JPH09170207A - 昇降回転式道路交通標識装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 警戒標識、規制標識および補助標識を仮設置
するためには、路肩に駐車した作業車から重くて大きな
標識を担いで、車両が高速で走行している高速道路上を
移動横断する作業が伴うため、非常に危険であるといっ
た問題があった。 【解決手段】 内筒４と、警戒、規制および補助標識等
の標識１１，１２が取付けられ前記内筒を介して昇降お
よび回動自在に支持された外筒８と、前記内筒内に設け
られモータ２によって回転するボールネジ３と、該ボー
ルネジに螺合されたナット６と、該ナットと外筒を連結
し該ナットの前記ボールネジの回転による昇降に伴って
前記外筒を昇降させるガイドバー９と、前記外筒の上昇
終端近傍において該外筒を９０度回転させる外筒回転手
段４ｃ，７とを具備した昇降回転式道路交通標識装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高速道路で道路工事
等を行う場合において、該工事現場より手前で工事中、
車線変更を示す警戒標識や、最高速度５０Km／Ｈを示す
規制標識と工事現場までの距離を示す補助標識を必要に
応じて昇降および回転させて表示できるようにした昇降
回転式道路交通標識装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、高速道路等で道路工事を行う場
合、該工事現場より手前で工事中、車線変更を示す警戒
標識や、最高速度を示す規制標識および工事現場までの
距離を示す補助標識を路肩側と中央分離帯側のガードレ
ールに多数取付け、工事が終了するとこれを外すといっ
た作業を繰り返し行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した警
戒標識、規制標識および補助標識を仮設置するために
は、路肩に駐車した作業車から重くて大きな標識を担い
で、車両が高速で走行している高速道路上を移動横断す
る作業が伴うため、非常に危険であるといった問題があ
った。

【０００４】本発明は前記した問題点を解決せんとする
もので、その目的とするところは、常設でありながら不
使用時には中央分離帯や路肩のガードレールと平行に、
かつ、低い位置に収容されるので、道路景観を損ねるこ
とがなく、しかも、収容状態においてケース内に収納す
ることにより、標識を埃や雪による汚れから防止できる
昇降回転式道路交通標識装置を提供せんとするにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の昇降回転式道路
交通標識装置は前記した目的を達成せんとするもので、
その手段は、内筒と、警戒、規制および補助標識等の標
識が取付けられ前記内筒を介して昇降および回動自在に
支持された外筒と、前記内筒内に設けられモータによっ
て回転するボールネジと、該ボールネジに螺合されたナ
ットと、該ナットと外筒を連結し該ナットの前記ボール
ネジの回転による昇降に伴って前記外筒を昇降させるガ
イドバーと、前記外筒の上昇終端近傍において該外筒を
９０度回転させる外筒回転手段とを具備したものであ
る。

【０００６】また、前記した外筒回転手段は、前記内筒
の内周面に一体的に形成され上端近傍において９０度螺
旋状に曲折されたガイドレールと、該ガイドレールに案
内される前記ナットと一体的に形成されたガイド部材と
で構成してもよく、さらに、前記外筒の下降状態におい
て前記標識を含んで全体を覆うケース内に収納すること
が望ましい。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る昇降回転式道
路交通標識装置の実施の形態を図面と共に説明する。図
１〜図４において、１は基台にして、モータ２（図５参
照）が固定されている。このモータ２の出力軸には、平
歯車２ａが固定されている。また、３は基台１に下端が
ベアリング３ａを介して軸支されたボールネジにして、
このボールネジ３の下部に前記平歯車２ａと噛合する平
歯車３ｂが固定されている。

【０００８】４は前記ボールネジ３の外周を覆うように
配置された内筒にして、下端開口部４ａが前記基台１に
取付板１ａを介して取付けられている。そして、この内
筒４の上端４ｂには前記ボールネジ３の上端をベアリン
グ３ｃを介して軸支する蓋板５が嵌合固定されている。
また、前記内筒４の内周面には下方から上端近傍までは
直線で、上端近傍から上端までは９０度螺旋状に曲折さ
れたガイドレール４ｃが突出形成されている。

【０００９】６は前記ボールネジ３に螺合されたナット
にして、上面に前記ガイドレール４ｃを挟持する溝７ａ
が形成されたガイド部材７が固定されている。８は前記
内筒４の外周に対して摺動自在に嵌挿された外筒にし
て、内周面下方に内筒４と摺接する２個の滑りメタル８
ａが固定され、該外筒８が内筒４に対して摺動するとき
に外筒８が揺動しないように構成されている。

【００１０】９は下端が前記ガイド部材７に固定され、
かつ、前記内筒４の内側に平行に起立した２本のガイド
バーにして、上端が前記蓋板５に形成された９０度の長
さで形成された２つのガイド孔５ａを貫通して外筒６の
上端に固定された蓋板１０に固定されている。

【００１１】図５、６において、１１は工事中、車線変
更を示す警戒標識、１２は工事現場までの距離を示す補
助標識であり、これらは前記した外筒８に金具１３によ
って固定されている。１４は前記した構成のものを覆う
ケースにして、下端と上端が開放されており、下端では
路肩または中央分離帯に設けた基礎（図示せず）に適宜
金具により固定され、上端はゴム板等の弾性を有する２
分割された弾性板１５で覆われている。

【００１２】次に、外筒８が内筒４に対して下降した状
態（図１参照）で、かつ、ケース１４内に収納されてい
る状態（図５参照）から、図６に示す表示状態に移行す
る動作について説明する。なお、標識１１，１２はケー
ス１４内に収納されていることから、埃や雪による汚れ
は防止される。

【００１３】高速道路の工事現場に作業車が到達したな
ら、無線等の遠隔操作によってモータ２を駆動すると、
平歯車２ａ，３ａを介してボールネジ３が回転される。
該ボールネジ３が回転すると、固定状態の内筒４のガイ
ドレール４ｃによってガイド部材７が回転不能な状態に
なっているので、このガイド部材７に固定されているナ
ット６は上昇を開始する。

【００１４】従って、ガイド部材７にガイドバー９を介
して取付けられている外筒８は上昇を開始する。この上
昇において、警戒標識１１は弾性板１５を割るようにし
てケース１４の開口より突出する。

【００１５】この上昇の終端、すなわち、補助標識１２
が弾性板１５より突出した時点において、ガイドレール
４ｃは９０度螺旋状に曲折されているので、該ガイドレ
ール４ｃによって案内されているガイド部材７はガイド
レール４ｃの曲線に沿って９０度回転される。この時、
ガイドバー９も回転するが、蓋板５のガイド孔５ａ内を
移動する。

【００１６】そして、ガイド部材７が蓋板５に当接する
位置でモータ２の回転が停止して、警戒標識１１および
補助標識１２はケース１４に対して９０度回転した状態
で表示される。すなわち、ケース１４は高速道路のガー
ドレールと平行に設置されているので、前記標識１１，
１２はガードレールと直交して車両とは対面する状態で
表示されることとなり、ドライバーから明確に視認する
ことができる。

【００１７】また、前記したように標識１１，１２が収
納された状態において、該標識１１，１２はケース１４
内に収納されているので、ドライバーからは標識１１，
１２を視認することができず、また、ケース１４によっ
て覆われていない状態であっても、ガードレールと平行
な状態であることから、ドライバーからは標識１１，１
２は見えにくいものである。

【００１８】なお、前記した実施の形態にあっては、外
筒８を回転するための手段として、内筒４に形成したガ
イドレール４ｃとナット６に固定したガイド部材７との
係合によって行うものを示したが、外筒８の内面と内筒
４の外面との間で９０度回転するようにしてもよい。

【００１９】また、前記した実施の形態にあっては、ケ
ース１４の開口を弾性板１５によって覆ったものを示し
たが、この開口を塞ぐための手段としては、リンク機構
を介して開口に対して開閉自在な蓋板を、外筒８の上下
動に連動して開閉できるようにすることも可能である。

【００２０】

【発明の効果】本発明は前記したように、道路工事等を
表示する標識を、道路工事を行っていない場合には、高
速道路等の車道に対して水平状態で、かつ、下降させた
状態で収容しておき、表示が必要になった場合に標識を
上昇させ、かつ、車道に対して直角方向に回転させて表
示するようにしたので、無表示の場合にはドライバーに
とって目障りなことがなく、また、表示状態にあって
は、標識を視認できる。

【００２２】しかも、モータ駆動によって行うことがで
きるので、作業者が標識の所まで行かなくとも遠隔操作
などで表示、無表示を行うことができ、従って、作業者
を危険から守ることができる。

【００２３】また、無表示状態において標識装置をケー
スによって覆うと共に、表示状態においては標識をケー
スより突出させるようにしたので、無表示状態におい
て、標識が埃や雪および車両走行時における跳ね上げに
よって汚れるのを防止できる等の効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る昇降回転式道路交通標識装置の実
施の形態を示す断面図である。

【図２】同上おける外筒を上昇した状態の断面図であ
る。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】標識をケース内に収納した状態の正面図であ
る。

【図６】標識をケースから突出させた状態の側面図であ
る。

【符号の説明】

２ モータ ３ ボールネジ ４ 内筒 ４ｃ ガイドレール ６ ナット ７ ガイド部材 ８ 外筒 ９ ガイドバー １１ 警戒標識 １２ 補助標識 １４ ケース

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内筒と、警戒、規制および補助標識等の
   標識が取付けられ前記内筒を介して昇降および回動自在
   に支持された外筒と、前記内筒内に設けられモータによ
   って回転するボールネジと、該ボールネジに螺合された
   ナットと、該ナットと外筒を連結し該ナットの前記ボー
   ルネジの回転による昇降に伴って前記外筒を昇降させる
   ガイドバーと、前記外筒の上昇終端近傍において該外筒
   を９０度回転させる外筒回転手段とを具備したことを特
   徴とする昇降回転式道路交通標識装置。
2. 【請求項２】 前記した外筒回転手段は、前記内筒の内
   周面に一体的に形成され上端近傍において９０度螺旋状
   に曲折されたガイドレールと、該ガイドレールに案内さ
   れる前記ナットと一体的に形成されたガイド部材とで構
   成したことを特徴とする請求項１記載の昇降回転式道路
   交通標識装置。
3. 【請求項３】 前記外筒の下降状態において前記標識を
   含んで全体を覆うケース内に収納したことを特徴とする
   請求項１記載の昇降回転式道路交通標識装置。