下
記(a) 〜(h) の工程を含む切断および/またはマッピン
グ処置を使用することを特徴とする方法。
【0098】(a) 一端から他端まで貫通した内腔を有
し、湾曲形状が付与された右心房用の誘導導入器を人の
右心房に導入し、(b) この右心房用誘導導入器を用いて
右心房内でマッピングおよび/または切断用カテーテル
を、その一部が該誘導導入器の内腔の先端から突出する
ようにして位置決めし、(c) この切断および/またはマ
ッピング用カテーテルと右心房用誘導導入器を用いて、
右心房内の所定トラックをマッピングおよび/または切
断し、(d) 必要により、上記と同じ又は別の湾曲形状が
付与された右心房用誘導導入器を用いて工程(a) 、(b)
および(c) を反復して、右心房内に1または2以上の選
択されたトラックを切断および/またはマッピングし、
(e) 一端から他端まで貫通した内腔を有し、湾曲形状が
付与された左心房用の誘導導入器を人の左心房に導入
し、(f) この左心房用誘導導入器を用いて左心房内で切
断および/またはマッピング用カテーテルを、その一部
が該誘導導入器の内腔の先端から突出するようにして位
置決めし、(g) この切断および/またはマッピング用カ
テーテルと左心房用誘導導入器を用いて、左心房内の所
定トラックをマッピングおよび/または切断し、(h) 必
要により、上記と同じ又は別の湾曲形状が付与された左
心房用誘導導入器を用いて工程(e) 、(f) および(g) を
反復して、左心房内に1または2以上の選択されたトラ
ックを切断および/またはマッピングし、それにより、
SA結節により媒介される心房収縮および高められた房室
同調を可能にしながら、洞房結節から房室結節への電気
インパルスの一般に中断されない経路を形成する。
【0099】(24)左心房内の所定トラックが、肺静脈か
ら左心耳を孤立させる23記載の方法。 (25)左心房内の所定トラックが下記の結果を生ずる23記
載の方法。 (a) 左心耳が肺静脈から分離、(b) 左肺静脈が右肺静脈
から分離、(c) 左下肺静脈が左上肺静脈から分離、(d)
右下肺静脈が右上肺静脈から分離。 (26)左下肺静脈の周囲の隣接領域を左心房の残りから分
離する、25記載の方法。
【0100】(27)左心房の切断および/またはマッピン
グ処置が、左心房を5つの別個の区画に分けるようにし
た4本の独立したトラックを形成し、第1トラックは左
肺静脈の前方の地点の房室溝から心房中隔に至り、第2
トラックは心房中隔から左右の肺静脈の間を経て房室溝
に至り、第3切断トラックは、左下肺静脈の上方および
側方の地点から左肺静脈の間を通って第2トラックと交
差し、第4トラックは心房中隔の後方の部分から前方に
上下の右肺静脈の間を通って第2トラックを交差する、
23記載の方法。
【0101】(28)右心房の切断トラックが上大静脈から
下大静脈の周囲および下大静脈と三尖弁との間に形成さ
れる23記載の方法。 (29)右心房の切断トラックが、上下大静脈の周囲の分界
稜に沿った第1トラックと、三尖弁を下大静脈から分け
る組織に向かう第2トラックと、上大静脈と下大静脈の
間の心房中隔に沿った第3トラックとからなる23記載の
方法。
【0102】(30)分界稜に沿ったトラックの頂点で上大
静脈の中間部から前方に右心耳の先端に向かう第4トラ
ックを形成する29記載の方法。
【0103】(31)卵円窩から心房中隔に沿って上方に中
隔蓋部に至るように考えられた第5トラックを形成する
27記載の方法。 (32)卵円窩から心房中隔に沿って上方に中隔蓋部に至る
ように考えられた第5トラックを形成する30記載の方
法。
【0104】(33)人の心臓に用いる誘導導入器であっ
て、手前側から第1、第2、第3の各領域からなり、第
1領域はほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器部であ
り、第1領域の末端の遠方端部につながる第2領域は湾
曲部であり、湾曲した第2領域の末端の遠方端部につな
がり、誘導導入器の先端に位置する第3領域はほぼまっ
すぐな直線部と湾曲部とから構成される誘導導入器。
【0105】(34)湾曲した第2領域の内角が約 170〜15
0 °で、その角度の半径が約1.50〜2.00インチ(3.81 〜
5.08cm) である33記載の誘導導入器。 (35)第3領域の直線部の長さが約1.00〜1.60インチ(2.5
4 〜4.064cm)で、第3領域の湾曲部の内角が約70〜110
°、半径が約0.30〜0.50インチ(0.762〜1.27cm)であ
り、第3領域の全長が約0.40〜0.70インチ(1.016〜1.77
8cm)である、33記載の誘導導入器。
【0106】(36)人の心臓に用いる誘導導入器であっ
て、手前側から第1、第2、第3の各領域からなり、第
1領域はほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器部であ
り、第1領域の末端の遠方端部につながる第2領域は湾
曲部と直線部とから構成され、第2領域の末端の遠方端
部につながり、誘導導入器の先端に位置する第3領域
は、第2の湾曲部と第3の直線部とから構成される誘導
導入器。
【0107】(37)第2領域の湾曲部は内角が約60〜80°
で、半径が約0.30〜0.70インチ(0.762〜1.778cm)であ
り、第2領域の直線部は長さが約0.50〜1.00インチ(1.2
7 〜2.54cm) であり、第3領域の湾曲部は角度が約80〜
100 °、半径が約0.20〜0.40インチ(0.508〜1.016cm)
で、第3領域の直線部は長さが約0.25〜0.60インチ(0.6
35〜1.524cm)である36記載の誘導導入器。 (38)第2領域の湾曲部の内角が約50〜70°で、半径が約
0.30〜0.50インチ(0.762〜1.27cm) で、その直線部の長
さが約0.50〜1.00インチ(1.27 〜2.54cm) であり、第3
領域の湾曲部が角度が約80〜100 °、半径が約0.25〜0.
40インチ(0.635〜1.016cm)で、第3領域の直線部は長さ
が約0.30〜0.70インチ(0.762〜1.778cm)である36記載の
誘導導入器。
【0108】(39)第2領域の湾曲部が、第1曲線として
第1領域に対して左方の湾曲すると同時に第2曲線とし
て第1領域に対して後方に湾曲した複合曲線を描いて湾
曲しており、この複合曲線の第1曲線は半径が約0.40〜
0.60インチ(1.016〜1.524cm)、内角が約 155〜115 °で
あり、前記複合曲線の第2曲線は半径が約0.15〜0.45イ
ンチ(0.381〜1.143cm)、角度が約120 〜160 °であり、
第2領域の直線部は長さ約1.20〜1.50インチ(3.048〜3.
81cm) であり、第3領域の湾曲部が角度が約 155〜115
°、半径が約0.40〜0.60インチ(1.016〜1.524cm)であ
り、第3領域の直線部は長さが約0.20〜0.40インチ(0.5
08〜1.016cm)である36記載の誘導導入器。
【0109】(40)人の心臓に用いる誘導導入器であっ
て、手前側から第1、第2、第3の各領域からなり、第
1領域はほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器部であ
り、第1領域の末端の遠方端部につながる第2領域は湾
曲部と直線部とから構成され、第2領域の末端の遠方端
部につながり、誘導導入器の先端に位置する第3領域
は、第2の湾曲部からなる誘導導入器。
【0110】(41)第2領域の湾曲部が、第1曲線として
第1領域に対して左方の湾曲すると同時に第2曲線とし
て第1領域に対して後方に湾曲した複合曲線を描いて湾
曲しており、この複合曲線の第1曲線は内角が約 155〜
105 °、半径が約0.25〜0.50インチ(0.635〜1.27cm) で
あり、前記複合曲線の第2曲線は内角が約 155〜125
°、半径が約0.30〜0.70インチ(0.762〜1.778cm)であ
り、第2領域の直線部は長さが約1.00〜2.00インチ(2.5
4 〜5.08cm) であり、第3領域は第1領域の平面より左
方に円弧を描いて湾曲し、その円弧の内角が約40〜80
°、半径が約0.30〜0.50インチ(0.762〜1.27cm) である
40記載の誘導導入器。
【図面の簡単な説明】
【図1】好適な切断トラックを示す右心房の詳細説明図
である。
【図2】好適な切断トラックを示す左心房の詳細説明図
である。
【図3】図17A、B、Cに示す第1の左心房用誘導導
入器を用いたトラック1の形成を示す左心房の概略説明
図である。
【図4】図19A、B、Cに示す第2の左心房用誘導導
入器を用いたトラック2の形成を示す左心房の概略説明
図である。
【図5】図20A、B、Cに示す第3の左心房用誘導導
入器を用いたトラック3の形成を示す左心房の概略説明
図である。
【図6】図21A、B、Cに示す第4の左心房用誘導導
入器を用いたトラック4の形成を示す左心房の概略説明
図である。
【図7】図15A、Bに示す第1の右心房用誘導導入器
を用いたトラック5の形成を示す右心房の概略説明図で
ある。
【図8】図16A、B、Cに示す第2の右心房用誘導導
入器を用いたトラック6の形成を示す右心房の概略説明
図である。
【図9】図14A、Bに示す第3の右心房用誘導導入器
を用いた、または図16A、B、Cに示す第2の右心房
用誘導導入器を用いたトラック7の形成を示す右心房の
概略説明図である。
【図10】図14A、Bに示す第3の右心房用誘導導入
器を用いた、または図16A、B、Cに示す第2の右心
房用誘導導入器を用いたトラック9の形成を示す右心房
の概略説明図である。
【図11】右心房に対しては図14A、Bに示すよう
に、左心房に対しては図17A、B、Cまたは図18
A、Bに示すように、左心房と右心房を同時切断するた
めに誘導導入器を用いて、8として示す2本の平行なト
ラックを形成することを示す、心房中隔の概略説明図で
ある。
【図12】図14A、Bに示す誘導導入器を用いた右心
房内でのトラック8の形成を示す右心房の概略説明図で
ある。
【図13】図17A、B、Cに示すように、左心房内で
図11で用いた誘導導入器のいずれかを用いた、または
図18A、Bに示す誘導導入器を用いた、左心房内のト
ラック8の形成を示す左心房の概略説明図である。
【図14】図14Aは、図9、11、12において右心
房内にトラック7およびトラック8を形成するのに用い
た、第1の右心房用誘導導入器を第1方向から見た図で
ある。この誘導導入器は、その手前側の端部に、図面で
誘導導入器のすぐ左側に、かつこれとほぼ同平面上に取
り付けられたサイドポート(side port) 管を備えてい
る。図14Bは、この第1の右心房用誘導導入器を、図
14Aの位置から時計方向に90°回転させた第2方向
から見た図であり、サイドポート管が第1の右心房用誘
導導入器の第1領域の一部の上に重なって位置してい
る。
【図15】図15Aは、図7に示すようにトラック5を
形成するのに用いた、第2の右心房用誘導導入器を第1
方向から見た図である。この誘導導入器は、その手前側
の端部に、図面で誘導導入器のすぐ左側に、かつこれと
ほぼ同平面上に取り付けられたサイドポート管を備えて
いる。図15Bは、図15Aに示した第2の右心房用誘
導導入器を、図15Aの位置から時計方向に90°回転
させた第2方向から見た図であり、サイドポート管が第
2の右心房用誘導導入器の第1領域の一部の上に重なっ
て位置している。
【図16】図16Aは、図8、9、10に示すようにト
ラック6、7、9を形成するのに用いた、第3の右心房
用誘導導入器を第1方向から見た図である。この誘導導
入器は、その手前側の端部に、図面で誘導導入器のすぐ
左側に、かつこれとほぼ同平面上に取り付けられたサイ
ドポート管を備えている。図16Bは、図16Aに示し
た第3の右心房用誘導導入器を、図16Aの位置から時
計方向に90°回転させた第2方向から見た図であり、
サイドポート管が第3の右心房用誘導導入器の第1領域
の一部の上に重なって位置している。図16Cは、図1
6Aに示した第3の右心房用誘導導入器を、図16Aの
位置から180°回転させた第3方向から見た図であ
り、サイドポート管が誘導導入器のすぐ右側に、かつこ
れとほぼ同平面に位置している。
【図17】図17Aは、図3、11、13に示すように
左心房内にトラック1およびトラック8を形成するのに
用いた、第1の左心房用誘導導入器を第1方向から見た
図である。この誘導導入器は、その手前側の端部に、図
面で誘導導入器のすぐ左側に、かつこれとほぼ同平面上
に取り付けられたサイドポート管を備えている。図17
Bは、上記第1の左心房用誘導導入器を、図17Aの位
置から反時計方向に90°回転させた第2方向から見た
図であり、誘導導入器がサイドポート管の上に重なって
いる。図17Cは、上記第1の左心房用誘導導入器を、
図17Bの位置から180°回転させた第3方向から見
た斜視図であり、サイドポート管が第1の左心房用誘導
導入器の一部の上に重なっている。
【図18】図18Aは、図11、13に示すように左心
房内にトラック8を形成するのに用いた、図17A、1
7B、17Cに示したのとは別の左心房用誘導導入器を
第1方向から見た図である。この誘導導入器は、その手
前側の端部に、図面で誘導導入器のすぐ左側に、かつこ
れとほぼ同平面上に取り付けられたサイドポート管を備
えている。図18Bは、図18Aに示した左心房用誘導
導入器を、図18Aの位置から時計方向に90°回転さ
せた第2方向から見た図であり、サイドポート管が左心
房用誘導導入器の第1領域の一部の上に重なっている。
【図19】図19Aは、図4に示すようにトラック2を
形成するのに用いた、第2の左心房用誘導導入器を第1
方向から見た図である。この誘導導入器は、その手前側
の端部に、図面で誘導導入器のすぐ左側に、かつこれと
ほぼ同平面上に取り付けられたサイドポート管を備えて
いる。図19Bは、上記第2の左心房用誘導導入器を、
図19Aの位置から反時計方向に90°回転させた第2
方向から見た図であり、誘導導入器がサイドポート管の
上に重なっている。図19Cは、上記第2の左心房用誘
導導入器を、図19Bの位置から180°回転させた第
3方向から見た斜視図であり、誘導導入器の手前側の端
部に取付けられたサイドポート管が第2の左心房用誘導
導入器の一部の上に重なっている。
【図20】図20Aは、図5に示すようにトラック3を
形成するのに用いた、第3の左心房用誘導導入器を第1
方向から見た図である。この誘導導入器は、その手前側
の端部に、図面で誘導導入器のすぐ左側に、かつこれと
ほぼ同平面上に取り付けられたサイドポート管を備えて
いる。図20Bは、上記第3の左心房用誘導導入器を、
図20Aの位置から反時計方向に90°回転させた第2
方向から見た図であり、サイドポート管が第3の左心房
用誘導導入器の第1領域の後ろ側に位置している。図2
0Cは、上記第3の左心房用誘導導入器を、図20Aの
位置から180°回転させた第3方向から見た図であ
り、サイドポート管が誘導導入器のすぐ右側に位置し、
第3の誘導導入器の直線部分がほぼその同一面内にあ
る。
【図21】図21Aは、図6に示すようにトラック4を
形成するのに用いた、第4の左心房用誘導導入器を第1
方向から見た図である。この誘導導入器は、その手前側
の端部に、図面で誘導導入器のすぐ左側に、かつこれと
ほぼ同平面上に取り付けられたサイドポート管を備えて
いる。図21Bは、上記第4の左心房用誘導導入器を、
図21Aの位置から反時計方向に90°回転させた第2
方向から見た図であり、サイドポート管が第4の左心房
用誘導導入器の第1領域の後ろ側に位置している。図2
1Cは、上記第4の左心房用誘導導入器を、図21Aの
位置から180°回転させた第4方向から見た図であ
り、サイドポート管が誘導導入器の右側に位置し、第4
の誘導導入器の直線部分がほぼその同一面内にある。
【符号の説明】
SVC: 上大静脈 (SUPERIOR VENA CAVA) IVC: 下大静脈 (INFERIOR VENA CAVA) FO: 卵円窩 (FOSSA OVALIS) CSos: 冠状静脈洞開口部 (OSTIUM OF THE CORONARY SIN
US) TV: 三尖弁 (TRICUSPID VALVE) RAA: 右心耳 (RIGHT ATRIAL APPENDAGE) RSPV: 右上肺静脈 (RIGHT SUPERIOR PULMONARY VEIN) LSPV: 左上肺静脈 (LEFT SUPERIOR PULMONARY VEIN) RIPV: 右下肺静脈 (RIGHT INFERIOR PULMONARY VEIN) LIPV: 左下肺静脈 (LEFT INFERIOR PULMONARY VEIN) LAA: 左心耳 (LEFT ATRIAL APPENDAGE) MV: 僧帽弁 (MITRAL VALVE) LFO: 卵円窩縁 (LINBUS of FO)

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人の心房内の心房性不整脈の治療方法で
    あって、 一端から他端まで貫通した内腔を有し、所定の湾曲形状
    を付与した誘導導入器を心房内に導入し、 この誘導導入器内に切断および/またはマッピング用カ
    テーテルを挿入し、 この誘導導入器を用いてカテーテルを心房内の選択され
    た領域に誘導し、 カテーテルを用いて心房内の選択された領域をマッピン
    グ又は切断する、ことからなる切断および/またはマッ
    ピング処置を行うことを特徴とする治療方法。
  2. 【請求項2】 切断のために選択された領域が左心房内
    にある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 切断のために選択された領域が右心房内
    にある請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 切断のために選択された領域が左心房お
    よび右心房内にある請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 切断のために選択された領域が左心房内
    の複数のトラックを含んでいる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 切断のために選択された領域が右心房内
    の複数のトラックを含んでいる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 切断のために選択された領域が左心房内
    および右心房内の複数のトラックを含んでいる請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 左心耳を肺静脈から分離する請求項2記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 複数のトラックの切断により下記の結果
    を生ずる請求項5記載の方法。 (a) 左心耳が肺静脈から分離、 (b) 左肺静脈が右肺静脈から分離、 (c) 左下肺静脈が左上肺静脈から分離、 (d) 右下肺静脈が右上肺静脈から分離。
  10. 【請求項10】 右心房内の切断のために選択された領
    域が、上大静脈から下大静脈の周囲および下大静脈と三
    尖弁との間に位置する複数のトラックを含んでいる請求
    項6記載の方法。
  11. 【請求項11】 人の心房内の心房細動の治療方法であ
    って、 一端から他端まで貫通した内腔を有し、所定の湾曲形状
    を付与した誘導導入器を左心房内に導入し、 この誘導導入器内に切断および/またはマッピング用カ
    テーテルを挿入し、 この誘導導入器を用いてカテーテルを左心房内の選択さ
    れた領域に誘導し、 カテーテルを用いて左心房内の選択された領域を切断す
    る、ことからなる切断処置を行うことを特徴とする治療
    方法。
  12. 【請求項12】 左心房内の切断のために選択された領
    域が、1または2以上にトラックを含んでいる、請求項
    11記載の方法。
  13. 【請求項13】 左心房内の切断のために選択された領
    域が、左心耳を肺静脈から分離させる、請求項12記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 切断トラックが下記の結果を生じる請
    求項12記載の方法。 (a) 左心耳が肺静脈から分離、 (b) 左肺静脈が右肺静脈から分離、 (c) 左下肺静脈が左上肺静脈から分離、 (d) 右下肺静脈が右上肺静脈から分離。
  15. 【請求項15】 心房性不整脈の治療を助けるため、前
    記切断処置に投薬処置を併用する請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 切断処置において切断用エネルギー供
    給源として直流、高周波、マイクロ波、超音波、レーザ
    ー、およびフルグトロナイゼーションの一つを利用する
    請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 切断処置を高周波エネルギーを利用し
    て行う請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 心房性不整脈の治療を助けるために、
    切断用カテーテルに組合わせて1または2以上の湾曲し
    ていない誘導導入器と1または2以上の湾曲形状を付与
    した誘導導入器とを利用する請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 左心房の切断処置のために5つの誘導
    導入器を利用する請求項2記載の方法。
  20. 【請求項20】 左心房の切断処置のために5つの誘導
    導入器を利用する請求項9記載の方法。
  21. 【請求項21】 誘導導入器の先端にテーパーが付与さ
    れている請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 誘導導入器がその先端付近に1または
    2以上の小孔を有している請求項1記載の方法。
  23. 【請求項23】 心房性不整脈の治療方法であって、下
    記(a) 〜(h) の工程を含む切断および/またはマッピン
    グ処置を使用することを特徴とする方法。 (a) 一端から他端まで貫通した内腔を有し、湾曲形状が
    付与された右心房用の誘導導入器を人の右心房に導入
    し、 (b) この右心房用誘導導入器を用いて右心房内でマッピ
    ングおよび/または切断用カテーテルを、その一部が該
    誘導導入器の内腔の先端から突出するようにして位置決
    めし、 (c) この切断および/またはマッピング用カテーテルと
    右心房用誘導導入器を用いて、右心房内の所定トラック
    をマッピングおよび/または切断し、 (d) 必要により、上記と同じ又は別の湾曲形状が付与さ
    れた右心房用誘導導入器を用いて工程(a) 、(b) および
    (c) を反復して、右心房内に1または2以上の選択され
    たトラックを切断および/またはマッピングし、 (e) 一端から他端まで貫通した内腔を有し、湾曲形状が
    付与された左心房用の誘導導入器を人の左心房に導入
    し、 (f) この左心房用誘導導入器を用いて左心房内で切断お
    よび/またはマッピング用カテーテルを、その一部が該
    誘導導入器の内腔の先端から突出するようにして位置決
    めし、 (g) この切断および/またはマッピング用カテーテルと
    左心房用誘導導入器を用いて、左心房内の所定トラック
    をマッピングおよび/または切断し、 (h) 必要により、上記と同じ又は別の湾曲形状が付与さ
    れた左心房用誘導導入器を用いて工程(e) 、(f) および
    (g) を反復して、左心房内に1または2以上の選択され
    たトラックを切断および/またはマッピングし、 それにより、SA結節により媒介される心房収縮および高
    められた房室同調を可能にしながら、洞房結節から房室
    結節への電気インパルスの一般に中断されない経路を形
    成する。
  24. 【請求項24】 左心房内の所定トラックが、肺静脈か
    ら左心耳を孤立させる請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 左心房内の所定トラックが下記の結果
    を生ずる請求項23記載の方法。 (a) 左心耳が肺静脈から分離、 (b) 左肺静脈が右肺静脈から分離、 (c) 左下肺静脈が左上肺静脈から分離、 (d) 右下肺静脈が右上肺静脈から分離。
  26. 【請求項26】 左下肺静脈の周囲の隣接領域を左心房
    の残りから分離する、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 左心房の切断および/またはマッピン
    グ処置が、左心房を5つの別個の区画に分けるようにし
    た4本の独立したトラックを形成し、第1トラックは左
    肺静脈の前方の地点の房室溝から心房中隔に至り、第2
    トラックは心房中隔から左右の肺静脈の間を経て房室溝
    に至り、第3切断トラックは、左下肺静脈の上方および
    側方の地点から左肺静脈の間を通って第2トラックと交
    差し、第4トラックは心房中隔の後方の部分から前方に
    上下の右肺静脈の間を通って第2トラックを交差する、
    請求項23記載の方法。
  28. 【請求項28】 右心房の切断トラックが上大静脈から
    下大静脈の周囲および下大静脈と三尖弁との間に形成さ
    れる請求項23記載の方法。
  29. 【請求項29】 右心房の切断トラックが、上下大静脈
    の周囲の分界稜に沿った第1トラックと、三尖弁を下大
    静脈から分ける組織に向かう第2トラックと、上大静脈
    と下大静脈の間の心房中隔に沿った第3トラックとから
    なる請求項23記載の方法。
  30. 【請求項30】 分界稜に沿ったトラックの頂点で上大
    静脈の中間部から前方に右心耳の先端に向かう第4トラ
    ックを形成する請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 卵円窩から心房中隔に沿って上方に中
    隔蓋部に至るように考えられた第5トラックを形成する
    請求項27記載の方法。
  32. 【請求項32】 卵円窩から心房中隔に沿って上方に中
    隔蓋部に至るように考えられた第5トラックを形成する
    請求項30記載の方法。
  33. 【請求項33】 人の心臓に用いる誘導導入器であっ
    て、手前側から第1、第2、第3の各領域からなり、第
    1領域はほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器部であ
    り、第1領域の末端の遠方端部につながる第2領域は湾
    曲部であり、湾曲した第2領域の末端の遠方端部につな
    がり、誘導導入器の先端に位置する第3領域はほぼまっ
    すぐな直線部と湾曲部とから構成される誘導導入器。
  34. 【請求項34】 湾曲した第2領域の内角が約 170〜15
    0 °で、その角度の半径が約1.50〜2.00インチ (3.81〜
    5.08cm) である請求項33記載の誘導導入器。
  35. 【請求項35】 第3領域の直線部の長さが約1.00〜1.
    60インチ (2.54〜4.06cm) で、第3領域の湾曲部の内角
    が約70〜110 °、半径が約0.30〜0.50インチ(0.76〜1.2
    7cm) であり、第3領域の全長が約0.40〜0.70インチ
    (1.02〜1.78cm) である、請求項33記載の誘導導入器。
  36. 【請求項36】 人の心臓に用いる誘導導入器であっ
    て、手前側から第1、第2、第3の各領域からなり、第
    1領域はほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器部であ
    り、第1領域の末端の遠方端部につながる第2領域は湾
    曲部と直線部とから構成され、第2領域の末端の遠方端
    部につながり、誘導導入器の先端に位置する第3領域
    は、第2の湾曲部と第3の直線部とから構成される誘導
    導入器。
  37. 【請求項37】 第2領域の湾曲部は内角が約60〜80°
    で、半径が約0.30〜0.70インチ (0.76〜1.78cm) であ
    り、第2領域の直線部は長さが約0.50〜1.00インチ (1.
    27〜2.54cm) であり、第3領域の湾曲部は角度が約80〜
    100 °、半径が約0.20〜0.40インチ (0.51〜1.02cm)
    で、第3領域の直線部は長さが約0.25〜0.60インチ (0.
    64〜1.52cm) である請求項36記載の誘導導入器。
  38. 【請求項38】 第2領域の湾曲部の内角が約50〜70°
    で、半径が約0.30〜0.50インチ (0.76〜1.27cm) で、そ
    の直線部の長さが約0.50〜1.00インチ(1.27〜2.54cm)
    であり、第3領域の湾曲部が角度が約80〜100 °、半径
    が約0.25〜0.40インチ (0.64〜1.02cm) で、第3領域の
    直線部は長さが約0.30〜0.70インチ (0.76〜1.78cm) で
    ある請求項36記載の誘導導入器。
  39. 【請求項39】 第2領域の湾曲部が、第1曲線として
    第1領域に対して左方の湾曲すると同時に第2曲線とし
    て第1領域に対して後方に湾曲した複合曲線を描いて湾
    曲しており、この複合曲線の第1曲線は半径が約0.40〜
    0.60インチ (1.02〜1.52cm) 、内角が約 155〜115 °で
    あり、前記複合曲線の第2曲線は半径が約0.15〜0.45イ
    ンチ (0.38〜1.14cm) 、角度が約120 〜160 °であり、
    第2領域の直線部は長さ約1.20〜1.50インチ (1.02〜1.
    52cm) であり、第3領域の湾曲部が角度が約 155〜115
    °、半径が約0.40〜0.60インチ( 1.02〜1.52cm) であ
    り、第3領域の直線部は長さが約0.20〜0.40インチ (0.
    51〜1.02cm) である請求項36記載の誘導導入器。
  40. 【請求項40】 人の心臓に用いる誘導導入器であっ
    て、手前側から第1、第2、第3の各領域からなり、第
    1領域はほぼまっすぐな細長い中空誘導導入器部であ
    り、第1領域の末端の遠方端部につながる第2領域は湾
    曲部と直線部とから構成され、第2領域の末端の遠方端
    部につながり、誘導導入器の先端に位置する第3領域
    は、第2の湾曲部からなる誘導導入器。
  41. 【請求項41】 第2領域の湾曲部が、第1曲線として
    第1領域に対して左方の湾曲すると同時に第2曲線とし
    て第1領域に対して後方に湾曲した複合曲線を描いて湾
    曲しており、この複合曲線の第1曲線は内角が約 155〜
    105 °、半径が約0.25〜0.50インチ (0.64〜1.27cm) で
    あり、前記複合曲線の第2曲線は内角が約 155〜125
    °、半径が約0.30〜0.70インチ (0.76〜1.78cm) であ
    り、第2領域の直線部は長さが約1.00〜2.00インチ (2.
    54〜5.08cm) であり、第3領域は第1領域の平面より左
    方に円弧を描いて湾曲し、その円弧の内角が約40〜80
    °、半径が約0.30〜0.50インチ (0.76〜1.27cm) である
    請求項40記載の誘導導入器。
JP7333834A 1995-12-21 1995-12-21 心房性不整脈の非外科的マッピングおよび治療用の形状付与された誘導導入器 Pending JPH09173343A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2918249B1 (de) 2014-03-14 2020-04-29 Venus MedTech (HangZhou), Inc. Supraclaviculäres kathetersystem für einen transseptalen zugang zum linken vorhof und linken ventrikel

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EP2918249B1 (de) 2014-03-14 2020-04-29 Venus MedTech (HangZhou), Inc. Supraclaviculäres kathetersystem für einen transseptalen zugang zum linken vorhof und linken ventrikel

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