JPH09169991A - 冷凍機作動流体用組成物 - Google Patents

冷凍機作動流体用組成物

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JPH09169991A
JPH09169991A JP7349374A JP34937495A JPH09169991A JP H09169991 A JPH09169991 A JP H09169991A JP 7349374 A JP7349374 A JP 7349374A JP 34937495 A JP34937495 A JP 34937495A JP H09169991 A JPH09169991 A JP H09169991A
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carbon atoms
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ester
working fluid
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JP7349374A
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Inventor
Yuichiro Kobayashi
勇一郎 小林
Koji Taira
幸治 平
Masahiro Fukuda
昌弘 福田
Toshiya Hagiwara
敏也 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(イ)リン化合物、(ロ)ベンゾトリアゾ
ール誘導体、(ハ)炭素数2〜10の2〜6価の飽和脂
肪族多価アルコールと、炭素数2〜10の直鎖又は分岐
鎖の飽和脂肪族モノカルボン酸又はその誘導体とから得
られる、基油として用いるエステル、並びに(ニ)ハイ
ドロフルオロカーボンを含有することを特徴とする冷凍
機作動流体用組成物。 【効果】本発明により、特に極性が高い特定構造を有す
るエステルを基油として用いた場合にも潤滑性及び耐摩
耗性に優れた冷凍機作動流体用組成物を提供することが
可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を有す
るリン化合物及びベンゾトリアゾール誘導体を含有し特
定のエステルを基油とする、潤滑性及び耐摩耗性に優れ
た冷凍機作動流体用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、オゾン層保護のため冷蔵庫やカー
クーラーに使用されているジクロロジフルオロメタン
(CFC12)が使用規制され、1995年末には使用
禁止されることが決まった。又、続いてルームエアコン
等に使用されているクロロジフルオロメタン(HCFC
22)の使用も規制されようとしている。そのため、こ
のCFC12やHCFC22の代替品として、オゾン層
を破壊することのないハイドロフルオロカーボン(HF
C)系の冷媒、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタン
(HFC134a)やジフルオロメタン(HFC32)
やペンタフルオロエタン(HFC125)が開発されて
いる。
【0003】これらのHFC系の冷媒は、CFC12や
HCFC22に比べて極性が高いため、冷凍機油として
従来より一般に使用されているナフテン系鉱物油やポリ
α−オレフィン、アルキルベンゼン等の潤滑油を用いる
と、これらの潤滑油とハイドロフルオロカーボンとの相
溶性が悪く、低温において二層分離を起こす。二層分離
を起こすと、オイル戻りが悪くなり、熱交換器としての
凝縮器や蒸発器の付近に厚い油膜が付着して伝熱を妨
げ、又、潤滑不良や起動時の発泡等の重要欠陥の原因と
なる。そのため、従来の冷凍機油はこれらの新しい冷媒
雰囲気下での冷凍機油として使用することができない。
従って、ハイドロフルオロカーボンとの相溶性の良い潤
滑油が求められている。又、更にハイドロフルオロカー
ボンと共に用いられる冷凍機油としては、ハイドロフル
オロカーボン共存下での熱安定性の良いことが必要であ
る。
【0004】従って、現在のところ冷凍機油には上記ハ
イドロフルオロカーボンと相溶するポリアルキレングリ
コールやヒンダードエステル、炭酸エステルが使用され
ている。
【0005】しかしながら、上記のようなエステル、ポ
リアルキレングリコール、炭酸エステル等の含酸素化合
物は、鉱物油等の炭化水素化合物に比べ極性が高いため
に金属表面への吸着性に優れる。そのために、油性向上
剤や摩耗防止剤、極圧剤等の金属表面への吸着を阻害
し、これらの添加剤の効果を低減させてしまうという問
題が発生している。
【0006】特に、塩素原子を含まないHFCとエステ
ル等の含酸素化合物からなる冷凍機作動流体用組成物に
おいては、塩素原子を含むCFCやHCFCの分解によ
って発生する塩化水素による潤滑性向上効果が期待でき
ないため、冷凍機油に一層優れた潤滑性が求められる
が、従来より冷凍機油に一般的に用いられてきたトリク
レジルフォスフェート、トリオクチルフォスファイト等
のトリフォスフェートやトリフォスファイトは含酸素化
合物中では効果を示さないという問題が発生している。
【0007】これらの問題を解決するために、特開平4
−28792号公報や特開平4−100894号公報に
酸性リン酸エステルや酸性亜リン酸エステルが開示され
ている。しかしながら、これらのリン化合物は酸性であ
るために、逆に金属を腐食したり、基油であるエステル
や炭酸エステルの加水分解を促進するという問題があ
る。また、特開平6−100881号公報には、ベンゾ
トリアゾール誘導体を含有する冷凍機油組成物が開示さ
れているが、まだ潤滑性向上効果が充分とはいえない。
【0008】一方、潤滑分野における添加剤として、ベ
ンゾトリアゾールとリン酸エステル等の反応生成物を使
用することが提案されている。例えば、特開昭55−6
0595号公報には、ベンゾトリアゾールとトリクレジ
ルフォスフェートの反応生成物が、特開昭62−138
591号公報にはトルトリアゾールと亜リン酸エステル
とパラホルムアルデヒドとの反応生成物が開示されてい
る。
【0009】しかしながら、いずれの場合も十分な潤滑
性を与えるためには、多量の添加剤を加えねばならず、
特にエステル油やエーテル油のような極性の高い潤滑油
基油中では、さらに多量の添加剤を加えねばならず、必
ずしも満足のゆく潤滑油組成物を提供するには至ってい
ない。
【0010】また、特開平5−78689号公報、特開
平6−293893号公報には、エステルにトリアリー
ルフォスフェート及び/又はトリアリールフォスファイ
トとベンゾトリアゾール誘導体を添加した潤滑油組成物
と、ハイドロフルオロカーボンからなる冷凍機作動流体
用組成物が開示されている。しかしながら、ベンゾトリ
アゾール誘導体は金属腐食を防止するために添加するこ
とを目的としており、潤滑性及び耐摩耗性のさらなる向
上効果を達成できる特殊な組成物の態様については言及
されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、特に極性が高い基油として特定の構造を有する
エステルを用いた場合にも潤滑性及び耐摩耗性に優れ、
添加剤による金属の腐食のない冷凍機作動流体用組成物
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ハイドロフル
オロカーボンに、特定の構造を有するエステル、特定の
構造を有するリン化合物、及び特定の構造を有するベン
ゾトリアゾール誘導体を添加するという特定の組み合わ
せによって、意外にも潤滑性及び耐摩耗性が飛躍的に向
上した冷凍機作動流体用組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに到った。
【0013】即ち、本発明の要旨は、 〔1〕 (イ)一般式(1)、(2)又は(3)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1 〜R5 及びR7 〜R9 は同一
であっても又は異なっていても良く、炭素数6〜18の
アリール基、炭素数1〜18の直鎖アルキル基、炭素数
3〜18の分岐鎖アルキル基、炭素数2〜18の直鎖ア
ルケニル基、又は炭素数3〜18の分岐鎖アルケニル基
を表す。ただし、R1 〜R3 のうち少なくとも1つは炭
素数6〜18のアリール基であり、R4 、R5 のうち少
なくとも1つは炭素数6〜18のアリール基であり、そ
してR7 〜R9 のうち少なくとも1つは炭素数6〜18
のアリール基である。R6 は水素原子、炭素数1〜18
の直鎖アルキル基、炭素数3〜18の分岐鎖アルキル
基、炭素数2〜18の直鎖アルケニル基、又は炭素数3
〜18の分岐鎖アルケニル基を表す。)で表される化合
物からなる群より選ばれる1種以上のリン化合物、
(ロ)一般式(4)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、R10は窒素原子及び/又は酸素原
子を含有する炭素数0〜20の基を表し、Xは水素原子
又はメチル基を表す。)で表されるベンゾトリアゾール
誘導体、(ハ)炭素数2〜10の2〜6価の飽和脂肪族
多価アルコールと、炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖の
飽和脂肪族モノカルボン酸又はその誘導体とから得られ
る、基油として用いるエステル、並びに(ニ)ハイドロ
フルオロカーボンを含有することを特徴とする冷凍機作
動流体用組成物、 〔2〕 一般式(4)で表されるベンゾトリアゾール
誘導体において、R10がヒドロキシル基又はアミノ基を
表すか、あるいはヒドロキシル基及び/又はアミノ基を
含有する基である前記〔1〕記載の冷凍機作動流体用組
成物、 〔3〕 一般式(4)で表されるベンゾトリアゾール
誘導体において、R10
【0018】
【化6】
【0019】である前記〔1〕又は〔2〕記載の冷凍機
作動流体用組成物、 〔4〕 一般式(1)〜(3)で表されるリン化合物
において、R1 〜R3 のうち少なくとも1つ、R4 、R
5 のうち少なくとも1つ、及びR7 〜R9 のうち少なく
とも1つがフェニル基、クレジル基、キシレニル基のい
ずれかである前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の冷凍機
作動流体用組成物、 〔5〕 リン化合物が、トリクレジルフォスフェー
ト、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォス
ファイト、及びトリフェニルフォスファイトからなる群
より選ばれる1種以上の化合物である前記〔1〕〜
〔4〕いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物、 〔6〕 エステルが、炭素数5〜10の2〜6価の飽
和脂肪族多価アルコールと、炭素数5〜9の直鎖又は分
岐鎖の飽和脂肪族モノカルボン酸又はその誘導体とから
得られるエステルである前記〔1〕〜〔5〕いずれか記
載の冷凍機作動流体用組成物、
【0020】〔7〕 エステル、リン化合物及びベン
ゾトリアゾール誘導体とハイドロフルオロカーボンとの
混合比が、ハイドロフルオロカーボン/(エステル+リ
ン化合物+ベンゾトリアゾール誘導体)=50/1〜1
/20(重量比)である前記〔1〕〜〔6〕いずれか記
載の冷凍機作動流体用組成物、 〔8〕 エステル100重量部に対し、リン化合物を
0.03〜5.0重量部、及びベンゾトリアゾール誘導
体を0.001〜5.0重量部配合させてなる前記
〔1〕〜〔7〕いずれか記載の冷凍機作動流体用組成
物、
〔9〕 リン化合物とベンゾトリアゾール誘導体との
比率が、リン化合物1モルに対してベンゾトリアゾール
誘導体が0.001〜2.0モルである前記〔1〕〜
〔8〕いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物、 〔10〕 ハイドロフルオロカーボンが、少なくとも
ジフルオロメタン(HFC32)を含有する前記〔1〕
〔9〕いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物、に関
するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0022】1.リン化合物について 本発明に用いられるリン化合物としては、一般式(1)
〜(3)のいずれかで表される化合物である。
【0023】
【化7】
【0024】(式中、R1 〜R5 及びR7 〜R9 は同一
であっても又は異なっていても良く、炭素数6〜18の
アリール基、炭素数1〜18の直鎖アルキル基、炭素数
3〜18の分岐鎖アルキル基、炭素数2〜18の直鎖ア
ルケニル基、又は炭素数3〜18の分岐鎖アルケニル基
を表す。ただし、R1 〜R3 のうち少なくとも1つは炭
素数6〜18のアリール基であり、R4 、R5 のうち少
なくとも1つは炭素数6〜18のアリール基であり、そ
してR7 〜R9 のうち少なくとも1つは炭素数6〜18
のアリール基である。R6 は水素原子、炭素数1〜18
の直鎖アルキル基、炭素数3〜18の分岐鎖アルキル
基、炭素数2〜18の直鎖アルケニル基、又は炭素数3
〜18の分岐鎖アルケニル基を表す。)
【0025】(i)R1 〜R5 及びR7 〜R9 について R1 〜R5 及びR7 〜R9 の炭素数は、大きくなると極
性が小さくなり、摩耗防止効果が劣る観点から18以下
である。好ましくは12以下である。また、このリン化
合物を冷凍機作動流体用組成物に用いる場合、ハイドロ
フルオロカーボンとの相溶性の観点から炭素数は18以
下が好ましく、さらに好ましくは12以下、特に好まし
くは8以下である。
【0026】炭素数6〜18のアリール基としては、フ
ェニル基、クレジル基、キシレニル基、4−エチルフェ
ニル基、4−t−ブチルフェニル基、ナフチル基、2−
メチルナフチル基、4−t−オクチルフェニル基、2,
4−ジ−t−ブチルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェニル基、2,4,6−トリ−t−ブ
チルフェニル基、4−ノニルフェニル基等が挙げられ
る。
【0027】炭素数1〜18の直鎖アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられ
る。
【0028】炭素数3〜18の分岐鎖アルキル基として
は、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチ
ルプロピル基、t−ブチル基、2−メチルブチル基、3
−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、シク
ロペンチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチ
ル基、2,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、
2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2−エ
チルペンチル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘ
キシル基、3,5ージメチルヘキシル基、3,5,5−
トリメチルヘキシル基、2,4,6−トリメチルヘプチ
ル基、2,4,6,8−テトラメチルノニル基、2−
(3’−メチルブチル)−7−メチルオクチル基、2−
ペンチルノニル基、2−ヘキシルデシル基、2−ヘプチ
ルウンデシル基等が挙げられる。
【0029】炭素数2〜18の直鎖アルケニル基として
は、プロペニル基、2−デセニル基、9−デセニル基、
9−ウンデセニル基、10−ウンデセニル基、2−ドデ
セニル基、3−ドデセニル基、2−トリデセニル基、4
−テトラデセニル基、9−テトラデセニル基、9−ペン
タデセニル基、9−ヘキサデセニル基、9−ヘプタデセ
ニル基、9−オクタデセニル基等が挙げられる。
【0030】炭素数3〜18の分岐鎖アルケニル基とし
ては、イソプロペニル基、3−メチル−2−ノネニル
基、2,4−ジメチル−2−デセニル基、2−メチル−
9−ヘプタデセニル基等が挙げられる。
【0031】R1 〜R5 及びR7 〜R9 で示される基
は、ベンゾトリアゾール誘導体との相互作用の観点か
ら、芳香環を含むものが良く、アリール基が好ましい。
従って、一般式(1)におけるR1 〜R3 のうち少なく
とも1つ、一般式(2)におけるR4 、R5 のうち少な
くとも1つ、そして一般式(3)におけるR7 〜R9
うち少なくとも1つはアリール基であることが好まし
い。R1 〜R5 及びR7 〜R9 がすべてアリール基であ
ることがより好ましい。アリール基の中でも、フェニル
基、クレジル基、キシレニル基がより好ましく、フェニ
ル基、クレジル基が特に好ましい。
【0032】(ii)R6 について R6 で示される基のうち、直鎖又は分岐鎖アルキル基、
直鎖又は分岐鎖アルケニル基の炭素数は、大きくなると
極性が小さくなり、摩耗防止効果が劣る観点から18以
下である。好ましくは12以下である。また、このリン
化合物を冷凍機作動流体用組成物に用いる場合、ハイド
ロフルオロカーボンとの相溶性の観点から炭素数は18
以下が好ましく、さらに好ましくは12以下である。か
かるアルキル基、アルケニル基としては、具体的にはR
1 〜R5 及びR7 〜R9 に示したものが挙げられる。
【0033】本発明に用いられるリン化合物の製造方法
は周知であり、また、多くのリン化合物が市販されてお
り、本発明ではこれらを使用することができる。
【0034】従って、本発明において好適に用いられる
リン化合物の具体例としては、トリフェニルフォスファ
イト、トリクレジルフォスファイト、トリス(ノニルフ
ェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)フォスファイト、トリフェニルフォスフ
ェート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェ
ニルフォスフェート、ジフェニルハイドロジェンフォス
ファイト、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェー
ト、2−エチルヘキシルフォスフォン酸ジフェニル等が
挙げられる。これらのうち、トリクレジルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト、トリクレジルフォス
フェート、トリフェニルフォスフェートが特に好まし
い。なお、本発明においては、上記リン化合物は単独で
用いてもよく、2種以上のリン化合物を用いてもよい。
【0035】2.ベンゾトリアゾール誘導体について 本発明に用いられるベンゾトリアゾール誘導体として
は、一般式(4)で表されるものである。
【0036】
【化8】
【0037】(式中、R10は窒素原子及び/又は酸素原
子を含有する炭素数0〜20の基を表し、Xは水素原子
又はメチル基を表す。)
【0038】R10で示される基は、金属表面に対する吸
着力を良くする観点から、窒素原子及び/又は酸素原子
を含有する基であり、炭素数は、大きくなると極性が小
さくなり、吸着力が弱くなるため20以下である。好ま
しくは18以下である。また、このベンゾトリアゾール
誘導体を冷凍機作動流体用組成物に用いる場合、ハイド
ロフルオロカーボンとの相溶性の観点から炭素数は20
以下が好ましく、さらに好ましくは18以下である。炭
素数が0である場合、R10はヒドロキシル基又はアミノ
基を表す。また、R10はヒドロキシル基及び/又はアミ
ノ基を含有する基であっても良い。かかるR10の具体例
としては、例えば以下の化学式
【0039】
【化9】
【0040】で表される基が挙げられる。本発明に用い
られるベンゾトリアゾール誘導体は、ベンゾトリアゾー
ルに比べて窒素原子及び/又は酸素原子をより多く有す
るために、金属表面に対する吸着性に優れており、リン
化合物を金属表面に吸着させることに優れている。ま
た、ベンゾトリアゾールに比べて融点が低いため、基油
への溶解性に優れている。
【0041】従って、本発明において好適に用いられる
ベンゾトリアゾール誘導体の具体例としては、一般式
(4)を満たすものであれば特に限定されるものではな
いが、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミ
ノメチル〕ベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル〕ベンゾトリア
ゾール、1−(2’,3’−ジヒドロキシプロピル)ベ
ンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−
(1’,2’−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾー
ル、1−ジオクチルアミノメチル−4−メチルベンゾト
リアゾール、1−ジオクチルアミノメチル−5−メチル
ベンゾトリアゾール等が好適なものとして挙げられ、特
に好ましくは、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシ
ル)アミノメチル〕ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール、1−ジオクチルアミノメチル−
4−メチルベンゾトリアゾール、及び1−ジオクチルア
ミノメチル−5−メチルベンゾトリアゾールである。な
お、本発明においては、上記ベンゾトリアゾール誘導体
は単独で用いてもよく、2種以上のベンゾトリアゾール
誘導体を用いてもよい。
【0042】本発明に用いられるベンゾトリアゾール誘
導体の製造方法は周知であり、また、多くのベンゾトリ
アゾール誘導体が市販されており、本発明ではこれらを
使用することができる。
【0043】3.エステルについて 本発明において、基油として用いられるエステルとして
は、炭素数2〜10の2〜6価の飽和脂肪族多価アルコ
ール(成分−1)と、炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖
の飽和脂肪族モノカルボン酸又はその誘導体(成分−
2)とから得られるエステルである。
【0044】 成分−1について 成分−1のアルコールの価数は2〜6価であり、好まし
くは2〜4価である。適切な粘度を有する観点から価数
は2以上が好ましく、必要以上の粘度を避ける観点及び
ハイドロフルオロカーボンとの相溶性の観点から6以下
が好ましい。また、その炭素数は2〜10であり、好ま
しくは5〜10であり、更に好ましくは5〜6である。
適切な粘度を有する観点から炭素数は2以上が好まし
く、必要以上の粘度を避ける観点及びハイドロフルオロ
カーボンとの相溶性の観点から10以下が好ましい。ま
た耐熱性の面から不飽和の結合を含まない方が好まし
い。
【0045】成分−1のアルコールの具体的としては、
ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメ
チロールプロパン及びジペンタエリスリトール等のヒン
ダードアルコール、並びに、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリ
ン、ジグリセリン、トリグリセリン、ソルビトール、及
びマンニトール等の多価アルコールが挙げられる。これ
らの中で、耐熱性の面からヒンダードアルコールが特に
優れている。
【0046】 成分−2について 成分−2のカルボン酸の炭素数は2〜10であり、好ま
しくは5〜9である。金属に対する腐食性を抑える観点
から炭素数は2以上が好ましく、ハイドロフルオロカー
ボンとの相溶性の観点から10以下が好ましい。ハイド
ロフルオロカーボンとの相溶性や耐加水分解性の観点か
らは直鎖飽和脂肪酸よりも分岐鎖飽和脂肪酸の方がより
好ましい。反面、潤滑性の観点からは分岐鎖飽和脂肪酸
よりは直鎖飽和脂肪酸の方が好ましい。本発明において
は、冷凍機作動流体用組成物としての利用の態様に応じ
て好適なものが選択される。また、耐熱性の面からは、
不飽和結合を含まない方がより好ましい。
【0047】成分−2のカルボン酸の具体例としては、
カプリン酸、バレリン酸、イソバレリン酸、2−メチル
酪酸、カプロン酸、エナント酸、2−エチルペンタン
酸、2−メチルヘキサン酸、カプリル酸、2−エチルヘ
キサン酸、ペラルゴン酸、3,5,5−トリメチルヘキ
サン酸等が挙げられる。また、成分−2のカルボン酸誘
導体の具体例としては、これらのカルボン酸のメチルエ
ステル、エチルエステル、及び酸無水物等が挙げられ
る。
【0048】かかるエステルの具体例としては、ネオペ
ンチルグリコールの3,5,5-トリメチルヘキサン酸エステ
ル、ネオペンチルグリコールの2-エチルヘキサン酸エス
テル、トリメチロールプロパンの3,5,5-トリメチルヘキ
サン酸エステル、トリメチロールプロパンの2-メチルヘ
キサン酸/2-エチルペンタン酸/2-エチルヘキサン酸/
3,5,5-トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エステル、トリ
メチロールプロパンの2-エチルヘキサン酸エステル、ト
リメチロールプロパンの2-メチルヘキサン酸/2-エチル
ペンタン酸/2-エチルヘキサン酸混合脂肪酸エステル、
ペンタエリスリトールのバレリン酸/イソバレリン酸/
3,5,5-トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エステル、ペン
タエリスリトールのエナント酸/3,5,5-トリメチルヘキ
サン酸混合脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの2-
エチルヘキサン酸/3,5,5-トリメチルヘキサン酸混合脂
肪酸エステル、ペンタエリスリトールの2-メチルヘキサ
ン酸/2-エチルペンタン酸/2-エチルヘキサン酸混合脂
肪酸エステル、ペンタエリスリトールのカプリル酸/3,
5,5-トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エステル、ペンタ
エリスリトールの2-メチルヘキサン酸/2-エチルペンタ
ン酸/2-エチルヘキサン酸/3,5,5-トリメチルヘキサン
酸混合脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0049】本発明に用いられるエステルは、成分−1
のアルコールの1種以上と、成分−2のカルボン酸又は
その誘導体の1種以上とから、通常行われる公知のエス
テル化反応やエステル交換反応により得ることができ
る。
【0050】本発明において用いられる、上記のように
して得られるエステルの酸価は特に限定されないが、金
属材料の腐食、耐摩耗性の低下、熱安定性の低下、及び
電気絶縁性の低下を抑制する観点から1mgKOH/g
以下が好ましく、0.2mgKOH/g以下がより好ま
しく、0.1mgKOH/g以下がさらに好ましく、
0.05mgKOH/g以下が特に好ましい。
【0051】本発明に用いられるエステルの水酸基価は
特に限定されないが、0.1〜50mgKOH/gが好
ましく、0.1〜30mgKOH/gがより好ましく、
0.1〜20mgKOH/gが特に好ましい。耐摩耗性
の観点から0.1mgKOH/g以上が好ましく、吸湿
性の観点から50mgKOH/g以下が好ましい。
【0052】本発明に用いられるエステルのヨウ素価
(Img/100g)は特に限定されないが、得られる
潤滑油組成物の熱酸化安定性の観点から10以下が好ま
しく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好まし
く、1以下が特に好ましい。本発明に用いられるエステ
ルのハイドロフルオロカーボンとの低温での二相分離温
度は特に限定されないが、−10℃以下が好ましく、−
30℃以下がより好ましく、−50℃以下がさらに好ま
しい。本発明に用いられるエステルの100℃における
動粘度は特に限定されないが、ハイドロフルオロカーボ
ンとの相溶性の観点から100mm2 /s以下が好まし
く、通常15〜100mm2 /sが好ましく、30〜7
5mm2 /sがより好ましい。
【0053】一般に冷凍機作動流体用組成物の基油とし
て種々のエステルが知られているが、本発明において
は、前記のような特定の構造を有するエステルを基油と
して用いる。エステルとして本発明のような構造とする
ことにより、リン化合物やベンゾトリアゾール誘導体に
対して適度な溶解力を持つため、潤滑性、耐摩耗性が顕
著になるものと推定される。つまり、溶解力が良すぎる
と、添加剤が金属に吸着し難くなり、溶解力が悪いと充
分な量の添加剤を加えることができなくなる。
【0054】4.ハイドロフルオロカーボンについて 本発明において用いられるハイドロフルオロカーボン
は、通常冷凍機油に用いられるものであれば特に限定さ
れないが、好ましくは、ジフルオロメタン(HFC3
2)、1, 1- ジフルオロエタン(HFC152a)、
1, 1, 1- トリフルオロエタン(HFC143a)、
1, 1, 1, 2- テトラフルオロエタン(HFC134
a)、1, 1, 2, 2- テトラフルオロエタン(HFC
134)、ペンタフルオロエタン(HFC125)等で
あり、1, 1, 1, 2- テトラフルオロエタン、ジフル
オロメタン、ペンタフルオロエタン、1, 1, 1- トリ
フルオロエタンが特に好ましい。これらのハイドロフル
オロカーボンは単独で用いても良く、2種類以上のハイ
ドロフルオロカーボンを混合して用いても良い。好まし
くは、少なくともジフルオロメタンをハイドロフルオロ
カーボン中に含有するものである。
【0055】5.冷凍機作動流体用組成物について 本発明の冷凍機作動流体用組成物は、前記のようなリン
化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、潤滑油基油として
のエステル、及びハイドロフルオロカーボンを含有して
なるものである。本発明の冷凍機作動流体用組成物は、
潤滑性及び耐摩耗性に優れ、ロータリー型コンプレッサ
ーやスクロール型コンプレッサーの潤滑に適している。
用途的には、ルームエアコンディショナーやパッケージ
エアコンディショナーのコンプレッサーに用いるのに適
している。
【0056】本発明の冷凍機作動流体用組成物中の、ハ
イドロフルオロカーボンと、エステル、リン化合物及び
ベンゾトリアゾール誘導体との混合比は特に限定される
ものではないが、ハイドロフルオロカーボン/(エステ
ル+リン化合物+ベンゾトリアゾール誘導体)=50/
1〜1/20(重量比)が好ましく、より好ましくは1
0/1〜1/5(重量比)である。充分な冷凍能力を得
る観点から、上記混合比は1/20よりハイドロフルカ
ーボンの比率が高いことが好ましく、冷凍機作動流体用
組成物の粘度を好適にする観点から50/1よりエステ
ル+リン化合物+ベンゾトリアゾール誘導体の比率が高
いことが好ましい。
【0057】本発明の冷凍機作動流体用組成物におい
て、エステル、リン化合物及びベンゾトリアゾール誘導
体の量的な関係は、少なくとも本発明の冷凍機作動流体
用組成物が金属表面に接触している間に摩耗を抑制する
のに十分な量であれば特に限定されるものではないが、
好ましくはエステル100重量部に対し、リン化合物が
0.03〜5.0重量部、及びベンゾトリアゾール誘導
体が0.001〜5.0重量部である。リン化合物の配
合量は、より好ましくは0.05〜3.0重量部であ
り、特に好ましくは0.1〜2.0重量部、さらに好ま
しくは0.3〜1.0重量部である。所望の摩耗抑制効
果を得る観点から、当該配合量は0.03重量部以上が
好ましく、エステルの熱安定性の観点から5.0重量部
以下が好ましい。また、5.0重量部を超える量を配合
しても摩耗抑制効果は頭打ちとなり経済的に不利とな
る。
【0058】ベンゾトリアゾール誘導体の配合量は、よ
り好ましくは0.003〜1.5重量部であり、特に好
ましくは0.005〜0.5重量部であり、さらに好ま
しくは0.005〜0.05重量部である。所望の摩耗
抑制効果を得る観点から、当該配合量は0.001重量
部以上が好ましく、エステルの熱安定性の観点から5.
0重量部以下が好ましい。
【0059】また、リン化合物とベンゾトリアゾール誘
導体の配合比率は特に限定されないが、リン化合物1モ
ルに対しベンゾトリアゾール誘導体が0.001〜2.
0モルである。リン化合物とベンゾトリアゾール誘導体
の配合比率は、より好ましくはリン化合物1モルに対し
ベンゾトリアゾール誘導体が0.005〜1.0モルで
あり、特に好ましくは0.01〜0.5モルであり、さ
らに好ましくは0.01〜0.2モルである。相乗効果
による潤滑性向上効果を発揮させる観点から、リン化合
物とベンゾトリアゾール誘導体の比率は0.001以上
が好ましく、ベンゾトリアゾール誘導体の比率が高くな
ることによる潤滑性の悪化を抑える観点から、2.0以
下が好ましい。
【0060】冷凍機作動流体用組成物の特に好ましい例
としては、ペンタエリスリトールの2−エチルヘキサ
ン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エ
ステル、ペンタエリスリトールの2−エチルペンタン
酸/2−メチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸/
3,5,5−トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エステ
ル、及びトリメチロールプロパンの3,5,5−トリ
メチルヘキサン酸エステル、からなるより群より選ばれ
る1種のエステル100重量部に、トリクレジルフォス
フェート、トリフェニルフォスフェート又はトリフェニ
ルフォスファイトを0.5〜1.0重量部、1−〔N,
N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕ベンゾ
トリアゾールを0.005〜0.01重量部加えた組成
物と、R407C(HFC32/HFC125/HFC
134a=23/25/52(重量%))、R410A
(HFC32/HFC125=50/50(重量%))
又はR410B(HFC32/HFC125=45/5
5(重量%))からなるものである。
【0061】ペンタエリスリトールの2−エチルヘキサ
ン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エ
ステルにおいて、2−エチルヘキサン酸と3,5,5−
トリメチルヘキサン酸の混合比は、ハイドロフルオロカ
ーボンとの相溶性、融点、及び粘度の観点から2−エチ
ルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸=8
0〜35モル%/20〜65モル%が好ましく、さらに
好ましくは76〜48モル%/24〜52モル%であ
る。
【0062】ペンタエリスリトールの2−エチルペンタ
ン酸/2−メチルヘキサン酸/2−エチルヘキサン酸/
3,5,5−トリメチルヘキサン酸混合脂肪酸エステル
において、2−エチルペンタン酸/2−メチルヘキサン
酸/2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘ
キサン酸の混合比は、ハイドロフルオロカーボンとの相
溶性、融点及び粘度の観点から3〜10/17〜39/
5〜13/45〜72(モル比)が好ましく、さらに好
ましくは3〜9/17〜35/5〜11/50〜67
(モル比)である。
【0063】本発明の冷凍機作動流体用組成物には、次
のような添加剤を適宜添加してもよい。 (i)本発明の冷凍機作動流体用組成物には水を除去す
る添加剤を加えてもよい。水が共存すると基油であるエ
ステルを加水分解させ、カルボン酸が生じてキャピラリ
ーチューブ等を詰まらせる可能性があり、又、非凝縮性
のCO2 が生じて冷凍能力を低下させる可能性がある。
又、絶縁材であるPETフィルム等は加水分解し、PE
Tオリゴマーを生じ、キャピラリーチューブ等を詰まら
せる可能性があるからである。水を除去する添加剤とし
てはエポキシ基を有する化合物や、オルトエステル、ア
セタール(ケタール)、カルボジイミド等の添加剤が挙
げられる。
【0064】 エポキシ基を有する化合物としては、
炭素数4〜60、好ましくは炭素数5〜25のものであ
る。具体的にはブチルグリシジルエーテル、2ーエチル
ヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類や、ア
ジピン酸グリシジルエステル、2−エチルヘキサン酸グ
リシジルエステル等のグリシジルエステル類や、エポキ
シ化ステアリン酸メチル等のエポキシ化脂肪酸モノエス
テル類や、エポキシ化大豆油等のエポキシ化植物油や、
1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシ
クロペンタン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート等の脂環式エポキシ化合物が挙げられる。
【0065】本発明においては、これらのエポキシ基を
有する化合物の単独又は2種以上を併用してもよい。そ
の添加量はエステル100重量部に対して、通常0. 0
5〜2.0重量部、好ましくは0. 1〜1.5重量部、
さらに好ましくは0. 1〜1.0重量部である。
【0066】 本発明に用いられるオルトエステルと
しては、特開平6−17073、カラム10、27行か
ら41行に記載されているような化合物が挙げられる。
オルトエステルの添加量は、エステル100重量部に対
して、通常0.01〜100重量部、好ましくは0. 0
5〜30重量部である。
【0067】 本発明に用いられるアセタール又はケ
タールとしては、特開平6−17073、カラム11、
21行目に記載されているような化合物が挙げられる。
アセタール又はケタールの添加量は、エステル100重
量部に対して、通常0. 01〜100重量部、好ましく
は0. 05〜30重量部である。
【0068】 本発明に用いられるカルボジイミド
は、下記の一般式(20)で表されるものが挙げられ
る。 R26−N=C=N−R27 (20) (式中、R26及びR27は炭素数1〜18の炭化水素基を
表す。R26及びR27は同一でも異なっていても良い。) R26及びR27の炭素数は1〜12がより好ましい。ま
た、R26及びR27の具体例としては、アルキル基及びア
リール基としては、R1 〜R5 及びR7 〜R9 で挙げた
もののうち炭素数15までのもの、アラルキル基として
は、ベンジル基、4−メチルベンジル基、フェネチル
基、4−ブチルベンジル基、ナフチルメチル基等が挙げ
られる。
【0069】当該カルボジイミドの具体的な例として
は、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1,3−
ジ−t−ブチル−カルボジイミド、1,3−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド、1,3−ジ−p−トリルカルボ
ジイミド、1,3−ビス−(2,6−ジイソプロピルフ
ェニル)カルボジイミド等である。カルボジイミド添加
量は、エステル100重量部に対して、通常0. 01〜
10重量部、好ましくは0. 05〜5重量部である。
【0070】(ii)また、本発明の冷凍機作動流体用組
成物には、熱安定性を向上させるためのラジカルトラッ
プ能を有するフェノール系化合物やキレート能を有する
金属不活性化剤を添加してもよい。
【0071】本発明に用いられるラジカルトラップ能を
有するフェノール系化合物としては、特開平6−170
73、カラム12、32行目からカラム13、18行目
に記載されているような化合物が挙げられる。特に限定
されるものではないが、好ましくは、2,6 −ジ−t−ブ
チルフェノール、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −メチルフ
ェノール、4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−t−ブチル
フェノール)、4,4'−イソプロピリデンビスフェノー
ル、2,6 −ジ−t−ブチル−4 −エチルフェノール等が
挙げられる。当該フェノール系化合物の添加量は、エス
テル100重量部に対して、通常0. 05〜2. 0重量
部であり、好ましくは0. 05〜0. 5重量部である。
【0072】本発明に用いられる金属不活性化剤はキレ
ート能を持つものが好ましく、特開平5−20917
1、カラム13、38行目からカラム14、8行目に記
載されているような化合物が挙げられる。特に限定され
るものではないが、好ましくはN,N'−ジサリチリデン−
1,2 −ジアミノエタン、N,N'−ジサリチリデン−1,2 −
ジアミノプロパン、アセチルアセトン、アセト酢酸エス
テル、アリザリン、キニザリン等が挙げられる。本発明
に用いられる金属不活性化剤の添加量は、エステル10
0重量部に対して、通常0. 001〜2.0重量部、好
ましくは0. 003〜0.5重量部である。
【0073】特定のエステルを基油として、リン化合物
及びベンゾトリアゾール誘導体を組み合わせた本発明の
冷凍機作動流体用組成物は、高い潤滑性及び耐摩耗性を
有する。この理由は以下のように推定される。リン化合
物は潤滑性及び耐摩耗性を付与するために基油に添加さ
れる。基油が鉱物油の場合、添加による効果を充分に示
すが、エステルのように極性がある場合、金属表面に吸
着し難くなるため、その効果が充分発揮されない。金属
表面に対する吸着に関与する因子として、吸着する分子
の極性と基油に対する溶解性とが考えられる。即ち、吸
着する分子の極性が高いほど吸着しやすく、基油に対す
る溶解性が高いほど基油の中で安定に存在し、金属表面
に吸着し難くなると考えられる。本発明に使用されるベ
ンゾトリアゾール誘導体は、ベンゾトリアゾール骨格に
窒素原子や酸素原子を含有する基を導入することでベン
ゾトリアゾールよりも金属表面に対する吸着力が強い。
また本発明に使用される、特定の構造を有するエステル
は、リン化合物やベンゾトリアゾール誘導体に対して良
好な溶解力を有する。
【0074】一方、リン化合物とベンゾトリアゾール誘
導体との相互作用は、リン化合物のアリール基とベンゾ
トリアゾール誘導体の芳香環を介し、互いの分子が近づ
くものと考えられる。本発明の冷凍機作動流体用組成物
は、ベンゾトリアゾール誘導体の窒素原子や酸素原子を
含有する基が極性が高く、金属表面に吸着する。リン化
合物は、ベンゾトリアゾール誘導体との相互作用によ
り、金属表面に近づくことが可能となり、このように高
い潤滑性及び耐摩耗性を有するものと考えられる。
【0075】
【実施例】以下、 実施例及び比較例により本発明をより
詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定
されるものではない。実施例等に用いるリン化合物、ベ
ンゾトリアゾール誘導体、及び基油を下記に示す。 リン化合物 i:トリクレジルフォスフェート リン化合物 ii:トリフェニルフォスフェート リン化合物 iii:トリクレジルフォスファイト リン化合物 iv:トリフェニルフォスファイト リン化合物 v:クレジルジフェニルフォスフェート リン化合物 vi:ジフェニルハイドロジェンフォスファイト リン化合物 vii:2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェート リン化合物 viii:2−エチルヘキシルフォスフォン酸ジフェニル
【0076】ベンゾトリアゾール誘導体a:1−〔N,
N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕ベンゾ
トリアゾール ベンゾトリアゾール誘導体b:1−〔N,N−ビス(2
−ヒドロキシエチル)アミノメチル〕ベンゾトリアゾー
ル ベンゾトリアゾール誘導体c:1−(2’,3’−ジヒ
ドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール ベンゾトリアゾール誘導体d:1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール ベンゾトリアゾール誘導体e:1−ジオクチルアミノメ
チル−4−メチルベンゾトリアゾール及び1−ジオクチ
ルアミノメチル−5−メチルベンゾトリアゾールとの等
量(v/v)混合物
【0077】基油A:ペンタエリスリトール(1.0モ
ル)と2−エチルヘキサン酸(1.93モル)及び3,
5,5−トリメチルヘキサン酸(2.07モル)のエス
テル 40℃における粘度(以下Vis 40と略記する)70.2
mm2/s 100℃における粘度(以下Vis 100 と略記する)8.
63mm2/s 酸価0.01mgKOH/g 水酸基価2.4mgKOH/g
【0078】基油B:ペンタエリスリトール(1.0モ
ル)と2−メチルヘキサン酸(0.90モル)、2−エ
チルペンタン酸(0.21モル)、2−エチルヘキサン
酸(0.25モル)、及び3,5,5−トリメチルヘキ
サン酸(2.64モル)のエステル Vis 40:68.0mm2/s Vis 100:8.58mm2/s 酸価0.01mgKOH/g 水酸基価1.3mgKOH/g
【0079】基油C:トリメチロールプロパン(1.0
モル)と3,5,5−トリメチルヘキサン酸(3.0モ
ル)のエステル Vis 40:51.9mm2/s Vis 100:7.13mm2/s 酸価0.01mgKOH/g 水酸基価0.9mgKOH/g
【0080】基油D:ペンタエリスリトール(1.0モ
ル)と2−エチルヘキサン酸(1.88モル)、2−エ
チルペンタン酸(0.46モル)、及び2−エチルヘキ
サン酸(1.66モル)のエステル Vis 40:30.9mm2/s Vis 100:5.21mm2/s 酸価0.01mgKOH/g 水酸基価1.1mgKOH/g
【0081】基油E:ネオペンチルグリコール(1.0
モル)と2−エチルヘキサン酸(0.68モル)及びグ
ルタル酸(0.68モル)のエステル Vis 40:87.2mm2/s Vis 100:11.7mm2/s 酸価0.01mgKOH/g 水酸基価13.40mgKOH/g
【0082】基油F:ネオペンチルグリコール(1.0
モル)とアジピン酸(1.67モル)及び2−エチルヘ
キサノール(1.40モル)のエステル Vis 40:51.2mm2/s Vis 100:8.43mm2/s 酸価0.01mgKOH/g 水酸基価7.1mgKOH/g
【0083】基油G:ナフテン系鉱物油(日本サン石油
(株)製:SUNISO 4GS) Vis 40:54.1mm2/s Vis 100:6.05mm2/s なお、上記基油の粘度はJIS K−2283に基づい
て測定した。また、酸価及び水酸基価はJIS K−2
501に基づいて測定した。
【0084】実施例1 本発明品の潤滑性及び耐摩耗性を評価するために、高圧
摩耗試験機(神鋼造機(株)製)を用いて、潤滑性の指
標である摩擦係数及び耐摩耗性の指標である摩耗量を測
定した。潤滑油組成物480g、1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン240gを試験容器に入れ、100℃
に保温した。試験片はベーンとディスクを用い、200
kgの荷重をかけ500rpmで6時間試験した。摩擦
係数は試験中の摩擦トルクから算出した。また、摩耗量
はベーンとディスクの試験前重量と試験後重量から算出
した。結果を表1及び表2に示す。
【0085】比較例1 実施例1と同様にして、潤滑油組成物の摩擦係数及び摩
耗量を測定した。結果を表3に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】実施例1と比較例1の結果から次のような
ことが分かった。比較例1の番号1〜3の結果から、本
発明におけるリン化合物及びベンゾトリアゾール誘導体
を添加することは潤滑性及び耐摩耗性の向上に大変効果
があることが分かった。また、耐摩耗剤であるリン化合
物のみを添加しても、比較例1の番号4及び6から分か
るように効果は不充分であった。一方、ベンゾトリアゾ
ール誘導体のみを添加しても、比較例1の番号5の結果
から分かるように、効果がなかった。さらに、ベンゾト
リアゾール誘導体の代わりにベンゾトリアゾールを使
い、リン化合物と併用した場合、比較例1の番号7〜1
0の結果から分かるように、実施例1に示すような潤滑
性や耐摩耗性に対する効果は得られなかった。また、比
較例1の番号4と番号7、8を比較して分かるように、
リン化合物単独と、リン化合物とベンゾトリアゾールと
の併用では差がなく、リン化合物とベンゾトリアゾール
との併用効果は認められない。これに対し、本発明にお
けるリン化合物とベンゾトリアゾール誘導体との組み合
わせは驚くほどの相乗効果を示すことが分かった。
【0090】比較例1の番号11及び12の結果から分
かるように、基油であるエステルのタイプによる効果の
違いも顕著であった。つまり、比較例1の番号11及び
12は、一般にコンプレックスエステルといわれるタイ
プのエステルを基油として用いており、実施例1は一般
にヒンダードエステルといわれるタイプのエステルであ
る。よって、基油としてヒンダードエステルを用いた場
合に飛躍的に潤滑性及び耐摩耗性が向上することが分か
る。なお、本発明品である実施例1の番号1〜20にお
けるディスクとベーンの摩耗量は1.0前後の値である
が、これは、フロンとしてCFC12を使用する従来の
組成物(比較例1の番号13)と同程度に優れたもので
ある。以上のことから、リン化合物とベンゾトリアゾー
ル誘導体とを併用した本発明の冷凍機作動流体は、潤滑
性及び耐摩耗性に驚くほどの効果を示すことが分かっ
た。
【0091】実施例2 本発明の冷凍機作動流体用組成物における、潤滑油組成
物とハイドロフルオロカーボンとの相溶性を調べるた
め、表4に示す潤滑油組成物とR−407Cを10/9
0〜50/50の重量比(潤滑油組成物/R−407
C)で混合し、低温での二相分離温度を測定した。結果
を表4に示す。
【0092】比較例2 実施例2と同様にして、表4に示す潤滑油組成物とR−
407Cの低温での二相分離温度を測定した。結果を表
4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】表4の実施例2及び比較例2から分かるよ
うに、本発明の冷凍機作動流体用組成物を構成する、潤
滑油組成物とハイドロフルオロカーボンとの相溶性は優
れていた。また、リン化合物やベンゾトリアゾール誘導
体の添加による影響はほとんど見られなかった。
【0095】実施例3 本発明品の熱安定性を調べるために、以下に示す条件で
シールドチューブ試験を行った。即ち、予め水分濃度を
10ppm以下に調整した表5及び表6に示す潤滑油組
成物10g及びHFC134aを5gガラス管に取り、
触媒として鉄、銅、アルミニウムを加えて封管した。1
75℃で14日間維持した後、HFC134aと潤滑油
組成物との混合物の外観と析出物の有無を調べた。外観
は、試験前の色相と試験後の色相を比較し、着色度合い
の少ないものから「なし、少し、あり、濃い」の4ラン
クに分けて評価した。結果を表5及び表6に示す。
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】比較例3 実施例3と同様にして、潤滑油組成物の熱安定性を調べ
た。結果を表7に示す。
【0099】
【表7】
【0100】実施例3の番号7及び13でベンゾトリア
ゾール誘導体の添加量を多くしたものは、少し着色して
いるものの析出物はなく、問題がないレベルのものであ
った。その他の実施例3のものは、いずれも外観が良好
であり、析出物もなく熱安定は良好であった。それに対
し、比較例3の番号7〜10に示すように、リン化合物
とベンゾトリアゾールの組成物は着色も激しく、析出物
も確認された。これはベンゾトリアゾールが分子内に酸
性を示す水素を持っているために、金属との相互作用が
強すぎ、析出物の発生及び着色の原因になったものであ
ると考えられる。また、基油としてコンプレックスエス
テルを使用した比較例3の番号3、11及び12の結果
から、コンプレックスエステルよりヒンダードエステル
の方が熱安定性に優れていることが分かった。以上のこ
とから、リン化合物とベンゾトリアゾール誘導体とを併
用した本発明の冷凍機作動流体は、熱安定性試験におい
ても優れていることが分かった。
【0101】
【発明の効果】本発明により、特に極性が高い特定構造
を有するエステルを基油として用いた場合にも潤滑性及
び耐摩耗性に優れた冷凍機作動流体用組成物を提供する
ことが可能となった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】 本発明に用いられるエステルのヨウ素価
(Img/100g)は特に限定されないが、得られる
潤滑油組成物の熱酸化安定性の観点から10以下が好ま
しく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好まし
く、1以下が特に好ましい。本発明に用いられるエステ
ルのハイドロフルオロカーボンとの低温での二相分離温
度は特に限定されないが、−10℃以下が好ましく、−
30゜C以下がより好ましく、−50℃以下がさらに好
ましい。本発明に用いられるエステルの40℃における
動粘度は特に限定されないが、ハイドロフルオロカーボ
ンとの相溶性の観点から100mm/s以下が好まし
く、通常15〜100mm/sが好ましく、30〜7
5mm/sがより好ましい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 137:02 137:04 137:12 133:44 105:38) C10N 30:06 30:08 40:30 (72)発明者 萩原 敏也 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)一般式(1)、(2)又は(3) 【化1】 (式中、R1 〜R5 及びR7 〜R9 は同一であっても又
    は異なっていても良く、炭素数6〜18のアリール基、
    炭素数1〜18の直鎖アルキル基、炭素数3〜18の分
    岐鎖アルキル基、炭素数2〜18の直鎖アルケニル基、
    又は炭素数3〜18の分岐鎖アルケニル基を表す。ただ
    し、R1 〜R3 のうち少なくとも1つは炭素数6〜18
    のアリール基であり、R4 、R5 のうち少なくとも1つ
    は炭素数6〜18のアリール基であり、そしてR7 〜R
    9 のうち少なくとも1つは炭素数6〜18のアリール基
    である。R6 は水素原子、炭素数1〜18の直鎖アルキ
    ル基、炭素数3〜18の分岐鎖アルキル基、炭素数2〜
    18の直鎖アルケニル基、又は炭素数3〜18の分岐鎖
    アルケニル基を表す。)で表される化合物からなる群よ
    り選ばれる1種以上のリン化合物、(ロ)一般式(4) 【化2】 (式中、R10は窒素原子及び/又は酸素原子を含有する
    炭素数0〜20の基を表し、Xは水素原子又はメチル基
    を表す。)で表されるベンゾトリアゾール誘導体、
    (ハ)炭素数2〜10の2〜6価の飽和脂肪族多価アル
    コールと、炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪
    族モノカルボン酸又はその誘導体とから得られる、基油
    として用いるエステル、並びに(ニ)ハイドロフルオロ
    カーボンを含有することを特徴とする冷凍機作動流体用
    組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(4)で表されるベンゾトリアゾ
    ール誘導体において、R10がヒドロキシル基又はアミノ
    基を表すか、あるいはヒドロキシル基及び/又はアミノ
    基を含有する基である請求項1記載の冷凍機作動流体用
    組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(4)で表されるベンゾトリアゾ
    ール誘導体において、R10が 【化3】 である請求項1又は2記載の冷凍機作動流体用組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)〜(3)で表されるリン化
    合物において、R1〜R3 のうち少なくとも1つ、
    4 、R5 のうち少なくとも1つ、及びR7 〜R9 のう
    ち少なくとも1つがフェニル基、クレジル基、キシレニ
    ル基のいずれかである請求項1〜3いずれか記載の冷凍
    機作動流体用組成物。
  5. 【請求項5】 リン化合物が、トリクレジルフォスフェ
    ート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォ
    スファイト、及びトリフェニルフォスファイトからなる
    群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1〜4い
    ずれか記載の冷凍機作動流体用組成物。
  6. 【請求項6】 エステルが、炭素数5〜10の2〜6価
    の飽和脂肪族多価アルコールと、炭素数5〜9の直鎖又
    は分岐鎖の飽和脂肪族モノカルボン酸又はその誘導体と
    から得られるエステルである請求項1〜5いずれか記載
    の冷凍機作動流体用組成物。
  7. 【請求項7】 エステル、リン化合物及びベンゾトリア
    ゾール誘導体とハイドロフルオロカーボンとの混合比
    が、ハイドロフルオロカーボン/(エステル+リン化合
    物+ベンゾトリアゾール誘導体)=50/1〜1/20
    (重量比)である請求項1〜6いずれか記載の冷凍機作
    動流体用組成物。
  8. 【請求項8】 エステル100重量部に対し、リン化合
    物を0.03〜5.0重量部、及びベンゾトリアゾール
    誘導体を0.001〜5.0重量部配合させてなる請求
    項1〜7いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物。
  9. 【請求項9】 リン化合物とベンゾトリアゾール誘導体
    との比率が、リン化合物1モルに対してベンゾトリアゾ
    ール誘導体が0.001〜2.0モルである請求項1〜
    8いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物。
  10. 【請求項10】 ハイドロフルオロカーボンが、少なく
    ともジフルオロメタン(HFC32)を含有する請求項
    1〜9いずれか記載の冷凍機作動流体用組成物。
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