JPH09170151A - 不織布用バインダー - Google Patents

不織布用バインダー

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Publication number
JPH09170151A
JPH09170151A JP7330048A JP33004895A JPH09170151A JP H09170151 A JPH09170151 A JP H09170151A JP 7330048 A JP7330048 A JP 7330048A JP 33004895 A JP33004895 A JP 33004895A JP H09170151 A JPH09170151 A JP H09170151A
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JP
Japan
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acrylamide
binder
weight
ethylenically unsaturated
aqueous
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Pending
Application number
JP7330048A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Inoue
政弘 井上
Kiyoto Doi
清人 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP7330048A priority Critical patent/JPH09170151A/ja
Publication of JPH09170151A publication Critical patent/JPH09170151A/ja
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱時抗張力の低下を抑制し、しかも、
常態抗張力、常態引裂抗張力を強化する。 【解決手段】 水性エマルションと熱硬化性アミノ樹
脂とアクリルアミド系ポリマー水溶液を用いる不織布用
バインダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布用バインダ
ーに関するものであり、特に、建築物防水用として使用
されるアスファルト含浸用不織布に、優れた熱時抗張力
を付与する不織布用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、主に建築物防水用として使用され
ているアスファルト含浸不織布は、各種繊維をシート状
にしたウェブに、バインダーを含浸した後、熱処理し、
常態抗張力、常態引裂抗張力、常態柔軟性、並びに熱時
抗張力を付与して不織布とし、更に、この不織布に、高
温で溶融したアスファルトを含浸処理することで製造さ
れている。
【0003】このように、不織布に高温で溶融したアス
ファルトを含浸する処理を行う為、アスファルト含浸前
の不織布に要求される最も重要な性能の一つとして、熱
時抗張力が挙げられる。そこで、熱時抗張力を付与する
手段として、特に、熱硬化性樹脂をバインダーとして使
用してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、それ単体で
は、常態及び熱時の柔軟性に欠ける為、水性エマルショ
ンを併用し、柔軟性を付与することが行われているが、
代わりに熱時抗張力が低下するという弊害が生じてい
る。このような実情に鑑み、先に本発明者等は、特願平
05−013264号公報で、熱時抗張力が低下しない
不織布用バインダーとして、特定の水性エマルションと
熱硬化性アミノ樹脂と併用使用する提案を行っている。
それは、熱時抗張力の低下を極めて抑制することができ
るものであったが、常態抗張力、常態引裂抗張力は必ず
しも満足できるものではなく、総合的にはまだ不十分で
あった。この様なことから業界では、不織布用バインダ
ーとして、総合的に優れたバインダーの開発が望まれて
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記のよ
うな実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、従来の熱硬化
性アミノ樹脂と水性エマルションの併用と更にアクリル
アミド系ポリマー水溶液をある一定の割合で混合するこ
とにより、総合的にバランスの取れた不織布用バインダ
ー組成物を見出だし、本発明の完成に至った。
【0006】即ち、本発明は水性エマルション(A)と
熱硬化性アミノ樹脂(B)とアクリルアミド系ポリマー
水溶液(C)からなる不織布用バインダーを提供するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる水性エマルション(A)は、アミド基を
含有するエチレン性不飽和単量体と、これらと共重合可
能なその他のエチレン性不飽和単量体を以下に示す公知
の乳化重合法によって得ることができる。
【0008】アミド基を含有するエチレン性不飽和単量
体は1〜30重量%を添加するのが好ましく、また、こ
れらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体
は、99〜70重量%を添加するのが好ましい。これら
を乳化重合して得られ、且つガラス転移点温度(Tg)
が50〜90℃を示す水性エマルションが好ましい。
【0009】水性エマルション(A)は、以下に示す公
知の乳化重合法によって得ることができる。即ち、乳化
剤及び重合開始剤を少量添加した適量の水中へ、後記す
るアミド基を含有するエチレン性不飽和単量体と、その
他のエチレン性不飽和単量体の混合液を滴下して、該不
飽和単量体を乳化重合させる。
【0010】本発明で使用するアミド基を含有するエチ
レン性不飽和単量体としては、アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、N−メチロールクロトンアミ
ド等が挙げられ、これらの一種または二種以上が使用さ
れる。また、これらの中でも、メタクリルアミドを使用
することが好ましい。
【0011】本発明で使用するアミド基を含有するエチ
レン性不飽和単量体と共重合可能なその他のエチレン性
不飽和単量体としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ペン
チルアクリレート、ペンチルメタクリレート等で例示さ
れるアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アル
キルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、クロルスチレン等で例示されるエチレン性不
飽和芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
の如きビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸及びその無水物等のエチレン性不
飽和カルボン酸;フマル酸、イタコン酸等のエチレン性
不飽和ジカルボン酸;2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート等の如きエチレン性不飽和カ
ルボン酸のヒドロキシルアルキルエステル;グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート等の如きエチ
レン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類が挙げ
られ、これらの一種または二種以上が使用される。
【0012】上記のアミド基を含有するエチレン性不飽
和単量体使用量の合計と、これらと共重合可能なその他
のエチレン性不飽和単量体使用量の合計との割合は、1
〜30:99〜70重量%が好ましい。アミド基を含有
するエチレン性不飽和単量体が1重量%未満であり、共
重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体が99重量
%を超えると熱硬化性アミノ樹脂と混合したとき感応基
との結合が不充分で不織布に充分な強度が得られず好ま
しくない。また、アミド基を含有するエチレン性不飽和
単量体が30重量%を超え、共重合可能なその他のエチ
レン性不飽和単量体が70重量%未満では水性エマルシ
ョンが高粘度となり不都合であるので好ましくない。
【0013】尚、アミド基を含有するエチレン性不飽和
単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体
内の組成比は、水性エマルションのTgが、50〜90
℃の範囲内に設定される場合に限って任意である。
【0014】その理由として、水性エマルションのTg
が50℃未満では、バインダー処理を行った不織布の熱
時抗張力が低下するため好ましくない。また、90℃を
超えると重合安定性に欠け、ゲル化物が生成し、安定な
水性エマルションが製造できない。その為、水性エマル
ションのTgは、50〜90℃に設定するのが好まし
く、更に好ましくは、65〜80℃が好適である。
【0015】尚、ここでいう水性エマルションのTgと
は、通常の重量分率法によって式1から求められたもの
である。
【0016】
【式1】 1/Tg=(W/Tg)+(W/Tg) W :A成分の重量分率 W :B成分の重量分率 Tg:A成分のガラス転移点温度(K) Tg:B成分のガラス転移点温度(K)
【0017】本発明で使用する乳化剤及び重合開始剤
は、特に限定しない。例えば、乳化剤としては、アニオ
ン性又はノニオン性乳化剤の使用もしくは併用が可能で
ある。重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルパー
オキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイド等の過酸化物等が一般的に用
いられるが、水溶性開始剤が好適である。また、本発明
において乳化重合に通常用いられる連鎖移動剤、n−ド
デシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等を必
要に応じて使用することは、何等差支えない。
【0018】本発明で用いる熱硬化性アミノ樹脂(B)
(以下単にアミノ樹脂と略称する)は、特に限定するも
のではなく、通常市販のアミノ樹脂が使用出来る。アミ
ノ樹脂には、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素メラミン樹
脂があるが、例えば、三井東圧化学(株)製の尿素樹脂
ではU−320、メラミン樹脂ではTMF、尿素メラミ
ン樹脂ではU−350等他が挙げられる。一般的な製造
方法は、アミノ樹脂の一種である尿素樹脂の場合は、ホ
ルムアルデヒド(F)と尿素(U)のモル比をF/Uと
して、1.0〜3.0の比率で縮合反応を行う。また、
メラミン樹脂の場合は、ホルムアルデヒド(F)とメラ
ミン(M)のモル比をF/Mとして、1.5〜6.0の
比率で縮合反応行う。また、これらの尿素樹脂、メラミ
ン樹脂をそれぞれ単独に、もしくは任意に混合して使用
することもできる。
【0019】本発明におけるアクリルアミド系ポリマー
水溶液(C)とは、アクリルアミド及び/またはメタア
クリルアミドから形成されるポリマー、もしくは、アク
リルアミド系ポリマーを構成する全モノマー成分に対
し、アクリルアミド及び/またはメタアクリルアミドを
最大成分として含有する共重合体をいうが、特にアクリ
ルアミド及び/またはメタアクリルアミドを50モル%
以上含有することが好ましい。
【0020】本発明におけるアクリルアミド系ポリマー
水溶液(C)は、重量平均分子量が20万以上が好まし
い。20万未満では不織布用バインダーとしての効果が
著しく減少し好ましくない。また、ポリマー濃度は特に
限定するものではないが10%以上が好ましい。10%
未満でも使用上の問題は無いが固形分当たりのコストが
高くなり好ましく無い。また、粘度はハンドリングの問
題から低い方が好ましい。なお、ポリマー濃度はアクリ
ルアミド系ポリマー水溶液(C)の絶乾ポリマー濃度を
測定することにより得ることができる。測定方法として
は、熱風乾燥法、ケット法等が挙げられる。
【0021】本発明のアクリルアミド系ポリマー(C)
の例としては、代表的にはアクリルアミドまたはメタア
クリルアミドまたはそれらの塩類を1種または2種以上
共重合して得られるが、さらに、架橋性ビニルモノマー
を使用することにより、本発明のアクリルアミド系ポリ
マー水溶液を容易に得ることができるようになる。
【0022】かかる架橋性ビニルモノマーを具体的に列
記すると、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジビニルベンゼンなどの2官能型架橋性
モノマー、あるいは1,3,5−トリアクリロイルヘキ
サヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアクリル酸ペンタエリスリトール等の多官能型
架橋性モノマーを例示することができる。これら架橋性
モノマーの量としては、アクリルアミド系重合体を構成
する全単量体の総量に対し、0.01〜5モル%である
が、ポリマーの分岐架橋構造の均一性の点からは0.0
1〜2モル%であることが好ましい。これらの化合物は
1種もしくは、2種以上併用して使用することができ
る。
【0023】本発明におけるアクリルアミド系ポリマー
(C)は、アクリルアミドおよび/またはメタクリルア
ミド以外にも種々のビニルモノマーを共重合させること
ができる。それらには、イオン性モノマー、親水性モノ
マー、疎水性モノマー等が挙げられ、それらの一種以上
のモノマーが適用できる。
【0024】イオン性モノマーのうちアニオン性モノマ
ーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸及
びそれらの塩、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそれ
らの塩が、カチオン性モノマーとしては、N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド等のアミン及びそれらの塩(4級化物も含む)等を挙
げることができる。
【0025】親水性モノマーとしては、例えば、アセト
ンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリ
ルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロ
イルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、各種のメトキシポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロ
リドン等をあげることができる。
【0026】疎水性モノマーとしては、例えばN,N−
ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブ
チル(メタ)アクリルアミド、N−n−ヘキシル(メ
タ)アクリルアミド、N−n−オクチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−n−ドデシル
メタクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルア
ミド誘導体、N,N−ジグリシジル(メタ)アクリルア
ミド、N−(4−グリシドキシブチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(5−グリシドキシペンチル)アクリル
アミド、N−(6−グリシドキシヘキシル)アクリルア
ミド等のN−(ω−グリシドキシアルキル)(メタ)ア
クリルアミド誘導体、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリレート誘導体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレ
フィン類、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等を挙げることができる。
【0027】共重合に供せられるビニルモノマーの使用
量は、ビニルモノマーの種類、及びそれらの組合せによ
り異なり、一概には言えないが、概ね0〜50モル%の
範囲にある。好ましくは0〜20モル%、より好ましく
は0.5〜10モル%が好適である。
【0028】本発明におけるアクリルアミド系ポリマー
の重合方法としてはラジカル重合が好ましい。重合溶媒
としては水であるが、上記濃度の水溶液でポリマーが析
出沈降するなどして分散性を損なわない範囲でアルコー
ル等の有機溶媒を併用使用することは可能である。
【0029】本発明におけるアクリルアミド系ポリマー
の重合方法は、全モノマーを反応容器に一括で仕込み、
重合する回分(バッチ)重合でもよいが、モノマーの一
部もしくは全部を反応容器中に滴下しながら重合する半
回分(セミバッチ)重合法であることがより望ましい。
半回分(セミバッチ)重合法を行うことにより、モノマ
ー高濃度液における重合熱を除去することが容易になる
だけでなく、ポリマーの分岐架橋構造の均一化が容易に
なる等、分子構造の制御が可能となる。
【0030】重合開始剤の制限は特にないが、水溶性の
ものであれば好ましい。モノマー水溶液に一括に添加し
てもよいし、滴下してもよい。具体的な重合開始剤とし
て、過硫酸塩系、過酸化物系では、例えば過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水
素、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキサイ
ド等が挙げられる。この場合、単独で使用する方が好ま
しいが、還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤とし
ても使用できる。還元剤としては、例えば亜硫酸塩、亜
硫酸水素塩、鉄、銅、コバルトなどの低次のイオン化の
塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ン等の有機アミン、更にはアルドース、ケトース等の還
元糖などを挙げることができる。
【0031】また、アゾ化合物も好ましい開始剤であ
り、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジ
ン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレ
ンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオン
アミド、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン
−2−イル)−プロパン及びその塩、4,4’−アゾビ
ス−4−シアノ吉草酸及びその塩等を使用することがで
きる。更に、上記した重合開始剤を2種以上併用するこ
とも可能である。重合開始剤の量は、概ねモノマーに対
し0.001〜5重量%である。
【0032】重合温度は単一重合開始剤の場合には、概
ね30〜90℃であり、レドックス系重合開始剤の場合
の開始温度はより低く概ね5〜50℃である。また、重
合中同一温度に保つ必要はなく、重合の進行に伴い適宜
変えてもよいが、一般に重合の進行に伴い発生する重合
熱により昇温するため、必要に応じ、冷却を加える必要
が生じる場合もある。その時の重合容器内の雰囲気は特
に限定はないが、重合を速やかに行わせるには窒素ガス
のような不活性ガスで置換した方がよい。
【0033】重合時間は特に限定はないが、半回分(セ
ミバッチ)重合における滴下時間も含め、概ね1〜20
時間である。重合pHも特に限定はないが、必要に応じ
pH調整して重合を行ってもよい。その場合使用可能な
pH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニア等のアルカリ化剤、リン酸、硫酸、塩酸等の
鉱酸、蟻酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
【0034】本発明の不織布用バインダーは、この様に
して得られた水性エマルション(A)とアミノ樹脂
(B)とアクリルアミド系ポリマー水溶液(C)を混合
することで得られる。その混合割合は、固形分合計を1
00重量部として、(A):(B):(C)=3〜9
6:96〜3:1〜10重量部が好ましく、更に好まし
くは、10〜78:78〜10:2〜8重量部、最も好
ましくは、20〜40:77〜53:3〜7重量部とな
るように使用する。
【0035】水性エマルション(A)が全バインダーに
対し、3重量部未満では処理された不織布は常態の伸び
が低く、また、96重量部を越えると処理された不織布
は、常態及び熱時の坑張力が低くなり好ましくない。
【0036】また、熱硬化性アミノ樹脂(B)が全バイ
ンダーに対し、3重量部未満では処理された不織布は、
常態時の坑張力が低く、また、96重量部を越えると処
理された不織布は、常態及び熱時の伸びが低くなり好ま
しくない。
【0037】さらに、アクリルアミド系ポリマー水溶液
(C)が全バインダーに対し、1重量部未満では処理さ
れた不織布は、熱時の坑張力が不足し、また、10重量
部を越えると、バインダー液の粘度が高くなり、作業性
が悪くなるばかりではなく、処理された不織布は、常態
抗張力及び熱時抗張力は上がるものの、常態時の伸びが
低くなり、新たに引裂強度の低下や耐水性の問題が生じ
好ましくない。
【0038】かくして得られた不織布用バインダーは、
アスファルト含浸用不織布用としてのみならず、用途に
応じて各種の添加剤、例えば、アミノ樹脂用硬化剤、ホ
ルマリンキャッチャー剤、その他が加えられ、種々の不
織布用バインダーとして使用が可能である。
【0039】
〔参考例1〕
実施例及び比較例で用いる水性エマルションの製造。 撹拌機を備えた混合槽に純水159g、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム(以下、DBSと略す)1g、
スチレン40g、メチルメタクリレート244g、ブチ
ルアクリレート80g、2ヒドロキシエチルメタクリレ
ート8g、メタクリル酸8g、メタクリルアミド20g
を仕込み、常温で30分間撹拌し乳化液aを得た。次い
で、攪拌機、還流コンデンサー、滴下装置及び温度計を
備えた1Lのガラス製反応器に、純水437g、DBS
1gを仕込み、窒素雰囲気中、攪拌下、温度75℃で過
硫酸カリウム2gを添加しb液を得た。次に、このb液
に先に準備した乳化液aを3時間かけて添加し、反応さ
せ、更に3時間かけて反応を終結させた。この反応液を
常温まで冷却した後、中和剤としてアンモニア水を添加
してpHを8に調整し、目的のTgが60℃である水性
エマルションA1を得た。また、モノマー組成を替えた
以外は同様な方法によりA2〜A5の水性エマルション
を得た。そのモノマー組成と物性を表1に示した。
【0040】〔参考例2〕 実施例及び比較例で用いた熱硬化性アミノ樹脂 三井東圧化学(株)市販品の熱硬化性アミノ樹脂から選
定し、表2に示した。
【0041】〔参考例3〕 実施例及び比較例で用いる水性アクリルアミド系ポリマ
ー水溶液の製造。 以下において、%は特に断わらない限り重量%を表す。
尚、重量平均分子量の測定には、昭和電工(株)製Sh
odex(R) GPC SYSTEM−11にSho
−dexOHpak SB80Mを接続し、検出器とし
て示差屈折計とWYATT TECHNOLOGY社製
多角度光散乱検出器を併用した。
【0042】〔参考例3−1〕攪拌機、還流冷却管、温
度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ
(以下、反応容器と呼ぶ)に純水228gを仕込み、窒
素ガスを吹き込みながら内温を80℃に調整した。一
方、50%アクリルアミド水溶液283g、メチレンビ
スアクリルアミド0.31g、イソプロピルアルコール
30gを混合した溶液、及び純分84%の4,4’−ア
ゾビス−4−シアノ吉草酸の0.24gを溶解した水溶
液60gをそれぞれ、反応容器中に、150分間かけて
均等滴下した。この間、反応容器内の温度を80℃一定
に保った。滴下終了後、80℃で3時間重合を続け、冷
却し反応を終了させることにより、25℃におけるブル
ックフィールド粘度13300cpsの水性アクリルア
ミド系ポリマー水溶液を得た。このポリマーをC1とす
る。C1の1gを重量既知のアルミカップに精秤し、約
1gの純水で希釈後、105℃の熱風乾燥機で3時間乾
燥させることにより絶乾ポリマー濃度を求めたところ2
5.6%であった。また、C1の重量平均分子量を前述
の方法により測定したところ36.6万であった。
【0043】〔参考例3−2〕攪拌機、還流冷却管、温
度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ
に純水639gと50%アクリルアミド水溶液360g
を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を30℃に調
整した。次ぎに過硫酸アンモニウム0.67gと重亜硫
酸ソーダ0.33gを加え反応させ、水性アクリルアミ
ド系ポリマー水溶液を得た。冷却後、25℃におけるブ
ルックフィールド粘度を測定したところ5000cps
であった。このポリマーをC2とする。C2の諸物性値
を参考例3−1と同様にして測定した。
【0044】〔参考例3−3〕攪拌機、還流冷却管、温
度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ
に純水800gと50%アクリルアミド水溶液200g
を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を30℃に調
整した。次ぎに過硫酸アンモニウム0.30gと重亜硫
酸ソーダ0.15gを加え反応させ、水性アクリルアミ
ド系ポリマー水溶液を得た。冷却後、25℃におけるブ
ルックフィールド粘度を測定したところ12500cp
sであった。このポリマーをC3とする。C3の諸物性
値を参考例3−1と同様にして測定した。
【0045】〔参考例3−4〕攪拌機、還流冷却管、温
度計、窒素ガス導入管、滴下口を備えた5つ口フラスコ
に純水637gと50%アクリルアミド水溶液360g
を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら内温を30℃に調
整した。次ぎに過硫酸アンモニウム2.0gと重亜硫酸
ソーダ0.9gを加え反応させ、アクリルアミド系ポリ
マー水溶液を得た。冷却後、25℃におけるブルックフ
ィールド粘度を測定したところ1300cpsであっ
た。このポリマーをC4とする。C4の諸物性値を参考
例3−1と同様にして測定した。これら参考例3−1〜
4で得られたポリマーの諸物性値を表3にまとめて示し
た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】 U−350:ユリア・メラミン樹脂 TMF :メラミン樹脂 U−320:ユリア樹脂
【0048】
【表3】 1)AM :アクリルアミド 2)MBA :メチレンビスアクリルアミド 3)開始剤 A:4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸 B:過硫酸アンモニウムと重亜硫酸ソーダを2:1の割合で使用 4)開始剤量 :単量体モル当たりのグラム数 5)DPC :絶乾ポリマー濃度 6)Mw :重量平均分子量
【0049】実施例1 水性エマルションと熱硬化性アミノ樹脂とアクリルアミ
ド系ポリマー水溶液の固形分比が20:75:5になる
ように表1に示した水性エマルションA1;125g
と、表2に示した熱硬化性アミノ樹脂B1;341g
と、表3に示したアクリルアミド系ポリマー水溶液;4
1gを撹拌機付容器に秤り取り、更に熱硬化性アミノ樹
脂用硬化剤(キャタリストP…三井東圧化学製)3gと
全体が25%の水溶液濃度になる様に、純水;482g
を加え、3分間撹拌混合した後、混合溶液を縦30cm
×横30cm×深さ3cmのパレットに移し、目付量1
00g/mのポリエステル繊維製のスパンボンドのウ
エブ30×30cmを浸漬した後、マングルで200g
/mになる様に絞り、110℃に設定した乾燥機の中
に5分間放置し、更に、180℃に設定した乾燥機に3
分間放置して目的の不織布を得た。尚、乾燥後の不織布
の目付量は、125g/mであった。
【0050】次ぎに下記の方法で不織布の評価を実施
し、その結果を表4の結果一覧表に示した。 [不織布の評価] 1)試験片の作製 加工した不織布を裁断し、縦15cm×横5cmの試験
片を作製した。 2)引張試験 自記記録式引張試験機(島津製作所(株)製)を使用
し、20℃及び160℃の雰囲気で引張試験を行った。
試験条件は、チャック間距離が10cm、引張速度は2
00mm/minにて評価した。
【0051】実施例2〜6 バインダー比を表4に示す組成(部で示した)になるよ
うに調合した以外は、実施例1と全く同様にして不織布
を作製し、評価した。結果を表4の評価欄に示した。
【0052】比較例1〜4 バインダー比を表4に示す組成(部で示した)になるよ
うに調合した以外は、実施例1と全く同様にして不織布
を作製し、評価した。結果を表4の評価欄に示した。
【0053】比較例5 バインダー比を表4に示す組成(部で示した)になるよ
うに調合した以外は、実施例1と全く同様にして不織布
用バインダーを作成しようとしたが、調合液の粘度が高
くなり、目的の目付の不織布が得られなかった。
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】本発明は、特定の水性エマルションを用
いることにより従来技術に比べ、熱時抗張力の低下が極
めて少ない不織布用バインダーである。本発明は、熱時
抗張力、柔軟性共に優れた不織布の製造を可能にしたも
のであり、工業的意味は極めて大きく、特に建築物防水
用として使用されるアスファルト含浸用不織布のバイン
ダーとして有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性エマルション(A)と熱硬化性ア
    ミノ樹脂(B)とアクリルアミド系ポリマー水溶液
    (C)からなる不織布用バインダー。
  2. 【請求項2】 水性エマルション(A)と熱硬化性ア
    ミノ樹脂(B)とアクリルアミド系ポリマー水溶液
    (C)の固形分合計を100重量部として、それぞれ3
    〜96:96〜3:1〜10重量部で混合してなる請求
    項1記載の不織布用バインダー。
  3. 【請求項3】 水性エマルション(A)がアミド基を
    含有するエチレン性不飽和単量体1〜30重量%と、こ
    れらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体9
    9〜70重量%を乳化重合して得られ、且つガラス転移
    点温度(Tg)が50〜90℃である請求項1記載の不
    織布用バインダー。
JP7330048A 1995-12-19 1995-12-19 不織布用バインダー Pending JPH09170151A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009149851A (ja) * 2007-12-18 2009-07-09 Rohm & Haas Co 架橋ラテックスポリマー粒子および硬化性アミノ樹脂の分散物

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JP2009149851A (ja) * 2007-12-18 2009-07-09 Rohm & Haas Co 架橋ラテックスポリマー粒子および硬化性アミノ樹脂の分散物
KR101005836B1 (ko) * 2007-12-18 2011-01-05 롬 앤드 하아스 컴패니 경화성 아미노 수지 및 가교화 라텍스 폴리머 입자의 분산물

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