JPH0916737A - 情報記憶カード - Google Patents

情報記憶カード

Info

Publication number
JPH0916737A
JPH0916737A JP7165630A JP16563095A JPH0916737A JP H0916737 A JPH0916737 A JP H0916737A JP 7165630 A JP7165630 A JP 7165630A JP 16563095 A JP16563095 A JP 16563095A JP H0916737 A JPH0916737 A JP H0916737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
card
data
cpu
operating voltage
response
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7165630A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Watanabe
淳 渡辺
Tatsuya Hirata
達也 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP7165630A priority Critical patent/JPH0916737A/ja
Publication of JPH0916737A publication Critical patent/JPH0916737A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いセキュリティ性と、離れて通信できる使
い易さとを兼ね備えた情報記憶カードを提供する。 【構成】 所定の質問機との間で送受信アンテナ18を
介して無線通信を行い、また、リーダ/ライタに挿入さ
れたときに静電プレート24a〜26bを介して通信を
行うように構成された複合形のICカード2において、
質問機及びリーダ/ライタとの通信に共通で用いられる
メモリ32内の記憶エリアは、記憶するデータの重要度
(セキュリティレベル)に応じて複数のエリアに分けら
れており、CPU30が質問機と無線通信を行うための
処理を実行する際には、データを読み書き可能なメモリ
32の記憶エリアが、セキュリティレベルの低いデータ
を記憶するエリアだけに制限されるように構成されてい
る。よって、データ傍受の可能性がある無線通信時には
セキュリティレベルの高いデータは送出されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部にメモリ等を含む
IC(集積回路)を備え、一つの外部機器との間で無線
通信によりデータのやり取りを行い、他の外部機器との
間で機械的接触によりデータのやり取りを行うように構
成された、複合形の情報記憶カード(ICカード)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ドアの入退管理やスキー場の
ゲート管理等を行うシステムとして、送受信アンテナか
らなる無線通信インタフェースと、識別コード(ID)
等のデータを記憶したメモリと、CPU等からなる情報
処理器とを、一枚のカード内に収めた非接触式のICカ
ードを用いたものが実用化されている。
【0003】即ち、このシステムでは、上記カードを携
帯した者が、所定の外部機器から送出されている電波の
到達域に入ると、その電波がカードのアンテナによって
受信され、カードにおいては、CPU等の情報処理器
が、外部機器からのデータ要求があったとして、メモリ
から識別コードを読み出し、その読み出した識別コード
をアンテナから送信させる、といった所謂リモートID
の動作を行う。そして、上記外部機器は、カード側から
送信された識別コードを受信してカードの携帯者を識別
し、その識別結果に応じてドアやゲートの開閉制御を行
う。
【0004】尚、この種の非接触式のICカードは、外
部機器との間で使用する電波や無線通信インタフェース
の構成により、電磁誘導方式(電磁結合方式)やマイク
ロ波方式等に分類される。また、自己が動作するための
電池を内蔵したものや、アンテナによって受信した外部
機器からの電波を検波し、その検波電圧を自己の作動電
圧として用いるように構成された無電池のものもある。
【0005】そして、このような非接触式のICカード
によれば、離れて通信できることから使い易いという利
点がある。また、単に識別コードを送信するだけではな
く、外部機器との間で様々なデータをやり取りするよう
に構成することができるため、例えばクレジットカード
や銀行カード等にも応用することが可能である。
【0006】しかしながら、非接触式のICカードで
は、外部機器との通信に電波を利用しているため、通信
途中でデータが傍受される可能性がある。従って、例え
ば、クレジットカード番号のように秘密性が高く、人に
知られた場合に多大な被害を被る虞があるデータや、個
人の病歴のように他人に知られたくないプライバシーに
関するデータ等、高いセキュリティ性(安全性)が必要
なデータを、非接触式のICカードで扱うことは実質的
には難しい。
【0007】一方、非接触式のように無線通信を用いる
のではなく、外部機器に機械的に接触されることによっ
てデータのやり取りを行う接触式のICカードも実用化
されている。この接触式ICカードは、無線通信インタ
フェースの代わりに、外部機器側のインタフェース部と
機械的に接触することで通信を行う接触式の通信インタ
フェースを備えており、その他の基本構成は、非接触式
のICカードと同様である。また、接触式の通信インタ
フェースとしては、端子を有するものと、静電プレート
を有するものとがあるが、両者は外部機器側のインタフ
ェース部と電気的に接触するか否かの違いだけで、通信
時には基本的に機械的な接触が必要である。
【0008】つまり、端子タイプの場合には、外部機器
側の端子と電気的に接触することで通信が行われ、ま
た、静電プレートタイプの場合には、外部機器側の静電
プレートと対向配置されることで通信が行われるため、
何れのタイプの場合でも、電波のように外部へ漏れるこ
とがなく、通信時のデータ傍受は不可能である。尚、接
触式ICカードでは、通常、外部機器から通信インタフ
ェースを介して、自己が動作するための作動電圧が供給
されるように構成されている。
【0009】よって、接触式のICカードによれば、高
いセキュリティ性が必要なクレジット番号に関するデー
タや、個人のプライバシーに関するデータをも扱うこと
ができるのであるが、カードを外部機器としてのリーダ
/ライタ等に挿入したり接触させなければならないた
め、ドアの入退管理システム等へ応用した場合には、カ
ードの携帯者に煩わしさを感じさせてしまう。
【0010】そこで、例えば特公平4−16831号公
報に開示されているように、非接触式ICカードの機能
と接触式ICカードの機能とを複合化し、両方式の不利
な点を互いに補うようにした複合形のICカードも提案
されている。そして、上記公報の複合形ICカードは、
非接触式のICカード機能と接触式ICカードの機能と
で、1つのメモリを共用するように構成されており、こ
れによって装置の構成を簡略化している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の複合形IC
カードによれば、メモリ内に様々なデータを記憶させて
おくことにより、例えば、ドアの入退管理に使用する場
合には非接触式の機能(無線通信)を用い、クレジット
カードや銀行カード等として使用する場合には接触式の
機能(接触通信)を用いる、といった具合いに使い分け
をすることができる。
【0012】しかしながら、上記従来の複合形ICカー
ドでは、両機能において、少なくともメモリを共用して
いるため、例えば非接触式の機能を用いる場合に、外部
機器側から様々なデータ要求を行うことで、メモリ内に
記憶されたデータの内、高いセキュリティ性が必要なデ
ータまでもがアンテナから送信されてしまう可能性があ
る。
【0013】従って、上記従来の複合形ICカードで
は、使い勝手は向上させることはできても、高いセキュ
リティ性を維持することはできない。尚、非接触式の機
能と接触式の機能とで、メモリを別個に設けることも考
えられるが、この場合には、ICカード内の部品点数が
増加してしまう上に、製造の手間やコストが増してしま
う。
【0014】本発明は、このような問題に鑑みなされた
ものであり、高いセキュリティ性と、離れて通信できる
使い易さとを兼ね備えた情報記憶カードを提供すること
を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の本発明は、図1に例示する
ように、第1の外部機器との間で無線通信を行うための
第1の通信インタフェースと、第2の外部機器との間で
機械的接触により通信を行うための第2の通信インタフ
ェースと、前記各外部機器からのデータ要求に対して出
力すべき応答データを記憶するメモリと、前記第1の通
信インタフェースにより前記第1の外部機器からのデー
タ要求が受信されると、該データ要求に応じた応答デー
タを前記メモリから読み出し、該読み出した応答データ
を前記第1の通信インタフェースに送信させる第1の応
答制御手段と、前記第2の通信インタフェースにより前
記第2の外部機器からのデータ要求が受信されると、該
データ要求に応じた応答データを前記メモリから読み出
し、該読み出した応答データを前記第2の通信インタフ
ェースに送信させる第2の応答制御手段と、を1枚のカ
ード内に備えた情報記憶カードにおいて、前記メモリに
は、前記応答データを記憶するための記憶領域が、予め
複数の領域に分けて設けられており、更に、前記第1の
応答制御手段が前記メモリから応答データを読み出す際
に、該第1の応答制御手段が応答データを読み出すこと
のできる前記メモリ内の記憶領域を、予め定められた特
定の記憶領域だけに制限する読出制限手段を備えたこ
と、を特徴とする情報記憶カードを要旨としている。
【0016】そして、請求項2に記載の本発明は、請求
項1に記載の情報記録カードにおいて、当該カードは、
前記第1及び第2の外部機器から夫々前記第1及び第2
の通信インタフェースを介して作動電圧が供給されると
共に、前記第1の応答制御手段,前記第2の応答制御手
段,及び前記読出制限手段の各動作は、前記第1の外部
機器から前記第1の通信インタフェースを介して供給さ
れる第1の作動電圧と、前記第2の外部機器から前記第
2の通信インタフェースを介して供給される第2の作動
電圧と、の論理和電圧を受けて動作する1つのCPUの
処理実行によって実現され、更に、前記論理和電圧が前
記CPUの動作可能な所定値以上になったときに、前記
第2の作動電圧よりも前記第1の作動電圧の方が大きい
場合には、前記CPUに前記第1の応答制御手段及び前
記読出制限手段としての処理を実行させるための第1の
指令信号を出力し、前記第1の作動電圧よりも前記第2
の作動電圧の方が大きい場合には、前記CPUに前記第
2の応答制御手段としての処理を実行させるための第2
の指令信号を出力する指令信号出力手段を備え、前記C
PUは、前記第1の指令信号及び前記第2の指令信号に
応じて処理を実行するように構成されていること、を特
徴とする情報記憶カードを要旨としている。
【0017】また、請求項3に記載の本発明は、請求項
1に記載の情報記録カードにおいて、当該カードは、前
記第1及び第2の外部機器から夫々前記第1及び第2の
通信インタフェースを介して作動電圧が供給されると共
に、前記第1の応答制御手段,前記第2の応答制御手
段,及び前記読出制限手段の各動作は、前記第1の外部
機器から前記第1の通信インタフェースを介して供給さ
れる第1の作動電圧と、前記第2の外部機器から前記第
2の通信インタフェースを介して供給される第2の作動
電圧と、の論理和電圧を受けて動作する1つのCPUの
処理実行によって実現され、更に、前記第1の作動電圧
が所定の設定値以上になると、前記CPUに前記第1の
応答制御手段及び前記読出制限手段としての処理を実行
させるための第1の指令信号を出力し、前記第2の作動
電圧が所定の設定値以上になると、前記CPUに前記第
2の応答制御手段としての処理を実行させるための第2
の指令信号を出力する指令信号出力手段を備え、前記C
PUは、前記第1の指令信号及び前記第2の指令信号に
応じて処理を実行するように構成されていること、を特
徴とする情報記憶カードを要旨としている。
【0018】そして、請求項4に記載の本発明は、請求
項3に記載の情報記憶カードにおいて、前記指令信号出
力手段は、前記第1の作動電圧と前記第2の作動電圧と
が共に前記設定値以上となった場合には、前記第1の指
令信号及び前記第2の指令信号の内、予め定められた何
れか一方の指令信号を優先して出力するように構成され
ていること、を特徴としている。
【0019】また、請求項5に記載の本発明は、請求項
3に記載の情報記憶カードにおいて、前記指令信号出力
手段は、前記第1の作動電圧と前記第2の作動電圧とが
共に前記設定値以上となった場合には、前記第1の指令
信号及び前記第2の指令信号の内、先に前記設定値以上
となった作動電圧に対応する方を優先して出力するよう
に構成されていること、を特徴としている。
【0020】そして、請求項6に記載の本発明は、請求
項1ないし請求項5の何れかに記載の情報記憶カードに
おいて、当該情報記憶カードの表面には、情報記録用の
磁気ストライプが設けられていること、を特徴としてい
る。
【0021】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載の情報記憶カードは、第1の通信インタフェー
スを介して第1の外部機器との間で無線通信を行う。そ
して、第1の通信インタフェースによって第1の外部機
器からのデータ要求が受信されると、第1の応答制御手
段が、受信されたデータ要求に応じた応答データをメモ
リから読み出し、その読み出した応答データを第1の通
信インタフェースに送信させる。すると、その送信され
た応答データは、第1の外部機器に受信される。
【0022】一方、当該情報記憶カードは、第2の通信
インタフェースを第2の外部機器に機械的に接触させる
ことにより、その外部機器と通信を行う。そして、第2
の通信インタフェースによって第2の外部機器からのデ
ータ要求が受信されると、第2の応答制御手段が、受信
されたデータ要求に応じた応答データをメモリから読み
出し、その読み出した応答データを第2の通信インタフ
ェースに送信させる。すると、その送信された応答デー
タは、第2の外部機器に受信される。
【0023】ここで、メモリには、各外部機器からのデ
ータ要求に対して出力すべき応答データを記憶するため
の記憶領域が、予め複数の領域に分けて設けられてお
り、第1の応答制御手段がメモリから応答データを読み
出す際には、読出制限手段が、第1の応答制御手段が応
答データを読み出すことのできるメモリ内の記憶領域
を、予め定められた特定の記憶領域だけに制限する。
【0024】即ち、請求項1に記載の情報記憶カードに
おいては、機械的な接触が必要であってデータ傍受(電
波傍受)の心配が無い第2の外部機器からは、メモリ内
の様々な応答データを読み出すことができるのである
が、データ傍受の可能性がある無線通信を用いてデータ
のやり取りを行う第1の外部機器からは、メモリ内の特
定の記憶領域に記憶された応答データだけを読み出すこ
とができるようにしている。
【0025】従って、請求項1に記載の情報記憶カード
によれば、メモリ内の特定の記憶領域に、セキュリティ
性の低いデータを記憶させておき、その他の記憶領域に
セキュリティ性の高いデータを記憶させておくことによ
り、第1の通信インタフェースを用いた無線通信(非接
触式)による使い易さと、第2の通信インタフェースを
用いた接触通信(接触式)による高いセキュリティ性と
を、メモリを共用化した簡素な構成に関わらず実現する
ことができる。
【0026】尚、本発明において、外部機器からのデー
タ要求とは、各外部機器との通信途中で通信データによ
り行われるものは勿論であるが、例えば、第1の外部機
器から送出された電波を第1の通信インタフェースによ
って初めて受信したとき、或いは、第2の通信インタフ
ェースが第2の外部機器へ機械的に接触されたときに、
当該カード側から何等かのデータを送信するといったシ
ステムにおいては、上記のように各外部機器と通信可能
になったときにデータ要求があったものとみなすことが
できる。
【0027】ところで、第1の応答制御手段,第2の応
答制御手段,及び読出制限手段の各動作は、1つのCP
Uの処理実行によって実現することが考えられる。そし
て、この場合において、「従来技術」の項でも説明した
ように、当該カードへ、第1及び第2の外部機器から夫
々第1及び第2の通信インタフェースを介して作動電圧
が供給されるものとすると、CPUへは、第1の外部機
器から第1の通信インタフェースを介して供給される第
1の作動電圧と、第2の外部機器から第2の通信インタ
フェースを介して供給される第2の作動電圧との、論理
和電圧を実際の作動電圧として供給するように構成する
ことが考えられる。
【0028】しかしながら、ただ単にこのように構成す
ると、CPUは、上記論理和電圧を受けて動作する場合
に、第1の応答制御手段及び読出制限手段としての処理
と、第2の応答制御手段としての処理との、何れの処理
を実行すべきか分からなくなる。
【0029】そこで、請求項2に記載の情報記憶カード
では、上記の構成において、更に、指令信号出力手段を
設け、この指令信号出力手段が、上記論理和電圧がCP
Uの動作可能な所定値以上になったときに、第2の通信
インタフェースからの第2の作動電圧よりも第1の通信
インタフェースからの第1の作動電圧の方が大きい場合
には、CPUに第1の応答制御手段及び読出制限手段と
しての処理を実行させるための第1の指令信号を出力
し、逆に、第1の作動電圧よりも第2の作動電圧の方が
大きい場合には、CPUに第2の応答制御手段としての
処理を実行させるための第2の指令信号を出力する。そ
して、CPUは、第1の指令信号及び第2の指令信号に
応じて処理を実行する。
【0030】このような請求項2に記載の情報記憶カー
ドにおいては、第1の外部機器から第1の通信インタフ
ェースを介して第1の作動電圧が供給され、上記論理和
電圧が所定値以上になると、CPUが動作を開始して、
第1の応答制御手段としての処理及び読出制限手段とし
ての処理を実行することとなる。また、第2の外部機器
から第2の通信インタフェースを介して第2の作動電圧
が供給され、上記論理和電圧が所定値以上になると、C
PUが動作を開始して、第2の応答制御手段としての処
理を実行することとなる。
【0031】従って、請求項2に記載の情報記憶カード
によれば、第1及び第2の外部機器から夫々作動電圧が
供給されるシステムであっても、1つのCPUによって
第1の応答制御手段と第2の応答制御手段との両機能を
確実に実現することができ、延いては、当該カード内の
装置構成をより一層簡略化することができる。
【0032】一方、指令信号出力手段は、請求項3に記
載のように構成してもよい。即ち、CPUは、第1の作
動電圧と第2の作動電圧との論理和電圧を受けて動作す
るように構成されているため、第1の作動電圧及び第2
の作動電圧の内の何れか一方が、CPUの動作可能な所
定値以上に設定される所定の設定値以上になれば、CP
Uは動作可能な状態となる。そこで、請求項3に記載の
情報処理カードにおいては、指令信号出力手段が、第1
の作動電圧が所定の設定値以上になると、CPUに第1
の応答制御手段及び読出制限手段としての処理を実行さ
せるための第1の指令信号を出力し、第2の作動電圧が
所定の設定値以上になると、CPUに第2の応答制御手
段としての処理を実行させるための第2の指令信号を出
力する。
【0033】そして、このような情報記憶カードによっ
ても、請求項2に記載の情報記憶カードと同様に、1つ
のCPUによって第1の応答制御手段と第2の応答制御
手段との両機能を実現することができ、延いては、当該
カード内の装置構成を簡略化することができる。
【0034】ところで、請求項2又は請求項3に記載の
情報記憶カードでは、当該カードが第1の外部機器から
の電波を受けている時に、第2の通信インタフェースが
第2の外部機器と接触されたり、或いは、第2の通信イ
ンタフェースが第2の外部機器と接触されている状態
で、当該カードが第1の外部機器からの電波を受けた場
合には、第1の作動電圧と第2の作動電圧とが共に大き
な値になってしまい、CPUに最適な処理を実行させる
ことができなくなってしまう虞がある。
【0035】そこで、請求項4に記載の情報記憶カード
では、請求項3に記載の情報記憶カードにおいて、指令
信号出力手段が、第1の作動電圧と第2の作動電圧とが
共に所定の設定値以上となった場合には、第1の指令信
号及び第2の指令信号の内、予め定められた何れか一方
の指令信号を、優先して出力するようにしている。
【0036】従って、このような請求項4に記載の情報
記憶カードによれば、第1の作動電圧と第2の作動電圧
とが共に大きな値(上記設定値以上の値)になった場合
にも、CPUに、第1の応答制御手段及び読出制限手段
としての処理と、第2の応答制御手段としての処理と
の、何れか一方だけを実行させることができる。
【0037】また、請求項5に記載の情報記憶カードで
は、請求項3に記載の情報記憶カードにおいて、指令信
号出力手段が、第1の作動電圧と第2の作動電圧とが共
に所定の設定値以上となった場合には、第1の指令信号
及び第2の指令信号の内、先に設定値以上となった作動
電圧に対応する方を、優先して出力するようにしてい
る。
【0038】このような請求項5に記載の情報記憶カー
ドによれば、例えば、当該カードが第1の外部機器から
の電波を受けて第1の作動電圧が所定の設定値以上にな
っており、CPUが第1の応答制御手段及び読出制限手
段としての処理を実行しているときに、第2の通信イン
タフェースが第2の外部機器と接触されて第2の作動電
圧が所定の設定値以上になったとしても、第1の作動電
圧が上記設定値以下になるまでは、CPUは第1の応答
制御手段及び読出制限手段としての処理を継続して実行
することとなる。
【0039】また逆に、第2の通信インタフェースが第
2の外部機器と接触されて第2の作動電圧が所定の設定
値以上になっており、CPUが第2の応答制御手段とし
ての処理を実行しているときに、当該カードが第1の外
部機器からの電波を受けて第1の作動電圧が所定の設定
値以上になったとしても、第2の作動電圧が上記設定値
以下になるまでは、CPUは第2の応答制御手段として
の処理を継続して実行することとなる。
【0040】このように、請求項5に記載の情報記憶カ
ードによれば、請求項4に記載の情報記憶カードと同様
に、CPUに、第1の応答制御手段及び読出制限手段と
しての処理と、第2の応答制御手段としての処理との、
何れか一方だけを実行させることができる上に、CPU
の動作モードが途中で切り換わってしまうことを防止で
きる。
【0041】一方、請求項6に記載の情報記憶カードで
は、請求項1ないし請求項5の何れかに記載の情報記憶
カードにおいて、その表面に、情報記録用の磁気ストラ
イプを設けるようにしている。そして、このように構成
された情報記憶カードによれば、従来の磁気ストライプ
カードと同様に使用することもでき、従来のカードシス
テムから本発明のカードシステムへの移行を円滑に行う
ことができるようになる。
【0042】
【実施例】以下、本発明が適用された実施例のICカー
ドについて説明する。まず、図2は第1実施例のICカ
ード2の内部構成を表すブロック図であり、図3はIC
カード2の外観図である。また、図4及び図5は、夫
々、ICカード2の使用状態を表す説明図である。
【0043】本実施例のICカード2は、例えば企業の
各従業員に夫々携帯されるものである。そして、図4に
例示するように、所定のドア4の入退管理システムに使
用され、ドア4の付近に設けられた質問機6との間でマ
イクロ波(以下、単に電波ともいう)による無線通信を
行う。また更に、本実施例のICカード2は、図5に例
示するように、従業員が企業内で買物を行う場合にクレ
ジットカードとしても使用され、クレジットシステムの
端末機であるリーダ/ライタ8に挿入されて、そのリー
ダ/ライタ8との間で接触式のデータ通信を行う。
【0044】図2及び図3に示すように、ICカード2
は、プラスチック製のカード本体10の内部に、当該I
Cカード2の制御を司る電子回路を1チップ化したカス
タムIC(専用IC)12と、質問機6から電源供給を
受けるための電源用アンテナ14と、電源用アンテナ1
4で受けた質問機6からの電波を検波して、その検波電
圧を第1の作動電圧RSとして出力するダイオード16
と、質問機6との間でデータのやり取りを行うための送
受信アンテナ18と、送受信アンテナ18で受信された
受信信号を検波するダイオード20と、リーダ/ライタ
8から電源供給を受けるための電源用コイル22と、リ
ーダ/ライタ8との間でデータのやり取りを行うための
受信用静電プレート24a,24b及び送信用静電プレ
ート26a,26bと、電源用アンテナ14及び電源用
コイル22を介して得られた電源電圧(後述する作動電
圧Vcc)を安定させるためのコンデンサ28と、を備
えている。尚、図3においては、ダイオード16,20
及びコンデンサ28は省略されている。
【0045】そして、図2に示すように、カスタムIC
12は、質問機6及びリーダ/ライタ8との間で通信を
行うための様々な制御処理を実行するCPU30と、質
問機6及びリーダ/ライタ8からのデータ要求に対して
出力すべき応答データを記憶する不揮発性メモリ(以
下、単にメモリという)32と、当該ICカード2がリ
ーダ/ライタ8に挿入されたときに電源用コイル22に
起電される正弦波電圧を整流して、その整流後の電圧を
第2の作動電圧ISとして出力するダイオード34と、
を備えている。
【0046】そして更に、カスタムIC12は、上記第
1及び第2の作動電圧RS,ISを受けて、CPU30
の起動制御を行うパワー制御部36と、第1の作動電圧
RSを受けて作動すると共に、CPU30へ第1クロッ
ク信号CK1を出力する発振器38と、第1の作動電圧
RSを受けて作動すると共に、送受信アンテナ18によ
って受信された受信信号を波形整形してCPU30の第
1入力ポートDin1へ入力させる受信アンプ40と、
電源用コイル22に起電された上記正弦波電圧を波形整
形して、CPU30へ第2クロック信号CK2として出
力するクロック用アンプ42と、第2の作動電圧ISを
受けて作動し、受信用静電プレート24a,24bから
の受信データをCPU30の第2入力ポートDin2へ
入力させると共に、CPU30の第2出力ポートDou
t2から出力される送信データを送信用静電プレート2
6a,26bへ出力する入出力部44と、を備えてい
る。
【0047】ここで、パワー制御部36は、第1の作動
電圧RSと第2の作動電圧ISとの論理和をとり、その
論理和電圧をCPU30の作動電圧Vccとして出力す
る2つのダイオード46,48と、上記作動電圧Vcc
がCPU30の動作可能な所定値(例えば2.5Vであ
り、以下、動作しきい値Vthという)以上になったと
きに、CPU30へ所定幅のリセット信号RSTを出力
する立上り検出器50と、上記作動電圧Vccを受けて
作動すると共に、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧
ISとを大小比較して、第1の作動電圧RSの方が大き
いときには、CPU30へセレクト信号SELをハイレ
ベルで出力し、逆に第2の作動電圧ISの方が大きいと
きには、CPU30へセレクト信号SELをロウレベル
で出力するコンパレータ52及び抵抗器54と、から構
成されている。
【0048】尚、上記セレクト信号SELは、CPU3
0の動作モードを、質問機6との間で通信を行う無線通
信モード(非接触通信モード)と、リーダ/ライタ8と
の間で通信を行う接触通信モードとの、何れかに設定す
るための信号であり、ハイレベルが無線通信モードに対
応し、ロウレベルが接触通信モードに対応している。
【0049】また、入出力部44は、受信用静電プレー
ト24a,24b間の電位差に基づき、CPU30の第
2入力ポートDin2へ受信データを出力する差動アン
プ44aと、CPU30の第2出力ポートDout2か
ら出力された送信データに基づき、送信用静電プレート
26a,26b間に電位差を発生させる差動アンプ44
bと、から構成されている。
【0050】尚、本実施例においては、電源用アンテナ
14、送受信アンテナ18、及びダイオード16,18
が第1の通信インタフェースに相当し、電源用コイル2
2、受信用静電プレート24a,24b、送信用静電プ
レート26a,26b、及びダイオード34が第2の通
信インタフェースに相当し、パワー制御部36の立上り
検出器50、コンパレータ52、及び抵抗器54からな
る部分が指令信号出力手段に相当している。そして、立
上り検出器50から出力されるリセット信号RSTとコ
ンパレータ52から出力されるハイレベルのセレクト信
号SELが第1の指令信号に相当し、リセット信号RS
Tとロウレベルのセレクト信号SELが第2の指令信号
に相当している。また、図2において、56は、第2の
作動電圧ISを安定させるためのコンデンサであり、5
8は、受信アンプ40に入力される送受信アンテナ18
からの受信信号を安定させるためのプルダウン抵抗器で
ある。
【0051】一方、本実施例のICカード2において、
メモリ32内の記憶エリア(記憶領域)は、図6に示す
ように、記憶するデータの重要度(セキュリティレベ
ル)に応じて複数(本実施例では4つ)のエリアに分け
られている。そして、メモリ32の第1エリアには、当
該ICカード2を携帯する者の識別コード(IDデー
タ)として、従業員番号が記憶され、第2エリアには、
セキュリティレベルが低いデータとして、当該ICカー
ド2が使用可能な質問機の番号やリーダ/ライタの番号
を表すデータが記憶され、第3エリアには、セキュリテ
ィレベルが中程度のデータとして、クレジットカードの
与信枠やクレジットカードの利用累積額を表すデータが
記憶され、第4エリアには、セキュリティレベルが最も
高いデータとして、クレジット番号を表すデータが記憶
されている。
【0052】尚、与信枠とは、当該ICカード2をクレ
ジットカードとして使う場合に、所定期間(例えば1カ
月)内に使用する(借りる)ことのできる最大金額であ
り、また、利用累積額とは、上記期間中に実際に使用し
た金額の累積額である。次に、このように構成されたI
Cカード2のハードウェア上の動作について、質問機6
及びリーダ/ライタ8との通信手順と共に、図7及び図
8を参照しながら説明する。尚、図7は、ICカード2
と質問機6との通信手順を表す説明図であり、図8は、
ICカード2とリーダ/ライタ8との通信手順を表す説
明図である。また、以下の説明において、()内のJか
ら始まる番号は、図7及び図8における状態を示してい
る。
【0053】まず、ICカード2がドア4の入退管理シ
ステムに用いられた場合について説明する。図4に示す
ように、質問機6は、電波を常時送出しているか、或い
は、人の接近を検出すると電波を送出するように構成さ
れており(J1)、ICカード2を携帯した従業員が質
問機6の前に立つと(J2)、質問機6からの電波が電
源用アンテナ14によって受信される。
【0054】すると、電源用アンテナ14で受信された
電波は、ダイオード16によって第1の作動電圧RSに
変換され、その第1の作動電圧RSが発振器38及び受
信アンプ40に供給される。また、第1の作動電圧RS
は、パワー制御部36のダイオード46を介して、CP
U30へ作動電圧Vccとして供給される。
【0055】そして、第1の作動電圧RSが大きくなっ
て、上記作動電圧Vccが動作しきい値Vth以上にな
ると、パワー制御部36の立上り検出器50からCPU
30へ、リセット信号RSTが出力され、これによっ
て、CPU30は初期状態から動作を開始する(J
3)。また、この場合には、第2の作動電圧ISが0V
であり、第1の作動電圧RSの方が大きいため、パワー
制御部36のコンパレータ52からは、CPU30へハ
イレベルのセレクト信号SELが出力される。よって、
CPU30は、発振器38からの第1クロック信号CK
1を自己の動作クロックとして、無線通信モードの処理
実行を行い、これによって後述するリモート処理が実行
される(J4)。
【0056】このリモート処理の実行が開始されること
により、ICカード2は、まず、送受信アンテナ18か
らIDデータとしての従業員番号を送信する(J5)。
尚、無線通信モードでの送信動作は、CPU30が、第
1出力ポートDout1から送信データを出力すること
によって行われる。すると、送信データに応じて送受信
アンテナ18に対する負荷が変化するため、質問機6か
らの電波の反射状態が変化する。よって、質問機6は、
その反射状態の変化を検出することにより、ICカード
2からの送信データを受信する。
【0057】そして、質問機6は、ICカード2からの
従業員番号を受信すると、ICカード2へ、そのカード
が使用可能な質問機の番号を表すデータを要求するため
の、データ読み出しコマンドを送信する(J6)。尚、
このデータ読み出しコマンドは、取得したいデータと、
そのデータが格納されているメモリ32内の記憶エリア
とを指定するものである。
【0058】すると、そのデータ読み出しコマンドは、
ICカード2の送受信アンテナ18によって受信され、
受信アンプ40を介してCPU30の第1入力ポートD
in1に入力される。そして、ICカード2側におい
て、CPU30は、メモリ32から使用可能な質問機の
番号を表すデータを読み出し(J7)、その読み出した
データを、IDデータの場合と全く同様に、送受信アン
テナ18から送信させる(J8)。
【0059】質問機6は、ICカード2から送信された
使用可能な質問機の番号を表すデータを受信すると、今
度は、ICカード2へ、そのカードが自己とアクセスし
たこと等を表すアクセス履歴データと、そのアクセス履
歴データをICカード2のメモリ32に書き込ませるた
めのデータ書き込みコマンドとを送信する(J9)。
尚、このデータ書き込みコマンドは、データを書き込む
べきメモリ32内の記憶エリアを指定するものである。
【0060】すると、そのアクセス履歴データ及びデー
タ書き込みコマンドは、再びICカード2の送受信アン
テナ18によって受信され、ICカード2は、受信した
アクセス履歴データをメモリ32に書き込んだ後(J1
0)、その書き込んだデータを質問機6へベリファイデ
ータとして送信する(J11)。
【0061】そして、質問機6は、ICカード2からの
ベリファイデータを受信して、そのデータと自己が送信
したアクセス履歴データとを比較することにより、IC
カード2にデータが正しく書き込まれたことを確認し、
その後、ICカード2へ、通信終了を示すスリープコマ
ンドを送信する(J12)。
【0062】ICカード2では、質問機6からのスリー
プコマンドを受信すると、CPU30が処理の実行を終
了し(J13)、これによって、ICカード2と質問機
6との通信が終了する。尚、質問機6は、上記全ての通
信が無事完了し、且つ、ICカード2からの従業員番号
がドア4を通過できる者として登録されており、ICカ
ード2からの使用可能な質問機の番号が自己の番号と一
致しており、更に、ICカード2へ送信したアクセス履
歴データとICカード2から返送されてきたベリファイ
データとが一致していると判定すると、ドア4からの入
退室が可能であると判断して(J14)、ドア4のロッ
クを解除する(J15)。一方、上記条件が1つでも欠
落した場合には、ドア4をロックしたままとして、その
ICカード2を携帯する者の通過を禁止する(J1
6)。
【0063】このように、ICカード2がドア4の入退
管理システムに用いられた場合には、当該ICカード2
は、質問機6からの電波を電源用アンテナ14で受ける
ことによって自己動作用の電力を取得すると共に、送受
信アンテナ18を介して、質問機6との間で無線通信を
行う。
【0064】次に、ICカード2が、クレジットカード
として用いられた場合について説明する。まず、図5に
示すように、リーダ/ライタ8の内部には、ICカード
2が挿入されたときに、ICカード2側の電源用コイル
22、受信用静電プレート24a,24b、及び送信用
静電プレート26a,26bに夫々対向配置される、電
力供給用コイル60、送信用静電プレート62a,62
b、及び受信用静電プレート64a,64bが設けられ
ている。
【0065】そして、ICカード2を、リーダ/ライタ
8の挿入口8aに挿入すると(J21)、リーダ/ライ
タ8側の電力供給用コイル60が作動し、ICカード2
の電源用コイル22に、電磁結合によって正弦波電圧が
起電される(J22)。すると、電源用コイル22に起
電された正弦波電圧は、ダイオード34によって第2の
作動電圧ISに変換され、その第2の作動電圧ISは、
入出力部44に供給されると共に、パワー制御部36の
ダイオード48を介して、CPU30へ作動電圧Vcc
として供給される。また、電源用コイル22に起電され
た正弦波電圧は、クロック用アンプ42により波形整形
されて、CPU30へ第2クロック信号CK2として入
力される。
【0066】そして、上記作動電圧Vccが動作しきい
値Vth以上になると、パワー制御部36の立上り検出
器50からCPU30へ、リセット信号RSTが出力さ
れ、これによって、CPU30は初期状態から動作を開
始する(J23)。また、この場合には、第1の作動電
圧RSが0Vであり、第2の作動電圧ISの方が大きい
ため、パワー制御部36のコンパレータ52からは、C
PU30へロウレベルのセレクト信号SELが出力され
る。よって、CPU30は、クロック用アンプ42から
の第2クロック信号CK2を自己の動作クロックとし
て、接触通信モードの処理実行を行い、これによって後
述するICカード処理が実行される(J24)。
【0067】このICカード処理の実行が開始されるこ
とにより、ICカード2は、まず、送信用静電プレート
26a,26bから、通信速度やメモリ32の容量等、
自己の仕様を表すATR(アンサ・ツー・リセット)を
送信する(J25)。ここで、接触通信モードでの送信
動作は、CPU30が、第2出力ポートDout2から
送信データを出力し、入出力部44の差動アンプ44b
が、その送信データに応じて送信用静電プレート26
a,26b間に電位差を発生させることによって行われ
る。すると、リーダ/ライタ8側の受信用静電プレート
64a,64b間にも、送信用静電プレート26a,2
6bとのコンデンサ結合によって、ICカード2からの
送信データに応じた電位差が発生するため、リーダ/ラ
イタ8は、受信用静電プレート64a,64b間の電位
差を検出することにより、ICカード2からの送信デー
タを受信する。
【0068】そして、リーダ/ライタ8は、ICカード
2からのATRを受信すると、ICカード2へ、従業員
番号及びそのカードが使用可能なリーダ/ライタの番号
を表すデータを要求するための、データ読み出しコマン
ドを送信する(J26)。尚、このデータ読み出しコマ
ンドも、ドア4の入退管理の場合と同様に、取得したい
データと、そのデータが格納されているメモリ32内の
記憶エリアとを指定するものである。また、リーダ/ラ
イタ8側の送信動作は、上述したICカード2側の送信
動作と全く同様に、送信用静電プレート62a,62b
間に送信データに応じた電位差を発生させることによっ
て行われる。
【0069】すると、ICカード2側の受信用静電プレ
ート24a,24b間には、上記送信用静電プレート6
2a,62bとのコンデンサ結合によって、リーダ/ラ
イタ8からの送信データに応じた電位差が発生するた
め、ICカード2側では、その電位差を入出力部44の
差動アンプ44aによってデジタル信号に変換する。そ
して、そのデジタル信号が受信信号としてCPU30の
第2入力ポートDin2に入力される。
【0070】そして、ICカード2側において、CPU
30は、メモリ32から従業員番号を表すデータと使用
可能なリーダ/ライタの番号を表すデータを読み出し
(J27)、その読み出したデータを、ATRの場合と
全く同様に、送信用静電プレート26a,26bから送
信させる(J28)。
【0071】すると、リーダ/ライタ8は、ICカード
2から送信されたデータに基づいて、そのICカード2
がクレジットカードとして使用可能か否かを判定し(J
29)、使用不能と判定した場合には処理を中断するが
(J30)、使用可能と判定した場合には、ICカード
2へ、セキュリティ解除のコマンドと、暗証番号とを送
信する(J31)。尚、セキュリティ解除のコマンドと
は、ICカード2に対して、メモリ32の第3エリア及
び第4エリアへのアクセス(読み書き)許可を要求する
ものであり、また、暗証番号とは、リーダ/ライタ8と
ICカード2との間で予め決められた相互認証のための
番号である。
【0072】ICカード2は、受信用静電プレート24
a,24bを介して、リーダ/ライタ8からのセキュリ
ティ解除のコマンドと暗証番号とを受信すると、受信し
た暗証番号と自己の暗証番号とを比較して、一致してい
れば、メモリ32の第3エリア及び第4エリアに対する
アクセスを可能とし(セキュリティを解除し)、リーダ
/ライタ8へ、セキュリティを解除した旨を示す解除確
認応答を送信する(J32,J33)。
【0073】そして、リーダ/ライタ8は、ICカード
2からの解除確認応答を受信すると、ICカード2へ、
メモリ32の第3エリア及び第4エリアに記憶されてい
るクレジット番号、与信枠、及び利用累積額を表すデー
タを要求するための、データ読み出しコマンドを送信す
る(J34)。
【0074】そのコマンドをICカード2が受信する
と、ICカード2側において、CPU30は、メモリ3
2からクレジット番号、与信枠、及び利用累積額を表す
データを読み出し(J35)、その読み出したデータ
を、送信用静電プレート26a,26bから送信する
(J36)。
【0075】すると、リーダ/ライタ8は、ICカード
2からのデータに基づいて、クレジットが可能か否かを
判定し(J37)、クレジット不能と判定した場合には
処理を中断するが(J38)、クレジット可能と判定し
た場合には、今回のクレジット利用額の入力やホストマ
シンとのやり取りを行う等して、所定のクレジット処理
を実行する。そして、その後、ICカード2へ、最新の
利用累積額を表すデータと、その利用累積額データをI
Cカード2のメモリ32に書き込ませるためのデータ書
き込みコマンドとを送信する(J39)。尚、このデー
タ書き込みコマンドも、ドア4の入退管理の場合と同様
に、データを書き込むべきメモリ32内の記憶エリアを
指定するものである。
【0076】そして、ICカード2は、リーダ/ライタ
8からのデータを受信して、最新の利用累積額データを
メモリ32に書き込んだ後(J40)、データの書き込
みが終了したことを示す、書き込み終了応答を送信する
(J41)。リーダ/ライタ8は、ICカード2からの
書き込み終了応答を受信して、ICカード2にデータが
書き込まれたことを確認すると、ICカード2へ、通信
終了を示すスリープコマンドを送信する(J42)。そ
して、ICカード2では、リーダ/ライタ8からのスリ
ープコマンドを受信すると、CPU30が処理の実行を
終了し(J43)、これによって、ICカード2とリー
ダ/ライタ8との通信が終了する。
【0077】尚、リーダ/ライタ8は、上記一連の通信
を終了すると、ICカード2の携帯者に対して、今回の
クレジット利用額等を記載した伝票を発行する(J4
4)。このように、ICカード2がクレジットカードと
して用いられた場合には、当該ICカード2は、リーダ
/ライタ8(電力供給用コイル60)からの電力を電源
用コイル22で受けることによって自己動作用の電力を
取得すると共に、受信用静電プレート24a,24b及
び送信用静電プレート26a,26bを介して、リーダ
/ライタ8との間で接触式のデータ通信を行う。
【0078】次に、当該ICカード2が質問機6及びリ
ーダ/ライタ8との間で図7及び図8に示したような通
信を行うために、CPU30で実行される制御処理につ
いて、図9〜図11に示すフローチャートを用いて説明
する。尚、図9は、CPU30が実行する全体処理を表
すフローチャートである。そして、図10は、その全体
処理の中で実行されるリモート処理を表すフローチャー
トであり、図11は、全体処理の中で実行されるICカ
ード処理を表すフローチャートである。
【0079】まず、図9に示す全体処理は、上述したよ
うにCPU30の作動電圧Vccが動作しきい値Vth
以上となって、パワー制御部36の立上り検出器50か
らリセット信号RSTが出力されると実行が開始され
る。そして、図9に示すように、CPU30は、この全
体処理の実行を開始すると、まず、ステップ(以下、単
にSと記す)110にて、セレクト信号SELがハイレ
ベルであるか否かを判断し、セレクト信号SELがハイ
レベルであると判断した場合には、質問機6との間で通
信を行うためのS120〜S140からなる無線通信モ
ードの処理を実行する。
【0080】即ち、S120にて、入出力ポートのう
ち、第1入力ポートDin1及び第1出力ポートDou
t1だけを有効とし、続くS130にて、メモリ32の
記憶エリアのうち、読み書き(アクセス)できる記憶エ
リアを第1エリア及び第2エリアだけに制限する、読出
制限手段としての処理を実行する。そして、続くS14
0にて、第1の応答制御手段としてのリモート処理を実
行した後、当該全体処理を終了する。
【0081】一方、S110で、セレクト信号SELが
ハイレベルではない(即ちロウレベルである)と判断し
た場合には、リーダ/ライタ8との間で通信を行うため
のS150,S160からなる接触通信モードの処理を
実行する。即ち、S150にて、入出力ポートのうち、
第2入力ポートDin2及び第2出力ポートDout2
だけを有効とし、続くS160にて、第2の応答制御手
段としてのIDカード処理を実行した後、当該全体処理
を終了する。
【0082】ここで、第1の応答制御手段としてのリモ
ート処理(S140)は、図10に示す如く実行され
る。即ち、このリモート処理の実行が開始されると、ま
ず、S210にて、質問機6からのデータ読み出しコマ
ンド或いはデータ書き込みコマンドを既に受信したか否
かを示すウエイトフラグに、コマンドを未だ受信してい
ない旨を示す「0」をセットする。
【0083】そして、続くS220にて、ウエイトフラ
グに「1」がセットされているか否かを判断し、「1」
がセットされていないと判断した場合には、当該ICカ
ード2が質問機6からの電波を最初に受けた状態であ
り、これが質問機6からのIDデータの送信要求である
とみなして、S230に進む。
【0084】S230では、メモリ32の第1エリアか
ら、IDデータとしての従業員番号を読み出し、その読
み出したIDデータを第1出力ポートDout1から出
力する。すると、図7のJ5で示したように、その従業
員番号が質問機6へ送信される。
【0085】そして、S230の処理を実行した場合、
或いはS220でウエイトフラグに「1」がセットされ
ていると判断した場合には、S240に移行して、質問
機6からのコマンドを受信したか否かを判断する。そし
て、コマンドを受信していないと判断した場合には、S
220に戻ってS220〜S240の処理を繰り返し、
S240にて、質問機6からのコマンドを受信したと判
断した場合には、S250に進む。
【0086】S250では、今回受信したコマンドの種
別を判断し、そのコマンドが、図7のJ6に示したデー
タ読み出しコマンドであると判断するか、或いは図7の
J9に示したデータ書き込みコマンドであると判断した
場合には、S260に進んで、ウエイトフラグに「1」
をセットする。
【0087】そして、続くS270にて、受信したコマ
ンドによって指定されたメモリ32の記憶エリアが、読
み書き可能であるか否かを判断し、読み書き可能ではな
い場合、即ち、受信したデータ読み出しコマンド或いは
データ書き込みコマンドによって、上述したS130で
許可されていない第3エリア及び第4エリアが指定され
た場合には、S220へ戻る。
【0088】一方、S270にて、受信したコマンドに
よって指定されたメモリ32の記憶エリアが、読み書き
可能であると判断した場合、即ち、指定された記憶エリ
アが第1エリア或いは第2エリアであった場合には、S
280に進んで、受信したコマンドがデータ読み出しコ
マンドであるか否かを判断し、データ読み出しコマンド
であると判断した場合には、S290に進む。
【0089】そして、S290では、受信したデータ読
み出しコマンドによって指定されたメモリ32の記憶エ
リアから、そのコマンドによって指定されたデータを読
み出し、続くS300にて、その読み出したデータを第
1出力ポートDout1から出力する。すると、図7の
J8で示したように、読み出したデータが質問機6へ送
信される。そして、S300の処理を実行した後、S2
20に戻る。
【0090】一方、S280にて、受信したコマンドが
データ読み出しコマンドではないと判断した場合、即ち
データ書き込みコマンドであると判断した場合には、S
310に移行する。そして、S310では、受信したデ
ータ書き込みコマンドによって指定されたメモリ32の
記憶エリアに、そのコマンドと共に送信されてきたデー
タを書き込み、その後、S290に移行する。尚、S3
10からS290に移行した場合には、S290にて、
S310で書き込んだデータを読み出し、続くS300
にて、その読み出したデータを送信する。そして、これ
によって、図7のJ11に示したように、ICカード2
から質問機6へ、ベリファイデータが送信されることと
なる。
【0091】一方更に、S250にて、今回受信したコ
マンドが図7のJ12に示したスリープコマンドである
と判断した場合には、S320に移行して、当該CPU
30の動作を終了する。そして、これにより、リモート
処理の実行が終了する。つまり、このリモート処理で
は、まず、質問機6へIDデータとしての従業員番号を
送信し(S230)、質問機6からのデータ読み出しコ
マンドを受信すると(S280:YES)、そのコマン
ドによって指定されたメモリ32の記憶エリアから、そ
のコマンドによって指定されたデータを読み出し(S2
90)、その読み出したデータを質問機6へ送信するよ
うにしている(S300)。また、質問機6からのデー
タ書き込みコマンドを受信した場合には(S280:N
O)、そのコマンドによって指定されたメモリ32の記
憶エリアに、そのコマンドと共に送られてきたデータを
書き込むようにしている(S310)。そして、質問機
6からのスリープコマンドを受信すると、通信動作を終
了するようにしている(S320)。
【0092】そして、このような処理実行によって、図
7に示した質問機6との通信を実現している。但し、こ
のリモート処理が実行される際には、予め上述のS13
0の処理によって、データをアクセスできるメモリ32
の記憶エリアが、セキュリティレベルの低いデータを記
憶した第1エリア及び第2エリアだけに制限されてい
る。よって、仮に、質問機6側から、メモリ32の第3
エリア及び第4エリアに対するアクセスを要求するコマ
ンドが送信された場合には、メモリ32へのアクセスは
禁止される(S270:NO)。
【0093】次に、第2の応答制御手段としてのICカ
ード処理(S160)は、図11に示す如く実行され
る。即ち、このICカード処理の実行が開始されると、
まず、S410にて、データのアクセス権を低レベルに
設定する。即ち、このS410では、上述したS130
の処理と同様に、メモリ32の記憶エリアのうち、読み
書きできる記憶エリアを第1エリア及び第2エリアだけ
に設定する。尚、以下の説明において、このようにメモ
リ32の第1エリア及び第2エリアだけを読み書き可能
に設定している状態から、第3エリア及び第4エリアま
でも読み書き可能に設定することを、「セキュリティ解
除」という。
【0094】そして、続くS420にて、メモリ32か
ら上述したATRを読み出し、その読み出したATRを
第2出力ポートDout2から出力する。すると、図8
のJ25で示したように、そのATRがリーダ/ライタ
8へ送信される。尚、図6には示されていないが、AT
Rは、メモリ32の第1エリア或いは第2エリアに予め
記憶されている。
【0095】そして、続くS430にて、リーダ/ライ
タ8からのコマンドを受信したか否かを判断し、コマン
ドを受信したと判断するまで待機する。そして、このS
430にて、コマンドを受信したと判断すると、S44
0に進んで、今回受信したコマンドの種別を判断し、そ
のコマンドが、図8のJ26,J34に示したデータ読
み出しコマンドであると判断するか、或いは図8のJ3
9に示したデータ書き込みコマンドであると判断した場
合には、S450に進む。
【0096】S450では、受信したコマンドによって
指定されたメモリ32の記憶エリアが、読み書き可能で
あるか否かを判断し、読み書き可能ではないと判断した
場合には、S430に戻る。一方、S450にて、受信
したコマンドによって指定されたメモリ32の記憶エリ
アが、読み書き可能であると判断した場合には、S46
0に進んで、受信したコマンドがデータ読み出しコマン
ドであるか否かを判断し、データ読み出しコマンドであ
ると判断した場合には、S470に進む。
【0097】そして、S470では、受信したデータ読
み出しコマンドによって指定されたメモリ32の記憶エ
リアから、そのコマンドによって指定されたデータを読
み出し、続くS480にて、その読み出したデータを第
2出力ポートDout2から出力する。すると、図8の
J28,J36で示したように、読み出したデータがリ
ーダ/ライタ8へ送信される。そして、S480の処理
を実行した後、S430に戻る。
【0098】また、S460にて、受信したコマンドが
データ読み出しコマンドではないと判断した場合、即ち
データ書き込みコマンドであると判断した場合には、S
490に移行する。そして、S490では、受信したデ
ータ書き込みコマンドによって指定されたメモリ32の
記憶エリアに、そのコマンドと共に送信されてきたデー
タを書き込み、続くS500にて、図8のJ41に示し
たように、データの書き込みが終了したことを示す、書
き込み終了応答を送信する。そして、S500の処理を
実行した後、S430に戻る。
【0099】一方、S440にて、今回受信したコマン
ドが図8のJ31に示したセキュリティ解除のコマンド
であると判断した場合には、S510に移行して、その
コマンドと共に送信されてきた暗証番号を確認する。そ
して、続くS520にて、受信したリーダ/ライタ8か
らの暗証番号と自己の暗証番号とを比較し、両者が一致
していないと判断した場合には、S430に戻り、両者
が一致していると判断した場合には、S530に進む。
【0100】そして、S530にて、メモリ32のセキ
ュリティ解除を行い、続くS540にて、図8のJ33
に示したように、セキュリティ解除を行った旨を示す解
除確認応答を送信した後、S430に戻る。一方更に、
S440にて、今回受信したコマンドが図8のJ42に
示したスリープコマンドであると判断した場合には、S
550に移行して、当該CPU30の動作を終了する。
そして、これにより、ICカード処理の実行が終了す
る。
【0101】つまり、このICカード処理では、まず、
読み書き可能なメモリ32の記憶エリアを第1エリア及
び第2エリアだけに設定してから(S410)、リーダ
/ライタ8へ自己の仕様を表すATRを送信するように
している(S420)。そして、リーダ/ライタ8から
のデータ読み出しコマンドを受信すると(S460:Y
ES)、そのコマンドによって指定されたメモリ32の
記憶エリアから、そのコマンドによって指定されたデー
タを読み出して(S470)、その読み出したデータを
リーダ/ライタ8へ送信し(S480)、また、リーダ
/ライタ8からのデータ書き込みコマンドを受信すると
(S460:NO)、そのコマンドによって指定された
メモリ32の記憶エリアに、そのコマンドと共に送られ
てきたデータを書き込むようにしているのであるが(S
490)、リーダ/ライタ8からセキュリティ解除のコ
マンドを受けて、且つ、そのコマンドと共に送られてき
た暗証番号が自己の暗証番号と一致するまでは、メモリ
32の第3エリア及び第4エリアに対するデータの読み
書きは禁止されるようにしている(S450,S510
〜S530)。
【0102】そして、このような処理実行によって、図
8に示したリーダ/ライタ8との通信を実現している。
以上説明したように、本第1実施例のICカード2にお
いては、CPU30がリモート処理を実行することによ
り、送受信アンテナ18を介して、質問機6との間で無
線通信を行い、また、CPU30がICカード処理を実
行することにより、受信用静電プレート24a,24b
及び送信用静電プレート26a,26bを介して、リー
ダ/ライタ8との間で通信を行う。
【0103】そして、リモート処理の実行時には、質問
機6からのデータ読み出しコマンドに応じて、メモリ3
2からデータを読み出し、その読み出したデータを送受
信アンテナ18から送信するようにしており、また、I
Cカード処理の実行時には、リーダ/ライタ8からのデ
ータ読み出しコマンドに応じて、メモリ32からデータ
を読み出し、その読み出したデータを送信用静電プレー
ト26a,26bから送信するようにしている。
【0104】ここで特に、本実施例のICカード2で
は、質問機6及びリーダ/ライタ8との通信時に共通し
て使用されるメモリ32の記憶エリアが、第1エリアか
ら第4エリアまでの4つに分けられており、第1エリア
から第4エリアの順に、セキュリティレベルの高いデー
タが記憶されるようにしている。そして、リモート処理
が実行される質問機6との通信時には、全体処理(図
9)のS130が実行されることによって、データを読
み書きすることのできるメモリ32の記憶エリアが、セ
キュリティレベルの低いデータを記憶する第1エリア及
び第2エリアだけに制限されるようにしている。
【0105】よって、本実施例のICカード2では、機
械的な接触が必要であってデータ傍受(電波傍受)の心
配が無いリーダ/ライタ8からは、メモリ32内の様々
なデータを読み出すことができるのであるが、データ傍
受の可能性がある無線通信によってデータのやり取りを
行う質問機6に対しては、仮にメモリ32の第3エリア
及び第4エリアに記憶されたデータを読み出すためのコ
マンドを受けたとしても、メモリ32へのアクセスが禁
止され、これによって、セキュリティレベルの高いデー
タが電波で送出されることが防止される。
【0106】従って、本実施例のICカード2によれ
ば、セキュリティレベルの高いデータが傍受されてしま
うことを完全に防止でき、延いては、送受信アンテナ1
8を用いた無線通信(非接触式)による使い易さと、受
信用静電プレート24a,24b及び送信用静電プレー
ト26a,26bを用いた接触通信(接触式)による高
いセキュリティ性とを、メモリ32を共用化した簡素な
構成に関わらず実現することができる。
【0107】一方、本第1実施例のICカード2におい
ては、質問機6からの電波によって供給される第1の作
動電圧RSと、リーダ/ライタ8側から供給される第2
の作動電圧ISとの論理和電圧を、CPU30の作動電
圧Vccとして用い、更に、その作動電圧VccがCP
U30の動作しきい値Vth以上になると、パワー制御
部36の立上り検出器50が、CPU30へリセット信
号RSTを出力するようにしている。そして更に、パワ
ー制御部36のコンパレータ52が、第1の作動電圧R
Sと第2の作動電圧ISとを比較して、第1の作動電圧
RSの方が大きいときには、CPU30へセレクト信号
SELを無線通信モードを指令するハイレベルで出力
し、逆に第2の作動電圧ISの方が大きいときには、C
PU30へセレクト信号SELを接触通信モードを指令
するロウレベルで出力するようにしている。
【0108】従って、本第1実施例のICカード2によ
れば、質問機6からの電波を受けると、CPU30が無
線通信モードの処理(S120〜S140)を実行し、
リーダ/ライタ8に挿入されると、CPU30が接触通
信モードの処理(S150,S160)を実行する、と
いった具合いに、質問機6側とリーダ/ライタ8側とか
ら夫々作動電圧RS,ISが供給される構成であるにも
関わらず、1つのCPU30に、無線通信モードの処理
と接触通信モードの処理との何れか一方を確実に実行さ
せることができ、延いては、当該ICカード2内の装置
構成を一層簡略化することができる。
【0109】ところで、上記第1実施例のICカード2
では、コンパレータ52によって第1の作動電圧RSと
第2の作動電圧ISとを大小比較し、その比較結果に応
じて、無線通信モードと接触通信モードとを切り換える
ようにした。よって、例えば、ICカード2が、質問機
6からの電波を受けている時にリーダ/ライタ8に挿入
されたり、或いは、リーダ/ライタ8に挿入されている
時に質問機6からの電波を受ける、といった極めて特殊
な場合には、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧IS
とが共に大きな値となって、CPU30に最適な処理を
実行させることができなくなってしまう虞がある。
【0110】そこで次に、第2実施例として、このよう
な問題を解決できるICカードについて、図12を用い
て説明する。尚、図12は、第2実施例のICカード内
に設けられたパワー制御部を説明するための説明図であ
る。第2実施例のICカードは、上述した第1実施例の
ICカード2に対して、カスタムIC12の内部に設け
られたパワー制御部36の構成が異なるだけであり、そ
の他は全く同様である。
【0111】即ち、図12(A)に示すように、第2実
施例のICカードに設けられたパワー制御部66は、第
1実施例のパワー制御部36に対し、立上り検出器5
0,コンパレータ52,及び抵抗器54に代えて、2つ
の電圧検知器68,70と、2つの立上り検出器72,
74と、アンドゲート76と、インバータ78と、オア
ゲート80とを備えている。
【0112】ここで、電圧検知器68は、第1の作動電
圧RSを検出し、その電圧値が、CPU30の動作しき
い値Vthにダイオード46,48での電圧降下分(例
えば、0.8V)Vdを加えた所定の設定値(Vth+
Vd)以上になると、ハイレベルの信号を出力するもの
である。また、電圧検知器70は、第2の作動電圧IS
を検出し、その電圧値が上記設定値(Vth+Vd)以
上になると、ハイレベルの信号を出力する。
【0113】そして、本第2実施例のパワー制御部66
においては、電圧検知器68の出力信号と、電圧検知器
70の出力信号をインバータ78により反転した信号と
が、アンドゲート76に入力され、アンドゲート76の
出力信号が、CPU30へ、セレクト信号SELとして
出力されるようになっている。
【0114】そして更に、アンドゲート76の出力信号
(即ちセレクト信号SEL)がロウレベルからハイレベ
ルに立ち上がったときに、立上り検出器72から所定幅
のパルス信号が出力され、また、電圧検知器70の出力
信号がロウレベルからハイレベルに立ち上がったとき
に、立上り検出器74から所定幅のパルス信号が出力さ
れるようになっており、立上り検出器72の出力信号と
立上り検出器74の出力信号との、オアゲート80によ
る論理和信号が、CPU30へ、リセット信号RSTと
して出力されるようになっている。
【0115】このようなパワー制御部66を備えた第2
実施例のICカードにおいては、図12(B)に示すよ
うに、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧ISのう
ち、第1の作動電圧RSだけが上記設定値(Vth+V
d)以上になると、アンドゲート76からCPU30
へ、ハイレベルのセレクト信号SELが出力され、それ
と同時に、立上り検出器72からオアゲート80を介し
て、CPU30へ所定幅のリセット信号RSTが出力さ
れる。よって、当該ICカードが、リーダ/ライタ8に
挿入されていない状態で質問機6からの電波を受けた場
合には、CPU30は無線通信モードの処理を実行する
こととなる。
【0116】また、第1の作動電圧RS(電圧検知器6
8の出力信号)に関わらず、第2の作動電圧ISが上記
設定値(Vth+Vd)以上になると、アンドゲート7
6からCPU30へ、ロウレベルのセレクト信号SEL
が出力され、それと同時に、立上り検出器74からオア
ゲート80を介して、CPU30へ所定幅のリセット信
号RSTが出力される。よって、質問機6からの電波を
受けているか否かに関わらず、当該ICカードがリーダ
/ライタ8に挿入されれば、CPU30は接触通信モー
ドの処理を実行することとなる。
【0117】尚、図12(B)において、M1は、CP
U30によって無線通信モードの処理が実行される期間
を表しており、M2は、CPU30によって接触通信モ
ードの処理が実行される期間を表している。即ち、第2
実施例のICカードにおいては、第1の作動電圧RS及
び第2の作動電圧ISの内、少なくとも一方が上記設定
値(Vth+Vd)以上になれば、CPU30に動作し
きい値Vth以上の電圧が供給されて動作可能となるこ
とに着目し、第1の作動電圧RSが上記設定値(Vth
+Vd)以上になると、CPU30へリセット信号RS
Tを出力すると共にセレクト信号SELをハイレベルに
し、また、第2の作動電圧ISが上記設定値(Vth+
Vd)以上になると、CPU30へリセット信号RST
を出力すると共にセレクト信号SELをロウレベルにす
るようにしている。
【0118】そして更に、第2実施例のパワー制御部6
6では、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧ISとが
共に設定値(Vth+Vd)以上となった場合には、セ
レクト信号SELが優先的にロウレベルで出力されるよ
うにして、接触通信モードの処理が優先して実行される
ようにしている。
【0119】従って、このような第2実施例のICカー
ドによれば、当該ICカードが、質問機6からの電波を
受けている時にリーダ/ライタ8に挿入されると、CP
U30は即座に接触通信モードの処理実行を開始し、ま
た、当該ICカードが、リーダ/ライタ8に挿入されて
いる時に質問機6からの電波を受けた場合には、CPU
30は無線通信モードの処理は実行せずに接触通信モー
ドの処理を継続して実行することとなる。
【0120】このように、第2実施例のICカードによ
れば、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧ISとが共
に大きな値となった場合にも、CPU30に、無線通信
モードの処理と接触通信モードの処理との何れか一方だ
けを確実に実行させることができる。
【0121】尚、上記第2実施例のICカードでは、接
触通信モードの処理が優先して実行されるようにした
が、無線通信モードの処理が優先して実行されるように
構成してもよい。また、第1の作動電圧RSと第2の作
動電圧ISとが、同時期に動作しきい値Vth以上にな
ることがないシステムの場合には、例えば、図12
(A)のパワー制御部66において、アンドゲート76
を排除し、電圧検知器68の出力信号を、立上り検出器
72に直接入力すると共に、セレクト信号SELとして
CPU30へ出力するように構成することもできる。
【0122】次に、第3実施例のICカードについて、
図13を用いて説明する。尚、図13は、第3実施例の
ICカード内に設けられたパワー制御部を説明するため
の説明図である。第3実施例のICカードは、上述した
第2実施例のICカードに対して、カスタムIC12の
内部に設けられたパワー制御部66の構成が異なるだけ
であり、その他は全く同様である。
【0123】即ち、図13(A)に示すように、第3実
施例のICカードに設けられたパワー制御部82は、第
2実施例のパワー制御部66に対し、アンドゲート84
とインバータ86とを追加して備えている。そして、電
圧検知器70の出力信号と、アンドゲート76の出力信
号をインバータ86により反転した信号とが、アンドゲ
ート84に入力されており、アンドゲート84の出力信
号が、立上り検出器74に入力されると共に、インバー
タ78により反転されてアンドゲート76に入力される
ように構成されている。
【0124】このようなパワー制御部82を備えた第3
実施例のICカードにおいては、例えば、図13(B)
に示すように、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧I
Sのうち、第1の作動電圧RSの方が先に上記設定値
(Vth+Vd)以上になると、アンドゲート76から
CPU30へ、ハイレベルのセレクト信号SELが出力
され、それと同時に、立上り検出器72からオアゲート
80を介して、CPU30へ所定幅のリセット信号RS
Tが出力される。よって、この場合には、CPU30は
無線通信モードの処理を実行することとなる。
【0125】そして、第1の作動電圧RSが設定値(V
th+Vd)以上であるときに、第2の作動電圧ISが
設定値(Vth+Vd)以上になっても、インバータ8
6の出力信号がロウレベルとなっているため、アンドゲ
ート84の出力信号もロウレベルのままとなり、延いて
は、セレクト信号SELがハイレベルのままとなり、リ
セット信号RSTも出力されない。
【0126】その後、第2の作動電圧ISが設定値(V
th+Vd)以上になったままの状態で、第1の作動電
圧RSが設定値(Vth+Vd)よりも小さくなると、
その時点で初めて、アンドゲート76からCPU30
へ、ロウレベルのセレクト信号SELが出力されると共
に、アンドゲート84からハイレベルの出力信号が出力
されるため、それと同時に、立上り検出器74からオア
ゲート80を介して、CPU30へリセット信号RST
が出力される。よって、この時点から、CPU30は接
触通信モードの処理実行を開始することとなる。
【0127】尚、図13(B)においても、図12
(B)と同様に、M1は、CPU30によって無線通信
モードの処理が実行される期間を表しており、M2は、
CPU30によって接触通信モードの処理が実行される
期間を表している。そして、図13(A)に示すよう
に、第3実施例のパワー制御部82は、第1の作動電圧
RS及び第2の作動電圧ISの夫々に対して、全く対称
な構成を有しているため、図13(B)に示した例とは
逆に、第2の作動電圧ISの方が先に設定値(Vth+
Vd)以上となり、その後で、第1の作動電圧RSが設
定値(Vth+Vd)以上となった場合には、まず、第
2の作動電圧ISが設定値(Vth+Vd)以上となっ
たときに、CPU30へ、ロウレベルのセレクト信号S
ELが出力されると共にリセット信号RSTが出力さ
れ、その後、第2の作動電圧ISが設定値(Vth+V
d)よりも小さくなって初めて、CPU30へハイレベ
ルのセレクト信号SELが出力されると共に、立上り検
出器72からオアゲート80を介して、CPU30へリ
セット信号RSTが出力されることとなる。
【0128】即ち、第3実施例のICカードにおいて
は、第1の作動電圧RSと第2の作動電圧ISとが共に
設定値(Vth+Vd)以上となった場合には、セレク
ト信号SELのレベルを、先に設定値(Vth+Vd)
以上となった作動電圧に対応する方のレベルに保持して
出力するようにしている。
【0129】従って、このような第3実施例のICカー
ドによれば、第2実施例のICカードと同様に、第1の
作動電圧RSと第2の作動電圧ISとが共に大きな値と
なった場合にも、CPU30に無線通信モードの処理と
接触通信モードの処理との何れか一方だけを確実に実行
させることができ、しかも、CPU30の動作モードが
途中で切り換わってしまうことを防止できる。
【0130】次に、第4実施例のICカードについて、
図14を用いて説明する。尚、図14は第4実施例のI
Cカード88の外観図である。図14に示すように、第
4実施例のICカード88は、上述した第1〜第3実施
例のICカードに対して、プラスチック製のカード本体
10表面に、情報記録用の磁気ストライプ90を設ける
ようにしている。
【0131】そして、このように構成された第4実施例
のICカード88によれば、従来の磁気ストライプカー
ドと同様に使用することもできるため、従来のカードシ
ステムから、メモリ32を備えた本実施例のカードシス
テムへの移行を、円滑に行うことができるようになる。
【0132】ところで、上述した各実施例のICカード
は、質問機6との通信インタフェースとして電源用アン
テナ14及び送受信アンテナ18を備え、また、リーダ
/ライタ8との通信インタフェースとして、電源用コイ
ル22、受信用静電プレート24a,24b、及び送信
用静電プレート26a,26bを備えたものであった
が、各機器と通信を行うための通信インタフェースとし
ては、様々な構成のものを用いることができる。そこで
以下、他の構成の通信インタフェースを備えたICカー
ドについて、図15〜図18を用いて説明する。
【0133】まず、図15は、第5実施例のICカード
90の内部構成を表すブロック図である。図15に示す
ように、このICカード90は、第1実施例のICカー
ド2に対し、電源用アンテナ14及び送受信アンテナ1
8の代わりに、電源用兼送受信用のアンテナ92を1つ
備えている点が異なっている。
【0134】即ち、第5実施例のICカード90では、
1つのアンテナ92によって、質問機6から電源の供給
を受けると共に、質問機6との間でデータの送受信を行
う。尚、図15において、93は、CPU30の第1出
力ポートDout1から送信データを出力する時、即ち
データ送信時に、第1の作動電圧RSが変動することを
防止するための抵抗器である。
【0135】次に、図16は、第6実施例のICカード
94の内部構成を表すブロック図である。図16に示す
ように、このICカード94は、第5実施例のICカー
ド90に対し、電源用兼送受信用のアンテナ92に代え
て、電源用兼送受信用のコイル96を備えている点と、
発振器38に代えて、上記コイル96に起電された正弦
波電圧を波形整形して第1クロック信号CK1として出
力するクロック用アンプ98を備えている点とが異なっ
ている。
【0136】即ち、第6実施例のICカード94は、質
問機6との間で中波〜短波の電波を用いた電磁誘導方式
(電磁結合方式)の通信を行うものであり、1つのコイ
ル96によって、電源用コイル22の場合と同様に質問
機6から電源の供給を受けると共に、質問機6との間で
データの送受信を行う。
【0137】次に、図17は、第7実施例のICカード
100の内部構成を表すブロック図である。図17に示
すように、このICカード100は、第6実施例のIC
カード94に対し、受信用静電プレート24a,24b
及び送信用静電プレート26a,26bを備えておら
ず、また、入出力部44に代えて、電源用コイル22で
受けた信号を復調する復調器102a及びCPU30か
ら出力された送信データを変調して電源用コイル22に
出力する変調器102bからなる入出力部102を備え
ている。
【0138】即ち、第7実施例のICカード100は、
リーダ/ライタ8との間で、静電プレートではなく、電
源用コイル22による電磁誘導方式によって通信を行う
ように構成されている。そして、1つの電源用コイル2
2によって、リーダ/ライタ8から電源の供給を受ける
と共に、リーダ/ライタ8との間でデータの送受信を行
う。
【0139】次に、図18は、第8実施例のICカード
104の内部構成を表すブロック図である。図18に示
すように、このICカード104は、第7実施例のIC
カード100に対し、電源用コイル22及び入出力部1
02を備えておらず、その代わりに、リーダ/ライタ8
側の端子と電気的に接触する5つの端子106a〜10
6eを備えている。尚、端子106a,106bは、第
2の作動電圧ISを受けるための電源用端子であり、端
子106cは、第2クロック信号CK2を受けるための
クロック用端子であり、端子106dは、データを受信
するための受信用端子であり、端子106eは、データ
を送信するための送信用端子である。即ち、第8実施例
のICカード104は、リーダ/ライタ8に端子106
a〜106eを介して接続され、これによって、電源の
供給を受けると共に、データの送受信を行うように構成
されている。
【0140】そして、図15〜図18のように構成され
た第5〜第8実施例のICカード90,94,100,
104によっても、第1実施例のICカード2と同様の
効果を得ることができる。次に、第9実施例のICカー
ドについて図19を用いて説明する。尚、図19は、第
9実施例のICカード108の内部構成を表すブロック
図である。
【0141】図19に示すように、第9実施例のICカ
ード108は、図2に示した第1実施例のICカード2
に対して、充電可能な電池110と、ダイオード46,
48から出力されるCPU30の作動電圧Vccによっ
て電池110を充電する充電回路112と、電池110
の出力電圧をカスタムIC12の内部へ供給するダイオ
ード114と、を追加して備えている。
【0142】そして更に、このICカード108におい
ては、カスタムIC12の内部に、ダイオード16から
パワー制御部36,発振器38,及び受信アンプ40へ
の電圧供給ラインに順方向且つ直列に接続されたダイオ
ード116と、そのダイオード116のカソード側と上
記ダイオード114からの電圧供給ラインとを開閉する
スイッチSと、CPU30の動作しきい値Vthよりも
小さい所定の基準電圧Vkを発生する基準電源118
と、上記ダイオード114からの電圧を受けて作動する
と共に、上記基準電源118からの基準電圧Vkとダイ
オード16からの検波電圧とを大小比較して、検波電圧
の方が大きいときに上記スイッチSを短絡させるコンパ
レータ120と、が追加して設けられている。尚、本第
9実施例では、ダイオード116のカソード側の電圧が
第1の作動電圧RSとして用いられている。
【0143】このように構成された第9実施例のICカ
ード108においては、当該ICカード108が質問機
6からの電波を受けて、ダイオード16から出力される
検波電圧が上記基準電圧Vkよりも大きくなると、コン
パレータ120によってスイッチSが短絡される。する
と、電池110から、ダイオード114及びスイッチS
を介して、ダイオード116のカソード側へ電圧が供給
されるため、これによって、パワー制御部36,発振器
38,受信アンプ40,及びCPU30が作動を開始
し、延いては質問機6との通信動作が開始される。
【0144】そして、当該ICカード108が質問機6
から離れるか、或いは質問機6が電波の送出を停止する
等して、ダイオード16からの検波電圧が上記基準電圧
Vkよりも小さくなると、スイッチSが開放されて、当
該ICカード108の動作が停止する。
【0145】一方、電池110は、当該ICカード10
8がリーダ/ライタ8に挿入されたり、或いは当該IC
カード108が質問機6に接近して強い電波を受けたり
して、ダイオード46,48から出力される作動電圧V
ccが大きくなると、充電回路112によって充電され
る。
【0146】従って、このような第9実施例のICカー
ド108によれば、ダイオード16からの検波電圧が上
記基準電圧Vkよりも大きくなりさえすれば、自己の動
作を起動させることができるため、質問機6との距離が
大きくても、無線通信を行うことができるようになる。
しかも、電池110は、リーダ/ライタ8に挿入された
時等に充電されるため、電池交換の必要もない。
【0147】尚、上述した第1〜第9実施例の各ICカ
ードは、ドア4の入退管理システムに使用されると共に
クレジットカードとして使用されるものであったが、上
述したように構成された各実施例のICカードは、免許
証、定期券、パスポート、従業員証、健康保険証、年金
手帳、銀行カード、及び診察カルテ等、様々な用途に使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 第1実施例のICカードの内部構成を表すブ
ロック図である。
【図3】 第1実施例のICカードの外観図である。
【図4】 ICカードをドアの入退管理システムに用い
た場合の使用状態を説明する説明図である。
【図5】 ICカードをクレジットカードとして用いた
場合の使用状態を説明する説明図である。
【図6】 ICカードに内蔵されたメモリの記憶領域を
説明する説明図である。
【図7】 ICカードと質問機との通信手順を表す説明
図である。
【図8】 ICカードとリーダ/ライタとの通信手順を
表す説明図である。
【図9】 ICカードのCPUが実行する全体処理を表
すフローチャートである。
【図10】 全体処理の中で実行されるリモート処理を
表すフローチャートである。
【図11】 全体処理の中で実行されるICカード処理
を表すフローチャートである。
【図12】 第2実施例のICカード内に設けられたパ
ワー制御部を説明する説明図である。
【図13】 第3実施例のICカード内に設けられたパ
ワー制御部を説明する説明図である。
【図14】 第4実施例のICカードの外観図である。
【図15】 第5実施例のICカードの内部構成を表す
ブロック図である。
【図16】 第6実施例のICカードの内部構成を表す
ブロック図である。
【図17】 第7実施例のICカードの内部構成を表す
ブロック図である。
【図18】 第8実施例のICカードの内部構成を表す
ブロック図である。
【図19】 第9実施例のICカードの内部構成を表す
ブロック図である。
【符号の説明】
2,88,90,94,100,104,108…IC
カード 6…質問機 8…リーダ/ライタ 10…カード本
体 12…カスタムIC 14…電源用アンテナ 18
…送受信アンテナ 22…電源用コイル 24a,24b…受信用静電プ
レート 26a,26b…送信用静電プレート 30…CPU
32…メモリ 36,66,82…パワー制御部 38…発振器
40…受信アンプ 42,98…クロック用アンプ 44,102…入出
力部 50,72,74…立上り検出器 52,120…コ
ンパレータ 68,70…電圧検知器 90…磁気ストライプ
92…アンテナ 96…コイル 106a〜106e…端子 110
…電池 112…充電回路 S…スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 19/00 R

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の外部機器との間で無線通信を行う
    ための第1の通信インタフェースと、 第2の外部機器との間で機械的接触により通信を行うた
    めの第2の通信インタフェースと、 前記各外部機器からのデータ要求に対して出力すべき応
    答データを記憶するメモリと、 前記第1の通信インタフェースにより前記第1の外部機
    器からのデータ要求が受信されると、該データ要求に応
    じた応答データを前記メモリから読み出し、該読み出し
    た応答データを前記第1の通信インタフェースに送信さ
    せる第1の応答制御手段と、 前記第2の通信インタフェースにより前記第2の外部機
    器からのデータ要求が受信されると、該データ要求に応
    じた応答データを前記メモリから読み出し、該読み出し
    た応答データを前記第2の通信インタフェースに送信さ
    せる第2の応答制御手段と、 を1枚のカード内に備えた情報記憶カードにおいて、 前記メモリには、前記応答データを記憶するための記憶
    領域が、予め複数の領域に分けて設けられており、 更に、前記第1の応答制御手段が前記メモリから応答デ
    ータを読み出す際に、該第1の応答制御手段が応答デー
    タを読み出すことのできる前記メモリ内の記憶領域を、
    予め定められた特定の記憶領域だけに制限する読出制限
    手段を備えたこと、 を特徴とする情報記憶カード。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の情報記録カードにおい
    て、 当該カードは、前記第1及び第2の外部機器から夫々前
    記第1及び第2の通信インタフェースを介して作動電圧
    が供給されると共に、 前記第1の応答制御手段,前記第2の応答制御手段,及
    び前記読出制限手段の各動作は、前記第1の外部機器か
    ら前記第1の通信インタフェースを介して供給される第
    1の作動電圧と、前記第2の外部機器から前記第2の通
    信インタフェースを介して供給される第2の作動電圧
    と、の論理和電圧を受けて動作する1つのCPUの処理
    実行によって実現され、 更に、前記論理和電圧が前記CPUの動作可能な所定値
    以上になったときに、前記第2の作動電圧よりも前記第
    1の作動電圧の方が大きい場合には、前記CPUに前記
    第1の応答制御手段及び前記読出制限手段としての処理
    を実行させるための第1の指令信号を出力し、前記第1
    の作動電圧よりも前記第2の作動電圧の方が大きい場合
    には、前記CPUに前記第2の応答制御手段としての処
    理を実行させるための第2の指令信号を出力する指令信
    号出力手段を備え、 前記CPUは、前記第1の指令信号及び前記第2の指令
    信号に応じて処理を実行するように構成されているこ
    と、 を特徴とする情報記憶カード。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の情報記録カードにおい
    て、 当該カードは、前記第1及び第2の外部機器から夫々前
    記第1及び第2の通信インタフェースを介して作動電圧
    が供給されると共に、 前記第1の応答制御手段,前記第2の応答制御手段,及
    び前記読出制限手段の各動作は、前記第1の外部機器か
    ら前記第1の通信インタフェースを介して供給される第
    1の作動電圧と、前記第2の外部機器から前記第2の通
    信インタフェースを介して供給される第2の作動電圧
    と、の論理和電圧を受けて動作する1つのCPUの処理
    実行によって実現され、 更に、前記第1の作動電圧が所定の設定値以上になる
    と、前記CPUに前記第1の応答制御手段及び前記読出
    制限手段としての処理を実行させるための第1の指令信
    号を出力し、前記第2の作動電圧が所定の設定値以上に
    なると、前記CPUに前記第2の応答制御手段としての
    処理を実行させるための第2の指令信号を出力する指令
    信号出力手段を備え、 前記CPUは、前記第1の指令信号及び前記第2の指令
    信号に応じて処理を実行するように構成されているこ
    と、 を特徴とする情報記憶カード。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の情報記憶カードにおい
    て、 前記指令信号出力手段は、前記第1の作動電圧と前記第
    2の作動電圧とが共に前記設定値以上となった場合に
    は、前記第1の指令信号及び前記第2の指令信号の内、
    予め定められた何れか一方の指令信号を優先して出力す
    るように構成されていること、 を特徴とする情報記憶カード。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の情報記憶カードにおい
    て、 前記指令信号出力手段は、前記第1の作動電圧と前記第
    2の作動電圧とが共に前記設定値以上となった場合に
    は、前記第1の指令信号及び前記第2の指令信号の内、
    先に前記設定値以上となった作動電圧に対応する方を優
    先して出力するように構成されていること、 を特徴とする情報記憶カード。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の何れかに記載
    の情報記憶カードにおいて、 当該情報記憶カードの表面には、情報記録用の磁気スト
    ライプが設けられていること、 を特徴とする情報記録カード。
JP7165630A 1995-06-30 1995-06-30 情報記憶カード Pending JPH0916737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7165630A JPH0916737A (ja) 1995-06-30 1995-06-30 情報記憶カード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7165630A JPH0916737A (ja) 1995-06-30 1995-06-30 情報記憶カード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0916737A true JPH0916737A (ja) 1997-01-17

Family

ID=15816021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7165630A Pending JPH0916737A (ja) 1995-06-30 1995-06-30 情報記憶カード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0916737A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100390964B1 (ko) * 1999-07-30 2003-07-12 엔이씨 일렉트로닉스 코포레이션 데이터 처리 장치와 데이터 처리 장치의 동작 제어 방법
JP2005085269A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Samsung Electronics Co Ltd 同時に接触方式及び非接触方式動作を有するチップカード
KR100486938B1 (ko) * 2002-05-16 2005-05-03 한국전자통신연구원 콤비형 집적회로 카드
KR100596410B1 (ko) * 2004-11-04 2006-07-03 한국전자통신연구원 기능 확장용 에스디 메모리 카드
KR100694942B1 (ko) * 2004-09-02 2007-03-14 파워 디지털 카드 캄퍼니 리미티드 무선 전송 기능을 구비한 메모리 시스템
JP2007220142A (ja) * 2007-05-14 2007-08-30 Toshiba Corp 複合icカード及び複合icカード用icモジュール
KR100766606B1 (ko) * 2006-06-29 2007-10-12 주식회사 케이티프리텔 다중 서비스를 제공하는 스마트 카드 및 그 제공 방법
JP2009080850A (ja) * 2008-12-26 2009-04-16 Toshiba Corp 複合icカード
JP2009153195A (ja) * 2009-03-23 2009-07-09 Sony Corp 信号処理装置および信号処理方法、プログラム、並びに記録媒体
US7933573B2 (en) 2003-09-10 2011-04-26 Sony Corporation Signal processing apparatus and signal processing method, program, and recording medium
JP2018513585A (ja) * 2015-03-11 2018-05-24 イーエム・ミクロエレクトロニク−マリン・エス アー 機能の選択をプログラムし管理するためのコネクテッド端末のアセンブリー

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100390964B1 (ko) * 1999-07-30 2003-07-12 엔이씨 일렉트로닉스 코포레이션 데이터 처리 장치와 데이터 처리 장치의 동작 제어 방법
KR100486938B1 (ko) * 2002-05-16 2005-05-03 한국전자통신연구원 콤비형 집적회로 카드
JP2005085269A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Samsung Electronics Co Ltd 同時に接触方式及び非接触方式動作を有するチップカード
US7933573B2 (en) 2003-09-10 2011-04-26 Sony Corporation Signal processing apparatus and signal processing method, program, and recording medium
KR100694942B1 (ko) * 2004-09-02 2007-03-14 파워 디지털 카드 캄퍼니 리미티드 무선 전송 기능을 구비한 메모리 시스템
KR100596410B1 (ko) * 2004-11-04 2006-07-03 한국전자통신연구원 기능 확장용 에스디 메모리 카드
KR100766606B1 (ko) * 2006-06-29 2007-10-12 주식회사 케이티프리텔 다중 서비스를 제공하는 스마트 카드 및 그 제공 방법
JP2007220142A (ja) * 2007-05-14 2007-08-30 Toshiba Corp 複合icカード及び複合icカード用icモジュール
JP4550860B2 (ja) * 2007-05-14 2010-09-22 株式会社東芝 複合icカード及び複合icカード用icモジュール
JP2009080850A (ja) * 2008-12-26 2009-04-16 Toshiba Corp 複合icカード
JP2009153195A (ja) * 2009-03-23 2009-07-09 Sony Corp 信号処理装置および信号処理方法、プログラム、並びに記録媒体
JP2018513585A (ja) * 2015-03-11 2018-05-24 イーエム・ミクロエレクトロニク−マリン・エス アー 機能の選択をプログラムし管理するためのコネクテッド端末のアセンブリー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3617491B2 (ja) Icチップ及び情報処理端末
US7559468B2 (en) Reader/writer secure module access control method
JP5112700B2 (ja) 電子取引での個人を識別するためのシステム
US7128274B2 (en) Secure credit card with near field communications
RU2391705C2 (ru) Портативный носитель данных, внешнее устройство, система и способы для беспроводной передачи данных
CN102682255B (zh) 协调多个非接触式数据载体
US7624927B2 (en) Contactless card and a control method thereof
CN101599134A (zh) 接触/非接触型混合ic卡、通信方法、程序以及通信***
JP2000252854A (ja) 通信用応答器及びこれを用いた通信システム
US20040015704A1 (en) Smartchip biometric device
JPH0916737A (ja) 情報記憶カード
US20030088777A1 (en) Method and system for generating security access key value for radio frequency card
US9792473B2 (en) Card swiping method and device for determining mobile terminal for swiping card, utilizing intensity of ultrasonic signal
JP2000163524A (ja) 非接触型情報記憶媒体情報処理システム
WO2009020264A1 (en) Mobile terminal power up by external device
CN101727683A (zh) 公交ic卡身份识别认证***
JP2694168B2 (ja) Icカード
JP2724366B2 (ja) Icカード
JPH10312445A (ja) 近接・遠隔型非接触icカード
JP4417705B2 (ja) 携帯型情報記憶媒体、そのホルダ及び携帯型情報記憶媒体のプログラム
JP2023113565A (ja) 車両および車両の制御方法
JP2001312711A (ja) カード不正利用防止方法およびシステム
JP3701571B2 (ja) 集積回路、及びicカード
JP7420308B1 (ja) 電子情報記憶媒体、icチップ、icカード、検出間隔制御方法、及びプログラム
CN111881440B (zh) 权限管理方法和集成电路卡